JP4534331B2 - 薄膜太陽電池の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ユニットセルを複数個直列接続した薄膜太陽電池の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、環境保護の立場から、クリーンなエネルギーの研究開発が進められている。中でも、太陽電池はその資源(太陽光)が無限であること、無公害であることから注目を集めている。
【0003】
同一基板上に形成された複数の太陽電池素子が、直列接続されてなる太陽電池(光電変換装置)の代表例は、薄膜太陽電池である。
【0004】
薄膜太陽電池は、薄型で軽量、製造コストの安さ、大面積化が容易であることなどから、今後の太陽電池の主流となると考えられ、電力供給用以外に、建物の屋根や窓などにとりつけて利用される業務用,一般住宅用にも需要が広がってきている。
【0005】
従来の薄膜太陽電池はガラス基板を用いているものが一般的であった。近年、軽量化、施工性、量産性においてプラスチックフィルムを用いたフレキシブルタイプの太陽電池の研究開発が進められ実用化されている。さらに、フレキシブルな金属材料に絶縁被覆したフィルム基板を用いたものも開発されている。このフレキシブル性を生かし、ロールツーロール方式やステッピングロール方式の製造方法により大量生産が可能となった。
【0006】
上記の薄膜太陽電池は、電気絶縁性フィルム基板上に第1電極(以下、下電極ともいう)、薄膜半導体層からなる光電変換層および第2電極(以下、透明電極ともいう)が積層されてなる光電変換素子(またはセル)が複数形成されている。ある光電変換素子の第1電極と隣接する光電変換素子の第2電極を電気的に接続することを繰り返すことにより、最初の光電変換素子の第1電極と最後の光電変換素子の第2電極とに必要な電圧を出力させることができる。例えば、インバータにより交流化し商用電力源として交流100Vを得るためには、薄膜太陽電池の出力電圧は100V以上が望ましく、実際には数10個以上の素子が直列接続される。
【0007】
このような光電変換素子とその直列接続は、電極層と光電変換層の成膜と各層のパターニングおよびそれらの組み合わせ手順により形成される。上記太陽電池の構成および製造方法の一例は、例えば特開平10−233517号公報や特願平11−19306号に記載されている。
【0008】
図3は、上記特開平10−233517号公報に記載された薄膜太陽電池の一例を示し、(a)は平面図、(b)は(a)における線ABCDおよびBQCに沿っての断面図であり、(c)は(a)におけるE-E断面図を示す。
【0009】
電気絶縁性でフレキシブルな樹脂からなる長尺のフィルム基板上に、順次、第1電極層、光電変換層、第2電極層が積層され、フィルム基板の反対側(裏面)には第3電極層、第4電極層が積層され、裏面電極が形成されている。光電変換層は例えばアモルファスシリコンのpin接合である。フィルム基板用材料としては、ポリイミドのフィルム、例えば厚さ50μmのフィルムが用いられている。
【0010】
フィルムの材質としては、他に、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、またはアラミド系のフィルムなどを用いることができる。
【0011】
次に、製造工程の概要につき以下に説明する。
【0012】
先ず、フィルム基板にパンチを用いて、接続孔h1を開け、基板の片側(表側とする)に第1電極層として、スパッタにより銀を、例えば100nmの厚さに成膜し、これと反対の面(裏側とする)には、第3電極層として、同じく銀電極を成膜する。接続孔h1の内壁で第1電極層と第3電極層とは重なり、導通する。
【0013】
電極層としては、銀(Ag)以外に、Al,Cu,Ti等の金属をスパッタまたは電子ビーム蒸着等により成膜しても良く、金属酸化膜と金属の多層膜を電極層としても良い。成膜後、表側では、第1電極層を所定の形状にレーザ加工して、下電極l1〜l6をパターニングする。下電極l1〜l6の隣接部は一本の分離線g2を、二列の直列接続の光電変換素子間および周縁導電部fとの分離のためには二本の分離線g2を形成し、下電極l1〜l6は分離線により囲まれるようにする。再度パンチを用いて、集電孔h2を開けた後、表側に、光電変換層pとしてa-Si層をプラズマCVDにより成膜する。マスクを用いて幅W2の成膜とし、レーザ加工により二列素子の間だけに第1電極層と同じ分離線を形成する。なお、前記幅W2は、接続孔h1にまたがってもよい。
【0014】
さらに第2電極層として表側に透明電極層(ITO層)を成膜する。但し、二つの素子列の間とこれに平行な基板の両側端部にはマスクを掛け接続孔h1には成膜しないようにし、素子部のみに成膜する。透明電極層としては、ITO(インジウムスズオキサイド)以外に、SnO2、ZnOなどの酸化物導電層を用いることができる。
【0015】
次いで裏面全面に第4電極層として金属膜などの低抵抗導電膜からなる層を成膜する。第4電極の成膜により、集電孔h2の内壁で第2電極と第4電極とが重なり、導通する。表側では、レーザ加工により下電極と同じパターンの分離線を入れ、個別の第2電極u1〜u6を形成し、裏側では第3電極と第4電極とを同時にレーザ加工し、接続電極e12〜e56、および電力取り出し電極o1,o2を個別化し、基板の周縁部では表側の分離線g3と重なるように分離線g2を形成し、隣接電極間には一本の分離線を形成する。
【0016】
全ての薄膜太陽電池素子を一括して囲う周縁、および二列の直列接続太陽電池素子の隣接する境界には(周縁導電部fの内側)分離線g3がある。分離線g3の中にはどの層も無い。裏側では、全ての電極を一括して囲う周縁、および二列の直列接続電極の隣接する境界には(周縁導電部fの内側)分離線g2がある。分離線g2の中にはどの層も無い。
【0017】
こうして、電力取り出し電極o1−集電孔h2−上電極u1、光電変換層、下電極l1−接続孔h1−接続電極e12−上電極u2、光電変換層、下電極l2−接続電極e23−・・・−上電極u6、光電変換層、下電極l6−接続孔h1−電力取出し電極o2の順の光電変換素子の直列接続が完成する。
【0018】
なお、第3電極層と第4電極層は電気的には同一の電位であるので、以下の説明においては説明の便宜上、併せて一層の接続電極層として扱うこともある。
【0019】
図4は、構造の理解の容易化のために、薄膜太陽電池の構成を簡略化して斜視図で示したものである。図4において、基板61の表面に形成した単位光電変換素子62および基板61の裏面に形成した接続電極層63は、それぞれ複数の単位ユニットに完全に分離され、それぞれの分離位置をずらして形成されている。このため、素子62のアモルファス半導体部分である光電変換層65で発生した電流は、まず透明電極層66に集められ、次に該透明電極層領域に形成された集電孔67(h2)を介して背面の接続電極層63に通じ、さらに該接続電極層領域で素子の透明電極層領域の外側に形成された直列接続用の接続孔68(h1)を介して上記素子と隣り合う素子の透明電極層領域の外側に延びている下電極層64に達し、両素子の直列接続が行われている。
【0020】
上記薄膜太陽電池の簡略化した製造工程を図5(a)から(g)に示す。プラスチックフィルム71を基板として(工程(a))、これに接続孔78を形成し(工程(b))、基板の両面に第1電極層(下電極)74および第3電極層(接続電極の一部)73を形成(工程(c))した後、接続孔78と所定の距離離れた位置に集電孔77を形成する(工程(d))。工程(c)と工程(d)との間に、第1電極層(下電極)74を所定の形状にレーザ加工して、下電極をパターニングする工程があるが、ここではこの工程の図を省略している。
【0021】
次に、第1電極層74の上に、光電変換層となる半導体層75および第2電極層である透明電極層76を順次形成するとともに(工程(e)および工程(f))、第3電極層73の上に第4電極層(接続電極層)79を形成する(工程(g))。この後、レーザビームを用いて、基板71の両側の薄膜を分離加工して図10に示すような直列接続構造を形成する。
【0022】
なお、図5においては、集電孔h2内における透明電極層76と第4電極層79との接続をそれぞれの層を重ねて2層で図示しているが、前記図3においては、電気的に一層として扱い、1層で図示している。
【0023】
ところで、上記図3〜5に示したいわゆるSCAF(Series Connection through Apertures on Film )型の薄膜太陽電池の構成においては、光電変換層形成領域内に、接続孔h1および集電孔h2の2種類の貫通孔を有するが、接続孔h1は、透明電極層の外側、即ち、発電領域の外側に配置する必要があるため、有効な面積が減少する問題があった。
【0024】
前記問題を解消するために、基板裏面の貫通孔(接続孔および集電孔)周辺部まで光電変換層を延長して形成し、この光電変換層により、接続電極層としての第3電極層と透明電極層との短絡防止を可能とすることによって、透明電極層の全面形成を可能とし、発電有効面積の増大を図った構成が、本願発明と同一出願人により提案されている(特開平8−186279号公報参照)。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特開平8−186279号公報に記載された改良型SCAFの薄膜太陽電池の製造方法においては、下記のような問題があった。
【0026】
前記改良型SCAFにおいては、前記短絡防止のために、接続孔近傍部をマスクした上で接続電極層としての第4電極層を形成する必要があり、このマスク形成の位置合わせに問題があった。
【0027】
なぜならば、薄膜太陽電池の製造過程においては、基板温度の変化があり、基板の熱膨張・収縮の影響により、精度よくマスクを位置合わせすることが困難となり、これが原因で絶縁不良が発生する問題があった。
【0028】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、この発明の課題は、従来のSCAF構造に比べて発電有効面積の増大を図り、かつ前記改良型SCAFにおける絶縁不良発生の問題を解消した薄膜太陽電池の製造方法を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するため、請求項1の発明によれば、電気絶縁性を有する基板の表面に下電極層としての第1電極層,光電変換層,透明電極層(第2電極層)を順次積層してなる光電変換部と、前記基板の裏面に形成した接続電極層としての第3電極層および第4電極層とを備え、前記光電変換部および接続電極層を互いに位置をずらして単位部分にパターニングしてなり、前記光電変換層形成領域内に形成した接続孔ならびに集電孔を介して、前記表面上の互いにパターニングされて隣合う単位光電変換部分(ユニットセル)を電気的に直列に接続してなり、前記第3電極層と第4電極層との間ならびに前記接続孔近傍部における第3電極層と透明電極層(第2電極層)との間を電気絶縁する電気絶縁層を設け、かつ前記第3電極層と第4電極層との間を電気絶縁する電気絶縁層の少なくとも一個所に、前記接続電極層の単位部分を構成する第3電極層と第4電極層とを局所的に導電接続する導電接続部を設け、有効発電領域拡大のために、前記接続孔近傍部に透明電極層(第2電極層)および第4電極層を形成してなる薄膜太陽電池の製造方法であって、
以下の1)から8)までの全ての工程を含むことを特徴とする。
1)基板に接続孔を開け、基板表面に第1電極層を形成し、裏面に第3電極層を形成する工程。
2)前記基板に集電孔を開ける工程。
3)第1電極層ならびに接続孔および集電孔内面上に、光電変換層を形成する工程。
4)第3電極層の上ならびに接続孔および集電孔内面の光電変換層上に、導電接続部を形成する部分にマスクした後に、電気絶縁層を形成する工程。
5)光電変換層の上ならびに接続孔および集電孔内面の電気絶縁層上に、透明電極層を形成する工程。
6)電気絶縁層上および電気絶縁層内のマスク部分ならびに接続孔および集電孔内面の透明電極層上に、第4電極層および導電接続部を形成する工程。
7)透明電極層,光電変換層および第1電極層を、レーザ加工法によりパターニングする工程。
8)第4電極層,電気絶縁層および第3電極層を、レーザ加工法によりパターニングする工程。
【0030】
また、前述の課題を解決するため、下記の請求項2の製造方法とすることもできる。即ち、電気絶縁性を有する基板の表面に下電極層としての第1電極層,光電変換層,透明電極層(第2電極層)を順次積層してなる光電変換部と、前記基板の裏面に形成した接続電極層としての第3電極層および第4電極層とを備え、前記光電変換部および接続電極層を互いに位置をずらして単位部分にパターニングしてなり、前記光電変換層形成領域内に形成した接続孔ならびに集電孔を介して、前記表面上の互いにパターニングされて隣合う単位光電変換部分(ユニットセル)を電気的に直列に接続してなり、前記第3電極層と第4電極層との間ならびに前記接続孔近傍部における第3電極層と透明電極層(第2電極層)との間を電気絶縁する電気絶縁層を設け、かつ前記第3電極層と第4電極層との間を電気絶縁する電気絶縁層の少なくとも一個所に、前記接続電極層の単位部分を構成する第3電極層と第4電極層とを局所的に導電接続する導電接続部を設け、有効発電領域拡大のために、前記接続孔近傍部に透明電極層(第2電極層)および第4電極層を形成してなる薄膜太陽電池の製造方法であって、
以下の1)から9)までの全ての工程を含むことを特徴とする。
1)基板に接続孔を開け、基板表面に第1電極層を形成し、裏面に第3電極層を形成する工程。
2)前記基板に集電孔を開ける工程。
3)第1電極層ならびに接続孔および集電孔内面上に、光電変換層を形成する工程。
4)第3電極層の上ならびに接続孔および集電孔内面の光電変換層上に、電気絶縁層を形成する工程。
5)前記電気絶縁層内の導電接続部を形成する部分をレーザ加工法によりパターニング形成する工程。
6)光電変換層の上ならびに接続孔および集電孔内面の電気絶縁層上に、透明電極層を形成する工程。
7)電気絶縁層上および前記電気絶縁層内の導電接続部を形成する部分ならびに接続孔および集電孔内面の透明電極層上に、第4電極層および導電接続部を形成する工程。
8)透明電極層,光電変換層および第1電極層を、レーザ加工法によりパターニングする工程。
9)第4電極層,電気絶縁層および第3電極層を、レーザ加工法によりパターニングする工程。
【0031】
上記製造方法により、接続孔近傍部分における第3電極層と透明電極層との短絡が確実に防止でき、透明電極層の全面形成を可能とし、従来のSCAF構造に比べて発電有効面積の増大を図ることができる。
【0032】
さらに、前記請求項1または2記載の薄膜太陽電池の製造方法において、前記レーザ加工法によるパターニングを含む少なくともひとつの工程を、レーザ加工法に代えて、サンドブラスト法によりパターニングする工程とする(請求項3の発明)。
【0033】
また、前記発明の実施態様としては、下記請求項4の発明が好ましい。即ち、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の薄膜太陽電池の製造方法において、前記電気絶縁層は、酸化シリコンまたは窒化シリコンからなるものとする。
【0034】
【発明の実施の形態】
図面に基づき、本発明の実施例について以下に述べる。
【0035】
図1および2は、この発明の実施例を示し、図1は薄膜太陽電池の平面図、図2(a)〜(h)は薄膜太陽電池の製造工程を示す。図2は、図1におけるX−Xに沿う断面図を模式的に示し、集電孔を1箇所省略して示す。
【0036】
以下に、図1および図2により、本実施例に係る薄膜太陽電池を説明する。
【0037】
基板1aとしては、本実施例では、膜厚50μmのポリイミドフィルムを用いた。基板材料としては、上記以外にPEN,PES,PETまたはアラミドなどの絶縁性プラスチックフィルムを用いることもできる。また、基板の膜厚は50μmのものを用いたがこの厚さに限定されるものではない。
【0038】
先ず、所定の位置に複数個の接続孔h1の列を形成した(図2(a))。その後、基板表面に第1電極層1b、基板裏面に第3電極層1cとしてAgをスパッタにより数百nm厚で形成した(図2(b))。
【0039】
前記電極材料としては、Ag以外に、AlやAg/透明導電層などの多層構造膜などを用いることもできる。第1電極層1b,第3電極層1cのどちらを先に形成してもよいが、好ましくは第1電極層1bが先の方がよい。
【0040】
この後、所定の位置に集電孔h2を所定数開けた(図2(c))。実施例では集電孔列の間隔を5mmとしたが、この間隔は太陽電池パターンにより任意の値とすることができる。なお、この場合の孔形状は必ずしも円である必要はなく、例えば太陽電池特性を向上させる為には集電孔h2の面積はできるだけ小さく、しかも周辺の長さができる限り長くなる形状がよい。
【0041】
引き続き、光電変換層1dとして薄膜半導体層を形成した(図2(d))。本実施例では通常のプラズマCVD法により堆積される水素化アモルファスシリコン(a-Si:H)系の材料を用いて、1つ以上のn-i-p接合を形成した。
【0042】
その後、光電変換層1dを形成した面とは反対の面に、プラズマCVD法またはスパッタ法により、絶縁膜1eで示す酸化シリコンの電気絶縁層を数百nm厚で形成した(図2(e))。
【0043】
本実施例では絶縁膜厚200nmとしたが、接続孔h1,集電孔h2内を完全に覆えれば良く、この厚さに限定されるものではない。また、電気絶縁層の材料としては、酸化シリコン以外に、窒化シリコンを用いることもできる。この電気絶縁層形成時には、導電接続部を形成する部分1jをマスクした。マスクとは別の方法として、絶縁膜1eを全面に形成した後、レーザ加工により、導電接続部を形成する部分1jを形成することもできる。
【0044】
その後、光電変換層1d上に第3電極層1fとして透明電極層を形成した。この層にはITO,ZnOなどの酸化物導電膜を用いることができるが、本実施例ではスパッタによるITO膜を製膜した(図2(f))。
【0045】
次に透明電極層1fを形成した面とは反対側の基板面に金属膜などからなる第4電極層1gを製膜した(図2(g))。本実施例では材料としてNiを用いたが、Niに限定されるものではない。製膜方法はスパッタである。
【0046】
図2(g)の工程後に、基板の表面および裏面を、切断部1iおよび1hで示すように、レーザ加工によって、それぞれ光電変換部および接続電極層を互いに位置をずらして単位部分にパターニングした。このパターニングは、サンドブラスト法により行なうこともできる。
【0047】
上記プロセスにより、任意のユニットセルUnに隣接し合う裏面電極En-1,nと裏面電極En,n+1はEn-1,n−Un−En,n+1なる直列接続をなし、所定の多段直列接続された太陽電池を形成することができた。
【0048】
上記実施例によれば、電気絶縁層1eにより、接続孔近傍部分における第3電極層1cと透明電極層1fとの短絡が確実に防止できて絶縁の信頼性が向上し、また、透明電極層1fの全面形成が可能となるので、従来のSCAF構造に比べて発電有効面積を飛躍的に増大することが可能となった。また、前記各電極層をマスクレスで製膜できるので、その分、製造プロセスも簡略となった。
【0049】
【発明の効果】
この発明によれば前述のように、電気絶縁性を有する基板の表面に下電極層としての第1電極層,光電変換層,透明電極層(第2電極層)を順次積層してなる光電変換部と、前記基板の裏面に形成した接続電極層としての第3電極層および第4電極層とを備え、前記光電変換部および接続電極層を互いに位置をずらして単位部分にパターニングしてなり、前記光電変換層形成領域内に形成した接続孔ならびに集電孔を介して、前記表面上の互いにパターニングされて隣合う単位光電変換部分(ユニットセル)を電気的に直列に接続してなり、前記第3電極層と第4電極層との間ならびに前記接続孔近傍部における第3電極層と透明電極層(第2電極層)との間を電気絶縁する電気絶縁層を設け、かつ前記第3電極層と第4電極層との間を電気絶縁する電気絶縁層の少なくとも一個所に、前記接続電極層の単位部分を構成する第3電極層と第4電極層とを局所的に導電接続する導電接続部を設け、有効発電領域拡大のために、前記接続孔近傍部に透明電極層(第2電極層)および第4電極層を形成してなる薄膜太陽電池の製造方法であって、
前記請求項1の発明のように、1)から8)までの全ての工程を含むこととし、もしくは、前記請求項2の発明のように、1)から9)までの全ての工程を含むこととしたので、接続孔近傍部分における第3電極層と透明電極層との短絡が確実に防止でき、絶縁の信頼性を向上しつつも、透明電極層の全面形成を可能とし、従来のSCAF構造に比べて発電有効面積の増大を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例に関わる薄膜太陽電池の平面図
【図2】 図1の薄膜太陽電池の製造工程を模式的に示す図
【図3】 従来のSCAF型薄膜太陽電池の構成図
【図4】 従来のSCAF型薄膜太陽電池の概略構成を示す斜視図
【図5】 従来のSCAF型薄膜太陽電池の製造工程の概略を示す図
【符号の説明】
1a:基板、1b:第1電極層(下電極層)、1c:第3電極層、1d:光電変換層、1e:電気絶縁層(絶縁膜層)、1f:第2電極層(透明電極層)、1g:第4電極層、1j:導電接続部、1h,1i:切断部、h1:接続孔、h2:集電孔、U:ユニットセル。
Claims (4)
- 電気絶縁性を有する基板の表面に下電極層としての第1電極層,光電変換層,透明電極層(第2電極層)を順次積層してなる光電変換部と、前記基板の裏面に形成した接続電極層としての第3電極層および第4電極層とを備え、前記光電変換部および接続電極層を互いに位置をずらして単位部分にパターニングしてなり、前記光電変換層形成領域内に形成した接続孔ならびに集電孔を介して、前記表面上の互いにパターニングされて隣合う単位光電変換部分(ユニットセル)を電気的に直列に接続してなり、
前記第3電極層と第4電極層との間ならびに前記接続孔近傍部における第3電極層と透明電極層(第2電極層)との間を電気絶縁する電気絶縁層を設け、かつ前記第3電極層と第4電極層との間を電気絶縁する電気絶縁層の少なくとも一個所に、前記接続電極層の単位部分を構成する第3電極層と第4電極層とを局所的に導電接続する導電接続部を設け、有効発電領域拡大のために、前記接続孔近傍部に透明電極層(第2電極層)および第4電極層を形成してなる薄膜太陽電池の製造方法であって、
以下の1)から8)までの全ての工程を含むことを特徴とする薄膜太陽電池の製造方法。
1)基板に接続孔を開け、基板表面に第1電極層を形成し、裏面に第3電極層を形成する工程。
2)前記基板に集電孔を開ける工程。
3)第1電極層ならびに接続孔および集電孔内面上に、光電変換層を形成する工程。
4)第3電極層の上ならびに接続孔および集電孔内面の光電変換層上に、導電接続部を形成する部分にマスクした後に、電気絶縁層を形成する工程。
5)光電変換層の上ならびに接続孔および集電孔内面の電気絶縁層上に、透明電極層を形成する工程。
6)電気絶縁層上および電気絶縁層内のマスク部分ならびに接続孔および集電孔内面の透明電極層上に、第4電極層および導電接続部を形成する工程。
7)透明電極層,光電変換層および第1電極層を、レーザ加工法によりパターニングする工程。
8)第4電極層,電気絶縁層および第3電極層を、レーザ加工法によりパターニングする工程。 - 電気絶縁性を有する基板の表面に下電極層としての第1電極層,光電変換層,透明電極層(第2電極層)を順次積層してなる光電変換部と、前記基板の裏面に形成した接続電極層としての第3電極層および第4電極層とを備え、前記光電変換部および接続電極層を互いに位置をずらして単位部分にパターニングしてなり、前記光電変換層形成領域内に形成した接続孔ならびに集電孔を介して、前記表面上の互いにパターニングされて隣合う単位光電変換部分(ユニットセル)を電気的に直列に接続してなり、
前記第3電極層と第4電極層との間ならびに前記接続孔近傍部における第3電極層と透明電極層(第2電極層)との間を電気絶縁する電気絶縁層を設け、かつ前記第3電極層と第4電極層との間を電気絶縁する電気絶縁層の少なくとも一個所に、前記接続電極層の単位部分を構成する第3電極層と第4電極層とを局所的に導電接続する導電接続部を設け、有効発電領域拡大のために、前記接続孔近傍部に透明電極層(第2電極層)および第4電極層を形成してなる薄膜太陽電池の製造方法であって、
以下の1)から9)までの全ての工程を含むことを特徴とする薄膜太陽電池の製造方法。
1)基板に接続孔を開け、基板表面に第1電極層を形成し、裏面に第3電極層を形成する工程。
2)前記基板に集電孔を開ける工程。
3)第1電極層ならびに接続孔および集電孔内面上に、光電変換層を形成する工程。
4)第3電極層の上ならびに接続孔および集電孔内面の光電変換層上に、電気絶縁層を形成する工程。
5)前記電気絶縁層内の導電接続部を形成する部分をレーザ加工法によりパターニング形成する工程。
6)光電変換層の上ならびに接続孔および集電孔内面の電気絶縁層上に、透明電極層を形成する工程。
7)電気絶縁層上および前記電気絶縁層内の導電接続部を形成する部分ならびに接続孔および集電孔内面の透明電極層上に、第4電極層および導電接続部を形成する工程。
8)透明電極層,光電変換層および第1電極層を、レーザ加工法によりパターニングする工程。
9)第4電極層,電気絶縁層および第3電極層を、レーザ加工法によりパターニングする工程。 - 請求項1または2記載の薄膜太陽電池の製造方法において、前記レーザ加工法によるパターニングを含む少なくともひとつの工程を、レーザ加工法に代えて、サンドブラスト法によりパターニングする工程とすることを特徴とする薄膜太陽電池の製造方法。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の薄膜太陽電池の製造方法において、前記電気絶縁層は、酸化シリコンまたは窒化シリコンからなることを特徴とする薄膜太陽電池の製造方法。
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