JP4530055B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
そこで、本発明の目的は、非接触式の温度検知部材の検知温度に基づいて、被検知部の実温度を正確に取得することができる、画像形成装置を提供することにある。
また、装置本体内には、記録シートに現像剤像を定着させるための定着部が設けられている。定着部には、加熱部材および加圧部材が備えられている。加圧部材は、加熱部材に対向配置され、その加熱部材に対する位置を変更可能に設けられている。加熱部材に対する加圧部材の位置が変更されると、加熱部材の近傍において、記録シートの搬送経路が変更され、これに伴って、装置本体内(加熱部材の近傍)に形成される気流の状態が変更される。温度検知部材により検出された温度に関する値は、温度補正部により、加熱部材に対する加圧部材の位置に基づいて補正される。そのため、加圧部材の位置の変更に伴う気流の状態の変更にかかわらず、非接触式の温度検知部材の検知温度に基づいて、被検知部である加熱部材の実温度を正確に取得することができる。
また、装置本体内には、記録シートを搬送するためのベルトと、ベルトにより搬送される記録シートに画像を形成するための複数の画像形成部材とが設けられている。各画像形成部材は、ベルトに対して接触および離間可能に設けられている。たとえば、記録シートにカラー画像が形成されるときには、すべての画像形成部材がベルトと接触する位置に配置される。一方、記録シートにモノクロ画像が形成されるときには、画像形成部材の消耗を抑制するために、ブラックの画像を形成するための画像形成部材以外の画像形成部材がベルトから離間されることが好ましい。各画像形成部材の位置が変更されると、これに伴って、装置本体内に形成される気流の状態が変更される。温度検知部材により検出された温度に関する値は、温度補正部により、各画像形成部材の位置に基づいて補正される。そのため、各画像形成部材の位置の変更に伴う気流の状態の変更にかかわらず、非接触式の温度検知部材の検知温度に基づいて、被検知部の実温度を正確に取得することができる。
図1は、本発明の画像形成装置の一例としてのプリンタの一実施形態を示す側断面図である。
プリンタ1は、タンデム型のカラープリンタである。装置本体の一例としての本体ケーシング2内には、ブラック、イエロー、マゼンタおよびシアンの各色に対応して、4つのプロセスカートリッジ3が並列に配置されている。各プロセスカートリッジ3は、本体ケーシング2の上面のトップカバー4が開放された状態で、本体ケーシング2内に対して装着および離脱可能である。
トナー像が転写された用紙Pは、定着部14に搬送される。定着部14において、加熱および加圧により、トナー像が用紙Pに定着される。具体的には、定着部14は、被検知部である加熱部材の一例としての加熱ローラ15と、加熱ローラ15に下方から圧接される加圧ローラ16とを備えている。加熱ローラ15は、表面がフッ素樹脂によってコーティングされている金属管と、その金属管内に挿入されている加熱のためのハロゲンランプ17(図2参照)とを備えている。加圧ローラ16は、金属製のローラ軸をゴム材料で被覆した構成を有している。用紙Pが加熱ローラ15と加圧ローラ16との間を通過する間に、加熱および加圧されることによって、トナー像が用紙Pに定着する。
そして、プリンタ1には、定着部14の上方に、定着部14からの熱気を排気するための排気ダクト22が設けられている。この排気ダクト22は、加熱ローラ15の前方に、下方に向けて開口される受入口23を有している。排気ダクト22内には、ファン24(図2参照)が設けられている。ファン24が駆動されると、定着部14の近傍の雰囲気が受入口23から排気ダクト22内に吸い込まれ、排気ダクト22を通して、本体ケーシング2の外部に排気される。この排気に伴い、本体ケーシング2の外部の空気が吸気口21から本体ケーシング2内に流入する。そして、本体ケーシング2内に流入した空気は、ファン24の作用により、排気ダクト22の受入口23に向かって流れる。これにより、本体ケーシング2内には、図1に白抜き矢印で示すように、吸気口21から加熱ローラ15の近傍を通過して受入口23に至る気流が形成される。
2.プリンタの制御系
図2は、プリンタの制御系を示すブロック図である。
そして、制御部30は、非接触式温度センサ27により検知される温度(検知温度)を補正する温度補正部30Aを実質的に備えている。この温度補正部30Aは、ROMに格納されているプログラムをCPUが実行することによりソフトウエア的に実現される機能処理部である。
3.温度補正
図3は、温度補正部による温度補正について説明するためのグラフである。
4.効果
以上のように、本体ケーシング2内において、加熱ローラ15の温度を検知するための非接触式温度センサ27は、加熱ローラ15に対して非接触状態に設けられている。また、本体ケーシング2には、加熱ローラ15によるトナー像の定着後の用紙Pを案内して受け取るためのリヤカバートレイ19が設けられている。このリヤカバートレイ19は、開姿勢と閉姿勢とに姿勢変更可能に設けられている。リヤカバートレイ19が開姿勢にされると、本体ケーシング2の後面に開口20が形成され、リヤカバートレイ19が閉姿勢にされると、その開口20がリヤカバートレイ19により閉じられる。このように、リヤカバートレイ19が開姿勢と閉姿勢とに姿勢変更されることにより、開口20が開閉されるので、これに伴って、本体ケーシング2内に形成される気流の状態が変更される。
5.第2実施形態
プリンタ1には、図2に示すように、本体ケーシング2内の空気を外部に強制的に排気するためのファン24が設けられている。このファン24の能力は、図2に破線で示すファン能力変更部30Bを実質的に備える制御部30により変更される。たとえば、プリンタ1における画像形成動作が行われていないスリープ状態では、ファン24の能力が弱にされ、画像形成動作中は、ファン24の能力が強にされる。ファン24の能力が変更されると、本体ケーシング2内から外部への排気流量が変化し、これに伴って、加熱ローラ15の近傍を通過する気流の状態が変更される。すなわち、ファン24の能力が上げられると(強にされると)、本体ケーシング2内から外部への排気流量が増大し、加熱ローラ15の近傍を通過する気流が強くなる。一方、ファン24の能力が下げられると(弱にされると)、本体ケーシング2内から外部への排気流量が減少し、加熱ローラ15の近傍を通過する気流が弱くなる。
そこで、温度補正部30Aは、ファン24の能力の強弱に基づいて(たとえば、ファン能力変更部30Bによるファン24の能力制御に基づいて)温度補正係数を設定し、その設定した温度補正係数を非接触式温度センサ27の検知温度に乗じることにより、非接触式温度センサ27の検知温度を加熱ローラ15の表面の実温度に一致するように補正してもよい。ファン24の能力が弱にされている状態では、温度補正係数は、相対的に小さな値に設定される。一方、ファン24の能力が強にされている状態では、温度補正係数は、相対的に大きな値に設定される。(つまり、ファンの能力が強にされている状態では、ファンの能力が弱にされている状態に比べて、温度補正部30Aにおける検知温度の補正量が大きくなる。)
これにより、ファン24の能力の変更に伴う気流の状態の変更にかかわらず、非接触式温度センサ27の検知温度に基づいて、加熱ローラ15の実温度を正確に取得することができる。
6.第3実施形態
本体ケーシング2には、本体ケーシング2内に用紙Pを送り込むための手差しトレイ25が開姿勢と閉姿勢とに姿勢変更可能に設けられている。手差しトレイ25が開姿勢にされると、本体ケーシング2に開口26が形成され、手差しトレイ25が閉姿勢にされると、その開口26が手差しトレイ25により閉じられる。このように、手差しトレイ25が開姿勢と閉姿勢とに姿勢変更されることにより、開口26が開閉されるので、これに伴って、本体ケーシング2内に形成される気流の状態が変更される。
7.第4実施形態
用紙Pは、その厚さにより熱容量が異なる。用紙Pの厚さが相対的に大きい場合(用紙Pが厚紙である場合)、用紙Pへのトナー像の定着には、用紙Pの厚さが相対的に小さい場合(用紙Pが普通紙である場合)と比較して時間がかかる。そのため、用紙Pの厚さに応じて、制御部30に実質的に備えられる速度制御部30C(図2に破線で示す。)により、定着モータ29の駆動が制御されて、加熱ローラ15の回転速度が変更されてもよい。すなわち、用紙Pが厚紙である場合には、加熱ローラ15の回転速度が相対的に下げられ、用紙Pが普通紙である場合には、加熱ローラ15の回転速度が相対的に上げられてもよい。
そこで、温度補正部30Aは、加熱ローラ15の回転速度に基づいて(たとえば、速度制御部30Cによる定着モータ29の駆動制御に基づいて)温度補正係数を設定し、その設定した温度補正係数を非接触式温度センサ27の検知温度に乗じることにより、非接触式温度センサ27の検知温度を加熱ローラ15の表面の実温度に一致するように補正してもよい。加熱ローラ15の回転速度が大きい状態では、温度補正係数は、相対的に大きな値に設定される。一方、加熱ローラ15の回転速度が小さい状態では、温度補正係数は、相対的に小さな値に設定される。
8.第5実施形態
プリンタ1では、加熱ローラ15および加圧部材の一例としての加圧ローラ16による用紙Pの押圧状態などにより、用紙Pが加熱ローラ15または加圧ローラ16の周面に沿って湾曲する、いわゆる用紙カールを生じるおそれがある。そのため、図1に破線で示すように、加圧ローラ16を加熱ローラ15に対して移動可能(位置変更可能)に設け、用紙カールの状態(用紙Pのトナー転写面が凹湾曲または凸湾曲した状態)に応じて、加熱ローラ15に対する加圧ローラ16の位置を変更することにより、用紙カールの修正を図ることができるようにされてもよい。
そこで、図2に破線で示すように、制御部30に、加圧ローラ16の位置を検知するための加圧ローラ位置センサ32の検知信号が入力されてもよい。加圧ローラ位置センサ32は、たとえば、マイクロスイッチからなり、加圧ローラ16が図1に実線で示す位置にあるときにオンになり、加圧ローラ16が図1に破線で示す位置にあるときにオフとなる。
これにより、加圧ローラ16の位置の変更に伴う気流の状態の変更にかかわらず、非接触式温度センサ27の検知温度に基づいて、加熱ローラ15の実温度を正確に取得することができる。
9.第6実施形態
モノクロ画像の形成時には、ブラック以外のイエロー、マゼンタおよびシアンの感光ドラム5にトナー像が形成されないので、それらの感光ドラム5を搬送ベルト12から離間させ、画像形成部材の一例としての感光ドラム5の消耗を防止することが望ましい。そのため、本体ケーシング2内に、図1に破線で示すように、イエロー、マゼンタおよびシアンの感光ドラム5を搬送ベルト12に対して接触および離間させるための接離機構33が備えられてもよい。なお、図1では、図面の煩雑化を防止するために、1つ(マゼンタ)の感光ドラム5が搬送ベルト12から離間した状態のみが破線で示されている。
そこで、図2に破線で示すように、制御部30に、感光ドラム5の位置を検知するためのドラムセンサ34の検知信号が入力されてもよい。そして、温度補正部30Aは、各感光ドラム5の位置に基づいて(たとえば、ドラムセンサ34の検知結果に基づいて)温度補正係数を設定し、その設定した温度補正係数を非接触式温度センサ27の検知温度に乗じることにより、非接触式温度センサ27の検知温度を加熱ローラ15の表面の実温度に一致するように補正してもよい。
10.他の種類の画像形成装置への本発明の適用
以上では、非接触式温度センサ27は、抵抗素子を流れる電流を検知信号として出力し、温度補正部30Aは、非接触式温度センサ27が出力する検知信号から温度(検知温度)を算出し、この算出された検知温度を補正することにより、加熱ローラ15の実温度を算出する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、温度補正部30Aは、非接触式温度センサ27が出力する検知信号そのものを補正し、この補正後の信号に基づいて、加熱ローラ15の実温度を算出してもよい。この場合、その非接触式温度センサ27が出力する検知信号そのものが、温度検知部材により検出された温度に関する値の一例となる。
また、上記実施形態においては、非接触式温度センサ27は、抵抗素子に流れる電流を検知信号として出力するように構成されていたが、抵抗素子に一定の電流を流されるとともに抵抗素子に印可される電圧値を検知信号として出力するように構成されていてもよい。
つまり、抵抗素子に一定の電流が流されている構成において、加熱ローラからの放熱量が変化すると、抵抗素子の電圧が変化するので、この電圧値を検知信号とすることができる。
また、本発明は、モノクロのプリンタに適用することもできる。
2 本体ケーシング
5 感光ドラム
12 搬送ベルト
14 定着部
15 加熱ローラ
16 加圧ローラ
17 ハロゲンランプ
19 リヤカバートレイ
20 開口
21 吸気口
22 排気ダクト
23 受入口
24 ファン
25 手差しトレイ
26 開口
27 非接触式温度センサ
30 制御部
30A 温度補正部
30B ファン能力変更部
30C 速度制御部
P 用紙
Claims (3)
- 装置本体と、
前記装置本体内に配置された被検知部と、
前記装置本体内に、前記被検知部に対して非接触状態に設けられ、前記被検知部の温度を検知するための温度検知部材と、
前記装置本体内の気流の状態を変更する変更部材と、
前記変更部材による気流の状態の変更に基づいて、前記温度検知部材により検出された温度に関する値を補正するための温度補正部と、
前記装置本体内に設けられ、記録シートに現像剤像を定着させるための定着部とを備え、
前記定着部は、加熱部材と、前記加熱部材に対向配置され、前記加熱部材に対する位置が変更可能に設けられた加圧部材とを備え、
前記被検知部は、前記加熱部材であり、
前記変更部材は、前記加圧部材であり、
前記温度補正部は、前記加圧部材の位置に基づいて、前記温度検知部材により検出された温度に関する値を補正することを特徴とする、画像形成装置。 - 装置本体と、
前記装置本体内に配置された被検知部と、
前記装置本体内に、前記被検知部に対して非接触状態に設けられ、前記被検知部の温度を検知するための温度検知部材と、
前記装置本体内の気流の状態を変更する変更部材と、
前記変更部材による気流の状態の変更に基づいて、前記温度検知部材により検出された温度に関する値を補正するための温度補正部と、
前記装置本体内に設けられ、記録シートを搬送するためのベルトと、
前記ベルトに対して接触および離間可能に設けられ、前記ベルトにより搬送される前記記録シートに画像を形成するための複数の画像形成部材とを備え、
前記変更部材は、前記画像形成部材であり、
前記温度補正部は、各前記画像形成部材の位置に基づいて、前記温度検知部材により検出された温度に関する値を補正することを特徴とする、画像形成装置。 - 前記装置本体には、前記装置本体内に外部から空気を取り込むための吸気口が形成され、
前記装置本体内に受入口を有し、前記受入口から受け入れられる空気が流通する排気ダクトを備え、
前記受入口は、前記吸気口から前記被検知部を通過して前記受入口に至る気流が形成されるような位置に配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の画像形成装置。
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