JP4529343B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、遊技機の一種として、所定の遊技領域を有する遊技盤を備えたパチンコ機が知られている。遊技盤には、可変入賞装置、作動チャッカー、可変表示装置等が配設されている。可変表示装置の表示部には、例えば複数の図柄より構成される複数の図柄列が表示され、これら図柄が各図柄列毎に可変表示される。詳しくは、作動チャッカーへ遊技球が入賞すると、可変表示装置の表示部では図柄が可変表示される。そして、そこに確定された図柄の組合せが予め設定した特定の図柄の組合せとなった場合には特別遊技状態が発生し、可変入賞装置の大入賞口が所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態となる。すなわち、特別遊技状態では、大入賞口に遊技球が入賞することに基づいて、遊技者に対し多数の景品球が払い出される。なお、作動チャッカーは、1つ又は複数の羽根を備えており、通常、これらの羽根は遊技球が入賞しづらい閉状態となっている。そして、所定条件が成立した場合には、羽根は遊技球が入賞しやすい開状態となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、パチンコ機の隙間から針金等をパチンコ機内へ侵入させ、所定条件が成立してないにもかかわらず、作動チャッカーの羽根を強制的に駆動させ、多くの遊技球を作動チャッカーに入賞させようとする不正行為が行われるおそれがあった。
【0004】
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、作動チャッカー等の所定の入賞手段に対して行われる不正行為を低減することのできる遊技機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために有効な手段を以下に示す。なお、必要に応じてその作用等についても説明する。
本発明に係る遊技機は、
発射装置によって発射された遊技球が案内され、当該遊技球が流下可能な遊技領域を具備した遊技盤に、遊技球が入賞可能な特定入賞装置を備え、
前記特定入賞装置が、
遊技球が入賞不能又は入賞困難となる閉塞位置と、遊技球が入賞可能又は入賞容易となる開放位置との間で開閉回動動作可能な一対の開閉部材と、
前記一対の開閉部材の間を通って入賞した遊技球が通過可能な球通路と、
前記球通路を通過する遊技球を検出する検出スイッチとを備え、
前記特定入賞装置への遊技球の入賞に基づいて所定の遊技価値が付与される遊技機であって、
前記特定入賞装置は、
前記開閉部材の回動軸線方向と略平行な第1軸線に沿って所定の第1位置と第2位置との間で直線駆動可能な駆動部材を有する特定駆動手段と、
前記第1位置から第2位置へと向かう特定駆動方向への前記駆動部材の直線駆動に連動して、前記第1軸線と略直交する第2軸線を軸心として回動する駆動伝達部材とを備え、
前記駆動伝達部材は、
前記第1軸線と略平行に形成された前記球通路の両側壁部に対しそれぞれ個々に軸支されかつ前記開閉部材を操作可能な一対のアーム部と、
前記第2軸線と略平行に並設されかつ前記第2軸線よりも上方位置にて前記両アーム部を連結する第1受部及び第2受部とを備え、
前記駆動部材は、
その変位状態に応じて前記第1受部と第2受部とに当接可能となる掛かり部を備え、
前記第1受部には、前記駆動部材が前記第1位置にある場合において、前記掛かり部が当接する略平面状の受け面が第2軸線と平行する方向に沿って形成され、
前記駆動部材が前記特定駆動方向へ駆動する際には、前記掛かり部が前記第2受部に当接することによって、前記駆動伝達部材が特定回動方向へ回動するとともに、前記アーム部を介して前記開閉部材に力が伝達され、前記開閉部材が前記閉塞位置から前記開放位置へと回動するように構成され、
前記駆動部材が前記第1位置にある場合には、前記掛かり部が前記第1受部の受け面に当接することによって、前記駆動伝達部材の前記特定回動方向への回動が規制されるとともに、前記アーム部によって前記開閉部材の回動が規制され、前記開閉部材が回動不能又は回動困難となるようにしたことをその要旨としている。
【0006】
【発明の実施の形態】
手段1.遊技盤に、遊技球が入賞可能な特定入賞装置を備え、
前記特定入賞装置が、遊技球が入賞不能又は入賞困難となる閉塞位置と、遊技球が入賞可能又は入賞容易となる開放位置との間で開閉動作可能な少なくとも1つの開閉部材を備えてなる遊技機であって、
前記開閉部材を開閉駆動させるための特定駆動手段を備え、
前記閉塞位置にある開閉部材に対し、前記開放位置へ変位させる前記特定駆動手段からの応力以外の操作力が加えられた場合には、
前記開閉部材が前記閉塞位置にある状態において、変位不能又は変位困難となっている前記特定入賞装置の特定部位に前記開閉部材の一部が係止され、
前記開閉部材の前記開放位置への変位が規制されるようにしたことを特徴とする遊技機。
【0007】
上記手段1によれば、開閉部材が前記閉塞位置にある状態において、開閉部材に対して駆動手段からの応力以外の操作力が加わった場合には、開閉部材の前記開放位置への変位が規制されるようになっている。従って、例えばパチンコ機等のように、特定入賞装置への遊技球の入賞に基づいて所定の遊技価値が付与される遊技機において、当該遊技機内へ針金等を侵入させ、開閉部材を強制的に開放させることによって多くの遊技球を特定入賞装置へ入賞させようとする不正行為等を極力防止できる。また、仮に開閉部材が閉塞位置にある状態においても、開閉部材の一部が係止される特定部位が所定方向に変位可能に構成されている場合には、開閉部材から受ける特定方向への応力に対しては当該応力を受けとめることが可能となるが、開閉部材と特定部位との係り具合によっては当該特定部材に対して前記所定方向への力が加わってしまい、特定部位が変位するとともに、開閉部材が変位可能となってしまうおそれがあった。しかし、上記手段1では、開閉部材が前記閉塞位置にある状態において、開閉部材が係止される特定部位が変位不能又は変位困難となっているため、そのような不具合の発生を抑えることができる。
【0008】
手段2.遊技盤に、遊技球が入賞可能な特定入賞装置を備え、
前記特定入賞装置が、遊技球が入賞不能又は入賞困難となる閉塞位置と、遊技球が入賞可能又は入賞容易となる開放位置との間で回動可能な少なくとも1つの開閉部材を備えてなる遊技機であって、
前記特定入賞装置は、変位可能な駆動部材を有し当該駆動部材の変位に基づき前記開閉部材を駆動させる特定駆動手段を備え、
前記駆動部材が特定位置にある場合には、前記開閉部材が前記閉塞位置に位置するよう構成され、
前記閉塞位置にある開閉部材に対し、前記開放位置へ変位させる前記特定駆動手段からの応力以外の操作力が加えられた場合には、
前記駆動部材が特定位置にある状態において、変位不能又は変位困難となっている前記特定入賞装置の特定部位に前記開閉部材の一部が係止され、
前記開閉部材の前記開放位置への回動が規制されるようにしたことを特徴とする遊技機。
【0009】
上記手段2によれば、駆動部材が特定位置にある状態において、開閉部材に対して駆動手段からの応力以外の操作力が加わった場合には、開閉部材の前記開放位置への変位が規制されるようになっている。従って、例えばパチンコ機等のように、特定入賞装置への遊技球の入賞に基づいて所定の遊技価値が付与される遊技機において、当該遊技機内へ針金等を侵入させ、開閉部材を強制的に開放させることによって多くの遊技球を特定入賞装置へ入賞させようとする不正行為等を極力防止できる。また、仮に駆動部材が特定位置にある状態においても、開閉部材の一部が係止される特定部位が所定方向に変位可能に構成されている場合には、開閉部材から受ける特定方向への応力に対しては当該応力を受けとめることが可能となるが、開閉部材と特定部位との係り具合によっては当該特定部材に対して前記所定方向への力が加わってしまい、特定部位が変位するとともに、開閉部材が変位可能となってしまうおそれがあった。しかし、上記手段2では、駆動部材が特定位置にある状態において、開閉部材が係止される特定部位が変位不能又は変位困難となっているため、そのような不具合の発生を抑えることができる。
【0010】
手段3.手段2において、前記駆動部材は特定の第1軸線に沿って直線駆動可能に構成され、
前記特定位置である第1位置から所定の第2位置へと向かう特定駆動方向への前記駆動部材の駆動に連動して、前記第1軸線と略直交する第2軸線を軸心として回動する駆動伝達部材を備え、
前記駆動部材が前記第1位置にある場合には、前記駆動伝達部材の特定回動方向への回動を規制するように当該駆動部材の一部が前記駆動伝達部材の一部に当接するよう構成され、
前記特定部位は当該駆動伝達部材の一部位であることを特徴とする遊技機。
【0011】
上記手段3によれば、駆動部材の駆動方向と交差する方向である駆動伝達部材の特定回動方向への動きが、当該駆動部材によって直接的に規制される。このため、より確実に上記開閉部材の回動を規制でき、上記不正行為等を防止できる。
【0012】
手段4.手段3において、前記開閉部材は、前記駆動伝達部材の回動に連動して、前記閉塞位置から前記開放位置へと前記第1軸線と略平行な第3軸線を軸心として回動するように構成されていることを特徴とする遊技機。
【0013】
手段5.手段3において、前記開閉部材は、前記駆動伝達部材の回動に連動して、前記閉塞位置から前記開放位置へと前記第2軸線と略平行な第3軸線を軸心として回動するように構成されていることを特徴とする遊技機。
【0014】
手段6.遊技盤に、遊技球が入賞可能な特定入賞装置を備え、
前記特定入賞装置が、遊技球が入賞不能又は入賞困難となる閉塞位置と、遊技球が入賞可能又は入賞容易となる開放位置との間で開閉動作可能な少なくとも1つの開閉部材を備えてなる遊技機であって、
前記特定入賞装置は、所定の第1位置と第2位置との間で特定の第1軸線に沿って直線駆動可能な駆動部材を有する特定駆動手段と、
前記第1位置から第2位置へと向かう特定駆動方向への前記駆動部材の直線駆動に連動して、前記第1軸線と略直交する第2軸線を軸心として回動する駆動伝達部材とを備え、
前記駆動伝達部材の回動に連動して、前記開閉部材が前記閉塞位置から前記開放位置へと前記第1軸線と略平行な第3軸線を軸心として回動するように構成され、
前記駆動部材が前記第1位置にある場合には、当該駆動部材によって前記駆動伝達部材の回動が規制され、前記開閉部材が回動不能又は回動困難となるようにしたことを特徴とする遊技機。
【0015】
上記手段6によれば、駆動部材が上記第1位置にある場合には、当該駆動部材によって駆動伝達部材の回動が規制されているため、開閉部材に対して駆動手段からの応力以外の外力が加わった場合でも、駆動伝達部材へ伝達される応力が駆動部材によって受け止められ、当該開閉部材が回動しないように又は回動しにくくなる。従って、例えばパチンコ機等のように、特定入賞装置への遊技球の入賞に基づいて所定の遊技価値が付与される遊技機において、当該遊技機内へ針金等を侵入させ、開閉部材を強制的に開放させることによって多くの遊技球を特定入賞装置へ入賞させようとする不正行為等を極力防止できる。
【0016】
手段7.手段6において、前記駆動伝達部材は、前記第2軸線と略平行に並設された第1受部と第2受部とを有し、
前記駆動部材は、その変位状態に応じて前記第1受部と第2受部とに当接可能となる掛かり部を有し、
前記駆動部材が前記第1位置にある場合には、前記掛かり部が前記駆動伝達部材の特定回動方向への駆動を規制するように前記第1受部に当接し、
前記駆動部材が前記特定駆動方向へと駆動する際には、前記掛かり部が前記第2受部に掛かることによって、当該第2受部に前記特定回動方向への力が加わり、前記駆動伝達部材が回動するようにしたことを特徴とする遊技機。
【0017】
上記手段7によれば、上記駆動部材の駆動方向と交差する方向である駆動伝達部材の特定回動方向への動きが、当該駆動部材によって直接的に規制される。このため、比較的少ない部品点数で、より確実に上記開閉部材の回動を規制でき、上記不正行為等を防止できる。また、特定の構成部材を新たに設けたりして、上記特定入賞装置の構成を比較的複雑にすることなく、上記駆動伝達部材を回動させたり規制したりすることができ、特定入賞装置の構成の簡素化を図ることができる。
【0018】
手段8.手段6又は手段7において、前記開閉部材は、前記第3軸線上から外れた位置において、かつ、当該第3軸線と略平行に突出する操作子を有し、
前記駆動伝達部材は、前記操作子を操作可能な少なくとも1つの特定操作部を有し、
当該特定操作部によって前記操作子の回動が規制されるようにしたことを特徴する遊技機。
【0019】
上記手段8によれば、開閉部材の回動軸と駆動伝達部材の回動軸とが交差した構成の下、特定操作部が操作子をその回動方向に対して押さえ付けるため、より確実に外力による開閉部材の回動が規制される。
【0020】
手段9.手段6又は手段7において、前記開閉部材は、前記第3軸線上から外れた位置において、かつ、当該第3軸線と略平行に突出する操作子を有し、
前記駆動伝達部材は、前記操作子を操作可能な少なくとも1つの特定操作部を有し、
前記特定操作部は、前記特定回動方向に沿って並設された第1操作部と第2操作部とにより構成され、
前記駆動部材が第1位置にある場合には、前記第1操作部が前記操作子の回動を規制し、
前記駆動伝達部材が前記特定回動方向へ回動する際には、前記第2操作部によって前記操作子に対して、少なくとも前記第3軸線に略直交する特定方向への力が加えられ、前記開閉部材が回動するようにしたことを特徴とする遊技機。
【0021】
上記手段9によれば、上記特定操作部と操作子との連結構成により、駆動伝達部材の回動が開閉部材の回動へと変換される。また、開閉部材の回動軸と駆動伝達部材の回動軸とが交差した構成の下、特定操作部が操作子をその回動方向に対して押さえ付けるため、より確実に外力による開閉部材の回動駆動が規制される。
【0022】
手段10.遊技盤に、遊技球が入賞可能な特定入賞装置を備え、
前記特定入賞装置が、遊技球が入賞不能又は入賞困難となる閉塞位置と、遊技球が入賞可能又は入賞容易となる開放位置との間で開閉動作可能な一対の開閉部材を備えてなる遊技機であって、
前記特定入賞装置は、前記遊技盤面に略直交する特定の第1軸線に沿って所定の第1位置と第2位置との間で直線駆動可能な駆動部材を有する特定駆動手段と、
前記第1位置から第2位置へと向かう特定駆動方向への前記駆動部材の直線駆動に連動して、前記第1軸線と略直交する第2軸線を軸心として回動する駆動伝達部材とを備え、
前記各開閉部材は、前記第1軸線と略平行な第3軸線を軸心として回動可能に構成されるとともに、前記第3軸線上から外れた位置において、かつ、当該第3軸線と略平行に突出する操作子を備え、
前記駆動伝達部材は、前記第2軸線と略平行に並設された第1受部と第2受部と、前記操作子を操作可能な一対の特定操作部とを備え、
前記各特定操作部は、前記駆動伝達部材の回動方向に沿って並設された第1操作部及び第2操作部を有し、
前記駆動部材は、その変位状態に応じて前記第1受部と第2受部とに当接可能となる掛かり部を備え、
前記駆動部材が前記特定駆動方向へと駆動するに際して、前記掛かり部が前記第2受部に掛かることによって、当該第2受部に特定回動方向への力が加わり、前記駆動伝達部材が回動するとともに、前記第2操作部によって前記操作子に対して少なくとも前記第3軸線に略直交する特定方向への力が加えられ、前記開閉部材が前記閉塞位置から前記開放位置へと回動するように構成され、
前記駆動部材が前記第1位置にある場合には、前記掛かり部が前記駆動伝達部材の前記特定回動方向への駆動を規制するように前記第1受部に当接するとともに、前記第1操作部によって前記操作子の回動が規制され、前記開閉部材が回動不能又は回動困難となるようにしたことを特徴とする遊技機。
【0023】
上記手段10によれば、駆動部材の駆動方向及び開閉部材の回動軸と、駆動伝達部材の回動軸とが略直交した構成の下、駆動部材が駆動伝達部材の回動を規制し、特定操作部が操作子をその回動方向に対して押さえ付けている。従って、開閉部材に対して駆動手段からの応力以外の外力が加わった場合でも、各操作子を介して駆動伝達部材へ伝達される応力が駆動部材によって受け止められ、当該開閉部材が回動しないように又は回動しにくくなる。これにより、例えばパチンコ機等のように、特定入賞装置への遊技球の入賞に基づいて所定の遊技価値が付与される遊技機において、当該遊技機内へ針金等を侵入させ、開閉部材を強制的に駆動させることによって多くの遊技球を特定入賞装置へ入賞させようとする不正行為等を極力防止できる。また、上記構成とすれば、比較的少ない部品点数で、上記特定入賞装置の構成を比較的複雑にすることなく、より確実に外力による上記開閉部材の回動を規制でき、特定入賞装置の構成の簡素化を図ることができる。
【0024】
手段11.手段3乃至手段10のいずれかにおいて、前記駆動部材を前記第1位置に付勢する付勢手段を備えたことを特徴とする遊技機。
【0025】
上記手段11によれば、付勢手段を備えることにより、駆動部材を第1位置に維持させ、上記駆動伝達部材をより確実に規制することができる。
【0026】
手段12.手段1乃至手段11のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機であること。中でも、パチンコ機の基本構成としては、操作ハンドルを備えておりそのハンドル操作に応じて遊技球を遊技盤面上に発射させ、遊技球が遊技盤を流下し、遊技盤に配設された所定の入賞手段に入賞することに基づいて、所定条件が成立した場合には特別遊技価値が付与される。
【0027】
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0028】
図1に示すように、パチンコ機1は、外枠2と、該外枠2の前部に設けられ外枠2の一側部にて開閉可能に支持された前面枠3とを備えている。
【0029】
前面枠3の前面側にはガラス扉枠4が開閉自在に設けられている。前面枠3の後側(ガラス扉枠4の奥、外枠2の内側)には、遊技盤5が着脱可能に装着されている。
【0030】
ガラス扉枠4の下方には、遊技球Bを貯留するための球受皿としての上皿6が設けられている。また、前面枠3の前面下部には、ほぼ中央部において球受皿としての下皿7が設けられている。下皿7の側方には、遊技球発射用ハンドル8が設けられている。ハンドル8は図示しない遊技球発射装置に連結されており、遊技者がハンドル8を回転させることにより、遊技球Bが遊技球発射装置から発射される。
【0031】
遊技盤5には、ルータ加工が施されることによって複数の開口部が形成されており、各開口部には、普通入賞チャッカー11、可変入賞装置12、特定入賞装置としての作動チャッカー13、可変表示装置14、スルーチャッカー15等が配設されている。
【0032】
遊技盤5の一側部には、遊技球発射装置によって発射される遊技球Bを遊技盤5の上部に案内する内レール16a及び外レール16bが設けられている。内レール16aの下端部付近において、遊技盤5には遊技球Bを導出するアウト口17が形成されている。そして、遊技盤5の下部に流下した遊技球Bの多くは、このアウト口17を通って図示しない球排出路へと案内される。本実施の形態では、遊技盤5のうち内レール16a及び外レール16bによって囲まれ、可変表示装置14等が配設された部分が、遊技球Bが流下可能な遊技領域となっている。
【0033】
さて、可変表示装置14は、液晶表示部20を備えている。液晶表示部20には、例えば左図柄列、中図柄列及び右図柄列の3つの表示列が表示される。各図柄列は識別情報としての複数の図柄によって構成されており、これら図柄が各図柄列毎にスクロールするように可変表示される。
【0034】
より詳しくは、可変表示装置14の下方に設けられた作動チャッカー13に遊技球Bが入賞することに基づいて、可変表示装置14の液晶表示部20の図柄が可変表示される。そして、停止された図柄の組合せが予め設定した特定の組合せとなった場合には特別遊技価値が付与される。すなわち、大当たり状態が発生し、可変入賞装置12の大入賞口が所定の開放状態となり(具体的には所定時間、所定回数だけ開く)、遊技球Bが入賞しやすい状態になる。なお、可変入賞装置12は、通常、遊技球Bが入賞できない状態又は入賞し難い状態になっている。なお、作動チャッカー13は、通常、遊技球Bの入賞し難い閉塞状態となっており、所定条件が成立した場合には、遊技球Bの入賞しやすい開放状態となる。
【0035】
また、周知のとおり、前記普通入賞チャッカー11、可変入賞装置12、作動チャッカー13に遊技球Bが入賞することに基づいて、上皿6又は下皿7に対し所定数の景品球(遊技球B)が払い出される。また、遊技盤5には、遊技球Bの流下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘や風車等の各種部材(役物)が配設されている(但し、便宜上、符号を省略する)。
【0036】
パチンコ機1の背面側には、図示しない制御装置が設けられている。制御装置は、例えば、パチンコ機1の主たる制御を行う主基板や、遊技球Bの払出制御を行う払出制御基板等により構成されている。
【0037】
次に、上述した作動チャッカー13について図2乃至図6を参照しつつ詳しく説明する。作動チャッカー13は、遊技盤5面上に配設される台板30を備えている。台板30の下部には遊技球Bが前後方向へ通過可能な通過孔31が形成されている。台板30の背面側には、通過孔31の下辺部から突出する底壁部32と、当該底壁部32に連接し通過孔31の両側辺部から突出する一対の側壁部33とが設けられている。底壁部32の下面部には、遊技球Bを検出するための検出スイッチ34が取着されている。検出スイッチ34の後部は、底壁部32の後端部から突出しており、その突出部分には遊技球Bの通過を許容し、かつ、その通過を検出する検出孔35が形成されている。底壁部32の後端部には検出スイッチ34を固定するとともに、遊技球Bを検出孔35へと導くためのスイッチカバー36が取着されている。
【0038】
また、側壁部33の後端上部には、特定駆動手段としてのソレノイド40が固定カバー41とともに取着されている。ソレノイド40は、その台板30側において、前後方向へ駆動可能な駆動部材としてのプランジャ42を備えている。なお、プランジャ42の軸心が本実施の形態における第1軸線を構成する。
【0039】
プランジャ42は、その軸部より径の大きな円盤状の掛かり部としての先端部43を有する。また、前記軸部の周囲には付勢手段としてのコイルばね44が圧縮された状態で取着されている。これにより、ソレノイド40が非励磁状態にある場合には、コイルばね44の付勢力によりプランジャ42が突出位置に配され維持されている。また、ソレノイド40が励磁されるとプランジャ42がソレノイド40内に没入し、励磁状態ではプランジャ42がその没入位置で維持される。前記突出位置が本実施の形態における第1位置に相当し、前記没入位置が第2位置に相当する。従って、プランジャ42の没入方向が本実施の形態における特定駆動方向に相当する。
【0040】
前記両側壁部33間には、ソレノイド40の前方において、駆動伝達部材としてのソレノイドアーム45が回動可能に支持されている。詳しくは、ソレノイドアーム45は、両側壁部33に沿った一対のアーム部46と、両アーム部46を連結する2本の連結バー(前連結バー47と後連結バー48)とにより構成されている。ここで、前連結バー47が本実施の形態における第1受け部を構成し、後連結バー48が第2受け部を構成する。
【0041】
ソレノイドアーム45には、その左右両側部(アーム部46の外側壁部)の後端部近傍において、左右一対の軸突部49が形成されている。各軸突部49はそれぞれ前記両側壁部33の相対向する面に設けられた孔部50に回動可能にはめ込まれている。これにより、前記両軸突部49を結んだ左右方向の線を軸として、ソレノイドアーム45が両側壁部33に対して回動するようになっている。なお、前記左右方向の軸線が本実施の形態における第2軸線に相当する。
【0042】
両アーム部46の前端部には、それぞれ上下一対の操作部(上操作部51a、下操作部51b)が略前方へ向けて突出形成されている。なお、上記一対の操作部51a,51bが本実施の形態における特定操作部を構成する。また、上操作部51aが第1操作部を構成し、下操作部51bが第2操作部を構成する。上下操作部51a,51bは、それぞれその先端部が略対向する側に向くように湾曲しており、両操作部51a,51b間には略C字状に切り欠かれた隙間が形成されている。
【0043】
前連結バー47及び後連結バー48は、アーム部46の長手方向と略直交するように設けられており、それらの長手方向の両端部は下方に向けて屈曲し各アーム部46の上面部に連接されている。
【0044】
通常時(ソレノイド40が非励磁状態にある場合)、ソレノイドアーム45は前傾状態となっており、少なくとも下操作部51bの高さ位置が軸突部49の位置より低位置となっている。前連結バー47には、通常時に上方を向く略平面状の受け面47aが形成され、通常時には、後連結バー48の上端部が前連結バー47の上端部より若干高くなる。また、通常時、プランジャ42の先端部43はコイルばね44の付勢力によって、台板30の背面側の受け部52に当接するとともに、先端部43の外周下端部が受け面47aにほぼ当接する。
【0045】
さて、台板30の前面側には、上部の開口した前カバー53が通過孔31を覆うように取着されている。前カバー53と台板30との間には、通過孔31の両側辺部に対応して左右一対の開閉部材としての羽根54が回動可能に支持されている。
【0046】
詳しくは、前カバー53と台板30の相対向する面にはそれぞれ両羽根54に対応するように図示しない軸突部が設けられている。両羽根54の下部には、それぞれその前後両面において所定の前記軸突部がはめ込まれる前後一対の軸受け凹部57が設けられている(図6参照)。従って、各羽根54は、その両軸受け凹部57を結ぶ前後方向の線を軸として回動するようになっている。両羽根54の先端部は前カバー53から外方へ突出している。なお、前記前後方向の軸線は本実施の形態における第3軸線に相当する。
【0047】
両羽根54の背面側には、それぞれ軸受け凹部57の近傍であって、かつ、作動チャッカー13の左右方向の中央部よりの部分において、略棒状の操作子58が後方へ向けて突出形成されている。各操作子58は、通常時、少なくとも軸受け部57の中心より下方に位置する。各操作子58は、通過孔31を介して台板30の背面側へ突出し、その後端部が前記各アーム部46の一対の操作部51a,51b間に配されている。
【0048】
また、両羽根54の前面側の下端部近傍には係止突部60が設けられ、これに対応するように前カバー53の背面側には係止突部60を係止可能な図示しないストッパが設けられている。これにより、両羽根54の回動変位量が規制され、後述するように両羽根54が遊技球Bの入賞容易となる所定の開放位置に維持可能となっている。
【0049】
さらに、台板30の前面上部には、通過孔31の上方において、遊技球Bが通過可能な貫通孔を有する誘導部材61が設けられている。通常時、両羽根54の先端部が略上方を向いた状態で誘導部材61の下端部近傍に位置しており、各羽根54と誘導部材61との間は遊技球Bが通過不能となっている。従って、通常時、両羽根54は遊技球Bが入賞困難となる閉塞位置をとり、誘導部材61を介してのみ、遊技球Bが作動チャッカー13内へ入球可能となる。
【0050】
次に、上記のように構成されてなる本実施の形態の作用及び効果について説明する。
【0051】
本実施の形態によれば、所定条件が成立し、ソレノイド40が励磁されると、プランジャ42が後方向へスライド変位しソレノイド40内へ没入される。プランジャ42が後方向へスライドする際には、先端部43の下部が後連結バー48に掛かり、後連結バー48に後方向への力が加わる。このため、プランジャ42のスライド変位に伴いソレノイドアーム45が回動変位し、上下操作部51a,51bの位置が上がっていく。
【0052】
これに伴い、各下操作部51bによって各操作子58に上方向への力が加えられる。これにより、両羽根54は、各先端部が離間していくように回動変位する。つまり、作動チャッカー13の正面から見て、左側の羽根54は反時計回りに、右側の羽根54は時計回りに回動する。この回動は、係止突部60が前記ストッパに係止されることにより、各羽根54の先端部が略水平方向に向いた位置で停止するようになっている(図6(b)参照)。この状態、つまり作動チャッカー13が開放状態となると、誘導部材61を介してのみならず、誘導部材61の下方からも遊技球Bが作動チャッカー13内へ入賞可能となる。そして、作動チャッカー13内へ入賞した遊技球Bは、通過孔31を通過し、底壁部32,検出孔35を経て図示しない球排出部へと導かれる。そして、検出スイッチ34によって遊技球Bが検出されると、上述したように上記払出制御基板の指示に基づき、上皿6又は下皿7に対し所定数の景品球(遊技球B)が払い出される。
【0053】
さて、ソレノイド40の励磁が解除されると、コイルばね44の付勢力によってプランジャ42は前方へスライドする。プランジャ42が前方へスライドする際には、先端部43の下部が前連結バー47に掛かり、前連結バー47に前方への力が加わる。これにより、ソレノイドアーム45は回動し、各アーム部46の先端部が通常時の位置へと戻される。これに伴い、各上操作部51aによって各操作子58に下方向への力が加えられ、各羽根54の先端部がそれぞれ内方向へ向かうように各羽根54が回動する。各羽根54の先端部が略上方を向いた状態(閉塞状態)となり停止する(図6(a)参照)。
【0054】
この際、上述したように、プランジャ42の先端部43の下端部が受け面47aに当接される。つまり、通常時では、プランジャ42の駆動方向及び各羽根54の回動軸と、ソレノイドアーム45の回動軸とが略直交した構成の下、プランジャ42がソレノイドアーム45を押さえ付けるとともに、各上操作部51aが各操作子58をその回動方向に対して押さえ付けた状態となっている。
【0055】
従って、各羽根54に対してプランジャ42からの応力以外の外力が加わった場合でも、各操作子58を介してソレノイドアーム45へ伝達される応力がプランジャ42によって受け止められ、各羽根54が回動困難となる。これにより、パチンコ機1内へ針金等を侵入させ、各羽根54を強制的に開かせることによって、多くの遊技球Bを作動チャッカー13へ入賞させようとする不正行為等を極力防止できる。
【0056】
尚、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0057】
(a)上記実施の形態に限らず、作動チャッカー13とは異なる他の特定入賞装置(例えば可変入賞装置等)において実施するようにしてもよい。可変入賞装置において実施した場合には、例えば略板状の開閉部材がソレノイドアームの回動軸線と略平行な軸線を軸心として回動し、略垂直方向に沿って配置されることにより閉塞位置となり、前方に傾倒することにより開放位置となる。
【0058】
(b)上記実施の形態では、作動チャッカー13は、各羽根54が閉塞状態となることにより、遊技球Bが当該作動チャッカー13内に入賞困難な状態となるように構成されているが、これに限らず、各羽根54が閉塞状態となることにより、その各先端部が当接し、遊技球Bが当該作動チャッカー13内に入賞不能な状態となるように構成してもよい。
【0059】
(c)上記羽根54の数が1つ又は3つ以上設けられた構成としてもよい。
【0060】
(d)上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機にも適用してもよい。従って、可変表示装置14のないパチンコ機や、いわゆる第1種,第3種のパチンコ機にも応用できる。また、本発明は、パチンコ機以外にも雀球、アレンジボール等の遊技機にも応用可能である。
【0061】
【発明の効果】
本発明に係る遊技機によれば、作動チャッカー等の所定の入賞手段に対して行われる不正行為を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。
【図2】作動チャッカーの正面図である。
【図3】作動チャッカーの平面図である。
【図4】作動チャッカーの側面図である。
【図5】作動チャッカーを説明するための図2,3におけるA−A線断面図である。
【図6】(a)は閉塞状態における羽根,ソレノイド等の状態を説明するための図であり、(b)は開放状態における羽根,ソレノイド等の状態を説明するための図である。
【符号の説明】
1…遊技機としてのパチンコ機、5…遊技盤、13…特定入賞装置としての作動チャッカー、14…可変表示装置、20…液晶表示部、30…台板、34…検出スイッチ、35…検出孔、40…特定駆動手段としてのソレノイド、42…駆動部材としてのプランジャ、43…掛かり部としての先端部、44…付勢手段としてのコイルばね、45…駆動伝達部材としてのソレノイドアーム、46…アーム部、47…第1受け部としての前連結バー、47a…受け面、48…第2受け部としての後連結バー、49…軸突部、51a…第1操作部としての上操作部、51b…第2操作部としての下操作部、53…前カバー、54…開閉部材としての羽根、58…操作子、B…遊技球。
Claims (1)
- 発射装置によって発射された遊技球が案内され、当該遊技球が流下可能な遊技領域を具備した遊技盤に、遊技球が入賞可能な特定入賞装置を備え、
前記特定入賞装置が、
遊技球が入賞不能又は入賞困難となる閉塞位置と、遊技球が入賞可能又は入賞容易となる開放位置との間で開閉回動動作可能な一対の開閉部材と、
前記一対の開閉部材の間を通って入賞した遊技球が通過可能な球通路と、
前記球通路を通過する遊技球を検出する検出スイッチとを備え、
前記特定入賞装置への遊技球の入賞に基づいて所定の遊技価値が付与される遊技機であって、
前記特定入賞装置は、
前記開閉部材の回動軸線方向と略平行な第1軸線に沿って所定の第1位置と第2位置との間で直線駆動可能な駆動部材を有する特定駆動手段と、
前記第1位置から第2位置へと向かう特定駆動方向への前記駆動部材の直線駆動に連動して、前記第1軸線と略直交する第2軸線を軸心として回動する駆動伝達部材とを備え、
前記駆動伝達部材は、
前記第1軸線と略平行に形成された前記球通路の両側壁部に対しそれぞれ個々に軸支されかつ前記開閉部材を操作可能な一対のアーム部と、
前記第2軸線と略平行に並設されかつ前記第2軸線よりも上方位置にて前記両アーム部を連結する第1受部及び第2受部とを備え、
前記駆動部材は、
その変位状態に応じて前記第1受部と第2受部とに当接可能となる掛かり部を備え、
前記第1受部には、前記駆動部材が前記第1位置にある場合において、前記掛かり部が当接する略平面状の受け面が第2軸線と平行する方向に沿って形成され、
前記駆動部材が前記特定駆動方向へ駆動する際には、前記掛かり部が前記第2受部に当接することによって、前記駆動伝達部材が特定回動方向へ回動するとともに、前記アーム部を介して前記開閉部材に力が伝達され、前記開閉部材が前記閉塞位置から前記開放位置へと回動するように構成され、
前記駆動部材が前記第1位置にある場合には、前記掛かり部が前記第1受部の受け面に当接することによって、前記駆動伝達部材の前記特定回動方向への回動が規制されるとともに、前記アーム部によって前記開閉部材の回動が規制され、前記開閉部材が回動不能又は回動困難となるようにしたことを特徴とする遊技機。
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