JP2001248987A - 蓄熱構造体 - Google Patents

蓄熱構造体

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JP2001248987A
JP2001248987A JP2000060746A JP2000060746A JP2001248987A JP 2001248987 A JP2001248987 A JP 2001248987A JP 2000060746 A JP2000060746 A JP 2000060746A JP 2000060746 A JP2000060746 A JP 2000060746A JP 2001248987 A JP2001248987 A JP 2001248987A
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meth
acrylate
monomer
polymerization
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JP2000060746A
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Kenichi Matsumura
健一 松村
Noriki Fujii
紀希 藤井
Takahiro Omura
貴宏 大村
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/14Thermal energy storage

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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 蓄熱性能が容易に発現できる安価な蓄熱構造
体の提供。 【解決手段】 支持体の少なくとも片面上の全部又は一
部が、蓄熱用マイクロカプセルの集合体によって被覆さ
れてなる蓄熱構造体であり、前記蓄熱用マイクロカプセ
ルは、相転移自在な化合物を主成分とする芯物質の周囲
にカプセル壁が少なくとも1層以上形成されており、前
記カプセル壁の少なくとも最外層が、単独重合体のガラ
ス転移温度が−140℃〜−20℃であるビニル系モノ
マーを主成分とする熱可塑性樹脂で形成されている蓄熱
構造体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄熱構造体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、太陽光などの自然の熱エネルギー
を、住宅用の暖房に用いて省エネルギー化を図ることが
要望されている。その際必要となる熱貯蔵媒体、あるい
は熱搬送媒体として、水のような流体の顕熱を利用する
方法や、より高い熱効率を得る方法として、潜熱蓄熱材
をマイクロカプセル化して水中に懸濁させる方法が考え
られてきた。最近では、表面積が大きく、且つ熱応答性
が速く、また長期間安定に蓄熱作用を繰り返しても劣化
しにくい等の理由からペレット状潜熱蓄熱材が使用され
ている。例えば特開昭63−238188号公報には、
有機系潜熱蓄熱材を連続発泡多孔体に吸収させ、潜熱蓄
熱材変態温度以上で微細粉末をまぶしたものを、カバー
内に封入した蓄熱マットが開示されている。また、潜熱
蓄熱材をシート状に形成したものとしては、ペレット状
蓄熱材を接着剤を塗布したシート体に張り付けた蓄熱シ
ートが特開平2−287096号公報に開示されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記蓄熱マットは、蓄
熱機能を発現させるため、カバー内に蓄熱材を封入する
工程が必要であり、又被覆材が破損した場合等に蓄熱物
質を含む内包物が多量に漏洩する恐れがある。また、上
記蓄熱シートは、基材に蓄熱性を付与するために接着剤
を塗布する工程を必要とし、薄く塗布すれば蓄熱材がは
がれ落ちる可能性があり、厚く塗布すれば接着剤によっ
て熱応答性が悪化するという課題があった。つまり従来
の技術では、上記蓄熱用マイクロカプセルを住宅の壁や
床などに用いる場合、マイクロカプセルが機能するため
には、予め何らかの方法で成形体に担持させる必要があ
った。そのため、中空状にしたパネルにスラリー状のマ
イクロカプセルを充填したり、多孔質の基材に含浸させ
たり、シート状の基材に貼り付けする必要があり、適用
できる部材が限られていた。本発明の課題は、蓄熱性能
が容易に発現できる安価な蓄熱構造体を提供することに
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を達成すべく検討を重ねた結果、相転移自在な化合物
(以下潜熱蓄熱材と称す)を主成分とする芯物質の周囲
に、樹脂膜からなるカプセル壁を少なくとも1層以上形
成させて蓄熱用マイクロカプセルを得る際、カプセル壁
の少なくとも最外層(表面)を、単独重合体のガラス転
移温度−140℃〜−20℃であるビニル系モノマーを
主成分とする熱可塑性樹脂とすることで、支持体の少な
くとも片面上の全部又は一部が、上記蓄熱用マイクロカ
プセルの集合体によって被覆されてなる蓄熱構造体を容
易に形成することができ、前記蓄熱構造体は、幅広い適
用範囲を有するものとなる。
【0005】本発明で用いられる、蓄熱用マイクロカプ
セルの芯物質の主成分をなす潜熱蓄熱材は、相変化に伴
う潜熱を利用して熱を蓄える目的で用いられる。具体的
には有機化合物、無機化合物があり特に限定されない
が、例えば、有機化合物としては脂肪族炭化水素、芳香
族炭化水素、脂肪酸、アルコール等が挙げられる。ま
た、無機化合物としては、例えば、塩化カルシウム6水
和物(融点29℃)、炭酸ナトリウム10水和物(同3
2℃)、硫酸ナトリウム10水和物(同32℃)、リン
酸水素ナトリウム12水和物(同36℃)、硝酸亜鉛6
水和物(同36℃)、硝酸ニッケル6水和物、チオ硫酸
ナトリウム5水和物等が挙げられる。 特に住宅用の保
温材として使用する場合、室温付近の0℃以上50℃未
満の融点を持つ物質が好ましい。
【0006】また、上記潜熱蓄熱材としては、単独もし
くは混合することによって、目的に応じた融点を自由に
設計できることから、脂肪族炭化水素を使用することが
好ましく、例えば、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプ
タデカン、オクタデカン、ノナデカン、イコサン、ドコ
サン等が挙げられる。上記潜熱蓄熱材には、蓄熱用マイ
クロカプセルの熱伝導性、比重を調節する目的で、カー
ボン、金属粉、アルコール等が添加されても良い。
【0007】本発明で用いられる、カプセル壁の少なく
とも最外層(表面)を形成する熱可塑性樹脂は、単独重
合体のガラス転移温度が−140℃〜−20℃であるビ
ニル系モノマーを主成分とする。上記ビニル系モノマー
の単独重合体のガラス転移温度が−20℃を越えると、
蓄熱用マイクロカプセルに充分な粘着性及び造膜性を付
与できず、−140℃未満であると、工業的に一般に使
用されるポリマーとして適当でなくなり、上記範囲に限
定される。
【0008】上記単独重合体のガラス転移温度が−14
0℃〜−20℃であるビニル系モノマーとしては、特に
限定されないが、例えば、エチルアクリレート(Tg=
−2℃、以下かっこ内に温度のみを示す)、n−プロピ
ルアクリレート(−37℃)、n−ブチルアクリレート
(−54℃)、イソブチルアクリレート(−24℃)、
sec−ブチルアクリレート(−21℃)、n−ヘキシ
ルアクリレート(−57℃)、2−エチルヘキシルアク
リレート(−85℃)、n−オクチルメタクリレート
(−25℃)、イソオクチルアクリレート(−45
℃)、n−ノニルメタクリレート(−35℃)、n−デ
シルメタクリレート(−45℃)等のアルキル(メタ)
アクリレート類、ブタジエン等の炭素数4〜6個の炭素
原子からなる共役ジエンモノマー類、ビニルメチルエー
テル(−31℃)、ビニルエチルエーテル(−33
℃)、ビニルプロピルエーテル(−49℃)等のビニル
エーテル類が挙げられる。上記ビニルモノマーの内、ガ
ラス転移温度の調整、粘着性、経済性等から(メタ)ア
クリレートモノマーが好適に用いられる。これらモノマ
ーは単独または2種以上を組み合わせて用いることがで
きる。
【0009】上記最外層(表面)の熱可塑性樹脂には、
上記ガラス転移温度が−140℃〜−20℃であるビニ
ル系モノマーの他に上記ビニル系モノマーと共重合可能
な他のモノマーが使用できる。上記ビニル系モノマーと
共重合可能なモノマーとしては、特に限定されず、例え
ば、(メタ)アクリレート、スチレン誘導体、酢酸ビニ
ル誘導体等のラジカル重合活性の高い汎用モノマーを用
いることが好ましく、これらは単独または2種以上を組
み合わせて用いることができる。さらに、カプセル壁の
機械的強度を改善する目的で、多官能性モノマーと共重
合してもよい。
【0010】上記(メタ)アクリレートとしては、特に
限定されないが、例えば、メチルアクリレート、メチル
メタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピル
メタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロ
ピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソ
ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレー
ト、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレー
ト、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアク
リレート、シクロヘキシルメタクリレート等のアルキル
(メタ)アクリレート類、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート等の極性基含有(メタ)アクリレート
が挙げられ、これらは単独または2種以上を組み合わせ
て用いることができる。
【0011】上記(メタ)アクリレート以外の他のモノ
マーとしては、特に限定されないが、例えば、スチレ
ン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−ク
ロロスチレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビ
ニルエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル
等の不飽和ニトリル、アクリル酸、メタクリル酸が挙げ
られ、これらは単独または2種以上を組み合わせて用い
ることができる。
【0012】上記多官能性モノマーとしては、特に限定
されないが、例えば、エチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等
のジ(メタ)アクリレート類、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペン
タエリストールトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メ
タ)アクリレート類が挙げられる。また、その他の多官
能性モノマーとしては、ペンタエリストールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリストールヘキサ(メ
タ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルマレ
ート、ジアリルフマレート、ジアリルサクシネート、ト
リアリルイソシアヌレート等のジもしくはトリアリル化
合物、ジビニルベンゼン、ブタジエン等のジビニル化合
物等が挙げられ、これらは単独または2種類以上を組み
合わせて用いることができる。
【0013】上記最外層の熱可塑性樹脂中における、上
記単独重合体のガラス転移温度が−140℃〜−20℃
であるビニル系モノマーの割合は、粘着性の発現しやす
さから、51〜100重量%が好ましい。
【0014】上記カプセル壁は、上記熱可塑性樹脂が上
記芯物質の表面を三次元的に覆い、上記芯物質の流出を
防止する。上記カプセル壁は、目的に応じて単層であっ
ても二層以上の多層構造であっても構わない。二層以上
の場合、表面ではない内側の熱可塑性樹脂層は、ラジカ
ル付加重合機構によって合成可能な熱可塑性樹脂であれ
ば特に限定されず、例えば、ポリ(メタ)アクリレー
ト、またはポリスチレン誘導体、ポリ酢酸ビニル誘導体
等のラジカル重合活性の高い汎用樹脂を用いることが好
ましく、これらは単独あるいは共重合体として使用され
る。
【0015】上記内側の熱可塑性樹脂層の重合に用いら
れる(メタ)アクリレートモノマーとしては、特に限定
されないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレ
ート、ブチル(メタ)アクリレート、クミル(メタ)ア
クリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘ
キシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート等
のアルキル(メタ)アクリレート類、2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート等の極性基含有(メタ)アク
リレート類が挙られ、これらは単独または2種以上を組
み合わせて用いることができる。
【0016】上記内側の熱可塑性樹脂層の重合に用いら
れる、(メタ)アクリレート以外のモノマーとしては、
特に限定されないが、例えば、スチレン、α−メチルス
チレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン等の
スチレン誘導体モノマー、酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル等のビニルエステル、アクリロニトリル、メタクロ
ニトリル等の不飽和ニトリル、アクリル酸、メタクリル
酸が挙げられ、これらは単独または2種以上を組み合わ
せて用いることができる。
【0017】上記内側の熱可塑性樹脂には、カプセル壁
の機械的強度を改善する目的で、必要に応じて多官能性
モノマーが添加されてもよい。上記多官能性モノマー
は、特に種類は限定されないが、例えば、エチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メ
タ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート類、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレ
ンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)
アクリレート、ペンタエリストールトリ(メタ)アクリ
レート等のトリ(メタ)アクリレートが挙げられる。ま
た、その他の多官能性モノマーとしては、ペンタエリス
トールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスト
ールヘキサ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレー
ト、ジアリルマレート、ジアリルフマレート、ジアリル
サクシネート、トリアリルイソシアヌレート等のジもし
くはトリアリル化合物、ジビニルベンゼン、ブタジエン
等のジビニル化合物等が挙げられ、これらは単独または
2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0018】上記蓄熱用マイクロカプセルは、潜熱蓄熱
材とカプセル壁の形成に用いられるラジカル重合性モノ
マーの混合物を、水中に乳化懸濁し、油滴中のモノマー
をラジカル重合することによって得られる。特に芯材と
して疎水性の高い脂肪族炭化水素を用いると、ラジカル
重合性モノマーは油滴中で熱力学的に安定な水相界面付
近にポリマーを生成し、より強固なカプセル壁が得られ
る。また、上記懸濁重合法は分散剤及び重合開始剤を用
いる。
【0019】上記分散剤は、上記潜熱蓄熱材とモノマー
の混合乳化懸濁液の分散安定性を向上させ、重合を効率
的に行う目的で添加され、例えば、アニオン系界面活性
剤、ノニオン系界面活性剤、部分ケン化ポリ酢酸ビニ
ル、セルロース系分散剤、ゼラチン等が挙げられる。特
に望ましくはアニオン系界面活性剤であり、例えば、ア
ルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
上記重合開始剤としては、油溶性のフリーラジカルを発
生する化合物、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラ
ウロイルパーオキサイド、ジブチルパーオキシジカーボ
ネート、α−クミルパーオキシネオデカノエート等の有
機系過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系
開始剤及びレドックス開始剤等が挙げられる。また、上
記懸濁重合法では、必要に応じてpH調整剤、酸化防止
剤等が添加されてもよい。
【0020】上記懸濁重合法には、モノマー添加法の違
いから一括重合法、エマルジョン添加法の2つに大別さ
れ、特に限定されるものではない。一括重合法とは、例
えば、まず、相転移自在な有機化合物を主成分とする潜
熱蓄熱材、ラジカル重合性モノマー、重合開始剤を予め
混合しモノマー溶液を調製する。一方、ジャケット付重
合反応槽内にイオン交換水、分散剤を入れ、重合槽内部
を減圧して酸素除去を行った後、窒素にて圧力を大気圧
まで戻し、窒素雰囲気下において、上記モノマー溶液を
一括して重合槽内へ添加する。撹拌翼によって、重合液
を乳化懸濁した後、槽内をジャケットにより所定の温度
に昇温して重合を開始する方法である。また、モノマー
溶液は分散剤及び仕込水の一部と予め混合乳化され、重
合槽へ添加されても良い。
【0021】エマルジョン添加法とは、例えば、まず、
相転移自在な有機化合物を主成分とする潜熱蓄熱材、ラ
ジカル重合性モノマー、重合開始剤、分散剤、イオン交
換水を撹拌により充分乳化することにより予め乳化モノ
マー液を調製する。次いでジャケット付重合反応槽内に
イオン交換水を入れ、重合槽内部を減圧して酸素除去を
行った後、窒素にて圧力を大気圧まで戻し、窒素雰囲気
下とし、槽内をジャケットにより所定の温度にした後、
上記乳化モノマー液を一括に添加、あるいは一定量ずつ
滴下することにより重合する方法である。
【0022】重合の結果得られる蓄熱用マイクロカプセ
ルを含むスラリーの樹脂固形分は、特に限定されるもの
ではないが、生産性、重合反応の安定性を鑑みて、10
〜70重量%が好ましい。上記蓄熱用マイクロカプセル
を含むスラリーの平均樹脂粒子径は特に限定されない
が、スラリーとして用いる場合は、大きくなるとマイク
ロカプセルと水の分離が起こりやすくなり、小さすぎる
とカプセルの強度が落ちるため、0.01〜10μmが
適当である。上記蓄熱用マイクロカプセルを含むスラリ
ーには、必要に応じて、エチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、各種無機塩類等の凍結防止剤、防腐
剤、増粘剤、顔料、防腐剤、分散剤が添加されて使用し
ても良い。
【0023】上記支持体の形状は特に限定されず、例え
ば、曲面や平面を有するシート体、板状体、管状体等が
挙げられる。また、支持体の材質も特に限定されず、例
えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロ
ピレン共重合体等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエ
ステル系樹脂、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン−
アクリロニトリル共重合体等のスチレン系樹脂、ポリ塩
化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の塩化ビ
ニル系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系
樹脂、ポリカーボネート等の各種プラスチックス類、
鉄、アルミ等の金属類、木材、セラミックス、コンクリ
ート等の無機系構造体、紙等が挙げられ、用途に応じて
適宜選択される。
【0024】上記蓄熱用マイクロカプセルを支持体に形
成する方法は特に限定されず、例えば、浸漬塗布法、ス
プレー塗布法、ブラシ塗布法、ローラー塗布法、静電塗
布法、遠心塗布法等公知の塗布方法を用いることができ
る。又、塗布が困難な場合は、蓄熱用マイクロカプセル
を一旦シート化した後、支持体とラミネートする方法が
用いられてもよい。上記塗布は、一回で行っても、或い
は二回以上の多段階塗布法で行ってもよい。 また、支
持体の表面の濡れ特性の向上のためにアンカー剤(プラ
イマー)による前処理、コロナ放電処理、フレーム処
理、プラズマ放電処理、界面活性剤塗布処理等の前処理
を行ってもよい。 更に、上記蓄熱用マイクロカプセル
の支持体への密着性を向上させる目的で、例えば、シラ
ン系カップリング剤等のカップリング剤等の密着性付与
剤を添加してもよい。
【0025】また、上記蓄熱用マイクロカプセルが形成
される部分は、支持体の一部であっても、全体であって
もよい。さらに、例えば、支持体がシート状或いは板状
である場合には、その表面、裏面の一方に形成してもよ
いし、その両面に形成してもよい。また、支持体が管状
体の場合でも、その表面、内面の一方に形成してもよい
し、その両面に形成してもよい。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
下記に限定されるものではない。表1に示した配合組成
に基づいて、下記の操作手順で蓄熱用マイクロカプセル
を得た。 実施例1〜4 (蓄熱用マイクロカプセルの調整)50℃にて融解させ
た所定量の脂肪族炭化水素、カプセル形成用モノマー、
開始剤を混合、撹拌し、ついでイオン交換水(全使用量
の60%)、分散剤を添加、撹拌して乳化モノマー液を
調製した。一方、重合器に残りのイオン交換水を入れ、
攪拌を開始した。重合器内を減圧して容器内の脱酸素を
おこなった後、窒素により圧力を大気圧まで戻して内部
を窒素雰囲気とした後に、上記乳化モノマー液を一括に
添加した。重合槽を80℃まで昇温し重合を開始した。
30分で重合を終了し、その後1時間の熟成期間を置い
た後、重合槽を室温まで冷却した。固形分濃度約50重
量%、平均粒径約3μmの蓄熱用マイクロカプセルを含
むスラリーを得た。
【0027】(蓄熱シートの作製)上記蓄熱用マイクロ
カプセルのスラリーを、軟質塩化ビニルシート(シート
厚120μm )にロールコーターを用いて6g/m2の
割合で塗布、乾燥させ、蓄熱シートを作製した。シート
の蓄熱材塗布表面に粘着性のある膜が形成された。
【0028】実施例5〜7 表1に示された重合組成に基づき、50℃にて融解させ
た所定量の脂肪族炭化水素、内層形成用モノマー、開始
剤を混合、攪拌し、ついでイオン交換水(全使用量の6
0%)、分散剤を添加、攪拌して混合乳化モノマーを調
製した。一方、重合器に残りのイオン交換水を入れ、攪
拌を開始した。重合器内を減圧して容器内の脱酸素を行
った後、窒素により圧力を大気圧まで戻した後、上記乳
化モノマー液を一括に添加した。重合槽を80℃まで昇
温し重合を開始し、30分で重合を終了した後、外層カ
プセル形成用モノマーの滴下を開始した。外層カプセル
形成用モノマーの滴下を1時間で終了し、1時間の熟成
期間を置いた後、重合槽を室温まで冷却した。固形分濃
度50重量%、平均粒子径5μmのマイクロカプセルを
含むスラリーを得た。上記スラリーを用いて、実施例1
と同様にして蓄熱シートを作製した。シートの蓄熱材塗
布表面に粘着性のある膜が形成された。
【0029】比較例1 所定量のメラミン粉末に40重量%ホルムアルデヒド水
溶液を加え、pHを8に調製した。ついで約70℃に昇
温した後、1時間熟成してメラミン樹脂のプレポリマー
水溶液を得た。pHを4に調製したスチレン−無水マレ
イン酸共重合体のナトリウム塩(以下PSMNaとす
る)4重量%水溶液に、40℃にて融解させた脂肪族炭
化水素を撹拌させながら添加し、乳化懸濁液を得た。こ
の乳化液に上記メラミン樹脂のプレポリマー水溶液を一
括に添加し、重合槽を70℃まで昇温して重合を開始し
た。2時間で重合を終了し、その後1時間の熟成期間を
置いた後、重合槽を室温まで冷却した。固形分濃度約5
0重量%、平均粒径約3μmの蓄熱用マイクロカプセル
を含むスラリーを得た。得られたスラリーを用いて、実
施例1と同様にして蓄熱シートを作製した。シートの蓄
熱材塗布表面に粘着性のある膜が形成できず、指で押す
と塗布材がぼろぼろと崩れ落ちた。
【0030】〔評価〕上記で得られたスラリー及び蓄熱
シートについて下記の評価を行った。結果を表1に示
す。 (造膜性)粘着シート作製時に目視にて造膜性を評価し
た。 (粘着性)上記蓄熱シートの粘着力を、タックテスター
(SG−701H、アイランド工業社製)を用いて、温
度23℃、押しつけ荷重5.0kg、押しつけ時間5
秒、上昇速度100mm/min、測定子径10mmの
条件で測定した。 (蓄熱用マイクロカプセルの相転移温度及び融解熱)示
差走査熱量計(DSC6200、セイコーインスツルメ
ンツ社製)を用いて測定した。測定温度範囲は5〜50
℃、昇温速度は2℃/分とし、吸熱量がピークを迎える
温度を相転移温度とした。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】以上のように本発明の蓄熱構造体は、様
々な材質、場所に蓄熱用マイクロカプセルを塗布するこ
とによって、特別な工程を要することなく形成でき、前
記構造体が蓄熱機能を有した部材として幅広い用途に適
用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 23:00 C09K 5/00 E Fターム(参考) 4F006 AA12 AA15 AA17 AA22 AA35 AB24 AB63 AB64 AB72 DA04 4J011 PA06 PA07 PA08 PA09 PA10 PA23 PA25 PA28 PB19 PB20 PB40 PC02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の少なくとも片面上の全部又は一
    部が、蓄熱用マイクロプセルの集合体によって被覆され
    てなる蓄熱構造体であり、前記蓄熱用マイクロカプセル
    は、相転移自在な化合物を主成分とする芯物質の周囲に
    カプセル壁が少なくとも1層以上形成されており、前記
    カプセル壁の少なくとも最外層が、単独重合体のガラス
    転移温度が−140℃〜−20℃であるビニル系モノマ
    ーを主成分とする熱可塑性樹脂で形成されていることを
    特徴とする蓄熱構造体。
  2. 【請求項2】 前記支持体が、シート体、板状体又は管
    状体のうちのいずれかであることを特徴とする請求項1
    記載の蓄熱構造体。
  3. 【請求項3】 前記カプセル壁の少なくとも最外層が、
    単独重合体のガラス転移温度が−140℃〜−20℃で
    あるアルキル(メタ)アクリレートモノマーを主成分と
    するアクリル系共重合体であることを特徴とする請求項
    1又は2記載の蓄熱構造体。
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