JP2019070680A - 画像形成装置 - Google Patents

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【課題】簡易な構成で、記録材の含水状態にかかわらず記録材の坪量を精度よく検知し、記録材の坪量に応じた適切な画像形成条件で画像を形成することのできる画像形成装置を提供する。【解決手段】画像形成装置100は、像担持体7と、転写部材8と、印加手段62と、転写部T2へと搬送される記録材Pの単位面積当たりの重量に相関する情報を検知する第1の検知手段40と、転写部材8に所定の電流が流れるように印加手段62により転写部材8に電圧を印加した際に発生する電圧値を検知する第2の検知手段63と、転写部T2に記録材Pがある状態での第2の検知手段63の検知結果に基づいて第1の検知手段40の検知結果を補正し、補正後の第1の検知手段40の検知結果に応じて画像形成条件を制御する制御手段200と、を有する構成とする。【選択図】図8

Description

本発明は、電子写真方式や静電記録方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、あるいは、これら複数の機能を備えた複合機などの画像形成装置に関するものである。
電子写真方式などを用いた画像形成装置では、像担持体に形成されたトナー像が記録材に転写され、このトナー像が記録材に定着されて、記録画像が出力される。像担持体から記録材へのトナー像の転写は、例えば像担持体との間で記録材を挟持する転写部材に電圧を印加することで行われる。また、記録材へのトナー像の定着は、例えば未定着のトナー像を担持した記録材を加熱及び加圧することで行われる。また、記録材は、典型的には普通紙、薄紙、厚紙といった記録用紙(ここでは、「用紙」ともいう。)が用いられる。
このような画像形成装置において、用紙の単面積当たりの重量である坪量を検知する手段を有し、このセンサの検知結果に基づいて用紙の種類(例:薄紙、普通紙、厚紙)を自動で判別し、その判別結果に応じて画像形成条件を制御するものがある。画像形成条件としては、例えば、転写条件(転写電圧、転写時の用紙の搬送速度など)、定着条件(定着温度、定着時の用紙の搬送速度など)が制御される。
用紙の坪量を検知する手段としては、次のようなものが知られている。特許文献1では、用紙を透過した透過光を測定することで用紙の坪量を検知する構成が開示されている。また、特許文献2では、用紙を透過した超音波の透過率を測定することで用紙の坪量を検知する構成が開示されている。なかでも、超音波を用いて用紙の坪量を検知するメディアセンサは、検知精度が比較的高いため有効である。
特開2007−55814号公報 特開2010−18433号公報
しかしながら、上記超音波を用いたメディアセンサの検知結果は、用紙の水分量によって変わる。そのため、用紙の水分量によっては、プリントに使用する用紙の坪量を本来と異なる坪量として誤検知してしまい、その誤った検知結果に応じて画像形成条件の制御を行うことによる画像不良などの原因となる。
これに対し、画像形成装置が設置されている環境の温度や湿度を検知する環境センサの検知結果ごとに、メディアセンサの検知結果と坪量とを関係付けておくことなどが考えられる。しかし、環境センサの検知結果と用紙の含水状態とがマッチしていない場合には、用紙の坪量を正確に検知することができない。例えば、空調設備の付近に画像形成装置が設置されているケースを想定する。このケースでは、環境センサが常温常湿環境(例えば、23℃/50%RH)を検知しているにもかかわらず、その環境とは異なる環境に保管されるなどして水分を吸った用紙が給紙部に積載される可能性がある。この場合、常温常湿度環境としてメディアセンサによって用紙の坪量を検知すると、用紙の水分量が考慮されず、用紙の坪量を誤検知してしまう。その結果、誤った検知結果に基づいて、最適ではない画像形成条件で画像形成動作を実行してしまうことになる。
ここで、直接的に用紙の水分量を検知するための専用の装置を追加で設けることも考えられるが、製品のコストアップや画像形成装置の大型化などの要因となるため好ましくない。
したがって、本発明の目的は、簡易な構成で、記録材の含水状態にかかわらず記録材の坪量を精度よく検知し、記録材の坪量に応じた適切な画像形成条件で画像を形成することのできる画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体に当接して転写部を形成し、前記転写部を通過する記録材に前記像担持体からトナー像を転写させる転写部材と、前記転写部材に電圧を印加する印加手段と、前記転写部へと搬送される記録材の単位面積当たりの重量に相関する情報を検知する第1の検知手段と、前記転写部材に所定の電流が流れるように前記印加手段により前記転写部材に電圧を印加した際に発生する電圧値又は前記印加手段により前記転写部材に所定の電圧を印加した際に前記転写部材に流れる電流値を検知する第2の検知手段と、前記転写部に記録材がある状態での前記第2の検知手段の検知結果に基づいて前記第1の検知手段の検知結果を補正し、補正後の前記第1の検知手段の検知結果に応じて画像形成条件を制御する制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、簡易な構成で、記録材の含水状態にかかわらず記録材の坪量を精度よく検知し、記録材の坪量に応じた適切な画像形成条件で画像を形成することができる。
画像形成装置の概略構成図である。 坪量検知構成のブロック図である。 メディアセンサ検知結果と坪量との関係を示すグラフ図である。 用紙水分量推定構成の模式図である。 用紙水分量と乖離転写電圧値との関係を示すグラフ図である。 画像形成条件補正構成のブロック図である。 用紙水分量とメディアセンサ検知結果の補正率との関係を示すグラフ図である。 画像形成条件補正制御のフローチャート図である。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
[実施例1]
1.画像形成装置の全体的な構成及び動作
図1は、本実施例の画像形成装置100の概略断面図である。本実施例の画像形成装置100は、電子写真方式を用いてフルカラー画像の形成が可能なインライン方式のカラー画像形成装置である。
画像形成装置100は、複数の画像形成部(ステーション)として、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を形成する第1、第2、第3、第4の画像形成部SY、SM、SC、SKを有する。各画像形成部SY、SM、SC、SKにおける同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、いずれかの色用の要素であることを表す符号の末尾のY、M、C、Kを省略して総括的に説明することがある。本実施例では、画像形成部Sは、後述する感光ドラム1、帯電ローラ2、露光装置3、現像装置4、一次転写ローラ5、ドラムクリーニング装置6などを有して構成される。
画像形成装置100は、トナー像を担持する像担持体(第1の像担持体)としての、ドラム型(円筒形)の感光体(電子写真感光体)である感光ドラム1を有する。感光ドラム1は、駆動手段によって図中矢印R1方向(時計回り)に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。回転する感光ドラム1の表面は、帯電手段としてのローラ型の帯電部材である帯電ローラ2によって、所定の極性(本実施例では負極性)の所定の電位に一様に帯電させられる。帯電工程時に、帯電ローラ2には、図示しない帯電電源(高圧電源回路)によって所定の極性(本実施例では負極性)の直流電圧である帯電電圧(帯電バイアス)が印加される。帯電処理された感光ドラム1の表面は、露光手段としての露光装置3によって画像情報に応じて走査露光され、感光ドラム1上に静電像(静電潜像)が形成される。本実施例では、露光装置3は、画像情報に応じて感光ドラム1にレーザ光を照射するレーザスキャナである。
感光ドラム1上に形成された静電像は、現像手段としての現像装置4によって現像剤としてのトナーが供給されて現像(可視化)され、感光ドラム1上にトナー像が形成される。現像装置4は、トナーを担持して感光ドラム1との対向部へと搬送する現像剤担持体としての現像ローラを有する。現像工程時に、現像ローラには、図示しない現像電源(高圧電源回路)によって、所定の極性(本実施例では負極性)の直流電圧である現像電圧(現像バイアス)が印加される。本実施例では、一様に帯電させられた後に露光されることで電位の絶対値が低下した感光ドラム1上の露光部に、感光ドラム1の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)に帯電したトナーが付着する(反転現像)。本実施例では、現像時のトナーの帯電極性であるトナーの正規の帯電極性は負極性である。
全ての感光ドラム1に対向するように、トナー像を担持する像担持体(第2の像担持体)としての、無端状のベルトで構成された中間転写ベルト7が配置されている。中間転写ベルト7は、感光ドラム1から転写されたトナー像を記録材Pに転写するために搬送する中間転写体の一例である。中間転写ベルト7は、複数の支持部材(張架ローラ)としての駆動ローラ71及び二次転写対向ローラ72に掛け渡されて、所定の張力で張架されている。中間転写ベルト7は、駆動ローラ71が駆動手段によって回転駆動されることで、図中矢印R2方向(反時計回り)に、感光ドラム1の周速度と略同一の周速度で回転(循環移動)する。中間転写ベルト7の内周面側には、各感光ドラム1に対応して、一次転写手段としてのローラ型の一次転写部材である一次転写ローラ5が配置されている。一次転写ローラ5は、中間転写ベルト7を介して感光ドラム1に向けて付勢され、感光ドラム1と中間転写ベルト7とが接触する一次転写部(一次転写ニップ)T1を形成する。上述のように感光ドラム1上に形成されたトナー像は、一次転写部T1において、一次転写ローラ5の作用によって、回転している中間転写ベルト7上に転写(一次転写)される。一次転写工程時に、一次転写ローラ5には、図示しない一次転写電源(高圧電源回路)によって、トナーの正規の帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)の直流電圧である一次転写電圧(一次転写バイアス)が印加される。例えば、フルカラー画像の形成時には、各感光ドラム1Y、1M、1C、1K上に形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像が、中間転写ベルト7上に重ね合わされるようにして順次一次転写される。
中間転写ベルト7の外周面側において、二次転写対向ローラ72と対向する位置には、二次転写手段としてのローラ型の二次転写部材である二次転写ローラ8が配置されている。二次転写ローラ8は、中間転写ベルト7を介して二次転写対向ローラ73に向けて付勢され、中間転写ベルト7と二次転写ローラ8とが接触する二次転写部(二次転写ニップ)T2を形成する。上述のように中間転写ベルト7上に形成されたトナー像は、二次転写部T2において、二次転写ローラ8の作用によって、中間転写ベルト7と二次転写ローラ8とに挟持されて搬送される記録材P上に転写(二次転写)される。本実施例では、記録材Pは、普通紙、薄紙、厚紙といった用紙である。ただし、画像形成装置100は、プラスチックシートなどの紙以外の記録材Pにも画像を形成することができる。二次転写工程時に、二次転写ローラ8には、二次転写電源(高圧電源回路)62(図4)によって、トナーの正規の帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)の直流電圧である二次転写電圧(二次転写バイアス)が印加される。用紙Pは、中間転写ベルト7上のトナー像とタイミングが合わされて、給紙装置20によって二次転写部T2に供給される。給紙装置20については後述する。
トナー像が転写された用紙Pは、定着手段としての定着装置9によって加熱及び加圧されることでトナー像が定着(溶融固着)された後に、画像形成装置100の装置本体110の外部に排出(出力)される。定着装置9は、定着部材としての加熱ローラ91と、加圧部材としての加圧ローラ92と、加熱手段としてのヒータ93と、を有する。そして、定着装置9は、未定着のトナー像を担持した用紙Pを加熱ローラ91と加圧ローラ92とで挟持して搬送しながら、ヒータ93の発する熱で用紙Pを加熱することで、トナー像を用紙Pに定着させる。
一方、一次転写時に中間転写ベルト7に転写されずに感光ドラム1の表面に残留したトナー(一次転写残トナー)は、感光体クリーニング手段としてのドラムクリーニング装置6によって感光ドラム1の表面から除去されて回収される。ドラムクリーニング装置6は、感光ドラム1の表面に当接するクリーニング部材としてのクリーニングブレードによって、回転する感光ドラム1の表面から一次転写残トナーを掻き取り、クリーニング容器内に収容する。また、中間転写ベルト7の外周面側において、駆動ローラ71と対向する位置に、中間転写体クリーニング手段としてのベルトクリーニング装置10が配置されている。二次転写時に用紙Pに転写されずに中間転写ベルト7の表面に残留したトナー(二次転写残トナー)は、ベルトクリーニング装置10によって中間転写ベルト7の表面から除去されて回収される。ベルトクリーニング装置10は、中間転写ベルト7の表面に当接するクリーニング部材としてのクリーニングブレードによって、回転する中間転写ベルト7の表面から二次転写残トナーを掻き取り、クリーニング容器内に収容する。
本実施例では、各画像形成部Sにおいて、感光ドラム1と、これに作用するプロセス手段としての帯電ローラ2、現像装置4及びドラムクリーニング装置6とは、一体的に装置本体110に対して着脱可能なプロセスカートリッジ11を構成している。プロセスカートリッジ11は、例えば現像装置4内のトナーが無くなった場合、あるいは感光ドラム1が寿命に達した場合などに新品と交換される。
2.給紙装置
用紙Pは、第1の給紙部としてのカセット21、又は第2の給紙部としての手差しトレイ22に収容(積載)される。カセット21から用紙Pを搬送する第1の搬送路29aには、第1の給紙ローラ23、第1の分離ローラ対25が設けられている。手差しトレイ22から用紙Pを搬送する第2の搬送路29bには、第2の給紙ローラ24、第2の分離ローラ対26が設けられている。第1の搬送路29aと第2の搬送路29bとは、用紙Pの搬送方向に関し第1、第2の分離ローラ対25、26の下流側において合流する。用紙Pの搬送方向に関し第1、第2の搬送路29a、29bの合流箇所より下流の用紙Pの搬送路は、共通の搬送路である合流路29cとなっている。合流路29cには、レジローラ対27が設けられている。用紙Pの搬送方向に関しレジローラ対27の下流側の近傍には、レジセンサ28が設けられている。レジセンサ28によって用紙Pの搬送方向の先端が検知されると、レジローラ対27は停止させられる。その後、中間転写ベルト7上のトナー像とタイミングが合わされてレジローラ対27の回転が再開され、用紙Pが二次転写部T2へと搬送される。
本実施例では、カセット21、手差しトレイ22、第1、第2の給紙ローラ23、24、第1、第2の分離ローラ対25、26、レジローラ対27、レジセンサ28、搬送路29(29a、29b、29c)などによって給紙装置20が構成される。
3.制御態様
画像形成装置100は、制御手段としての制御部(制御回路)200と、ビデオコントローラ(図示せず)と、を有する。ビデオコントローラは、画像形成装置100に接続されたホストコンピュータやイメージスキャナなどの外部機器(図示せず)より送信される画像データに基づいて、画像形成用の画像信号を生成する。制御部200は、記憶手段としてのROM202やRAM203などのメモリと、演算制御手段としてのCPU201と、を有する。CPU201は、ROM202に記憶されているプログラムに従って、適宜RAM203を作業用の記憶領域として用いながら、画像形成装置100の各部の動作を統括的に制御する。制御部200は、画像形成装置100の帯電、露光、現像、一次転写、二次転写、定着の各プロセスに関する構成の他、画像形成装置100に設けられた各種センサなどの各部に接続されている。特に、本実施例では、画像形成装置100には、環境センサ(温湿度計)30と、メディアセンサ40と、が設けられている。環境センサ30は、画像形成装置100の内部又は外部の少なくとも一方の温度又は湿度の少なくとも一方を検知する環境検知手段の一例であり、本実施例では画像形成装置100が設置されている外部環境の温度及び湿度を検知する。また、メディアセンサ40は、用紙Pの単位重量当たりの重量である坪量に相関する情報を検知する坪量検知手段の一例である。
制御部200は、ビデオコントローラによって生成された画像形成用の画像信号に応じて用紙Pに画像を形成して出力するように、画像形成装置100の各部の動作を制御する。また、制御部200は、画像形成装置100に設けられた各種センサの検知結果、画像形成装置100に設けられた操作部12から入力された各種設定などに応じて、画像形成条件の制御を行う。特に、本実施例では、制御部200は、詳しくは後述するように、用紙Pの坪量に応じて、画像形成条件として二次転写条件(二次転写電圧、プリント速度)を制御する。つまり、坪量に応じて制御する画像形成条件は、転写時に転写部材に印加する電圧の設定、又は転写時の記録材の搬送速度の設定の少なくとも一つを含むものであってよい。なお、プリント速度は、二次転写時の用紙Pの搬送速度に対応し、本実施例では中間転写ベルト7の表面の移動速度(周速度)に対応する。
ここで、画像形成装置100は、一の開始指示により開始される、単一又は複数の用紙Pに画像を形成して出力する一連の動作であるジョブ(プリント動作)を実行する。ジョブは、一般に、画像形成工程、前回転工程、複数の用紙Pに画像を形成する場合の紙間工程、及び後回転工程を有する。画像形成工程は、実際に用紙Pに形成して出力する画像の静電像の形成、トナー像の形成、トナー像の一次転写や二次転写を行う期間であり、画像形成時(画像形成期間)とはこの期間のことをいう。より詳細には、これら静電像の形成、トナー像の形成、トナー像の一次転写や二次転写の各工程を行う位置で、画像形成時のタイミングは異なる。前回転工程は、開始指示が入力されてから実際に画像を形成し始めるまでの、画像形成工程の前の準備動作を行う期間である。紙間工程は、複数の用紙Pに対する画像形成を連続して行う際(連続画像形成)の用紙Pと用紙Pとの間に対応する期間である。後回転工程は、画像形成工程の後の整理動作(準備動作)を行う期間である。非画像形成時(非画像形成期間)とは、画像形成時以外の期間であって、上記前回転工程、紙間工程、後回転工程、更には画像形成装置100の電源投入時又は節電状態(スリープ状態)からの復帰時の準備動作である前多回転工程などが含まれる。
4.坪量検知構成
次に、本実施例における坪量検知構成について説明する。
画像形成装置100は、用紙Pの単位面積当たりの重量である坪量に相関する情報を検知する坪量検知手段としてのメディアセンサ40を有する。本実施例では、メディアセンサ40は、超音波を用いて、二次転写部T2へと搬送される用紙Pの坪量に相関する情報を検知する。メディアセンサ40は、合流路29cを搬送される用紙Pの表面に向けて超音波を送信する送信器41と、送信器41が送信した超音波であって用紙Pを透過した超音波を受信する受信器42と、を有する。受信機42は、合流路29cを搬送される用紙Pの面を挟み送信器41に対向して配置されている。送信器41及び受信器42は、用紙Pの搬送方向に関しレジローラ対27よりも下流側に配置されている。
図2は、本実施例における坪量検知構成を示すブロック図である。制御部200は、予め定められた超音波発信信号52を送信制御部50に送る。送信制御部50は、周波数生成部501と、増幅器502と、を有する。超音波発信信号52は、送信器41を駆動するタイミングや周波数の情報を含んでいる。周波数生成部501は、超音波発信信号52により指定された周波数(例:40[kHz])の駆動信号53を生成して出力する。この駆動信号53の信号レベルは、増幅器502によって増幅される。増幅器502は、超音波発信信号52により指定されたタイミングで、増幅した駆動信号54を送信器41に出力する。送信器41は、この駆動信号54によって指定された周波数の超音波を出力する。受信器42は、送信器41からの超音波又は用紙Pを透過した超音波を受信して、超音波の受信強度を示す強度信号55を受信演算部51に出力する。受信演算部51は、増幅器511と、積分器512と、を有する。受信演算部51は、受け取った強度信号55を増幅器511で増幅し、増幅された強度信号56を積分器512によって積分して演算出力57を生成する。この演算出力57は、制御部200へ出力される。
制御部200は、演算出力57の一部をメディアセンサ40による坪量の検知結果として使用する。例えば、制御部200は、駆動信号53(増幅された駆動信号54)が送信器41に出力されたタイミングから一定の時間が経過した時点で、演算出力57のサンプリングを開始する。制御部200は、駆動信号53の約半周期区間においてサンプリングを実行し、その区間におけるサンプリング値の最大値を、メディアセンサ40による坪量の検知結果を示す演算出力57(ここでは、「メディアセンサ検知結果」ともいう。)として求める。制御部200は、このメディアセンサ検知結果をRAM203に一時的に記憶させる。
ROM202には、メディアセンサ検知結果と坪量との関係を示す情報として、関数又はテーブルが予め求められて記憶されている。制御部200は、このメディアセンサ検知結果と坪量との関係を示す情報に基づいて、RAM203に一時的に記憶されたメディアセンサ検知結果から用紙Pの坪量を求める。つまり、制御部200は、受信器42により受信された超音波の受信強度に応じて、用紙Pの坪量を求める。
このように、画像形成装置100は、予め設定される周波数の超音波を出力する送信部41と、送信部から出力されて記録材を透過した超音波を受信して受信信号を出力する受信部42と、を有する。また、画像形成装置100は、受信信号の周期に応じたピーク成分を有する信号を演算する演算部51と、演算部で演算した信号に基づいて記録材の坪量を判別する判別部(制御部)200と、を有する。本実施例では、これら送信部41、受信部42、演算部51、判別部200を有して、超音波を用いて記録材の坪量を判別する坪量判別装置が構成される。
図3は、メディアセンサ検知結果と坪量との関係を示すグラフ図である。このグラフ図は、所定の条件としての常温常湿度環境(例えば、23℃/50%RH)に用紙Pを開封した状態で放置した場合の、メディアセンサ検知結果(図中では「透過係数」と記す。)と用紙Pの坪量との関係を示す。図中の各プロットは、各坪量の用紙Pをメディアセンサ40で検知した結果である。また、図中の破線は、各プロットを指数関数で近似したものであり、本実施例ではこの指数関数が上記メディアセンサ検知結果と坪量との関係を示す情報として予め求められてROM202に記憶されている。一例として、この指数関数は式(1)で表される。
坪量=466×Exp(−A/0.003)+51 ・・・(1)
A:メディアセンサ検知結果
図3及び式(1)から、メディアセンサ検知結果が大きいほど坪量は小さく、メディアセンサ検知結果が小さいほど坪量は大きいことがわかる。これは、坪量の小さい用紙Pは、超音波が透過しやすいため、受信演算部51の演算出力57は大きくなり、坪量の大きな用紙Pは、超音波が透過しにくいため、受信演算部51の演算出力57は小さくなる傾向であるからである。一例として、演算出力57の実測値は、普通紙(坪量80[g/m])では8617.5、薄紙(坪量60[g/m])では12385.3、厚紙(坪量157[g/m])では4662.4である。
表1は、坪量が異なる3種類の用紙P(薄紙/普通紙/厚紙)を開封した状態で異なる環境下にて10枚重ねて48時間放置し、その後その用紙Pを画像形成装置100のカセット21にセットして取得した、メディアセンサ検知結果を示す。表内のメディアセンサ検知結果の数値は、演算出力57の実測値である。用紙Pの放置環境は、23℃/50%RH、15℃/10%RH、30℃/80%RHの3環境とした。また、各環境で放置した用紙Pの水分量は、23℃/50%RH環境では5.5〜6.0%、15℃/10%RH環境では3.0%、30℃/80%RH環境では9.0%であった。
Figure 2019070680
表1から、公称の坪量(所定の条件(本実施例では常温常湿環境)で測定された坪量)が同じ用紙Pであっても、放置された環境によってメディアセンサ検知結果が変化することがわかる。制御部200は、所定の条件で求められたメディアセンサ検知結果と坪量との関係を示す情報(式(1))に基づいて用紙Pの坪量を求めるので、用紙Pが放置された環境によって制御部200によって求められる坪量も変化する。これは、各環境における空気中の水分量により、用紙Pが空気中の水分を吸水又は脱水することで用紙Pの坪量が増減するからである。
普通紙(80[g/m])を例に挙げて更に説明すると、23℃/50%RH環境で放置した場合のメディアセンサ検知結果を式(1)により坪量に換算すると80.3[g/m]となる。これに対し、15℃/10%RH環境でのメディアセンサ検知結果を式(1)により坪量に換算すると77.8[g/m]となり、上記23℃/50%RH環境での80.3[g/m]よりも小さくなる。また、30℃/80%RH環境でのメディアセンサ検知結果を式(1)により坪量に換算すると82.4[g/m]となり、上記23℃/50%RH環境での80.3[g/m]よりも大きくなる。
このように、公称の坪量が同じ用紙Pでも、放置された環境によってメディアセンサ検知結果が変化し、メディアセンサ検知結果が変化することで制御部200によって求められる坪量も変化する。つまり、用紙Pが所定の条件(本実施例では常温常湿環境)以外で開封された状態で放置された場合には、メディアセンサ40の検知結果にのみ基づいたのでは、正確な坪量を検知することができないことがある。
5.用紙水分量推定構成
次に、本実施例における用紙水分量推定構成について説明する。
<用紙の水分量の推定方法の概要>
本実施例では、用紙Pの水分量の推定は、二次転写手段を用いて行う。つまり、中間転写ベルト7を介して二次転写対向ローラ72と二次転写ローラ8とが当接して二次転写部T2を形成している。この二次転写部T2に用紙Pがある状態(用紙Pが中間転写ベルト7と二次転写ローラ8とに挟持された状態)で二次転写ローラ8に電圧を印加し、その際の電流と電圧との関係に基づいて用紙Pの水分量を推定する。用紙Pの水分量の推定は、二次転写ローラ8に印加する電圧を定電圧制御又は定電流制御することで行う。定電圧制御は、二次転写電源62が二次転写ローラ8に印加する電圧を一定に保つように後述する電流経路60(すなわち、二次転写ローラ8)に流れる電流値を制御することをいう。また、定電流制御は、後述する電流経路60(すなわち、二次転写ローラ8)に流れる電流値を一定に保つように二次転写電源62が二次転写ローラ8に印加する電圧値を制御することをいう。
図4は、用紙水分量推定構成を示すブロック図である。電流経路60は、電圧印加手段としての二次転写電源62から二次転写対向ローラ72に流れる電流の経路である。二次転写ローラ8と二次転写対向ローラ72とは中間転写ベルト7を介して電気的に接触している。なお、二次転写対向ローラ72は電気的に接地(グランドに接続)されている。この電流経路60において、二次転写電源62と二次転写ローラ8との間に、電流検知手段としての電流検知回路61が接続されている。二次転写電源62と電流検知回路61とは制御部200に接続されている。本実施例では、二次転写ローラ8に印加される電圧の制御は、制御部200の命令に応じて定電圧制御と定電流制御とに切り替えることが可能となっている。
特に、本実施例では、以下で詳しく説明するように、ジョブの1枚目の用紙Pが二次転写部T2に到達する前に、所定の目標転写電流値が得られる初期転写電圧値が求められる。ここでの目標転写電流値、初期転写電圧値は、詳しくは後述するように環境センサ30の検知結果、メディアセンサ40の検知結果、ATVC制御の結果に基づいて暫定的に決定される。その後、ジョブの1枚目の用紙Pが二次転写部T2に到達するまで、二次転写ローラ8に印加される電圧が上記初期転写電圧値で定電圧制御される。また、二次転写部T2にジョブの1枚目の用紙Pが到達するタイミングに合わせて、二次転写ローラ8に印加される電圧の上記目標転写電流値での定電流制御が開始される。そして、ジョブの1枚目の用紙Pの先端の余白領域が二次転写部T2を通過している間に、二次転写ローラ8に印加される電圧値の検知結果に基づく用紙Pの水分量の推定が行われる。
なお、詳しくは後述するように、この用紙Pの水分量の推定結果に基づいて、ジョブの1枚目の用紙Pへのトナー像の転写が開始されるまでに、必要に応じて二次転写条件(目標転写電流値、プリント速度)の補正が行われる。そして、その後は二次転写ローラ8に印加される電圧は、補正後の目標転写電流値で定電流制御される。
本実施例では、二次転写電源62から二次転写ローラ8に印加される電圧は、制御部200によってPWM(Pulse Width Modulation)制御される。二次転写電源62は、制御部200から送られる制御信号値を保持し、二次転写ローラ8に対する電圧出力値を制御する電圧制御部63を有する。この電圧制御部63は、二次転写電源62が二次転写ローラ8に電圧を印加した際に発生する電圧を検知する電圧検知手段(電圧検知部)として機能する。また、電流検知手段としての電流検知回路61は、二次転写電源62が二次転写ローラ8に電圧を印加した際に電流経路60(すなわち、二次転写ローラ8)に流れる電流を検知して制御部200に入力する。
<ATVC制御>
本実施例では、ジョブが開始されると、1枚目の用紙Pが二次転写部T2に到達する前に、二次転写電源62が二次転写ローラ8に印加する電圧を調整するATVC(Active Transfer Voltage Control)制御が行われる。一般に、ATVC制御は、電流経路60上の電気負荷抵抗の状態に適した転写電圧を選択することを目的としている。つまり、例えば、二次転写ローラ8への紙粉の付着などの耐久劣化によって、二次転写ローラ8の電気負荷抵抗が変動する場合がある。また、画像転写部を構成する部品の多くは、例えば、導電POMの軸受けの場合で数MΩ、発泡ニトリルブタジエンゴムで表層を構成した二次転写ローラ8の場合は数十〜数百MΩという具合に、温度又は湿度に依存して電気抵抗が変化することがある。これらの理由により、安定した転写性を得るためには、画像形成を行う直前に転写電圧を調整することが求められる。
本実施例では、特に、このATVC制御は、用紙Pの水分量を推定するために電流経路60上の電気負荷抵抗の変動分をキャンセルすることを目的としている。つまり、本実施例では、二次転写部T2で用紙Pに電圧を印加した際の電流と電圧との関係に基づいて用紙Pの水分量を推定する。この際に、上述のような理由により電流経路60上の電気負荷抵抗の変動があると、例えば二次転写ローラ8の使用状況(新品であるか寿命の後半であるかなど)によって用紙Pの水分量を正確に推定できなくなる。そのため、本実施例では、予め設定された所定の電流を流すための電圧を基準として求め、この基準の電圧に対する電圧の変動分から用紙Pの水分量を推定することで、上記電気負荷抵抗の変動分をキャンセルする。
ATVC制御では、環境センサ30の検知結果が制御部200に入力され、その入力値に基づいて制御部200がATVC制御時の目標転写電流値を決定する。ATVC制御時の目標転写電流値は、環境センサ30の検知結果に基づいて求められる絶対水分量(所定の絶対水分量の範囲)ごとに予め設定されて、ROM202に記憶されている。なお、絶対水分量については後述して更に説明する。制御部200は、この絶対水分量とATVC制御時の目標転写電流値との関係を示す情報に基づいて、環境センサ30の検知結果に基づいて求めた絶対水分量からATVC制御時の目標転写電流値を決定する。そして、制御部200は、電流経路60に流れる電流値がその目標転写電流値となるように、二次転写電源62から二次転写ローラ8に電圧を印加する。その際、制御部200は、電流検知回路61によって検知される電流値が目標転写電流値に収束する(所定の範囲内に近づく)ように、二次転写電源62から二次転写ローラ8に印加する電圧の定電流制御を行う。そして、制御部200は、電流検知回路61によって検知される電流値が目標転写電流値に収束した時点での二次転写電源62から二次転写ローラ8に印加される電圧値(ここでは、「ATVC電圧値」ともいう。)をRAM203に記憶させる。
<二次転写電圧制御>
本実施例では、用紙Pが二次転写部T2にある状態においては、二次転写ローラ8に印加される電圧は定電流制御される。これは、中間転写ベルト7上のトナー像を用紙P上に良好に二次転写させることを主な目的としている。つまり、二次転写部T2に搬送される全ての用紙Pに対して、画像不良を発生させないように安定した転写性を得るためには、二次転写部T2に搬送される用紙Pに適した転写電流を供給することが求められる。
二次転写部T2に用紙Pがある状態における定電流制御は、次のようにして行われる。画像形成条件を左右する複数の情報、本実施例では、用紙Pの坪量に応じたプリントモード、環境センサ30の検知結果などの複数の情報が制御部200に入力される。これらの情報に基づいて、制御部200が、予め定められた目標転写電流値を決定する。また、制御部200は、その目標転写電流を電流経路60に流すための初期転写電圧値を決定する。初期転写電圧値は、ATVC電圧値に用紙Pの電気抵抗値分を考慮した電圧値を加算した値である。本実施例では、プリントモードとして、「普通紙モード」、「厚紙モード」、「薄紙モード」、「グロス紙モード」など、用紙Pの坪量(所定の坪量の範囲)ごとに複数のモードが設定されている。そして、本実施例では、プリントモードごとに、画像形成条件、特に、二次転写条件(目標転写電流値、初期転写電圧値、プリント速度)が設定されている。
表2は、本実施例における目標転写電流値及び初期転写電圧値の設定値の例を示す。表2に示す情報は、予め求められてROM202に記憶されている。なお、便宜上、表2では初期転写電圧値の設定として、初期転写電圧値自体の一例を示している。ただし、実際には、初期転写電圧値の設定として、二次転写部T2に用紙Pがある状態で目標転写電流値を流すための電圧値からATVC電圧値を差し引いた値に相当する、用紙Pの電気抵抗値分に対応する電圧値が設定されている。制御部200は、この電圧値に上述のようにして求めたATVC電圧値を加算して初期転写電圧値を求める。
Figure 2019070680
普通紙(80[g/m])に画像を形成する場合は、プリントモードとしては「普通紙モード」を選択することが求められる。プリントモードの選択については後述して詳しく説明する。「普通紙モード」における目標転写電流値及び初期転写電圧値は、絶対水分量ごとに設定されている。制御部200は、環境センサ30によって検知された温度及び湿度に基づいて絶対水分量を求める。制御部200は、この絶対水分量に応じて、目標転写電流値及び初期転写電圧値を決定する。なお、制御部200は、予め求められてROM202に記憶されている温度及び湿度と絶対水分量との関係を示すテーブルなどの情報を参照して、環境センサ30の検知結果に基づいて絶対水分量を求める。例えば、環境センサ30によって23℃/50%RH環境であることが検知された場合、制御部200はROM202に記憶されている温度及び湿度と絶対水分量との関係を示す情報に基づいて絶対水分量が8.9[g/m]であると求める。そして、制御部200は、表2に示す情報に基づいて目標転写電流値の設定値を19.0[μA]、初期転写電圧値の設定値を800[V]に決定する。
上記「普通紙モード」の場合と同様に、「厚紙モード」、「薄紙モード」、「グロス紙モード」などのように、用紙Pの種類に応じたプリントモードで区分され、各区分において絶対水分量ごとに目標転写電流値及び初期転写電圧値がそれぞれに設定されている。これらの設定値は、画像不良(例えば、転写電圧が弱すぎることで転写された画像が乱れる転写不良や、転写電圧が強すぎることで画像の一部が転写されない転写不良など)が発生しないように予め求められる。
<用紙水分量推定制御>
本実施例では、用紙Pの水分量の推定は、用紙Pが二次転写部T2にある状態で行う。つまり、制御部200は、用紙Pが二次転写部T2を通過している間に、二次転写ローラ8に印加する電圧を二次転写部T2に用紙Pが到達するまでに決定された目標転写電流値で定電流制御する。また、制御部200は、上記定電流制御において電流検知回路61によって検知される電流値が目標転写電流値に収束した(所定の範囲内に近づいた)時点での二次転写電源62から二次転写ローラ8に印加される電圧値(ここでは、「通紙転写電圧値」ともいう。)をRAM203に記憶させる。また、制御部200は、上記目標転写電流値に対応する初期転写電圧値と、上記通紙転写電圧値と、の差分(ここでは、「乖離転写電圧値」ともいう。)を求める。そして、制御部200は、この乖離転写電圧値に基づいて、用紙Pの水分量を推定する。
用紙Pは、その用紙Pの水分量の大小により電気抵抗値が変わる。二次転写ローラ8に印加する電圧を定電流制御した場合には、用紙Pの電気抵抗値が変われば、電流経路60に流れる電流値を目標電流値に維持するように制御された通紙転写電圧値も変わる。つまり、用紙Pの水分量の大小により乖離転写電圧値も変わる。したがって、乖離転写電圧値の大きさを検知することで、用紙Pの水分量を推定することができる。
本実施例では、用紙Pの先端から後端側の所定範囲に設けられる余白領域(例えば、5mm幅)が二次転写部T2を通過している間に、乖離転写電圧値が検知される。なお、余白領域は、用紙Pの面における、用紙Pの搬送方向の先端、後端及び用紙Pの搬送方向と略直交する方向の両端のうち少なくとも一つから用紙Pの内側の所定の範囲に設けられる、トナー像が転写されない領域である。用紙Pの先端の余白領域を使用して乖離転写電圧値を検知する理由は、次のとおりである。つまり、用紙Pのトナー像が乗る領域では、トナーが電気負荷抵抗となるため、プリントするトナー像によって乖離転写電圧値が変化し、正確な乖離転写電圧値を検知することができなくなりやすいからである。また、余白領域は、用紙Pの先端だけでなく、用紙Pの後端や、搬送方向と略直交する方向の両端にも設けられる。しかし、後述する用紙Pの水分量の推定結果に応じた画像形成条件の補正制御を実行するためには、トナー像の転写が開始される前の用紙Pの先端が最適な領域であるからである。なお、本実施例では、上記用紙Pの先端の余白領域が二次転写部T2を通過している間に、用紙Pの水分量の推定結果に応じた画像形成条件の補正制御が終了するようになっている。
図5は、乖離転写電圧値と用紙Pの水分量との関係の一例を示すグラフ図である。図5から、用紙Pの水分量と乖離転写電圧値との間には、いずれの坪量の用紙Pにおいてもほぼ線形的な相関があることがわかる。図5に示す乖離転写電圧値と用紙Pの水分量との関係を示す情報は、予め求められてROM202に記憶されている。なお、乖離転写電圧値と用紙Pの水分量との関係を示す情報は、用紙Pの種類(坪量)ごと設定されていてもよいし、複数の用紙Pの種類(坪量)に対して一般化されたものが設定されていてもよい。用紙Pの種類(坪量)ごとに設定されている場合は、例えば、メディアセンサ40の検知結果(具体的にはその検知結果に応じて仮設定されたプリントモード)に応じた情報に基づいて、乖離転写電圧値から用紙Pの水分量を求めることができる。
例えば、普通紙(80[g/m])では、制御部200は、用紙Pの先端の余白領域における乖離転写電圧値が−125[V]の場合、図5に示す情報に基づいてその用紙Pの水分量が8%であると推定する。
6.画像形成条件の補正制御
次に、本実施例における用紙Pの水分量の推定結果に応じた画像形成条件の補正制御について説明する。
図6は、本実施例における画像形成条件補正構成を示すブロック図である。本実施例では、制御部200は、用紙Pの水分量の推定結果に基づいてメディアセンサ検知結果を補正する。そして、制御部200は、補正後のメディアセンサ検知結果に基づいて、画像形成条件、特に、二次転写条件(二次転写電圧、プリント速度)を補正する。以下、更に詳しく説明する。
図7は、メディアセンサ検知結果の補正率(図中では「透過係数補正率」と記す。)と用紙Pの水分量との関係を示すグラフ図である。図7に示す補正率と用紙Pの水分量との関係を示す情報は、予め求められてROM202に記憶されている。制御部200は、図7に示す情報に基づいて、用紙Pの水分量の推定結果から補正率を求める。なお、制御部200は、図7におけるプロット間は線形補間して補正率を求める。また、制御部200は、この補正率と、RAM203に記憶されている前述のメディアセンサ検知結果Aと、に基づいて、式(2)により補正後のメディアセンサ検知結果Bを算出する。なお、ここでは、推定された用紙Pの水分量に応じて実質的に補正がなされない(処理前後でメディアセンサ検知結果が変わらない)場合も、当該処理後のメディアセンサ検知結果を補正後のメディアセンサ検知結果と呼ぶ。
B={1+(補正率/100)}×A ・・・(2)
A:メディアセンサ検知結果
B:補正後のメディアセンサ検知結果
また、制御部200は、前述のメディアセンサ検知結果と坪量との関係を示す式(1)(ただし、式(1)中の「A」を「B」と読み替える。)により、補正後のメディアセンサ検知結果Bから補正後の坪量を算出する。
また、制御部200は、補正後の坪量に基づいて、画像形成条件、特に、二次転写条件(二次転写電圧、プリント速度)を補正する。具体的には、本実施例では、制御部200は、補正後の坪量に応じて、用紙Pの坪量(所定の坪量の範囲)ごとに設定されているプリントモードの再選択を行う。そして、制御部200は、再選択したプリントモードの画像形成条件に基づいて、画像形成装置100の各部に命令を送り、画像形成動作を実行させる。
なお、本実施例では、メディアセンサ検知結果の補正結果を、画像形成条件として二次転写条件(二次転写電圧、プリント速度)の補正にフィードバックするが、本発明はこれに限定されるものではない。メディアセンサ検知結果の補正結果は、例えば、転写条件、定着条件、用紙Pの搬送条件などの任意の画像形成条件(単一でも複数の組み合わせてでもよい。)の補正にフィードバックすることができる(定着条件について実施例2参照)。
表3は、坪量(所定の坪量の範囲)ごとに設定されたプリントモードの一例を示している。ここでは、プリントモードが5区分に分けられている場合を例に挙げて説明する。表3に示す坪量とプリントモードとの関係を示す情報は、予め求められてROM202に記憶されている。制御部200は、表3に示す情報に基づき、補正後の坪量に応じてプリントモードを選択する。例えば、補正後の坪量が80[g/m]の場合は、制御部200は普通紙モードを選択する。
Figure 2019070680
プリントモードは、前述の表2に示すように、画像形成条件を設定する重要な因子である。つまり、プリントモードごとに、画像不良が発生しないように予め求められた画像形成条件が設定されている。したがって、制御部200は、用紙Pの正確な坪量の検知結果に基づいて、用紙Pの坪量(所定の坪量の範囲)ごとに設定されているプリントモードを選択し、選択したプリントモードに応じた画像形成条件で画像形成動作を実行させることが望まれる。しかし、坪量の範囲の境界付近の用紙Pでは、用紙Pの水分量によって異なるプリントモードを選択してしまう可能性がある。例えば、公称の坪量が60[g/m]の用紙Pを使用する場合は、表3に示すように「薄紙モード」を選択する必要がある。しかし、例えば、その用紙Pが高温高湿環境に48時間以上開封された状態で放置された場合は(用紙の水分量9%)、メディアセンサ40では坪量は60[g/m]より大きい値(例えば、60.6[g/m])であると検知されてしまう。そのため、メディアセンサ40の検知結果にのみ基づいた場合には、「普通紙モード」を誤選択してしまうことになる。
これに対して、本実施例では、用紙Pの水分量の推定結果に応じてメディアセンサ40の検知結果を補正し、補正後のメディアセンサ40の検知結果に基づいてプリントモードを選択する。これにより、本実施例では、プリントモードの誤選択を抑制し、最適なプリントモードを選択して、最適な画像形成条件で画像形成動作を実行することができる。
7.制御手順
次に、図8のフローチャートを参照して、本実施例における用紙Pの水分量の推定結果に応じた画像形成条件の補正制御の手順について説明する。
制御部200は、ジョブの開始指示が入力されると、環境センサ30によって検知された画像形成装置100が設置されている外部環境の温湿度情報を取得し、RAM203に記憶させる(S1)。次に、制御部200は、S1でRAM203に記憶させた温湿度情報に基づいてATVC制御を実行させ、ATVC電圧をRAM203に記憶させる(S2)。また、制御部200は、S2と並行して、メディアセンサ40の検知結果に基づいてプリントモードを仮設定する手順を実行する(S3〜S6)。
つまり、制御部200は、今回のジョブの1枚目の用紙Pに関するメディアセンサ40の検知結果を取得してRAM203に記憶させると共に、前述の式(1)を用いてメディアセンサ40の検知結果から坪量を算出してRAM203に記憶させる(S3)。そして、制御部200は、メディアセンサ検知結果に基づいて、前回のジョブから用紙Pの種類が変わったか否かを判断する(S4)。本実施例では、用紙Pの種類が変わったか否かの判断基準として、前回のジョブにおいて取得された補正後のメディアセンサ検知結果Bを用いる。具体的には、制御部200は、式(3)を用いて、前回取得された補正後のメディアセンサ検知結果Bに対する今回のメディアセンサ検知結果Aの変動量が、所定の範囲内か否かを判断する。
B×0.98≦A≦B×1.04 ・・・(3)
A:メディアセンサ検知結果
B:前回の補正後のメディアセンサ検知結果
制御部200は、S4で用紙Pの種類が変わっていない(式(3)を満たす)と判断した場合は、前回のジョブに関して決定したプリントモードを今回のジョブのプリントモードとして仮設定する(S5)。一方、制御部200は、S4で用紙Pの種類が変わった(式(3)を満たさない)と判断した場合は、前述の表3の情報に基づき、今回のメディアセンサ検知結果に基づく坪量に応じたプリントモードを今回のジョブのプリントモードとして仮設定する(S6)。このS6で仮設定したプリントモードは、前回のジョブのプリントモードとは異なるものとなる。
次に、制御部200は、S1、S2、S5、S6で検知又は設定した情報に基づいて、用紙Pの水分量を推定する(S7)。つまり、今回のジョブの1枚目の用紙Pの先端の余白領域が二次転写部T2を通過している間に乖離転写電圧値を求める。そして、前述の図5に示す乖離転写電圧と用紙Pの水分量との関係を示す情報に基づいて、求めた乖離転写電圧値から用紙Pの水分量を推定する。
次に、制御部200は、S7で推定した用紙Pの水分量に基づいて、S3で取得したメディアセンサ検知結果を補正する(S8)。つまり、前述の図7に示す用紙Pの水分量と補正率との関係を示す情報に基づいて、用紙Pの水分量の推定結果から補正率を求める。また、前述の式(2)を用いて用紙Pの水分量の推定結果から補正後のメディアセンサ検知結果を算出してRAM203に記憶させる。そして、前述の式(1)を用いて補正後のメディアセンサ検知結果から補正後の坪量を算出する。
次に、制御部200は、S8で算出した補正後の坪量に基づいて、プリントモードを確定し、確定したプリントモードを示す情報をRAM203に記憶させる(S9)。つまり、前述の表3に示す情報に基づいて、補正後の坪量から最適なプリントモードを再選択し、再選択したプリントモードを今回のジョブのプリントモードとして決定する。
次に、制御部200は、S9で決定したプリントモードを示す情報と、S1で取得した温湿度情報とに基づいて、画像形成条件を設定して、画像形成動作を実行させる。
8.効果
次に、比較例と対比して、本実施例の効果について更に説明する。比較例の画像形成装置100では、本実施例のような用紙Pの水分量の推定結果に基づくメディアセンサ40の検知結果の補正は行われない。比較例の画像形成装置100の構成及び動作は、この点を除いて実質的に本実施例の画像形成装置100と同じであるものとする。
例えば、低温低湿環境(例えば、15℃/10%RH)に画像形成装置100が設置されており、48時間以上開封された状態で放置された公称の坪量が157[g/m]の用紙P(用紙の水分量3%)をカセット21に積載した場合を想定する。表4は、該用紙Pの坪量付近の坪量に対応するプリントモードと目標転写電流値の設定値とをまとめたものである。
Figure 2019070680
公称の坪量が157[g/m]の用紙Pを使用する場合、画像不良を発生させずに安定した転写性を得るためには、制御部200は厚紙モード3を選択し、電流経路60に15.5[μA]の電流を流すように命令を送ることが求められる。しかし、メディアセンサ40で水分量が3%の公称の坪量が157[g/m]の用紙Pの坪量を検知すると、その坪量の検知結果は149.1[g/m]となる。そのため、比較例では、制御部200は、厚紙モード2を選択し、電流経路60に13.0[μA]の電流を流すように命令を送ってしまう。その結果、比較例では、転写電流値が本来供給されるべき値よりも不足して、画像不良(例えば、転写電圧が弱すぎることで転写された画像が乱れる転写不良)が発生してしまうことがある。
これに対して、本実施例では、用紙Pの水分量の推定結果に基づいてメディアセンサ40の検知結果が補正され、坪量の検知結果が補正される。そのため、制御部200は、補正後の坪量に応じて厚紙モード3を選択し、電流経路60に15.5[μA]の電流が流れるように命令を送ることができる。その結果、適正な転写電流が供給されて、画像不良の発生が抑制される。
このように、本実施例の画像形成装置100は、二次転写部T2へと搬送される記録材Pの単位面積当たりの重量(坪量)に相関する情報を検知する第1の検知手段としてのメディアセンサ40を有する。また、画像形成装置100は、二次転写部材8に所定の電流が流れるように印加手段62により二次転写部材8に電圧を印加した際に発生する電圧値を検知する第2の検知手段としての電圧検知部63を有する。そして、画像形成装置100は、二次転写部T2に記録材Pがある状態での電圧検知部63の検知結果に基づいてメディアセンサ40の検知結果を補正し、補正後のメディアセンサ40の検知結果に応じて画像形成条件を制御する制御手段200を有する。本実施例では、制御手段200は、電圧検知部63の検知結果の目標値と、二次転写部T2に記録材Pを供給して取得した電圧検知部63の検知結果と、の差分に基づいて、メディアセンサ40の検知結果を補正する。上記目標値は、記録材Pの坪量に応じて予め設定された、二次転写部T2に記録材Pがある状態での電圧検知部63の検知結果の目標値である。本実施例では、制御手段200は、上記差分に基づいて記録材Pの水分量を推定し、推定した水分量に基づいてメディアセンサ40の検知結果を補正する。本実施例では、画像形成装置100は、画像形成装置100が設置されている環境を検知する環境検知手段としての環境センサ30を有する。そして、制御手段200は、環境センサ30の検知結果に応じて上記目標値を変更する。特に、本実施例では、二次転写部T2に記録材Pがある状態での電圧検知部63の検知結果は、記録材Pの搬送方向の先端の余白領域が二次転写部T2を通過している間に取得される。また、特に、本実施例では、メディアセンサ40は、超音波を用いて記録材Pの坪量を検知する。また、特に、本実施例では、画像形成条件は、二次転写時に二次転写部材8に印加する電圧の設定、又は二次転写時の記録材Pの搬送速度の設定の少なくとも一つを含む。
以上説明したように、本実施例によれば、用紙Pの水分量を直接的に測定するための専用の装置を設けることなく、用紙Pの水分量を推定することができる。そして、用紙Pの水分量の推定結果に応じてメディアセンサ40の検知結果(すなわち、坪量の検知結果)を補正することで、環境センサ30の検知結果と用紙Pの含水状態とがマッチしていない場合でも、適正な画像形成条件で画像を形成することができる。つまり、本実施例によれば、簡易な構成で、用紙Pの含水状態にかかわらず用紙Pの坪量を精度よく検知し、用紙Pの坪量に応じた適切な画像形成条件で画像を形成することができる。
[実施例2]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
本実施例では、制御部200は、用紙Pの坪量に応じて、画像形成条件として定着条件を制御する。本実施例では、実施例1と同様にプリントモードとして、「普通紙モード」、「厚紙モード」、「薄紙モード」、「グロス紙モード」など、用紙Pの坪量(所定の坪量の範囲)ごとに複数のモードが設定されている。そして、本実施例では、プリントモードごとに、定着条件として定着装置9が備えたヒータ93の温調温度(加熱温度)が設定されている。定着装置9の加熱温度が低すぎると、用紙Pへのトナー像の定着不良が発生することがある。また、定着装置9の加熱温度が高すぎると、用紙P上のトナーが定着装置9の定着部材に付着する高温オフセット、あるいは用紙Pの搬送不良や用紙Pが装置本体110の外部に排出された際の積載不良(カール)などが発生しやすくなる。そのため、プリントモードごとに、画像不良(例えば、高温オフセット)や、搬送不良、積載不良(カール)が発生しないように定着装置9の加熱温度が予め求められている。
なお、本実施例における用紙Pの水分量の推定方法、坪量の検知結果の補正方法、プリントモードの決定方法などは実施例1と同じである。ここでは、比較例と対比して、本実施例の効果について説明する。比較例の画像形成装置100では、本実施例のような用紙Pの水分量の推定結果に基づくメディアセンサ40の検知結果の補正は行われない。比較例の画像形成装置100の構成及び動作は、この点を除いて実質的に本実施例の画像形成装置100と同じであるものとする。
例えば、高温高湿環境(例えば、30℃/80%RH)に画像形成装置100が設置されており、48時間以上開封された状態で放置された公称の坪量が60[g/m]の用紙P(用紙の水分量9%)をカセット21に積載した場合を想定する。表5は、該用紙Pの坪量付近の坪量に対応するプリントモードと定着装置9の目標温調温度の設定値とをまとめたものである。
Figure 2019070680
公称の坪量が60[g/m]の用紙Pを使用する場合、画像不良を発生させずに安定した定着性を得るためには、制御部200は薄紙モードを選択し、定着装置9の加熱温度を195[℃]で維持するように命令を送ることが求められる。しかし、メディアセンサ40で水分量が9%の公称の坪量が60[g/m]の用紙Pの坪量を検知すると、その坪量の検知結果は60.6[g/m]となる。そのため、比較例では、制御部200は、普通紙モードを選択し、定着装置9の加熱温度を205[℃]に維持するように命令を送ってしまう。その結果、比較例では、加熱温度が本来維持されるべき値よりも高くなり(熱量過多になり)、画像(例えば、高温オフセット)や、搬送不良、積載不良(カール)が発生しやすくなる。
これに対して、本実施例では、用紙Pの水分量の推定結果に基づいてメディアセンサ40の検知結果が補正され、坪量の検知結果が補正される。そのため、制御部200は、補正後の坪量に応じて薄紙モードを選択し、定着装置9の加熱温度を195[℃]に維持するように命令を送ることができる。その結果、定着装置9の加熱温度は適正な温度に維持されて、画像不良や、搬送不良、積載不良などの発生が抑制される。
なお、定着条件として、加熱温度に加えて又は代えて、定着時の用紙Pの搬送速度(定着ローラ91、加圧ローラ92の回転速度に対応)を、用紙Pの坪量に応じて制御してもよい。つまり、画像形成条件は、定着時の加熱温度の設定、又は定着時の記録材Pの搬送速度の設定の少なくとも一つを含むものであってよい。また、便宜上、実施例1の転写条件の補正と本実施例の定着条件の補正とを分けて説明したが、画像形成装置100は、用紙Pの坪量に応じて、画像形成条件として転写条件と定着条件との両方を制御するようになっていてよい。また、用紙Pの坪量に応じて制御される画像形成条件は、転写条件や定着条件に限定されるものではなく、用紙Pの坪量に応じて変更することが望まれる任意の画像形成条件であってよい。
以上説明したように、本実施例によれば、実施例1と同様に、簡易な構成で、用紙Pの含水状態にかかわらず用紙Pの坪量を精度よく検知し、用紙Pの坪量に応じた適切な画像形成条件で画像を形成することができる。
[その他]
以上、本発明を具体的な実施例に即して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
上述の実施例では、二次転写部に用紙がある状態で二次転写部材に所定の電流が流れるように二次転写部材に印加する電圧を定電流制御し、その際に発生する電圧値を検知して用紙の水分量を推定した。別法として、二次転写部に用紙がある状態で二次転写部に所定の電圧を印加する定電圧制御を行い、その際に二次転写部材に流れる電流を検知して用紙の水分量を推定してもよい。つまり、画像形成装置は、第2の検知手段として、印加手段により二次転写部材に所定の電圧を印加した際に二次転写部材に流れる電流値を検知する電流検知手段(例えば、上述の実施例における電流検知回路61)を有していてよい。この場合、例えば、上述の実施例で説明した初期転写電圧値で定電圧制御した際に電流検知回路によって検知される電流値と、上述の実施例で説明した目標転写電流値との差分から、用紙の水分量を推定することができる。つまり、予め該電流値の差分と用紙の水分量との関係を示す情報を求めておくことで、その情報に基づいて、検知した電流値の差分から用紙の水分量を推定することができる。
上述の実施例では、ジョブの1枚目の用紙の坪量を検知し、その検知結果を1枚目の用紙に関する画像形成条件の制御から反映させる場合を例として説明したが、本発明これに限定されるものではない。例えば、画像形成条件の制御内容、用紙のサイズ、プリント速度などの任意の理由により、1枚目の用紙の坪量の検知結果を1枚目(又は1枚目から所定枚数目まで)の用紙に関する画像形成条件の制御に反映できない場合が考えられる。その場合には、2枚目(又は1枚目から所定枚数目まで画像を形成した後)から、1枚目の用紙の坪量の検知結果を画像形成条件の制御に反映させるようにしてもよい。また、1枚ごとの用紙の坪量の検知結果に応じて、各用紙に関する画像形成条件をそれぞれ制御するようにしてもよい。
上述の実施例では、用紙の水分量の推定結果に応じた画像形成条件の補正制御を開始するトリガがジョブの1枚目の用紙の搬送である場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。画像形成条件の補正制御を開始するトリガは、例えば、給紙部(カセットなど)の開閉、画像形成装置の主電源ON、画像形成装置の節電状態からの復帰など、任意に設定することができる。画像形成条件の補正制御は、用紙の種類の変更や用紙の含水状態の変化が生じることが予測される事象の後の最初の画像を形成する直前の非画像形成時に行うことが望ましい。毎回のジョブにおいて当該制御を行わない場合は、当該制御を行わないジョブでは、記憶手段(RAMやNVRAMなど)に記憶されている前回の補正後のメディアセンサの検知結果(すなわち、補正後の坪量)に基づいてプリントモードを選択すればよい。
上述の実施例では、画像形成装置が中間転写方式の画像形成装置である場合について説明したが、本発明は画像形成部を一つだけ有する画像形成装置にも適用できるものである。その場合、上述の実施例において二次転写部を利用して行うものとした用紙の水分量の推定を、感光ドラムから用紙にトナー像を転写させる転写部を利用して行えばよい。
また、転写部材はローラ状の部材に限定されるものではなく、例えばパッド状の部材、ブラシ状部材などであってもよい。また、感光体はドラム状のもの(感光ドラム)に限定されるものではなく、無端ベルト状のもの(感光体ベルト)であってもよい。また、中間転写体は無端ベルト状のものに限定されるものではなく、例えば枠体にフィルムを張設して形成したドラム状のものなどであってもよい。また、静電記録方式の画像形成装置であれば、像担持体はドラム状や無端ベルト状の静電記録誘電体であってよい。
1 感光ドラム
7 中間転写ベルト
8 二次転写ローラ
9 定着装置
40 メディアセンサ
61 電流検知回路
62 二次転写電源
63 電圧制御部(電圧検知部)
100 画像形成装置
200 制御部

Claims (10)

  1. トナー像を担持する像担持体と、
    前記像担持体に当接して転写部を形成し、前記転写部を通過する記録材に前記像担持体からトナー像を転写させる転写部材と、
    前記転写部材に電圧を印加する印加手段と、
    前記転写部へと搬送される記録材の単位面積当たりの重量に相関する情報を検知する第1の検知手段と、
    前記転写部材に所定の電流が流れるように前記印加手段により前記転写部材に電圧を印加した際に発生する電圧値又は前記印加手段により前記転写部材に所定の電圧を印加した際に前記転写部材に流れる電流値を検知する第2の検知手段と、
    前記転写部に記録材がある状態での前記第2の検知手段の検知結果に基づいて前記第1の検知手段の検知結果を補正し、補正後の前記第1の検知手段の検知結果に応じて画像形成条件を制御する制御手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、記録材の単位面積当たりの重量に応じて予め設定された、前記転写部に記録材がある状態での前記第2の検知手段の検知結果の目標値と、前記転写部に記録材を供給して取得した前記第2の検知手段の検知結果と、の差分に基づいて、前記第1の検知手段の検知結果を補正することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御手段は、前記差分に基づいて記録材の水分量を推定し、推定した水分量に基づいて前記第1の検知手段の検知結果を補正することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 当該画像形成装置が設置されている環境を検知する環境検知手段を有し、
    前記制御手段は、前記環境検知手段の検知結果に応じて前記目標値を変更することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
  5. 前記転写部に記録材がある状態での前記第2の検知手段の検知結果は、記録材の搬送方向の先端の余白領域が前記転写部を通過している間に取得されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記第1の検知手段は、超音波を用いて記録材の単位面積当たりの重量に相関する情報を検知することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記画像形成条件は、前記転写時に前記転写部材に印加する電圧の設定、又は前記転写時の記録材の搬送速度の設定の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項の画像形成装置。
  8. トナー像が転写された記録材を加熱してトナー像を記録材に定着させる定着装置を有し、
    前記画像形成条件は、前記定着時の加熱温度の設定、又は前記定着時の記録材の搬送速度の設定の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記像担持体は、別の像担持体から転写されたトナー像を記録材に転写するために搬送する中間転写体であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記制御手段は、一の開始指示により開始される単一又は複数の記録材に画像を形成して出力する一連の動作であるジョブの1枚目の記録材に関する前記第1、第2の検知手段の検知結果に基づいて、該ジョブにおける画像形成条件を制御することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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