JP4530555B2 - 電極用水素吸蔵合金、水素吸蔵合金電極及びアルカリ蓄電池 - Google Patents

電極用水素吸蔵合金、水素吸蔵合金電極及びアルカリ蓄電池 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ニッケル−水素蓄電池等のアルカリ蓄電池及びこのアルカリ蓄電池の負極に使用される水素吸蔵合金電極、またこの水素吸蔵合金電極に用いる電極用水素吸蔵合金に関するものであり、水素吸蔵合金電極に用いる電極用水素吸蔵合金を改善して、アルカリ蓄電池の内圧が上昇するのを抑制すると共に充放電サイクル特性を向上させた点に特徴を有するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、アルカリ蓄電池の一つとして、その負極に水素吸蔵合金電極を使用したニッケル−水素蓄電池が知られている。
【0003】
そして、このようなアルカリ蓄電池における水素吸蔵合金電極としては、一般に水素吸蔵合金粒子に結着剤を加えてペーストを調製し、このペーストを集電体に塗着させて乾燥させたものが用いられている。
【0004】
しかし、上記のような水素吸蔵合金電極を用いたアルカリ蓄電池においては、水素吸蔵合金電極における導電性が十分ではなく、また過充電時に正極において発生した酸素によってアルカリ蓄電池の内圧が上昇したり、水素吸蔵合金電極に用いた水素吸蔵合金粒子が酸化されたりし、さらに充放電を繰り返して行った場合に、この水素吸蔵合金電極における水素吸蔵合金粒子がアルカリ電解液によって腐食され、放電容量が次第に低下して、充放電サイクル特性が悪くなるという問題があった。
【0005】
このため、従来においては、表面をニッケル又はニッケル合金でめっきした水素吸蔵合金粒子を用い、水素吸蔵合金電極における導電性を高めると共に、過充電時に正極において発生した酸素を水素と反応させて消費させ、アルカリ蓄電池の内圧が上昇したり、水素吸蔵合金電極における水素吸蔵合金粒子が酸化されたりするのを抑制することが行われていた。
【0006】
しかし、このように表面をニッケル又はニッケル合金でめっきした水素吸蔵合金粒子を用いた場合においても、アルカリ蓄電池の内圧が上昇したり、水素吸蔵合金電極における水素吸蔵合金粒子が酸化されるのを十分に抑制することができず、また上記のように充放電を繰り返して行った場合に、水素吸蔵合金粒子がアルカリ電解液によって腐食されるのを十分に抑制することができず、充放電サイクル特性が依然として十分ではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、水素吸蔵合金電極を負極に使用したアルカリ蓄電池における上記のような問題を解決することを課題とするものであり、水素吸蔵合金電極に用いる電極用水素吸蔵合金を改善し、過充電時に正極において発生した酸素によってアルカリ蓄電池の内圧が上昇するのを抑制すると共に、水素吸蔵合金電極における水素吸蔵合金粒子が酸化されたり、この水素吸蔵合金粒子がアルカリ電解液によって腐食されたりするのを防止し、充放電サイクル特性に優れたアルカリ蓄電池が得られるようにすることを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明における電極用水素吸蔵合金においては、上記のような課題を解決するため、水素吸蔵合金粒子の表面に、ニッケルとタングステンとを含むニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層をめっきにより形成し、さらにこの第1被覆層の上にニッケルからなる第2被覆層をめっきにより形成するようにしたのである。
【0009】
そして、この発明における電極用水素吸蔵合金を用いて水素吸蔵合金電極を作製し、この水素吸蔵合金電極をアルカリ蓄電池の負極に使用すると、水素吸蔵合金粒子の表面に形成されたニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層により、水素吸蔵合金粒子がアルカリ電解液によって腐食されるのが抑制されると共に、この第1被覆層の上に形成されたニッケルからなる第2被覆層によって、水素吸蔵合金電極の導電性が高まり、また過充電時に正極において発生した酸素が水素と反応して消費されるようになり、電池の内圧が上昇したり、水素吸蔵合金電極における水素吸蔵合金が酸化されたりするのが抑制されるようになる。
【0010】
このため、この発明におけるアルカリ蓄電池においては、過充電時等において電池の内圧が上昇するのが抑制されると共に、充放電を繰り返して行った場合に放電容量が次第に低下するのも抑制され、充放電サイクル特性が向上されるようになる。
【0011】
ここで、この発明の電極用水素吸蔵合金において、上記のように水素吸蔵合金粒子の表面に、ニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層を形成したり、この第1被覆層の上にニッケルからなる第2被覆層を形成するにあたっては、めっきによって第1及び第2の各被覆層を形成することが必要であり、特に、無電解めっきによって形成することが好ましい。
【0012】
また、水素吸蔵合金粒子の表面にニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層を形成するにあたり、この第1被覆層の量が少ないと、アルカリ電解液によって水素吸蔵合金粒子が腐食されるのを十分に防止することができなくなる一方、この第1被覆層の量が多くなり過ぎると、充放電時において、この第1被覆層が水素吸蔵合金粒子の表面から剥離し易くなり、何れの場合においても、アルカリ蓄電池における充放電サイクル特性が低下する。このため、水素吸蔵合金粒子に対する上記のニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層の質量比率を0.5〜5質量%の範囲にすることが好ましく、より好ましくは1.0〜4.0質量%の範囲にする。
【0013】
また、このニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層中におけるタングステンの量が少ないと、アルカリ電解液によって水素吸蔵合金粒子が腐食されるのを十分に防止することができなくなる一方、タングステンの量が多くなると、第1被覆層中におけるタングステンがアルカリ電解液中に溶出して、この第1被覆層が水素吸蔵合金粒子の表面から剥離し易くなり、何れの場合においても、アルカリ蓄電池における充放電サイクル特性が低下する。このため、第1被覆層中におけるタングステンの質量比率を5〜20質量%の範囲にすることが好ましく、より好ましくは9.0〜17質量%の範囲にする。
【0014】
【発明の効果】
また、この第1被覆層の上にニッケルからなる第2被覆層を形成するにあたり、この第2被覆層の量が少ないと、過充電時に正極において発生した酸素を水素と反応させて十分に消費させることができなくなる一方、この第2被覆層の量が多く成り過ぎると、水素吸蔵合金粒子の表面全体が覆われて、充放電反応が起こりにくくなり、何れの場合においてもアルカリ蓄電池の内圧が上昇する。このため、水素吸蔵合金粒子に対する上記のニッケルからなる第2被覆層の質量比率を0.5〜5質量%の範囲にすることが好ましく、より好ましくは1.0〜4.0質量%の範囲にする。
【0015】
【実施例】
以下、この発明に係る電極用水素吸蔵合金、水素吸蔵合金電極及びアルカリ蓄電池について実施例を挙げて具体的に説明すると共に、この実施例におけるアルカリ蓄電池においては、電池内部の圧力上昇が低減されると共に、充放電サイクル特性が向上することを、比較例を挙げて明らかにする。なお、この発明における電極用水素吸蔵合金、水素吸蔵合金電極及びアルカリ蓄電池は、特に、下記の実施例に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0016】
(実施例1)
実施例1においては、組成式MmNi3.2 Co1.0 Al0.6 Mn0.2 で表される平均粒径が50μmになった水素吸蔵合金粉末を用いるようにした。なお、この水素吸蔵合金粉末において、Mmで表されるミッシュメタルは、La:Ce:Pr:Nd=25:50:6:19の重量比になっている。
【0017】
そして、この実施例1においては、1リットル中に硫酸ニッケルが8.0g、タングステン酸ナトリウムが33g、次亜リン酸ナトリウムが11g、クエン酸ナトリウムが26gの割合で含まれ、水酸化ナトリウムと硫酸とによってpH7に調整されると共に浴温が90℃になった第1めっき液中に、上記の水素吸蔵合金粉末を1分55秒間浸漬させ、無電解めっきによって上記の水素吸蔵合金粉末の表面に、ニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層を形成した。
【0018】
ここで、水素吸蔵合金粉末に対するニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層の質量比率は2.5質量%であり、またこの第1被覆層中におけるタングステンの質量比率は13質量%になっていた。
【0019】
次いで、1リットル中に硫酸ニッケルが30g、ホスフィン酸ナトリウムが10g、クエン酸ナトリウムが80g、塩化アンモニウムが50gの割合で含まれ、水酸化アンモニウムによってpH8に調整されると共に浴温が90℃になった第2めっき液中に、上記の第1被覆層が形成された水素吸蔵合金粉末を1分30秒間浸漬させ、無電解めっきによって上記の第1被覆層の上にニッケルからなる第2被覆層を形成した。
【0020】
ここで、水素吸蔵合金粉末に対するニッケルからなる第2被覆層の質量比率は2.5質量%になっていた。
【0021】
そして、上記のように表面にニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層とニッケルからなる第2被覆層とが形成された水素吸蔵合金粉末を用い、この水素吸蔵合金粉末100重量部に対して、結着剤としてポリエチレンオキシドを1.0重量部加えると共に少量の水を加え、これらを混合してペーストを調製し、このペーストをパンチングメタルを用いた集電体の両面に均一に塗布し、これを乾燥させた後、圧延して水素吸蔵合金電極を作製した。
【0022】
そして、このように作製した水素吸蔵合金電極を負極に使用して、図1に示すような、円筒型で電池容量が約1Ahになったアルカリ蓄電池を作製した。
【0023】
ここで、正極としては、硝酸コバルトと硝酸亜鉛とを加えた硝酸ニッケル水溶液を、多孔度85%のニッケル焼結基板に化学含浸法により含浸させて作製した焼結式ニッケル極を使用し、またセパレータには耐アルカリ性の不織布を用いると共に、アルカリ電解液には30重量%の水酸化カリウム水溶液を使用するようにした。
【0024】
そして、アルカリ蓄電池を作製するにあたっては、図1に示すように、正極1と負極2との間にセパレータ3を介在させてスパイラル状に巻き取り、これを負極缶4内に収容させた後、負極缶4内に上記のアルカリ電解液を注液して封口し、正極1を正極リード5を介して封口蓋6に接続させると共に、負極2を負極リード7を介して負極缶4に接続させ、負極缶4と封口蓋6とを絶縁パッキン8により電気的に絶縁させると共に、封口蓋6と正極外部端子9との間にコイルスプリング10を設け、電池の内圧が異常に上昇した場合は、このコイルスプリング10が圧縮されて電池内部のガスが大気に放出されるようにした。
【0025】
(比較例1)
比較例1においても、上記の実施例1と同じ、組成式MmNi3.2 Co1.0 Al0.6 Mn0.2 で表される平均粒径が50μmになった水素吸蔵合金粉末を用いるようにした。
【0026】
そして、この比較例1においては、上記の水素吸蔵合金粉末を、上記の実施例1における第2めっき液中に3分間浸漬させ、無電解めっきによって上記の水素吸蔵合金粉末の表面にニッケルからなる被覆層だけを形成し、ニッケル−タングステン合金からなる被覆層は形成しないようにした。
【0027】
ここで、水素吸蔵合金粉末に対する上記のニッケルからなる被覆層の質量比率は5質量%になっていた。
【0028】
そして、このように表面にニッケルからなる被覆層だけが形成された水素吸蔵合金粉末を用いる以外は、上記の実施例1の場合と同様にして、水素吸蔵合金電極を作製すると共に、このように作製した水素吸蔵合金電極を負極に使用して、円筒型で電池容量が約1Ahになった比較例1のアルカリ蓄電池を作製した。
【0029】
(比較例2)
比較例2においても、上記の実施例1と同じ、組成式MmNi3.2 Co1.0 Al0.6 Mn0.2 で表される平均粒径が50μmになった水素吸蔵合金粉末を用いるようにした。
【0030】
そして、この比較例2においては、上記の水素吸蔵合金粉末を、上記の実施例1における第1めっき液中に3分50秒間浸漬させ、無電解めっきによって上記の水素吸蔵合金粉末の表面にニッケル−タングステン合金からなる被覆層だけを形成し、ニッケルからなる被覆層は形成しないようにした。
【0031】
ここで、水素吸蔵合金粉末に対する上記のニッケル−タングステン合金からなる被覆層の質量比率は5質量%になっていた。
【0032】
そして、このように表面にニッケル−タングステン合金からなる被覆層だけが形成された水素吸蔵合金粉末を用いる以外は、上記の実施例1の場合と同様にして、水素吸蔵合金電極を作製すると共に、このように作製した水素吸蔵合金電極を負極に使用して、円筒型で電池容量が約1Ahになった比較例のアルカリ蓄電池を作製した。
【0033】
(比較例3)
比較例3においても、上記の実施例1の場合と同じ、組成式MmNi3.2 Co1.0 Al0.6 Mn0.2 で表される平均粒径が50μmになった水素吸蔵合金粉末を用いるようにした。
【0034】
そして、この比較例3においては、上記の水素吸蔵合金粉末に被覆層を設けることなく、この水素吸蔵合金粉末をそのまま使用し、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にして、水素吸蔵合金電極を作製すると共に、このように作製した水素吸蔵合金電極を負極に使用して、円筒型で電池容量が約1Ahになった比較例3のアルカリ蓄電池を作製した。
【0035】
次に、上記のようにして作製した実施例1及び比較例1〜3の各アルカリ蓄電池について、それぞれ0.1Aで15時間充電させた後、0.2Aで1.0Vまで放電させ、これをもう一度繰り返して行い、実施例1及び比較例1〜3の各アルカリ蓄電池を活性化させた。
【0036】
そして、上記のように活性化させた実施例1及び比較例1〜3の各アルカリ蓄電池について、それぞれ1Aで1.5時間充電して、各アルカリ蓄電池の内圧を調べ、その結果を下記の表1に示した。なお、各アルカリ蓄電池の内圧を調べるにあたっては、電池内部のガスが大気に放出されないようにすると共に、各アルカリ蓄電池の缶底に孔を設け、この孔に圧力センサーを挿入させて測定した。
【0037】
また、上記のように活性化させた実施例1及び比較例1〜3の各アルカリ蓄電池を、0.1Aの電流で12時間充電した後、0.2Aの電流で放電終止電圧1.0Vになるまで放電を行い、これを1サイクルとして充放電を繰り返して行い、放電容量が活性化させた当初の初期容量の60%に到達するまでのサイクル回数をサイクル寿命として求め、その結果を下記の表1に示した。
【0038】
【表1】
Figure 0004530555
【0039】
この結果から明らかなように、表面にニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層が形成されると共にこの第1被覆層の上にニッケルからなる第2被覆層が形成された水素吸蔵合金粉末を水素吸蔵合金電極に使用した実施例1のアルカリ蓄電池は、表面にニッケルからなる被覆層とニッケル−タングステン合金からなる被覆層との何れか1つの被覆層だけが形成された水素吸蔵合金粉末を水素吸蔵合金電極に使用した比較例1,2の各アルカリ蓄電池や、表面に被覆層を設けていない水素吸蔵合金粉末を水素吸蔵合金電極に使用した比較例3のアルカリ蓄電池に比べて、電池の内圧の上昇が十分に抑制されると共に、サイクル寿命が著しく向上していた。
【0040】
(実施例A1〜A6)
実施例A1〜A6においても、上記の実施例1と同じ、組成式MmNi3.2 Co1.0 Al0.6 Mn0.2 で表される平均粒径が50μmになった水素吸蔵合金粉末を用い、この水素吸蔵合金粉末の表面に、ニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層を形成すると共にこの第1被覆層の上にニッケルからなる第2被覆層を形成するようにした。
【0041】
ここで、実施例A1〜A6においては、上記の実施例1の場合と同様にして、上記の水素吸蔵合金粉末の表面にニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層を形成した後、この第1被覆層の上にニッケルからなる第2被覆層を形成するにあたり、上記の実施例1で用いた第2めっき液中に、第1被覆層が形成された水素吸蔵合金粉末を浸漬させる時間を変更し、実施例A1では11秒間に、実施例A2では18秒間に、実施例A3では36秒間に、実施例A4では2分24秒間に、実施例A5では3分間に、実施例A6では3分18秒間にした。
【0042】
ここで、上記のようにしてニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層の上にそれぞれニッケルからなる第2被覆層を形成したところ、水素吸蔵合金粉末に対するニッケルからなる第2被覆層の質量比率は、下記の表2に示すように、実施例A1では0.3質量%、実施例A2では0.5質量%、実施例A3では1.0質量%、実施例A4では4.0質量%、実施例A5では5.0質量%、実施例A6では5.5質量%になっていた。
【0043】
そして、上記のようにして第1被覆層の上にニッケルからなる第2被覆層が形成された各水素吸蔵合金粉末を用いる以外は、上記の実施例1の場合と同様にして、水素吸蔵合金電極を作製すると共に、このように作製した水素吸蔵合金電極を負極に使用して、円筒型で電池容量が約1Ahになった実施例A1〜A6の各アルカリ蓄電池を作製した。
【0044】
また、このようにして作製した実施例A1〜A6の各アルカリ蓄電池についても、上記の実施例1のアルカリ蓄電池の場合と同様にして、各アルカリ蓄電池の内圧及びサイクル寿命を求め、その結果を下記の表2に示した。
【0045】
【表2】
Figure 0004530555
【0046】
この結果、水素吸蔵合金粉末に対するニッケルからなる第2被覆層の質量比率が0.5〜5質量%の範囲になった水素吸蔵合金粉末を用いた実施例1、A2〜A5の各アルカリ蓄電池は、水素吸蔵合金粉末に対するニッケルからなる第2被覆層の質量比率が0.3質量%になった水素吸蔵合金粉末を用いた実施例A1のアルカリ蓄電池や、水素吸蔵合金粉末に対するニッケルからなる第2被覆層の質量比率が5.5質量%になった水素吸蔵合金粉末を用いた実施例A6のアルカリ蓄電池に比べて、電池の内圧の上昇が抑制されると共に、サイクル寿命が向上していた。特に、水素吸蔵合金粉末に対するニッケルからなる第2被覆層の質量比率が1.0〜4.0質量%の範囲になった水素吸蔵合金粉末を用いた実施例1、A3、A4の各アルカリ蓄電池は、さらに電池の内圧の上昇が抑制されると共に、サイクル寿命が向上していた。
【0047】
(実施例B1〜B6)
実施例B1〜B6においても、上記の実施例1と同じ、組成式MmNi3.2 Co1.0 Al0.6 Mn0.2 で表される平均粒径が50μmになった水素吸蔵合金粉末を用い、この水素吸蔵合金粉末の表面に、ニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層を形成すると共にこの第1被覆層の上にニッケルからなる第2被覆層を形成するようにした。
【0048】
ここで、実施例B1〜B6においては、水素吸蔵合金粉末の表面にニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層を形成するにあたり、上記の実施例1で用いた第1めっき液中に、上記の水素吸蔵合金粉末を浸漬させる時間を変更し、実施例B1では14秒間に、実施例B2では23秒間に、実施例B3では46秒間に、実施例B4では3分04秒間に、実施例B5では3分50秒間に、実施例B6では4分13秒間にした。
【0049】
ここで、上記のようにして水素吸蔵合金粉末の表面にそれぞれニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層を形成したところ、水素吸蔵合金粉末に対するニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層の質量比率は、下記の表3に示すように、実施例B1では0.3質量%、実施例B2では0.5質量%、実施例B3では1.0質量%、実施例B4では4.0質量%、実施例B5では5.0質量%、実施例B6では5.5質量%になっていた。
【0050】
上記のようにして水素吸蔵合金粉末の表面にそれぞれニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層を形成した後は、上記の実施例1の場合と同様にして、上記の各第1被覆層の上にニッケルからなる第2被覆層を形成した。
【0051】
そして、上記のようにして作製した各水素吸蔵合金粉末を用い、上記の実施例1の場合と同様にして、水素吸蔵合金電極を作製すると共に、このように作製した水素吸蔵合金電極を負極に使用して、円筒型で電池容量が約1Ahになった実施例B1〜B6の各アルカリ蓄電池を作製した。
【0052】
また、このようにして作製した実施例B1〜B6の各アルカリ蓄電池についても、上記の実施例1のアルカリ蓄電池の場合と同様にして、各アルカリ蓄電池の内圧及びサイクル寿命を求め、その結果を下記の表3に示した。
【0053】
【表3】
Figure 0004530555
【0054】
この結果、水素吸蔵合金粉末に対するニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層の質量比率が0.5〜5質量%の範囲になった水素吸蔵合金粉末を用いた実施例1、B2〜B5の各アルカリ蓄電池は、水素吸蔵合金粉末に対するニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層の質量比率が0.3質量%になった水素吸蔵合金粉末を用いた実施例B1のアルカリ蓄電池や、水素吸蔵合金粉末に対するニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層の質量比率が5.5質量%になった水素吸蔵合金粉末を用いた実施例B6のアルカリ蓄電池に比べて、電池の内圧の上昇が抑制されると共に、サイクル寿命が向上していた。特に、水素吸蔵合金粉末に対するニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層の質量比率が1.0〜4.0質量%の範囲になった水素吸蔵合金粉末を用いた実施例1、B3、B4の各アルカリ蓄電池は、さらに電池の内圧の上昇が抑制されると共に、サイクル寿命が向上していた。
【0055】
(実施例C1〜C6)
実施例C1〜C6においても、上記の実施例1と同じ、組成式MmNi3.2 Co1.0 Al0.6 Mn0.2 で表される平均粒径が50μmになった水素吸蔵合金粉末を用い、この水素吸蔵合金粉末の表面に、ニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層を形成すると共にこの第1被覆層の上にニッケルからなる第2被覆層を形成するようにした。
【0056】
ここで、実施例C1〜C6においては、水素吸蔵合金粉末の表面にニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層を形成するにあたり、上記の実施例1で用いた第1めっき液のpHを変更させると共に、上記の水素吸蔵合金粉末をこのような第1めっき液中に浸漬させる時間を変更し、実施例C1ではpHを5.5にすると共に浸漬時間を2分11秒間にし、実施例C2ではpHを6.0にすると共に浸漬時間を2分03秒間にし、実施例C3ではpHを6.5にすると共に浸漬時間を1分55秒間にし、実施例C4ではpHを7.5にすると共に浸漬時間を2分11秒間にし、実施例C5ではpHを7.8にすると共に浸漬時間を2分30秒間にし、実施例C6ではpHを8.2にすると共に浸漬時間を2分55秒間にした。
【0057】
ここで、上記のようにして水素吸蔵合金粉末の表面にそれぞれニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層を形成したところ、ニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層中におけるタングステンの質量比率は、下記の表4に示すように、実施例C1では4.0質量%、実施例C2では5.0質量%、実施例C3では9.0質量%、実施例C4では17質量%、実施例C5では20質量%、実施例C6では21質量%になっていた。
【0058】
そして、水素吸蔵合金粉末の表面に上記のようにしてニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層を形成した後は、上記の実施例1の場合と同様にして、第1被覆層の上にニッケルからなる第2被覆層を形成し、このようにして形成した各水素吸蔵合金粉末を用い、上記の実施例1の場合と同様にして、水素吸蔵合金電極を作製すると共に、このように作製した水素吸蔵合金電極を負極に使用して、円筒型で電池容量が約1Ahになった実施例C1〜C6の各アルカリ蓄電池を作製した。
【0059】
また、このようにして作製した実施例C1〜C6の各アルカリ蓄電池についても、上記の実施例1のアルカリ蓄電池の場合と同様にして、各アルカリ蓄電池の内圧及びサイクル寿命を求め、その結果を下記の表4に示した。
【0060】
【表4】
Figure 0004530555
【0061】
この結果、ニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層中におけるタングステンの質量比率が5〜20質量%の範囲になった水素吸蔵合金粉末を用いた実施例1、C2〜C5の各アルカリ蓄電池は、ニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層中におけるタングステンの質量比率が4.0質量%になった水素吸蔵合金粉末を用いた実施例C1のアルカリ蓄電池や、ニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層中におけるタングステンの質量比率が21質量%になった水素吸蔵合金粉末を用いた実施例C6のアルカリ蓄電池に比べて、電池の内圧の上昇が抑制されると共に、サイクル寿命が向上していた。特に、ニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層中におけるタングステンの質量比率が9.0〜17質量%の範囲になった水素吸蔵合金粉末を用いた実施例1、C3、C4の各アルカリ蓄電池は、さらに電池の内圧の上昇が抑制されると共に、サイクル寿命が向上していた。
【0062】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明における電極用水素吸蔵合金においては、水素吸蔵合金粒子の表面に、ニッケルとタングステンとを含むニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層を形成し、さらにこの第1被覆層の上にニッケルからなる第2被覆層を形成したため、この電極用水素吸蔵合金を用いて水素吸蔵合金電極を作製し、この水素吸蔵合金電極をアルカリ蓄電池の負極に使用した場合、上記のニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層により、水素吸蔵合金粒子がアルカリ電解液によって腐食されるのが抑制されると共に、ニッケルからなる第2被覆層によって、水素吸蔵合金電極の導電性が高まり、また過充電時に正極において発生した酸素が水素と反応して消費されるようになり、電池の内圧が上昇したり、水素吸蔵合金電極における水素吸蔵合金が酸化されたりするのが抑制されるようになった。
【0063】
この結果、この発明におけるアルカリ蓄電池においては、過充電時等において電池の内圧が上昇するのが抑制されると共に、充放電を繰り返して行った場合に放電容量が次第に低下するのも抑制され、充放電サイクル特性も向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例及び比較例において作製したアルカリ蓄電池の概略断面図である。
【符号の説明】
1 正極
2 負極(水素吸蔵合金電極)

Claims (6)

  1. 水素吸蔵合金粒子の表面に、ニッケルとタングステンとを含むニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層が無電解めっきによって形成され、この第1被覆層の上にニッケルからなる第2被覆層が無電解めっきによって形成されていることを特徴とする電極用水素吸蔵合金。
  2. 請求項1に記載した電極用水素吸蔵合金において、上記の水素吸蔵合金粒子に対するニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層の質量比率が0.5〜5質量%の範囲である。
  3. 請求項1又は2に記載した電極用水素吸蔵合金において、上記の水素吸蔵合金粒子に対するニッケルからなる第2被覆層の質量比率が0.5〜5質量%の範囲である。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載した電極用水素吸蔵合金において、上記のニッケル−タングステン合金からなる第1被覆層中におけるタングステンの質量比率が5〜20質量%の範囲である。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載した電極用水素吸蔵合金を用いたことを特徴とする水素吸蔵合金電極。
  6. 請求項5に記載の水素吸蔵合金電極を負極に用いたことを特徴とするアルカリ蓄電池。
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