JPH08283411A - 改質されたポリイミドフィルムおよび積層体 - Google Patents
改質されたポリイミドフィルムおよび積層体Info
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- JPH08283411A JPH08283411A JP8903595A JP8903595A JPH08283411A JP H08283411 A JPH08283411 A JP H08283411A JP 8903595 A JP8903595 A JP 8903595A JP 8903595 A JP8903595 A JP 8903595A JP H08283411 A JPH08283411 A JP H08283411A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ポリイミドフィルムの物性を低下させずに接
着性を改良する。 【構成】 芳香族ポリイミドフィルムにおいて引張弾性
率が400Kg/mm2以上であり、少なくとも一方の
フィルム表面がエキシマレ−ザ−照射されてC/Nが1
2〜20であり、フィルム中のPの含有率を5〜500
ppmとする。
着性を改良する。 【構成】 芳香族ポリイミドフィルムにおいて引張弾性
率が400Kg/mm2以上であり、少なくとも一方の
フィルム表面がエキシマレ−ザ−照射されてC/Nが1
2〜20であり、フィルム中のPの含有率を5〜500
ppmとする。
Description
【0001】この発明は、改質されたポリイミドフィル
ムに関するものである。更に詳しくは、高い接着性が付
与され、耐薬品性に優れ、弾性率が高く、他の材料と張
り合わせても接着強度が大きく、種々の製造工程におけ
るアルカリなどの薬品に対して耐性があり、剛性が高い
ので製造工程での寸法精度も高く、他部品を実装する際
の位置合わせの良好な改質されたポリイミドフィルムに
関するものである。
ムに関するものである。更に詳しくは、高い接着性が付
与され、耐薬品性に優れ、弾性率が高く、他の材料と張
り合わせても接着強度が大きく、種々の製造工程におけ
るアルカリなどの薬品に対して耐性があり、剛性が高い
ので製造工程での寸法精度も高く、他部品を実装する際
の位置合わせの良好な改質されたポリイミドフィルムに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ビフェニルテトラカルボン酸成分
を主成分とする芳香族テトラカルボン酸成分とフェニレ
ンジアミン類を主成分とする芳香族ジアミン成分とから
なる耐熱性の優れたポリイミドフィルムについては、例
えば特公昭60−42817号公報などに記載されてい
る。このビフェニルテトラカルボン酸系のポリイミドは
極めて優れた耐熱性、機械的強度、寸法安定性などを有
しているところから、フレキシブルプリント配線銅張基
板(FPC基板)やTAB用キャリアテ−プなどの製造
に用いる支持体として適している。しかしこのポリイミ
ドフィルムは、エポキシ系や熱可塑性ポリイミド系接着
剤を介して銅箔などと接合する際に両者の接着を充分に
高くすることが出来ないという問題点がある。
を主成分とする芳香族テトラカルボン酸成分とフェニレ
ンジアミン類を主成分とする芳香族ジアミン成分とから
なる耐熱性の優れたポリイミドフィルムについては、例
えば特公昭60−42817号公報などに記載されてい
る。このビフェニルテトラカルボン酸系のポリイミドは
極めて優れた耐熱性、機械的強度、寸法安定性などを有
しているところから、フレキシブルプリント配線銅張基
板(FPC基板)やTAB用キャリアテ−プなどの製造
に用いる支持体として適している。しかしこのポリイミ
ドフィルムは、エポキシ系や熱可塑性ポリイミド系接着
剤を介して銅箔などと接合する際に両者の接着を充分に
高くすることが出来ないという問題点がある。
【0003】このため、特開昭62−267330号公
報に記載されているように、シランカップリング剤をポ
リアミック酸フィルムに塗布し加熱することによってポ
リイミドフィルムの接着性を改良することも知られてい
る。また、特開昭62−60416号公報に記載されて
いるように、ポリアミック酸フィルムのベルト等の基体
からの剥離性を良くする目的でリン酸エステルのアミン
塩等を添加する方法も知られている。
報に記載されているように、シランカップリング剤をポ
リアミック酸フィルムに塗布し加熱することによってポ
リイミドフィルムの接着性を改良することも知られてい
る。また、特開昭62−60416号公報に記載されて
いるように、ポリアミック酸フィルムのベルト等の基体
からの剥離性を良くする目的でリン酸エステルのアミン
塩等を添加する方法も知られている。
【0004】しかし、これらの公知技術では、他の材料
と張り合わせた場合の接着強度が大きく、種々の製造工
程におけるアルカリのような薬品に対して耐性があり、
剛性が大きく製造工程での寸法精度も高く、他部品を実
装する際の位置合わせも良好である、という実用上求め
られる種々の性能をバランス良く満足するポリイミドフ
ィルムは得ることは困難であったり、高コスト化を招く
ため、エレクトロニクス業界における高品質・高精度・
高生産性といったニ−ズを満足することは困難になって
きている。
と張り合わせた場合の接着強度が大きく、種々の製造工
程におけるアルカリのような薬品に対して耐性があり、
剛性が大きく製造工程での寸法精度も高く、他部品を実
装する際の位置合わせも良好である、という実用上求め
られる種々の性能をバランス良く満足するポリイミドフ
ィルムは得ることは困難であったり、高コスト化を招く
ため、エレクトロニクス業界における高品質・高精度・
高生産性といったニ−ズを満足することは困難になって
きている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、芳
香族ポリイミドフィルムが本来有している優れた物性、
耐熱性などを高いレベルで保持したまま、耐薬品性が優
れており、他の材料と張り合わせても接着強度が大き
く、種々の製造工程を経ても変化が殆どなく、寸法精度
が高く、他部品を実装する際の位置合わせの良好な改質
されたポリイミドフィルム及びその積層体を提供するこ
とである。
香族ポリイミドフィルムが本来有している優れた物性、
耐熱性などを高いレベルで保持したまま、耐薬品性が優
れており、他の材料と張り合わせても接着強度が大き
く、種々の製造工程を経ても変化が殆どなく、寸法精度
が高く、他部品を実装する際の位置合わせの良好な改質
されたポリイミドフィルム及びその積層体を提供するこ
とである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわちこの発明は、ポ
リマ−が芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン
成分とからなり引張弾性率が400Kg/mm2 以上の
フィルムであって、少なくとも一方のフィルム表面がエ
キシマレ−ザ−照射することによって各元素の重量割合
がC/Nが12〜20であり、かつ全フィルム中のPの
含有率が5〜500ppmであることを特徴とする改質
されたポリイミドフィルムに関するものである。
リマ−が芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン
成分とからなり引張弾性率が400Kg/mm2 以上の
フィルムであって、少なくとも一方のフィルム表面がエ
キシマレ−ザ−照射することによって各元素の重量割合
がC/Nが12〜20であり、かつ全フィルム中のPの
含有率が5〜500ppmであることを特徴とする改質
されたポリイミドフィルムに関するものである。
【0007】またこの発明は、ポリマ−が芳香族テトラ
カルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とからなり引張弾
性率が400Kg/mm2 以上のフィルムであって、少
なくとも一方のフィルム表面がエキシマレ−ザ−照射す
ることによって各元素の重量割合がC/Nが12〜20
であり、かつ全フィルム中のPの含有率が5〜500p
pmである改質されたポリイミドフィルムに、直接ある
いは接着剤を介して同種あるいは異種の基材が積層され
ていることを特徴とする積層体に関するものである。
カルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とからなり引張弾
性率が400Kg/mm2 以上のフィルムであって、少
なくとも一方のフィルム表面がエキシマレ−ザ−照射す
ることによって各元素の重量割合がC/Nが12〜20
であり、かつ全フィルム中のPの含有率が5〜500p
pmである改質されたポリイミドフィルムに、直接ある
いは接着剤を介して同種あるいは異種の基材が積層され
ていることを特徴とする積層体に関するものである。
【0008】この発明における芳香族テトラカルボン酸
成分として、例えば2,3,3' ,4' −ビフェニルテ
トラカルボン酸成分、3,3' ,4,4' −ビフェニル
テトラカルボン酸成分などのビフェニルテトラカルボン
酸類成分を、全テトラカルボン酸成分に対して30モル
%以上、特に50モル%以上、そのなかでも特に60モ
ル%以上含有する芳香族テトラカルボン酸成分が好適に
挙げられる。また、芳香族テトラカルボン酸成分とし
て、3,3' ,4,4' −ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸成分、ピロメリット酸成分、ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)メタン成分、2,2−ビス(3,4−
ジカルボキシフェニル)プロパン成分、ビス(3,4−
ジカルボキシフェニル)スルホンなどをビフェニルテト
ラカルボン酸類成分と組み合わせてもよい。例えば、
3,3' ,4,4' −ビフェニルテトラカルボン酸成分
とピロメリット酸成分との組合せが好適である。全芳香
族テトラカルボン酸成分中のビフェニルテトラカルボン
酸類成分の割合が多くなると、ポリイミドフィルムの弾
性率、耐薬品などの点において優れているので最適であ
る。逆に全芳香族テトラカルボン酸成分中のビフェニル
テトラカルボン酸類成分の割合が少なくなると、ポリイ
ミドフィルムの弾性率、耐薬品などの点が低下する傾向
にある。
成分として、例えば2,3,3' ,4' −ビフェニルテ
トラカルボン酸成分、3,3' ,4,4' −ビフェニル
テトラカルボン酸成分などのビフェニルテトラカルボン
酸類成分を、全テトラカルボン酸成分に対して30モル
%以上、特に50モル%以上、そのなかでも特に60モ
ル%以上含有する芳香族テトラカルボン酸成分が好適に
挙げられる。また、芳香族テトラカルボン酸成分とし
て、3,3' ,4,4' −ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸成分、ピロメリット酸成分、ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)メタン成分、2,2−ビス(3,4−
ジカルボキシフェニル)プロパン成分、ビス(3,4−
ジカルボキシフェニル)スルホンなどをビフェニルテト
ラカルボン酸類成分と組み合わせてもよい。例えば、
3,3' ,4,4' −ビフェニルテトラカルボン酸成分
とピロメリット酸成分との組合せが好適である。全芳香
族テトラカルボン酸成分中のビフェニルテトラカルボン
酸類成分の割合が多くなると、ポリイミドフィルムの弾
性率、耐薬品などの点において優れているので最適であ
る。逆に全芳香族テトラカルボン酸成分中のビフェニル
テトラカルボン酸類成分の割合が少なくなると、ポリイ
ミドフィルムの弾性率、耐薬品などの点が低下する傾向
にある。
【0009】この発明における芳香族ジアミン成分とし
て、例えばm−またはp−フェニレンジアミン成分、
3,5−ジアミノトルエン成分、2,5−ジアミノトル
エン成分などのフェニレンジアミン類成分を、全芳香族
ジアミン成分に対して、50モル%以上、特に60モル
%以上、そのなかでも特に70モル%以上含有する芳香
族ジアミン成分が好適に挙げられる。この発明では、芳
香族ジアミン成分として、p−フェニレンジアミン成分
を60モル%以上、特に70モル%以上含有する芳香族
ジアミン成分が好適に挙げられる。芳香族ジアミン類成
分として4,4'−ジアミノジフェニルエ−テル成分、
3,4' −ジアミノジフェニルエ−テル成分、3,3'
−ジアミノジフェニルエ−テル成分などのジアミノジフ
ェニルエ−テル類成分、4,4' −ジアミノジフェニル
メタン成分、4,4' −ジアミノジフェニルプロパン成
分、4,4' −ジアミノジフェニルスルホン成分、4,
4'−ジアミノジフェニルスルフィド成分などをフェニ
レンジアミン類成分と組み合わせてもよい。これらの組
合せの中でも、4,4' −ジアミノジフェニルエ−テル
成分などのジアミノジフェニルエ−テル類成分とフェニ
レンジアミン類成分が好適である。特に、2種類の芳香
族ジアミン成分の組合せでは、p−フェニレンジアミン
成分と4,4' −ジアミノジフェニルエ−テルとの組合
せが好適である。この組合せの場合も各成分の割合はp
−フェニレンジアミンが50モル%以上であることが特
に好ましい。全芳香族ジアミン成分中のフェニレンジア
ミン類成分の割合が多くなるとポリイミドフィルムの耐
熱性、前記機械的物性が優れているので好適である。逆
にこの割合が少なくなると、ポリイミドフィルムの耐熱
性、機械的物性が低下する傾向にある。
て、例えばm−またはp−フェニレンジアミン成分、
3,5−ジアミノトルエン成分、2,5−ジアミノトル
エン成分などのフェニレンジアミン類成分を、全芳香族
ジアミン成分に対して、50モル%以上、特に60モル
%以上、そのなかでも特に70モル%以上含有する芳香
族ジアミン成分が好適に挙げられる。この発明では、芳
香族ジアミン成分として、p−フェニレンジアミン成分
を60モル%以上、特に70モル%以上含有する芳香族
ジアミン成分が好適に挙げられる。芳香族ジアミン類成
分として4,4'−ジアミノジフェニルエ−テル成分、
3,4' −ジアミノジフェニルエ−テル成分、3,3'
−ジアミノジフェニルエ−テル成分などのジアミノジフ
ェニルエ−テル類成分、4,4' −ジアミノジフェニル
メタン成分、4,4' −ジアミノジフェニルプロパン成
分、4,4' −ジアミノジフェニルスルホン成分、4,
4'−ジアミノジフェニルスルフィド成分などをフェニ
レンジアミン類成分と組み合わせてもよい。これらの組
合せの中でも、4,4' −ジアミノジフェニルエ−テル
成分などのジアミノジフェニルエ−テル類成分とフェニ
レンジアミン類成分が好適である。特に、2種類の芳香
族ジアミン成分の組合せでは、p−フェニレンジアミン
成分と4,4' −ジアミノジフェニルエ−テルとの組合
せが好適である。この組合せの場合も各成分の割合はp
−フェニレンジアミンが50モル%以上であることが特
に好ましい。全芳香族ジアミン成分中のフェニレンジア
ミン類成分の割合が多くなるとポリイミドフィルムの耐
熱性、前記機械的物性が優れているので好適である。逆
にこの割合が少なくなると、ポリイミドフィルムの耐熱
性、機械的物性が低下する傾向にある。
【0010】この発明におけるポリイミドフィルムは、
芳香族テトラカルボン酸成分の30モル%以上、特に5
0モル%以上、その中でも特に60モル%以上がビフェ
ニルテトラカルボン酸成分であり、芳香族ジアミン成分
の50モル%以上、特に60モル%以上がフェニレンジ
アミン成分であるポリイミドが好ましい。また、このよ
うなポリイミドフィルムは各元素の重量割合がC(炭
素)/N(窒素)(Nに対するCの割合、以下同じ)が
9.6〜11.8特に10〜11.7であり、この範囲
内で適宜選択することが好ましい。なお、このポリイミ
ドフィルムの上記各元素の重量割合は全フィルム中の各
元素の重量割合と実質的に等しい。
芳香族テトラカルボン酸成分の30モル%以上、特に5
0モル%以上、その中でも特に60モル%以上がビフェ
ニルテトラカルボン酸成分であり、芳香族ジアミン成分
の50モル%以上、特に60モル%以上がフェニレンジ
アミン成分であるポリイミドが好ましい。また、このよ
うなポリイミドフィルムは各元素の重量割合がC(炭
素)/N(窒素)(Nに対するCの割合、以下同じ)が
9.6〜11.8特に10〜11.7であり、この範囲
内で適宜選択することが好ましい。なお、このポリイミ
ドフィルムの上記各元素の重量割合は全フィルム中の各
元素の重量割合と実質的に等しい。
【0011】前記のC/Nが前記下限より小さいとポリ
イミドフイルムの耐アルカリ性が悪くなる傾向があり、
C/Nが前記上限より大きいとポリイミドフィルムのガ
ラス転移温度(Tg)が低下する傾向があり好ましくな
い。
イミドフイルムの耐アルカリ性が悪くなる傾向があり、
C/Nが前記上限より大きいとポリイミドフィルムのガ
ラス転移温度(Tg)が低下する傾向があり好ましくな
い。
【0012】この発明においては、前記ポリイミドフィ
ルムの片面あるいは両面における各元素の重量割合がC
(炭素)/N(窒素)が12〜20、好ましくは12.
1〜18、特に好ましくは12.2〜15であり、全フ
ィルム中のP(リン)の含有率が5〜500ppm(重
量割合)、好ましくは10〜400ppm、特に好まし
くは15〜300ppmであることが必要である。
ルムの片面あるいは両面における各元素の重量割合がC
(炭素)/N(窒素)が12〜20、好ましくは12.
1〜18、特に好ましくは12.2〜15であり、全フ
ィルム中のP(リン)の含有率が5〜500ppm(重
量割合)、好ましくは10〜400ppm、特に好まし
くは15〜300ppmであることが必要である。
【0013】前記のC/Nが前記下限より小さいとポリ
イミドフイルムの接着性が小さくなり、C/Nが前記上
限より大きいとポリイミドフィルムの表面が粗くなりす
ぎるので適当ではない。また全ポリイミドフィルム中の
Pの含有率が前記下限より少ないと、ポリアミック酸の
自己支持性フィルムの基体からの剥離性に効果なく、前
記上限より多いとポリイミドフィルムの物性、特に伸び
が低下するので好ましくない。
イミドフイルムの接着性が小さくなり、C/Nが前記上
限より大きいとポリイミドフィルムの表面が粗くなりす
ぎるので適当ではない。また全ポリイミドフィルム中の
Pの含有率が前記下限より少ないと、ポリアミック酸の
自己支持性フィルムの基体からの剥離性に効果なく、前
記上限より多いとポリイミドフィルムの物性、特に伸び
が低下するので好ましくない。
【0014】この発明においては、各成分を前記の範囲
内にすることが必要であり、これによって引張弾性率が
400kg/mm2 以上であり、接着性が実用的なレベ
ルで充分大きく、実用的なレベルで充分な成形性を有
し、耐薬品性が優れている改質されたポリイミドフイル
ムを得ることができるのである。
内にすることが必要であり、これによって引張弾性率が
400kg/mm2 以上であり、接着性が実用的なレベ
ルで充分大きく、実用的なレベルで充分な成形性を有
し、耐薬品性が優れている改質されたポリイミドフイル
ムを得ることができるのである。
【0015】この発明のポリイミドフィルムは、例えば
有機極性溶媒中にリン含有化合物、好適にはリン酸エス
テルおよび/またはリン酸エステルのアミン塩と、芳香
族酸二無水物と芳香族ジアミンとから得られる芳香族ポ
リアミック酸とを含むポリアミック酸溶液から化学変換
の方法によって、あるいは熱変換の方法によってポリア
ミック酸をイミド化することによって得ることができ
る。好適には、前記芳香族ポリアミック酸(その20%
以下がイミド化されていてもよい)溶液を基体上にフィ
ルム状に流延し、加熱して自己支持性フィルムを形成
し、この自己支持性フィルムを加熱してイミド化と溶媒
除去とを完了させ、このフィルムの表面を、エキシマレ
−ザ−照射してフィルム表面のC/Nの含有率、全フイ
ルム中のPの含有率を前記の範囲内にすることによって
この発明の改質されたポリイミドフィルムを得ることが
できる。この発明の改質されたポリイミドフィルムには
無機充填剤などを添加することができる。
有機極性溶媒中にリン含有化合物、好適にはリン酸エス
テルおよび/またはリン酸エステルのアミン塩と、芳香
族酸二無水物と芳香族ジアミンとから得られる芳香族ポ
リアミック酸とを含むポリアミック酸溶液から化学変換
の方法によって、あるいは熱変換の方法によってポリア
ミック酸をイミド化することによって得ることができ
る。好適には、前記芳香族ポリアミック酸(その20%
以下がイミド化されていてもよい)溶液を基体上にフィ
ルム状に流延し、加熱して自己支持性フィルムを形成
し、この自己支持性フィルムを加熱してイミド化と溶媒
除去とを完了させ、このフィルムの表面を、エキシマレ
−ザ−照射してフィルム表面のC/Nの含有率、全フイ
ルム中のPの含有率を前記の範囲内にすることによって
この発明の改質されたポリイミドフィルムを得ることが
できる。この発明の改質されたポリイミドフィルムには
無機充填剤などを添加することができる。
【0016】前記の有機極性溶媒は、前記の芳香族ポリ
アミック酸(このポリアミック酸は20%以下がイミド
化されていてもよい)を約2〜50重量%、特に5〜4
0重量%程度の濃度で均一に溶解することができる有機
極性溶媒であればよく、例えば、N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジ
メチルメトキシアセトアミドなどのN,N−ジ低級アル
キルカルボキシルアミド類、N−メチル−2−ピロリド
ン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホンなどの有
機極性溶媒を挙げることができる。
アミック酸(このポリアミック酸は20%以下がイミド
化されていてもよい)を約2〜50重量%、特に5〜4
0重量%程度の濃度で均一に溶解することができる有機
極性溶媒であればよく、例えば、N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジ
メチルメトキシアセトアミドなどのN,N−ジ低級アル
キルカルボキシルアミド類、N−メチル−2−ピロリド
ン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホンなどの有
機極性溶媒を挙げることができる。
【0017】前記のリン含有化合物としては、例えば、
モノカプロイルリン酸エステル、モノオクチルリン酸エ
ステル、モノラウリルリン酸エステル、モノミリスチル
リン酸エステル、モノセチルリン酸エステル、モノステ
アリルリン酸エステル、トリエチレングリコ−ルモノト
リデシルエ−テルのモノリン酸エステル、テトラエチレ
ングリコ−ルモノラウリルエ−テルのモノリン酸エステ
ル、ジエチレングリコ−ルモノステアリルエ−テルのモ
ノリン酸エステル、ジカプロイルリン酸エステル、ジオ
クチルリン酸エステル、ジカプリルリン酸エステル、ジ
ラウリルリン酸エステル、ジミリスチルリン酸エステ
ル、ジセチルリン酸エステル、ジステアリルリン酸エス
テル、テトラエチレングリコ−ルモノネオペンチルエ−
テルのジリン酸エステル、トリエチレングリコ−ルモノ
トリデシルエ−テルのジリン酸エステル、テトラエチレ
ングリコ−ルモノラウリルエ−テルのジリン酸エステ
ル、ジエチレングリコ−ルモノステアリルエ−テルのジ
リン酸エステル等のリン酸エステルやこれらリン酸エス
テルのアミン塩が挙げられる。前記アミンとしてはアン
モニア、モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノプ
ロピルアミン、モノブチルアミン、ジメチルアミン、ジ
エチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ト
リメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミ
ン、トリブチルアミン、モノエタノ−ルアミン、ジエタ
ノ−ルアミン、トリエタノ−ルアミン等がある。
モノカプロイルリン酸エステル、モノオクチルリン酸エ
ステル、モノラウリルリン酸エステル、モノミリスチル
リン酸エステル、モノセチルリン酸エステル、モノステ
アリルリン酸エステル、トリエチレングリコ−ルモノト
リデシルエ−テルのモノリン酸エステル、テトラエチレ
ングリコ−ルモノラウリルエ−テルのモノリン酸エステ
ル、ジエチレングリコ−ルモノステアリルエ−テルのモ
ノリン酸エステル、ジカプロイルリン酸エステル、ジオ
クチルリン酸エステル、ジカプリルリン酸エステル、ジ
ラウリルリン酸エステル、ジミリスチルリン酸エステ
ル、ジセチルリン酸エステル、ジステアリルリン酸エス
テル、テトラエチレングリコ−ルモノネオペンチルエ−
テルのジリン酸エステル、トリエチレングリコ−ルモノ
トリデシルエ−テルのジリン酸エステル、テトラエチレ
ングリコ−ルモノラウリルエ−テルのジリン酸エステ
ル、ジエチレングリコ−ルモノステアリルエ−テルのジ
リン酸エステル等のリン酸エステルやこれらリン酸エス
テルのアミン塩が挙げられる。前記アミンとしてはアン
モニア、モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノプ
ロピルアミン、モノブチルアミン、ジメチルアミン、ジ
エチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ト
リメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミ
ン、トリブチルアミン、モノエタノ−ルアミン、ジエタ
ノ−ルアミン、トリエタノ−ルアミン等がある。
【0018】前記の芳香族ポリアミック酸は、例えば前
述の芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分
とから低温での重合で得られたイミド化率が20%以下
のビフェニルテトラカルボン酸系のポリイミド前駆体で
あると共に、対数粘度(測定温度:30℃、濃度:0.
5g/100ml溶液、溶媒:N,N−ジメチルアセト
アミド)が0.1〜7、特に0.2〜5程度であり、有
機極性溶媒に約2〜50重量%の濃度、特に5〜40重
量%にまで均一に溶解できるポリマ−であることが好ま
しい。前記の対数粘度は次式によって算出された値であ
る。 対数粘度=自然対数(溶液粘度/溶媒粘度)/溶液の濃
度
述の芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分
とから低温での重合で得られたイミド化率が20%以下
のビフェニルテトラカルボン酸系のポリイミド前駆体で
あると共に、対数粘度(測定温度:30℃、濃度:0.
5g/100ml溶液、溶媒:N,N−ジメチルアセト
アミド)が0.1〜7、特に0.2〜5程度であり、有
機極性溶媒に約2〜50重量%の濃度、特に5〜40重
量%にまで均一に溶解できるポリマ−であることが好ま
しい。前記の対数粘度は次式によって算出された値であ
る。 対数粘度=自然対数(溶液粘度/溶媒粘度)/溶液の濃
度
【0019】前記のポリアミック酸(その一部、好まし
くは70%以下がイミド化していてもよい)の自己支持
性フィルムは、前記芳香族ポリアミック酸100重量部
と、有機極性溶媒5〜150重量部、好ましくは10〜
120重量部、特に好ましくは20〜100重量部と、
ポリアミック酸重合体100重量部に対して好ましくは
0.01〜1重量部、特に0.02〜0.8重量部のリ
ン酸エステルおよび/またはリン酸エステルのアミン塩
とを含有している芳香族ポリアミック酸組成物からなる
柔軟で自己支持性フィルムであり、特に長尺の固化フィ
ルムであることが好ましい。
くは70%以下がイミド化していてもよい)の自己支持
性フィルムは、前記芳香族ポリアミック酸100重量部
と、有機極性溶媒5〜150重量部、好ましくは10〜
120重量部、特に好ましくは20〜100重量部と、
ポリアミック酸重合体100重量部に対して好ましくは
0.01〜1重量部、特に0.02〜0.8重量部のリ
ン酸エステルおよび/またはリン酸エステルのアミン塩
とを含有している芳香族ポリアミック酸組成物からなる
柔軟で自己支持性フィルムであり、特に長尺の固化フィ
ルムであることが好ましい。
【0020】前記のポリアミック酸の自己支持性フィル
ムは、例えば、前述の芳香族テトラカルボン酸成分と芳
香族ジアミン成分との略等モル(各成分の添加順序には
特に制限はなく、最初から略等モルを添加してもよく、
何段階かに分けて添加してもよい。)を、前記有機極性
溶媒中、約100℃以下の低い温度で、特に好ましくは
0〜80℃の温度で約0.1〜10時間、重合して得ら
れた高分子量の芳香族ポリアミック酸(芳香族ポリイミ
ド前駆体)が、有機極性溶媒に約2〜50重量%の濃度
で均一に溶解している芳香族ポリアミック酸溶液に、前
述のリン含有化合物を加えて溶解させて得られた組成物
を、製膜用ド−プ液として使用して好ましくは約150
℃以下の流延温度、特に好ましくは0〜120℃程度の
流延温度で支持体面上に液状の薄膜を形成し、その薄膜
を支持体上で好ましくは約150℃以下の乾燥温度、特
に好ましくは20〜140℃程度の乾燥温度で、好まし
くは約0.1〜1時間乾燥する溶液流延法などの製膜法
で形成される自己支持性の固化フィルムが好適に使用で
きる。
ムは、例えば、前述の芳香族テトラカルボン酸成分と芳
香族ジアミン成分との略等モル(各成分の添加順序には
特に制限はなく、最初から略等モルを添加してもよく、
何段階かに分けて添加してもよい。)を、前記有機極性
溶媒中、約100℃以下の低い温度で、特に好ましくは
0〜80℃の温度で約0.1〜10時間、重合して得ら
れた高分子量の芳香族ポリアミック酸(芳香族ポリイミ
ド前駆体)が、有機極性溶媒に約2〜50重量%の濃度
で均一に溶解している芳香族ポリアミック酸溶液に、前
述のリン含有化合物を加えて溶解させて得られた組成物
を、製膜用ド−プ液として使用して好ましくは約150
℃以下の流延温度、特に好ましくは0〜120℃程度の
流延温度で支持体面上に液状の薄膜を形成し、その薄膜
を支持体上で好ましくは約150℃以下の乾燥温度、特
に好ましくは20〜140℃程度の乾燥温度で、好まし
くは約0.1〜1時間乾燥する溶液流延法などの製膜法
で形成される自己支持性の固化フィルムが好適に使用で
きる。
【0021】また、前記のポリアミック酸の自己支持性
フィルムは、例えば、前述の高分子量の芳香族ポリアミ
ック酸(芳香族ポリイミド前駆体)が、有機極性溶媒に
約2〜50重量%の濃度で均一に溶解している芳香族ポ
リアミック酸溶液に、ピリジン、ベ−タピコリンなどの
第3アミン化合物や無水酢酸のような酸無水物などの化
学変換剤、および前述のリン含有化合物を加えて溶解さ
せて得られた(これら各成分の添加順序には特に制限は
なく、組成物の安定性等から適宜選択すればよい)組成
物を、製膜用ド−プ液として使用して好ましくは約0〜
150℃の流延温度、特に好ましくは5〜120℃程度
の流延温度で支持体面上に液状の薄膜を形成し、その薄
膜を支持体上で好ましくは約150℃以下の乾燥温度、
特に好ましくは20〜140℃程度の乾燥温度で、好ま
しくは約0.1〜1時間乾燥する溶液流延法などの製膜
法で形成される自己支持性の固化フィルムが好適に使用
できる。
フィルムは、例えば、前述の高分子量の芳香族ポリアミ
ック酸(芳香族ポリイミド前駆体)が、有機極性溶媒に
約2〜50重量%の濃度で均一に溶解している芳香族ポ
リアミック酸溶液に、ピリジン、ベ−タピコリンなどの
第3アミン化合物や無水酢酸のような酸無水物などの化
学変換剤、および前述のリン含有化合物を加えて溶解さ
せて得られた(これら各成分の添加順序には特に制限は
なく、組成物の安定性等から適宜選択すればよい)組成
物を、製膜用ド−プ液として使用して好ましくは約0〜
150℃の流延温度、特に好ましくは5〜120℃程度
の流延温度で支持体面上に液状の薄膜を形成し、その薄
膜を支持体上で好ましくは約150℃以下の乾燥温度、
特に好ましくは20〜140℃程度の乾燥温度で、好ま
しくは約0.1〜1時間乾燥する溶液流延法などの製膜
法で形成される自己支持性の固化フィルムが好適に使用
できる。
【0022】前記自己支持性フィルム(ポリアミック
酸、あるいはその一部がイミド化されたポリアミック
酸)を加熱してフィルムを形成しているポリアミック酸
をイミド化する。前記自己支持性フィルムはポリアミッ
ク酸をイミド化率90%以上に、特に実質的にアミド−
酸結合の存在しないように加熱処理してイミド化すると
ともに、該フィルムから前記溶媒などの揮発成分を蒸発
し除去する乾燥を行うことによってポリイミドフィルム
とすることが好ましい。
酸、あるいはその一部がイミド化されたポリアミック
酸)を加熱してフィルムを形成しているポリアミック酸
をイミド化する。前記自己支持性フィルムはポリアミッ
ク酸をイミド化率90%以上に、特に実質的にアミド−
酸結合の存在しないように加熱処理してイミド化すると
ともに、該フィルムから前記溶媒などの揮発成分を蒸発
し除去する乾燥を行うことによってポリイミドフィルム
とすることが好ましい。
【0023】前記の加熱処理は、最初に約100〜40
0℃での温度においてポリマ−のイミド化および溶媒の
蒸発・除去を約0.1〜5時間、特に0.2〜3時間で
徐々に行うことが好ましい。特に、加熱処理を約100
〜170℃の比較的低い温度で約1〜30分間第一次加
熱処理し、次いで170〜220℃の温度で約1〜30
分間第二次加熱処理し、そして220〜400℃の高温
で約1〜30分間第三次加熱処理するように段階的に行
うことが好ましい。また、自己支持性フィルムは加熱時
に、好適には自己支持体表面から剥離後、100g/mm
2 以下の低張力下に約80〜250℃で乾燥して溶媒及
び生成水を約5〜25重量%の範囲に含む固化フィルム
を形成後、フィルムの両端を固定して加熱してもよい。
250℃以上の連続加熱処理においては、ピンテンタ
−、クリップ、枠などで少なくとも長尺のフィルムの長
手方向に直角の方向の両端を固定して行うことが好まし
い。前記加熱に加えて400〜600℃の高い温度で第
四次高温加熱してもよい。
0℃での温度においてポリマ−のイミド化および溶媒の
蒸発・除去を約0.1〜5時間、特に0.2〜3時間で
徐々に行うことが好ましい。特に、加熱処理を約100
〜170℃の比較的低い温度で約1〜30分間第一次加
熱処理し、次いで170〜220℃の温度で約1〜30
分間第二次加熱処理し、そして220〜400℃の高温
で約1〜30分間第三次加熱処理するように段階的に行
うことが好ましい。また、自己支持性フィルムは加熱時
に、好適には自己支持体表面から剥離後、100g/mm
2 以下の低張力下に約80〜250℃で乾燥して溶媒及
び生成水を約5〜25重量%の範囲に含む固化フィルム
を形成後、フィルムの両端を固定して加熱してもよい。
250℃以上の連続加熱処理においては、ピンテンタ
−、クリップ、枠などで少なくとも長尺のフィルムの長
手方向に直角の方向の両端を固定して行うことが好まし
い。前記加熱に加えて400〜600℃の高い温度で第
四次高温加熱してもよい。
【0024】この発明の改質されたポリイミドフィルム
は、フィルムの少なくとも片面を、エキシマレ−ザ−照
射することによりC/Nを特定の範囲内にすることが必
要である。前記エキシマレ−ザ−照射は、フィルム表面
を処理せずあるいはアセトン、イソプロピルアルコ−
ル、エチルアルコ−ルなどの有機溶媒で処理した後行っ
てもよい。
は、フィルムの少なくとも片面を、エキシマレ−ザ−照
射することによりC/Nを特定の範囲内にすることが必
要である。前記エキシマレ−ザ−照射は、フィルム表面
を処理せずあるいはアセトン、イソプロピルアルコ−
ル、エチルアルコ−ルなどの有機溶媒で処理した後行っ
てもよい。
【0025】前記エキシマレ−ザ−に使用されるレ−ザ
−媒質は、希ガスハロゲンである。例えば、ArF(1
93nm)、KrF(248nm)、XeF(308n
m)、XeF(351nm)などである。パルスエネル
ギ−は、1mJ/cm2 〜100mJ/cm2 の範囲が
好ましい。この範囲より小さいと表面処理の効果がな
く、この範囲より大きいと表面が荒れ過ぎて接着性の改
善効果がなくなってしまう。
−媒質は、希ガスハロゲンである。例えば、ArF(1
93nm)、KrF(248nm)、XeF(308n
m)、XeF(351nm)などである。パルスエネル
ギ−は、1mJ/cm2 〜100mJ/cm2 の範囲が
好ましい。この範囲より小さいと表面処理の効果がな
く、この範囲より大きいと表面が荒れ過ぎて接着性の改
善効果がなくなってしまう。
【0026】この発明の改質されたポリイミドフィルム
における各成分の分析は、例えば、フィルム表面の各元
素の重量割合は、X線光電子分光装置(VG社ESCA
LAB・200X型)でMg KaのX線源(300
W)を用い、2X3mmのフィルムの極く表面(〜数十
A)に存在する元素を調べることにより求めることがで
きる。全フィルム中のPは、ポリイミドフィルムを酸化
亜鉛と一緒に燃焼灰化させ、希硫酸で溶解後、モリブデ
ン酸アンモニウム、亜硫酸ソ−ダ、ハイドロキノンを加
え、分光光度計で吸光度(波長655nm)を測定する
方法によって行った。
における各成分の分析は、例えば、フィルム表面の各元
素の重量割合は、X線光電子分光装置(VG社ESCA
LAB・200X型)でMg KaのX線源(300
W)を用い、2X3mmのフィルムの極く表面(〜数十
A)に存在する元素を調べることにより求めることがで
きる。全フィルム中のPは、ポリイミドフィルムを酸化
亜鉛と一緒に燃焼灰化させ、希硫酸で溶解後、モリブデ
ン酸アンモニウム、亜硫酸ソ−ダ、ハイドロキノンを加
え、分光光度計で吸光度(波長655nm)を測定する
方法によって行った。
【0027】この発明の積層体は、例えば、前述のポリ
イミドフィルムにスパッタリングのような方法で直接あ
るいは接着剤を介してポリイミドフィルムの様な同種あ
るいは銅のような異種の基材を積層することによって得
ることができる。
イミドフィルムにスパッタリングのような方法で直接あ
るいは接着剤を介してポリイミドフィルムの様な同種あ
るいは銅のような異種の基材を積層することによって得
ることができる。
【0028】この発明の積層体として、例えば、この発
明の改質されたポリイミドフィルムの上(前記特定のC
/Nの割合を有する表面上)に接着剤を塗布、乾燥し、
銅箔を張り合わせる方法、あるいは前記改質されたポリ
イミドフィルムの片面あるいは両面(改質面)に耐熱性
接着剤、例えば熱可塑性ポリイミドの溶液、あるいはそ
の前駆体であるポリアミック酸の溶液を塗布、乾燥、加
熱した耐熱性接着剤付きポリイミドフィルムや、この改
質されたポリイミドフィルムの改質面に直接金属(銅、
クロム、ニッケル等)を蒸着、スパッタで直接付着し、
その上にさらに金属(例えば銅)を電解または無電解メ
ッキで付着させた2層基板にすることができる。
明の改質されたポリイミドフィルムの上(前記特定のC
/Nの割合を有する表面上)に接着剤を塗布、乾燥し、
銅箔を張り合わせる方法、あるいは前記改質されたポリ
イミドフィルムの片面あるいは両面(改質面)に耐熱性
接着剤、例えば熱可塑性ポリイミドの溶液、あるいはそ
の前駆体であるポリアミック酸の溶液を塗布、乾燥、加
熱した耐熱性接着剤付きポリイミドフィルムや、この改
質されたポリイミドフィルムの改質面に直接金属(銅、
クロム、ニッケル等)を蒸着、スパッタで直接付着し、
その上にさらに金属(例えば銅)を電解または無電解メ
ッキで付着させた2層基板にすることができる。
【0029】この発明の積層体は、例えば、FPC、T
AB、LOC(リ−ド・オン・チップ)等に好適に使用
することができる。
AB、LOC(リ−ド・オン・チップ)等に好適に使用
することができる。
【0030】
【実施例】以下にこの発明の実施例を示す。以下の記載
において部は重量部を示す。
において部は重量部を示す。
【0031】参考例1 N,N−ジメチルアセトアミド2470部中に3,
3' ,4,4' −ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
294.22部とP−フェニレンジアミン108.14
部を加え約10時間反応させてポリアミック酸溶液を得
た。このポリアミック酸の対数粘度は2.66であり、
溶液の30℃の粘度は3100ポイズであった。
3' ,4,4' −ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
294.22部とP−フェニレンジアミン108.14
部を加え約10時間反応させてポリアミック酸溶液を得
た。このポリアミック酸の対数粘度は2.66であり、
溶液の30℃の粘度は3100ポイズであった。
【0032】参考例2 N,N−ジメチルアセトアミド3037部中に3,
3' ,4,4' −ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
294.22部と4,4' −ジアミノジフェニルエ−テ
ル200.24部を加え室温で約10時間反応させてポ
リアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液の対
数粘度は2.71であり、溶液の30℃の粘度は260
0ポイズであった。
3' ,4,4' −ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
294.22部と4,4' −ジアミノジフェニルエ−テ
ル200.24部を加え室温で約10時間反応させてポ
リアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液の対
数粘度は2.71であり、溶液の30℃の粘度は260
0ポイズであった。
【0033】参考例3 N,N−ジメチルアセトアミド2570部中に4,4'
−ジアミノジフェニルエ−テル200.24部を添加
後、ピロメリット酸二無水物218.14部を加え約6
時間反応させてポリアミック酸溶液を得た。このポリア
ミック酸溶液の対数粘度は1.60であり、溶液の30
℃の粘度は300ポイズであった。
−ジアミノジフェニルエ−テル200.24部を添加
後、ピロメリット酸二無水物218.14部を加え約6
時間反応させてポリアミック酸溶液を得た。このポリア
ミック酸溶液の対数粘度は1.60であり、溶液の30
℃の粘度は300ポイズであった。
【0034】参考例4 N,N−ジメチルアセトアミド1980部中に3,
3' ,4,4' −ビフェニテトラカルボン酸二無水物1
47.2部、ピロメリット酸二無水物100.1部、パ
ラフェニレンジアミン75.7部、4,4' −ジアミノ
ジフェニルエ−テル60.6部を加え約6時間反応させ
てポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液
の対数粘度(30℃、0.5g/100ml N−メチ
ル−2−ピロリドン)は2.51であり、溶液の30℃
の粘度は2900ポイズであった。
3' ,4,4' −ビフェニテトラカルボン酸二無水物1
47.2部、ピロメリット酸二無水物100.1部、パ
ラフェニレンジアミン75.7部、4,4' −ジアミノ
ジフェニルエ−テル60.6部を加え約6時間反応させ
てポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液
の対数粘度(30℃、0.5g/100ml N−メチ
ル−2−ピロリドン)は2.51であり、溶液の30℃
の粘度は2900ポイズであった。
【0035】実施例1 参考例1で調製したポリアミック酸溶液に、重合体10
0部に対して0.1部の割合でモノステアリルリン酸エ
ステルトリエタノ−ルアミン塩を加え、室温で6時間攪
拌してポリアミック酸組成物を得た。この組成物をステ
ンレスベルト上に流延塗布し、120℃で20分間乾燥
したのち、ステンレスベルト面より剥がし自己支持性フ
ィルムを得た。剥離はスム−ズであった。
0部に対して0.1部の割合でモノステアリルリン酸エ
ステルトリエタノ−ルアミン塩を加え、室温で6時間攪
拌してポリアミック酸組成物を得た。この組成物をステ
ンレスベルト上に流延塗布し、120℃で20分間乾燥
したのち、ステンレスベルト面より剥がし自己支持性フ
ィルムを得た。剥離はスム−ズであった。
【0036】得られた自己支持性フィルムを150℃で
5分間加熱し、次いで200℃に昇温してその温度で7
分間加熱し、さらに250℃に昇温し、その温度で9分
間加熱し、最後に450℃にまで昇温し、その温度で7
分間熱処理して、ポリマ−のイミド化およびフィルムの
乾燥を行って厚さ75μmのポリイミドフィルムを製造
した。このフィルムのC/Nは11.1であった(柳本
製作所、元素分析計:MT−3型使用)。
5分間加熱し、次いで200℃に昇温してその温度で7
分間加熱し、さらに250℃に昇温し、その温度で9分
間加熱し、最後に450℃にまで昇温し、その温度で7
分間熱処理して、ポリマ−のイミド化およびフィルムの
乾燥を行って厚さ75μmのポリイミドフィルムを製造
した。このフィルムのC/Nは11.1であった(柳本
製作所、元素分析計:MT−3型使用)。
【0037】得られたポリイミドフィルムをアセトンに
浸漬・乾燥後、エキシマレ−ザ−(KrF)を10mJ
/cm2 のエネルギ−密度で1パルス照射して、改質さ
れたポリイミドフィルムを得た。上記改質されたポリイ
ミドフィルムの表面のC/N、フィルム中のPの含有率
を表1に示す。また、この改質されたポリイミドフィル
ム全体のC/Nを測定したところ、改質前のポリイミド
フィルムのそれぞれの値と一致した。
浸漬・乾燥後、エキシマレ−ザ−(KrF)を10mJ
/cm2 のエネルギ−密度で1パルス照射して、改質さ
れたポリイミドフィルムを得た。上記改質されたポリイ
ミドフィルムの表面のC/N、フィルム中のPの含有率
を表1に示す。また、この改質されたポリイミドフィル
ム全体のC/Nを測定したところ、改質前のポリイミド
フィルムのそれぞれの値と一致した。
【0038】エポキシ系接着剤(ハイソ−ルジャパン社
製、ハイソ−ル:LOL.No.OX−035)を厚さ
35μmの電解銅箔上に塗布し、120℃で30分間加
熱乾燥して接着剤層(厚さ200μm)を形成した。次
に、この電解銅箔上の接着剤層に上記芳香族ポリイミド
フィルムを、接着剤層とプラズマ処理した面とが接する
ように重合わせた後、170℃、40kg/cm2 で5
分間プレスして積層体を形成した。そして、この積層体
を180℃で60分間乾燥した後13時間放置して、銅
箔層とポリイミドフィルム層との間のT−剥離試験(A
STM−D−1876)と180度剥離試験(ASTM
−D−903)とを行って評価した。
製、ハイソ−ル:LOL.No.OX−035)を厚さ
35μmの電解銅箔上に塗布し、120℃で30分間加
熱乾燥して接着剤層(厚さ200μm)を形成した。次
に、この電解銅箔上の接着剤層に上記芳香族ポリイミド
フィルムを、接着剤層とプラズマ処理した面とが接する
ように重合わせた後、170℃、40kg/cm2 で5
分間プレスして積層体を形成した。そして、この積層体
を180℃で60分間乾燥した後13時間放置して、銅
箔層とポリイミドフィルム層との間のT−剥離試験(A
STM−D−1876)と180度剥離試験(ASTM
−D−903)とを行って評価した。
【0039】T−剥離強度は、B面(流延による自己支
持性フィルムの製造時にステンレスベルト面に接してい
た側の表面)が1.3kg/cm、F面(流延による自
己支持性フィルムの製造時にステンレスベルト面に接し
ていなかった側の表面)が1.2であり180度剥離強
度は、B面が3.1kg/cmでF面が2.7kg/c
mであった。また、このフィルムの引張弾性率が780
kg/mm2 、10%NaOH水溶液に60℃で1時間
浸漬してもほとんど変化なく形状を保持していた。
持性フィルムの製造時にステンレスベルト面に接してい
た側の表面)が1.3kg/cm、F面(流延による自
己支持性フィルムの製造時にステンレスベルト面に接し
ていなかった側の表面)が1.2であり180度剥離強
度は、B面が3.1kg/cmでF面が2.7kg/c
mであった。また、このフィルムの引張弾性率が780
kg/mm2 、10%NaOH水溶液に60℃で1時間
浸漬してもほとんど変化なく形状を保持していた。
【0040】実施例2 参考例4で調製したポリアミック酸溶液に、重合体10
0部に対してO.1部の割合でモノステアリルリン酸エ
ステルトリエタノ−ルアミン塩を加え、室温で6時間攪
拌してポリアミック酸組成物を得た。この組成物をステ
ンレスベルト上に流延塗布し、120℃で10分間乾燥
したのち、ステンレスベルト面より剥がし自己支持性フ
ィルムを得た。剥離はスム−ズであった。得られた自己
支持性フィルムから実施例1と同様にして厚さ75μの
改質されたポリイミドフィルムを製造した。このフィル
ム全体のC/Nは9.4であった。
0部に対してO.1部の割合でモノステアリルリン酸エ
ステルトリエタノ−ルアミン塩を加え、室温で6時間攪
拌してポリアミック酸組成物を得た。この組成物をステ
ンレスベルト上に流延塗布し、120℃で10分間乾燥
したのち、ステンレスベルト面より剥がし自己支持性フ
ィルムを得た。剥離はスム−ズであった。得られた自己
支持性フィルムから実施例1と同様にして厚さ75μの
改質されたポリイミドフィルムを製造した。このフィル
ム全体のC/Nは9.4であった。
【0041】この改質されたポリイミドフィルムを使用
して実施例1と同様にしてエポキシ系接着剤と張り合わ
せた。T−剥離強度は、B面が1.4kg/cm、F面
が1.3kg/cmであり、180度剥離強度は、B面
が2.9kg/cmでF面が2.8kg/cmであっ
た。上記改質されたポリイミドフィルムの表面のC/
N、フィルム中のPの含有率を表1に示す。また、この
フィルムの引張弾性率は580kg/mm2 で,10%
NaOH水溶液に60℃で1時間浸漬してもほとんど変
化なく形状保持していた。
して実施例1と同様にしてエポキシ系接着剤と張り合わ
せた。T−剥離強度は、B面が1.4kg/cm、F面
が1.3kg/cmであり、180度剥離強度は、B面
が2.9kg/cmでF面が2.8kg/cmであっ
た。上記改質されたポリイミドフィルムの表面のC/
N、フィルム中のPの含有率を表1に示す。また、この
フィルムの引張弾性率は580kg/mm2 で,10%
NaOH水溶液に60℃で1時間浸漬してもほとんど変
化なく形状保持していた。
【0042】比較例1 参考例1で調製したポリアミック酸溶液を使用し、エキ
シマレ−ザ−照射を行わない他は実施例1と同様にして
ポリイミドフィルムを製造した。このポリイミドフィル
ムを使用して実施例1と同様にしてエポキシ系接着剤と
張り合わせた。接着性を評価した結果、T−剥離強度
は、B面が0.03kg/cm、F面が0.02kg/
cmであり、180度剥離強度は、B面が0.3kg/
cmでF面が0.1kg/cmであった。上記改質され
たポリイミドフィルムの表面のC/N、フィルム中のP
の含有率を表1に示す。また、このフィルムの引張弾性
率は780kg/mm2 で,10%NaOH水溶液に6
0℃で1時間浸漬してもほとんど変化なく形状保持して
いた。
シマレ−ザ−照射を行わない他は実施例1と同様にして
ポリイミドフィルムを製造した。このポリイミドフィル
ムを使用して実施例1と同様にしてエポキシ系接着剤と
張り合わせた。接着性を評価した結果、T−剥離強度
は、B面が0.03kg/cm、F面が0.02kg/
cmであり、180度剥離強度は、B面が0.3kg/
cmでF面が0.1kg/cmであった。上記改質され
たポリイミドフィルムの表面のC/N、フィルム中のP
の含有率を表1に示す。また、このフィルムの引張弾性
率は780kg/mm2 で,10%NaOH水溶液に6
0℃で1時間浸漬してもほとんど変化なく形状保持して
いた。
【0043】比較例2 参考例2で調製したポリアミック酸溶液を使用した他は
実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを製造した。
このフィルムのC/Nは12.0であった。このポリイ
ミドフィルムから実施例1と同様にして改質されたポリ
イミドフィルムを得た。この改質されたポリイミドフィ
ルムを使用して実施例1と同様にしてエポキシ系接着剤
と張り合わせた。接着性を評価した結果、T−剥離強度
は、B面が1.3kg/cm、F面が1.3kgであ
り、180度剥離強度は、B面が2.0kg/cmでF
面が2.3kg/cmであった。上記改質されたポリイ
ミドフィルムの表面のC/N、フィルム中のPの含有率
を表1に示す。また、このフィルムの引張弾性率は38
0kg/mm2 ,10%NaOH水溶液に60℃で1時
間浸漬してもほとんど変化なく形状保持していた。
実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを製造した。
このフィルムのC/Nは12.0であった。このポリイ
ミドフィルムから実施例1と同様にして改質されたポリ
イミドフィルムを得た。この改質されたポリイミドフィ
ルムを使用して実施例1と同様にしてエポキシ系接着剤
と張り合わせた。接着性を評価した結果、T−剥離強度
は、B面が1.3kg/cm、F面が1.3kgであ
り、180度剥離強度は、B面が2.0kg/cmでF
面が2.3kg/cmであった。上記改質されたポリイ
ミドフィルムの表面のC/N、フィルム中のPの含有率
を表1に示す。また、このフィルムの引張弾性率は38
0kg/mm2 ,10%NaOH水溶液に60℃で1時
間浸漬してもほとんど変化なく形状保持していた。
【0044】比較例3 参考例3で調製したポリアミック酸溶液を使用した他は
実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを製造した。
このフィルムの全体C/Nは9.6であった。このポリ
イミドフィルムから実施例1と同様にして改質されたポ
リイミドフィルムを得た。この改質されたポリイミドフ
ィルムを使用して実施例1と同様にしてエポキ系接着剤
と張り合わせた。接着性を評価した結果、T−剥離強度
は、B面が1.5kg/cm、F面が1.4kg/cm
であり、180度剥離強度は、B面が3.0kg/cm
でF面が2.7kg/cmであった。上記改質されたポ
リイミドフィルムの表面のC/N、フィルム中のPの含
有率を表1に示す。また、このフィルムの引張弾性率は
310kg/mm2 ,10%NaOH水溶液に60℃で
1時間浸漬するとフィルムは溶解していた。
実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを製造した。
このフィルムの全体C/Nは9.6であった。このポリ
イミドフィルムから実施例1と同様にして改質されたポ
リイミドフィルムを得た。この改質されたポリイミドフ
ィルムを使用して実施例1と同様にしてエポキ系接着剤
と張り合わせた。接着性を評価した結果、T−剥離強度
は、B面が1.5kg/cm、F面が1.4kg/cm
であり、180度剥離強度は、B面が3.0kg/cm
でF面が2.7kg/cmであった。上記改質されたポ
リイミドフィルムの表面のC/N、フィルム中のPの含
有率を表1に示す。また、このフィルムの引張弾性率は
310kg/mm2 ,10%NaOH水溶液に60℃で
1時間浸漬するとフィルムは溶解していた。
【0045】比較例4 参考例3で調製したポリアミック酸溶液に対して、モノ
ステアリルリン酸エステルトリエタノ−ルアミン塩を添
加しないで、ステンレスベルト上に流延塗布して、12
0℃で10分間乾燥したのち、ステンレスベルト面より
剥がそうとしたが、剥離が困難でフィルムが切断した
り、剥離面にも剥離痕が付いたりし、良好なフィルムを
製造することができなかった。
ステアリルリン酸エステルトリエタノ−ルアミン塩を添
加しないで、ステンレスベルト上に流延塗布して、12
0℃で10分間乾燥したのち、ステンレスベルト面より
剥がそうとしたが、剥離が困難でフィルムが切断した
り、剥離面にも剥離痕が付いたりし、良好なフィルムを
製造することができなかった。
【0046】実施例3〜8 エキシマレ−ザ−のエネルギ−密度を10mJ/cm2
から3mJ/cm2 (実施例3)に、あるいは20mJ
/cm2 (実施例4)に変えてC/Nの割合を表1のよ
うに変えたか、モノステアリルリン酸エステルトリエタ
ノ−ルアミン塩を0.025部(実施例5)に変えた
か、モノステアリルリン酸エステルトリエタノ−ルアミ
ン塩を0.5部(実施例6)に変えたか、モノステアリ
ルリン酸エステルトリエタノ−ルアミン塩に変えて、ジ
オクチルリン酸エステルモノエタノ−ルアミン塩を0.
1部用いた(実施例7)か、トリエチレングリコ−ルモ
ノトリデシルエ−テルのモノリン酸エステルを0.1部
用いた(実施例8)他は実施例1と同様に実施した。結
果をまとめて表1に示す。
から3mJ/cm2 (実施例3)に、あるいは20mJ
/cm2 (実施例4)に変えてC/Nの割合を表1のよ
うに変えたか、モノステアリルリン酸エステルトリエタ
ノ−ルアミン塩を0.025部(実施例5)に変えた
か、モノステアリルリン酸エステルトリエタノ−ルアミ
ン塩を0.5部(実施例6)に変えたか、モノステアリ
ルリン酸エステルトリエタノ−ルアミン塩に変えて、ジ
オクチルリン酸エステルモノエタノ−ルアミン塩を0.
1部用いた(実施例7)か、トリエチレングリコ−ルモ
ノトリデシルエ−テルのモノリン酸エステルを0.1部
用いた(実施例8)他は実施例1と同様に実施した。結
果をまとめて表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】実施例1〜8で得られた改質されたポリイ
ミドフィルムをスリットし、35mm幅のテ−プを作製
し、その上に26mm幅のポリイミド系の接着剤テ−プ
(宇部興産(株)製、UPA−322)をポリイミドテ
−プの改質面上にその中心線が重なるようにラミネ−ト
して接着剤付きポリイミドテ−プを作製した。この接着
剤付きポリイミドテ−プのポリイミド上にスプロケット
穴やデバイスホ−ルをパンチングで開け、銅箔(35
μ)を130℃で張り合わせ、接着剤を硬化させた。そ
の銅箔に常法によるパタ−ンニング・エッチングにより
IL(インナ−リ−ド)やOL(オウタ−リ−ド)等の
回路を形成しTAB用キャリア−テ−プを作製した。こ
のTAB用キャリア−テ−プにICを実装した所、IC
のパッドとILの寸法精度にほとんど狂いがなく、正確
にボンディングすることができた。
ミドフィルムをスリットし、35mm幅のテ−プを作製
し、その上に26mm幅のポリイミド系の接着剤テ−プ
(宇部興産(株)製、UPA−322)をポリイミドテ
−プの改質面上にその中心線が重なるようにラミネ−ト
して接着剤付きポリイミドテ−プを作製した。この接着
剤付きポリイミドテ−プのポリイミド上にスプロケット
穴やデバイスホ−ルをパンチングで開け、銅箔(35
μ)を130℃で張り合わせ、接着剤を硬化させた。そ
の銅箔に常法によるパタ−ンニング・エッチングにより
IL(インナ−リ−ド)やOL(オウタ−リ−ド)等の
回路を形成しTAB用キャリア−テ−プを作製した。こ
のTAB用キャリア−テ−プにICを実装した所、IC
のパッドとILの寸法精度にほとんど狂いがなく、正確
にボンディングすることができた。
【0049】さらにポッティング樹脂でICを封止後、
プリント基板の上に実装したところプリント基板の回路
とTABのOLとの寸法の狂いが小さく、正確にボンデ
ィングできた。
プリント基板の上に実装したところプリント基板の回路
とTABのOLとの寸法の狂いが小さく、正確にボンデ
ィングできた。
【0050】比較例2〜3で得られた改質されたポリイ
ミドフィルムを用いた他は上記と同様にしてTAB用キ
ャリア−テ−プを作製した。このTAB用キャリア−テ
−プにICを実装した所、ICのパッドとILの寸法は
大幅に狂い、正確にボンディングすることができず使用
不可であった。
ミドフィルムを用いた他は上記と同様にしてTAB用キ
ャリア−テ−プを作製した。このTAB用キャリア−テ
−プにICを実装した所、ICのパッドとILの寸法は
大幅に狂い、正確にボンディングすることができず使用
不可であった。
【0051】
【発明の効果】この発明は以上説明したように構成され
ているので、以下に記載のような効果を奏する。
ているので、以下に記載のような効果を奏する。
【0052】この改質されたポリイミドフィルムは耐薬
品性に優れ、他の材料と張り合わせても接着強度が大き
く、種々の製造工程を経ても変化なく、製造工程での寸
法精度も高く、他部品を実装する際の位置合わせが良好
である。
品性に優れ、他の材料と張り合わせても接着強度が大き
く、種々の製造工程を経ても変化なく、製造工程での寸
法精度も高く、他部品を実装する際の位置合わせが良好
である。
【0053】この改質されたポリイミドフィルムとして
少なくとも一方のフィルム表面がエキシマレ−ザ−照射
されているものは、耐薬品性に優れ、他の材料と張り合
わせても接着強度が大きく、種々の製造工程を経ても変
化なく、製造工程での寸法精度も高く、他部品を実装す
る際の位置合わせが良好であり、安定的に一定した品質
で得られる。
少なくとも一方のフィルム表面がエキシマレ−ザ−照射
されているものは、耐薬品性に優れ、他の材料と張り合
わせても接着強度が大きく、種々の製造工程を経ても変
化なく、製造工程での寸法精度も高く、他部品を実装す
る際の位置合わせが良好であり、安定的に一定した品質
で得られる。
【0054】この改質されたポリイミドフィルムとして
ポリマ−成分が30モル%以上のビフェニルテトラカル
ボン酸成分と50モル%以上のフェニレンジアミン成分
とからなるものは、引張弾性率が大きく、耐薬品性に優
れ、他の材料と張り合わせても接着強度が大きく、種々
の製造工程を経ても変化がなく、製造工程での寸法精度
も高く、他部品を実装する際の位置合わせが良好であ
り、安定的に一定した品質で大量に、工業的に得ること
ができる。
ポリマ−成分が30モル%以上のビフェニルテトラカル
ボン酸成分と50モル%以上のフェニレンジアミン成分
とからなるものは、引張弾性率が大きく、耐薬品性に優
れ、他の材料と張り合わせても接着強度が大きく、種々
の製造工程を経ても変化がなく、製造工程での寸法精度
も高く、他部品を実装する際の位置合わせが良好であ
り、安定的に一定した品質で大量に、工業的に得ること
ができる。
【0055】この改質されたポリイミドフィルムを用い
た積層体は、接着強度が大きく、種々の製造工程を経て
も変化なく、製造工程での寸法精度も高く、他部品を実
装する際の位置合わせが良好である。
た積層体は、接着強度が大きく、種々の製造工程を経て
も変化なく、製造工程での寸法精度も高く、他部品を実
装する際の位置合わせが良好である。
Claims (3)
- 【請求項1】ポリマ−が芳香族テトラカルボン酸成分と
芳香族ジアミン成分とからなり引張弾性率が400Kg
/mm2 以上のフィルムであって、少なくとも一方のフ
ィルム表面がエキシマレ−ザ−照射することによって各
元素の重量割合がC/Nが12〜20であり、かつ全フ
ィルム中のPの含有率が5〜500ppmであることを
特徴とする改質されたポリイミドフィルム。 - 【請求項2】芳香族テトラカルボン酸成分が30モル%
以上のビフェニルテトラカルボン酸成分からなり、芳香
族ジアミン成分が50モル%以上のフェニレンジアミン
成分からなることを特徴とする請求項1記載の改質され
たポリイミドフィルム。 - 【請求項3】ポリマ−が芳香族テトラカルボン酸成分と
芳香族ジアミン成分とからなり引張弾性率が400Kg
/mm2 以上のフィルムであって、少なくとも一方のフ
ィルム表面がエキシマレ−ザ−照射することによって各
元素の重量割合がC/Nが12〜20であり、かつ全フ
ィルム中のPの含有率が5〜500ppmである改質さ
れたポリイミドフィルムに、直接あるいは接着剤を介し
て同種あるいは異種の基材が積層されていることを特徴
とする積層体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8903595A JPH08283411A (ja) | 1995-04-14 | 1995-04-14 | 改質されたポリイミドフィルムおよび積層体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8903595A JPH08283411A (ja) | 1995-04-14 | 1995-04-14 | 改質されたポリイミドフィルムおよび積層体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08283411A true JPH08283411A (ja) | 1996-10-29 |
Family
ID=13959648
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8903595A Pending JPH08283411A (ja) | 1995-04-14 | 1995-04-14 | 改質されたポリイミドフィルムおよび積層体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08283411A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006183040A (ja) * | 2004-12-03 | 2006-07-13 | Ube Ind Ltd | ポリイミド、ポリイミドフィルム及び積層体 |
US20120164557A1 (en) * | 2005-03-04 | 2012-06-28 | Ube Industries, Ltd. | Method for producing a polymer electrolyte membrane |
JP2012201860A (ja) * | 2011-03-28 | 2012-10-22 | Ube Industries Ltd | ポリイミドフィルムの製造方法およびポリイミドフィルム |
-
1995
- 1995-04-14 JP JP8903595A patent/JPH08283411A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006183040A (ja) * | 2004-12-03 | 2006-07-13 | Ube Ind Ltd | ポリイミド、ポリイミドフィルム及び積層体 |
US20120164557A1 (en) * | 2005-03-04 | 2012-06-28 | Ube Industries, Ltd. | Method for producing a polymer electrolyte membrane |
JP2012201860A (ja) * | 2011-03-28 | 2012-10-22 | Ube Industries Ltd | ポリイミドフィルムの製造方法およびポリイミドフィルム |
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