JP6748467B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
この新たな不正行為では、一方(1個目)の遊技球は弱い力で発射させることから、この遊技球を発射した際には繋がれた糸部材へ十分な張力が加わらず、上述のようなパチンコ機における挟み込み部では糸部材を挟み込むことが困難となる。また、他方(2個目)の遊技球を発射した際には、一方の遊技球は下皿等に戻っていることから遊技球に繋がれた糸部材への張力の加わり方が従来の不正行為と異なり、この糸部材は上述の挟み込み部を回避して遊技領域へ到達可能となる。
このように、上述のようなパチンコ機では、2個の遊技球を糸部材で繋いだものを用いた新たな不正行為を防止することができないとの問題が生じていた。
以下、本発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて説明する。なお、下記の符号及び記載は、本発明の構成に相当する発明の実施の形態における構成の符号及び名称を示したものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
したがって、本発明に係る遊技機によれば、糸部材で繋いだ2個の遊技球の一方を下皿等に戻させた後、他方の遊技球を遊技領域120へ送り込むという新たな不正行為が行われる場合にも、糸部材が糸部材挟み部10に挟み込まれ、遊技球の操作を不可能となるため、上述のような新たな不正行為を防止することができるのである。
なお、本明細書において、パチンコ機Pに設けられた各構成部品についての、前後(正面背面)、左右(側面)、上下(平面底面)の方向は、各構成部品をパチンコ機Pに固定した状態でパチンコ機Pを正面視したときの方向を示すものとする。
(パチンコ機Pの外部構成)
本発明の実施の形態に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ機Pである。特に図示していないが、一般的に、パチンコ機Pが設置される遊技場においては、島と呼ばれる遊技機の設置領域に、複数台のパチンコ機Pが並べて配設されるとともに、遊技球を貸し出すための遊技球貸出装置(特に図示しておらず)が各パチンコ機Pに隣接して設置される。また、各パチンコ機Pは対応する遊技球貸出装置に接続されている。
遊技球貸出装置は、紙幣の投入や遊技球の貸し出しに必要な価値情報が記憶される記憶媒体(カード)の挿入が可能となっている。そして、遊技球貸出装置に紙幣を投入(又は、カードを挿入)した上で、パチンコ機Pに対して所定の操作を行うことにより、遊技球貸出装置から遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
このパチンコ機Pでは、機枠F1に対して本体枠F2を閉じ、さらに、前扉Dを閉じると、遊技盤110の前方に透明板400が位置することとなる。これにより、透明板400を介して、後方に位置する遊技盤100を視認することができるようになっている。
操作ハンドルHDは、本体枠F2の正面側に設けられた遊技球を打ち出すためのハンドルであり、遊技者が回転操作可能に形成されている。
発射装置50は、図3及び図4に示すように、駆動装置51と、駆動装置51に連結されたハンマー52とを少なくとも備えている。ハンマー52は、後述する本体枠F2に設けられた発射球貯留部60に貯留されている遊技球を1個ずつ打ち出すためのものであり、駆動装置51はハンマー52を回転駆動させるためのモータ又はソレノイドである。
次に、糸部材挟み部10について説明する。ここで、本実施の形態における糸部材挟み部10は、遊技球に釣り糸等の糸部材を接着剤等で固定し、該遊技球を遊技領域120へ打ち出す不正行為に対処するためのものである。特に、本発明は、糸部材の一端部に一の遊技球を固定し、他端部に他の遊技球を固定して、糸部材によって2個連結された遊技球を遊技領域120へ打ち出して行われる不正行為の場合に適したものである。
また、隣接する2つの挟み片における一方の挟み片32は、カッター部材30の表面から下方(カッター部材30の表面と直交する方向)に折り曲げられており、挟み片32の先端は、他方の挟み片31の先端よりも下側に位置するようになっている(図5参照)。
また、取り付けガイド部材40には、ベースガイド部材20と取り付けガイド部材40とをネジ止めするためのネジ孔43が設けられている(図5参照)。
この傾斜部20bには、図5に示すように、ベースガイド部材20を取り付けガイド部材40に取り付けた状態で、取り付けガイド部材40の切り欠き面41と対向する端面21と、端面21の下端から正面方向へ向けて下り傾斜する傾斜端面22と、端面21の左端に沿って形成され奥方向へ向けて開口する凹溝24と、端面21の上側に位置し奥方向へ突出した保持片25と、が設けられている。
そして、凹溝24にカッター部材30を嵌め込むと、カッター部材30の裏面が保持片25の表面に当接するようになっており、カッター部材30がベースガイド部材20(凹溝24及び保持片25)により保持される。
なお、カッター部材30は、若干のガタつき(遊び)を持たせた状態で、ベースガイド部材20及び取り付けガイド部材40により保持されるようにしてもよい。このようにすることで、糸部材がどのような状態で進行した場合であっても挟み片31,32により挟み込まれやすいようにすることができる。
また、上述の如く、ベースガイド部材20の傾斜部20bは、ベースガイド部材20を取り付けガイド部材40に取り付けた状態で、取り付けガイド部材40の傾斜部40aと同斜度で下り傾斜するようになっている。そうすると、ベースガイド部材20の傾斜部20bに設けられた凹溝24及びこの凹溝24に嵌め込まれたカッター部材30も、取り付けガイド部材40の傾斜部40aと同斜度で下り傾斜することとなる(図4及び図5参照)。
そして、発射装置50から発射された遊技球は、発射強度が十分な場合には、発射球貯留部60から上側空間部70a及び発射通路110を経て遊技領域120へ到達し、発射強度が足りずに発射通路110や遊技領域120へ到達しなかった場合には、発射球貯留部60又は上側空間部70aから下側空間部70bを経て球入口71に到達する。
この不正行為は、糸部材によって2個連結された遊技球のうち先に発射球貯留部60に供給された遊技球(以下、第1遊技球という)を、発射強度を抑えて打ち出すことによりファール球とし下皿700に排出された状態とした上で、次に発射球貯留部60に供給された遊技球(以下、第2遊技球という)を、遊技領域120へ到達可能な発射強度で打ち出し、遊技領域120に到達した第2遊技球を糸部材により操作することで、始動入賞口等への不正な入球を行うものである。
また、第1遊技球と第2遊技球とを繋ぐ糸部材は上述の経路を移動する第1遊技球に追従するため、第1遊技球が下皿700に到達した際、この糸部材は、第2遊技球が位置している上皿600又は発射球貯留部60から球誘導部70における球入口71及び球出口72を介して下皿700まで張り巡らされた状態となる(図7(B)参照)。なお、第1遊技球は、球入口71を介して本体枠F2の表側から裏側へ至った後、球出口72を介して本体枠F2の裏側から表側へ至るため、糸部材は本体枠F2に括り付けられた状態となっている。
このとき、糸部材は、第2遊技球に追従し、第2遊技球が発射通路110内を上るに伴って発射通路110の方向へ引っ張られることとなる(図7(c)参照)。そして、この糸部材は、第2遊技球に引っ張られることにより発射通路110の方向へ向けての張力が加えられた状態で、下側空間部70bを経て糸部材挟み部10の傾斜切り欠き面42又は傾斜端面22に当接する。その後、第2遊技球が発射通路110内をさらに上ると、糸部材は、傾斜切り欠き面42又は傾斜端面22に案内されて切り欠き面41と端面21との間に間隙に到達し、さらには、間隙内に位置しているカッター部材30の切り込み部33に入り込むこととなる。そして、上述の如く、糸部材は、カッター部材30の挟み片31,32に挟み込まれた状態で切り込み部33の内奥部へ向けて進行し、切断されるか又は内奥部より先への進行が妨げられることとなる。
これにより、糸部材によって2個連結された遊技球を用いた不正行為が行われる場合において、第1遊技球が下皿700に排出された状態で下皿700から球誘導部70を経て発射球貯留部60まで張り巡らされた糸部材が、発射球貯留部60から打ち出された第2遊技球の進行に伴って発射通路110方向へ引っ張られる際に、糸部材挟み部10を構成するカッター部材30の切り込み部33に入り込むことで、この糸部材は切断されるか又は切り込み部44の内奥部より先への進行が妨げられる。
したがって、糸部材を操作しても、最早、遊技領域120に到達した第2遊技球を始動入賞口等へ入球させることができず、糸部材によって2個連結された遊技球を用いた不正行為を適切に防止することができるのである。
上述の実施の形態では、糸部材挟み部10は、本体枠F2の表面に設けられていたが、これに限定されるものではなく、蓋部材80の裏面に糸部材挟み部10を設け、蓋部材80を閉じると、球誘導部70内に糸部材挟み部10が配設されるようにしてもよい。
また、糸部材挟み部10は、球入口71の上流側に設けるのではなく、球入口71と球出口72の間や、球出口72の下流側に設けてもよい。
また、上述の実施の形態では、カッター部材30における2つの挟み片のうち、一方の挟み片32を、カッター部材30の表面から下方に折り曲げ、挟み片32の先端が他方の挟み片31の先端よりも下側に位置するように形成していたが、これに限定されるものではなく、挟み片31をカッター部材30の表面から下方に折り曲げ、挟み片31の先端が挟み片32の先端よりも下側に位置するように形成してもよい。
また、挟み片31及び挟み片32のいずれか一方をカッター部材30の表面から上方に折り曲げ、一方の先端が他方の先端よりも上側に位置するように形成してもよい。
このように形成した場合であっても、上述の実施の形態と同様の効果を奏することとなる。
このように形成した場合には、上述の実施の形態と同様の効果を奏するとともに、本体枠F2への糸部材挟み部10の取り付けが容易となる。
また、上述の実施の形態では、第1遊技球をファール球とすることにより行われる不正行為を防止する糸部材挟み部10のみが設けられていたが、これに限定されるものではなく、上述の糸部材挟み部10に加え、第1遊技球を遊技領域120に到達可能な発射強度で打ち出す(すなわち、第1遊技球を遊技領域120に到達させる)ことにより行われる不正行為を防止する糸部材挟み部も設けるようにしてもよい。たとえば、上述の糸部材挟み部10に加え、発射装置50の球発射端部上に糸部材を挟み込むための糸部材挟み部を設けてもよい。
このように、遊技球を遊技領域120に到達させることにより行われる不正行為を防止する第1の糸部材挟み部と、遊技球を遊技領域120に到達させないことにより行われる不正行為を防止する第2の糸部材挟み部とを、遊技球が移動可能な経路上に設けることで、種々の不正行為を適切に防止することができるのである。
なお、第1の糸部材挟み部及び第2の糸部材挟み部は、遊技球が移動可能な経路上に設けられていれば、いずれを上流側に配置してもよいが、第1の糸部材挟み部を第2の糸部材挟み部よりも上流側に配置するのが望ましい。
次に、第二の実施の形態について説明する。ここでは、主に、第一の実施の形態に係るパチンコ機Pとの相違点について詳細に説明し、第一の実施の形態に係るパチンコ機Pと同一の構成については説明を簡略化又は省略するものとする。なお、カッター部材30、ベースガイド部材20及び取り付けガイド部材40が備える各構成については、第一の実施の形態における各構成と異なる符号を付し、それ以外については第一の実施の形態と同一の符号を付すものとする。
また、本実施の形態では、蓋部材80の裏面に糸部材挟み部10が設けられており、蓋部材80を本体枠F2に取り付けると、球誘導部70の途中に糸部材挟み部10が配設されるようになっている(図8参照)。
本実施の形態における糸部材挟み部10は、蓋部材80を本体枠F2に取り付けた状態で、球誘導部70の途中であって球入口71の左上方(すなわち、球入口71の上流側)に配設されるようになっている(図8及び図11参照)。また、本実施の形態では、取り付けガイド部材40は蓋部材80の裏面に設けられており、カッター部材30を嵌め込んだ状態のベースガイド部材20を取り付けガイド部材40に取り付けることで蓋部材80の裏面に糸部材挟み部10が設けられ、この蓋部材80を本体枠F2に取り付けることで、糸部材挟み部10が本体枠F2に取り付けられることとなる(図8、図9及び図10参照)。
そして、切り込み部33aへ入り込んだ糸部材は、切断されるか又は切り込み部33aの内奥部よりも先への進行が妨げられることとなる。
この延設部20dには、図8〜図10に示すように、ベースガイド部材20を取り付けガイド部材40に取り付けた状態で、取り付けガイド部材40の切り欠き面41aと対向する端面21aと、端面21aの左端から左奥方向へ向けて傾斜する傾斜端面22aと、が設けられている。また、端面21aには、図8〜図10に示すように、ベースガイド部材20を取り付けガイド部材40に取り付けた状態で正面方向へ向けて開口する凹溝24aが形成されている。
また、ベースガイド部材20を取り付けガイド部材40に取り付けると、図9に示すように、取り付けガイド部材40における切り欠き部47aの切り欠き面41aと、ベースガイド部材20における延設部20dの端面21aとが、所定幅の間隙を介して対向するとともに、この間隙に、凹溝24a及び嵌め込み溝44に嵌め込まれたカッター部材30の切り込み部33aが位置するようになっている。
本実施の形態における下側空間部70dは、第一の実施の形態における下側空間部70bと異なり、発射球貯留部60とは直接連通しておらず、上側空間部70cを介して発射球貯留部60に至るようになっている(図11参照)。
そのため、発射装置50から発射された遊技球は、発射強度が十分な場合には、上側空間部70c及び発射通路110を経て遊技領域120に到達するものの、発射強度が足りずに発射通路110や遊技領域120へ到達しなかった場合には必ず、上側空間部70cから下側空間部70dを経て球入口71に到達する。
上述の不正行為を行うに際して、発射球貯留部60から打ち出された第1遊技球は、上側空間部70cにおける糸部材挟み部10の右側及び上側の空間を進行するものの、発射通路110や遊技領域120に到達することなく自重により落下し、上側空間部70cにおける糸部材挟み部10の上側及び左側の空間を経て、下側空間部70dに到達し、さらに、この下側空間部70dを経て糸部材挟み部10の右下方に位置する球入口71に受け入れられる(図11参照)。そして、球入口71に受け入れられた第1遊技球は、本体枠F2の裏側を通って球出口72から本体枠F2の表側に出て、球排出路73を経て下皿700に到達する(図11参照)。
したがって、第2遊技球が遊技領域120に到達した後、糸部材を操作しても、最早、第2遊技球を始動入賞口等へ入球させることができず、糸部材によって2個連結された遊技球を用いた不正行為を適切に防止することができるのである。
上述の実施の形態では、糸部材挟み部10は、蓋部材80の裏面に設けられていたが、これに限定されるものではなく、本体枠F2の表面に設けてもよい。
また、糸部材挟み部10は、球入口71の上流側に設けるのではなく、球入口71と球出口72の間や、球出口72の下流側に設けてもよい。
また、カッター部材30の挟み片31a,32aについては、第一の実施の形態の変形例と同様に、挟み片31aをカッター部材30の表面から下方に折り曲げ、挟み片31aの先端が挟み片32aの先端よりも下側に位置するように形成してもよい。また、挟み片31a及び挟み片32aのいずれか一方をカッター部材30の表面から上方に折り曲げ、一方の先端が他方の先端よりも上側に位置するように形成してもよい。
このように形成した場合であっても、上述の実施の形態と同様の効果を奏することとなる。
このように形成した場合には、上述の実施の形態と同様の効果を奏するとともに、蓋部材80への糸部材挟み部10の取り付けが容易となる。
また、第一の実施の形態の変形例と同様に、第1遊技球をファール球とすることにより行われる不正行為を防止する糸部材挟み部10のみならず、上述の糸部材挟み部10に加え、第1遊技球を遊技領域120に到達可能な発射強度で打ち出すことにより行われる不正行為を防止する糸部材挟み部(たとえば、発射装置50の球発射端部上に設けられた糸部材挟み部等)も設けるようにしてもよい。これにより、種々の不正行為を適切に防止可能となる。
10 糸部材挟み部 20 ベースガイド部材
30 カッター部材 40 取り付けガイド部材
50 発射装置 60 発射球貯留部
70 球誘導部 71 球入口
80 蓋部材
100 遊技盤 110 発射通路
120 遊技領域 600 上皿
700 下皿
Claims (1)
- 遊技球が流下する遊技領域が設けられた遊技盤と、
遊技球を貯留する発射球貯留部と、
前記発射球貯留部に貯留された遊技球を発射する発射装置と、を備え、
前記発射装置によって所定の発射強度以上で発射された遊技球が、前記遊技領域へ到達可能に形成されている遊技機であって、
前記発射球貯留部に連通し、前記発射装置によって発射された遊技球が前記遊技領域の方向へ移動可能であり、かつ前記発射装置によって発射された遊技球のうち前記遊技領域へ到達しなかった遊技球が前記遊技領域の方向と異なる所定方向へ移動可能な球誘導部と、
前記球誘導部に連通し、前記遊技領域へ到達しなかった遊技球を当該球誘導部を介して遊技機の外部へ至らせる球出口と、
糸部材を挟み込むことが可能な糸部材挟み部と、を備え、
前記糸部材挟み部は、前記球誘導部内における、前記発射装置から発射された遊技球が前記遊技領域へ至るまでの間には通過しないものの、前記遊技領域へ至らずに前記球出口に至るまでの間において通過する経路中であって、糸部材の一端が固着された遊技球が前記発射球貯留部に貯留され、かつ当該糸部材の他端を前記球誘導部を介して前記球出口まで至らせた状態で当該遊技球を前記遊技領域へ向けて発射した際に、当該遊技球の移動に追従する糸部材を挟み込むことが可能な位置に設けられていることを特徴とする遊技機。
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