JP4357133B2 - 電極用水素吸蔵合金、水素吸蔵合金電極及びアルカリ蓄電池 - Google Patents
電極用水素吸蔵合金、水素吸蔵合金電極及びアルカリ蓄電池 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ニッケル−水素蓄電池等のアルカリ蓄電池及びこのアルカリ蓄電池の負極に使用される水素吸蔵合金電極、またこの水素吸蔵合金電極に用いる電極用水素吸蔵合金に関するものであり、水素吸蔵合金電極に用いる電極用水素吸蔵合金やこの水素吸蔵合金電極を改善して、アルカリ蓄電池における高率放電特性や充放電サイクル特性を向上させた点に特徴を有するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、アルカリ蓄電池の一つとして、その負極に水素吸蔵合金電極を使用したニッケル−水素蓄電池が知られている。
【0003】
そして、このようなアルカリ蓄電池における水素吸蔵合金電極としては、一般に水素吸蔵合金粉末に結着剤を加えてペーストを調製し、このペーストを集電体に塗着させて乾燥させたものが用いられていた。
【0004】
しかし、上記のような水素吸蔵合金電極を用いたアルカリ蓄電池においては、水素吸蔵合金電極における導電性が十分ではなく、高電流での充放電特性が悪くなり、また過充電時に正極において発生した酸素により、この水素吸蔵合金電極における水素吸蔵合金の表面が酸化されて劣化し、放電容量が次第に低下して、充放電サイクル特性が悪くなるという問題があった。
【0005】
このような問題を解決するため、例えば、特開昭61−163569号公報においては、水素吸蔵合金粉末の表面をニッケル又はニッケル合金でめっきし、水素吸蔵合金粉末における導電性を高めると共に、集電体に対する水素吸蔵合金粉末の付着力を高めるようにしたものが、また特開昭61−185863号公報においては、水素吸蔵合金粒子の表面を炭素質で被覆し、過充電時に正極で発生した酸素によって水素吸蔵合金電極における水素吸蔵合金が酸化されるのを防止するようにしたものが、また特公平7−63006号(特開昭63−266767号)公報においては、水素吸蔵合金電極の表面にニッケル等を用いた多孔性の導電層を設け、水素吸蔵合金電極における導電性を高めると共に、過充電時に正極で発生した酸素によって水素吸蔵合金電極における水素吸蔵合金が酸化されるのを防止するようにしたものが示されている。
【0006】
しかし、上記のように水素吸蔵合金粉末の表面をニッケル又はニッケル合金でめっきしたり、水素吸蔵合金電極の表面にニッケル等を用いた多孔性の導電層を設けた場合においても、過充電時に正極で発生した酸素によって水素吸蔵合金電極における水素吸蔵合金が酸化されるのを十分に防止することができず、充放電サイクル特性を十分に向上させることができなかった。
【0007】
また、上記のように水素吸蔵合金粒子の表面を炭素質で被覆した場合においては、水素吸蔵合金電極における導電性が低下して、高電流での充放電特性が悪くなるという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、水素吸蔵合金電極を負極に使用したアルカリ蓄電池における上記のような問題を解決することを課題とするものであり、水素吸蔵合金電極に用いる電極用水素吸蔵合金やこの水素吸蔵合金電極を改善し、高率放電特性や充放電サイクル特性に優れたアルカリ蓄電池が得られるようにすることを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明の電極用水素吸蔵合金においては、上記のような課題を解決するため、水素吸蔵合金粒子の表面に、ニッケルとコバルトとから選択される少なくとも1種の金属と炭素粒子とを含む被覆層をめっきによって形成すると共に、この被覆層における上記の炭素粒子の平均粒径が上記の金属部分の平均厚さ以上になるようにしたのである。
【0010】
そして、この発明における電極用水素吸蔵合金を用いて水素吸蔵合金電極を作製し、この水素吸蔵合金電極をアルカリ蓄電池の負極に使用すると、水素吸蔵合金粒子の表面に形成された被覆層におけるニッケルとコバルトとから選択される少なくとも1種の金属により、水素吸蔵合金電極における導電性が向上すると共に、過充電時に正極で発生した酸素によって水素吸蔵合金電極における水素吸蔵合金が酸化されるのが、この被覆層における炭素粒子によって抑制されるようになる。
【0011】
そして、上記のように水素吸蔵合金電極における導電性が向上すると共に、過充電時に正極で発生した酸素によって水素吸蔵合金電極における水素吸蔵合金が酸化されるのが抑制され、アルカリ蓄電池における高率放電特性及び充放電サイクル特性が向上されるようになる。
【0012】
ここで、この発明の電極用水素吸蔵合金において、上記のように水素吸蔵合金粒子の表面に、ニッケルとコバルトとから選択される少なくとも1種の金属と炭素粒子とを含む被覆層を形成するにあたって、めっきによって被覆層を形成すると、電極用水素吸蔵合金の特性を低下させないようにして、簡単に上記のような被覆層を設けることができ、特に、無電解めっきによって形成することが好ましい。
【0013】
また、上記のように水素吸蔵合金粒子の表面に、ニッケルとコバルトとから選択される少なくとも1種の金属と炭素粒子とを含む被覆層を形成するにあたり、この被覆層における上記の金属部分の厚さが薄いと、水素吸蔵合金電極における導電性を十分に向上させることができなくなる一方、この金属部分が厚くなり過ぎると、水素吸蔵合金粒子の表面全体が覆われて、充放電反応が起こりにくくなるため、被覆層における金属部分の平均厚さを0.5μm〜2.5μmの範囲にすることが好ましい。
【0014】
また、上記のように平均粒径が被覆層における金属部分の平均厚さ以上になった炭素粒子を用いると、過充電時に正極で発生した酸素によって水素吸蔵合金電極における水素吸蔵合金が酸化されるのが、被覆層における炭素粒子によって十分に抑制されるようになり、より好ましくは、平均粒径が被覆層における金属部分の平均厚さより大きい炭素粒子を用いるようにする。
【0015】
また、水素吸蔵合金粒子の表面に上記のような被覆層を形成するにあたり、この被覆層中における炭素粒子の量が少ないと、過充電時に正極で発生した酸素によって水素吸蔵合金電極における水素吸蔵合金が酸化されるのを十分に抑制することができなくなる一方、被覆層中における炭素粒子の量が多くなり過ぎると、水素吸蔵合金電極における導電性が低下して、高電流での充放電特性が悪くなるため、被覆層中における炭素粒子の量を0.5重量%〜5.0重量%の範囲にすることが好ましい。
【0016】
また、この発明における水素吸蔵合金電極においては、上記のような課題を解決するため、水素吸蔵合金粒子を用いた電極材料が集電体に付着された電極の表面に、ニッケルとコバルトとから選択される少なくとも1種の金属と炭素粒子とを含む被覆層をめっきによって形成すると共に、この被覆層における上記の炭素粒子の平均粒径が上記の金属部分の平均厚さ以上になるようにしたのである。
【0017】
そして、この発明における水素吸蔵合金電極をアルカリ蓄電池の負極に使用すると、この電極の表面に形成された被覆層におけるニッケルとコバルトとから選択される少なくとも1種の金属によって水素吸蔵合金電極における導電性が向上すると共に、過充電時に正極で発生した酸素によって水素吸蔵合金電極における水素吸蔵合金が酸化されるのが、この被覆層における炭素粒子によって抑制されるようになり、アルカリ蓄電池における高率放電特性及び充放電サイクル特性が向上する。
【0018】
ここで、この発明の水素吸蔵合金電極において、上記のように電極の表面に、ニッケルとコバルトとから選択される少なくとも1種の金属と炭素粒子とを含む被覆層を形成するにあたって、めっきによって被覆層を形成すると、水素吸蔵合金電極の特性を低下させないようにして、簡単に上記のような被覆層を設けることができ、特に、無電解めっきによって形成することが好ましい。
【0019】
また、上記のように電極の表面に、ニッケルとコバルトとから選択される少なくとも1種の金属と炭素粒子とを含む被覆層を形成するにあたり、この被覆層における上記の金属部分の厚さが薄いと、水素吸蔵合金電極における導電性を十分に向上させることができなくなる一方、この金属部分が厚くなって上記の炭素粒子の平均粒径を超えると、水素吸蔵合金電極の表面全体が覆われて、充放電反応が起こりにくくなるため、被覆層における金属部分の平均厚さを1.0μm〜炭素粒子の平均粒径の範囲にすることが好ましい。
【0020】
また、水素吸蔵合金電極の表面に上記のような被覆層を形成するにあたり、この被覆層中における炭素粒子の量が少ないと、過充電時に正極で発生した酸素によって水素吸蔵合金電極における水素吸蔵合金が酸化されるのを十分に抑制することができなくなる一方、被覆層中における炭素粒子の量が多くなり過ぎると、水素吸蔵合金電極における導電性が低下して、高電流での充放電特性が悪くなるため、被覆層中における炭素粒子の量を0.5重量%〜5.0重量%の範囲にすることが好ましい。
【0021】
【実施例】
以下、この発明に係る電極用水素吸蔵合金、水素吸蔵合金電極及びアルカリ蓄電池について実施例を挙げて具体的に説明すると共に、この実施例におけるアルカリ蓄電池においては、電池内部の圧力上昇や内部抵抗が低減されると共に、充放電サイクル特性が向上することを、比較例を挙げて明らかにする。なお、この発明における電極用水素吸蔵合金、水素吸蔵合金電極及びアルカリ蓄電池は、特に、下記の実施例に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0022】
(実施例A1)
実施例A1においては、組成式MmNi3.2 Co1.0 Al0.6 Mn0.2 で表される平均粒径が50μmになった水素吸蔵合金粉末を用いるようにした。なお、この水素吸蔵合金粉末において、Mmで表されるミッシュメタルは、La:Ce:Pr:Nd=25:50:6:19の重量比になっている。
【0023】
そして、この実施例A1においては、1リットル中に硫酸ニッケルが30g、マロン酸ナトリウムが34g、ホウ酸が30g、塩化アンモニウムが30g、ジメチルアミンボランが3.4g、平均粒径が3μmの天然黒鉛粉末が0.2g、界面活性剤のポリオキシエチレンアルキルエーテルが0.4g含まれ、水酸化アンモニウムNH4 OHによりpH7に調整されると共に浴温が60℃になった鍍金液中に、上記の水素吸蔵合金粉末を6分間浸漬させ、無電解めっきによって上記の水素吸蔵合金粒子の表面に、ニッケルと天然黒鉛粉末とを含む被覆層を形成した。
【0024】
ここで、上記の天然黒鉛粉末としては、天然黒鉛塊(d002 =33.56nm;Lc>10000nm)を機械的に粉砕し、平均粒径が3μmになるように調製したものを用いた。なお、この天然黒鉛粉末の平均粒径は、レーザ回折式粒度分布により測定した。
【0025】
そして、この被覆層の重量は、被覆層を形成する前の水素吸蔵合金の重量に対して約12重量%であり、またこの被覆層におけるニッケル部分の平均厚さは約1.0μm、この被覆層中における天然黒鉛粉末の重量比率は約3.5重量%になっていた。
【0026】
ここで、ニッケル部分の平均厚さは、水素吸蔵合金粒子の断面をSEMにより観察して求めた。また、被覆層中における天然黒鉛粉末の重量比率を求めるにあたっては、めっき液から被覆層が形成された水素吸蔵合金粉末を取り除き、加えた天然黒鉛粉末の量とめっき液中に残った天然黒鉛粉末の量とから被覆層中における天然黒鉛粉末の重量を求め、これに基づいて、被覆層中における天然黒鉛粉末の重量比率を算出した。
【0027】
そして、上記のように表面にニッケルと天然黒鉛粉末とを含む被覆層が形成された水素吸蔵合金粉末100重量部に対して、結着剤としてポリエチレンオキシドを1.0重量部加えると共に少量の水を加え、これらを混合してペーストを調製し、このペーストをパンチングメタルを用いた集電体の両面に均一に塗布し、これを乾燥させた後、圧延して水素吸蔵合金電極を作製した。
【0028】
そして、このように作製した水素吸蔵合金電極を負極に使用して、図1に示すような、円筒型で電池容量が約1Ahになったアルカリ蓄電池を作製した。
【0029】
ここで、正極としては、硝酸コバルトと硝酸亜鉛とを加えた硝酸ニッケル水溶液を、多孔度85%のニッケル焼結基板に化学含浸法により含浸させて作製した焼結式ニッケル極を使用し、またセパレータには耐アルカリ性の不織布を用いると共に、アルカリ電解液には30重量%の水酸化カリウム水溶液を使用するようにした。
【0030】
そして、アルカリ蓄電池を作製するにあたっては、図1に示すように、正極1と負極2との間にセパレータ3を介在させてスパイラル状に巻き取り、これを負極缶4内に収容させた後、負極缶4内に上記のアルカリ電解液を注液して封口し、正極1を正極リード5を介して封口蓋6に接続させると共に、負極2を負極リード7を介して負極缶4に接続させ、負極缶4と封口蓋6とを絶縁パッキン8により電気的に絶縁させると共に、封口蓋6と正極外部端子9との間にコイルスプリング10を設け、電池の内圧が異常に上昇した場合は、このコイルスプリング10が圧縮されて電池内部のガスが大気に放出されるようにした。
【0031】
(実施例A2)
実施例A2においても、上記の実施例A1の場合と同じ、組成式MmNi3.2 Co1.0 Al0.6 Mn0.2 で表される平均粒径が50μmになった水素吸蔵合金粉末を用いるようにした。
【0032】
そして、この実施例A2においては、上記の水素吸蔵合金粉末の表面に被覆層を形成するにあたり、1リットル中に硫酸コバルトが15g、酒石酸ナトリウムが115g、ホウ酸が30g、次亜リン酸ナトリウムが21g、平均粒径が3μmの天然黒鉛粉末が0.2g、界面活性剤のポリオキシエチレンアルキルエーテルが0.4g含まれ、水酸化アンモニウムNH4 OHによりpH9に調整されると共に浴温が90℃になった鍍金液中に、上記の水素吸蔵合金粉末を4分間浸漬させ、無電解めっきによって上記の水素吸蔵合金粒子の表面に、コバルトと天然黒鉛粉末とを含む被覆層を形成した。
【0033】
ここで、この被覆層の重量は、被覆層を形成する前の水素吸蔵合金の重量に対して約12重量%であり、またこの被覆層におけるコバルト部分の平均厚さは約1.0μm、この被覆層中における天然黒鉛粉末の重量比率は約3.5重量%になっていた。
【0034】
そして、このように表面にコバルトと天然黒鉛粉末とを含む被覆層が形成された水素吸蔵合金粉末を用いる以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、水素吸蔵合金電極を作製すると共に、このように作製した水素吸蔵合金電極を負極に使用して、円筒型で電池容量が約1Ahになった実施例A2のアルカリ蓄電池を作製した。
【0035】
(比較例a1)
比較例a1においても、上記の実施例A1の場合と同じ、組成式MmNi3.2 Co1.0 Al0.6 Mn0.2 で表される平均粒径が50μmになった水素吸蔵合金粉末を用いるようにした。
【0036】
そして、この比較例a1においては、上記の水素吸蔵合金粉末の表面に被覆層を形成するにあたり、上記の実施例A1において使用しためっき液中に、平均粒径が3μmの天然黒鉛粉末を加えないようにし、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、上記の水素吸蔵合金粒子の表面にニッケルからなる被覆層を形成した。
【0037】
ここで、このニッケルからなる被覆層の重量は、被覆層を形成する前の水素吸蔵合金の重量に対して約12重量%であり、またこのニッケルからなる被覆層の平均厚さは約1.0μmであった。
【0038】
そして、このように表面にニッケルからなる被覆層が形成された水素吸蔵合金粉末を用いる以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、水素吸蔵合金電極を作製すると共に、このように作製した水素吸蔵合金電極を負極に使用して、円筒型で電池容量が約1Ahになった比較例a1のアルカリ蓄電池を作製した。
【0039】
(比較例a2)
比較例a2においても、上記の実施例A1の場合と同じ、組成式MmNi3.2 Co1.0 Al0.6 Mn0.2 で表される平均粒径が50μmになった水素吸蔵合金粉末を用いるようにした。
【0040】
そして、この比較例a2においては、上記の水素吸蔵合金粉末の表面に被覆層を形成するにあたり、上記の実施例A2において使用しためっき液中に、平均粒径が3μmの天然黒鉛粉末を加えないようにし、それ以外は、上記の実施例A2の場合と同様にして、上記の水素吸蔵合金粒子の表面にコバルトからなる被覆層を形成した。
【0041】
ここで、このコバルトからなる被覆層の重量は、被覆層を形成する前の水素吸蔵合金の重量に対して約12重量%であり、またこのコバルトからなる被覆層の平均厚さは約1.0μmであった。
【0042】
そして、このように表面にコバルトからなる被覆層が形成された水素吸蔵合金粉末を用いる以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、水素吸蔵合金電極を作製すると共に、このように作製した水素吸蔵合金電極を負極に使用して、円筒型で電池容量が約1Ahになった比較例a2のアルカリ蓄電池を作製した。
【0043】
(比較例a3)
比較例a3においても、上記の実施例A1の場合と同じ、組成式MmNi3.2 Co1.0 Al0.6 Mn0.2 で表される平均粒径が50μmになった水素吸蔵合金粉末を用いるようにした。
【0044】
ここで、この比較例a3においては、上記の水素吸蔵合金粉末を、ショ糖が60%含まれた水溶液に浸漬させた後、これを窒素雰囲気中において400℃で乾留させ、表面に炭素からなる被覆層が形成された水素吸蔵合金粉末を得た。
【0045】
そして、このように表面に炭素からなる被覆層が形成された水素吸蔵合金粉末を用いる以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、水素吸蔵合金電極を作製すると共に、このように作製した水素吸蔵合金電極を負極に使用して、円筒型で電池容量が約1Ahになった比較例a3のアルカリ蓄電池を作製した。
【0046】
(比較例a4)
比較例a4においては、上記の実施例A1の場合と同じ、組成式MmNi3.2 Co1.0 Al0.6 Mn0.2 で表される平均粒径が50μmになった水素吸蔵合金粉末を用い、この水素吸蔵合金粉末に被覆層を設けることなく、この水素吸蔵合金粉末をそのまま使用し、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、水素吸蔵合金電極を作製すると共に、このように作製した水素吸蔵合金電極を負極に使用して、円筒型で電池容量が約1Ahになった比較例a4のアルカリ蓄電池を作製した。
【0047】
そして、上記のように作製した実施例A1,A2及び比較例a1〜a4の各アルカリ蓄電池について、それぞれ0.1Aで15時間充電させた後、0.2Aで1.0Vまで放電させ、これをもう一度繰り返して行い、実施例A1,A2及び比較例a1〜a4の各アルカリ蓄電池を活性化させた。
【0048】
次いで、上記のように活性化させた実施例A1,A2及び比較例a1〜a4の各アルカリ蓄電池について、それぞれ1Aで1.5時間充電して、各アルカリ蓄電池の内圧を調べ、その結果を下記の表1に示した。なお、各アルカリ蓄電池の内圧を調べるにあたっては、電池内部のガスが大気に放出されないようにすると共に、各アルカリ蓄電池の缶底に孔を設け、この孔に圧力センサーを挿入させて測定した。
【0049】
また、上記のように活性化させた実施例A1,A2及び比較例a1〜a4の各アルカリ蓄電池について、それぞれ室温条件で電流0.5Aで容量の50%まで充電させて20分間放置した後、電流0.5Aで1分間放電させて20分間放置し、その後、電流0.5Aで1分間充電させて20分間放置し、次いで、電流1Aで1分間放電させて20分間放置した後、電流1Aで1分間充電させて20分間放置し、同様にして電流2A、3Aでそれぞれ1分間放電と充電とを行い、0.5A、1A、2A、3Aの各電流で放電させた場合における10秒目の電圧を測定した。そして、放電時の各電流と測定した各電圧の直線の傾きに基づいて、各アルカリ蓄電池の内部抵抗を求め、その結果を下記の表1に示した。
【0050】
また、上記のように活性化させた実施例A1,A2及び比較例a1〜a4の各アルカリ蓄電池を、0.1Aの電流で12時間充電した後、0.2Aの電流で放電終止電圧1.0Vになるまで放電を行い、これを1サイクルとして充放電を繰り返して行い、放電容量が活性化させた当初の初期容量の60%に到達するまでのサイクル回数をサイクル寿命として求め、その結果を下記の表1に示した。
【0051】
【表1】
【0052】
この結果から明らかなように、表面にニッケル又はコバルトと炭素粒子である天然黒鉛粉末とを含む被覆層が形成された水素吸蔵合金粉末を負極の水素吸蔵合金電極に使用した実施例A1,A2の各アルカリ蓄電池は、表面にニッケル又はコバルトからなる被覆層が形成された水素吸蔵合金粉末を負極の水素吸蔵合金電極に使用した比較例a1,a2の各アルカリ蓄電池や、表面に炭素からなる被覆層が形成された水素吸蔵合金粉末を負極の水素吸蔵合金電極に使用した比較例a3のアルカリ蓄電池や、被覆層を設けていない水素吸蔵合金粉末を負極の水素吸蔵合金電極に使用した比較例a4のアルカリ蓄電池に比べて、電池の内圧及び内部抵抗が著しく低減されると共に、サイクル寿命が著しく向上していた。特に、被覆層における金属にニッケルを用いた実施例A1のアルカリ蓄電池は、被覆層における金属にコバルトを用いた実施例A2のアルカリ蓄電池に比べて、さらにサイクル寿命が長くなっていた。
【0053】
(実施例A1.1〜A1.6)
実施例A1.1〜A1.6においても、上記の実施例A1の場合と同じ、組成式MmNi3.2 Co1.0 Al0.6 Mn0.2 で表される平均粒径が50μmになった水素吸蔵合金粉末を用い、この水素吸蔵合金粉末の表面に、無電解めっきによりニッケルと天然黒鉛粉末とを含む被覆層を形成するようにした。
【0054】
ここで、実施例A1.1〜A1.6において、上記の水素吸蔵合金粉末の表面にニッケルと天然黒鉛粉末とを含む被覆層を形成するにあたっては、上記の実施例A1において使用しためっき液中に水素吸蔵合金粉末を浸漬させる時間を変更し、その浸漬時間を、実施例A1.1では1分48秒、実施例A1.2では3分00秒、実施例A1.3では9分00秒、実施例A1.4では12分00秒、実施例A1.5では15分00秒、実施例A1.6では16分12秒にした。
【0055】
なお、このように形成した各被覆層におけるニッケル部分の平均厚さを、上記の実施例A1の場合と同様にして求めた結果、下記の表2に示すように、実施例A1.1では0.3μm、実施例A1.2では0.5μm、実施例A1.3では1.5μm、実施例A1.4では2.0μm、実施例A1.5では2.5μm、実施例A1.6では2.7μmになっていた。
【0056】
そして、表面にニッケルと天然黒鉛粉末とを含む上記のような各被覆層が形成された各水素吸蔵合金粉末を用いる以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、水素吸蔵合金電極を作製すると共に、このように作製した水素吸蔵合金電極を負極に使用して、円筒型で電池容量が約1Ahになった実施例A1.1〜A1.6の各アルカリ蓄電池を作製した。
【0057】
また、このようにして作製した実施例A1.1〜A1.6の各アルカリ蓄電池についても、上記の実施例A1のアルカリ蓄電池の場合と同様にして、各アルカリ蓄電池の内圧、内部抵抗及びサイクル寿命を求め、その結果を下記の表2に示した。
【0058】
【表2】
【0059】
この結果、被覆層におけるニッケル部分の平均厚さが0.5μm〜2.5μmの範囲になった実施例A1、A1.2〜A1.5の各アルカリ蓄電池は、被覆層におけるニッケル部分の平均厚さが0.3μmになった実施例A1.1のアルカリ蓄電池に比べてサイクル寿命が長くなっており、また被覆層におけるニッケル部分の平均厚さが2.7μmになった実施例A1.6のアルカリ蓄電池に比べて電池の内圧及び内部抵抗が低くなっていた。
【0060】
特に、被覆層におけるニッケル部分の平均厚さが1.0μm〜2.0μmの範囲になった実施例A1、A1.3及びA1.4の各アルカリ蓄電池においては、さらにサイクル寿命が長くなると共に、電池の内圧及び内部抵抗もさらに低くなっていた。
【0061】
(実施例A1.7〜A1.11)
実施例A1.7〜A1.11においても、上記の実施例A1の場合と同じ、組成式MmNi3.2 Co1.0 Al0.6 Mn0.2 で表される平均粒径が50μmになった水素吸蔵合金粉末を用い、この水素吸蔵合金粉末の表面に、無電解めっきによりニッケルと天然黒鉛粉末とを含む被覆層を形成するようにした。
【0062】
ここで、実施例A1.7〜A1.11においては、上記の水素吸蔵合金粉末の表面にニッケルと天然黒鉛粉末とを含む被覆層を形成するにあたり、上記の実施例A1において使用しためっき液に加える平均粒径が3μmになった天然黒鉛粉末の量を変更し、1リットルのめっき液中における天然黒鉛粉末の量を、実施例A1.7では0.02g、実施例A1.8では0.05g、実施例A1.9では0.15g、実施例A1.10では0.40g、実施例A1.11では0.50gにした。
【0063】
なお、このように形成した各被覆層中における天然黒鉛粉末の重量比率を、上記の実施例A1の場合と同様にして求めた結果、下記の表3に示すように、実施例A1.7では0.2重量%、実施例A1.8では0.5重量%、実施例A1.9では2.0重量%、実施例A1.10では5.0重量%、実施例A1.11では5.5重量%になっていた。
【0064】
そして、表面にニッケルと天然黒鉛粉末とを含む上記のような各被覆層が形成された各水素吸蔵合金粉末を用いる以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、水素吸蔵合金電極を作製すると共に、このように作製した水素吸蔵合金電極を負極に使用して、円筒型で電池容量が約1Ahになった実施例A1.7〜A1.11の各アルカリ蓄電池を作製した。
【0065】
また、このようにして作製した実施例A1.7〜A1.11の各アルカリ蓄電池についても、上記の実施例A1のアルカリ蓄電池の場合と同様にして、各アルカリ蓄電池の内圧、内部抵抗及びサイクル寿命を求め、その結果を下記の表3に示した。
【0066】
【表3】
【0067】
この結果、被覆層中における天然黒鉛粉末からなる炭素粒子の重量比率が0.5重量%〜5.0重量%の範囲になった実施例A1、A1.8〜A1.10の各アルカリ蓄電池は、被覆層中における天然黒鉛粉末からなる炭素粒子の重量比率が0.2重量%になった実施例A1.7のアルカリ蓄電池に比べて電池の内圧が低くなっており、また被覆層中における天然黒鉛粉末からなる炭素粒子の重量比率が5.5重量%になった実施例A1.11のアルカリ蓄電池に比べてサイクル寿命が長くなっていた。
【0068】
特に、被覆層中における天然黒鉛粉末からなる炭素粒子の重量比率が2.0重量%〜3.5重量%の範囲になった実施例A1、A1.9のアルカリ蓄電池においては、さらにサイクル寿命が長くなると共に、電池の内圧及び内部抵抗もさらに低くなっていた。
【0069】
(参考例A1.12〜A1.17)
参考例A1.12〜A1.17においても、上記の実施例A1の場合と同じ、組成式MmNi3.2 Co1.0 Al0.6 Mn0.2 で表される平均粒径が50μmになった水素吸蔵合金粉末を用い、この水素吸蔵合金粉末の表面に、無電解めっきによりニッケルと天然黒鉛粉末とを含む被覆層を形成するようにした。
【0070】
ここで、参考例A1.12〜A1.17においては、上記の水素吸蔵合金粉末の表面にニッケルと天然黒鉛粉末とを含む被覆層を形成するにあたって、下記の表4に示すように、被覆層におけるニッケル部分の平均厚さを、参考例A1.12及びA1.13では上記の実施例A1.3の場合と同じ1.5μmに、参考例A1.14及びA1.15では上記の実施例A1.4の場合と同じ2.0μmに、参考例A1.16及びA1.17では上記の実施例A1.5の場合と同じ2.5μmにした。
【0071】
また、上記の天然黒鉛粉末としては、下記の表4に示すように、その平均粒径が、参考例A1.12及びA1.14では1.0μmになった天然黒鉛粉末を、参考例A1.13では1.5μmになった天然黒鉛粉末を、参考例A1.15及びA1.16では2.0μmになった天然黒鉛粉末を、参考例A1.17では2.5μmになった天然黒鉛粉末を用いるようにした。
【0072】
そして、表面に上記のようなニッケルと天然黒鉛粉末とを含む各被覆層が形成された各水素吸蔵合金粉末を用いる以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、水素吸蔵合金電極を作製すると共に、このように作製した水素吸蔵合金電極を負極に使用して、円筒型で電池容量が約1Ahになった参考例A1.12〜A1.17の各アルカリ蓄電池を作製した。
【0073】
また、このようにして作製した参考例A1.12〜A1.17の各アルカリ蓄電池についても、上記の実施例A1のアルカリ蓄電池の場合と同様にして、各アルカリ蓄電池の内圧、内部抵抗及びサイクル寿命を求め、その結果を下記の表4に示した。
【0074】
【表4】
【0075】
この結果、被覆層中における天然黒鉛粉末の平均粒径が被覆層におけるニッケル部分の平均厚さ以上になった実施例A1.3〜A1.5、参考例A1.13、A1.15及びA1.17の各アルカリ蓄電池は、被覆層中における天然黒鉛粉末の平均粒径が被覆層におけるニッケル部分の平均厚さより小さい参考例A1.12、A1.14及びA1.16の各アルカリ蓄電池に比べて、電池の内圧及び内部抵抗が低くなると共に、サイクル寿命が長くなっていた。
【0076】
特に、被覆層中における天然黒鉛粉末の平均粒径が被覆層におけるニッケル部分の平均厚さよりも大きくなった実施例A1.3〜A1.5のアルカリ蓄電池においては、さらにサイクル寿命が長くなると共に、電池の内圧及び内部抵抗もさらに低くなっていた。
【0077】
(実施例B1)
実施例B1においても、上記の実施例A1の場合と同じ、組成式MmNi3.2 Co1.0 Al0.6 Mn0.2 で表される平均粒径が50μmになった水素吸蔵合金粉末を用いるようにした。
【0078】
そして、この実施例B1においては、この水素吸蔵合金粉末100重量部に対して、結着剤として、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体を0.5重量部、ポリエチレンオキシドを0.5重量部加えると共に少量の水を加え、これらを混合してペーストを調製し、このペーストをニッケルめっきしたパンチングメタルからなる集電体の両面に均一に塗布し、これを乾燥させた後、圧延して水素吸蔵合金電極を作製した。
【0079】
次いで、1リットル中に硫酸ニッケルが30g、マロン酸ナトリウムが34g、ホウ酸が30g、塩化アンモニウムが30g、ジメチルアミンボランが3.4g、平均粒径が3μmの天然黒鉛粉末が0.2g、界面活性剤のポリオキシエチレンアルキルエーテルが0.4g含まれ、水酸化アンモニウムNH4 OHによりpH7に調整されると共に浴温が60℃になった実施例A1の場合と同じめっき液中に、上記のように作製した水素吸蔵合金電極を6分間浸漬させ、無電解めっきによって上記の水素吸蔵合金電極の表面にニッケルと天然黒鉛粉末とを含む被覆層を形成した。
【0080】
ここで、この被覆層におけるニッケル部分の平均厚さは約1.0μmであり、またこの被覆層中における天然黒鉛粉末の重量比率は約3.5重量%になっていた。
【0081】
そして、このように表面にニッケルと天然黒鉛粉末とを含む被覆層を形成した水素吸蔵合金電極を負極に使用し、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、円筒型で電池容量が約1Ahになった実施例B1のアルカリ蓄電池を作製した。
【0082】
(実施例B2)
実施例B2においても、上記の実施例A1の場合と同じ、組成式MmNi3.2 Co1.0 Al0.6 Mn0.2 で表される平均粒径が50μmになった水素吸蔵合金粉末を用いるようにした。
【0083】
そして、この実施例B2においても、上記の実施例B1の場合と同様に、この水素吸蔵合金粉末100重量部に対して、結着剤として、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体を0.5重量部、ポリエチレンオキシドを0.5重量部加えると共に少量の水を加え、これらを混合してペーストを調製し、このペーストをニッケルめっきしたパンチングメタルからなる集電体の両面に均一に塗布し、これを乾燥させた後、圧延して水素吸蔵合金電極を作製した。
【0084】
次いで、1リットル中に硫酸コバルトが15g、酒石酸ナトリウムが115g、ホウ酸が30g、次亜リン酸ナトリウムが21g、平均粒径が3μmの天然黒鉛粉末が0.2g、界面活性剤のポリオキシエチレンアルキルエーテルが0.4g含まれ、水酸化アンモニウムNH4 OHによりpH9に調整されると共に浴温が90℃になった実施例A2の場合と同じめっき液中に、上記のように作製した水素吸蔵合金電極を4分間浸漬させ、無電解めっきによって上記の水素吸蔵合金電極の表面にコバルトと天然黒鉛粉末とを含む被覆層を形成した。
【0085】
ここで、この被覆層におけるコバルト部分の平均厚さは約1.0μmであり、またこの被覆層中における天然黒鉛粉末の重量比率は約3.5重量%になっていた。
【0086】
そして、このように表面にコバルトと天然黒鉛粉末とを含む被覆層を形成した水素吸蔵合金電極を負極に使用し、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、円筒型で電池容量が約1Ahになった実施例B2のアルカリ蓄電池を作製した。
【0087】
(比較例b1)
比較例b1においても、上記の実施例A1の場合と同じ、組成式MmNi3.2 Co1.0 Al0.6 Mn0.2 で表される平均粒径が50μmになった水素吸蔵合金粉末を用いるようにした。
【0088】
そして、この比較例b1においても、上記の実施例B1の場合と同様に、この水素吸蔵合金粉末100重量部に対して、結着剤として、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体を0.5重量部、ポリエチレンオキシドを0.5重量部加えると共に少量の水を加え、これらを混合してペーストを調製し、このペーストをニッケルめっきしたパンチングメタルからなる集電体の両面に均一に塗布し、これを乾燥させた後、圧延して水素吸蔵合金電極を作製した。
【0089】
次いで、上記のように作製した水素吸蔵合金電極の表面に被覆層を形成するにあたり、上記の実施例B1において使用しためっき液中に、平均粒径が3μmの天然黒鉛粉末を加えないようにし、それ以外は、上記の実施例B1の場合と同様にして、水素吸蔵合金電極の表面にニッケルからなる被覆層を形成した。なお、このニッケルからなる被覆層の平均厚さは約1.0μmであった。
【0090】
そして、このように表面にニッケルからなる被覆層が形成された水素吸蔵合金電極を負極に使用し、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、円筒型で電池容量が約1Ahになった比較例b1のアルカリ蓄電池を作製した。
【0091】
(比較例b2)
比較例b2においても、上記の実施例A1の場合と同じ、組成式MmNi3.2 Co1.0 Al0.6 Mn0.2 で表される平均粒径が50μmになった水素吸蔵合金粉末を用いるようにした。
【0092】
そして、この比較例b2においても、上記の実施例B1の場合と同様に、この水素吸蔵合金粉末100重量部に対して、結着剤として、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体を0.5重量部、ポリエチレンオキシドを0.5重量部加えると共に少量の水を加え、これらを混合してペーストを調製し、このペーストをニッケルめっきしたパンチングメタルからなる集電体の両面に均一に塗布し、これを乾燥させた後、圧延して水素吸蔵合金電極を作製した。
【0093】
次いで、上記のように作製した水素吸蔵合金電極の表面に被覆層を形成するにあたり、上記の実施例B2において使用しためっき液中に、平均粒径が3μmの天然黒鉛粉末を加えないようにし、それ以外は、上記の実施例B2の場合と同様にして、水素吸蔵合金電極の表面にコバルトからなる被覆層を形成した。なお、このコバルトからなる被覆層の平均厚さは約1.0μmであった。
【0094】
そして、このように表面にコバルトからなる被覆層が形成された水素吸蔵合金電極を負極に使用し、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、円筒型で電池容量が約1Ahになった比較例b2のアルカリ蓄電池を作製した。
【0095】
(比較例b3)
比較例b3においても、上記の実施例A1の場合と同じ、組成式MmNi3.2 Co1.0 Al0.6 Mn0.2 で表される平均粒径が50μmになった水素吸蔵合金粉末を用いるようにした。
【0096】
そして、この比較例b3においても、上記の実施例B1の場合と同様に、この水素吸蔵合金粉末100重量部に対して、結着剤として、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体を0.5重量部、ポリエチレンオキシドを0.5重量部加えると共に少量の水を加え、これらを混合してペーストを調製し、このペーストをニッケルめっきしたパンチングメタルからなる集電体の両面に均一に塗布し、これを乾燥させた後、圧延して水素吸蔵合金電極を作製した。
【0097】
ここで、この比較例b3においては、上記のように作製した水素吸蔵合金電極の表面に被覆層を設けないようにし、この水素吸蔵合金電極をそのまま負極に使用し、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、円筒型で電池容量が約1Ahになった比較例b3のアルカリ蓄電池を作製した。
【0098】
そして、上記のように作製した実施例B1,B2及び比較例b1〜b3の各アルカリ蓄電池について、上記の実施例A1のアルカリ蓄電池の場合と同様にして、各アルカリ蓄電池の内圧、内部抵抗及びサイクル寿命を求め、その結果を下記の表5に示した。
【0099】
【表5】
【0100】
この結果から明らかなように、表面にニッケル又はコバルトと炭素粒子である天然黒鉛粉末とを含む被覆層が形成された水素吸蔵合金電極を負極に使用した実施例B1,B2の各アルカリ蓄電池は、表面にニッケル又はコバルトからなる被覆層が形成された水素吸蔵合金電極を負極に使用した比較例b1,b2の各アルカリ蓄電池や、被覆層を設けていない水素吸蔵合金電極を負極に使用した比較例b3のアルカリ蓄電池に比べて、電池の内圧及び内部抵抗が著しく低くなると共に、サイクル寿命が著しく向上していた。特に、被覆層における金属にニッケルを用いた実施例B1のアルカリ蓄電池は、被覆層における金属にコバルトを用いた実施例B2のアルカリ蓄電池に比べて、さらに電池の内圧及び内部抵抗が低くなると共に、サイクル寿命が長くなっていた。
【0101】
(参考例B1.1〜B1.7)
参考例B1.1〜B1.7においては、上記の実施例B1の場合と同様にして作製した水素吸蔵合金電極の表面に、無電解めっきによってニッケルと天然黒鉛粉末とを含む被覆層を形成するにあたり、上記の実施例B1において使用しためっき液中に水素吸蔵合金電極を浸漬させる時間だけを変更させるようにした。
【0102】
ここで、上記のように実施例B1において使用しためっき液中に水素吸蔵合金電極を浸漬させるあたり、その浸漬時間を、参考例B1.1では1分48秒、参考例B1.2では3分00秒、参考例B1.3では12分00秒、参考例B1.4では18分00秒、参考例B1.5では24分00秒、参考例B1.6では30分00秒、参考例B1.7では33分00秒にした。
【0103】
なお、このように形成した各被覆層におけるニッケル部分の平均厚さは、下記の表6に示すように、参考例B1.1では0.3μm、参考例B1.2では0.5μm、参考例B1.3では2.0μm、参考例B1.4では3.0μm、参考例B1.5では4.0μm、参考例B1.6では5.0μm、参考例B1.7では5.5μmになっていた。
【0104】
そして、表面にニッケルと天然黒鉛粉末とを含む上記のような各被覆層が形成された各水素吸蔵合金電極を負極に用いる以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、円筒型で電池容量が約1Ahになった参考例B1.1〜B1.7の各アルカリ蓄電池を作製した。
【0105】
また、このようにして作製した参考例B1.1〜B1.7の各アルカリ蓄電池についても、上記の実施例A1のアルカリ蓄電池の場合と同様にして、各アルカリ蓄電池の内圧、内部抵抗及びサイクル寿命を求め、その結果を下記の表6に示した。
【0106】
【表6】
【0107】
この結果、被覆層におけるニッケル部分の平均厚さが1.0μm〜天然黒鉛粉末の平均粒径である3.0μmの範囲になった実施例B1、参考例B1.3、B1.4の各アルカリ蓄電池は、被覆層におけるニッケル部分の平均厚さが1.0μm未満になった参考例B1.1、B1.2のアルカリ蓄電池に比べて、電池の内圧及び内部抵抗が低くなると共に、サイクル寿命が長くなっていた。
【0108】
また、上記の実施例B1、参考例B1.3、B1.4の各アルカリ蓄電池は、被覆層におけるニッケル部分の平均厚さが天然黒鉛粉末の平均粒径の3.0μmより大きくなった参考例B1.5〜B1.7のアルカリ蓄電池に比べても、電池の内圧及び内部抵抗が低くなると共に、サイクル寿命が長くなっていた。
【0109】
(実施例B1.8〜B1.12)
実施例B1.8〜B1.12においては、上記の実施例B1の場合と同様にして作製した水素吸蔵合金電極の表面に、無電解めっきによってニッケルと天然黒鉛粉末とを含む被覆層を形成するにあたり、上記の実施例B1において使用しためっき液中に加える平均粒径が3μmになった天然黒鉛粉末の量だけを変更させるようにした。
【0110】
そして、上記の実施例B1において使用した1リットルのめっき液中における天然黒鉛粉末の量を、実施例B1.8では0.02g、実施例B1.9では0.05g、実施例B1.10では0.15g、実施例B1.11では0.40g、実施例B1.12では0.50gにした。
【0111】
なお、このように形成した各被覆層中における天然黒鉛粉末の重量比率を求めた結果、下記の表7に示すように、実施例B1.8では0.2重量%、実施例B1.9では0.5重量%、実施例B1.10では2.0重量%、実施例B1.11では5.0重量%、実施例B1.12では5.5重量%になっていた。
【0112】
そして、表面にニッケルと天然黒鉛粉末とを含む上記のような各被覆層が形成された各水素吸蔵合金電極を負極に用いる以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、円筒型で電池容量が約1Ahになった実施例B1.8〜B1.12の各アルカリ蓄電池を作製した。
【0113】
また、このようにして作製した実施例B1.8〜B1.12の各アルカリ蓄電池についても、上記の実施例A1のアルカリ蓄電池の場合と同様にして、各アルカリ蓄電池の内圧、内部抵抗及びサイクル寿命を求め、その結果を下記の表7に示した。
【0114】
【表7】
【0115】
この結果、被覆層中における天然黒鉛粉末からなる炭素粒子の重量比率が0.5重量%〜5.0重量%の範囲になった実施例B1、B1.9〜B1.11の各アルカリ蓄電池は、被覆層中における天然黒鉛粉末からなる炭素粒子の重量比率が0.2重量%になった実施例B1.8のアルカリ蓄電池や、被覆層中における天然黒鉛粉末からなる炭素粒子の重量比率が5.5重量%になった実施例B1.12のアルカリ蓄電池に比べて、電池の内圧及び内部抵抗が低くなると共に、サイクル寿命が長くなっていた。
【0116】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明における電極用水素吸蔵合金においては、水素吸蔵合金粒子の表面に、ニッケルとコバルトとから選択される少なくとも1種の金属と炭素粒子とを含む被覆層をめっきによって形成すると共に、この被覆層における上記の炭素粒子の平均粒径が上記の金属部分の平均厚さ以上になるようにしたため、この電極用水素吸蔵合金を用いて水素吸蔵合金電極を作製し、この水素吸蔵合金電極をアルカリ蓄電池の負極に使用した場合、上記の被覆層におけるニッケルとコバルトとから選択される少なくとも1種の金属によって水素吸蔵合金電極における導電性が向上すると共に、過充電時に正極で発生した酸素によって水素吸蔵合金電極における水素吸蔵合金が酸化されるのが、この被覆層における炭素粒子によって抑制されるようになり、アルカリ蓄電池における高率放電特性及び充放電サイクル特性が向上した。
【0117】
また、この発明における水素吸蔵合金電極においては、水素吸蔵合金粒子を用いた電極材料が集電体に付着された電極の表面に、ニッケルとコバルトとから選択される少なくとも1種の金属と炭素粒子とを含む被覆層をめっきによって形成すると共に、この被覆層における上記の炭素粒子の平均粒径が上記の金属部分の平均厚さ以上になるようにしたため、電極の表面に形成された被覆層におけるニッケルとコバルトとから選択される少なくとも1種の金属によって水素吸蔵合金電極における導電性が向上すると共に、過充電時に正極で発生した酸素によって水素吸蔵合金電極における水素吸蔵合金が酸化されるのが、この被覆層における炭素粒子によって抑制され、アルカリ蓄電池における高率放電特性及び充放電サイクル特性が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例及び比較例において作製したアルカリ蓄電池の概略断面図である。
【符号の説明】
1 正極
2 負極(水素吸蔵合金電極)
Claims (9)
- 水素吸蔵合金粒子の表面に、ニッケルとコバルトとから選択される少なくとも1種の金属と炭素粒子とを含む被覆層がめっきによって形成されると共に、この被覆層における上記の炭素粒子の平均粒径が上記の金属部分の平均厚さ以上であることを特徴とする電極用水素吸蔵合金。
- 請求項1に記載の電極用水素吸蔵合金において、上記の被覆層における上記の金属部分の平均厚さが0.5μm〜2.5μmの範囲である電極用水素吸蔵合金。
- 請求項1又は請求項2に記載の電極用水素吸蔵合金において、上記の被覆層中における炭素粒子の量が0.5重量%〜5.0重量%の範囲である電極用水素吸蔵合金。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載した電極用水素吸蔵合金を用いたことを特徴とする水素吸蔵合金電極。
- 請求項4に記載の水素吸蔵合金電極を負極に用いたことを特徴とするアルカリ蓄電池。
- 水素吸蔵合金粒子を用いた電極材料が集電体に付着された電極の表面に、ニッケルとコバルトとから選択される少なくとも1種の金属と、炭素粒子とを含む被覆層がめっきによって形成されると共に、この被覆層における上記の炭素粒子の平均粒径が上記の金属部分の平均厚さ以上であることを特徴とする水素吸蔵合金電極。
- 請求項6に記載の水素吸蔵合金電極において、上記の被覆層における上記の金属部分の平均厚みが1.0μm〜炭素粒子の平均粒径の範囲である水素吸蔵合金電極。
- 請求項6又は請求項7に記載の水素吸蔵合金電極において、上記の被覆層中における炭素粒子の量が0.5重量%〜5.0重量%の範囲である水素吸蔵合金電極。
- 請求項6〜8の何れか1項に記載の水素吸蔵合金電極を負極に用いたことを特徴とするアルカリ蓄電池。
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