JP4532255B2 - 発泡性スチレン系樹脂粒子及びその製造方法 - Google Patents

発泡性スチレン系樹脂粒子及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、発泡性スチレン系樹脂粒子及びその製造方法に関する。
従来から、スチレン系樹脂粒子中に物理発泡剤を含浸させてなる発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡機にて予備発泡させて予備発泡粒子を製造し、この予備発泡粒子を発泡成形機の金型内に充填した上で加熱して二次発泡させて互いに融着一体化させて所望形状を有する発泡成形品を製造していた。
このような発泡性スチレン系樹脂粒子に要求される特性としては、発泡性スチレン系樹脂粒子を水蒸気などによって加熱して予備発泡させる際に、複数個の発泡性スチレン系樹脂粒子同士が予備発泡過程において合体して一つになる、所謂、ブロッキングを生じないことと、予備発泡粒子を二次発泡させる際に、予備発泡粒子同士が充分に熱融着一体化することが挙げられる。
発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡させる際に、上述した、予備発泡粒子同士のブロッキングが生じると、予備発泡粒子を発泡成形機の金型内に充填する際に、フィーダー内にて予備発泡粒子が詰まってしまい、その結果、発泡成形機の金型内への予備発泡粒子の充填不良が発生し、満足のいく発泡成形品を得ることができないという問題点が発生する。又、予備発泡粒子の二次発泡時に、予備発泡粒子同士が充分に熱融着一体化しないと、得られる発泡成形品の機械的強度が不充分となるという問題点を生じる。
そこで、発泡性スチレン系樹脂粒子の予備発泡中における発泡性スチレン系樹脂粒子同士のブロッキングを防止するべく、発泡性スチレン系樹脂粒子の表面に、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛マグネシウムなどの脂肪酸の金属塩などのブロッキング防止剤を付着させることが行なわれている。
更に、予備発泡粒子の二次発泡時における予備発泡粒子同士の熱融着性を向上させることを目的として、発泡性スチレン系樹脂粒子の表面を脂肪酸トリグリセライドで被覆したり、或いは、発泡性スチレン系樹脂粒子の表面に静電気によって埃などが付着するのを防止するために、発泡性スチレン系樹脂粒子の表面を脂肪酸モノグリセライドで被覆することが行われている。
具体的には、特許文献1に、発泡性スチレン系重合体粒子の表面に、該粒子100重量部当たりグリセリン脂肪酸エステル0.01〜0.3重量部及びステアリン酸亜鉛及び/又は無機物0.01〜0.5重量部を塗布したことを特徴とする発泡性スチレン系重合体粒子が提案されており、発泡性スチレン系重合体粒子の表面に塗布した塗布剤が剥離しないことが記載されている。
一方、発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡させて発泡成形品を製造する過程において、発泡性スチレン系樹脂粒子は、一端部が予備発泡機に接続されてなる発泡性粒子流通管内を予備発泡機に向かって吸引する、所謂、空気輸送によって発泡性粒子流通管を通じて予備発泡機内に供給されると共に、この予備発泡機で予備発泡されて得られた予備発泡粒子も、一端部がサイロ或いは発泡成形機に接続されてなる予備発泡粒子流通管内をサイロ或いは発泡成形機に向かって吸引することによって予備発泡粒子流通管を通じてサイロ或いは発泡成形機内に供給され、これら粒子流通管は、予備発泡機や発泡成形機の配置に応じて部分的或いは全体的に湾曲させた状態で配設されている。
そして、特許文献1で提案されている発泡性スチレン系重合体粒子では、グリセリン脂肪酸エステルとして、好ましくは凝固点が40℃以下の液状或いはペースト状のものを用いており(段落番号〔0007〕)、このようなグリセリン脂肪酸エステルを用いた発泡性スチレン系重合体粒子を粒子流通管内に流通させると、粒子流通管の湾曲部、特に、直角に屈曲した部分に発泡性スチレン系重合体粒子が衝突した際に、発泡性スチレン系重合体粒子の表面に塗布したグリセリン脂肪酸エステルが粒子流通管の内壁面にろう状に容易に付着する。
更に、粒子流通管の内壁面に付着したグリセリン脂肪酸エステルが、この後に粒子流通管内を流通してくる発泡性スチレン系重合体粒子の表面からのグリセリン脂肪酸エステルや脂肪酸の金属塩の剥離を助長し、これら剥離した塗布剤が粒子流通管の内壁面に徐々にろう状に堆積し、その結果、粒子流通管内の流通空間が狭くなって、発泡性スチレン系重合体粒子や予備発泡粒子の流通速度が低下したり、或いは、粒子流通管の内壁面にろう状に堆積した堆積物が内壁面から脱離し、この脱離した堆積物が発泡成形品に混入してしまうといった問題点があった。
特開平4−320434号公報
本発明は、予備発泡機、サイロ又は発泡成形機への流通過程において、被覆剤の脱落を抑え、粒子流通管の内壁面への被覆剤の付着が極めて少ない発泡性スチレン系樹脂粒子及びその製造方法を提供する。
本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子は、発泡性スチレン系樹脂粒子100重量部の表面が、脂肪酸の金属塩及び脂肪酸グリセリンエステル粒子からなり且つ脂肪酸の金属塩を20〜90重量%含有する被覆剤0.05〜0.5重量部によって被覆されており、上記脂肪酸の金属塩の平均粒子径が5〜20μmであると共に、上記脂肪酸グリセリンエステル粒子の平均粒子径と上記脂肪酸の金属塩の平均粒子径との比(脂肪酸グリセリンエステル粒子の平均粒子径/脂肪酸の金属塩の平均粒子径)が6.6〜10であることを特徴とする。
上記発泡性スチレン系樹脂粒子を構成するスチレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、t−ブチルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン、クロロスチレンなどのスチレン系モノマーの単独重合体又はこれらの共重合体などが挙げられる。
又、上記スチレン系樹脂としては、上記スチレン系モノマーを主成分とする、上記スチレン系モノマーと、このスチレン系モノマーと共重合可能なビニルモノマーとの共重合体であってもよく、このようなビニルモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレートの他、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの二官能性モノマーなどが挙げられる。なお、上記スチレン系樹脂のGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィ)法による重量平均分子量は、15万〜40万が好ましく、25万〜35万がより好ましい。
ここで、発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法としては、汎用の製造方法が用いられ、スチレン系樹脂の懸濁重合時に水性懸濁液中に発泡剤を含有させ、スチレン系樹脂粒子中に発泡剤を含浸させて発泡性スチレン系樹脂粒子を製造する方法、スチレン系樹脂粒子を汎用の方法で製造し、このスチレン系樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性スチレン系樹脂粒子を製造する方法などが挙げられる。なお、スチレン系樹脂の懸濁重合時に発泡剤を含浸させる場合には、モノマーの重合転化率が85重量%以上の時に発泡剤を水性懸濁液中に含有させることが好ましい。
なお、上記スチレン系樹脂の懸濁重合時には重合開始剤が用いられるが、この重合開始剤としては、汎用のものが用いられ、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、オルソクロロベンゾイルパーオキサイド、オルソメトキシベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、キュメンハイドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシビバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−t−ブチルパーオキシブタン、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドなどの過酸化物系重合開始剤、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス( 2,4−ジメチルバレロニトリル) 、2,2’−アゾビス( 2,3−ジメチルブチロニトリル) 、2,2’−アゾビス( 2−メチルブチロニトリル) 、2,2’−アゾビス( 2,3,3−トリメチルブチロニトリル) 、2,2’−アゾビス( 2−イソプロピルブチロニトリル) 、1,1’−アゾビス( シクロヘキサン−1−カルボニトリル) 、2,2’−アゾビス( 4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル) 、2−( カルバモイルアゾ) イソブチロニトリル、4,4’−アゾビス( 4−シアノバレリン酸) 、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレートなどが挙げられる。
そして、上記発泡剤としては、従来から発泡性スチレン系樹脂粒子の製造に用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(HCFC−141b)、1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン(HCFC−142b)、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HCFC−124)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)などのフロン系発泡剤が挙げられ、脂肪族炭化水素が好ましい。なお、発泡剤は単独で使用されても併用されてもよい。
発泡性スチレン系樹脂粒子中における発泡剤の含有量は、少ないと、発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡させて得られる発泡粒子同士の融着が不充分となって発泡成形品の機械的強度が低下することがある一方、多いと、発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡させて得られる発泡粒子の大きさが大きくなり過ぎて、発泡成形品表面の平滑性が損なわれ、発泡成形品の外観や発泡成形品表面に印刷を施した際の見栄えが低下することがあるので、2〜7重量%が好ましく、4〜6重量%がより好ましい。
ここで、発泡性スチレン系樹脂粒子中における発泡剤の含有量は下記の要領で測定されたものをいう。即ち、発泡性スチレン系樹脂粒子を180℃の加熱炉に供給してガスクロマトグラフから測定対象となる発泡剤のチャートを得、予め測定しておいた、測定対象となる発泡剤の検量線に基づいて、上記チャートから発泡性スチレン系樹脂粒子中の発泡剤量を算出する。
なお、発泡性スチレン系樹脂粒子中における発泡剤の含有量は、ガスクロマトグラフ(島津製作所社製 商品名「GC−14B」)を用いて下記条件にて測定することができる。
検出器:FID
加熱炉:島津製作所社製 商品名「PYR−1A」
カラム:信和化工社製(3mm径×3m)
液相:Squalane 25重量%
担体:Shimalite 60〜80 NAW
加熱炉温度:180℃
カラム温度: 70℃
検出器温度:110℃
注入口温度:110℃
キャリア−ガス:窒素
キャリアーガス流量:60ミリリットル/分
そして、上記発泡性スチレン系樹脂粒子の表面は、脂肪酸の金属塩及び脂肪酸グリセリンエステル粒子からなる被覆剤によって被覆されている。上記脂肪酸の金属塩としては、特に限定されず、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウムなどのステアリン酸の金属塩が挙げられ、ステアリン酸亜鉛が好ましい。
脂肪酸の金属塩の平均粒子径は、小さいと、発泡性スチレン系樹脂粒子の表面から被覆剤が脱離し易くなる一方、大きいと、発泡性スチレン系樹脂粒子やこれを予備発泡させて得られる予備発泡粒子を粒子流通管内に流通させた際、粒子流通管の内壁面にろう状の堆積物が付着し易くなるので、5〜20μmに限定される。
又、脂肪酸グリセリンエステルとしては、特に限定されず、例えば、ステアリン酸モノグリセライド、ステアリン酸ジグリセライド、ステアリン酸トリグリセライド、1,2−ヒドロキシステアリン酸トリグリセライドなどのステアリン酸グリセリンエステルが挙げられる。
そして、脂肪酸グリセリンエステルの融点は、低いと、発泡性スチレン系樹脂粒子やこれを予備発泡させて得られる予備発泡粒子を粒子流通管内に流通させた際、粒子流通管の内壁面にろう状の堆積物が付着し易くなる一方、高いと、発泡性スチレン系樹脂粒子の表面から被覆剤が脱離し易くなるので、50〜100℃が好ましい。なお、脂肪酸グリセリンエステルの融点は、示差走査熱量計により5〜10mgの脂肪酸グリセリンエステルを0℃から120℃まで昇温速度10℃/分で昇温した時に得られるDSC曲線において、吸熱ピークのピーク温度として測定される温度をいう。
更に、被覆剤中における脂肪酸の金属塩の含有量は、少ないと、発泡性スチレン系樹脂粒子やこれを予備発泡させて得られる予備発泡粒子を粒子流通管内に流通させた際、粒子流通管の内壁面にろう状の堆積物が付着し易くなる一方、多いと、発泡性スチレン系樹脂粒子表面から被覆剤が脱離し易くなり、この脱離した被覆剤が予備発泡機のフィルターの目詰まりを生じさせる虞れがあるので、20〜90重量%に限定され、30〜80重量%が好ましい。
そして、脂肪酸の金属塩の平均粒子径は、小さいと、発泡性スチレン系樹脂粒子表面から被覆剤が脱離し易くなる一方、大きいと、発泡性スチレン系樹脂粒子やこれを予備発泡させて得られる予備発泡粒子を粒子流通管内に流通させた際、粒子流通管の内壁面にろう状の堆積物が堆積し易くなるので5〜20μmが好ましい。
又、脂肪酸グリセリンエステル粒子の平均粒子径と脂肪酸の金属塩の平均粒子径との比(脂肪酸グリセリンエステル粒子の平均粒子径/脂肪酸の金属塩の平均粒子径)は、小さいと、発泡性スチレン系樹脂粒子やこれを予備発泡させて得られる予備発泡粒子を粒子流通管内に流通させた際における粒子流通管の内壁面に付着するろう状の付着物の量は少ないものの、発泡性スチレン系樹脂粒子やこれを予備発泡させて得られる予備発泡粒子の表面から被覆剤が脱離し易くなり、予備発泡機のフィルターの目詰まりを生じさせる一方、大きいと、発泡性スチレン系樹脂粒子やこれを予備発泡させて得られる予備発泡粒子を粒子流通管内に流通させた際、粒子流通管の内壁面にろう状の堆積物が堆積し易くなるので、6.6〜10に限定される。
ここで、脂肪酸の金属塩及び脂肪酸グリセリンエステル粒子の平均粒子径は下記の要領で測定されたものをいう。即ち、脂肪酸の亜鉛塩及び脂肪酸グリセリンエステル粒子の平均粒子径は電気抵抗法によって測定され、具体的には、アパチャー(細孔)の両側に電極が配設されたアパチャー・チューブを、測定対象となる脂肪酸の亜鉛塩又は脂肪酸グリセリンエステル粒子が電解液中に懸濁されてなる懸濁液中に浸漬した状態とする。
上記アパチャー・チューブの電極間に上記懸濁液を介して電流を流し、電極間の電気抵抗を測定する。懸濁液中の脂肪酸の亜鉛塩又は脂肪酸グリセリンエステル粒子が吸引されてアパチャーを通過する時に脂肪酸の亜鉛塩又は脂肪酸グリセリンエステル粒子の体積に相当する電解液が置換されて、電極間の電気抵抗に変化が生じる。この電気抵抗の変化量は粒子の大きさに比例することから、上記電気抵抗の変化量を電圧パルスに変換して増幅、検出することによって粒子体積を算出することができ、この算出された粒子体積に相当する真球の直径を脂肪酸の亜鉛塩又は脂肪酸グリセリンエステル粒子の粒子径とする。
そして、脂肪酸の亜鉛塩及び脂肪酸グリセリンエステル粒子の平均粒子径は、上記の如くして測定された各脂肪酸の亜鉛塩の粒子径又は各脂肪酸グリセリンエステル粒子の相加平均をとることにより算出することができ、即ち、脂肪酸の亜鉛塩及び脂肪酸グリセリンエステル粒子の平均粒子径は体積平均粒子径を意味する。
なお、上記脂肪酸の亜鉛塩及び脂肪酸グリセリンエステル粒子の平均粒子径は、例えば、ベックマンコールター株式会社から商品名「コールターマルチサイザーII」で市販されている測定装置を用いて測定することができる。
更に、発泡性スチレン系樹脂粒子表面を被覆している被覆剤の量は、少ないと、発泡性スチレン系樹脂粒子の予備発泡時における樹脂粒子同士のブロッキングが発生したり或いは発泡粒子同士の熱融着性が低下することがある一方、多いと、発泡性スチレン系樹脂粒子やこれを予備発泡させて得られる予備発泡粒子を粒子流通管内に流通させた際、粒子流通管の内壁面にろう状の堆積物が堆積し易くなるので、発泡性スチレン系樹脂粒子100重量部に対して0.05〜0.5重量部に限定され、0.1〜0.3重量部が好ましい。
次に、上記発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法を説明する。先ず、脂肪酸の金属塩と脂肪酸グリセリンエステル粒子とを汎用の混合装置に供給して均一に混合し、脂肪酸グリセリンエステル粒子の表面に脂肪酸の金属塩が付着した状態の被覆剤を製造する。
なお、上記混合装置としては汎用の混合装置を用いることができ、例えば、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、レーディゲーミキサー、リボンブレンダーなどの容器固定型の混合装置、タンブラーミキサー、V型ブレンダーなどの容器回転形の混合装置などが挙げられるが、脂肪酸の金属塩と脂肪酸グリセリンエステル粒子とを均一に混合させることができることから、容器固定型の混合装置が好ましい。
しかる後、脂肪酸グリセリンエステル粒子の表面に脂肪酸の金属塩を付着させてなる被覆剤と、発泡性スチレン系樹脂粒子とを、脂肪酸の金属塩と脂肪酸グリセリンエステル粒子とを混合するのに用いた混合装置とは別の混合装置に供給して均一に混合し、発泡性スチレン系樹脂粒子の表面に被覆剤を全体的に付着させ、発泡性スチレン系樹脂粒子の表面を被覆剤で被覆することによって、本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子を得ることができる。
なお、被覆剤と発泡性スチレン系樹脂粒子とを混合する混合装置としては、汎用の混合装置を用いることができ、例えば、スーパーミキサー、レーディゲーミキサーなどが挙げられる。
ここで、「脂肪酸の金属塩と脂肪酸グリセリンエステル粒子とを混合して被覆剤を製造するのに用いられる混合装置と、発泡性スチレン系樹脂粒子の表面を被覆剤で被覆するのに用いられる混合装置とが別々である」とは、二機の混合装置を用意し、一方の混合装置を被覆剤を製造するための混合装置として用いる一方、他方の混合装置を、発泡性スチレン系樹脂粒子の表面を被覆剤で被覆するために使用される混合装置として用いることの他に、一機の混合装置を用意し、先ず、この混合装置を、被覆剤を製造するのに用いた後に、混合装置を洗浄し、この洗浄した混合装置を、発泡性スチレン系樹脂粒子の表面を被覆剤で被覆するために使用される混合装置として用いてもよいことを意味している。なお、二機の混合装置を用意する場合、両混合装置が同種類であっても異種類であってもよいことはいうまでもない。
なお、上述の製造方法では、脂肪酸グリセリンエステル粒子と脂肪酸の金属塩とを予め混合して被覆剤を製造し、この被覆剤を発泡性スチレン系樹脂粒子の表面に付着、被覆させた場合を説明したが、この方法によることなく、脂肪酸グリセリンエステル粒子、脂肪酸の金属塩及び発泡性スチレン系樹脂粒子を同一の混合装置に全て同時に或いは順次、供給して混合することによって、発泡性スチレン系樹脂粒子の表面を、脂肪酸の金属塩及び脂肪酸グリセリンエステル粒子からなる被覆剤によって被覆させてもよい。
本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子は、発泡性スチレン系樹脂粒子100重量部の表面が、脂肪酸の金属塩及び脂肪酸グリセリンエステル粒子からなり且つ脂肪酸の金属塩を20〜90重量%含有する被覆剤0.05〜0.5重量部によって被覆されており、上記脂肪酸の金属塩の平均粒子径が5〜20μmであると共に、上記脂肪酸グリセリンエステル粒子の平均粒子径と上記脂肪酸の金属塩の平均粒子径との比(脂肪酸グリセリンエステル粒子の平均粒子径/脂肪酸の金属塩の平均粒子径)が6.6〜10であることを特徴とするので、発泡性スチレン系樹脂粒子の表面に、脂肪酸の金属塩及び脂肪酸グリセリンエステル粒子が強固に付着されており、予備発泡工程や、粒子流通管内の流通過程、特に、粒子流通管が大きく屈曲している場合にあっても、被覆剤が発泡性スチレン系樹脂粒子の表面から不測に脱離したり或いは粒子流通管の内壁面にろう状の堆積物が堆積するのを概ね防止することができ、発泡性スチレン系樹脂粒子及びこれを予備発泡させて得られる予備発泡粒子の粒子流通管内における円滑な流通を確保することができると共に、異物の混入のない高品質な発泡成形品を得ることができる。
そして、上記発泡性スチレン系樹脂粒子において、脂肪酸グリセリンエステルの融点が50〜100℃である場合には、脂肪酸グリセリンエステル粒子は常温において固体状であり、この固体状の脂肪酸グリセリンエステル粒子に対して特定の平均粒子径を有する脂肪酸の金属塩を用いているので、発泡性スチレン系樹脂粒子の表面に被覆剤をより強固に付着させておくことができ、被覆剤が発泡性スチレン系樹脂粒子の表面から不測に脱離したり或いは粒子流通管の内壁面にろう状の堆積物が堆積するのをより効果的に防止することができる。
又、本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法は、脂肪酸の金属塩と脂肪酸グリセリンエステル粒子とを混合装置に供給し混合して被覆剤を製造し、この被覆剤を製造するのに用いられた上記混合装置とは別の混合装置に、発泡性スチレン系樹脂粒子100重量部と上記被覆剤0.05〜0.5重量部とを供給して、上記発泡性スチレン系樹脂粒子の表面を上記被覆剤で被覆することを特徴とし、脂肪酸グリセリンエステル粒子の表面に予め、脂肪酸の金属塩を付着させてなる被覆剤を、発泡性スチレン系樹脂粒子の表面に付着させていることから、発泡性スチレン系樹脂粒子の表面に脂肪酸グリセリンエステルを介して脂肪酸の金属塩を均一に且つ強固に付着させておくことができ、発泡性スチレン系樹脂粒子から発泡成形品を製造する工程中において、脂肪酸の金属塩が発泡性スチレン系樹脂粒子表面から不測に脱離するのを効果的に防止することができる。
加えて、被覆剤において、脂肪酸グリセリンエステル粒子の表面は全体的に脂肪酸の金属塩によって均一に覆われた状態となっていることから、脂肪酸グリセリンエステル粒子表面が外部に露出した部分が少ない。
従って、発泡性スチレン系樹脂粒子及びこの発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡させてなる予備発泡粒子を粒子流通管内に流通させた場合にあっても、脂肪酸グリセリンエステル粒子が直接、粒子流通管の内壁面に接触することは少なく、その結果、粒子流通管の内壁面上に脂肪酸グリセリンエステルに起因したろう状の堆積物が堆積するのを概ね防止して、粒子流通管内の流通空間部が狭まるのを阻止し、樹脂粒子の粒子流通管内における円滑な流通を確保することができると共に、発泡成形品中に堆積物が混入するのを防止して高品質な発泡成形品を得ることができる。
そして、被覆剤は、脂肪酸グリセリンエステル粒子の表面に脂肪酸の金属塩が略均一に付着してなり、この被覆剤を発泡性スチレン系樹脂粒子の表面に付着させていることから、発泡性スチレン系樹脂粒子の表面には、脂肪酸グリセリンエステル及び脂肪酸の金属塩が均一に存在しており、この発泡性スチレン系樹脂粒子を用いることによって均質な発泡成形品を確実に得ることができる。
更に、上記発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法、被覆剤中における脂肪酸の金属塩の含有量が20〜90重量%であると共に、脂肪酸の金属塩の平均粒子径が5〜20μmであり、脂肪酸グリセリンエステル粒子の平均粒子径と脂肪酸の金属塩の平均粒子径との比(脂肪酸グリセリンエステル粒子の平均粒子径/脂肪酸の金属塩の平均粒子径)が6.6〜10であるので、脂肪酸グリセリンエステル粒子の表面を脂肪酸の金属塩によって更に均一に且つ強固に被覆することができると共に、この脂肪酸グリセリンエステル粒子の表面に脂肪酸の金属塩を付着させてなる被覆剤を発泡性スチレン系樹脂粒子の表面に更に強固に付着させて被覆することができ、被覆剤の脱離や粒子流通管の内壁面上への堆積物の堆積をより効果的に防止することができる。
下記に示す実施例において用いられた脂肪酸の金属塩及び脂肪酸グリセリンエステル粒子は下記の通りである。
脂肪酸の金属塩
ステアリン酸亜鉛(1) (大日化学社製 商品名「ダイワックスZF」、平均粒子径:9. 5μm)
ステアリン酸亜鉛(2) (日本油脂社製 商品名「ジンクステアレートGF-200」、平均粒 子径:16μm)
ステアリン酸亜鉛(3) (堺化学社製 商品名「SAK-ZS-P」、平均粒子径:8μm)
ステアリン酸亜鉛(4) (日本油脂社製 商品名「ジンクステアレートGP」、平均粒子径 :60μm)
ステアリン酸亜鉛(5) (日本油脂社製 商品名「エレクトールMZ-2」、平均粒子径:3 μm)
脂肪酸グリセリンエステル粒子
ステアリン酸モノグリセライド粒子(1) (理研ビタミン社製 商品名「リケマールS-10 0P」、平均粒子径:75μm、融点:66℃ )
ステアリン酸モノグリセライド粒子(2) (理研ビタミン社製 商品名「リケマールS-10 0」、平均粒子径:250μm、融点:66 ℃)
ステアリン酸モノグリセライド粒子(3) (Danisco社製 商品名「MYVAPLEX600」、平均 粒子径:45μm、融点:66℃)
ステアリン酸トリグリセライド粒子(1) (理研ビタミン社製 商品名「リケマールVT」 、平均粒子径:105μm、融点:67℃)
ステアリン酸トリグリセライド粒子(2) (理研ビタミン社製 商品名「リケマールVT-5 0」、平均粒子径:65μm、融点:67℃ )
オレイン酸モノグリセライド(1) (理研ビタミン社製 商品名「リケマールOL-1 00E」、ペースト状、融点:40℃)
(実施例1〜3)
表1に示した種類の脂肪酸グリセリンエステル粒子と、表1に示した種類のステアリン酸亜鉛とをヘンシェルミキサー(三井三池化工機社製 商品名「FM−208」)に表1に示した所定量づつ同時に供給して950rpmの攪拌速度にて2分間に亘って混合し、混合の際に生じる摩擦熱によって脂肪酸グリセリンエステル粒子の表面を溶融させて、脂肪酸グリセリンエステル粒子の表面全面にステアリン酸亜鉛を略均一に付着させてなる被覆剤を得た。
次に、レーディゲーミキサー(松板技研株式会社製 商品名「M20」)を用意した。そして、このレーディゲーミキサーに、発泡剤としてブタン5.5重量%及び発泡助剤としてジイソブチルアジペート0.5重量%を含有する粒子径が0.7〜1.0mmの発泡性ポリスチレン粒子と、上記被覆剤とを同時に供給して混合し、この混合の際に生じる摩擦熱によって、被覆剤における脂肪酸グリセリンエステル粒子の表面を溶融させて、発泡性ポリスチレン粒子の表面に被覆剤を全面的に均一に付着させ、表面が全面的に被覆剤によって被覆された発泡性ポリスチレン粒子を得た。なお、発泡性ポリスチレン粒子100重量部に対して、発泡性ポリスチレン粒子の表面を被覆している被覆剤の量を表1の「総量」の欄に示した。
(実施例、比較例1〜8,10
発泡剤としてブタン5.5重量%及び発泡助剤としてジイソブチルアジペート0.5重量%を含有する粒子径が0.7〜1.0mmの発泡性ポリスチレン粒子100重量部と、表1に示した種類及び所定量のステアリン酸亜鉛と、表1に示した種類及び所定量の脂肪酸グリセリンエステル粒子とを同時に同一のレーディゲーミキサー(松板技研株式会社製 商品名「M20」)に同時に供給して混合し、混合の際に生じる摩擦熱によって脂肪酸グリセリンエステル粒子の表面を溶融させて、発泡性ポリスチレン粒子の表面に被覆剤を全面的に均一に付着させ、表面が全面的に被覆剤によって被覆された発泡性ポリスチレン粒子を得た。
(実施例
発泡剤としてブタン5.5重量%及び発泡助剤としてジイソブチルアジペート0.5重量%を含有する粒子径が0.7〜1.0mmの発泡性ポリスチレン粒子100重量部と、ステアリン酸亜鉛(2) 0.24重量部とを同時に同一のレーディゲーミキサー(松板技研株式会社製 商品名「M20」)に同時に供給して均一に混合した。
次に、上記同一のレーディゲーミキサーに、ステアリン酸トリグリセライド粒子(1) 0.06重量部を供給して均一に混合し、混合の際に生じる摩擦熱によってステアリン酸トリグリセライド粒子(1) の表面を溶融させて、発泡性ポリスチレン粒子の表面に、ステアリン酸トリグリセライド粒子(1) 及びステアリン酸亜鉛(2) からなる被覆剤を全面的に付着させ、表面が全面的に被覆剤によって被覆された発泡性ポリスチレン粒子を得た。
(実施例
発泡剤としてブタン5.5重量%及び発泡助剤としてジイソブチルアジペート0.5重量%を含有する粒子径が0.7〜1.0mmの発泡性ポリスチレン粒子100重量部と、ステアリン酸トリグリセライド粒子(2) 0.21重量部とを同時に同一のレーディゲーミキサー(松板技研株式会社製 商品名「M20」)に同時に供給して均一に混合した後、更に、上記同一のレーディゲーミキサーに、ステアリン酸亜鉛(3) 0.09重量部を供給して均一に混合し、混合の際に生じる摩擦熱によってステアリン酸トリグリセライド粒子(2) の表面を溶融させて、発泡性ポリスチレン粒子の表面に、ステアリン酸トリグリセライド粒子(2) 及びステアリン酸亜鉛(3) からなる被覆剤を全面的に付着させ、表面が全面的に被覆剤によって被覆された発泡性ポリスチレン粒子を得た。
(比較例9)
発泡剤としてブタン5.5重量%及び発泡助剤としてジイソブチルアジペート0.5重量%を含有する発泡性ポリスチレン粒子100重量部と、ステアリン酸亜鉛(1) 0.15重量部と、ペースト状のオレイン酸モノグリセライド(1) 0.15重量部とを同時に同一のレーディゲーミキサー(松板技研株式会社製 商品名「M20」)に同時に供給して混合し、発泡性ポリスチレン粒子の表面に、ステアリン酸亜鉛(1) 及びオレイン酸モノグリセライド(1) からなる被覆剤を全面的に付着させ、表面が全面的に被覆剤によって被覆された発泡性ポリスチレン粒子を得た。
得られた発泡性ポリスチレン粒子の付着性、脱離性、ブロッキング性及び熱融着性を下記に示した要領で測定し、その結果を表1に示した。
(付着性)
図1に示したような、内径が20mmの直条の移送管1を垂直に起立した状態に配設し、この移送管1の上端に該移送管の上端部を開閉自在に閉止するバルブ2を介して漏斗状の受入部材3を一体的に設けていると共に、移送管1の下端開口部の垂直下方に、縦130mm×横50mm×厚み2mmの平面矩形状のアクリル板(三菱レーヨン社製 商品名「アクリライト透明」)4をその平滑な上面41が水平方向から30°だけ傾斜した状態に配設してなる付着性試験機を用意した。なお、バルブ2の下端からアクリル4の上面41中央部までの上下間隔は1mであった。
一方、表面が被覆剤で被覆された発泡性ポリスチレン粒子2000gを室温23℃及び相対湿度50%の恒温恒湿槽内に24時間放置した後、この発泡性ポリスチレン粒子を全て、付着性試験機の受入部材3内に供給した上でバルブ2を全面的に開放して移送管1内を垂直下方に落下させ、移送管1の下端開口部から流出した発泡性ポリスチレン粒子をアクリル板4の上面41中央部に衝突させた。
そして、発泡性ポリスチレン粒子を衝突させる前のアクリル板4の重量を予め測定しておき、発泡性ポリスチレン粒子2000gの全てをアクリル板4の上面41中央部に衝突させた後のアクリル板4の重量を測定し、アクリル板4の増加量を算出し、下記基準に基づいて判断した。なお、表1において、括弧内に具体的な重量を記載した。
○・・・30mg未満
△・・・30〜100mg
×・・・100mgを越える
なお、アクリル板4の増加量、即ち、発泡性ポリスチレン粒子の表面から脱離した被覆剤の重量が30mg未満であると、発泡性ポリスチレン粒子及び予備発泡粒子を粒子流通管内に流通させた際、粒子流通管の内壁面上へのろう状の堆積物の堆積はないと判断できる。
一方、アクリル板4の増加量が30mgを超えると、発泡性ポリスチレン粒子及び予備発泡粒子を粒子流通管内に流通させた際に粒子流通管の内壁面上へのろう状の堆積物の堆積が顕著になり、更に、アクリル板4の増加量が100mgを越えると、粒子流通管の内壁面上へのろう状の堆積物の堆積が極めて多量となり、粒子流通管内を閉塞する可能性が高い。
(脱離性)
表面が被覆剤で被覆された発泡性ポリスチレン粒子1000gをJISで規定された目開きが0.300mmの篩を用いて5分間に亘って篩い、篩を通過した脂肪酸の金属塩及び脂肪酸グリセリンエステルの総量を測定し、下記基準に基づいて判断した。なお、表1において、括弧内に具体的な重量を記載した。
○・・・20mg以下
×・・・20mgを超えた
(ブロッキング性)
攪拌装置を備えた内容積が25リットルの予備発泡機を用いて0.05MPaの水蒸気によって発泡性ポリスチレン粒子を嵩倍率60倍に予備発泡させ、得られた予備発泡粒子をJISに規定された目開きが10mmの篩を用いて篩い、この篩上に残った、予備発泡粒子同士が合着してなる結合粒子の重量を測定し、予備発泡粒子の全量に対する結合粒子の重量の百分率を算出し、下記基準に基づいて判断した。なお、表1において、括弧内に具体的な百分率値を記載した。
○・・・0.1重量%未満
×・・・0.1重量%以上
(熱融着性)
ブロッキング性の測定要領と同様の要領で得られた予備発泡粒子を23℃にて大気圧下に24時間に亘って放置した後、発泡成形機(積水工機社製 商品名「ACE−3SP」)の金型のキャビティ内に予備発泡粒子を充填し、この予備発泡粒子を圧力0.07MPaの水蒸気によって30秒間に亘って加熱し発泡させて予備発泡粒子を二次発泡させると共に、この予備発泡粒子が二次発泡して得られる発泡粒子同士を熱融着一体化させて、縦400mm×横300mm×高さ50mmの直方体形状の発泡成形品を得た。
次に、発泡成形品における縦方向の両端部を把持して互いに離間する方向に引っ張って発泡成形品を引き裂き、この引き裂き断面を目視観察した。そして、発泡成形品の引き裂き断面において、発泡粒子同士が熱融着界面で引き裂かれることなく発泡粒子自体が破壊された発泡粒子の総面積(発泡粒子破壊総面積)を算出し、引き裂き断面の総面積に対する発泡粒子破壊総面積の百分率を算出し、これを熱融着性の指標して下記基準に基づいて判断した。
○・・・80%以上
×・・・80%未満
Figure 0004532255
付着性試験機を示した正面図である。
符号の説明
1 移送管
2 バルブ
3 受入部材
4 アクリル板

Claims (3)

  1. 発泡性スチレン系樹脂粒子100重量部の表面が、脂肪酸の金属塩及び脂肪酸グリセリンエステル粒子からなり且つ脂肪酸の金属塩を20〜90重量%含有する被覆剤0.05〜0.5重量部によって被覆されており、上記脂肪酸の金属塩の平均粒子径が5〜20μmであると共に、上記脂肪酸グリセリンエステル粒子の平均粒子径と上記脂肪酸の金属塩の平均粒子径との比(脂肪酸グリセリンエステル粒子の平均粒子径/脂肪酸の金属塩の平均粒子径)が6.6〜10であることを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子。
  2. 脂肪酸グリセリンエステルの融点が50〜100℃であることを特徴とする請求項1に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
  3. 平均粒子径が5〜20μmである脂肪酸の金属塩と脂肪酸グリセリンエステル粒子とを混合装置に供給し混合して上記脂肪酸の金属塩の含有量が20〜90重量%であり且つ上記脂肪酸グリセリンエステル粒子の平均粒子径と上記脂肪酸の金属塩の平均粒子径との比(脂肪酸グリセリンエステル粒子の平均粒子径/脂肪酸の金属塩の平均粒子径)が6.6〜10である被覆剤を製造し、この被覆剤を製造するのに用いられた上記混合装置とは別の混合装置に、発泡性スチレン系樹脂粒子100重量部と上記被覆剤0.05〜0.5重量部とを供給して、上記発泡性スチレン系樹脂粒子の表面を上記被覆剤で被覆することを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
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