JP3309654B2 - 改質されたポリイミドフィルムおよび積層体 - Google Patents
改質されたポリイミドフィルムおよび積層体Info
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Description
イミドフィルムに関するものである。更に詳しくは、本
発明は、耐薬品性に優れ、弾性率が高い芳香族ポリイミ
ドフィルムを、他の材料と貼り合わせた場合に大きな貼
り合わせ強度を示し、かつ他部品を実装する際の位置合
わせなどの操作が容易となるように改質してなる芳香族
ポリイミドフィルムに関するものである。
を主成分とする芳香族テトラカルボン酸成分とフェニレ
ンジアミン類を主成分とする芳香族ジアミン成分とから
なる耐熱性の優れたポリイミドフィルムについては、例
えば特公昭60−42817号公報などに記載されてい
る。このビフェニルテトラカルボン酸系のポリイミドは
極めて優れた耐熱性、機械的強度、寸法安定性などを有
しているところから、フレキシブルプリント配線銅張基
板(FPC基板)やTAB用キャリアテ−プなどの製造
に用いる支持体として適している。しかしこのポリイミ
ドフィルムは、エポキシ系や熱可塑性ポリイミド系接着
剤を介して銅箔などと接合する際に両者の接着を充分に
高くすることが出来ないという問題点がある。
報に記載されているように、シランカップリング剤をポ
リアミック酸フィルムに塗布し加熱することによってポ
リイミドフィルムの接着性を改良することも知られてい
る。また、特開昭62−60416号公報に記載されて
いるように、ポリアミック酸フィルムのベルト等の基体
からの剥離性を良くする目的でリン酸エステルのアミン
塩等を添加する方法も知られている。
と張り合わせた場合の接着強度が大きく、種々の製造工
程におけるアルカリのような薬品に対して耐性があり、
剛性が大きく製造工程での寸法精度も高く、他部品を実
装する際の位置合わせも良好である、という実用上求め
られる種々の性能をバランス良く満足するポリイミドフ
ィルムは得ることは困難であったり、高コスト化を招く
ため、エレクトロニクス業界における高品質・高精度・
高生産性といったニ−ズを満足することは困難になって
きている。
香族ポリイミドフィルムが本来有している優れた物性、
耐熱性などを高いレベルで保持したまま、引張弾性率が
大きく、耐薬品性が優れており、他の材料と張り合わせ
ても接着強度が大きく、種々の製造工程を経ても変化が
殆どなく、寸法精度が高く、他部品を実装する際の位置
合わせの良好な改質されたポリイミドフィルム及びその
積層体を提供することである。
中のリン(P)の含有率が5〜500ppmの範囲にあ
り、引張弾性率が400kg/mm2以上である、芳香
族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とからな
る芳香族ポリイミドフィルムであって、少なくとも一方
のフィルム表面が、X線光電子分光装置(VG社)でM
g KαのX線源(300W)を用いて測定した、酸素
に対する炭素の重量割合(C/O)が2.4〜3.9の
範囲の値、そして窒素に対する酸素の重量割合(O/
N)が2.9〜4.2の範囲の値となるようにプラズマ
処理されたフィルムの処理面にポリイミド系接着剤が設
けられており、スリットされている積層体にある。
ドフィルムの改質表面(プラズマ処理された表面)に
は、直接あるいは接着層を介して、同種あるいは異種の
基材が積層された形態で使用される。特に、本発明の改
質されたポリイミドフィルムのプラズマ処理された表面
にポリイミド系接着剤層を介して銅箔が積層されてなる
積層体として用いるのが有利である。
成分として、例えば2,3,3' ,4' −ビフェニルテ
トラカルボン酸成分、3,3' ,4,4' −ビフェニル
テトラカルボン酸成分などのビフェニルテトラカルボン
酸類成分を、全テトラカルボン酸成分に対して30モル
%以上、特に50モル%以上、そのなかでも特に60モ
ル%以上含有する芳香族テトラカルボン酸成分が好適に
挙げられる。また、芳香族テトラカルボン酸成分とし
て、3,3' ,4,4' −ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸成分、ピロメリット酸成分、ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)メタン成分、2,2,−ビス(3,4
−ジカルボキシフェニル)プロパン成分、ビス(3,4
−ジカルボキシフェニル)スルホンなどをビフェニルテ
トラカルボン酸類成分と組み合わせてもよい。例えば、
3,3' ,4,4' −ビフェニルテトラカルボン酸成分
とピロメリット酸成分との組合せが好適である。全芳香
族テトラカルボン酸成分中のビフェニルテトラカルボン
酸類成分の割合が多くなると、ポリイミドフィルムの弾
性率、耐薬品などの点において優れているので最適であ
る。逆に全芳香族テトラカルボン酸成分中のビフェニル
テトラカルボン酸類成分の割合が少なくなると、ポリイ
ミドフィルムの弾性率、耐薬品などの点が低下する傾向
にある。
て、例えばm−またはp−フェニレンジアミン成分、
3,5−ジアミノトルエン成分、2,5−ジアミノトル
エン成分などのフェニレンジアミン類成分を、全芳香族
ジアミン成分に対して、50モル%以上、特に60モル
%以上、そのなかでも特に70モル%以上含有する芳香
族ジアミン成分が好適に挙げられる。この発明では、芳
香族ジアミン成分として、p−フェニレンジアミン成分
を60モル%以上、特に70モル%以上含有する芳香族
ジアミン成分が好適に挙げられる。芳香族ジアミン類成
分として4,4'−ジアミノジフェニルエ−テル成分、
3,4' −ジアミノジフェニルエ−テル成分、3,3'
−ジアミノジフェニルエ−テル成分などのジアミノジフ
ェニルエ−テル類成分、4,4' −ジアミノジフェニル
メタン成分、4,4' −ジアミノジフェニルプロパン成
分、4,4' −ジアミノジフェニルスルホン成分、4,
4'−ジアミノジフェニルスルフィド成分などをフェニ
レンジアミン類成分と組み合わせてもよい。これらの組
合せの中でも、4,4' −ジアミノジフェニルエ−テル
成分などのジアミノジフェニルエ−テル類成分とフェニ
レンジアミン類成分が好適である。特に、2種類の芳香
族ジアミン成分の組合せでは、p−フェニレンジアミン
成分と4,4' −ジアミノジフェニルエ−テルとの組合
せが好適である。この組合せの場合も各成分の割合はp
−フェニレンジアミンが50モル%以上であることが特
に好ましい。全芳香族ジアミン成分中のフェニレンジア
ミン類成分の割合が多くなるとポリイミドフィルムの耐
熱性、前記機械的物性が優れているので好適である。逆
にこの割合が少なくなると、ポリイミドフィルムの耐熱
性、機械的物性が低下する傾向にある。
芳香族テトラカルボン酸成分の30モル%以上、特に5
0モル%以上、その中でも特に60モル%以上がビフェ
ニルテトラカルボン酸成分であり、芳香族ジアミン成分
の50モル%以上、特に60モル%以上がフェニレンジ
アミン成分であるポリイミドが好ましい。また、このよ
うなポリイミドフィルムは各元素の重量割合がC(炭
素)/O(酸素)(Oに対するCの割合、以下同じ)が
4.0〜 5.7特に4.1〜5.6であり、O/N
(Nに対するOの割合)が1.8〜2.6、特に1.9
〜2.5となり、この範囲内で適宜選択することが好ま
しい。なお、このポリイミドフィルムの上記各元素の重
量割合は全フィルム中の各元素の重量割合と実質的に等
しい。
イミドフイルムの引張弾性率が小さくなり、C/Oが前
記上限より大きいとポリイミドフィルムの柔軟性が低下
する傾向があり好ましくない。また前記のO/Nが前記
下限より小さいとポリイミドフィルムの柔軟性が低下
し、O/Nが前記上限より大きいとポリイミドフィルム
の引張弾性率が小さくなるので好ましくない。
ルムの片面あるいは両面における各元素の重量割合がC
(炭素)/O(酸素)が2.4〜3.9、好ましくは
2.5〜3.8、特に好ましくは2.6〜3.7であ
り、O(酸素)/N(窒素)が2.9〜4.2、好まし
くは3.0〜4.1、特に好ましくは3.1〜4.0で
あり、全フィルム中のP(リン)の含有率が5〜500
ppm(重量割合)、好ましくは10〜400ppm、
特に好ましくは15〜300ppmであることが必要で
ある。
イミドフイルムの引張弾性率が小さくなり、C/Oが前
記上限より大きいとポリイミドフィルムの伸びが小さく
なるので適当ではない。前記のO/Nが前記下限より小
さいとポリイミドフィルムの伸びが小さくなり、O/N
が前記上限より大きいとポリイミドフィルムの引張弾性
率が小さくなるので適当ではない。また全ポリイミドフ
ィルム中のPの含有率が前記下限より少ないと効果な
く、前記上限より多いとポリイミドフィルムの物性、特
に伸びが低下するので好ましくない。
内にすることが必要であり、これによって引張弾性率が
400kg/mm2 以上であり、接着性が実用的なレベ
ルで充分大きく、実用的なレベルで充分な成形性を有
し、耐薬品性が優れている改質されたポリイミドフイル
ムを得ることができるのである。
有機極性溶媒中にリン含有化合物、好適にはリン酸エス
テルおよび/またはリン酸エステルのアミン塩と、芳香
族酸二無水物と芳香族ジアミンとから得られる芳香族ポ
リアミック酸とを含むポリアミック酸溶液から化学変換
の方法によって、あるいは熱変換の方法によってポリア
ミック酸をイミド化することによって得ることができ
る。好適には、前記芳香族ポリアミック酸(その20%
以下がイミド化されていてもよい)溶液を基体上にフィ
ルム状に流延し、加熱して自己支持性フィルムを形成
し、この自己支持性フィルムを加熱してイミド化と溶媒
除去とを完了させ、このフィルムの表面を、好適にはプ
ラズマ処理などにより放電処理してフィルム表面のC/
O、O/Nの含有率、全フイルム中のPの含有率を前記
の範囲内にすることによってこの発明の改質されたポリ
イミドフィルムを得ることができる。この発明の改質さ
れたポリイミドフィルムには無機充填剤などを添加する
ことができる。
アミック酸(このポリアミック酸は20%以下がイミド
化されていてもよい)を約2〜50重量%、特に5〜4
0重量%程度の濃度で均一に溶解することができる有機
極性溶媒であればよく、例えば、N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジ
メチルメトキシアセトアミドなどのN,N−ジ低級アル
キルカルボキシルアミド類、N−メチル−2−ピロリド
ン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホンなどの有
機極性溶媒を挙げることができる。
モノカプロイルリン酸エステル、モノオクチルリン酸エ
ステル、モノラウリルリン酸エステル、モノミリスチル
リン酸エステル、モノセチルリン酸エステル、モノステ
アリルリン酸エステル、トリエチレングリコ−ルモノト
リデシルエ−テルのモノリン酸エステル、テトラエチレ
ングリコ−ルモノラウリルエ−テルのモノリン酸エステ
ル、ジエチレングリコ−ルモノステアリルエ−テルのモ
ノリン酸エステル、ジカプロイルリン酸エステル、ジオ
クチルリン酸エステル、ジカプリルリン酸エステル、ジ
ラウリルリン酸エステル、ジミリスチルリン酸エステ
ル、ジセチルリン酸エステル、ジステアリルリン酸エス
テル、テトラエチレングリコ−ルモノネオペンチルエ−
テルのジリン酸エステル、トリエチレングリコ−ルモノ
トリデシルエ−テルのジリン酸エステル、テトラエチレ
ングリコ−ルモノラウリルエ−テルのジリン酸エステ
ル、ジエチレングリコ−ルモノステアリルエ−テルのジ
リン酸エステル等のリン酸エステルやこれらリン酸エス
テルのアミン塩が挙げられる。前記アミンとしてはアン
モニア、モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノプ
ロピルアミン、モノブチルアミン、ジメチルアミン、ジ
エチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ト
リメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミ
ン、トリブチルアミン、モノエタノ−ルアミン、ジエタ
ノ−ルアミン、トリエタノ−ルアミン等がある。
述の芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分
とから低温での重合で得られたイミド化率が20%以下
のビフェニルテトラカルボン酸系のポリイミド前駆体で
あると共に、対数粘度(測定温度:30℃、濃度:0.
5g/100ml溶液、溶媒:N−メチル−2−ピロリ
ドン)が0.1〜7、特に0.2〜5程度であり、有機
極性溶媒に約2〜50重量%の濃度、特に5〜40重量
%にまで均一に溶解できるポリマ−であることが好まし
い。前記の対数粘度は次式によって算出された値であ
る。 対数粘度=自然対数(溶液粘度/溶媒粘度)/溶液の濃
度
ム(70%以下がイミド化していても良い)は、前記芳
香族ポリアミック酸100重量部と、有機極性溶媒5〜
150重量部、好ましくは10〜120重量部、特に好
ましくは20〜100重量部と、ポリアミック酸重合体
100重量部に対して好ましくは0.01〜1重量部、
特に0.02〜0.8重量部のリン酸エステルおよび/
またはリン酸エステルのアミン塩とを含有している芳香
族ポリアミック酸組成物からなる柔軟で自己支持性フィ
ルムであり、特に長尺の固化フィルムであることが好ま
しい。
ムは、例えば、前述の芳香族テトラカルボン酸成分と芳
香族ジアミン成分との略等モル(各成分の添加順序には
特に制限はなく、最初から略等モルを添加してもよく、
何段階かに分けて添加してもよい。)を、前記有機極性
溶媒中、約100℃以下の低い温度で、特に好ましくは
0〜80℃の温度で約0.1〜10時間、重合して得ら
れた高分子量の芳香族ポリアミック酸(芳香族ポリイミ
ド前駆体)が、有機極性溶媒に約2〜50重量%の濃度
で均一に溶解している芳香族ポリアミック酸溶液に、前
述のリン含有化合物を加えて溶解させて得られた組成物
を、製膜用ド−プ液として使用して好ましくは約150
℃以下の流延温度、特に好ましくは0〜120℃程度の
流延温度で支持体面上に液状の薄膜を形成し、その薄膜
を支持体上で好ましくは約150℃以下の乾燥温度、特
に好ましくは20〜140℃程度の乾燥温度で、好まし
くは約0.1〜1時間乾燥する溶液流延法などの製膜法
で形成される自己支持性の固化フィルムが好適に使用で
きる。
フィルムは、例えば、前述の高分子量の芳香族ポリアミ
ック酸(芳香族ポリイミド前駆体)が、有機極性溶媒に
約2〜50重量%の濃度で均一に溶解している芳香族ポ
リアミック酸溶液に、ピリジン、ベ−タピコリンなどの
第3アミン化合物や無水酢酸のような酸無水物などの化
学変換剤、および前述のリン含有化合物を加えて溶解さ
せて得られた(これら各成分の添加順序には特に制限は
なく、組成物の安定性等から適宜選択すればよい)組成
物を、製膜用ド−プ液として使用して好ましくは約0〜
150℃の流延温度、特に好ましくは5〜120℃程度
の流延温度で支持体面上に液状の薄膜を形成し、その薄
膜を支持体上で好ましくは約150℃以下の乾燥温度、
特に好ましくは20〜140℃程度の乾燥温度で、好ま
しくは約0.1〜1時間乾燥する溶液流延法などの製膜
法で形成される自己支持性の固化フィルムが好適に使用
できる。
酸、あるいはその一部がイミド化されたポリアミック
酸)を加熱してフィルムを形成しているポリアミック酸
をイミド化する。前記自己支持性フィルムはポリアミッ
ク酸をイミド化率90%以上に、特に実質的にアミド−
酸結合の存在しないように加熱処理してイミド化すると
ともに、該フィルムから前記溶媒などの揮発成分を蒸発
し除去する乾燥を行うことによってポリイミドフィルム
とすることが好ましい。
0℃での温度においてポリマ−のイミド化および溶媒の
蒸発・除去を約0.1〜5時間、特に0.2〜3時間で
徐々に行うことが好ましい。特に、加熱処理を約100
〜170℃の比較的低い温度で約1〜30分間第一次加
熱処理し、次いで170〜220℃の温度で約1〜30
分間第二次加熱処理し、そして220〜400℃の高温
で約1〜30分間第三次加熱処理するように段階的に行
うことが好ましい。また、自己支持性フィルムは加熱時
に、好適には自己支持体表面から剥離後、100g/mm
2 以下の低張力下に約80〜250℃で乾燥して溶媒及
び生成水を約5〜25重量%の範囲に含む固化フィルム
を形成後、フィルムの両端を固定して加熱してもよい。
250℃以上の連続加熱処理においては、ピンテンタ
−、クリップ、枠などで少なくとも長尺のフィルムの長
手方向に直角の方向の両端を固定して行うことが好まし
い。前記加熱に加えて400〜600℃の高い温度で第
四次高温加熱してもよい。
は、フィルムの少なくとも片面を、好適には、プラズマ
処理することによりC/O、O/Nを特定の範囲内にす
ることが必要である。前記プラズマ処理は、フィルム表
面を処理せずあるいはアセトン、イソプロピルアルコ−
ル、エチルアルコ−ルなどの有機溶媒で処理した後行っ
てもよい。
に限定されないが、0.1〜1000Torrの範囲が
好ましい。前記プラズマ処理を行う雰囲気のガス組成と
しては、特に限定されないが酸素を含有することが好ま
しい。また、希ガスを少なくとも20モル%含有してい
てもよい。希ガスとしてはHe、Ne、Ar、Xeなど
が挙げられるが、Arが好ましい。希ガスにCO2 、N
2 などを混合して使用してもよい。前記プラズマ処理を
行うプラズマ照射時間は1秒〜10分が好ましい。
イミドフィルムの表面の元素比率の分析は、たとえば、
特開昭63−61030号公報(特公平5−88851
号公報)に記載されているように、XPS(X線光電子
分光法)を利用して実施することができる。具体的に
は、X線光電子分光装置(VG社、ESCA・LAB・
X型)にてMg−KαのX線源(300W)を用い、2
mm×3mmのフィルムの表面に存在する元素をESC
A法によって分析する方法を利用して求めることができ
る。また、全フィルム中のリン(P)の含有量は、ポリ
イミドフィルムを酸化亜鉛と一緒に燃焼灰化させ、希硫
酸で溶解後、モリブデン酸アンモニウム、亜流酸ソー
ダ、ハイドロキノンを加え、分光光度計で吸光度(波長
655nm)を測定することにより求めることができ
る。
イミドフィルムにスパッタリングのような方法で直接あ
るいは接着剤を介してポリイミドフィルムの様な同種あ
るいは銅のような異種の基材を積層することによって得
ることができる。
明の改質されたポリイミドフィルムの上(前記特定のC
/O、O/Nの割合を有する表面上)に接着剤を塗布、
乾燥し、銅箔を張り合わせる方法、あるいは前記改質さ
れたポリイミドフィルムの片面あるいは両面(改質面)
に耐熱性接着剤、例えば熱可塑性ポリイミドの溶液、あ
るいはその前駆体であるポリアミック酸の溶液を塗布、
乾燥、加熱した耐熱性接着剤付きポリイミドフィルム
や、この改質されたポリイミドフィルムの改質面に直接
金属(銅、クロム、ニッケル等)を蒸着、スパッタで直
接付着し、その上にさらに金属(例えば銅)を電解また
は無電解メッキで付着させた2層基板にすることができ
る。
AB、LOC(リ−ド・オン・チップ)等に好適に使用
することができる。
において部は重量部を示す。
3' ,4,4' −ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
294.22部とP−フェニレンジアミン108.14
部を加え約10時間反応させてポリアミック酸溶液を得
た。このポリアミック酸の対数粘度は2.66であり、
溶液の30℃の粘度は3100ポイズであった。
3' ,4,4' −ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
294.22部と4,4' −ジアミノジフェニルエ−テ
ル200.24部を加え室温で約10時間反応させてポ
リアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液の対
数粘度は2.71はであり、溶液の30℃の粘度は26
00ポイズであった。
−ジアミノジフェニルエ−テル200.24部を添加
後、ピロメリット酸二無水物218.14部を加え約6
時間反応させてポリアミック酸溶液を得た。このポリア
ミック酸溶液の対数粘度は1.60であり、溶液の30
℃の粘度は300ポイズであった。
4,4' −ビフェニテトラカルボン酸二無水物147.
2部、ピロメリット酸二無水物100.1部、パラフェ
ニレンジアミン75.7部、4,4' −ジアミノジフェ
ニルエ−テル60.6部を加え約6時間反応させてポリ
アミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液の対数
粘度(30℃、0.5g/100ml N−メチル−2
−ピロリドン)は2.51であり、溶液の30℃の粘度
は2900ポイズであった。
ク酸100部に対する割合でモノステアリルリン酸エス
テルトリエタノ−ルアミン塩0.1部を加え、室温で6
時間攪拌してポリアミック酸組成物を得た。この組成物
をステンレスベルト上に流延塗布し、120℃で20分
間乾燥したのち、ステンレスベルト面より剥がし自己支
持性フィルムを得た。剥離はスム−ズであった。
5分間加熱し、次いで200℃に昇温してその温度で7
分間加熱し、さらに250℃に昇温し、その温度で9分
間加熱し、最後に450℃にまで昇温し、その温度で7
分間熱処理して、ポリマ−のイミド化およびフィルムの
乾燥を行って厚さ75μmのポリイミドフィルムを製造
した。このフィルムのC/Oは5.5で、O/Nは2.
0であった(柳本製作所、元素分析計:MT−3型使
用)。
浸漬・乾燥後、プラズマ照射時間1分、マイクロ波発振
出力1kw、プラズマ発生真空度0.8Torr、プラ
ズマ処理ガスが酸素の条件でプラズマ処理を行って、改
質されたポリイミドフィルムを得た。上記改質されたポ
リイミドフィルムの表面のC/O、O/N、フィルム中
のPの含有率を表1に示す。また、この改質されたポリ
イミドフィルム全体のC/O、O/Nを測定したとこ
ろ、改質前のポリイミドフィルムのそれぞれの値と一致
した。
製、ハイソ−ル:LOL.No.OX−035)を厚さ
35μmの電解銅箔上に塗布し、120℃で30分間加
熱乾燥して接着剤層(厚さ200μm)を形成した。次
に、この電解銅箔上の接着剤層に上記芳香族ポリイミド
フィルムを、接着剤層とプラズマ処理した面とが接する
ように重合わせた後、170℃、40kg/cm2 で5
分間プレスして積層体を形成した。そして、この積層体
を180℃で60分間乾燥した後13時間放置して、銅
箔層とポリイミドフィルム層との間のT−剥離試験(A
STM−D−1876)と180度剥離試験(ASTM
−D−903)とを行って評価した。
持性フィルムの製造時にステンレスベルト面に接してい
た側の表面)が1.5kg/cm、F面(流延による自
己支持性フィルムの製造時にステンレスベルト面に接し
ていなかった側の表面)が1.3であり180度剥離強
度は、B面が3.5kg/cmでF面が2.9kg/c
mであった。また、このフィルムの引張弾性率が780
kg/mm2 、10%NaOH水溶液に60℃で1時間
浸漬してもほとんど変化なく形状を保持していた。
ク酸100部に対する割合でモノステアリルリン酸エス
テルトリエタノ−ルアミン塩0.1部を加え、室温で6
時間攪拌してポリアミック酸組成物を得た。この組成物
をステンレスベルト上に流延塗布し、120℃で10分
間乾燥したのち、ステンレスベルト面より剥がし自己支
持性フィルムを得た。剥離はスム−ズであった。得られ
た自己支持性フィルムから実施例1と同様にして厚さ7
5μの改質されたポリイミドフィルムを製造した。この
フィルムのC/Oは4.1、O/Nは2.3であった。
して実施例1と同様にしてエポキシ系接着剤と張り合わ
せた。T−剥離強度は、B面が1.6kg/cm、F面
が1.5kg/cmであり、180度剥離強度は、B面
が3.1kg/cmでF面が3.0kg/cmであっ
た。上記改質されたポリイミドフィルムの表面のC/
O、O/N、フィルム中のPの含有率を表1に示す。ま
た、このフィルムの引張弾性率は580kg/mm
2 で,10%NaOH水溶液に60℃で1時間浸漬して
もほとんど変化なく形状保持していた。
ズマ処理を行わない他は実施例1と同様にしてポリイミ
ドフィルムを製造した。このポリイミドフィルムを使用
して実施例1と同様にしてエポキシ系接着剤と張り合わ
せた。接着性を評価した結果、T−剥離強度は、B面が
0.03kg/cm、F面が0.02kg/cmであ
り、180度剥離強度は、B面が0.3kg/cmでF
面が0.1kg/cmであった。上記改質されたポリイ
ミドフィルムの表面のC/O、O/N、フィルム中のP
の含有率を表1に示す。また、このフィルムの引張弾性
率は780kg/mm2 で,10%NaOH水溶液に6
0℃で1時間浸漬してもほとんど変化なく形状保持して
いた。
実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを製造した。
このフィルムのC/Oは4.2で、O/Nは2.9であ
った。このポリイミドフィルムから実施例1と同様にし
て改質されたポリイミドフィルムを得た。この改質され
たポリイミドフィルムを使用して実施例1と同様にして
エポキシ系接着剤と張り合わせた。接着性を評価した結
果、T−剥離強度は、B面が1.4kg/cm、F面が
1.5kgであり、180度剥離強度は、B面が2.2
kg/cmでF面が2.6kg/cmであった。上記改
質されたポリイミドフィルムの表面のC/O、O/N、
フィルム中のPの含有率を表1に示す。また、このフィ
ルムの引張弾性率は380kg/mm2 ,10%NaO
H水溶液に60℃で1時間浸漬してもほとんど変化なく
形状保持していた。
実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを製造した。
このフィルムのC/Oは3.3で、O/Nは2.9であ
った。このポリイミドフィルムから実施例1と同様にし
て改質されたポリイミドフィルムを得た。この改質され
たポリイミドフィルムを使用して実施例1と同様にして
エポキ系接着剤と張り合わせた。接着性を評価した結
果、T−剥離強度は、B面が1.6 kg/cm、F面
が1.6kg/cmであり、180度剥離強度は、B面
が3.1kg/cmでF面が2.9kg/cmであっ
た。上記改質されたポリイミドフィルムの表面のC/
O、O/N、フィルム中のPの含有率を表1に示す。ま
た、このフィルムの引張弾性率は310kg/mm2 ,
10%NaOH水溶液に60℃で1時間浸漬するとフィ
ルムは溶解していた。
ステアリルリン酸エステルトリエタノ−ルアミン塩を添
加しないで、ステンレスベルト上に流延塗布して、12
0℃で10分間乾燥したのち、ステンレスベルト面より
剥がそうとしたが、剥離が困難でフィルムが切断した
り、剥離面にも剥離痕が付いたりし、良好なフィルムを
製造することができなかった。
に、あるいは5分間(実施例4)に変えてC/O、O/
Nの割合を表1のように変えたか、モノステアリルリン
酸エステルトリエタノ−ルアミン塩を0.025部(実
施例5)に変えたか、モノステアリルリン酸エステルト
リエタノ−ルアミン塩を0.5部(実施例6)に変えた
か、モノステアリルリン酸エステルトリエタノ−ルアミ
ン塩に変えて、ジオクチルリン酸エステルモノエタノ−
ルアミン塩を0.1部用いた(実施例7)か、トリエチ
レングリコ−ルモノトリデシルエ−テルのモノリン酸エ
ステルを0.1部用いた(実施例8)他は実施例1と同
様に実施した。結果をまとめて表1に示す。
をスリットし、35mm幅のテ−プを作製し、その上に
26mm幅のポリイミド系の接着剤テ−プ(宇部興産
(株)製、UPA−322)をポリイミドテ−プの改質
面上にその中心線が重なるようにラミネ−トして接着剤
付きテ−プ(厚さ95μm)を作製した。この接着剤付
きポリイミドテ−プのポリイミド上にスプロケット穴や
デバイスホ−ルをパンチングで開け、銅箔(35μ)を
130℃で張り合わせ、接着剤を硬化させた。その銅箔
に常法によるパタ−ンニング・エッチングによりIL
(インナ−リ−ド)やOL(アウタ−リ−ド)等の回路
を形成しTAB用キャリア−テ−プを作製した。このT
AB用キャリア−テ−プにICを実装した所、ICのパ
ッドとILの寸法精度にほとんど狂いがなく、正確にボ
ンディングすることができた。
プリント基板の上に実装したところプリント基板の回路
とTABのOLとの寸法の狂いが小さく、正確にボンデ
ィングできた。
を用いた他は上記と同様にしてTAB用キャリア−テ−
プを作製した。このTAB用キャリア−テ−プにICを
実装した所、ICのパッドとILの寸法は大幅に狂い、
正確にボンディングすることができず使用不可であっ
た。
ているので、以下に記載のような効果を奏する。
弾性率が400kg/mm2 以上であり、耐薬品性に優
れ、他の材料と張り合わせても接着強度が大きく、種々
の製造工程を経ても変化なく、製造工程での寸法精度も
高く、他部品を実装する際の位置合わせが良好である。
少なくとも一方のフィルム表面がプラズマ処理されてい
るものは、引張弾性率が400kg/mm2 以上であ
り、耐薬品性に優れ、他の材料と張り合わせても接着強
度が大きく、種々の製造工程を経ても変化なく、製造工
程での寸法精度も高く、他部品を実装する際の位置合わ
せが良好であり、安定的に一定した品質で得られる。
ポリマ−成分が30モル%以上のビフェニルテトラカル
ボン酸成分と50モル%以上のフェニレンジアミン成分
とからなるものは、引張弾性率が400kg/mm2 以
上であり、耐薬品性に優れ、他の材料と張り合わせても
接着強度が大きく、種々の製造工程を経ても変化がな
く、製造工程での寸法精度も高く、他部品を実装する際
の位置合わせが良好であり、安定的に一定した品質で大
量に、工業的に得ることができる。
た積層体は、接着強度が大きく、種々の製造工程を経て
も変化なく、製造工程での寸法精度も高く、他部品を実
装する際の位置合わせが良好である。
Claims (3)
- 【請求項1】 全フィルム中のリン(P)の含有率が5
〜500ppmの範囲にあり、引張弾性率が400kg
/mm2以上である、芳香族テトラカルボン酸成分と芳
香族ジアミン成分とからなる芳香族ポリイミドフィルム
であって、少なくとも一方のフィルム表面が、X線光電
子分光装置(VG社)でMg KαのX線源(300
W)を用いて測定した、酸素に対する炭素の重量割合
(C/O)が2.4〜3.9の範囲の値、そして窒素に
対する酸素の重量割合(O/N)が2.9〜4.2の範
囲の値となるようにプラズマ処理されたフィルムの処理
面にポリイミド系接着剤が設けられており、スリットさ
れている積層体。 - 【請求項2】 全フィルム中の酸素に対する炭素の重量
割合(C/O)が4.0〜5.7の範囲の値であり、同
じく全フィルム中の窒素に対する酸素の重量割合(O/
N)が1.8〜2.6の範囲の値にある請求項1に記載
の積層体。 - 【請求項3】 請求項1に記載の積層体にポリイミド系
接着剤を介して銅箔が積層されてなる積層体。
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-
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