JP6925702B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
そして遊技ユニットは、固定的なユニット構成部材である演出ユニット(同「裏ユニット39」)の演出ケース体(同「箱状本体ケース67」)や主として演出的な画像を表示する表示装置(同「図柄表示装置13」)等と、待機位置で停止している停止状態から所定の軌道を通って作動状態に変化することにより遊技を演出する可動装飾体(同「可動演出装置200」等)と、を有する。
所定の返却皿を備えた遊技機であって、
遊技球が流下する遊技領域と、
所定の発射位置から前記遊技領域に向けて遊技球を発射する球発射装置と、
前記発射位置から発射されたものの前記遊技領域に到達しなかった遊技球が入球可能な入口を有し、該入口に入球した遊技球を前記返却皿に返却する返却経路を構成する返却部と、
遊技球に付された線材が前記返却経路および前記返却部の出口を通じて前記返却皿側から操作されることを防止し得る不正防止部と、
を備え、
前記不正防止部は、切断部位を有する金属板材からなり、該金属板材は、前記返却経路内の所定位置に前記切断部位が位置するように、前記返却部の側壁に形成された開口を介して前記返却部の側壁の外側から装着可能であり、
前記返却経路に位置する線材に張力が付加された際に当該線材が前記切断部位で切断されうるように前記金属板材を前記返却部に配置することにより、遊技球に付された線材が前記返却経路および前記返却部の出口を通じて前記返却皿側から操作されることを防止し得るようにしたものであり、
さらに、前記切断部位は、当該遊技機の前面側を構成する前扉が閉鎖状態にあるときに外部から接触困難な位置に配置され、
さらに、当該遊技機には、前記金属板材とは別に、遊技球に付された線材を切断又は挟止する別防止部が設けられ、該別防止部は、前記金属板材よりも前記発射位置に近い位置に設けられ、
前記別防止部で切断できなかった線材を、前記金属板材の前記切断部位で切断可能にした
ことを特徴とする。
前記外枠2は、左枠部材(符合が付されていないものは図示を省略している。以下同じ。)及び右枠部材40の下端同士を連結し下枠部材20の前側に取付けられる幕板部材50と、上枠部材10の正面視左端部側に取付けられている外枠側上ヒンジ部材60と、幕板部材50の正面視左端側上部と左枠部材とに取付けられている外枠側下ヒンジ部材70と、を備えている。外枠2の外枠側上ヒンジ部材60と外枠側下ヒンジ部材70とによって、本体枠4及び扉枠3が開閉回動可能に取付けられている。
パチンコ機1の扉枠3は、図1及び図2A等に示すように、正面視の外形が上下に延びた四角形で前後に貫通している貫通口111を有した枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の貫通口111よりも下側で前面右下隅に取付けられており遊技球を遊技ユニット5の遊技領域5a内へ打込むために遊技者が操作可能なハンドルユニット300と、扉枠ベースユニット100の貫通口111よりも下側で前面下部に取付けられている皿ユニット320と、皿ユニット320の中央に取付けられており遊技領域5a内に遊技球が打込まれることで変化する遊技状態に応じて遊技者に参加型の演出を提示することが可能な演出操作ユニット400と、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも左側の前面左部に取付けられている扉枠左サイドユニット530と、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも右側の前面右部に取付けられている扉枠右サイドユニット550と、扉枠左サイドユニット530及び扉枠右サイドユニット550の上側で扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも上側の前面上部に取付けられている扉枠トップユニット570と、を備えている。
扉枠3の扉枠ベースユニット100は、正面視の外形が上下に延びた長方形(四角形)で前後に貫通している貫通口111を有した板状の扉枠ベース110と、扉枠ベース110の後側に取付けられている枠状の補強ユニット130と、補強ユニット130の正面視左端側の上下両端に取付けられており本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けられる扉枠側上ヒンジ部材及び扉枠側下ヒンジ部材と、扉枠ベース110の後面に取付けられ貫通口111を閉鎖するガラスユニット190と、ガラスユニット190の後面下部を覆う防犯カバー200と、扉枠ベース110の後面に扉枠ベース110を貫通して前方に突出するように取付けられ開閉可能とされている扉枠3と本体枠4、及び本体枠4と外枠2との間を施錠するための開閉シリンダユニット210と、扉枠ベース110の後面下部に取付けられ遊技球を球発射装置680に送るための球送りユニット250と、扉枠ベース110の後面下部に取付けられ球発射装置680により発射されて遊技領域5a内に到達しなかった遊技球を受けて下皿322へ排出させるファールカバーユニット270と、を備えている。
扉枠3のハンドルユニット300は、回転可能なハンドル301を遊技者が回転操作することで、上皿321内に貯留されている遊技球を、ハンドル301の回転角度に応じた強さで遊技ユニット5の遊技領域5a内に打込むことができるものである。
扉枠3の皿ユニット320は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の前面において貫通口111の下側の部位に取付けられ、前面が前方へ膨出していると共に、左右方向中央の前端に演出操作ユニット400が取付けられる。皿ユニット320は、遊技領域5a内に打込むための遊技球を貯留する上皿321と、上皿321の下側に配置されており上皿321やファールカバーユニット270から供給される遊技球を貯留可能な下皿322と、上皿321に貯留されている遊技球を下皿322へ抜くための上皿球抜きボタン327と、球貸機に投入した現金やプリペイドカードの残金の範囲内で遊技者に遊技球を貸し出すための球貸ボタンと、球貸機から貸出された遊技球の分を差し引いた現金やプリペイドカードを返却させるための返却ボタンと、球貸機に投入した現金やプリペイドカードの残数等を表示する球貸返却表示部と、下皿322内の遊技球を皿ユニット320の下方へ排出するための下皿球抜きボタン333と、を備えている。
扉枠3の演出操作ユニット400は、皿ユニット320の正面視左右方向中央の前部に取付けられるものであり、遊技者が押圧操作することができる大型の操作ボタン410を備えている。
扉枠3の扉枠左サイドユニット530は、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも左側の前面左部に取付けられ、貫通口111(遊技領域5a)の左外側を装飾するものである。扉枠左サイドユニット530は、発光装飾可能な左ユニット装飾レンズ部材を備えている。
扉枠3の扉枠右サイドユニット550は、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも右側の前面右部に取付けられ、貫通口111(遊技領域5a)の右外側を装飾するものである。この扉枠右サイドユニット550は、発光装飾可能な右ユニット装飾レンズ部材を備えている。
扉枠3の扉枠トップユニット570は、扉枠左サイドユニット530及び扉枠右サイドユニット550の上側で扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110の前面における貫通口111の上側に取付けられ、扉枠3の上部を装飾するものである。扉枠トップユニット570は、発光装飾可能なトップユニット装飾レンズ部材を備えている。
パチンコ機1の本体枠4は、一部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技ユニット5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベース600と、本体枠ベース600の正面視左側の上下両端に取付けられ外枠2の外枠側上ヒンジ部材60及び外枠側下ヒンジ部材70に夫々回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠側上ヒンジ部材及び扉枠側下ヒンジ部材が夫々回転可能に取付けられる本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材と、本体枠ベース600の正面視左側面に取付けられる補強フレームと、本体枠ベース600の前面下部に取付けられており遊技ユニット5の遊技領域5a内に遊技球を打込むための球発射装置680と、本体枠ベースの正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット700と、本体枠ベース600の正面視上辺及び左辺に沿って後側に取付けられており遊技者側へ遊技球を払出す逆L字状の払出ユニット800と、本体枠ベース600の後面下部に取付けられている基板ユニットと、本体枠ベース600の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース600に取付けられた遊技ユニット5の後側を覆う裏カバー980と、を備えている。
本体枠4の払出ユニット800は、本体枠ベース600の後側に取付けられる逆L字状の払出ユニットベースと、払出ユニットベースの上部に取付けられており上方へ開放された左右に延びた箱状で図示しない島設備から供給される遊技球を貯留する球タンク802と、球タンク802の下側で払出ユニットベースに取付けられており球タンク802内の遊技球を正面視左方向へ誘導する左右に延びたタンクレールと、払出ユニットベースにおける正面視左側上部の後面に取付けられタンクレールからの遊技球を蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニットと、球誘導ユニットの下側で払出ユニットベースから着脱可能に取付けられており球誘導ユニットにより誘導された遊技球を払出制御基板ボックスに収容された払出制御基板からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置と、払出ユニットベースの後面に取付けられ払出装置によって払出された遊技球を下方へ誘導すると共に皿ユニット320における上皿321での遊技球の貯留状態に応じて遊技球を通常放出口又は満タン放出口の何れかから放出させる上部満タン球経路ユニットと、払出ユニットベースの下端に取付けられ上部満タン球経路ユニットの通常放出口から放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の貫通球通路273へ誘導する通常誘導路及び満タン放出口から放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の満タン球受口274へ誘導する満タン誘導路を有した下部満タン球経路ユニット860と、を備えている。
パチンコ機1の遊技ユニット5は、詳細について後述するが、図1、図2A、図25等に示すように、遊技球が打込まれる遊技領域5aの外周を区画し後述する球発射装置680の発射レール684から発射された遊技球を遊技領域5aの上部に案内する外レール1001及び内レール1002を有した遊技パネル1100と、該遊技パネル1100の裏側に設けられる演出ユニット1200と、を備えている。
遊技ユニット5の遊技領域5aには、領域内のほぼ中央に開設された開口1111に取り付けられたセンター役物1028と、遊技球を受け入れると共にその遊技球を検出する入賞球センサを備えた入賞口1024と、同じく遊技球を受け入れると共にその遊技球を検出する入賞球センサ1025s(図24A参照)を備えた始動入賞口1025と、入賞しなかった遊技球を回収するアウト誘導部1003と、図示を省略するが、遊技球の落下に不規則な変化を与える風車や障害釘、等が設けられている。
一方、演出ユニット1200には、遊技パネル1100の裏面を囲うように取り付けられた演出ケース体1202と、その演出ケース体1202の後面であって前記センター役物1028(開口1111)に表示面1201gを向けた液晶等の表示装置1201と、入賞口1024や始動入賞口1025の前記入賞球センサ1025sの各検出信号やパチンコ機1に設けられる各種のスイッチからの入力信号を受けて処理する一つあるいは複数の制御装置1027が設けられている。この制御装置1027は、前記した各種スイッチからの入力信号を受けると共に遊技の当り外れを決める抽選等の遊技の進行を司る遊技進行制御や、扉枠3の扉枠左サイドユニット530、扉枠右サイドユニット550、扉枠トップユニット570の各装飾レンズ部材や、後述する透明発光装飾手段1206及び導光板ユニット1205、さらには後述する第1〜第3可動装飾体1207,1208,1209の発光や駆動を司る演出制御等を行うものである。
扉枠ベースユニット100の球送りユニット250について、主に図3及び図4を参照して詳細に説明する。図3(a)は扉枠ベースユニットの球送りユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球送りユニットを後ろから見た斜視図である。図4(a)は球送りユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は球送りユニットの後ケースと不正防止部材を外して後から見た分解斜視図である。球送りユニット250は、皿ユニット320の上皿321から供給される遊技球を一つずつ球発射装置650へ供給することができると共に、上皿321内に貯留された遊技球を、上皿球抜きボタン327の操作によって下皿へ抜くことができるものである。
操作線無効化部材260は、正面視の外形が左右に延びた長方形状に形成されており、右辺から左方へ所定距離の間において、上下方向略中央で上下に分離している第一片部261及び第二片部262と、第一片部261及び第二片部262の互いに対向している辺の先端側(正面視右端側)でC面取り状に夫々形成されている傾斜部263と、を備えている。操作線無効化部材260の第一片部261は、操作線無効化部材260の平板面に対して、図4(a)において正面視右端が後方へ突出するように屈曲させられている。一方、第二片部262は、操作線無効化部材260の平板面と同一面上に延びている。これにより、平面視において、第一片部261と第二片部262とによって、右方に向かうに従ってV字状に広がる剪断部260vを形成している。
扉枠ベースユニット100のファールカバーユニット270について、図5乃至図8を参照して詳細に説明する。図5(a)は扉枠ベースユニットのファールカバーユニットを前から見た斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを後ろから見た斜視図である。また、図6(a)はファールカバーユニットを蓋部材を外して前から見た分解斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを蓋部材を外して後ろから見た分解斜視図である。さらに、図7は、図6(a)のX−X線断面図、図8は、一部拡大図を含む図7のY−Y線断面図である。
なお、発射レール684と外レール1001の間に開設されたファール球落下口1013からファール球受部275と連絡通路2751と貯留通路277を通って球放出口276に至る一連の通路がファール球返却通路であり、これら一連の要素によって返却通路部1014が形成される。
ファールカバーユニット270に設けられた第2の操作線無効化部材2600は、連絡通路2751の上部通路壁2752とファール球受部275の底壁2750との間の内部空間であって、図8拡大図に示したようにユニット本体271の取付孔271h及び蓋部材272の取付孔272hに両横の凸部2601が嵌合支持され且つ上部通路壁2752の上面に固着(接着)して取り付けられ、さらに、安全上の配慮から従業員や遊技機組立作業員等の手が接触困難なように、ユニット本体271及び蓋部材272によって外部からカバーして収容されている。
具体的な操作線無効化部材2600は、前記球送りユニット250に設けられた前記操作線無効化部材260と同等の構成要素を備えており、図4の屈曲した第一片部261に相当する第一片部2610と、真っ直ぐな第二片部262に相当する前記凸部2601から延設された第二片部2620とによって、連絡通路2751の球の流下方向と対向する向きに開口するV字状の剪断部2600vが形成されている。
なお、実施形態のファールカバーユニット270は、図8拡大図に示したように、操作線無効化部材2600の前記V字状の剪断部2600vの中心が、ファールカバーユニット270を構成する蓋部材272の内面とほぼ面一になるように配設されると共にファール球受部275の底壁2750と連絡通路2751の上部通路壁2752との折り返し部分に操作線無効化部材2600の剪断部2600vに向けて操作線Lを誘導し得るテーパ状の誘導部2754が設けられている。具体的にはファール球受部275の底壁2750は、その上面を遊技球が流下するに必要な面幅を有しつつ、上部通路壁2752との折り返し部分に、蓋部材272側に向けて操作線無効化部材2600側に下る第一の傾斜部2754aと、その第一の傾斜部2754aに連続するように蓋部材272沿いに操作線無効化部材2600の剪断部2600vに向かって幅が狭くなる先窄み形状(操作線Lを捕獲し得る形状)の第二の傾斜部2754bと、からなるテーパ状の誘導部2754を有している。そして、この誘導部2754に不正球Qの転がりや外部からの引張りで張力を受けた操作線Lが巻回状に摺接すると、操作線Lに加わる張力によって前記第一の傾斜部2754aから第二の傾斜部2754bを滑るようにして該操作線Lが操作線無効化部材2600に誘導される。これにより、操作線Lを操作線無効化部材2600で確実に捉えることができる。このようにして正常なファール球の円滑な流下と、不正球Qに取り付けられた操作線Lの誘導を担っている。なお、操作線Lをより捕獲しやすくするために、誘導部2754の第一の傾斜部2754aと第二の傾斜部2754bの角部を湾曲状に形成しておくようにしてもよい。
例えば、下皿球供給口323cからセル板等の専用工具を使って不正球Qを返却通路部1014に押し込んで逆流させて球発射装置680の発射位置に送り込むような不正行為(以下「不正行為A」という。)が行われた場合、不正球Qが連絡通路2751の上部通路壁2752とファール球受部275の底壁2750との折り返し部分を越えて発射レール684の発射位置に向かうと、それに引っ張られて(張力が負荷されて)操作線Lが同折り返し部分に沿ってUターン状に回り込む。そうすると操作線Lが、誘導部2754のテーパに沿って操作線無効化部材2600に案内され、第一片部2610と第二片部2620によるV字状の剪断部2600vに入り込んで最終的に切断され、結果的に操作線Lが操作できなくなるから不正球Qを用いた不正行為を抑止することが可能となる。
また、操作線Lに複数の不正球Qをつなげてそのうちの1つを打球供給口252aから発射位置に送り込み、それを意図的にファール球にして、球用開口である下皿球供給口323cからファール球となった不正球に繋げられた操作線Lを掴んで後続の不正球Qを遊技領域5aに発射する不正行為(以下「不正行為B」という。)が行われた場合にも、連絡通路2751の上部通路壁2752とファール球受部275の底壁2750との折り返し部分に存在する操作線Lが、後続の不正球Qの発射により引っ張られて(張力が負荷されて)操作線Lが同折り返し部分に押し付けられ、上記と同様に操作線Lが剪断部2600vに入り込んで切断され、結果的に操作線Lが操作できなくなるから不正球Qを用いた不正行為を抑止することが可能となる。なお、図7、図8は、不正行為Bが行われた場合を想定した説明図である。また、上記した不正行為Bに対しては、第1の不正防止手段たる操作線無効化部材260等がファール球となる不正球Qに十分に効果を発揮できない可能性(例えば、ファール球となる程度の強さで不正球Qが発射されても操作線Lが第1の不正防止手段で無効化されない可能性)もあるため、本実施形態は、第1の不正防止手段による不正対策を補強する効果も有している。このため、不正行為Bを対象にする場合には、第1、第2の不正防止手段たる操作線無効化部材260,2600、さらには後述する第3の不正防止手段たる操作線無効化部材2600H,2600Sを適宜併用することが好ましい。
かかる操作線無効化部材2600によれば、図10拡大図に示したように操作線Lが、不正球Qに引っ張られて連絡通路2751の上部通路壁2752とファール球受部275の底壁2750との折り返し部分をUターン状に回り込むとき、同折り返し部分の誘導部2754のテーパに沿って操作線無効化部材2600に案内され、金属板2611と金属板2622の非接合部後半の挟止部2644によってピンセットのごとくに挟まれて挟止される。
これにより、前述した不正行為Aにより下皿球供給口323cから逆流した不正球Qが発射レール684の発射位置に到達すること、或は、不正行為Bにより意図的にファール球にした不正球Qが球用開口である下皿球供給口323cに到達することを抑制することが可能になると共に、仮にそこまで到達したとしても、操作線Lが操作線無効化部材2600に挟まれた状態にあるため、下皿球供給口323cから柔軟な操作線Lをいくら押し入れようとしてもそこで弛むのみであって結果的に操作線Lの繰り出し量が調整できない(遊技領域5aにぶら下がった不正球Qの高さが調整できない)ようになるから不正球Qを用いた不正行為を抑止することが可能となる。
なお、上述した実施形態では、二枚の金属板2611,2622の先端の非接合部前半をV字状に拡開させて導入案内部2633とし、非接合部後半を挟止部2644とする構成としたが、これに代えて、一枚の金属板を板面を重ねるように折り曲げて、折り曲がった一方の板面の先端部分をV字状に拡開させて導入案内部2633(誘導部)とし、両板面の挟幅部分を挟止部2644とする構成としてもよい。これにより、上述の不正抑止効果と同様の効果を奏しつつ、金属板の部品点数を減らすことによる組付作業効率を向上させることができる。
なお、コイルスプリングは、引張りコイルスプリングや捩りコイルスプリングのような無荷重時に隣合うコイル同士が当接している構造のものが、圧縮コイルスプリングのように圧縮状態にして設置する必要があるものに比べて設置作業上有利である。
また、コイルスプリングは、無荷重時の真っ直ぐな状態で設置してももちろんよいが、図11に示したように操作線Lの進入側のコイル同士が若干拡開する向きに湾曲させて設置する方が、操作線Lの進入が円滑になるため好ましい。
このように操作線無効化部材2600をコイルスプリングで形成した場合には、安価に製造できるため低コストにすることができる。
また、操作線無効化部材2600Dの無効化部2646の端縁は、軸孔2647を中心に旋回してファール球返却通路(返却通路部1014)を横切る交差辺部2651になっており、操作線無効化部材2600Dが図18(b)のリリース姿勢に揺動したとき該交差辺部2651がファール球返却通路の受部2652に嵌まるようになっている。
なお、まれに複数のファール球が一度に発生する場合があるが、そうした場合でも先のファール球が操作線無効化部材2600Dで処理される間、後のファール球が図18(b)のように弧状の球止部2648で止められ、操作線無効化部材2600Dが復動してから続けて処理される。したがってファール球が複数個同時に発生しても、一個ずつ順番に支障なく処理することができる。
なお、交差辺部2651と受部2652の間で操作線Lを蛇行させるなどして操作線Lの逆進が困難になるようにしておけば、操作線無効化部材2600Dに捕捉された状態の不正球Qを打球供給口252a側に引き戻すことも困難になる。これにより操作線無効化部材2600Dに残った不正球Qを証拠球として保存・回収することができる。
すなわち図20の操作線無効化部材2600Dは、前記のバランスウェイト2650を設けた部分に電動駆動手段たるソレノイド2653のプランジャ2654を連結すると共に操作線無効化部材2600Dの無効化部2646に球検出器2655を設けてなり、球受部2645に遊技球が載ってそれが球検出器2655によって検出されるとソレノイド2653のプランジャ2654が上昇して操作線無効化部材2600Dが球受け姿勢からリリース姿勢に変化し、また、球受部2645から遊技球が放出されてそれが球検出器2655によって検出(遊技球有りから無しへの信号の変化)されるとソレノイド2653のプランジャ2654が下降して操作線無効化部材2600Dがリリース姿勢から球受け姿勢に復動するようになっている。
斯かる操作線無効化部材2600Dの球受部2645に正常なファール球が載った場合は、ファール球の発生と放出が球検出器2655の信号の変化によって検出され、それを受けてソレノイド2653が適宜作動するため、自重利用の操作線無効化部材2600Dと同様にファール球が一個ずつ処理される。
一方、操作線無効化部材2600Dの球受部2645に不正球Qが載った場合は、不正球Qが球検出器2655で検出されるため、ソレノイド2653のプランジャ2654が上昇して操作線無効化部材2600Dが不正球Qを伴ってリリース姿勢に変化するものの、上記のように操作線Lが無効化部2646の交差辺部2651と受部2652に挟止されて不正球Qが落下せず、球検出器2655から放出の信号が発せられないため、ソレノイド2653のプランジャ2654が上昇位置に止まる。よって不正球Qが狙った球用開口から取り出せないため、不正を未然に防止することができる。
また、動的な操作線無効化部材2600Dは、上記の構成以外にも、例えば無効化部を、直線的に進退して連絡通路2751を開閉するシャッター板構造に形成すると共にそのシャッター板の先端をファール球返却通路を横切る交差辺部となし、また、連絡通路2751の流路の途中であって前記交差辺部の可動領域より下流に球検出器を設置すると共に交差辺部の可動領域を通過した後の不正球Qを該球検出器で検出して無効化部を作動させるようになし、そうして連絡通路2751を横切った交差辺部で操作線Lを挟止又は切断させるようにしてもよい。
また、上記した動的な操作線無効化部材2600Dは、球送りユニット250の第1の操作線無効化部材260に適用することもできる。具体的には、球送りユニット250に設けられている球送ソレノイド255を操作線無効化部材2600Dのソレノイド2653に置き換え、球送り部材254を操作線無効化部材2600Dに置き換える。この場合、不正球Qが球送りユニット250内に止まって球発射装置650へ供給されなくなるため、不正抑止効果を確実に高めることができる。
すなわち、この操作線無効化部材2600Dは、ファールカバーユニット270の連絡通路2751内に該通路と直交する向きの回転軸2656を中心に回転し得るように取り付けられた角リング状の無効化部2646と、該無効化部2646を回転させる電動駆動手段たるモーター2657と、該無効化部2646の連絡通路2751を横切る横棒を交差辺部2651として該交差辺部2651の可動(回転)領域より下流に設けられた球検出器2655と、からなり、該球検出器2655でファール球が検出される度に無効化部2646を1回転させるようにしたものである。
斯かる操作線無効化部材2600Dを備えたファールカバーユニット270に通常のファール球が流入した場合は、該ファール球が連絡通路2751に入って無効化部2646を潜り抜け、そのファール球が球検出器2655で検出されることで無効化部2646が1回空回りするが、ファール球はそのまま流下して球用開口から外部に放出される。
一方、この操作線無効化部材2600Dを備えたファールカバーユニット270に上記した不正行為Bによる不正球Qが流入した場合は、不正球Qが無効化部2646を潜った時点で操作線Lも無効化部2646を通るため、不正球Qが球検出器2655で検出されて無効化部2646が1回転すると操作線Lが無効化部2646に巻き付く。したがって不正球Qが連絡通路2751内に止まるため、不正者の手に渡るおそれがない。
なお、不正球Qを検出する球検出器2655は、不正球Qに付された操作線Lの張力を受けて変位するものでもよく、そうした場合は、不正球Qを確実に検出することができるため、前記した操作線Lを巻き取る操作線無効化部材2600Dの無駄な空回しをなくすることができる。
「遊技球で遊技を行う遊技領域と、
遊技球を発射する球発射装置と、
前記球発射装置の発射位置から前記遊技領域に連通する発射球通路を形成する発射通路部と、
前記発射球通路の途中に開設されたファール球落下口と機前の外部に遊技球を放出する球用開口とを結ぶファール球返却通路を形成する返却通路部と、
不正球に付された操作線の機前からの操作を防止し得る不正防止手段と、を備え、
前記不正防止手段は、前記操作線を挟止又は切断又は巻き取って無効化する操作線無効化部材であり、
該操作線無効化部材は、遊技球の前記ファール球返却通路を横切る交差辺部を備えると共に前記不正球が該交差辺部の可動領域を通過した後に該交差辺部を作動させて前記ファール球返却通路を横切らせるようになし、そうして前記交差辺部で前記ファール球返却通路を通る前記操作線を挟止又は切断又は巻き取って無効化するものであることを特徴とする遊技機。」
次に、前記したファール球落下口1013に設けられた第3の不正防止手段は、図2A、図2B、図7、図15、図16に示したように、発射レール684の端部(終端部)に設けられた操作線無効化部材2600Hと外レール1001の端部(具体的には樹脂製のレール基台1001x)に設けられた操作線無効化部材2600Sとからなる。
したがって、前記のように、下皿球供給口323cからセル板等の専用工具を使って不正球Qを返却通路部1014に押し込んで逆流させ、球発射装置680の発射位置に送り込むような不正行為Aが行われた場合、不正球Qが発射レール684の端部に載って傾斜により転がって発射位置に向かうと、それに引っ張られて(張力が負荷されて)操作線Lが操作線無効化部材2600Hの切断刃に触れて切断される。よって操作線Lが操作できなくなる。
また、操作線Lに複数の不正球Qをつなげてそのうちの1つを打球供給口252aから発射位置に送り込み、それを意図的にファール球にして球用開口である下皿球供給口323cから不正球Qに繋げられた操作線Lを掴んで後続の不正球Qを遊技領域5aに発射する不正行為Bが行われた場合にも、不正球Qがファール球となって返却通路部1014を落下する過程で操作線Lが操作線無効化部材2600Hの切断刃に触れるため、その段階で切断される。よって操作線Lが操作できなくなる。
かかる操作線無効化部材2600Sによれば、仮に不正球Qが遊技領域5aに到達して操作線Lにつながった状態でぶら下がり、その操作線Lの端を球用開口である下皿球供給口323cを介して不正者が掴んでいるとしても、遊技領域5aの不正球Qを上昇させるべく操作線Lを外部から引っ張ったとき、その張力により操作線Lが操作線無効化部材2600Sの線材同士の間に入り込むため、その後、不正球Qを下降させるべく操作線Lを操る手の力を緩めても、操作線Lが操作線無効化部材2600Sの線材群から受ける抵抗で滑りにくくなっているから緩めた手の動きが不正球Qに伝わらない。つまり遊技領域5aにある不正球Qが下げられないため、結果的に不正球Qを用いた不正行為を抑止することができる。
なお、操作線無効化部材2600H,2600Sの何れか一方を単独で使用することももちろん可能であり、また、操作線無効化部材2600Hと操作線無効化部材2600Sの具体的な無効化部材も実施形態同士で入れ替えたり、同じ無効化部材を採用してもよい。
また、操作線無効化部材2600H,2600Sを実施形態のように別部品化して発射レール684や外レール1001に取り付ける場合の他、例えば発射レール684を構成する金属板を適宜加工して操作線無効化部材2600Hを一体に形成したり、或は外レール1001を構成する樹脂製のレール基台1001xに線材を一体成形するか、または該レール基台1001xの角部に図2BのようにV溝状の挟止部2600Svを刻設し該挟止部2600Svの溝奥に操作線Lを誘引して挟止するようにしてもよい。
さらにまた、外レール1001の操作線無効化部材2600Sを、図16に示したように第2の操作線無効化部材2600と同じ構成、例えば図9、図10で説明した二枚の金属板2611,2622で形成し、外レール1001のレール基台1001xに第一の傾斜部2754aと第二の傾斜部2754bとからなる誘導部2754を設ける構成にしてもよい。
例えば、上記実施形態では操作線無効化部材2600をファール球受部275の底壁2750と連絡通路2751の上部通路壁2752との折り返し部分、つまり連絡通路2751の入口部分に設けたが、当該操作線無効化部材2600を連絡通路2751の出口部分(図7矢示z参照)に設けたり、図6(a)の球放出口276の後面側に設けたり、ファール球落下口1013を構成する外レール1001の始端部と発射レール684の終端部のそれぞれに設ける等、操作線Lが返却通路部1014の一部に当接して屈曲する部位であって操作線Lが不正球Qの重量等と不正者による引張り力とによる張力を受けて真っ直ぐ張ろうとした場合に押圧力を受ける部位であることを条件として、返却通路部1014内のどの位置に設けるようにしてもよい。なお、実施形態の操作線無効化部材2600の設置位置は、球用開口から遊技者が指先を挿入しても触れることができない位置としており、この位置が、遊技者の安全面及び操作線無効化部材2600自体に対する不正工作が困難になる防犯面を考慮すると好ましい。
その他、図12(a),(b)において符合1021は、前記安全カバー部1017の谷部に切り込んだ操作線L用の挟止割線部であり、該挟止割線部1021に操作線Lが食い込み得るようになっている。したがって、もし仮に切断刃の操作線無効化部材2600が操作線Lの切断に失敗したとしても、底壁2750等の前記挟止割線部1021に操作線Lが食い込み得るため、不正防止の確実性が向上する。
具体的には、図13のように、返却通路部1014の進路変更部(下皿球供給口323c直上に対応する部分)に、例えば不正球Qを押し込むセル板(異物)のような専用工具だけでなく、不正球Qそのものを別通路に誘引して動きを封じるための誘引部1022を設けることが例示できる(第1の不正球逆進防止手段)。これにより、正常なファール球の流下に影響を与えることなく、上述した不正行為Aのような不正球Qを逆流させる不正行為を抑止できる。加えて、誘引部1022の入口部分に、逆流した不正球Qの該誘引部1022への侵入方向にのみ揺動可能な捕獲弁(誘引部1022への侵入を許容し、且つ、誘引部1022からの離脱を不能とする片開き式の弁、図示省略)を設けるようにしてもよく、これにより不正球Qを使用した痕跡、不正行為を行った証拠を残すことができる。
また、図14のように、返却通路部1014の所定部位に遊技球の流下方向にのみ揺動可能な逆止弁1023を設けて、不正球Qの逆進(逆流)を阻止することが例示できる(第2の不正球逆進防止手段)。このような構成によっても、正常なファール球の流下に影響を与えることなく、上述した不正行為Aのような不正球Qを逆流させる不正行為を抑止できる。なお、図17の操作線無効化部材2600Dも一種の逆止弁であり、前記逆止弁1023と同様な効果を発揮する。
また、上記した静的な操作線無効化部材と動的な操作線無効化部材は、両方を兼ね備えるようにしてももちろんよい。
次に、パチンコ機1の遊技ユニット5の全体構成について、図22乃至図42を参照して詳細に説明する。
前記のように遊技ユニット5は、図1、図2A、図25、図26等に示したように外レール1001と内レール1002で区画された遊技領域5aを有する遊技パネル1100と、該遊技パネル1100の裏側に設けられる演出ユニット1200と、を備えている。
遊技パネル1100は、外レール1001と内レール1002を有する枠状の前構成部材1000と、該前構成部材1000に裏側から嵌め込まれてその前面に遊技領域5aが形成される透明な遊技基板1110と、その遊技基板1110のほぼ中央に開設された開口1111の内周を縁取るように取り付けられた枠状で透明なセンター役物1028(図26参照)と、前記した入賞口1024、始動入賞口1025、アウト誘導部1003、風車、障害釘等が設けられている。そして、これらのなかの前記障害釘とアウト誘導部1003を除く殆どの部材が透明な樹脂で形成されており、したがって遊技領域5aの裏側、すなわち演出ユニット1200が遊技者から良好に見通せる。
センター役物1028は、前記のように枠状に形成されており、図23において左側の外周面に遊技領域5aからの遊技球が進入可能なように開口しているワープ入口1029と、そのワープ入口1029に進入した遊技球をセンター役物1028内に流入させるワープ出口1030と、ワープ出口1030から放出された遊技球を左右方向に遊動させた後に遊技領域5a内へ落下させるステージ棚1031と、を備えている。
また、センター役物1028は、外レール1001に沿って自己の上部を飛び越えた遊技球を遊技領域5aの右側下方に案内する右打ち案内通路1032が設けられている。この右打ち案内通路1032は、ほぼ遊技球一個分の広さを有すると共に通路内の正面視右内壁と同左内壁に蒲鉾状の障害凸条1033が互い違いにほぼ等ピッチに突設されている。したがって、この右打ち案内通路1032に入った遊技球は、多数の障害凸条1033に接触し蛇行しながら、あたかも遊技領域5a内で障害釘に衝突しながら落下するかのような状態で適度な時間を掛けて遊技領域5aの右側下方に導かれる。
また、センター役物1028は、遊技パネル1100の遊技基板1110の前面より前方へ突出する囲い枠1034よってステージ棚1031を除外する状態で周囲が囲われており、これにより遊技領域5a内に打ち込まれた遊技球が枠内(開口1111内)に侵入しないようになっている。
遊技パネル1100の裏側に取り付けられる演出ユニット1200は、図25に示したように、後壁に前記表示装置1201を有する前面が開口する箱状の演出ケース体1202を備えており、該演出ケース体1202の内部に、表示装置1021に近い方から順に、可動装飾部1204と、導光板ユニット1205と、透明発光装飾手段1206と、が設けられている。
演出ケース体1202は、前面に遊技パネル1100の外形とほぼ同じ大きさの開口を有する前面開口状の箱であって、後壁に液晶等の表示装置1201が装着されている。
また、演出ケース体1202には、底壁に遊技パネル1100の入賞口1024や始動入賞口1025に連通する球誘導路1203が形成されており、該球誘導路1203に始動入賞口1025の入賞球センサ1025sや入賞口1024の入賞球センサが設けられている。
実施形態の可動装飾部1204は、表示装置1201と導光板ユニット1205との間の空間に設けられた第1の可動装飾体(以下「第1可動装飾体」という。)1207と、第2の可動装飾体(以下「第2可動装飾体」という。)1208と、第3の可動装飾体(以下「第3可動装飾体」という。)1209とからなる。
この第1〜第3可動装飾体1207,1208,1209は、それぞれが逆五角形をデザインのモチーフにしたものであり、最も前方に位置する第1可動装飾体1207が小さい逆五角形の第1造形物1210を、中間に位置する第2可動装飾体1208が前記第1造形物1210を囲い得るリング型の第2造形物1211を、また、最も後方に位置する第3可動装飾体1209が表示装置1201の表示面1201gのほぼ全体を覆い得る大きい逆五角形の第3造形物1212を備えている。
第1可動装飾体1207は、図34に示したように、固定的な支持板1213と、該支持板1213の一側に上向きに突設した縦レール1214と、該縦レール1214に対して上下摺動自在に取り付けられた前記第1造形物1210と、前記支持板1213の前記縦レール1214とは反対側の端に揺動自在に取り付けられた第1原動リンク1215と、該第1原動リンク1215に第1歯車群1216を介して連結された第1モータ1217と、からなる。そして、第1原動リンク1215の先端が第1造形物1210に連結されており、したがって、第1原動リンク1215を上下方向に揺動させることによって第1造形物1210が、図36実線に示したようにセンター役物1028の枠内の下方に自己の頂部が若干臨む高さの待機位置(通常位置)と、同図想像線に示したようにセンター役物1028の枠内のほぼ中央に位置する変化位置との間で昇降し得る。このように第1可動装飾体1207は、待機位置で停止している状態から所定の軌道(少なくとも遊技者に対向する垂直面内で移動する軌道)を通って作動状態に変化して遊技を演出し得るようになっている。なお、第1造形物1210には発光体(図示せず)が設けられており、第1造形物1210は発光体と一体になって、通常位置と変化位置との間での昇降移動が可能に構成されている。
第2可動装飾体1208は、図37に示したように、固定的な額縁状の支持フレーム1218と、該支持フレーム1218の上部に上下摺動自在に取り付けられた第2造形物1211の上辺部1219と、該上辺部1219の両端に回動自在に軸着された第2造形物1211の斜辺部1220と、支持フレーム1218の上部に揺動自在に軸着された第2原動リンク1221と、該第2原動リンク1221に第2歯車群1222を介して連結された第2モータ1253と、からなる。そして、第2原動リンク1221が第2造形物1211の上辺部1219と斜辺部1220の各長孔に摺動且つ回動可能に軸着されており、したがって第2原動リンク1221を上下方向に揺動させることによって、第2造形物1211の上辺部1219が、図38実線に示したように支持フレーム1218の上部に沿った待機位置と、同図想像線に示したように表示装置1201の表示面1201gの前面上方に出現する変化位置との間で昇降し、さらに第2造形物1211の斜辺部1220が、図38実線に示したように支持フレーム1218の側部に沿った待機位置と、同図想像線に示したように表示装置1201の表示面1201gの前面側方に出現して前記上辺部1219とリング型に合体する変化位置との間で揺動し得る。このように第2可動装飾体1208は、待機位置で停止している状態から所定の軌道(少なくとも遊技者に対向する垂直面内で移動する軌道)を通って作動状態に変化して遊技を演出し得るようになっている。なお、第2造形物1211は、変化位置にあるときリング型の逆五角形を呈するが、そのリングのほぼ中心に前記第1可動装飾体1207の第1造形物1210が正面視で位置し得る。
第3可動装飾体1209は、表示装置1201の表示面1201gのほぼ全体を覆い得る大きい逆五角形の第3造形物1212を有するが、該第3造形物1212は、上パネル1223と中パネル1224と下パネル1225に三分割されており、そのうちの上パネル1223と中パネル1224が図40に示した上半部1226に組み込まれ、残りの下パネル1225が図41に示した下半部1227に組み込まれている。
第3可動装飾体1209の上半部1226は、図40に示したように、門型の上支持枠1228と、該上支持枠1228の縦支柱1229に対して上下摺動自在に取り付けられた上パネル1223及び中パネル1224と、縦支柱1229に取り付けられたスクリュー式の上動装置1230と、からなる。第3造形物1212の中パネル1224と上パネル1223は、互いに摺動可能なようにピンと長孔で連結されており、図42の想像線に示したように中パネル1224の後方に上パネル1223が重なる重合姿勢と、図42の実線に示したように上パネル1223の下に中パネル1224が連なる展開姿勢と、に変化し得る。また、第3造形物1212の中パネル1224は、上動装置1230に持ち支えられて上昇し、上動装置1230が下動すると自重で下降するようになっており、斯かる中パネル1224に連れ動かされて上パネル1223も上昇し或は中パネル1224と一緒に自重で下降する。中パネル1224と上パネル1223は、それぞれの上下位置と前後の姿勢がカム溝1231で適宜制御されるようになっており、図42想像線の重合姿勢で表示装置1201の上方画面外に位置する待機位置と、同図実線の展開姿勢で表示装置1201の表示面1201gの上半部に位置する変化位置との間で昇降し得る。
第3可動装飾体1209の下半部1227は、図41に示したように、逆さ門型の下支持枠1232と、該下支持枠1232の垂直支柱1233に対して上下摺動自在に取り付けられた第3造形物1212の下パネル1225と、下支持枠1232に揺動自在に取り付けられた第3原動リンク1234と、該第3原動リンク1234に第3歯車群1235を介して連結された第3モータ1236と、からなる。そして、第3原動リンク1234の先端が下パネル1225に連結されており、したがって、第3原動リンク1234を上下方向に揺動させることによって下パネル1225が、図42想像線に示したように表示装置1201の表示面1201gの下方画面外に隠れる高さの待機位置と、同図実線に示したように表示装置1201の表示面1201gの下半部に位置する変化位置との間で昇降し得る。
導光板ユニット1205は、図29に示したように、表示装置1201の表示面1201gの外周囲をフレーム状に装飾すると共に両横に棒状の装飾発光体1237を柵状に並べてなる装飾枠1238と、その装飾枠1238の後面に取り付けられた導光板1239と、該導光板1239の導光入射端面1240に光を投射する発光装置1241と、からなる。
導光板1239は、例えば上端面又は側端面に導光入射端面1240が設けられ且つ前面に導光出射面1242が設けられた透光性を有する薄い透明樹脂板を前後方向に複数枚(実施形態では5枚)層状に重ね合わせて形成され、一方、発光装置1241は、図30の模式図に示したように、第1〜第4の透明樹脂板の上端面のそれぞれの導光入射端面1240に光を投射し得る4個の発光LED1243a〜1243dを一組にしてその組を適数並べた縦投射装置1244と、図32の模式図に示したように、第5の透明樹脂板の側端面の導光入射端面1240に光を投射し得る発光LED1243eを適数並べた横投射装置1245と、からなる。
透明発光装飾手段1206は、図27、図28、図35、図43に示したように、透過性を有する透明薄板に複数個の発光素子1247とコネクタ1248が配置され且つそれらを接続する配線パターン1255を有する発光基板シート1249と、該発光基板シート1249を前後両面から挟んで支持する複数枚(2枚)の透明板1250a,1250bと、からなる。
この透明発光装飾手段1206は、図35に示したように、遊技領域5aの下方であってアウト誘導部1003の上部からセンター役物1208の枠内の下方に臨む高さの範囲をカバーし得る大きさ、つまり表示装置1201の表示面1201gの前方の一部(表示面1201gの視認性が確保出来る条件を満たす範囲)と、入賞口1024や始動入賞口1025が集中する遊技領域5aの遊技上の要部(遊技下半領域)と、を包含する範囲に多数の発光素子1247が配置されている。
なお、図35では、待機位置にある第1造形物1210を、作図上実線同士の交錯を防いで見やすくするため便宜的に破線で表示したが、実際は透明発光装飾手段1206が透明であるため、遊技者からははっきり見える。
この空間部1251は、好ましくは貫通する孔形状にするのがよい。そうすることで発光素子1247の損失を防止し且つ発光素子1247の光の視認性を向上することができる。一方、空間部1251のこれらのメリットは空間部1251の形状をある程度大きくすることで多く享受できるが、そうすると遊技機の組立等を行う作業者の指が発光素子1247に接触するおそれがある。そこで実施形態では、遊技機の組立等を行う作業者の指が発光素子1247と接触することを回避する接触回避手段として、空間部1251の開口に指を当ててもその指が中の発光素子1247に触れにくいような小さい径(例えば遊技球の直径11mmより小さい径(好ましくは直径8mm〜10mm)で空間部1251を構成して外部と連通するようにした。そうすることにより空間部1251の上記メリットを享受しつつ、発光素子1247を作業者の指との誤接触から保護することができる。また、この空間部1251は、前方にセンター役物1028、囲い枠1034が存在することで発光基板シート1249に遊技球が直接衝突することはなく、遊技球と発光基板シート1249の接触を回避している。ここで「接触を回避する」という概念には「接触しにくくする」という概念を含むものであり、偶発的な接触が回避できればよく、故意に接触しようとするものまでをも回避することを意図しない。
なお、図28に示したようにセンター役物1028の枠内に位置する発光素子1247については、前方にセンター役物1028、囲い枠1034が存在せず、遊技中のトラブル対応に際して扉枠3を開閉する度に発光素子1247が空間部1251を介して外部に晒されるため、遊技機の球掛かりなどの点検等を行う作業者の指や遊技球との接触も回避する必要があり、より確かな接触回避手段として空間部1251の前面に蓋部1252を設けるようにしてある。そうすることにより空間部1251の上記メリットを享受しつつ、発光素子1247を作業者の指や遊技球との誤接触から確実に保護することができる。なお、この場合の蓋部1252は、発光素子1247と接触しない程度に発光素子1247の前方に位置するように設けられる。また、本実施形態の蓋部1252は、透明板1250と一体形成されるように構成されているが、蓋部1252を透明板1250と別体に構成するようにしてもよい。また、蓋部1252を透明板1250の前面に突出させて形成するように構成すれば空間部1251の深さが確保しやすくなるため、発光素子1247との接触回避に関して十分な対策になり得る。
また、実施形態では発光基板シート1249の後側に位置する透明板1250にスリット1254が設けられており、該スリット1254により発光素子1247の熱を放出することができる。
まず、通常遊技時には図1に示したように、可動装飾部1204の第1〜第3可動装飾体1207,1208,1209の第1〜第3造形物1210,1211,1212の全てが待機位置にある。したがって、第1造形物1210がセンター役物1028のステージ棚1031の後方にあって遊技領域5aを華やかに装飾し、一方、第2、第3造形物1211,1212は表示装置1201の周囲に隠れている。
例えば抽選結果が当りの場合等には、次の演出パターンによる可動演出が例示できる。具体的には、図44(a)〜(e)に示したように、待機位置にある第1造形物1210に向かって、該第1造形物1210の側面形状になぞらえてくの字状に並べた数列(実施形態では正面向かって左側が4列、右側が約3列)の発光素子1247の最も遠い列から順に点滅させ、そうして待機位置にある第1造形物1210に向かう光のウェーブを演出して第1造形物1210に向かって遊技者の視線誘導を伴うことで遊技者の注意を惹き、その後、所定時間の経過を待って第1造形物1210を変化位置に上昇させる。この段階で透明発光装飾手段1206の全ての発光素子1247を消灯させ、代わって変化位置にある第1造形物1210自身に設けられている発光体を点滅させる。
次に、第1造形物1210が変化位置にある状態で第1造形物1210自身に設けられている発光体を点灯させ、導光板ユニット1205の縦投射装置1244の発光LED1243a〜1243dを順に且つ複数回繰り返して発光させ、そうして画像パターン1246によるアニメーションで逆五角形による逆波紋を第1造形物1210に集中させる。これにより第1造形物1210自身に設けられている発光体に向かうように導光板ユニット1205のアニメーションで光のウェーブを演出して、第1造形物1210にさらにパワーが注がれたような演出が行えるから、その流れを受けてさらに第2造形物1211を変化位置に移動させて第1造形物1210の周囲を囲い、或は第1造形物1210を待機位置に戻して第3造形物1212を変化位置に移動させ、第1造形物1210がパワーを受けて大きく変化したかのような演出を行う。
また、扉枠左サイドユニット530と扉枠右サイドユニット550を発光させ、引き続き導光板ユニット1205の装飾発光体1237を外側から順に発光させれば、扉枠3からセンター役物1028の枠内に向けて遊技者の視線誘導を伴うように光のウェーブを演出することもできる。
なお、以上の演出パターンはもちろん一例であり、各要素を適宜に組み合わせれば非常に多くの演出パターンが創造できる。
「遊技媒体が流下可能な遊技領域を有する遊技ユニットを備えた遊技機において、
前記遊技ユニットは、
前記遊技領域が形成される遊技パネルと、
機前の遊技者から視認可能なように前記遊技パネルの後方に配置されていて表示面で画像を表示し得る表示装置と、
透過性を有すると共に複数個の発光素子が配置された発光基板シート及び該発光基板シートを支持する透明板とからなる透明発光装飾手段と、を備えており、
前記透明発光装飾手段は、前記表示装置の前記表示面の前方に前記発光素子が位置するように配置されていることを特徴とする遊技機。」
この遊技機は、表示装置の表示面の前方に設けられた透明発光装飾手段の発光基板シートと透明板が透過性を有するため殆ど目立たず、発光基板シートの発光素子だけが空中に浮いているように見える。したがって発光素子を点灯或は点滅させれば、表示装置の表示面の前方にあって空中に浮いた発光体が点灯或は点滅しているかのように見せることができる。
また、可動装飾部1204の造形物や、導光板ユニット1205の画像パターン1246はどのようなものであってもよい。
また、実施形態では透明発光装飾手段1206を遊技領域5aの遊技下半領域に対応させて設けたが、この透明発光装飾手段1206を大きくして遊技領域5aの全体を覆うようにしてもよく、さらに実施形態では導光板ユニット1205の画像パターン1246と透明発光装飾手段1206の発光素子1247の配置に関連性を持たせていないが、例えば画像パターン1246の図柄に沿って発光素子1247を配置するなどして画像パターン1246の演出にさらなるバリエーションを付加するようにしてもよい。
具体的には図45に示したように、透明発光装飾手段1026を遊技領域5aのほぼ全体に拡大し、また、導光板ユニット1205の画像パターン1246の図柄に沿った要所に発光素子1247を点在させる。そして、導光板ユニット1205の画像パターン1246の表示開始と同時に発光素子1247を点灯させれば、導光板ユニット1205によるアニメーション(演出)を点発光により部分強調する斬新な導光演出を実現でき、さらなる演出バリエーションを付加することができる。なお、表示装置1201の表示面1201gに対して透明発光装飾手段1026の発光素子1247は、好ましくは表示主要部である表示面1201gの中心部以外の部分(周辺部)に配置するとよい。そうすることにより表示面1201gの中心部で行われる演出表示の視認性を阻害せずに演出の幅を増大させることができ、表示装置1201による演出と、導光板ユニット1205による演出と、透明発光装飾手段1026による演出とが組み合わさった斬新な演出により、遊技者に驚きや意外性を与えられる。
また、透明発光装飾手段1206は、スロットマシンの表示装置に適用することもできる。
上記実施形態において固定的なユニット構成部材は、遊技者に対向する前面側のものとして例えば遊技基板1110、センター役物1028、導光板1239等があり、また、後面側のものとして例えば演出ケース体1202があり、要するに固定的なユニット構成部材とは、各要素同士が相対的な動きを生じない状態に直接又は間接的に連結・結合されているものである。
上記実施形態において、待機位置で停止している停止状態から少なくとも遊技者に対向する垂直面内での移動を伴う作動状態に変化して遊技を演出する可動装飾体は、例えば表示装置1201の表示面1201gの周囲に設定された待機位置で停止している停止状態から作動状態に変化して該表示面1201g前方を少なくともそれと平行に移動する前記第1〜第3可動装飾体1207〜1209である。
本実施形態では、例えば図22〜図24Bに示したように、前面側の固定的なユニット構成部材の一部である導光板1239に対し、前記第1可動装飾体1207の第1造形物1210の直上に対応する位置に貫通孔1257aが設けられており、その貫通孔1257aに図24Cに示したような棒状の移動阻止部材1256aが進退自在に装着し得るようになっている。
なお、貫通孔1257aは、好ましくは図30に示したように導光板1239の前記画像パターン1246から外れた位置に設けるのがよい。そうすることにより導光板1239が作動したとき画像に欠けがなく表示機能が全く低下しないため、画像の変化に集中している遊技者に貫通孔1257aの存在が気付かれにくい。
また、貫通孔1257aは、図30に示したように表示装置1201の表示面1201gの表示領域に重なる位置に設けるのがよい。そうすることにより、表示領域の発光や画像の変化によって貫通孔1257aが目立ちにくくなるため、遊技者に貫通孔1257aの存在が気付かれにくくなる。
よって導光板1239に貫通孔1257aを設ける場合には、上記を総合して、画像パターン124から外れた位置で尚且つ表示装置1201の表示面1201gの表示領域に重なる位置を選択するのがよく、そうすることで最も目立ちにくく、気付かれにくくすることができる。また、貫通孔1257aを斯かる条件の範囲内であって可動装飾体が作動する演出領域内に設ける場合は、内レール1002で囲われた遊技領域5aの縦の中心線より側方に片寄らせた位置にするのがよい。なぜなら、可動装飾体が作動状態にあるとき、遊技者の意識は、可動装飾体の演出領域のほぼ中心である遊技領域5aの縦の中心線付近に集中するのが自然(通常、遊技領域5aの中心に装飾の中心が設定される、と見ることもできる。)であって、中心から外れた遊技領域5aに対する遊技者の意識は相対的に低下するから、そのような側方の遊技領域5aに貫通孔1257aを設けることでより遊技者に気付かれにくくなるためである。
また、貫通孔1257aが後方に形成された装飾用のデザインと前後に重なる位置に設けられる場合には、そのデザインと調和する形状にするとよい。例えば、後方のデザインがシャボン玉をモチーフにしている場合には、そのシャボン玉の泡の一つの輪郭と貫通孔1257aの位置・形状を一致させる、という具合であり、そうすることによっても貫通孔1257aを目立たせにくくすることができる。
移動阻止部材1256aは、合成樹脂製であって、図24Cに示したように、棒状の差込み軸部1258と、該差込み軸部1258の基端部に拡開弾性を有するように形成された二股部1259と、該二股部1259の端部に形成された摘まみ部1260と、前記二股部1259の外面に突設された引掛突片1261と、からなり、その存在が周囲から目立ちやすい色に着色されている。例えば、貫通孔1257aが前記のように表示装置1201の表示面1201gの表示領域内に設けられている場合には、表示面1201gの非作動時の地色である黒系の暗色に対して目立ちやすい明色、具体的には赤系の色に着色されている。そうすることにより移動阻止部材1256aが目立つため、抜き忘れるミスが生じ難い。
図24G、図24Hは、センター役物1028を遊技ユニット5の前面側の固定的なユニット構成部材としたものであり、図24Gではセンター役物1028の囲い枠1034を構成するリブと役物基板1028aとの境界線(隅角部)に沿わせて貫通孔1257aが設けてある。このように固定的なユニット構成部材に突設されたリブを利用し、そのリブと役物基板1028aとの境界線に沿わせて貫通孔1257aを設けた場合には、当該境界線と貫通孔1257aの輪郭とが視覚的に調和するため、例え遊技者から見え得る位置にあっても目立たせにくくすることができる。また、図24Hのように、移動阻止部材1256aの外方突出部分(摘まみ部1260)がリブより低くなるようにした場合には、移動阻止部材1256aに手や異物が引っ掛かりにくくなるため、移動阻止部材1256aが不意に抜けたり、摘まみ部1260が破損したりするおそれが殆どない。また、移動阻止部材1256aの摘まみ部1260に手が当たるなどして差込み軸部1258が必要以上に押し込まれる、というおそれも殆どないため、差込み軸部1258の差し込み過ぎによる表示装置1201の破損も生じ難い。
なお、貫通孔1257aは、固定的なユニット構成部材の中核とも言うべき遊技基板1110に設けてもよい。貫通孔1257aを遊技基板1110やセンター役物1028に設けた場合には、図24Hのように導光板1239を遊技基板1110より前方に配置することができるなど、導光板1239の配置の自由度が向上し、惹いては演出の自由度が向上する。
本実施形態では、例えば図24A、図24Bに示したように、後面側の固定的なユニット構成部材の一部である演出ユニット1200の演出ケース体1202に対し、前記第3可動装飾体1209の上パネル1223の直下に対応する位置に横長長方形状の貫通孔1257aが設けられており、その貫通孔1257aに図24Dに示したようなプレート状の移動阻止部材1256bが進退自在に装着し得るようになっている。
かかる移動阻止部材1256bは、厚さ方向に適度な弾性を有する合成樹脂製、例えば二枚の基板の間に多数の芯部材を等間隔に並設してなるいわゆるプラスチック段ボール製であって、図24Dに示したように、先端に凹状の切欠部1265を有する差込み板部1266と、該差込み板部1266の基端部上面に形成された指掛重合部1267と、その指掛重合部1267の下面に形成された停止重合部1268と、からなる。
この固定ピン1223pは、可動装飾体の一部であり、第3可動装飾体1209が待機位置にあるとき移動阻止部材1246bの進入方向の延長線と交わる位置にある。そして、実施形態の移動阻止部材1246bは、進入方向の長さが、貫通孔1257aに進入させた状態でその先端(固定ピン1223pに対応する切欠部1265の端)が固定ピン1223pに当接した状態で後端が貫通孔1257aの外部に突出するように設定されている。
かかる固定ピン1223pに切欠部1265の端が当接することにより、移動阻止部材1256bの奥への差し込み過ぎが防止できるため、仮に前記停止重合部1268が製造段階の過誤或は途中での脱落等により欠落していたとしても安全に装着することができ、しかも貫通孔1257aから突出する部分を摘まんで引き抜くことができる。なお、移動阻止部材1256bの前記指掛重合部1267は、後述するように移動阻止部材1256bの引き抜きを補助するためのものであって、それが無くても移動阻止部材1256bの基本機能は維持できる。よって、図24Dの移動阻止部材1256bは、仮に停止重合部1268や指掛重合部1267が何らかの理由で失われたとしても、可動装飾体の移動を阻止して輸送時の振動等から保護する基本機能は維持されるため、遊技ユニット5を設置した後、回収して繰り返し何度でも使い回せるメリットがある。
また、移動阻止部材1256bは、第3可動装飾体1209の上パネル1223の固定ピン1223pに切欠部1265を係合させる(切欠部1265を凸部に変更してそれを固定ピン1223pの間に差し入れて係合させてもよい。)ことによって上パネル1223の横振れも防止できるため、第3可動装飾体1209の上パネル1223(可動装飾体)をさらに確実に保護することができる。
また、図24B(b)に示したように移動阻止部材1256bを一枚のプラスチック段ボールで両面フラットに形成し、その先端を進入方向の延長線上にある他の可動装飾体(例えば第3可動装飾体1209の中パネル1224の後面)に係合又は当接させるようにしてもよい。この移動阻止部材1256bは、前記貫通孔1257aと隙間1257bの何れにも対応することができる。なお、この図24B(b)の実施形態から明らかなように、待機位置にある状態で移動阻止部材1256bの進入方向の延長線と交わる可動装飾体の一部には、図24B(Za)のように移動阻止部材1256bによって軌道が遮られる可動装飾体(上パネル1223)自体の一部(固定ピン1223p)の他、軌道が遮られる可動装飾体(上パネル1223)とは別の可動装飾体(中パネル1224)の一部も含まれる。
なお、移動阻止部材1256bは、厚さ方向に適度な弾性を有する合成樹脂製であるため、貫通孔1257a又は隙間1257bの幅より厚みを若干大きくして差込み時に軽く圧潰されるようにしておけば、その移動阻止部材1256bの復元力によるすべり摩擦抵抗により自然に抜けるおそれがない。
なお、本発明の貫通孔1257a又は隙間1257bと移動阻止部材1256a,1256bの組合せは、演出領域の前面が導光板1239又は透明板で塞がれていて中の空間内の可動装飾体に触れられない構造であって該空間に緩衝材を詰め込んで可動装飾体を安定させる、という一般的な梱包手段が使えない実施形態の遊技ユニット5に対して特に優れた効果を発揮する。
5 …遊技ユニット
5a …遊技領域
1028 …センター役物(固定的なユニット構成部材)
1110 …遊技基板(固定的なユニット構成部材)
1202 …演出ケース体(固定的なユニット構成部材)
1207 …第1可動装飾体(可動装飾体)
1208 …第2可動装飾体(可動装飾体)
1209 …第3可動装飾体(可動装飾体)
1223p …固定ピン(可動装飾体の一部)
1224 …中パネル(可動装飾体の一部)
1239 …導光板(固定的なユニット構成部材)
1256a …移動阻止部材
1256b …移動阻止部材
1257a …貫通孔
1257b …隙間
Claims (1)
- 所定の返却皿を備えた遊技機であって、
遊技球が流下する遊技領域と、
所定の発射位置から前記遊技領域に向けて遊技球を発射する球発射装置と、
前記発射位置から発射されたものの前記遊技領域に到達しなかった遊技球が入球可能な入口を有し、該入口に入球した遊技球を前記返却皿に返却する返却経路を構成する返却部と、
遊技球に付された線材が前記返却経路および前記返却部の出口を通じて前記返却皿側から操作されることを防止し得る不正防止部と、
を備え、
前記不正防止部は、切断部位を有する金属板材からなり、該金属板材は、前記返却経路内の所定位置に前記切断部位が位置するように、前記返却部の側壁に形成された開口を介して前記返却部の側壁の外側から装着可能であり、
前記返却経路に位置する線材に張力が付加された際に当該線材が前記切断部位で切断されうるように前記金属板材を前記返却部に配置することにより、遊技球に付された線材が前記返却経路および前記返却部の出口を通じて前記返却皿側から操作されることを防止し得るようにしたものであり、
さらに、前記切断部位は、当該遊技機の前面側を構成する前扉が閉鎖状態にあるときに外部から接触困難な位置に配置され、
さらに、当該遊技機には、前記金属板材とは別に、遊技球に付された線材を切断又は挟止する別防止部が設けられ、該別防止部は、前記金属板材よりも前記発射位置に近い位置に設けられ、
前記別防止部で切断できなかった線材を、前記金属板材の前記切断部位で切断可能にした
ことを特徴とする遊技機。
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