JP4236914B2 - 定着装置、画像形成装置およびカラー画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、定着ベルトを有する定着装置、この定着装置を搭載した電子写真方式の画像形成装置およびカラー画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から地球環境の保全のために省資源及び省エネルギーの要求が高まっている。電子写真方式の画像形成分野においても省エネルギーのために消費電力を押さえる動きが活発化しており、特に電力消費の激しい定着の分野で低温度定着化が研究されている。現状では200℃〜150℃程度の定着温度が一般的であり、定着ユニットの室温からの立上り時間も1分〜5分程度かかっている。当面、前記定着温度を150℃未満、好ましくは100℃近辺で定着できることが、省エネルギー化および処理時間短縮のために望まれている。
【0003】
このような温度での定着を実現するためには当然、トナーの軟化点あるいは融点を100℃未満に下げざるを得ないが、一般に同一種の有機高分子物質は、融点を下げると溶融粘度の低下が避けられない。これは、樹脂の融点が分子量に依存していることに原因がある。すなわち、分子量が小さければ当然に分子鎖の絡み合いが緩くなり、相互作用が弱くなることによって溶融粘度が低下すると考えられる。従って、溶融温度が100℃近辺の低融点トナーを使って定着を行った場合、融点以降急激な粘度の低下が起こる。ここで、有効なゴム域幅が狭くなるために、転写紙上のトナーが定着加熱体側にオフセットしないようにすることが困難となる。
【0004】
そこで、この問題を改善するために定着ベルトを用い、転写紙上の溶融したトナーを定着ベルトに密着させたまま放熱させて固化した後に、転写紙を定着ベルトから分離させることが考えられる。
【0005】
しかしながら、加熱、放熱の工程を安定的に行うためには、所定期間、転写紙のトナー面を定着ベルトに密着させて加圧を続ける必要がある。このとき、長い加熱、放熱幅で加圧を行っていると定着ユニットの駆動トルクが上がってしまい、定着ユニットを駆動するのが難しくなるという問題がある。一方、加圧力を緩めると密着が弱まり、定着熱が伝わり難くなって定着不良が起き、あるいは搬送中の転写紙のブレなどで画像にブレが発生してしまうという問題がある。
【0006】
このような問題を解決するために、従来の定着装置は、定着ローラに掛け渡された無端ベルトの表面にフレッシュエアを供給するための冷却ファンを設け、フレッシュエアにより、溶融状態にあるトナーを転写紙上に凝縮させることで、オフセットを防止している(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
また、複数のローラに掛け渡された定着ベルトと、加熱手段と、転写紙の搬送路の先端、後端とその間に設けられた複数のガイドローラとを備え、転写紙を押えて画像面を定着ベルトに密着させて搬送するようにしているものもある(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
さらに、加熱ローラと定着ローラの間に掛け渡された定着ベルト(無端ベルト)と、下方より定着ベルトに圧接する加圧ローラとを備え、定着ローラと加熱ローラはこの加圧ローラに当接し、該当接部間でニップを形成するようにしているものもある(例えば、特許文献3参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開平5‐19646号公報(図1、図2)
【0010】
【特許文献2】
特開平10‐221982号公報(図1、図2)
【0011】
【特許文献3】
特開2000‐89593号公報(図1)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された従来の定着装置では、加熱加圧後の転写紙にフレッシュエアが放射されるために、転写紙上のトナーが冷却するまで定着ベルトに転写紙を密着させておくことが難しい。また、加圧ローラの圧力で定着ユニットの駆動トルクが上昇する点については、さらに改善の余地がある。
【0013】
また、特許文献2に開示された従来の定着装置では、ガイドローラ、加圧ローラ、押えローラによって転写紙を加圧しているために、転写紙が加圧されていない部分で転写紙の浮きや、画像ブレが発生し易い。また、ガイドローラ、加圧ローラ、押えローラの圧力で定着ユニットの駆動トルクが上昇する点については、さらに改善の余地がある。
【0014】
さらに、特許文献3に開示された従来の定着装置では、定着ローラおよび加熱ローラに掛け渡された定着ベルトに対する加圧ローラの圧力により、定着ユニットの駆動トルクが上昇する点については、さらに改善の余地がある。
【0015】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、ユニットトルクの増加を抑制しながら画像品質を向上させることが可能な定着装置、画像形成装置およびカラー画像形成装置を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本発明の定着装置は、トナー像が転写された転写体を担持して搬送する無端ベルトと、前記無端ベルトを駆動する駆動手段と、前記無端ベルトに対して前記転写体を静電的に吸着させる吸着手段と、前記吸着手段および前記駆動手段により、前記転写体が前記無端ベルトに吸着されながら搬送されるときに、前記転写体を加熱する加熱手段と、前記加熱手段により加熱された前記転写体から放熱させる放熱手段と、前記放熱手段により放熱された前記転写体を前記無端ベルトから分離する分離手段とを備え、前記吸着手段は、前記無端ベルトが前記転写体に接触する以前に、前記無端ベルトに対して交流電圧を印加する構成を有している。
【0017】
この構成により、無端ベルトなどの定着ベルトに対し、転写紙などの転写体を静電気力により吸着搬送しながらトナー像を加熱定着するので、定着ユニットの駆動トルクを大幅に低減できる。また、転写体が無端ベルトに吸着されて貼り付いている間に、加熱手段により加熱するので、安定して加熱することができる。さらに、吸着搬送中に加熱定着するので、例えば、加熱・加圧ローラにより短時間に高温・高圧で加熱する方法に比べ、加熱時間を長く設定できる。すなわち、低温度でもトナー全体に熱が伝わり、安定した定着が可能になる。したがって、例えば150℃未満の低融点トナーを用いることができる。また、加熱・放熱工程まで吸着状態を維持したまま搬送するので、画像のブレを防止して画像品質を向上させることとなる。
【0025】
さらに、無端ベルトが転写体に接触する前に、無端ベルトは交流電界により正負両極に周期的に帯電され、この帯電処理によりプラス電荷部からマイナス電荷部へ強い電界(後述する閉電界)を形成されるので、転写体が僅かな電荷しか保持していない場合でも紙厚、紙種に関わらず、安定した吸着搬送が可能になる。なお、無端ベルトが転写体に接触する前に帯電されるので、必要な加熱、放熱期間で無端ベルトと転写体とを静電的に吸着させることができ、定着ユニットの駆動トルクは大幅に低減される。また、吸着搬送中に長加熱ニップおよび長放熱ニップを実現できるので、低温度定着時に画像のブレを防止して良好な画像品質が得られる。
【0026】
請求項2に係る本発明の定着装置は、請求項1において、前記無端ベルトには、前記無端ベルトの表面を絶縁するための絶縁性部材を備えた構成を有している。
【0027】
この構成により、無端ベルトの表面が絶縁されているので、直流バイアス電圧または交流電圧の印加で帯電された電荷を保持できる。なお、上述したように、無端ベルトが転写体に接触する前に帯電されるので、必要な加熱、放熱期間で無端ベルトと転写体とを静電気力により吸着させることができ、定着ユニットの駆動トルクは大幅に低減される。また、吸着搬送中に長加熱ニップおよび長放熱ニップを実現できるので、低温度定着時に画像のブレを防止して良好な画像品質が得られる。
【0028】
請求項3に係る本発明の定着装置は、請求項1または2において、前記分離手段には、前記転写体および前記無端ベルトの帯電電荷を除去する除電手段を備えた構成を有している。
【0029】
この構成により、転写体と無端ベルトの分離時に転写体および無端ベルトを除電するので、静電的気力によって吸着している転写体を加熱、放熱した後に無端ベルトから、転写体の自重などにより容易に分離できる。したがって、分離爪などの機械的な分離機構を用いることなく、安定した吸着、搬送、分離が可能になる。なお、上述したように、無端ベルトが転写体に接触する前に帯電されるので、必要な加熱、放熱期間で無端ベルトと転写体とを静電的に吸着させることができ、定着ユニットの駆動トルクは大幅に低減される。また、吸着搬送中に長加熱ニップおよび長放熱ニップを実現できるので、低温度定着時に画像のブレを防止して良好な画像品質が得られる。
【0030】
請求項4に係る本発明の定着装置は、請求項3において、前記除電手段には、前記転写体の非吸着面に交流電圧を印加する除電チャージャを備えた構成を有している。
【0031】
この構成により、転写体と無端ベルトの分離時に、除電チャージャにより転写体の非吸着面より交流電圧を印加し、転写体および無端ベルトを除電するので、静電気力によって吸着している転写体を加熱、放熱した後に無端ベルトから、転写体の自重などにより容易に分離できる。したがって、分離爪などの機械的な分離機構を用いることなく、安定した吸着、搬送、分離が可能になる。なお、上述したように、無端ベルトが転写体に接触する前に帯電されるので、必要な加熱、放熱期間で無端ベルトと転写体とを静電的に吸着させることができ、定着ユニットの駆動トルクは大幅に低減される。また、吸着搬送中に長加熱ニップおよび長放熱ニップを実現できるので、低温度定着時に画像のブレを防止して良好な画像品質が得られる。
【0032】
請求項5に係る本発明の定着装置は、請求項3において、前記除電手段には、前記転写体の非吸着面に交流電圧を印加する除電ブラシを備えた構成を有している。
【0033】
この構成により、転写体と無端ベルトの分離時に、除電ブラシにより転写体の非吸着面より交流電圧を印加し、転写体および無端ベルトを除電するので、静電的に吸着している転写体を加熱、放熱した後に無端ベルトから、転写体の自重などにより容易に分離できる。したがって、分離爪などの機械的な分離機構を用いることなく、安定した吸着、搬送、分離が可能になる。なお、上述したように、無端ベルトが転写体に接触する前に帯電されるので、必要な加熱、放熱期間で無端ベルトと転写体とを静電的に吸着させることができ、定着ユニットの駆動トルクは大幅に低減される。また、吸着搬送中に長加熱ニップおよび長放熱ニップを実現できるので、低温度定着時に画像のブレを防止して良好な画像品質が得られる。
【0034】
請求項6に係る本発明の定着装置は、請求項1乃至5のいずれかにおいて、前記無端ベルトは、ヒータ内蔵の第1のローラと、第1のローラと所定の間隔で配置された第2のローラとに掛け渡され、前記加熱手段および前記放熱手段には、前記無端ベルト、第1のローラおよび第2のローラが含まれる構成を有している。
【0035】
この構成により、無端ベルト上の一端側(第1のローラ側)で加熱処理を行い、次いで、無端ベルト上の中央部(吸着搬送部)で融着および放熱処理を行い、さらに無端ベルト上の他端側(第2のローラ側)で分離処理を行うので、従来よりもローラ部品を増やさず、上述したように安定した吸着、搬送、分離動作が可能である。なお、上述したように、無端ベルトが転写体に接触する前に帯電されるので、必要な加熱、放熱期間で無端ベルトと転写体とを静電的に吸着させることができ、定着ユニットの駆動トルクは大幅に低減される。また、吸着搬送中に長加熱ニップおよび長放熱ニップを実現できるので、低温度定着時に画像のブレを防止して良好な画像品質が得られる。
【0036】
請求項7に係る本発明の定着装置は、請求項1乃至6のいずれかにおいて、前記トナー像を形成するトナーの融点が、80℃以上150℃未満である構成を有している。
【0037】
この構成により、上述したように吸着搬送中に長加熱ニップおよび長放熱ニップを実現しているので、低融点トナー(低温度定着トナーを含む)を用いることにより、消費電力を抑えて省エネルギー化を促進できる。
【0038】
請求項8に係る本発明の画像形成装置は、トナー像を形成するための感光体と、前記感光体にトナー像を形成するトナー像形成手段と、前記感光体に形成されたトナー像を転写体に転写する転写手段と、請求項1乃至7のいずれかに記載の定着装置からなる定着手段とを備えた構成を有している。
【0039】
この構成により、上述した作用効果を有する定着手段を備えているので、定着ユニットの駆動トルクの増加を抑制しながら画像品質を向上させることができる。
【0040】
請求項9に係る本発明のカラー画像形成装置は、異なる色のトナーにより、各色のトナー像を形成するための複数の感光体と、前記複数の感光体のそれぞれに各色のトナー像を形成するトナー像形成手段と、前記複数の感光体に形成された各色のトナー像を重ねて転写体に転写するとき、前記転写体の転写面から融点の低い順にトナー像を重ねて転写する転写手段と、請求項1乃至7のいずれかに記載の定着装置からなる定着手段とを備えた構成を有している。
【0041】
この構成により、上述した作用効果を有する定着手段を備えているので、定着ユニットの駆動トルクの増加を抑制しながらカラー画像品質を向上させることができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面を用いて説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、複写機、ファクシミリ装置、プリンタ、あるいは複写/ファクシミリ/プリント機能を有する複合機などの画像読取装置または画像形成装置の広範囲な応用を含むものである。また、本発明の実施の一形態に示すトナーは、融点が80℃以上150℃未満の低融点トナー(定着下限温度が85℃程度の低温度定着トナーを含む)、および融点が150℃以上の通常トナーであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、融点が80℃未満のトナーに対する応用を含むものである。
【0043】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電子写真方式の画像形成装置の全体構成を示し、図2は、前記画像形成装置に具備された定着ユニット(定着装置、定着手段に含まれる)を示す。
【0044】
画像形成装置100において、感光体ドラム1(感光体に含まれる)は、セレン光導電体などで構成され、作像のための静電潜像および静電潜像を顕像化したトナー像を形成するものである。帯電チャージャ2は、露光部(ここでは、半導体レーザ発光ユニット)3による露光前に、感光体ドラム1の表面電位を均一に低下させるために、感光体ドラム1に対してコロナ放電するものである。半導体レーザ発光ユニット3(トナー像形成手段に含まれる)は、レーザ光により画像データに応じて感光体ドラム1の表面を露光し、静電潜像を形成するものである。現像部4(トナー像形成手段に含まれる)では、摩擦帯電部4aにより摩擦帯電させたトナーにより感光体ドラム1上の静電潜像を現像するものである。給紙部5は、感光体ドラム1と転写部6のニップ位置へ所定の転写紙を給送するものである。転写部6(転写手段に含まれる)は、転写ベルト駆動ローラを含む複数のローラに巻き掛けられた無端ベルトからなる導電性転写ベルト6aと、この導電性転写ベルト6aの内周側に設けられた転写電極6bとを備え、給紙部5より搬送されてきた転写紙を導電性転写ベルト6aで担持し、前記転写紙の背面(非吸着面)から転写電極6bによってコロナ放電することにより、感光体ドラム1表面に形成されたトナー像を前記転写紙に転写するものである。また、導電性転写ベルト6aは、樹脂製の単層からなるもの、被覆層および芯体層の2層構成のもの(特開平10‐198182号公報参照)、被覆層、弾性層および芯体層の3層構成のもの(特開2001‐312159号公報参照)などが適宜選択されて用いられている。クリーニング部7は、静電潜像またはトナー像に適合した画像枠を作るために、イレースランプによる光除電、チャージワイヤによるコロナ放電などにより感光体ドラム1表面を除電するものである。定着ユニット8は、トナー定着後の転写紙を静電気力によって吸着しながら加熱することでトナーを前記転写紙に融着し、さらに放熱して定着させるものである。
【0045】
次に、図2を参照しながら、定着ユニット8の具体的な構成を説明する。
定着ユニット8において、用紙ガイド17は、転写部6から搬送されてきたトナー像転写済みの転写紙16(転写体に含まれる)を定着ベルト13(無端ベルトに含まれる)へ案内するものである。帯電チャージャ15(吸着手段に含まれる)は、定着ユニット8の入口側(分離ローラ12に対向する加熱ローラ11側)に配設され、定着動作時(転写紙が定着ベルト13に達する以前)に、定着ベルト13に対してコロナ放電し、定着ベルト13表面を所定の極性および電位に帯電させるものである。ここでは、定着ベルト13表面に、「−500V〜−1000V」の電位を持たせるように帯電させる。加熱ローラ11(加熱手段、第1のローラに含まれる)には、ヒータ14が内蔵されており、加熱ローラ11は、ヒータ14の熱を伝導して定着ベルト13を所定の温度まで加熱するようになっている。また、加熱ローラ11の芯金はアースされている。定着ベルト13は、加熱ローラ11と分離ローラ12(第2のローラに含まれる)とに掛け渡された無端ベルトである。ここでは、定着ベルト13として絶縁性ポリイミドフィルム(絶縁性部材に含まれる)を用いている。あるいは、定着ベルト13の表層を絶縁性ポリイミドからなる絶縁性部材により構成して静電荷を保持すると共に、定着ベルト13の裏面に導電層を形成してアースに落とすか、または定着ベルト13の裏面に電極を設けてアースに落としてもよい。こうすることで、所定の帯電電位を持ちながら転写紙16を吸着、搬送できることとなる。このように定着ベルト13を用いるのは、ヒータ内蔵の定着ローラと比べて必要熱容量が小さくなり、定着立上り時間を低減することが期待できるためでもある。例えば、従来の定着ローラの芯金肉厚は鉄製で0.3mm程度であるのに対し、定着ベルト13の厚みは0.1mm程度(ここでは、80μmとしている)である。なお、定着立上り時間とは、「(通電されてから定着可能となるまでの時間)−(定着ベルト13の定着可能設定温度までの昇温に要する時間)」のことである。除電チャージャ18(分離手段、除電手段に含まれる)は、定着後の転写紙16背面に対してコロナ放電により交流電圧を印加し、定着ベルト13表面のマイナス電荷および転写紙16表面のプラス電荷を除電するものである。排紙トレイ19は、定着ユニット8により定着および分離された転写紙16を排紙するためのものである。
【0046】
次に、図3を用い、定着温度とトナー種類(トナー軟化点温度)との関係を説明する。
図3において、縦軸は定着温度(例えば、定着ベルト13の表面温度を示す)、横軸はトナー種類(トナー軟化点温度が低いものから高いものの順)を示す。「定着下限温度」は定着できる下限温度、「定着巻付き温度」は定着時に定着部材(例えば、定着ベルト13)に転写紙16が巻き付く現象を起こす上限温度、「定着上限温度」は定着時にホットオフセット現象を起こさない上限温度を示す。また、定着温度幅(実用的な現状の定着可能温度範囲)をb、dで示す。定着温度幅は、広いほど紙種や機械設置環境温度(転写紙の保管温度)に対して安定した定着が可能となる。通常、定着温度幅は50degから70degまでを確保している。また、定着上限温度と定着巻付き温度との差a、cは使用するトナー、定着ローラ、ベルト材料、定着方式などで異なるが通常、20degから40degまである。
【0047】
ここで、転写紙16の巻き付きを防止できれば、上述の定着温度幅は各(b+a)、(c+d)となり、大幅に拡大する。定着ユニット8の省電力化のためには、トナーが低い温度で定着できることが望ましく、例えば、80℃〜150℃程度で溶融可能な低融点トナー実現のためには、トナー樹脂材料の選択、トナー分子量分布の最適化などが必要である。こうして実現された低融点トナー(図3のBに示す)は、従来トナー(図3のAに示す)に比較して、定着下限温度、定着巻付き温度、定着上限温度は低くなったが、定着温度幅は狭くなっている。
【0048】
これに対し、本実施形態では、未定着の転写紙を定着ベルト13に静電吸着した状態で定着工程(加熱、放熱工程を含む)を実行し、その後、定着ベルト13から定着後の転写紙を除電分離するので、定着ベルト13に転写紙が巻き付くことはない。従って、上述した定着温度幅が大幅に拡大される。また、本実施形態によれば、定着ベルト13とこれに圧接する加圧ローラとを備えた定着ユニットに比べ、未定着の転写紙が定着ニップへ進入するときの進入位置や進入角度のばらつきにより発生するトナー飛び、皺、画像ボケ、滲みといった異常画像の発生を防止できる。また、本実施形態では、定着後の転写紙を除電することで定着ベルト13から分離するので、搬送ジャム、画像擦れなどの異常画像の発生を防止できる。さらに、転写紙16を吸着状態で搬送するので、垂直方向などの搬送方向に拘らず、安定した搬送品質を実現でき、画像形成装置の構成やサイズに柔軟に対応できる。
【0049】
このように上述した定着温度幅が大幅に拡大されたために、本実施形態では、軟化点は80℃であって、定着下限温度は85℃である低温度定着トナー(低融点トナーに含まれる)を用いることが可能となっている。前記低温度定着トナーには、環化イソプレン(70wt%)、カルナウバワックス(30wt%)、カーボンブラック(10重量部)、マイナス帯電性の荷電制御剤(1重量部)が含有されている。
【0050】
次に、上述した低融点トナーを用いたときの転写・定着動作を説明する。
まず、感光体ドラム1の表面を帯電チャージャ2により均一に帯電させ、画像データに応じて半導体レーザ発光ユニット3からレーザ光を照射し、感光体ドラム1の表面を露光して静電潜像を形成する。次いで、現像部4では、摩擦帯電部4aによりマイナスに摩擦帯電させたトナーによって感光体ドラム1上の静電潜像を現像する。一方、所定のタイミングで給紙部5より転写紙が導電性転写ベルト6aと感光体ドラム1のニップ部へ搬送されてくる。さらに、前記転写紙に対し、導電性転写ベルト6a上で感光体ドラム1よりトナーが転写される(転写工程)。ここでは、マイナス帯電の低融点トナーが用いられているために、転写電極6bよりプラスの電流が導電性転写ベルト6aを通して転写紙の背面に印加され、この転写紙はプラス極性に帯電された状態で定着ユニット8へ搬送される。
【0051】
最後に、定着ユニット8により上述したように転写紙上のトナーが融着され、さらに放熱されて定着された後、排紙されることとなる(定着工程)。すなわち、所定のタイミングでヒータ14を導通状態とし、加熱ローラ11の制御温度を例えば、105℃程度に設定して定着ベルト13を加熱し、定着ベルト13による搬送速度を例えば、200mm/secに設定する。次いで、帯電チャージャ15に所定のマイナス電圧を印加することによってマイナスのコロナ放電を生じさせ、定着ベルト13表面をマイナス帯電させる。ここで、加熱ローラ11はアースされており、定着ベルト13表面には、「−500V〜−1000V」の電位を持たせるようにマイナス帯電させる。一方、転写部6より搬送されてきた転写後の転写紙16は、用紙ガイド17に沿って定着ベルト13に接触する。この転写紙16は、転写工程でプラスの電流を受け、プラス帯電していることから、上述したようにマイナス帯電されている定着ベルト13表面に吸着することとなる。また、上述したように加熱ローラ11のヒータ14は導通状態にあり、定着ベルト13表面が加熱されていることから、転写紙16上のトナー像は定着ベルト13表面に接触して加熱され、溶融状態になる。次いで、転写紙16が吸着搬送部20(定着ベルト13に含まれる)によって搬送されている間に、転写紙16の表面温度は放熱によって80℃程度に低下し、この放熱によって転写紙16上の溶融トナーは凝固することになる。こうして溶融トナー(低融点トナー)は、吸着搬送中に凝固するので、低融点トナーが定着後の分離時に定着ベルト13へオフセットすることはなくなる。次いで、定着ベルト13の分離ローラ12側において、除電チャージャ18(分離手段に含まれる)により、吸着搬送中の転写紙16の背面から交流電圧を印加する。こうして交流電圧を印加することにより、定着ベルト13上のマイナス電荷および転写紙16のプラス電荷が除電されることになる。したがって、定着ベルト13の転写紙16に対する吸着作用は解除され、転写紙16の排紙方向先端部は、自重および分離ローラ12の曲率によって定着ベルト13から離反して排紙トレイ19上に落下することになる。こうして、転写紙16は安定的に定着ベルト13から分離されて排紙される。
【0052】
本実施形態の構成により、加熱ローラ11の制御温度を105℃に設定し、200mm/secのスピードで搬送させたところ、105℃という低温度での定着が可能であった。勿論、ユニットトルクはスムーズな吸着搬送を可能とする程度に低く抑えられ、ブレのない良好な画像が得られた。
【0053】
以上のように、本発明の第1の実施形態に係る定着ユニット8は、トナー像が転写された転写紙16(転写体に含まれる)を担持して搬送する定着ベルト13(無端ベルトに含まれる)と、定着ベルト13を駆動する加熱ローラ11または分離ローラ12(駆動手段に含まれる)と、定着ベルト13に対して転写紙16を静電的に吸着させる帯電チャージャ15(吸着手段に含まれる)と、帯電チャージャ15および加熱ローラ11により、転写紙16が定着ベルト13に吸着されながら搬送されるときに、転写紙16を加熱する加熱ローラ11(加熱手段に含まれる)と、加熱ローラ11により加熱された転写紙16から放熱させる吸着搬送部20(放熱手段に含まれる)と、吸着搬送部20により放熱された転写紙16を定着ベルト13から分離する除電チャージャ18(分離手段に含まれる)とを備えているので、無端状の定着ベルト13の表面に転写紙16に転写されているトナー像を密着させて加熱し、引き続き密着状態を維持して搬送しながら放熱させた後に定着ベルト13から、トナー面を有する転写紙16を分離することができる。ここで、定着ベルト13からの分離時にトナー像は凝固しているために、低融点トナーを用いても定着ベルト13側にオフセットすることが防止され、低温度定着が容易になる。このように、低融点トナーを用いることで省エネルギー化を実現できる。なお、転写電圧によって転写紙16に帯電した電荷を利用し、静電気力による吸着搬送を実現するので、吸着搬送用の印加電圧についても省エネルギー化を実現できることとなる。また、転写紙16を定着ベルト13に吸着させて搬送する間に充分な加熱時間が得られるために、加圧ローラを定着ベルト13に圧接する構成を要せず、定着ユニットの駆動トルクが上昇するのを回避できると共に、ローラ部品の点数を減らして構成を簡素化できる。なお、加圧ローラを定着ベルト13に圧接する構成に本発明を適用した場合には、加圧ローラの圧力を適宜減じることにより、定着ユニットの駆動トルクの上昇を回避できる。
【0054】
なお、上述した実施形態ではトナーとして低融点トナー(ここでは、定着温度が80℃以上150℃未満のものを示す)を用いた場合について説明したが、本発明は低融点トナーのほかに、低融点トナーよりも定着温度の高い通常トナー(例えば、定着温度が150℃以上のもの)を用いても同様の効果が得られるものである。さらに、定着および放熱の効果を高めるために、通常トナーを用いた場合と低融点トナーを用いた場合とで搬送速度を変更するようにしてもよい。
【0055】
また、上述した実施形態では吸着手段として帯電チャージャ15を用い、分離手段または除電手段として除電チャージャ18を用いた場合について説明したが、本発明はこのほかに、後述する第2〜第6の実施形態に示す帯電ローラ31、帯電ブラシ41、帯電チャージャ15(帯電方法)、除電ブラシ51などのいずれかを用いても、あるいは組み合せても同様の効果が得られるものである。
【0056】
また、上述した実施形態では加熱ローラ11に駆動モータの駆動を伝達し、定着ベルト13を回動させる場合について説明したが、本発明はこのほかに、分離ローラ12に駆動モータの駆動を伝達し、定着ベルト13を回動させても同様の効果が得られるものである。
【0057】
[第2の実施形態]
図4は、本発明の第2の実施形態に係る定着ユニットを示す。なお、本実施形態に係る画像形成装置は、定着ユニット88(定着装置、定着手段に含まれる)を除き、第1の実施形態と概ね同様の構成を有しているため、図1を用いると共に同一構成には同一符号を付与して説明を省略する。
【0058】
図4において、帯電ローラ31は、カーボン分散により半導電処理が施されたウレタンゴムローラであって、定着動作時(転写紙が定着ベルト13に達する以前)に、帯電ローラ31(吸着手段に含まれる)の軸部分32に所定のマイナス電圧を印加することにより、定着ベルト13表面をマイナス帯電させるものである。
【0059】
本実施形態においても、低融点トナー(第1の実施形態に示す)を用いて画像形成(転写・定着動作を含む)を行うものとする。ここでは、感光体ドラム1の表面を帯電チャージャ2により均一に帯電させ、画像データに応じて半導体レーザ発光ユニット3からレーザ光を照射し、感光体ドラム1の表面を露光して静電潜像を形成する。次いで、現像部4では摩擦帯電部4aによりマイナスに摩擦帯電させたトナーにより感光体ドラム上の静電潜像を現像する。一方、所定のタイミングで給紙部5より転写紙が導電性転写ベルト6aと感光体ドラム1のニップ部へ搬送されてくる。さらに、前記転写紙に対し、導電性転写ベルト6a上で感光体ドラム1よりトナーが転写される(転写工程)。ここでは、マイナス帯電の低融点トナーが用いられているために、転写電極6bよりプラスの電流が導電性転写ベルト6aを通して転写紙の背面に印加され、この転写紙はプラス極性に帯電された状態で定着ユニット8へ搬送される。最後に、定着ユニット8により上述したように転写紙上のトナーが融着され、さらに放熱されて定着された後、排紙されることとなる(定着工程)。
【0060】
この定着工程では、所定のタイミングでヒータ14を導通状態とし、加熱ローラ11の制御温度を例えば、105℃程度に設定して定着ベルト13を加熱し、定着ベルト13による搬送速度を例えば、200mm/secに設定する。次いで、帯電ローラ31の軸部分32に「−2KV〜−3KV」のバイアス電圧を印加し、定着ベルト13表面をマイナス帯電させる。ここで、加熱ローラ11はアースされており、定着ベルト13表面には、「−500V〜−1000V」の電位を持たせるようにマイナス帯電させる。一方、転写部6より搬送されてきた転写後の転写紙16は、用紙ガイド17に沿って定着ベルト13に接触する。この転写紙16は、転写工程でプラスの電流を受け、プラス帯電していることから、上述したようにマイナス帯電されている定着ベルト13表面に静電気力で吸着することとなる。また、上述したように加熱ローラ11のヒータ14は導通状態にあり、定着ベルト13表面が加熱されていることから、転写紙16上のトナー像は定着ベルト13表面に接触して加熱され、溶融状態になる。次いで、転写紙16が吸着搬送部20(定着ベルト13に含まれる)によって搬送されている間に、転写紙16の表面温度は放熱によって80℃程度に低下し、この放熱によって転写紙16上の溶融トナーは凝固することになる。こうして溶融トナー(低融点トナー)は、吸着搬送中に凝固するので、低融点トナーが定着後の分離時に定着ベルト13へオフセットすることはなくなる。次いで、定着ベルト13の分離ローラ12側において、除電チャージャ18(分離手段に含まれる)により、吸着搬送中の転写紙16の背面から交流電圧を印加する。こうして交流電圧を印加することにより、定着ベルト13上のマイナス電荷および転写紙16のプラス電荷が除電されることになる。したがって、定着ベルト13の転写紙16に対する吸着作用は解除され、転写紙16の排紙方向先端部は、自重および分離ローラ12の曲率によって定着ベルト13から離反して排紙トレイ19上に落下することになる。こうして、転写紙16は安定的に定着ベルト13から分離されて排紙される。
【0061】
本実施形態の構成により、加熱ローラ11の制御温度を105℃に設定し、200mm/secのスピードで搬送させたところ、105℃という低温度での定着が可能であった。勿論、ユニットトルクはスムーズな吸着搬送を可能とする程度に低く抑えられ、ブレのない良好な画像が得られた。
【0062】
以上のように、本発明の第2の実施形態に係る定着ユニット88は、定着ベルト13が転写紙16に接触する以前に、転写紙16に予め印加されたプラス電圧(転写電圧に含まれる)とは逆極性のマイナス電圧(バイアス電圧に含まれる)を定着ベルト13に対して印加する帯電ローラ31(吸着手段に含まれる)を備えているので、第1の実施形態の効果に加え、帯電ローラ31を用いた接触帯電方式によってオゾンの発生を微小に抑えることができ、オゾンフィルタなどの設備が不要になるという効果も得られる。
【0063】
なお、上述した実施形態ではトナーとして低融点トナー(ここでは、定着温度が80℃以上150℃未満のものを示す)を用いた場合について説明したが、本発明は低融点トナーのほかに、低融点トナーよりも定着温度の高い通常トナー(例えば、定着温度が150℃以上のもの)を用いても同様の効果が得られるものである。さらに、定着および放熱の効果を高めるために、通常トナーを用いた場合と低融点トナーを用いた場合とで搬送速度を変更するようにしてもよい。
【0064】
また、上述した実施形態では吸着手段として帯電ローラ31を用い、分離手段または除電手段として除電チャージャ18を用いた場合について説明したが、本発明はこのほかに、第1の実施形態に示した帯電チャージャ15、後述する第3の実施形態に示す帯電ブラシ41、第4の実施形態に示す帯電方法、第5の実施形態に示す除電ブラシ51などのいずれかを用いても、あるいは組み合せても同様の効果が得られるものである。
【0065】
また、上述した実施形態では加熱ローラ11に駆動モータの駆動を伝達し、定着ベルト13を回動させる場合について説明したが、本発明はこのほかに、分離ローラ12に駆動モータの駆動を伝達し、定着ベルト13を回動させても同様の効果が得られるものである。
【0066】
[第3の実施形態]
図5は、本発明の第3の実施形態に係る定着ユニットを示す。なお、本実施形態に係る画像形成装置は、定着ユニット188(定着装置、定着手段に含まれる)を除き、第1の実施形態と概ね同様の構成を有しているため、図1を用いると共に同一構成には同一符号を付与して説明を省略する。
【0067】
図5において、帯電ブラシ41(吸着手段に含まれる)は、カーボン分散により半導電処理が施されたナイロン繊維を有し、このナイロン繊維が定着ベルト13表面に接触するようになっている。定着動作時(転写紙が定着ベルト13に達する以前)に、帯電ブラシ41の軸部分に所定のマイナス電圧を印加することにより、定着ベルト13表面をマイナス帯電させるようにしている。
【0068】
本実施形態においても、低融点トナー(第1の実施形態に示す)を用いて画像形成(転写・定着動作を含む)を行うものとする。ここでは、感光体ドラム1の表面を帯電チャージャ2により均一に帯電させ、画像データに応じて半導体レーザ発光ユニット3からレーザ光を照射し、感光体ドラム1の表面を露光して静電潜像を形成する。次いで、現像部4では摩擦帯電部4aによりマイナスに摩擦帯電させたトナーにより感光体ドラム1上の静電潜像を現像する。一方、所定のタイミングで給紙部5より、転写紙が導電性転写ベルト6aと感光体ドラム1のニップ部へ搬送されてくる。さらに、前記転写紙に対し、導電性転写ベルト6a上で感光体ドラム1よりトナーが転写される(転写工程)。ここでは、マイナス帯電の低融点トナーが用いられているために、転写電極6bよりプラスの電流が導電性転写ベルト6aを通して転写紙の背面に印加され、この転写紙はプラス極性に帯電された状態で定着ユニット8へ搬送される。最後に、定着ユニット8により上述したように転写紙上のトナーが融着され、さらに放熱されて定着された後、排紙されることとなる(定着工程)。
【0069】
この定着工程では、所定のタイミングでヒータ14を導通状態とし、加熱ローラ11の制御温度を例えば、105℃程度に設定して定着ベルト13を加熱し、定着ベルト13による搬送速度を例えば、200mm/secに設定する。次いで、帯電ブラシ41の軸部分に「−2KV〜−3KV」のバイアス電圧を印加することにより、定着ベルト13表面をマイナス帯電させる。ここで、加熱ローラ11はアースされており、定着ベルト13表面には、「−500V〜−1000V」の電位を持たせるようにマイナス帯電させる。一方、転写部6より搬送されてきた転写後の転写紙16は、用紙ガイド17に沿って定着ベルト13に接触する。この転写紙16は、転写工程でプラスの電流を受け、プラス帯電していることから、上述したようにマイナス帯電されている定着ベルト13表面に静電気力で吸着することとなる。また、上述したように加熱ローラ11のヒータ14は導通状態にあり、定着ベルト13表面が加熱されていることから、転写紙16上のトナー像は定着ベルト13表面に接触して加熱され、溶融状態になる。次いで、転写紙16が吸着搬送部20(定着ベルト13に含まれる)によって搬送されている間に、転写紙16の表面温度は放熱によって80℃程度に低下し、この放熱によって転写紙16上の溶融トナーは凝固することになる。こうして溶融トナー(低融点トナー)は、吸着搬送中に凝固するので、低融点トナーが定着後の分離時に定着ベルト13へオフセットすることはなくなる。次いで、定着ベルト13の分離ローラ12側において、除電チャージャ18(分離手段に含まれる)により、吸着搬送中の転写紙16の背面から交流電圧を印加する。こうして交流電圧を印加することにより、定着ベルト13上のマイナス電荷および転写紙16のプラス電荷が除電されることになる。したがって、定着ベルト13の転写紙16に対する吸着作用は解除され、転写紙16の排紙方向先端部は、自重および分離ローラ12の曲率によって定着ベルト13から離反して排紙トレイ19上に落下することになる。こうして、転写紙16は安定的に定着ベルト13から分離されて排紙される。
【0070】
本実施形態の構成により、加熱ローラ11の制御温度を105℃に設定し、200mm/secのスピードで搬送させたところ、105℃という低温度での定着が可能であった。勿論、ユニットトルクはスムーズな吸着搬送を可能とする程度に低く抑えられ、ブレのない良好な画像が得られた。
【0071】
以上のように、本発明の第3の実施形態に係る定着ユニット188は、定着ベルト13が転写紙16に接触する以前に、転写紙16に予め印加されたプラス電圧(転写電圧に含まれる)とは逆極性のマイナス電圧(バイアス電圧に含まれる)を定着ベルト13に対して印加する帯電ブラシ41(吸着手段に含まれる)を備えているので、第1の実施形態の効果に加え、帯電ブラシ41を用いた接触帯電方式によってオゾンの発生を微小に抑えることができ、オゾンフィルタなどの設備が不要になるという効果も得られる。
【0072】
なお、上述した実施形態ではトナーとして低融点トナー(ここでは、定着温度が80℃以上150℃未満のものを示す)を用いた場合について説明したが、本発明は低融点トナーのほかに、低融点トナーよりも定着温度の高い通常トナー(例えば、定着温度が150℃以上のもの)を用いても同様の効果が得られるものである。さらに、定着および放熱の効果を高めるために、通常トナーを用いた場合と低融点トナーを用いた場合とで搬送速度を変更するようにしてもよい。
【0073】
また、上述した実施形態では吸着手段として帯電ブラシ41を用い、分離手段または除電手段として除電チャージャ18を用いた場合について説明したが、本発明はこのほかに、第1、第2の実施形態に示した帯電チャージャ15、帯電ローラ31、後述する第4の実施形態に示す帯電方法、第5の実施形態に示す除電ブラシ51などのいずれかを用いても、あるいは組み合せても同様の効果が得られるものである。
【0074】
また、上述した実施形態では加熱ローラ11に駆動モータの駆動を伝達し、定着ベルト13を回動させる場合について説明したが、本発明はこのほかに、分離ローラ12に駆動モータの駆動を伝達し、定着ベルト13を回動させても同様の効果が得られるものである。
【0075】
[第4の実施形態]
図6は、本発明の第4の実施形態に係る定着ユニットを示す。なお、本実施形態に係る画像形成装置は、定着ユニット8における帯電チャージャ15の帯電方法を除き、第1の実施形態と概ね同様の構成を有しているため、図1、図2を用いると共に同一構成には同一符号を付与して説明を省略する。
【0076】
図6において、定着ユニット8の帯電チャージャ15(吸着手段に含まれる)は、定着動作時(転写紙が定着ベルト13に達する以前)に周波数200Hzの交流電圧を印加することにより、定着ベルト13に対してコロナ放電し、定着ベルト13表面にプラス帯電部分とマイナス帯電部分とを交互に連続して生じさせるものである。ここでは、プラス帯電部分とマイナス帯電部分とが局所的に発生して終端した状態を閉電界61として示している。
【0077】
本実施形態においても、低融点トナー(第1の実施形態に示す)を用いて画像形成(転写・定着動作を含む)を行うものとする。ここでは、感光体ドラム1の表面を帯電チャージャ2により均一に帯電させ、画像データに応じて半導体レーザ発光ユニット3からレーザ光を照射し、感光体ドラム1の表面を露光して静電潜像を形成する。次いで、現像部4では摩擦帯電部4aによりマイナスに摩擦帯電させたトナーにより感光体ドラム1上の静電潜像を現像する。一方、所定のタイミングで給紙部5より転写紙が導電性転写ベルト6aと感光体ドラム1のニップ部へ搬送されてくる。さらに、前記転写紙に対し、導電性転写ベルト6a上で感光体ドラム1よりトナーが転写される(転写工程)。ここでは、マイナス帯電の低融点トナーが用いられているために、転写電極6bよりプラスの電流が導電性転写ベルト6aを通して転写紙の背面に印加され、この転写紙はプラス極性に帯電された状態で定着ユニット8へ搬送される。最後に、定着ユニット8により上述したように転写紙上のトナーが融着され、さらに放熱されて定着された後、排紙されることとなる(定着工程)。
【0078】
この定着工程では、所定のタイミングでヒータ14を導通状態とし、加熱ローラ11の制御温度を例えば、105℃程度に設定して定着ベルト13を加熱し、定着ベルト13による搬送速度を例えば、200mm/secに設定する。次いで、帯電チャージャ15に周波数200Hzの交流電圧を印加する。この交流電圧の印加により、定着ベルト13表面にはプラス帯電部分とマイナス帯電部分が交互に生じるが、ここでは、定着ベルト13が線速度200mm/secで移動しているために、上述した閉電界(マイクロフィールド)61が1mmピッチで形成されることになる。この閉電界61は、プラス電荷部からマイナス電荷部へ強い電界を形成しており、転写紙16に保持された電荷が僅かでも、紙厚、紙種に関わらず、安定した吸着搬送が可能である。一方、転写部6より搬送されてきた転写後の転写紙16は、用紙ガイド17に沿って定着ベルト13に接触する。この転写紙16は、転写工程でプラスの電流を受け、プラス帯電していることから、上述したように閉電界61が形成されている定着ベルト13表面に吸着することとなる。また、上述したように加熱ローラ11のヒータ14は導通状態にあり、定着ベルト13表面が加熱されていることから、転写紙16上のトナー像は定着ベルト13表面に接触して加熱され、溶融状態になる。次いで、転写紙16が吸着搬送部20(定着ベルト13に含まれる)によって搬送されている間に、転写紙16の表面温度は放熱によって80℃程度に低下し、この放熱によって転写紙16上の溶融トナーは凝固することになる。こうして溶融トナー(低融点トナー)は、吸着搬送中に凝固するので、低融点トナーが定着後の分離時に定着ベルト13へオフセットすることはなくなる。次いで、定着ベルト13の分離ローラ12側において、除電チャージャ18(分離手段に含まれる)により、吸着搬送中の転写紙16の背面から交流電圧を印加する。こうして交流電圧を印加することにより、定着ベルト13上のプラス電荷、マイナス電荷および転写紙16のプラス電荷が除電されることになる。したがって、定着ベルト13の転写紙16に対する吸着作用は解除され、転写紙16の排紙方向先端部は、自重および分離ローラ12の曲率によって定着ベルト13から離反して排紙トレイ19上に落下することになる。こうして、転写紙16は安定的に定着ベルト13から分離されて排紙される。
【0079】
本実施形態の構成により、加熱ローラ11の制御温度を105℃に設定し、200mm/secのスピードで搬送すると共に、帯電チャージャ15により周波数200Hzの交流電圧を印加したところ、105℃という低温度での定着が可能であった。勿論、ユニットトルクはスムーズな吸着搬送を可能とする程度に低く抑えられ、ブレのない良好な画像が得られた。
【0080】
以上のように、本発明の第4の実施形態に係る定着装置8は、定着ベルト13が転写紙16に接触する以前に、定着ベルト13に対して周波数200Hzの交流電圧(交流電圧に含まれる)を印加する帯電チャージャ15(吸着手段に含まれる)を備えているので、第1の実施形態による効果に加え、上述した閉電界61の静電気力に起因する吸着力により、ハガキなどの厚紙も通常の紙と同様に安定して吸着、搬送することができるという効果も得られる。
【0081】
なお、上述した実施形態ではトナーとして低融点トナー(ここでは、定着温度が80℃以上150℃未満のものを示す)を用いた場合について説明したが、本発明は低融点トナーのほかに、低融点トナーよりも定着温度の高い通常トナー(例えば、定着温度が150℃以上のもの)を用いても同様の効果が得られるものである。さらに、定着および放熱の効果を高めるために、通常トナーを用いた場合と低融点トナーを用いた場合とで搬送速度を変更するようにしてもよい。
【0082】
また、上述した実施形態では吸着手段として帯電チャージャ15を用い、分離手段または除電手段として除電チャージャ18を用いた場合について説明したが、本発明はこのほかに、第2、第3の実施形態に示した帯電ローラ31、帯電ブラシ41、後述する第4の実施形態に示す帯電方法、第5の実施形態に示す除電ブラシ51などのいずれかを用いても、あるいは組み合せても同様の効果が得られるものである。
【0083】
また、上述した実施形態では加熱ローラ11に駆動モータの駆動を伝達し、定着ベルト13を回動させる場合について説明したが、本発明はこのほかに、分離ローラ12に駆動モータの駆動を伝達し、定着ベルト13を回動させても同様の効果が得られるものである。
【0084】
また、上述した実施形態では帯電チャージャ15が定着ベルト13に対して周波数200Hzの交流電圧を直接に印加した場合について説明したが、本発明はこのほかに、帯電チャージャ15により転写紙16の非転写面側に対して周波数200Hzの交流電圧を印加し、さらに転写紙16を透過させて定着ベルト13に印加するようにしても同様の効果が得られるものである。
【0085】
[第5の実施形態]
図7は、本発明の第5の実施形態に係る定着ユニットを示す。なお、本実施形態に係る画像形成装置は、定着ユニット288(定着装置、定着手段に含まれる)を除き、第1の実施形態と概ね同様の構成を有しているため、図1を用いると共に同一構成には同一符号を付与して説明を省略する。
【0086】
図7において、除電ブラシ51(分離手段に含まれる)は、カーボン分散により半導電処理が施されたナイロン繊維を有し、このナイロン繊維が定着ベルト13表面に接触するようになっている。分離動作時に、除電ブラシ51の軸部分に交流電圧を印加することにより、定着ベルト13上のマイナス電荷および吸着搬送中の転写紙16のプラス電荷を除電するようにしている。
【0087】
本実施形態においても、低融点トナー(第1の実施形態に示す)を用いて画像形成(転写・定着動作を含む)を行うものとする。ここでは、感光体ドラム1の表面を帯電チャージャ2により均一に帯電させ、画像データに応じて半導体レーザ発光ユニット3からレーザ光を照射し、感光体ドラム1の表面を露光して静電潜像を形成する。次いで、現像部4では摩擦帯電部4aによりマイナスに摩擦帯電させたトナーにより感光体ドラム1上の静電潜像を現像する。一方、所定のタイミングで給紙部5より転写紙が導電性転写ベルト6aと感光体ドラム1のニップ部へ搬送されてくる。さらに、前記転写紙に対し、導電性転写ベルト6a上で感光体ドラム1よりトナーが転写される(転写工程)。ここでは、マイナス帯電の低融点トナーが用いられているために、転写電極6bよりプラスの電流が導電性転写ベルト6aを通して転写紙の背面に印加され、この転写紙はプラス極性に帯電された状態で定着ユニット288へ搬送される。最後に、定着ユニット288により上述したように転写紙上のトナーが融着され、さらに放熱されて定着された後、排紙されることとなる(定着工程)。
【0088】
この定着工程では、所定のタイミングでヒータ14を導通状態とし、加熱ローラ11の制御温度を例えば、105℃程度に設定して定着ベルト13を加熱し、定着ベルト13による搬送速度を例えば、200mm/secに設定する。次いで、帯電チャージャ15に「−2KV〜−3KV」のバイアス電圧を印加し、定着ベルト13表面をマイナス帯電させる。ここで、加熱ローラ11はアースされており、定着ベルト13表面には、「−500V〜−1000V」の電位を持たせるようにマイナス帯電させる。一方、転写部6より搬送されてきた転写後の転写紙16は、用紙ガイド17に沿って定着ベルト13に接触する。この転写紙16は、転写工程でプラスの電流を受け、プラス帯電していることから、上述したようにマイナス帯電されている定着ベルト13表面に吸着することとなる。また、上述したように加熱ローラ11のヒータ14は導通状態にあり、定着ベルト13表面が加熱されていることから、転写紙16上のトナー像は定着ベルト13表面に接触して加熱され、溶融状態になる。次いで、転写紙16が吸着搬送部20(定着ベルト13に含まれる)によって搬送されている間に、転写紙16の表面温度は放熱によって80℃程度に低下し、この放熱によって転写紙16上の溶融トナーは凝固することになる。こうして溶融トナー(低融点トナー)は、吸着搬送中に凝固するので、低融点トナーが定着後の分離時に定着ベルト13へオフセットすることはなくなる。次いで、定着ベルト13の分離ローラ12側において、除電ブラシ51(分離手段に含まれる)により、吸着搬送中の転写紙16の背面から交流電圧を印加する。こうして交流電圧を印加することにより、定着ベルト13上のマイナス電荷および転写紙16のプラス電荷が除電されることになる。したがって、定着ベルト13の転写紙16に対する吸着作用は解除され、転写紙16の排紙方向先端部は、自重および分離ローラ12の曲率によって定着ベルト13から離反して排紙トレイ19上に落下することになる。こうして、転写紙16は安定的に定着ベルト13から分離されて排紙される。
【0089】
本実施形態の構成により、加熱ローラ11の制御温度を105℃に設定し、200mm/secのスピードで搬送させたところ、105℃という低温度での定着が可能であった。勿論、ユニットトルクはスムーズな吸着搬送を可能とする程度に低く抑えられ、ブレのない良好な画像が得られた。
【0090】
以上のように、本発明の第5の実施形態に係る定着装置288は、転写紙16の背面(非吸着面に含まれる)に交流電圧を印加する除電ブラシ51(分離手段、除電手段に含まれる)を備えているので、第1の実施形態による効果に加え、除電ブラシ51を用いた接触除電方式により、オゾンの発生を微小に抑えることができ、オゾンフィルタなどの設備が不要になるという効果も得られる。
【0091】
なお、上述した実施形態ではトナーとして低融点トナー(ここでは、定着温度が80℃以上150℃未満のものを示す)を用いた場合について説明したが、本発明は低融点トナーのほかに、低融点トナーよりも定着温度の高い通常トナー(例えば、定着温度が150℃以上のもの)を用いても同様の効果が得られるものである。さらに、定着および放熱の効果を高めるために、通常トナーを用いた場合と低融点トナーを用いた場合とで搬送速度を変更するようにしてもよい。
【0092】
また、上述した実施形態では吸着手段として帯電チャージャ15を用い、分離手段または除電手段として除電ブラシ51を用いた場合について説明したが、本発明はこのほかに、第1〜第5の実施形態に示した除電チャージャ18、帯電ローラ31、帯電ブラシ41などのいずれかを用いても、あるいは組み合せても同様の効果が得られるものである。
【0093】
また、上述した実施形態では加熱ローラ11に駆動モータの駆動を伝達し、定着ベルト13を回動させる場合について説明したが、本発明はこのほかに、分離ローラ12に駆動モータの駆動を伝達し、定着ベルト13を回動させても同様の効果が得られるものである。
【0094】
[第6の実施形態]
図8は、本発明の第6の実施形態に係る定着ユニットを示す。なお、本実施形態に係る画像形成装置は、定着ユニット388(定着装置、定着手段に含まれる)を除き、第1の実施形態と概ね同様の構成を有しているため、図1を用いると共に同一構成には同一符号を付与して説明を省略する。
【0095】
図8において、補助ローラ22は、加熱ローラ11に対向して配置され、所定の圧力で定着ベルト13に接離可能であって、接触時には定着ベルト13の回動に従って回転可能に構成されている。また、定着ベルト13に対して補助ローラ22を接離するための図示しない接離機構を有し、この接離機構には、少なくともソレノイドなどの駆動部材と、補助ローラ22を接離可能に支持する支持部材とを備えている。分離爪21は、定着ベルト13の分離手段側(分離ローラ12側)で、定着ベルト13の外周面に近接して配設され、定着後の転写紙16を定着ベルト13から確実に分離するものである。
【0096】
本実施形態において、低融点トナー以外の通常トナー(例えば、溶融温度140℃程度のもの)を用いて画像形成(転写・定着動作を含む)を行う場合は、前記接離機構により、定着ベルト13に対して補助ローラ22を接触させておく。これは、通常トナーを用いた場合に、静電吸着作用を利用した加熱処理をより確実に行うためである。この状態で、感光体ドラム1の表面を帯電チャージャ2により均一に帯電させ、画像データに応じて半導体レーザ発光ユニット3からレーザ光を照射し、感光体ドラム1の表面を露光して静電潜像を形成する。次いで、現像部4では摩擦帯電部4aによりマイナスに摩擦帯電させたトナーにより感光体ドラム上の静電潜像を現像する。一方、所定のタイミングで給紙部5より転写紙が導電性転写ベルト6aと感光体ドラム1のニップ部へ搬送されてくる。さらに、前記転写紙に対し、導電性転写ベルト6a上で感光体ドラム1よりトナーが転写される(転写工程)。ここでは、マイナス帯電の低融点トナーが用いられているために、転写電極6bより、プラスの電流が導電性転写ベルト6aを通して転写紙の背面に印加され、この転写紙はプラス極性に帯電された状態で定着ユニット388へ搬送される。最後に、定着ユニット388により転写紙上のトナーが融着され、さらに放熱されて定着された後、排紙されることとなる(定着工程)。
【0097】
この定着工程では、所定のタイミングでヒータ14を導通状態とし、加熱ローラ11の制御温度を例えば、150℃程度に設定して定着ベルト13を加熱し、定着ベルト13による搬送速度を例えば、200mm/secに設定する。次いで、帯電チャージャ15(吸着手段に含まれる)に「−2KV〜−3KV」のバイアス電圧を印加し、定着ベルト13表面をマイナス帯電させる。ここで、加熱ローラ11はアースされており、定着ベルト13表面には、「−500V〜−1000V」の電位を持たせるようにマイナス帯電させる。一方、転写部6より搬送されてきた転写後の転写紙16は、用紙ガイド17に沿って定着ベルト13と補助ローラ22とのニップ部に導入される。この転写紙16は、転写工程でプラスの電流を受け、プラス帯電していることから、上述したようにマイナス帯電されている定着ベルト13表面に吸着されることとなる。また、上述したように加熱ローラ11のヒータ14は導通状態にあり、定着ベルト13表面が加熱されていることから、転写紙16上のトナーは定着ベルト13表面に接触し、加熱されて溶融状態になる。次いで、転写紙16が吸着搬送部20(定着ベルト13に含まれる)によって搬送されている間に、転写紙16の表面温度は放熱によって120℃程度に低下し、この放熱によって転写紙16上の溶融トナーは凝固することになる。こうして溶融トナー(低融点トナー)は、吸着搬送中に凝固するので、低融点トナーが定着後の分離時に定着ベルト13へオフセットすることはなくなる。次いで、定着ベルト13の分離ローラ12側において、除電チャージャ18(分離手段に含まれる)により、吸着搬送中の転写紙16の背面から交流電圧を印加する。こうして交流電圧を印加することにより、定着ベルト13上のマイナス電荷および転写紙16のプラス電荷が除電されることになる。したがって、定着ベルト13の転写紙16に対する吸着作用は解除され、転写紙16は、自重および分離ローラ12の曲率によって定着ベルト13から離反する。さらに分離爪21により、転写紙16の排紙方向先端部が定着ベルト13から離反されるために、転写紙16は安定的に定着ベルト13から分離されて排紙トレイ19に排紙される。
【0098】
なお、本実施形態においても、低融点トナーを用いて画像形成(転写・定着動作を含む)を行う場合は、第1の実施形態に準じるものとする。この場合、前記接離機構により、定着ベルト13に対して補助ローラ22を離間させておく。
【0099】
以上のように、本発明の第6の実施形態に係る定着装置388は、定着ベルト13の加熱ローラ11側に、加熱時における吸着維持動作を補助する補助ローラ22を接離可能に設け、定着ベルト13の分離ローラ12側に、分離時における分離動作を補助する分離爪21を設けているので、第1の実施形態による効果に加え、特に通常トナーを用いた場合の定着動作および分離動作を安定させるという効果も得られる。勿論、低融点トナーを用い、補助ローラ22を定着ベルト13に接触させずに行った低温定着動作も安定し、定着後の分離も確実に行われることとなる。いずれのトナーを用いた場合も、ユニットトルクはスムーズな吸着搬送を可能とする程度に低く抑えられ、ブレのない良好な画像が得られる。
【0100】
なお、上述した実施形態ではトナーとして低融点トナー(ここでは、定着温度が80℃以上150℃未満のものを示す)を用いた場合について説明したが、本発明は低融点トナーのほかに、低融点トナーよりも定着温度の高い通常トナー(例えば、定着温度が150℃以上のもの)を用いても同様の効果が得られるものである。さらに、定着および放熱の効果を高めるために、通常トナーを用いた場合と低融点トナーを用いた場合とで搬送速度を変更するようにしてもよい。
【0101】
また、上述した実施形態では吸着手段として帯電チャージャ15を用い、分離手段または除電手段として除電チャージャ18を用いた場合について説明したが、本発明はこのほかに、第1〜第5の実施形態に示した帯電ローラ31、帯電ブラシ41、除電ブラシ51などのいずれかを用いても、あるいは組み合せても同様の効果が得られるものである。
【0102】
また、上述した実施形態では加熱ローラ11に駆動モータの駆動を伝達し、定着ベルト13を回動させる場合について説明したが、本発明はこのほかに、分離ローラ12に駆動モータの駆動を伝達し、定着ベルト13を回動させても同様の効果が得られるものである。
【0103】
[第7の実施形態]
図9は、本発明の第7の実施形態に係るカラー画像形成装置(画像形成装置に含まれる)の全体構成を示す。ここでは、カラー電子写真方式(4連タンデム方式)のカラー画像形成装置を示す。なお、本実施形態の定着ユニット8は、第1の実施形態と概ね同様の構成を有しているために、図2を用いると共に同一構成には同一符号を付与して説明を省略する。
【0104】
カラー画像形成装置200には、コンタクトガラス71a上の画像読取位置で原稿Gの画像を読取るための画像読取部71と、画像読取部71からの画像データまたは他の画像データにより、カラー画像を作像するための作像部72とを備える。
【0105】
また、画像読取部71は、ミラー71c、光源71b、結像レンズ71d、シェーディング板、イメージセンサ71e、スキャナモータなどからなるスキャナユニットである。ここで、光源71bは、コンタクトガラス71a上の原稿Gに光を照射するものである。ミラー71cは、コンタクトガラス71a上の原稿Gからの反射光を後段に導くものである。結像レンズ71dは、ミラー71cからの反射光をイメージセンサ71eの受光面に結像させるものである。イメージセンサ71eは、電荷結合素子(CCD)などで構成され、結像レンズ71dからの反射光を受光面に結像し、その画像面を順次画像信号(画像データ)に変換するものである。
【0106】
作像部72において、複数の感光体ドラム74〜77(複数の感光体に含まれる)は、それぞれブラック、イエロー、マゼンタ、シアン作像用の感光体ドラムであり、静電潜像およびトナー像が形成されるものである。露光部(ここでは、半導体レーザ発光ユニット)73は、公知の書き込み光学装置であり、帯電された複数の感光体ドラム74〜77をそれぞれ露光して感光体ドラム74〜77に静電潜像を形成するものである。帯電チャージャ91〜94(トナー像形成手段に含まれる)は、それぞれブラック、イエロー、マゼンタ、シアン帯電用の帯電装置であり、感光体ドラム74〜77をそれぞれ帯電するものである。なお、詳細に図示していないが、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン現像用の現像部(トナー像形成手段に含まれる)を有し、この現像部は感光体ドラム74〜77に形成された静電潜像をそれぞれトナー像として可視像化するものである。また、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン除電用のクリーニング部を有する。中間転写ローラ95〜98(転写手段に含まれる)は、転写電圧が印加されることで、感光体ドラム74〜77上に形成されているトナー像を中間転写ベルト78(転写手段に含まれる)にそれぞれ中間転写し、中間転写トナー像を形成するものである。
【0107】
中間転写ベルト78は、中間転写ローラ95〜98を含む複数のローラに巻き架けられて回転駆動される無端ベルトであり、中間転写ローラ95〜98の下方で転写ローラ81(転写手段に含まれる)と所定の圧力で接している。この転写ローラ81は、周知のステンレススチール(SUS)等の金属製芯金上に、導電性材料によって抵抗値が106Ω乃至1010Ω程度に調整されたウレタン等の弾性体が被覆されたもの、ゴム硬度を有したもの(特開平10‐240027号公報などに記載されている。)、金属製のものなどを適宜、選択および使用することが可能である。また、中間転写ベルト78に対しては、2次転写用のバイアス電圧が印加されるように構成されている。また、中間転写ベルト78は、外周面の上側、すなわち中間転写面がほぼ水平な平坦面となるように配置され、感光体ドラム74〜77は、中間転写ベルト78の下側の平坦面に対向し、かつ、この平坦面の移動方向に沿って配列されている。ここで、中間転写ベルト78は、樹脂製の単層のもの、被覆層及び芯体層の2層構成のもの(特開平10‐198182号公報などに記載されている。)、被覆層、弾性層及び芯体層の3層構成のもの(特開2001‐312159号公報などに記載されている。)などが適宜使用されている。また、中間転写ベルト78と転写ローラ81とのニップ部(以下、2次転写部ともいう)で、中間転写ベルト78に形成された中間転写トナー像が転写紙16上に転写されるようになっている。
【0108】
転写紙16は、給紙部86の給紙カセット84からピックアップローラ80によって繰り出され、略垂直に転写紙搬送経路を通って2次転写部へ搬送され、次いで2次転写部の略水平方向(図中、左方向)に位置する搬送ベルト82へと搬送される。
【0109】
なお、詳細に図示していないが、中間転写ベルト78に中間転写されたトナーを除去するためのクリーニング部を備えている。このクリーニング部には、表層にフッ素系樹脂がコートされた金属ローラ(クリーニングローラ)と、中間転写ベルト78上の残留トナーを掻き落とすためのブレードとを有し、クリーニングローラを中間転写ベルト78に押し当てて残留トナーを粘着力で剥ぎ取り、さらにブレードで掻き落とすように構成されている。この構成により、中間転写ベルト78を損傷しないで残留トナーなどをクリーニングすることができる。また、この他に、特開2002‐132056号公報などに開示されている方法を用いてもよい。この方法は、クリーニングローラの表層材料を、使用するトナー中の樹脂と同系の樹脂とし、これを加熱して粘着性をさらに高めるものである。
【0110】
また、搬送ベルト82(転写手段に含まれる)としては、耐熱温度160℃以上の耐熱製樹脂(ポリイミドなど)の単層のもの、耐熱製樹脂(ポリイミドなど)の表面に被覆層(テフロン(登録商標)層など)をもつ2層構成のもの、被覆層、弾性層及び芯体層の3層構成のものなどを用いることができる。
【0111】
定着ユニット8(定着装置、定着手段に含まれる)は、第1の実施形態に準じて構成され(図2に示す)、トナー像が片面または両面に転写された転写紙16を加熱して、この転写紙16の片面または両面にトナー像を定着させるものであり、ここでは、メンテナンスが容易なようにユニット化されている。
【0112】
本実施形態においても、第1の実施形態に準じ、低融点トナーを用いてカラー画像形成(転写・定着動作を含む)を行うものとする。ここでは、感光体ドラム74〜77の表面を帯電チャージャ91〜94により均一に帯電させ、画像読取部71からの画像データに応じて半導体レーザ発光装置73からレーザ光を照射し、感光体ドラム74〜77の表面を露光して静電潜像を形成する。次いで、前記現像部ではマイナスに摩擦帯電させたトナーにより感光体ドラム74〜77上の静電潜像を現像する。一方、所定のタイミングで給紙部86より転写紙が2次ニップ部へ搬送されてくる。さらに、前記転写紙に対し、2次ニップ部で感光体ドラム74〜77よりトナーが転写される(転写工程)。ここでは、マイナス帯電の低融点トナーが用いられているために、プラスの電流が中間転写ベルト78を通して転写紙の背面に印加され、この転写紙はプラス極性に帯電された状態で搬送ベルト82へ搬送され、搬送ベルト82によって担持されて定着ユニット8へ搬送される。最後に、定着ユニット8により転写紙上のトナーが融着され、さらに放熱されて定着された後、排紙されることとなる(定着工程)。
【0113】
この定着工程では、所定のタイミングでヒータ14を導通状態とし、加熱ローラ11の制御温度を例えば、105℃程度に設定して定着ベルト13を加熱し、定着ベルト13による搬送速度を例えば、200mm/secに設定する。次いで、帯電チャージャ15(吸着手段に含まれる)に「−2KV〜−3KV」のバイアス電圧を印加し、定着ベルト13表面をマイナス帯電させる。ここで、加熱ローラ11はアースされており、定着ベルト13表面には、「−500V〜−1000V」の電位を持たせるようにマイナス帯電させる。一方、転写部6より搬送されてきた転写後の転写紙16は、用紙ガイド17に沿って定着ベルト13に接触する。この転写紙16は、転写工程でプラスの電流を受け、プラス帯電していることから、上述したようにマイナス帯電されている定着ベルト13表面に吸着されることとなる。また、上述したように加熱ローラ11のヒータ14は導通状態にあり、定着ベルト13表面が加熱されていることから、転写紙16上のトナー像は定着ベルト13表面に接触して加熱され、溶融状態になる。次いで、転写紙16が吸着搬送部20(定着ベルト13に含まれる)によって搬送されている間に、転写紙16の表面温度は放熱によって80℃程度に低下し、この放熱によって転写紙16上の溶融トナーは凝固することになる。こうして溶融トナー(低融点トナー)は、吸着搬送中に凝固するので、低融点トナーが定着後の分離時に定着ベルト13へオフセットすることはなくなる。次いで、定着ベルト13の分離ローラ12側において、除電チャージャ18(分離手段に含まれる)により、吸着搬送中の転写紙16の背面から交流電圧を印加する。こうして交流電圧を印加することにより、定着ベルト13上のマイナス電荷および転写紙16のプラス電荷が除電されることになる。したがって、定着ベルト13の転写紙16に対する吸着作用は解除され、転写紙16の排紙方向先端部は、自重および分離ローラ12の曲率によって定着ベルト13から離反して排紙トレイ19上に落下することになる。こうして、転写紙16は安定的に定着ベルト13から分離されて排紙される。
【0114】
本実施形態の構成により、加熱ローラ11の制御温度を105℃に設定し、200mm/secのスピードで搬送させたところ、105℃という低温度での定着が可能であった。勿論、ユニットトルクはスムーズな吸着搬送を可能とする程度に低く抑えられ、ブレのない良好なカラー画像が得られた。
【0115】
以上のように、本発明の第7の実施形態に係る画像形成装置200は、異なる色のトナーにより、各色のトナー像を形成するための複数の感光体ドラム74〜77(複数の感光体に含まれる)と、複数の感光体ドラム74〜77のそれぞれに各色のトナー像を形成する露光部73(トナー像形成手段に含まれる)と、複数の感光体ドラム74〜77に形成された各色のトナー像を重ねて転写紙16に転写するとき、転写紙16の転写面から融点の低い順にトナー像を重ねて転写する中間転写ベルト78および転写ローラ81(転写手段に含まれる)と、定着装置8(定着手段に含まれる)とを備えているので、第1〜第6の実施形態による効果に加え、画像形成装置200の駆動トルクの増加を抑制しながらカラー画像品質を向上させることができるという効果も得られる。
【0116】
なお、上述した実施形態ではトナーとして低融点トナー(ここでは、定着温度が80℃以上150℃未満のものを示す)を用いた場合について説明したが、本発明は低融点トナーのほかに、低融点トナーよりも定着温度の高い通常トナー(例えば、定着温度が150℃以上のもの)を用いても同様の効果が得られるものである。さらに、定着および放熱の効果を高めるために、通常トナーを用いた場合と低融点トナーを用いた場合とで搬送速度を変更するようにしてもよい。
【0117】
また、上述した実施形態では吸着手段として帯電チャージャ15を用い、分離手段または除電手段として除電チャージャ18を用いた場合について説明したが、本発明はこのほかに、第1〜第6の実施形態に示した帯電ローラ31、帯電ブラシ41、除電ブラシ51などのいずれかを用いても、あるいは組み合せても同様の効果が得られるものである。
【0118】
また、上述した実施形態では加熱ローラ11に駆動モータの駆動を伝達し、定着ベルト13を回動させる場合について説明したが、本発明はこのほかに、分離ローラ12に駆動モータの駆動を伝達し、定着ベルト13を回動させても同様の効果が得られるものである。
【0119】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は吸着手段(帯電チャージャを含む)により、無端ベルト(定着ベルトを含む)に対して転写体(転写紙を含む)を静電的に吸着させて搬送し、この吸着搬送行程で加熱手段(加熱ローラを含む)により前記転写体を加熱し、加熱された前記転写体から放熱手段(吸着搬送部を含む)により放熱させ、放熱された前記転写体を分離手段(除電チャージャを含む)により前記無端ベルトから静電的に分離することにより、定着ユニットの駆動トルクを大幅に低減するという優れた効果を有する定着装置を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る定着ユニットの構成を示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る低融点トナーの説明図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る定着ユニットの構成を示す断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る定着ユニットの構成を示す断面図である。
【図6】本発明の第4の実施形態に係る定着ユニットの構成を示す断面図である。
【図7】本発明の第5の実施形態に係る定着ユニットの構成を示す断面図である。
【図8】本発明の第6の実施形態に係る定着ユニットの構成を示す断面図である。
【図9】本発明の第7の実施形態に係るカラー画像形成装置の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム
2 帯電チャージャ
3、73 露光部(半導体レーザ発光ユニット)
4 現像部
4a 摩擦帯電部
5 給紙部
6 転写部
6a 導電性転写ベルト
6b 転写電極
7 クリーニング部
8、88、188、288、388 定着ユニット
11 加熱ローラ
12 分離ローラ
13 定着ベルト
14 ヒータ
15、91〜94 帯電チャージャ
16 転写紙
17 用紙ガイド
18 除電チャージャ
19 排紙トレイ
20 吸着搬送部
21 分離爪
22 補助ローラ
31 帯電ローラ
41 帯電ブラシ
51 除電ブラシ
61 閉電界
71 画像読取部
71a コンタクトガラス
71b 光源
71c ミラー
71d レンズ
71e イメージセンサ
72 作像部
74〜77 感光体ドラム(感光体)
78 中間転写ベルト
79 給紙ローラ
80 ピックアップローラ
81 転写ローラ
82 搬送ベルト
84 給紙カセット
86 給紙部
95〜98 中間転写ローラ
100 画像形成装置
200 カラー画像形成装置
Claims (9)
- トナー像が転写された転写体を担持して搬送する無端ベルトと、前記無端ベルトを駆動する駆動手段と、前記無端ベルトに対して前記転写体を静電的に吸着させる吸着手段と、前記吸着手段および前記駆動手段により、前記転写体が前記無端ベルトに吸着されながら搬送されるときに、前記転写体を加熱する加熱手段と、前記加熱手段により加熱された前記転写体から放熱させる放熱手段と、前記放熱手段により放熱された前記転写体を前記無端ベルトから分離する分離手段とを備え、
前記吸着手段は、前記無端ベルトが前記転写体に接触する以前に、前記無端ベルトに対して交流電圧を印加することを特徴とする定着装置。 - 前記無端ベルトには、前記無端ベルトの表面を絶縁するための絶縁性部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記分離手段には、前記転写体および前記無端ベルトの帯電電荷を除去する除電手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
- 前記除電手段には、前記転写体の非吸着面に交流電圧を印加する除電チャージャを備えたことを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
- 前記除電手段には、前記転写体の非吸着面に交流電圧を印加する除電ブラシを備えたことを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
- 前記無端ベルトは、ヒータ内蔵の第1のローラと、第1のローラと所定の間隔で配置された第2のローラとに掛け渡され、前記加熱手段および前記放熱手段には、前記無端ベルト、第1のローラおよび第2のローラが含まれることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の定着装置。
- 前記トナー像を形成するトナーの融点が、80℃以上150℃未満であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の定着装置。
- トナー像を形成するための感光体と、前記感光体にトナー像を形成するトナー像形成手段と、前記感光体に形成されたトナー像を転写体に転写する転写手段と、請求項1乃至7のいずれかに記載の定着装置からなる定着手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
- 異なる色のトナーにより、各色のトナー像を形成するための複数の感光体と、前記複数の感光体のそれぞれに各色のトナー像を形成するトナー像形成手段と、前記複数の感光体に形成された各色のトナー像を重ねて転写体に転写するとき、前記転写体の転写面から融点の低い順にトナー像を重ねて転写する転写手段と、請求項1乃至7のいずれかに記載の定着装置からなる定着手段とを備えたことを特徴とするカラー画像形成装置。
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