JP5477684B2 - シート材厚み検出装置、シート材搬送装置、および画像形成装置 - Google Patents

シート材厚み検出装置、シート材搬送装置、および画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、シート材の厚みを検出するシート材厚み検出装置に関するものである。また、本発明は、シート材厚み検出装置を備えたシート材搬送装置、および、プリンタ、複写機、ファクシミリなどの画像形成装置に関するものである。
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置は、シート材を搬送させながらシート材表面上に画像を形成する。この種の画像形成装置においては、高品質の画像を得るためにシート材の厚さに応じて画像形成条件を最適化する必要がある。
例えば、シート材にトナーを転写する転写プロセスでは、シート材の厚さが異なると体積抵抗値が異なるため、転写帯電器を駆動する転写電流をシート材の厚さに応じて変化させる必要がある。また、シート材上に転写されたトナーを加熱及び加圧してシート材に定着させる定着プロセスでは、必要となる熱量がシート材の厚さごとに異なるため、シート材の厚さに応じて定着時の温度などを変化させる必要がある。
特許文献1には、固定ローラと変位ローラとのニップ部にシート材を挟持させてシート材を搬送する搬送ローラ対の変位ローラの変位を変位センサで検知することで、シート材の厚さを検知するシート厚検出装置が記載されている。シート材の厚さによって、変位ローラの変位量が異なり、変位センサの出力値が異なる。その結果、変位センサの出力値に基づいて、シート材の厚さを検知することができる。
また、搬送ローラ対とシート材とのスリップ率、シート材のスキュー、シート材の角部が折れ曲がった所謂耳折れ、シート材の剛性なども搬送不良や画像不良が発生するため、いち早く検出して、装置内で何らかの対応をとることが必要となってくる。
例えば、スキューが発生したままの状態のシート材に対して画像形成部で画像を形成すると、シート材に対して画像が斜めに載る画像不良が発生する。また、スキューが発生した状態のシート材はシート材搬送経路を形成する部材に引っかかりやすく、スキューが発生した状態でシート材を搬送し続けると、ジャムと呼ばれる紙詰まりが発生する可能性が高くなる。
また、耳折れが生じたシート材は、耳折れのないシート材と比べて、シート材の搬送経路を形成する部材に引っかかりやすく、シート材が搬送経路内で詰まりやすくなるという不具合がある。また、使用者によっては画像を形成したシート材に耳折れがあること自体を不具合とする場合がある。
また、シート材が搬送ローラ対とスリップしてしまうと、シート材の搬送速度が低下してしまい、所定のタイミングで転写位置へシート材を搬送することができなくり、シート材の所望の位置に画像が形成されなくなるという不具合がある。
また、シート材の剛性が弱いと、定着プロセスなどにおいて、定着ローラに巻き付くおそれがある。
特許文献2には、変位ローラの変位に基づいて、シート材の厚み検知とスキュー検知とを行なうシート材厚さ検知装置が記載されている。この特許文献2に記載のシート材厚さ検知装置は、固定ローラの一端側と当接する第1変位ローラと、他端側と当接する第2変位ローラとを備え、第1変位ローラの変位を検知する第1変位センサと、第2変位ローラの変位を検知する第2変位センサとを有している。スキューがある状態のシート材が搬送されると、まず、一方の変位ローラが変位してからある時間経過後に他方の変位ローラが変位する。この経過時間の長さは、シート材のスキュー量と相関がある。よって、第1変位センサと第2変位センサとの検知結果から、第1変位ローラが変位してから第2変位ローラが変位するまでの時間を求めることで、シート材のスキュー量を求めることができる。シート材の厚さは、特許文献1に記載の厚さ検出装置と同様にして、検知することができる。
特許文献1に記載の厚み検出装置においては、シート材のスキュー、スリップ率、耳折れ、シート材の剛性などは、検知していないため、厚み検出装置のほかに、シート材のスキュー、スリップ率、耳折れ、シート材の剛性などを検知するため検出装置を別に設ける必要があった。そのため、部品点数が多くなり、装置の大型化、装置のコスト高に繋がっていた。
特許文献2では、シート材の厚みとシート材のスキューとを厚さ検出装置で検知しているが、特許文献2に記載の厚さ検出装置においては、変位センサを2つ設ける必要があり、装置のコスト高に繋がるという問題があった。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、ひとつの変位センサを用いて、シート材の厚みと、シート材のスキュー、シート材と駆動ローラとのスリップ率、シート材の耳折れ、シート材の剛性のうち少なくともひとつとを検知することのできるシート材厚み検出装置、シート材搬送装置、および画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、シート材搬送方向に回転駆動する駆動ローラと、前記駆動ローラに当接してニップ部を形成し、シート材の厚み方向に変位する変位手段と、前記変位手段のシート材厚み方向の変位を検知する変位センサとを備え、変位センサの出力信号に基づいて前記ニップ部に搬送されたシート材の厚みを検知するシート材厚み検出装置において、前記変位手段は、前記変位手段は、ニップ部に進入したシート材の幅方向中心を境にして、ニップ部に進入したシート材の一方側に当接する第一部材と、ニップ部に進入したシート材の他方側に当接する第二部材と、前記第一部材と前記第二部材とが取り付けられ、前記シート材搬送方向回りに回転可能な軸とを備え、前記変位センサは、変位手段の前記軸の軸方向一端の前記シート材厚み方向の変位を直接検知するものであり、ひとつの変位センサの出力信号に基づいて、シート材の厚みを検出するとともに、ひとつの変位センサの出力波形に基づいて、シート材のスキュー情報、シート材の剛性、シート材の耳折れ、シート材と前記駆動ローラとのスリップ率のうちの少なくともひとつを検知することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1のシート材厚み検出装置において、前記シート材の先端が前記ニップ部に突入したときの前記変位センサの出力波形または前記シート材の後端が前記ニップ部を抜けるときの前記変位センサの出力波形に基づいて、前記シート材のスキュー情報を検知することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2のシート材厚み検出装置において、前記シート材の先端が前記ニップ部に突入したときに検知したスキュー量と、前記シート材の後端が前記ニップ部を抜けるときに検知したスキュー量とに基づいて、シート材搬送中におけるスキュー量の変化を検知することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかのシート材厚み検出装置において、前記変位手段の軸方向他端の変位を検知する第2変位センサを設け、シート材が一方向にスキューしたときは、前記変位センサの出力波形を用いてスキュー量を検知し、他方向にスキューしたときは、第2変位センサの出力波形を用いてスキュー量を検知することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4いずれかのシート材厚み検出装置において、前記シート材の先端が前記ニップ部に突入または前記シート材の後端が前記ニップ部を抜けるときの変位センサの出力値と、前記シート材の中央部がニップ部に挟まれたときの変位センサの出力値とに基づき、シート材の耳折れを検知することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5いずれかのシート材厚み検出装置において、前記シート材の搬送方向上流側または下流側でシート材を撓ませた状態でシート材を搬送したときの前記変位センサの出力値に基づいて、前記シート材の剛性を検知することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6いずれかのシート材厚み検出装置において、前記変位センサの調整を行うためのシート材の厚み情報を取得する取得手段と、前記調整を行うためのシート材を前記ニップ部に挟んだときの前記変位センサの出力値と、前記取得手段で取得した厚み情報とに基づいて、変位センサの出力値とシート材の厚みとの関係を補正する補正手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7いずれかのシート材厚み検出装置において、前記変位センサとして、ホールセンサを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至8いずれかのシート材厚み検出装置において、前記変位手段と変位センサとからなる検知ユニットを複数を備え各変位手段は、それぞれ前記駆動ローラのシート材幅方向中心に対してそれぞれ同距離離れた位置で駆動ローラと当接する一対の当接部材を有し、各変位手段の当接部材の前記駆動ローラとの当接箇所をシート材幅方向に互いに異ならせたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、シート材を搬送する搬送手段と、搬送手段によって搬送されるシート材の厚みを検知するシート材厚み検知手段とを備えたシート材搬送装置において、前記シート材厚み検知手段として、請求項1乃至9いずれかのシート材厚み検出装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10のシート材搬送装置において、前記シート材厚み検出装置が検出したスキュー情報および/またはスリップ率を時系列に記憶する記憶手段と、前記時系列に記憶したスキュー情報および/またはスリップ率に基づいて、搬送手段の寿命を予測する寿命予測手段と、前記寿命予測手段の予測に基づいて、搬送手段の交換を報知する報知手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、シート材に画像を形成する画像形成手段と、シート材を該画像形成手段に向けて搬送するシート材搬送装置とを備える画像形成装置において、前記シート材搬送装置として、請求項10または11のシート材搬送装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項12の画像形成装置において、前記シート材厚み検出装置が検出したシート材の厚みと、シート材のスキュー情報、シート材のスリップ率、シート材の剛性または耳折れの少なくとも一つとに基づいて、画像形成手段を制御する制御手段を備えたことを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、変位手段の軸方向一端の変位を検知することによって、以下に示すように、ひとつの変位センサの出力信号から、シート材の厚みの他に、シート材のスキュー情報、シート材の剛性、シート材の耳折れ、シート材と駆動ローラとのスリップ率のうちの少なくともひとつを検知することができる。
まず、ひとつの変位センサ73によるスキュー検知について、図1を用いて説明する。
図1は、本発明を適用した厚み検出装置の一例を示す図である。図1に示す厚み検出装置は、変位手段として軸72aに第一ローラ部材72bと第二ローラ部材72cとが固定されている変位ローラ72を用いた。第一ローラ部材72bは、シート材Pの図中右側端部付近と当接し、第二ローラ部材72cは、シート材Pの図中左側端部付近と当接するよう、それぞれ軸72aに固定されている。軸72aは、軸受72d,72eに回転自在に支持されている。図中左側の軸受72eには、被検知部材としての磁石75が取り付けられており、この磁石75と対向するように変位センサたるホールセンサ73が取り付けられている。ホールセンサ73は、磁束密度に応じて出力値が異なるもので、磁石75が図中上下に変位することで、ホールセンサ73が検知する磁束密度が変化し、ホールセンサ73の出力値が変化するので、ホールセンサ73の出力値から変位ローラ72の変位を検出することができる。
スキューが生じた状態で、駆動ローラ71と変位手段たる変位ローラ72とのニップ部にシート材Pが搬送されたときは、変位ローラ72は、最初に図1の(b)または図1(d)のように変位する。図1(b)に示すように、シート材の幅方向中心にして、一方側に当接する部分である第一ローラ部材72bにシート材Pの先端が進入したときは、変位ローラ72は、シート材の幅方向中心にして、他方側に当接する部分である第二ローラ部材72cを支点にして、図中反時計回りに回転する。その結果、磁石75が、駆動ローラ71側へ変位する。次に、シート材Pの変位センサ73側の先端が第二ローラ部材72cに進入して図1(c)のようになるが、このとき、変位ローラ72は、第一ローラ部材72bを支点にして、図中時計回りに回転する。その結果、磁石75は、駆動ローラ71から離間する方向へ変位する。
また、図1(d)に示すように、変位ローラ72の第二ローラ部材72cにシート材Pの先端が進入したときは、変位ローラ72は、第一ローラ部材72bを支点にして、変位ローラ72が時計回りに回転する。その結果、磁石75が、駆動ローラ71から離間する方向へ変位する。次に、シート材Pの先端が第一ローラ部材72bに進入して図1(c)のようになるが、このとき、変位ローラ72は、第二ローラ部材72cを支点にして、図中反時計回りに回転する。その結果、磁石75は、駆動ローラ71側へ変位する。
一方、スキューがない場合は、図1(a)から図1(c)となるので、磁石75は、駆動ローラ71から離間する方向へのみ変位する。
このように、スキューがある場合、磁石75は、駆動ローラ71側へ変位してから駆動ローラ71から離間する方向へ変位するか、駆動ローラ71から離間する方向へ変位してから駆動ローラ71側へ変位する。これに対し、スキューがない場合は、シート材の先端がニップ部に進入したときは、磁石75が駆動ローラ71側へ変位するだけである。よって、スキューがあるときとないときでシート材Pの先端が、ニップ部に進入したときの変位ローラ72の軸方向端部(磁石75)の挙動が、異なることがわかる。
ここで、ホールセンサ73の出力が、図1(a)ときよりも磁石75が駆動ローラ71から離間するときは、図1(a)ときの出力値よりも減少し、図1(a)ときよりも磁石75が駆動ローラ側へ移動したときは、図1(a)ときの出力値よりも増加するとしたとき、スキューがあるときとないときとでは、ホールセンサ73の出力変化は、次のようになる。すなわち、スキューがないときは、変位センサ73の出力値は、減少する変化のみを示す。一方、図1(b)のようなスキューがあった場合は、出力値が減少した後、増加する変化を示す。また、図1(d)のようなスキューがあった場合は、出力値が増加した後、減少する変化を示す。よって、シート材Pが進入したときの変位センサ73の出力波形を調べることで、シート材がスキューしているか否かを検知することができる。また、スキュー量が多いと、図1(b)の場合は、出力値が減少している時間が長くなり、図1(d)のときは、出力値が増加している時間が長くなる。よって、出力値が減少してから増加するまでの時間もしくは、出力値が減少してから増加するまでの時間を調べれば、スキュー量を検知することができる。また、図1(b)のようなスキューがあった場合と、図1(d)のようなスキューがあった場合とでは、センサの出力波形が異なるので、スキューの方向も検知することができる。
よって、一つの変位センサで、スキュー情報を検知することができ、特許文献2のように、2つの変位センサでスキュー情報を検知するものに比べて、装置を安価にすることができる。
次に、ひとつの変位センサによる耳折れ検知について説明する。
シート材の先端もしくは後端に耳折れが生じていた場合、耳折れが生じている部分の厚さは、生じていないところの厚さよりも倍厚い。よって、耳折れが生じている部分がニップ部に進入すると、変位手段が大きく変位する。その結果、シート材の先端がニップ部にあるときの変位センサの出力値から、シート材の状態としての耳折れが生じていることを検知することができる。
次に、ひとつの変位センサによるシート材の剛性は、次のようにすれば、検知することができる。すなわち、シート材の搬送方向上流側または下流側でシート材を撓ませた状態でシート材を駆動ローラと変位ローラとのニップ部で搬送したときの変位センサの出力値から検知することができる。すなわち、シート材を撓ませるとシート材の復元力により、シート材が変位手段を駆動ローラから離間する方向へ移動させるので、変位手段が変位する。シート材の剛性が強ければ、復元力も大きくなり、変位手段を駆動ローラから離間させる力が強くなる。よって、変位手段の変位量も大きくなる。従って、変位センサで変位手段の変位を調べることによって、シート材の特性としてのシート材の剛性を検知することができる。
また、シート材と駆動ローラとのスリップ率は、次のようにして検知することができる。すなわち、駆動ローラとシート材とにスリップが生じると、シート材の先端がニップ部に進入したことを変位センサが検知してから、シート材の後端が抜けたことを変位センサが検知するまでの時間が、スリップが生じていないときと比べて長くなる。そして、スリップ率が高くなればなるほど、この長くなる程度が大きくなる。よって、シート材の先端がニップ部に進入したことを変位センサが検知してから、変位センサがシート材の後端を抜けることを検知するまでの時間から、駆動ローラとシート材とのスリップ率を検知することができる。
本発明によれば、シート材の厚みのほかに、シート材のスキュー情報、シート材の剛性、シート材の耳折れ、駆動ローラとシート材とのスリップ率のうちの少なくともひとつを検知することができるので、厚み検知装置とは別に、検知装置を設ける必要がない。よって、この厚み検知装置を搭載することによって、装置を安価にすることができる。また、一つの変位センサで、シート材の厚みのほかに、シート材のスキュー情報、シート材の特性またはシート材の状態、シート材と駆動ローラとのスリップ率のうちのひとつを検知することができるので、複数の変位センサを用いて検知するものに比べて、装置を安価にすることができる。
スキューした用紙を搬送するときの従動ローラの挙動について説明する図。 本実施形態に係る複写機を示す概略構成図。 同複写機におけるプリンタ部の内部構成の一部を拡大して示す部分拡大構成図。 同複写機におけるタンデム部の一部を示す部分拡大図。 同プリンタ部の給紙路一部を示す拡大構成図。 厚み検知ローラ対70の正面図。 ホールセンサの出力特性について説明する図。 ホールセンサとして、旭化成エレクトロニクス(株)製HG−106Cを用いたときの測定結果を示す。 ホールセンサとして、旭化成エレクトロニクス(株)製EQ−711Lを用いたときの測定結果を示す図。 記録紙をホールセンサ側にスキューさせたときの出力波形を示す図。 同スキュー時における記録紙の先端がニップに進入したときのホールセンサの出力波形を示す図。 同スキュー時における記録紙の後端がニップを抜けるときのホールセンサの出力波形を示す図。 記録紙をホールセンサ側と反対側にスキューさせたときのホールセンサの出力波形を示す図。 同スキュー時における記録紙の先端がニップに進入したときのホールセンサの出力波形を示す図。 同スキュー時における記録紙の後端がニップを抜けるときのホールセンサの出力波形を示す図。 スキュー検出のフロー図。 スキュー検出の別のフロー図。 変形例1の厚み検出装置の概略構成図。 変形例2の厚み検知装置の概略構成図 変形例2の厚み検知装置の他の例を示す概略構成図。 変形例2の厚み検知装置の側面図。 変形例3の厚み検知装置の概略構成図。 レジストローラ対と送込ローラ対との間の記録紙の撓みについて説明する図。 レジストローラ対を記録紙が通過するときのホールセンサの出力波形を示す図。 記録紙の曲げこわさとセンサの出力差ΔVとの関係を示した図。 送込ローラ対を厚み検知ローラ対に変えたときにおける、ホールセンサの出力波形を示す図。 ホールセンサの出力のギャップ依存性について示したグラフ。 複写機の電気回路の一部を示すブロック図。 (a)は、転写紙の包装状態を示す概略斜視図であり、(b)は、包装紙に貼り付けられているラベルを示す図。 転写紙の種類情報を取得する第1方法を示す制御フロー図。 転写紙の種類情報を取得する第2方法を示す制御フロー図。 転写紙の種類情報を取得する第3方法を示す制御フロー図。 ホールセンサの入出力特性の調整のフロー図。 紙厚検出特性を示す図。
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式によって画像を形成する複写機の実施形態について説明する。
まず、本実施形態に係る複写機の基本的な構成について説明する。図2は、本実施形態に係る複写機を示す概略構成図である。この複写機は、画像形成手段たるプリンタ部1と、白紙供給装置40と、原稿搬送読取ユニット50とを備えている。原稿搬送読取ユニット50は、プリンタ部1の上に固定された原稿読取装置たるスキャナ150と、これに支持される原稿搬送装置たるADF51とを有している。
白紙供給装置40は、ペーパーバンク41内に多段に配設された2つの給紙カセット42、給紙カセットから記録紙を送り出す送出ローラ43、送り出された記録紙を分離して給紙路44に供給する分離ローラ45等を有している。また、プリンタ部1の給紙路37に記録紙を搬送する複数の搬送ローラ46等も有している。そして、給紙カセット内の記録紙をプリンタ部1内の給紙路37内に給紙する。
図3は、プリンタ部1の内部構成の一部を拡大して示す部分拡大構成図である。プリンタ部1は、K,Y,M,C色のトナー像を形成する4つのプロセスユニット3K,Y,M,C、転写ユニット24、紙搬送ユニット28、レジストローラ対33、定着ユニット60等を備えている。また、これらの他、先に図2に示した光書込装置2、カール除去ローラ群34、排紙ローラ対35、スイッチバック装置36、給紙路37等も備えている。そして、光書込装置2内に配設された図示しないレーザーダイオードやLED等の光源を駆動して、ドラム状の4つの感光体4K,Y,M,Cに向けてレーザー光Lを照射する。この照射により、感光体4K,Y,M,Cの表面には静電潜像が形成され、この潜像は所定の現像プロセスを経由してトナー像に現像される。なお、符号の後に付されたK,Y,M,Cという添字は、ブラック,イエロー,マゼンタ,シアン用の仕様であることを示している。
プロセスユニット3K,Y,M,Cは、図3に示したように、それぞれ、潜像担持体たる感光体と、その周囲に配設される各種装置とを1つのユニットとして共通の支持体に支持するものであり、プリンタ部1本体に対して着脱可能になっている。ブラック用のプロセスユニット3Kを例にすると、これは、感光体4Kの他、これの表面に形成された静電潜像をブラックトナー像に現像するための現像装置6Kを有している。また、後述するK用の1次転写ニップを通過した後の感光体4K表面に付着している転写残トナーをクリーニングするドラムクリーニング装置15なども有している。本複写機では、4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cを、後述する中間転写ベルト25に対してその移動方向に沿って並べるように対向配設したいわゆるタンデム型の構成になっている。
図4は、4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cからなるタンデム部の一部を示す部分拡大図である。なお、4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cは、それぞれ使用するトナーの色が異なる他はほぼ同様の構成になっているので、同図においては各符号に付すK,Y,M,Cという添字を省略している。同図に示すように、プロセスユニット3は、感光体4の周りに、帯電装置23、現像装置6、ドラムクリーニング装置15、除電ランプ22等を有している。
感光体4としては、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材の塗布による感光層を形成したドラム状のものを用いている。無端ベルト状のものを用いても良い。
現像装置6は、図示しない磁性キャリアと非磁性トナーとを含有する二成分現像剤を用いて潜像を現像するようになっている。内部に収容している二成分現像剤を攪拌しながら搬送して現像スリーブ12に供給する攪拌部7と、現像スリーブ12に担持された二成分現像剤中のトナーを感光体4に転移させるための現像部11とを有している。なお、現像装置6として、二成分現像剤の代わりに、磁性キャリアを含まない一成分現像剤によって現像を行うタイプのものを使用してもよい。
攪拌部7は、現像部11よりも低い位置に設けられており、互いに平行配設された2本の搬送スクリュウ8、これらスクリュウ間に設けられた仕切り板、現像ケース9の底面に設けられたトナー濃度センサ10などを有している。
現像部11は、現像ケース9の開口を通して感光体4に対向する現像スリーブ12、これの内部に回転不能に設けられたマグネットローラ13、現像スリーブ12に先端を接近させるドクターブレード14などを有している。現像スリーブ12は、非磁性の回転可能な筒状になっている。マグネットローラ12は、ドクターブレード14との対向位置からスリーブの回転方向に向けて順次並ぶ複数の磁極を有している。これら磁極は、それぞれスリーブ上の二成分現像剤に対して回転方向の所定位置で磁力を作用させる。これにより、攪拌部7から送られてくる二成分現像剤を現像スリーブ13表面に引き寄せて担持させるとともに、スリーブ表面上で磁力線に沿った磁気ブラシを形成する。
磁気ブラシは、現像スリーブ12の回転に伴ってドクターブレード14との対向位置を通過する際に適正な層厚に規制されてから、感光体4に対向する現像領域に搬送される。そして、現像スリーブ12に印加される現像バイアスと、感光体4の静電潜像との電位差によってトナーを静電潜像上に転移させて現像に寄与する。更に、現像スリーブ12の回転に伴って再び現像部11内に戻り、マグネットローラ13の磁極間に形成される反発磁界の影響によってスリーブ表面から離脱した後、攪拌部7内に戻される。攪拌部7内には、トナー濃度センサ10による検知結果に基づいて、二成分現像剤に適量のトナーが補給される。
ドラムクリーニング装置15としては、ポリウレタンゴム製のクリーニングブレード16を感光体4に押し当てる方式のものを用いているが、他の方式のものを用いてもよい。クリーニング性を高める目的で、本例では、外周面を感光体4に接触させる接触導電性のファーブラシ17を、図中矢印方向に回転自在に有する方式のものを採用している。このファーブラシ17は、図示しない固形潤滑剤から潤滑剤を掻き取って微粉末にしながら感光体4表面に塗布する役割も兼ねている。ファーブラシ17にバイアスを印加する金属製の電界ローラ18を図中矢示方向に回転自在に設け、これにスクレーパ19の先端を押し当てている。ファーブラシ17に付着したトナーは、ファーブラシ17に対してカウンタ方向に接触して回転しながらバイアスが印加される電界ローラ18に転位する。そして、スクレーパ19によって電界ローラ18から掻き取られた後、回収スクリュウ20上に落下する。回収スクリュウ20は、回収トナーをドラムクリーニング装置15における図紙面と直交する方向の端部に向けて搬送して、外部のリサイクル搬送装置21に受け渡す。リサイクル搬送装置21は、受け渡されたトナーを現像装置15に送ってリサイクルする。
除電ランプ22は、光照射によって感光体4を除電する。除電された感光体4の表面は、帯電装置23によって一様に帯電せしめられた後、光書込装置2による光書込処理がなされる。なお、帯電装置23としては、帯電バイアスが印加される帯電ローラを感光体4に当接させながら回転させるものを用いている。感光体4に対して非接触で帯電処理を行うスコロトロンチャージャ等を用いてもよい。
先に示した図3において、4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cの感光体4K,Y,M,Cには、これまで説明してきたプロセスによってK,Y,M,Cトナー像が形成される。
4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cの下方には、転写ユニット24が配設されている。この転写ユニット24は、複数のローラによって張架した中間転写ベルト25を、感光体4K,Y,M,Cに当接させながら図中時計回り方向に無端移動させる。これにより、感光体4K,Y,M,Cと中間転写ベルト25とが当接するK,Y,M,C用の1次転写ニップが形成されている。K,Y,M,C用の1次転写ニップの近傍では、ベルトループ内側に配設された1次転写ローラ26K,Y,M,Cによって中間転写ベルト25を感光体4K,Y,M,Cに向けて押圧している。これら1次転写ローラ26K,Y,M,Cには、それぞれ図示しない電源によって1次転写バイアスが印加されている。これにより、K,Y,M,C用の1次転写ニップには、感光体4K,Y,M,C上のトナー像を中間転写ベルト25に向けて静電移動させる1次転写電界が形成されている。図中時計回り方向の無端移動に伴ってK,Y,M,C用の1次転写ニップを順次通過していく中間転写ベルト25のおもて面には、各1次転写ニップでトナー像が順次重ね合わせて1次転写される。この重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト25のおもて面には4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
転写ユニット24の図中下方には、駆動ローラ30と2次転写ローラ31との間に、無端状の紙搬送ベルト29を掛け渡して無端移動させる紙搬送ユニット28が設けられている。そして、自らの2次転写ローラ31と、転写ユニット24の下部張架ローラ27との間に、中間転写ベルト25及び紙搬送ベルト29を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト25のおもて面と、紙搬送ベルト29のおもて面とが当接する2次転写ニップが形成されている。2次転写ローラ31には図示しない電源によって2次転写バイアスが印加されている。一方、転写ユニット24の下部張架ローラ27は接地されている。これにより、2次転写ニップに2次転写電界が形成されている。
この2次転写ニップの図中右側方には、レジストローラ対33が配設されており、ローラ間に挟み込んだ記録紙を中間転写ベルト25上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで2次転写ニップに送り出す。2次転写ニップ内では、中間転写ベルト25上の4色トナー像が2次転写電界やニップ圧の影響によって記録紙に一括2次転写され、記録紙の白色と相まってフルカラー画像となる。2次転写ニップを通過した記録紙は、中間転写ベルト25から離間して、紙搬送ベルト29のおもて面に保持されながら、その無端移動に伴って定着ユニット60へと搬送される。
2次転写ニップを通過した中間転写ベルト25の表面には、2次転写ニップで記録紙に転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、中間転写ベルト25に当接するベルトクリーニング装置32によって掻き取り除去される。
定着ユニット60に搬送された記録紙は、定着ユニット60内における加圧や加熱によってフルカラー画像が定着させしめられた後、定着ユニット60から送り出される。そして、図2に示したカール除去ローラ群34によって形成されるニップと、排紙ローラ対35によって形成されるニップとを経由した後、機外へと排出される。
紙搬送ユニット22および定着ユニット60の下には、スイッチバック装置36が配設されている。これにより、片面に対する画像定着処理を終えた記録紙が、切換爪で記録紙の進路を記録紙反転装置側に切り換えられ、そこで反転されて再び2次転写ニップに進入する。そして、もう片面にも画像の2次転写処理と定着処理とが施された後、排紙トレイ上に排紙される。
プリンタ部1の上に固定されたスキャナ150は、原稿MSの画像を読み取るための読取手段として、固定読取部151と、移動読取部152とを有している。光源、反射ミラー、CCD等の画像読取センサなどを有する固定読取部151は、原稿MSに接触するようにスキャナ150のケーシング上壁に固定された図示しない第1コンタクトガラスの直下に配設されている。そして、ADF51によって搬送される原稿MSが第1コンタクトガラス上を通過する際に、光源から発した光を原稿面で順次反射させながら、複数の反射ミラーを経由させて画像読取センサで受光する。これにより、光源や反射ミラー等からなる光学系を移動させることなく、原稿MSを走査する。
一方、移動読取部152は、原稿MSに接触するようにスキャナ150のケーシング上壁に固定された図示しない第2コンタクトガラスの直下であって、固定読取部151の図中右側方に配設されており、光源や、反射ミラーなどからなる光学系を図中左右方向に移動させることができる。そして、光学系を図中左側から右側に移動させていく過程で、光源から発した光を第2コンタクトガラス上に載置された図示しない原稿で反射させた後、複数の反射ミラーを経由させて、スキャナ本体に固定された画像読取センサ153で受光する。これにより、光学系を移動させながら、原稿を走査する。
プリンタ部1内には、シート材である記録紙Pを搬送するための搬送路が形成されている。そして、プリンタ部1内では、上述した光書込装置2と、4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cと、転写ユニット24との組合せにより、搬送路内を搬送される記録部材たる記録紙Pにトナー像を形成するトナー像形成手段が構成されている。上述した給紙路37は、この搬送路の一部であり、白紙供給装置40から受け取った記録紙Pを、これに対するトナー像形成位置である2次転写ニップの直前まで搬送するための記録前経路となっている。そして、2次転写ニップ以降が、トナー像形成後の記録紙Pを搬送するための記録後経路となっている。この記録後経路は、2次転写ニップと、紙搬送ベルト29の上部張架面と、定着ユニット60内と、カール除去ローラ群34によるニップと、排紙ローラ対35によるニップとを順に辿る経路である。
図5は、プリンタ部1の給紙路37の一部を示す拡大構成図である。給紙路37内においては、記録紙Pが、厚み検知ローラ対70、送込ローラ対38、レジストローラ対33のニップに順次進入する。
図6は、厚み検知ローラ対70の正面図である。
図6に示すように厚み検知ローラ対70は、回転駆動する駆動ローラ71と、回転可能且つ記録紙Pの厚み方向にスライド移動可能に配設された状態でバネ74(図5参照)によって駆動ローラ71に向けて付勢される変位手段たる変位ローラ72との当接によってニップを形成している。駆動ローラ71の軸71cは、軸受71bに回転自在に支持されており、軸71cの図中右側端部には、不図示の駆動装置のギヤと噛み合う駆動ギヤ71aが固定されている。これにより、駆動ローラ71は、不図示の駆動装置から駆動ギヤ71aを介して駆動力が伝達され、回転駆動する。変位ローラ72は、従動ローラであり、記録紙Pの厚み方向にスライド可能な軸受72d,72eに回転自在に支持された軸72aに第一ローラ部材72bと第二ローラ部材72cとが固定されている。第一ローラ部材72bは、記録紙Pの一端と当接するように配置され、第二ローラ部材72cは、記録紙Pの他端と当接するように配置されている。軸受72eには、被検知部材たる磁石75が固定されており、この磁石75と対向するように変位センサたるホールセンサ73が配置されている。磁石75は、着磁方向が変位ローラ72の変位方向と一致するように配設する。なお、ホールセンサ73としては、ホール素子単体からなるものや、ホール素子とアンプ回路とを内蔵したホールICなどを用いることができる。
次に、ホールセンサ73の入出力特性について、説明する。
図7に示すように、ホールセンサ73に対して磁石75を所定のギャップδを維持しつつ図中上下方向に移動させると、ホールセンサ73は、磁束密度に対応した出力が得られる。
図8は、ホールセンサ73として、旭化成エレクトロニクス(株)製HG−106Cを用いたときの測定結果である。HG−106は、ホール素子で、広範な入力範囲に対する出力を把握することができる。なお、磁石75としては、断面が3[mm]で着磁方向の長さが5[mm]、磁束密度が440[mT]のネオジム磁石を用いた。図7に示すように、±1[mm]を越える変位に対しては出力の直線性が低いことがわかる。逆に±1[mm]以内(望ましくは±0.5[mm]以内)の変位であれば、高い直線性が得られる。
図9は、ホールセンサ73として、旭化成エレクトロニクス(株)製EQ−711Lを用いたときの測定結果である。EQ−711Lはアンプを内蔵したリニアホールICであり、図7と図8の比較からHG−106Cの±25[mV]出力範囲がEQ−711Lの0〜5[V]にほぼ対応している。これらの結果から、これらホールセンサ73を使って高い直線性の下に検出可能な変位の範囲は2[mm]以下(望ましくは1[mm]以下)であることがわかる。画像形成装置や画像読取装置で使用される記録紙Pの厚さは0.05〜0.3[mm]程度であるから、上記したホールセンサ73を用いて、変位ローラ72の変位を検出することで、精度のよい厚み検知ができることがわかる。このように変位センサとしてホールセンサ73を用いることで、アームなどにより、変位ローラ72の変位を拡大する機構を用いることなく小型で単純な構成の厚み検出装置を実現できる。
厚み検知ローラ対70のニップに記録紙Pが進入すると、その厚みに応じた分だけ、変位ローラ72がバネ74の付勢力に抗して、駆動ローラ71から遠ざかる方向に移動する。その結果、軸受72dに固定された磁石75も駆動ローラ71から遠ざかる方向へ移動し、ホールセンサ73の出力値が、変位ローラ72の変位量に応じた値に変化する。後述する制御部200(図28参照)には、紙なしのときにおけるホールセンサ73の出力値と、紙有りのときにおけるホールセンサ73の出力値との差分値Vを算出する。後述する情報記憶手段204(図28参照)には、紙厚と上記差分値Vとの関係式が保存されており、制御部200は、関係式と差分値とから、紙厚を検知する。なお、紙なし時におけるホールセンサ73の出力値は、予め測定しておき、情報記憶手段204に記憶しておいてもよい。
このように、本実施形態においては、厚み検知ローラ対70、磁石75、ホールセンサ73などによって、シート材厚み検出装置を構成している。
また、本実施形態においては、ホールセンサ73を用いて、記録紙Pのスキューも検知している。
先の図1で説明したように、記録紙Pにスキューがあったときは、変位ローラ72は、先の図1に示す(a)→(b)→(c)→(d)→(a)、または、(a)→(d)→(c)→(b)→(a)の順に変位する。一方、スキューがない場合は、図1の(a)→(c)→(a)の順に変位ローラ72が変位する。そして、先に説明したように、スキューによって、図1(b)に示すように、記録紙Pの先端が先に第一ローラ部材72bと駆動ローラ71とのニップに進入した場合、磁石75は、駆動ローラ側に変位した後、駆動ローラ71から離れる方向へ移動する。一方、スキューによって図1(d)に示すように、記録紙Pの先端が先に第二ローラ部材72cと駆動ローラ71とのニップに進入した場合、磁石75は、駆動ローラ71から離れる方向へ移動した後、駆動ローラ側へ変位する。一方、スキューがない場合は、磁石75の変位は、駆動ローラ71から離れる方向の変位だけである。このようにスキューがあるときと、ないときとで、磁石75の変位が異なるので、ホールセンサ73の出力波形を調べれば、容易にスキューがあるか否かを把握することができる。
図10乃至図15は、実際にスキューさせた記録紙Pを搬送したときのホールセンサ73の出力について調べた図である。
図10〜図12は、記録紙Pをホールセンサ側にスキューさせたとき(図1に示す(a)→(b)→(c)→(d)→(a)に対応する)のホールセンサ73の出力波形を示す図であり、図11は、記録紙Pの先端がニップに進入したときのホールセンサ73の出力波形を示す図であり、図12は、記録紙Pの後端がニップを抜けるときのホールセンサ73の出力波形を示す図である。
また、図13〜図15は、記録紙Pをホールセンサ側と反対側にスキューさせたとき(図1に示す(a)→(d)→(c)→(b)→(a)に対応する)のホールセンサ73の出力波形を示す図であり、図14は、記録紙Pの先端がニップに進入したときのホールセンサ73の出力波形を示す図であり、図15は、記録紙Pの後端がニップを抜けるときのホールセンサ73の出力波形を示す図である。
なお、ホールセンサ73は、EQ−711Lを用い、記録紙Pは135kg紙を用いた。また、ホールセンサ73は、磁石75が図1(a)よりも駆動ローラ71から離れる方向に変位すると、出力値が減少し、磁石75が図1(a)よりも駆動ローラ71側に変位すると、出力値が増加するようになっている。また、図の横軸の時刻はレジストローラ33の起動を基準としている。
図10、図13において、ホールセンサ73の出力に周期的な変動が生じていることがわかる。これは、変位ローラ72の偏心による変位ローラ72の変位を検出しているためである。ホールセンサ73の出力波形から変位ローラ1回転分の出力を平均すれば変位ローラ72の偏芯による出力変動を除くことができる。
記録紙Pの紙厚は、紙なし状態の出力値と紙有り状態と出力値との差Vを算出し、その差から得ることができる。紙有り状態の出力値は、ホールセンサ73が紙有りを検知(出力値が大幅に低下)してから所定時間経過したときの出力値を用いた。また、紙無し状態のホールセンサ73出力は通紙毎に変動することがなく安定なので、予め定数として取得しておき、通紙の毎に紙なしのときの出力値を取得する必要はない。
図11に示すように、記録紙先端が厚み検知ローラ対70に進入したときのホールセンサ73の出力波形に、プラス方向に変動している部分(リップル)が生じていることがわかる。これは、記録紙Pがホールセンサ側にスキューした状態で厚み検知ローラ対70に進入するため、変位ローラ72は、図1(b)の姿勢をとり、磁石75が駆動ローラ71側へ変位した後、図1(c)のような姿勢をとる。その結果、プラス方向に変動している部分(リップル)が生じるのである。一方、図12に示すように、記録紙Pの後端が厚み検知ローラ対70を抜けるときは、マイナス方向に変動している部分(リップル)が生じていることがわかる。これは、記録紙Pの後端が厚み検知ローラ対70を抜けるとき、変位ローラ72が、図1(d)のような姿勢をとり、磁石75が、図1(c)の位置からさらに駆動ローラ71から離れる方向へ変位するからである。
また、図14に示すように、記録紙Pをホールセンサ73側と反対側にスキューさせたときは、記録紙先端が厚み検知ローラ対70に進入したときのホールセンサ73の出力波形に、マイナス方向に変動している部分(リップル)が生じることがわかる。これは、記録紙Pがホールセンサ側と反対側にスキューした状態で厚み検知ローラ対70に進入するため、変位ローラ72は、図1(d)の姿勢をとり、磁石75が駆動ローラ71から離れる方向へ変位した後、図1(c)のような姿勢をとる。その結果、マイナス方向に変動している部分(リップル)が生じるのである。一方、図15に示すように、記録紙Pの後端が厚み検知ローラ対70を抜けるときは、プラス方向に変動している部分(リップル)が生じていることがわかる。これは、記録紙Pの後端が厚み検知ローラ対70を抜けるとき、変位ローラ72が、図1(b)のような姿勢をとり、磁石75が、図1(a)の位置からさらに駆動ローラ側の位置へ変位するからである。
このように、記録紙先端が厚み検知ローラ対70に進入したときのホールセンサ73の出力波形や記録紙後端が厚み検知ローラ対70を抜けるときのホールセンサ73の出力波形にリップルが生じているか否かを調べれば、スキューが生じているか否かがわかる。また、リップルが生じている時間(遅れ時間)から、スキュー量を把握することができる。また、記録紙先端が厚み検知ローラ対70に進入したときの遅れ時間と、記録紙後端が厚み検知ローラ対70を抜けるときの遅れ時間との差から、厚み検知ローラ対70におけるスキュー発生状態も検知することができる。また、記録紙先端が厚み検知ローラ対70に進入したときのリップルがマイナス方向の変動か、プラス方向の変動かによって、スキューの方向も検知することができる。
また、厚み検知ローラ対70に記録紙Pの先端が進入してから、記録紙Pの後端が抜けるまでの時間から、駆動ローラ71と記録紙Pとのスリップ率を検知することができる。しかし、本実施形態においては、厚み検知ローラ対70に記録紙の先端が進入してから、記録紙Pの後端が抜けるまでの間に搬送停止区間がある。この搬送停止区間の間は、記録紙を駆動ローラ71で搬送しているわけではないので、スリップが生じていない。よって、厚み検知ローラ対70に記録紙Pの先端が進入してから、記録紙Pの後端が抜けるまでの時間t1から搬送停止時間t2を引くことで、駆動ローラ71の駆動によって、厚み検知ローラ対70に記録紙の先端が進入してから、記録紙の後端が抜けるまでの時間を把握することができる。抜けるまでの時間が長くなれば、それだけ駆動ローラ71と記録紙との間でスリップが発生していることになるので、t1−t2から、正確にスリップ率を求めることができる。
本実施形態においては、ホールセンサ73の出力波形を時間微分し、時間微分波形からスキュー量、スキューの方向を検知している。スキュー量は、記録紙の先端が進入してから所定区間の時間微分波形から、ピークの最大値と最小値との間の時間から、求める。ホールセンサ73の出力波形から時間微分波形を求めることで、磁石75の単位時間当たりの移動量がわかる。変位ローラ72のローラ部材に記録紙に乗り上げるときと、記録紙がローラ部材から抜けるときに、磁石75の単位時間あたりの移動量が多くなる。よって、変位ローラ72のローラ部材に記録紙Pに乗り上げるときと、記録紙Pがローラ部材から抜けるときにおいては、時間微分の値が大きくまたは小さくなる。そして、先の説明したように、スキューがあるときは、磁石は、駆動ローラ側へ変位してから駆動ローラから離れる方向へ変位するか、駆動ローラから離れる方向へ変位してから駆動ローラ側へ変位するので、図11、図14に示すように、記録紙の先端が進入してから所定区間の時間微分波形にプラス方向に大きなピークをもつ部分とマイナス方向に大きなピークをもつ部分とが現れる。この大きなピークをもつ地点が、ローラ部材が記録紙に乗り上げるときなので、ピークの最大値と最小値との間の時間(遅れ時間)を検知することで、精度の高いスキュー量を求めることができる。また、最初にプラス方向に大きなピークが現れているか、マイナス方向に大きなピークが現れているかで、スキューの方向も検知することができる。
記録紙の後端が抜けるときも同様に、スキューがあるときは、プラス方向に大きなピークとマイナス方向に大きなピークが現れるので、ピークの最大値と最小値との間の時間(遅れ時間)を検知することで、後端においても、精度の高いスキュー量を算出することができる。
なお、図11に示すように、時間微分波形を見ると、最大ピーク値の絶対値よりも最小ピーク値の絶対値の方が大きい。これは、マイナス方向の変動は、変位ローラ72の図1の(b)から図1(c)への変位であり、ホールセンサ73から遠い方のローラ部材を支点とした変位であるため、磁石75の単位時間あたりの変位量が大きくなるためだと考えられる。
また、記録紙Pの角部が折れ曲がった所謂耳折れも検知することができる。耳折れが生じてした場合は、記録紙Pの先端が進入したとき、変位ローラ72が大きく変位する。そして、耳折れ箇所が抜けたときも変動が現れる。よって、時間微分波形上のピークを検出すれば、耳折れが発生していることを検出することができる。
図16は、スキュー検出のフロー図である。
まず、制御部は、ホールセンサ73の出力データを取得(S1)して、出力データから時間微分を算出する(S2)。次に、記録紙Pの先端が進入してから所定区間(以下、用紙先端検出部という)における時間微分波形を抽出(S3)し、最大ピークΔV1とそのときの時刻X1、最小ピークΔV2とそのときの時刻X2を抽出して記憶する(S4)。次に、最初のピーク値が最大ピーク値ΔV1のとき(S5のY)は、最大ピーク値ΔV1がスキュー検出の閾値αを超えているか否かを判定する(S6)。一方、最初の最初のピーク値が最小ピーク値ΔV2のとき(S5のN)は、最小ピーク値ΔV2がスキュー検出の閾値βを超えているか否かを判定する(S7)。閾値が異なるのは、検出感度が異なるためである。すなわち、図11、図14からわかるように、最初のピーク値が最小ピーク値ΔV2(図14参照)の方が、最初ピーク値が最大ピーク値ΔV1(図11参照)のときよりも値が大きい。これは、最初のピーク値が最小ピーク値ΔV2のときは、図1の(a)→図1(d)の挙動であり、センサ側のローラ部材が変位するからである。
そして、最大ピーク値ΔV1がスキュー検出の閾値αを超えている場合(S6のY)や、最小ピーク値ΔV2が閾値β未満のとき(S7のY)はスキューが発生していると判断し、抽出した時刻X1,X2から、遅れ時間(Δt)を算出する(S8)。次に、以下に示す式より、スキュー量を算出する(S10)。
s=v×Δt×(W/L)・・・・(式)
v:駆動ローラの周速 W:用紙幅 L:ローラ部材間距離
以上のようにして、算出したスキュー量sが予め設定された閾値を超えていたら、以後の画像形成動作を停止すれば、資源や時間の損失を抑制することができる。
図17は、スキュー検出の別のフローである。
このフローでは、先端スキューと後端スキューの両方のスキューを検出し、先端スキュー量と後端スキュー量とを比較して、厚み検知ローラ対70でのスキュー発生状態も検知するものである。
まず、図16と同様にして、スキューの有無を判定し、スキューが有りと判定した場合は、先端スキュー量sを算出する(S21〜S29)。次に、記録紙の後端が抜ける数秒前から抜けるまでの所定区間(以下、用紙後端検出部という)における時間微分波形を抽出して、最大ピーク値ΔV3と時刻X3、最小ピーク値ΔV4とその時刻X4を抽出する。そして、最初のピーク値が、最小のピーク値ΔV4の場合は、最小ピーク値ΔV4が、閾値−α未満であれば、後端スキューありと判定する。一方、最初のピーク値が最大のピーク値ΔV3である場合は、最大ピーク値ΔV3が、閾値−βを越えたら、後端スキューありと判定する。閾値の符号を反転させているのは、図12、図15からわかるように、最初のピーク値が最大ピーク値(図15参照)の方が、最初ピーク値が最小ピーク値(図12参照)のときよりも値が大きい。これは、最初のピーク値が最大ピーク値のときは、図1の(c)→図1の(d)の挙動であり、センサ側のローラ部材72cが変位するからである。
そして、後端スキューありと判定した場合は、遅れ時間を算出し、上記と同様にして後端スキュー量s´を算出し、先端スキュー量sと後端スキュー量s´とからスキュー量変化Δs=s−s’を求める。
スキュー量変化Δs、上記したスリップ率などを時系列に記憶し、その変化を追跡することによって、厚み検知ローラ対70の搬送力(摩擦力)低下を予測することが可能となり、寿命が来る前に、厚み検知ローラ対70の交換を報知したりすることができる。
次に、厚み検知装置の変形例について説明する。
[変形例1]
記録紙Pがホールセンサ73側と反対側にスキューした方が、記録紙Pがホールセンサ73側にスキューした場合に比べて、用紙先端および後端検出部の時間微分波形における最初のピーク値が大きくなる。そのため、用紙先端および後端検出部の時間微分波形における最初のピーク値からスキューの有無を判定する場合、記録紙がホールセンサ側にスキューした場合に比べて、記録紙Pがホールセンサ73側と反対側にスキューした方が、スキューの検出感度が高くなり、記録紙のスキュー方向によって、スキューの検出感度が異なってしまう。
そこで、変形例1においては、図18に示すように、もう一方の軸受72d(図中右側)にも磁石75−2を取り付け、この磁石75−2に第2変位センサたる第2ホールセンサ73−2を配置し、変位ローラ72のもう一方の端部の変位を第2ホールセンサ73−2で検知するようにしてもよい。これにより、記録紙Pがどちらにスキューしても図中左右どちらかのホールセンサが、図13(あるいは図10)と同様な出力波形が得られる。これにより、同一の閾値(αまたはβ)によってスキュー発生を判別できるので、スキュー検出感度をスキュー方向によらず安定にすることができる。
[変形例2]
図19は、変形例2の厚み検知装置の概略構成図である。
図に示すように、この厚み検知装置は、変位手段を、記録紙Pの一端に当接する第1小径ローラ721aと、記録紙Pの他端に当接する第2小径ローラ721bとからなる小径ローラ対と、小径ローラ対を回転自在に取り付けた支持アーム722とで構成した。支持アーム722を厚み方向に変位可能に支持するとももに、支持アーム722を不図示のバネなどの付勢手段によって駆動ローラ71側へ付勢し、第1小径ローラ721aと第2小径ローラ721bとを駆動ローラ71に当接させた。支持アーム722の軸方向端部(図中左側)には、磁石75が取り付けられ、この磁石75にホールセンサ73を対向配置させた。また、小径ローラ721a、721bと駆動ローラ71とのニップ部では、十分な搬送力を確保できないため、小径ローラ721a、721bと同軸上に従動ローラ170を設けている(図21参照)。なお、小径ローラ721と駆動ローラ71とで、十分な搬送力が得られる場合は、従動ローラ170は、設けなくてもよい。
小径ローラ721a、721bの幅は、できるだけ狭くし、かつ、できるだけ記録紙の端に配設することが好ましい。このように構成することで、スキューがあったときの一方の小径ローラと駆動ローラ71とのニップ部に記録紙の先端が進入してから、他方の小径ローラと駆動ローラ71とのニップ部に記録紙先端が進入するまでの時間を長くすることができる。よって、スキューによって生じる遅れ時間の検出感度を大きくとることができる。
このように、変位手段のローラを小径にすることによって、次の効果を得ることができる。
(1)記録紙先端がローラに接触してからローラが完全に記録紙を挟持するまでの過渡状態を短くでき、応答性が向上する。
(2)1回転周期が短いので、センサ出力波形に現れる変動周期が短く、他の周期変動との分離が容易となる。
(3)一般に、安価で高精度な部品を製作し易い。
また、図20に示すように変位手段を複数設け、各変位手段72,72´の小径ローラ対の駆動ローラ71との当接箇所を互いに異ならせて配置してもよい。幅の狭い記録紙の場合は、第2の変位手段72´が変位し、第2の変位手段72´の変位量から、幅の狭い記録紙のスキュー、耳折れ、幅の狭い記録紙に対する駆動ローラ71のスリップ率を検知する。一方、幅の広い記録紙に対しては、第1の変位手段72の変位量から、記録紙のスキュー、耳折れ、幅の狭い記録紙に対する駆動ローラ71のスリップ率などをする。なお、この場合、変位センサとしてホールセンサ73のような磁気センサを用いた場合、変位センサ同士の距離が近いと、それぞれの支持アーム722,722´に取り付けた磁石75,75´の磁界の影響を受ける。このため、ホールセンサが、検知対象以外の磁石の影響を受けないように、ホールセンサ73,73´同士をある程度離して配置する。
[変形例3]
図22は、変形例3の厚み検知装置の概略構成図である。この変形例3においては、厚み検知ローラ対33をレジストローラ対と兼用させたものである。
図22に示すように、変位手段レジスト従動ローラ33bが、アーム状の軸受部材33cに回転自在に支持されている。軸受部材33cは、記録紙移動方向と反対側(図中右側)に延びた水平部分331と、水平部分331の記録紙移動方向と反対側端部から図中下側に真直ぐ延びる垂直部分332とからなっている。水平部分331の記録紙移動方向と反対側端部は、不図示の側壁に回動自在に支持されている。垂直部分332の下端部には、加圧スプリング33dの一端が取り付けられ、垂直部分332の下端を図中左側へ付勢している。これにより、軸受部材33cが、反時計回りに付勢せれ、レジスト従動ローラ33bがレジスト駆動ローラ33aに対して所定の当接圧で当接する。軸受部材33cの水平部分331の記録紙搬送方向側端部には、磁石75が取り付けられており、この磁石75にホールセンサ73が対向している。
厚み検知ローラ対をレジストローラ対33と兼用させることにより、記録紙の厚みのほかに、記録紙Pの特性情報たる記録紙の剛性を検知することができる。送込ローラ対38から搬送されてきた記録紙Pは、レジストローラ対33のニップに当接する。このとき、レジストローラ対33のレジスト駆動ローラ33aは停止しているので、記録紙Pの先端は、ニップ部に進入することなく、レジストローラ対33に突き当る。送込ローラ対38は、記録紙Pの先端がレジストローラ対33のニップ部に突き当ってから、所定期間駆動してから停止する。その結果、図23に示すように、レジストローラ対33と送込ローラ対との間の記録紙が、上ガイド板G1側に撓んだ状態となる。
このとき、記録紙の復元力P2(記録紙の腰)により、図23に示すように記録紙Pの先端が加圧スプリング33dの付勢力P1に抗ってレジスト従動ローラ33bをレジスト駆動ローラ33aから離間する方向へ押し上げる。
図24は、レジストローラ対33を記録紙が通過するときのホールセンサ73の出力波形である。なお、記録紙としては、135kg紙を用いた。図の横軸の時刻は、レジスト駆動ローラ33aの起動を基準としている。なお、ホールセンサ73は、駆動ローラ33aから離間する方向にレジスト従動ローラ33b(磁石75)が変位すると、ホールセンサ73の出力が減少するようになっている。
図に示すように、記録紙Pがレジストローラ対33へ進入した直後におけるセンサの出力値が、記録紙がレジストローラ対33を抜けるときの出力値よりも低いことがわかる。すなわち、記録紙がレジストローラ対33へ進入した直後の方が、記録紙がレジストローラ対33を抜けるときよりもレジスト従動ローラ33bがレジスト駆動ローラ33aから離間している。図中Aの区間では、ホールセンサ73の出力値が徐々に上昇しており、レジスト従動ローラ33bが徐々にレジスト駆動ローラ33a側へ移動している。そして、記録紙Pの後端付近がレジストローラ対33のニップ部に挟まれながら搬送されているとき(図中Bの区間)は、センサ73の出力値は、ほぼ一定の値を示している。
これは、記録紙Pの先端がレジストローラ対33のニップに進入したとき、記録紙Pは、大きく撓んでいるため、記録紙Pの腰により、レジスト従動ローラ33bがレジスト駆動ローラ33aから離間させる方向に記録紙Pの厚みよりよりも僅かに大きく変位している。そして、搬送していくにつれて、撓みが減少していき、記録紙Pのレジスト従動ローラ33bをレジスト駆動ローラ33aから離間させる方向の力が弱まる。このため、レジスト従動ローラ33bが徐々にレジスト駆動ローラ33a側に近づき、図中Aの区間が示すように、センサの出力値が徐々に上昇したと考えられる。そして、記録紙Pの後端付近がレジストローラ対33のニップ部にあるときは、記録紙の撓みがなくなっているので、記録紙Pからレジスト従動ローラ33bを離間させるような力がレジスト従動ローラ33bに働かなくなり、図中Bの区間のように、センサの出力値が一定となり、レジスト従動ローラ33bの変位が記録紙の厚み相当分の変位となる。
記録紙の腰(剛性)が強ければ、レジスト従動ローラ33bをレジスト駆動ローラ33aから離間させる力が大きくなり、記録紙の先端付近がレジストローラ対33のニップを通過しているときにおけるレジスト従動ローラ33bの変位が大きくなり、ホールセンサ73の出力値の値が小さくなる。そこで、この変形例3においては、レジスト駆動ローラ33aが駆動してから時刻t1時のホールセンサ73の出力値A1と、時刻t2時のホールセンサ73の出力値B1を抽出して、B1とA1の差分値ΔVを算出し、この差分値ΔVに基づいて、記録紙の剛性を検知している。また、記録紙Pの厚みは、記録紙からレジスト従動ローラ33bをレジスト駆動ローラ33aから離間させるような力がレジスト従動ローラ33bに働かなくなり、図中Bの区間のセンサの出力値B1に基づいて、求める。
図25は、記録紙の曲げこわさとセンサの出力差ΔVとの関係を示した図である。図に示すように、記録紙の曲げこわさとセンサの出力差ΔVとの間に良好な対応関係を認めることができる。よって、センサの出力差ΔVに基づいて、良好に記録紙の剛性を検知することができる。なお、センサの出力差ΔVを用いているが、時刻t1時のホールセンサ73の出力値A1に基づいて、記録紙の剛性を検知してもよい。また、レジスト駆動ローラ33a駆動直前のセンサ出力値と、記録紙がレジストローラ対通過後のセンサ出力値との差から記録紙の剛性を検知してもよい。
また、記録紙の剛性の検知は、レジストローラ対33以外にも、レジストローラ対よりもひとつ記録紙搬送方向上流側の送込ローラ対38でも検知することができる。
図26は、送込ローラ対38を厚み検知ローラ対に変えたときにおける、ホールセンサ73の出力波形を示す図である。
図に示すように、送込ローラ対38を厚み検知ローラ対とした場合は、先のレジストローラ対33の出力波形と逆になる。すなわち、記録紙の先端部付近がニップに挟まれて搬送されているとき、ホールセンサ73は、記録紙の厚み相当分の送込従動ローラ38bの変位を出力し、ほぼ一定の値を示す。その後、出力値が低下していくという波形である。これは、記録紙の先端部付近が送込ローラ対38のニップに挟まれて搬送されているときは、記録紙の先端がまだレジストローラ対33のニップ入口に突き当っていない。このため、送込従動ローラ38bは、記録紙の厚み相当分変位し、ホールセンサ73の出力値が、記録紙Pの厚みに相当する出力値で安定する。記録紙の先端がレジストローラ対33のニップ入口に突き当ると、レジストローラ対33と送込ローラ対38との間の記録紙が撓んでいき、送込従動ローラ38bが、記録紙の腰(剛性)により、送込駆動ローラ38aから徐々に離間する方向へ変位する。このため、記録紙の後端部付近がニップに挟まれて搬送されているときは、ホールセンサ73の出力が減少していく。よって、この場合もレジストローラ対33のときと同様、出力値が安定しているときの時刻t3のセンサの出力値と、送込駆動ローラ停止直前のセンサの出力値との差ΔVを算出することで、先の図25と同様な関係を求めることができ、センサ出力の差ΔVから、記録紙の剛性を検知することができる。
剛性(腰)が弱い記録紙は、定着ローラに巻付きやすいため、巻付き抑制の制御を行う。例えば、分離爪を定着ローラに当接させるなどの制御である。一方、剛性の強い記録紙の場合は、分離爪を定着ローラに当接させなくても、定着ローラから分離するので、分離爪を定着ローラから離間させる。センサ出力差ΔVから算出した記録紙の剛性情報に基づいて、分離爪の接離制御を行うことで、定着ローラへの記録紙の巻付きを抑制できるとともに、定着ローラに常に分離爪が当接しているものに比べて、定着ローラの寿命を延ばすことができる。
ところで、先の図8、図9に示すように、ホールセンサ73は、磁石75とのギャップによってセンサ出力と磁石75の変位との関係が変動することがわかる。
図27は、ホールセンサ73の出力のギャップ依存性について示したグラフである。図に示すように、変位が大きくなるにつれて、ギャップδによる変動が大きくなることがわかる。これは、変位を記録紙の厚みに置き換えれば、厚紙ほどギャップによる変動が大きく、検出誤差が大きいことを意味する。ホールセンサ73の組み込み時の磁石75とのギャップ調整はある程度可能ではあるが、ホールセンサ73や磁石75のばらつきを考慮すると、変位(紙厚)とセンサの出力との関係(以下、入出力特性という)は、個別に調整する必要がある。また、ホールセンサ73や厚み検知ローラ対70などを交換した場合などのときは、ホールセンサ73の特性や変位ローラ72に固定されている磁石75にばらつきが生じるので、入出力特性の調整が必要である。
ホールセンサ73などを交換したとき、サービスマンがホールセンサ73の入出力調整用の専用シートを搬送して、そのときのホールセンサ73の出力値に基づいて、調整することが考えられる。しかしながら、サービスマンが専用シートを携行するのを忘れた場合、調整を行うことができないという不具合が生じてしまう。そこで、本実施形態の複写機においては、このような専用のシート材を用いずとも、ユーザーが使用している記録紙を用いて、ホールセンサ73の入出力特性の調整を行えるように構成している。具体的には、ユーザーが使用している記録紙の銘柄情報などから、その記録紙の厚み情報を取得し、取得した厚み情報と、ユーザーが使用している記録紙を通紙して得られたホールセンサの出力情報に基づいて、ホールセンサ73の入出力特性を調整するのである。
図28は、複写機の電気回路の一部を示すブロック図である。同図において、制御部200は、装置全体の制御を司るものであり、様々な機器やセンサが接続されているが、同図では、本複写機の特徴点に関連する機器やセンサだけを示している。制御部200は、CPU、ROM、RAMなどで構成され、ハードウェア上で所定のプログラムを実行することにより、各手段の機能を実現している。
図28に示すように、本複写機100は、通信装置201を備えており、通信ネットワークなどの通信回線を経由して、メーカのデータベースサーバ301と接続可能となっている。この通信装置201を介して、データベースサーバ301から、後述する入出力特性の調整に用いる紙厚情報を取得する。すなわち、制御部200および通信装置201が、取得手段として機能する。
複写機100は、ハードディスクなどの情報記憶手段204を有し、スキュー変化率、スリップ率などを時系列に記憶している。また、記録紙と紙厚情報とが記憶されている。
また、複写機100には、SDメモリなどの書き換え可能な外部記憶媒体としてのメモリーカード302を着脱可能にするための外部記憶媒体着脱部としてのメモリーカードドライブ装置203を有している。複写機100が、データベースサーバ301と接続不可能な場所などに設置されている場合は、上記メモリーカード302を介して紙厚情報を取得する。具体的に説明すると、後述する方法で使用する記録紙の情報を取得したら、この取得した記録紙の種類情報をメモリーカード302に記憶する。記録紙の種類情報が記憶されたメモリーカード302をメモリーカードドライブ装置203から抜き取り、データベースサーバ301にアクセス可能なパーソナルコンピュータなどの通信端末に設けられたメモリーカードドライブ装置に差し込む。通信端末は、メモリーカード302から記録紙の種類情報を読み込んで、データベースサーバ301にアクセスしてデータベースサーバ301から、入出力特性の調整に用いる記録紙の紙厚情報を受信する。通信端末は受信した紙厚情報をメモリーカード302に記憶する。紙厚情報が記憶されたら、通信端末から、メモリーカード302を抜き取って、複写機100のメモリーカードドライブ装置203に差し込む。制御部200は、メモリーカード302が差し込まれたら、メモリーカード302から、紙厚情報を読み出して、情報記憶手段204に記憶する。すなわち、制御部200およびメモリーカードドライブ装置203も、取得手段としての機能を有している。
これにより、複写機100が、データベースサーバ301と接続不可能な場所などに設置されていても、データベースサーバ301から入出力特性の調整に用いる記録紙の紙厚情報を取得することができる。
また、複写機100は、環境条件検知手段たる温湿度センサ202を備えている。そして、温湿度センサ202が検知した環境条件(温度または湿度)に基づいて、現像バイアス、転写バイアス、帯電バイアス、定着条件などの画像形成条件を設定する。
また、制御部200には、ホールセンサ73が接続されており、ホールセンサ73からの出力波形に基づいて、記録紙の厚みを検知したり、時間微分波形を演算したり、スキュー判定をしたり、スキュー量を算出したり、スリップ率を算出したりしている。また、制御部200は、算出したスキュー量に基づいて、プリンタ部1の動作を停止する制御を行っている。また、検知した記録紙の厚み情報、シート材の剛性情報に基づいて、転写バイアス、定着条件などの画像形成条件を設定している。また、制御部200は、ホールセンサの出力波形から算出した記録紙の剛性情報に基づいて分離爪の定着ローラに対する接離動作を制御している。また、制御部200は、情報記憶手段204時系列に記憶されたスキュー量変化Δs、スリップ率などから、厚み検知ローラ対70の搬送力(摩擦力)低下を予測する。そして、予測結果に基づいて、厚み検知ローラ対70の交換が必要な旨を、操作表示部205に表示するなどして報知する。すなわち、制御部200が、寿命予測手段として機能し、制御部200や操作表示部205などが、報知手段として機能している。
次に、使用される記録紙の種類の取得について説明する。
図29(a)に示すように、記録紙を所定枚数包装した包装紙には、記録紙の種類に関する情報が記載されたラベルが貼り付けられている。ラベルには、図29(b)に示すように、(1)商品名、(2)サイズ、(3)枚数、(4)管理コード、(5)裁断方向(抄き目)が記載されている。また、上記の他に坪量なども記載されているものもある。また、図では、管理コードは、一次元コードのバーコードであるが、2次元コードQRコードなどの場合もある。
ユーザーが使用している記録紙を用いて、ホールセンサ73の入出力特性の調整について、図30〜図33を用いて説明する。
図30のフローチャートに示すように、ユーザーがスキャナ150の原稿読取面にラベルをセットして、読取開始を指示して、ラベルを読み取る(S1a)。なお、スキャナ部を備えていない画像形成装置においては、外部装置(イメージスキャナ、バーコードリーダ、ハンディスキャナ、カメラ付携帯)を使用して、ラベルを読み取る。情報記憶手段204には、記録紙の種類毎のラベル画像が記憶されており、読み取ったラベル画像を、制御部200は、情報記憶手段204に記憶されているラベル画像とパターンマッチングして、記録紙の種類を特定する(S2a)。
また、図31に示すように、制御部200は、読み取ったラベル画像をOCR(Optical Character Reader)処理して(S2b)、読み取ったラベル画像から文字(テキスト)情報を抽出する。制御部200は、この抽出したテキスト情報を解読して(S3b)、記録紙の銘柄などを特定して、記録紙の種類を取得してもよい。
さらに、図32に示すように、制御部200は、読み取ったラベル画像から、バーコードやQRコードなどのコードが表示されているコード表示領域を抽出する(S2c)。そして、制御部200は、抽出したコードを変換して(S3c)、情報を取得することで、記録紙の種類を取得してもよい。
図33に示すように、図30〜図32に示すような方法で、記録紙の種類(銘柄)が特定できなかった場合(S4のNO)は、銘柄名や、商品番号、バーコードの下に記載されている数値コードなどを操作表示部205で入力して、記録紙の種類を特定する。なお、S1〜S5までの処理(記録紙の種類情報の取得)は、画像形成装置内で処理を行わなくてもよい。例えば、パーソナルコンピュータなどの外部装置でS1〜S5までの処理を実行して、記録紙の種類情報を複写機100に送信するようにしてもよい。
このようにして、記録紙の種類が取得されたら、取得した記録紙の銘柄、用紙サイズなどの記録紙の種類情報から紙厚データを取得する(S6)。具体的には、通信装置201でデータベースサーバ301に記録紙の種類情報と紙厚データ取得要求を送信し、データベースサーバ301から、この記録紙の種類情報に合致した紙厚データを取得する。また、複写機が、データベースサーバ301と通信不能なときは、上述したように、メモリーカード302を介して紙厚情報を取得する。
次に、制御部200は、入出力特性の調整に用いる記録紙がセットする給紙段を設定(S7)し、複写機が置かれている環境条件(温湿度条件)や用紙サイズ情報を取得する(S8)。次に、当該記録紙を通紙してホールセンサの出力波形(センサデータ)を取得する(S9)。取得したホールセンサの出力波形に基づいて、記録紙の厚み情報であるセンサ出力差(紙なし時のセンサ出力−紙有り時のセンサ出力)を算出し、算出したセンサ出力差と、データベースサーバ301から取得した記録紙の厚み情報とから、入出力特性の調整を行う(S10)。
具体的には、図34に示すように、センサ出力差と紙厚とは、原点を通る一次関数で表すことができる。すなわち、センサ出力差をV、紙厚をTとしたとき、入出力特性は、V=aTと表すことができるのである。そして、今回算出したセンサ出力差と、データベースサーバ301から取得した記録紙の紙厚情報から、傾きaを新たに算出して、傾きaを更新するのである。
一般的には紙厚のばらつきは厚紙の方が相対的に小さいので、原点から遠くに位置する厚紙を入出力特性の調整に使用する方が高精度な調整が可能であり、好ましい。
これまで、電子写真方式によってトナー像を形成する複写機の例について説明してきたが、直接記録方式によってトナー像を形成する画像形成装置にも、本発明の適用が可能である。直接記録方式とは、例えば、特開2002−307737号公報に記載の画像形成装置のように、潜像担持体によらず、トナー飛翔装置から飛翔させたトナー群を記録体に直接付着させてトナー像を形成する方式である。
また、複写機の記録紙装置に本発明を適用した例について説明したが、原稿搬送装置たるADF51に本発明を適用することもできる。
以上、本実施形態のシート材厚み検出装置によれば、シート材たる記録紙搬送方向に回転駆動する駆動ローラ71と、駆動ローラに当接してニップ部を形成し、記録紙の厚み方向に変位する変位手段たる変位ローラ72と、変位ローラ72のシート材厚み方向の変位を検知する変位センサたるホールセンサ73とを備え、ホールセンサ73の出力信号に基づいてニップ部に搬送された記録紙の厚みを検知する。そして、ホールセンサ73は、変位ローラ72の軸方向一端の変位を検知し、ホールセンサ73の出力信号に基づいて、記録紙のスキュー情報、記録紙の特性たる記録紙の剛性、記録紙の状態たる耳折れ、記録紙と駆動ローラ71とのスリップ率のうちの少なくともひとつを検知する。これにより、厚み検出装置とは別に、記録紙のスキュー情報、記録紙の特性たる記録紙の剛性、記録紙の状態たる耳折れ、記録紙と駆動ローラ71とのスリップ率などを検知する装置を設ける必要がない。よって、この厚み検知装置を搭載することによって、装置を安価にすることができる。また、一つのホールセンサで、記録材の厚みのほかに、記録材のスキュー情報、記録材の剛性、耳折れ、スリップ率のうちの少なくともひとつを検知することができるので、複数のホールセンサを用いて検知するものに比べて、装置を安価にすることができる
また、スキュー情報が、記録紙のスキュー量であり、記録紙の先端ニップ部に突入したときのホールセンサ73の出力波形または記録紙の後端がニップ部を抜けるときのホールセンサの出力波形に基づいて、記録紙のスキュー量を検知する。先の図11,図12、図14,図15に示したように、スキューが生じているときは、記録紙の先端がニップ部に突入したときや後端がニップ部を抜けるときにプラス方向に変動している部分やマイナスに変動している部分が出力波形に生じる。よって、プラス方向に変動している部分やマイナスに変動している部分があるか否かを調べるおとで、スキューが発生しているか否かを検知することができる。また、マイナスに変動しているか、プラスに変動しているかで、スキューの方向を検知することができる。また、変動の長さから、スキュー量も検知することができる。
また、記録紙の先端がニップ部に突入したときに検知したスキュー量と、記録紙の後端がニップ部を抜けたときに検知したスキュー量とに基づいて、記録紙搬送中におけるスキュー量の変化を検知する。スキュー量の変化を検知することで、厚み検知ローラ対におけるスキュー発生状況を知ることができる。厚み検知ローラ対の交換を適切な時期に行なうことができる。
また、変位ローラの軸方向他端の変位を検知する第2変位センサたる第2ホールセンサを設け、記録紙が一方向にスキューしたときは、ホールセンサの出力波形を用いてスキュー量を検知し、他方向にスキューしたときは、第2ホールセンサの出力波形を用いてスキュー量を検知する。これにより、スキューの方向によらず、スキュー量の検知を、プラス変動の出力波形またはマイナス変動の出力波形から算出することができる。これにより、スキュー量を検出するときの感度をスキューの方向によらず安定することができる。
また、記録紙の先端がニップ部に突入または記録紙の後端がニップ部を抜けるときのホールセンサの出力値と、記録紙の中央部がニップ部に挟まれたときのホールセンサの出力値とに基づき、記録紙の耳折れを検知する。耳折れの部分は、記録紙の厚みが2倍なので、変動が大きい。よって記録紙の中央部の出力値と端部の出力値とを比べて、所定値以上端部の出力値が大きければ、耳折れと検知することができる。
また、記録紙の搬送方向上流側または下流側で記録紙を撓ませた状態で記録紙を搬送したときのホールセンサの出力値に基づいて、記録紙の剛性を検知する。記録紙の搬送方向上流側または下流側で記録紙を撓ませることによって、記録紙の剛性により、変位ローラを駆動ローラから離間させるような力が生じる。記録紙の剛性が強ければ強いほど、変位ローラを駆動ローラから離間させる力が強くなるので、それだけ変位ローラの変位量も大きくなる。よって、記録紙の搬送方向上流側または下流側で記録紙を撓ませた状態で記録紙を搬送したときのホールセンサの出力値に基づいて、記録紙の剛性を検知することができる。
また、ホールセンサの校正を行うための記録紙の厚み情報を取得する取得手段と、
校正を行うための記録紙をニップ部に挟んだときのホールセンサの出力値と、取得手段で取得した厚み情報とに基づいて、ホールセンサの出力値と記録紙の厚みとの関係を補正する。このようにホールセンサの構成を行なうための記録紙の厚み情報を取得する取得手段を有しているので、ユーザーが使用している記録紙を校正を行うための記録紙として用いることができる。よって、ホールセンサの校正を行うための予め決められたセンサ校正用のシート材を携行しなくてもよくなる。その結果、サービスマン意外の一般ユーザーでもホールセンサの校正を行うことができ、精度の高い紙厚検知を行なうことができる。
変位センサとして、ホールセンサを用いることで、記録紙の厚み1[mm]以下の検出範囲で直線性のよいセンサを用いることが可能となり、変位センサの変位を拡大するための機構が不要なる。これにより、厚み検知装置を駆動ローラと、変位ローラと磁石とホールセンサという簡単な構成にすることができる。また、一般的にホールセンサは、磁石を含めても安価であり、厚さ検知装置を安価にすることができる。また、ホールセンサを用いることで、変位データとして連続したアナログ出力を取得することができ、光位置センサ(PSD:Position Sensitive Detector)のような基本的にパルス動作となるもののように、データ欠落がなく、高速の変位現象に対応することができる。
また、変位手段とホールセンサとからなる検知ユニットを複数を備え各変位手段は、それぞれ駆動ローラの記録紙幅方向中心に対してそれぞれ同距離離れた位置で当接する一対の当接部材たる小径ローラを有し、各変位手段の小径ローラの駆動ローラとの当接箇所を記録紙幅方向に互いに異ならせた。これにより、様々な幅の記録紙に対して、紙厚、スキュー、スリップ率、記録紙の剛性、耳折れを検出することができる。また、記録紙のサイズ毎に端部の位置に小径ローラを配置することが可能になり、スキューの検出感度を向上させることができる。
時系列に記憶したスキュー情報および/またはスリップ率から、部品劣化に伴う記録紙の挙動変化を早期に検出することができる。これにより、搬送手段たる搬送ローラ対の寿命を予測することができ、予測に基づいて、不具合が発生する前に搬送ローラ対の交換を報知することができる。これにより、不具合が多発する前の適切な時期に部品の交換を行なうことができ、装置の安定稼動に繋がる。
また、制御手段たる制御部200は、記録紙厚み検出装置が検出した記録紙の厚みと、記録紙のスキュー情報、記録紙のスリップ率、記録紙の剛性または耳折れの少なくともとも一つとに基づいて、画像形成手段たるプリンタ部1を制御する。これにより、適切な画像条件で画像形成を行うことができたり、トラブルが発生する前に画像形成動作を止めたり、トラブルが発生しないような処理を実行したりすることができる。これにより、高品位な画像を得ることができることが可能となる。また、資源の無駄などを回避することができる。
1:プリンタ部
33:レジストローラ対
38:送込ローラ対
70:厚み検知ローラ対
71:駆動ローラ
72:変位ローラ(変位手段)
73:ホールセンサ(変位センサ)
75:磁石(被検知部材)
100:複写機
170:従動ローラ
200:制御部
301:データベースサーバ
721a:第1小径ローラ
721b:第2小径ローラ
722:支持アーム
特開2008−254855号公報 特公平7−49951号公報

Claims (13)

  1. シート材搬送方向に回転駆動する駆動ローラと、
    前記駆動ローラに当接してニップ部を形成し、シート材の厚み方向に変位する変位手段と、
    前記変位手段のシート材厚み方向の変位を検知する変位センサとを備え、
    変位センサの出力信号に基づいて前記ニップ部に搬送されたシート材の厚みを検知するシート材厚み検出装置において、
    前記変位手段は、ニップ部に進入したシート材の幅方向中心を境にして、ニップ部に進入したシート材の一方側に当接する第一部材と、ニップ部に進入したシート材の他方側に当接する第二部材と、前記第一部材と前記第二部材とが取り付けられ、前記シート材搬送方向回りに回転可能な軸とを備え、
    前記変位センサは、変位手段の前記軸の軸方向一端の前記シート材厚み方向の変位を直接検知するものであり、
    ひとつの変位センサの出力信号に基づいて、シート材の厚みを検出するとともに、ひとつの変位センサの出力波形に基づいて、シート材のスキューの情報、シート材の剛性、シート材の耳折れ、シート材と前記駆動ローラとのスリップ率のうちの少なくともひとつを検知することを特徴とするシート材厚み検出装置。
  2. 請求項1のシート材厚み検出装置において、
    前記シート材の先端が前記ニップ部に突入したときの前記変位センサの出力波形または前記シート材の後端が前記ニップ部を抜けるときの前記変位センサの出力波形に基づいて、前記シート材のスキュー情報を検知することを特徴とするシート材厚み検出装置。
  3. 請求項2のシート材厚み検出装置において、
    前記シート材の先端が前記ニップ部に突入したときに検知したスキュー量と、前記シート材の後端が前記ニップ部を抜けるときに検知したスキュー量とに基づいて、シート材搬送中におけるスキュー量の変化を検知することを特徴とするシート材厚み検出装置。
  4. 請求項1乃至3いずれかのシート材厚み検出装置において、
    前記変位手段の軸方向他端の変位を検知する第2変位センサを設け、
    シート材が一方向にスキューしたときは、前記変位センサの出力波形を用いてスキュー量を検知し、他方向にスキューしたときは、第2変位センサの出力波形を用いてスキュー量を検知することを特徴とするシート材厚み検出装置。
  5. 請求項1乃至4いずれかのシート材厚み検出装置において、
    前記シート材の先端が前記ニップ部に突入または前記シート材の後端が前記ニップ部を抜けるときの変位センサの出力値と、前記シート材の中央部がニップ部に挟まれたときの変位センサの出力値とに基づき、シート材の耳折れを検知することを特徴とするシート材厚み検出装置。
  6. 請求項1乃至5いずれかのシート材厚み検出装置において、
    前記シート材の搬送方向上流側または下流側でシート材を撓ませた状態でシート材を搬送したときの前記変位センサの出力値に基づいて、前記シート材の剛性を検知することを特徴とするシート材厚み検出装置。
  7. 請求項1乃至6いずれかのシート材厚み検出装置において、
    前記変位センサの調整を行うためのシート材の厚み情報を取得する取得手段と、
    前記調整を行うためのシート材を前記ニップ部に挟んだときの前記変位センサの出力値と、前記取得手段で取得した厚み情報とに基づいて、変位センサの出力値とシート材の厚みとの関係を補正する補正手段とを備えたことを特徴とするシート材厚み検出装置。
  8. 請求項1乃至7いずれかのシート材厚み検出装置において、
    前記変位センサとして、ホールセンサを用いたことを特徴とするシート材厚み検出装置。
  9. 請求項1乃至8いずれかのシート材厚み検出装置において、
    前記変位手段と変位センサとからなる検知ユニットを複数を備え
    各変位手段は、それぞれ前記駆動ローラのシート材幅方向中心に対してそれぞれ同距離離れた位置で駆動ローラに当接する一対の当接部材を有し、
    各変位手段の当接部材の前記駆動ローラとの当接箇所をシート材幅方向に互いに異ならせたことを特徴とするシート材厚み検出装置。
  10. シート材を搬送する搬送手段と、
    搬送手段によって搬送されるシート材の厚みを検知するシート材厚み検知手段とを備えたシート材搬送装置において、
    前記シート材厚み検知手段として、請求項1乃至9いずれかのシート材厚み検出装置を用いたことを特徴とするシート材搬送装置。
  11. 請求項10のシート材搬送装置において、
    前記シート材厚み検出装置が検出したスキュー情報および/またはスリップ率を時系列に記憶する記憶手段と、
    前記時系列に記憶したスキュー情報および/またはスリップ率に基づいて、搬送手段の寿命を予測する寿命予測手段と、
    前記寿命予測手段の予測に基づいて、搬送手段の交換を報知する報知手段とを備えたことを特徴とするシート材搬送装置。
  12. シート材に画像を形成する画像形成手段と、シート材を該画像形成手段に向けて搬送するシート材搬送装置とを備える画像形成装置において、
    前記シート材搬送装置として、請求項10または11のシート材搬送装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項12の画像形成装置において、
    前記シート材厚み検出装置が検出したシート材の厚みと、シート材のスキュー情報、シート材のスリップ率、シート材の剛性または耳折れの少なくとも一つとに基づいて、画像形成手段を制御する制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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