JP4531996B2 - ポリイミドフィルム積層体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリイミドフィルム積層体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリイミドフィルムは、主として流延による溶液製膜で製造されており、その製法上厚いフィルムを作ることは困難であったり、またはその生産性が極度に劣ったりしていた。
その改善手法としては、USP4543295号に見られるように、熱可塑性のポリイミドをポリイミドフィルムと加熱ラミネーターや加熱プレス装置で張り合わせることが提案されてはいるが、耐熱性に劣ったり、コストが嵩んだりする問題があった。
【0003】
一方、ポリイミドの成形材としては、ポリイミド粉末を直接金型中に加熱圧縮して作ったり、または圧縮成形して出来たポリイミドのロッドから切削加工して作ることが多かった。しかしながら、その製法上大きな成形材を作ることが困難でるといった問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、層間の剥離強度が高く、かつ製造容易なポリイミドフィルム積層体及びその製造方法を提供することをその課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明によれば、以下に示すポリアミドフィルム積層体及びその製造方法が提供される。
(1)非熱可塑性ポリイミドフィルムを積層接着させて形成した積層体であって、該積層体は、プラズマ表面処理された非熱可塑性ポリイミドフィルムを少なくとも2枚重ね、そのフィルム間に接着剤を介することなく熱圧着させたものからなり、該フィルム間の剥離強度が0.3kgf/cm以上であることを特徴とするポリイミドフィルム積層体。
(2)該非熱可塑性ポリイミドフィルムの両面がプラズマ表面処理されている前記(1)のポリイミドフィルム積層体。
(3)該プラズマ表面処理された非熱可塑性ポリイミドフィルムが、含酸素化合物からなる気体雰囲気下でプラズマ表面処理されたものである前記(1)又は(2)のポリイミドフィルム積層体。
(4)該含酸素化合物が、水蒸気又は二酸化炭素である前記(3)のポリイミドフィルム積層体。
(5)前記(1)〜(4)のいずれかのポリイミドフィルム積層体の製造方法において、プラズマ表面処理された非熱可塑性ポリイミドフィルムを少なくとも2枚重ね、そのフィルム間に接着剤を介することなく200℃以上の温度でかつ50kg/cm以上の圧力で5分間以上加熱加圧することを特徴とするポリイミドフィルム積層体の製造方法。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において使用するポリイミドは、従来公知の物質であり、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンを主成分として用いて重縮合反応より得ることができる。
ポリイミドを構成する芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、特に限定されるものではないが、その例を挙げると、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,6,7−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−テトラクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−テトラクロロナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’’,4,4’’−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’’,3,3’’−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’’,4’’−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−プロパン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3.4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ペリレン−2,3,8,9−テトラカルボン酸二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ペリレン−4,5,10,11−テトラカルボン酸二無水物、ペリレン−5,6,11,12−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,2,7,8−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,2,6,7−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,2,9,10−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、またこれらは単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
【0007】
ポリイミドを構成する芳香族ジアミンとしては、特に限定されるものではないが、その例を挙げると、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,6−ジメチル−m−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノメシチレン、4,4’−メチレンジ−o−トルイジン、4,4’−メチレンジ−2,6−キシリジン、4,4’−メチレン−2,6−ジエチルアニリン、2,4−トルエンジアミン、m−フェニレン−ジアミン、p−フェニレン−ジアミン、4,4’−ジアミノ−ジフェニルプロパン、3,3’−ジアミノ−ジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノ−ジフェニルエタン、3,3’−ジアミノ−ジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ−ジフェニルメタン、3,3’−ジアミノ−ジフェニルメタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−ジアミノ−ジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノ−ジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノ−ジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノ−ジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−ジフェニルエーテル、3,3−ジアミノ−ジフェニルエーテル、ベンジジン、3,3’−ジアミノ−ビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノ−ビフェニル、3,3’−ジメトキシ−ベンジジン、4,4’−ジアミノ−p−テルフェニル、3,3’−ジアミノ−p−テルフェニル、ビス(p−アミノ−シクロヘキシル)メタン、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス(2−メチル−4−アミノ−ペンチル)ベンゼン、p−ビス(1,1−ジメチル−5−アミノ−ペンチル)ベンゼン、1,5−ジアミノ−ナフタレン、2,6−ジアミノ−ナフタレン、2,4−ビス(β−アミノ−t−ブチル)トルエン、2,4−ジアミノ−トルエン、m−キシレン−2,5−ジアミン、p−キシレン−2,5−ジアミン、m−キシリレン−ジアミン、p−キシリレン−ジアミン、2,6−ジアミノ−ピリジン、2,5−ジアミノ−ピリジン、2,5−ジアミノ−1,3,4−オキサジアゾール、ピペラジン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,5−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノフェノール、4,4’−(3,3’−ジヒドロキシ)ジアミノビフェニル、4,4’−(2,2’−ジヒドロキシ)ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(3−アミノ−4−ジヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,5−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸、4,4’−(3,3’−ジカルボキシ)ジアミノビフェニル、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ω,ω’−ビス(2−アミノエチル)ポリジメチルシロキサン、ω,ω’−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、ω,ω’−ビス(4−アミノフェニル)ポリジメチルシロキサン、ω,ω’−ビス(3−アミノプロピル)ポリジフェニルシロキサン、ω,ω’−ビス(3−アミノプロピル)ポリメチルフェニルシロキサン等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、またこれらは単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
【0008】
これらの酸無水化合物とジアミン化合物とを極性溶媒中で反応させるとポリイミドの前駆体であるポリアミック酸溶液が得られる。
ポリイミドフィルムは、通常このポリアミック酸溶液を支持体上にキャスティングして乾燥を行いその後高温にてイミド化するか、あるいは溶液中で加熱してイミド化反応を行った後、その溶液を支持体上にキャスティングして乾燥、熱処理して得られる。
本発明におけるポリイミドフィルムは任意のフィルムが適用可能であるが、そのポリイミドフィルムが多層化されていたり、目的に応じて種々の添加剤が配合されていても何ら差し支えない。
ポリイミドフィルムの厚みとしては、任意の厚みを選択可能であるが、通常、10〜150μm、好ましくは25〜125μmの厚みのものが、プラズマ処理や積層熱圧着する上で好ましい。
【0009】
本発明のポリイミドフィルム積層体を製造するには、前記ポリイミドフィルムを、先ず、プラズマ表面処理する。この場合のプラズマ表面処理方法としては、グロー放電等の公知の方法を採用することができる。
ポリイミドフィルムのプラズマ表面処理を好ましく実施するには、内部電極型低温プラズマ発生装置中で、電極間に少なくとも1,000ボルト以上の放電電圧を与えてグロー放電を行い、ポリイミドフィルム表面を低温プラズマ雰囲気と接触させる。
【0010】
上記低温プラズマ処理のためのプラズマ用ガスとしては、ヘリウム、ネオン、アルゴン、窒素、酸素、空気、亜酸化窒素、一酸化窒素、二酸化窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、水蒸気、水素、亜硫酸ガス、シアン化水素などが例示され、これらは単独または二種以上のものを混合して使用することができる。本発明では、特に、含酸素無機ガスの使用が好ましく、より好ましくは二酸化炭素と水蒸気である。
装置内におけるガス雰囲気の圧力は0.001〜10トールの範囲が好ましく、更に好ましくは0.1〜1.0トールである。0.001トール未満であったり、10トール以上であると放電が不安定となり好ましくない。
【0011】
このようなガス圧力下で放電電極間に例えば、周波数10KHz〜2GHzの高周波で、10W〜100KWの電力を与えることにより安定なグロー放電を行わせることができる。尚、放電周波数帯域としては、高周波以外に低周波、マイクロ波、直流などを用いることができる。
低温プラズマ発生装置としては、内部電極型であることが好ましいが、場合によって外部電極型であってもよいし、またコイル炉などの容量結合、誘導結合のいずれであってもよい。
電極の形状については特に制限はなく、それらは平板状、リング状、棒状、シリンダー状等種々可能であり、さらには処理装置の金属内壁を一方の電極としてアースした形状のものであってもよい。
電極間に1,000ボルト以上の電圧を印加し、安定な低温プラズマ状態を維持するには、入力電極にかなりの耐電圧を持った絶縁被覆を施す必要がある。もし銅、鉄、アルミニウム等の金属むき出しの電極であるとアーク放電となりやすく、電極表面をホーローコート、ガラスコート、セラミックコート等を施すことが好ましい。
【0012】
前記のようにしてポリイミドフィルムをプラズマ表面処理する場合、そのプラズマ処理するフィルム面は、片面でもよいが、その両面をプラズマ表面処理するのが好ましい。
【0013】
本発明では、前記のようにして得られるプラズマ表面処理されたポリイミドフィルムは、その少なくとも2枚を重ねて、接着剤等を介することなく、熱圧着させる。本発明者らの研究によれば、プラズマ表面処理されたポリイミドの複数を重ねて熱圧着するときには、その層間剥離強度の大きい、即ち、容易に剥離することのない積層接着体が得られることが見出された。その層間剥離強度は、0.3kgf/cm以上、好ましくは0.5kg/cm以上であり、その上限値は、通常、5.0kgf/cm程度である。
本発明によりプラズマ表面処理されたポリイミドフィルムの複数枚を重ねて熱圧着して積層体を製造する場合、必要に応じ、その積層体の一部にポリイミド以外のプラスチックフィルムや、接着剤、金属箔等が含まれていても差し支えない。
なお、前記層間剥離強度は、JIS(Z 0237)に基づく180度剥離強度である。
【0014】
プラズマ表面処理されたポリイミドフィルムを積層し、熱圧着するに際し、その熱圧着手段としては、金属製又はゴム製の加熱ロールを用いることもできるが、好ましくは平板の熱版間に裁断積層されたフィルムをシリンダー等で加圧することが生産性の点で有効である。その際真空下で加熱加圧することが、得られる積層体に気泡等の欠点が生じにくい点から好ましい。また面内の圧力むらの軽減のために、鏡面板、クッション板等を積層体の上下または内部に用いても差し支えない。
その加熱加圧条件としては、任意の条件が選択可能ではあるが、得られる積層体の耐熱性の観点から、200℃以上で加熱加圧する必要があるが、250℃以上かつ50kg/cm2以上の条件で5分以上加熱加圧することが更に好ましい。加熱温度の上限値は、通常、400℃程度であり、加圧圧力の上限値は、通常、1000kg/cm2程度である。
【0015】
本発明によれば、2枚以上、通常、4〜2000枚のプラズマ表面処理ポリイミドフィルムを重ねて、熱圧着することにより、シート状から板体状の積層体を得ることができる。本発明の場合、例えば、その厚さが0.2〜100mm、好ましくは0.5〜20mmの積層体を容易に得ることができる。
【0016】
【実施例】
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はそれらの実施例に限定されるものではない。
【0017】
実施例1
東レ(株)製ポリイミドフィルム「カプトンEN」(厚さ50μm)を気圧0.2トール、二酸化炭素雰囲気下で110KHzの高周波電圧を印加し、放電電力密度300Wmin/m2で両面プラズマ処理した。
このフィルムを20cmに裁断後10枚重ね合わせて、上下にガラステフロン製の厚さ3mmのクッション板を置いて、北川精機(株)製真空プレス装置(KVHC−PRESS)を用いて350℃130kg/cm2の条件で30分プレスし、100℃に冷却後圧力を開放し、積層体を取り出した。
得られた積層体は、厚さ500μmの板状体であり、その層間剥離強度は1.0kgf/mm以上であり、フィルムを引き剥がすことは困難であり、またルーター加工、ドリル加工等の外形加工にも耐えれるものであった。
この積層体を20mm角に裁断後、室温の水中に7日間浸漬した後、1分間半田浴に浸漬して膨れない限界の温度を10℃刻みで半田浴を昇温して調べたところ360℃の耐熱性を有していた。
【0018】
実施例2
実施例1において二酸化炭素を水蒸気に変えて、他の条件は全く同一にして厚さ0.5mmの積層体を得た。得られた積層体は370℃の耐熱性を有し、種々の外形加工に耐えれるものであった。
【0019】
実施例3
実施例1において、二酸化炭素を酸素に変えて、他の条件は全く同一にして厚さ0.5mmの積層体を得た。得られた積層体は300℃の耐熱性を有し、種々の外形加工に耐えられるものであった。
【0020】
実施例4
実施例1において、二酸化炭素をアルゴンに変えて、他の条件は全く同一にして厚さ0.5mmの積層体を得た。得られた積層体は280℃の耐熱性を有していた。
【0021】
実施例5
実施例1において、積層温度条件を230℃に変えて、他の条件は全く同一にして厚さ0.5mmの積層体を得た。得られた積層体は280℃の耐熱性を有していた。
【0022】
実施例6
実施例1において、積層圧力条件を30kg/cm2に変えて、他の条件は全く同一にして厚さ0.5mmの積層体を得た。得られた積層体は290℃の耐熱性を有していた。
【0023】
実施例7
実施例1において、片面プラズマ処理されたフィルムを用いて処理面と非処理面が接触するように積層して、他の条件は全く同一にして厚さ0.5mmの積層体を得た。得られた積層体は300℃の耐熱性を有していた。
【0024】
実施例8
実施例1において、フィルムを200枚用いて積層して、他の条件は全く同一にして厚さ10mmの積層体を得た。得られた積層体は400℃の耐熱性を有し、かつ種々の外形加工にも耐えられる成形材料であった。
【0025】
実施例9
実施例1において、カプトンENの替わりに宇部興産(株)製のポリイミドフィルム「ユーピレックスS」(厚さ50μm)を用いた以外は全く同様の条件で積層プレスして厚さ0.5mmの積層体を得た。得られた積層体は300℃の耐熱性を有していた。
【0026】
実施例10
実施例1において、8枚のプラズマ処理されたカプトンENの上下に、同条件でプラズマ処理されたユーピレックスSを1枚づつ積層して加熱プレスを行った。
得られた積層体は380℃の耐熱性を有し、種々の外形加工にも耐えられるものであった。
【0027】
比較例1
実施例1において、プラズマ処理されていないフィルムを用いた以外は全く同様にして積層プレスを行った。
得られた積層体は、手で容易に剥離できるものであった。
【0028】
比較例2
実施例1において、130℃の温度を用いた以外は全く同様にして積層プレスを行った。この場合の加熱温度は低すぎて、得られた積層体は、手で容易に剥離できるものであった。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、層間剥離強度の大きいポリイミドフィルム積層体を容易に得ることができる。このようなポリイミド積層体は、成形材としての用途の他、例えば、光導波路用基板材料、各種ライニング材料等として有利に用いることができる。

Claims (5)

  1. 非熱可塑性ポリイミドフィルムを積層接着させて形成した積層体であって、該積層体は、プラズマ表面処理された非熱可塑性ポリイミドフィルムを少なくとも2枚重ね、そのフィルム間に接着剤を介することなく熱圧着させたものからなり、該フィルム間の剥離強度が0.3kgf/cm以上であることを特徴とするポリイミドフィルム積層体。
  2. 非熱可塑性ポリイミドフィルムの両面がプラズマ表面処理されている請求項1のポリイミドフィルム積層体。
  3. 該プラズマ表面処理された非熱可塑性ポリイミドフィルムが、含酸素化合物からなる気体雰囲気下でプラズマ表面処理されたものである請求項1又は2のポリイミドフィルム積層体。
  4. 該含酸素化合物が、水蒸気又は二酸化炭素である請求項3のポリイミドフィルム積層体。
  5. 請求項1〜4のいずれかのポリイミドフィルム積層体の製造方法において、プラズマ表面処理された非熱可塑性ポリイミドフィルムを少なくとも2枚重ね、そのフィルム間に接着剤を介することなく200℃以上の温度でかつ50kg/cm以上の圧力で5分間以上加熱加圧することを特徴とするポリイミドフィルム積層体の製造方法。
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