JP5692158B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
しかし、例えば、一般家庭で使用するような場合には、設置スペースにそれほど余裕がないため、画像形成装置を縦置きにして使用できれば便利である。
一般に、加熱回転体の周面の温度は、当該周面を傷つけないように非接触状態で、かつ、周面に近接配置されたサーミスタなどの温度センサーによって検出されており、その検出結果に基づいて加熱回転体用のヒーターをON・OFF制御することにより、当該加熱回転体周面が所定の温度に維持されるようになっている。
本発明は、上述のような問題に鑑みてなされたものであって、設置姿勢が変更可能な画像形成装置において、設置姿勢が変更されても、定着器における加熱回転体の表面温度を同等な精度で検出し、的確な温度制御が可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
以下、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置について、図面を参照しながら説明する。
(1−1)画像形成装置の構成
図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の一例であるモノクロのプリンターの構成を説明するための概略断面図である。
プリンター1は、矢印Aで示す方向に回転駆動される円筒状の感光体ドラム12を有している。
この感光体ドラム12の周囲には、電子写真方式によってトナー画像を記録シート上に形成するための帯電器14、光学部15、現像器16、転写ローラー17が、感光体ドラム12の回転方向(同図の反時計回り)に沿って、この順番で配設されている。
これにより、光学部15からは画像データに応じたレーザ光Lが感光体ドラム12の表面に照射される。
感光体ドラム12の下方には、給紙部20が設けられており、当該給紙部20は、用紙、OHPシート等の複数枚の記録シートSが積載状態で収容された給紙トレイ21とピックアップローラー25などからなる。
なお、給紙トレイ21の昇降板22aは、カム機構などの不図示の駆動機構により昇降する構成となっており、記録シートSを搬送経路26に繰り出す際に上昇して、最上位の記録シートをピックアップローラー25に押し当てる。
記録シートSが転写ニップ27を通過する間に、転写ローラー17に印加された転写電圧によって発生する転写電界の作用により、感光体ドラム12上に担持されたトナー像が記録シートS上に転写される。
一方、トナー画像が転写された記録シートSは、定着部30へ搬送される。
定着部30は、並行配置された定着ローラー31および加圧ローラー32を有しており、定着ローラー31と加圧ローラー32間で定着ニップが形成される。
さらに、定着部30には、定着ローラー31の長手方向(紙面奥行方向)の中央部に、横置き姿勢で設置されたときに使用する温調制御用の第1温度センサー34と、縦置き姿勢で設置されたときに使用する温調制御用の第2温度センサー35とが、定着ローラー31の周方向の異なる位置であって、かつ、定着ローラー31と接触しない位置に設けられている。この周方向の位置の違いについては後述する。
記録シートSに転写された未定着のトナー像は、定着ニップを通過する間に、定着ローラー31によって所定の温度で加熱・加圧されて、記録シートSに定着される。
なお、排紙トレイ41の下流側には、着脱式の延長トレイ41aが装着されており、記録シートSが大サイズであっても、先端が垂れ下がらないようになっている。
本実施の形態では、姿勢検出部51として、横置き姿勢において筐体2の底面となる面2aにプッシュスイッチを配しており、面2aから外方に突出しているアクチュエーター51aが設置面と当接して押し上げられることにより、現在横置き姿勢であることを示す信号を制御部50に出力するものである。
ユーザーは、プリンター1を縦置き姿勢で設置する際、給紙トレイ21を、支軸22を中心に矢印C方向に揺動させる。
これにより、給紙トレイ21の載置面21aが、鉛直方向から少し傾斜してやや上向きとなり、記録シートSを給紙トレイ21に立て掛けるようにして載置することが可能となる。
ここで、ピックアップローラー25およびこれに連結された不図示の駆動源は、給紙トレイ21と一体となって揺動する構成となっており、プリンター1の設置姿勢が変更されても、ピックアップ時において、ピックアップローラー25が最上位の記録シートSに接触可能な構成となっている。
これにより、鉛直方向から少し傾いたやや上向きの載置面42aが形成されるため、排紙された記録シートSを積載していくことができる。なお、延長トレイ41aを、縦置きの際にも使用できるような形状に設計しておけば、別途延長トレイ42を備える必要がなくなり、備品のコストを低減することができる。
なお、定着ローラー31表面から感熱部34aまでの最小距離D1と、定着ローラー31表面から感熱部35aまでの最小距離D2(図1参照)は、いずれも2.3[mm]±0.3[mm]となるように設定されている。
(1−2)制御部の構成
図3は、プリンター1における制御部50の構成と、これの制御対象となる主構成要素との関係を示す図である。
通信I/F部151は、LANカード、LANボードといったLANに接続するためのインターフェースである。
ROM(Read Only Memory)153には、プリントの実行に関連する制御を行うための制御プログラムなどが格納されている。
EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)154は、不揮発性のメモリーであって、CPU150のデータ保存エリアとなる。
CPU(Central Processing Unit)150は、ROM153に格納されている制御プログラムを実行することにより、ウォーミングアップやプリントの実行などを実施する。
その際、CPU150は、姿勢検出部51、定着部30の第1温度センサー34および第2温度センサー35から出力される信号にもとづき、定着ローラー31内に設けられたヒーター33をON・OFFして、定着ローラー31を目標温度に調整する以下のような温調制御を実施する。
以下、第1の実施の形態に係る、制御部50における定着ローラー31の温調制御について、図4のフローチャートに基づき説明する。
CPU150は、定着ローラー31を温調の開始のタイミングとなるまで待機し(ステップS11:NO)、プリンター1の電源投入直後や、プリントジョブを受け付けた場合などに、温調開始のタイミングであると判定し(ステップS11:YES)、姿勢検出部51(図1)の出力信号を現在のプリンター1の設置姿勢に関する情報として取得する(ステップS12)。
そして、CPU150は、選択された第1温度センサー34の検出値と補正テーブル記憶部155に格納された補正テーブルを用いて、定着ローラー31の表面温度を推定する(ステップS16)。
そして、温調終了か否かを判定する(ステップS20)。例えば、プリントジョブが終了したとき、もしくは、プリントジョブが終了してから所定の待機時間が経過したときに、CPU150により温調終了と判定される。
温調終了であると判定された場合には(ステップS20:YES)、そのときのヒーター33の状態を確認し、ON状態であれば、OFF状態にした後(ステップS21)、温調制御を終了する。
この補正テーブルは、第1温度センサー34による温度推定の場合と同じ補正テーブルを使用することができる。縦置き姿勢の際における第2温度センサー35の感熱部35aは、横置き姿勢における第1温度センサー34の感熱部34aと同じく、定着ローラー31の直上に位置し、定着ローラー31の周面からの距離も同じに設定されているからである。
なお、第1温度センサー34および第2温度センサー35は、上述のように、自然対流に伴う熱伝導により加熱されており、自然対流の下では、空気が下方から上方に向かって流れるので、温度センサーの配設位置が、定着ローラー31の直上の位置から周方向に逸れると、温度センサーの感熱部の位置が対流の本流から外れてしまい熱伝導量が減少すると共に、対流も不安定になるおそれがある。
(2)第2の実施形態
(2−1)画像形成装置の構成
以下、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置の一例であるプリンターについて、図面を参照しながら説明する。
図5は、第2の実施形態に係るプリンター200の定着部30における要部構成を示す部分概略断面図である。同図では、プリンター200を横置き姿勢で設置した状態を示している。
この温度センサー36は、第1の実施の形態における第1温度センサー34および第2温度センサー35と同様、サーミスタや熱電対などの主に熱伝導によって温度を検出する比較的安価な熱型の温度検出素子である。
同図に示すように、支持機構130は、定着ローラー31と並行に配された支持部材131を、その両端部を90°折り曲げてなる側板部131a、131bを介して、定着ローラー31の回転軸31aに回転自在に軸支されている。
温度センサー36は、定着ローラー31の回転軸方向に沿って設けられた支持部材131の長手方向の中央部に固定されている。
ロッド132は、側板部131aに軸支されている端部とは反対側の端部132aが、筐体2の面2bに設けられた貫通孔2cから外方に突出している。
ロッド132の途中には、鍔状のストッパー部132bが設けられており、当該ストッパー部132bが、筐体2の内側に当接することにより、ロッド132の外側の端部132aの突出量が規制される。
ここで、プリンター200の設置姿勢を横置きから図7に示すように縦置きに変更すると、面2b側が筐体2の底面となるため、ロッド132の面2bから外側に突出している端部132aが載置面に当接し、引張ばね133の付勢力に抗して矢印Dで示す方向に押し込まれる。
そして、プリンター200を縦置き姿勢で設置した状態で、温度センサー36の感熱部36aが、ローラー中央真上の位置に移動するように、支持機構130の各部材の寸法、軸支位置が設定されている。
このような構成にすることにより、第2の実施の形態に係るプリンター200では、横置き姿勢および縦置き姿勢のそれぞれにおいて、温度センサー36の感熱部36aを、対流が盛んで熱伝導量が多いローラー中央真上の位置に配することができるので、定着ローラー31の表面温度をより反映した温度検出が可能であり精度が高くなる。
これにより、第1の実施の形態と同様に、補正テーブルを格納する補正テーブル記憶部155の記憶容量の節約が可能となる。
これより、支持部材131が矢印F方向に戻り、これに固定された温度センサー36も二点鎖線で示す位置に復帰する。
<変形例>
本発明は、上述のような実施の形態に限られるものではなく、次のような変形例も実施することができる。
図8(a)および(b)は、本変形例に係る支持機構230の構成を示す図である。
このうち図8(a)は、プリンターを横置き姿勢で設置しているときの支持機構230の状態を示す図であり、また、図8(b)は、プリンターを縦置き姿勢で設置しているときの支持機構230の状態を示す図である。
支持機構230では、横置き姿勢において、図8(a)に示すように、定着ローラー31の幅方向の中央部において、これの軸心を通る鉛直線から同図の時計方向に角度θ1傾いた位置P1に温度センサー36の感熱部36aが位置し、また、縦置き姿勢において、図8(b)に示すように、定着ローラー31の幅方向の中央部において、これの軸心を通る鉛直線から同図の時計方向に角度θ2傾いた位置P2に温度センサー36の感熱部36aが位置しているものとすると、角度θ1と角度θ2の値が略等しくなるように設定されている。
このため、プリンターの設置姿勢の如何によらず感熱部36a周辺の自然対流の状況は略同様となり、熱伝導の条件も略等しくなるため、1つの補正テーブルを用いて、定着ローラー31の表面温度を精度よく推定することができる。
(2)上記実施の形態では、横姿勢の場合における第1の温度センサー34の出力から実際の定着ローラー31の表面温度を推定するための補正係数を格納した補正テーブルを補正テーブル記憶部155内に格納していた。
厳密に言えば、温度センサーは、定着ローラー31の表面から対流などの熱伝導より伝わる熱と、定着部30のハウジング内の温度(以下、「雰囲気温度」という。)の双方に影響されて検出値を出力する。
つまり、雰囲気温度が低いと、温度センサーは、定着ローラー31の表面温度を反映しやすいが、雰囲気温度が高くなるとその温度の温度センサーの検出値に対する影響も大きくなり、補正係数の修正が必要となる。
(3)上記第1の実施の形態では、プリンター1の設置姿勢を取得する取得手段として、姿勢検出部51を用いたが、これに限られない。
近年、定着ローラー内にヒーターを内蔵させるのではなく、ローラーの外径よりも僅かに内径が大きい発熱層を含む無端状の定着ベルトに当該ローラーを遊嵌し、当該定着ベルトの発熱層を誘導加熱する所謂ゆるばめ式の定着装置が考えられている。
当該ゆるばめ式の定着装置では、温度検出の対象は、定着ローラーではなく定着ベルトとなる。このように、温度検出の対象は、様々なものが考えられるため、加熱回転体であれば、どのようなものであっても構わない。
例えば、面2aと面2bとが成す角度が、90°でない場合も考えられ、このような場合には、縦置き姿勢は、横置き姿勢に対して90°以外の角度で傾いている。
同様に、第2の実施の形態では、各設置姿勢において、温度センサー134の感熱部34aが、ローラー中央真上に位置するように位置変更されることが望ましい。
例えば、加圧ローラーの代わりに、表面が低摩擦材料などで覆われた加圧パッドなどを定着ローラーに圧接させる構成としてもよく、要するに、定着ローラーを加圧する加圧部材としては、表面に適当な摺動性を有して加圧できるものであれば、どのようなものであってもよい。
また、上記実施の形態および上記変形例の内容をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
2 筐体
12 感光体ドラム
14 帯電器
15 光学部
16 現像器
17 転写ローラー
20 給紙部
21 給紙トレイ
22a 昇降板
25 ピックアップローラー
30 定着部
31 定着ローラー
31a 回転軸
32 加圧ローラー
33 ヒーター
34 第1温度センサー
34a 感熱部
35 第2温度センサー
35a 感熱部
40 排紙ローラー
50 制御部
51 姿勢検出部
51a アクチュエーター
130 プリンター
130 定着部
131 支持部材
131a、131b 側板部
132 ロッド
132b ストッパー部
134 温度センサー
134a 感熱部
Claims (3)
- 装置が第1の姿勢で設置された場合と、第1の姿勢と水平方向に対する傾きが異なる第2の姿勢で設置された場合のいずれの場合でも画像形成が可能な画像形成装置であって、
加熱回転体の周面に加圧部材を押圧して定着ニップを形成し、当該定着ニップに通紙される記録シート上のトナー像を熱定着する定着手段と、
前記加熱回転体の表面温度を非接触で検出する温度検出手段と、
前記加熱回転体を加熱する加熱手段と、
前記温度検出手段の検出結果に基づき、加熱手段を制御して加熱回転体の温度を制御する制御手段とを備え、
前記温度検出手段は、
非接触型の温度センサーと、
装置が第1の姿勢にあるときと、第2の姿勢にあるときとで、前記加熱回転体の表面温度の検出誤差が所定の範囲内となるように、第1と第2の姿勢の変更に応じて加熱回転体に対する温度測定位置を第1と第2の測定位置に変更する変更手段を備え、
前記変更手段は、
装置の第1の姿勢から第2の姿勢への変更に伴い、前記温度センサーを、前記第1の測定位置から、第2の測定位置まで移動する移動手段を備え、
前記移動手段は、
前記温度センサーを、前記第1の測定位置から前記第2の測定位置まで移動可能に保持する保持部材と、
筺体の側面であって、第2の姿勢に変更したときに床面に対向する側面から、外方に進退可能に突出する突出部材と、
装置を前記第2の姿勢に姿勢変更する際に、前記突出部材が床面に当接して前記筺体内に後退するときの移動を、前記温度センサーが前記第1の測定位置から前記第2の測定位置に移動する動作に変換して前記保持部材に伝達するリンク機構と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 装置を前記第2の姿勢から前記第1の姿勢に姿勢変更する際に、前記突出部材が前記筐体内から突出することにより、前記温度センサーが前記第2の測定位置から前記第1の測定位置に移動することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記温度センサーによる検出値を補正するための補正テーブルであって、前記第1の姿勢および前記第2の姿勢に共通の補正テーブルを記憶する記憶部を更に備え、
前記第1の姿勢および前記第2の姿勢のそれぞれにおいて、前記記憶部に記憶された補正テーブルを読み出し、前記加熱回転体の表面温度を推定することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
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