JP4530537B2 - インビボ放射線増感特性をもつファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤 - Google Patents

インビボ放射線増感特性をもつファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤が、インビボで癌を治療するための腫瘍の照射前、照射中もしくは照射後の投与のための製薬学的組成物を製造するためにそれらを有用にする放射線増感特性を有するという知見に関する。
【0002】
第WO−97/21701号は、式(I)、(II)および(III)のファルネシルタンパク質トランスフェラーゼを阻害する(イミダゾリ−5−イル)メチル−2−キノリノン誘導体、ならびに、インビボで式(I)の化合物に代謝される式(II)および(III)の中間体の製造法、製剤および製薬学的特性を記述する。式(I)、(II)および(III)の化合物は、
【0003】
【化2】
Figure 0004530537
【0004】
それらの製薬学的に許容できる酸もしくは塩基付加塩および立体異性体
により表され、式中、
点線は結合を場合によって表し;
Xは酸素もしくはイオウであり;
1は、水素、C1-12アルキル、Ar1、Ar21-6アルキル、キノリニルC1-6アルキル、ピリジルC1-6アルキル、ヒドロキシC1-6アルキル、C1-6アルキルオキシC1-6アルキル、モノもしくはジ(C1-6アルキル)アミノC1-6アルキル、アミノC1-6アルキル、
または式−Alk1−C(=O)−R9、−Alk1−S(O)−R9もしくは−Alk1−S(O)2−R9の基
であり、
式中、Alk1はC1-6アルカンジイルであり、
9は、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C1-6アルキルオキシ、アミノ、C1-8アルキルアミノ、もしくはC1-6アルキルオキシカルボニルで置換されたC1-8アルキルアミノであり;
2、R3およびR16は、それぞれ独立に、水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルキルオキシ、ヒドロキシC1-6アルキルオキシ、C1-6アルキルオキシC1-6アルキルオキシ、アミノC1-6アルキルオキシ、モノもしくはジ(C1-6アルキル)アミノC1-6アルキルオキシ、Ar1、Ar21-6アルキル、Ar2オキシ、Ar21-6アルキルオキシ、ヒドロキシカルボニル、C1-6アルキルオキシカルボニル、トリハロメチル、トリハロメトキシ、C2-6アルケニル、4,4−ジメチルオキサゾリルであるか;または、
隣接する位置にある場合は、R2およびR3が一緒になって式
−O−CH2−O− (a−1)、
−O−CH2−CH2−O− (a−2)、
−O−CH=CH− (a−3)、
−O−CH2−CH2− (a−4)、
−O−CH2−CH2−CH2− (a−5)、もしくは
−CH=CH−CH=CH− (a−6)
の二価の基を形成してよく;
4およびR5は、それぞれ独立に、水素、ハロ、Ar1、C1-6アルキル、ヒドロキシC1-6アルキル、C1-6アルキルオキシC1-6アルキル、C1-6アルキルオキシ、C1-6アルキルチオ、アミノ、ヒドロキシカルボニル、C1-6アルキルオキシカルボニル、C1-6アルキルS(O)C1-6アルキル、もしくはC1-6アルキルS(O)21-6アルキルであり;
6およびR7は、それぞれ独立に、水素、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルキルオキシ、Ar2オキシ、トリハロメチル、C1-6アルキルチオ、ジ(C1-6アルキル)アミノであるか、または、
隣接する位置にある場合は、R6およびR7が一緒になって式
−O−CH2−O− (c−1)、もしくは
−CH=CH−CH=CH− (c−2)
の二価の基を形成してよく;
8は、水素、C1-6アルキル、シアノ、ヒドロキシカルボニル、C1-6アルキルオキシカルボニル、C1-6アルキルカルボニルC1-6アルキル、シアノC1-6アルキル、C1-6アルキルオキシカルボニルC1-6アルキル、カルボキシC1-6アルキル、ヒドロキシC1-6アルキル、アミノC1-6アルキル、モノもしくはジ(C1-6アルキル)アミノC1-6アルキル、イミダゾリル、ハロC1-6アルキル、C1-6アルキルオキシC1-6アルキル、アミノカルボニルC1-6アルキル、または式
−O−R10 (b−1)、
−S−R10 (b−2)、
−N−R1112 (b−3)、
の基であり、
式中、R10は、水素、C1-6アルキル、C1-6アルキルカルボニル、Ar1、Ar21-6アルキル、C1-6アルキルオキシカルボニルC1-6アルキル、または式−Alk2−OR13もしくは−Alk2−NR1415の基であり;
11は、水素、C1-12アルキル、Ar1もしくはAr21-6アルキルであり;
12は、水素、C1-6アルキル、C1-16アルキルカルボニル、C1-6アルキルオキシカルボニル、C1-6アルキルアミノカルボニル、Ar1、Ar21-6アルキル、C1-6アルキルカルボニルC1-6アルキル、天然のアミノ酸、Ar1カルボニル、Ar21-6アルキルカルボニル、アミノカルボニルカルボニル、C1-6アルキルオキシC1-6アルキルカルボニル、ヒドロキシ、C1-6アルキルオキシ、アミノカルボニル、ジ(C1-6アルキル)アミノC1-6アルキルカルボニル、アミノ、C1-6アルキルアミノ、C1-6アルキルカルボニルアミノ、または、式−Alk2−OR13もしくは−Alk2−NR1415の基であり;
式中、Alk2はC1-6アルカンジイルであり;
13は、水素、C1-6アルキル、C1-6アルキルカルボニル、ヒドロキシC1-6アルキル、Ar1もしくはAr21-6アルキルであり;
14は、水素、C1-6アルキル、Ar1もしくはAr21-6アルキルであり;
15は、水素、C1-6アルキル、C1-6アルキルカルボニル、Ar1もしくはAr21-6アルキルであり;
17は、水素、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルキルオキシカルボニル、Ar1であり;
18は、水素、C1-6アルキル、C1-6アルキルオキシもしくはハロであり;
19は水素もしくはC1-6アルキルであり;
Ar1は、フェニル、またはC1-6アルキル、ヒドロキシ、アミノ、C1-6アルキルオキシもしくはハロで置換されたフェニルであり;そして
Ar2は、フェニル、またはC1-6アルキル、ヒドロキシ、アミノ、C1-6アルキルオキシもしくはハロで置換されたフェニルである。
【0005】
第WO−97/16443号は、式(IV)のファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害化合物、ならびにインビボで式(IV)の化合物に代謝される式(V)および(VI)の中間体の製造法、製剤および製薬学的特性に関する。式(IV)、(V)および(VI)の化合物は、
【0006】
【化3】
Figure 0004530537
【0007】
それらの製薬学的に許容できる酸もしくは塩基付加塩および立体異性体
により表され、式中、
点線は結合を場合によって表し;
Xは酸素もしくはイオウであり;
1は、水素、C1-12アルキル、Ar1、Ar21-6アルキル、キノリニルC1-6アルキル、ピリジルC1-6アルキル、ヒドロキシC1-6アルキル、C1-6アルキルオキシC1-6アルキル、モノもしくはジ(C1-6アルキル)アミノC1-6アルキル、アミノC1-6アルキル、
または式−Alk1−C(=O)−R9、−Alk1−S(O)−R9もしくは−Alk1−S(O)2−R9の基
であり、
式中、Alk1はC1-6アルカンジイルであり、
9は、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C1-6アルキルオキシ、アミノ、C1-8アルキルアミノ、もしくはC1-6アルキルオキシカルボニルで置換されたC1-8アルキルアミノであり;
2およびR3は、それぞれ独立に、水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルキルオキシ、ヒドロキシC1-6アルキルオキシ、C1-6アルキルオキシC1-6アルキルオキシ、アミノC1-6アルキルオキシ、モノもしくはジ(C1-6アルキル)アミノC1-6アルキルオキシ、Ar1、Ar21-6アルキル、Ar2オキシ、Ar21-6アルキルオキシ、ヒドロキシカルボニル、C1-6アルキルオキシカルボニル、トリハロメチル、トリハロメトキシ、C2-6アルケニルであるか;または、
隣接する位置にある場合は、R2およびR3が一緒になって式
−O−CH2−O− (a−1)、
−O−CH2−CH2−O− (a−2)、
−O−CH=CH− (a−3)、
−O−CH2−CH2− (a−4)、
−O−CH2−CH2−CH2− (a−5)、もしくは
−CH=CH−CH=CH− (a−6)
の二価の基を形成してよく;
4およびR5は、それぞれ独立に、水素、Ar1、C1-6アルキル、C1-6アルキルオキシC1-6アルキル、C1-6アルキルオキシ、C1-6アルキルチオ、アミノ、ヒドロキシカルボニル、C1-6アルキルオキシカルボニル、C1-6アルキルS(O)C1-6アルキル、もしくはC1-6アルキルS(O)21-6アルキルであり;
6およびR7は、それぞれ独立に、水素、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルキルオキシもしくはAr2オキシであり;
8は、水素、C1-6アルキル、シアノ、ヒドロキシカルボニル、C1-6アルキルオキシカルボニル、C1-6アルキルカルボニルC1-6アルキル、シアノC1-6アルキル、C1-6アルキルオキシカルボニルC1-6アルキル、ヒドロキシカルボニルC1-6アルキル、ヒドロキシC1-6アルキル、アミノC1-6アルキル、モノもしくはジ(C1-6アルキル)アミノC1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、C1-6アルキルオキシC1-6アルキル、アミノカルボニルC1-6アルキル、Ar1、Ar21-6アルキルオキシC1-6アルキル、C1-6アルキルチオC1-6アルキルであり;
10は、水素、C1-6アルキル、C1-6アルキルオキシもしくはハロであり;
11は、水素もしくはC1-6アルキルであり;
Ar1は、フェニル、またはC1-6アルキル、ヒドロキシ、アミノ、C1-6アルキルオキシもしくはハロで置換されたフェニルであり;
Ar2は、フェニル、またはC1-6アルキル、ヒドロキシ、アミノ、C1-6アルキルオキシもしくはハロで置換されたフェニルである。
【0008】
1998年3月3日に出願された第PCT/EP98/01296号は、式(VII)
【0009】
【化4】
Figure 0004530537
【0010】
のファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害化合物、それらの製薬学的に許容できる酸付加塩および立体異性体の製造法、製剤および製薬学的特性に関し、式中、
点線は結合を場合によって表し;
Xは酸素もしくはイオウであり;
−A−は、式
−CH=CH−(a−1)、−CH2−S−(a−6)、
−CH2−CH2− (a−2)、
−CH2−CH2−S−(a−7)、
−CH2−CH2−CH2−(a−3)、 −CH=N−(a−8)、
−CH2−O−(a−4)、−N=N−(a−9)、もしくは
−CH2−CH2−O−(a−5)、−CO−NH−(a−10)
の二価の基であり;
式中、1個の水素原子をC1-4アルキルもしくはAr1により場合によっては置き換えてよく;
1およびR2は、それぞれ独立に、水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、トリハロメチル、トリハロメトキシ、C2-6アルケニル、C1-6アルキルオキシ、ヒドロキシC1-6アルキルオキシ、C1-6アルキルオキシC1-6アルキルオキシ、C1-6アルキルオキシカルボニル、アミノC1-6アルキルオキシ、モノもしくはジ(C1-6アルキル)アミノC1-6アルキルオキシ、Ar2、Ar2−C1-6アルキル、Ar2−オキシ、Ar2−C1-6アルキルオキシであるか;
または、隣接する位置にある場合は、R1およびR2が一緒になって式
−O−CH2−O−(b−1)、
−O−CH2−CH2−O−(b−2)、
−O−CH=CH−(b−3)、
−O−CH2−CH2−(b−4)、
−O−CH2−CH2−CH2−(b−5)、もしくは
−CH=CH−CH=CH−(b−6)
の二価の基を形成してよく;
3およびR4は、それぞれ独立に、水素、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルキルオキシ、Ar3−オキシ、C1-6アルキルチオ、ジ(C1-6アルキル)アミノ、トリハロメチル、トリハロメトキシであるか、または、
隣接する位置にある場合は、R3およびR4が一緒になって式
−O−CH2−O−(c−1)、
−O−CH2−CH2−O−(c−2)、もしくは
−CH=CH−CH=CH−(c−3)
の二価の基を形成してよく;
5は、式
【0011】
【化5】
Figure 0004530537
【0012】
の基であり、
式中、R13は、水素、ハロ、Ar4、C1-6アルキル、ヒドロキシC1-6アルキル、C1-6アルキルオキシC1-6アルキル、C1-6アルキルオキシ、C1-6アルキルチオ、アミノ、C1-6アルキルオキシカルボニル、C1-6アルキルS(O)C1-6アルキルもしくはC1-6アルキルS(O)21-6アルキルであり;
14は、水素、C1-6アルキルもしくはジ(C1-4アルキル)アミノスルホニルであり;
6は、水素、ヒドロキシ、ハロ、C1-6アルキル、シアノ、ハロC1-6アルキル、ヒドロキシC1-6アルキル、シアノC1-6アルキル、アミノC1-6アルキル、C1-6アルキルオキシC1-6アルキル、C1-6アルキルチオC1-6アルキル、アミノカルボニルC1-6アルキル、C1-6アルキルオキシカルボニルC1-6アルキル、C1-6アルキルカルボニルC1-6アルキル、C1-6アルキルオキシカルボニル、モノもしくはジ(C1-6アルキル)アミノC1-6アルキル、Ar5、Ar5−C1-6アルキルオキシC1-6アルキル;または式
−O−R7(e−1)、
−S−R7(e−2)、
−N−R89(e−3)
の基であり、
式中、R7は、水素、C1-6アルキル、C1-6アルキルカルボニル、Ar6、Ar6−C1-6アルキル、C1-6アルキルオキシカルボニルC1-6アルキル、
または、式−Alk−OR10もしくは−Alk−NR1112の基
であり;
8は、水素、C1-6アルキル、Ar7もしくはAr7−C1-6アルキルであり;
9は、水素、C1-6アルキル、C1-6アルキルカルボニル、C1-6アルキルオキシカルボニル、C1-6アルキルアミノカルボニル、Ar8、Ar8−C1-6アルキル、C1-6アルキルカルボニルC1-6アルキル、Ar8−カルボニル、Ar8−C1-6アルキルカルボニル、アミノカルボニルカルボニル、C1-6アルキルオキシC1-6アルキルカルボニル、ヒドロキシ、C1-6アルキルオキシ、アミノカルボニル、ジ(C1-6アルキル)アミノC1-6アルキルカルボニル、アミノ、C1-6アルキルアミノ、C1-6アルキルカルボニルアミノ、
または、式−Alk−OR10もしくは−Alk−NR1112の基
であり;
式中、AlkはC1-6アルカンジイルであり;
10は、水素、C1-6アルキル、C1-6アルキルカルボニル、ヒドロキシC1-6アルキル、Ar9もしくはAr9−C1-6アルキルであり;
11は、水素、C1-6アルキル、C1-6アルキルカルボニル、Ar10もしくはAr10−C1-6アルキルであり;
12は、水素、C1-6アルキル、Ar11もしくはAr11−C1-6アルキルであり;そして
Ar1ないしAr11は、それぞれ独立に、フェニル;またはハロ、C1-6アルキル、C1-6アルキルオキシもしくはトリフルオロメチルで置換されたフェニルから選択される。
【0013】
1998年4月17日に出願された第PCT/EP98/02357号は、式(VIII)
【0014】
【化6】
Figure 0004530537
【0015】
のファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害化合物、それらの製薬学的に許容できる酸付加塩および立体異性体
の製造法、製剤および製薬学的特性に関し、式中、
点線は結合を場合によって表し;
Xは酸素もしくはイオウであり;
1およびR2は、それぞれ独立に、水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、トリハロメチル、トリハロメトキシ、C2-6アルケニル、C1-6アルキルオキシ、ヒドロキシC1-6アルキルオキシ、C1-6アルキルオキシC1-6アルキルオキシ、C1-6アルキルオキシカルボニル、アミノC1-6アルキルオキシ、モノもしくはジ(C1-6アルキル)アミノC1-6アルキルオキシ、Ar1、Ar1−C1-6アルキル、Ar1オキシもしくはAr1−C1-6アルキルオキシであり;
3およびR4は、それぞれ独立に、水素、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルキルオキシ、Ar1オキシ、C1-6アルキルチオ、ジ(C1-6アルキル)アミノ、トリハロメチルもしくはトリハロメトキシであり;
5は、水素、ハロ、C1-6アルキル、シアノ、ハロC1-6アルキル、ヒドロキシC1-6アルキル、シアノC1-6アルキル、アミノC1-6アルキル、C1-6アルキルオキシC1-6アルキル、C1-6アルキルチオC1-6アルキル、アミノカルボニルC1-6アルキル、C1-6アルキルオキシカルボニルC1-6アルキル、C1-6アルキルカルボニルC1-6アルキル、C1-6アルキルオキシカルボニル、モノもしくはジ(C1-6アルキル)アミノC1-6アルキル、Ar1、Ar11-6アルキルオキシC1-6アルキル;または式
−O−R10(a−1)、
−S−R10(a−2)、
−N−R1112(a−3)
の基であり、
式中、R10は、水素、C1-6アルキル、C1-6アルキルカルボニル、Ar1、Ar11-6アルキル、C1-6アルキルオキシカルボニルC1-6アルキル、または式−Alk−OR13もしくは−Alk−NR1415の基であり;
11は、水素、C1-6アルキル、Ar1もしくはAr11-6アルキルであり;
12は、水素、C1-6アルキル、C1-6アルキルカルボニル、C1-6アルキルオキシカルボニル、C1-6アルキルアミノカルボニル、Ar1、Ar11-6アルキル、C1-6アルキルカルボニルC1-6アルキル、Ar1カルボニル、Ar11-6アルキルカルボニル、アミノカルボニルカルボニル、C1-6アルキルオキシC1-6アルキルカルボニル、ヒドロキシ、C1-6アルキルオキシ、アミノカルボニル、ジ(C1-6アルキル)アミノC1-6アルキルカルボニル、アミノ、C1-6アルキルアミノ、C1-6アルキルカルボニルアミノ、
または、式−Alk−OR13もしくは−Alk−NR1415の基
であり;
式中、AlkはC1-6アルカンジイルであり;
13は、水素、C1-6アルキル、C1-6アルキルカルボニル、ヒドロキシC1-6アルキル、Ar1もしくはAr11-6アルキルであり;
14は、水素、C1-6アルキル、Ar1もしくはAr11-6アルキルであり;
15は、水素、C1-6アルキル、C1-6アルキルカルボニル、Ar1もしくはAr11-6アルキルであり;
6は、式
【0016】
【化7】
Figure 0004530537
【0017】
の基であり、
式中、R16は、水素、ハロ、Ar1、C1-6アルキル、ヒドロキシC1-6アルキル、C1-6アルキルオキシC1-6アルキル、C1-6アルキルオキシ、C1-6アルキルチオ、アミノ、C1-6アルキルオキシカルボニル、C1-6アルキルチオC1-6アルキル、C1-6アルキルS(O)C1-6アルキルもしくはC1-6アルキルS(O)21-6アルキルであり;
17は、水素、C1-6アルキルもしくはジ(C1-4アルキル)アミノスルホニルであり;
7は、水素もしくはC1-6アルキルであるが、但し、点線が結合を表さないことを条件とし;
8は、水素、C1-6アルキルまたはAr2CH2もしくはHet1CH2であり;
9は、水素、C1-6アルキル、C1-6アルキルオキシもしくはハロであるか;または、
8およびR9は一緒になって、式
−CH=CH− (c−1)、
−CH2−CH2− (c−2)、
−CH2−CH2−CH2− (c−3)、
−CH2−O− (c−4)、もしくは
−CH2−CH2−O− (c−5)
の二価の基を形成し;
Ar1は、フェニル;またはハロ、C1-6アルキル、C1-6アルキルオキシもしくはトリフルオロメチルからそれぞれ独立に選択される1もしくは2個の置換基で置換されたフェニルであり;
Ar2は、フェニル;またはハロ、C1-6アルキル、C1-6アルキルオキシもしくはトリフルオロメチルからそれぞれ独立に選択される1もしくは2個の置換基で置換されたフェニルであり;そして
Het1は、ピリジニル;ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルキルオキシもしくはトリフルオロメチルからそれぞれ独立に選択される1もしくは2個の置換基で置換されたピリジニルである。
【0018】
他の有用なファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤は、構造:
【0019】
【化8】
Figure 0004530537
【0020】
を有する。
【0021】
これらのファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤は、腫瘍細胞の成長に対する直接効果により、しかしまた間接的に、すなわち血管形成を阻害することにより(ラク(Rak.J.)ら、Cancer Research、55、4575−4580、1995)インビボでの腫瘍の成長を低下させる。結果、これらの阻害剤での治療は、少なくとも部分的に血管形成を阻害することによりインビボで充実性腫瘍の成長を抑制する。事実はこのとおりであるため、これらの化合物での治療が低酸素腫瘍をもたらし得、それにより増大された放射線抵抗性を誘導もしくは引き起こすことを期待し得る。
【0022】
思いがけず、われわれは、今や、それが起こらないことを見出した。これに反して、上述されたようなファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤の投与がインビボで照射もしくは電離化放射に対し腫瘍細胞を増感させ、そしてさらに放射線抵抗性細胞を再増感するようである。かように、ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤は、インビボの放射線増感薬(放射線感受性薬もしくは放射線増強薬)として有用である。
【0023】
本発明は、インビボで癌を治療するための腫瘍の照射前、照射中もしくは照射後の投与のための放射線増感特性を有する製薬学的組成物の製造のための最低1種のファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤の使用に関する。
【0024】
とりわけ、本発明は、インビボで癌を治療するための腫瘍の照射前、照射中もしくは照射後の投与のための放射線増感特性を有する製薬学的組成物の製造のための最低1種のファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤の使用に関し、ここで、前記ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤は、式(I)の(イミダゾリ−5−イル)メチル−2−キノリノン誘導体、またはインビボで式(I)の化合物に代謝される式(II)もしくは(III)の化合物であり、前記化合物は、
【0025】
【化9】
Figure 0004530537
【0026】
それらの製薬学的に許容できる酸もしくは塩基付加塩および立体異性体
により表され、式中、
点線は結合を場合によって表し;
Xは酸素もしくはイオウであり;
1は、水素、C1-12アルキル、Ar1、Ar21-6アルキル、キノリニルC1-6アルキル、ピリジルC1-6アルキル、ヒドロキシC1-6アルキル、C1-6アルキルオキシC1-6アルキル、モノもしくはジ(C1-6アルキル)アミノC1-6アルキル、アミノC1-6アルキル、
または式−Alk1−C(=O)−R9、−Alk1−S(O)−R9もしくは−Alk1−S(O)2−R9の基
であり、
式中、Alk1はC1-6アルカンジイルであり、
9は、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C1-6アルキルオキシ、アミノ、C1-8アルキルアミノ、もしくはC1-6アルキルオキシカルボニルで置換されたC1-8アルキルアミノであり;
2、R3およびR16は、それぞれ独立に、水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルキルオキシ、ヒドロキシC1-6アルキルオキシ、C1-6アルキルオキシC1-6アルキルオキシ、アミノC1-6アルキルオキシ、モノもしくはジ(C1-6アルキル)アミノC1-6アルキルオキシ、Ar1、Ar21-6アルキル、Ar2オキシ、Ar21-6アルキルオキシ、ヒドロキシカルボニル、C1-6アルキルオキシカルボニル、トリハロメチル、トリハロメトキシ、C2-6アルケニル、4,4−ジメチルオキサゾリルであるか;または、
隣接する位置にある場合は、R2およびR3が一緒になって式
−O−CH2−O−(a−1)、
−O−CH2−CH2−O−(a−2)、
−O−CH=CH−(a−3)、
−O−CH2−CH2−(a−4)、
−O−CH2−CH2−CH2−(a−5)、もしくは
−CH=CH−CH=CH−(a−6)
の二価の基を形成してよく;
4およびR5は、それぞれ独立に、水素、ハロ、Ar1、C1-6アルキル、ヒドロキシC1-6アルキル、C1-6アルキルオキシC1-6アルキル、C1-6アルキルオキシ、C1-6アルキルチオ、アミノ、ヒドロキシカルボニル、C1-6アルキルオキシカルボニル、C1-6アルキルS(O)C1-6アルキル、もしくはC1-6アルキルS(O)21-6アルキルであり;
6およびR7は、それぞれ独立に、水素、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルキルオキシ、Ar2オキシ、トリハロメチル、C1-6アルキルチオ、ジ(C1-6アルキル)アミノであるか、または、
隣接する位置にある場合は、R6およびR7が一緒になって式
−O−CH2−O−(c−1)、もしくは
−CH=CH−CH=CH−(c−2)
の二価の基を形成してよく;
8は、水素、C1-6アルキル、シアノ、ヒドロキシカルボニル、C1-6アルキルオキシカルボニル、C1-6アルキルカルボニルC1-6アルキル、シアノC1-6アルキル、C1-6アルキルオキシカルボニルC1-6アルキル、カルボキシC1-6アルキル、ヒドロキシC1-6アルキル、アミノC1-6アルキル、モノもしくはジ(C1-6アルキル)アミノC1-6アルキル、イミダゾリル、ハロC1-6アルキル、C1-6アルキルオキシC1-6アルキル、アミノカルボニルC1-6アルキル、または式
−O−R10(b−1)、
−S−R10(b−2)、
−N−R1112(b−3)、
の基であり、
式中、R10は、水素、C1-6アルキル、C1-6アルキルカルボニル、Ar1、Ar21-6アルキル、C1-6アルキルオキシカルボニルC1-6アルキル、または式−Alk2−OR13もしくは−Alk2−NR1415の基であり;
11は、水素、C1-12アルキル、Ar1もしくはAr21-6アルキルであり;
12は、水素、C1-6アルキル、C1-16アルキルカルボニル、C1-6アルキルオキシカルボニル、C1-6アルキルアミノカルボニル、Ar1、Ar21-6アルキル、C1-6アルキルカルボニルC1-6アルキル、天然のアミノ酸、Ar1カルボニル、Ar21-6アルキルカルボニル、アミノカルボニルカルボニル、C1-6アルキルオキシC1-6アルキルカルボニル、ヒドロキシ、C1-6アルキルオキシ、アミノカルボニル、ジ(C1-6アルキル)アミノC1-6アルキルカルボニル、アミノ、C1-6アルキルアミノ、C1-6アルキルカルボニルアミノ、または、式−Alk2−OR13もしくは−Alk2−NR1415の基であり;
式中、Alk2はC1-6アルカンジイルであり;
13は、水素、C1-6アルキル、C1-6アルキルカルボニル、ヒドロキシC1-6アルキル、Ar1もしくはAr21-6アルキルであり;
14は、水素、C1-6アルキル、Ar1もしくはAr21-6アルキルであり;
15は、水素、C1-6アルキル、C1-6アルキルカルボニル、Ar1もしくはAr21-6アルキルであり;
17は、水素、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルキルオキシカルボニル、Ar1であり;
18は、水素、C1-6アルキル、C1-6アルキルオキシもしくはハロであり;
19は水素もしくはC1-6アルキルであり;
Ar1は、フェニル、またはC1-6アルキル、ヒドロキシ、アミノ、C1-6アルキルオキシもしくはハロで置換されたフェニルであり;そして
Ar2は、フェニル、またはC1-6アルキル、ヒドロキシ、アミノ、C1-6アルキルオキシもしくはハロで置換されたフェニルである。
【0027】
式(I)、(II)および(III)において、R4もしくはR5は、イミダゾール環中の窒素原子の1つに結合してもまたよい。その場合には、窒素上の水素がR4もしくはR5により取って代わられ、そして、窒素に結合される場合のR4およびR5の意味は、水素、Ar1、C1-6アルキル、ヒドロキシC1-6アルキル、C1-6アルキルオキシC1-6アルキル、C1-6アルキルオキシカルボニル、C1-6アルキルS(O)C1-6アルキル、C1-6アルキルS(O)21-6アルキルに制限される。
【0028】
前述の定義および下で使用されるところのハロは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを特定し;C1-6アルキルは、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルなどのような1から6個までの炭素原子を有する直鎖および分枝状鎖の飽和炭化水素基を特定し;C1-8アルキルは、C1-6アルキルで特定されたような直鎖および分枝状鎖の飽和炭化水素基、ならびに例えばヘプチルもしくはオクチルのような7もしくは8個の炭素原子を含有するそれらのより高級な相同物を包含し;C1-12アルキルは、再度、C1-8アルキルおよび例えばノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルのような9ないし12個の炭素原子を含有するそれらのより高級な相同物を包含し;C1-16アルキルは、再度、C1-12アルキルおよび例えばトリデシル、テトラデシル、ペンタデシルおよびヘキサデシルのような13ないし16個の炭素原子を含有するそれらのより高級な相同物を包含し;C2-6アルケニルは、例えばエテニル、2−プロペニル、3−ブテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、3−メチル−2−ブテニルなどのような1個の二重結合を含有しかつ2から6個までの炭素原子を有する直鎖および分枝状鎖の炭化水素基を特定し;C1-6アルカンジイルは、たとえば、メチレン、1,2−エタンジイル、1,3−プロパンジイル、1,4−ブタンジイル、1,5−ペンタンジイル、1,6−ヘキサンジイルおよびそれらの分枝状異性体のような1から6個までの炭素原子を有する二価の直鎖および分枝状鎖の飽和炭化水素基を特定する。「C(=O)」という用語はカルボニル基を指し、「S(O)」はスルホキシド、また、「S(O)2」はスルホンを指す。「天然のアミノ酸」という用語は、アミノ酸のカルボキシル基と分子の残部のアミノ基との間で水の分子の喪失により形成される共有結合のアミド結合を介して結合される天然のアミノ酸を指す。天然のアミノ酸の例は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、セリン、トレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、アルギニン、ヒスチジンである。
【0029】
上に挙げられたような製薬学的に許容できる酸もしくは塩基付加塩は、式(I)、(II)および(III)の化合物が形成することが可能である、治療上活性の非毒性の酸付加塩および非毒性の塩基付加塩の形態を含んで成ることを意味している。塩基性の特性を有する式(I)、(II)および(III)の化合物は、前記塩基の形態を適切な酸で処理することにより、それらの製薬学的に許容できる酸付加塩に転化し得る。適切な酸は、例えば、ハロ水素酸、例えば塩酸もしくは臭化水素酸;硫酸;硝酸;リン酸などのような無機酸;または例えば酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸(すなわちブタンジオン酸)、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、パモン酸などのような有機酸を含んで成る。
【0030】
酸性の特性を有する式(I)、(II)および(III)の化合物は、前記酸の形態を適する有機もしくは無機塩基で処理することにより、それらの製薬学的に許容できる塩基付加塩に転化することができる。適切な塩基性塩の形態は、例えば、アンモニウム塩、アルカリおよびアルカリ土類金属塩、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム塩など、有機塩基との塩、例えばベンザチン、N−メチル−D−グルカミン、ヒドラバミン塩、ならびに例えばアルギニン、リシンなどのようなアミノ酸との塩を含んで成る。
【0031】
酸もしくは塩基付加塩という用語はまた、式(I)、(II)および(III)の化合物が形成することが可能である水和物および溶媒付加の形態も含んで成る。こうした形態の例は、例えば水和物、アルコール和物などである。
【0032】
上で使用されるところの式(I)、(II)および(III)の化合物の立体異性体という用語は、式(I)、(II)および(III)の化合物が保有することができる同一の順序の結合により結合される同一の原子から構成されるがしかし互換性でない異なる三次元構造を有する全部の可能な化合物を特定する。別の方法で挙げられもしくは示されない限り、ある化合物の化学的呼称は、前記化合物が保有することができる全部の可能な立体異性体の混合物を包含する。前記混合物は、前記化合物の基本的分子構造の全部のジアステレオマーおよび/もしくは鏡像異性体を含有することができる。純粋な形態もしくは相互との混合状態の双方の式(I)、(II)および(III)の化合物の全部の立体異性体が本発明の範囲内に包含されることを意図している。
【0033】
式(I)、(II)および(III)の化合物のいくつかはそれらの互変異性体でもまた存在することができる。こうした異性体は、上の式中に明確に示されないとは言え、本発明の範囲内に包含されることを意図している。
【0034】
下で使用される場合はいつも、「式(I)、(II)および(III)の化合物」という用語は、製薬学的に許容できる酸もしくは塩基付加塩および全部の立体異性体もまた包含することを意味している。
【0035】
好ましくは、置換基R18はキノリノン部分の5もしくは7位に位置し、また、置換基R19は、R18が7位にある場合に8位に位置する。
【0036】
興味深い化合物は、Xが酸素である式(I)のこれらの化合物である。
【0037】
また興味深い化合物は、二重結合を形成するように点線が結合を表す式(I)のこれらの化合物である。
【0038】
別の群の興味深い化合物は、R1が水素、C1-6アルキル、C1-6アルキルオキシC1-6アルキル、ジ(C1-6アルキル)アミノC1-6アルキル、もしくは式−Alk1−C(=O)−R9[式中、Alk1がメチレンでありかつR9がC1-6アルキルオキシカルボニルで置換されたC1-8アルキルアミノである]の基である、式(I)の化合物である。
【0039】
さらに別の群の興味深い化合物は、R3が水素もしくはハロであり;そしてR2がハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C1-6アルキルオキシ、トリハロメトキシもしくはヒドロキシC1-6アルキルオキシである、式(I)の化合物である。
【0040】
さらなる一群の興味深い化合物は、R2およびR3が隣接する位置にありかつ一緒になって式(a−1)、(a−2)もしくは(a−3)の二価の基を形成する式(I)の化合物である。
【0041】
なおさらなる一群の興味深い化合物は、R5が水素でありかつR4が水素もしくはC1-6アルキルである、式(I)の化合物である。
【0042】
なお別の群の興味深い化合物は、R7が水素であり;そしてR6がC1-6アルキルもしくはハロ、好ましくはクロロ、とりわけ4−クロロである式(I)の化合物である。
【0043】
特定の一群の化合物は、R8が水素、ヒドロキシ、ハロC1-6アルキル、ヒドロキシC1-6アルキル、シアノC1-6アルキル、C1-6アルキルオキシカルボニルC1-6アルキル、イミダゾリル、あるいは式−NR1112[式中、R11は水素もしくはC1-12アルキルであり、かつ、R12が水素、C1-6アルキル、C1-6アルキルオキシ、ヒドロキシ、C1-6アルキルオキシC1-6アルキルカルボニル、または式Alk2−OR13[式中、R13が水素もしくはC1-6アルキルである]の基である]の基である、式(I)の化合物である。
【0044】
好ましい化合物は、R1が水素、C1-6アルキル、C1-6アルキルオキシC1-6アルキル、ジ(C1-6アルキル)アミノC1-6アルキル、もしくは式−Alk1−C(=O)−R9[式中、Alk1はメチレンでありかつR9はC1-6アルキルオキシカルボニルで置換されたC1-8アルキルアミノである]の基であり;R2がハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C1-6アルキルオキシ、トリハロメトキシ、ヒドロキシC1-6アルキルオキシもしくはAr1であり;R3が水素であり;R4がイミダゾールの3位の窒素に結合されたメチルであり;R5が水素であり;R6がクロロであり;R7が水素であり;R8が水素、ヒドロキシ、ハロC1-6アルキル、ヒドロキシC1-6アルキル、シアノC1-6アルキル、C1-6アルキルオキシカルボニルC1-6アルキル、イミダゾリル、あるいは式−NR1112[式中、R11が水素もしくはC1-12アルキルでありかつR12が水素、C1-6アルキル、C1-6アルキルオキシ、C1-6アルキルオキシC1-6アルキルカルボニルである]の基または式−Alk2−OR13[式中、R13がC1-6アルキルである]の基であり;R17が水素でありそしてR18が水素である化合物である。
【0045】
最も好ましい化合物は、
4−(3−クロロフェニル)−6−[(4−クロロフェニル)ヒドロキシ(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−1−メチル−2(1H)−キノリノン;
6−[アミノ(4−クロロフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾル−5−イルメチル]−4−(3−クロロフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノン;
6−[(4−クロロフェニル)ヒドロキシ(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−4−(3−エトキシフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノン;
6−[(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−4−(3−エトキシフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノン一塩酸塩一水和物;
6−[アミノ(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−4−(3−エトキシフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノン、
6−アミノ(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−1−メチル−4−(3−プロピルフェニル)−2(1H)−キノリノン;それらの立体異性体または製薬学的に許容できる酸もしくは塩基付加塩;そしてとりわけ
(+)−(R)−6−[アミノ(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−4−(3−クロロフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノン(実験の部の表1の化合物75);もしくはその製薬学的に許容できる酸付加塩
である。
【0046】
ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤は、当該技術分野で既知のような製薬学的組成物に処方し得;式(I)、(II)および(III)の化合物についての適する例は第WO−97/21701号に見出し得る。前述の製薬学的組成物を製造するために、有効成分として、場合によっては付加塩の形態の治療上有効な量の特定の化合物を、製薬学的に許容できる担体との緊密な混合状態で組み合わせ、これは、投与に望ましい製剤の形態に依存して広範な形態をとってよい。これらの製薬学的組成物は、望ましくは単位投与剤形として、経口で、非経口で、経皮で、直腸で、または全身作用のため(それが好ましい)もしくは局所作用のため局所で投与される。溶液、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤および乳剤を含んで成る経口の液体の製薬学的製剤の場合には、例えば水、グリコール、油類、アルコール類などのような通常の製薬学的媒体のいずれかを使用してよい一方で、散剤、丸剤、カプセル剤および錠剤を含んで成る経口の固体の製薬学的製剤の場合は、デンプン、糖類、カオリン、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などのような賦形剤を使用してよい。投与におけるそれらの容易さのため、錠剤およびカプセル剤が最も有利な経口の単位投与剤形を代表し、この場合には、明らかに固体の製薬学的担体を使用する。注入可能な製薬学的組成物の場合には、担体は通常少なくとも大部分で滅菌水を含んで成ることができるとは言え、半極性(semipolair)溶媒のような他の成分を、例えば溶解性を補助するために包含してよい。注入可能な溶液の担体の例は、生理的食塩水溶液、ブドウ糖溶液もしくは生理的食塩水およびブドウ糖溶液の混合物を含んで成る。前述の処方の化合物を含有する注入可能な溶液は、持続性作用のため油中で処方してもまたよい。この目的上適切な油類は、例えば、ラッカセイ油、ゴマ油、綿実油、トウモロコシ油、大豆油、長鎖脂肪酸の合成グリセロールエステルならびにこれらおよび他の油の混合物である。注入可能な懸濁剤の製造のためには、適切な液体担体、沈殿防止剤などを使用してよい。経皮投与に適する組成物においては、担体は、場合によっては小さな比率でいずれかの性質の適する添加物と組み合わせられた浸透増強剤および/もしくは適する湿潤剤を場合によっては含んで成り、この添加物は皮膚に対するいかなる重大な有害な影響も引き起こさない。前記添加物は、皮膚への投与を助長することができそして/もしくは所望の組成物の製造に役立つことができる。これらの組成物は、多様な方法で、例えば経皮貼付物、スポット−オン(spot-on)、軟膏剤もしくはゲル剤として投与することができる。直腸投与のための製薬学的組成物の場合には、場合によっては沈殿防止剤もしくは湿潤剤のような適する添加物と組み合わせられた、脂肪を基礎とする賦形剤および水溶性賦形剤を含んで成る通常の賦形剤のいずれかを使用してよい。局所適用のための適切な組成物としては、薬物を局所に投与するために通常使用される全部の組成物、例えば、クリーム剤、ゼリー剤、包帯、ローション剤、シャンプー、チンキ剤、パスタ剤、軟膏剤(ointment)、軟膏剤(salve)、膣坐剤、パウダー、吸入剤、鼻スプレー、点眼剤などを挙げることができる。軟膏剤(salve)、クリーム剤、ゼリー剤、軟膏剤(ointemnt)などのような半固形組成物は便宜的に使用することができるが、しかし、前記組成物の適用は、例えば、例えば窒素、二酸化炭素、フレオンのような噴射剤を含み、またはポンプスプレーもしくは滴剤(drop)のような噴射剤を含まないエアゾルによってもまたよい。
【0047】
投与の容易さおよび投薬量の均一性のため、前述の製薬学的組成物を単位投与剤形で処方することがとりわけ有利である。本明細および本明細書の請求の範囲で使用されるところの単位投与剤形は、単位投薬量として適する物理的に別個の単位を指し、各単位は必要とされる製薬学的担体と共同して所望の治療効果を生じさせるよう算出された予め決められた量の有効成分を含有する。こうした単位投与剤形の例は、錠剤(割線をつけられた錠剤もしくはコーティング錠を包含する)、カプセル剤、丸剤、粉末の包み(packet)、坐剤、膣坐剤、カシェ剤、注入可能な溶液もしくは懸濁剤、茶さじ1杯、テーブルスプーン1杯など、およびそれらの分離された複数(multiples)である。
【0048】
好ましくは、ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤を含んで成る治療上有効な量の製薬学的組成物は、経口もしくは非経口で投与する。前記治療上有効な量は、宿主中の腫瘍を照射に対して効果的に増感する量である。現在のデータに基づけば、有効成分として(+)−(R)−6−[アミノ(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−4−(3−クロロフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノン(化合物75)を含んで成る製薬学的組成物は、単一用量もしくは1以上に再分された用量のいずれかとして1日に10から1500mg/m2までの量、もしくはより具体的には1日に100から1000mg/m2までの量で経口で投与することができるようである。
【0049】
照射は、電離化放射およびとりわけγ線放射、とりわけ今日普遍的に使用されている直線加速器もしくは放射性核種により発射されるものを意味する。放射性核種による腫瘍の照射は外的もしくは内的であることができる。
【0050】
好ましくは、該製薬学的組成物の投与は、腫瘍の照射前1ヶ月以内、とりわけ10日もしくは1週間以内に開始する。加えて、腫瘍の照射を細分しかつ該製薬学的組成物の投与を最初の照射実施(irradiation session)と最後の照射実施との間の間隔に維持することが有利である。
【0051】
ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤の量、照射線量および照射線量の断続は、腫瘍の型、その位置、化学療法もしくは放射線治療に対する患者の反応のような一連のパラメータに依存することができ、そして、最終的には、各個別の症例で医師および放射線科医が決定すべきである。
【0052】
本発明はまた、
−前、中、もしくは後に放射線増感に有効な量のファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤を投与すること
−腫瘍に接近して腫瘍を担持する宿主に放射線を投与すること
の段階を含んで成る、前記宿主の癌治療方法にも関する。
【0053】
阻害することができる腫瘍の例は、肺癌(例えば腺癌)、膵癌(例えば、例えば外分泌膵癌のような膵癌)、大腸癌(例えば、例えば大腸腺癌および大腸腺腫のような結腸直腸癌)、リンパ様系統の造血腫瘍(例えば急性リンパ球性白血病、B細胞リンパ種、バーキットリンパ種)、骨髄性白血病(例えば急性骨髄性白血病(AML))、甲状腺小胞状癌、骨髄異形性症候群(MDS)、間葉起源の腫瘍(例えば線維肉腫および横紋筋肉腫)、黒色腫、奇形癌、神経芽腫、神経膠腫、皮膚の良性腫瘍(例えば角化棘細胞腫)、乳癌、腎癌、卵巣癌、膀胱癌および表皮癌、しかしこれらに制限されない。
実験の部
以下の表は、式(I)の化合物の式、それらの物理的データ、および第WO−97/21701号[これに従って問題の化合物を製造することができる]中の実施例への言及を示す。薬理学的実施例には、式(I)の化合物の放射線増感効果を具体的に説明する。
【0054】
【表1】
Figure 0004530537
【0055】
【表2】
Figure 0004530537
【0056】
【表3】
Figure 0004530537
【0057】
【表4】
Figure 0004530537
【0058】
【表5】
Figure 0004530537
【0059】
【表6】
Figure 0004530537
【0060】
【表7】
Figure 0004530537
【0061】
【表8】
Figure 0004530537
【0062】
【表9】
Figure 0004530537
【0063】
【表10】
Figure 0004530537
【0064】
【表11】
Figure 0004530537
【0065】
【表12】
Figure 0004530537
【0066】
薬理学的実施例1
およそ22ないし25gの体重の雄性無胸腺ヌードマウスに、第0日に、1×106個のLoVoヒト大腸癌細胞(LoVo細胞)を鼠蹊部領域に皮下で接種した。3週間、腫瘍を確立されたようにした(直径およそ0.5ないし1cm)後、経口経路を介して溶媒もしくは化合物75で、そして第32日に単一の発射(shot)の照射を伴うか伴わないかのいずれかで、治療を開始した。活性についてのパラメータは、第42日の腫瘍成長速度および腫瘍の重量であった。
【0067】
化合物75を水に溶解し、かつ1N HCl溶液でpH2.5に酸性化し、そしてマウス体重10gあたり0.1mlの化合物溶液として1日2回(bid)経口(po)投与した。投与された用量は、体重1kgあたり化合物50もしくは100mgのいずれかであり;治療は、照射に先行した(第22〜32日)か、照射の後に続いた(第32〜42日)か、もしくは実験の期間中を通じて継続した(第22〜42日)かのいずれかであった。
【0068】
照射治療は、治療されない動物で腫瘍の成長を安定化した7Gyの線量、すなわち腫瘍体積の増加を停止させたがしかしその大きさのいかなる低下も引き起こさなかった線量での第32日の単回線量の放射から成った。
【0069】
以下の表(表9)は該実験で評価したアームのそれぞれを示す。実験の各アームには16匹の動物を包含した。「腫瘍(g)」の欄は、実験の第42日に殺された動物の腫瘍重量の中央値を含有する。図1および図2は観察されたデータをグラフの形態で表す。
【0070】
データの統計学的解析から、化合物75(50および100mpk双方)での治療は照射の効果を増強する、より具体的には、化合物75(50および100mpk双方)での前治療および照射は、(照射単独に比較される場合に)統計学的に有意の様式で腫瘍重量を低下させるということになる。
【0071】
【表13】
Figure 0004530537
【0072】
実施例2
放射線抵抗性のヒト神経膠腫細胞系(SF763、U87、U251)を、照射(2Gy)の48時間前に化合物75で治療した。投与された用量は、U251について0.4nMならびにSF763およびU87について2nMであった。
【0073】
細胞への化合物75の適用は照射後の細胞の生存を劇的に低下させた。すなわち、SF763およびU87については、約55%の生存の部分(fraction)の低下を立証した一方、U251については、低下は25%であった。
【0074】
これらの結果は、化合物75での治療が放射線抵抗性細胞を照射に対して再増感することを立証する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 発明にかかる、50mpkの試験化合物(po、bid)を受領する試験動物の腫瘍重量(g)の分布を示す。
【図2】 発明にかかる、100mpkの試験化合物(po、bid)を受領する試験動物の腫瘍重量(g)の分布を示す。
図中の灰色の四角形棒は25〜75百分位数を描き、その中の線は中央値を表し、灰色の四角形から延びている線は10〜90百分位数を描き、そして黒点はアウトライアーを表す。ローマ数字は表9で同定されるような試験動物の群に対応する。

Claims (1)

  1. インビボで癌を治療するための腫瘍の照射前の投与のための放射線増感特性を有する製薬学的組成物の調製のための、最低1種のファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤の使用であって、前記ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤が、(+)−(R)−6−[アミノ(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−4−(3−クロロフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノンもしくはその製薬学的に許容できる酸付加塩である、上記使用。
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