JP2004299810A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録紙に付着する粉塵が像担持体に転移付着するのを防ぐこと。
【解決手段】紙粉除去ローラ63は、金属製のローラ軸で構成されている。また、支持ローラ66は、金属製のローラ軸に、導電性の弾性部材からなる円筒形状の支持ローラ本体66aを被覆した構成を有しており、搬送される記録紙3を挟んで紙粉除去ローラ63と対向するよう配されている。紙粉除去ローラ63には、正極性の電圧が印加されているため、紙粉除去ローラ63と支持ローラ66との間には、紙粉除去ローラ63から支持ローラ66に向けて電流が流れるとともに、紙粉除去ローラ63から支持ローラ66に向かう電界が発生する。ここで、紙粉除去ローラ63と支持ローラ66との間に記録紙3が差し入れられると、記録紙3の印字面に付着した紙粉のうち負に帯電する紙粉が、上述の電界の作用により記録紙3の印字面から分離する。
【選択図】図2
【解決手段】紙粉除去ローラ63は、金属製のローラ軸で構成されている。また、支持ローラ66は、金属製のローラ軸に、導電性の弾性部材からなる円筒形状の支持ローラ本体66aを被覆した構成を有しており、搬送される記録紙3を挟んで紙粉除去ローラ63と対向するよう配されている。紙粉除去ローラ63には、正極性の電圧が印加されているため、紙粉除去ローラ63と支持ローラ66との間には、紙粉除去ローラ63から支持ローラ66に向けて電流が流れるとともに、紙粉除去ローラ63から支持ローラ66に向かう電界が発生する。ここで、紙粉除去ローラ63と支持ローラ66との間に記録紙3が差し入れられると、記録紙3の印字面に付着した紙粉のうち負に帯電する紙粉が、上述の電界の作用により記録紙3の印字面から分離する。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式により記録紙に画像を形成する画像形成装置に関し、特に、記録紙に付着した粉塵による画像品質の劣化を防止可能な画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、記録紙に画像を形成する画像形成装置として、例えばレーザービームプリンタの様に、電子写真方式により記録紙に画像を形成する画像形成装置が知られている。この電子写真方式とは、帯電手段によって一様に帯電させた感光体に、レーザビームを照射する光学機構(スキャナ)により、画像情報に応じた選択的な露光を行って静電潜像を形成し、その静電潜像を現像手段によって現像してトナー像を形成し、その後、転写ニップ部においてトナー像を担持する像担持体(感光体あるいは中間転写体)上のトナー像を記録紙に転写し、さらに、記録紙に転写したトナー像を加熱ローラにより加熱して熱定着させることにより、画像形成を行う方式である。
【0003】
この種の画像形成装置においては、記録紙が給紙ローラや分離パッドなどにより摺擦されるため、紙粉などの粉塵が発生する。そして、発生した粉塵は、記録紙に担持されて移動し、転写ニップ部において記録紙の印字面から像担持体の表面に転移付着することがある。そのため、このような画像形成装置の中には、レジストローラよりも搬送下流側で、かつ転写ニップ部よりも上流側に、記録紙の印字面に紙粉除去ローラを配し、その紙粉除去ローラにトナーの帯電電荷とは逆極性のバイアス電圧を印加することにより、記録紙の印字面に付着する粉塵を除去するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平08−314344号公報(第4頁、図5)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のような画像形成装置においては、トナーとは同極性の紙粉などの粉塵を回収することができる一方、トナーとは逆極性の粉塵は除去できないため、そのトナーとは逆極性の粉塵が記録紙の印字面に担持されて移動し、転写ニップ部において記録紙の印字面から像担持体の表面に転移付着するおそれがある。すると、像担持体の表面のうち粉塵が付着した場所には、トナーが付着しにくくなるため、画質劣化が生じるという問題があった。また、像担持体に残存したトナーを現像器に回収する機構を設けた場合には、トナーと一緒に粉塵も回収されてしまい、トナーの純度が低下し、画質劣化が生じるという問題があった。
【0006】
なお、ブレードを像担持体に当接することによりその像担持体の表面に付着した粉塵を除去する手法が考えられる。しかし、このような場合には、ブレードとの摩擦によって像担持体が劣化し、像担持体の寿命が短くなるという問題があった。
【0007】
本発明は、このような不具合に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、記録紙に付着する粉塵が像担持体に転移付着するのを防ぐことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を解決するためになされた請求項1に係る画像形成装置は、正または負に帯電した現像剤からなる可視像を担持する像担持体と、前記像担持体に担持された現像剤を記録紙上に転写する方向の電界を発生する転写手段と、前記像担持体と前記転写手段とが対向して、前記像担持体が担持する可視像を前記記録紙に転写する転写位置に前記記録紙を搬送する搬送手段と、を備え、前記搬送手段によって記録紙を前記転写位置に搬送することにより前記可視像を前記記録紙の印字面に転写させる画像形成装置であって、前記記録紙が前記搬送手段によって前記転写位置に搬送される前に、前記記録紙の印字面に付着する粉塵のうち前記現像剤とは逆極性に帯電する粉塵を、前記記録紙の印字面から除去する粉塵除去手段を備えることを特徴とする。
【0009】
このように構成された本発明では、粉塵除去手段が、記録紙が給紙ローラやレジストローラなどの搬送手段により摺擦されるために発生して記録紙の印刷面に付着した紙粉などの粉塵のうち現像剤とは逆極性に帯電する粉塵を、記録紙の印字面から像担持体の表面に転移付着してしまう前に、記録紙の印字面から除去する。このことにより、記録紙の印字面に付着した粉塵が像担持体に転移付着するのを防ぐことができる。
【0010】
上述のように記録紙の印字面に付着する粉塵のうち現像剤とは逆極性に帯電する粉塵を記録紙の印字面から除去する際には、粉塵除去手段が、上述の粉塵を記録紙の印字面から離間する方向の電界を発生させることが考えられる(請求項2)。一例を挙げると、現像剤が正に帯電している場合、つまり上述の粉塵が負に帯電している場合においては、粉塵除去手段が、記録紙の印字面側を記録紙の非印字面側よりも高電位にすることにより記録紙の印字面から記録紙の非印字面に向かう電界を発生させることが考えられる。すると、上述の負に帯電した粉塵はその電界の影響により記録紙の印字面から離れることとなる。一方、現像剤が負に帯電している場合、つまり上述の粉塵が正に帯電している場合においては、粉塵除去手段が、記録紙の印字面側を記録紙の非印字面側よりも低電位にすることにより記録紙の非印字面から記録紙の印字面に向かう電界を発生させることが考えられる。すると、上述の正に帯電した粉塵はその電界の影響により記録紙の印字面から離れることとなる。
【0011】
また、記録紙の印字面側と記録紙の非印字面側とに異なる電圧値で電圧を印加するためには、記録紙の印字面および記録紙の非印字面それぞれに電圧を印加するための構成を備えるスペースを確保する必要がある。そこで、請求項3のように、粉塵除去手段が、記録紙の印字面側および非印字面側の何れか一方に電圧を印加することにより上述の電界を発生させることが考えられる。具体的には、次のような4通りの手法が考えられる。
【0012】
(イ)記録紙の印字面側に正極性の電圧を印加する。なお、この場合、記録紙の非印字面側には何れの極性の電圧も印加しない。すると、記録紙の印字面側が記録紙の非印字面側よりも高電位になる。
(ロ) 記録紙の印字面側に負極性の電圧を印加する。なお、この場合、記録紙の非印字面側には何れの極性の電圧も印加しない。すると、記録紙の印字面側が記録紙の非印字面側よりも低電位になる。
【0013】
(ハ) 記録紙の非印字面側に正極性の電圧を印加する。なお、この場合、記録紙の印字面側には何れの極性の電圧も印加しない。すると、上記(ロ)の場合と同様に、記録紙の印字面側が記録紙の非印字面側よりも低電位になる。
(ニ)記録紙の非印字面側に負極性の電圧を印加する。なお、この場合、記録紙の印字面側には何れの極性の電圧も印加しない。すると、上記(イ)の場合と同様に、記録紙の印字面側が記録紙の非印字面側よりも高電位になる。
【0014】
このようにすれば、記録紙の印字面側または記録紙の非印字面側の何れか一方に電圧を印加するための構成を備えればよいので、記録紙の印字面および記録紙の非印字面それぞれに電圧を印加する場合と同様の効果を奏しながら省スペース化できる。
【0015】
ところで、記録紙が搬送される際に記録紙における給紙ローラや分離パッドと摺擦された部分に発生した粉塵は帯電していることが多く、そこで、請求項4のように、粉塵除去手段が、記録紙の印字面に接触して粉塵を除去する粉塵除去部材と、少なくとも粉塵除去部材と対向する位置に配置され、記録紙の非印字面を支持する支持部材とからなり、現像剤を記録紙に転写する方向と同じ方向の電界を発生し、且つ、粉塵除去部材と支持部材との間に電流を流すことが考えられる。
【0016】
まず、現像剤を正に帯電させるよう構成された画像形成装置において、粉塵除去部材が記録紙の印字面に接触しており、且つ支持部材が記録紙の非印字面を支持している場合を説明する。粉塵除去部材に正極性の電圧を印加すると、記録紙の印字面側から非印字面側に向かう電界、つまり現像剤を記録紙に転写する方向の電界が発生するとともに、記録紙の印字面側から非印字面側に向けて正の電流が流れ、次のような現象が発生する。
【0017】
(ホ)すなわち、記録紙の印字面に付着する粉塵のうち正極性に帯電する粉塵が、上述の電界の作用により記録紙の印字面に押し付けられるとともに、上述の電流の作用によりその正極性の帯電電荷が強められる。
(ヘ)また、記録紙の印字面に付着する粉塵のうち負極性に帯電する粉塵が、上述の電界の作用により記録紙の印字面から分離する。また、負極性に帯電する粉塵の一部は、上述の電流の作用により、その帯電極性が負極性から正極性に変化し、上述の電界の作用により記録紙の印字面に押し付けられる。
【0018】
次に、支持部材に負極性の電圧を印加した場合は、記録紙の印字面側から非印字面側に向かう電界、つまり現像剤を記録紙に転写する方向の電界が発生するとともに、記録紙の非印字面側から印字面側に向けて負の電流が流れ、次のような現象が発生する。
【0019】
(ホ´)すなわち、記録紙の印字面に付着する粉塵のうち正極性に帯電する粉塵が、上述の電界の作用により記録紙の印字面に押し付けられる。また、正極性に帯電する粉塵の一部は、上述の電流の作用により、その帯電極性が正極性から負極性に変化し、上述の電界の作用により記録紙の印字面から分離する。
【0020】
(ヘ´)また、記録紙の印字面に付着する粉塵のうち負極性に帯電する粉塵が、上述の電界の作用により記録紙の印字面から分離する。また、負極性に帯電する粉塵の一部は、上述の電流の作用によりその負極性の帯電電荷が強められる。
また、現像剤を負に帯電させるよう構成された画像形成装置においては、粉塵除去部材に負極性の電圧を印加したとき、または支持部材に正極性の電圧を印加したときに同様の現象が発生する。
【0021】
このように(ホ)・(ヘ)の場合のように構成された本発明では、記録紙の印字面に付着する粉塵のうち正極性に帯電する粉塵の正極性の帯電電荷が強められるので、記録紙における粉塵が付着する部分が転写位置を通過するまでに、粉塵の正極性の帯電電荷が弱まりにくくなり、その粉塵が記録紙に付着したまま転写位置を通過する可能性が高まる。このことにより、記録紙の印字面に付着した粉塵が像担持体に転移付着するのを防ぐことができる。
【0022】
次に(ホ´)・(ヘ´)の場合のように構成された本発明では、記録紙の印字面に付着する粉塵のうち負極性に帯電する粉塵の負極性の帯電電荷が強められるとともに、記録紙の印字面に付着する粉塵のうち正極性に帯電する粉塵の一部が、上述の電流の作用により、その帯電極性が正極性から負極性に変化するので、これら負極性に帯電する粉塵が記録紙の印字面から分離して除去される。このことにより、記録紙の印字面に付着した粉塵が像担持体に転移付着するのを防ぐことができる。
【0023】
ところで、上述のように、転写手段が像担持体に担持された現像剤を記録紙上に転写する方向の電界を発生する。すると、転写位置に送り込まれた記録紙が転写手段に接触(または接近)した際に、記録紙の非印字面に付着する粉塵のうち現像剤と同極性に帯電する粉塵が、その電界の作用により、記録紙の非印字面から離間して転写手段に転移付着するおそれがある。このような場合に、記録紙を排紙した後に像担持体と転写手段が接触すると、転写手段に付着した粉塵が像担持体に転移付着するおそれがある。そこで、上記課題を解決するためになされた請求項5に係る画像形成装置は、正または負に帯電した現像剤からなる可視像を担持する像担持体と、前記像担持体に担持された現像剤を記録紙上に転写する方向の電界を発生する転写手段と、前記像担持体と前記転写手段とが対向して、前記像担持体が担持する可視像を前記記録紙に転写する転写位置に前記記録紙を搬送する搬送手段と、を備え、前記搬送手段によって記録紙を前記転写位置に搬送することにより前記可視像を前記記録紙の印字面に転写させる画像形成装置であって、前記記録紙が前記搬送手段によって前記転写位置に搬送される前に、前記記録紙の非印字面に付着する粉塵のうち前記現像剤と同極性に帯電する粉塵を、前記記録紙の非印字面から除去する粉塵除去手段を備えることを特徴とする。
【0024】
このように構成された本発明では、粉塵除去手段が、記録紙の非印刷面に付着した粉塵のうち現像剤と同極性に帯電する粉塵を、記録紙の非印字面から像担持体の表面に転移付着してしまう前に、記録紙の非印字面から除去する。このことにより、記録紙の非印字面に付着した粉塵が像担持体に転移付着するのを防ぐことができる。
【0025】
上述のように記録紙の非印字面に付着する粉塵のうち現像剤と同極性に帯電する粉塵を記録紙の非印字面から除去する際には、粉塵除去手段が、上述の粉塵を記録紙の非印字面から離間する方向の電界を発生させることが考えられる(請求項6)。一例を挙げると、現像剤が正に帯電している場合、つまり上述の粉塵が正に帯電している場合においては、粉塵除去手段が、記録紙の印字面側を記録紙の非印字面側よりも高電位にすることにより記録紙の印字面から記録紙の非印字面に向かう電界を発生させることが考えられる。すると、上述の粉塵は、その電界の影響により、記録紙の非印字面から分離することとなる。一方、現像剤が負に帯電している場合、つまり上述の粉塵が負に帯電している場合においては、粉塵除去手段が、記録紙の印字面側を記録紙の非印字面側よりも低電位にすることにより記録紙の非印字面から記録紙の印字面に向かう電界を発生させることが考えられる。すると、上述の粉塵はその電界の影響により記録紙の非印字面から分離することとなる。
【0026】
また、上述したように、記録紙の印字面側と記録紙の非印字面側とに異なる電圧値で電圧を印加するためには、記録紙の印字面および記録紙の非印字面それぞれに電圧を印加するための構成を備えるスペースを確保する必要がある。そこで、請求項7のように、粉塵除去手段が、記録紙の印字面側および非印字面側の何れか一方に電圧を印加することにより上述の電界を発生させることが考えられる。具体的には、上述の(イ)〜(ニ)のような4通りの手法が考えられる。
【0027】
このようにすれば、記録紙の印字面側または記録紙の非印字面側の何れか一方に電圧を印加するための構成を備えればよいので、記録紙の印字面および記録紙の非印字面それぞれに電圧を印加する場合と同様の効果を奏しながら省スペース化できる。
【0028】
ところで、上述したように、記録紙が搬送される際に記録紙における給紙ローラや分離パッドと摺擦された部分に発生した粉塵は帯電していることが多く、そこで、請求項8のように、粉塵除去手段が、記録紙の非印字面に接触して粉塵を除去する粉塵除去部材と、記録紙の印字面を支持する支持部材とからなり、粉塵除去部材または支持部材の少なくとも一方に電圧を印加することにより、現像剤を記録紙に転写する方向と同じ方向の電界を発生し、且つ、粉塵除去部材と支持部材との間に電流を流すことが考えられる。
【0029】
まず、現像剤を正に帯電させるよう構成された画像形成装置において、粉塵除去部材が記録紙の非印字面に接触しており、且つ支持部材が記録紙の印字面を支持している場合を説明する。粉塵除去部材に負極性の電圧を印加すると、記録紙の印字面側から非印字面側に向かう電界、つまり現像剤を記録紙に転写する方向の電界が発生するとともに、記録紙の非印字面側から印字面側に向けて負の電流が流れ、次のような現象が発生する。
【0030】
(ト)すなわち、記録紙の非印字面に付着する粉塵のうち正極性に帯電する粉塵が、上述の電界の作用により記録紙の非印字面に押し付けられる。また、正極性に帯電する粉塵の一部は、上述の電流の作用により、その帯電極性が正極性から負極性に変化し、上述の電界の作用により記録紙の印字面から分離する。
【0031】
(チ)また、記録紙の非印字面に付着する粉塵のうち負極性に帯電する粉塵が、上述の電界の作用により記録紙の非印字面から分離する。また、負極性に帯電する粉塵の一部は、上述の電流の作用によりその負極性の帯電電荷が強められる。
【0032】
次に、支持部材に正極性の電圧を印加した場合は、記録紙の印字面側から非印字面側に向かう電界、つまり現像剤を記録紙に転写する方向の電界が発生するとともに、記録紙の印字面側から非印字面側に向けて正の電流が流れ、次のような現象が発生する。
【0033】
(ト´)すなわち、記録紙の非印字面に付着する粉塵のうち正極性に帯電する粉塵が、上述の電界の作用により記録紙の非印字面に押し付けられるとともに、上述の電流の作用によりその正極性の帯電電荷が強められる。
(チ´)また、記録紙の非印字面に付着する粉塵のうち負極性に帯電する粉塵が、上述の電界の作用により記録紙の非印字面から分離する。また、負極性に帯電する粉塵の一部は、上述の電流の作用により、その帯電極性が負極性から正極性に変化し、上述の電界の作用により記録紙の非印字面に押し付けられる。
【0034】
また、現像剤を負に帯電させるよう構成された画像形成装置においては、粉塵除去部材に正極性の電圧を印加したとき、または支持部材に負極性の電圧を印加したときに同様の現象が発生する。
このように(ト)・(チ)の場合のように構成された本発明では、記録紙の非印字面に付着する粉塵のうち負極性に帯電する粉塵の負極性の帯電電荷が強められるとともに、記録紙の非印字面に付着する粉塵のうち正極性に帯電する粉塵の一部が、上述の電流の作用により、その帯電極性が正極性から負極性に変化するので、これら負極性に帯電する粉塵が記録紙の非印字面から分離して除去される。このことにより、記録紙の非印字面に付着した粉塵が転写手段に転移付着するのを防ぐことができる。
【0035】
次に(ト´)・(チ´)の場合のように構成された本発明では、記録紙の非印字面に付着する粉塵のうち正極性に帯電する粉塵の正極性の帯電電荷が強められるので、記録紙における粉塵が付着する部分が転写位置を通過するまでに、粉塵の正極性の帯電電荷が弱まりにくくなり、その粉塵が記録紙に付着したまま転写位置を通過する可能性が高まる。このことにより、記録紙の非印字面に付着した粉塵が転写手段に転移付着するのを防ぐことができる。
【0036】
また、上述の(ト)・(チ)のように粉塵除去部材と支持部材との間に電流が流れている場合、請求項9のように、粉塵除去部材への印加電圧と支持部材への印加電圧との電位差の絶対値を、転写手段への印加電圧の絶対値以上とすることが考えられる。このようにすれば、記録紙に付着した粉塵が、記録紙に付着したまま転写位置を通過しやすくなるので、それら粉塵が記録紙から分離して像担持体や転写手段に転移付着するのを防ぐことができる。
【0037】
また、同じく上述の(ト)・(チ)のように粉塵除去部材と支持部材との間に電流が流れている場合、請求項10のように、粉塵除去部材と支持部材との間を流れる電流値の絶対値を、転写手段と像担持体との間を流れる電流値の絶対値以上とすることが考えられる。
【0038】
このようにすれば、粉塵除去手段によって強められる粉塵の帯電電荷は、転写位置にて弱められるその粉塵の帯電電荷以上となり、結果として、記録紙に付着した粉塵が記録紙に付着したまま転写位置を通過しやすくなるので、それら粉塵が記録紙から分離して像担持体や転写手段に転移付着するのを防ぐことができる。
【0039】
ところで、上述のように粉塵の帯電電荷は時間の経過とともに放電されて弱くなる。そうなると、上述のような電界の作用によってその粉塵を記録紙から分離させるのが困難となる。そのため、電界を発生される粉塵除去手段を配置する場所としては、記録紙に粉塵が付着しやすい場所近傍が望ましい。そこで、請求項11のように、積層載置された記録紙の表面に当接して、当該当接している記録紙の供給を行う給紙ローラと、給紙ローラと対向する位置に設けられ、給紙ローラによって供給される記録紙を他の記録紙と分離する分離パッドと、を備えており、粉塵除去手段が、転写位置と給紙ローラおよび分離パッドとの間のうち給紙ローラおよび分離パッドの近傍に配されていることが考えられる。このようにすれば、粉塵除去手段が、記録紙における給紙ローラや分離パッドにより摺擦されて発生した粉塵の帯電電荷が放電される前に、その粉塵を電界の影響下におくことができるので、効果的に粉塵を記録紙から除去することができる。
【0040】
また、記録紙における給紙ローラや分離パッドと摺擦した部分には、粉塵が発生して付着している可能性が高い。そこで、請求項12のように、粉塵除去部材が、記録紙における給紙ローラ、あるいは、分離パッドと接触した部分に付着した粉塵を除去することが考えられる。このようにすれば、記録紙における給紙ローラにより摺擦された部分に付着した粉塵を、効率よく除去することができる。
【0041】
なお、粉塵除去部材に負極性の電圧を印加する代わりに、粉塵除去部材における、少なくとも前記搬送手段によって搬送される記録紙と接触する接触部分をフッ素樹脂で構成することが考えられる(請求項13)。このようにすれば、粉塵除去部材などに負極性の電圧を印加しなくても、その接触部分が他の構成部位と摩擦する際に負極性に帯電する。
【0042】
ところで、上述のように粉塵除去手段によって記録紙の印字面や非印字面から除去された粉塵は、その重みによって下方に落下し、再び記録紙に付着するおそれがある。そこで、請求項14のように、粉塵除去手段によって記録紙から除去された粉塵を回収する粉塵回収手段を備えることが考えられる。このようにすれば、記録紙の印字面や非印字面から除去された粉塵が、再び記録紙に付着するのを防ぐことができる。なお、このような粉塵回収手段を、粉塵除去手段の傍に設置することが望ましい。
【0043】
ところで、請求項15に係る画像形成装置は、正または負に帯電した現像剤からなる可視像を担持する像担持体と、前記像担持体に担持された現像剤を記録紙上に転写する方向の電界を発生する転写手段と、前記像担持体と前記転写手段とが対向して、前記像担持体が担持する可視像を前記記録紙に転写する転写位置に前記記録紙を搬送する搬送手段と、を備え、前記搬送手段によって搬送された記録紙を前記転写位置に搬送することにより前記可視像を前記記録紙の印字面に転写させる画像形成装置であって、前記記録紙が前記搬送手段によって前記転写位置に搬送される前に、前記記録紙の印字面に付着する粉塵のうち前記現像剤とは逆極性に帯電する粉塵を、前記記録紙の印字面から除去する第一粉塵除去手段と、前記第一粉塵除去手段によって前記記録紙の印字面に付着する粉塵のうち前記現像剤とは逆極性に帯電する粉塵が前記記録紙の印字面から除去された後であって前記記録紙が前記搬送手段によって前記転写位置に搬送される前に、前記記録紙の印字面に付着する粉塵のうち前記現像剤と同極性に帯電する粉塵を、前記記録紙の印字面から除去する第二粉塵除去手段と、を備え、前記第一粉塵除去手段は、前記記録紙の印字面に接触して粉塵を除去する第一粉塵除去部材と、前記記録紙の非印字面を支持する第一支持部材とからなり、前記第一支持部材に負の電圧を印加することにより、前記現像剤を前記記録紙に転写する方向と同じ方向の電界を発生し、且つ、前記支持部材から前記粉塵除去部材へ向かう負の電流を流し、一方、前記第二粉塵除去手段は、前記記録紙の印字面に接触して粉塵を除去する第二粉塵除去部材と、前記記録紙の非印字面を支持する第二支持部材とからなり、前記第二支持部材に正の電圧を印加することにより、前記現像剤を前記記録紙に転写する方向とは逆方向の電界を発生し、且つ、前記支持部材から前記粉塵除去部材へ向かう正の電流を流すことを特徴とする。
【0044】
このように構成された本発明では、第一粉塵除去手段が、記録紙が給紙ローラやレジストローラなどの搬送手段により摺擦されるために発生して記録紙の印刷面に付着した紙粉などの粉塵のうち現像剤とは逆極性に帯電する粉塵を、記録紙の印字面から像担持体の表面に転移付着してしまう前に、記録紙の印字面から除去する。さらに、第二粉塵除去手段が、記録紙の印刷面に付着した紙粉などの粉塵のうち現像剤と同極性に帯電する粉塵を、記録紙の印字面から像担持体の表面に転移付着してしまう前に、記録紙の印字面から除去する。このことにより、記録紙の印字面に付着した粉塵が像担持体に転移付着するのを防ぐことができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうることは言うまでもない。
【0046】
(第一実施例)
図1は、第一実施例のカラーレーザプリンタ1を示す要部側断面図である。また、図2は、実施例のカラーレーザプリンタの粉塵除去装置の拡大側断面図であり、図3は、記録紙、給紙ローラ、分離パッド、紙粉除去ローラおよびスポンジそれぞれの紙幅方向の寸法の関係を示す説明図である。
【0047】
カラーレーザプリンタ1は、図1に示すように、本体ケーシング2の内部の最下部から上方に向けて順に、記録紙3を給紙する給紙部4、給紙部4から給紙された記録紙3から紙粉を除去する紙粉除去装置61、給紙された記録紙3に画像を形成するための画像形成部5を備えている。また、このカラーレーザプリンタ1は、本体ケーシング2の側部に、記録紙3を手差しにて給紙する手差し部51を備えている。なお、以降、このカラーレーザプリンタ1において、手差し部51が本体ケーシング2に取り付けられている側(図1で右側)を「前部」とし、同じく手差し部51が本体ケーシング2に取り付けられている側とは反対側(図1で左側)を「後部」とする。また、手差し部51から見たカラーレーザプリンタ1の右側、左側をそれぞれ「右部」、「左部」とする。
【0048】
[給紙部4の構成の説明]
給紙部4は、記録紙3を積層する給紙トレイ6、給紙ローラ7、分離パッド41および給紙部用紙粉除去装置42を備えている。また、給紙部4は、給紙ローラ7を、カラーレーザプリンタ1左側から見て反時計方向(以下、単に「反時計方向」と記す。)に回転させることにより、給紙トレイ6の最上位にある記録紙3を、給紙ローラ7および分離パッド41により1枚毎に給紙するよう構成されている。
【0049】
このうち給紙部用紙粉除去装置42は、給紙ローラ7の前方に配されている。この給紙部用紙粉除去装置42は、図2に示すように、記録紙3の非印字面に接触して紙粉を除去する紙粉除去ローラ43、紙粉除去ローラ43に接触して紙粉を除去するスポンジ45、およびスポンジ45によって紙粉除去ローラ43から除去された紙粉を回収する紙粉回収ケース47を備えている。
【0050】
この紙粉除去ローラ43は、金属製のローラ軸に、フッ素樹脂からなる円筒形状の除去ローラ本体43aを被覆した構成を有している。この除去ローラ本体43aは、搬送される記録紙3を挟んで給紙ローラ7と対向するよう配されている。また、除去ローラ本体43aの紙幅方向の幅寸法は、図3に示すように、記録紙3が給紙ローラ7によって搬送される際に記録紙3が分離パッド41と接触する部分の紙幅方向の幅寸法よりも長く形成されている。また、ローラ軸は、カラーレーザプリンタ1の本体に回転可能に支持されており、紙粉除去ローラ43は、給紙ローラ7が回転すると、そのローラ軸を中心にして給紙ローラ7または記録紙3に接触しながら、カラーレーザプリンタ1左側から見て時計方向(以下、単に「時計方向」と記す。)に回転する。
【0051】
また、スポンジ45は、図2に示すように、紙粉除去ローラ43の下方に配されている。このスポンジ45の紙幅方向の幅寸法は、図3に示すように、除去ローラ本体43aの紙幅方向の幅寸法よりも長く形成されている。また、スポンジ45の上部が除去ローラ本体43aの下部に当接している。
【0052】
さらに、紙粉回収ケース47は、図2に示すように、紙粉除去ローラ43およびスポンジ45の前方に配されている。この紙粉回収ケース47は、その一部が開口する箱形状に形成されており、その開口からは、除去ローラ本体43aとスポンジ45とが当接する部分の近傍まで延出する導入部47aが設けられている。
【0053】
ところで、給紙部4から本体ケーシング2の上部に向かっては搬送経路が設けられている。この搬送経路の入口付近には一対の搬送ローラ8が設けられている。給紙ローラ7によって給紙部4から送り出された記録紙3は、搬送ローラ8へ搬送される。その後、搬送ローラ8へ搬送された記録紙3は、搬送ローラ8によって紙粉除去装置61に搬送される。
【0054】
[手差し部51の構成の説明]
さて、手差し部51は、記録紙3を積層する手差しトレイ52、給紙ローラ53、分離パッド54および手差し部用紙粉除去装置55を備えている。また、手差し部51は、給紙ローラ53を時計方向に回転させることにより、手差しトレイ52の最上位にある記録紙3を、給紙ローラ53および分離パッド54により1枚毎に給紙するよう構成されている。
【0055】
このうち手差し部用紙粉除去装置55は、給紙ローラ53の後方に配されている。この手差し部用紙粉除去装置55は、記録紙3の印字面に接触して紙粉を除去する紙粉除去ローラ56、紙粉除去ローラ56に接触して紙粉を除去するスポンジ57、およびスポンジ57によって紙粉除去ローラ56から除去された紙粉を回収する紙粉回収ケース58を備えている。
【0056】
ここで、紙粉除去ローラ56は、紙粉除去ローラ43と同様の構造を有しており、搬送される記録紙3を挟んで給紙ローラ53と対向するよう配されている。また、紙粉除去ローラ56は、給紙ローラ53が回転すると、給紙ローラ53または記録紙3に接触しながら反時計方向に回転する。
【0057】
また、スポンジ57は、スポンジ45と同様の構造を有しており、紙粉除去ローラ56の下方に配されている。また、スポンジ57の上部は、紙粉除去ローラ56の除去ローラ本体56aの下部に当接している。
さらに、紙粉回収ケース58は、紙粉除去ローラ56およびスポンジ57の後方に配されている。この紙粉回収ケース58は、その一部が開口する箱形状に形成されており、その開口からは、除去ローラ本体56aとスポンジ57とが当接する部分の近傍まで延出する導入部58aが設けられている。また、紙粉回収ケース58は、貯留した紙粉を紙粉除去装置61に搬送する紙粉搬送機構58bを備えている。この紙粉搬送機構58bは、紙粉回収ケース58と紙粉回収ケース67とを接続する接続管と、接続管の内部に配されたスクリューと、スクリューを回転駆動するモータ(共に図示省略)とを備え、モータがスクリューを所定の方向に回転駆動させると、接続管の内部にて回転するスクリューが、紙粉回収ケース58に貯留された紙粉を搬送して紙粉回収ケース67に運び入れるよう構成されている。
【0058】
ところで、手差し部51から本体ケーシング2の内部に向かっては搬送経路が設けられている。この搬送経路の入口付近には一対の搬送ローラ59が設けられている。給紙ローラ53によって手差し部51から送り出された記録紙3は、搬送ローラ59へ搬送される。その後、搬送ローラ59へ搬送された記録紙3は、搬送ローラ59によって紙粉除去装置61に搬送される。
【0059】
[紙粉除去装置61の構成の説明]
さて、紙粉除去装置61は、記録紙3の印字面に接触して紙粉を除去する紙粉除去ローラ63、紙粉除去ローラ63に接触して紙粉を除去するスポンジ65、記録紙3の非印字面を支持する支持ローラ66、およびスポンジ65によって紙粉除去ローラ63から除去された紙粉を回収する紙粉回収ケース67を備えている。
【0060】
この紙粉除去ローラ63は、金属製のローラ軸で構成されている。また、紙粉除去ローラ63の紙幅方向の幅寸法は、図3に示すように、記録紙3の紙幅方向の幅寸法よりも長く形成されている。また、紙粉除去ローラ63のローラ軸は、カラーレーザプリンタ1の本体に回転可能に支持されている。
【0061】
また、支持ローラ66は、金属製のローラ軸に、導電性の弾性部材からなる円筒形状の支持ローラ本体66aを被覆した構成を有しており、図2に示すように、搬送される記録紙3を挟んで紙粉除去ローラ63と対向するよう配されている。この支持ローラ66のローラ軸は、メインモータに接続されており、支持ローラ66がメインモータによって時計方向に回転すると、紙粉除去ローラ63が支持ローラ66または記録紙3に接触しながら反時計方向に回転するよう構成されている。
【0062】
さらに、スポンジ65は、紙粉除去ローラ63の下方に配されている。このスポンジ65の紙幅方向の幅寸法は、紙粉除去ローラ63の紙幅方向の幅寸法よりも長く形成されている。また、スポンジ65の上部は、紙粉除去ローラ63の下部に当接している。
【0063】
また、紙粉回収ケース67は、紙粉除去ローラ63およびスポンジ65の後方に配されている。この紙粉回収ケース67は、その一部が開口する箱形状に形成されており、その開口からは、除去ローラ本体63aとスポンジ65とが当接する部分の近傍まで延出する導入部67aが設けられている。
【0064】
また、紙粉除去ローラ63には、図示しない紙粉除去バイアス印加回路に接続されており、支持ローラ66は接地されている。この紙粉除去バイアス印加回路が紙粉除去ローラ63に正極性の電圧を印加すると、紙粉除去ローラ63から支持ローラ66に向けて電流が流れるとともに、紙粉除去ローラ63から支持ローラ66に向かう電界が発生する。なお、紙粉除去バイアス印加回路が紙粉除去ローラ63などに印加する電圧は、紙粉除去ローラ63と支持ローラ66との電位差の絶対値が、後述する転写バイアス印加回路によって転写ローラ13に印加される電圧の絶対値以上の値となるよう設定されている。
【0065】
また、紙粉除去ローラ63と支持ローラ66との間を流れる電流値の絶対値は、転写ローラ13と後述する中間転写ベルト26との間を流れる電流値の絶対値以上となるよう設定されている。
ところで、引き続き支持ローラ66が回転すると記録紙3が搬送され、この記録紙3は画像形成部5に到着し、転写位置Pに搬送される。ここで、転写位置Pは、記録紙3に、後述する中間転写ベルト26上のトナー像を転写する位置である。
【0066】
[画像形成部5の構成の説明]
さて、画像形成部5は、スキャナユニット10、プロセス部11、中間転写ベルト機構部12、転写ローラ13および定着部14などを備えている。
[スキャナユニット10の構成の説明]
これらのうち、スキャナユニット10は、本体ケーシング2内の後部に、図示しないレーザ発光部、ポリゴンミラー、複数のレンズおよび反射鏡を備えている。このスキャナユニット10は、レーザ発光部から発光される画像データに基づくレーザビームを、ポリゴンミラー、反射鏡およびレンズを介して通過あるいは反射させて、後述する感光体ベルト機構部16の感光体ベルト20の表面上に高速走査にて照射させることができる。
【0067】
[プロセス部11の構成の説明]
次に、プロセス部11は、本体ケーシング2内の中央部に、現像カートリッジ15、感光体ベルト機構部16などを備えている。
まず、現像カートリッジ15は、上から順に、各色毎に、イエローのトナーが収容されるイエロー現像カートリッジ15Y、マゼンタのトナーが収容されるマゼンタ現像カートリッジ15M、シアンのトナーが収容されるシアン現像カートリッジ15C、およびブラックのトナーが収容されるブラック現像カートリッジ15Kが、本体ケーシング2内の中央部に配置されている。
【0068】
また、各色の現像カートリッジ15は、現像ローラ17、層厚規制ブレード、供給ローラおよびトナー収容部(共に図示省略)などをそれぞれ備えている。この現像ローラ17は、金属製のローラ軸に、導電性のゴム材料である弾性部材からなるローラが被覆されている。より具体的には、現像ローラ17のローラは、弾性体のローラ部分と、そのローラ部分の表面に被覆されるコート層との2層構造によって形成されている。そして、弾性体のローラ部分は、カーボン微粒子などを含む導電性のウレタンゴム、シリコーンゴムまたはEPDMゴムなどからなり、コート層は、ウレタンゴム、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂などを主成分とする。また、この現像ローラ17には、感光体ベルト20に対して、所定の現像バイアスが印加されている。
【0069】
さらに、各現像カートリッジ15のトナー収容部には、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色の現像剤としての正帯電性の非磁性1成分の球形の重合トナーがそれぞれ収容されている。そして、そのトナーが供給ローラの回転によって、現像ローラ17に供給され、供給ローラと現像ローラ17との間で正極性に摩擦帯電され、さらに、現像ローラ17上に供給されたトナーは、現像ローラ17の回転に伴なって、層厚規制ブレードと現像ローラ17の間に進入し、ここでさらに十分に摩擦帯電されて、一定の厚さの薄層として現像ローラ17上に担持される。
【0070】
ここで、感光体ベルト機構部16は、上述した4つの現像カートリッジ15の後側に対向配置されている。この感光体ベルト機構部16は、最下位に位置するブラック現像カートリッジ15Kよりも下方に配置される駆動ローラ18と、駆動ローラ18の垂直方向上方で、最上位に位置するイエロー現像カートリッジ15Yよりも上方に配置される従動ローラ19と、駆動ローラ18および従動ローラ19の間に巻回される像担持体としての感光体ベルト20と、駆動ローラ18および従動ローラ19の中間に位置して感光体ベルト20の内側を支持する従動ローラ35と、感光体ベルト帯電器21と、後述する中間転写ベルト26への転写後に感光体ベルト20の表面上に残存する残存トナーを回収するための第1クリーナ22とを備えている。
【0071】
この感光体ベルト20は、表層がアルミ蒸着されたPET(ポリエチレンテレフタレート)などの樹脂からなるエンドレスベルトからなり、その表面に感光体からなる有機感光層を備えている。
また、駆動ローラ18には、駆動源としてのメインモータ(図示省略)が接続されており、メインモータが駆動ローラ18を回転駆動すると、駆動ローラ18の回転に伴って感光体ベルト20が送られる。感光体ベルト20が送られると、これに伴って従動ローラ19,35が従動回転する。このように、感光体ベルト20は、駆動ローラ18および従動ローラ19,35の間を時計方向に周回移動できる。
【0072】
さらに、感光体ベルト帯電器21は、感光体ベルト機構部16の側方であって、スキャナユニット10による感光体ベルト20への露光部分の上流側に、感光体ベルト20に接触しないように配置されている。この感光体ベルト帯電器21は、タングステンなどの帯電用ワイヤからコロナ放電を発生させる正帯電用のスコロトロン型の帯電器であり、感光体ベルト20の表面を正極性に一様に帯電させるように構成されている。そして、感光体ベルト20の表面は、感光体ベルト帯電器21により一様に正帯電された後、スキャナユニット10からのレーザービームの高速走査により露光され、画像データに基づく静電潜像が形成される。
【0073】
また、第1クリーナ22は、感光体ベルト機構部16の側方であって、感光体ベルト20と感光体ベルト帯電器21との対向部分の上流側に配置されている。この第1クリーナ22は、後述する中間転写ベルト26への転写後に感光体ベルト20の表面上に残存する残存トナーを回収する。
【0074】
[中間転写ベルト機構部12の構成の説明]
さて、画像形成部5の中間転写ベルト機構部12は、感光体ベルト機構部16の前側に配置されており、第1中間転写ベルトローラ23と、第1中間転写ベルトローラ23の前方に配置される第2中間転写ベルトローラ24と、第2中間転写ベルトローラ24の前方に配置される第3中間転写ベルトローラ25と、第1中間転写ベルトローラ23、第2中間転写ベルトローラ24および第3中間転写ベルトローラ25の外周に巻回される像担持体としての中間転写ベルト26とを備えている。また、中間転写ベルト26は、カーボンなどの導電性粒子を分散した導電性のポリカーボネートやポリイミドなどの樹脂からなるエンドレスベルトから形成されている。また、第1中間転写ベルトローラ23には、前述したメインモータ(図示省略)が接続されており、メインモータの駆動により第1中間転写ベルトローラ23が回転駆動されると、中間転写ベルト26が第1中間転写ベルトローラ23により送られる。送られた中間転写ベルト26は、第2中間転写ベルトローラ24および第3中間転写ベルトローラ25を従動回転させる。このように、中間転写ベルト26は、第1中間転写ベルトローラ23ないし第3中間転写ベルトローラ25の周りを反時計方向に周回移動する。
【0075】
[転写ローラ13の構成の説明]
また、転写ローラ13は、中間転写ベルト26を挟み、中間転写ベルト機構12の第3中間転写ベルトローラ25と対向するように配置され、金属製のローラ軸に導電性のゴム材料からなるローラが被覆されており、回転可能に支持されている。
【0076】
この転写ローラ13は、中間転写ベルト26から離間する「待機位置」と、中間転写ベルト26に近接する「転写可能位置」とに移動可能に構成されている。なお、転写ローラ13が「転写可能位置」に位置する場合には、転写ローラ13は中間転写ベルト26との間で搬送経路44を通過する記録紙3を第3中間転写ベルトローラ25に向けて押圧するように構成されている。また、転写ローラ13は、各色毎の可視像が中間転写ベルト26に順次転写される間は「待機位置」にあり、一方、全ての可視像が感光体ベルト20から中間転写ベルト26に転写され中間転写ベルト26上にカラー画像が形成されたときには「転写可能位置」にある。また、この転写ローラ13は、図示しない転写バイアス印加回路に接続されており、転写ローラ13が「転写可能位置」にある際には、この転写バイアス印加回路が、負の電圧を転写ローラ13に印加する。なお、この転写バイアス印加回路が転写ローラ13に印加する負の電圧の絶対値は、上述した紙粉除去バイアス印加回路が紙粉除去ローラ63などに印加する電圧の絶対値よりも小さくなるよう設定されている。
【0077】
また、中間転写ベルト機構部12の上方には、記録紙3への転写後に中間転写ベルト26の表面上に残存する残存トナーを回収するための第2クリーナ38が設けられている。
[定着部14の構成の説明]
定着部14は、中間転写ベルト機構部12の上方に配置され、加熱ローラ27と、その加熱ローラ27を押圧する押圧ローラ28と、加熱ローラ27および押圧ローラ28の下流側に設けられる1対の搬送ローラ29とを備えている。この加熱ローラ27は、外層がシリコンゴム、内層が金属製で加熱のためのハロゲンランプを備えている。また、この定着部14においては、転写位置Pにてカラー画像が転写された記録紙3が、加熱ローラ27と押圧ローラ28との間を通過する際に、このカラー画像を記録紙3に熱定着させることができる。
【0078】
ところで、定着器14の排紙側から本体ケーシング2の上部に向かっては搬送経路が設けられている。この搬送経路の入口付近には一対の搬送ローラ29が設けられており、出口付近には一対の排紙ローラ30が設けられている。また、本体ケーシング2の上部には排紙トレイ31が形成されている。定着部14にてカラー画像が熱定着された記録紙3は、加熱ローラ27および押圧ローラ28によって搬送ローラ29へ搬送される。その後、搬送ローラ29へ搬送された記録紙3は、搬送ローラ29および排紙ローラ30によって順次搬送され、排紙トレイ31上に排紙される。
【0079】
[カラーレーザプリンタ1の制御系の説明]
次に、カラーレーザプリンタ1の制御系を図4のブロック図を参照しながら説明する。この制御系では、図4に示すように、ベルト駆動制御部、帯電バイアス制御部、現像駆動制御部、現像バイアス制御部、一次転写バイアス制御部、二次転写バイアス制御部、トナークリーニングバイアス制御部および紙粉除去バイアス制御部がCPU401に接続されている。
【0080】
このCPU401は、RAM411およびROM412を備え、各部の制御を実行する。また、RAM411には、各部を駆動制御するための一時的な数値が格納される。さらに、ROM112には、ベルト駆動制御部などの各制御部を制御するための、メイン駆動制御プログラムなどの各種の制御プログラムが格納されている。
【0081】
そして、本実施例のカラーレーザプリンタ1では、CPU401がメイン駆動制御プログラムを実行することにより、ベルト駆動制御部などの各制御部を制御し、ベルト駆動制御、帯電バイアス制御、現像駆動制御、現像バイアス制御、一次転写バイアス制御、二次転写バイアス制御、トナークリーニングバイアス制御および紙粉除去バイアス制御を実行する。
【0082】
なお、本実施例のカラーレーザプリンタ1のその他の構成は、公知技術に従っているので、詳細な説明は省略する。
[印刷処理の説明]
次に、カラーレーザプリンタ1の印刷処理について、図1,2,4を参照しながら説明する。
【0083】
まず、給紙部4に積層された記録紙3を給紙する場合には、印刷処理が開始されると、まず、ベルト駆動制御および紙粉除去バイアス制御を実行する。具体的には、メインモータが、給紙ローラ7、支持ローラ66および各搬送ローラを所定のタイミングおよび所定の方向にて回転させる。給紙ローラ7が回転すると、給紙トレイ6の最上位にある記録紙3が、給紙ローラ7および分離パッド41により1枚毎に給紙トレイ6から取り出される。この際、記録紙3の非印字面が分離パッド41と摩擦し、正極性や負極性に帯電した紙粉が発生する。そして、これら紙粉は、記録紙3の非印字面における分離パッド41と摩擦した部分に付着する。
【0084】
引き続き給紙ローラ7が回転して記録紙3が紙粉除去ローラ43に到着すると、紙粉除去ローラ43が、記録紙3の通過に伴い回転する。この際、回転する紙粉除去ローラ43がスポンジ45と摩擦して負極性に帯電し、給紙ローラ7から紙粉除去ローラ43に向かう電界が発生する。すると、記録紙3の非印字面のうち紙粉が付着する部分が紙粉除去ローラ43に接触した際に、
(a)記録紙3の非印字面に付着する紙粉のうち正極性に帯電する紙粉が、上述の電界の作用により記録紙3の非印字面から分離して紙粉除去ローラ43に転移付着する。
【0085】
(b)一方、記録紙3の非印字面に付着した紙粉のうち負極性に帯電する紙粉が、上述の電界の作用により記録紙3の非印字面に押し付けられて留まる。
引き続き給紙ローラ7が回転すると記録紙3が搬送され、この記録紙3の搬送に伴って紙粉除去ローラ43が回転する。そして、紙粉除去ローラ43が回転することにより、紙粉除去ローラ43における紙粉が付着する部分がスポンジ45に接触すると、それら紙粉が、そのスポンジ45によって紙粉除去ローラ43から掻き取られて下方に落下する。落下した紙粉は、紙粉回収ケースの導入部47aから紙粉回収ケース47に入って貯留される。
【0086】
そして、給紙ローラ7によって給紙部4から送り出された記録紙3は、搬送経路を通り搬送ローラ8へ搬送される。その後、搬送ローラ8へ搬送された記録紙3は、搬送ローラ8によって紙粉除去装置61に搬送される。
一方、手差し部51に積層された記録紙3を給紙する場合には、印刷処理が開始されると、メインモータが、給紙ローラ53および各搬送ローラを所定のタイミングおよび所定の方向にて回転させる。給紙ローラ53が回転すると、手差しトレイ52の最上位にある記録紙3が、給紙ローラ53および分離パッド54により1枚毎に手差しトレイ52から取り出される。この際、記録紙3の印字面が分離パッド54と摩擦し、正極性や負極性に帯電した紙粉が発生する。そして、これら紙粉は、記録紙3の印字面における分離パッド54と摩擦した部分に付着する。
【0087】
引き続き給紙ローラ53が回転して記録紙3が紙粉除去ローラ56に到着すると、紙粉除去ローラ56が、記録紙3の通過に伴い回転する。この際、回転する紙粉除去ローラ56がスポンジ57と摩擦して負極性に帯電し、給紙ローラ53から紙粉除去ローラ56に向かう電界が発生する。すると、次のような現象が発生する。
【0088】
(a´)記録紙3の印字面のうち紙粉が付着する部分が紙粉除去ローラ56に接触した際に、記録紙3の印字面に付着する紙粉のうち正極性に帯電する紙粉が、上述の電界の作用により記録紙3の印字面から分離して紙粉除去ローラ56に転移付着する。
【0089】
(b´)記録紙3の印字面に付着した紙粉のうち負極性に帯電する紙粉が、上述の電界の作用により記録紙3の印字面に留まる。
引き続き給紙ローラ53が回転すると記録紙3が搬送され、この記録紙3の搬送に伴って紙粉除去ローラ56が回転する。そして、紙粉除去ローラ56が回転することにより、紙粉除去ローラ56における紙粉が付着する部分がスポンジ57に接触すると、それら紙粉がそのスポンジ57によって紙粉除去ローラ56から掻き取られて下方に落下する。落下した紙粉は、紙粉回収ケース58の導入部58aから紙粉回収ケース58に入って貯留される。そして、紙粉回収ケース58に貯留された紙粉は、紙粉搬送機構58bによって、紙粉除去装置61の紙粉回収ケース67に運ばれて貯留される。
【0090】
そして、給紙ローラ53によって手差し部51から送り出された記録紙3は、搬送経路を通り搬送ローラ59へ搬送される。その後、搬送ローラ59へ搬送された記録紙3は、搬送ローラ59によって紙粉除去装置61に搬送される。
さて、紙粉除去装置61においては、メインモータが支持ローラ66を回転駆動させると、支持ローラ66が回転する。そして、紙粉除去ローラ63が、支持ローラ66の回転に伴い、支持ローラ66に接触しながら回転する。この際、この紙粉除去ローラ63には、正極性の電圧が印加されているため、紙粉除去ローラ63と支持ローラ66との間には、(c)紙粉除去ローラ63から支持ローラ66に向けて電流が流れるとともに、(d)紙粉除去ローラ63から支持ローラ66に向かう電界が発生する。
【0091】
一方、搬送ローラ8により紙粉除去装置61に搬送された記録紙3が、紙粉除去ローラ63および支持ローラ66との間に差し入れられる。なお、この記録紙3には搬送ローラ8などとの摩擦により発生した、正極性や負極性に帯電した紙粉が付着している。すると、記録紙3の印字面のうち紙粉が付着する部分が紙粉除去ローラ63に接近または接触した際に、次のような現象が発生する。
【0092】
(e)記録紙3の印字面に付着する紙粉のうち正極性に帯電する紙粉が、上述の電流(c)の作用により、正極性の帯電電荷が強められて記録紙3の印字面に留まる。
(f)記録紙3の印字面に付着する紙粉のうち負極性に帯電する紙粉が、上述の電界(d)の作用により記録紙3の印字面から分離して紙粉除去ローラ63に転移付着する。また、粉塵の一部は、上述の電流(c)の作用により、その帯電極性が負極性から正極性に変化し、上述の電界(d)の作用により記録紙3の印字面に留まる。
【0093】
また、記録紙3の非印字面のうち紙粉が付着する部分が支持ローラ66に接近または接触した際に、記録紙3の非印字面に付着する紙粉のうち負極性に帯電する紙粉が、上述の電界(d)の作用により記録紙3の非印字面に留まる。
なお、この時点において、記録紙3の印字面のうち紙粉除去ローラ63と支持ローラ66との間を通過した部分には、正極性に帯電した紙粉が付着している。
【0094】
引き続き支持ローラ66が回転すると、記録紙3が搬送され、この記録紙3の搬送に伴って紙粉除去ローラ63が回転する。紙粉除去ローラ63が回転することにより、紙粉除去ローラ63における紙粉が付着する部分がスポンジ65に接触すると、それら紙粉がそのスポンジ65によって紙粉除去ローラ63から掻き取られ、下方に落下する。落下した紙粉は、紙粉回収ケース67の導入部67aから紙粉回収ケース67に入って貯留される。
【0095】
そして、引き続き支持ローラ66が回転すると記録紙3が搬送され、この記録紙3は画像形成部5に到着し、転写位置Pに搬送される。
続いて、現像駆動制御を実行する。具体的には、画像形成部5では、メインモータが、駆動ローラ18を介して感光体ベルト20を所定の方向に回転させ、また第1中間転写ベルトローラ23を介して中間転写ベルト26を所定の方向に回転させる。
【0096】
続いて、帯電バイアス制御を実行する。具体的には、スキャナユニット10が、レーザ発光部から発光される画像データに基づくレーザビームを、ポリゴンミラー、反射鏡およびレンズを介して通過あるいは反射させて、感光体ベルト機構部16の感光体ベルト20の表面上に高速走査にて照射する。すると、印刷データに基づく静電潜像が感光ベルト20に形成される。
【0097】
続いて、現像バイアス制御、一次転写バイアス制御および二次転写バイアス制御を実行する。具体的には、引き続き感光ベルト20が移動すると、イエロー現像カートリッジ15Yに収容されるイエローのトナーにより、回転する感光体ベルト20上に、イエローの可視像が形成される。そして、感光体ベルト20のイエローの可視像は、感光体ベルト20の移動により中間転写ベルト26と対向したときに、中間転写ベルト26の表面に転写される。なお、イエローの可視像を中間転写ベルト26に転写した後の感光体ベルト20の表面は、第1クリーナ22によりクリーニングされる。なお、このクリーニングは、トナークリーニングバイアス制御に相当する。
【0098】
以下同様にして、帯電バイアス制御、現像バイアス制御、一次転写バイアス制御およびトナークリーニングバイアス制御を繰り返すことにより、マゼンタの可視像、シアンの可視像およびブラックの可視像を感光体ベルト20上に形成して中間転写ベルト26の表面に転写する。
【0099】
一方、支持ローラ66によって搬送された記録紙3は、感光ベルト20から中間転写ベルト26への全ての色の可視像の転写が終了すると、転写位置Pに搬送される。転写位置Pに搬送された記録紙3は、中間転写ベルト26と転写ローラ13の間を通る。このとき、記録紙3が転写ローラ13によって中間転写ベルト26に押し付けられ、中間転写ベルト26の上に形成されたカラー画像が転写される。なお、このカラー画像の転写は、二次転写バイアス制御に相当する。この際、転写ローラ13には、負極性の電圧が印加されているため、中間転写ベルト26と転写ローラ13との間には、(g)転写ローラ13から中間転写ベルト26に向けて負の電流が流れるとともに、(h)中間転写ベルト26から転写ローラ13に向かう電界が発生する。すると、記録紙3の印字面のうち紙粉が付着する部分が中間転写ベルト26に接触した際に、次のような現象が発生する。
【0100】
(i)記録紙3の印字面に付着する紙粉のうち正極性に帯電する紙粉が、上述の電界(h)の作用により、中間転写ベルト26に転移付着することなく記録紙3の印字面に留まる。そして、この粉塵は、記録紙3に付着したまま転写位置Pを通過する。
【0101】
(j)また、記録紙3の非印字面に付着する紙粉のうち負極性に帯電する紙粉が、上述の電流(g)の作用により、負極性の帯電電荷が強められ、さらに上述の電界(h)の作用により、転写ローラ13に転移付着することなく記録紙3の非印字面に留まる。そして、この粉塵は、記録紙3に付着したまま転写位置Pを通過する。
【0102】
なお、カラー画像を記録紙3に転写した後の中間転写ベルト26の表面は、第2クリーナ38によりクリーニングされる。なお、このクリーニングは、トナークリーニングバイアス制御に相当する。
続いて、カラー画像が転写された記録紙3は定着部14に送られる。ここで記録紙3は、回転する加熱ローラ27および押圧ローラ28の間を通過し、これらローラ27、28によってカラー画像が熱定着させる。そして、このように定着部14においてカラー画像が熱定着された記録紙3は、搬送ローラ29によって1対の排紙ローラ30に搬送される。排紙ローラ30に送られた記録紙3は、その排紙ローラ30によって本体ケーシング2の上部に形成される排紙トレイ31上に排紙される。
【0103】
[第一実施例の効果]
本実施例のカラーレーザプリンタ1によれば、紙粉除去装置61が、記録紙3の印字面に付着した紙粉のうち負極性に帯電する紙粉を、その付着部分が転写位置Pに到達する前に除去するので、記録紙3の印字面に付着した粉塵が中間転写ベルト26に転移付着するのを防ぐことができる。
【0104】
また、紙粉除去装置42が、記録紙3の非印字面に付着した紙粉のうち正極性に帯電する紙粉を、その付着部分が転写位置Pに到達する前に除去するので、記録紙3の非印字面に付着した粉塵が転写ローラ13に転移付着するのを防ぐことができる。
【0105】
(第二実施例)
第二実施例のカラーレーザプリンタ200は、記録紙3の印字面に付着した紙粉のうち負極性に帯電する紙粉、および記録紙3の非印字面に付着した紙粉のうち正極性に帯電する紙粉を除去する第一実施例に加えて、さらに、記録紙3の印字面に付着した紙粉のうち正極性に帯電する紙粉を除去するような構成を備えた例であり、本第二実施例のカラーレーザプリンタ200が最も有効な作用効果を奏する。なお、第二実施例のカラーレーザプリンタ200は、第一実施例のカラーレーザプリンタ1が紙粉除去装置61を備えるのに対して紙粉除去装置101を備えている点が異なっており、多くの部分は第一実施例のカラーレーザプリンタ1と共通なので、第一実施例のカラーレーザプリンタ1と同じ符号を使用して説明を省略する。
【0106】
図5に示すように、カラーレーザプリンタ200が備える紙粉除去装置101は、上述した第一実施例のカラーレーザプリンタ1が紙粉除去装置61が備えるのと同じ紙粉除去ローラ63、スポンジ65、支持ローラ66および紙粉回収ケース67に加えて、記録紙3の印字面に接触して紙粉を除去する紙粉除去ローラ103、紙粉除去ローラ103に接触して紙粉を除去するスポンジ105、および記録紙3の非印字面を支持する支持ローラ106を備えている。但し、第一実施例では、紙粉除去ローラ63に正極性の電圧が印加されていたが、本第二実施例では、支持ローラ66に負極性の電圧が印加されている。
【0107】
まず、紙粉除去ローラ103は、紙粉除去ローラ63と同様の構成を有しており、紙粉除去ローラ63の上方に位置している。
また、支持ローラ106は、支持ローラ66と同様の構造を有しており、搬送される記録紙3を挟んで紙粉除去ローラ103と対向するよう配されている。この支持ローラ106のローラ軸は、メインモータに接続されており、支持ローラ66がメインモータによって時計方向に回転すると、紙粉除去ローラ103が支持ローラ66または記録紙3に接触しながら反時計方向に回転するよう構成されている。
【0108】
さらに、スポンジ105は、スポンジ65と同様の構造を有しており、紙粉除去ローラ103の下方に配されている。また、スポンジ105の上部は、紙粉除去ローラ103の下部に当接している。
また、上述の紙粉回収ケース67においては、導入部67aに加えて、その開口から紙粉除去ローラ103とスポンジ105とが当接する部分の近傍まで延出する導入部67bが設けられている。
【0109】
また、支持ローラ106には、図示しない紙粉除去バイアス印加回路が接続されている。この紙粉除去バイアス印加回路が、正極性の電圧を支持ローラ106に印加すると、支持ローラ106から紙粉除去ローラ103に向けて電流が流れるとともに、支持ローラ106から紙粉除去ローラ103に向かう電界が発生する。
【0110】
以上のように構成された紙粉除去装置101は、上述した第一実施例の印刷処理における紙粉除去装置61の代わりに次のように作用する。すなわち、紙粉除去装置101においては、メインモータが支持ローラ66を回転駆動させると、紙粉除去ローラ63が、支持ローラ66の回転に伴い、支持ローラ66に接触しながら回転する。この際、この支持ローラ66には、負極性の電圧が印加されているため、紙粉除去ローラ63と支持ローラ66との間には、(c´)支持ローラ66から紙粉除去ローラ63に向けて負の電流が流れるとともに、(d)紙粉除去ローラ63から支持ローラ66に向かう電界が発生する。
【0111】
また、メインモータが支持ローラ106を回転駆動させると、紙粉除去ローラ103が、支持ローラ106の回転に伴い、支持ローラ106に接触しながら回転する。この際、この支持ローラ106には、正極性の電圧が印加されているため、紙粉除去ローラ103と支持ローラ106との間には、(k)支持ローラ106から紙粉除去ローラ103に向けて電流が流れるとともに、(l)支持ローラ106から紙粉除去ローラ103に向かう電界が発生する。
【0112】
一方、搬送ローラ8により紙粉除去装置101に搬送された記録紙3が、紙粉除去ローラ63および支持ローラ66との間に差し入れられる。なお、この記録紙3には搬送ローラ8などとの摩擦により発生した、正極性や負極性に帯電した紙粉が付着している。すると、記録紙3の印字面のうち紙粉が付着する部分が紙粉除去ローラ63に接近または接触した際に、次のような現象が発生する。
【0113】
(e)記録紙3の印字面に付着する紙粉のうち正極性に帯電する紙粉が、上述の電界(d)の作用により記録紙3の印字面に留まる。また、粉塵の一部は、上述の電流(c´)の作用により、その帯電極性が正極性から負極性に変化し、上述の電界(d)の作用により、記録紙3の印字面から分離して紙粉除去ローラ63に転移付着する。
【0114】
(f)記録紙3の印字面に付着する紙粉のうち負極性に帯電する紙粉が、上述の電界(d)の作用により記録紙3の印字面から分離して紙粉除去ローラ63に転移付着する。また、粉塵の一部は、上述の電流(c´)の作用により、負の帯電極性が強められて、上述の電界(d)の作用により、記録紙3の印字面から分離して紙粉除去ローラ63に転移付着する。
【0115】
また、記録紙3の非印字面のうち紙粉が付着する部分が支持ローラ66に接近または接触した際に、記録紙3の非印字面に付着する紙粉のうち負極性に帯電する紙粉が、上述の電流(c´)の作用により、負極性の帯電電荷が強められて記録紙3の非印字面に留まる。
【0116】
なお、この時点において、記録紙3の印字面のうち紙粉除去ローラ63と支持ローラ66との間を通過した部分には、正極性に帯電した紙粉が付着しており、一方、記録紙3の非印字面のうち紙粉除去ローラ63と支持ローラ66との間を通過した部分には、負極性に帯電した紙粉が付着している。
【0117】
引き続き支持ローラ66が回転すると、記録紙3が搬送され、この記録紙3の搬送に伴って紙粉除去ローラ63が回転する。紙粉除去ローラ63が回転することにより、紙粉除去ローラ63における紙粉が付着する部分がスポンジ65に接触すると、それら紙粉がそのスポンジ65によって紙粉除去ローラ63から掻き取られ、下方に落下する。落下した紙粉は、紙粉回収ケース67の導入部67aから紙粉回収ケース67に入って貯留される。
【0118】
そして、引き続き支持ローラ66が回転すると記録紙3が搬送され、この記録紙3は、紙粉除去ローラ103と支持ローラ106との間に差し入れられる。すると、次のような現象が発生する。
(m)記録紙3の印字面のうち紙粉が付着する部分が紙粉除去ローラ103に接近または接触した際に、記録紙3の印字面に付着した紙粉のうち正極性に帯電する紙粉が、上述の電流(k)および電界(l)の作用により、記録紙3の印字面から分離する。
【0119】
(n)記録紙3の非印字面のうち紙粉が付着する部分が支持ローラ106に接近または接触した際に、記録紙3の非印字面に付着する紙粉のうち負極性に帯電する紙粉が、上述の電流(k)の作用により、負極性の帯電電荷が弱められて記録紙3の非印字面に留まる。
【0120】
なお、この時点において、記録紙3の印字面のうち紙粉除去ローラ103と支持ローラ106との間を通過した部分には、紙粉がほとんど付着しておらず、一方、記録紙3の非印字面のうち紙粉除去ローラ103と支持ローラ106との間を通過した部分には、中性化した紙粉が付着している。
【0121】
引き続き支持ローラ106が回転すると、記録紙3が搬送され、この記録紙3の搬送に伴って紙粉除去ローラ103が回転する。紙粉除去ローラ103が回転することにより、紙粉除去ローラ103における紙粉が付着する部分がスポンジ105に接触すると、それら紙粉がそのスポンジ105によって紙粉除去ローラ103から掻き取られ、下方に落下する。落下した紙粉は、紙粉回収ケース67の導入部67bから紙粉回収ケース67に入って貯留される。
【0122】
そして、引き続き支持ローラ106が回転すると記録紙3が搬送され、この記録紙3は画像形成部5に到着し、転写位置Pに搬送される。
なお、以後の処理は第一実施例における印刷処理と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0123】
[第二実施例の効果]
本実施例のカラーレーザプリンタ200によれば、紙粉除去装置101が、記録紙3の印字面に付着した紙粉のうち負極性に帯電する紙粉に加えて、記録紙3の印字面に付着した紙粉のうち正極性に帯電する紙粉を、その付着部分が転写位置Pに到達する前に除去するので、記録紙3の印字面に付着した粉塵が中間転写ベルト26に転移付着するのを防ぐことができる。
【0124】
(第三実施例)
第三実施例のカラーレーザプリンタ300は、記録紙3の印字面に付着した紙粉のうち負極性に帯電する紙粉、および記録紙3の非印字面に付着した紙粉のうち正極性に帯電する紙粉を除去する第一実施例に加えて、さらに、記録紙3の非印字面に付着した紙粉のうち正極性に帯電する紙粉を除去するような構成を備えた例である。なお、第三実施例のカラーレーザプリンタ300は、第一実施例のカラーレーザプリンタ1が紙粉除去装置61を備えるのに対して紙粉除去装置201を備えている点が異なっており、多くの部分は第一実施例のカラーレーザプリンタ1と共通なので、第一実施例のカラーレーザプリンタ1と同じ符号を使用して説明を省略する。
【0125】
図6に示すように、カラーレーザプリンタ300が備える紙粉除去装置201は、上述した第一実施例のカラーレーザプリンタ1が紙粉除去装置61が備えるのと同じ紙粉除去ローラ63、スポンジ65、支持ローラ66および紙粉回収ケース67に加えて、記録紙3の非印字面に接触して紙粉を除去する紙粉除去ローラ203、紙粉除去ローラ203に接触して紙粉を除去するスポンジ205、記録紙3の印字面を支持する支持ローラ206、およびスポンジ205によって紙粉除去ローラ203から除去された紙粉を回収する紙粉回収ケース207を備えている。
【0126】
この紙粉除去ローラ203は、紙粉除去ローラ63と同様の構成を有しており、支持ローラ66の上方に位置している。
また、支持ローラ206は、支持ローラ66と同様の構造を有しており、搬送される記録紙3を挟んで紙粉除去ローラ203と対向するよう配されている。この支持ローラ206のローラ軸は、メインモータに接続されており、支持ローラ206がメインモータによって反時計方向に回転すると、紙粉除去ローラ203が支持ローラ206または記録紙3に接触しながら時計方向に回転するよう構成されている。
【0127】
さらに、スポンジ205は、スポンジ65と同様の構造を有しており、紙粉除去ローラ203の下方に配されている。また、スポンジ205の上部は、紙粉除去ローラ203の下部に当接している。
また、紙粉回収ケース207は、紙粉除去ローラ203およびスポンジ205の前方に配されている。この紙粉回収ケース207は、その一部が開口する箱形状に形成されており、その開口からは、紙粉除去ローラ203とスポンジ205とが当接する部分の近傍まで延出する導入部207aが設けられている。また、紙粉回収ケース207は、貯留した紙粉を紙粉回収ケース67に搬送する紙粉搬送機構207bを備えている。この紙粉搬送機構207bは、紙粉搬送機構58bと同様に、紙粉回収ケース207と紙粉回収ケース67とを接続する接続管と、接続管の内部に配されたスクリューと、スクリューを回転駆動するモータ(共に図示省略)とを備え、モータがスクリューを所定の方向に回転駆動させると、接続管の内部にて回転するスクリューが、紙粉回収ケース207に貯留された紙粉を搬送して紙粉回収ケース67に運び入れるよう構成されている。
【0128】
また、支持ローラ206には、図示しない紙粉除去バイアス印加回路に接続されており、この紙粉除去バイアス印加回路が、正極性の電圧を支持ローラ206に印加すると、支持ローラ206から紙粉除去ローラ203に向けて電流が流れるとともに、支持ローラ206から紙粉除去ローラ203に向かう電界が発生する。
【0129】
以上のように構成された紙粉除去装置201は、上述した第一実施例の印刷処理における紙粉除去装置61の代わりに次のように作用する。すなわち、紙粉除去装置201においては、メインモータが支持ローラ66を回転駆動させると、紙粉除去ローラ63が、支持ローラ66の回転に伴い、支持ローラ66に接触しながら回転する。この際、この紙粉除去ローラ63には、正極性の電圧が印加されているため、紙粉除去ローラ63と支持ローラ66との間には、(c)紙粉除去ローラ63から支持ローラ66に向けて電流が流れるとともに、(d)紙粉除去ローラ63から支持ローラ66に向かう電界が発生する。
【0130】
また、メインモータが支持ローラ206を回転駆動させると、紙粉除去ローラ203が、支持ローラ206の回転に伴い、支持ローラ206に接触しながら回転する。この際、この支持ローラ206には、正極性の電圧が印加されているため、紙粉除去ローラ203と支持ローラ206との間には、(o)支持ローラ206から紙粉除去ローラ203に向けて電流が流れるとともに、(p)支持ローラ206から紙粉除去ローラ203に向かう電界が発生する。
【0131】
一方、搬送ローラ8により紙粉除去装置201に搬送された記録紙3が、紙粉除去ローラ63および支持ローラ66との間に差し入れられる。なお、この記録紙3には搬送ローラ8などとの摩擦により発生した、正極性や負極性に帯電した紙粉が付着している。すると、記録紙3の印字面のうち紙粉が付着する部分が紙粉除去ローラ63に接近または接触した際に、次のような現象が発生する。
【0132】
(e)記録紙3の印字面に付着する紙粉のうち正極性に帯電する紙粉が、上述の電流(c)の作用により、正極性の帯電電荷が強められて記録紙3の印字面に留まる。
(f)記録紙3の印字面に付着した紙粉のうち負極性に帯電する紙粉が、上述の電界(d)の作用により記録紙3の印字面から分離して紙粉除去ローラ63に転移付着する。また、粉塵の一部は、上述の電流(c)の作用により、その帯電極性が負極性から正極性に変化し、上述の電界(d)の作用により記録紙3の印字面に留まる。
【0133】
また、記録紙3の非印字面のうち紙粉が付着する部分が支持ローラ66に接近または接触した際に、記録紙3の非印字面に付着する紙粉のうち負極性に帯電する紙粉が、上述の電界(d)の作用により記録紙3の非印字面に留まる。
なお、この時点において、記録紙3の印字面のうち紙粉除去ローラ63と支持ローラ66との間を通過した部分には、正極性に帯電した紙粉が付着しており、一方、記録紙3の非印字面のうち紙粉除去ローラ63と支持ローラ66との間を通過した部分には、負極性に帯電した紙粉が付着している。
【0134】
引き続き支持ローラ66が回転すると、記録紙3が搬送され、この記録紙3の搬送に伴って紙粉除去ローラ63が回転する。紙粉除去ローラ63が回転することにより、紙粉除去ローラ63における紙粉が付着する部分がスポンジ65に接触すると、それら紙粉がそのスポンジ65によって紙粉除去ローラ63から掻き取られ、下方に落下する。落下した紙粉は、紙粉回収ケース67の導入部67aから紙粉回収ケース67に入って貯留される。
【0135】
そして、引き続き支持ローラ66が回転すると記録紙3が搬送され、この記録紙3は、紙粉除去ローラ203と支持ローラ206との間に差し入れられる。すると、次のような現象が発生する。
(q)記録紙3の印字面のうち紙粉が付着する部分が支持ローラ206に接触した際に、記録紙3の印字面に付着した紙粉のうち正極性に帯電する紙粉が、上述の電流(o)の作用により正極性の帯電電荷が強められ、上述の電界(p)の作用により記録紙3の印字面に留まる。
【0136】
(r)記録紙3の非印字面のうち紙粉が付着する部分が紙粉除去ローラ203に接触した際に、記録紙3の非印字面に付着した紙粉のうち負極性に帯電する紙粉が、上述の電界(p)の作用により、記録紙3の非印字面に留まる。また、この紙粉の一部は、上述の電流(o)の作用により、その帯電極性が負極性から正極性に変化し、記録紙3の非印字面から分離して紙粉除去ローラ203に転移付着する。
【0137】
なお、この時点において、記録紙3の印字面のうち紙粉除去ローラ203と支持ローラ206との間を通過した部分には、正極性に帯電した紙粉が付着しており、一方、記録紙3の非印字面のうち紙粉除去ローラ203と支持ローラ206との間を通過した部分には、負極性に帯電した少量の紙粉が付着している。
【0138】
引き続き支持ローラ206が回転すると、記録紙3が搬送され、この記録紙3の搬送に伴って紙粉除去ローラ203が回転する。紙粉除去ローラ203が回転することにより、紙粉除去ローラ203における紙粉が付着する部分がスポンジ205に接触すると、それら紙粉がそのスポンジ205によって紙粉除去ローラ203から掻き取られ、下方に落下する。落下した紙粉は、紙粉回収ケース207の導入部207aから紙粉回収ケース207に入って貯留される。紙粉回収ケース207に貯留された紙粉は、紙粉搬送機構207bによって、紙粉回収ケース67に運ばれて貯留される。
【0139】
そして、引き続き支持ローラ206が回転すると記録紙3が搬送され、この記録紙3は画像形成部5に到着し、転写位置Pに搬送される。なお、以後の処理は第一実施例の印刷処理と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
[第三実施例の効果]
本実施例のカラーレーザプリンタ300によれば、紙粉除去装置201が、記録紙3の印字面に付着した紙粉のうち負極性に帯電する紙粉を、その付着部分が転写位置Pに到達する前に除去することに加えて、記録紙3の非印字面に付着した紙粉のうち正極性に帯電する紙粉を、その付着部分が転写位置Pに到達する前に除去するので、記録紙3に付着した粉塵が中間転写ベルト26や転写ローラ13に転移付着するのを防ぐことができる。
【0140】
[別実施例その他]
(1)上記実施例では、可視像を感光体ベルト20上に形成する際に、各色トナーを正極性に帯電させるよう構成されているが、これには限られず、各色トナーを負極性に帯電させるよう構成してもよい。具体的には、(イ)各色のトナーを、供給ローラと現像ローラ17との間で正極性に帯電させる代わりに、負極性に帯電させる。(ロ)また、転写バイアス印加回路が、転写ローラ13に負極性の電圧を印加する代わりに、正極性の電圧を印加する。(ハ)さらに、紙粉除去バイアス印加回路が、紙粉除去ローラ63に電圧を印加する代わりに支持ローラ66に同様の電圧を印加する。なお、他の紙粉除去ローラや搬送ローラについても同様である。このように構成しても上記実施例と同様の作用効果を奏する。
【0141】
(2)上記実施例の紙粉除去装置63では、紙粉除去バイアス印加回路が、正極性の電圧を紙粉除去ローラ63に印加しているが、紙粉除去ローラ63が支持ローラ66よりも高電位であれば、これには限られず、例えば、紙粉除去バイアス印加回路が、負極性の電圧を支持ローラ66に印加してもよい。また、紙粉除去ローラ63および支持ローラ66に正極性の電圧をそれぞれ印加し、紙粉除去ローラ63に印加した正極性の電圧の値が、支持ローラ66に印加した正極性の電圧の値よりも大きくなるようにしてもよい。また、逆に、紙粉除去ローラ63および支持ローラ66に負極性の電圧をそれぞれ印加し、紙粉除去ローラ63に印加した負極性の電圧の絶対値が、支持ローラ66に印加した負極性の電圧の絶対値よりも小さくなるようにしてもよい。なお、以上のことは紙粉除去装置101,201においても同様である。このように構成しても上記実施例と同様の作用効果を奏する。
【0142】
(3)上記実施例では、転写バイアス印加回路が、負極性の電圧を転写ローラ13に印加しているが、転写ローラ13が中間転写ベルト26よりも低電位であれば、これには限られず、例えば、中間転写ベルト26および転写ローラ13に正極性の電圧をそれぞれ印加し、中間転写ベルト26に印加した正極性の電圧の値が、転写ローラ13に印加した正極性の電圧の値よりも大きくなるようにしてもよい。また、逆に、中間転写ベルト26および転写ローラ13に負極性の電圧をそれぞれ印加し、中間転写ベルト26に印加した負極性の電圧の絶対値が、転写ローラ13に印加した負極性の電圧の絶対値よりも小さくなるようにしてもよい。このように構成しても上記実施例と同様の作用効果を奏する。
【0143】
また、中間転写ベルト26を有せず、感光体ベルト20と転写ローラ13とが、搬送される記録紙3を挟んで向かい合うような構成を備えるカラーレーザプリンタの場合には、転写ローラ13が感光体ベルト20よりも低電位であればよい。例えば、転写バイアス印加回路が、負極性の電圧を転写ローラ13に印加してもよい。また、感光体ベルト20および転写ローラ13に正極性の電圧をそれぞれ印加し、感光体ベルト20に印加した正極性の電圧の値が、転写ローラ13に印加した正極性の電圧の値よりも大きくなるようにしてもよい。さらに、逆に、感光体ベルト20および転写ローラ13に負極性の電圧をそれぞれ印加し、感光体ベルト20に印加した負極性の電圧の絶対値が、転写ローラ13に印加した負極性の電圧の絶対値よりも小さくなるようにしてもよい。このように構成しても上記実施例と同様の作用効果を奏する。
【0144】
(4)上記実施例の各紙粉除去装置61,101,201が設置される位置は、次のような理由により転写位置Pにより近いほうが望ましい。すなわち、記録紙3に付着した紙粉の帯電電荷は時間の経過とともに放電されて弱くなる。そうなると、上述のように紙粉除去ローラと支持ローラとの間を流れる電流の作用によってその帯電電荷を強めても、記録紙3における紙粉が付着する部分が転写位置Pに到着するまでにその帯電電荷が放電されて弱くなってしまい、その紙粉を記録紙3に付着させた状態で転写位置Pを通過させるのが困難となるからである。このようにすれば、記録紙3に付着した紙粉が記録紙3に付着したまま転写位置Pを通過しやすくなるので、それら紙粉が記録紙3から分離して中間転写ベルト26や転写ローラ13に転移付着するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例のカラーレーザプリンタを示す要部側断面図である。
【図2】第一実施例のカラーレーザプリンタの給紙部用紙粉装置、手差し部用紙粉除去装置および紙粉除去装置の拡大側断面図である。
【図3】記録紙、給紙ローラ、分離パッド、紙粉除去ローラおよびスポンジそれぞれの紙幅方向の寸法の関係を示す説明図である。
【図4】第一実施例のカラーレーザプリンタの制御系のブロック図である。
【図5】第二実施例のカラーレーザプリンタの給紙部用紙粉装置、手差し部用紙粉除去装置および紙粉除去装置の拡大側断面図である。
【図6】第三実施例のカラーレーザプリンタの給紙部用紙粉装置、手差し部用紙粉除去装置および紙粉除去装置の拡大側断面図である。
【符号の説明】
1,200,300…カラーレーザプリンタ、2…本体ケーシング、3…記録紙、6…給紙トレイ、7,53…給紙ローラ、8,29,59…搬送ローラ、10…スキャナユニット、11…プロセス部、12…中間転写ベルト機構部、13…転写ローラ、14…定着部、15…現像カートリッジ(15M…マゼンタ現像カートリッジ、15C…シアン現像カートリッジ、15Y…イエロー現像カートリッジ、15K…ブラック現像カートリッジ)、16…感光体ベルト機構部、17…現像ローラ、18…駆動ローラ、19,35…従動ローラ、20…感光体ベルト、21…感光体ベルト帯電器、23…第1中間転写ベルトローラ、24…第2中間転写ベルトローラ、25…第3中間転写ベルトローラ、26…中間転写ベルト、27…加熱ローラ、28…押圧ローラ、29…搬送ローラ、30…排紙ローラ、31…排紙トレイ、38…第2クリーナ、41,54…分離パッド、42…給紙部用紙粉除去装置、43,56,63,103,203…紙粉除去ローラ、43a,56a…除去ローラ本体、45,57,65,105,205…スポンジ、47,58,67,207…紙粉回収ケース、47a,58a,67a,67b,207a…導入部、51…手差し部、52…手差しトレイ、55…手差し部用紙粉除去装置、58b,207b…紙粉搬送機構、61,101,201…紙粉除去装置、66,106,206…支持ローラ、66a,106a,206a…支持ローラ本体、401…CPU、411…RAM、412…ROM
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式により記録紙に画像を形成する画像形成装置に関し、特に、記録紙に付着した粉塵による画像品質の劣化を防止可能な画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、記録紙に画像を形成する画像形成装置として、例えばレーザービームプリンタの様に、電子写真方式により記録紙に画像を形成する画像形成装置が知られている。この電子写真方式とは、帯電手段によって一様に帯電させた感光体に、レーザビームを照射する光学機構(スキャナ)により、画像情報に応じた選択的な露光を行って静電潜像を形成し、その静電潜像を現像手段によって現像してトナー像を形成し、その後、転写ニップ部においてトナー像を担持する像担持体(感光体あるいは中間転写体)上のトナー像を記録紙に転写し、さらに、記録紙に転写したトナー像を加熱ローラにより加熱して熱定着させることにより、画像形成を行う方式である。
【0003】
この種の画像形成装置においては、記録紙が給紙ローラや分離パッドなどにより摺擦されるため、紙粉などの粉塵が発生する。そして、発生した粉塵は、記録紙に担持されて移動し、転写ニップ部において記録紙の印字面から像担持体の表面に転移付着することがある。そのため、このような画像形成装置の中には、レジストローラよりも搬送下流側で、かつ転写ニップ部よりも上流側に、記録紙の印字面に紙粉除去ローラを配し、その紙粉除去ローラにトナーの帯電電荷とは逆極性のバイアス電圧を印加することにより、記録紙の印字面に付着する粉塵を除去するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平08−314344号公報(第4頁、図5)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のような画像形成装置においては、トナーとは同極性の紙粉などの粉塵を回収することができる一方、トナーとは逆極性の粉塵は除去できないため、そのトナーとは逆極性の粉塵が記録紙の印字面に担持されて移動し、転写ニップ部において記録紙の印字面から像担持体の表面に転移付着するおそれがある。すると、像担持体の表面のうち粉塵が付着した場所には、トナーが付着しにくくなるため、画質劣化が生じるという問題があった。また、像担持体に残存したトナーを現像器に回収する機構を設けた場合には、トナーと一緒に粉塵も回収されてしまい、トナーの純度が低下し、画質劣化が生じるという問題があった。
【0006】
なお、ブレードを像担持体に当接することによりその像担持体の表面に付着した粉塵を除去する手法が考えられる。しかし、このような場合には、ブレードとの摩擦によって像担持体が劣化し、像担持体の寿命が短くなるという問題があった。
【0007】
本発明は、このような不具合に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、記録紙に付着する粉塵が像担持体に転移付着するのを防ぐことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を解決するためになされた請求項1に係る画像形成装置は、正または負に帯電した現像剤からなる可視像を担持する像担持体と、前記像担持体に担持された現像剤を記録紙上に転写する方向の電界を発生する転写手段と、前記像担持体と前記転写手段とが対向して、前記像担持体が担持する可視像を前記記録紙に転写する転写位置に前記記録紙を搬送する搬送手段と、を備え、前記搬送手段によって記録紙を前記転写位置に搬送することにより前記可視像を前記記録紙の印字面に転写させる画像形成装置であって、前記記録紙が前記搬送手段によって前記転写位置に搬送される前に、前記記録紙の印字面に付着する粉塵のうち前記現像剤とは逆極性に帯電する粉塵を、前記記録紙の印字面から除去する粉塵除去手段を備えることを特徴とする。
【0009】
このように構成された本発明では、粉塵除去手段が、記録紙が給紙ローラやレジストローラなどの搬送手段により摺擦されるために発生して記録紙の印刷面に付着した紙粉などの粉塵のうち現像剤とは逆極性に帯電する粉塵を、記録紙の印字面から像担持体の表面に転移付着してしまう前に、記録紙の印字面から除去する。このことにより、記録紙の印字面に付着した粉塵が像担持体に転移付着するのを防ぐことができる。
【0010】
上述のように記録紙の印字面に付着する粉塵のうち現像剤とは逆極性に帯電する粉塵を記録紙の印字面から除去する際には、粉塵除去手段が、上述の粉塵を記録紙の印字面から離間する方向の電界を発生させることが考えられる(請求項2)。一例を挙げると、現像剤が正に帯電している場合、つまり上述の粉塵が負に帯電している場合においては、粉塵除去手段が、記録紙の印字面側を記録紙の非印字面側よりも高電位にすることにより記録紙の印字面から記録紙の非印字面に向かう電界を発生させることが考えられる。すると、上述の負に帯電した粉塵はその電界の影響により記録紙の印字面から離れることとなる。一方、現像剤が負に帯電している場合、つまり上述の粉塵が正に帯電している場合においては、粉塵除去手段が、記録紙の印字面側を記録紙の非印字面側よりも低電位にすることにより記録紙の非印字面から記録紙の印字面に向かう電界を発生させることが考えられる。すると、上述の正に帯電した粉塵はその電界の影響により記録紙の印字面から離れることとなる。
【0011】
また、記録紙の印字面側と記録紙の非印字面側とに異なる電圧値で電圧を印加するためには、記録紙の印字面および記録紙の非印字面それぞれに電圧を印加するための構成を備えるスペースを確保する必要がある。そこで、請求項3のように、粉塵除去手段が、記録紙の印字面側および非印字面側の何れか一方に電圧を印加することにより上述の電界を発生させることが考えられる。具体的には、次のような4通りの手法が考えられる。
【0012】
(イ)記録紙の印字面側に正極性の電圧を印加する。なお、この場合、記録紙の非印字面側には何れの極性の電圧も印加しない。すると、記録紙の印字面側が記録紙の非印字面側よりも高電位になる。
(ロ) 記録紙の印字面側に負極性の電圧を印加する。なお、この場合、記録紙の非印字面側には何れの極性の電圧も印加しない。すると、記録紙の印字面側が記録紙の非印字面側よりも低電位になる。
【0013】
(ハ) 記録紙の非印字面側に正極性の電圧を印加する。なお、この場合、記録紙の印字面側には何れの極性の電圧も印加しない。すると、上記(ロ)の場合と同様に、記録紙の印字面側が記録紙の非印字面側よりも低電位になる。
(ニ)記録紙の非印字面側に負極性の電圧を印加する。なお、この場合、記録紙の印字面側には何れの極性の電圧も印加しない。すると、上記(イ)の場合と同様に、記録紙の印字面側が記録紙の非印字面側よりも高電位になる。
【0014】
このようにすれば、記録紙の印字面側または記録紙の非印字面側の何れか一方に電圧を印加するための構成を備えればよいので、記録紙の印字面および記録紙の非印字面それぞれに電圧を印加する場合と同様の効果を奏しながら省スペース化できる。
【0015】
ところで、記録紙が搬送される際に記録紙における給紙ローラや分離パッドと摺擦された部分に発生した粉塵は帯電していることが多く、そこで、請求項4のように、粉塵除去手段が、記録紙の印字面に接触して粉塵を除去する粉塵除去部材と、少なくとも粉塵除去部材と対向する位置に配置され、記録紙の非印字面を支持する支持部材とからなり、現像剤を記録紙に転写する方向と同じ方向の電界を発生し、且つ、粉塵除去部材と支持部材との間に電流を流すことが考えられる。
【0016】
まず、現像剤を正に帯電させるよう構成された画像形成装置において、粉塵除去部材が記録紙の印字面に接触しており、且つ支持部材が記録紙の非印字面を支持している場合を説明する。粉塵除去部材に正極性の電圧を印加すると、記録紙の印字面側から非印字面側に向かう電界、つまり現像剤を記録紙に転写する方向の電界が発生するとともに、記録紙の印字面側から非印字面側に向けて正の電流が流れ、次のような現象が発生する。
【0017】
(ホ)すなわち、記録紙の印字面に付着する粉塵のうち正極性に帯電する粉塵が、上述の電界の作用により記録紙の印字面に押し付けられるとともに、上述の電流の作用によりその正極性の帯電電荷が強められる。
(ヘ)また、記録紙の印字面に付着する粉塵のうち負極性に帯電する粉塵が、上述の電界の作用により記録紙の印字面から分離する。また、負極性に帯電する粉塵の一部は、上述の電流の作用により、その帯電極性が負極性から正極性に変化し、上述の電界の作用により記録紙の印字面に押し付けられる。
【0018】
次に、支持部材に負極性の電圧を印加した場合は、記録紙の印字面側から非印字面側に向かう電界、つまり現像剤を記録紙に転写する方向の電界が発生するとともに、記録紙の非印字面側から印字面側に向けて負の電流が流れ、次のような現象が発生する。
【0019】
(ホ´)すなわち、記録紙の印字面に付着する粉塵のうち正極性に帯電する粉塵が、上述の電界の作用により記録紙の印字面に押し付けられる。また、正極性に帯電する粉塵の一部は、上述の電流の作用により、その帯電極性が正極性から負極性に変化し、上述の電界の作用により記録紙の印字面から分離する。
【0020】
(ヘ´)また、記録紙の印字面に付着する粉塵のうち負極性に帯電する粉塵が、上述の電界の作用により記録紙の印字面から分離する。また、負極性に帯電する粉塵の一部は、上述の電流の作用によりその負極性の帯電電荷が強められる。
また、現像剤を負に帯電させるよう構成された画像形成装置においては、粉塵除去部材に負極性の電圧を印加したとき、または支持部材に正極性の電圧を印加したときに同様の現象が発生する。
【0021】
このように(ホ)・(ヘ)の場合のように構成された本発明では、記録紙の印字面に付着する粉塵のうち正極性に帯電する粉塵の正極性の帯電電荷が強められるので、記録紙における粉塵が付着する部分が転写位置を通過するまでに、粉塵の正極性の帯電電荷が弱まりにくくなり、その粉塵が記録紙に付着したまま転写位置を通過する可能性が高まる。このことにより、記録紙の印字面に付着した粉塵が像担持体に転移付着するのを防ぐことができる。
【0022】
次に(ホ´)・(ヘ´)の場合のように構成された本発明では、記録紙の印字面に付着する粉塵のうち負極性に帯電する粉塵の負極性の帯電電荷が強められるとともに、記録紙の印字面に付着する粉塵のうち正極性に帯電する粉塵の一部が、上述の電流の作用により、その帯電極性が正極性から負極性に変化するので、これら負極性に帯電する粉塵が記録紙の印字面から分離して除去される。このことにより、記録紙の印字面に付着した粉塵が像担持体に転移付着するのを防ぐことができる。
【0023】
ところで、上述のように、転写手段が像担持体に担持された現像剤を記録紙上に転写する方向の電界を発生する。すると、転写位置に送り込まれた記録紙が転写手段に接触(または接近)した際に、記録紙の非印字面に付着する粉塵のうち現像剤と同極性に帯電する粉塵が、その電界の作用により、記録紙の非印字面から離間して転写手段に転移付着するおそれがある。このような場合に、記録紙を排紙した後に像担持体と転写手段が接触すると、転写手段に付着した粉塵が像担持体に転移付着するおそれがある。そこで、上記課題を解決するためになされた請求項5に係る画像形成装置は、正または負に帯電した現像剤からなる可視像を担持する像担持体と、前記像担持体に担持された現像剤を記録紙上に転写する方向の電界を発生する転写手段と、前記像担持体と前記転写手段とが対向して、前記像担持体が担持する可視像を前記記録紙に転写する転写位置に前記記録紙を搬送する搬送手段と、を備え、前記搬送手段によって記録紙を前記転写位置に搬送することにより前記可視像を前記記録紙の印字面に転写させる画像形成装置であって、前記記録紙が前記搬送手段によって前記転写位置に搬送される前に、前記記録紙の非印字面に付着する粉塵のうち前記現像剤と同極性に帯電する粉塵を、前記記録紙の非印字面から除去する粉塵除去手段を備えることを特徴とする。
【0024】
このように構成された本発明では、粉塵除去手段が、記録紙の非印刷面に付着した粉塵のうち現像剤と同極性に帯電する粉塵を、記録紙の非印字面から像担持体の表面に転移付着してしまう前に、記録紙の非印字面から除去する。このことにより、記録紙の非印字面に付着した粉塵が像担持体に転移付着するのを防ぐことができる。
【0025】
上述のように記録紙の非印字面に付着する粉塵のうち現像剤と同極性に帯電する粉塵を記録紙の非印字面から除去する際には、粉塵除去手段が、上述の粉塵を記録紙の非印字面から離間する方向の電界を発生させることが考えられる(請求項6)。一例を挙げると、現像剤が正に帯電している場合、つまり上述の粉塵が正に帯電している場合においては、粉塵除去手段が、記録紙の印字面側を記録紙の非印字面側よりも高電位にすることにより記録紙の印字面から記録紙の非印字面に向かう電界を発生させることが考えられる。すると、上述の粉塵は、その電界の影響により、記録紙の非印字面から分離することとなる。一方、現像剤が負に帯電している場合、つまり上述の粉塵が負に帯電している場合においては、粉塵除去手段が、記録紙の印字面側を記録紙の非印字面側よりも低電位にすることにより記録紙の非印字面から記録紙の印字面に向かう電界を発生させることが考えられる。すると、上述の粉塵はその電界の影響により記録紙の非印字面から分離することとなる。
【0026】
また、上述したように、記録紙の印字面側と記録紙の非印字面側とに異なる電圧値で電圧を印加するためには、記録紙の印字面および記録紙の非印字面それぞれに電圧を印加するための構成を備えるスペースを確保する必要がある。そこで、請求項7のように、粉塵除去手段が、記録紙の印字面側および非印字面側の何れか一方に電圧を印加することにより上述の電界を発生させることが考えられる。具体的には、上述の(イ)〜(ニ)のような4通りの手法が考えられる。
【0027】
このようにすれば、記録紙の印字面側または記録紙の非印字面側の何れか一方に電圧を印加するための構成を備えればよいので、記録紙の印字面および記録紙の非印字面それぞれに電圧を印加する場合と同様の効果を奏しながら省スペース化できる。
【0028】
ところで、上述したように、記録紙が搬送される際に記録紙における給紙ローラや分離パッドと摺擦された部分に発生した粉塵は帯電していることが多く、そこで、請求項8のように、粉塵除去手段が、記録紙の非印字面に接触して粉塵を除去する粉塵除去部材と、記録紙の印字面を支持する支持部材とからなり、粉塵除去部材または支持部材の少なくとも一方に電圧を印加することにより、現像剤を記録紙に転写する方向と同じ方向の電界を発生し、且つ、粉塵除去部材と支持部材との間に電流を流すことが考えられる。
【0029】
まず、現像剤を正に帯電させるよう構成された画像形成装置において、粉塵除去部材が記録紙の非印字面に接触しており、且つ支持部材が記録紙の印字面を支持している場合を説明する。粉塵除去部材に負極性の電圧を印加すると、記録紙の印字面側から非印字面側に向かう電界、つまり現像剤を記録紙に転写する方向の電界が発生するとともに、記録紙の非印字面側から印字面側に向けて負の電流が流れ、次のような現象が発生する。
【0030】
(ト)すなわち、記録紙の非印字面に付着する粉塵のうち正極性に帯電する粉塵が、上述の電界の作用により記録紙の非印字面に押し付けられる。また、正極性に帯電する粉塵の一部は、上述の電流の作用により、その帯電極性が正極性から負極性に変化し、上述の電界の作用により記録紙の印字面から分離する。
【0031】
(チ)また、記録紙の非印字面に付着する粉塵のうち負極性に帯電する粉塵が、上述の電界の作用により記録紙の非印字面から分離する。また、負極性に帯電する粉塵の一部は、上述の電流の作用によりその負極性の帯電電荷が強められる。
【0032】
次に、支持部材に正極性の電圧を印加した場合は、記録紙の印字面側から非印字面側に向かう電界、つまり現像剤を記録紙に転写する方向の電界が発生するとともに、記録紙の印字面側から非印字面側に向けて正の電流が流れ、次のような現象が発生する。
【0033】
(ト´)すなわち、記録紙の非印字面に付着する粉塵のうち正極性に帯電する粉塵が、上述の電界の作用により記録紙の非印字面に押し付けられるとともに、上述の電流の作用によりその正極性の帯電電荷が強められる。
(チ´)また、記録紙の非印字面に付着する粉塵のうち負極性に帯電する粉塵が、上述の電界の作用により記録紙の非印字面から分離する。また、負極性に帯電する粉塵の一部は、上述の電流の作用により、その帯電極性が負極性から正極性に変化し、上述の電界の作用により記録紙の非印字面に押し付けられる。
【0034】
また、現像剤を負に帯電させるよう構成された画像形成装置においては、粉塵除去部材に正極性の電圧を印加したとき、または支持部材に負極性の電圧を印加したときに同様の現象が発生する。
このように(ト)・(チ)の場合のように構成された本発明では、記録紙の非印字面に付着する粉塵のうち負極性に帯電する粉塵の負極性の帯電電荷が強められるとともに、記録紙の非印字面に付着する粉塵のうち正極性に帯電する粉塵の一部が、上述の電流の作用により、その帯電極性が正極性から負極性に変化するので、これら負極性に帯電する粉塵が記録紙の非印字面から分離して除去される。このことにより、記録紙の非印字面に付着した粉塵が転写手段に転移付着するのを防ぐことができる。
【0035】
次に(ト´)・(チ´)の場合のように構成された本発明では、記録紙の非印字面に付着する粉塵のうち正極性に帯電する粉塵の正極性の帯電電荷が強められるので、記録紙における粉塵が付着する部分が転写位置を通過するまでに、粉塵の正極性の帯電電荷が弱まりにくくなり、その粉塵が記録紙に付着したまま転写位置を通過する可能性が高まる。このことにより、記録紙の非印字面に付着した粉塵が転写手段に転移付着するのを防ぐことができる。
【0036】
また、上述の(ト)・(チ)のように粉塵除去部材と支持部材との間に電流が流れている場合、請求項9のように、粉塵除去部材への印加電圧と支持部材への印加電圧との電位差の絶対値を、転写手段への印加電圧の絶対値以上とすることが考えられる。このようにすれば、記録紙に付着した粉塵が、記録紙に付着したまま転写位置を通過しやすくなるので、それら粉塵が記録紙から分離して像担持体や転写手段に転移付着するのを防ぐことができる。
【0037】
また、同じく上述の(ト)・(チ)のように粉塵除去部材と支持部材との間に電流が流れている場合、請求項10のように、粉塵除去部材と支持部材との間を流れる電流値の絶対値を、転写手段と像担持体との間を流れる電流値の絶対値以上とすることが考えられる。
【0038】
このようにすれば、粉塵除去手段によって強められる粉塵の帯電電荷は、転写位置にて弱められるその粉塵の帯電電荷以上となり、結果として、記録紙に付着した粉塵が記録紙に付着したまま転写位置を通過しやすくなるので、それら粉塵が記録紙から分離して像担持体や転写手段に転移付着するのを防ぐことができる。
【0039】
ところで、上述のように粉塵の帯電電荷は時間の経過とともに放電されて弱くなる。そうなると、上述のような電界の作用によってその粉塵を記録紙から分離させるのが困難となる。そのため、電界を発生される粉塵除去手段を配置する場所としては、記録紙に粉塵が付着しやすい場所近傍が望ましい。そこで、請求項11のように、積層載置された記録紙の表面に当接して、当該当接している記録紙の供給を行う給紙ローラと、給紙ローラと対向する位置に設けられ、給紙ローラによって供給される記録紙を他の記録紙と分離する分離パッドと、を備えており、粉塵除去手段が、転写位置と給紙ローラおよび分離パッドとの間のうち給紙ローラおよび分離パッドの近傍に配されていることが考えられる。このようにすれば、粉塵除去手段が、記録紙における給紙ローラや分離パッドにより摺擦されて発生した粉塵の帯電電荷が放電される前に、その粉塵を電界の影響下におくことができるので、効果的に粉塵を記録紙から除去することができる。
【0040】
また、記録紙における給紙ローラや分離パッドと摺擦した部分には、粉塵が発生して付着している可能性が高い。そこで、請求項12のように、粉塵除去部材が、記録紙における給紙ローラ、あるいは、分離パッドと接触した部分に付着した粉塵を除去することが考えられる。このようにすれば、記録紙における給紙ローラにより摺擦された部分に付着した粉塵を、効率よく除去することができる。
【0041】
なお、粉塵除去部材に負極性の電圧を印加する代わりに、粉塵除去部材における、少なくとも前記搬送手段によって搬送される記録紙と接触する接触部分をフッ素樹脂で構成することが考えられる(請求項13)。このようにすれば、粉塵除去部材などに負極性の電圧を印加しなくても、その接触部分が他の構成部位と摩擦する際に負極性に帯電する。
【0042】
ところで、上述のように粉塵除去手段によって記録紙の印字面や非印字面から除去された粉塵は、その重みによって下方に落下し、再び記録紙に付着するおそれがある。そこで、請求項14のように、粉塵除去手段によって記録紙から除去された粉塵を回収する粉塵回収手段を備えることが考えられる。このようにすれば、記録紙の印字面や非印字面から除去された粉塵が、再び記録紙に付着するのを防ぐことができる。なお、このような粉塵回収手段を、粉塵除去手段の傍に設置することが望ましい。
【0043】
ところで、請求項15に係る画像形成装置は、正または負に帯電した現像剤からなる可視像を担持する像担持体と、前記像担持体に担持された現像剤を記録紙上に転写する方向の電界を発生する転写手段と、前記像担持体と前記転写手段とが対向して、前記像担持体が担持する可視像を前記記録紙に転写する転写位置に前記記録紙を搬送する搬送手段と、を備え、前記搬送手段によって搬送された記録紙を前記転写位置に搬送することにより前記可視像を前記記録紙の印字面に転写させる画像形成装置であって、前記記録紙が前記搬送手段によって前記転写位置に搬送される前に、前記記録紙の印字面に付着する粉塵のうち前記現像剤とは逆極性に帯電する粉塵を、前記記録紙の印字面から除去する第一粉塵除去手段と、前記第一粉塵除去手段によって前記記録紙の印字面に付着する粉塵のうち前記現像剤とは逆極性に帯電する粉塵が前記記録紙の印字面から除去された後であって前記記録紙が前記搬送手段によって前記転写位置に搬送される前に、前記記録紙の印字面に付着する粉塵のうち前記現像剤と同極性に帯電する粉塵を、前記記録紙の印字面から除去する第二粉塵除去手段と、を備え、前記第一粉塵除去手段は、前記記録紙の印字面に接触して粉塵を除去する第一粉塵除去部材と、前記記録紙の非印字面を支持する第一支持部材とからなり、前記第一支持部材に負の電圧を印加することにより、前記現像剤を前記記録紙に転写する方向と同じ方向の電界を発生し、且つ、前記支持部材から前記粉塵除去部材へ向かう負の電流を流し、一方、前記第二粉塵除去手段は、前記記録紙の印字面に接触して粉塵を除去する第二粉塵除去部材と、前記記録紙の非印字面を支持する第二支持部材とからなり、前記第二支持部材に正の電圧を印加することにより、前記現像剤を前記記録紙に転写する方向とは逆方向の電界を発生し、且つ、前記支持部材から前記粉塵除去部材へ向かう正の電流を流すことを特徴とする。
【0044】
このように構成された本発明では、第一粉塵除去手段が、記録紙が給紙ローラやレジストローラなどの搬送手段により摺擦されるために発生して記録紙の印刷面に付着した紙粉などの粉塵のうち現像剤とは逆極性に帯電する粉塵を、記録紙の印字面から像担持体の表面に転移付着してしまう前に、記録紙の印字面から除去する。さらに、第二粉塵除去手段が、記録紙の印刷面に付着した紙粉などの粉塵のうち現像剤と同極性に帯電する粉塵を、記録紙の印字面から像担持体の表面に転移付着してしまう前に、記録紙の印字面から除去する。このことにより、記録紙の印字面に付着した粉塵が像担持体に転移付着するのを防ぐことができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうることは言うまでもない。
【0046】
(第一実施例)
図1は、第一実施例のカラーレーザプリンタ1を示す要部側断面図である。また、図2は、実施例のカラーレーザプリンタの粉塵除去装置の拡大側断面図であり、図3は、記録紙、給紙ローラ、分離パッド、紙粉除去ローラおよびスポンジそれぞれの紙幅方向の寸法の関係を示す説明図である。
【0047】
カラーレーザプリンタ1は、図1に示すように、本体ケーシング2の内部の最下部から上方に向けて順に、記録紙3を給紙する給紙部4、給紙部4から給紙された記録紙3から紙粉を除去する紙粉除去装置61、給紙された記録紙3に画像を形成するための画像形成部5を備えている。また、このカラーレーザプリンタ1は、本体ケーシング2の側部に、記録紙3を手差しにて給紙する手差し部51を備えている。なお、以降、このカラーレーザプリンタ1において、手差し部51が本体ケーシング2に取り付けられている側(図1で右側)を「前部」とし、同じく手差し部51が本体ケーシング2に取り付けられている側とは反対側(図1で左側)を「後部」とする。また、手差し部51から見たカラーレーザプリンタ1の右側、左側をそれぞれ「右部」、「左部」とする。
【0048】
[給紙部4の構成の説明]
給紙部4は、記録紙3を積層する給紙トレイ6、給紙ローラ7、分離パッド41および給紙部用紙粉除去装置42を備えている。また、給紙部4は、給紙ローラ7を、カラーレーザプリンタ1左側から見て反時計方向(以下、単に「反時計方向」と記す。)に回転させることにより、給紙トレイ6の最上位にある記録紙3を、給紙ローラ7および分離パッド41により1枚毎に給紙するよう構成されている。
【0049】
このうち給紙部用紙粉除去装置42は、給紙ローラ7の前方に配されている。この給紙部用紙粉除去装置42は、図2に示すように、記録紙3の非印字面に接触して紙粉を除去する紙粉除去ローラ43、紙粉除去ローラ43に接触して紙粉を除去するスポンジ45、およびスポンジ45によって紙粉除去ローラ43から除去された紙粉を回収する紙粉回収ケース47を備えている。
【0050】
この紙粉除去ローラ43は、金属製のローラ軸に、フッ素樹脂からなる円筒形状の除去ローラ本体43aを被覆した構成を有している。この除去ローラ本体43aは、搬送される記録紙3を挟んで給紙ローラ7と対向するよう配されている。また、除去ローラ本体43aの紙幅方向の幅寸法は、図3に示すように、記録紙3が給紙ローラ7によって搬送される際に記録紙3が分離パッド41と接触する部分の紙幅方向の幅寸法よりも長く形成されている。また、ローラ軸は、カラーレーザプリンタ1の本体に回転可能に支持されており、紙粉除去ローラ43は、給紙ローラ7が回転すると、そのローラ軸を中心にして給紙ローラ7または記録紙3に接触しながら、カラーレーザプリンタ1左側から見て時計方向(以下、単に「時計方向」と記す。)に回転する。
【0051】
また、スポンジ45は、図2に示すように、紙粉除去ローラ43の下方に配されている。このスポンジ45の紙幅方向の幅寸法は、図3に示すように、除去ローラ本体43aの紙幅方向の幅寸法よりも長く形成されている。また、スポンジ45の上部が除去ローラ本体43aの下部に当接している。
【0052】
さらに、紙粉回収ケース47は、図2に示すように、紙粉除去ローラ43およびスポンジ45の前方に配されている。この紙粉回収ケース47は、その一部が開口する箱形状に形成されており、その開口からは、除去ローラ本体43aとスポンジ45とが当接する部分の近傍まで延出する導入部47aが設けられている。
【0053】
ところで、給紙部4から本体ケーシング2の上部に向かっては搬送経路が設けられている。この搬送経路の入口付近には一対の搬送ローラ8が設けられている。給紙ローラ7によって給紙部4から送り出された記録紙3は、搬送ローラ8へ搬送される。その後、搬送ローラ8へ搬送された記録紙3は、搬送ローラ8によって紙粉除去装置61に搬送される。
【0054】
[手差し部51の構成の説明]
さて、手差し部51は、記録紙3を積層する手差しトレイ52、給紙ローラ53、分離パッド54および手差し部用紙粉除去装置55を備えている。また、手差し部51は、給紙ローラ53を時計方向に回転させることにより、手差しトレイ52の最上位にある記録紙3を、給紙ローラ53および分離パッド54により1枚毎に給紙するよう構成されている。
【0055】
このうち手差し部用紙粉除去装置55は、給紙ローラ53の後方に配されている。この手差し部用紙粉除去装置55は、記録紙3の印字面に接触して紙粉を除去する紙粉除去ローラ56、紙粉除去ローラ56に接触して紙粉を除去するスポンジ57、およびスポンジ57によって紙粉除去ローラ56から除去された紙粉を回収する紙粉回収ケース58を備えている。
【0056】
ここで、紙粉除去ローラ56は、紙粉除去ローラ43と同様の構造を有しており、搬送される記録紙3を挟んで給紙ローラ53と対向するよう配されている。また、紙粉除去ローラ56は、給紙ローラ53が回転すると、給紙ローラ53または記録紙3に接触しながら反時計方向に回転する。
【0057】
また、スポンジ57は、スポンジ45と同様の構造を有しており、紙粉除去ローラ56の下方に配されている。また、スポンジ57の上部は、紙粉除去ローラ56の除去ローラ本体56aの下部に当接している。
さらに、紙粉回収ケース58は、紙粉除去ローラ56およびスポンジ57の後方に配されている。この紙粉回収ケース58は、その一部が開口する箱形状に形成されており、その開口からは、除去ローラ本体56aとスポンジ57とが当接する部分の近傍まで延出する導入部58aが設けられている。また、紙粉回収ケース58は、貯留した紙粉を紙粉除去装置61に搬送する紙粉搬送機構58bを備えている。この紙粉搬送機構58bは、紙粉回収ケース58と紙粉回収ケース67とを接続する接続管と、接続管の内部に配されたスクリューと、スクリューを回転駆動するモータ(共に図示省略)とを備え、モータがスクリューを所定の方向に回転駆動させると、接続管の内部にて回転するスクリューが、紙粉回収ケース58に貯留された紙粉を搬送して紙粉回収ケース67に運び入れるよう構成されている。
【0058】
ところで、手差し部51から本体ケーシング2の内部に向かっては搬送経路が設けられている。この搬送経路の入口付近には一対の搬送ローラ59が設けられている。給紙ローラ53によって手差し部51から送り出された記録紙3は、搬送ローラ59へ搬送される。その後、搬送ローラ59へ搬送された記録紙3は、搬送ローラ59によって紙粉除去装置61に搬送される。
【0059】
[紙粉除去装置61の構成の説明]
さて、紙粉除去装置61は、記録紙3の印字面に接触して紙粉を除去する紙粉除去ローラ63、紙粉除去ローラ63に接触して紙粉を除去するスポンジ65、記録紙3の非印字面を支持する支持ローラ66、およびスポンジ65によって紙粉除去ローラ63から除去された紙粉を回収する紙粉回収ケース67を備えている。
【0060】
この紙粉除去ローラ63は、金属製のローラ軸で構成されている。また、紙粉除去ローラ63の紙幅方向の幅寸法は、図3に示すように、記録紙3の紙幅方向の幅寸法よりも長く形成されている。また、紙粉除去ローラ63のローラ軸は、カラーレーザプリンタ1の本体に回転可能に支持されている。
【0061】
また、支持ローラ66は、金属製のローラ軸に、導電性の弾性部材からなる円筒形状の支持ローラ本体66aを被覆した構成を有しており、図2に示すように、搬送される記録紙3を挟んで紙粉除去ローラ63と対向するよう配されている。この支持ローラ66のローラ軸は、メインモータに接続されており、支持ローラ66がメインモータによって時計方向に回転すると、紙粉除去ローラ63が支持ローラ66または記録紙3に接触しながら反時計方向に回転するよう構成されている。
【0062】
さらに、スポンジ65は、紙粉除去ローラ63の下方に配されている。このスポンジ65の紙幅方向の幅寸法は、紙粉除去ローラ63の紙幅方向の幅寸法よりも長く形成されている。また、スポンジ65の上部は、紙粉除去ローラ63の下部に当接している。
【0063】
また、紙粉回収ケース67は、紙粉除去ローラ63およびスポンジ65の後方に配されている。この紙粉回収ケース67は、その一部が開口する箱形状に形成されており、その開口からは、除去ローラ本体63aとスポンジ65とが当接する部分の近傍まで延出する導入部67aが設けられている。
【0064】
また、紙粉除去ローラ63には、図示しない紙粉除去バイアス印加回路に接続されており、支持ローラ66は接地されている。この紙粉除去バイアス印加回路が紙粉除去ローラ63に正極性の電圧を印加すると、紙粉除去ローラ63から支持ローラ66に向けて電流が流れるとともに、紙粉除去ローラ63から支持ローラ66に向かう電界が発生する。なお、紙粉除去バイアス印加回路が紙粉除去ローラ63などに印加する電圧は、紙粉除去ローラ63と支持ローラ66との電位差の絶対値が、後述する転写バイアス印加回路によって転写ローラ13に印加される電圧の絶対値以上の値となるよう設定されている。
【0065】
また、紙粉除去ローラ63と支持ローラ66との間を流れる電流値の絶対値は、転写ローラ13と後述する中間転写ベルト26との間を流れる電流値の絶対値以上となるよう設定されている。
ところで、引き続き支持ローラ66が回転すると記録紙3が搬送され、この記録紙3は画像形成部5に到着し、転写位置Pに搬送される。ここで、転写位置Pは、記録紙3に、後述する中間転写ベルト26上のトナー像を転写する位置である。
【0066】
[画像形成部5の構成の説明]
さて、画像形成部5は、スキャナユニット10、プロセス部11、中間転写ベルト機構部12、転写ローラ13および定着部14などを備えている。
[スキャナユニット10の構成の説明]
これらのうち、スキャナユニット10は、本体ケーシング2内の後部に、図示しないレーザ発光部、ポリゴンミラー、複数のレンズおよび反射鏡を備えている。このスキャナユニット10は、レーザ発光部から発光される画像データに基づくレーザビームを、ポリゴンミラー、反射鏡およびレンズを介して通過あるいは反射させて、後述する感光体ベルト機構部16の感光体ベルト20の表面上に高速走査にて照射させることができる。
【0067】
[プロセス部11の構成の説明]
次に、プロセス部11は、本体ケーシング2内の中央部に、現像カートリッジ15、感光体ベルト機構部16などを備えている。
まず、現像カートリッジ15は、上から順に、各色毎に、イエローのトナーが収容されるイエロー現像カートリッジ15Y、マゼンタのトナーが収容されるマゼンタ現像カートリッジ15M、シアンのトナーが収容されるシアン現像カートリッジ15C、およびブラックのトナーが収容されるブラック現像カートリッジ15Kが、本体ケーシング2内の中央部に配置されている。
【0068】
また、各色の現像カートリッジ15は、現像ローラ17、層厚規制ブレード、供給ローラおよびトナー収容部(共に図示省略)などをそれぞれ備えている。この現像ローラ17は、金属製のローラ軸に、導電性のゴム材料である弾性部材からなるローラが被覆されている。より具体的には、現像ローラ17のローラは、弾性体のローラ部分と、そのローラ部分の表面に被覆されるコート層との2層構造によって形成されている。そして、弾性体のローラ部分は、カーボン微粒子などを含む導電性のウレタンゴム、シリコーンゴムまたはEPDMゴムなどからなり、コート層は、ウレタンゴム、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂などを主成分とする。また、この現像ローラ17には、感光体ベルト20に対して、所定の現像バイアスが印加されている。
【0069】
さらに、各現像カートリッジ15のトナー収容部には、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色の現像剤としての正帯電性の非磁性1成分の球形の重合トナーがそれぞれ収容されている。そして、そのトナーが供給ローラの回転によって、現像ローラ17に供給され、供給ローラと現像ローラ17との間で正極性に摩擦帯電され、さらに、現像ローラ17上に供給されたトナーは、現像ローラ17の回転に伴なって、層厚規制ブレードと現像ローラ17の間に進入し、ここでさらに十分に摩擦帯電されて、一定の厚さの薄層として現像ローラ17上に担持される。
【0070】
ここで、感光体ベルト機構部16は、上述した4つの現像カートリッジ15の後側に対向配置されている。この感光体ベルト機構部16は、最下位に位置するブラック現像カートリッジ15Kよりも下方に配置される駆動ローラ18と、駆動ローラ18の垂直方向上方で、最上位に位置するイエロー現像カートリッジ15Yよりも上方に配置される従動ローラ19と、駆動ローラ18および従動ローラ19の間に巻回される像担持体としての感光体ベルト20と、駆動ローラ18および従動ローラ19の中間に位置して感光体ベルト20の内側を支持する従動ローラ35と、感光体ベルト帯電器21と、後述する中間転写ベルト26への転写後に感光体ベルト20の表面上に残存する残存トナーを回収するための第1クリーナ22とを備えている。
【0071】
この感光体ベルト20は、表層がアルミ蒸着されたPET(ポリエチレンテレフタレート)などの樹脂からなるエンドレスベルトからなり、その表面に感光体からなる有機感光層を備えている。
また、駆動ローラ18には、駆動源としてのメインモータ(図示省略)が接続されており、メインモータが駆動ローラ18を回転駆動すると、駆動ローラ18の回転に伴って感光体ベルト20が送られる。感光体ベルト20が送られると、これに伴って従動ローラ19,35が従動回転する。このように、感光体ベルト20は、駆動ローラ18および従動ローラ19,35の間を時計方向に周回移動できる。
【0072】
さらに、感光体ベルト帯電器21は、感光体ベルト機構部16の側方であって、スキャナユニット10による感光体ベルト20への露光部分の上流側に、感光体ベルト20に接触しないように配置されている。この感光体ベルト帯電器21は、タングステンなどの帯電用ワイヤからコロナ放電を発生させる正帯電用のスコロトロン型の帯電器であり、感光体ベルト20の表面を正極性に一様に帯電させるように構成されている。そして、感光体ベルト20の表面は、感光体ベルト帯電器21により一様に正帯電された後、スキャナユニット10からのレーザービームの高速走査により露光され、画像データに基づく静電潜像が形成される。
【0073】
また、第1クリーナ22は、感光体ベルト機構部16の側方であって、感光体ベルト20と感光体ベルト帯電器21との対向部分の上流側に配置されている。この第1クリーナ22は、後述する中間転写ベルト26への転写後に感光体ベルト20の表面上に残存する残存トナーを回収する。
【0074】
[中間転写ベルト機構部12の構成の説明]
さて、画像形成部5の中間転写ベルト機構部12は、感光体ベルト機構部16の前側に配置されており、第1中間転写ベルトローラ23と、第1中間転写ベルトローラ23の前方に配置される第2中間転写ベルトローラ24と、第2中間転写ベルトローラ24の前方に配置される第3中間転写ベルトローラ25と、第1中間転写ベルトローラ23、第2中間転写ベルトローラ24および第3中間転写ベルトローラ25の外周に巻回される像担持体としての中間転写ベルト26とを備えている。また、中間転写ベルト26は、カーボンなどの導電性粒子を分散した導電性のポリカーボネートやポリイミドなどの樹脂からなるエンドレスベルトから形成されている。また、第1中間転写ベルトローラ23には、前述したメインモータ(図示省略)が接続されており、メインモータの駆動により第1中間転写ベルトローラ23が回転駆動されると、中間転写ベルト26が第1中間転写ベルトローラ23により送られる。送られた中間転写ベルト26は、第2中間転写ベルトローラ24および第3中間転写ベルトローラ25を従動回転させる。このように、中間転写ベルト26は、第1中間転写ベルトローラ23ないし第3中間転写ベルトローラ25の周りを反時計方向に周回移動する。
【0075】
[転写ローラ13の構成の説明]
また、転写ローラ13は、中間転写ベルト26を挟み、中間転写ベルト機構12の第3中間転写ベルトローラ25と対向するように配置され、金属製のローラ軸に導電性のゴム材料からなるローラが被覆されており、回転可能に支持されている。
【0076】
この転写ローラ13は、中間転写ベルト26から離間する「待機位置」と、中間転写ベルト26に近接する「転写可能位置」とに移動可能に構成されている。なお、転写ローラ13が「転写可能位置」に位置する場合には、転写ローラ13は中間転写ベルト26との間で搬送経路44を通過する記録紙3を第3中間転写ベルトローラ25に向けて押圧するように構成されている。また、転写ローラ13は、各色毎の可視像が中間転写ベルト26に順次転写される間は「待機位置」にあり、一方、全ての可視像が感光体ベルト20から中間転写ベルト26に転写され中間転写ベルト26上にカラー画像が形成されたときには「転写可能位置」にある。また、この転写ローラ13は、図示しない転写バイアス印加回路に接続されており、転写ローラ13が「転写可能位置」にある際には、この転写バイアス印加回路が、負の電圧を転写ローラ13に印加する。なお、この転写バイアス印加回路が転写ローラ13に印加する負の電圧の絶対値は、上述した紙粉除去バイアス印加回路が紙粉除去ローラ63などに印加する電圧の絶対値よりも小さくなるよう設定されている。
【0077】
また、中間転写ベルト機構部12の上方には、記録紙3への転写後に中間転写ベルト26の表面上に残存する残存トナーを回収するための第2クリーナ38が設けられている。
[定着部14の構成の説明]
定着部14は、中間転写ベルト機構部12の上方に配置され、加熱ローラ27と、その加熱ローラ27を押圧する押圧ローラ28と、加熱ローラ27および押圧ローラ28の下流側に設けられる1対の搬送ローラ29とを備えている。この加熱ローラ27は、外層がシリコンゴム、内層が金属製で加熱のためのハロゲンランプを備えている。また、この定着部14においては、転写位置Pにてカラー画像が転写された記録紙3が、加熱ローラ27と押圧ローラ28との間を通過する際に、このカラー画像を記録紙3に熱定着させることができる。
【0078】
ところで、定着器14の排紙側から本体ケーシング2の上部に向かっては搬送経路が設けられている。この搬送経路の入口付近には一対の搬送ローラ29が設けられており、出口付近には一対の排紙ローラ30が設けられている。また、本体ケーシング2の上部には排紙トレイ31が形成されている。定着部14にてカラー画像が熱定着された記録紙3は、加熱ローラ27および押圧ローラ28によって搬送ローラ29へ搬送される。その後、搬送ローラ29へ搬送された記録紙3は、搬送ローラ29および排紙ローラ30によって順次搬送され、排紙トレイ31上に排紙される。
【0079】
[カラーレーザプリンタ1の制御系の説明]
次に、カラーレーザプリンタ1の制御系を図4のブロック図を参照しながら説明する。この制御系では、図4に示すように、ベルト駆動制御部、帯電バイアス制御部、現像駆動制御部、現像バイアス制御部、一次転写バイアス制御部、二次転写バイアス制御部、トナークリーニングバイアス制御部および紙粉除去バイアス制御部がCPU401に接続されている。
【0080】
このCPU401は、RAM411およびROM412を備え、各部の制御を実行する。また、RAM411には、各部を駆動制御するための一時的な数値が格納される。さらに、ROM112には、ベルト駆動制御部などの各制御部を制御するための、メイン駆動制御プログラムなどの各種の制御プログラムが格納されている。
【0081】
そして、本実施例のカラーレーザプリンタ1では、CPU401がメイン駆動制御プログラムを実行することにより、ベルト駆動制御部などの各制御部を制御し、ベルト駆動制御、帯電バイアス制御、現像駆動制御、現像バイアス制御、一次転写バイアス制御、二次転写バイアス制御、トナークリーニングバイアス制御および紙粉除去バイアス制御を実行する。
【0082】
なお、本実施例のカラーレーザプリンタ1のその他の構成は、公知技術に従っているので、詳細な説明は省略する。
[印刷処理の説明]
次に、カラーレーザプリンタ1の印刷処理について、図1,2,4を参照しながら説明する。
【0083】
まず、給紙部4に積層された記録紙3を給紙する場合には、印刷処理が開始されると、まず、ベルト駆動制御および紙粉除去バイアス制御を実行する。具体的には、メインモータが、給紙ローラ7、支持ローラ66および各搬送ローラを所定のタイミングおよび所定の方向にて回転させる。給紙ローラ7が回転すると、給紙トレイ6の最上位にある記録紙3が、給紙ローラ7および分離パッド41により1枚毎に給紙トレイ6から取り出される。この際、記録紙3の非印字面が分離パッド41と摩擦し、正極性や負極性に帯電した紙粉が発生する。そして、これら紙粉は、記録紙3の非印字面における分離パッド41と摩擦した部分に付着する。
【0084】
引き続き給紙ローラ7が回転して記録紙3が紙粉除去ローラ43に到着すると、紙粉除去ローラ43が、記録紙3の通過に伴い回転する。この際、回転する紙粉除去ローラ43がスポンジ45と摩擦して負極性に帯電し、給紙ローラ7から紙粉除去ローラ43に向かう電界が発生する。すると、記録紙3の非印字面のうち紙粉が付着する部分が紙粉除去ローラ43に接触した際に、
(a)記録紙3の非印字面に付着する紙粉のうち正極性に帯電する紙粉が、上述の電界の作用により記録紙3の非印字面から分離して紙粉除去ローラ43に転移付着する。
【0085】
(b)一方、記録紙3の非印字面に付着した紙粉のうち負極性に帯電する紙粉が、上述の電界の作用により記録紙3の非印字面に押し付けられて留まる。
引き続き給紙ローラ7が回転すると記録紙3が搬送され、この記録紙3の搬送に伴って紙粉除去ローラ43が回転する。そして、紙粉除去ローラ43が回転することにより、紙粉除去ローラ43における紙粉が付着する部分がスポンジ45に接触すると、それら紙粉が、そのスポンジ45によって紙粉除去ローラ43から掻き取られて下方に落下する。落下した紙粉は、紙粉回収ケースの導入部47aから紙粉回収ケース47に入って貯留される。
【0086】
そして、給紙ローラ7によって給紙部4から送り出された記録紙3は、搬送経路を通り搬送ローラ8へ搬送される。その後、搬送ローラ8へ搬送された記録紙3は、搬送ローラ8によって紙粉除去装置61に搬送される。
一方、手差し部51に積層された記録紙3を給紙する場合には、印刷処理が開始されると、メインモータが、給紙ローラ53および各搬送ローラを所定のタイミングおよび所定の方向にて回転させる。給紙ローラ53が回転すると、手差しトレイ52の最上位にある記録紙3が、給紙ローラ53および分離パッド54により1枚毎に手差しトレイ52から取り出される。この際、記録紙3の印字面が分離パッド54と摩擦し、正極性や負極性に帯電した紙粉が発生する。そして、これら紙粉は、記録紙3の印字面における分離パッド54と摩擦した部分に付着する。
【0087】
引き続き給紙ローラ53が回転して記録紙3が紙粉除去ローラ56に到着すると、紙粉除去ローラ56が、記録紙3の通過に伴い回転する。この際、回転する紙粉除去ローラ56がスポンジ57と摩擦して負極性に帯電し、給紙ローラ53から紙粉除去ローラ56に向かう電界が発生する。すると、次のような現象が発生する。
【0088】
(a´)記録紙3の印字面のうち紙粉が付着する部分が紙粉除去ローラ56に接触した際に、記録紙3の印字面に付着する紙粉のうち正極性に帯電する紙粉が、上述の電界の作用により記録紙3の印字面から分離して紙粉除去ローラ56に転移付着する。
【0089】
(b´)記録紙3の印字面に付着した紙粉のうち負極性に帯電する紙粉が、上述の電界の作用により記録紙3の印字面に留まる。
引き続き給紙ローラ53が回転すると記録紙3が搬送され、この記録紙3の搬送に伴って紙粉除去ローラ56が回転する。そして、紙粉除去ローラ56が回転することにより、紙粉除去ローラ56における紙粉が付着する部分がスポンジ57に接触すると、それら紙粉がそのスポンジ57によって紙粉除去ローラ56から掻き取られて下方に落下する。落下した紙粉は、紙粉回収ケース58の導入部58aから紙粉回収ケース58に入って貯留される。そして、紙粉回収ケース58に貯留された紙粉は、紙粉搬送機構58bによって、紙粉除去装置61の紙粉回収ケース67に運ばれて貯留される。
【0090】
そして、給紙ローラ53によって手差し部51から送り出された記録紙3は、搬送経路を通り搬送ローラ59へ搬送される。その後、搬送ローラ59へ搬送された記録紙3は、搬送ローラ59によって紙粉除去装置61に搬送される。
さて、紙粉除去装置61においては、メインモータが支持ローラ66を回転駆動させると、支持ローラ66が回転する。そして、紙粉除去ローラ63が、支持ローラ66の回転に伴い、支持ローラ66に接触しながら回転する。この際、この紙粉除去ローラ63には、正極性の電圧が印加されているため、紙粉除去ローラ63と支持ローラ66との間には、(c)紙粉除去ローラ63から支持ローラ66に向けて電流が流れるとともに、(d)紙粉除去ローラ63から支持ローラ66に向かう電界が発生する。
【0091】
一方、搬送ローラ8により紙粉除去装置61に搬送された記録紙3が、紙粉除去ローラ63および支持ローラ66との間に差し入れられる。なお、この記録紙3には搬送ローラ8などとの摩擦により発生した、正極性や負極性に帯電した紙粉が付着している。すると、記録紙3の印字面のうち紙粉が付着する部分が紙粉除去ローラ63に接近または接触した際に、次のような現象が発生する。
【0092】
(e)記録紙3の印字面に付着する紙粉のうち正極性に帯電する紙粉が、上述の電流(c)の作用により、正極性の帯電電荷が強められて記録紙3の印字面に留まる。
(f)記録紙3の印字面に付着する紙粉のうち負極性に帯電する紙粉が、上述の電界(d)の作用により記録紙3の印字面から分離して紙粉除去ローラ63に転移付着する。また、粉塵の一部は、上述の電流(c)の作用により、その帯電極性が負極性から正極性に変化し、上述の電界(d)の作用により記録紙3の印字面に留まる。
【0093】
また、記録紙3の非印字面のうち紙粉が付着する部分が支持ローラ66に接近または接触した際に、記録紙3の非印字面に付着する紙粉のうち負極性に帯電する紙粉が、上述の電界(d)の作用により記録紙3の非印字面に留まる。
なお、この時点において、記録紙3の印字面のうち紙粉除去ローラ63と支持ローラ66との間を通過した部分には、正極性に帯電した紙粉が付着している。
【0094】
引き続き支持ローラ66が回転すると、記録紙3が搬送され、この記録紙3の搬送に伴って紙粉除去ローラ63が回転する。紙粉除去ローラ63が回転することにより、紙粉除去ローラ63における紙粉が付着する部分がスポンジ65に接触すると、それら紙粉がそのスポンジ65によって紙粉除去ローラ63から掻き取られ、下方に落下する。落下した紙粉は、紙粉回収ケース67の導入部67aから紙粉回収ケース67に入って貯留される。
【0095】
そして、引き続き支持ローラ66が回転すると記録紙3が搬送され、この記録紙3は画像形成部5に到着し、転写位置Pに搬送される。
続いて、現像駆動制御を実行する。具体的には、画像形成部5では、メインモータが、駆動ローラ18を介して感光体ベルト20を所定の方向に回転させ、また第1中間転写ベルトローラ23を介して中間転写ベルト26を所定の方向に回転させる。
【0096】
続いて、帯電バイアス制御を実行する。具体的には、スキャナユニット10が、レーザ発光部から発光される画像データに基づくレーザビームを、ポリゴンミラー、反射鏡およびレンズを介して通過あるいは反射させて、感光体ベルト機構部16の感光体ベルト20の表面上に高速走査にて照射する。すると、印刷データに基づく静電潜像が感光ベルト20に形成される。
【0097】
続いて、現像バイアス制御、一次転写バイアス制御および二次転写バイアス制御を実行する。具体的には、引き続き感光ベルト20が移動すると、イエロー現像カートリッジ15Yに収容されるイエローのトナーにより、回転する感光体ベルト20上に、イエローの可視像が形成される。そして、感光体ベルト20のイエローの可視像は、感光体ベルト20の移動により中間転写ベルト26と対向したときに、中間転写ベルト26の表面に転写される。なお、イエローの可視像を中間転写ベルト26に転写した後の感光体ベルト20の表面は、第1クリーナ22によりクリーニングされる。なお、このクリーニングは、トナークリーニングバイアス制御に相当する。
【0098】
以下同様にして、帯電バイアス制御、現像バイアス制御、一次転写バイアス制御およびトナークリーニングバイアス制御を繰り返すことにより、マゼンタの可視像、シアンの可視像およびブラックの可視像を感光体ベルト20上に形成して中間転写ベルト26の表面に転写する。
【0099】
一方、支持ローラ66によって搬送された記録紙3は、感光ベルト20から中間転写ベルト26への全ての色の可視像の転写が終了すると、転写位置Pに搬送される。転写位置Pに搬送された記録紙3は、中間転写ベルト26と転写ローラ13の間を通る。このとき、記録紙3が転写ローラ13によって中間転写ベルト26に押し付けられ、中間転写ベルト26の上に形成されたカラー画像が転写される。なお、このカラー画像の転写は、二次転写バイアス制御に相当する。この際、転写ローラ13には、負極性の電圧が印加されているため、中間転写ベルト26と転写ローラ13との間には、(g)転写ローラ13から中間転写ベルト26に向けて負の電流が流れるとともに、(h)中間転写ベルト26から転写ローラ13に向かう電界が発生する。すると、記録紙3の印字面のうち紙粉が付着する部分が中間転写ベルト26に接触した際に、次のような現象が発生する。
【0100】
(i)記録紙3の印字面に付着する紙粉のうち正極性に帯電する紙粉が、上述の電界(h)の作用により、中間転写ベルト26に転移付着することなく記録紙3の印字面に留まる。そして、この粉塵は、記録紙3に付着したまま転写位置Pを通過する。
【0101】
(j)また、記録紙3の非印字面に付着する紙粉のうち負極性に帯電する紙粉が、上述の電流(g)の作用により、負極性の帯電電荷が強められ、さらに上述の電界(h)の作用により、転写ローラ13に転移付着することなく記録紙3の非印字面に留まる。そして、この粉塵は、記録紙3に付着したまま転写位置Pを通過する。
【0102】
なお、カラー画像を記録紙3に転写した後の中間転写ベルト26の表面は、第2クリーナ38によりクリーニングされる。なお、このクリーニングは、トナークリーニングバイアス制御に相当する。
続いて、カラー画像が転写された記録紙3は定着部14に送られる。ここで記録紙3は、回転する加熱ローラ27および押圧ローラ28の間を通過し、これらローラ27、28によってカラー画像が熱定着させる。そして、このように定着部14においてカラー画像が熱定着された記録紙3は、搬送ローラ29によって1対の排紙ローラ30に搬送される。排紙ローラ30に送られた記録紙3は、その排紙ローラ30によって本体ケーシング2の上部に形成される排紙トレイ31上に排紙される。
【0103】
[第一実施例の効果]
本実施例のカラーレーザプリンタ1によれば、紙粉除去装置61が、記録紙3の印字面に付着した紙粉のうち負極性に帯電する紙粉を、その付着部分が転写位置Pに到達する前に除去するので、記録紙3の印字面に付着した粉塵が中間転写ベルト26に転移付着するのを防ぐことができる。
【0104】
また、紙粉除去装置42が、記録紙3の非印字面に付着した紙粉のうち正極性に帯電する紙粉を、その付着部分が転写位置Pに到達する前に除去するので、記録紙3の非印字面に付着した粉塵が転写ローラ13に転移付着するのを防ぐことができる。
【0105】
(第二実施例)
第二実施例のカラーレーザプリンタ200は、記録紙3の印字面に付着した紙粉のうち負極性に帯電する紙粉、および記録紙3の非印字面に付着した紙粉のうち正極性に帯電する紙粉を除去する第一実施例に加えて、さらに、記録紙3の印字面に付着した紙粉のうち正極性に帯電する紙粉を除去するような構成を備えた例であり、本第二実施例のカラーレーザプリンタ200が最も有効な作用効果を奏する。なお、第二実施例のカラーレーザプリンタ200は、第一実施例のカラーレーザプリンタ1が紙粉除去装置61を備えるのに対して紙粉除去装置101を備えている点が異なっており、多くの部分は第一実施例のカラーレーザプリンタ1と共通なので、第一実施例のカラーレーザプリンタ1と同じ符号を使用して説明を省略する。
【0106】
図5に示すように、カラーレーザプリンタ200が備える紙粉除去装置101は、上述した第一実施例のカラーレーザプリンタ1が紙粉除去装置61が備えるのと同じ紙粉除去ローラ63、スポンジ65、支持ローラ66および紙粉回収ケース67に加えて、記録紙3の印字面に接触して紙粉を除去する紙粉除去ローラ103、紙粉除去ローラ103に接触して紙粉を除去するスポンジ105、および記録紙3の非印字面を支持する支持ローラ106を備えている。但し、第一実施例では、紙粉除去ローラ63に正極性の電圧が印加されていたが、本第二実施例では、支持ローラ66に負極性の電圧が印加されている。
【0107】
まず、紙粉除去ローラ103は、紙粉除去ローラ63と同様の構成を有しており、紙粉除去ローラ63の上方に位置している。
また、支持ローラ106は、支持ローラ66と同様の構造を有しており、搬送される記録紙3を挟んで紙粉除去ローラ103と対向するよう配されている。この支持ローラ106のローラ軸は、メインモータに接続されており、支持ローラ66がメインモータによって時計方向に回転すると、紙粉除去ローラ103が支持ローラ66または記録紙3に接触しながら反時計方向に回転するよう構成されている。
【0108】
さらに、スポンジ105は、スポンジ65と同様の構造を有しており、紙粉除去ローラ103の下方に配されている。また、スポンジ105の上部は、紙粉除去ローラ103の下部に当接している。
また、上述の紙粉回収ケース67においては、導入部67aに加えて、その開口から紙粉除去ローラ103とスポンジ105とが当接する部分の近傍まで延出する導入部67bが設けられている。
【0109】
また、支持ローラ106には、図示しない紙粉除去バイアス印加回路が接続されている。この紙粉除去バイアス印加回路が、正極性の電圧を支持ローラ106に印加すると、支持ローラ106から紙粉除去ローラ103に向けて電流が流れるとともに、支持ローラ106から紙粉除去ローラ103に向かう電界が発生する。
【0110】
以上のように構成された紙粉除去装置101は、上述した第一実施例の印刷処理における紙粉除去装置61の代わりに次のように作用する。すなわち、紙粉除去装置101においては、メインモータが支持ローラ66を回転駆動させると、紙粉除去ローラ63が、支持ローラ66の回転に伴い、支持ローラ66に接触しながら回転する。この際、この支持ローラ66には、負極性の電圧が印加されているため、紙粉除去ローラ63と支持ローラ66との間には、(c´)支持ローラ66から紙粉除去ローラ63に向けて負の電流が流れるとともに、(d)紙粉除去ローラ63から支持ローラ66に向かう電界が発生する。
【0111】
また、メインモータが支持ローラ106を回転駆動させると、紙粉除去ローラ103が、支持ローラ106の回転に伴い、支持ローラ106に接触しながら回転する。この際、この支持ローラ106には、正極性の電圧が印加されているため、紙粉除去ローラ103と支持ローラ106との間には、(k)支持ローラ106から紙粉除去ローラ103に向けて電流が流れるとともに、(l)支持ローラ106から紙粉除去ローラ103に向かう電界が発生する。
【0112】
一方、搬送ローラ8により紙粉除去装置101に搬送された記録紙3が、紙粉除去ローラ63および支持ローラ66との間に差し入れられる。なお、この記録紙3には搬送ローラ8などとの摩擦により発生した、正極性や負極性に帯電した紙粉が付着している。すると、記録紙3の印字面のうち紙粉が付着する部分が紙粉除去ローラ63に接近または接触した際に、次のような現象が発生する。
【0113】
(e)記録紙3の印字面に付着する紙粉のうち正極性に帯電する紙粉が、上述の電界(d)の作用により記録紙3の印字面に留まる。また、粉塵の一部は、上述の電流(c´)の作用により、その帯電極性が正極性から負極性に変化し、上述の電界(d)の作用により、記録紙3の印字面から分離して紙粉除去ローラ63に転移付着する。
【0114】
(f)記録紙3の印字面に付着する紙粉のうち負極性に帯電する紙粉が、上述の電界(d)の作用により記録紙3の印字面から分離して紙粉除去ローラ63に転移付着する。また、粉塵の一部は、上述の電流(c´)の作用により、負の帯電極性が強められて、上述の電界(d)の作用により、記録紙3の印字面から分離して紙粉除去ローラ63に転移付着する。
【0115】
また、記録紙3の非印字面のうち紙粉が付着する部分が支持ローラ66に接近または接触した際に、記録紙3の非印字面に付着する紙粉のうち負極性に帯電する紙粉が、上述の電流(c´)の作用により、負極性の帯電電荷が強められて記録紙3の非印字面に留まる。
【0116】
なお、この時点において、記録紙3の印字面のうち紙粉除去ローラ63と支持ローラ66との間を通過した部分には、正極性に帯電した紙粉が付着しており、一方、記録紙3の非印字面のうち紙粉除去ローラ63と支持ローラ66との間を通過した部分には、負極性に帯電した紙粉が付着している。
【0117】
引き続き支持ローラ66が回転すると、記録紙3が搬送され、この記録紙3の搬送に伴って紙粉除去ローラ63が回転する。紙粉除去ローラ63が回転することにより、紙粉除去ローラ63における紙粉が付着する部分がスポンジ65に接触すると、それら紙粉がそのスポンジ65によって紙粉除去ローラ63から掻き取られ、下方に落下する。落下した紙粉は、紙粉回収ケース67の導入部67aから紙粉回収ケース67に入って貯留される。
【0118】
そして、引き続き支持ローラ66が回転すると記録紙3が搬送され、この記録紙3は、紙粉除去ローラ103と支持ローラ106との間に差し入れられる。すると、次のような現象が発生する。
(m)記録紙3の印字面のうち紙粉が付着する部分が紙粉除去ローラ103に接近または接触した際に、記録紙3の印字面に付着した紙粉のうち正極性に帯電する紙粉が、上述の電流(k)および電界(l)の作用により、記録紙3の印字面から分離する。
【0119】
(n)記録紙3の非印字面のうち紙粉が付着する部分が支持ローラ106に接近または接触した際に、記録紙3の非印字面に付着する紙粉のうち負極性に帯電する紙粉が、上述の電流(k)の作用により、負極性の帯電電荷が弱められて記録紙3の非印字面に留まる。
【0120】
なお、この時点において、記録紙3の印字面のうち紙粉除去ローラ103と支持ローラ106との間を通過した部分には、紙粉がほとんど付着しておらず、一方、記録紙3の非印字面のうち紙粉除去ローラ103と支持ローラ106との間を通過した部分には、中性化した紙粉が付着している。
【0121】
引き続き支持ローラ106が回転すると、記録紙3が搬送され、この記録紙3の搬送に伴って紙粉除去ローラ103が回転する。紙粉除去ローラ103が回転することにより、紙粉除去ローラ103における紙粉が付着する部分がスポンジ105に接触すると、それら紙粉がそのスポンジ105によって紙粉除去ローラ103から掻き取られ、下方に落下する。落下した紙粉は、紙粉回収ケース67の導入部67bから紙粉回収ケース67に入って貯留される。
【0122】
そして、引き続き支持ローラ106が回転すると記録紙3が搬送され、この記録紙3は画像形成部5に到着し、転写位置Pに搬送される。
なお、以後の処理は第一実施例における印刷処理と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0123】
[第二実施例の効果]
本実施例のカラーレーザプリンタ200によれば、紙粉除去装置101が、記録紙3の印字面に付着した紙粉のうち負極性に帯電する紙粉に加えて、記録紙3の印字面に付着した紙粉のうち正極性に帯電する紙粉を、その付着部分が転写位置Pに到達する前に除去するので、記録紙3の印字面に付着した粉塵が中間転写ベルト26に転移付着するのを防ぐことができる。
【0124】
(第三実施例)
第三実施例のカラーレーザプリンタ300は、記録紙3の印字面に付着した紙粉のうち負極性に帯電する紙粉、および記録紙3の非印字面に付着した紙粉のうち正極性に帯電する紙粉を除去する第一実施例に加えて、さらに、記録紙3の非印字面に付着した紙粉のうち正極性に帯電する紙粉を除去するような構成を備えた例である。なお、第三実施例のカラーレーザプリンタ300は、第一実施例のカラーレーザプリンタ1が紙粉除去装置61を備えるのに対して紙粉除去装置201を備えている点が異なっており、多くの部分は第一実施例のカラーレーザプリンタ1と共通なので、第一実施例のカラーレーザプリンタ1と同じ符号を使用して説明を省略する。
【0125】
図6に示すように、カラーレーザプリンタ300が備える紙粉除去装置201は、上述した第一実施例のカラーレーザプリンタ1が紙粉除去装置61が備えるのと同じ紙粉除去ローラ63、スポンジ65、支持ローラ66および紙粉回収ケース67に加えて、記録紙3の非印字面に接触して紙粉を除去する紙粉除去ローラ203、紙粉除去ローラ203に接触して紙粉を除去するスポンジ205、記録紙3の印字面を支持する支持ローラ206、およびスポンジ205によって紙粉除去ローラ203から除去された紙粉を回収する紙粉回収ケース207を備えている。
【0126】
この紙粉除去ローラ203は、紙粉除去ローラ63と同様の構成を有しており、支持ローラ66の上方に位置している。
また、支持ローラ206は、支持ローラ66と同様の構造を有しており、搬送される記録紙3を挟んで紙粉除去ローラ203と対向するよう配されている。この支持ローラ206のローラ軸は、メインモータに接続されており、支持ローラ206がメインモータによって反時計方向に回転すると、紙粉除去ローラ203が支持ローラ206または記録紙3に接触しながら時計方向に回転するよう構成されている。
【0127】
さらに、スポンジ205は、スポンジ65と同様の構造を有しており、紙粉除去ローラ203の下方に配されている。また、スポンジ205の上部は、紙粉除去ローラ203の下部に当接している。
また、紙粉回収ケース207は、紙粉除去ローラ203およびスポンジ205の前方に配されている。この紙粉回収ケース207は、その一部が開口する箱形状に形成されており、その開口からは、紙粉除去ローラ203とスポンジ205とが当接する部分の近傍まで延出する導入部207aが設けられている。また、紙粉回収ケース207は、貯留した紙粉を紙粉回収ケース67に搬送する紙粉搬送機構207bを備えている。この紙粉搬送機構207bは、紙粉搬送機構58bと同様に、紙粉回収ケース207と紙粉回収ケース67とを接続する接続管と、接続管の内部に配されたスクリューと、スクリューを回転駆動するモータ(共に図示省略)とを備え、モータがスクリューを所定の方向に回転駆動させると、接続管の内部にて回転するスクリューが、紙粉回収ケース207に貯留された紙粉を搬送して紙粉回収ケース67に運び入れるよう構成されている。
【0128】
また、支持ローラ206には、図示しない紙粉除去バイアス印加回路に接続されており、この紙粉除去バイアス印加回路が、正極性の電圧を支持ローラ206に印加すると、支持ローラ206から紙粉除去ローラ203に向けて電流が流れるとともに、支持ローラ206から紙粉除去ローラ203に向かう電界が発生する。
【0129】
以上のように構成された紙粉除去装置201は、上述した第一実施例の印刷処理における紙粉除去装置61の代わりに次のように作用する。すなわち、紙粉除去装置201においては、メインモータが支持ローラ66を回転駆動させると、紙粉除去ローラ63が、支持ローラ66の回転に伴い、支持ローラ66に接触しながら回転する。この際、この紙粉除去ローラ63には、正極性の電圧が印加されているため、紙粉除去ローラ63と支持ローラ66との間には、(c)紙粉除去ローラ63から支持ローラ66に向けて電流が流れるとともに、(d)紙粉除去ローラ63から支持ローラ66に向かう電界が発生する。
【0130】
また、メインモータが支持ローラ206を回転駆動させると、紙粉除去ローラ203が、支持ローラ206の回転に伴い、支持ローラ206に接触しながら回転する。この際、この支持ローラ206には、正極性の電圧が印加されているため、紙粉除去ローラ203と支持ローラ206との間には、(o)支持ローラ206から紙粉除去ローラ203に向けて電流が流れるとともに、(p)支持ローラ206から紙粉除去ローラ203に向かう電界が発生する。
【0131】
一方、搬送ローラ8により紙粉除去装置201に搬送された記録紙3が、紙粉除去ローラ63および支持ローラ66との間に差し入れられる。なお、この記録紙3には搬送ローラ8などとの摩擦により発生した、正極性や負極性に帯電した紙粉が付着している。すると、記録紙3の印字面のうち紙粉が付着する部分が紙粉除去ローラ63に接近または接触した際に、次のような現象が発生する。
【0132】
(e)記録紙3の印字面に付着する紙粉のうち正極性に帯電する紙粉が、上述の電流(c)の作用により、正極性の帯電電荷が強められて記録紙3の印字面に留まる。
(f)記録紙3の印字面に付着した紙粉のうち負極性に帯電する紙粉が、上述の電界(d)の作用により記録紙3の印字面から分離して紙粉除去ローラ63に転移付着する。また、粉塵の一部は、上述の電流(c)の作用により、その帯電極性が負極性から正極性に変化し、上述の電界(d)の作用により記録紙3の印字面に留まる。
【0133】
また、記録紙3の非印字面のうち紙粉が付着する部分が支持ローラ66に接近または接触した際に、記録紙3の非印字面に付着する紙粉のうち負極性に帯電する紙粉が、上述の電界(d)の作用により記録紙3の非印字面に留まる。
なお、この時点において、記録紙3の印字面のうち紙粉除去ローラ63と支持ローラ66との間を通過した部分には、正極性に帯電した紙粉が付着しており、一方、記録紙3の非印字面のうち紙粉除去ローラ63と支持ローラ66との間を通過した部分には、負極性に帯電した紙粉が付着している。
【0134】
引き続き支持ローラ66が回転すると、記録紙3が搬送され、この記録紙3の搬送に伴って紙粉除去ローラ63が回転する。紙粉除去ローラ63が回転することにより、紙粉除去ローラ63における紙粉が付着する部分がスポンジ65に接触すると、それら紙粉がそのスポンジ65によって紙粉除去ローラ63から掻き取られ、下方に落下する。落下した紙粉は、紙粉回収ケース67の導入部67aから紙粉回収ケース67に入って貯留される。
【0135】
そして、引き続き支持ローラ66が回転すると記録紙3が搬送され、この記録紙3は、紙粉除去ローラ203と支持ローラ206との間に差し入れられる。すると、次のような現象が発生する。
(q)記録紙3の印字面のうち紙粉が付着する部分が支持ローラ206に接触した際に、記録紙3の印字面に付着した紙粉のうち正極性に帯電する紙粉が、上述の電流(o)の作用により正極性の帯電電荷が強められ、上述の電界(p)の作用により記録紙3の印字面に留まる。
【0136】
(r)記録紙3の非印字面のうち紙粉が付着する部分が紙粉除去ローラ203に接触した際に、記録紙3の非印字面に付着した紙粉のうち負極性に帯電する紙粉が、上述の電界(p)の作用により、記録紙3の非印字面に留まる。また、この紙粉の一部は、上述の電流(o)の作用により、その帯電極性が負極性から正極性に変化し、記録紙3の非印字面から分離して紙粉除去ローラ203に転移付着する。
【0137】
なお、この時点において、記録紙3の印字面のうち紙粉除去ローラ203と支持ローラ206との間を通過した部分には、正極性に帯電した紙粉が付着しており、一方、記録紙3の非印字面のうち紙粉除去ローラ203と支持ローラ206との間を通過した部分には、負極性に帯電した少量の紙粉が付着している。
【0138】
引き続き支持ローラ206が回転すると、記録紙3が搬送され、この記録紙3の搬送に伴って紙粉除去ローラ203が回転する。紙粉除去ローラ203が回転することにより、紙粉除去ローラ203における紙粉が付着する部分がスポンジ205に接触すると、それら紙粉がそのスポンジ205によって紙粉除去ローラ203から掻き取られ、下方に落下する。落下した紙粉は、紙粉回収ケース207の導入部207aから紙粉回収ケース207に入って貯留される。紙粉回収ケース207に貯留された紙粉は、紙粉搬送機構207bによって、紙粉回収ケース67に運ばれて貯留される。
【0139】
そして、引き続き支持ローラ206が回転すると記録紙3が搬送され、この記録紙3は画像形成部5に到着し、転写位置Pに搬送される。なお、以後の処理は第一実施例の印刷処理と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
[第三実施例の効果]
本実施例のカラーレーザプリンタ300によれば、紙粉除去装置201が、記録紙3の印字面に付着した紙粉のうち負極性に帯電する紙粉を、その付着部分が転写位置Pに到達する前に除去することに加えて、記録紙3の非印字面に付着した紙粉のうち正極性に帯電する紙粉を、その付着部分が転写位置Pに到達する前に除去するので、記録紙3に付着した粉塵が中間転写ベルト26や転写ローラ13に転移付着するのを防ぐことができる。
【0140】
[別実施例その他]
(1)上記実施例では、可視像を感光体ベルト20上に形成する際に、各色トナーを正極性に帯電させるよう構成されているが、これには限られず、各色トナーを負極性に帯電させるよう構成してもよい。具体的には、(イ)各色のトナーを、供給ローラと現像ローラ17との間で正極性に帯電させる代わりに、負極性に帯電させる。(ロ)また、転写バイアス印加回路が、転写ローラ13に負極性の電圧を印加する代わりに、正極性の電圧を印加する。(ハ)さらに、紙粉除去バイアス印加回路が、紙粉除去ローラ63に電圧を印加する代わりに支持ローラ66に同様の電圧を印加する。なお、他の紙粉除去ローラや搬送ローラについても同様である。このように構成しても上記実施例と同様の作用効果を奏する。
【0141】
(2)上記実施例の紙粉除去装置63では、紙粉除去バイアス印加回路が、正極性の電圧を紙粉除去ローラ63に印加しているが、紙粉除去ローラ63が支持ローラ66よりも高電位であれば、これには限られず、例えば、紙粉除去バイアス印加回路が、負極性の電圧を支持ローラ66に印加してもよい。また、紙粉除去ローラ63および支持ローラ66に正極性の電圧をそれぞれ印加し、紙粉除去ローラ63に印加した正極性の電圧の値が、支持ローラ66に印加した正極性の電圧の値よりも大きくなるようにしてもよい。また、逆に、紙粉除去ローラ63および支持ローラ66に負極性の電圧をそれぞれ印加し、紙粉除去ローラ63に印加した負極性の電圧の絶対値が、支持ローラ66に印加した負極性の電圧の絶対値よりも小さくなるようにしてもよい。なお、以上のことは紙粉除去装置101,201においても同様である。このように構成しても上記実施例と同様の作用効果を奏する。
【0142】
(3)上記実施例では、転写バイアス印加回路が、負極性の電圧を転写ローラ13に印加しているが、転写ローラ13が中間転写ベルト26よりも低電位であれば、これには限られず、例えば、中間転写ベルト26および転写ローラ13に正極性の電圧をそれぞれ印加し、中間転写ベルト26に印加した正極性の電圧の値が、転写ローラ13に印加した正極性の電圧の値よりも大きくなるようにしてもよい。また、逆に、中間転写ベルト26および転写ローラ13に負極性の電圧をそれぞれ印加し、中間転写ベルト26に印加した負極性の電圧の絶対値が、転写ローラ13に印加した負極性の電圧の絶対値よりも小さくなるようにしてもよい。このように構成しても上記実施例と同様の作用効果を奏する。
【0143】
また、中間転写ベルト26を有せず、感光体ベルト20と転写ローラ13とが、搬送される記録紙3を挟んで向かい合うような構成を備えるカラーレーザプリンタの場合には、転写ローラ13が感光体ベルト20よりも低電位であればよい。例えば、転写バイアス印加回路が、負極性の電圧を転写ローラ13に印加してもよい。また、感光体ベルト20および転写ローラ13に正極性の電圧をそれぞれ印加し、感光体ベルト20に印加した正極性の電圧の値が、転写ローラ13に印加した正極性の電圧の値よりも大きくなるようにしてもよい。さらに、逆に、感光体ベルト20および転写ローラ13に負極性の電圧をそれぞれ印加し、感光体ベルト20に印加した負極性の電圧の絶対値が、転写ローラ13に印加した負極性の電圧の絶対値よりも小さくなるようにしてもよい。このように構成しても上記実施例と同様の作用効果を奏する。
【0144】
(4)上記実施例の各紙粉除去装置61,101,201が設置される位置は、次のような理由により転写位置Pにより近いほうが望ましい。すなわち、記録紙3に付着した紙粉の帯電電荷は時間の経過とともに放電されて弱くなる。そうなると、上述のように紙粉除去ローラと支持ローラとの間を流れる電流の作用によってその帯電電荷を強めても、記録紙3における紙粉が付着する部分が転写位置Pに到着するまでにその帯電電荷が放電されて弱くなってしまい、その紙粉を記録紙3に付着させた状態で転写位置Pを通過させるのが困難となるからである。このようにすれば、記録紙3に付着した紙粉が記録紙3に付着したまま転写位置Pを通過しやすくなるので、それら紙粉が記録紙3から分離して中間転写ベルト26や転写ローラ13に転移付着するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例のカラーレーザプリンタを示す要部側断面図である。
【図2】第一実施例のカラーレーザプリンタの給紙部用紙粉装置、手差し部用紙粉除去装置および紙粉除去装置の拡大側断面図である。
【図3】記録紙、給紙ローラ、分離パッド、紙粉除去ローラおよびスポンジそれぞれの紙幅方向の寸法の関係を示す説明図である。
【図4】第一実施例のカラーレーザプリンタの制御系のブロック図である。
【図5】第二実施例のカラーレーザプリンタの給紙部用紙粉装置、手差し部用紙粉除去装置および紙粉除去装置の拡大側断面図である。
【図6】第三実施例のカラーレーザプリンタの給紙部用紙粉装置、手差し部用紙粉除去装置および紙粉除去装置の拡大側断面図である。
【符号の説明】
1,200,300…カラーレーザプリンタ、2…本体ケーシング、3…記録紙、6…給紙トレイ、7,53…給紙ローラ、8,29,59…搬送ローラ、10…スキャナユニット、11…プロセス部、12…中間転写ベルト機構部、13…転写ローラ、14…定着部、15…現像カートリッジ(15M…マゼンタ現像カートリッジ、15C…シアン現像カートリッジ、15Y…イエロー現像カートリッジ、15K…ブラック現像カートリッジ)、16…感光体ベルト機構部、17…現像ローラ、18…駆動ローラ、19,35…従動ローラ、20…感光体ベルト、21…感光体ベルト帯電器、23…第1中間転写ベルトローラ、24…第2中間転写ベルトローラ、25…第3中間転写ベルトローラ、26…中間転写ベルト、27…加熱ローラ、28…押圧ローラ、29…搬送ローラ、30…排紙ローラ、31…排紙トレイ、38…第2クリーナ、41,54…分離パッド、42…給紙部用紙粉除去装置、43,56,63,103,203…紙粉除去ローラ、43a,56a…除去ローラ本体、45,57,65,105,205…スポンジ、47,58,67,207…紙粉回収ケース、47a,58a,67a,67b,207a…導入部、51…手差し部、52…手差しトレイ、55…手差し部用紙粉除去装置、58b,207b…紙粉搬送機構、61,101,201…紙粉除去装置、66,106,206…支持ローラ、66a,106a,206a…支持ローラ本体、401…CPU、411…RAM、412…ROM
Claims (15)
- 正または負に帯電した現像剤からなる可視像を担持する像担持体と、
前記像担持体に担持された現像剤を記録紙上に転写する方向の電界を発生する転写手段と、
前記像担持体と前記転写手段とが対向して、前記像担持体が担持する可視像を前記記録紙に転写する転写位置に前記記録紙を搬送する搬送手段と、
を備え、前記搬送手段によって記録紙を前記転写位置に搬送することにより前記可視像を前記記録紙の印字面に転写させる画像形成装置であって、
前記記録紙が前記搬送手段によって前記転写位置に搬送される前に、前記記録紙の印字面に付着する粉塵のうち前記現像剤とは逆極性に帯電する粉塵を、前記記録紙の印字面から除去する粉塵除去手段を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
前記粉塵除去手段は、前記記録紙の印字面に付着する粉塵のうち前記現像剤とは逆極性に帯電する粉塵を前記記録紙の印字面から除去する際には、前記粉塵を前記記録紙の印字面から離間する方向の電界を発生させることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2記載の画像形成装置において、
前記粉塵除去手段は、前記記録紙の印字面側または前記記録紙の非印字面側の何れか一方に電圧を印加することにより前記電界を発生させることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1〜3の何れかに記載の画像形成装置において、
前記粉塵除去手段は、
前記記録紙の印字面に接触して粉塵を除去する粉塵除去部材と、
少なくとも前記粉塵除去部材と対向する位置に配置され、前記記録紙の非印字面を支持する支持部材とからなり、
前記現像剤を前記記録紙に転写する方向と同じ方向の電界を発生し、且つ、前記粉塵除去部材と前記支持部材との間に電流を流すことを特徴とする画像形成装置。 - 正または負に帯電した現像剤からなる可視像を担持する像担持体と、
前記像担持体に担持された現像剤を記録紙上に転写する方向の電界を発生する転写手段と、
前記像担持体と前記転写手段とが対向して、前記像担持体が担持する可視像を前記記録紙に転写する転写位置に前記記録紙を搬送する搬送手段と、
を備え、前記搬送手段によって記録紙を前記転写位置に搬送することにより前記可視像を前記記録紙の印字面に転写させる画像形成装置であって、
前記記録紙が前記搬送手段によって前記転写位置に搬送される前に、前記記録紙の非印字面に付着する粉塵のうち前記現像剤と同極性に帯電する粉塵を、前記記録紙の非印字面から除去する粉塵除去手段を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項5記載の画像形成装置において、
前記粉塵除去手段は、前記記録紙の非印字面に付着する粉塵のうち前記現像剤と同逆性に帯電する粉塵を前記記録紙の非印字面から除去する際には、前記粉塵を前記記録紙の非印字面から離間する方向の電界を発生させることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項6記載の画像形成装置において、
前記粉塵除去手段は、前記記録紙の印字面側または前記記録紙の非印字面側の何れか一方に電圧を印加することにより前記電界を発生させることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項5〜7の何れかに記載の画像形成装置において、
前記粉塵除去手段は、
前記記録紙の非印字面に接触して粉塵を除去する粉塵除去部材と、
少なくとも前記粉塵除去部材と対向する位置に配置され、前記記録紙の印字面を支持する支持部材とからなり、
前記現像剤を前記記録紙に転写する方向と同じ方向の電界を発生し、且つ、前記粉塵除去部材と前記支持部材との間に電流を流すことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4または8記載の画像形成装置において、
前記粉塵除去部材への印加電圧と前記支持部材への印加電圧との電位差の絶対値は、前記転写手段への印加電圧の絶対値以上であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4または8記載の画像形成装置において、
前記粉塵除去部材と前記支持部材との間を流れる電流値の絶対値は、前記転写手段と前記像担持体との間を流れる電流値の絶対値以上であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1〜10の何れかに記載の画像形成装置において、
積層載置された記録紙の表面に当接して、当該当接している記録紙の供給を行う給紙ローラと、
前記給紙ローラと対向する位置に設けられ、前記給紙ローラによって供給される記録紙を他の記録紙と分離する分離パッドと、
を備え、
前記粉塵除去手段は、前記転写位置と前記給紙ローラおよび前記分離パッドとの間のうち前記給紙ローラおよび前記分離パッドの近傍に配されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11記載の画像形成装置において、
前記粉塵除去部材は、前記記録紙における前記給紙ローラ、あるいは、前記分離パッドと接触した部分に付着した粉塵を除去することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11または12記載の画像形成装置において、
前記粉塵除去部材は、
少なくとも前記搬送手段によって搬送される記録紙と接触する接触部分がフッ素樹脂で構成されており、
前記接触部分が他の構成部位と摩擦することにより負極性に帯電することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1〜13の何れかに記載の画像形成装置において、
前記粉塵除去手段によって前記記録紙から除去された粉塵を回収する粉塵回収手段を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 正または負に帯電した現像剤からなる可視像を担持する像担持体と、
前記像担持体に担持された現像剤を記録紙上に転写する方向の電界を発生する転写手段と、
前記像担持体と前記転写手段とが対向して、前記像担持体が担持する可視像を前記記録紙に転写する転写位置に前記記録紙を搬送する搬送手段と、
を備え、前記搬送手段によって搬送された記録紙を前記転写位置に搬送することにより前記可視像を前記記録紙の印字面に転写させる画像形成装置であって、
前記記録紙が前記搬送手段によって前記転写位置に搬送される前に、前記記録紙の印字面に付着する粉塵のうち前記現像剤とは逆極性に帯電する粉塵を、前記記録紙の印字面から除去する第一粉塵除去手段と、
前記第一粉塵除去手段によって前記記録紙の印字面に付着する粉塵のうち前記現像剤とは逆極性に帯電する粉塵が前記記録紙の印字面から除去された後であって前記記録紙が前記搬送手段によって前記転写位置に搬送される前に、前記記録紙の印字面に付着する粉塵のうち前記現像剤と同極性に帯電する粉塵を、前記記録紙の印字面から除去する第二粉塵除去手段と、
を備え、
前記第一粉塵除去手段は、
前記記録紙の印字面に接触して粉塵を除去する第一粉塵除去部材と、
前記記録紙の非印字面を支持する第一支持部材とからなり、
前記第一支持部材に負の電圧を印加することにより、前記現像剤を前記記録紙に転写する方向と同じ方向の電界を発生し、且つ、前記支持部材から前記粉塵除去部材へ向かう負の電流を流し、
一方、前記第二粉塵除去手段は、
前記記録紙の印字面に接触して粉塵を除去する第二粉塵除去部材と、
前記記録紙の非印字面を支持する第二支持部材とからなり、
前記第二支持部材に正の電圧を印加することにより、前記現像剤を前記記録紙に転写する方向とは逆方向の電界を発生し、且つ、前記支持部材から前記粉塵除去部材へ向かう正の電流を流すこと
を特徴とする画像形成装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007031145A (ja) * | 2005-06-23 | 2007-02-08 | Toshiba Corp | 紙葉類取出装置 |
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-
2003
- 2003-03-28 JP JP2003092242A patent/JP2004299810A/ja active Pending
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