以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態1にかかるスマートエントリーシステムAの全体構成を示す。このシステムAは、乗員が携帯する携帯用送受信機としての携帯機2(携帯用送受信機)と車両1に搭載された車載機3とからなる。図2は、該車載機3を搭載したオープンカーとしての車両1の斜視図である。
前記携帯機2は、CPUからなる携帯機制御ユニット20を有する。この携帯機制御ユニット20には、後述する車載機3からのリクエスト信号rを受信する受信アンテナ21と、IDコード(ID、認証用コード)を含むID信号i、ドアロック若しくはドアアンロックのためのロック信号Lやアンロック信号Uを無線送信する送信アンテナ22と、が信号の授受可能に接続されている。すなわち、例えば、前記携帯機2において、受信アンテナ21が前記車載機3からのリクエスト信号rを受信すると、このリクエスト信号rを受けて携帯機制御ユニット20がIDコードを含むID信号iを送信アンテナ22から送信するように構成されている。なお、前記ID信号i、ロック信号L及びアンロック信号Uは、すべて同じ周波数帯の信号である。
また、前記携帯機制御ユニット20には、車載機3からの警報信号に基づいて警報音を鳴らすためのブザー23と、ドアロックする際のスイッチであるロックスイッチ24と、ドアロックを解除する際のスイッチであるアンロックスイッチ25と、が接続されていて、前記ロックスイッチ25及びアンロックスイッチ26によってドアロックを遠隔操作可能なキーレスエントリシステムが構成されている。
前記車載機3には、制御手段としての、CPUを有するスマートキーレス制御ユニット30が設けられている。このスマートキーレス制御ユニット30には、前記携帯機2にリクエスト信号rを送信するためのトランク内送信アンテナ31、室内送信アンテナ32及び室外送信アンテナ33(車載送信機)と、該携帯機2からのID信号i等を受信するための車載受信アンテナ34(車載受信機)と、が信号の授受可能に接続されていて、上述のように、リクエスト信号rに対して前記携帯機2から送信されるID信号iを前記車載受信アンテナ34で受信すると、そのID信号iに含まれるIDコードの認証を行い、車両1における各種操作(具体的には後述の各制御を参照)が可能となるように構成されている。
前記室外送信アンテナ33は、図2に示すように、運転席側及び助手席側ドア11a,11b、リヤエンドパネル11dの3箇所にそれぞれ設けられた、運転席側送信アンテナ33a、助手席側送信アンテナ33b及び後方送信アンテナ33cからなる一方、前記室内送信アンテナ32及びトランク内送信アンテナ31は、それぞれ、上方から見て車室内及びトランクルームS内の略中央に位置付けられるように配設されている。また、前記車載受信アンテナ33は、車室内及び車両1周辺の全域をカバーできるようにヘッダー14の車幅方向略中央に設けられている。なお、該トランク内送信アンテナ31は、トランクルームS内にのみリクエスト信号rが送信されるように信号出力が調整されていて、これにより、トランクルームS内に位置する携帯機4(前記携帯機2の構成と同一のもの)のみが検出されるようになっている。また、その他の送信アンテナ32,33a〜33cも、それぞれ、図3に点線で示すような範囲に信号を送信できるように構成されている。
前記スマートキーレス制御ユニット30には、運転席側及び助手席側ドア11a,11bのドアノブにそれぞれ設けられたドアリクエストスイッチ35、35と、該各ドア11a、11bにそれぞれ設けられ、該各ドア11a,11bをロック状態又はアンロック状態に切り換えるドアロックアクチュエータ36,36と、が接続されている。これにより、例えばドアロックされている状態で前記携帯機2を携帯した乗員(利用者)がドアリクエストスイッチ35を押すと、前記送信アンテナ32,33からリクエスト信号rが送信されて、それに対応して携帯機2の送信アンテナ22から送信されるID信号iを車載受信アンテナ34で受信し、そのIDコードの認証を行った後、前記ドアロックアクチュエータ36によってドアロックが解除される、いわゆるスマートエントリーシステムが構成されるようになっている。
なお、ドアロック若しくはドアロック解除は、上述のようなスマートエントリーシステムを利用する方法だけでなく、前記携帯機2のロックスイッチ24やアンロックスイッチ25を押圧操作することで前記ドアロックアクチュエータ36を遠隔操作してドアロック若しくはドアロック解除を行ったり、ドアキーシリンダにキーを差し込んで回すことによってドアロック若しくはドアロック解除を行えるようになっている。
また、前記スマートキーレス制御ユニット30には、トランクリッド11cの後端側に設けられ、該トランクリッド11cが閉められた状態でラッチをリヤエンドパネル11dの相手部材に係合させるトランクラッチ機構37(トランクリッドロック)と、該トランクリッド11cを開く際にトランクラッチ機構37をアンラッチ状態にするためのスイッチとしての役割を果たすトランクハンドル38と、が接続されている。このトランクラッチ機構37は、モータによってラッチの解除を行う電動式のもの(例えば特開平11−6341や特開2002−220958参照)で、前記トランクリッド11cを閉じた場合には機械的にラッチが相手部材に係合する一方、前記モータがラッチ開信号Pを受けると該モータが作動してラッチを非係合状態にするようになっている。
前記トランクラッチ機構37の詳しい制御については後述するが、通常時では、図4(a)に示すように、トランクリッド11cを閉じた状態で前記トランクハンドル38を操作すると、その操作信号はスマートキーレス制御ユニット30に入力されて(図中の(1))、該スマートキーレス制御ユニット30からの出力信号(図中の(2))に基づいて前記後方送信アンテナ33cから車外に向かってリクエスト信号rが送信される(図中の(3))。そして、該リクエスト信号rに対して車外の携帯機2からID信号iが送信される(図中の(4))と、そのID信号iは車載受信アンテナ34で受信されて、前記スマートキーレス制御ユニット30に入力される(図中の(5))。このID信号iに含まれているIDコードの認証が得られれば、前記スマートキーレス制御ユニット30からトランクラッチ機構37のモータへラッチ開信号Pが送信されて(図中の(6))、該トランクラッチ機構37のラッチが解除され、トランクリッド11cを開けることができる。
一方、携帯機4をトランクルームS内に閉じ込めた場合には、後述するブザー41(若しくは携帯機2のブザー23)によって警報を行うとともに、図4(b)に示すように、前記トランクハンドル38を操作すると、その操作信号はスマートキーレス制御ユニット30に入力されて、車外の携帯機2との間で信号の授受を行うことなく、すなわちIDコードの認証を行うことなく前記スマートキーレス制御ユニット30からトランクラッチ機構37のモータへラッチ開信号Pが送信されて、ラッチが解除されるようになっている。
また、前記スマートキーレス制御ユニット30には、ステアリングホイール近傍に設けられ、車両1のエンジンの始動操作を行うためのイグニッションスイッチ39と、該イグニッションスイッチ39の操作によってエンジンを始動させるエンジン制御ユニット40(ECU)と、が接続されている。これにより、前記携帯機2を所持した乗員が車両1に乗車し、該携帯機2のIDコードが認証されれば、該乗員が前記イグニッションスイッチ39を操作することで、前記スマートキーレス制御ユニット30からエンジン制御ユニット40に始動許可信号が出力されて、該エンジン制御ユニット40によってエンジンの始動が行われるようになっている。
ここで、前記イグニッションスイッチ39は、アクセサリOFFの位置からアクセサリON、イグニッションON及びイグニッションSTARTの各位置まで回動可能に構成されていて、該各位置まで操作された場合には、それぞれの位置に対応した操作信号をスマートキーレス制御ユニット30に出力するように構成されている。
また、前記スマートキーレス制御ユニット30には、後述するようにトランクルームS内に携帯機4が閉じ込められたと判定された場合に、乗員にその旨を報知するための報知手段としてのブザー41が接続されている。なお、本実施形態では、前記携帯機2にもブザー23が設けられているが、2つのブザー23,41のうち、少なくとも一方のブザーを用いて警報を行うようにすればよい。
さらに、前記スマートキーレス制御ユニット30には、エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出センサ42、車両1の車速を検出する車速検出センサ43、各ドア11a,11bが開いているかどうかを検出するドア開検出センサ44,44、トランクリッド11cが開いているかどうかを検出するトランク開検出センサ45、車両の各ドア11a,11bがロックされているかどうかを検出するドアロック検出センサ46,46も接続されている。
なお、前記スマートキーレス制御ユニット30には、車両1の車室内のスイッチ47(例えばオーディオスイッチやエアコンのスイッチなど)も接続されていて、後述する閉じ込め防止制御が行われている場合に該スイッチ47の操作が行われると、閉じ込め防止制御が中止されるようになっている。
そして、上述のような構成を備えた前記スマートキーレス制御ユニット30では、以下のような各制御が行われるようになっている。
前記スマートキーレス制御ユニット30は、ドアロック制御を行うように構成されている。このドアロック制御とは、キーをドア11a,11bのキーシリンダに差し込んで操作することなく、該ドア11a,11bのアンロック操作若しくはロック操作を行えるようにしたものである。
すなわち、車両1のエンジン停止時において、前記携帯機2を所持した運転者が前記ドアリクエストスイッチ35を押圧操作すると、車両1の送信アンテナ32,33からリクエスト信号rを送信する。そして、このリクエスト信号rを受信した携帯機2が返信するID信号iを車載受信アンテナ34で受信すると、該ID信号iに含まれるIDコードの照合を行う。該IDコードの認証が得られた場合、ドア11a,11bがドアロックされている状態ではアンロックを行い、アンロックされている状態ではドアロックを行う。このドア11a、11bのロックまたはアンロック状態の検出は、前記ドアロック検出センサ46によって検出する。また、ドア11a、11bのアンロックまたはロックは、スマートキーレス制御ユニット30が、各ドアロックアクチュエータ36にアンロック信号Uまたはロック信号Lを出力することによって行われる。
上述の制御は、ドアリクエストスイッチ35の操作だけでなく、携帯機2に設けられたロックスイッチ24及びアンロックスイッチ25の操作によっても行われる。すなわち、例えば、該ロックスイッチ24を押圧操作すると、携帯機2の送信アンテナ22からロック信号L及び該携帯機2のID信号iが送信され、それを受信した車載機3のスマートキーレス制御ユニット30では、IDコードの認証を行って、認証が得られれば、ドアロックを行うようになっている。
また、前記スマートキーレス制御ユニット30は、エンジン制御ユニット40に対してエンジン始動を許可するエンジン始動制御を行うように構成されている。エンジン始動制御とは、イグニッションスイッチ39をイグニッションSTARTの位置まで回動させることによって、エンジンを始動させる制御をいう。すなわち、運転者がイグニッションスイッチ39をイグニッションSTARTの位置まで回動させると、送信アンテナ32からリクエスト信号rを送信するようになっている。そして、該リクエスト信号rに対応して携帯機2から送信されるID信号iを受信して、該ID信号iに含まれるIDコードの照合を行うようになっている。そして、IDコードの認証が得られると、前記エンジン制御ユニット40に始動許可信号を出力し、該エンジン制御ユニット40によってエンジンの始動が行われる。
さらに、前記スマートキーレス制御ユニット30は、トランクハンドル38の操作時に車外に位置する携帯機2のID認証が得られればトランクラッチ機構37のアンラッチ制御を行う一方、トランクルームS内に携帯機4が閉じ込められている場合には、乗員に対して報知して、携帯機2のIDコードの認証を必要とすることなく、前記トランクラッチ機構37をアンラッチ可能にしてトランクルームS内に閉じ込めた携帯機4を取り出せるようにするトランクラッチ制御を行うように構成されている。具体的には、トランクリッド11cが閉められると、トランク内送信アンテナ31からトランクルームS内に向かってリクエスト信号rを送信するようになっている。そして、携帯機4がトランクルームS内に存在する場合には、前記リクエスト信号rに対して該携帯機4からID信号iが送信され、そのID信号iを車載受信アンテナ34で受信し、IDコードの照合を行って、認証が得られれば、該携帯機4がトランクルームS内に閉じ込められているとして、ブザー41によって乗員に報知するとともに、車外の携帯機2のID認証が得られなくてもトランクハンドル38の操作に応じて前記トランクラッチ機構37を強制的にアンラッチ状態にする。これにより、トランクルームS内に閉じ込められている携帯機4を確実に取り出すことができるようになる。
一方、トランクルームS内に携帯機が閉じ込められていない場合には、前記トランクリッド11cを閉じた際にトランクルームS内に向かってリクエスト信号rを送信してもID信号iが返信されることはないので、前記トランクハンドル38が操作されて車外の携帯機2に対してIDコードの認証が得られるまで、トランクラッチ機構37のラッチは係合状態のままとなる。そして、該トランクハンドル38の操作が行われた場合には、後方送信アンテナ33cから車外に向かってリクエスト信号rが送信されて、該リクエスト信号rに対応して車外の携帯機2から送信されたID信号iに含まれるIDコードの認証が成立すれば、前記トランクラッチ機構37のモータに対してラッチ開信号Pが送信される。これにより、該トランクラッチ機構37のラッチはアンラッチ状態になって、トランクリッド11cを開けられるようになる。
上述のように、トランクルームS内に携帯機4を閉じ込めた場合に警報を行って携帯機2のID認証なしでトランクリッド11cを開けられるようにする閉じ込め防止制御を行った場合、誤ってトランクリッド11cを閉めてしまってもトランクルームS内に閉じ込められた携帯機4を確実に取り出すことができるという点で、乗員の利便性を向上することができる。
しかしながら、例えばスペアの携帯機4を鞄などに入れてトランクルームS内に積んでおきたい場合などでも、上述のような閉じ込め防止制御が行われると、乗員がそのまま車両1から離れた場合には、第三者が自由にトランクリッド11cを開けられるようになることから、セキュリティの面で好ましいものとはいえない。
そのため、本実施形態では、乗員が車両から離れる際、すなわち乗員が携帯機2のロックスイッチ24を操作してドアロックをした場合や、運転席側ドア11aのロックノブをロックした状態で該運転席側ドア11aを閉じた場合(いわゆるインロック)には、乗員がトランクルームS内に携帯機4を意図的に置いているものと判断して、上述のような閉じ込め防止制御を行わないようにした。これにより、第三者によって自由にトランクリッド11cが開けられるのを防止することができ、セキュリティを確保することができる。
なお、上述のような閉じ込め防止制御の中止は、車室内のスイッチ47(例えばオーディオスイッチやエアコンスイッチなど)が操作された場合に行われるようにしてもよい。車室内のスイッチを操作できるということは、車室内に人がおり、該車室内のトランクレバーを操作すればトランクリッド11cを開けることができるからである。このように車室内のスイッチ操作によって閉じ込め防止制御が中止されるように構成することで、例えば乗員が携帯機2をすぐに取り出せない場合やドアロックを行う必要がない場合などでも閉じ込め防止制御を行わないようにすることができる。
また、本実施形態のように、車両1が2人乗りのオープンカーの場合には、運転中に携帯機2を落とす可能性が高く、車室内もあまり広くないため、該携帯機2をトランクルームS内に置いて運転する場合も考えられる。その場合に上述のような閉じ込め防止制御が行われると、警報音がうるさいだけでなく、走行中も常にトランクリッド11cが開けられる状態となって安全性及びセキュリティの観点から好ましくない。
そこで、このような場合、すなわち車両が走行している場合やイグニッションスイッチ39がON(若しくはACC)の状態になっている場合には、上述のような閉じ込め防止制御を行わないようにする。これにより、不必要な閉じ込め防止制御を一時中止することができ、安全性及びセキュリティを確保することができる。
そして、前記スマートキーレス制御ユニット30は、車両走行時に閉じ込め防止制御を中止した場合には、車両が停止した際に閉じ込め防止制御を再開する一方、イグニッションスイッチ39がON(若しくはACC)の状態で閉じ込め防止制御を中止した場合には、該イグニッションスイッチ39がOFFの状態になった際に閉じ込め防止制御を再開するように構成されている。これにより、乗員が車両1の運転を終えて、該車両1から離れる可能性が高くなった場合でも、その際に再び乗員に対してトランクルームS内に携帯機4が閉じ込められていることを報知して、トランクラッチ機構37のラッチを携帯機のID認証なしで解除できるようになり、トランクルーム内から携帯機4を確実に取り出せるようになる。
なお、閉じ込め防止制御の中止は、上述のような車両走行時やイグニッションスイッチON時だけでなく、ドアがアンロック状態の場合や車室内からドアロック操作が行われた場合であってもよい。このような場合には、乗員が車両1内のトランクレバーを操作可能であるとともに、該乗員が車両1から離れる可能性は低く、該車両1の運転を行う可能性が高いため、閉じ込め防止制御は不要になるからである。
以上の構成を備えた携帯機制御ユニット20及びスマートキーレス制御ユニット30において、上述の各制御は図5に示すようなフローによって実行される。具体的には、車載機3側では、図5の左側に示すように、フローがスタートすると、まず、ステップS1でドアロック若しくはドアロックの解除を行うドアロック制御を行い、続くステップS2でトランクラッチ機構37の制御を行うトランクラッチ制御を行う。その後、ステップS3でエンジンを始動する際のエンジン始動制御を行い、再びこのフローを開始する(リターン)ようになっている。なお、携帯機2側は、図5の右側に示すように、上述のフローと同様であるため、説明は省略する。
以下で、図5に示す各制御の具体的なフローについて詳細に説明する。
<ドアロック制御>
前記車載機3及び携帯機2で行われるドアロック制御のフローを図6に示す。以下の説明では、まず、車載機3で行われるドアロック制御について説明した後、携帯機2で行われるドアロック制御について説明する。
−車載機−
図6の左側に示すフローがスタートすると、まず、ステップSA1で、エンジンが回転しているかどうかをエンジン回転数検出センサ42からの出力信号に基づいて判定する。エンジンが回転していると判定された場合(YESの場合)には、後述するステップSA10で携帯機2からロック信号Lまたはアンロック信号Uが送信されているかどうか、送信されている場合にはID信号iの認証が成立しているかどうかを判定する。一方、エンジンが回転していないと判定された場合(NOの場合)には、続くステップSA2以降に進んで、スマートエントリーシステムを利用したドアロック若しくはドアロックの解除等のドアロック制御を行う。
前記ステップSA1でエンジンが回転していないと判定された場合(NOの場合)に進むステップSA2では、ドアリクエストスイッチ35が操作されたかどうかを判定する。ドアリクエストスイッチ35が操作されていないと判定された場合(NOの場合)には、ステップSA10に進んで、携帯機2から無線通信を介してロック信号Lまたはアンロック信号Uが送信されたかどうかの判定を行う。一方、前記ステップSA2でドアリクエストスイッチ35が操作されたと判定された場合(YESの場合)には、ステップSA3へ進んで、携帯機2へリクエスト信号rを送信する。
そして、ステップSA4で、リクエスト信号rを送信してから所定時間以内に携帯機2からID信号iを受信したかどうかについて判定し、ID信号iを受信していないと判定された場合(NOの場合)には、ドアリクエストスイッチ35による操作は不可として、ステップSA10に進む。一方、ID信号iを受信したと判定された場合(YESの場合)には、受信したID信号iのIDコードの照合を行い、認証が得られるかどうかを判定する(ステップSA5、SA6)。なお、前記ステップSA4における所定時間は、リクエスト信号rを携帯機2に送信してから、該携帯機2から送信されるID信号iを車載受信アンテナ43で受信するのに十分な時間に設定される。
前記携帯機2から受信したID信号iに含まれるIDコードの認証が得られなかった場合(ステップSA6においてNOの場合)には、ステップSA10に進む一方、認証が得られた場合(YESの場合)には、続くステップSA7で、ドアロック検出センサ46からの出力信号に基づいてドアがロックされている状態かどうかを判定する。このステップSA7で、ドアがロック状態であると判定された場合(YESの場合)には、ステップSA8でドアアンロック制御を行って、ドアロックを解除し、このフローを終了する(エンド)。一方、前記ステップSA7でドアがロック状態ではないと判定された場合(NOの場合)には、ステップSA9でドアロック制御を行ってドアをロック状態にして、このフローを終了する(エンド)。
ここで、前記ステップSA10では、携帯機2からロック信号Lまたはアンロック信号Uを受信したかどうか、受信している場合には、その信号とともに送信されるID信号iの照合を行って認証が得られるかどうかの判定を行う。このステップSA10で、ロック信号Lまたはアンロック信号Uを受信して且つID信号iの認証が得られたと判定された場合(YESの場合)には、前記ステップSA7以降に進んでドアロックの状態に応じてドアロック制御またはドアアンロック制御を行う(ステップSA8,SA9)。一方、前記ステップSA10で、携帯機2からロック信号Lまたはアンロック信号Uを受信していないと判定された場合やそれらの信号を受信していてもID信号iの認証が成立していないと判定された場合(NOの場合)には、このフローを終了する(エンド)。
−携帯機−
次に、携帯機2のドアロック制御における動作について以下で説明する。
まず、図6の右側に示すドアロック制御のフローがスタートすると、ステップSA1’で車載機3からリクエスト信号rを受信したかどうかの判定を行う。このステップSA1’でリクエスト信号rを受信したと判定された場合(YESの場合)には、続くステップSA2’で、車載機3に対してIDコードを含むID信号iを送信して、ステップSA3’以降へ進む。一方、前記ステップSA1’でリクエスト信号rを受信していないと判定された場合(NOの場合)には、そのままステップSA3’へ進み、ロックスイッチ24またはアンロックスイッチ25の操作が行われているかどうかを判定する。ロックスイッチ24またはアンロックスイッチ25の操作が行われていると判定された場合(YESの場合)には、ロック信号Lまたはアンロック信号UをID信号iとともに車載機3へ送信する(ステップSA4’)一方、スイッチ24,25の操作が行われていないと判定された場合(NOの場合)には、このフローを終了する(エンド)。
上述のフローにより、車載機3側で認証された携帯機2を所持した乗員が車両1に乗車する際若しくは降車する際には、ドアノブに設けられたドアリクエストスイッチ35を操作するだけでドアロック制御を行うことができ、利便性を向上することができる。また、前記携帯機2に設けられたロックスイッチ24またはアンロックスイッチ25を操作することで、ドアロックまたはドアロック解除を遠隔で操作することも可能になる。
<トランクラッチ制御>
次に、トランクリッド11cを閉じた後に行われるトランクラッチ制御について図7、8に示すフローに基づいて以下で説明する。
前記図7のフローがスタートすると、車載機3側では、まず、ステップSB1でトランクリッド11cの閉操作が行われたかどうか(トランクラッチ機構37のラッチが相手部材に係合したかどうか)を判定する。このステップSB1で、トランクリッド11cが閉められてラッチが係合状態になったと判定された場合(YESの場合)には、続くステップSB2以降に進んで、トランクルームS内に携帯機4が閉じ込められていないかどうかを判定する。一方、前記ステップSB1で、トランクリッド11cの閉操作が行われていないと判定された場合(NOの場合)には、後述するステップSB15に進んで、トランクリッド11cの開操作が行われたかどうか、すなわちトランクハンドル38の操作が行われたかどうかを判定する。
前記ステップSB2では、トランク内送信アンテナ31からトランクルームS内に向けてリクエスト信号rを送信して、続くステップSB3で所定時間以内に携帯機4からID信号iを受信したかどうかを判定する。ここで、前記所定時間は、リクエスト信号rを送信した後、携帯機4から送信されるID信号iを車載受信アンテナ34で受信するのに十分な時間に設定される。
前記ステップSB3で、所定時間内に携帯機4からID信号iを受信したと判定された場合(YESの場合)には、該ID信号iに含まれるIDコードの照合を行い、認証が得られたかどうかの判定を行う(ステップSB4,SB5)。このステップSB5でIDコードの認証が得られたと判定された場合(YESの場合)には、トランクルームS内にIDコードの認証が得られた携帯機4が閉じ込められているため、続くステップSB6以降に進んで閉じ込め防止制御を行う一方、前記ステップSB3で所定時間内に携帯機からID信号iを受信してないと判定された場合(NOの場合)及び前記ステップSB5でIDコードの認証が得られなかったと判定された場合(NOの場合)には、トランクルームS内に携帯機は存在しないか若しくは存在してもIDコードの認証が得られないものであるため、閉じ込め防止制御等を行わずにステップSB15へ進んでトランクハンドル38の操作が行われたかどうかの判定を行う。
前記ステップSB5でIDコードの認証が得られたと判定された場合(YESの場合)に進むステップSB6では、閉じ込め防止制御を行うに際して、所定の禁止条件(第1の禁止条件)を満たしているかどうかの判定が行われる。具体的には、(i)イグニッションスイッチ39がON若しくはアクセサリONの位置にある(ii)ドアがアンロック状態、という何れかの条件が成立しているかどうかの判定を行う。上述のような場合には、車室内のトランクレバーからトランクリッド11cの開操作が可能であるため、閉じ込め防止制御を行う必要がないからである。
前記ステップSB6で、第1の禁止条件を満たしていないと判定された場合(NOの場合)には、続くステップSB7で閉じ込め防止制御の一つである乗員へのブザー41による警報を行う。この警報は、車載機3側に設けられたブザー41によって行われ、トランクリッド11cを開けたときに中止されるようになっている。なお、上述の警報は、携帯機側に設けられたブザー23によって行うようにしてもよいし、所定時間経過後に中止するようにしてもよい。前記ステップSB6で第1の禁止条件を満たしていると判定された場合(YESの場合)には、該第1の禁止条件を満たさなくなるまで待機する。
前記ステップSB7で警報を行った後に進むステップSB8では、所定時間内に別の携帯機2からロック信号Lを受信し、且つ該ロック信号Lとともに送信されるID信号iの照合が成立したかどうかを判定する。このステップSB8でIDコードの認証の得られた携帯機2からロック信号Lを受信したと判定された場合(YESの場合)には、ステップSB12に進んで警報を停止し、閉じ込め防止制御を中止する。このように、IDコードの認証の得られた別の携帯機2からロック信号Lを受信した場合には、乗員が意図的にトランクルームS内に携帯機4を閉じ込めようとしていると判断されるため、このような場合には、閉じ込め防止制御を中止するのがセキュリティ上の観点から好ましいからである。
一方、前記ステップSB8で、IDコードの認証が得られる携帯機2からロック信号Lを受信していないと判定された場合(NOの場合)には、ステップSB9に進んで、所定時間内に車室内のスイッチ47の操作が行われたかどうかの判定を行う。このステップSB9は、車室内に乗員がいるかどうかを検出するもので、車室内のスイッチ操作が行われたと判定された場合、すなわち車室内に乗員がいると判定された場合(YESの場合)には、前記ステップSB12へ進んで、警報を停止する。車室内に乗員がいるのであれば、該車室内のトランクレバーによってトランクリッド11cの開操作が可能になるからである。このように、車室内のスイッチ操作によっても閉じ込め防止制御を中止できるようにすることで、例えば携帯機2をすぐに取り出すことができない場合でも、容易に閉じ込め防止制御を中止させることができ、利便性を向上することができる。
前記ステップSB9で所定時間内に車室内のスイッチ操作が行われなかったと判定された場合(NOの場合)には、ステップSB10へ進んで、トランクハンドル38の操作が行われたかどうかの判定を行う。該トランクハンドル38の操作が行われたと判定された場合(YESの場合)には、トランクルームS内に携帯機4を閉じ込めたことに気付いた乗員がトランクリッド11cの開操作を行おうとしているものと判断して、続くステップSB11で、携帯機2とのIDコードの認証を行うことなく(その乗員が携帯機2を所持していなくても)、トランクラッチ機構37のラッチをアンラッチ状態にする。これにより、乗員はトランクリッド11cを自由に開けることができ、トランクルームS内に閉じ込められた携帯機4を確実に取り出すことができる。前記ステップSB11でトランクラッチ機構37がアンラッチ状態になった後は、このフローを終了する(エンド)。
一方、前記ステップSB10で、トランクハンドル38の操作が行われていないと判定された場合(NOの場合)には、ステップSB13へ進んで、所定の禁止条件(第2の禁止条件)を満たしているかどうかの判定が行われる。このステップSB13は、閉じ込め防止制御を一時停止するかどうかを判定するためのもので、具体的には、(i)イグニッションスイッチ39がON若しくはアクセサリONの位置にある場合(ii)ドアがアンロック状態(iii)車両走行中(iv)車室内からドアロック操作が行われた、という何れかの条件が成立しているかどうかの判定を行う。これらの条件のうち、いずれか一つでも満たしていると判定された場合(YESの場合)には、ステップSB14に進んで警報を一時停止して、上述の条件を満たさなくなるまで待機する一方、上述のいずれの条件も満たしていないと判定された場合(NOの場合)には、前記ステップSB7へ戻って、警報を続けることになる。
すなわち、上述の第2の禁止条件を満たしている場合には、車室内に乗員がいるため、該車室内のトランクレバーによってトランクリッドの開操作が可能であるか、若しくは、トランクルームS内に携帯機4を置いたまま後述するエンジン始動制御によって車両を運転していると判断して、不必要な閉じ込め防止制御を一時中止するようにしている。そして、上述の条件に該当しなくなった場合、すなわち、例えば車両が停止した場合やイグニッションスイッチ39がOFFの位置になった場合などには、ステップSB13でNOと判定されてステップSB7に戻るため、閉じ込め防止制御が再開されるようになっている。
前記ステップSB12で閉じ込め防止制御の警報が停止された場合には、ステップSB15以降に進んで、トランクハンドル38の操作に応じて携帯機2のIDコードの認証が成立した場合にのみトランクラッチ機構37のラッチが解除される通常のトランクラッチ制御が行われる。
具体的には、前記ステップSB15では、トランクハンドル38の操作が行われたかどうかの判定を行い、該トランクハンドル38の操作が行われたと判定された場合(YESの場合)には、ステップSB16に進んで、後方送信アンテナ33cからトランク外に向けてリクエスト信号rを送信する。そして、続くステップSB17で、車外の携帯機2から所定時間内にID信号iを受信したかどうかを判定して、所定時間内にID信号iを受信したと判定された場合(YESの場合)には、ID信号iに含まれているIDコードの照合を行って、該IDコードの認証が得られたかどうかの判定を行う(ステップSB18,SB19)。このステップSB19でIDコードの認証が得られたと判定された場合(YESの場合)には、ステップSB20へ進み、トランクラッチ機構37のラッチをアンラッチ状態にして、このフローを終了する(エンド)。一方、前記ステップSB17で所定時間内に携帯機2からID信号iを受信していないと判定された場合(NOの場合)及び前記ステップSB19でIDコードの認証が得られなかったと判定された場合(NOの場合)には、トランクラッチ機構37のラッチの解除を許可できないため、そのままこのフローを終了する(エンド)。
ここで、トランクルームS内に携帯機4が閉じ込められた場合に警報を行うとともに携帯機のID認証を得ることなくトランクラッチ機構37のラッチを解除可能にするステップSB7及びSB11が閉じ込め防止制御手段30aに、警報開始後に車両に対して所定操作が行われた場合にトランクラッチ機構37のラッチ解除を禁止するステップSB8,SB9がロック解除禁止手段30bに、それぞれ対応する。
−携帯機−
次に、携帯機2のトランクラッチ制御における動作について以下で説明する。
まず、図7の右側に示すトランクラッチ制御のフローがスタートすると、ステップSB1’で車載機3からリクエスト信号rを受信したかどうかの判定を行う。このステップSB1’でリクエスト信号rを受信したと判定された場合(YESの場合)には、続くステップSB2’で、車載機3に対してIDコードを含むID信号iを送信して、ステップSB3’以降へ進む。
一方、前記ステップSB1’でリクエスト信号rを受信していないと判定された場合(NOの場合)には、そのままステップSB3’へ進み、ロックスイッチ24の操作が行われているかどうかを判定する。ロックスイッチ24の操作が行われていると判定された場合(YESの場合)には、ロック信号LをID信号iとともに車載機3へ送信して(ステップSB4’)、ステップSB5’へ進む一方、ロックスイッチ24の操作が行われていないと判定された場合(NOの場合)には、そのままステップSB5’へ進む。
前記ステップSB5’では、図8に示すように、トランク後方で後方送信アンテナ33cから送信されたリクエスト信号rを受信したかどうかを判定し、リクエスト信号rを受信しなかったと判定された場合(NOの場合)には、そのままこのフローを終了する(エンド)一方、リクエスト信号rを受信したと判定された場合(YESの場合)には、続くステップSB6’でID信号iを送信する。このID信号iは、車載機3側でトランクハンドル38が操作された際に後方送信アンテナ33cから送信されるリクエスト信号rに対応して送信されるもので、該ID信号iに含まれているIDコードの認証が得られれば、上述のように、トランクラッチ機構37のラッチが解除されるようになっている(前記ステップSB18〜SB20参照)。
以上のようなトランクラッチ制御により、通常時は、トランクハンドル38の操作が行われて車外の携帯機2のIDコードの認証が得られた際にトランクラッチ機構37のラッチが解除され、トランクリッド11cを開けられるようになる一方、トランクルームS内に携帯機4を閉じ込めた場合には、その旨を乗員に報知するために警報を行うとともに、他の携帯機を利用しなくても前記トランクラッチ機構37のラッチが解除されてトランクリッド11cを開けられるようになる。これにより、閉じ込められた携帯機4をトランクルームS内から確実に取り出すことができ、乗員の利便性を向上することができる。
また、上述のようにトランクルームS内に携帯機4を閉じ込めた場合でも、車室内に乗員がいると判断される場合や運転中である場合、乗員が意図的にトランクルームS内に携帯機4を置いていると判断される場合等に前記閉じ込め防止制御を行わないようにすることで、他の携帯機のID認証を得ることなくトランクリッド11cの開けられる状態を、必要な場合にのみ設定することができ、セキュリティと利便性との両立を図ることができる。
<エンジン始動制御>
上述のトランクラッチ制御に続いて前記車載機3及び携帯機2で行われるエンジン始動制御のフローを図9に示す。この図9のフローについて以下で説明する。
まず、図9のフローがスタートすると、車載機3側では、イグニッションスイッチ39(イグニッションスタータ)の操作が行われているかどうかの判定を行う(ステップSC1)。具体的には、イグニッションスイッチ39が、イグニッションSTARTの位置まで回されたかどうかを判定している。
前記ステップSC1で、イグニッションスイッチ39は操作されていないと判定された場合(NOの場合)には、そのまま、このフローを終了する(エンド)一方、前記イグニッションスイッチ39が操作されたと判定された場合(YESの場合)には、続くステップSC2で室内送信アンテナ32及びトランク内送信アンテナ31からそれぞれ車室内及びトランクルームS内に向かってリクエスト信号rを送信し、所定時間内に携帯機2からID信号iを受信したかどうかを判定する(ステップSC3)。
このステップSC3でID信号iを所定時間以内に受信したと判定された場合(YESの場合)には、IDコードの照合を行い、認証が得られたかどうかを判定する(ステップSC4,SC5)。一方、前記ステップSC3で、ID信号iを所定時間内に受信していないと判定された場合(NOの場合)には、このフローを終了する(エンド)。なお、前記ステップSC3における所定時間は、リクエスト信号rを携帯機2に送信してから、該携帯機2から送信されるID信号iを車載受信アンテナ34で受信するのに十分な時間に設定される。
前記ステップSC5で、ID信号iに含まれるIDコードの認証が成立したと判定された場合(YESの場合)には、続くステップSC6で、スマートキーレス制御ユニット30がエンジン制御ユニット40にエンジン始動許可信号を出力して、エンジンを始動させる一方、IDコードの認証が得られないと判定された場合(NOの場合)には、そのまま、このフローを終了する(エンド)。
一方、携帯機2側では、エンジン始動制御がスタートすると、まず、ステップSC1’でリクエスト信号rを車載機3から受信したかどうかの判定を行い、リクエスト信号rを受信した場合(YESの場合)には、続くステップSC2’で車載機3へID信号iを送信して、このフローを終了する(エンド)。一方、前記ステップSC1’で、リクエスト信号rを受信していないと判定された場合(NOの場合)には、そのまま、このフローを終了する(エンド)。
なお、前記ステップSC1においてイグニッションスイッチ39がイグニッションSTARTの位置まで回動操作されてはじめて、リクエスト信号rを送信して携帯機2のIDコードの照合を行うのではなくて、以下の条件が成立したときに、予めステップSC2〜SC5の動作を行って携帯機2のIDコードの照合を行っておいてもよい。具体的には、(i)イグニッションスイッチ39をアクセサリOFFからアクセサリONへ操作(ii)すべてのドアが閉められている状態から少なくとも一つのドアが開状態になった場合(iii)少なくとも一つのドアが開いている状態からすべてのドアが閉められた状態になった場合、という何れかの条件成立時には、その後、イグニッションスイッチ39がイグニッションSTARTへ操作される可能性が高いため、予め携帯機2のIDコードの照合を行っておく。そして、イグニッションスイッチ39がイグニッションSTARTの位置まで操作された際に、前記ステップSC2〜SC5を省略してIDコードの照合を行うことなく、エンジンを始動させる。
以上より、本実施形態では、トランクルームS内に携帯機4を閉じ込めた場合に、その旨を警報によって乗員に報知するとともに、携帯機2のIDコードの認証を行うことなくトランクハンドル38の操作に応じてトランクラッチ機構37のラッチを解除できるようにする閉じ込め防止制御において、車外に位置する携帯機2からドアロック操作が行われた際や車室内のスイッチ47の操作が行われた際に、前記閉じ込め防止制御が中止されるようになっているため、乗員が意図的にトランクルームS内に携帯機4を置いている場合に第三者によってトランクリッド11cが容易に開けられるのを確実に防止することができる。すなわち、不要な閉じ込め防止制御を中止することができ、セキュリティを悪化させることなく乗員の利便性を向上することができる。
しかも、上述のように、車室内のスイッチ操作によっても閉じ込め防止制御を中止できるようにすることで、例えば携帯機2をすぐに取り出せない場合にも車室内の乗員がスイッチ操作を行うことで容易に閉じ込め防止制御を中止することができ、乗員の利便性を向上することができる。
(その他の実施形態)
本発明の構成は、前記実施形態に限定されるものではなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。すなわち、前記実施形態では、ドアのロック若しくはロック解除を行う際にドアリクエストスイッチ35の操作を検出するようにしているが、この限りではなく、例えば、ドアノブに手を近づけた場合の静電容量の変化を検出するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、車両1をオープンカーとしているが、この限りではなく、セダンタイプの車両であってもよい。