JP5049828B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、像担持体とこれに当接することが可能な当接部材との間に通した記録シートに像担持体上の可視像を転写する転写手段と、像担持体と当接部材との距離を調整する距離調整手段とを備える複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関するものである。
従来、像担持体と当接部材との当接によって形成している転写ニップに記録シートを挟み込んで、像担持体上の可視像たるトナー像を記録シートに転写する画像形成装置が知られている。かかる構成において、記録シートとして厚紙を用いると、厚紙の先端を転写ニップに進入させる際や、厚紙の後端を転写ニップから抜け出させる際の急激な負荷変動により、像担持体の表面移動速度を一瞬だけ変化させることがある。このような表面移動速度の変化が起こると、画像に線状の濃度ムラを引き起こしてしまう。
一方、特許文献1には、像担持体と当接部材との距離を次のように調整する画像形成装置が記載されている。即ち、この画像形成装置は、像担持体と当接部材との間に進入する前の記録シートの厚みを厚みセンサによって検知する。そして、記録シートの先端を像担持体と当接部材との間に進入させるのに先立って、移動手段によって当接部材を強制的に像担持体から遠ざける。これにより、像担持体と当接部材との間に、厚みセンサによって検知したシート厚みの30〜90[%]のギャップを設けてから、両者間に記録シートを進入させる。かかる構成においては、ギャップを設けない場合に比べて、シート先端進入時、及びシート後端排出時における像担持体に対する急激な負荷変動を低減する。これにより、線状の濃度ムラの発生を抑えることができる。
また、特許文献2には、像担持体と当接部材との距離を次のように変化させる画像形成装置が記載されている。即ち、まず、記録シートの先端を像担持体と当接部材との間に進入させるのに先立って、当接部材を像担持体から所定距離だけ離隔させる。シート先端進入時における像担持体に対する急激な負荷変動を低減する。次いで、互いに離隔させた当接部材と像担持体との間に記録シートの先端を進入させた直後に、当接部材を像担持体に接近させて所望の転写圧を得る。そして、記録シートの後端を当接部材と像担持体との間から抜け出させる直前に、再び当接部材を像担持体から遠ざける。これにより、シート後端排出時における像担持体に対する急激な負荷変動を低減する。
特開平4−242276号公報 特開2001−92332号公報
しかしながら、特許文献1に記載の画像形成装置では、像担持体と当接部材との食い込み量が全く考慮されていないため、転写圧の不足による転写不良を引き起こしてしまう可能性が高い。具体的には、像担持体と当接部材との当接部としては、転写時間をある程度長く確保する狙いから、転写ニップを形成するのが一般的である。像担持体と当接部材とのうち、少なくとも何れか一方の部材の表面を弾性変形可能な弾性体で構成し、両者の当接部でその弾性体を弾性変形させて幅広いニップを形成するのである。像担持体と当接部材とのうち、何れか一方については、それを移動可能に保持しながらバネによって他方に向けて付勢する。バネによって付勢している方の部材を、転写ニップに進入した記録シートの厚みに追従させて他方から逃がすことで、厚紙であってもそれを転写ニップ内に確実に進入させつつ適切な転写圧を得るためである。かかる構成において、記録シートを転写ニップ内に挟み込んでいない状態から、像担持体と当接部材とのうち、何れか一方を移動手段によって強制的に移動させて他方から少しずつ離していったとする。すると、転写ニップのサイズが少しずつ小さくなっていき、やがて、移動させている方の部材が他方から離間する。離間までに要する移動距離は、移動前における像担持体と当接部材との食い込み量と概ね同じ値になる。例えば、図1に示すように、当接部材902を弾性変形且つ移動可能に構成し、当接部材902の回転軸を受ける軸受け908の下面をバネ905によって付勢することで、当接部材902を像担持体901に当接させたとする。また、このときの当接部材902に対する像担持体901の食い込み量がKであったとする。この状態から、図示しない偏心カムを回転させてそのカム面を軸受け908の上面Sに突き当てて、当接部材902を強制的に図中下方に押し下げていくと、次のようになる。即ち、図2に示すように、強制的な押し下げによる当接部材902の移動量が食い込み量Kを超え始めた時点で、当接部材902が像担持体901から離間し始める。このように、像担持体901からの当接部材902の離間を開始させるためには、まず、当接部材902を食い込み量Kと同じ距離だけ移動させる必要がある。そして、特許文献1に記載の画像形成装置では、その後に当接部材902を更に移動させて、厚紙の厚みの30〜90[%]のギャップを像担持体と当接部材との間に設けることになる。食い込み量Kは機種の構造などに応じて設定されるものであるが、一般的な設定値であれば、厚紙の厚みによっては、食い込み量Kが紙厚よりもかなり大きな値になることも珍しくない。このような場合、厚紙の厚みによっては、当接部材を像担持体から離間させてしまうと、必要な転写圧が得られずに転写不良を引き起こしてしまうおそれがある。
また、特許文献2に記載の画像形成装置では、記録シートの先端を像担持体と当接部材との間に進入させた直後に当接部材を像担持体に近づけて所望の転写圧を確保しているが、それでもなお、転写不良を発生させるおそれがある。具体的には、記録シートの先端を像担持体と当接部材との間に進入させた後、当接部材を像担持体に近づける動作を行う。この動作を完了するまでの間は、所望の転写圧が得られないため、シート先端側の領域において転写不良を引き起こすおそれがある。また、記録シートの後端を像担持体と当接部材との間から抜け出させるのに先立って、当接部材を像担持体から遠ざけるときにも所望の転写圧が得られないことから、シート後端側の領域においても転写不良を引き起こすおそれがある。当接部材を高速で移動させることが可能な高速移動機構を設けたとしても、高速プリント実現のためにシート搬送の高速化が進められる近年においては、シートの先端側や後端側における転写不良発生領域を無くすことは困難である。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、転写圧の不足による転写不良の発生を回避しつつ、シート進入時やシート排出時における像担持体に対する急激な負荷変動による線状の濃度ムラの発生を抑えることができる画像形成装置を提供することである。
本発明者らは、以下に説明するような鋭意研究を行った結果に基づいて、本発明を完成させるに至った。即ち、当接部材を予め偏心カムなどによって強制的に移動させておく場合、その移動量(以下、強制移動量Mという)を大きくするほど、シート進入時や排出時における像担持体に対する急激な負荷変動を低減することができる。しかし、強制移動量Mを大きくし過ぎると、転写圧を不足させてしまうことになる。このため、必要な転写圧が得られる限界の値に強制移動量Mを留めることで、転写不良を回避しつつ、像担持体に対する急激な負荷変動を最大限に低減することが可能になる。先に示した図1においては、バネ905によって付勢されている当接部材902を像担持体901に直接当接させている。この状態から、当接部材902を強制的に移動させないまま、図3に示すように、像担持体901と当接部材902との間に図示しない厚紙Pを進入させたとする。すると、当接部材902が厚紙Pの厚みtに追従してバネ905の力に逆らって図中下側に自然に移動する。このときの移動量(以下、自然移動量Mという)は、厚みtと概ね同じ値になる。当接部材902がこのように自然に移動しても、転写ニップに挟まれた厚紙Pはバネ905によって付勢される当接部材902によって適切な力で像担持体901に押し付けられているので、適切な転写圧が確保される。これが本来得られるべき転写圧である。厚紙Pを転写ニップに進入させるのに先立って、軸受け908の上面Sに図示しない偏心カムを突き当てて当接部材902を予め強制移動させておく場合であっても、強制移動量Mを厚みtよりも僅かに小さな値に設定すれば、本来の転写圧が得られることになる。厚紙Pが進入すると、当接部材902が厚みtと強制移動量Mとの僅かな差分だけ下方に自然に移動して、バネ905による押し付け力が厚紙Pに作用するからである。しかし、強制移動量Mを厚みtよりも大きく設定した場合には、厚紙P1を転写ニップに進入させても、当接部材902は下方に移動せずに、軸受け908の上面が図示しない偏心カムに突き当たった状態のままになるので、バネ905による押し付け力が厚紙Pに作用しない。このため、本来の転写圧が得られずに転写不良を引き起こすおそれがでてくる。これらのことから、本発明者らは、上述した限界の値について、厚みtよりも僅かに小さな値になるであろうと予測した。
ところが、実験を行ったところ、図1に示した構成では上述した限界の値が予測通りになったが、厚みtよりも大きな値になる構成もあることが判明した。例えば、図4に示すような構成である。同図において、像担持体としての中間転写ベルト903は、転写対向ローラ904の周面に掛け回されながら、図中時計回り方向に無端移動せしめられる。中間転写ベルト903における転写対向ローラ904に対する掛け回し箇所には、バネ905によって付勢される当接部材としての2次転写ローラ907が当接して2次転写ニップを形成している。図示の状態では、記録シートPは、図示しないレジストローラ対の駆動によってこの2次転写ニップに向けて搬送され、ニップ上流ガイド板906によって進行方向を規制されながら2次転写ニップ内に進入する。このような挙動をとる記録シートPにおいて、2次転写ニップに進入する直前の後端側箇所は、図中一点鎖線Laの方向に沿って延在する姿勢をとっている。これに対し、2次転写ニップ内に挟まれている先端側箇所は、一点鎖線Laよりも2次転写ローラ907側に強制的に湾曲せしめられている。このように湾曲している先端側箇所は、腰の強さにより、一点鎖線Laに沿った姿勢に復元しようとする力を発揮する。記録シートPとして厚紙が用いられた場合、復元しようとする力が比較的大きいことから、2次転写ローラ907を少しだけ下方に押し下げる。これにより、2次転写ローラ72の自然移動量Mが、厚紙の腰による押し下げの分だけ厚みtよりも大きくなることがわかった。自然移動量Mが厚みtよりも大きくなっても、バネ905の力と厚紙の腰の強さとにより、適切な転写圧が発揮されることもわかった。よって、この場合、上述した限界の値は、自然移動量Mよりも僅かに小さく、且つ厚みtよりも大きな値になる。
なお、図4を参照しながら、2次転写ニップの上流側にガイド板を設けた構成における2次転写ローラ907の移動について説明したが、2次転写ニップの下流側にガイド板を設けた構成であっても、ガイド板のレイアウトによっては、同様にして、記録シートの腰の強さに起因した復元力によって2次転写ローラ907が押し下げられるという現象が生じる。また、記録シートの腰の強さによる復元力で2次転写ローラが下方に押し下げられるという現象は、図示しないレジストローラ対のレイアウトによっても生じ得る。例えば、2次転写ニップよりもシート搬送方向上流側に設けられたレジストローラ対が図4中の一点鎖線Laよりも下方に位置するような場合には、レジストローラ対のローラ間のレジストニップと、2次転写ニップとの間で記録シートが強制的に湾曲させられる状態になることが考えられる。かかる状態では、記録シートが厚紙のように腰の強い紙であれば、その復元力が比較的大きいため、その復元力によって2次転写ローラが上述の説明と同じように少しだけ下方に押し下げられる。
以上のように、厚紙のような腰の強い記録シートを強制的に湾曲させた姿勢でニップ内に進入させる構成では、記録シートの比較的大きな復元力によって2次転写ローラ等の当接部材が押し下げられることから、上述した限界の値が、自然移動量Mよりも僅かに小さく、且つ厚みtよりも大きな値になるのである。よって、強制移動量Mの適正値は、記録シートの厚みtによって定まるのではなく、記録シートが像担持体と当接部材との間に進入する際の自然移動量Mによって定まることがわかった。
そこで、上記目的を達成するために、請求項1の発明は、回転軸を中心にして回転可能に構成された像担持体、あるいは、回転軸を中心にして回転可能なベルト支持体に対して掛け回されるベルト状の像担持体と、回転可能な該像担持体の表面、あるいは、ベルト状の該像担持体における該ベルト支持体に対する掛け回し箇所の表面、に当接することが可能な当接部材と、該像担持体及び当接部材のうち、何れか一方を付勢して他方に当接させる付勢手段と、記録シートの厚み情報を取得する厚み情報取得手段と、該厚み情報取得手段によって取得された厚み情報に基づいて、該付勢手段によって付勢される該像担持体又は当接部材に対して、該付勢手段の付勢力に抗する力を付与して該像担持体又は当接部材を移動させることで、回転可能な該像担持体の回転軸又はベルト支持体の回転軸と該当接部材との距離を調整する距離調整手段とを備え、該像担持体と該当接部材との間に通した記録シートに対して該像担持体の表面上の可視像を転写する画像形成装置において、上記付勢手段に対して上記距離調整手段による抗力を付与せず、且つ記録シートを上記像担持体と上記当接部材との間に通していない状態から、該付勢手段に対して該距離調整手段による抗力を付与せず、且つ記録シートを該間に通した状態に移行した際における上記距離の変化量と、該記録シートの厚みとの関係を示すデータを記憶しているデータ記憶手段を設けるとともに、
上記厚み情報取得手段によって取得された厚み情報と、該データ記憶手段に記憶されているデータとに基づいて上記距離を調整するように、上記距離調整手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記付勢手段に対して上記距離調整手段による抗力を付与せず、且つ記録シートを該像担持体と該当接部材との間に通していない状態における上記距離と、該付勢手段に対して該距離調整手段による抗力を付与して上記距離を調整し、且つ記録シートを該間に通していない状態における上記距離との差を、該記録シートについて上記厚み情報取得手段によって取得された上記厚み情報に関連付けられて上記データ記憶手段に記憶されている上記変化量と同等以下にする条件で上記距離を調整するように、上記距離調整手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の画像形成装置において、上記像担持体と上記当接部材との当接部のシート搬送方向上流側又は下流側のシート搬送路を、該当接部に挟み込まれた記録シートの腰の強さによって該像担持体及び該当接部材に対して上記距離を広げる方向の力を付与する構造にし、上記付勢手段に対して上記距離調整手段による抗力を付与せず、且つ記録シートを該間に通していない状態における上記距離と、該付勢手段に対して該距離調整手段による抗力を付与して上記距離を調整し、且つ記録シートを該間に通していない状態における上記距離との差を、上記厚み情報取得手段によって取得された上記厚み情報と同等以上にする条件で上記距離を調整するように、上記距離調整手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2又は3の画像形成装置において、上記距離の変化を検知する距離変化検知手段を設けるとともに、上記データ記憶手段に記憶されている上記距離の変化量と、上記付勢手段に対して上記距離調整手段による抗力を付与せず、且つ記録シートを上記像担持体と上記当接部材との間に通した状態で該距離変化検知手段によって検知した上記距離の変化量とに差が生じた場合には、上記データ記憶手段に記憶されている上記距離の変化量を該距離変化検知手段による検知結果に基づいて変更する変更手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、回転軸を中心にして回転可能に構成された像担持体、あるいは、回転軸を中心にして回転可能なベルト支持体に対して掛け回されるベルト状の像担持体と、回転可能な該像担持体の表面、あるいは、ベルト状の該像担持体における該ベルト支持体に対する掛け回し箇所の表面、に当接することが可能な当接部材と、該像担持体及び当接部材のうち、何れか一方を付勢して他方に当接させる付勢手段と、該付勢手段によって付勢される該像担持体又は当接部材に対して、該付勢手段の付勢力に抗する力を付与して該像担持体又は当接部材を移動させることで、回転可能な該像担持体の回転軸又はベルト支持体の回転軸と該当接部材との距離を調整する距離調整手段とを備え、該像担持体と該当接部材との間に通した記録シートに対して該像担持体の表面上の可視像を転写する画像形成装置において、上記距離の変化を検知する距離変化検知手段を設けるとともに、上記付勢手段に対して上記距離調整手段による抗力を付与せず、且つ記録シートを上記像担持体と上記当接部材との間に通していない状態から、該付勢手段に対して該距離調整手段による抗力を付与せず、且つ記録シートを該間に通した状態に機構した際における上記距離の変化量を該距離変化検知手段によって検知し、その検知結果に基づいて上記距離を調整するように、上記距離調整手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、上記付勢手段に対して上記距離調整手段による抗力を付与せず、且つ記録シートを該像担持体と該当接部材との間に通していない状態における上記距離と、該付勢手段に対して該距離調整手段による抗力を付与して上記距離を調整し、且つ記録シートを該間に通していない状態における上記距離との差を、上記変化量の検知結果と同等以下にする条件で上記距離を調整するように、上記距離調整手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項5又は6の画像形成装置において、上記像担持体と上記当接部材との当接部のシート搬送方向上流側又は下流側のシート搬送路を、該当接部に挟み込まれた記録シートの腰の強さによって該像担持体及び該当接部材に対して上記距離を広げる方向の力を付与する構造にし、記録シートの厚み情報を取得する厚み情報取得手段を設け、上記付勢手段に対して上記距離調整手段による抗力を付与せず、且つ記録シートを該間に通していない状態における上記距離と、該付勢手段に対して該距離調整手段による抗力を付与して上記距離を調整し、且つ記録シートを該間に通していない状態における上記距離との差を、該厚み情報取得手段によって取得された上記厚み情報と同等以上にする条件で上記距離を調整するように、上記距離調整手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項7の画像形成装置において、上記厚み情報取得手段によって取得された上記厚み情報と、上記距離変化検知手段によって検知された上記変化量とを関連付けてデータ記憶手段に記憶させる記憶制御手段を設け、且つ、該厚み情報取得手段によって取得された上記厚み情報と、該データ記憶手段に記憶されている上記変化量とに基づいて上記距離を調整するように、上記距離調整手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項8の画像形成装置において、上記データ記憶手段に記憶されている上記距離の変化量と、上記付勢手段に対して上記距離調整手段による抗力を付与せず、且つ記録シートを上記像担持体と上記当接部材との間に通した状態で上記距離変化検知手段によって検知した上記距離の変化量とに差が生じた場合には、該データ記憶手段に記憶されている上記距離の変化量を該距離変化検知手段による検知結果に基づいて変更するように、上記記憶制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項5乃至9の何れかの画像形成装置であって、上記像担持体の表面に可視像を形成していない状態で、上記付勢手段に対して上記距離調整手段による抗力を付与せずに記録シートを該像担持体と上記当接部材との間に通しながら、上記距離変化検知手段によって上記変化量を検知し、検知結果に基づいて上記距離を上記距離調整手段によって調整した後、該像担持体の表面に可視像を形成した状態で別の記録シートを該間に通しながら、該像担持体上の可視像を該記録シートに転写することを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項5乃至10の何れかの画像形成装置において、同じ厚みの複数の記録シートを連続で上記像担持体と上記当接部材との間に通しながらそれぞれの記録シートに画像を形成する連続画像形成動作の場合には、上記付勢手段に対して上記距離調整手段による抗力を付与せずに上記像担持体から1枚目の記録シートへの可視像の転写を行うとともに、該記録シートを該間に通していない状態から該間に通した状態に移行した際における上記距離の変化量を該距離変化検知手段によって検知し、2枚目以降の記録シートを該間に通すのに先立って、該距離変化検知手段の検知結果に基づく距離調整を上記距離調整手段によって行うようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項1、2、3、4、7、8、9、10又は11の画像形成装置において、上記厚み情報検知手段によって取得された上記厚み情報が所定値以上になった場合にだけ上記距離を調整するように、上記距離調整手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項5乃至11の何れかの画像形成装置において、上記付勢手段に対して上記距離調整手段による抗力を付与せず、且つ記録シートを上記像担持体と上記当接部材との間に通していない状態から、該付勢手段に対して該距離調整手段による抗力を付与せず、且つ記録シートを該間に通した状態に移行した際における上記距離の変化量を上記距離変化検知手段によって検知し、その検知結果が所定値以上になった場合にだけ上記距離を調整するように、該距離調整手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項1乃至13の何れかの画像形成装置において、上記距離調整手段として、上記当接部材を移動させて上記距離を調整するもの、を用いたことを特徴とするものである。
これらの発明において、請求項1の発明特定事項の全てを備えるものでは、像担持体と当接部材との距離について、距離調整手段による距離調整を行わず且つ像担持体と当接部材との間に記録シートを通していない状態から、距離調整を行わず且つ両者間に記録シートを通した状態に移行した際の変化量、即ち、上記自然移動量Mと、記録シートの厚みとの関係をデータ記憶手段に記憶している。そして、厚みセンサや厚み情報入力キーなどの厚み情報取得手段によって取得した記録シートの厚みに応じた自然移動量Mを特定する。この特定により、転写圧の不足による転写不良の発生を回避しつつ、シート進入時やシート排出時における像担持体に対する急激な負荷変動による線状の濃度ムラの発生を抑え得る値に、像担持体と当接部材との距離を調整することができる。
また、請求項5の発明特定事項の全てを備えるものでは、距離変化検知手段によって自然移動量Mを検知することで、転写圧の不足による転写不良の発生を回避しつつ、シート進入時やシート排出時における像担持体に対する急激な負荷変動による線状の濃度ムラの発生を抑え得る値に、像担持体と当接部材との距離を調整することができる。
まず、本発明に関連して、本発明者らが行った実験について説明する。
本発明者らは、先に図4に示した構成を備えるプリンタ試験機を用意した。そして、まず、偏心カムによる2次転写ローラ907の強制移動を行わず且つ2次転写ニップに記録シートPを通していない状態(以下、初期状態という)。この状態における2次転写ローラ907の位置が初期位置である。前述した初期状態から、偏心カムによる2次転写ローラ907の強制移動を行わず且つ2次転写ニップに記録シートPを通した状態に移行した場合の2次転写ローラ907の自然移動量Mを測定した。自然移動量Mの測定については、次のようにして行った。即ち、2次転写ローラ907を移動可能に保持している図示しない保持体と、自らとの距離を測定することが可能な距離センサを保持体の上方に配設した。そして、距離センサによる距離変化の検知結果に基づいて、自然移動量Mを測定した。記録シートPとしては、厚み240[μm]の260[g/m]紙、及び厚み400[μm]の350[g/m]紙の2種類を用いた。すると、260[g/m]紙を使用した場合の自然移動量Mは約340[μm]であることがわかった。また、350[g/m]紙を使用した場合の自然移動量Mは約740[μm]であることがわかった。何れの記録シートPを用いた場合にも、自然移動量Mはシートの厚みよりもかなり大きくなっている。これは、上述したように、2次転写ニップ内に進入するのに伴って湾曲せしめられた記録シートPの先端側が元の姿勢に復元しようとすることで、2次転写ローラ907を押し下げているからである。
次に、本発明者らは、それぞれ、偏心カムによる2次転写ローラ907の強制移動を行った後に、上述した2種類の記録シートPについて、それぞれ2次転写ニップに進入させたときの2次転写ローラ907の位置を測定する実験を行った。2次転写ローラ907の位置については、上記初期位置をゼロとし、初期位置からの移動量で表すことにした。そして、偏心カム908によって強制移動させたときの2次転写ローラ907の強制移動量Mや、強制移動後に記録シートPを2次転写ニップに進入させたときの2次転写ローラ907の位置を、上述した距離センサによる検知結果に基づいて求めた。この結果を、図5にグラフとして示す。
同図のグラフにおいて、横軸の値がゼロの条件では、偏心カム908による2次転写ローラ907の強制移動を行っていない状態にて、記録シートPを2次転写ニップに通したことを示している。この場合、当然ながら、通紙時(2次転写ニップに記録シートPを通したとき)における2次転写ローラ907の位置は、自然移動量Mと同じ値になっている(260g/m紙で340μm、350g/m紙で740μm)。2次転写ローラ907を強制移動させた場合には、何れの記録シートPにおいても、強制移動量Mを自然移動量M未満の値に設定すれば、通紙時には2次転写ローラ907を自然移動量Mと同じ位置まで移動させていることがわかる。
図6は、自然移動量Mを測定したときの距離センサ出力値の変化を示すグラフである。このグラフにおいて、距離センサ出力値が概ねVaになっている期間は、記録シートPが2次転写ニップに進入していない期間であり、2次転写ローラ907は中間転写ベルト903に直接接触している。記録シートPが2次転写ニップに進入すると、その厚みに追従して2次転写ローラ907が下方に自然に移動すると、距離センサ出力値が概ねVcになる。このVcと前述のVaとの差は、自然移動量Mを示している。
図7は、2次転写ローラ907を偏心カム905によって強制移動させた後、記録シートPを2次転写ニップに進入させたときの2次転写ローラ907の位置を測定した実験における距離センサ出力値の変化を示すグラフである。このグラフでは、2次転写ローラ907の強制移動量Mを、自然移動量Mよりも小さく設定したときの距離センサ出力値の変化を示している。グラフにおいて、距離センサ出力値が概ねVaになっている期間は、上述した初期状態の期間であり、この期間では、2次転写ローラ907を偏心カム905によって強制移動させていない。初期状態であるので、先に図6に示したグラフと同様に、距離センサ出力値がVaになる。初期状態から、2次転写ローラ907を自然移動量Mよりも少ない移動量で強制移動させると、距離センサ出力値がVbになる。そして、その後に、記録シートPが2次転写ニップに進入すると、2次転写ローラ907が、自然移動量Mと強制移動量Mとの差分だけ自然に下方に移動して、距離センサ出力値が自然移動量Mに対応するVcになる。強制移動量Mを自然移動量Mよりも小さい値に設定した場合には、このようにして、通紙時の2次転写ローラ907が自然移動量Mと同じ位置まで移動する。
2次転写ローラ907の強制移動量Mを、自然移動量Mよりも大きく設定した場合には(260g/m紙で340μm超、350g/m紙で740μm超)、次のようになる。即ち、記録シートPが2次転写ニップに進入しても、2次転写ローラ907の位置は進入前と変わらない。
図8は、2次転写ローラ907の強制移動量Mと、強制移動後に2次転写ニップに進入した記録シートPに加わる加圧力(転写圧)との関係を示すグラフである。図示のように、強制移動量Mを自然移動量Mと同等以下に設定すれば、偏心カムによる2次転写ローラ907の強制移動を行わない場合の転写圧である40[N]が得られていることがわかる。これは、強制移動量Mを自然移動量Mと同等以下に設定すれば、転写圧の不足による転写不良の発生を回避し得ることを示している。
本発明者らは、次に、強制移動量Mと、2次転写ニップに対するシート進入時や排出時の急激な負荷変動による線状の濃度ムラとの関係を調べる実験を行った。具体的には、2次転写ローラ907を偏心カムによって初期位置から強制移動させた後、所定のテスト画像を中間転写ベルト903上に形成し、それを2次転写ニップに進入させた記録シートPに2次転写した。そして、記録シートPに転写されたテスト画像における線状の濃度ムラの有無を観察した。すると、自然移動量Mが記録シートPの厚みよりも大きくなるプリンタ試験機においては、強制移動量Mをシート厚みと同じ値に設定した場合、許容範囲内ではあるものの、軽度の線状の濃度ムラを引き起こしてしまうことがわかった。また、強制移動量Mをシート厚みよりも少しずつ大きくしていくと、線状の濃度ムラが徐々に軽減されていき、やがて完全に解消されることもわかった。
[第1実施形態]
次に、本発明を適用した画像形成装置として、第1実施形態のプリンタについて説明する。
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図9は、本プリンタを示す要部構成図である。同図において、本プリンタは、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)のトナー像を形成するための4つのプロセスユニット2Y,M,C,Kを備えている。また、機内で記録シートを搬送するための複数のガイド板等からなるシート搬送路21、レジストローラ対37、定着ユニット43、光書込ユニット(不図示)、転写ユニット60、なども備えている
図示しない光書込ユニットは、レーザーダイオード、ポリゴンミラー、各種レンズなどを有しており、外部のパーソナルコンピュータ等から送られている画像情報に基づいて、レーザーダイオードを駆動する。そして、プロセスユニット2Y,M,C,Kの感光体3Y,M,C,Kを光走査する。具体的には、プロセスユニット2Y,M,C,Kの感光体3Y,M,C,Kは、図示しない駆動手段によってそれぞれ図中反時計回り方向に回転駆動せしめられる。光書込ユニットは、駆動中の感光体3Y,M,C,Kに対して、レーザー光Lをそれぞれ回転軸線方向に偏向せしめながら照射することで、光走査処理を行う。これにより、感光体3Y,M,C,Kには、Y,M,C,K画像情報に基づいた静電潜像が形成される。
本プリンタは、4つのプロセスユニット2Y,M,C,Kを、後述する中間転写ベルト61に対してその無端移動方向に沿って並べたいわゆるタンデム型の構成になっている。各色のプロセスユニット2Y,M,C,Kは、それぞれ、潜像担持体たる感光体3Y,M,C,Kと、その周囲に配設される各種装置とを1つのユニットとして共通の支持体に支持するものであり、プリンタ部本体に対して着脱可能になっている。そして、互いに使用するトナーの色が異なる点の他が同様の構成になっている。Y用のプロセスユニット2Yを例にすると、これは、感光体3Yの他、これの表面に形成された静電潜像をYトナー像に現像するための現像装置4Y、ドラム状の感光体3Yを一様帯電せしめるための帯電装置16Y、ドラムクリーニング装置18Y等を有している。
帯電装置16Yは、回転駆動される感光体3Yの周面をトナーの帯電極性と同極性に一様帯電せしめる。このようにして一様帯電せしめられた感光体3Yの周面には、上述した光書込装置による光走査で静電潜像が形成される。感光体3Yとしては、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材の塗布による感光層を形成したドラム状のものを用いている。但し、無端ベルト状のものを用いても良い。
現像装置4Yは、図示しない磁性キャリアと非磁性のYトナーとを含有する二成分現像剤(以下、単に現像剤という)を用いて、感光体3Y上の静電潜像を現像する。二成分現像剤の代わりに、磁性キャリアを含まない一成分現像剤によって現像を行うタイプのものを使用していもよい。
現像によって感光体3Y上に形成されたYトナー像は、後述するY用の1次転写ニップで中間転写ベルト61のおもて面に転写される。このようにしてYトナー像を転写した後の感光体3Y上に付着している転写残トナーは、ドラムクリーニング装置18Yによって感光体3Y表面から除去される。このクリーニングに先立って、感光体3Yの表面は図示しない除電ランプによる光照射を受けて除電される。
Y用のプロセスユニット2Yについて説明したが、M,C,K用のプロセスユニットにおいても、同様にして感光体3M,C,Kの表面にM,C,Kトナー像が形成される。
4つのプロセスユニット2Y,M,C,Kの下方には、転写ユニット60が配設されている。この転写ユニット60は、複数のローラによって張架している像担持体たる中間転写ベルトを、感光体3Y,M,C,Kに当接させながら、駆動ローラ67の回転駆動によって図中時計回り方向に無端移動させる。これにより、感光体3Y,M,C,Kと中間転写ベルト61とが当接するY,M,C,K用の1次転写ニップが形成されている。
Y,M,C,K用の1次転写ニップの近傍では、ベルトループ内側に配設された1次転写ローラ62Y,M,C,Kによって中間転写ベルト61を感光体3Y,M,C,Kに向けて押圧している。これら1次転写ローラ62Y,M,C,Kには、それぞれ図示しない電源によって1次転写バイアスが印加されている。これにより、Y,M,C,K用の1次転写ニップには、感光体3Y,M,C,K上のトナー像を中間転写ベルト61に向けて静電移動させる1次転写電界が形成されている。
図中時計回り方向の無端移動に伴ってY,M,C,K用の1次転写ニップを順次通過していく中間転写ベルト61のおもて面には、各1次転写ニップでトナー像が順次重ね合わせて1次転写される。この重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト61のおもて面には4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
中間転写ベルト61の図中下方には、当接部材たる2次転写ローラ72が配設されており、中間転写ベルト61における転写対向ローラ68に対する掛け回し箇所にベルトおもて面から当接して2次転写ニップを形成している。これにより、中間転写ベルト61のおもて面と、2次転写ローラ72とが当接する2次転写ニップが形成されている。
ベルトループ内の転写対向ローラ68には、図示しない電源によってトナーと同極性の2次転写バイアスが印加されている。一方、ベルトループ外の2次転写ローラ72は接地されている。これにより、2次転写ニップ内に2次転写電界が形成されている。
2次転写ニップの図中右側方には、レジストローラ対37が配設されており、ローラ間に挟み込んだ記録シートを中間転写ベルト61上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで2次転写ニップに送り出す。2次転写ニップ内では、中間転写ベルト61上の4色トナー像が2次転写電界やニップ圧の影響によって記録シートに一括2次転写され、記録シートの白色と相まってフルカラー画像となる。
2次転写ニップを通過した中間転写ベルト61のおもて面には、2次転写ニップで記録シートに転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、中間転写ベルト61に当接するベルトクリーニング装置73によってクリーニングされる。
2次転写ニップを通過した記録シートは、中間転写ベルト61から離間して、定着ユニット43に向けて送られる。定着ユニット43は、加圧ローラ43aと、発熱源を内包する定着ローラ43bとを当接させて定着ニップを形成している。定着ユニット43に受け入れられた記録シートは、この定着ニップ内で加圧されたり加熱されたりすることで、表面上のフルカラー画像が定着せしめられる。
中間転写ベルト61に当接して2次転写ニップを形成している2次転写ローラ72は、金属製の芯金とこれの周面に被覆されたゴム等の弾性部材とを具備している。2次転写ニップでは、中間転写ベルト61における転写対向ローラ68に対する掛け回し箇所が、2次転写ローラ72の表面の弾性部材に食い込んでいる。これにより、幅広い2次転写ニップが形成されている。
2次転写ローラ72の回転軸は、保持体としての揺動アーム76に固定された軸受けによって回転自在に受けられている。そして、この揺動アーム76は、揺動軸84を中心にして揺動するように支持されており、自らの揺動に伴って2次転写ローラ72の回転軸と、転写対向ローラ68の回転軸との距離(以下、軸間距離という)を変化させる。
揺動アーム76の下端には、付勢手段としての付勢コイルバネ78が固定されている。この付勢コイルバネ78により、揺動アーム76には揺動軸84を中心にした図中時計回り方向の付勢力が付与されて、2次転写ローラ72が中間転写ベルト61に押圧されている。
揺動アーム76における揺動軸84とは反対側の端部上面には、偏心カム79のカム面が当接している。この偏心カム79が図示しないカムモータによって回転駆動されると、付勢コイルバネ78の付勢力に反して揺動アーム76を押し下げるように、揺動アーム76を図中反時計回りに少しずつ回転させていく。すると、2次転写ローラ72と転写対向ローラ68との軸間距離が徐々に大きくなっていく。そして、それに伴って2次転写ニップのサイズが徐々に小さくなっていき、やがて2次転写ローラ72が中間転写ベルト61から離間する。
このようにプリンタにおいては、2次転写ローラ72を付勢コイルバネ78による付勢力に反して移動させることで、ベルト支持体たる2次転写対向ローラ68の回転軸と、2次転写ローラ72との距離、ひいては上記軸間距離を調整する。かかる構成では、偏心カム79、カムモータ、これを駆動する制御部等が、距離調整手段として機能している。なお、偏心カム79の回転駆動によって軸間距離を大きくしていくことは、上述した強制移動量Mを大きくしていくことを意味している。
レジストローラ対37の図中右側方には、厚み情報取得手段としての厚みセンサ38が配設されている。厚みセンサ38は、レジストローラ対37に送り込まれる前の記録シートの厚みを検知して、検知結果を図示しない制御部に出力する。本プリンタでは、厚みセンサ38として、記録シートの透過光量に基づいて厚みを検知するものを用いている。記録シートがレジストローラ対37のローラ間に挟み込まれた際のローラの変位量に基づいて記録シートの厚みを検知するものや、自らと記録シートPの表面との距離に基づいて記録シートPの厚みを検知するもの、などを用いてもよい。
以上の基本的な構成を備える本複写機においては、4つのプロセスユニット2Y,M,C,K、光書込ユニット、転写ユニット60等により、像担持体たる中間転写ベルト61の表面に可視像たるトナー像を形成する可視像形成手段が構成されている。また、転写ユニット60が中間転写ベルト61の表面上のトナー像を記録シートに転写する転写手段として機能している。
次に、本プリンタの特徴的な構成について説明する。
図10は、本プリンタの電気回路の一部を示すブロック図である。同図において、制御部82は、演算手段たるCPU(Central Processing Unit)、データ記憶手段たるRAM(Random Access Memory)、データ記憶手段たるROM(Read Only Memory)などを有し、プリンタ内部の各種機器における駆動を制御したり、動作条件を設定したりするものである。制御部38には、上述した厚みセンサ38が接続されている。また、カムモータ87がモータドライバ86を介して接続されている。このカムモータ87は、上述した偏心カム(79)を回転させるものである。
ROM82cには、予めの実験等に基づいて構築された自然移動量データテーブルが記憶されている。この自然移動量データテーブルは、予めの実験によって得られた記録シートの厚みと、2次転写ローラ79の自然移動による軸間距離の変化量である自然移動量Mとを関連付けたデータテーブルである。ここで、2次転写ローラ79の自然移動とは、2次転写ローラを上述した初期位置に位置させた初期状態から、記録シートを2次転写ニップに通した状態に移行した際に、2次転写ローラ79がシートの厚みに追従して自然に下方に向けて移動することを意味している。
上記自然移動量データテーブルの具体例を表1に示す。表1において、左欄は記録シートの厚さtを示している。また、右欄は自然移動量Mを示している。表1では、記録シートの厚さtを0.02[mm]間隔で設定し、その厚さtに対応する2次転写ローラの自然移動量Mを設定している。この具体例においては、2次転写ローラの周囲の構成として、自然移動量Mを記録シートの厚さt以上にするものを採用している。
Figure 0005049828
ROM82cには、強制移動駆動量データテーブルも記憶されている。この強制移動駆動量データテーブルは、カムモータ87の駆動量と、カムモータ87の駆動による2次転写ローラ72の強制移動量Mとの関係を示すデータテーブルである。
先に示した図9において、厚み情報取得手段としての厚みセンサ38は、レジストローラ対37に挟み込まれた記録シートの厚みを検知する。この検知結果は、制御部82に送られる。制御部82は、レジストローラ対37の回転駆動によって記録シートを2次転写ニップに送り込むのに先立って、カムモータ87の駆動によって偏心カム79を回転させることで、2次転写ローラ72を強制移動させて上記軸間距離を調整する。このとき、2次転写ローラ72の強制移動量Mについては、次のように設定する。即ち、厚みセンサ38による厚み検知結果に対応する、2次転写ローラ72の自然移動量Mを表1に示した自然移動量データテーブルから特定する。そして、2次転写ローラ72の強制移動量Mとして、自然移動量M以下の値を決定して、決定値に対応するカムモータ87の駆動量を上記強制移動駆動量データテーブルから特定する。この特定結果と同じ駆動量でカムモータ87を駆動することで、2次転写ローラ72を自然移動量M以下の量だけ強制移動させる。その後、レジストローラ対37を回転駆動させて、記録シートを2次転写ニップに向けて送り込む。
なお、本プリンタにおいては、シート搬送路21として、次のような構造のものを採用している。即ち、先に図4に示した構成と同様に、2次転写ニップに挟み込まれた記録シートの腰の強さによって当接部材たる2次転写ローラ(72)に対して上記軸間距離を広げる方向の力を付与する構造である。このため、図9に示した2次転写ローラ72の自然移動量Mは、記録シートの厚みよりも大きくなる。かかる構成では、上述したように、強制移動量Mとして、記録シートの厚み以上の値を設定することで、シート進入時やシート排出時の急激な負荷変動による線状の濃度ムラを許容範囲内に留めることができる。そこで、本プリンタにおいては、2次転写ローラ72の強制移動量Mとして、自然移動量M以下の値を決定するように、距離調整手段の一部である制御部82を構成している。
表1の自然移動量データテーブルにおいては、記録シートの厚さtを20[μm]間隔で区切り、その区切りに対応して自然移動量Mを設定したが、ROM82cのメモリ容量が許せば、記録シートの厚さtをもっと細かい間隔で区切り自然移動量を設定することもできる。また、ROM82cのメモリ容量に制約がある場合には、記録シートの厚さtをもう少し大きい間隔で区切ることもできる。更に、ROM82cのメモリ容量を小さくしたい場合には、表1に示した記録シートの厚みtと自然移動量Mとの相関関係から所定の関係式を導き出し、その関係式に厚み取得情報取得から取得した記録シートの厚さ情報を代入することにより自然移動量Mを求めるようにすることも可能である。
厚み情報取得手段として、厚みセンサ38に代えて、ユーザーによる厚みの入力操作が行われる厚み入力キーを採用してもよい。この場合、図示しない給紙カセットにおける記録シートの補給作業や交換作業を検知する毎に、厚みの入力を促すメッセージをユーザーに報知するようにする。また、紙種Aボタン、紙種Bボタンなど、複数種類の紙種ボタンを用意しておき、給紙カセット内の記録シートに対応する紙種ボタンをユーザーに押下してもらうことで、厚み情報を取得してもよい。この場合、それぞれの紙種ボタンに対応する厚みの用紙の商品番号一覧を装置の取り扱い説明書などに記載しておき、給紙カセットにセットした用紙に対応する紙種ボタンを、その商品番号一覧に基づいてユーザーに特定してもらうようにすればよい。
比較的薄い記録シートの場合には、2次転写ニップに対するシート進入時や排出時の急激な負荷変動による線状の濃度ムラは発生しない。2次転写ニップやその周囲の構成にもよるが、記録シートの連量が概ね100kgを超えると、線状の濃度ムラが発生する。これは、記録シートの厚みが所定値を下回る場合には、2次転写ローラ72の強制移動による軸間距離の調整が無駄になることを意味している。そこで、本プリンタにおいては、厚みセンサ38による厚みの検知結果が所定値以上になった場合にだけ、2次転写ローラ72の強制移動による軸間距離の調整を行うように、制御部82を構成している。
制御部82は、プリントジョブが終了すると、カムモータ87を逆回転させて、2次転写ローラ72の位置を初期状態に戻す。また、複数の記録シートに対して画像を連続してプリントする連続プリント動作においては、1枚目の通紙に先立って軸間距離を調整した後、連続プリント動作中にはその軸間距離を維持する。そして、連続プリントジョブが終了した後に、2次転写ローラ72の位置を初期状態に戻す。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係るプリンタについて説明する。なお、以下に特筆しない限り、第2実施形態に係るプリンタの構成は、第1実施形態と同様である。図11は、第2実施形態に係るプリンタを示す要部構成図である。このプリンタにおいては、記録シートの厚みを検知する厚みセンサを設けていない代わりに、距離センサ89を設けている。この距離センサ89は、自らと、揺動アーム76の被検部76aとの距離に応じた電圧を出力するものである。
上述したように、2次転写ニップを上記初期位置に位置させた初期状態から、記録シートを2次転写ニップに通すと、記録シートの厚みに追従して揺動アーム79が下方に自然移動する。このとき上記軸間距離が大きくなるとともに、距離センサ89と、揺動アーム76の被検部76aとの距離であるセンサ−アーム間距離も大きくなって、距離センサ89からの出力値が変化する。上記軸間距離の変化量と、センサ−アーム間距離の変化量とは同じではないが、両者には良好な相関関係が成立する。制御部82はROM82c内に、両者の関係を示すアルゴリズムを記憶しており、距離センサ89の出力電圧の変化量と、そのアルゴリズムとに基づいて、初期状態から、2次転写ニップに記録シートが通された状態に移行したときの2次転写ローラ72の自然移動量Mを求めることができる。つまり、本プリンタにおいては、距離センサ89や制御部82などにより、上記軸間距離の変化を検知する距離変化検知手段が構成されている。
制御部82は、1枚の記録シートだけに画像を形成する1枚プリント動作命令を受けた場合には、まず、各感光体や中間転写ベルト61にトナー像を形成していない状態で、図示しない給紙カセット内の記録シートを2次転写ニップに送り込む。そして、この際に、距離センサ89の出力電圧値の変化量に基づいて、その記録シートに対応する2次転写ローラ72の自然移動量Mを求める。次いで、第1実施形態と同様にして、自然移動量Mに基づいて強制移動量Mを決定した後、その強制移動量Mの分だけ、偏心カム79の回転駆動によって2次転写ローラ72を強制移動させて上記軸間距離を広げる。その後、画像形成プロセスによって中間転写ベルト61にトナー像を形成しながら、別の記録シートを2次転写ニップに通して、ベルト上のトナー像をその記録シートに2次転写する。
環境変動や経時劣化などによって2次転写ローラ72の弾性体の硬度が変化して、記録シートの厚みと自然移動量Mとの関係に変化をきたすことがある。このような場合であっても、本プリンタにおいては、実際に測定した自然移動量Mに基づいて強制移動量Mを決定することで、厚みと自然移動量Mとの変化に起因する転写圧不足や線状の濃度ムラの発生を回避することができる。
また、制御部82は、複数枚の記録シートに対して画像を連続して形成する連続プリント動作命令を受けた場合には、まず、2次転写ローラ72の強制移動による上記軸間距離の調整を行わない状態で、1枚目の記録シートに対するプリント動作を行う。このとき、距離センサ89の出力電圧値の変化量に基づいて、2次転写ローラ72の自然移動量Mを求める。次いで、2枚目の記録シートを2次転写ニップに進入させる前に、第1実施形態と同様にして、自然移動量Mに基づいて強制移動量Mを決定した後、その強制移動量Mの分だけ、偏心カム79の回転駆動によって2次転写ローラ72を強制移動させて上記軸間距離を調整する。その後、その軸間距離を維持したまま、2枚目以降の記録シートを2次転写ニップに順次通していく。かかる構成では、トナー像を転写しない記録シートを2次転写ニップに通しながら自然移動量Mを測定してから画像形成動作を開始することによるプリント時間の長期化を回避することができる。
なお、記録シートの厚みが比較的薄いことに起因して、自然移動量Mが比較的小さい場合には、2次転写ローラ72を偏心カム79によって強制移動させなくても、線状の濃度ムラを引き起こさない場合がある。よって、自然移動量Mの測定結果が所定値以上になった場合にだけ、2次転写ローラ72の強制移動による軸間距離の調整を行わせるようにしてもよい。
また、ユーザーの操作によって普通紙モードと厚紙モードとの設定を切り替え可能にし、厚紙モードに設定された場合にだけ、自然移動量Mの測定値に基づく軸間距離の調整を行わせるようにしてもよい。
また、給紙カセット内には、同じ種類の記録シートだけを収容するのが一般的であるので、給紙カセット内に記録シートが補充されたときや、交換されたときにだけ、自然移動量Mの測定値に基づく2次転写ローラ72の強制移動を行わせるようにしてもよい。
[第3実施形態]
次に、第2実施形態に係るプリンタに、より特徴的な構成を付加した第3実施形態のプリンタについて説明する。
図12は、第3実施形態に係るプリンタを示す要部構成図である。このプリンタにおいては、図示のように、記録シートの厚みを検知する厚みセンサ38、及び、距離センサ89の両方を設けている。そして、制御部82のRAM82bには、厚みセンサ38による厚みの検知結果と、その厚みの記録シートを用いた場合における2、距離センサ89による2次転写ローラ72の自然移動量Mの測定結果とを関連付けて記憶させる測定値データテーブルを格納している。プリントを行なう毎に、厚みセンサ38による厚み検知と距離センサ89による2次転写ローラ72の自然移動量Mの測定とを実施し、その結果得られた記録シートの厚みと2次転写ローラ72の自然移動量Mを上記データテーブルに順次入力していき、表1に近いデータテーブルを作成する。
厚みセンサ38による検知結果と同じ厚みの自然移動量Mが測定値データテーブルに格納されている場合には、記録シートを2次転写ニップに通す前に、その自然移動量Mに基づいて強制移動量Mを決定して2次転写ローラ72を偏心カムによって強制移動させる。次に、記録シートを2次転写ニップに通しながら、中間転写ベルト61上のトナー像を記録シートに2次転写する。かかる構成においては、第2実施形態で説明したような、トナー像を転写しない記録シートを2次転写ニップに通しながら自然移動量Mを測定するという手間のかかる処理を不要にすることができる。また、厚みセンサ38による記録シートの厚み検知を行うとともに、2次転写ローラ72の強制移動を行わない状態で記録シートを2次転写ニップに送り込んだときの2次転写ローラ72の自然移動量Mを距離センサ89によって測定する。そして、2次転写ローラ72の自然移動量Mの測定結果と、上記測定値データテーブルに記憶されている、厚みセンサ38によって検知された記録シートの厚みに対応する自然移動量Mの値とに差が生じた場合、あるいはその差が所定値以上になった場合には、測定値データテーブルに記憶されている自然移動量Mの値を、測定された自然移動量Mの値に更新する。このように、データテーブルに格納されている自然移動量Mの値を適宜更新できるようにすることで、偏心カム79の駆動部分、2次転写ローラ72、付勢手段である付勢コイルバネ78等の経年変化に起因して、データテーブルに記憶されている2次転写ローラ72の自然移動量Mと、実際に測定された自然移動量Mとにズレが生じても、それを適宜解消することが可能になる。これにより、像担持体に対する急激な負荷変動による濃度ムラをより高精度に抑制することが可能になる。
なお、以上の説明では、プリントを行なう毎に厚みセンサ38による厚み検知と、距離センサ89による2次転写ローラ72の自然移動量Mの測定を実施し、その結果得られた記録シートの厚みと2次転写ローラ72の自然移動量Mを上記データテーブルに順次入力していき作成した自然移動量を、距離センサ89による自然移動量Mの実測値に更新する場合について説明したが、第1実施形態で説明した表1に示す予め実験等による結果から設定された2次転写ローラ72の自然移動量Mを、距離センサ89により測定された2次転写ローラ72の自然移動量Mの実測値に更新するようにすることも可能である。このようにすることで、これまでの説明と同様、像担持体に対する急激な負荷変動による濃度ムラをより高精度に抑制することが可能になる。
また、これまで、像担持体たる中間転写ベルト61と、当接部材たる2次転写ローラ72とのうち、2次転写ローラ72を移動させて上記軸間距離を調整する例について説明したが、像担持体を移動させて軸間距離を調整するようにしてもよい。
また、中間転写ベルト61と2次転写ローラ72との間に挟み込んだ記録シートPにベルト上のトナー像を転写する構成のプリンタについて説明したが、2次転写ローラと、ドラム状の像担持体との間に挟み込んだ記録シートPに像担持体上の可視像を転写する構成にも、本発明の適用が可能である。また、ローラ部材によってベルト部材を張架しながら、そのローラに対するベルト掛け回し箇所と、像担持体との間に挟み込んだ記録シートに像担持体上の可視像を転写する構成にも、本発明の適用が可能である。
以上、第1実施形態に係るプリンタにおいては、偏心カム79や制御部82等からなる距離調整手段による距離調整を行わず且つ記録シートを中間転写ベルト61と2次転写ローラ72との間の2次転写ニップに通していない状態における上記軸間距離と、距離調整を行った後であって且つ記録シートを2次転写ニップに通していない状態における上記軸間距離との差を、データ記憶手段たるROM82cに記憶されている自然移動量データテーブルに基づいて特定した自然移動量Mと同等以下にする距離調整を実施するように、距離調整手段の一部である制御部82を構成している。かかる構成では、既に説明したように、2次転写ローラ72の強制移動によって上記軸間距離を広げていても、所望の転写圧を確実に確保して、転写圧の不足による転写不良の発生を回避することができる。
また、第2実施形態に係るプリンタにおいては、偏心カム79等からなる距離調整手段による距離調整を行わず且つ記録シートを2次転写ニップに通していない初期状態の上記軸間距離と、距離調整を行った後であって且つ記録シートを2次転写ニップに通していない状態の上記軸間距離との差を、距離センサ89による2次転写ローラ72の自然移動量Mの測定結果と同等以下にする距離調整を実施するように、距離調整手段の一部である制御部82を構成している。かかる構成においても、2次転写ローラ72の強制移動によって上記軸間距離を広げていても、所望の転写圧を確実に確保して、転写圧の不足による転写不良の発生を回避することができる。
また、第1、第2、第3実施形態に係るプリンタにおいては、中間転写ベルト61と2次転写ローラ72との当接部である2次転写ニップのシート搬送方向上流側又は下流側におけるシート搬送路21を、2次転写ニップに挟み込まれた記録シートの腰の強さによって中間転写ベルト61及び2次転写ローラ72に対して上記軸間距離を広げる方向の力を付与する構造にしている。そして、距離調整手段による距離調整を行わず且つ記録シートを2次転写ニップに通していない初期状態における上記軸間距離と、距離調整を行った後で且つ記録シートを2次転写ニップに通していない状態における上記軸間距離との差を、厚みセンサ38による厚みの検知結果と同等以上にする距離調整を実施するように、距離調整手段の一部である制御部82を構成している。かかる構成では、既に説明したように、2次転写ニップに対するシート進入時や排出時の急激な負荷変動による線状の濃度ムラを許容範囲内に留めることができる。
また、第3実施形態に係るプリンタにおいては、厚みセンサ38による検知結果と距離変化検知手段による自然移動量Mの測定結果とを関連付けた測定値データテーブルをRAM82bに記憶させる記憶制御手段たるCPU82aを設け、且つ、厚みセンサ38による検知結果に対応する自然移動量Mのデータが測定値データテーブルに格納されている場合には、そのデータに基づいて上記軸間距離を調整するように、距離調整手段の一部である制御部82を構成している。かかる構成では、既に説明したように、トナー像を転写しない記録シートを2次転写ニップに通しながら自然移動量Mを測定するという手間のかかる処理を不要にすることができる。
また、第3実施形態に係るプリンタにおいては、上記軸間距離の変化を検知する距離変化検知手段たる距離センサ89を設けるとともに、データ記憶手段たるRAM82bに記憶されている上記軸間距離の変化量と、距離調整手段による距離調整を行わず且つ記録シートを2次転写ニップに通した状態で距離センサ89によって検知した上記軸間距離の変化量とに差が生じた場合には、RAM82bに記憶されている上記軸間距離の変化量を距離センサ89による検知結果に基づいて変更する変更手段としての制御部82を設けている。かかる構成では、既に説明したように、偏心カム79の駆動部分、2次転写ローラ72、付勢手段である付勢コイルバネ78等の経年変化に起因して、データテーブルに記憶されている2次転写ローラ72の自然移動量Mと、実際に測定された自然移動量Mとにズレが生じても、それを適宜解消することが可能になる。これにより、像担持体に対する急激な負荷変動による濃度ムラをより高精度に抑制することが可能になる。
また、第2実施形態に係るプリンタにおいては、中間転写ベルト61の表面にトナー像を形成していない状態で、記録シートを2次転写ニップに通しながら、そのときの自然移動量Mを測定し、測定結果に基づいて上記軸間距離を調整した後、中間転写ベルト61の表面にトナー像を形成した状態で別の記録シートを2次転写ニップに通しながら、ベルト上のトナー像を記録シートに転写するようになっている。かかる構成では、実際に測定した自然移動量Mに基づいて強制移動量Mを決定することで、厚みと自然移動量Mとの変化に起因する転写圧不足や線状の濃度ムラの発生を回避することができる。
また、第2実施形態に係るプリンタにおいては、同じ厚みの複数枚の記録シートを連続で2次転写ニップに通しながらそれぞれの記録シートに画像を形成する連続プリント動作の場合には、距離調整手段による距離調整を行わない条件で中間転写ベルト61から1枚目の記録シートへのトナー像の転写を行うとともに、その際の自然移動量Mを測定し、2枚目以降の記録シートを2次転写ニップに通すのに先立って、測定結果に基づく2次転写ローラ72の強制移動による軸間距離の調整を行うようにしている。かかる構成では、連続プリント動作の場合には、トナー像を転写しない記録シートを2次転写ニップに通しながら自然移動量Mを測定してから画像形成動作を開始することによるプリント時間の長期化を回避することができる。
また、第1、第2、第3実施形態に係るプリンタにおいては、厚みセンサ38による検知結果が所定値以上になった場合にだけ上記軸間距離を調整するように、距離調整手段の一部である制御部82を構成している。かかる構成では、2次転写ローラ72の強制移動による軸間距離の調整が不要であるにもかかわらず、調整を行うことによるプリント時間の長期化を回避することができる。
転写ニップの一例を示す拡大構成図。 当接部材が像担持体から離れる直前の転写ニップを示す拡大構成図。 転写ニップに記録シートが進入する際の当接部材の自然移動を説明するための構成図。 2次転写ローラの自然移動量が記録シートの厚みよりも大きくなる2次転写ニップの一例を示す拡大構成図。 通紙時の2次転写ローラの位置と、2次転写ローラの強制移動量との関係を示すグラフ。 2次転写ローラの自然移動量を測定したときの距離センサ出力値の変化を示すグラフ。 2次転写ローラを強制移動させた後、記録シートを2次転写ニップに進入させたときの2次転写ローラの位置を測定した実験における距離センサ出力値の変化を示すグラフ。 2次転写ローラの強制移動量と転写圧との関係を示すグラフ。 第1実施形態に係るプリンタを示す要部構成図。 同プリンタの電気回路の一部を示すブロック図。 第2実施形態に係るプリンタを示す要部構成図。 実施例に係るプリンタを示す要部構成図。
符号の説明
38:厚みセンサ(厚み情報取得手段)
61:中間転写ベルト(像担持体)
68:転写対向ローラ(ベルト支持体)
72:2次転写ローラ(当接部材)
78:付勢コイルバネ(付勢手段)
79:偏心カム(距離調整手段の一部)
82:制御部(距離調整手段の一部)
82c:ROM(データ記憶手段)
87:カムモータ(距離調整手段の一部)
89:距離センサ(距離変化検知手段)
P:記録シート

Claims (14)

  1. 回転軸を中心にして回転可能に構成された像担持体、あるいは、回転軸を中心にして回転可能なベルト支持体に対して掛け回されるベルト状の像担持体と、
    回転可能な該像担持体の表面、あるいは、ベルト状の該像担持体における該ベルト支持体に対する掛け回し箇所の表面、に当接することが可能な当接部材と、
    該像担持体及び当接部材のうち、何れか一方を付勢して他方に当接させる付勢手段と、
    記録シートの厚み情報を取得する厚み情報取得手段と、
    該厚み情報取得手段によって取得された厚み情報に基づいて、該付勢手段によって付勢される該像担持体又は当接部材に対して、該付勢手段の付勢力に抗する力を付与して該像担持体又は当接部材を移動させることで、回転可能な該像担持体の回転軸又はベルト支持体の回転軸と該当接部材との距離を調整する距離調整手段とを備え、
    該像担持体と該当接部材との間に通した記録シートに対して該像担持体の表面上の可視像を転写する画像形成装置において、
    上記付勢手段に対して上記距離調整手段による抗力を付与せず、且つ記録シートを上記像担持体と上記当接部材との間に通していない状態から、該付勢手段に対して該距離調整手段による抗力を付与せず、且つ記録シートを該間に通した状態に移行した際における上記距離の変化量と、該記録シートの厚みとの関係を示すデータを記憶しているデータ記憶手段を設けるとともに、
    上記厚み情報取得手段によって取得された厚み情報と、該データ記憶手段に記憶されているデータとに基づいて上記距離を調整するように、上記距離調整手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、
    上記付勢手段に対して上記距離調整手段による抗力を付与せず、且つ記録シートを該像担持体と該当接部材との間に通していない状態における上記距離と、該付勢手段に対して該距離調整手段による抗力を付与して上記距離を調整し、且つ記録シートを該間に通していない状態における上記距離との差を、該記録シートについて上記厚み情報取得手段によって取得された上記厚み情報に関連付けられて上記データ記憶手段に記憶されている上記変化量と同等以下にする条件で上記距離を調整するように、上記距離調整手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2の画像形成装置において、
    上記像担持体と上記当接部材との当接部のシート搬送方向上流側又は下流側のシート搬送路を、該当接部に挟み込まれた記録シートの腰の強さによって該像担持体及び該当接部材に対して上記距離を広げる方向の力を付与する構造にし、
    上記付勢手段に対して上記距離調整手段による抗力を付与せず、且つ記録シートを該間に通していない状態における上記距離と、該付勢手段に対して該距離調整手段による抗力を付与して上記距離を調整し、且つ記録シートを該間に通していない状態における上記距離との差を、上記厚み情報取得手段によって取得された上記厚み情報と同等以上にする条件で上記距離を調整するように、上記距離調整手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1、2又は3の画像形成装置において、
    上記距離の変化を検知する距離変化検知手段を設けるとともに、
    上記データ記憶手段に記憶されている上記距離の変化量と、上記付勢手段に対して上記距離調整手段による抗力を付与せず、且つ記録シートを上記像担持体と上記当接部材との間に通した状態で該距離変化検知手段によって検知した上記距離の変化量とに差が生じた場合には、上記データ記憶手段に記憶されている上記距離の変化量を該距離変化検知手段による検知結果に基づいて変更する変更手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 回転軸を中心にして回転可能に構成された像担持体、あるいは、回転軸を中心にして回転可能なベルト支持体に対して掛け回されるベルト状の像担持体と、
    回転可能な該像担持体の表面、あるいは、ベルト状の該像担持体における該ベルト支持体に対する掛け回し箇所の表面、に当接することが可能な当接部材と、
    該像担持体及び当接部材のうち、何れか一方を付勢して他方に当接させる付勢手段と、
    該付勢手段によって付勢される該像担持体又は当接部材に対して、該付勢手段の付勢力に抗する力を付与して該像担持体又は当接部材を移動させることで、回転可能な該像担持体の回転軸又はベルト支持体の回転軸と該当接部材との距離を調整する距離調整手段とを備え、
    該像担持体と該当接部材との間に通した記録シートに対して該像担持体の表面上の可視像を転写する画像形成装置において、
    上記距離の変化を検知する距離変化検知手段を設けるとともに、
    上記付勢手段に対して上記距離調整手段による抗力を付与せず、且つ記録シートを上記像担持体と上記当接部材との間に通していない状態から、該付勢手段に対して該距離調整手段による抗力を付与せず、且つ記録シートを該間に通した状態に機構した際における上記距離の変化量を該距離変化検知手段によって検知し、その検知結果に基づいて上記距離を調整するように、上記距離調整手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項5の画像形成装置において、
    上記付勢手段に対して上記距離調整手段による抗力を付与せず、且つ記録シートを該像担持体と該当接部材との間に通していない状態における上記距離と、該付勢手段に対して該距離調整手段による抗力を付与して上記距離を調整し、且つ記録シートを該間に通していない状態における上記距離との差を、上記変化量の検知結果と同等以下にする条件で上記距離を調整するように、上記距離調整手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項5又は6の画像形成装置において、
    上記像担持体と上記当接部材との当接部のシート搬送方向上流側又は下流側のシート搬送路を、該当接部に挟み込まれた記録シートの腰の強さによって該像担持体及び該当接部材に対して上記距離を広げる方向の力を付与する構造にし、
    記録シートの厚み情報を取得する厚み情報取得手段を設け、
    上記付勢手段に対して上記距離調整手段による抗力を付与せず、且つ記録シートを該間に通していない状態における上記距離と、該付勢手段に対して該距離調整手段による抗力を付与して上記距離を調整し、且つ記録シートを該間に通していない状態における上記距離との差を、該厚み情報取得手段によって取得された上記厚み情報と同等以上にする条件で上記距離を調整するように、上記距離調整手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項7の画像形成装置において、
    上記厚み情報取得手段によって取得された上記厚み情報と、上記距離変化検知手段によって検知された上記変化量とを関連付けてデータ記憶手段に記憶させる記憶制御手段を設け、
    且つ、該厚み情報取得手段によって取得された上記厚み情報と、該データ記憶手段に記憶されている上記変化量とに基づいて上記距離を調整するように、上記距離調整手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項8の画像形成装置において、
    上記データ記憶手段に記憶されている上記距離の変化量と、上記付勢手段に対して上記距離調整手段による抗力を付与せず、且つ記録シートを上記像担持体と上記当接部材との間に通した状態で上記距離変化検知手段によって検知した上記距離の変化量とに差が生じた場合には、該データ記憶手段に記憶されている上記距離の変化量を該距離変化検知手段による検知結果に基づいて変更するように、上記記憶制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項5乃至9の何れかの画像形成装置であって、
    上記像担持体の表面に可視像を形成していない状態で、上記付勢手段に対して上記距離調整手段による抗力を付与せずに記録シートを該像担持体と上記当接部材との間に通しながら、上記距離変化検知手段によって上記変化量を検知し、検知結果に基づいて上記距離を上記距離調整手段によって調整した後、該像担持体の表面に可視像を形成した状態で別の記録シートを該間に通しながら、該像担持体上の可視像を該記録シートに転写することを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項5乃至10の何れかの画像形成装置において、
    同じ厚みの複数の記録シートを連続で上記像担持体と上記当接部材との間に通しながらそれぞれの記録シートに画像を形成する連続画像形成動作の場合には、上記付勢手段に対して上記距離調整手段による抗力を付与せずに上記像担持体から1枚目の記録シートへの可視像の転写を行うとともに、該記録シートを該間に通していない状態から該間に通した状態に移行した際における上記距離の変化量を該距離変化検知手段によって検知し、2枚目以降の記録シートを該間に通すのに先立って、該距離変化検知手段の検知結果に基づく距離調整を上記距離調整手段によって行うようにしたことを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項1、2、3、4、7、8、9、10又は11の画像形成装置において、
    上記厚み情報検知手段によって取得された上記厚み情報が所定値以上になった場合にだけ上記距離を調整するように、上記距離調整手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項5乃至11の何れかの画像形成装置において、
    上記付勢手段に対して上記距離調整手段による抗力を付与せず、且つ記録シートを上記像担持体と上記当接部材との間に通していない状態から、該付勢手段に対して該距離調整手段による抗力を付与せず、且つ記録シートを該間に通した状態に移行した際における上記距離の変化量を上記距離変化検知手段によって検知し、その検知結果が所定値以上になった場合にだけ上記距離を調整するように、該距離調整手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項1乃至13の何れかの画像形成装置において、
    上記距離調整手段として、上記当接部材を移動させて上記距離を調整するもの、を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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