JP6205543B2 - 遊技機 - Google Patents

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本発明は、ぱちんこ遊技機(一般的に「パチンコ機」とも称する)等の遊技機に関するものである。
従来、例えば特許文献1に見られるように、始動口への遊技球の入球があったことを契機として、遊技の進行にかかる遊技抽選が行われる遊技機が知られている。
すなわち、この種の遊技機では、始動口への遊技球の入球があるか否かを判断する。そして、始動口への入球があったときは、当落や当り遊技におけるラウンド数、当り遊技後の遊技状態、等々が決定されるように遊技の進行にかかる遊技抽選を行う。そしてこの結果、当りが当選されたときは、当り遊技を行うことによって遊技者に大量の遊技球が払い出されるようにするとともに、該当り遊技の後、遊技者に有利な遊技状態に制御しうる。
また、遊技の進行にかかる遊技抽選が行われるときには、液晶画面にて複数の図柄を変動表示させる。次いで、こうして変動表示された複数の図柄が、当りに当選されたことを示唆する特別な図柄組み合わせにて停止表示されるか否かについての期待演出が行われる。これにより、遊技者は、特別な図柄組み合わせにて停止表示されるか否かについての上記期待演出に一喜一憂してこれを楽しむとともに、最終的に停止表示される図柄組み合わせから上記当りについての当落結果を認識して遊技できるようになる。
ただし、このようなパチンコ機では、遊技者にとっては、始動口に遊技球を入球させた後は、当該パチンコ機によって自動的に遊技が進行されていく様子を見るだけであり、こうした単調な演出によって遊技興趣が低下してしまうことが懸念されていた。そこで、上記特許文献1に記載の遊技機では、遊技者が操作可能とされる操作ボタンを用意するとともに、液晶画面にて複数の図柄が変動表示されている所定タイミングにて当該操作ボタンが操作されたか否かに応じて、液晶画面内における演出内容が変化されるようにしている。
特開2006−346496号公報
しかしながら、上記従来の遊技機では、遊技興趣の低下が懸念される。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、遊技興趣の低下が抑制されうる遊技機を提供することを目的とする。
手段1:遊技者によって操作可能な操作手段と、
始動条件の成立に基づいて判定を行う判定手段と、
前記判定手段による判定の結果に基づいて図柄変動を行う図柄変動手段と、
前記図柄変動手段による図柄変動で特別の図柄態様が現れたとき、遊技者に有利な制御を行う有利遊技制御手段と、
前記判定手段による判定を所定の保留上限数まで保留可能な保留手段と、
所定の演出状態において、前記保留の状態とされている複数の図柄変動が順次消化されるときにそれら図柄変動のいずれにおいても前記操作手段に対する操作受付が許容可能とされるなかで、該操作受付がなされると、該操作受付がなされたときに保留の状態にある図柄変動または実行状態にある図柄変動で前記特別の図柄態様が現れる期待度を示唆する特定操作演出を発生させうる特定操作演出制御手段と
を備え、
前記保留の状態とされている複数の図柄変動が順次消化されるなかでは、図柄変動が新たに消化されるときに判定される結果に応じた演出態様が、図柄変動毎に、前記操作手段に対する操作受付が許容されている期間中に表示可能とされており、
前記演出態様として第1の演出態様が現れている状態で前記特定操作演出に関する操作受付がなされた場合と該第1の演出態様とは異なる第2の演出態様が現れている状態で前記特定操作演出に関する操作受付がなされた場合とでは、前記特別の図柄態様が現れる期待度が相対的に高いことを示唆する高期待演出態様が前記特定操作演出として現れる割合が異なる
ことを特徴とする遊技機。
この発明によれば、遊技興趣の低下が抑制されうる。
本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の右側面図である。 パチンコ機の平面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機を前から見た斜視図である。 パチンコ機を後ろから見た斜視図である。 本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。 パチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図である。 パチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。 パチンコ機における外枠の正面図である。 外枠の右側面図である。 外枠を前から見た斜視図である。 外枠を後ろから見た斜視図である。 外枠を分解して前から見た分解斜視図である。 (a)は外枠における外枠側上ヒンジ部材の部位を左枠部材を省略して下側から見た斜視図であり、(b)は(a)を分解して示す分解斜視図である。 (a)は外枠の外枠側上ヒンジ部材に対して本体枠の本体枠側上ヒンジ部材が取外されている状態を拡大して示す斜視図であり、(b)は外側上ヒンジ部材に本体側上ヒンジ部材が取付けられている状態を拡大して示す斜視図である。 外枠におけるロック部材の作用を示す説明図である。 (a)は図1におけるA−A断面図であり、(b)は(a)において外枠に対して扉枠と共に本体枠を開いた状態を示す断面図である。 パチンコ機における扉枠の正面図である。 扉枠の背面図である。 扉枠を右前から見た斜視図である。 扉枠を左前から見た斜視図である。 扉枠を後ろから見た斜視図である。 扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 扉枠の皿ユニットを前から見た斜視図である。 皿ユニットを後ろから見た斜視図である。 皿ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 皿ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は皿ユニットの演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。 演出操作ユニットを主な部材毎に分解して上から見た斜視図である。 演出操作ユニットを主な部材毎に分解して下から見た分解斜視図である。 演出操作ユニットの取付ベースユニットを分解して上から見た分解斜視図である。 取付ベースユニットを分解して下から見た分解斜視図である。 演出操作ユニットのタッチユニットを分解して上から見た分解斜視図である。 タッチユニットを分解して下から見た分解斜視図である。 演出操作ユニットのボタンユニットを分解して上から見た分解斜視図である。 ボタンユニットを分解して下から見た分解斜視図である。 皿ユニットの平面図である。 図39におけるB−B断面において演出操作ユニットの部位を拡大して示す断面図である。 図39におけるC−C断面において演出操作ユニットの部位を拡大して示す断面図である。 (a)は皿ユニットの扉右下演出ユニットの正面図であり、(b)は扉右下演出ユニットの右側面図である。 (a)は扉右下演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉右下演出ユニットを後ろから見た斜視図である。 図42(b)の扉右下演出ユニットにおけるD−D断面図である。 扉右下演出ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 扉右下演出ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 扉右下演出ユニットの回転体内部ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 回転体内部ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は扉右下演出ユニットの扉右下回転体が前を向いた状態の正面図であり、(b)は扉右下回転体が後ろを向いた状態の正面図である。 (a)は皿ユニットの上皿球抜きユニットを皿ユニットベースに取付けた状態で前から見た斜視図であり、(b)は上皿球抜きユニットを皿ユニットベースに取付けた状態で後ろから見た斜視図である。 上皿球抜きユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 上皿球抜きユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は皿ユニットの下皿球抜きユニットを前から見た斜視図であり、(b)は下皿球抜きユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は扉枠のファールカバーユニットを前から見た斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)はファールカバーユニットを蓋部材を外して前から見た分解斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを蓋部材を外して後ろから見た分解斜視図である。 蓋部材を外した状態のファールカバーユニットの正面図である。 本体枠を前から見た斜視図である。 本体枠を後ろから見た斜視図である。 本体枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 本体枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 払出ユニットを前から見た斜視図である。 払出ユニットを後ろから見た斜視図である。 払出ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図である。 払出ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は払出ユニットの球誘導ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球誘導ユニットを後ろから見た斜視図である。 球誘導ユニットの分解斜視図である。 (a)は払出ユニットの払出装置を前から見た斜視図であり、(b)は払出装置を後ろから見た斜視図である。 払出装置を分解して前から見た分解斜視図である。 払出装置を分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は払出装置の正面図であり、(b)は(a)におけるE−E線で切断した断面図である。 (a)は払出装置において球抜き可動片により球抜き通路を閉鎖した状態を示す説明図であり、(b)は球抜き可動片により球抜き通路を開放した状態を示す説明図である。 払出装置における払出羽根の部位を拡大して示す説明図である。 (a)は払出ユニットにおける上部満タン球経路ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は上部満タン球経路ユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は上部満タン球経路ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は上部満タン球経路ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は払出ユニットにおける下部満タン球経路ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は下部満タン球経路ユニットを後ろから見た斜視図である。 下部満タン球経路ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 下部満タン球経路ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は下部満タン球経路ユニットにおいて誘導路開閉扉が閉じている状態を示す説明図であり、(b)は誘導路開閉扉が開いている状態を示す説明図である。 扉枠のファールカバーユニットと下部満タン球経路ユニットとの関係を示す説明図である。 払出ユニットにおける遊技球の流れを示す説明図である。 遊技盤の正面図である。 遊技盤を分解して前から見た分解斜視図である。 遊技盤を分解して後から見た分解斜視図である。 (A)はパチンコ機に取付けた状態で遊技盤における機能表示ユニットを拡大して示す正面図であり、(B)は機能表示ユニットの他の形態を示す正面図である。 図82等の例とは異なる実施形態の遊技パネルを用いた遊技盤を分解して前から見た分解斜視図である。 図85を後から見た遊技盤の分解斜視図である。 図85の遊技盤における遊技パネルを縦方向に切断した断面図である。 図85等の例とは異なる実施形態の前構成部材を用いた遊技盤を分解して前から見た分解斜視図である。 図88を後から見た遊技盤の分解斜視図である。 パチンコ機の軸支側における防犯構造を示す部分断面図である。 本体枠内に遊技盤を収容した状態で後側から見た斜視図である。 パチンコ機における遊技盤の正面図である。 遊技盤を斜め右前から見た斜視図である。 遊技盤を斜め左前から見た斜視図である。 遊技盤を後から見た斜視図である。 遊技盤を構成する主な部材毎に分解して斜め前から見た斜視図である。 遊技盤を構成する主な部材毎に分解して斜め後から見た斜視図である。 遊技盤における表ユニットを前から見た斜視図である。 遊技盤における表ユニットを後から見た斜視図である。 アタッカユニットを前から見た斜視図である。 アタッカユニットを後から見た斜視図である。 アタッカユニットを主要な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 アタッカユニットを主要な部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。 アタッカユニットにおける第一ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 アタッカユニットにおける第一ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 アタッカユニットにおける第二ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 アタッカユニットにおける第二ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 アタッカユニットにおける第三ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 アタッカユニットにおける第三ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 アタッカユニットにおける第四ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 アタッカユニットにおける第四ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 アタッカユニットの一部を切断して示す正面図である。 (a)は表サイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)は表サイドユニットを後から見た斜視図である。 センター役物を斜め右上前から見た斜視図である。 センター役物を斜め左下前から見た斜視図である。 センター役物を後から見た斜視図である。 センター役物を主要な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 センター役物を主要な部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。 センター役物の表右中演出ユニットを前から見た斜視図である。 センター役物の表右中演出ユニットを後から見た斜視図である。 表右中演出ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 表右中演出ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 表右中演出ユニットにおける固定装飾体の第二実施形態を分解して前から見た分解斜視図である。 図123の固定装飾体を分解して後から見た分解斜視図である。 (a)は図123の固定装飾体の前カバーと演出シートを前から見た斜視図であり、(b)は(a)を正面に対してやや左寄りの位置から見た斜視図であり、(c)は(b)よりも更に左寄りの位置から見た斜視図である。 (a)は図123の固定装飾体における演出シートの構成を示す説明図であり、(b)は消灯時の状態を示す説明図であり、(c)は青色点灯時の発光装飾態様を示す説明図であり、(d)は赤色点灯時の発光装飾態様を示す説明図である。 遊技盤における裏ユニットを前から見た斜視図である。 遊技盤における裏ユニットを後から見た斜視図である。 裏ユニットを主な構成部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 裏ユニットを主な構成部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。 裏ユニットにおける裏横演出ユニットを前から見た斜視図である。 裏ユニットにおける裏横演出ユニットを後から見た斜視図である。 裏横演出ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 裏横演出ユニットを主な部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。 裏横演出ユニットにおける一つの回転装飾体ユニットを前から見た斜視図である。 裏横演出ユニットにおける一つの回転装飾体ユニットを後から見た斜視図である。 裏横演出ユニットの回転装飾体ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 裏横演出ユニットの回転装飾体ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 表ユニットにおけるセンター役物の表右中演出ユニットの動きを示す遊技盤の正面図である。 (a)は表右中演出ユニットの表右中可動装飾体が通常位置の状態で正面やや上から見た斜視図であり、(b)は表右中可動装飾体が出現位置の状態で正面やや上から見た斜視図である。 裏ユニットにおける裏横演出ユニットの動きを示す遊技盤の正面図である。 裏ユニットにおける裏上演出ユニットと裏下演出ユニットの動きを示す遊技盤の正面図である。 パチンコ機の制御構成を概略的に示すブロック図である。 (a)は、同実施の形態の主制御MPUによって実行されるメイン処理についてその手順を示すフローチャートであり、(b)は、同実施の形態の主制御MPUによって定期的に行われる割り込み処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される特別図柄プロセス処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一始動口通過処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第二始動口通過処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一特別図柄プロセス処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一特別図柄通常処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される大当り判定処理についてその手順を示すフローチャートである。 (A)大当りについての抽選処理に用いられる大当り判定テーブルであり、(B)第一特別図柄側での大当りについての抽選処理に用いられる図柄決定テーブルであり、(C)第二特別図柄側での大当りについての抽選処理に用いられる図柄決定テーブルである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一特別図柄停止図柄設定処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一変動パターン設定処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一特別図柄変動処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一特別図柄停止処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される普通図柄プロセス処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行されるゲート部通過処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される普通図柄通常処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の周辺制御MPUによって実行されるサブメイン処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の周辺制御MPUによって実行される16mS定常処理についてその手順を示すフローチャートである。 特定種別の大当りが得られて該大当りに応じた大当り遊技が実行されるときの遊技や演出進展にかかる内容についてその一例を説明するタイムチャートである。 特定種別の大当りが得られたことに基づいて行われる上述のラウンド積上演出についてその演出進展の流れを概念として説明する図である。 図161(c)に示した例と同じ遊技制御が現れた場合にラウンド積上演出を実現するにあたって、1回分の遊技ブロックと、1回分のブロック間インターバル期間または1回分の時短状態(所定数の図柄変動が消化されるまでの期間)とに跨って一のブロック演出を出現させる例を示す図である。 第二始動口2102側の特定種別の大当りに基づく大当り遊技状態(若しくは、小当りに基づく小当り遊技状態)が終了されてからの特別図柄の変動回数(1〜30回転まで)に応じて第2変動パターン設定処理内にて参照される変動パターンテーブルの一例を示す図である。 主制御MPU4100aが第二特別保留数カウンタの値を「1」以上で維持させたまま図164に示した制御態様をもとに遊技を進行させた結果、特別図柄の変動回数がx回で特定種別の大当りが得られたとしたときに、大当り遊技状態が終了されてから該大当りに応じた図柄の変動時間が終了されるまでに要する時間(y秒)を示す図である。 主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間内において操作演出受付期間を利用した演出例を示す図である。
[1.パチンコ機の全体構造]
本発明の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して詳細に説明する。まず、図1乃至図9を参照して本実施形態のパチンコ機1の全体構成について説明する。図1は本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。図2はパチンコ機の右側面図であり、図3はパチンコ機の平面図であり、図4はパチンコ機の背面図である。図5はパチンコ機を前から見た斜視図であり、図6はパチンコ機を後ろから見た斜視図である。図7は本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。図8はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図であり、図9はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される枠状の外枠2と、外枠2の前面を開閉可能に閉鎖する扉枠3と、扉枠3を開閉可能に支持していると共に外枠2に開閉可能に取付けられている本体枠4と、本体枠4に前側から着脱可能に取付けられると共に扉枠3を通して遊技者側から視認可能とされ遊技者によって遊技球が打込まれる遊技領域5aを有した遊技盤5と、を備えている。
パチンコ機1の外枠2は、図8及び図9等に示すように、上下に離間しており左右に延びている上枠部材10及び下枠部材20と、上枠部材10及び下枠部材20の両端同士を連結しており上下に延びている左枠部材30及び右枠部材40と、を備えている。上枠部材10、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40は、前後の幅が同じ幅に形成されている。また、上枠部材10及び下枠部材20の左右の長さに対して、左枠部材30及び右枠部材40の上下の長さが、長く形成されている。
また、外枠2は、左枠部材30及び右枠部材40の下端同士を連結し下枠部材20の前側に取付けられる幕板部材50と、上枠部材10の正面視左端部側に取付けられている外枠側上ヒンジ部材60と、幕板部材50の正面視左端側上部と左枠部材30とに取付けられている外枠側下ヒンジ部材70と、を備えている。外枠2の外枠側上ヒンジ部材60と外枠側下ヒンジ部材70とによって、本体枠4及び扉枠3が開閉可能に取付けられている。
パチンコ機1の扉枠3は、正面視の外形が四角形で前後に貫通している遊技窓111を有した枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられ遊技球を貯留可能な上皿201及び下皿202を有した皿ユニット200と、扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられるトップユニット350と、扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられる左サイドユニット400と、扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられる右サイドユニット450と、扉枠ベースユニット100の前面右下部に皿ユニット200を貫通して取付けられ上皿201に貯留された遊技球を遊技盤5の遊技領域内へ打込むために遊技者が操作可能なハンドル装置500と、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられ遊技領域内へ打ち損じた遊技球を受けて皿ユニット200の下皿202へ排出するファールカバーユニット520と、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられ上皿201の遊技球を球発射装置680へ送るための球送りユニット540と、扉枠ベースユニット100の後面に取付けられ遊技窓111を閉鎖するガラスユニット560と、ガラスユニット560の後面下部を覆う防犯カバー580と、を備えている。
パチンコ機1の本体枠4は、一部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベース600と、本体枠ベース600の正面視左側の上下両端に取付けられ外枠2の外枠側上ヒンジ部材60及び外枠側下ヒンジ部材70に夫々回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150が夫々回転可能に取付けられる本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640と、本体枠ベース600の正面視左側面に取付けられる補強フレーム660と、本体枠ベース600の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球を打込むための球発射装置680と、本体枠ベースの正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット700と、本体枠ベース600の正面視上辺及び左辺に沿って後側に取付けられており遊技者側へ遊技球を払出す逆L字状の払出ユニット800と、本体枠ベース600の後面下部に取付けられている基板ユニット900と、本体枠ベース600の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース600に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー980と、を備えている。
本体枠4の払出ユニット800は、本体枠ベース600の後側に取付けられる逆L字状の払出ユニットベース801と、払出ユニットベース801の上部に取付けられており上方へ開放された左右に延びた箱状で図示しない島設備から供給される遊技球を貯留する賞賞球タンク802と、賞球タンク802の下側で払出ユニットベース801に取付けられており賞球タンク802内の遊技球を正面視左方向へ誘導する左右に延びたタンクレール803と、払出ユニットベース801における正面視左側上部の後面に取付けられタンクレール803からの遊技球を蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット820と、球誘導ユニット820の下側で払出ユニットベース801から着脱可能に取付けられており球誘導ユニット820により誘導された遊技球を払出制御基板ボックス960に収容された払出制御基板4110(図143を参照)からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置830と、払出ユニットベース801の後面に取付けられ払出装置830によって払出された遊技球を下方へ誘導すると共に皿ユニット200における上皿201での遊技球の貯留状態に応じて遊技球を通常放出口又は満タン放出口の何れかから放出させる上部満タン球経路ユニット850と、払出ユニットベース801の下端に取付けられ上部満タン球経路ユニット850の通常放出口から放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の貫通球通路526へ誘導する通常誘導路及び満タン放出口から放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の満タン球受口530へ誘導する満タン誘導路を有した下部満タン球経路ユニット860と、を備えている。
本体枠4の基板ユニット900は、本体枠ベース600の後側に取付けられる基板ユニットベース910と、基板ユニットベース910の正面視左側で本体枠ベース600の後側に取付けられ内部に低音用のスピーカ921を有したスピーカユニット920と、基板ユニットベース910の後側で正面視右側に取付けられ内部に電源基板が収容されている電源基板ボックス930と、スピーカユニット920の後側に取付けられており内部にインターフェイス制御基板が収容されているインターフェイス制御基板ボックス940と、電源基板ボックス930及びインターフェイス制御基板ボックス940に跨って取付けられており内部に遊技球の払出しを制御する払出制御基板4110が収容された払出制御基板ボックス960と、を備えている。
パチンコ機1の遊技盤5は、図8及び図9等に示すように、遊技球が打込まれる遊技領域5aの外周を区画し球発射装置680から発射された遊技球を遊技領域5aの上部に案内する外レール1111及び内レール1112を有した前構成部材1110と、前構成部材1110の後側に取付けられると共に遊技領域5aの後端を区画する平板状の遊技パネル1150と、遊技パネル1150の後側の下部に取付けられており上方に開放された箱状の基板ホルダ1160と、基板ホルダ1160の後側に取付けられておりパチンコ機1の遊技を制御するための主制御基板4100を有している主制御基板ボックス1170と、遊技パネル1150の前側で遊技領域5a内に取付けられ遊技領域5a内に打込まれた遊技球を受入可能な複数の入賞口を有した表ユニット (図示は省略)と、基板ホルダ1160の上側で遊技パネル1150の後側に取付けられている裏ユニット3000と、を備えている。
本実施形態のパチンコ機1は、上皿201に遊技球を貯留した状態で、遊技者がハンドルレバー504を回転操作すると、球発射装置680によってハンドルレバー504の回転角度に応じた強さで遊技球が遊技盤5の遊技領域5a内へ打込まれる。そして、遊技領域5a内に打込まれた遊技球が、図示しない入賞口に受入れられると、受入れられた入賞口に応じて、所定数の遊技球が払出装置830によって上皿201に払出される。この遊技球の払出しによって遊技者の興趣を高めることができるため、上皿201内の遊技球を遊技領域5a内へ打込ませることができ、遊技者に遊技を楽しませることができる。
[2.外枠の全体構成]
パチンコ機1の外枠2について、図10乃至図15を参照して説明する。図10はパチンコ機における外枠の正面図であり、図11は外枠の右側面図である。また、図12は外枠を前から見た斜視図であり、図13は外枠を後ろから見た斜視図である。図14は、外枠を分解して前から見た分解斜視図である。図15は(a)は外枠における外枠側上ヒンジ部材の部位を左枠部材を省略して下側から見た斜視図であり、(b)は(a)を分解して示す分解斜視図である。外枠2は、遊技ホール等のパチンコ機1が設置される島設備(図示は省略)に取付けられるものである。
外枠2は、図示するように、上下に離間しており左右に延びている上枠部材10及び下枠部材20と、上枠部材10及び下枠部材20の両端同士を連結しており上下に延びている左枠部材30及び右枠部材40と、を備えている。上枠部材10、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40は、前後の幅が同じ幅に形成されている。また、上枠部材10及び下枠部材20の左右の長さに対して、左枠部材30及び右枠部材40の上下の長さが、長く形成されている。また、外枠2は、上枠部材10及び下枠部材20の左右両端面と、左枠部材30及び右枠部材40の左右方向の外側を向いた側面とが、同一面となるように組立てられている。
また、外枠2は、上枠部材10の正面視左端部側に取付けられている外枠側上ヒンジ部材60と、外枠側上ヒンジ部材60の下面に取付けられているロック部材66と、幕板部材50の正面視左端側上部と左枠部材30とに取付けられている外枠側下ヒンジ部材70と、を備えている。外枠2の外枠側上ヒンジ部材60と外枠側下ヒンジ部材70とによって、本体枠4及び扉枠3を開閉可能に取付けることができる。
また、外枠2は、左枠部材30及び右枠部材40の下端同士を連結し下枠部材20の前側に取付けられる幕板部材50と、幕板部材50の後側に取付けられていると共に両端が左枠部材30及び右枠部材40に夫々取付けられる幕板補強部材80と、幕板部材50の上面における左右中央から左寄りの位置に取付けられている平板状の左滑り部材81と、幕板部材50の上面における右端付近の位置に取付けられている平板状の右滑り部材82と、を備えている。幕板補強部材80は、中実の部材(例えば、木材、合板、等)によって形成されており、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40に、取付けられている。
更に、外枠2は、上枠部材10と左枠部材30、上枠部材10と右枠部材40、下枠部材20と左枠部材30、及び下枠部材20と右枠部材40を、夫々連結している連結部材85を備えている。また、外枠2は、右枠部材40の内側(左側面側)に取付けられており後述する施錠ユニット700の外枠用鉤703が係止される上鉤掛部材90及び下鉤掛部材91を、備えている。
[2−1.上枠部材]
外枠2の上枠部材10は、所定厚さの無垢(中実)の材料(例えば、木材、合板、等)によって形成されている。この上枠部材10は、左右両端における前後方向の中央に、上下に貫通しており左右方向中央側へ窪んだ係合切欠部11を備えている。この係合切欠部11内には、連結部材85の後述する左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの上横固定部87が取付けられる。また、上枠部材10は、正面視左側端部の上面と前面に、一般面よりも窪んだ取付段部12を備えている。この取付段部12には、外枠側上ヒンジ部材60が取付けられる。
[2−2.下枠部材]
外枠2の下枠部材20は、所定厚さの無垢(中実)の材料(例えば、木材、合板、等)によって形成されている。この下枠部材20は、左右の長さ及び上下の厚さが、上枠部材10の左右の長さ及び上下の厚さと同じ寸法に形成されていると共に、前後の幅が、上枠部材10の前後の幅よりも長く形成されている。下枠部材20は、左右両端における前後方向の中央よりも後側寄りの位置に、上下に貫通しており左右方向中央側へ窪んだ係合切欠部21を備えている。この係合切欠部21内には、連結部材85の後述する左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの下横固定部88が取付けられる。
また、下枠部材20は、左右両端の前面から後方へ窪んだ前端切欠部22を備えている。下枠部材20において、前端切欠部22の後端から下枠部材20の後面までの前後方向の幅が、上枠部材10の前後方向の幅と同じ寸法に形成されている。この下枠部材20は、外枠2に組立てた状態で、左右の前端切欠部22同士の間の部位が、幕板部材50内に挿入される。
[2−3.左枠部材及び右枠部材]
外枠2の左枠部材30及び右枠部材40は、一定の断面形状で上下に延びており、アルミ合金等の金属の押出形材によって形成されている。左枠部材20及び右枠部材40は、平面視において互いに対称の形状に形成されている。左枠部材30及び右枠部材40は、外枠2として組立てた時に、左右方向の外側となる側面において、前後方向中央に対して後寄りの位置から後端付近までの間に、内側へ窪んだ凹部31,41と、凹部31,41の反対側の側面から膨出しており内部が空洞に形成されている突出部32,42と、を備えている。この左枠部材30及び右枠部材40は、突出部32,42によって、強度・剛性が高められている。また、突出部32,42内には、連結部材85の後述する左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの後側の下横固定部88が挿入されて取付けられる。
また、左枠部材30及び右枠部材40は、表面に上下に延びた複数の溝が形成されている。この複数の溝によって、パチンコ機1を遊技ホール等の島設備に設置したり運搬したりする等の際に、作業者の指掛りとなってパチンコ機1を持ち易くすることができると共に、パチンコ機1の外観の意匠性を高めることとができる。
[2−4.幕板部材]
外枠2の幕板部材50は、後側が開放された箱状に形成されている。幕板部材50は、上面における正面視左端付近に後方へ平板状に延出している後方延出部51と、後方延出部51の左端から遊技球が通過可能な大きさでU字状に切欠かれており上下に貫通している左排出孔52と、後方延出部51における左排出孔52の右側において遊技球が通過可能な大きさで上下に貫通している右排出孔53と、後方延出部51の後端を含む幕板部材50の上面の後端から上方へ平板状に延出している立壁部54と、立壁部54の上端付近から前方へ膨出しており前面が上方へ向かうに従って後方へ向かうように傾斜している返し部55と、を備えている。
幕板部材50は、後方延出部51の前側の上面と、後方延出部51の上面とに、外枠側下ヒンジ部材70が載置されるように、外枠側下ヒンジ部材70の後述する水平部71が取付けられる。また、幕板部材50の左排出孔52は、外枠2に組立てた状態で外枠側下ヒンジ部材60の後述する排出孔74と一致する位置に形成されている。また、右排出孔53は、外枠に組立てた状態で外枠側下ヒンジ部材60よりも右側となる位置に形成されている。右排出孔53は、左排出孔52よりも大きく形成されている(図18等を参照)。
また、幕板部材50は、後方延出部51よりも右側の上面が、前端側が低くなるように傾斜している。また、幕板部材50は、上面における後方延出部51よりも右側の部位に左滑り部材81を取付けるための左取付部56と、上面における右端付近に右滑り部材82を取付けるための右取付部57と、を備えている。幕板部材50は、上面に、左滑り部材81及び右滑り部材82を介して本体枠4の下面が載置される。
この幕板部材50は、図示するように、前面に浅いレリーフ状の装飾が形成されている。また、幕板部材50は、図示は省略するが、箱状の内部が複数のリブによって格子状に仕切られており、強度・剛性が高められている。また、幕板部材50は、幕板補強部材80の前側半分を、内部に収容可能に形成されている。
[2−5.外枠側上ヒンジ部材]
外枠2の外枠側上ヒンジ部材60は、図示するように、水平に延びた平板状で外形が四角形の上固定部61と、上固定部61の前端から前方へ延出している平板状の前方延出部62と、前方延出部62の右端から前方へ向かうに従って前方延出部62の左右中央へ延びており上下に貫通している軸受溝63と、上固定部61の平面視左辺から下方へ延びている平板状の横固定部64と、前方延出部62の左端から前端を周って軸受溝63が開口している部位までの端辺から下方へ延びており横固定部64と連続している平板状の垂下部65と、を備えている(図15(b)等を参照)。
外枠側上ヒンジ部材60は、外枠2が組立てられた状態で、上固定部61が、上枠部材10の取付段部12の上面に載置されており、図示しないビスによって固定されている。また、前方延出部62は、上枠部材10の前端よりも前方へ延出している。また、横固定部64は、左枠部材30の外側側面の凹部31内に上側から挿入された状態で、ビスによって左枠部材30に固定されている。
この外枠側上ヒンジ部材60は、軸受溝63内に本体枠側上ヒンジ部材620の本体枠上ヒンジピン622を挿入させることで、外枠側下ヒンジ部材70と協働して本体枠4を開閉可能に支持することができる。この外枠側上ヒンジ部材60は、金属板をプレス成型により屈曲させて形成されている。
[2−6.ロック部材]
外枠2のロック部材66は、図15に示すように、左右が所定幅で前後に延びている帯板状のロック本体66aと、ロック本体66aの後端から右方へ突出している操作部66bと、ロック本体66aの後端から左方へ延びた後に斜め左前方へ延びている弾性変形可能な棒状の弾性部66cと、ロック本体66aの後端付近で上下に貫通している取付孔66dと、を備えている。このロック部材66は、合成樹脂によって形成されている。ロック部材66は、取付ビス67によって、外枠側上ヒンジ部材60における前方延出部62の下面に回動可能に取付けられる。
このロック部材66は、取付孔66dを通して、ロック本体66aの後端が、外枠側上ヒンジ部材60の前方延出部62における軸受溝63よりも後側の位置に取付けられる。また、ロック部材66を外枠側上ヒンジ部材60に取付けた状態では、ロック本体66aが、平面視で軸受溝63を遮ることができると共に、前端付近の右側面が、外枠側上ヒンジ部材60の垂下部65における軸受溝63の開口まで延びている部位と当接可能となるように前方へ延びている(図17を参照)。
また、ロック本体66aの後端から左方へ延びている弾性部66cの先端は、外枠側上ヒンジ部材60における垂下部65の内周面に当接している。このロック部材66は、弾性部66cの付勢力によって取付孔66dを中心に、前端が左方へ回動する方向に付勢されている。従って、通常の状態では、ロック部材66のロック本体66aの前端付近の右側面が、垂下部65に当接している(図17を参照)。この状態では、軸受溝63におけるロック本体66aよりも前側の部位に、本体枠側上ヒンジ部材620の後述する本体枠上ヒンジピン622を収容可能な空間が形成される。
このロック部材66は、操作部66bを操作することで、弾性部66cの付勢力に抗してロック本体66aを回動させることができる。そして、操作部66bの操作によって、ロック本体66aを、その前端が左方へ移動する方向へ回動させることで、平面視において軸受溝63からロック本体66aを後退させることができ、軸受溝63が全通している状態とすることができる。これにより、軸受溝63内に本体枠上ヒンジピン622を挿入したり、軸受溝63内から本体枠上ヒンジピン622を外したりすることができる。
[2−7.外枠側下ヒンジ部材]
外枠2の外枠側下ヒンジ部材70は、図示するように、水平に延びている平板状の水平部71と、水平部71の左辺において前後方向中央よりも後側の部位から上方へ立上がっている平板状の立上り部72と、水平部71の前端付近から上方へ突出している外枠下ヒンジピン73と、水平部71を上下に貫通しており遊技球が一つのみ通過可能な大きさの排出孔74と、を備えている。この外枠側下ヒンジ部材70は、金属板をプレス成型により屈曲させて形成されている。
外枠側下ヒンジ部材70の水平部71は、平面視において、左辺を底辺とした台形に形成されている。外枠下ヒンジピン73は、円柱状で、上下方向中央よりも上部が、上端が窄まった円錐台状に形成されている。この外枠下ヒンジピン73は、水平部71の前端付近における左寄りの位置に取付けられている。排出孔74は、水平部71において、立上り部72の前後方向中央の部位と接し、水平部71の左辺から右方へ逆U字状に延びるように形成されている。この排出孔74は、幕板部材50の左排出孔52と、略同じ大きさに形成されている。
外枠側下ヒンジ部材70は、外枠2が組立てられた状態では、水平部71が、幕板部材50の左端付近の上面と後方延出部51上に載置されており、水平部71が、幕板部材50の上面を貫通する図示しないビスによって幕板補強部材80に固定されている。また、外枠2が組立てられた状態では、立上り部72が、左枠部材30の内側側面における突出部32よりも前側の部位に、図示しないビスによって取付けられている。この外枠側下ヒンジ部材70は、外枠下ヒンジピン73を、本体枠4の本体枠側下ヒンジ部材640における本体枠用下ヒンジ孔(図示は省略)に挿通させることで、外枠側上ヒンジ部材60と協働して本体枠4を開閉可能に取付けることができる。
また、外枠2が組立てられた状態では、排出孔74が、幕板部材50の左排出孔52と一致している。これにより、水平部71上の遊技球を、排出孔74及び左排出孔52を通して、幕板部材50の後側へ落下(排出)させることができる。詳述すると、外枠2に対して本体枠4を閉じる時に、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球が、本体枠4が閉じられるのに従って、外枠2と本体枠4との間が徐々に狭くなることから、間隔が広い後方側へ転動とすることとなり、排出孔74から排出させることができる。この際に、排出孔74が、パチンコ機1に組立てた状態で、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4の後端と略同じとなる位置に形成されているため、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球を、排出孔74から排出させることで本体枠4よりも後側へ転動するのを阻止し易くすることができ、外枠側下ヒンジ部材70の部位に遊技球が留まり難くすることができる。
[2−8.連結部材]
外枠2の連結部材85は、上枠部材10と左枠部材30とを連結する左上連結部材85Aと、上枠部材10と右枠部材40とを連結する右上連結部材85Bと、下枠部材20と左枠部材30とを連結する左下連結部材85Cと、下枠部材20と右枠部材40とを連結する右下連結部材85Dと、がある。
連結部材85は、水平に延びた平板状の水平固定部86と、水平固定部86の左右側辺の何れか一方から上方へ延出している平板状の上横固定部87と、水平固定部86における上横固定部87が延出している部位と同じ側から下方へ延出している平板状の下横固定部88と、を備えている。この連結部材85は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
左上連結部材85A及び右上連結部材85Bでは、水平固定部86の前後方向の中央から上横固定部87が上方へ延出していると共に、上横固定部87の前後両側から下横固定部88が下方へ延出している。つまり、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bでは、下横固定部88が前後に離間して二つ備えられている。左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの水平固定部86は、上枠部材10の下面に当接した状態で上枠部材10に固定される。また、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの上横固定部87は、上枠部材10の係合切欠部11内に挿入されて、上枠部材10の左右方向の端部に固定される。また、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの前側の下横固定部88は、左枠部材30又は右枠部材40、突出部32,42よりも前側の内側側面に固定される。更に、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの後側の下横固定部88は、左枠部材30又は右枠部材40、突出部32,42内に挿入されて外側側面から捩じ込まれるビスにより左枠部材30又は右枠部材40に固定される。
左下連結部材85C及び右下連結部材85Dでは、上横固定部87の後端が、水平固定部86の後端よりも後方へ突出していると共に、上横固定部87の水平固定部86よりも後方へ突出している部位の下端から下横固定部88が水平固定部86よりも下方へ延出している。また、左下連結部材85C及び右下連結部材85Dでは、上横固定部87の後端から水平固定部86と同じ側へ突出している屈曲部89を更に備えている。左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの水平固定部86は、下枠部材20の上面に当接した状態で固定される。また、左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの上横固定部87は、左枠部材30又は右枠部材40の突出部32,42よりも前側の内側側面に固定される。更に、左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの下横固定部88は、下枠部材20の係合切欠部21内に挿入されて下枠部材20の左右方向の端部面に固定される。
[2−9.外枠側上ヒンジ部材のロック機構]
次に、本実施形態のパチンコ機1の外枠2において、外枠側上ヒンジ部材60におけるロック部材66による本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620に対するロック機構について、図16及び図17を参照して説明する。図16は(a)は外枠の外枠側上ヒンジ部材に対して本体枠の本体枠側上ヒンジ部材が取外されている状態を拡大して示す斜視図であり、(b)は外側上ヒンジ部材に本体側上ヒンジ部材が取付けられている状態を拡大して示す斜視図である。図17は外枠におけるロック部材の作用を示す説明図である。
外枠2におけるロック部材66は、外枠側上ヒンジ部材60の前方延出部62に取付けた状態(通常の状態)では、弾性部66cの先端が垂下部65の内周面と当接しており、ロック本体66aがく字状に屈曲した軸受溝63の一部を閉塞するようになっていると共に、ロック本体66aの先端部分が、軸受溝63の最深部分を閉塞した状態とはならず、軸受溝63の最深部分に本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620の本体枠上ヒンジピン622を挿入可能な空間が形成された状態となっている。
本実施形態における外枠側上ヒンジ部材60とロック部材66とを用いた本体枠上ヒンジピン622の支持機構は、本体枠上ヒンジピン622が軸受溝63の最深部分に挿入されてロック本体66aの前端の右側面が、右側の垂下部65と接近している状態(この状態ではロック本体66aの前端の右側面と右側の垂下部65との間に僅かな隙間があり当接した状態となっていない)である通常の軸支状態においては、屈曲している軸受溝63の最深部分に位置する本体枠上ヒンジピン622とロック本体63の前端面との夫々の中心が斜め方向にずれて対向した状態となっている。
そして、この通常の軸支状態においては、重量のある本体枠4を軸支している本体枠上ヒンジピン622が軸受溝63の前端部分に当接した状態となっているので、本体枠上ヒンジピン622からロック部材66aの前端面への負荷がほとんどかかっていない。つまり、ロック部材66の弾性部66cに対し負荷がかかっていない状態となっている。なお、ロック本体66aの前端面が円弧状に形成されているため、ロック部材66を回動させるために操作部66bを回動操作した時に、ロック部材66がスムーズに回動するようになっている。また、図示では、ロック本体66aの前端面の円弧中心が、取付孔66dの中心(ロック部材66の回転中心)とされている。
従って、本体枠上ヒンジピン622がく字状に形成された軸受溝63の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって、ロック本体66aの円弧状の前端面に当接したとき、その作用力Fを、本体枠上ヒンジピン622と円弧状の前端面との当接部分に作用する分力F1(ロック本体66aの前端面の円弧の法線方向)と、本体枠上ヒンジピン622と軸受溝63の一側内面との当接部分に作用する分力F2と、に分けたときに、分力F1の方向が取付孔66d(取付ビス67)の中心(ロック部材66の回転中心)を向くため、ロック部材66のロック本体66aの前端が、右側の垂下部65から離れる方向に回転させるモーメントが働かず、本体枠上ヒンジピン622がロック部材66のロック本体66aの前端部と軸受溝63の一側内面との間に挟持された状態が保持される。
このため、通常の軸支状態、或は、本体枠上ヒンジピン622の作用力がロック部材66にかかった状態でも、ロック部材66の弾性部66cに常時負荷がかからず、合成樹脂で一体形成される弾性部66cのクリープによる塑性変形を防止し、長期間に亘って本体枠上ヒンジピン622の軸受溝63からの脱落を防止することができる。なお、仮に無理な力がかかってロック部材66のロック本体66aの前端部が右方へ移動する方向へ回転させられても、ロック本体66aの前端右側面が垂下部65に当接してそれ以上回転しないので、ロック部材66が前方延出部62の外側にはみ出ないようになっている。
なお、ロック本体66aの前端面の形状は円弧状でなくても、上記した分力F1の作用により回転モーメントが生じない位置又はロック部材66をその前端部が前方突出部62の外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材66の回転中心(取付ビス67により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材66の弾性部66cに対しても負荷がかかることはないし、ロック部材66が回転してもロック本体66aの前端の右側面が垂下部65に当接するだけであるため、ロック部材66が前方延出部62の外側にはみ出ることもない。
外枠側上ヒンジ部材60の軸受溝63に、本体枠側上ヒンジ部材620の本体枠上ヒンジピン622を支持させる場合は、軸受溝63の開放されている側から軸受溝63内に本体枠上ヒンジピン622を挿入する。軸受溝63内に本体枠上ヒンジピン622を挿入すると、ロック部材66のロック本体66aの右側面に本体枠上ヒンジピン622が当接し、弾性部66cの付勢力に抗してロック本体66aの前端が左方へ移動するようにロック部材66が取付ビス67を中心に回動する。これにより、軸受溝63を閉鎖していたロック本体66aが後退して軸受溝63が開放され、軸受溝63の最深部(前端)へ本体枠上ヒンジピン622を移動させることができるようになる。
そして、軸受溝63の最深部に本体枠上ヒンジピン622を移動させると、本体枠上ヒンジピン622とロック部材66のロック本体66aとの当接が解除され、弾性部66cの付勢力によってロック本体66aの前端が右方へ移動するようにロック部材66が回動し、ロック部材66が通常の状態に復帰する。これにより、本体枠上ヒンジピン622が、軸受溝63内におけるロック本体66aの前端よりも前側の空間に収容された状態となり、本体枠上ヒンジピン622が、軸受溝63の最深部において回動可能な状態で保持(ロック)された状態となる。
軸受溝63内から本体枠上ヒンジピン622を取外す場合は、ロック部材66の操作部66bを操作して、ロック本体66aの前端が左方へ移動するようにロック部材66を回動させ、弾性部66cの付勢力に抗して軸受溝63からロック本体66aを後退させる。これにより、軸受溝63の最深部と開口部とが連通した状態となり、軸受溝63から本体枠上ヒンジピン622を取外すことができる。
[2−10.外枠側下ヒンジ部材の部位における防犯機構と球噛み防止機構]
本実施形態のパチンコ機1における外枠2の外枠側下ヒンジ部材70の部位における防犯機構と外枠2と本体枠4との間に遊技球が挟まれるのを防止するための球噛み防止機構について、図18を参照して説明する。図18(a)は図1におけるA−A断面図であり、(b)は(a)において外枠に対して扉枠と共に本体枠を開いた状態を示す断面図である。
外枠2は、組立てた状態では、幕板部材50の上面における正面視左端部に外枠側下ヒンジ部材70が取付けられている。外枠側下ヒンジ部材70の水平部71は、幕板部材50の上面の左端付近と後方延出部51の上面とに載置された状態で取付けられている。この幕板部材50には、上面の後端から上方へ立上がっている立壁部54を備えている。これにより、外枠側下ヒンジ部材70と本体枠側下ヒンジ部材640との間の隙間を通して、本体枠4(パチンコ機1)の後側へピアノ線等の不正な工具を侵入させようとしても、不正な工具の先端が幕板部材50の上面の後端から上方へ延出している立壁部54に当接するため、不正な工具がこれ以上後側へ挿入されるのを阻止することができ、外枠側下ヒンジ部材70の部位を介して不正行為が行われるのを防止することができる。
また、立壁部54の上端に、前方へ延出している返し部55を備えているため、立壁部54に当接した不正な工具が上方へ曲がった場合、返し部55によって不正な工具の先端を更に前方へ折返させることができるため、本体枠4の後側に不正な工具が侵入させられるのを阻止することができ、外枠側下ヒンジ部材70の部位を介して不正行為が行われるのを確実に阻止することができる。
ところで、幕板部材50の上面の後端に上方へ延出している立壁部54を備えるようにした場合、図18(b)に示すように、外枠2に対して本体枠4を開いている状態で、遊技球が外枠側下ヒンジ部材70(水平部71)上に落下した場合、水平部71上の遊技球が、立壁部54の存在によって水平部71の後端から後方へ排出されないため、外枠2と本体枠4との間に挟まれてしまう虞がある。これに対して、本実施形態では、外枠側下ヒンジ部材70の水平部71と、幕板部材50の後方延出部51とに、遊技球が通過可能な排出孔74、右排出孔52、及び左排出孔53を備えているため、外枠側下ヒンジ部材70の水平部71上の遊技球を、排出孔74等から下方へ排出することができ、外枠2と本体枠4との間に遊技球が挟まれるのを低減させることができる。
従って、外枠2と本体枠4との間に遊技球が挟まれることで、外枠側下ヒンジ部材70の周りが破損したり、本体枠4が正常な状態で閉まらずに外枠2と本体枠4との間に隙間ができてしまい、その隙間を使って不正行為が行われてしまったりするのを防止することができる。
[3.扉枠の全体構成]
パチンコ機1の扉枠3について、図19乃至図25を参照して説明する。図19はパチンコ機における扉枠の正面図であり、図20は扉枠の背面図である。図21は扉枠を右前から見た斜視図であり、図22は扉枠を左前から見た斜視図であり、図23は扉枠を後ろから見た斜視図である。図24は扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図25は扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠3は、正面視の外形が四角形で枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられる皿ユニット200と、扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられるトップユニット350と、扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられる左サイドユニット400と、扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられる右サイドユニット450と、扉枠ベースユニット100の前面右下部に皿ユニット200を貫通して取付けられるハンドル装置500と、を備えている。
また、扉枠3は、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられるファールカバーユニット520と、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられる球送りユニット540と、扉枠ベースユニット100の後面に取付けられ遊技窓111を閉鎖するガラスユニット560と、ガラスユニット560の後面下部を覆う防犯カバー580と、を備えている。
扉枠3の扉枠ベースユニット100は、図24及び図25に等に示すように、外形が縦長の長方形で前後に貫通している遊技窓111を有した板状の扉枠ベース110と、扉枠ベース110の前面で正面視右下隅に取付けられておりハンドル装置500を取付けるための筒状のハンドル取付部材120と、扉枠ベース110の後側に取付けられている枠状の補強ユニット130と、補強ユニット130の正面視左端側の上下両端に取付けられており前方へ突出して本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640に回転可能に取付けられる扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150と、扉枠ベース110の後側に回動可能に取付けられておりガラスユニット560を着脱可能に取付けるためのガラスユニット取付部材160と、を備えている。
扉枠3の皿ユニット200は、詳細は後述するが、上下に列設されており前方へ膨出しており遊技球を貯留可能な上皿201及び下皿202と、上皿201及び下皿202が取付けられていると共に扉枠ベースユニット100の前面に取付けられる板状の皿ユニットベース210と、上皿201の前側で皿ユニットベース210に取付けられ画像を表示可能な上皿液晶表示装置244、遊技者が操作可能なタッチパネル246及び上皿演出ボタン257を有している演出操作ユニット220と、上皿201及び下皿202を前側から覆う皿ユニットカバー260と、正面視上皿201の右側に配置されており遊技状態に応じて回転する扉右下回転体270Aを有している扉右下演出ユニット270と、扉右下演出ユニット270を前側から覆う透明な演出ユニットカバー300と、上皿201に貯留されている遊技球を下皿202へ抜くための上皿球抜きユニット310と、下皿202に貯留されている遊技球を下方へ抜くための下皿球抜きユニット320と、遊技ホールの島設備においてパチンコ機1と隣接して配置される球貸機(図示は省略する。CRユニットとも称す)を操作するための球貸操作ユニット330と、皿ユニットベース210の上部に取付けられており発光装飾可能な上皿トップ装飾部材340と、を主に備えている。
扉枠3のトップユニット350は、図24及び図25等に示すように、扉枠ベースユニット100の前面において上辺に沿って取付けられる一部が透光性を有したユニットベース360と、ユニットベース360の前面で左右の中央に取付けられており前方へ膨出している透光性を有したトップ装飾部材370と、トップ装飾部材370内に取付けられており高音域のサウンドを出力するトップスピーカ(図示は省略)と、ユニットベース360の後側に取付けられており前面に複数のLEDが取付けられている扉枠上装飾基板380と、を備えている。
扉枠3の左サイドユニット400は、図24及び図25等に示すように、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓111の左側外周縁に沿って取付けられる平板状のユニットベース410と、ユニットベース410の前面に取付けられており上端がトップユニット350のトップ装飾部材370の左端まで延びている透光性を有した左サイド装飾部材420と、左サイド装飾部材420の前側で正面視扉枠3の左上隅となる位置に取付けられており左スピーカ(図示は省略)を有した左スピーカユニット430と、ユニットベース410の後側に取付けられており前面に複数のLEDが取付けられた扉枠左装飾基板440と、を備えている。
扉枠3の右サイドユニット450は、図24及び図25等に示すように、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓111の右側外周縁に沿って取付けられる平板状のユニットベース460と、ユニットベース460の前側に取付けられており上端がトップユニット350のトップ装飾部材370の右端まで延びている透光性を有した右サイド装飾部材470と、右サイド装飾部材470の前面で正面視扉枠3の右上隅となる位置に取付けられており右スピーカ(図示は省略)を有した右スピーカユニット480と、ユニットベース460と右サイド装飾部材470との間に取付けられており前面に複数のLEDが取付けられた扉枠右装飾基板(図示は省略)と、を備えている。
扉枠3のハンドル装置500は、図24及び図25等に示すように、扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材120に取付けられるハンドル本体502と、ハンドル本体502に回動可能に取付けられており遊技者が回動操作可能なハンドルレバー504と、ハンドルレバー504の前側からハンドル本体502に取付けられておりハンドル本体502と協働してハンドルレバー504を回動可能に支持しているハンドルカバー506と、を備えている。また、ハンドル装置500は、図示は省略するが、ハンドル本体502内に取付けられておりハンドルレバー504の回転角度を検知するハンドル操作センサ507(図143を参照)と、ハンドル本体502に取付けられており遊技者が操作可能なストップボタンと、ハンドル本体502内に取付けられており遊技者とハンドルレバー504との接触を検知する接触検知センサ509(図143を参照)と、を備えている。
扉枠3のファールカバーユニット520は、図24、図25、及び図54乃至図56等に示すように、扉枠ベースユニット100の後側に取付けられ前側が開放された浅い箱状のユニット本体522と、ユニット本体522の前面に取付けられている平板状の蓋部材524と、を主に備えている。ファールカバーユニット520は、正面視左上隅において前後に貫通しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路と皿ユニット200の上皿球供給口210aとを連通させる貫通球通路526と、貫通球通路526の正面視右側で後方へ向かって開口しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路と連通可能な満タン球受口528と、満タン球受口528の正面視右側で上方へ向かって開口しており本体枠4の球発射装置680により発射されにも関わらず遊技領域5a内へ到達しなかった遊技球(ファール球)を受けるファール球受口530と、正面視右下隅で前方へ向かって開口しており満タン球受口528及びファール球受口530に受入れられた遊技球を放出すると共に皿ユニット200の下皿球供給口210cと連通する球放出口532と、を備えている。
扉枠3の球送りユニット540は、図24及び図25等に示すように、左右に延びており後側が開放された箱状のユニット本体542と、ユニット本体542の後側に取付けられており前側が開放された箱状でファールカバーユニット520の正面視右側で扉枠ベースユニット100の後側に着脱可能に取付けられるユニットカバー544と、前方へ向かって開口しており皿ユニット200の上皿201に貯留されている遊技球が進入する球進入口546と、球進入口546に進入した遊技球を放出可能とされており後方へ向かって開口している球放出口548と、球進入口546に進入した遊技球を排出可能とされており球進入口546の下側で前方へ向かって開口している球排出口550と、を備えている。また、球送りユニット540は、図示は省略するが、球進入口546から進入した遊技球を一つずつ球放出口548から放出させるための球送りソレノイド551(図143を参照)と、球進入口546から進入した遊技球を球放出口548側又は球排出口550側の何れかに切換える切換機構と、を備えている。
扉枠3のガラスユニット560は、図24及び図25等に示すように、扉枠ベースユニット100の遊技窓111よりも大きい枠状のユニット枠562と、ユニット枠562の前後両側に取付けられておりユニット枠562の枠内を閉鎖する一対のガラス板564と、を備えている。
[3−1.皿ユニットの全体構成]
扉枠3の皿ユニット200について、図26乃至図41を参照して詳細に説明する。図26は扉枠の皿ユニットを前から見た斜視図であり、図27は皿ユニットを後ろから見た斜視図である。図28は皿ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図29は皿ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図30(a)は皿ユニットの演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。図31は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して上から見た斜視図であり、図32は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して下から見た分解斜視図である。図33は演出操作ユニットの取付ベースユニットを分解して上から見た分解斜視図であり、図34は取付ベースユニットを分解して下から見た分解斜視図である。
また、図35は演出操作ユニットのタッチユニットを分解して上から見た分解斜視図であり、図36はタッチユニットを分解して下から見た分解斜視図である。図37は演出操作ユニットのボタンユニットを分解して上から見た分解斜視図であり、図38はボタンユニットを分解して下から見た分解斜視図である。図39は皿ユニットの平面図であり、図40は図39におけるB−B断面において演出操作ユニットの部位を拡大して示す断面図であり、図41は図39におけるC−C断面において演出操作ユニットの部位を拡大して示す断面図である。
更に、図42(a)は皿ユニットの扉右下演出ユニットの正面図であり、(b)は扉右下演出ユニットの右側面図であり、図43(a)は扉右下演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉右下演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図44は、図42(b)の扉右下演出ユニットにおけるD−D断面図である。図45は扉右下演出ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図46は扉右下演出ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図47は扉右下演出ユニットの回転体内部ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図48は回転体内部ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図49(a)は扉右下演出ユニットの扉右下回転体が前を向いた状態の正面図であり、(b)は扉右下回転体が後ろを向いた状態の正面図である。
また、図50(a)は皿ユニットの上皿球抜きユニットを皿ユニットベースに取付けた状態で前から見た斜視図であり、(b)は上皿球抜きユニットを皿ユニットベースに取付けた状態で後ろから見た斜視図である。図51は上皿球抜きユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図52は上皿球抜きユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。また、図53(a)は皿ユニットの下皿球抜きユニットを前から見た斜視図であり、(b)下皿球抜きユニットを分解して前から見た分解斜視図である。
皿ユニット200は、扉枠ベースユニット100から前方へ膨出している。この皿ユニット200は、払出装置830から払出され遊技領域5a内に打込むための遊技球を貯留する上皿201と、上皿201の下側に配置されており上皿201から供給される遊技球を貯留可能な下皿202と、を備えている。また、皿ユニット200は、扉枠ベースユニット100に取付けられる平板状の皿ユニットベース210と、皿ユニットベース210の前面上部に取付けられると共に左右中央より左側が前方へ大きく膨出しており上皿201を形成している上皿本体212と、皿ユニットベース210の前面下部で左右中央に取付けられると共に前方へ大きく膨出しており下皿202を形成している下皿本体214と、を備えている。
また、皿ユニット200は、上皿本体212の前側及び皿ユニットベース210の前面に取付けられる演出操作ユニット220と、上皿本体212、下皿本体214、及び演出操作ユニットの前側及び下側を覆い皿ユニットベース210の前面に取付けられる皿ユニットカバー260と、演出操作ユニット220の右側に配置されており皿ユニットベース210の前面右部に取付けられる扉右下演出ユニット270と、扉右下演出ユニット270の前側を覆い皿ユニットベース210の前面に取付けられる演出ユニットカバー300と、皿ユニットベース210を前後から挟むように取付けられており上皿本体212の上皿201内に貯留されている遊技球を下皿202へ抜き取るための上皿球抜きユニット310と、下皿本体214の下側に取付けられており下皿202に貯留されている遊技球を下方へ排出するための下皿球抜きユニット320と、を備えている。
更に、皿ユニット200は、演出操作ユニット220の上面に取付けられており遊技ホールの島設備においてパチンコ機1と隣接して配置される球貸機を操作するための球貸操作ユニット330と、皿ユニットベース210の上部に取付けられており発光装飾可能な上皿トップ装飾部材340と、皿ユニットカバー260の後側で皿ユニットベース210の前面左側に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDを備えている皿ユニット左装飾基板345と、演出ユニットカバー300の後側且つ扉右下演出ユニット270の下側で皿ユニットベース210の前面右側に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDを備えている皿ユニット右装飾基板346と、皿ユニットベース210の後側に取付けられており後述する上皿前装飾基板233、上皿後装飾基板235、上皿液晶基板241、加振装置242、タッチパネル246、演出ボタン装飾基板251、演出ボタン押圧センサ258、扉右下中継基板281、皿ユニット左装飾基板345、及び皿ユニット右装飾基板346と遊技盤5の図示しない周辺制御基板4010との接続を中継する皿ユニット中継基板347と、を備えている。
[3−1a.皿ユニットベース]
皿ユニット200の皿ユニットベース210は、図28及び図29に示すように、扉枠ベースユニット100の全幅に亘って左右に長く延びている。皿ユニットベース210は、正面視左上隅付近で前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている上皿球供給口210aと、上皿球供給口210aの下側で前後に貫通していると共に上下に延びている複数の長穴からなるスピーカスリット210bと、正面視左右中央の下部において前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている下皿球供給口210cと、下皿球供給口210cの正面視右上側で前後に貫通していると共に上下に延びており上部が上皿本体212の右端に位置する上皿球送り口210dと、を備えている。
また、皿ユニットベース210は、上皿球送り口210dの正面視左側で前後に貫通している内周が四角形の透口210eと、透口210eの下辺から前方へ板状に突出している受片210fと、上皿球送り口210dの正面視右上側で前後に貫通している逃し口210gと、正面視右下隅で前後に貫通しており扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材120が挿通されるハンドル挿通口210hと、正面視右隅付近で前後に貫通しており施錠ユニット700の鍵シリンダ710が挿通されるシリンダ挿通口210iと、筒状の下皿球供給口210cの正面視右側の側面において後端から前方へ向かって切欠かれている切欠部210jと、を備えている。
[3−1b.上皿本体]
皿ユニット200の上皿本体212は、図28及び図29に示すように、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出しており、上方及び後方へ開放された容器状に形成されている。上皿本体212は、正面視右端側に左方及び後方へのみ開放されており遊技球が流通可能な誘導通路部212aを備えている。この上皿本体212は、底面が全体的に右端が低くなるように傾斜している。詳述すると、上皿本体212を皿ユニットベース210に取付けた状態で、上皿本体212の底面が、上皿球供給口210aの下側の位置から上皿球送り口210dの上端から遊技球の外径よりも若干下側の位置へ向かって低くなるように傾斜している。これにより、上皿球供給口210aから前方へ放出された遊技球を、上皿本体212内に受けて貯留することができると共に、受けた遊技球を誘導通路部212aの右端側から上皿球送り口210dへ供給することができる。
また、上皿本体212は、底面の後端側で左右の中央から右端付近まで延びている金属製のアース金具212bを備えている。このアース金具212bは、図示は省略するが、電気的に接地(アース)されており、遊技球が接触することで、遊技球に帯電した静電気を除去することができる。
[3−1c.下皿本体]
皿ユニット200の下皿本体214は、図28及び図29に示すように、前端辺に対して後端辺が長い平面視台形で、上方及び後方が開放された容器状に形成されている。下皿本体214は、底面に上下に貫通しており下皿球抜きユニット320によって閉鎖可能とされている球抜き孔214aを備えており、球抜き孔214aへ向かって低くなるように底面が傾斜している。この下皿本体214は、皿ユニットベース210の下皿球供給口210cから前方へ放出された遊技球を受けて貯留することができると共に、球抜き孔214aから遊技球を皿ユニット200の下方へ排出することができる。
[3−1d.演出操作ユニットの全体構成]
皿ユニット200の演出操作ユニット220は、図30乃至図32に示すように、正面視左右の中央で皿ユニットベース210及び上皿本体212に取付けられる取付ベースユニット220Aと、取付ベースユニット220Aに取付けられるタッチユニット220Bと、タッチユニット220Bの正面視左側で取付ベースユニット220Aに取付けられるボタンユニット220Cと、タッチユニット220Bと取付ベースユニット220Aとの間に介装される円筒状の複数のダンパ222と、タッチユニット220B及びボタンユニット220Cの外周を上側から覆うように取付ベースユニット220Aに取付けられるユニットカバー224と、取付ベースユニット220Aの正面視右端に取付けられる装飾部材226と、を備えている。
演出操作ユニット220のダンパ222は、円筒状に形成されており、外周面における軸方向の中央に溝222aが全周に亘って形成されている。本実施形態におけるダンパ222は、合成ゴムによって形成されている。複数のダンパ222によって、タッチユニット220Bが叩かれた時の衝撃を緩和させて取付ベースユニット220Aや皿ユニットベース210側へ作用する負荷(衝撃)を低減させることができると共に、タッチユニット220Bの後述する加振装置242による振動が、取付ベースユニット220Aや皿ユニットベース210側へ伝達されるのを低減させることができる。
[3−1d−1.取付ベースユニット]
演出操作ユニット220の取付ベースユニット220Aは、図31乃至図34に示すように、皿ユニットベース210の前面に取付けられ上方が開放された浅い箱状の取付ベース230と、取付ベース230の上側に取付けられると共に後端が上皿本体212の前端に取付けられ上側からタッチユニット200Bを収容可能な上方が開放された浅い箱状のユニットケース231と、ユニットケース231の前端に取付けられる横長の上皿前レンズ部材232と、上皿前レンズ部材232とユニットケース231との間に配置され前面に複数のLEDを備えた上皿前装飾基板233と、上皿前レンズ部材232の前側を覆いユニットカバー224に取付けられる透光性を有した上皿前装飾部材234と、を備えている。
また、取付ベースユニット220Aは、ユニットケース231の後端に取付けられており上方へ向かって光を照射可能な複数のLEDを備えた上皿後装飾基板235と、上皿後装飾基板235の上側に配置されユニットカバー224に取付けられる透光性を有した上皿後装飾部材236と、上皿後装飾部材236の前側においてユニットカバー224とユニットケース231とによって挟持され上皿後装飾基板235からの光を導いて上端が線状に発光可能な線状発光レンズ部材237と、上皿後装飾部材236の正面視右側でユニットカバー224に取付けられる筒状のボタン取付部材238と、ボタン取付部材238によって上下にスライド可能に取付けられる上皿球抜きボタン239と、を備えている。
取付ベース230は、前後の略中央から前側に、前方へ向かうに従って低くなるように傾斜している平板状の取付側受部230aと、取付側受部230aを貫通しており左右に離間した二つの貫通口230bと、貫通口230bの周縁から下方へ延出している筒状の筒状受部230cと、を備えている。貫通口230bは、内周が四角形に形成されている。筒状受部230cは、下方へ向かうに従って窄まるように角錐筒状に形成されている(図41を参照)。詳述すると、筒状受部230cは、前側の内周壁が取付側受部230aの面に対して略垂直に延びており、後側の内周壁が取付側受部230aの面に対して下方へ向かうに従って前方へ向かうように傾斜して延びている。また、筒状受部230cは、左右両側の内周壁が取付側受部230aの面の垂直に対して下端(先端)同士が僅かに接近するように傾斜して延びている。
ユニットケース231は、上方へ開放されておりタッチユニット220Bを収容可能な収容凹部231aと、収容凹部231aの底面の正面視左右両端付近から夫々前後に離間して一対ずつ上方へ円柱状に突出している横支持ピン231bと、収容凹部231aの底面の前端付近から左右に離間して上方へ円柱状に突出している一対の前支持ピン231cと、収容凹部231aにおいて底面の前後端側の左右中央から上方へ突出している中央支持突起231dと、収容凹部231aの底面の下側から下方へ向かうに従って窄まるように角錐状に突出しており左右に離間した二つの受突部231eと、を備えている。
また、ユニットケース231は、収容凹部231aよりも正面視左側で上下に円形に貫通しておりボタンユニット220Cの下部が挿通される挿通孔231fと、上面における挿通孔231fの周りに配置されておりボタンユニット220Cを取付けるためのボタンユニット取付部231gと、収容凹部231aの後側の外周壁において左右に延びていると共に上端から下方へ窪み線状発光レンズ部材237の線状発光部237bが配置される切欠部231hと、を備えている。
ユニットケース231の収容凹部231aは、平面視の形状が、左右に延びた四角形と、その四角形の左右両辺から外側へ突出した台形とを組合せた形状に形成されている。また、収容凹部231aは、左右両側の台形の部位の底面に対して、四角形の部位の底面が、下方へ低く形成されている。この収容凹部231aの底面の段差は、ダンパ222の高さ(軸方向の長さ)よりも若干低く形成されている。
四つの横支持ピン231bは、収容凹部231aにおける台形の部位の底面から上方へ突出しており、筒状のダンパ222内へ挿入可能に形成されている。また、横支持ピン231bは、上端側に、上端側へ向かうに従って直径が小さくなる円錐台状のテーパ部231iを備えている(図40を参照)。横支持ピン231bは、収容凹部231aの底面からテーパ部231iの中間までの距離が、ダンパ222の長さと同じとされており、全体がダンパ222よりも長く形成されている。一対の前支持ピン231cは、筒状のダンパ222内へ挿入可能とされており、ダンパ222の半分の長さよりも若干長く形成されている。
中央支持突起231dの上端は、収容凹部231aにおける台形の部位の底面と同じ高さまで突出している。受突部231eは、外周が四角形の円錐台状に形成されている。二つの受突部231eは、取付ベース230の二つの貫通口230bと対応した位置に形成されている。受突部231eは、前側の外周壁が収容凹部231aの底面に対して略垂直に延びており、後側の外周壁が収容凹部231aの底面に対して下方へ向かうに従って前方へ向かうように傾斜して延びている。また、受突部231eは、左右両側の外周壁が収容凹部231aの面の垂直に対して下端(先端)同士が僅かに接近するように傾斜して延びている。受突部231eの外周壁の形状は、取付ベース230の筒状受部230cの内周壁の形状と対応している。この受突部231eは、組立てた状態で、下端が取付ベース230の貫通口230a内に挿入されると共に、筒状受部230cの内周壁との間に僅かな隙間が形成される。
上皿前装飾部材234は、皿ユニット200が組立てられた状態で、前面が外部に露出する。上皿後装飾基板235は、上皿後装飾部材236を発光装飾させるための複数の装飾用LED235aと、線状発光レンズ部材237を発光装飾させるための複数の周縁用LED235bと、を備えている。
線状発光レンズ部材237は、上皿後装飾部材236よりも左右が長く形成されており、上皿後装飾基板235の複数の周縁用LED235bの上側に配置される受光部237aと、受光部237aと連続しユニットケース231の切欠部231hに嵌め込まれる平板状の線状発光部237bと、を備えている。線状発光レンズ部材237は、線状発光部237bをユニットケース231の切欠部231hに嵌め込むことで、線状発光部237aの前面が収容凹部231aの内周壁の一部を形成する。また、線状発光レンズ部材237は、皿ユニット200が組立てられた状態で、線状発光部237bの上端が外部に露出する。この線状発光レンズ部材237は、周縁用LED235bからの光を受光部237aで受光することができ、受光部237aで受光した光を線状発光部237bへ導光して線状発光部237bの上端全体を(線状に)発光させることができる。
上皿球抜きボタン239は、ボタン取付部材238によって上下にスライド可能に取付けられ、ボタン取付部材238よりも下方へ延出している延出片239aを備えている。この上皿球抜きボタン239を下方へ押圧することで、上皿球抜きユニット310を動作させて上皿201内に貯留されている遊技球を、上皿201から下皿202へ排出する(抜く)ことができる。
取付ベースユニット220Aは、四つの横支持ピン231bと二つの前支持ピン231cに夫々挿入されたダンパ222によって、タッチユニット220Bを弾性的に支持することができる。また、タッチユニット220Bが取付けられるユニットケース231の下方へ突出している二つの受突部231eの外周面と、ユニットケース231の下側で受突部231eの下端が挿入されている取付ベース230の筒状受部の内周面との間に僅かな隙間を形成している。これにより、タッチユニット220B側からユニットケース231が下方へ移動するような力(衝撃)が作用した時に、その力が直ちに取付ベース230の取付側受部230aに伝達されず、ユニットケース231の収容凹部231aの底面が下方へある程度撓んで受突部231eの下端の外周面が筒状受部230cの内周面に当接することで、取付ベース230側へ力が伝達される。つまり、ユニットケース231から取付ベース230へ力を伝達させる際に、ユニットケース231が撓むため、その撓みによって力をある程度減衰させて取付ベース230へ伝達させることができる。
また、ユニットケース231の受突部231e及び取付ベース230の筒状受部230cは、それらが形成されている面(タッチユニット220Bの上面と平行な面)に対して傾斜した外周面及び内周面を備えているため、受突部231eから筒状受部230cへ伝達される力の一部が、筒状受部230cが備えられている取付側受部230aの底面に沿った方向へ作用する。これにより、受突部231e(ユニットケース231)側からの力が分散し、取付ベース230に対して一方向へ大きな力が作用するのを回避させることができ、取付ベース230が破損し難くなる。
[3−1d−2.タッチユニット]
演出操作ユニット220のタッチユニット220Bは、図35及び図36に示すように、上方が開放された浅い箱状の下ケース240と、下ケース240内に上側から取付けられる上皿液晶基板241と、下ケース240内において上皿液晶基板241の左右両外側に配置される一対の加振装置242と、一対の加振装置242及び上皿液晶基板241の上側を覆うと共に下ケース240に取付けられ上方が開放された浅い箱状のベース部材243と、ベース部材243内に上側から挿入され上皿液晶基板241によって制御され画像を表示可能な上皿液晶表示装置244と、上皿液晶表示装置244の外周を覆う薄い金属板からなる枠状のアース金具245と、アース金具245及び上皿液晶表示装置244の上面を覆う透明なタッチパネル246と、タッチパネル246の外周を上側から覆いベース部材243を通して下ケース240に取付けられる枠状の上カバー247と、を備えている。
また、タッチユニット220Bは、下ケース240、ベース部材243及び上カバー247を組立てた状態で、それらの後端面において、下ケース240の下端から上カバー247の上端まで上下に延びていると共に、下ケース240等の後端面の左右の略全長に亘って延びており、下ケース240、ベース部材243及び上カバー247の後端面に貼付けられている防水性を有したシート状の防水シール248を備えている。
下ケース240は、外形がユニットケース231の収容凹部213aの内形と対応しており、収容凹部213a内に収容可能に形成されている。下ケース240は、左右に延びた長方形状の基板取付部240aと、基板取付部240aの左右両側から夫々台形に突出している平板状の突出部240bと、各突出部240bをダンパ222の外径と同じ内形で上下に貫通していると共に一部が左右方向外側へ開放されており前後に離間して形成された一対のダンパ取付凹部240cと、ダンパ取付凹部240cの内周面から突出しているフランジ部240dと、突出部240bにおける一対のダンパ取付凹部240cの間で基板取付部240a寄りに配置され加振装置242が取付けられる加振装置取付部240eと、を備えている。
下ケース240のダンパ取付凹部240cは、平面視の形状がC字状に形成されており、C字の開放されている側からダンパ222を挿入させることができる。また、フランジ部240dは、ダンパ取付凹部240cの上下の略中央で、ダンパ取付凹部240cのC字状の内周面の全周に亘って備えられている。このフランジ部240dは、ダンパ222の溝222a内に挿入可能とされている。
加振装置242は、小型の加振駆動モータ242aと、加振駆動モータ242aの回転軸に重心が偏芯して取付けられる錘242bと、を備えている。この加振装置242は、加振駆動モータ242aによって錘242bを回転させることで、振動を発生させることができる。
ベース部材243は、上皿液晶表示装置244が上側から挿入され浅い箱状に形成された液晶取付凹部243aと、液晶取付凹部243aの左右両側から外方へ延出している延出部243bと、延出部243bの先端で下ケース240のダンパ取付凹部240cと対応する位置で上下に貫通しており上側が大径に座グリされたネジ孔243cと、ネジ孔243cの下端側に形成されており下端へ向かうに従って直径が大きくなるC面取り状のテーパ部243d(図40を参照)と、を備えている。
ベース部材243のネジ孔243cの下側の内径は、ユニットケース231における横支持ピン231bのテーパ部231iよりも先端側が通過することができると共に、テーパ部231iよりも基端側(下側)が通過することができない大きさに形成されている。
タッチパネル246は、衝撃に強く割れ難い強化ガラスと、強化ガラスの上面に備えられた静電容量方式の透明なセンサシート246と、強化ガラス及びセンサシートの外周を覆う枠状の保護カバーと、を備えている。
タッチユニット220Bは、下ケース240の左右に夫々一対ずつ備えられたダンパ取付凹部240c内に、C字の開放されている側からダンパ222を挿入して、ダンパ222を取付けることができる。この際に、ダンパ取付凹部240cの内周面から突出しているフランジ部240dが、ダンパ222の溝222a内に挿入される。これにより、ダンパ取付凹部240c内のダンパ222が、軸方向へ移動するのが規制される。ダンパ取付凹部240cにダンパ222を取付けた状態では、ダンパ222の上端がベース部材243の延出部243bの下面に当接すると共に、ダンパ222の下端が下ケース240の下端(下面)よりも下方へ突出する。
また、タッチユニット220Bは、一対の加振装置242の加振駆動モータ242aが、下ケース240とベース部材243との間に挟持されている。一対の加振装置242は、夫々独立して振動を発生させることができる。
また、タッチユニット220Bは、タッチパネル246を通して上皿液晶表示装置244に表示される画像を上側から視認することができる。そして、上皿液晶表示装置244にボタン等の画像を表示させ、遊技者がその画像のボタンを操作するようにタッチパネル246に触れることで、画像のボタンを操作することができる。
更に、タッチユニット220Bは、後側の外周面に防止水シール248が貼付けられているため、皿ユニット200上で飲み物等の液体をこぼした時に、その液体がタッチユニット220B内に浸入するのを防止することができ、タッチユニット220Bが液体の浸入によって破損するのを防止することができる。
[3−1d−3.ボタンユニット]
演出操作ユニット220のボタンユニット220Cは、図37及び図38に示すように、取付ベースユニット220Aにおけるユニットケース231のボタンユニット取付部231gに取付けられる円筒状のユニット本体250と、ユニット本体250の下側に配置され上面にLEDが備えられた演出ボタン装飾基板251と、演出ボタン装飾基板251の下側を覆いユニット本体250の下側に取付けられる基板カバー252と、を備えている。
また、ボタンユニット220Cは、ユニット本体250内に上側から上下へスライド可能に挿入される筒状のボタンベース253と、ボタンベース253とユニット本体250との間に配置されボタンベース253を上方へ付勢するバネ部材254と、ボタンベース253内に挿入され演出ボタン装飾基板251のLEDからの光を上方へ導くことが可能な導光部材255と、導光部材255の上側に配置され複数の微小なプリズムを備えたシート状の拡散レンズ部材256と、拡散レンズ部材256の上側を覆いボタンベース253に取付けられる透光性を有した上皿演出ボタン257と、演出ボタン装飾基板251の上面に取付けられておりボタンベース253の下降端への移動を検知する演出ボタン押圧センサ258と、を備えている。
ユニット本体250は、外周面の下端から外方へ延出しボタンユニット取付部231gに取付けられる三つの取付片250aと、内周面の下端から内方へ延出しているフランジ状の棚部250bと、内周面に沿って棚部250bを貫通している一対の貫通口250cと、を備えている。
ボタンベース253は、棚部250bの内周に挿入される筒状の下筒部253aと、下筒部253aの上端から上方へ向かうに従って直径が大きくなる円錐筒状の上筒部253bと、上筒部253bの上端から下方へ延出しており下端がユニット本体250の貫通口250cを貫通可能とされていると共に下端から外方へ突出しユニット本体250の下面と係合(当接)可能な爪を有する一対の係合爪部253cと、上筒部253bの外周面から上端の外径よりも短く外方へ放射状に突出しており下端がユニット本体250の棚部250bの上面と当接可能な複数の平板状の当接片253dと、下筒部253a及び上筒部253bの外周面から外方へ平板状に延出しており演出ボタン押圧センサ258に検知される検知片253eと、を備えている。
バネ部材254は、図示するように、コイルバネとされている。このバネ部材254は、下端がユニット本体250の棚部250bの上面に当接され、上端がボタンベース253における複数の当接片253dによって支持される。
導光部材255は、ボタンベース253における上筒部253bの上部に嵌め込まれる円盤状の本体部255aと、本体部255aの下面から下方へボタンベース253の下筒部253aの下端付近まで延びている円柱状の複数の導光部255bと、を備えている。複数の導光部255bは、演出ボタン装飾基板251のLEDと対応するように備えられており、LEDからの光を導いて本体部255aの上面全体から放出させることができる。
このボタンユニット220Cは、ボタンベース253、導光部材255、拡散レンズ部材256、及び上皿演出ボタン本体が一体的に組立てられており、それらが一緒にユニット本体250内を上下にスライドすることができる。これらボタンベース253等は、バネ部材254の付勢力によって、上皿演出ボタン257の上面がユニット本体250の上端よりも上方へ突出すると共に、ボタンベース253の一対の係合爪部253cがユニット本体250の下面と係合することで、これ以上の上昇が規制され、上皿演出ボタン257等が上昇端に位置した状態となる。
バネ部材254の付勢力に抗して上皿演出ボタン257を下方へ押圧すると、上皿演出ボタン257等が下降し、ボタンベース253の検知片253eが、演出ボタン押圧センサ258によって検知され、上皿演出ボタン257の押圧操作が検知される。上皿演出ボタン257の押圧により、ボタンベース253が下降すると、ボタンベース253の複数の当接片253dの下端が、ユニット本体250の棚部250bの上面に当接し、これ以上の下降が規制され、上皿演出ボタン257等が下降端に位置した状態となる。
また、ボタンユニット220Cは、演出ボタン装飾基板251のLEDを発光させることで、上皿演出ボタン257を発光装飾させることができる。演出ボタン装飾基板251のLEDは、フルカラーLEDとされており、上皿演出ボタン257を様々な色に発光装飾させることができる。
[3−1d−4.演出操作ユニットの特徴]
本実施形態の演出操作ユニット220は、図40に示すように、組立てた状態で、タッチユニット220Bの下ケース240のダンパ取付凹部240cに取付けられたダンパ222の下端が、下ケース240の下面よりも下方へ突出していることから、取付ベースユニット220Aのユニットケース231の収容凹部231aの底面と、タッチユニット220Bの下ケース240の下面との間に、隙間が形成される。また、ユニットケース231の四つの横支持ピン231bの先端面(上端面)は、ベース部材243のネジ孔243cの座グリの底面と一致しており、横支持ピン231bに対するタッチユニット220Bの上方へ移動が、横支持ピン231bの上端にねじ込まれたビス227の頭部の平座金によって規制されている。また、横支持ピン231bの上端側に形成されたテーパ部231iと、ベース部材243のネジ孔243cの下端側に形成されたテーパ部243dとは、互いに離間している。
また、演出操作ユニット220は、図41に示すように、ユニットケース231の前支持ピン231cに挿入されているダンパ222の上面は、収容凹部231aの底面における横支持ピン231b側の底面よりも若干上方へ突出している。また、ユニットケース231の収容凹部231aの底面と、下ケース240の下面との間に隙間が形成されていることから、ユニットケース231の前支持ピン231cに挿入されたダンパ222の上面と、下ケース240の下面との間にも隙間が形成されている。また、ユニットケース231の中央支持突起231dの上面と下ケース240の下面との間にも隙間が形成されている。つまり、タッチユニット220Bは、左右両側の横支持ピン231bに挿入されたダンパ222によって、下面が宙に浮いた状態で取付ベースユニット220Aに取付けられている。
更に、演出操作ユニット220は、取付ベースユニット220Aの取付ベース230における下方へ窄まる角錐筒状の筒状受部230c内に、上側からタッチユニット220Bが取付けられているユニットケース231における下方へ窄まる角錐状の受突部231eの下端が挿入されている。この筒状受部230cの内周壁と、受突部231eの外周壁との間には、僅かな隙間が形成されている。これにより、通常の状態では、取付ベース230には、ユニットケース231の内側(収容凹部231aの中央側)が宙に浮いた状態で、ユニットケース231の外周付近のみが取付けられている。
また、演出操作ユニット220は、図30等に示すように、タッチユニット220Bにおいて遊技領域5aに近い後側の辺に沿って線状発光レンズ部材237の線状発光部237bの上端が線状(帯状)に露出している。線状発光部237bの上端の長さは、タッチユニット220Bの後辺の長さの約2/3である。このタッチユニット220Bの後辺に沿って露出している線状発光部237bの上端の後側に、上皿後装飾部材236が配置されている。また、上皿後装飾部材236の正面視右側に、上皿球抜きボタン239が配置されている。更に、タッチユニット220Bの正面視左側に、ボタンユニット220Cが配置されている。
この演出操作ユニット220は、遊技領域5a内に遊技球を打込むことで変化する遊技状態に応じて、遊技者に対して様々な演出を提示することができる。例えば、タッチユニット220Bの上皿液晶表示装置244に画像を表示させることで、透明なタッチパネル246を通して画像(演出画像)を遊技者に提示して楽しませることができる。
この上皿液晶表示装置244に表示される画像として、操作ボタンを模した画像を表示させると共に、タッチパネル246のセンサシート246bによるタッチの検知を受付可能とすることで、遊技者に対して画像の操作ボタンを操作させることができ、タッチパネル246を用いた演出を楽しませることができる。タッチパネル246を用いた演出の際に上皿液晶表示装置244に表示される画像は、操作ボタンに限定するものではなく、様々な画像を表示させることができる。
また、演出操作ユニット220では、タッチユニット220Bを複数のダンパ222によってユニットケース231から浮いた状態で支持しているため、遊技状態に応じて加振装置242を動作させることで、タッチユニット220Bを振動させることができる。タッチパネル246を用いた演出の際に、加振装置242によってタッチパネル246(タッチユニット220B)を振動させることで、加振装置242による振動をタッチパネル246に接触している遊技者の指や手等に伝達させて、遊技者に対して画像の操作ボタンを操作しているにも関わらず恰も実体のある操作ボタンを操作しているように錯覚させて驚かせることができ、タッチパネル246と振動による演出を遊技者に楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、演出操作ユニット220では、タッチユニット220Bの正面視左側にボタンユニット220Cを備えているため、遊技状態に応じて遊技者に上皿演出ボタン257を押圧操作させて、上皿演出ボタン257の操作を楽しませることができる。詳述すると、タッチパネル246における画像の操作ボタンでは、タッチパネル246に触れるだけであるため実際の操作ボタンと比較して操作感に欠ける嫌いがあるが、上皿演出ボタン257では現実に押圧操作することができるため、上皿演出ボタン257の操作に違和感を与えてしまうことがなく、上皿演出ボタン257の操作を快適に楽しませることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
この演出操作ユニット220は、前方へ膨出している皿ユニット200において上皿201が備えられている部位に配置されているため、タッチユニット220Bやボタンユニット220Cを用いた演出中以外においても、遊技者がタッチユニット220B等を上から叩く虞がある。これに対して、演出操作ユニット220では、タッチユニット220Bをダンパ222によって下側のユニットケース231から浮いた状態で支持しているため、タッチユニット220Bが上から叩かれても、ダンパ222の弾性力によってその衝撃をある程度吸収することができる。詳述すると、タッチユニット220Bが叩かれたり等して上から衝撃(荷重)が作用すると、左右の横支持ピン231bが挿入されているダンパ222に伝達され、タッチユニット220Bが下降しながらダンパ222が圧縮される。横支持ピン231bに支持されたダンパ222が圧縮されることで、タッチユニット220Bからの衝撃が吸収される。
そして、更に、衝撃によってタッチユニット220Bが下降すると、下ケース240の下面が前支持ピン231cが挿入されているダンパ222の上端に当接し、タッチユニット220Bの下降に伴って前支持ピン231cに支持されているダンパ222が下方へ圧縮される。これにより、横支持ピン231bに支持されているダンパ222に加えて、前支持ピン231cに支持されているダンパ222によっても、タッチユニット220Bからの衝撃が吸収される。
タッチユニット220Bに作用する衝撃によってタッチユニット220Bが更に下降すると、タッチユニット220Bの下ケース240の下面がユニットケース231における収容凹部231aの左右両側の底面と中央支持突起231dの上面とに当接する。これにより、タッチユニット220Bからの衝撃が、複数のダンパ222介さず、タッチユニット220Bからユニットケース231へ直接作用することとなる。
更に、タッチユニット220Bが下降すると、中央支持突起231dからの荷重によってユニットケース231の収容凹部231aの底面が、その中央が下方へ移動するように撓むこととなる。この収容凹部231aの底面の撓みによる弾性力によって、タッチユニット220Bからの衝撃が吸収される。この収容凹部231aの底面が撓むことで、収容凹部231aの底面の下側から下方へ突出している一対の受突部231eが下降する。そして、タッチユニット220Bからの衝撃によって受突部231eが更に下降すると、受突部231eの外周壁の下端側が、取付ベース230の筒状受部230cの内周壁に当接し、タッチユニット220Bからの衝撃が、ユニットケース231から取付ベース230へ伝達されることとなる。
受突部231eの外周壁と筒状受部230cの内周壁は、夫々が下方へ窄まる角錐状に形成さていることから、受突部231eから筒状受部230c(取付ベース230側)へ伝達される荷重が、取付ベース230の取付側受部230aの底面に沿った方向と底面に垂直な方向とに分散されて伝達される。このように、タッチユニット220Bに作用した衝撃が、取付ベース230に伝達されるまでに、その衝撃を吸収する構成が幾重にも配置されているため、タッチユニット220Bに作用した衝撃を十分に吸収して緩和させることができ、その衝撃によって、タッチユニット220B、ユニットケース231、取付ベース230等を破損し難くすることができる。
また、演出操作ユニット220は、遊技状態に応じて上皿後装飾基板235の周縁用LED235bによりタッチユニット220Bの後側の外周縁に沿って延びている線状発光レンズ部材237の線状発光部237bの上端を線状に発光させることができる。これにより、遊技者の関心をタッチユニット220Bへ引付けることができ、タッチユニット220Bにおける上皿液晶表示装置244に表示される画像や、タッチパネル246を用いたタッチ演出等を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、遊技状態に応じて、上皿後装飾基板235の装飾用LED235aによりタッチパネル220Bの後側(線状発光部237bよりも後側)に配置されている上皿後装飾部材236を発光装飾させることができる。この上皿後装飾部材236を発光装飾させることで、線状発光レンズ部材237の線状発光部237bの発光と同様に、遊技者の関心をタッチユニット220B等の演出操作ユニット220へ引付けることができ、演出操作ユニット220によって提示される演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、上皿液晶基板241や上皿液晶表示装置244を備えたタッチユニット220Bを、取付ベースユニット220Aの取付ベース230とユニットケース231とによって、皿ユニットカバー260の後述する上皿下被覆部262の上面よりも高い位置に配置していると共に、タッチユニット220Bの後側の外周面に防水シール248を貼付けている。これにより、上皿201において、外気に触れることで上皿本体212や遊技球の表面で結露した水(水滴)が、上皿201の下方(上皿下被覆部262上)へ流動しても、タッチユニット220B内へ結露した水が浸入するのを防止することができ、タッチユニット220Bにおいて不具合が発生するのを防止することができる。
また、図41に示すように、上皿後装飾部材236や線状発光レンズ部材237を発光装飾させる上皿後装飾基板235を、上皿201の底面よりも高い位置に配置しているため、上皿201で結露した水滴にさらされることがなく、上皿後装飾基板235においてショートや腐蝕等の不具合が発生するのを防止することができる。
[3−1e.皿ユニットカバー]
皿ユニット200の皿ユニットカバー260は、図26乃至図29に示すように、左右に延びていると共に、左右の中央が前方へ膨出しており、後方へ開放された殻状に形成されている。皿ユニットカバー260は、左右の略中央で前方へ開口しており後端が皿ユニットベース210によって閉鎖される下皿開口部261と、下皿開口部261の内周壁における天板側(上側)を形成しており上皿本体212及び演出操作ユニット220の下側を覆う上皿下被覆部262と、下皿開口部261の正面視左側に配置されており本体枠4のスピーカユニット920の低音スピーカからの音を透過させるスピーカグリル263と、スピーカグリル263の上側に配置され皿ユニット左装飾基板345によって発光装飾される皿ユニット左装飾部材264と、下皿開口部261の正面視右側に配置されておりハンドル装置500のハンドル本体502の後部が通過するハンドル口265と、皿ユニットカバー260の底面を形成しており下皿本体214の下側を覆う底板部266と、左右の中央で底板部266を上下に貫通しており下皿球抜きユニット320によって閉鎖される底板開口部267と、を備えている。
下皿開口部261は、内周壁の底板側(下側)が下皿本体214によって閉鎖される。スピーカグリル263及び皿ユニット左装飾部材264は、金属板に複数の孔を設けたパンチングメタルによって構成されている。
この皿ユニットカバー260は、正面視左側の表面が滑らかな感じに形成されているのに対して、右側の表面がゴツゴツした感じに形成されている。また、正面視の右側は、略全体的に透光性を有している。
皿ユニットカバー260は、皿ユニット200に組立てた状態で、タッチユニット220Bの上面と上皿下被覆部262の下面との間が、片手で掴むことが可能な間隔に形成されている。これにより、遊技者が、タッチユニット220Bをタッチ操作する際に、下皿開口部261の上側を掴むことで、タッチする指(手や腕)を安定させることができ、タッチユニット220Bのタッチ操作を行い易くできる。
詳述すると、組立てた状態では、タッチユニット220Bの前端上面と上皿下被覆部262の下面との間の厚さが約25mmに、タッチユニット220Bの後端上面と上皿下被覆部262の下面との間の厚さが約50mmに、上皿下被覆部262の前端からタッチユニット220Bの後端までの前後の距離が約60mmに、夫々形成されている。また、タッチユニット220Bの上面が、水平に対して約20度傾斜している。これにより、タッチユニット220Bの上面と上皿下被覆部262の下面との間を、遊技者の手で掴むことができる。
[3−1f.扉右下演出ユニット]
皿ユニット200の扉右下演出ユニット270は、図42乃至図49に示すように、ハンドル装置500の上側、且つ、演出操作ユニット200の右側に配置されており、遊技状態に応じて回転すると共に発光装飾する球状の扉右下回転体270Aを備えている。扉右下演出ユニット270は、皿ユニットベース210の前面で逃し口210gを閉鎖するように取付けられ扉右下回転体270Aを回転可能に支持するユニットベース271と、ユニットベース271に取付けられている扉右下駆動モータ272と、扉右下駆動モータ272の回転軸に固定されている駆動ギア273と、駆動ギア273と噛合し扉右下回転体270Aに取付けられている従動ギア274と、従動ギア274を回転可能に支持しておりユニットベース271に取付けられている軸部材275と、を備えている。
また、扉右下演出ユニット270は、従動ギア274とは扉右下回転体270Aの反対側に取付けられておりユニットベース271に回転可能に支持されている回転体側軸受部材276と、扉右下回転体270Aの従動ギア274とは反対側をユニットベース271と協働して回転可能に支持しているベース側軸受部材277と、ユニットベース271に取付けられており扉右下回転体270Aの回転位置を検知可能な二つの回転検知センサ278と、扉右下回転体270Aの正面視左側でユニットベース271に取付けられている装飾部材279と、ユニットベース271の後側に取付けられており前面に複数のLEDを備えた扉右下ベース装飾基板280と、ユニットベース271の後側に取付けられており扉右下駆動モータ272、回転検知センサ278、扉右下ベース装飾基板280、及び後述する扉右下回転体装飾基板291と周辺制御基板4010との接続を中継する扉右下中継基板281と、を備えている。
扉右下回転体270Aは、外殻を構成し夫々が半球殻状の前外殻部材285及び後外殻部材286と、前外殻部材285と後外殻部材286との間に配置される回転体内部ユニット290と、を備えている。前外殻部材285及び後外殻部材286は、回転軸を中心に半円形状の切欠部285a,286aが夫々形成されている。前外殻部材285は、透光性を有した半球殻状の表面に、金属光沢を有し周方向へ帯状に延びている帯装飾285bと、帯装飾285bの中央に配置されているハート形のハート装飾285cと、を備えている。一方、後外殻部材286は、透光性を有した半球殻状の表面に、金属光沢を有し周方向へ帯状に延びている帯装飾286bを備えている。前外殻部材285と後外殻部材286とを合わせた時に、前外殻部材285の帯装飾285bと後外殻部材286の帯装飾286bとが繋がるように形成されている。
回転体内部ユニット290は、図47及び図48に示すように、円盤状で両面に複数のLEDが備えられている扉右下回転体装飾基板291と、扉右下回転体装飾基板291の中心に取付けられており扉右下回転体装飾基板291の面に対して垂直に延びており先端が軸部材275に取付けられる円柱状の第一固定軸部材292と、第一固定軸部材292とは扉右下回転体装飾基板291の反対側に取付けられており扉右下回転体装飾基板291の面に対して垂直に延びており先端がユニットベース271及びベース側軸受部材277に取付けられる円筒状の第二固定軸部材293と、を備えている。図示は省略するが、第二固定軸部材293の内部には、扉右下中継基板281と扉右下回転体装飾基板291とを接続する配線コードが挿入されている。
また、回転体内部ユニット290は、扉右下回転体装飾基板291の両側に配置されており前外殻部材285及び後外殻部材286の内側に取付けられる平板で円環状の透明なリフレクタベース294と、リフレクタベース294に取付けられており円環状で軸方向外側へ開いた朝顔状の第一リフレクタ295と、第一リフレクタ295の円環内を通してリフレクタベース294に取付けられており中心に六角形の貫通孔296aを有した第二リフレクタ296と、を備えている。第一リフレクタ295及び第二リフレクタ296は、表面に金属光沢を有したメッキ層が備えられており、扉右下回転体装飾基板291からの光を反射させることができる。また、第一リフレクタ295及び第二リフレクタ296には、放射状に延びた平板状のリブが複数備えられている。
この回転体内部ユニット290は、扉右下回転体装飾基板291、第一固定軸部材292、及び第二固定軸部材293と、リフレクタベース294、第一リフレクタ295、及び第二リフレクタ296とが、相対回転可能に互いに分離している。
ユニットベース271は、扉右下回転体270Aの後側に配置される環状のリング部271aと、リング部271aの外周におけるリング部271aの中心に対して正面視斜め右上の部位から前方へ平板状に突出している第一突出片271bと、リング部271aの外周における第一突出片271bとは反対側の部位から前方へ平板状に突出している第二突出片271cと、第二突出片271cの前端から後方へ向かってU字状に窪み第二固定軸部材293の先端が挿入される軸受溝271dと、を備えている。
扉右下駆動モータ272は、第一突出片271bの外側の側面(右側の側面)に、回転軸が貫通した状態で取付けられる。従動ギア274は、駆動ギア273よりも大径に形成されている。軸部材275は、第一突出片271bの前端に取付けられる取付部275aと、取付部275aから筒状に突出している筒状軸部275bと、を備えている。この軸部材275は、筒状軸部275bの外周によって従動ギア274を回転可能に支持できると共に、筒状軸部275bの内周によって第一固定軸部材292の先端を回転不能に支持できる。
回転体側軸受部材276は、第二固定軸部材293が回転可能に挿入される軸受孔276aと、外方へ延出している平板状の検知片276bと、を備えている。ベース側軸受部材277は、ユニットベース271における第二突出片271cの前端のU字状の軸受溝271dの開放されている前端側を閉鎖するように、第二突出片271cの前端に取付けられる。二つの回転検知センサ278は、扉右下回転体270Aの回転軸を挟んで対称に第二突出片271cに取付けられる。二つの回転検知センサ278は、扉右下回転体270Aのハート装飾285cが前方を向く回転位置(図49(a)を参照)と、ハート装飾285cが後方を向く回転位置(図49(b)を参照)とを、夫々検知することができる。
本実施形態の扉右下演出ユニット270は、遊技状態に応じて、扉右下駆動モータ272によって扉右下回転体270Aを回転させることができると共に、ハート装飾285cが前方を向くように停止するか否かで、遊技者に対してチャンスの到来等を示唆することができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、扉右下演出ユニット270は、扉右下回転体270A内部の扉右下回転体装飾基板291が回転不能に取付けられていることから、扉右下回転体270Aの回転中に、扉右下回転体装飾基板291(のLED)を発光させると、扉右下回転体270Aの回転につれて扉右下回転体装飾基板291から照射される光の位置が移動すると共に、第一リフレクタ295や第二リフレクタ296によって反射誘導される光の方向が変化するため、扉右下回転体装飾基板291のLEDを点滅させなくても、光が点滅しているように扉右下回転体270Aを発光装飾させたり、LEDから多様な色の光を照射することで扉右下回転体270Aを虹色に発光装飾させたりすることができ、遊技者を楽しませることができる。
[3−1g.演出ユニットカバー]
皿ユニット200の演出ユニットカバー300は、図28及び図29に示すように、扉右下演出ユニット270における球状の扉右下回転体270Aの前側を覆う半球状で透明な回転体カバー部301と、回転体カバー部301の外周に形成されており皿ユニットカバー260の正面視右側の装飾と連続した装飾部302と、回転体カバー部301の下部右側において前後に貫通しており施錠ユニット700の鍵シリンダ710が挿通されるシリンダ挿通口303と、を備えている。
演出ユニットカバー300は、全体が後方が開放された容器状で、透光性を有している。この演出ユニットカバー300は、回転体カバー部301の上側が扉右下演出ユニット270の扉右下ベース装飾基板280によって発光装飾されると共に、回転体カバー部301の下側が皿ユニット右装飾基板346によって発光装飾される。
[3−1h.上皿球抜きユニット]
皿ユニット200の上皿球抜きユニット310は、図50乃至図52に示すように、皿ユニットベース210の透口210e及び受片210fを前側から覆うように皿ユニットベース210の前面に取付けられ後方が開放された縦長箱状で上部に上皿球抜きボタン239の延出片239aが挿通可能な挿通口311aを有しているカバー311と、カバー311内における皿ユニットベース210の透口210eの正面視左上となる位置に取付けられている前ベース部材312と、前ベース部材312によって回転可能に支持されており上皿球抜きボタン239の押圧により回動する押圧伝達部材313と、押圧伝達部材313を上皿球抜きボタン239が上昇する方向へ付勢している第一バネ部材314と、を備えている。
また、上皿球抜きユニット310は、皿ユニットベース210の上皿球送り口210dを後側から閉鎖するように皿ユニットベース210の後側に取付けられている後ベース部材315と、後ベース部材315と皿ユニットベース210との間に配置されていると共に後ベース部材315によって昇降可能に取付けられており上側から押圧伝達部材313が接触している上皿球抜きスライダ316と、上皿球抜きスライダ316を上方へ付勢している第二バネ部材317と、を備えている。
前ベース部材312は、皿ユニットベース210の前面と平行に延びておりカバー311に取付けられる平板状のベース部312aと、ベース部312aの左右両辺から前方へ平板状に延出している一対の延出片312bと、延出片312bの前端から後方へU字状に凹んだ軸支部312cと、ベース部312aの前面下端付近に備えられており第一バネ部材314の後端が係止される鉤状のバネ係止部(図示は省略)と、を備えている。
押圧伝達部材313は、両端が前ベース部材312の一対の軸支部312c内へ回転可能に挿入される横長円柱状の軸部313aと、軸部313aから後方へ平板状に延出している後方延出片313bと、後方延出片313bの上面における正面視左端付近から上方へ平板状に延出しており上皿球抜きボタン239の延出片239cの下端が当接可能な上方延出片313cと、後方延出片313bの下面における正面視右端から下方へ平板状に延出している下方延出片313dと、軸部313aにおける正面視左端付近の下側から下方へ突出しており第一バネ部材314の前端が係止される鉤状のバネ係止部313eと、を備えている。下方延出片313dは、後方へ向かうに従って下方へ延びる三角形に形成されており、下端が上皿球抜きスライダ316と当接可能とされている。
後ベース部材315は、皿ユニットベース210の後面と平行に平板状に延びており皿ユニットベース210に取付けられるベース部315aと、ベース部315aの前面で左右に離間して備えられており上皿球抜きスライダ316の左右両端をスライド可能に支持するスライダ支持部315bと、ベース部315aの上端における皿ユニットベース210の上皿球送り口210dの上部と対応する位置に前方へ開口していると共にベース部315aの後側で下方へ開口し遊技球が流通可能な上部入口315cと、を備えている。
また、後ベース部材315は、ベース部315aの後側で上部入口315cと連続して下方へ延びていると共に後方へ開放されており下端が後方へ湾曲している第一誘導路315dと、第一誘導路315dの下側から下方へ延びた後に正面視左方へ延びて左端が左方へ開放されており全体が後方へ開放されているL字状の第二誘導路315eと、第二誘導路315eにおける左方へ延びた部位の後端側を閉鎖している平板状の通路蓋315fと、L字状の第二誘導路315eに二辺が囲まれるようにベース部315aを前後に貫通している開口部315gと、ベース部315aの前面から前方へボス状に突出しており第二バネ部材317の上端が係止されるバネ係止部315hと、を備えている。
後ベース部材315におけるL字状の第二誘導路315eは、左方へ延びた部位が、左方へ向かうに従って低くなるように傾斜している。この第二誘導路315eの左端は、図50(b)に示すように、皿ユニットベース210における筒状の下皿球供給口210cの切欠部210jに挿入されており、第二誘導路315eと下皿球供給口210cとが互いに連通している。
上皿球抜きスライダ316は、平板状で左右両端が後ベース部材315のスライダ支持部315bにスライド可能に支持されるスライダベース316aと、スライダベース316aの上端における正面視中央より左側から前方へ皿ユニットベース210の透口210eを通って受片210fの上側へ延出し上面に押圧伝達部材313の下方延出片313dの下端が当接可能な伝達片316bと、伝達片316bの下側でスライダベース316aの後側から下方へ向かうに従って後方へ突出している三角状の作動伝達部316cと、スライダベース316aの前面から突出しており第二バネ部材317の下端が係止される鉤状のバネ係止部316dと、を備えている。
上皿球抜きユニット310は、皿ユニット200を組立てた状態で、後ベース部材315の上部入口315cが、上皿本体212の誘導通路部212aの正面視右端側となる下端に開口している。これにより、上皿201内の遊技球を、上部入口315cからベース部315aの後側の第一誘導部315dを介して球送りユニット540へ供給することができる。
また、上皿球抜きユニット310は、上皿球抜きボタン239を下方へ押圧すると、上皿球抜きボタン239の延出片239aによって押圧伝達部材313が、第一バネ部材314の付勢力に抗して軸部313aを中心に、下方延出片313dの下端が下方へ移動する方向へ回動する。押圧伝達部材313の回動に伴って下方延出片313dの下端が下方へ移動すると、下方延出片313dの下端が当接している上皿球抜きスライダ316の伝達片316bによって上皿球抜きスライダ316が第二バネ部材317の付勢力に抗して下方へスライドする。
この上皿球抜きスライダ316が下方へスライドすることで、作動伝達部316cが、球送りユニット540の切換機構を動作させて球送りユニット540内での流路が切換えられて、第一誘導路315d側が第二誘導路315e側と連通した状態となる。これにより、上皿201内の遊技球が、上部入口315c、第一誘導路315d、球送りユニット540、及び第二誘導路315eを通って、下皿球供給口210cから下皿202へ排出され、上皿201内の遊技球を抜くことができる。
なお、上皿球抜きボタン239の下方への押圧を解除すると、第一バネ部材314及び第二バネ部材317の付勢力によって、上皿球抜きスライダ316や上皿球抜きボタン239が上昇し、元の状態に復帰することができる。
[3−1i.下皿球抜きユニット]
皿ユニット200の下皿球抜きユニット320は、図53等に示すように、皿ユニットカバー260の底板開口部267を閉鎖するように下皿本体214の下側に取付けられ下皿本体214の球抜き孔214aと一致する開口部321aを有している平板状の下皿球抜きベース321と、下皿球抜きベース321上を左右にスライドし開口部321aを閉鎖可能な平板状のスライド蓋322と、スライド蓋322の前端に取付けられており皿ユニットカバー260の前面から外部へ露出する摘み部323と、スライド蓋322によって開口部321aを閉鎖する方向へスライド蓋322を付勢しているバネ部材324と、バネ部材324の付勢力に抗してスライド蓋322を開口部321aを開放している位置に保持する保持装置325と、を備えている。
下皿球抜きベース321の開口部321aは、正面視左右中から右寄りの位置に形成されている。この下皿球抜きベース321は、下皿本体212に取付けることで、下皿球抜きベース321と下皿本体212との間でスライド蓋322を左右へスライド可能に支持することができる。スライド蓋322は、正面視左端側に保持装置325によって保持される保持突起322aを備えている。
保持装置325は、下皿球抜きベース321に取付けられる本体325aと、本体325aから開閉可能に突出しており保持突起322aを掴むことができる一対の保持爪325bと、を備えている。保持装置325は、開いている一対の保持爪325aの間に、保持突起322aを挿入して本体325a側へ押圧すると、一対の保持爪325bが閉じて保持突起322aを保持すると共に、一対の保持爪325bが閉じた状態で維持される。この状態で、保持突起322aを本体325a側へ移動させると、一対の保持爪325aが開いた状態となり、保持突起322aの保持が解除される。
この下皿球抜きユニット320は、摘み部323(スライド蓋322)が正面視右側へ移動している状態では、開口部321aと下皿本体214の球抜き孔214aとの間にスライド蓋322が位置し、下皿202内の遊技球が、球抜き孔214aから下方へ抜けることがなく、下皿202内に遊技球を貯留させることができる。
この状態から、摘み部323を左側へ操作することでスライド蓋322が左方へスライドし、開口部321aと球抜き孔214aとが連通する。これにより、下皿202内の遊技球が球抜き孔214a及び開口部321aを通って皿ユニット200の下方へ抜けるようになり、下皿202内の遊技球を抜くことができる。この際に、スライド蓋322の保持突起322aが、保持装置325の一対の保持爪325bによって保持されるため、摘み部323の操作をやめてもスライド蓋322が開いたままの状態となり、下皿202内の遊技球を抜き続けることができる。
スライド蓋322を閉めるには、摘み部323を左側へ僅かに操作すると、一対の保持爪325bが開いて保持突起322aの保持が解除され、バネ部材324の付勢力によってスライド蓋322が右側へスライドして、球抜き孔214aを閉鎖する。このように、下皿球抜きユニット320の摘み部323を操作することで、下皿202に遊技球を貯留させたり、下皿202に貯留された遊技球を抜いたりすることができる。
[3−1j.球貸操作ユニット]
皿ユニット200の球貸操作ユニット330は、図28及び図29等に示すように、演出操作ユニット220における正面視右端付近の上面に取付けられ透光性を有しているユニットケース331と、ユニットケース331の上面に露出しており遊技者が操作可能な球貸ボタン332と、球貸ボタン332の後側でユニットケース331の上面に露出しており遊技者が操作可能な返却ボタン333と、返却ボタン333の後側でユニットケース331の上面を通して遊技者側から視認可能とされている表示部334と、を備えている。
この球貸操作ユニット330は、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸機に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、球貸ボタン332を押すと、球貸スイッチにより検出されて所定数の遊技球を皿ユニット200の上皿201内へ貸出す(払出す)ことができると共に、返却ボタン333を押すと、返却スイッチにより検出されて貸出された分の残りを引いた上で投入した現金の残金やプリペイドカードが返却される。また、表示部334には、球貸機に投入した現金やプリペイドカードの残数、或は、球貸機が故障した時のエラーコード等、が表示される。
[3−1k.上皿トップ装飾部材]
皿ユニット200の上皿トップ装飾部材340は、図28及び図29等に示すように、皿ユニットベース210の上端における左右中央に取付けられ左右に帯状に延びた透光性を有する上皿トップレンズ340aと、上皿トップレンズ340aの下側に取付けられており上面に複数のLEDが取付けられた上皿トップ装飾基板340bと、を備えている。
この上皿トップ装飾部材340は、上皿トップ装飾基板340bのLEDを発光させることで、上皿トップレンズ340aを帯状に発光させることができる。この上皿トップ装飾部材340は、演出操作ユニット200の後側に配置されていることから、上皿後装飾部材236や線状発光レンズ部材237等の発光装飾と同様に、上皿トップ装飾部材340を発光装飾させることで、遊技者の関心をタッチユニット220B等の演出操作ユニット220へ引付けることができ、演出操作ユニット220によって提示される演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
[3−1l.皿ユニットの特徴的な作用効果]
本実施形態の皿ユニット200は、遊技領域5aの下側の遊技球を貯留する上皿201を有した皿ユニット200の上面における演出操作ユニット220のタッチユニット220Bに、遊技領域5a内に遊技球を打込むことで変化する遊技状態に応じて上皿液晶表示装置244に画像を表示させる際に、上皿液晶表示装置244の遊技領域5aに近い側の後側の外周縁に沿って帯状の線状発光レンズ部材237、上皿後装飾部材236、及び上皿トップ装飾部材340等を発光させることができるため、遊技者の視線が遊技領域5a内に集中していても、視線(視界)の外側から入る線状発光レンズ部材237等の光に気付くことができ、遊技者の視線(関心)を線状発光レンズ部材237等つまり上皿液晶表示装置244側へ引き付けることができる。従って、上皿液晶表示装置244において、遊技状態に応じて画像等の演出を提示する際に、線状発光レンズ部材237等を発光させることで、遊技者に対して上皿液晶表示装置244による演出の提示に気付かせることができ、上皿液晶表示装置244による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、皿ユニット200に遊技状態に応じて画像を表示可能な上皿液晶表示装置244を備えていることから、チャンスの到来を示唆する画像を表示させるようにした場合、遊技領域5a外に配置されている上皿液晶表示装置244によってチャンスの到来が示唆されることとなるため、遊技者に対して遊技領域5a内での遊技と、遊技領域5a外の上皿液晶表示装置244での演出との両方を気に掛けさせることができる。従って、遊技領域5a内と遊技領域5a外(上皿液晶表示装置244)とを気に掛けさせることで、スピード感のあるタイトな遊技を楽しませることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができると共に、上皿液晶表示装置244においてチャンスの到来を示唆する画像を表示する時に、線状発光レンズ部材237等を発光させることで、遊技者を上皿液晶表示装置244に注目させることができ、チャンスの到来を確実に認識させて遊技者を楽しませることができる。この場合、遊技者によっては、遊技領域5a内と遊技領域5a外との両方が気になることで、どちらにも集中できなくなって興趣を低下させてしまう虞があるが、遊技状態(チャンスの到来)に応じて線状発光レンズ部材237等が発光するため、線状発光レンズ部材237等が発光するまでは遊技領域5a内へ集中することができ、遊技領域5a内での遊技を楽しませることができると共に、線状発光レンズ部材237等の発光時には上皿液晶表示装置244での演出を楽しませることができ、遊技にメリハリを付けて飽き難くすることができる。
また、遊技領域5aの下側で遊技者側へ膨出した皿ユニット200に上皿液晶表示装置244を備えているため、上皿液晶表示装置244が遊技者から近い位置に配置されることとなる。これにより、本パチンコ機1の正面に位置している遊技者によって上皿液晶表示装置244が隠れ易くなり、上皿液晶表示装置244を隣や後ろの他の遊技者からは見え難くなるため、上皿液晶表示装置244により提示される演出を当該遊技者のみに楽しませることができる。従って、上皿液晶表示装置244による演出を楽しんでいる時に、他の遊技者によって覗かれることで、不快に感じて興趣を低下させてしまうのを低減させることができると共に、上皿液晶表示装置244による演出の提示の際に線状発光レンズ部材237等が発光することで、上皿液晶表示装置244による演出を見逃し難くすることができ、上皿液晶表示装置244による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、線状発光レンズ部材237等を帯状に発光させるようにしているため、点状に発光させる場合と比較して、線状発光レンズ部材237等の発光を目立ち易くすることができ、遊技者の意識が遊技領域5a内に集中していても、線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせ易くすることができ、上皿液晶表示装置244やタッチパネル246等による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。また、線状発光レンズ部材237等を帯状に発光させるため、他の発光装飾体等の発光とは異なる発光態様となり、発光装飾体等の発光と誤認してしまうのを低減させることができ、確実に線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせることができる。
また、上皿液晶表示装置244の外周縁のうち遊技領域5aに近い後側の位置に線状発光レンズ部材237等を配置しているため、線状発光レンズ部材237等を発光させた時に、線状発光レンズ部材237等の光を遊技者の視界に入り易くすることができ、線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせて上皿液晶表示装置244の演出を楽しませることができる。
また、上皿201等を有している皿ユニット200の上面に上皿液晶表示装置244等を有した演出操作ユニット200を備えており、皿ユニット200の上皿201は遊技領域5a内に打込むための遊技球の量を確認するための遊技者がある程度の頻度で視線を向けることから、上皿201へ視線を向けた際に上皿液晶表示装置244や線状発光レンズ部材237等が視界に入り易く、線状発光レンズ部材237の発光に気付き易くなる。また、遊技者が上皿201へある程度の頻度で視線を向けることから、視線を遊技領域5a内から上皿201(上皿液晶表示装置244)へ向け易い。従って、線状発光レンズ部材237等の発光に気付いた時に、即座に視線を上皿液晶表示装置244へ移すことができ、上皿液晶表示装置244により提示される演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、遊技領域5aの下側に演出操作ユニット200を配置しており、下側から遊技者へ線状発光レンズ部材237等からの光が照射されるため、遊技領域5aの上側に配置した場合と比較して、遊技者の目に入り易く線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせ易くすることができ、遊技者を上皿液晶表示装置244に確実に注目させることが可能となり、演出操作ユニット200による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、遊技領域5aの左右方向の中央と対応する位置に演出操作ユニット200(上皿液晶表示装置244)を配置しているため、遊技者の視線の中心が遊技領域5a内のどの位置にあっても、線状発光レンズ部材237等からの光に気付き易くすることができ、遊技者を確実に上皿液晶表示装置244へ注目させることが可能となり、演出操作ユニット200による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、演出操作ユニット200にタッチパネル246を備えているため、画像による演出の他に、遊技者にタッチパネル246を操作させる演出も行うことができ、多彩な演出によって遊技者を楽しませることができると共に、遊技者にタッチパネル246を操作させることで、演出に参加させることができ、遊技者に対して能動的に演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、タッチユニット220Bの後側の外周縁に沿って配置された線状発光レンズ部材237(線状発光部237b)が、上皿201における遊技球を球送りユニット540(球発射装置680)へ送る誘導通路部212aに沿って配置されていると共に、誘導通路部212aとの間に上皿球抜きユニット310を動作させる上皿球抜きボタン239を配置されている。つまり、遊技者が遊技に必要な遊技球を確認する場所の近傍に線状発光レンズ部材237が備えられており、遊技中でも遊技者が気にする位置に線状発光レンズ部材237を配置した構成としているため、線状発光レンズ部材237の発光に気付かせることができ、遊技者の関心をタッチユニット220Bに引付けてタッチユニット220Bによる演出(上皿液晶表示装置244による演出画像、タッチパネル246のタッチ操作、等)のタイミングに気付き易くすることができる。
また、上皿液晶基板241や上皿液晶表示装置244を備えたタッチユニット220Bを、取付ベースユニット220Aの取付ベース230とユニットケース231とによって、皿ユニットカバー260の上皿下被覆部262の上面よりも高い位置に配置していると共に、タッチユニット220Bの後側の外周面に防水シール248を貼付けているため、上皿201において、外気に触れることで上皿本体212や遊技球の表面で結露した水(水滴)が、上皿201の下方(上皿下被覆部262上)へ流動しても、タッチユニット220B内へ結露した水が浸入するのを防止することができ、タッチユニット220Bにおいて不具合が発生するのを防止することができる。
また、図41に示すように、上皿後装飾部材236や線状発光レンズ部材237を発光装飾させる上皿後装飾基板235を、上皿201の底面よりも高い位置に配置しているため、上皿201で結露した水滴にさらされることがなく、上皿後装飾基板235においてショートや腐蝕等の不具合が発生するのを防止することができる。
更に、皿ユニット200の演出操作ユニット220において、加振装置242によってタッチパネル246と上皿液晶表示装置244とを備えたタッチユニット220Bを振動させた際に、タッチユニット220Bが複数(二つ)のダンパ222を挟んで浮いた状態で取付ベースユニット220Aのユニットケース231に取付けられているため、タッチユニット220B(加振装置242)の振動がダンパ222によって吸収・減衰されて取付ベースユニット220Aに伝わることとなり、取付ベースユニット220Aの振動を低減させることができる。従って、タッチユニット220Bのタッチパネル246をタッチ操作した際に、加振装置242によってタッチユニット220Bを振動させると、タッチユニット220Bのみが振動することとなるため、遊技者に対してタッチユニット220Bのタッチパネル246の操作感を十分に付与することができ、遊技者にタッチパネル246のタッチ操作を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、加振装置242によってタッチユニット220Bを振動させることができるため、遊技者に対してタッチパネル246の操作感の他に、タッチユニット220Bの振動によって驚かせたり、タッチパネル246を操作するタイミングを示唆したりすることができ、タッチユニット220Bのタッチパネル246による操作演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、タッチユニット220Bを複数のダンパ222によって下側から支持しているため、タッチユニット220Bを上側から叩いたり強く押したりしてタッチユニット220Bに衝撃や荷重等が加えられても、ダンパ222によってその衝撃等を吸収することが可能となるため、衝撃等によってタッチユニット220Bや取付ベースユニット220A等が破損してしまうのを低減させることができ、タッチユニット220B等の破損により遊技が中断することで遊技者の興趣が低下してしまうのを抑制することができる。
また、タッチユニット220Bの操作する部位をタッチパネル246としていることから、遊技者が操作する際には、ボタンを押圧操作する場合と比較して、タッチパネル246に触れている時間が長くなるため、タッチパネル246に触れた時に加振装置242でタッチユニット220Bを振動させると、その振動を遊技者の指(手)に確実に伝達させることができる。従って、遊技者の指が振動することでタッチパネル246を操作していることを遊技者に実感させることができるため、十分な操作感を付与することができ、遊技者にタッチパネル246の操作を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、タッチユニット220Bの上皿液晶表示装置244に表示される画像を変更することで、タッチ操作(ボタン)の種類を簡単に変更することができ、多様な演出に対応することが可能となり、多様な演出によって遊技者を飽き難くして興趣が低下するのを抑制することができる。更に、タッチユニット220Bにタッチパネル246を備えているため、従来の押圧ボタンと比較して、タッチ、タップ(シングルタップ、ダブルタップ)、ドラッグ、フリック、ピンチ(ピンチアウト、ピンチイン)、スワイプ、タッチアンドホールド、等の様々な操作を行うことができる。これにより、より多彩な操作演出を行うことができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、タッチユニット220Bを、取付ベースユニット220A(ユニットケース231)に対して上方へ移動不能且つ下方へ移動可能に取付けるようにしており、複数のダンパ222の弾性力(付勢力)によってタッチユニット220Bが上側の移動端に押し付けられた状態となるため、タッチパネル246の操作中にタッチユニット220Bを動き難くすることができ、タッチパネル246の操作を的確に行い易くすることができる。また、タッチユニット220Bが動き難くなることから、遊技者に対してタッチユニット220Bが動かないものであると思わせることができ、動かないと思っていたタッチユニット220Bが遊技状態に応じて加振装置242により振動することで遊技者を驚かせることができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、互いに離間した複数の加振装置242によってタッチユニット220Bを振動させるようにしているため、例えば、タッチパネル246において遊技者が操作する部位に近い位置の加振装置242を駆動させることで、強い振動を伝達させることができる。従って、タッチパネル246において、遊技者が操作すべき位置と異なる位置を操作した場合、遊技者に伝達される振動が異なることとなるため、遊技者に対して、操作を間違えていることを知らせることが可能となり、遊技者に対して正しい操作を行わせることができ、タッチパネル246を用いた操作演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、互いに離間した複数の加振装置242を備えているため、各加振装置242の振動の周波数や強さ等を適宜制御することで、タッチパネル246の任意の位置で共振現象を発生させることができる。従って、遊技者が操作した任意の位置で共振現象が発生するように各加振装置242を制御することで、より一層の操作感を付与したり、遊技者を大いに驚かせたりすることができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、タッチユニット220Bが上側から叩かれたり強く押されたりしてタッチユニット220Bに衝撃や荷重等が作用した場合、タッチユニット220Bの左右両端側がダンパ222を挟んでユニットケース231に取付けられているため、ダンパ222とタッチユニット220Bの撓りとによって上側からの衝撃等をある程度吸収して(減衰させて)ユニットケース231側へ伝達させることができる。また、ユニットケース231側では、ユニットケース231の外縁が下側の取付ベース230に取付けられているため、ユニットケース231を介したタッチユニット220B側からの衝撃や荷重等を、取付ベース230に対して広く分散させて伝達させることができる。この際に、ユニットケース231の下面から下方へ突出した受突部231eの外周壁と、取付ベース230の取付側受部230aの底面において受突部231eが挿入されている筒状受部230cの内周壁との間に隙間が形成されているため、タッチユニット220Bからの衝撃や荷重等によって、ユニットケース231が下方へ撓んだ後に、受突部231eと筒状受部230cとが当接してユニットケース231から取付ベース230へ衝撃等が伝達されることとなり、ユニットケース231の撓みによって、衝撃等が更に減衰された状態で取付ベース230に伝達される。この受突部231eの外周壁と筒状受部230cの内周壁は、下方へ窄まっているため、受突部231eと筒状受部230cとが当接すると、受突部231e(ユニットケース231)側からの衝撃や荷重等が、取付ベース230の取付側受部230aの底面に対して斜め方向へ伝達され、取付ベース230の取付側受部230aの底面に垂直な方向と底面に沿った方向とに分解されることとなり、取付ベース230を撓ませようする底面に垂直な方向(下方向)の力が小さくなって取付ベース230側へ伝達される。従って、タッチユニット220Bが上側から叩かれたり強く押されたりしても、複数のダンパ222、ユニットケース231、取付ベース230によって、その衝撃等を効果的に減衰させることができ、タッチユニット220Bや取付ベースユニット220Aが破損するのを抑制することができる。
[3−2.ファールカバーユニット]
扉枠3のファールカバーユニット520について、図54乃至図56を参照して詳細に説明する。図54(a)は扉枠のファールカバーユニットを前から見た斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを後ろから見た斜視図である。また、図55(a)はファールカバーユニットを蓋部材を外して前から見た分解斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを蓋部材を外して後ろから見た分解斜視図である。更に、図56は、蓋部材を外した状態のファールカバーユニットの正面図である。
本実施形態のファールカバーユニット520は、図示するように、扉枠ベースユニット100の後側に取付けられ前側が開放された浅い箱状のユニット本体522と、ユニット本体522の前面に取付けられている平板状の蓋部材524と、を備えている。ファールカバーユニット520は、正面視左上隅において前後に貫通しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861と皿ユニット200の上皿球供給口210aとを連通させる貫通球通路526と、貫通球通路526の正面視右側で後方へ向かって開口しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862と連通可能な満タン球受口528と、を備えている。
また、ファールカバーユニット520は、満タン球受口528の正面視右側で上方へ向かって開口しており本体枠4の球発射装置680により発射されにも関わらず遊技領域5a内へ到達しなかった遊技球(ファール球)を受けるファール球受口530と、正面視右下隅で前方へ向かって開口しており満タン球受口528及びファール球受口530に受入れられた遊技球を放出すると共に皿ユニット200の下皿球供給口210cと連通する球放出口532と、を備えている。
更に、ファールカバーユニット520は、ユニット本体522及び蓋部材524とによって、満タン球受口528及びファール球受口530と球放出口532との間に形成されており所定量の遊技球を貯留可能な広さを有している貯留通路533と、貯留通路533の内壁の一部を構成しており下端が回動可能にユニット本体522に取付けられている平板状の可動片534と、可動片534の貯留通路533から遠ざかる方向への回動を検知する満タン検知センサ535と、可動片534を貯留通路533の中心側へ付勢しているバネ536と、を備えている。
このファールカバーユニット520は、皿ユニット200の下皿202内が遊技球で一杯になって、球放出口532から遊技球が下皿202側へ放出されなく無くると、貯留通路533内にある程度の数の遊技球を貯留することができる。そして、貯留通路533内にある程度の数の遊技球が貯留されると、遊技球の重さによって可動片534の上端が貯留通路533から遠ざかる方向へ移動するように可動片534が回動し、その回動が満タン検知センサ535によって検知される。これにより、下皿202が遊技球で満タンになっていると判断することができるため、満タン検知センサ535により満タンが検知されると、これ以上の遊技球の払出しを停止させると共に、その旨を遊技者や遊技ホールの係員等に報知して、下皿202の満タンを解消させるように促すことができる。
また、ファールカバーユニット520は、ユニット本体522の後側で貫通球通路526の下側に取付けられており、本体枠4の後述する払出ユニット800における下部満タン球経路ユニット860の誘導路開閉扉863の作動突部863eが当接可能な扉開閉当接部537を備えている(図79を参照)。扉開閉当接部537は、後面が下方へ向かうに従って前方へ移動するように傾斜している。この扉開閉当接部537は、本体枠4に対して扉枠3を閉じると、誘導路扉部材863の作動突部863eが当接するように形成されている。この扉開閉当接部537に誘導路開閉部863の作動突部863eが当接することで、誘導路扉部材863が回動して通常誘導路861及び満タン誘導路862の下流端(前側開口)を開放させることができる。
[4.本体枠の全体構成]
本実施形態のパチンコ機1における本体枠4について、図57乃至図60を参照して説明する。図57は本体枠を前から見た斜視図であり、図58は本体枠を後ろから見た斜視図である。また、図59は本体枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図60は本体枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。本実施形態の本体枠4は、図示するように、前方が開放された箱状に形成されており、内部に遊技盤5が着脱可能に収容される。この本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられるものである。
本実施形態の本体枠4は、一部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベース600と、本体枠ベース600の正面視左側の上下両端に取付けられ外枠2の外枠側上ヒンジ部材60及び外枠側下ヒンジ部材70に夫々回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150が夫々回転可能に取付けられる本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640と、本体枠ベース600の正面視左側面に取付けられる補強フレーム660と、を備えている。
また、本体枠4は、本体枠ベース600の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球を打込むための球発射装置680と、本体枠ベースの正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット700と、本体枠ベース600の正面視上辺及び左辺に沿って後側に取付けられており遊技者側へ遊技球を払出す逆L字状の払出ユニット800と、本体枠ベース600の後面下部に取付けられている基板ユニット900と、本体枠ベース600の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース600に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー980と、を備えている。
[4−1.本体枠ベース]
本実施形態における本体枠4の本体枠ベース600は、図57乃至図60に示すように、正面視の形状が上下に延びた長方形に形成されている。この本体枠ベース600は、上端よりやや下側の位置から全高の約3/4の高さの範囲で前後に貫通しており遊技盤5が前側から挿入される遊技盤挿入口601と、遊技盤挿入口601の下辺を形成しており遊技盤5が載置される遊技盤載置部602と、遊技盤載置部602の左右方向中央から上方へ突出しており遊技盤5の下端の左右及び後方への移動を規制する遊技盤規制部603と、を備えている。
また、本体枠4は、遊技盤載置部602の正面視右下側に形成されている球発射装置680を取付けるための発射装置取付部604と、発射装置取付部604の正面視右側で前後に貫通しており施錠ユニット700の鍵シリンダ710が挿通されるシリンダ挿通口605と、遊技盤載置部602の正面視左右中央から左寄り下側で前後に貫通しており基板ユニット900の低音スピーカを前方へ臨ませる接続用開口部606と、遊技盤載置部602の正面視左下側で前後に貫通しており基板ユニット900におけるスピーカユニット920を前方へ臨ませる円形状のスピーカ用開口部607と、を備えている。
更に、本体枠4は、遊技盤挿入口601の正面視右辺から後方へ板状に延出しており、右側面に施錠ユニット700が取付けられると共に、後端に裏カバー980が回動可能に取付けられる後方延出部608を備えている。また、本体枠4は、後面における正面視左端の上下両端部付近に形成されており、本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640を取付けるための上ヒンジ取付部609及び下ヒンジ取付部610を備えている。
また、本体枠4は、接続用開口部606を開閉可能に閉鎖する開口カバー615と、遊技盤載置部602の正面視左右中央より左側でやや下側の位置に回動可能に取付けられ、遊技盤挿通口601に挿通された遊技盤5の前方への移動を規制可能な遊技盤ロック部材616と、を備えている。
[4−2.本体枠側上ヒンジ部材及び本体枠側下ヒンジ部材]
本実施形態における本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620と本体枠側下ヒンジ部材640について、図46乃至図49を参照して説明する。この本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640は、本体枠4の上ヒンジ取付部609及び下ヒンジ取付部610に取付けられるものである。
本体枠側上ヒンジ部材620は、水平に延びた平板状の板材の後部が下方へL字状に折り曲げられている上ヒンジ本体621と、上ヒンジ本体621の前端から上方へ円柱状に突出しており外枠側上ヒンジ部材60に軸支される本体枠上ヒンジピン622と、本体枠上ヒンジピン622の正面視左側で上ヒンジ本体621を貫通しており扉枠側上ヒンジ部材140を軸支するための扉枠用上ヒンジ孔623と、を備えている。本体枠側上ヒンジ部材620は、上ヒンジ本体621における下方へ折り曲げられた部位が、本体枠4の上ヒンジ取付部609に取付けられる。
本体枠側下ヒンジ部材640は、水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第一本体641と、下ヒンジ第一本体641の前端で上下に貫通しており外枠2の外枠側下ヒンジ部材70に軸支される外枠用下ヒンジ孔(図示は省略)と、下ヒンジ第一本体641の上側に配置されており水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられて下ヒンジ第二本体643と、下ヒンジ第二本体643の前端で上下に貫通しており扉枠3の扉枠側下ヒンジ部材150を軸支するための扉枠用下ヒンジ孔644と、下ヒンジ第二本体643の水平に延びている部位における扉枠用下ヒンジ孔644よりも後側で左端から上方へ延出しており扉枠3の回動範囲を規制するための規制片645と、を備えている。
下ヒンジ第二本体643は、水平に延びた部位が、下ヒンジ第一本体641の水平に延びた部位の上側に一定の間隔を開けた状態で、上方へ折り曲げられた部位が下ヒンジ第一本体641の上方へ折り曲げられた部位の前面に当接している。この本体側下ヒンジ部材640は、下ヒンジ第一本体641及び下ヒンジ第二本体643の上方へ折り曲げられた部位が、本体枠4の下ヒンジ取付部610に取付けられる。
[4−3.補強フレーム]
本実施形態における本体枠4の補強フレーム660について、図46乃至図49を参照して説明する。補強フレーム660は、本体枠ベース600の左側面に取付けられるものである。この補強フレーム660は、平面視の断面形状が、右側が開放されたコ字状に形成されており、一定の断面形状で上下に延びている。また、補強フレーム660には、前端から右方へ延びている部位の後側に、本体枠ベース600の遊技盤挿入口601に挿入された遊技盤5が前方及び上下に移動するのを規制する左位置決め部材661が、上下に離間して一組取付けられている。
この補強フレーム660によって本体枠ベース600のヒンジ側(正面視左側)を補強することができると共に、外枠2と本体枠4の間を通した左側からの本体枠4内(遊技盤5)への不正な工具の差し込みを防止することができる。
[4−4.球発射装置]
本実施形態における本体枠4の球発射装置680について、図57、図59及び図60を参照して説明する。球発射装置680は、皿ユニット200の上皿201に貯留されている遊技球を、本体枠4に取付けられた遊技盤5の遊技領域5a内に打込むための装置である。この球発射装置680は、扉枠3の前面右下隅のハンドル装置500のハンドルレバー504の回動角度に応じて、遊技球の打込強さが変化する。
球発射装置680は、本体枠ベース600の発射装置取付部604に取付けられる平板状の発射ベース681と、発射ベース681の正面視右部の後面に取付けられており回動軸が発射ベース681を貫通して前方へ延出しているロータリーソレノイドからなる発射ソレノイド682と、発射ソレノイド682の回転軸に基端が取付けられている打球槌683と、打球槌683の先端付近から左斜め上方へ延出するように発射ベース681の前面に取付けられており遊技球が転動可能な発射レール684と、を備えている。
この球発射装置680は、扉枠3の球送りユニット540から遊技球が発射レール684の上面右端に供給されるようになっており、発射レール684の上面右端に遊技球が供給されている状態で、ハンドルレバー504を回動操作すると、その回動操作角度に応じた強さで発射ソレノイド682が駆動して、打球槌683により遊技球を打球する。そして、打球槌683により打たれた遊技球は、発射レール684を通って遊技盤5の案内レール(外レール1111及び内レール1112)に案内されて遊技領域5a内に打込まれる。
なお、遊技球の打込強さ等の関係で、打球した遊技球が遊技領域5a内に到達しなかった場合は、発射レール684と遊技盤5(外レール1111及び内レール1112)との間から、下方のファールカバーユニット520のファール球受口530へ落下し、ファールカバーユニット520内を通って下皿202に排出される。
[4−5.施錠ユニット]
本実施形態における本体枠4の施錠ユニット700について、図57乃至図60を参照して説明する。本実施形態の施錠ユニット700は、本体枠4に取付けられ、本体枠4と扉枠3、本体枠4と外枠2、との間を施錠することができる。施錠ユニット700は、本体枠ベース600の後方延出部608の右側面に取付けられ上下に延びているユニットベース701と、ユニットベース701から前方へ突出しており扉枠3と係止可能な複数の扉枠用鉤702と、ユニットベース701から後方へ突出しており外枠2と係止可能な複数の外枠用鉤703と、ユニットベース701の下部にから前方に円柱状に突出しており前側から挿入した開錠鍵の回動方向に応じて扉枠用鉤702又は外枠用鉤703の何れかの係止を開錠させる鍵シリンダ710と、を備えている。
[4−6.払出ユニット]
本実施形態における本体枠4の払出ユニット800について、図61乃至図72を参照して説明する。図61は払出ユニットを前から見た斜視図であり、図62は払出ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図63は払出ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図64は払出ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。また、図65(a)は払出ユニットの球誘導ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球誘導ユニットを後ろから見た斜視図である。更に、図66は、球誘導ユニットの分解斜視図である。また、図67(a)は払出ユニットの払出装置を前から見た斜視図であり、(b)は払出装置を後ろから見た斜視図である。また、図68は払出装置を分解して前から見た分解斜視図であり、図69は払出装置を分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、図70(a)は払出装置の正面図であり、(b)は(a)におけるE−E線で切断した断面図である。また、図71(a)は払出装置において球抜き可動片により球抜き通路を閉鎖した状態を示す説明図であり、(b)は球抜き可動片により球抜き通路を開放した状態を示す説明図である。図72は、払出装置における払出羽根の部位を拡大して示す説明図である。
また、図73(a)は払出ユニットにおける上部満タン球経路ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は上部満タン球経路ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図74(a)は上部満タン球経路ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は上部満タン球経路ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、図75(a)は払出ユニットにおける下部満タン球経路ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は下部満タン球経路ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図76は下部満タン球経路ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図77は下部満タン球経路ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、図78(a)は下部満タン球経路ユニットにおいて誘導路開閉扉が閉じている状態を示す説明図であり、(b)は誘導路開閉扉が開いている状態を示す説明図である。また、図79は、扉枠のファールカバーユニットと下部満タン球経路ユニットとの関係を示す説明図である。図80は、払出ユニットにおける遊技球の流れを示す説明図である。
本実施形態の払出ユニット800は、図61及び図62等に示すように、本体枠ベース600の後側に取付けられる逆L字状の払出ユニットベース801と、払出ユニットベース801の上部に取付けられており上方へ開放された左右に延びた箱状で図示しない遊技ホールの島設備から供給される遊技球を貯留する賞球タンク802と、賞球タンク802の下側で払出ユニットベース801に取付けられており賞球タンク802内の遊技球を正面視左方向へ誘導する左右に延びたタンクレール803と、を備えている。タンクレール803内では、遊技球を左方へ誘導させながら、上方から揺動可能に垂下している球均し部材804(図80を参照)によって、前後二列に整列させる。
また、払出ユニット800は、払出ユニットベース801における正面視左側上部の後面に取付けられタンクレール803からの遊技球を蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット820と、球誘導ユニット820の下側で払出ユニットベース801から着脱可能に取付けられており球誘導ユニット820により誘導された遊技球を払出制御基板ボックス960に収容された払出制御基板4110からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置830と、を備えている。タンクレール803から払出装置830までは、遊技球が二列で流通し、払出装置830からは、遊技球が一つずつ払出される。
更に、払出ユニット800は、払出ユニットベース801の後面に取付けられ払出装置830によって払出された遊技球を下方へ誘導すると共に皿ユニット200における上皿201での遊技球の貯留状態に応じて遊技球を通常放出口850d又は満タン放出口850eの何れかから放出させる上部満タン球経路ユニット850と、払出ユニットベース801の下端に取付けられ上部満タン球経路ユニット850の通常放出口850dから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の貫通球通路526へ誘導する通常誘導路861、満タン放出口850eから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の満タン球受口530へ誘導する満タン誘導路862、及び通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を本体枠4に対する扉枠3の開閉に応じて開閉する誘導路開閉扉863、を有した下部満タン球経路ユニット860と、を備えている。
[4−6a.球誘導ユニット]
本実施形態における払出ユニット800の球誘導ユニット820について、図65及び図66を参照して説明する。球誘導ユニット820は、上下に延びており後側が開放された箱状の前ケース821と、前ケース821の後側に取付けられており前側が開放された箱状の後ケース822と、前ケース821と後ケース822との間に取付けられており前ケース821と後ケース822と間を仕切る平板状の仕切板823と、仕切板823を貫通して前後両端が前ケース821及び後レース822に取付けられている棒状の軸部材824と、軸部材824によって回動可能に取付けられており前ケース内及び後ケース内に夫々配置されている一対の可動片部材前825及び可動片部材後826と、前ケース821内に取付けられており一対の可動片部材前825及び可動片部材後826の回動位置を検知可能な球切れ検知センサ827と、を備えている。
前ケース821は、右側面の上部において遊技球が通過可能に開口している球誘導入口821aと、底面の左右方向中央よりも右寄りの位置で遊技球が通過可能に開口している球誘導出口821bと、球誘導入口821aと球誘導出口821bとを連通しており遊技球が流通可能な誘導通路821cと、を備えている。誘導通路821cは、球誘導入口821aから左端付近まで水平に対して小さい角度で低くなるように斜めに延びている導入部821dと、導入部821dから前ケース821の左辺に沿って高さの中央付近まで下方へ真っ直ぐ延びている検知部821eと、検知部821dから前ケース821の左右の幅で蛇行状に延びている蛇行部821fと、で構成されている。また、前ケース821は、誘導通路821cにおける検知部821eの正面視右側の壁に切欠部821gを備えている。
後ケース822は、右側面の上部において遊技球が通過可能に開口している球誘導入口822aと、底面の左右方向中央よりも右寄りの位置で遊技球が通過可能に開口している球誘導出口822bと、球誘導入口822aと球誘導出口822bとを連通しており遊技球が流通可能な誘導通路822cと、を備えている。誘導通路822cは、球誘導入口822aから左端付近まで水平に対して小さい角度で低くなるように斜めに延びている導入部822dと、導入部822dから後ケース822の左辺に沿って高さの中央付近まで下方へ真っ直ぐ延びている検知部822eと、検知部822dから後ケース822の左右の幅で蛇行状に延びている蛇行部822fと、で構成されている。また、後ケース822は、誘導通路822cにおける検知部822eの正面視右側の壁に切欠部822gを備えている。
この後ケース822は、前ケース821に対して左右に略対称に形成されており、球誘導ユニット820を組立てた状態で、誘導通路821cと誘導通路822cとが前後に一致するように形成されている。
軸部材824は、前ケース821及び後ケース822における切欠部821g,822gの上端の下側且つ誘導通路821c,822cの外側の位置に前後の端部が取付けられている。
可動片部材前825は、上下に延びた平板状の可動片825aと、可動片825aの右側の面の上端で前後に貫通しており軸部材824が挿通される軸孔825bと、可動片825aの上端から可動片825aの右面に対して直角に右方向へ延びている延出部825cと、延出部825cと可動片825aとを連結しており軸孔825bを中心に扇状に延びている連結部825dと、延出部825cの上部及び連結部825dの外周の中央付近から外方へ夫々突出しており前後に貫通している貫通孔を有した錘取付部825eと、延出部825cの右側先端から外方へ平板状に延出しており球切れ検知センサ827により検知可能な検知片825fと、連結部825dの外周における可動片825aに近い位置から外方へ平板状に延出しているストッパ片825gと、を備えている。
この可動片部材前825は、軸孔825bに軸部材824を通すと、その自重によって、連結部825dの外周から突出している錘取付部825eが、軸孔825bの直下に位置するように回動し、可動片825aが軸孔825bの部位から斜め下方へ延出した状態となる。従って、球誘導ユニット820を組立てた状態では、連結部825dが前ケース821の切欠部821gに挿通されて、可動片825aの下端が誘導通路821c内に突出した状態となると共に、ストッパ片825gが誘導通路821c(検知部821e)の外壁に当接した状態となる。このストッパ片825gが誘導通路821cの外壁に当接することで、可動片825aの下端が、誘導通路821c内へ突出する方向(正面視左方向)へこれ以上回動するのが規制される。また、可動片部材前825は、可動片825aの下端を、誘導通路821cの壁に接近させる方向(正面視右方向)へ回動させると、可動片825aの左側の面が、誘導通路821cの内面と一致する。この状態では、可動片部材前825の検知片825fは、球切れ検知センサ827に対して非検知の状態となる。つまり、誘導通路821c内に遊技球がある時は、球切れ検知センサ827が非検知となる。
可動片部材後826は、上下に延びた平板状の可動片826aと、可動片826aの右側の面の上端で前後に貫通しており軸部材824が挿通される軸孔826bと、可動片826aの上端から可動片826aの右面に対して直角に右方向へ延びている延出部826cと、延出部826cと可動片826aとを連結しており軸孔826bを中心に扇状に延びている連結部826dと、延出部826cの上部及び連結部826dの外周の中央付近から外方へ夫々突出しており前後に貫通している貫通孔を有した錘取付部826eと、延出部826cの右側先端から外方へ平板状に延出しており球切れ検知センサ827により検知可能な検知片826fと、連結部826dの外周における可動片826aに近い位置から外方へ平板状に延出しているストッパ片826gと、を備えている。
この可動片部材後826は、軸孔826bに軸部材824を通すと、その自重によって、連結部826dの外周から突出している錘取付部826eが、軸孔826bの直下に位置するように回動し、可動片826aが軸孔826bの部位から斜め下方へ延出した状態となる。従って、球誘導ユニット820を組立てた状態では、連結部826dが後ケース822の切欠部822gに挿通されて、可動片826aの下端が誘導通路822c内に突出した状態となると共に、ストッパ片826gが誘導通路822c(検知部822e)の外壁に当接した状態となる。このストッパ片826gが誘導通路822cの外壁に当接することで、可動片826aの下端が、誘導通路822c内へ突出する方向(正面視左方向)へこれ以上回動するのが規制される。また、可動片部材前826は、可動片826aの下端を、誘導通路822cの壁に接近させる方向(正面視右方向)へ回動させると、可動片826aの左側の面が、誘導通路822cの内面と一致する。この状態では、可動片部材前826の検知片826fは、球切れ検知センサ827に対して非検知の状態となる。つまり、誘導通路822c内に遊技球がある時は、球切れ検知センサ827が非検知となる。
本実施形態の球誘導ユニット820は、タンクレール803によって複数の遊技球が前後に夫々一列で並ばされた状態で供給され、複数の遊技球が一列に並んだ状態で、前ケース821及び後ケース822によって、前後に二列の状態で下方の払出装置830へ誘導することができる(図80を参照)。この際に、前ケース821と後ケース822とは仕切板823によって仕切られているため、夫々の誘導通路821c,822cを流通する遊技球が、互いに干渉し合うことはなく、良好に流通することができる。
また、球誘導ユニット820の誘導通路821c,822c内を遊技球が流通すると、遊技球が可動片部材前825及び可動片部材後826の可動片825a,826aに当接し、可動片825a,826aが誘導通路821c,822cの壁面と一致する方向へ可動片部材前825及び可動片部材後826が回動する。これにより、可動片部材前825及び可動片部材後826の検知片825f,826fが球切れ検知センサ827に対して非検知の状態となり、誘導通路821c,822c内に遊技球があることが判る。
そして、球誘導ユニット820の下流側の払出装置830により遊技球の払出し等が行われると、誘導通路821c,822c内の遊技球が下流へ流れることとなる。誘導通路821c,822c内を遊技球が流れると、導入部821d,822dを流れる遊技球の勢いが強くなり、導入部821d,822dを流れた遊技球が、検知部821e,822eの上部で可動片825a,826a側へ跳ね返り、可動片825a,826aに当接することとなる。この遊技球の当接により、可動片825a,826aが振動することとなるため、その振動により可動片825a,826aと誘導通路821c,822cの切欠部821g,822gとの間に挟まれたり侵入したりした埃やゴミ等を除去することができ、自重等によって可動片825,826aが良好に回動できるようになる。
また、球誘導ユニット820は、各誘導通路821c,822c内を流通する遊技球を夫々別々の可動片部材前825及び可動片部材826によって検知するようにしていると共に、可動片部材前825及び可動片部材後826の夫々の検知片825f,826fを一つの球切れ検知センサ827で検知するようにしているため、何れかの誘導通路821c,822c内の遊技球がなくなると、可動片部材前825又は可動片部材後826の可動片825a,826aが誘導通路821c,822c内へ突出するように回動し、遊技球のなくなった側の検知片825f,826fが球切れ検知センサ827で検知される。従って、遊技球の球切れを早期に検知することができるため、速やかに遊技球を補充させることができ、遊技が中断する時間を可及的に短くすることで、遊技者の興趣の低下を抑制することができる。
更に、可動片部材前825及び可動片部材後826の錘取付部825e,826eに、錘として金属ビスを捩じ込んで取付けることで、可動片部材前825及び可動片部材後826と錘の重量とによって、可動片825a,826aの下端側を、誘導通路821c,822c内に突出する方向へ回動させ易くすることができる。また、可動片825a,826aの上端を誘導通路821c,822cの外側で回動可能に取付けて、下端側が誘導通路821c,822c内に突出するようにしているため、誘導通路821c,822c内の埃やゴミ等が、可動片825a,826aの上端や下端に付着することがない。従って、可動片825a,826aが誘導通路821c,822cの壁側に回動しても、可動片825a,826aの下端と壁との間に埃やゴミ等が噛み込むことはないため、自重等によって良好に回動することができ、可動片825a,826aが回動しなくなるような不具合の発生を抑制することができる。
このように、本実施形態の球誘導ユニット820は、自重によって下端側が遊技球の流通する誘導通路821c,822c内へ突出する可動片部材前825及び可動片部材後826の可動片825a,826aにおいて、遊技球と当接する面の反対側の錘取付部825e,826eに金属ビスからなる錘を取付けることで、可動片部材前825及び可動片部材826の自重と錘の重量とによって、可動片825a,826aの下端側を誘導通路821c,822c内に回動(突出)させ易くすることができる。また、可動片825a,826aの上端を誘導通路822cの外側で回動可能に取付けて、下端側が誘導通路821c,822c内に突出するようにしているため、誘導通路821c,822c内の埃やゴミ等が、可動片825a,826aの上端や下端に付着することがない。従って、可動片825a,826aが誘導通路821c,822cの壁側に回動しても、可動片825a,826aの下端と壁との間に埃やゴミ等が噛み込むことはないため、自重等によって良好に回動することができ、可動片825a,826(可動片部材前825及び可動片部材後826)が回動しなくなるような不具合の発生を抑制することができる。
また、錘としての金属ビスを、貫通孔とされた錘取付部825e,826eに捩じ込んで取付けるため、可動片部材前825及び可動片部材後826が頻繁に回動しても、錘が可動片部材前825及び可動片部材後826(錘取付部825e,826e)から外れることがなく、長期に亘って可動片部材前825及び可動片部材後826を良好な状態に維持することができる。また、錘取付部825e,826eに金属ビスを捩じ込むだけで、可動片部材前825及び可動片部材後826に錘を容易に取付けることができるため、錘の取付けの手間を簡略化することができ、パチンコ機1の組立てに係るコストを低減させることができる。
更に、誘導通路821c,822c内において可動片825a,825cが内部に突出する部位よりも上流側に、可動片825a,825cへ向かって遊技球を誘導させる導入部822dを備えていることから、誘導通路821c,822c内を遊技球が流れることで、遊技球が可動片825a,826aに当接するため、遊技球の当接によって可動片825a,826aを振動させることができる。従って、可動片825a,826aの振動により、可動片825a,826aと誘導通路821c,822cの壁との間に挟まれたり侵入したりした埃やゴミ等を除去することができ、自重等によって可動片部材前825及び可動片部材後826が良好に回動するようにできる。
従って、可動片部材前825及び可動片部材後826を良好に回動させることができるため、誘導通路821c,822c内の遊技球の状態(有無)を確実に検知させることができ、遊技球の誤検知等による不具合の発生を抑制させることができる。また、払出装置830へ供給される遊技球が誘導通路821c,822c内からなくなっても、可動片825a,826aを介して確実に誘導通路821c,822c内の有無を検知することができるため、速やかに遊技球を補充させることができ、遊技が中断する時間を可及的に短くすることで、遊技者の興趣の低下を抑制することができる。
[4−6b.払出装置]
本実施形態における払出ユニット800の払出装置830について、図67乃至図72を参照して説明する。払出装置830は、後側が開放されている箱状で、上面における左右方向中央に遊技球が通過可能に開口している払出入口831a、底面における正面視左端付近で遊技球が通過可能に開口している払出出口831b、底面における正面視右端付近で遊技球が通過可能に開口している球抜き出口831c、払出入口831aと払出出口831bとを連通しており遊技球が流通可能な払出通路831d、及び払出通路831dの途中から分岐して球抜き出口831cと連通しており遊技球が流通可能な球抜き通路831e、を有している前箱831と、前箱831の後側に取付けられており前側が開放されている箱状で、上面における左右方向中央に遊技球が通過可能に開口している払出入口832a、底面における正面視左端付近で遊技球が通過可能に開口している払出出口832b、底面における正面視右端付近で遊技球が通過可能に開口している球抜き出口832c、払出入口832aと払出出口832bとを連通しており遊技球が流通可能な払出通路832d、及び払出通路832dの途中から分岐して球抜き出口832cと連通しており遊技球が流通可能な球抜き通路832e、を有している後箱832、を備えている。
また、払出装置830は、前箱831の前側に取付けられており後側が開放されている浅い箱状の前カバー833と、前箱831内に取付けられており回転軸が前箱831を貫通して前カバー833内に延出している払出モータ834と、払出モータ834の回転軸に取付けられている駆動ギア835と、駆動ギア835と噛合しており前箱831と前カバー833とで回転可能に取付けられている平歯車状の中間ギア836と、中間ギア836と噛合している従動ギア837と、従動ギア837が回転可能に貫通しており前端が前カバー833に取付けられていると共に後端が前箱831を貫通して後箱832に取付けられている軸部材838と、軸部材837を貫通して回転可能に取付けられていると共に前箱831及び後箱832の払出通路831d,832d内に配置されており従動ギア837と一体回転する払出羽根839と、前箱831と後箱832との間に取付けられており払出羽根839の回転を検知する羽根回転検知センサ840と、を備えている。
更に、払出装置830は、前箱831と後箱832の間に取付けられており前箱831の払出通路831dと後箱832の払出通路832dとを仕切る平板状の仕切板841と、前箱831と後箱832との間に取付けられており払出羽根839の回転により払出されて払出出口831b,832bから放出される遊技球を検知する払出検知センサ842と、払出通路831d,832dと球抜き通路831e,832eとが分岐している部位で前箱831と後箱832とによって回動可能に取付けられており球抜き通路831e,832eを閉鎖可能な球抜き可動片843と、前箱831及び後箱832の正面視右側面上部で上下にスライド可能に取付けられており球抜き可動片843を回動可能又は回動不能とする球抜きレバー844と、を備えている。
前箱831の払出通路831dは、払出入口831aから球抜き出口831cへ向かうように正面視右下へ斜めに延び、前箱831の全高に対して上面から約1/3の高さのところで下方へ垂直に延びるように折れ曲がり、全高の中央付近で左方へ略水平に延びるように曲がった後に、前箱831の左右の幅に対して左端から約1/3のところで再び下方へ垂直に延びるように折れ曲がっており、前箱831の全高に対して底面から約1/4の高さのところで払出出口831bの直上へ位置するようにクランク状に折れ曲がって払出出口831bへ垂直に延びている。払出通路831d内のクランク状に折れ曲がっている部位に払出羽根839が配置される。
一方、球抜き通路831eは、払出通路831dにおいて払出入口831aから右下へ斜めに延びている部位を更に延長する形態で、前箱831の全高に対して上面から約1/3の高さから中央付近の高さまでの間で分岐している。
また、前箱831は、払出通路831d内の払出出口831bへ向かって垂直に延びている部位において下方へ向かうに従って後方へ突出している誘導棚831fと、正面視右側面の上部に形成されており球抜きレバー844を上下にスライド可能に取付けるためのレバー取付部831gと、を備えている。
後箱832の払出通路832dは、払出入口832aから球抜き出口832cへ向かうように正面視右下へ斜めに延び、後箱832の全高に対して上面から約1/3の高さのところで下方へ垂直に延びるように折れ曲がり、全高の中央付近で左方へ略水平に延びるように曲がった後に、後箱832の左右の幅に対して左端から約1/3のところで再び下方へ垂直に延びるように折れ曲がっており、後箱832の全高に対して底面から約1/4の高さのところで払出出口832bの直上へ位置するようにクランク状に折れ曲がって払出出口832bへ垂直に延びている。払出通路832d内のクランク状に折れ曲がっている部位に払出羽根839が配置される。
一方、球抜き通路832eは、払出通路832dにおいて払出入口832aから右下へ斜めに延びている部位を更に延長する形態で、後箱832の全高に対して上面から約1/3の高さから中央付近の高さまでの間で分岐している。
また、後箱832は、払出通路832d内の払出出口832bへ向かって垂直に延びている部位において下方へ向かうに従って前方へ突出している誘導棚832fと、正面視右側面の上部に形成されており球抜きレバー844を上下にスライド可能に取付けるためのレバー取付部832gと、を備えている。
前箱831及び裏箱832の払出通路831d,832dと球抜き通路831e,832eは、同じ形状に形成されている。払出通路831d,832dは、払出羽根839が配置されている部位の上流までが仕切板841によって仕切られている。また、誘導棚831f,832fと払出出口831b,832bとの間に、払出検知センサ842が取付けられている。つまり、前箱831の払出通路831dを流通した遊技球と、後箱832の払出通路832dを流通した遊技球とは、夫々の誘導棚831f,832fによって前箱831と後箱832との前後の境界付近に寄せられて、一つの払出検知センサ842により検知される。
従動ギア837は、中間ギア836と噛合する平歯車状のギア部837aと、ギア部837aの後面から周方向へ60度の角度の間隔で放射状に突出しており羽根回転検知センサ840によって検知可能な複数の検知片837bと、ギア部837aの中心から後方へ円筒状に突出していると共に後端の周面に凹凸が形成されており払出羽根839と連結可能な連結部837cと、を備えている。
払出羽根839は、前後に円筒状に延びており軸部材838が挿通されるベース筒部839aと、ベース筒部839aの前端から周方向に一定間隔でベース筒部839aの軸直角方向へ突出している複数(三つ)の前羽根839bと、ベース筒部839aの後端から前羽根839bとは互い違いとなるように周方向に一定間隔でベース筒部839aの軸直角方向へ突出している複数(三つ)の後羽根839cと、ベース筒部839aの前端から前方へ筒状に突出していると共に前端の周面に従動ギア837の連結部387cと連結可能な凹凸が形成されている被連結部839dと、を備えている。
払出羽根839の前羽根839b及び後羽根839cは、周方向へ120度の角度の間隔で夫々三つずつ備えられており、互い違いとなるように、前羽根839bに対して後羽根839cが、周方向へ60度の角度でオフセットして外方へ延出している。本実施形態の払出羽根839は、三つの前羽根839b(後羽根839c)同士の間が中心側へ窪んだ円弧によって結ばれており、その円弧の直径が遊技球の直径と同じか若干大きい。これにより、前羽根839b(後羽根839c)同士の間には、遊技球が一つのみ収容することが可能な球収容部839eが形成されている。
また、三つの前羽根839b及び後羽根839cは、ベース筒部839aの軸を中心としたそれらの外周の直径D1が、遊技球の外径の1〜1.4倍に形成されている。また、前羽根839b(後羽根839c)同士の間の円弧の部位(球収容部839e)におけるベース筒部839aの軸に最も接近した部位までの、ベース筒部839aの軸を中心とした直径D2は、遊技球の外径の約0.3〜0.4倍に形成されている(図72を参照)。つまり、前羽根839b及び後羽根839cの外周から球収容部839eの最も凹んだ部位までの深さ[(直径D1−直径D2)/2]が、遊技球の外径の0.1〜0.4倍とされている。
従って、前羽根839b(後羽根839c)同士の間の円弧の部位(球収容部839e)により、遊技球の外周の約3/10(1/4〜1/3の間)を保持することができる。換言すると、遊技球の外径の約1/5(1/7〜1/4)の深さを収容することができる。これにより、払出通路831d,832d内の遊技球を、速やかに前羽根839b(後羽根839c)同士の間(球収容部839e)に収容することができる。
本実施形態の払出羽根839は、払出装置830を組立てた状態で、前羽根839bが前箱831の払出通路831d内に、後羽根839cが後箱832の払出通路832d内に位置し、夫々の払出通路831d,832d内の遊技球を、夫々払出すことができる。また、払出羽根839は、払出通路831d,832dにおいて、前箱821及び後箱832の全高の中央よりも下側でクランク状に折れ曲がっている部位に配置されている。詳しくは、払出通路831d,832dにおいて、前箱821及び後箱832の全高の中央付近から下方へ垂直に延びている部位の直下に、払出羽根839の回転中心が位置している。そして、払出通路831d,832dのクランク状に折れ曲がっている部位では、払出羽根839から遠い側の壁(内壁)が、払出羽根839の回転中心を中心とし、前羽根839b及び後羽根839cの外周から遊技球の外径よりも小さい距離Sだけ離れた円弧状に形成されている(図61を参照)。なお、本実施形態では、距離Sが、遊技球の外径の0.7〜0.9倍とされている。換言すると、球収容部839eの最も凹んだ部位から払出通路831d,832dの円弧状に形成されている部位までの距離が、遊技球の外径の1.03〜1.1倍とされている。
これにより、払出装置830は、払出羽根839上に流下してきた遊技球が、前羽根839b,839cの外周に当接すると、払出通路831d,832dのクランク状に折れ曲がっている部位を通ることができず、払出出口831b,832bから下方へ放出されることはない。一方、遊技球が、球収容部839eに収容されると、払出羽根839の回転と共に移動し、払出通路831d,832dのクランク状に折れ曲がっている部位を通ることができ、払出出口831b,832bから下方へ放出される。
また、払出装置830では、前羽根839b及び後羽根839cの直径D1を、遊技球の外径の約1.2〜1.4倍とすると共に、球収容部839eにより遊技球の外径の1/7〜1/4の深さを収容するようにしているため、払出羽根839の外径を可及的に小さくしつつ、遊技球の収容にかかる時間を短くすることができる。これにより、払出羽根839を速く回転させても、球収容部839eに遊技球を収容させて、払出出口831b,832b側へ送ることができる。従って、従来よりも単位時間当りの遊技球の払出数を多くすることができ、遊技球の払出しにかかる時間を短縮することができる。
球抜き可動片843は、上下及び前後に板状に延びており下部が折れ曲がって正面視く字状に形成されている本体部843aと、本体部843aの上端で前後に筒状に延びており両端が夫々前箱831及び後箱832に回動可能に取付けられる軸筒部843bと、本体部843aのく字状に折れ曲がっている外側面の上部から突出している突出部843cと、本体部843cのく字状に折れ曲がっている下部において前後に貫通している貫通孔からなる錘取付部843d(図71を参照)と、を備えている。
球抜き可動片843は、払出装置830を組立てた状態では、本体部843aの下部が正面視斜め左下へ延びるような向きで、上端の軸筒部843bが、前箱831及び後箱832の払出通路831d,832dにおいて、払出入口831a,832aから正面視右下へ斜めに延びている部位で、且つ、下方へ折れ曲がる部位よりもやや上側の正面視右側の壁の外側の位置で、回動可能に取付けられている。
本実施形態の払出装置830は、通常の状態では、球抜きレバー844を下方へスライドさせた状態としており、球抜きレバー844の下部が球抜き可動片843の突出部843cに正面視右側から当接している。これにより、球抜き可動片843は、正面視反時計回りへの回動が規制されている(図71(a)を参照)。
この通常の状態では、球抜き可動片843のく字状に折れ曲がっている本体部843aにおいて、曲がっている部位よりも上側が垂直に延びていると共に、曲がっている部位の下側が正面視斜め左下へ延びている。そして、本体部843aの下端は、払出通路831d,832dと球抜き通路831e,832eとが分岐している部位の近傍に位置している。従って、球抜き可動片843(本体部843a)によって、球抜き通路831e,832eを閉鎖していると共に、本体部843aの左側を向いた面が、払出通路831d,832dの一部の壁を形成している。
本実施形態の球抜き可動片843は、通常の状態において、球抜き可動片843の重心が、軸筒部843bの中心を通る垂直線の正面視左側に位置するように形成されており、自重によって正面視反時計回りに回転させようとする力が作用しているが、球抜きレバー844によって反時計回りへの回動が規制されているため、通常の状態が維持される。
通常の状態から、球抜きレバー844を上方へスライドさせると、球抜きレバー844の下部が、球抜き可動片843の突出部843cから離れ、球抜き可動片843の正面視反時計回りへの回動の規制が解除される。従って、球抜き可動片843は、重心が軸筒部843bの直下へ位置するように、自重によって反時計回りへ回動することとなる。なお、球抜き可動片843は、本体部843aの下部の右側側面が、前箱831及び後箱832の右側面を形成している部材の左面に当接するまで、反時計回りに回動することができる(図60(b)を参照)。これにより、球抜き通路831e,832eが開放された状態となり、払出入口831a,832aから進入した遊技球が、払出通路831d,832dの途中で、球抜き可動片843の本体部843aに当接して球抜き可動片843を正面視反時計回りへ回動させて球抜き通路831e,832eを開放し、開放された球抜き通路831e,832eを流通して球抜き出口831c,832cから下方へ放出されることとなる。
本実施形態では、球抜き可動片843に錘取付部843dを備えているため、この錘取付部843dに金属ビスからなる錘を捩じ込んで取付けることで、球抜きレバー844を上方へスライドさせて、正面視反時計回りへの回動の規制を解除した時に、球抜き可動片843の自重と錘の重量とによって、球抜き可動片843の下端を球抜き通路381e,832e内へ突出する方向へ(正面視反時計回りに)回動させ易くすることができる。
また、球抜きレバー844を下方へスライドさせて球抜き通路831e,832eを閉鎖している通常の状態において、払出入口831a,832aから進入した遊技球が、球抜き可動片843の本体部843aに当接するようにしているため、遊技球の当接によって球抜き可動片843を振動させることができる。従って、球抜き可動片843の下端と球抜き通路831e,832eの内面との間に挟まれたり侵入したりした埃やゴミ等を、球抜き可動片843の振動によって除去することができ、埃やゴミ等を噛み込んで球抜き可動片843が回動できなくなるのを防止することができる。
また、錘としての金属ビスを、貫通孔とされた錘取付部843dに捩じ込んで取付けることができるため、球抜き可動片843が頻繁に回動しても、錘が球抜き可動片843(錘取付部843d)から外れることがなく、長期に亘って球抜き可動片843を良好な状態に維持することができる。また、錘取付部843dに金属ビスを捩じ込むだけで、球抜き可動片843に錘を容易に取付けることができるため、錘の取付けの手間を簡略化することができ、パチンコ機1の組立てに係るコストを低減させることができる。
ところで、球抜き可動片843によって球抜き通路831e,832eを長期に亘って閉鎖していると、球抜き可動片843の回転軸に微細な埃が付着したり回転軸が錆びたりして、球抜き可動片843が回動し辛くなることがある。これに対して、本実施形態では、払出入口831a,832aから進入した遊技球が、球抜き可動片843の本体部843aに当接するようにしているため、球抜き可動片843により球抜き通路831e,832eを閉鎖している状態から、閉鎖を解除する球抜きレバー844を上方へスライドさせてロックを外した時に、遊技球が球抜き可動片843に当接することで、その当接の衝撃によって球抜き可動片843を回動させることができ、球抜き通路831e,832eを確実に開放させることができる。
従って、球抜きレバー844を操作して球抜き通路831e,832eを開放させる際に、球抜き可動片843が良好に回動することができるため、遊技球の抜取り作業を確実に行うことができ、メンテナンス等の際の作業性を良くすることができる。
[4−6c.上部満タン球経路ユニット]
本実施形態における払出ユニット800の上部満タン球経路ユニット850について、図73及び図74を参照して詳細に説明する。上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニットベース801において、払出装置830の下側の位置に取付けられるものである。この上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニットベース801に取付けられ後側が開放された箱状の上部満タンベース851と、上部満タンベース851の後側に取付けられており前側が開放された箱状の上部満タンカバー852と、上部満タンカバー852の後側に回転可能に取付けられており払出装置830を上方へ押圧可能な払出装置押圧部材853と、を備えている。
また、上部満タン球経路ユニット850は、上面における正面視左右中央から左側の部位で遊技球が通過可能に上方へ開口している上部払出球受口850aと、上面における正面視左右中央から右側の部位で遊技球が通過可能に上方へ開口している上部球抜き入口850bと、上部満タンベース851と上部満タンカバー852との間に形成されており上部払出球受口850aに受けられた遊技球が流通する所定広さの上部球貯留通路850cと、上部球貯留通路850cの下端における上部払出球受口850aの直下の部位で下方へ開口している通常放出口850dと、上部球貯留通路850cの下端における通常放出口850dを除いた部位で下方へ開口している満タン放出口850eと、通常放出口850dと満タン放出口850eとの間から上方へ突出しており上部球貯留通路850c内の下部を左右に仕切っている仕切片850fと、を備えている。
また、上部満タン球経路ユニット850は、上部球抜き入口850bから進入した遊技球を下方へ誘導する上部球抜き通路850gと、上部球抜き通路850gの下端で下方へ向かって開口している上部球抜き出口850hと、を備えている。この上部満タン球経路ユニット850は、正面視で左側から、通常放出口850d、満タン放出口850e、上部球抜き出口850hが順に並んで下方へ開口している。また、上部満タン球経路ユニット850は、上部満タンベース851の右端に裏カバー980を取付けるための裏カバー取付部854を備えている。
この上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニット800に組立てた状態で、上部払出球受口850aが、払出装置830の払出出口831bの直下に位置していると共に、上部球抜き入口850bが、払出装置830の球抜き出口831cの直下に位置している。また、上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニット800に組立てた状態で、通常放出口850d、満タン放出口850e、及び上部球抜き出口850hは、下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865の夫々後端開口の直上に夫々開口している(図80を参照)。
上部満タン球経路ユニット850は、払出装置830によって払出されて払出出口831bから下方へ放出された遊技球が、上部払出球受口850aから上部球貯留通路850c内へ進入する。上部球貯留通路850cの下端の通常放出口850dが閉鎖されていない状態では、上部払出球受口850aから上部球貯留通路850c内へ進入した遊技球が、上部払出球受口850aの直下に開口している通常放出口850dから放出される。
扉枠3の上皿201内が遊技球で満たされて遊技球を貯留させることができなくなり、更に、下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861内が遊技球で満たされると、通常放出口850dが閉鎖された状態となる。この状態で上部球貯留通路850c内に遊技球が進入すると、通常放出口850dの上側に貯留される。そして、通常放出口850dの上側に貯留されている遊技球の量が、仕切片850fよりも高くなると、新たに上部球貯留通路850c内に進入してきた遊技球は、仕切片850fを乗り越えて満タン放出口850eから下方へ放出されることとなり、下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862を通って下皿202に送られることとなる。
このように、上部満タン球経路ユニット850は、払出装置830から払出された遊技球を、扉枠3における上皿201での遊技球の貯留量に応じて、自動的に上皿201から下皿202へ振分けることができる。
[4−6d.下部満タン球経路ユニット]
本実施形態における払出ユニット800の下部満タン球経路ユニット860について、図75乃至図79を参照して詳細に説明する。下部満タン球経路ユニット860は、払出ユニットベース801における上部満タン球経路ユニット850の下側に取付けられるものである。下部満タン球経路ユニット860は、上部満タン球経路ユニット850の通常放出口850dから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の貫通球通路526へ誘導する通常誘導路861と、上部満タン球経路ユニット850の満タン放出口850eから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の満タン球受口530へ誘導する満タン誘導路862と、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を本体枠4に対する扉枠3の開閉に応じて開閉する誘導路開閉扉863と、誘導路開閉扉863を通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を閉鎖する方向へ付勢している閉鎖バネ864と、を備えている。
また、下部満タン球経路ユニット860は、上部満タン球経路ユニット850の上部球抜き出口850hから放出された遊技球を前方へ誘導し前後方向の中央右端から基板ユニット900の基板ユニットベース910上へ放出する下部球抜き誘導路865を、備えている。
下部満タン球経路ユニット860は、通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865が、正面視において、左側から順に右側へ並んでいる。これら通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865は、後端が上方へ向かって開口している。また、通常誘導路861、及び満タン誘導路862は、左右に遊技球が複数並ぶ幅で、前端側が低くなるように本体枠4の前端付近まで前方へ延びている。更に、満タン誘導路862は、通常誘導路861よりも低い位置で前方へ延びている。これら通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865は、図示するように、上下に分割可能な上ケース866及び下ケース867によって形成されている。
誘導路開閉扉863は、下ケース867の前端における通常誘導路861と満タン誘導路862との間の部位に、回動可能に取付けられており、閉鎖バネ864によって正面視時計回りの方向へ付勢されている。更に詳述すると、下部満タン球経路ユニット860の前端において、正面視で通常誘導路861の前端開口の右側に開口している満タン誘導路862は、通常誘導路861に対して一つの遊技球の高さ分低い位置に配置されている。そして、誘導路開閉扉863は、通常誘導路861の下側で、且つ、満タン誘導路862の左側の位置で、前後に延びた軸周りに対して回動可能に取付けられている。
誘導路開閉扉863は、回転可能に取付けられる円盤状の基部863aと、基部863aから斜め左上側に平板状に延びており通常誘導路861の前端開口を閉鎖可能な第一扉板部863bと、基部863aから右側に平板状に延びており満タン誘導路862の前端開口を閉鎖可能な第二扉板部863cと、基部863aから斜め左下側に平板状に延びている延出部863dと、延出部863dの先端部前面から前方へ突出しており扉枠3におけるファールカバーユニット520の扉開閉当接部537と当接可能な作動突部863eと、を備えている。
ここで、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を閉鎖するとは、開口を密閉する必要はなく、遊技球が通過不能となれば良いことである。作動突部863eは、正面視の形状が、基部863aを中心とした短い円弧状に形成されており、前端面が、反時計回りの方向の端部側へ近付くに従って前方へ突出するように傾斜している。
誘導路開閉扉863は、閉鎖バネ864によって正面視時計回りの方向へ付勢されており、第二扉板部863cが、下カバー867の前端における満タン誘導路862の前端開口の下側から前方へ突出しているボス部867aに当接することで、時計回りの方向への回動が規制される。
本実施形態の下部満タン球経路ユニット860は、パチンコ機1を組立てた状態で、前端が、扉枠3のファールカバーユニット520における貫通球通路526、満タン球受口530、及び扉開閉当接部537と対向する位置に取付けられている(図79を参照)。そして、誘導路開閉扉863は、本体枠4に対して扉枠3が開いている状態では、作動突部863eに何も当接していないため、誘導路開閉扉863は閉鎖バネ864の付勢力によって、正面視時計回りの方向へ回動させられ、第二扉板部863cが下ケース867のボス部867aに当接した状態で停止する。この状態では、第一扉板部863bと第二扉板部863cが、通常誘導路861と満タン誘導路862の前端開口の前面に位置しており、前端開口を閉鎖している(図78(a)を参照)。従って、この状態では、通常誘導路861及び満タン誘導路862内の遊技球が、前端開口から前方へ移動することができず、扉枠3を開けても、通常誘導路861や満タン誘導路862から遊技球がこぼれることはない。
そして、本体枠4に対して扉枠3を閉じると、誘導路開閉扉863の作動突部863eの前端面に、扉枠3におけるファールカバーユニット520の扉開閉当接部537が当接し、作動突部863eの前端面の傾斜によって、閉鎖バネ864の付勢力に抗して誘導路開閉扉863を正面視反時計回りの方向へ回動させようとする力が作用する。これにより、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を閉鎖していた第一扉板部863bと第二扉板部863cが、前端開口から離れる方向へ回動し、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口が開放された状態となる(図78(b)を参照)。この状態では、図示するように、第一扉板部863bが通常誘導路861の前端開口の下側に、第二扉板部863cが満タン誘導路862の前端開口の上側に位置している。
この通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を開放させた状態では、本体枠4に対して扉枠3が完全に閉じられた状態となっていると共に、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口の前側に、扉枠3におけるファールカバーユニット520の貫通球通路526及び満タン球受口528が位置しており、通常誘導路861及び満タン誘導路862側から、貫通球通路526及び満タン球受口528側へ遊技球を受渡すことができる。
このように、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を上下方向に異ならせると共に、誘導路開閉扉863を回動させることで通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を開閉させるようにしているため、誘導路開閉扉863の動作範囲を可及的に狭くすることができ、通常誘導路861及び満タン誘導路862の開閉機構を小型化することができる。従って、相対的に他の部材のためのスペースを広くすることができ、パチンコ機1の内部空間をより有効活用することができる。
本実施形態の払出ユニット800は、扉枠3の上皿201が遊技球で一杯になり、上皿201へ遊技球を放出することができなくなった状態で、払出装置830から更に多くの遊技球が払出されると、下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861内が遊技球で一杯になるまで遊技球を貯留することができる。そして、通常誘導路861が遊技球で一杯になった状態で払出装置830から更に遊技球が払出されると、上部満タン球経路ユニット850の上部球貯留通路850c内において、遊技球が通常放出口850dよりも上側に留って仕切片850fを超えると、満タン放出口850e側へ流通するようになり、満タン放出口850eから、下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862、ファールカバーユニット520を通って下皿202へ遊技球の払出しが自動的に切換えられる。その後、払出装置830から更に遊技球が払出されて、上皿201に加えて下皿202も遊技球で一杯になって下皿202へ遊技球を供給することができなくなると、ファールカバーユニット520の貯留通路533内に遊技球が貯留される。そして、貯留通路533内に遊技球が貯留されることで可動片534が回動して満タン検知センサ535により検知されると、上皿201及び下皿202が遊技球で満タンであることが報知されると共に、満タン検知センサ535による可動片534の検知が解除されるまで払出装置830による遊技球の払出しが一時的に停止される。
なお、満タン検知センサ535による可動片534の検知に対する払出装置830による遊技球の払出しの停止を、例えば、ファールカバーユニット520の貯留通路533内に可動片534が検知されるまで遊技球が貯留されている状態で、その上流側の貯留通路533、下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862、及び上部満タン球経路ユニット850の上部球貯留通路850c内を満たすことが可能な数の遊技球が払出されると、払出装置830による遊技球の払出しを停止させるようにしても良い。これにより、従来のパチンコ機よりも多くの遊技球を貯留することができるため、大当り遊技中等の多くの遊技球が払出される遊技状態において、遊技球の払出しによって上皿201や下皿202が遊技球で一杯になることに対して気に掛ける必要を低減させることができ、遊技者を大当り遊技に専念させて楽しませることができる。
[4−7.基板ユニット]
本実施形態における本体枠4の基板ユニット900について、図57乃至図60を参照して説明する。本体枠4の基板ユニット900は、本体枠ベース600の後側に取付けられる基板ユニットベース910と、基板ユニットベース910の正面視左側で本体枠ベース600の後側に取付けられ内部に低音スピーカを有したスピーカユニット920と、基板ユニットベース910の後側で正面視右側に取付けられ内部に電源基板が収容されている電源基板ボックス930と、スピーカユニット920の後側に取付けられており内部にインターフェイス制御基板が収容されているインターフェイス制御基板ボックス940と、電源基板ボックス930及びインターフェイス制御基板ボックス940に跨って取付けられており内部に遊技球の払出しを制御する払出制御基板4110が収容された払出制御基板ボックス960と、を備えている。
払出制御基板ボックス960内に収容された払出制御基板4110によって、払出装置830が制御されている。
[1−4.遊技盤の基本構成]
次に、パチンコ機1における遊技盤5の基本構成について、図81乃至図89を参照して説明する。図81は、遊技盤の正面図であり、図82は、遊技盤を分解して前から見た分解斜視図であり、図83は、遊技盤を分解して後から見た分解斜視図である。更に、図84(A)はパチンコ機に取付けた状態で遊技盤における機能表示ユニットを拡大して示す正面図であり、(B)は機能表示ユニットの他の形態を示す正面図である。
また、図85は、図82等の例とは異なる実施形態の遊技パネルを用いた遊技盤を分解して前から見た分解斜視図であり、図86は、図85を後から見た遊技盤の分解斜視図である。また、図87は、図85の遊技盤における遊技パネルを縦方向に切断した断面図である。更に、図88は図85等の例とは異なる実施形態の前構成部材を用いた遊技盤を分解して前から見た分解斜視図であり、図89は図88を後から見た遊技盤の分解斜視図である。
本実施形態の遊技盤5は、図示するように、遊技者がハンドル装置500を操作することで遊技球が打ち込まれる遊技領域5aの外周を区画し外形が正面で略矩形状とされた前構成部材1110と、前構成部材1110の後側に配置され遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1150と、遊技パネル1150の後側下部に配置される基板ホルダ1160と、基板ホルダ1160の後面に取付けられ遊技球を遊技領域5a内へ打ち込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板4100を収容する主制御基板ボックス1170と、主制御基板4100からの制御信号に基づいて所定の遊技状況を表示可能とされ前構成部材1110の所定位置に遊技者側へ視認可能に取付けられる機能表示ユニット1180と、を備えている。この遊技盤5は、図81乃至図87での図示は省略し詳細は後述するが、遊技パネル1150の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1150の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を更に備えている(図92乃至図98等を参照)。
本実施形態の遊技盤5は、前構成部材1110、遊技パネル1150、基板ホルダ1160、主制御基板ボックス1170、及び機能表示ユニット1180によって、基本的な構成が形成されており、遊技パネル1150に取付けられる表ユニット2000と裏ユニット3000、及び主制御基板ボックス1170内に収容される主制御基板4100によってパチンコ機1(遊技盤5)を特徴付ける詳細な構成が形成されている。ここでは、遊技盤5の基本構成を説明し、詳細構成については後述する。
[1−4A.前構成部材]
続いて、遊技盤5における前構成部材1110について説明する。本例の遊技盤5における前構成部材1110は、外形が本体枠4に対して挿入可能な略矩形状とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域5aの外周が区画されるようになっている。この前構成部材1110は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1111と、外レール1111に略沿って外レール1111の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1112と、内レール1112の下端から滑らかに連続するように正面視反時計回りの周方向へ沿って外レール1111の終端(上端)よりも下側の位置まで円弧状に延びた内周レール1113と、内周レール1113の終端(上端)と外レール1111の終端(上端)とを結び外レール1111に沿って転動してきた遊技球が当接可能とされた衝止部1114と、内レール1112と内周レール1113との境界部で遊技領域5aの最下端に配置され後方へ向かって低くなったアウト口誘導面1115と、内レール1112の上端に回動可能に軸支され、外レール1111との間を閉鎖するように内レール1112の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1111との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1116と、を備えている。
この前構成部材1110は、遊技盤5を本体枠4に取付けた状態とすると、外レール1111と内レール1112との間の下端開口が、本体枠4の球発射装置680における発射レール684の延長線上に位置するようになっている。この外レール1111の下端と、発射レール684の上端との間には、左右方向及び下方へ広がった空間が形成されており、球発射装置680の発射レール684に沿って打ち出された遊技球が、その空間を飛び越えて、外レール1111と内レール1112との間の下端開口から外レール1111と内レール1112との間へ打ち込まれるようになっている。外レール1111と内レール1112との間に打ち込まれた遊技球は、その勢いに応じて外レール1111に沿って上方へ転動し、内レール1112の上端に軸支された逆流防止部材1116を、その付勢力に抗して開放位置側へ回動させることにより、遊技領域5a内へ進入することができるようになっている。
また、球発射装置680において遊技球を強く打球した場合、遊技領域5a内で外レール1111に沿って転動した遊技球が、外レール1111の終端に備えられた衝止部1114に当接するようになっており、この衝止部1114に遊技球が当接することで遊技球の転動方向を強制的に変化させることができ、外レール1111から内周レール1113へ連続して遊技球が転動するのを防止することができるようになっている。なお、遊技領域5a内へ進入した(打ち込まれた)遊技球が、外レール1111と内レール1112との間へ戻ろうとしても、その前に逆流防止部材1116が付勢力によって閉鎖位置へ復帰することで、逆流防止部材1116によって遊技球の逆流が阻止されるようになっている。
また、遊技領域5a内へ打ち込まれた遊技球は、後述する表ユニット2000の始動口2101,2102や入賞口2103,2104,2201等に受入れられなかった場合は、遊技領域5aの下端へと流下し、内レール1112と内周レール1113との境界のアウト口誘導面1115によって、遊技パネル1150のアウト口1151へ誘導され、アウト口1151から遊技盤5の後側下方へ排出されるようになっている。
一方、球発射装置680から発射された遊技球が、内レール1112先端の逆流防止部材1116を越えて遊技領域5a内へ進入することができなかった場合は、外レール1111と内レール1112との間を逆方向の下方へ向かって転動し、外レール1111と内レール1112との間の下端開口から、発射レール684の上端と外レール1111の下端との間に形成されたファール空間を落下することとなり、ファール空間の下部に位置する扉枠3におけるファールカバーユニット520のファール球受口530に受入れられて、皿ユニット200における下皿202へ排出されるようになっている。
なお、前構成部材1110における外レール1111は、その表面に金属板が取付けられており、遊技球の転動による耐摩耗性が高められていると共に、遊技球が滑らかに転動するようになっている。また、衝止部1114は、表面にゴムや合成樹脂等の弾性体が配置されており、遊技球が外レール1111に沿って勢い良く転動してきて衝突しても、その衝撃を緩和させることができるようになっていると共に、遊技球を内側へ反発させることができるようになっている。
また、前構成部材1110は、外レール1111の下部外側から前方へ向かって突出した壁状の防犯突起1117と、アウト口誘導面1115の下側から内周レール1113に沿って上下方向の略中央まで延出し前端から所定量窪んだ溝状のレール防犯溝と、を備えている。前構成部材1110における防犯突起1117は、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とした時に、扉枠3における防犯カバー580の防犯後端部突片と上下方向に重複するようになっており、これにより、軸支側(正面視左側)における本体枠4と扉枠3との間からピアノ線等の不正具を侵入させても、不正具を遊技領域5a内まで到達させることができないようになっている。
また、本例の前構成部材1110は、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすると、レール防犯溝内に、扉枠3における防犯カバー580の防犯後突片が挿入されるようになっていると共に、防犯後突片が内レール1112の外側(遊技領域5aとは反対側)面に略接するように内レール1112と外レール1111との間に挿入されるようになっており、内レール1112及びレール防犯溝と防犯後突片とでも、本体枠4と扉枠3との間から侵入させたピアノ線等の不正具が遊技領域5a内へ到達するのを防止することができるようになっている。
また、前構成部材1110は、正面視左端に上下方向へ離間して配置され前方から後方へ向かって窪むと共に左端に開放された一対の位置決め凹部1119と、正面視右端に上下方向へ離間して配置された一対の遊技盤止め具1120と、外レール1111の下端よりも正面視左側に配置され下方へ開放されると共に上側が円弧状に形成され前側から窪んだ固定凹部1121と、正面視下端の左側端部付近に下端から上方へ左右方向へ長く延びた矩形状に切欠かれた球通路用切欠部1122と、を備えている。前構成部材1110の位置決め凹部1119は、本体枠4における側面防犯版950の内側に取付けられた位置決め部材956と嵌合させることで、本体枠4に挿入された遊技盤5の正面視左端が、前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。また、遊技盤止め具1120は、本体枠4における本体枠ベース600の遊技盤係止部608に対して着脱可能に係止することができるようになっており、遊技盤止め具1120を遊技盤係止部608に係止させることで、本体枠4に挿入された遊技盤5の正面視右端が、前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。
また、前構成部材1110の固定凹部1121は、遊技盤5を本体枠4へ挿入した状態で、本体枠4の前面に軸支された遊技盤ロック部材616を正面視で時計回りの方向へ回動させると、遊技盤ロック部材616の固定片が挿入されるようになっており、遊技盤ロック部材616によって遊技盤5の下端が前方へ移動するのが規制されるようになっている。また、前構成部材1110の球通路用切欠部1122は、遊技パネル1150の同位置にも同様の球通路用切欠部1152が形成されており、遊技盤5を本体枠4の開口部に対して挿入した状態では、球通路用切欠部1122,1152内に下部満タン球経路ユニット860の前端が挿通されるようになっている。
更に、前構成部材1110は、下端部における正面視右端近傍に、前後方向へ貫通した横長の貫通穴1123と、貫通穴1123の下辺における左右方向の中央から正面視左寄りの位置に前後方向の厚さを薄く形成した締結部1124と、貫通穴1123の正面視左側に配置され証明確認用の証紙を貼付るための証紙貼付部1125と、を備えている。この前構成部材1110における締結部1124は、詳細な図示は省略するが、本遊技盤を従前の本体枠に取付ける場合に、従前の本体枠に形成された締結穴に対して所定の締結バンドを互いに巻き掛けて締結することで、遊技盤5を取外し難くすることができ、遊技盤5の不正な取外しを防止することができるものである。
また、前構成部材1110は、内周レール1113に沿ったレール防犯溝の外側で正面視右下に、後述する機能表示ユニット1180の表示部1181が配置されている。また、前構成部材1110は、後面の下部の左右両端から後方へ突出した複数の取付ボス1126と、内レール1112の後面から後方へ突出した複数の位置決め突起1127と、を備えている。この取付ボス1126は、遊技パネル1150を貫通して基板ホルダ1160の固定ボス1162と係合するようになっており、基板ホルダ1160の後側から固定ボス1162を通して取付ボス1126へ所定のビスを螺着することで、前構成部材1110と基板ホルダ1160とで遊技パネル1150を挟持することができるようになっている。また、位置決め突起1127は、遊技パネル1150に形成された内レール固定孔1155へ嵌合させることで、内レール1112を遊技パネル1150の所定位置に固定することができるようになっている。
[1−4B.遊技パネル]
続いて、遊技盤5における遊技パネル1150について説明する。本例の遊技パネル1150は、所定厚さ(例えば、18mm〜21mm)のベニヤ合板等の木質板材によって形成されており、外形が前構成部材1110の外形と略同形状とされている。この遊技パネル1150は、正面視左右方向略中央の下部で前構成部材1110におけるアウト口誘導面1115と対応した位置に前後方向へ貫通するアウト口1151と、下端の正面視左側に前後方向へ横長に貫通すると共に下方へ開放され前構成部材1110の球通路用切欠部1122と同形状の球通路用切欠部1152と、正面視右下隅部に前後方向へ貫通し機能表示ユニット1180の後方突出部1182が挿入される挿入穴1153と、を備えている。
また、遊技パネル1150は、下部の左右両端付近で前構成部材1110の取付ボス1126と対応した位置に前後方向へ貫通した複数のボス挿通孔1154と、前構成部材1110の位置決め突起1127が挿入固定される複数の内レール固定孔1155と、アウト口1151の後面側で後面から前方へ向かって所定量窪むと共に下端側が下方へ開放された溝状のアウト球排出溝1156(図83を参照)と、前構成部材1110の遊技盤止め具1120と対応した位置に形成され正面視右端から前後方向へ貫通するように切欠かれた切欠部1157と、を備えている。また、遊技パネル1150は、適宜位置に前構成部材1110の後面に対して取付固定するための複数の取付孔を備えている。
本例の遊技盤5における遊技パネル1150は、前構成部材1110によって外周が区画される遊技領域5aの後端を区画することができるものであり、前面における遊技領域5aと対応した範囲内に、複数の障害釘(図示は省略)が所定のゲージ配列で植設されるようになっていると共に、表ユニット2000が取付けられるようになっている。また、遊技パネル1150の後面には、裏ユニット3000が取付けられるようになっている。また、遊技パネル1150は、アウト口1151が、遊技領域5aの最下端に位置するように形成されており、遊技盤5に組立てた状態では、前構成部材1110における遊技領域5aの最下端に形成されたアウト口誘導面1115によって後方へ誘導された遊技球がアウト口1151へ進入して遊技盤5の後側へ排出されるようになっている。
[1−4C.基板ホルダ]
次に、遊技盤5における基板ホルダ1160について説明する。基板ホルダ1160は、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されている。この基板ホルダ1160は、正面視左右方向の略中央における底壁部の前端に上下方向へ貫通するように形成されたアウト球排出部1161が形成されていると共に、底壁部の上面がアウト球排出部1161へ向かって低くなるように形成されており、遊技パネル1150のアウト口1151、表ユニットや裏ユニットから排出されて、基板ホルダ1160の底部上面に供給(排出)された遊技球が、アウト球排出部1161から下方へ排出されるようになっている。なお、アウト球排出部1161は、遊技盤5を本体枠4に取付けた状態とすると、本体枠4における基板ユニット800の排出球受部841の直上に位置するようになっており、遊技盤5から排出された遊技球は、すべて基板ユニット800の排出通路842を通ってパチンコ機1の後側下方へ排出されるようになっている。
また、基板ホルダ1160は、側壁部における上下両端の前端から前方へ突出した複数の固定ボス1162を備えている。複数の固定ボス1162は、先端が遊技パネル11520の後側からボス挿通孔1154内へ挿入された上で、前構成部材1110の取付ボス1126の後端と嵌合するようになっており、取付ボス1126と嵌合させた状態で、基板ホルダ1160の後側から固定ボス1162内を貫通して取付ボス1126へ所定のビスを螺着することで、前構成部材1110に対して基板ホルダ1160を組付けることができるようになっていると共に、前構成部材1110と基板ホルダ1160とで遊技パネル1150を挟持することができるようになっている。
また、基板ホルダ1160は、図83に示すように、後壁部における後面の背面視左側端部に主制御基板ボックス1170の固定片1174が横側から嵌合可能な固定部1163と、固定部1163と対向するように配置され主制御基板ボックス1170の弾性固定片1175が後方から係止可能な係止部1164と、を備えている。この基板ホルダ1160の固定部1163及び係止部1164によって、基板ホルダ1160の後面に主制御基板ボックス1170を着脱可能に支持することができるようになっている。
[1−4D.主制御基板ボックス]
続いて、遊技盤5における主制御基板ボックス1170について説明する。この主制御基板ボックス1170は、後側が開放された薄い横長箱状の基板ベース1171と、基板ベース1171の後面を覆い前側が開放された薄い横長箱状で基板ベース1171の内部へ後側から嵌合する基板カバー1172と、基板カバー1171の前端に電子部品や端子等が後面側に実装された主制御基板4100と、を備えている。また、主制御基板ボックス1170は、基板ベース1171における背面視左側端部から外方へ延出し基板ホルダ1160の固定部1163と嵌合する固定片1174と、基板カバー1172における背面視右側端部から後方へ突出し基板ホルダ1160の係止部1164に弾性係止される弾性固定片と、を備えている。
また、主制御基板ボックス1170は、図83等に示すように、弾性固定片1175を挟んで上下に二つずつ背面視右側端部に配置され基板ベース1171と基板カバー1172との開閉を封止可能な封止部1176と、基板ベース1171と基板カバー1172の下端で基板ベース1171と基板カバー1172とに跨って貼付けられる密封シール(図示は省略)と、密封シールの表面を被覆する透明なシール保護カバー1177と、基板カバー1172の後面に貼り付けられる基板管理シール1178と、を備えている。この主制御基板ボックス1170の封止部1176は、基板ユニット800における払出制御基板ボックス860の分離切断部863と同様の構成とされており、四つの封止部1176の何れか一つにおいてカシメ固定されている。この主制御基板ボックス1170は、基板ベース1171と基板カバー1172とを分離するには、カシメ固定された封止部1176を切断する必要があり、主制御基板ボックス1170の開閉の痕跡が残るようになっている。これにより、主制御基板ボックス1170が不正に開かれたか否かが外部から目視で明瞭に判別することができるようになっている。
なお、主制御基板ボックス1170の封止部1176は、本例では四つ備えられているので、主制御基板ボックス1170を三回まで開閉することができるようになっている。また、本例の主制御基板ボックス1170は、基板ベース1171と基板カバー1172とに跨って密封シールが貼付られており、基板ベース1171と基板カバー1172とを分離させる際に、密封シールを切断したり剥したりする必要があり、この密封シールにおいても開閉の痕跡が残るようになっている。従って、主制御基板ボックス1170が不正に開閉されて、内部の主制御基板4100が不正に改造されたり、不正な主制御基板(或いは、遊技内容のプログラム等を記憶したROM)と交換されたりしても、外部から目視で確認することができ、それらの不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。
また、主制御基板ボックス1170は、基板カバー1172の前後方向へ貫通した開口が適宜位置に形成されており、その開口を通して主制御基板4100に取付けられた、RAMクリアスイッチ4100cや試験用端子4100f、周辺制御基板4010や払出制御基板4110等と接続するための各種接続端子等が後側へ臨むようになっている。なお、主制御基板ボックス1170の後面から臨む試験用端子4100fに、所定の計測機器を接続することで、主制御基板ボックス1170を開けることなく主制御基板4100を外部からチェックすることができると共に、上述の封止部1176や密封シールに対して巧妙な細工がなされていても、主制御基板4100に対する不正な改造の有無を目視以外に確認することができ、防犯性能の高いパチンコ機1とすることができるようになっている。
[1−4E.機能表示ユニット]
次に、遊技盤5における機能表示ユニット1180について説明する。この機能表示ユニット1180は、前構成部材1110の所定位置に取付配置されるものであり、前構成部材1110の前面で遊技者側から視認可能に配置される表示部1181と、前構成部材1110の後面よりも後方へ突出した後方突出部1182と、を備えている。
本例の機能表示ユニット1180の表示部1181には、図84(A)に拡大して示すように、正面視左側端部に遊技領域5a内へ打ち込まれた遊技球によって変化する遊技状態を表示するための一つのLEDからなる遊技状態表示器1183と、遊技状態表示器1183の右側で上下方向へ並んだ二つのLEDからなり第一始動口2101への遊技球の受入れに関する保留数を表示するための第一特別図柄記憶表示器1184と、第一特別図柄記憶表示器1184の右側に配置され第一始動口2101への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果を第一特別図柄として表示するための一つの7セグメントLEDからなる第一特別図柄表示器1185と、第一特別図柄表示器1185の右斜め上に配置され第二始動口2102への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果を第二特別図柄として表示するための一つの7セグメントLEDからなる第二特別図柄表示器1186と、第二特別図柄表示器1186の右側で上下方向へ並んだ二つのLEDからなり第二始動口2102への遊技球の受入れに関する保留数を表示するための第二特別図柄記憶表示器1187と、を備えている。
また、機能表示ユニット1180の表示部1181には、第二特別図柄表示器1186の直上から内周レール1113に略沿った円弧状に並んで配置され遊技球によるゲート部2301の通過に関する保留数を表示するための四つのLEDからなる普通図柄記憶表示器1188と、普通図柄記憶表示器の下側に配置され遊技球がゲート部2301を通過することで抽選された普通抽選結果を普通図柄として表示するための一つのLEDからなる普通図柄表示器1189と、普通図柄記憶表示器1188の斜め右上側へ並んで配置され第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「大当り」の時に大入賞口2103の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示するための二つのLEDからなるラウンド表示器1190と、を備えている。
本例の機能表示ユニット1180における遊技状態表示器1183は、赤色・緑色・橙色と、その発光色を変化させることが可能なカラーLEDとされており、発光する発光色と、点灯・点滅との組合せにより、様々な遊技状態(例えば、低確率非時短状態、時短状態、高確率非時短状態、高確率時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態、等)を表示することができるようになっている。
また、機能表示ユニット1180における第一特別図柄記憶表示器1184は、第一特別図柄表示器1185において第一特別図柄を変動表示させることができない時に、第一始動口2101へ遊技球が受入れられた場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された第一特別図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この第一特別図柄記憶表示器1184は、所定のLEDからなる第一特別図柄記憶ランプ1184aと、第一特別図柄記憶ランプ1184bとを有しており、第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bの点灯・点滅パターンによって、保留数を表示することができるようになっている。具体的には、例えば、保留数が一つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184aが点灯して第一特別図柄記憶ランプ1184bが消灯し、保留数が二つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bが共に点灯し、保留数が三つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184aが点滅して第一特別図柄記憶ランプ1184bが点灯し、保留数が四つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bが共に点滅するようになっている。なお、本例では、四つまで保留されるようになっている。
また、機能表示ユニット1180における第二特別図柄記憶表示器1187は、第二特別図柄表示器1186において第二特別図柄を変動表示させることができない時に、第二始動口2102へ遊技球が受入れられた場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された第二特別図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この第二特別図柄記憶表示器1187は、所定のLEDからなる第二特別図柄記憶ランプ1187aと、第二特別図柄記憶ランプ1187bとを有しており、第二特別図柄記憶ランプ1187a,1187bの点灯・点滅パターンによって、保留数を表示することができるようになっている。具体的には、例えば、保留数が一つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187aが点灯して第二特別図柄記憶ランプ1187bが消灯し、保留数が二つの時には第二特別図柄記憶表示ランプ1187a,1187bが共に点灯し、保留数が三つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187aが点滅して第二特別図柄記憶ランプ1187bが点灯し、保留数が四つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187a,1187bが共に点滅するようになっている。なお、本例では、四つまで保留されるようになっている。
更に、機能表示ユニット1180における第一特別図柄表示器1185及び第二特別図柄表示器1186は、第一始動口2101や第二始動口2102への遊技球の受入れにより、抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を表示するものであり、7セグメントLEDが変動パターンに応じた所定の時間、変動した後に停止し、停止した7セグメントLEDの発光パターン(特別図柄)によって、第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を遊技者側に認識させることができるようになっている。
また、機能表示ユニット1180における普通図柄表示器1189は、赤色・緑色・橙色と、その発光色を変化させることが可能なカラーLEDとされており、発光する発光色と、点灯・点滅との組合せにより、ゲート部2301を遊技球が通過することで抽選される普通抽選結果を表示することができるようになっている。なお、普通図柄表示器1189による普通図柄の表示も、特別図柄と同様に、所定時間変動表示した後に、普通抽選結果に対応した発光パターンで停止表示するようになっている。
また、機能表示ユニット1180における普通図柄記憶表示器1188は、普通図柄表示器1189において普通図柄を変動表示させることができない時に、ゲート部2301を遊技球が通過した場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された普通図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この普通図柄記憶表示器1188は、下から並んで配置された四つの普通図柄記憶ランプ1188a〜1188dを備え、夫々が所定のLEDとされており、保留数に応じて下から普通図柄記憶ランプ1188a〜1188dを順次点灯させることで普通図柄の保留数を表示させることができるようになっている。なお、本例では、普通図柄の変動表示が四つまで保留(記憶)されるようになっている。
更に、機能表示ユニット1180におけるラウンド表示器1190は、所定のLEDからなる4ラウンド表示ランプ1190aと、16ラウンド表示ランプ1190bとを備えており、夫々のランプが点灯することで「大当り」遊技におけるラウンド数を表示することができるようになっている。
本例の機能表示ユニット1180は、図84(A)に示すように、遊技盤5をパチンコ機1に取付けた状態で、扉枠3の遊技窓111を通して遊技者側から視認することができるようになっている。また、機能表示ユニット1180の遊技状態表示器1183、第一特別図柄記憶表示器1184、第一特別図柄表示器1185、第二特別図柄表示器1186、第二特別図柄記憶表示器1187、普通図柄記憶表示器1188、普通図柄表示器1189、及びラウンド表示器1190は、機能表示基板1191(図143を参照)の前面に取付けられている。また、機能表示ユニット1180の後方突出部1182の後端には、機能表示基板1191と、主制御基板4100とを接続するための接続端子が取付けられている。
本例では、機能表示ユニット1180を遊技盤5の前構成部材1110に備えるようにしているので、遊技パネル1150に取付けられる表ユニット2000や裏ユニット300に備えるようにした場合と比較して、機能表示ユニット1180を遊技盤5の基本構成として流用することができ、パチンコ機1に係る構成を簡略化してコストが増加するのを防止することができると共に、パチンコ機1の機種(表ユニット2000や裏ユニット3000により具現化されパチンコ機1の機種を特徴付けることが可能な遊技盤5の詳細構成)が異なっていても、機能表示ユニット1180の表示部1181の位置が変化しないので、遊技者や遊技ホールの店員等に対して、戸惑うことなく表示部1181の位置を認識させることができるようになっている。
また、パチンコ機1の機能表示ユニット1180としては、図84(B)に示すような形態としても良い。この例では、7セグメントLEDにより構成した第一特別図柄表示器1185と第二特別図柄表示器1186を、夫々八つのLED群によって構成したものである。また、第一特別図柄記憶表示器1184と第二特別図柄記憶表示器1187を、夫々四つのLED群により構成すると共に、普通図柄記憶表示器1188を、二つのLEDにより構成するようにしている。
この機能表示ユニット1180でも上記と同様の作用効果を奏することができる他に、第一特別図柄表示器1185と第二特別図柄表示器1186を八つのLED群で構成するようにしているので、7セグメントLEDを用いた場合と比較して、遊技者に対して表示される特別図柄を憶え難くすることができる。従って、機能表示ユニット1180で表示されている内容が判り辛いので、遊技中に機能表示ユニット1180の表示が気掛かりとなって遊技に専念し難くなるのを抑制することができ、遊技球の動き、可動演出や演出画像等に専念させて遊技をより楽しませることができるようになっている。
[1−4F.遊技パネルの第二実施形態]
続いて、上記した遊技盤5における遊技パネル1150とは異なる形態の遊技パネル1200について、図85乃至図87を参照して説明する。なお、図85乃至図87における前構成部材1110、基板ホルダ1160、及び主制御基板ボックス1170は、上述したものと同一の構成とされており、ここでの詳細な説明は省略する。本実施形態の遊技パネル1200は、上述した遊技パネル1150よりも厚さが薄く前構成部材1110によって外周が区画された遊技領域5aの後端を区画可能な板状で前構成部材1110の外形よりも外形が小さく形成されたパネル板1210と、パネル板1210を前側から脱着可能に保持すると共に前構成部材1110の後面に取付けられる枠状のパネルホルダ1220と、を備えている。
この遊技パネル1200パネル板1210は、その外形が遊技領域5aよりも若干大きい多角形状とされており、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の合成樹脂板や、ガラスや金属等の無機質板により形成されている。このパネル板1210の板厚は、パネルホルダ1220(遊技パネル1150)よりも薄く、障害釘Gを前面に植設したり表ユニット2000を取付けたりしても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされている。なお、本例では、透明な合成樹脂板によってパネル板1210が形成されている。
このパネル板1210は、外周近傍に配置され前後方向に貫通する丸孔からなる複数の嵌合孔1211と、左下部の外周近傍に配置され前後方向に貫通し上下方向に延びる長孔1212と、を備えている。これら嵌合孔1211及び長孔1212は、遊技領域5aよりも外側に配置されており、パネルホルダ1220との位置決めを行うものである。また、パネル板1210には、その上辺の両端と下辺の両端に、前側が窪んだ段状の係合段部1213が夫々備えられている。この係合段部1213は、パネル板1210の板厚の略半分まで切欠いた形態とされると共に、嵌合孔1211及び長孔1212と同様に、遊技領域5aよりも外側に配置されており、パネル板1210をパネルホルダ1220へ係合固定するためのものである。
また、パネル板1210は、所定位置に内レール固定孔1214が複数備えられている。この内レール固定孔1214に内レール1112の後側から突出する位置決め突起1127を嵌合固定させることで、内レール1112を所定の位置に固定することができるようになっている。更に、パネル板1210は、詳細は後述するが、アタッカユニット2100やセンター役物2500等の表ユニット2000を取付けるための前後方向へ貫通した複数の開口部1215を備えており、開口部1215に対して前側からアタッカユニット2100等が挿入固定されるようになっている(図97等を参照)。
一方、遊技パネル1200におけるパネルホルダ1220は、パネル板1210を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、上述した木質板からなる遊技パネル1150の厚さと略同じ厚さ(本例では、約20mm)とされた合成樹脂(例えば、熱可塑性合成樹脂)からなるものである。このパネルホルダ1220には、パネル板1210を着脱可能に保持し前面側から後方側に向かって凹んだ保持段部1221と、保持段部1221の内側において略遊技領域5aと同等の大きさで前後方向に貫通する貫通口1222とを主に備えている。
パネルホルダ1220の保持段部1221は、前面からの深さがパネル板1210の厚さと略同じ深さとされており、保持段部1221内に保持されたパネル板1210の前面がパネルホルダ1220の前面と略同一面となるようになっている。また、この保持段部1221は、その前側内周面が、パネル板1210の外周面に対して所定量のクリアランスが形成される大きさとされている。このクリアランスにより、温度変化や経時変化により相対的にパネル板1210が伸縮しても、その伸縮を吸収できるようになっている。なお、クリアランス内にゴム等の弾性部材を詰めても良い。
また、パネルホルダ1220には、保持段部1221に保持されるパネル板1210に形成された嵌合孔1211及び長孔1212と対応する位置に配置され、保持段部1221の前面から前方に向かって延び、パネル板1210の嵌合孔1211及び長孔1212に嵌合及び挿通可能な複数の突出ピン1223を備えている。これらの突出ピン1223をパネル板1210の嵌合孔1211及び長孔1212に嵌合及び挿通することで、パネルホルダ1220とパネル板1210とを互いに位置決めすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ1220には、パネル板1210の係合段部1213と対応する位置に、係合段部1213と係合する係合爪1224及び係合片1225を供えている。詳述すると、係合爪1224は、パネルホルダ1220の上側の保持段部1221に配置されており、パネル板1210における上側の係合段部1213と対応し、保持段部1221の前面から前方に向かって突出し係合段部1213と弾性係合するようになっている。この係合爪1224は、その先端がパネルホルダ1220の前面から突出しない大きさとされている。一方、係合片1225は、パネルホルダ1220の下側の保持段部1221に配置され、パネル板1210における下側の係合段部1213と対応し、保持段部1221の前面との間にパネル板1210の係合段部1213が挿入可能な大きさの所定の隙間を形成した状態で、パネルホルダ1220の前面に沿って上側(中心側)に向かって所定量延びる形態とされている。これら係合爪1224及び係合片1225にパネル板1210の係合段部1213を係合させることで、パネル板1210がパネルホルダ1220に対して着脱可能に保持されるようになっている。
また、パネルホルダ1220には、前構成部材1110に備えられた取付ボス1126を挿通可能な前後方向に貫通するボス挿通孔1226を備えており、このボス挿通孔1226に前構成部材1110の取付ボス1126を挿通することで、パネルホルダ1220と前構成部材1110とが互いに位置決めされるようになっている。
このパネルホルダ1220には、図86に示すように、その後面側に、上下方向の中央やや下方より下側と外周縁を残すように前側に所定量窪んだ形態の取付支持部1227が備えられている。この取付支持部1227により、パネルホルダ1220の後面は、下端より所定高さまでの所定範囲より上側で、後面側外周部が後方に突出したような状態で窪んだ形態となると共に、その窪み量(深さ)が、取付支持部1227に取付固定される裏ユニット3000における裏箱3010のフランジ状の固定部3010c(図137等を参照)を収容できる深さ(本例では、約2.5mmとされており、1〜3mmの間とすることが望ましい)とされている。この取付支持部1227に所定の部材を取付固定することで、その固定部3010cがパネルホルダ1220よりも後側に突出するのを防止することができ、パネルホルダ1220すなわち遊技盤5を本体枠4(パチンコ機1)の本体枠4の開口部内に確実に設置装着できるようになっている。
更に、パネルホルダ1220には、図示するように、後面側の取付支持部1227内及び収容凹部630hよりも上側に配置され所定のビスを螺合可能な複数の取付孔1228が所定配列で配置されている。また、パネルホルダ1220には、取付孔1228と対応するように配置される複数の位置決め孔1229が備えられている。この位置決め孔1229は、取付孔1228を用いて取付固定される部材に形成された位置決め突起(例えば、裏箱3010における前面のフランジ状に形成された固定部3010cから前方へ突出する位置決め突起(図示は省略する))が挿入されるものである。なお、本例では、位置決め孔1229は、背面視略矩形状(角孔状)の止り孔とされている。
なお、取付孔1228に対して、その孔の内径が大径のものと小径のものとを混在させるようにして、取付固定する所定の部材の大きさや重量等に応じて、適宜径の取付孔1228を用いるようにしても良い。
また、パネルホルダ1220には、少なくとも下端から所定高さまでの所定範囲では後面側に開口する複数の肉抜き部1230が形成されており、肉抜き部1230によりパネルホルダ1220の重量が軽減されるようになっている。図85に示すように、収容凹部630hの前側、つまり、パネルホルダ1220の前面側の下端から所定高さまでの所定範囲内には、これらの肉抜き部1230が形成されておらず、その範囲内では、パネルホルダ1220の前面が略平らな面となるようになっているので、その前面に配置される前構成部材1110の後面が略平らな面となり、球発射装置680から発射された遊技球が、滑らかに案内されるようになっている。また、このパネルホルダ1220は、図示するように、肉抜き部1230が形成されることで、取付孔1228等がボス状に形成されると共に、それらを支持したりパネルホルダ1220の強度を維持したりするために、箱状のリブが形成された状態となっている。
なお、このパネルホルダ1220には、障害釘植設装置(図示しない)や、組立治具等の位置決め手段に対応した位置決め部1231が形成されており、障害釘植設装置に遊技パネル1150を保持した状態でセットできるようになっている。また、パネルホルダ1220の下部には、前構成部材1110のアウト口誘導面1115と対応した位置に前後方向へ貫通するアウト口1232と、下端の正面視左側に前後方向へ横長に貫通すると共に下方へ開放され前構成部材1110の球通路用切欠部1122と同形状の球通路用切欠部1233と、正面視右下隅部に前後方向へ貫通し機能表示ユニット1180の後方突出部1182が挿入される挿入穴1234と、を備えている。
また、パネルホルダ1220は、アウト口1232の後面側で後面から前方へ向かって所定量窪むと共に下端側が下方へ開放された溝状のアウト球排出溝1235(図86を参照)と、前構成部材1110の遊技盤止め具1120と対応した位置に形成され正面視右端から前後方向へ貫通するように切欠かれた切欠部1236と、を備えている。また、パネルホルダ1220は、適宜位置に前構成部材1110の後面に対して取付固定するための複数の取付孔を備えている。
このパネルホルダ1220におけるアウト球排出溝1235は、遊技盤5を本体枠4に挿入保持させると、本体枠4(本体枠ベース600における遊技盤載置部606の上面)に備えられた位置決め突起607と嵌合するようになっており、アウト球排出溝1235が位置決め突起607と嵌合することで、本体枠4に対して遊技盤5が左右方向へ相対移動するのが規制されるようになっている。
本実施形態の遊技パネル1200は、前方からパネルホルダ1220の保持段部1221内へパネル板1210を嵌合挿入して、係合爪1224及び係合片1225と、係合段部1213とを係合させることで、パネルホルダ1220にパネル板1210を保持させることができると共に、パネル板1210とパネルホルダ1220の前面側が略面一となるようになっており、従来より用いられている障害釘植設装置を改造等しなくてもパネル板1210をパネルホルダ1220に保持した状態で従前の障害釘植設装置にセットすることが可能となり、障害釘Gの植設にかかるコストが増加するのを抑制することができるようになっている。
また、本例の遊技パネル1200は、図示は省略するが、パネル板1210の前面における遊技領域5aと対応した範囲内に、複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設されるようになっていると共に、表ユニット2000が取付けられるようになっている。また、パネルホルダ1220の後面には、裏ユニット3000が取付けられるようになっている。これにより、薄いパネル板1210においては、表ユニットのみを支持するようにしているので、表ユニットの荷重によってパネル板1210が歪むのを防止することができるようになっている。
更に、遊技パネル1200を、パネル板1210とパネルホルダ1220とによる分割構造としているので、パネル板1210を透明板としても遊技パネル1200全体の重量が増加するのを抑制することができ、透明なパネル板1210を通して遊技領域5aの後側が遊技者から見えるパチンコ機1を具現化することができ、遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができるようになっている。
また、遊技パネル1200を、パネル板1210、及びパネルホルダ1220に分割するようにしているので、パチンコ機1の機種によって障害釘や入賞口等の位置が変化するパネル板1210を交換パーツとすると共に、パネルホルダ1220を共通パーツとすることができ、パネル板1210のみを交換するだけで種々の機種に対応可能な遊技盤5を備えたパチンコ機1とすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ1220に予め複数の取付孔1228が所定配列で備えられているので、機種に応じてパネルホルダ1220の後面側に取付固定される裏ユニット3000等の種々の所定部材の取付固定位置が異なる位置となっていても、各種部材の固定部を取付孔1228の位置と対応させるように設計することで、パネルホルダ1220を機種に依存しないパチンコ機1の共通パーツとすることができるようになっている。
[1−4G.前構成部材の第二実施形態]
次に、上記した遊技盤5における前構成部材1110とは異なる形態の前構成部材1110Aについて、図88及び図89を参照して説明する。なお、図88及び図90における遊技パネル1200、基板ホルダ1160、及び主制御基板ボックス1170は、パネル板1210の外形とパネルホルダ1220の貫通口1222の内形が、図85乃至図87の実施形態と異なるのみで、図85乃至図87の例と同一の構成とされており、ここでの詳細な説明は省略する。
図88及び図89に示す前構成部材1110Aは、上記の前構成部材1110と比較して、前後方向に貫通した内周形状の一部が異なっている他に、機能表示ユニット1180を備えていない点が大きく異なっている。なお、その他の構成については、前構成部材1110と同様であり、同一の符号を付すと共に、詳細な説明は省略する。また、この前構成部材1110Aを用いた遊技盤5では、機能表示ユニット1180が、遊技盤5における表ユニット2000又は裏ユニット3000の何れかに備えられるようになっている(本例では、表ユニット2000に備えられている)。
この前構成部材1110Aは、図示するように、枠状の内周形状が、アウト口誘導面1115を基点として正面視で時計回りの方向へ内レール1112及び外レール1111の衝止部1114までの形状が、前述の前構成部材1110と同じ形状に形成されており、衝止部1114から時計回りの方向へアウト口誘導面1115までの形状が、前述の前構成部材1110とは異なる形状となっている。具体的には、衝止部1114から衝止部1114の直下に配置された右側の証紙貼付部1125の直上までの間が緩やかな円弧状に形成されていると共に、円弧状の下端からアウト口誘導面1115までの間がアウト口誘導面1115へ向かって低くなるように傾斜した直線状に形成されている。
本例の前構成部材1110Aは、前述の前構成部材1110と比較して、遊技領域5aがより広く確保することができるようになっており、広い遊技領域5aによって遊技者をより楽しませることができるようになっている。
なお、図88及び図89の例では、前構成部材1110Aの後側に遊技パネル1200を取付けるものを示したが、これに限定するものではなく、前構成部材1110Aの後側に図82及び図83に示すような一枚の板からなる遊技パネル1150を取付けるようにしても良い。
[1−5.パチンコ機の防犯構造]
続いて、本実施形態のパチンコ機1における防犯構造について、主に図90及び図91を参照して説明する。図90は、パチンコ機の軸支側における防犯構造を示す部分断面図である。また、図91は、遊技盤を収容した状態で後側から見た斜視図である。
まず、本例のパチンコ機1における軸支側の防犯構造は、図90に示すように、本体枠4における合成樹脂によって形成された本体枠ベース600の軸支側(正面視で左側)の側面に取付けられる金属製の防犯側面板950と、扉枠3における合成樹脂によって形成された扉枠ベース110の後面に取付けられる金属製の補強ユニット151とによって構成されている。
本体枠4の防犯側面板950は、上述したように、金属(例えば、アルミ合金)製の押出型材によって形成されており、上下方向の寸法が本体枠ベース600の上下方向の寸法と略同じ寸法とされると共に、前後方向の寸法が遊技盤5における前構成部材1110と遊技パネル1150とを合せた前後方向の寸法よりも大きい寸法とされている。この側面防犯板950は、上下方向へ延びると共に前後方向へ延び本体枠4の側面を形成する板状の側面片952aと、側面片952aの前端から略直角方向内側(開放側)へ延びた前端片952bと、前端片952bの後側に所定量の隙間を形成するように側面片952aから前端片952bに沿って延びた中片952cと、側面片952aの後端から略直角方向内側へ延びた後端片952dとを備えている。これにより、防犯側面板950の前端は、前端片952bと中片952cとによって内側(開放側)に開口する断面が略コ字状に形成されている。
また、側面防犯板950(本体952)は、側板片952aの面に対して直角方向へ配置された前端片952b、中片952c、及び後端片952dにより、側面防犯板950の強度・剛性が高められており、本体枠4全体の強度を高めて遊技盤5や扉枠3等を良好に支持することができるようになっている。
一方、扉枠3の補強ユニット151は、上述したように、複数の長尺状の金属板をスポット溶接やリベット等を用いて扉枠3における遊技窓111の外周を囲うように枠状に形成したものであり、軸支側の軸支側補強板金152の外側辺には外側(軸支側)に開口した断面が略コ字状の軸支側コ字状突片166を備えている。この補強ユニット151の軸支側補強板金152では、軸支側コ字状突片166によって軸支側補強板金152の強度がより高められており、軸支側補強板金152が曲がり難くなっている。
ところで、本例では、扉枠3が本体枠4に対して上軸支部156と下軸支部158の上下の二点でのみ取付支持されるようになっているので、軸支側の扉枠3と本体枠4との間にドライバーやバール等の不正な工具が差込まれると、軸支側補強板金152が変形して扉枠3と本体枠4との隙間が大きくなりその隙間を介して不正行為が行われる虞がある。これに対して、本例の防犯構造は、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすると、防犯側面板950の前端内側に形成された前端片952bと中片952cとの間に扉枠3における補強ユニット151の略コ字状に形成された軸支側コ字状突片166の後側の片が挿入される(侵入する)ようになっており、前端片952aを軸支側コ字状突片166で挟持した状態となるようになっている。これにより、本体枠4に対して扉枠3を無理やり開けようとしても、扉枠3の軸支側コ字状突片166が本体枠4の前端片952bの後面側に当接して扉枠3の軸支側コ字状突片166が本体枠4から離れる方向へ移動するのを阻止することができるので、閉鎖された扉枠3が抉じ開けられるのを防止することができ、本体枠4に対して扉枠3を抉じ開けるような不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。
また、本体枠4における金属により形成された防犯側面板950と、扉枠3における金属により形成された補強ユニット151とを嵌合させるようにしているので、本体枠4と扉枠3との間の強度・剛性が高くなり、不正な工具によって本体枠4や扉枠3を歪み難くすることができ、防犯性能を高めることができるようになっている。
更に、防犯側面板950における側面片952aの後端が遊技盤5における遊技パネル1150よりも後方へ延出するようにしているので、仮に側面片952aの後端よりも後側の本体枠ベース600が破壊されても、側面片952aの後端から遊技盤5(遊技パネル1150)の前面の遊技領域5a内へピアノ線等の不正な工具を侵入させることができず、不正行為が行われるのを確実に防止することができるようになっている。なお、図90に示すように、防犯側面板950の外側を覆うように外枠2の側枠板12が接しているので、堅牢な側面を有したパチンコ機1となっており、側面側からの破壊行為に対して充分に対抗できるようになっている。また、一般的に、パチンコ機1を設置する遊技ホールでは、パチンコ機1の側面がパチンコ機1を設置するための島設備の枠内に挿入固定されるようになっているので、遊技者側(前側)からは側面片952cの後端よりも後側へ不正工具を侵入させることはほとんど不可能な状態となり、パチンコ機1の防犯性能をより高められた状態となるようになっている。
続いて、本例のパチンコ機1における後方側からの防犯構造としては、図91に示すように、遊技盤5を収容する本体枠4における賞球ベース790、タンクレール803、払出装置830のユニットベース、下部満タン球経路ユニット860、及び裏カバー900が、透明な合成樹脂によって形成されているので、本体枠4内に収容された遊技盤5の後側や側面側を、遊技盤5を本体枠4から取外したり裏カバー900を開けたりしなくても、本体枠4の後側から視認することができるようになっている。これにより、遊技盤5の後側等に不正な装置が取付けられていても、容易に発見することができ、不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。また、遊技盤5に取付けられた不正な装置等を外側から簡単に発見することができるので、不正な装置の取付けを躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力を高めることができるようになっている。
また、本体枠4の後側から遊技盤5の後側や側面側を、透明な賞球ベース710や裏カバー900等を通して視認することができるので、メンテナンスや機種の変更を行うために本体枠4に対して遊技盤5を脱着した際、本体枠4と遊技盤5との間に、ドライバーやペンチ等の工具、洗浄用のウエス、埃やゴミ、等が残留した場合でも、それらを外側から簡単に発見することができ、それらによって何らかの不具合が発生するのを防止することができるようになっていると共に、パチンコ機1に対するメンテナンス性を向上させることができるようになっている。
[2.遊技盤の詳細構成]
続いて、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤5の詳細な構成について、図92乃至図97を参照して説明する。図92はパチンコ機における遊技盤の正面図であり、図93は遊技盤を斜め右前から見た斜視図であり、図94は遊技盤を斜め左前から見た斜視図である。また、図95は、遊技盤を後から見た斜視図である。更に、図96は遊技盤を構成する主な部材毎に分解して斜め前から見た斜視図であり、図97は遊技盤を構成する主な部材毎に分解して斜め後から見た斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1における遊技盤5は、外レール1111及び内レール1112を有し、遊技者がハンドル装置500を操作することで遊技媒体としての遊技球(単に「球」とも称す)が打ち込まれる遊技領域5aの内周を区画形成する枠状の前構成部材1110Aと、前構成部材1110Aの後側に遊技領域5aを閉鎖するように取付けられ遊技領域5aと対応する位置に所定形状で前後方向へ貫通した複数の開口部1158(図96等を参照)を有し遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1150と、を備えている。
本例の遊技パネル1150は、ベニヤ板等の木製の合板により形成されている。
また、遊技盤5は、遊技パネル1150の開口部1158に対して前側から取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1150の後面に取付けられる裏ユニット3000と、裏ユニット3000の後側に遊技者側から視認可能に取付けられ所定の演出画像を表示可能な液晶表示装置1900と、裏ユニット3000の下部を後側から覆うように遊技パネル1150の後面下部に取付けられる基板ホルダ1160と、基板ホルダ1160の後面に取付けられる主制御基板ボックス1170と、を備えている。
本例の遊技盤5における表ユニット2000は、遊技領域5a内の下部でアウト口1151の直上から正面視右方向へ延びるように配置されたアタッカユニット2100と、アタッカユニット2100の右端前面でパチンコ機1へ取付けた時に扉枠3の遊技窓111から遊技者側へ視認可能となる位置に取付けられ遊技状態等を表示可能な機能表示ユニット1180と、アタッカユニット2100の左側で遊技領域5aの内周に沿って配置された表サイドユニット2200と、遊技領域5aの略中央部分に配置された枠状のセンター役物2500と、を備えている。
また、遊技盤5における裏ユニット3000は、遊技パネル1150の後側に取付けられ前側が開放されると共に後壁3010aに液晶表示装置1900の表示画面が臨み前後方向に貫通する開口3010bが形成された裏箱3010と、裏箱3010内における開口3010bの上側及び左右両側に亘って配置される裏横演出ユニット3100と、裏箱3010内における開口3010bの上側に配置される裏上演出ユニット3300と、裏箱3010内における開口3010bの下側に配置される裏下演出ユニット3500と、を備えている。
また、遊技盤5における液晶表示装置1900の後側には、詳細は後述するが、周辺制御部4140及び液晶制御部4150を有した周辺制御基板4010(図143を参照)を収容する周辺制御基板ボックス1910と、バックライトとしての冷陰極管を駆動するためのインバータを有したインバータ基板1922を収容するインバータ基板ボックス1920と、を備えている。
本実施形態のパチンコ機1における遊技盤5は、遊技パネル1150に取付けられたセンター役物2500によって遊技領域5aが左右に分割されるようになっており、センター役物2500の右側の外周と遊技領域5aの内周(前構成部材1110Aの内周)との間では遊技球の外径よりも若干大きい幅の領域とされていると共に、センター役物2500の左側の外周と遊技領域5aの内周(前構成部材1110Aの内周)との間では遊技球が充分に流通可能な広い領域とされており、遊技領域5aにおけるセンター役物2500の左側と下側の領域内において、遊技パネル1150の前面に、複数の障害釘(図示は省略)が所定のゲージ配列で植設されている。
本例の遊技盤5は、センター役物2500の右側へ遊技球を打込む(所定以上の強さで打込む)と、センター役物2500の右側外周を通ってアタッカユニット2100における第四ユニット2140の案内通路部材2142へと流下し、案内通路部材2142の案内通路2142aに案内されてゲート部2105の直上から下方へ放出され、極めて高い確率でゲート部2105を遊技球が通過するようになっている。つまり、所謂右打ちを行うことで簡単に遊技球をゲート部2105へ進入させることができるようになっている。
また、詳細は後述するが、本例では、図112に示されるように、時短状態でゲート部2105を遊技球が通過してゲートセンサ2126により検知されると、極めて短時間で普通抽選結果が抽選されて実行されるようになっているので、普通抽選結果が「当り」であれば、可動片2106が後退して第二始動口2102への遊技球の受入れが可能となり、ゲート部2105へ進入した遊技球がそのまま第二始動口2102へ入賞するようになっている。なお、普通抽選が「ハズレ」の場合は、ゲート部2105を通過した遊技球が、大入賞口2103の上側へ放出されるようになっている。従って、右打ちを行うことで、第二始動口2102や大入賞口2103を直接的に狙った遊技を行うことができるようになっている。
一方、センター役物2500の左側へ遊技球を打ち込む(所謂左打ち)と、植設された複数の障害釘によって遊技球が、表サイドユニット2200やアタッカユニット2100の方向へ誘導されることで、表サイドユニット2200の一般入賞口2201や、アタッカユニット2100の第一始動口2101、一般入賞口2104等へ遊技球を入賞させることが可能となっている。また、センター役物2500のステージ2510へと繋がるワープ入口2504へ誘導されてワープ入口2504へ遊技球が進入すると、センター役物2500のステージ2510へ遊技球が供給されるようになっており、ステージ2510へ供給された遊技球はステージ2510上を左右方向へ転動し、障害釘による動きとは異なる動きを楽しませることができると共に、ステージ2510のチャンス出口2514から遊技球が遊技領域5a内へ放出されると、高い確率でアタッカユニット2100の第一始動口2101へ入賞させることができるようになっている。
このように、本実施形態の遊技盤5では、センター役物2500の右側と左側とでは、異なる印象の遊技を行うことができるようになっており、多彩な遊技を提供して飽き難くすることができるようになっている。
[2−1.表ユニットの全体構成]
次に、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤5の表ユニット2000の全体構成について、図98及び図99を参照して説明する。図98は遊技盤における表ユニットを前から見た斜視図であり、図99は遊技盤における表ユニットを後から見た斜視図である。
遊技盤5における表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向略中央下部でアウト口1151の直上から右側へ延びるように配置され遊技パネル1150の前面に支持されるアタッカユニット2100と、アタッカユニット2100における正面視右端前面に取付けられる機能表示ユニット1180と、アタッカユニット2100の左側に配置され遊技領域5aの内周に略沿って円弧状に延びた表サイドユニット2200と、遊技領域5aの略中央部から遊技領域の右寄りに配置され遊技パネル1150に支持される枠状のセンター役物2500と、を備えている。
表ユニット2000におけるアタッカユニット2100は、詳細は後述するが、遊技球の受入れにより所定数の遊技球を払出すと共に受入れを契機として所定の特別抽選結果が抽選される第一始動口2101及び第二始動口2102と、特別抽選結果に応じて遊技球の受入れが可能となると共に遊技球の受入れにより所定数の遊技球を払出す大入賞口2103と、遊技球の受入れにより所定数の遊技球を払出す一般入賞口2104と、遊技球の通過を契機として所定の普通抽選結果が抽選されるゲート部2105と、を備えている。
本例の第一始動口2101と一般入賞口2104は、常時遊技球を受入可能とされている。また、第二始動口2102と大入賞口2103は、遊技球を受入可能な状態と受入不能な状態とに変化することができる可変入賞口とされている。この第二始動口2102は、ゲート部2105への遊技球の通過を契機として抽選される普通抽選結果に応じて受入可能となり、大入賞口2103は、第一始動口2101や第二始動口2102への遊技球の受入れを契機として抽選される特別抽選結果に応じて受入可能となるようになっている。
本例のアタッカユニット2100の第一始動口2101は、センター役物2500におけるステージ2510の直下で遊技領域5aにおける左右方向中央を通る軸線上(アウト口1151の直上)に配置されている。また、第二始動口2102は、図112に併せて示されるように、ゲート部2105を通過した遊技球が可動片2106の可動領域へと導かれる第一通路2122a(案内経路)が設けられた1つのユニット(賞球装置)として構成された第二ユニット2120内にて、第一始動口2101よりも正面視右下側となるように配置されている。更に、大入賞口2103は、第二始動口2102の下側且つ第一始動口2101よりも正面視右側で左端が第二始動口2102の略直下となるように配置されている。また、アタッカユニット2100の一般入賞口2104は、第一始動口2101よりも正面視右上側に配置されている。また、ゲート部2105は、アタッカユニット2100の一般入賞口2104よりも正面視右上側で第二始動口2102の直上に配置されている。
また、表ユニット2000の表サイドユニット2200は、詳細は後述するが、アタッカユニット2100の正面視左側に配置される三つの一般入賞口2201と、一般入賞口2201よりも正面視左上に配置され遊技領域5a内におけるセンター役物2500の正面視左側を流下してきた遊技球を右方向へ誘導可能な棚部2202とを備えている。
更に、表ユニット2000のセンター役物2500は、詳細は後述するが、遊技パネル1150の略中央に形成された大きな開口部1158に取付けられ、後側に配置された液晶表示装置1900の表示画面等が遊技者側から視認することができる窓部2501を有した枠状に形成されている。このセンター役物2500には、遊技パネル1150の前面と当接する略枠状のフランジ部2502aと、遊技領域5a内を流下してきた遊技球が枠内へ侵入するのを阻止する周壁部2503と、周壁部2503の所定位置に開口するワープ入口2504と、ワープ入口2504に進入した遊技球を枠内へ放出するワープ出口2505と、ワープ出口2505から放出された遊技球を左右方向へ転動させた後に遊技領域5a内へ放出して還流させるステージ2510と、が備えられている。
このセンター役物2500のステージ2510は、アタッカユニット2100における第一始動口2101の直上に配置されており、ステージ2510のチャンス出口2514から遊技領域5a内へ還流放出された遊技球が、高い確率でアタッカユニット2100の第一始動口2101へ受入れられるようになっている。
[2−2.アタッカユニット]
次に、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤5における表ユニット2000のアタッカユニット2100について、図100乃至図112参照して説明する。図100はアタッカユニットを前から見た斜視図であり、図101はアタッカユニットを後から見た斜視図である。また、図102はアタッカユニットを主要な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図103はアタッカユニットを主要な部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。更に、図104はアタッカユニットにおける第一ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図105はアタッカユニットにおける第一ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。また、図106はアタッカユニットにおける第二ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図107はアタッカユニットにおける第二ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。また、図108はアタッカユニットにおける第三ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図109はアタッカユニットにおける第三ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。更に、図110はアタッカユニットにおける第四ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図111はアタッカユニットにおける第四ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。また、図112は、アタッカユニットの一部を切断して示す正面図である。
本例の表ユニット2000における遊技盤5のアタッカユニット2100は、遊技パネル1150における左右方向中央の下部に形成された開口部1158に対して、前側から挿入された上で、遊技パネル1150の前面に固定されるものである。このアタッカユニット2100は、遊技領域5a内へ打ち込まれた遊技球が受入可能とされた複数の受入口(入賞口)を有している。具体的には、遊技パネル1150におけるアウト口1151の直上に配置され遊技球を常時受入可能とされた第一始動口2101と、第一始動口2101に対して正面視右側且つやや下側の位置に配置された第二始動口2102(図112を参照)と、第二始動口2102の下側且つ第一始動口2101の正面視右側に配置された大入賞口2103と、第一始動口2101と第二始動口2102との間で第一始動口2101よりもやや上側に配置された一般入賞口2104と、を備えている。
また、アタッカユニット2100は、遊技球の通過を契機として普通抽選結果が抽選されるゲート部2105を備えている。このゲート部2105は、一般入賞口2104の正面視右側且つやや上側で第二始動口2102の略直上に配置されている(図112を参照)。
アタッカユニット2100の第一始動口2101は、図示するように、遊技球の直径よりもやや広い幅で上方へ向かって開放されており、遊技球を常時受入可能な状態となっている。また、第二始動口2102(図112を参照)は、遊技球の直径よりもやや広い幅で上方へ向かって開放されていると共に、その開放された開口に対して前後方向へ進退可能な板状の可動片2106を備えている。この第二始動口2102は、可動片2106が前進状態にあると遊技球の受入れが不能となり、可動片2106が後退状態にあると遊技球の受入れが可能となるようになっており、所謂、可変入賞口とされている。
また、アタッカユニット2100の大入賞口2103は、正面視左右方向が遊技球の直径に対して4〜6倍の長さで上下方向が遊技球の直径よりもやや長い横長矩形状で前方へ向かって開放されていると共に、その開放された開口を開閉可能な板状の開閉部材2107を備えている。この大入賞口2103は、開閉部材2107が、下辺を回転軸として回動可能とされており、開閉部材2107が略垂直な状態となると遊技球の受入れが不能となり、開閉部材2107が略水平な状態となると遊技球の受入れが可能となるようになっており、所謂、可変入賞口とされている。
更に、アタッカユニット2100の一般入賞口2104は、第一始動口2101と同様に、遊技球の直径よりもやや広い幅で上方へ向かって開放されており、遊技球を常時受入可能な状態となっている。また、アタッカユニット2100のゲート部2105は、遊技球の直径よりもやや広い幅で上下方向へ遊技球が流通可能に形成されている。
本実施形態のアタッカユニット2100について更に詳述すると、アタッカユニット2100は、第一始動口2101及び大入賞口2103を有した第一ユニット2110と、第二始動口2102及びゲート部2105を有した第二ユニット2120と、一般入賞口2104を有した第三ユニット2130と、機能表示ユニット1180が取付けられる第四ユニット2140と、第一ユニット2110、第二ユニット2120、第三ユニット2130、及び第四ユニット2140を後側から支持するユニットベース2150と、ユニットベース2150の後側に取付けられアタッカソレノイド2113、始動口ソレノイド2124、カウントセンサ2114、及び第二始動口センサ2125とパネル中継基板3025との接続を中継するアタッカユニット中継基板2160と、を備えている。
アタッカユニット2100の第一ユニット2110は、第一始動口2101を有すると共に大入賞口2103が臨む開口2111aを有し遊技パネル1150の前面に取付けられる板状の第一ベース2111と、第一ベース2111の開口から大入賞口2103が臨むように第一ベース2111の後側に取付けられ大入賞口2103を有すると共に大入賞口2103を開閉する開閉部材2107を回動可能に支持する箱状の第一ケース2112と、第一ケース2112内に支持され開閉部材2107を開閉駆動させるためのアタッカソレノイド2113と、第一ケース2112内に支持され大入賞口2103に受入れられた遊技球を検知するカウントセンサ2114と、第一ケース2112の後側に配置され前面に複数のLEDが実装された大入賞口装飾基板2115と、を備えている。
また、第一ユニット2110は、第一ベース2111の前面で第一始動口2101の下側に取付けられる中物体検知センサ2116と、中物体検知センサ2116の前側に配置され第一ベース2111の前面に取付けられ所定の装飾を有した中誘導装飾部材2117と、第一ベース2111の後側で中物体検知センサ2116及び中誘導装飾部材2117と対応した位置に取付けられ前面に複数のLEDが実装されたアタッカ中装飾基板2118と、を備えている。この第一ユニット2110は、第一ベース2111を介してユニットベース2150に取付けられるようになっている。
第一ユニット2110の第一ベース2111は、遊技パネル1150の前面から前方(遊技領域5a内)へ突出すると共に上方及び後方が開放された第一始動口2101が一体形成されており、その後端が遊技パネル1150に取付けた状態で遊技パネル1150の後面と略一致する位置まで延びている。これにより、第一始動口2101に受入れられた遊技球を、遊技パネル1150の後側へ誘導することができるようになっている。
第一ユニット2110の第一ケース2112は、前側が開放された箱状で、上ケース2112aと下ケース2122bとで上下に分割された形態となっている。また、第一ケース2112は、内部に大入賞口2103に受入れられてカウントセンサ2114に検知された遊技球を所定位置から下方へ放出する放出口部材2112cを備えている。この第一ケース2112は、透光性を有する素材で形成されており、後側に配置された大入賞口装飾基板2115からの光を開閉部材2107側へ導いて、大入賞口2103内や開閉部材2107を発光装飾させることができるようになっている。
第一ユニット2110のアタッカソレノイド2113は、図示は省略するが、プランジャが左右方向へ進退するように第一ケース2112に支持されている。このアタッカソレノイド2113は、通電により進退するプランジャの先端に接続されたリンク部材2113aによって開閉部材2107を回動させることができるようになっている。なお、図示は省略するが、アタッカソレノイド2113は、プランジャを前進(突出)させる方向へ付勢するバネを備えていると共に、プランジャを前進させた状態で開閉部材2107が大入賞口2103を閉鎖する位置となるようになっている。つまり、本例では、アタッカソレノイド2113に通電すると、プランジャが後退(没入)し、開閉部材2107が閉位置から開位置へ回動して大入賞口2103への遊技球の受入れが可能となるようになっている。
第一ユニット2110の中物体検知センサ2116は、詳細な図示は省略するが、投光部と受光部とを備えており、前方の所定範囲内に位置した物体を検知することができるようになっている。なお、本例では、中物体検知センサ2116の投光部と受光部とが左右方向に列設されており、中物体検知センサ2116の前面において、左右方向へ移動する物体よりも上下方向へ移動する物体の方が、検知し易いようになっている。
第一ユニット2110の中誘導装飾部材2117は、前面に、円形の中に下向きの矢印を配置した装飾が施されており、前面装飾の後側にその装飾の外周に沿った壁が後方へ延出する筒枠状の遮光部材2117aを備えている。これにより、中誘導装飾部材2117の後側に配置されたアタッカ中装飾基板2118によって、矢印の内側と外側とを異なる態様で発光装飾させることができるようになっている。
アタッカユニット2100の第二ユニット2120は、遊技パネル1150の前面に取付けられる板状の第二ベース2121と、第二ベース2121の前面に取付けられ遊技パネル1150の前面よりも前方(遊技領域5a内)へ突出し第二始動口2102やゲート部2105を形成する通路形成部材2122と、第二ベース2121の後側に取付けられ第二始動口2102を開閉する可動片2106を前後方向へスライド可能に支持する第二ケース2123と、第二ケース2123内に支持され可動片2106を開閉駆動させるための始動口ソレノイド2124と、を備えている。
また、アタッカユニット2100の第二ユニット2120は、図106及び図112に併せて示されるように、第二ベース2121と第二ケース2123とで支持され第二始動口2102に受入れられた遊技球を検知する第二始動口センサ2125と、第二ベース2121と第二ケース2123とで支持されゲート部2105を通過している遊技球を検知するゲートセンサ2126と、第二ベース2121の後側に配置され前面に複数のLEDが実装された第二始動口装飾基板2127と、第二始動口装飾基板2127と第二ベース2121との間に配置され前後方向に貫通した複数の開口部を有する遮光部材2128と、を備えている。
なお、アタッカユニット2100における第二ユニット2120には、第二ベース2121の前面の所定位置に、二つのLEDからなる普通図柄表示器1189が前面に実装された機能表示基板1191の一部を構成する普通図柄表示基板1191aが取付けられている。
第二ユニット2120の第二ベース2121は、図106に併せて示されるように、前面の略全体が遊技パネル1150の面に沿った平坦面状に形成されており、通路形成部材2122と協働して前面側に遊技球が流通可能な通路を形成することができるようになっている。また、第二ベース2121は、正面視左下隅に遊技球が通過可能な前後方向へ貫通した通過孔2121aと、正面視右上隅付近に後方へ湾曲状に窪んだ凹部2121bと、を備えている。更に、第二ベース2121は、板状の可動片2106が通過可能な開口部、第二始動口センサ2125やゲートセンサ2126を支持するためのセンサ支持部2121c、普通図柄表示基板1191aを支持する基板支持部2121d、基板支持部2121dの正面視右端から前方へ延出し普通図柄表示器1189の右側を覆う壁部2121e、等を備えている。なお、第二ベース2121は、透光性を有する素材で形成されている。また、第二ベース2121は、ユニットベース2150に取付けられるようになっている。
第二ユニット2120の通路形成部材2122は、図106に併せて示されるように、正面視の形状が、上下方向へ延びた部位と、その下端から左方向へ延びた部位とを有した、反L字状に形成されている。この通路形成部材2122は、正面視上下方向へ延びた部位の位置に、遊技球を上下方向へ流通可能とし、上端及び下端が開口した第一通路2122aを備えている。また、通路形成部材2122は、正面視左右方向へ延びた部位の位置に、遊技球を左右方向へ流通可能とし、右端側が第一通路2122aの下端開口と略対向する位置で上方へ開口すると共に左端側が閉鎖された第二通路2122bを備えている。この通路形成部材2122の第一通路2122aと第二通路2122bとは、遊技球の外径よりも若干大きい距離、上下方向に離間して配置されている。
また、通路形成部材2122は、第一通路2122aにおける正面視右側側壁の下端と第二通路2122bの右端側開口の右端とを繋ぐ板状の壁部2122cと、壁部2122cの上端側で第一通路2122aの正面視右側面に開口し遊技球が通過可能な右放出口2122dと、右放出口2122dの下端から正面視右方向へ向かって低くなるように短く延出した右棚部2122eと、壁部2122cとは第一通路2122aを挟んだ反対側で第一通路2122aの正面視左側下端と第二通路2122bの上端とで形成され遊技球が通過可能な左放出部2122fと、左放出部2122fの下端と連続すると共に第二通路2122bの上側に形成され正面視左方へ向かって低くなるように傾斜した左棚部2122gと、第一通路2122a内における右放出口2122dが形成された高さ位置で前壁から後方へ突出した誘導壁2122hと、を備えている。
この通路形成部材2122は、第一通路2122aの上端開口がゲート部2105とされていると共に、第二通路2122bの右端側開口が第二始動口2102とされている。また、通路形成部材2122は、第一通路2122aの上下方向略中央で右放出口2122dよりも上側の位置で、ゲートセンサ2126を支持することができるようになっており、第一通路2122aを流通している遊技球をゲートセンサ2126によって検知することができるようになっている。
また、通路形成部材2122は、図112に併せて示されるように、第二通路2122bの右端側開口が、第二ユニット2120として組立てた状態で第二ベース2121の前面から前方側へ延びるように設けられる可動片2106と対応した位置に形成されており、右端側開口が第二始動口2102となっている。これにより、可動片2106が後方側へ動作しない限りは、該可動片2106によって第二始動口2102への遊技球の受け入れが阻止されるようになる。なお、こうして阻止された遊技球は、第一通路2122aと第二通路2122bとの間の左放出口2122fから左棚部2122gを通って、第二ユニット2120から放出されて大入賞口2103へと向かうこととなる。
これに対し、可動片2106が後方側へ動作することによって第二始動口2102に遊技球が受け入れられると、この遊技球は、第二通路2122bを流下して第二始動口センサ2125によって検知される。そしてこの後、同遊技球は、第二通路2122bの左側端部から後方側の第二ベース2121の通過孔2121aを通って、第二ユニット2120の後側(遊技パネル1150の後側)へ放出(排出)されるようになる。
また、通路形成部材2122は、右棚部2122eよりも下側の部位で、第二ベース2121の前面に取付けられた普通図柄表示基板1191aの前側を被覆することができるようになっている。
通路形成部材2122の第二通路2122bは、正面視右端側開口の直下に位置する底壁が、円弧状に形成されており、右端側開口(第二始動口2102)を通過した遊技球をスムーズに左方向へ流通させることができるようになっている。通路形成部材2122における第一通路2122a内に形成された誘導壁2122hは、第二ベース2121における凹部2121bと対応した位置に配置されていると共に、後方へ向かって低くなるように円弧状に傾斜しており、第一通路2122aの上端開口(ゲート部2105)を通過した遊技球を、第二ベース2121の凹部2121b内へスムーズに誘導することができるようになっている。
第二ユニット2120の第二ケース2123は、前側が開放された箱状で、上ケース2123aと下ケース2123bとで上下に分割することができるようになっており、上ケース2123aと下ケース2123bとの間で可動片2106を前後方向へスライド可能に支持することができるようになっている。また、第二ケース2123は、可動片2106及び始動口ソレノイド2124の他に、始動口ソレノイド2124の上下方向へ進退するプランジャの動きを伝達させて可動片2106を前後方向へ進退させるリンク部材2129を、内部に支持している。
第二ユニット2120の始動口ソレノイド2124は、第二ケース2123によってプランジャが下方へ進退するように支持されており、通常の状態(非通電時)ではプランジャが下方へ突出した状態となっている。この通常の状態では、始動口ソレノイド2124におけるプランジャの先端に接続されたリンク部材2129を介して、可動片2106が第二ベース2121の前面よりも前方へ突出した状態となり、第二始動口2102への遊技球の受入れが阻止された状態となるようになっている。一方、始動口ソレノイド2124に通電させると、プランジャの先端が没入するように上昇し、プランジャの先端に接続されたリンク部材2129を介して可動片2106が、第二ベース2121の前面よりも後方へ後退することとなり、第二始動口2102への遊技球の受入れが可能な状態となるようになっている。
第二ユニット2120は、遮光部材2128に左右方向へ列設された矩形状の開口部2128aを複数備えていると共に、第二始動口装飾基板2127の前面には遮光部材2128の各開口部2128aと対応するようにLEDが実装されており、各開口部2128a毎に発光装飾させることができるようになっている。
この第二ユニット2120は、上端開口(ゲート部2105)から遊技球が第一通路2122a内へ進入すると、ゲートセンサ2126を通過した上で、後方へ傾斜した誘導壁2122hによって第二ベース2121の凹部2121b内へ一旦送られた後に、凹部2121b内から再び第一通路2122a内へと戻り、第二始動口2102上へ流下する。この第一通路2122a内では、誘導壁2122hと凹部2121bとによって遊技球が蛇行するようになっており、遊技球の流下速度を減衰させて、下流側に配置された可動片2106や第二通路2122aに当接した時にかかる衝撃を低減させることができるようになっている。
このように、本例では、図112に併せて示されるように、ゲート部2105の通過をゲートセンサ2126によって検知するようになっており、ゲートセンサ2126により遊技球の通過が検知されると、普通抽選が行われ所定の普通抽選結果が抽選される。この抽選された普通抽選結果が当りの場合は、始動口ソレノイド2124の駆動により可動片2106が第二ベース2121の前面から後退し、第二始動口2102が開放されて遊技球が受入可能となり、第一通路2122aから流下してきた遊技球が、第二始動口2102を通って第二通路2122b内へ進入することとなる。そして、第二通路2122b内へ進入した遊技球は、円弧状の底壁によって正面視左方向へ流通し、第二始動口センサ2125によって検知された後に、第二通路2122bの左側端部から後方側の第二ベース2121の通過孔2121aを通って、第二ユニット2120の後側(遊技パネル1150の後側)へ放出(排出)されるようになっている。なお、本例では、ゲートセンサ2126が遊技球の通過を検知してから始動口ソレノイド2124の駆動により可動片2106をスライドさせて第二始動口2102へ遊技球が受入可能となるまでの時間が、短時間(例えば、0.1秒〜1秒)とされており、このような可動片2106の動作によって、時短状態にあるときの普通抽選結果が当りであれば、その抽選の契機となった遊技球が第二始動口2102へ受入れられるようになっている。また、時短状態にあるときの始動口ソレノイド2124の駆動は、一回の当りに対して所定時間(例えば、5.5秒)のみ駆動されるようになっており、所定時間が経過すると始動口ソレノイド2124の駆動が終了して可動片2106が前方へスライドし、第二始動口2102が閉鎖された状態となるようになっている。
一方、抽選された普通抽選結果がハズレの場合は、始動口ソレノイド2124が駆動されず可動片2106が前方へ前進したままの状態となり、第一通路2122aから流下してきた遊技球が、可動片2106によって第二始動口2102への進入が阻止されることとなる。そして、可動片2106によって第二始動口2102への受入れが阻止された遊技球は、第一通路2122aと第二通路2122bとの間の左放出口2122fから左棚部2122gへと流通し、左棚部2122gの左端から(遊技パネル1150の前面の遊技領域5a内へ)放出されるようになっている。なお、可動片2106は、上面が正面左側が低くなるように傾斜しており、遊技球が可動片2106上に留まろうとしても、その傾斜によって正面視左方向へ自然に転動し、左放出口2122fから左棚部2122gへ放出されるようになっている。
なお、第二ユニット2120では、第一通路2122aを流通する遊技球の状態によっては、第一通路2122aにおける右放出口2122dから遊技球が放出される場合もあり、右放出口2122dから放出された遊技球は、右棚部2122eを通って右棚部2122eの右端から遊技領域5a内へ放出されるようになっている。
また、アタッカユニット2100の第三ユニット2130は、遊技パネル1150の前面と当接可能とされ一般入賞口2104を有すると共に一般入賞口2104の正面視右側に前後方向へ貫通した透孔2131aを有した第三ベース2131と、第三ベース2131の透孔に対して後側から挿入されると共に第三ベース2131に取付けられ透光性を有したレンズ部材2132と、レンズ部材2132の後側に配置され前面にLEDが実装されたゲート装飾基板2133と、を備えている。
第三ユニット2130の第三ベース2131は、遊技パネル1150の前面から前方(遊技領域5a内)へ突出すると共に上方及び後方が開放された一般入賞口2104が一体形成されており、その後端が遊技パネル1150に取付けた状態で遊技パネル1150の後面と略一致する位置まで延びている。また、第三ベース2131は、ユニットベース2150に取付けられるようになっている。
第三ユニット2130のゲート装飾基板2133は、前面に実装されたLEDを適宜色に発光させることで、レンズ部材2132によって第三ベース2131の透孔内を発光装飾させることができるようになっている。なお、ゲート装飾基板2133は、ユニットベース2150に取付けられている。
アタッカユニット2100の第四ユニット2140は、遊技パネル1150の前面に取付けられると共に下部後面に機能表示基板1191が取付けられる板状の第四ベース2141と、第四ベース2141の上部前面に取付けられ遊技パネル1150の前面よりも前方(遊技領域5a内)へ突出し遊技球を左右方向へ案内する案内通路2142aを有した案内通路部材2142と、案内通路部材2142における案内通路2142aの下側に配置されると共に第四ベース2141の前面に取付けられる右物体検知センサ2143と、右物体検知センサ2143の右側で前面が前方へ露出するように案内通路部材2142に取付けられ所定の装飾を有した右誘導装飾部材2144と、を備えている。
第四ユニット2140の第四ベース2141は、正面視の形状がフ字状の三角形状とされており、左端の斜辺が遊技領域5aの内周形状に略沿った円弧状とされている。また、第四ベース2141は、下部に機能表示基板1191の前面に実装された複数のLEDが夫々臨む複数の貫通孔2141aが形成されている。この第四ユニット2140の第四ベース2141は、ユニットベース2150に取付けられるようになっている。
第四ユニット2140の案内通路部材2142は、第四ベース2141の左右方向へ延びた上辺に沿って延び正面視右端が上方へ開口すると共に左端が下方へ開口し遊技球が流通可能な案内通路2142aを備えている。案内通路部材2142の案内通路2142aは、前側が閉鎖されると共に後側が開放されており、開放された後側が第四ベース2141の前面によって閉鎖されるようになっている。また、案内通路部材2142の案内通路2142aは、正面視左側が低くなるように傾斜している。
また、案内通路部材2412の案内通路2142aは、組立てた状態で、正面視右端が遊技領域5aの内周に接近した位置となるようになっており、遊技領域5aの右側内周に沿って流下してきた遊技球が、右端側開口から内部へ進入するようになっている。更に、案内通路部材2412の案内通路2142aは、図112に示すように、正面視左端側が下方へ屈曲しており、アタッカユニット2100として組立てた状態で下方へ開口した左端側開口が、ゲート部2106(第二ユニット2120における第一通路2122aの上端開口)の直上に位置するように形成されている。なお、案内通路2142a内と第四ベース2141における案内通路2142aと対応した前面に、上下方向へ延びた突条が左右方向へ交互に列設されており、案内通路2142a内で遊技球を前後方向へ蛇行させて流通速度を減衰させることができるようになっている。また、案内通路2142aの左端側開口と第一通路2122aの上端開口とは、遊技球の外径よりも若干長い距離、離間している。
第四ユニット2140の右物体検知センサ2143は、投光部と受光部とを備えており、前方の所定範囲内に位置した物体を検知することができるようになっている。なお、本例では、右物体検知センサ2143の投光部と受光部とが上下方向に列設されており、右物体検知センサ2143の前面において、上下方向へ移動する物体よりも左右方向へ移動する物体の方が、検知し易いようになっている。また、第四ユニット2140は、右物体検知センサ2143の前側を被覆し第四ベース2141の前面に取付けられるセンサカバー2145を備えている。
第四ユニット2140の右誘導装飾部材2144は、前面に、円形の中に右向きの矢印を配置した装飾が施されている。この右誘導装飾部材2144の後側には、右誘導装飾部材2144の装飾形状に沿った壁が後方へ延出する筒枠状の遮光部材2146を備えている。これにより、右誘導装飾部材2144の後側に配置された裏ユニット3000の裏右下装飾基板3021によって、矢印の内側と外側とを異なる態様で発光装飾させることができるようになっている。
アタッカユニット2100のユニットベース2150は、前側が開放された浅い箱状に形成されている。また、ユニットベース2150は、第二ユニット2120における第二ベース2121の通過孔2121bを通った遊技球を受取って、ユニットベース2150の後面から後方へ排出する排出口2150aを備えている。
本例のアタッカユニット2100は、遊技領域5a内に配置した状態では、第一始動口2101が遊技領域5aの左右方向略中央で中誘導装飾部材2117を挟んでアウト口1151の直上に位置すると共に、大入賞口2103が第一始動口2101と遊技領域5aにおける右側内周との間の左右方向略中央に位置するようになっている。
アタッカユニット2100は、第一始動口2101が、アウト口1151の直上で詳細は後述するセンター役物2500におけるステージ2500のチャンス出口2514の直下に位置している。これにより、チャンス出口2514から放出された遊技球を、第一始動口2101において高い確率で受入れることができるようになっている。この第一始動口2101に受入れられた遊技球は、遊技パネル1150の後側へ送られた上で、後述する裏ユニット3000における裏左誘導部材3070の中誘導通路3071へ送られるようになっている。
また、アタッカユニット2100は、機能表示ユニット1180を大入賞口2103の正面視右側に位置するように支持すると共に、右側端部(機能表示ユニット1180の右側端部)が、遊技領域5aにおける右側内周から若干内側(左側)に位置するようになっている。これにより、遊技領域5aの右側内周に沿って上方から流下してきた遊技球は、アタッカユニット2100における第四ユニット2140の案内通路部材2142上に落下し、右端側で上方へ開口した案内通路2142a内へ進入するようになっている。案内通路2142a内に進入した遊技球は、案内通路2142aによって正面視左方向へ案内され、第二ユニット2120における第一通路2122aの上端開口つまりゲート部2105の直上で下方へ放出されるようになっている。そして、案内通路2142aの左端側開口から下方へ放出された遊技球は、極めて高い確率でゲート部2105へ進入するようになっている。
アタッカユニット2100のゲート部2105へ進入した遊技球は、第一通路2122a内に配置されたゲートセンサ2126により通過が検知された後に、通路形成部材2122の誘導壁2122hにより後方へ誘導され、第二ベース2121の凹部2121b内へ進入する。そして、凹部2121b内に進入した遊技球は、凹部2121bの下端部で前方へ誘導され通路形成部材2122の前壁の後面に当接して下方へ流下することとなる。つまり、アタッカユニット2100の第一通路2122aでは、ゲート部2105を通過した遊技球を、前後方向に蛇行して流下させつつ可動片2106の可動領域へと必ず導くものとなっている。
本例では、ゲート部2105を遊技球が通過してゲートセンサ2126により検知されると、即座に普通抽選が行われ、抽選された普通抽選結果が普通図柄表示器1189において瞬時に表示されると共に、抽選された普通抽選結果が当りの場合は始動口ソレノイド2124が駆動して可動片2106が後退し、第二始動口2102への遊技球の受入れが可能となるようになっている。従って、ゲート部2105を通過した遊技球は、普通抽選結果として当りが抽選されると、極めて高い確率で第二始動口2102へと受入れられるようになっている。
そして、第二始動口2102に受入れられた遊技球は、第二始動口2102から第二通路2122bへと進入し、正面視左方向へ送られて第二始動口センサ2125によって検知された上で、第二通路2122bの左端から進路が後方へ変更されて、第二ベース2121の通過孔2121a及びユニットベース2150の排出口2150aを通って遊技パネル1150の後側へ排出されるようになっている。
なお、普通抽選結果がハズレの場合は、第一通路2122aから下方へ放出された遊技球が、第二始動口2102を閉鎖する可動片2106に当接し、第一通路2122aと第二通路2122bとの間の左放出口2122fから第二通路2122bの上側の左棚部2122gへと放出され、左棚部2122gを正面視左方向へ転動した後に、左棚部2122gの左端から遊技領域5a内における大入賞口2103の上側の領域へ放出されるようになっている。
また、アタッカユニット2100は、第一始動口2101や第二始動口2102に遊技球が受入れられることで抽選される特別抽選結果に応じて(例えば、第一始動口2101側では「6R確変大当りA、6R確変大当りB、6R通常大当り」のいずれかであり、第二始動口2102側では「2R確変大当り、4R確変大当り、8R確変大当り、16R確変大当りA、16R確変大当りB、2R通常大当り」のいずれか)、第一ユニット2110におけるアタッカソレノイド2113が所定パターンで駆動されるようになっており、アタッカソレノイド2113の駆動により開閉部材2107が直立した閉位置から略水平となった開位置へ回動し、大入賞口2103への遊技球の受入れが可能となるようになっている。そして、大入賞口2103へ受入れられた遊技球は、遊技パネル1150の後側でカウントセンサ2114に検知された後に、アタッカユニット2100の下方へ排出されるようになっている。
更に、アタッカユニット2100は、第一始動口2101とゲート部2105との間に配置された一般入賞口2104に受入れられた遊技球を、遊技パネル1150の後側へ誘導した後に、後述する裏ユニット3000における裏右誘導部材3060の上開口3061から右誘導通路内へ送るようになっている。
[2−3.表サイドユニット]
続いて、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤5における表ユニット2000の表サイドユニット2200について、主に図113を参照して説明する。図113(a)は表サイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)は表サイドユニットを後から見た斜視図である。遊技盤5の表ユニット2000における表サイドユニット2200は、遊技パネル1150のパネル板1210における遊技領域5a内の左右方向中央よりも左側で上下方向中央から下寄りの位置に、遊技領域5aの内周(内レール1112の正面視右側面)と接するように遊技パネル1150の前面に固定されるものである。
本例の表サイドユニット2200は、図示するように、正面視が遊技領域5aの内周に沿った円弧状に形成されており、正面視右端から左方向へ円弧に略沿って列設された三つの一般入賞口2201と、三つの一般入賞口2201よりも左上に配置され右端側が低くなるように傾斜した棚部2202と、を主に備えている。表サイドユニット2200の三つの一般入賞口2201は、前端側が遊技パネル1150の前面よりも前方へ延出すると共に後端側が遊技パネル1150の後面よりも後方へ延出し、上方及び後方が開放され、遊技領域5a内において遊技球を常時受入可能に形成されている。
表サイドユニット2200の棚部2202は、左端が遊技領域5aの左側内周と略接するような位置に配置されており、遊技領域5a内におけるセンター役物2500の正面視左側の領域を流下してきた遊技球を、右方向へ誘導させることができるようになっている。
また、表サイドユニット2200は、遊技パネル1150の前面に取付けられ三つの一般入賞口2201を有した板状のユニットベース2210と、ユニットベース2210の前面に取付けられ遊技パネル1150の前面から前方へ突出すると共に上端に棚部2202が形成された案内部材2211と、案内部材2211の正面視右側で棚部2202の右端部の下側に配置されユニットベース2210の前面に取付けられる左物体検知センサ2212と、左物体検知センサ2212の左側で前面が前方へ露出するように案内部材2211に取付けられ所定の装飾を有した左誘導装飾部材2213と、ユニットベース2210の後側に取付けられ前側が開放された浅い箱状で透明なユニットカバー2214と、を備えている。
表サイドユニット2200のユニットベース2210は、遊技パネル1150の前面に当接する板状の部位と、板状の部位から後方へ延出し遊技パネル1150における対応した開口部1158内に挿入される枠状の部位とを備えており、板状の部位において遊技パネル1150に取付けられるようになっている。このユニットベース2210は、前面に浅いレリーフ状の装飾が施されていると共に、部分的に透光性を有するように形成されている。
表サイドユニット2200の案内部材2211は、正面視の形状が略逆三角形状とされており上辺に右側が低くなるように直線的に傾斜した棚部2202とされている。この案内部材2211は、略中央に左誘導装飾部材2213が挿入される円形状の貫通孔を備えている。
表サイドユニット2200の左物体検知センサ2212は、詳細な図示は省略するが、投光部と受光部とを備えており、前方の所定範囲内に位置した物体を検知することができるようになっている。なお、本例では、左物体検知センサ2212の投光部と受光部とが上下方向に列設されており、左物体検知センサ2212の前面において、上下方向へ移動する物体よりも左右方向へ移動する物体の方が、検知し易いようになっている。
表サイドユニット2200の左誘導装飾部材2213は、前面に、円形の中に左向きの矢印を配置した装飾が施されており、前面装飾の後側にその装飾の外周に沿った壁が後方へ延出する筒枠状の遮光部材2213aを備えている。なお、遮光部材2213aは、取付けた状態で後端が遊技パネル1150の後面よりも若干前側の位置まで延出している。これにより、左誘導装飾部材2213の後側に配置された裏ユニット3000における裏左下装飾基板3020のLEDよって、矢印の内側と外側とを異なる態様で発光装飾させることができるようになっている。
表サイドユニット2200のユニットカバー2214は、外形がユニットベース2210における枠状の部位と略同じ形状とされ、取付けた状態で後端が遊技パネル1150の後面よりも若干前側に位置する奥行きに形成されている。このユニットカバー2214は、左誘導装飾部材2213の遮光部材2213aを挿通可能な貫通孔を有しており、遮光部材2213aの後端が後方へ臨むようになっている。
本実施形態の表サイドユニット2200は、遊技領域5a内におけるセンター役物2500の左側を流下してきた遊技球を、棚部2202によって右方向へ案内することができると共に、棚部2202よりも下流側に配置された三つの一般入賞口2201によって遊技球を受入れることができるようになっている。表サイドユニット2200の一般入賞口2201に受入れられた遊技球は、遊技パネル1150の後側へと送られ、後述する裏ユニット3000における裏左誘導部材3060の左開口3072を通って左誘導通路へ受渡されるようになっている。
[2−4.センター役物]
続いて、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤5における表ユニット2000のセンター役物2500について、主に図114乃至図126を参照して説明する。図114はセンター役物を斜め右上前から見た斜視図であり、図115はセンター役物を斜め左下前から見た斜視図であり、図116はセンター役物を後から見た斜視図である。図117はセンター役物を主要な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図118はセンター役物を主要な部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。また、図119はセンター役物の表右中演出ユニットを前から見た斜視図であり、図120はセンター役物の表右中演出ユニットを後から見た斜視図である。更に、図121は表右中演出ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図122は表右中演出ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。
本例のセンター役物2500は、遊技パネル1150の略中央を貫通するように大きく形成された開口部1158に対して、前側から挿入された上で、遊技パネル1150の前面に固定されるものであり、図92等に示すように、遊技領域5aの大半を占める大きさの枠状で前後方向へ貫通し後側に配置された液晶表示装置1900が視認可能とされた大きな窓部2501を備えている。
センター役物2500は、窓部2501の外周で遊技パネル1150の前面と当接可能なフランジ部2502aを有した枠状のユニットベース2502と、ユニットベース2502から前方へ膨出し左右方向の略中央を境として遊技領域5a内を流下してきた遊技球を左右へ誘導すると共に枠内(窓部2501内)への遊技球の侵入を阻止する周壁部2503と、を備えている。なお、周壁部2503は、一部がユニットベース2502によって形成されている。
また、センター役物2500は、周壁部2503の左側の外周面に開口し遊技領域5aを流下する遊技球が進入可能とされたワープ入口2504(図94を参照)と、ワープ入口2504に進入した遊技球を枠内へ放出するワープ出口2505と、ワープ出口2505から放出された遊技球を左右方向へ転動させた後にアタッカユニット2100における第一始動口2101の上側の遊技領域5a内へ放出・還流させ窓部2501の下内縁に配置されたステージ2510と、を備えている。
更に、センター役物2500は、周壁部2503の後側に配置され窓部2501を閉鎖する透明板状の隔壁部材2520と、窓部2501の正面視左側及び下側で周壁部2503の後側に配置され前面に複数のLEDが実装されたセンター下装飾基板2521と、窓部2501の上側で周壁部2503の後側に配置され前面に複数のLEDが実装されたセンター上装飾基板2522と、ユニットベース2502の後面で正面視左上部に取付けられフランジ部2502aの一部を形成する上部フランジ部材2523と、ユニットベース2502の後面で正面視左辺に取付けられ枠内を装飾する左後装飾部材2524と、を備えている。
また、センター役物2500は、ステージ2510の正面視右側に配置され第一始動口2101や第二始動口2102へ遊技球が受入れられて特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示の始動条件が成立したが未だ特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示の開始条件が成立していない(前回の特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示終了、大当り遊技状態終了)始動条件の成立数である特別図柄の保留数(第一特別図柄保留数、第二特別図柄保留数)、及びゲート部2105を遊技球が通過して普通図柄の変動表示の始動条件が成立したが未だ普通図柄の変動表示の開始条件が成立していない(前回の普通図柄の変動表示終了、大当り遊技状態終了)始動条件の成立数である保留数(普通図柄保留数)を表示可能な保留数表示器2530と、保留数表示器2530が配置されると共にユニットベース2502の前側に取付けられユニットベース2502の前面を装飾するセンター装飾部材2540と、窓部2501の上側の周壁部2503に配置されパチンコ機1のコンセプトに沿った所定のロゴの装飾を有しセンター上装飾基板2522によって発光装飾可能とされた表上演出ユニット2550と、窓部2501の正面視右側に配置され遊技状態(特別抽選結果)に応じて可動可能な表右可動装飾体2610を有した表右中演出ユニット2600と、表右中演出ユニット2600における表右可動装飾体2610の外周を囲むように配置され所定の装飾を有した表右外演出ユニット2700と、を備えている。
センター役物2500のステージ2510は、ワープ出口2505から放出された遊技球が供給されると共に左右方向へ転動可能とし、供給された遊技球を所定位置から前方へ放出可能な第一ステージ2511と、第一ステージ2511の前側に配置され第一ステージ2511から遊技球が供給されると共に左右方向へ転動可能とし、供給された遊技球を所定位置から前方の遊技領域5a内へ放出可能な第二ステージ2512と、第二ステージ2512上の所定位置から遊技球が進入可能とされたチャンス入口2513と、チャンス入口2513に進入した遊技球を第二ステージ2512よりも下側の位置から遊技領域5a内へ放出可能なチャンス出口2514と、を備えている。
ステージ2510における第一ステージ2511は、左右両端が最も高くなるように湾曲状に形成された上で、遊技領域5aの左右方向中央が高くなるように形成されており、全体として滑で扁平なW字状の波状に形成されている。この第一ステージ2511は、左右方向中央の高くなった部位に形成され前方へ向かって低くなると共に左右方向の幅が広くなる中央放出部2511aと、中央放出部2511aの左右両側で最も低くなった部位に形成され前方へ向かって低くなると共に左右方向の幅が中央放出部2511aよりも広くなるサイド放出部2511bと、を備えている。
なお、第一ステージ2511は、中央放出部2511a及びサイド放出部2511b以外の前端が、上方へ突出しており、中央放出部2511a及びサイド放出部2511b以外から遊技球が前方へ放出され難くなっている。また、第一ステージ2511は、正面視右端側が、保留数表示器2530側へ喰い込むように右方向へ延出している。
ステージ2510における第二ステージ2512は、第一ステージ2511における二つのサイド放出部2511bに跨るように左右方向へ延びると共に左右方向中央が低くなるように湾曲した形状に形成されている。なお、第二ステージ2512は、左右方向中央が若干高くなっている。この第二ステージ2512は、左右方向の中央位置に形成され後方へ向かって低くなると共に左右方向の幅が広くなる中央案内部2512aと、中央案内部2512aの左右両側で最も低くなった部位に形成され前方へ向かって低くなると共に左右方向の幅が中央案内部2512aよりも広くなるサイド放出部2512bと、を備えている。なお、第二ステージ2512では、サイド放出部2512b以外の前端が、上方へ突出しており、サイド放出部2512b以外からは遊技球が前方へ放出され難くなっている。
ステージ2510におけるチャンス入口2513は、第一ステージ2511と第二ステージ2512との間に形成される上下方向へ延びた壁状の部位に前方へ向かって開口し、第二ステージ2512における中央案内部2512aの後側に配置されている。これにより、第二ステージ2512上を転動する遊技球が、中央案内部2512aにより後方へ案内されると、チャンス入口2513へ進入するようになっている。
ステージ2510におけるチャンス出口2514は、フランジ部2502aにおける第二ステージ2512の左右方向中央下側の位置に、前方へ向かって開口するように形成されている。このチャンス出口2514は、チャンス入口2513と連通する通路内に前後方向へ延びると共に左右方向離間した一対の突条が備えられている。これにより、チャンス出口2514から放出される遊技球は、一対の突条によって前方へ案内されることで左右方向の揺動が抑制された状態で、遊技領域5a内へ放出されるようになっている。
センター役物2500のステージ2510は、チャンス出口2514が、組立てた状態で、アタッカユニット2100における第一始動口2101の直上に位置するようになっており、チャンス出口2514から遊技球が遊技領域5a内へ放出されると、高い確率で第一始動口2101に受入れられるようになっている。
また、センター役物2500のステージ2510は、略全体が透明な部材によって形成されており、センター下装飾基板2521によって発光装飾可能とされている。また、第一ステージ2511及び第二ステージ2512は、ステージ部材2515によって、一体に形成されており、ユニットベース2502の後側に取付けられている。
また、センター役物2500の保留数表示器2530は、前面に複数のLEDが実装された保留数表示基板2531と、保留数表示基板2531の前面に配置され保留数表示基板2531の各LED同士を区画する格子状の遮光部材2532と、遮光部材2532の各格子内に夫々配置され保留数表示基板2531のLEDからの光を夫々前方へ導く導光部材2533と、各導光部材2533が前方へ臨む開口を複数有し遮光部材2532の前側に配置される前面カバー2534と、前面カバー2534、遮光部材2532、及び保留数表示基板2531の上側を覆う上面カバー2535と、を備えている。
保留数表示器2530の上面カバー2535は、図示するように、正面視左端側が低くなるように傾斜していると共に、左右方向中央が上側へ膨出した円弧状に形成されている。この上面カバー2535は、ステージ2510と表右中演出ユニット2600(表右中可動装飾体2610)との間に配置されており、ステージ2510から遊技球が表右中演出ユニット2600側へ逸脱しても、ステージ2510側へ戻すことができるようになっている。なお、上面カバー2535は、ユニットベース2502と一体形成されている。
センター役物2500の表上演出ユニット2550は、装飾の詳細については省略するが、パチンコ機1のコンセプトに沿ったロゴが浅いレリーフ状に形成され透光性を有した表上装飾部材2551と、表上装飾部材2551の後側に配置され光を拡散可能な板状の拡散導光部材2552と、拡散導光部材2552の上側に配置され下面に複数のLEDが実装されたロゴ装飾基板2553と、を備えている。拡散導光部材2552及び表上装飾部材2551は、ユニットベース2502の前面に取付けられている。表上演出ユニット2550は、ロゴ装飾基板2553のLEDを適宜発光させることで、発光装飾させることができるようになっている。
センター役物2500の表右中演出ユニット2600は、正面視円形状に形成された固定装飾体2620、及び固定装飾体2620の外周を囲み回転可能とされた円環状の回転装飾体2630を有する表右中可動装飾体2610と、表右中可動装飾体2610の後側に配置され前面に複数のLEDが実装された表右中装飾基板2640と、表右中装飾基板2640の後側に配置され表右中可動装飾体2610の回転装飾体2630を回転駆動させる回転駆動機構2650と、回転駆動機構2650、表右中可動装飾体2610、及び表右中装飾基板2640を支持しユニットベース2502の後側の所定位置で前後方向へ延びた軸芯周りに回動可能に支持されるベース部材2660と、ベース部材2660を所定角度範囲内で回動させる回動駆動機構2670と、を備えている。ベース部材2660は、ユニットベース2502の後面に取付けられる支持ピン2601によって回動可能に支持されるようになっている。
表右中演出ユニット2600の表右中可動装飾体2610における固定装飾体2620は、外周が円形状で前面が前方へ膨出すると共に前面が不定形に前後方向へ貫通した透明な前装飾体2621と、前装飾体2621の内部に配置され前面が前装飾体2621の前面よりも緩く前方へ膨出すると共に前面に所定の文字が浮き彫りされた透光性を有する円盤状の後装飾体2622と、を備えている。なお、表右中装飾基板2640は、後装飾体2622の後側となる位置に複数のLEDが実装されており、後装飾体2622及び前装飾体2621を発光装飾させることができるようになっている。
また、固定装飾体2620は、前装飾体2621の外周に配置され放射状に突出した仕切片2623aを周方向へ複数有した遮光部材2623を、更に備えている。また、固定装飾体2620の前装飾体2621は、外周から放射状に突出すると共に遮光部材2623の各仕切片2623a同士の間に夫々配置される複数のレンズ部2621aを備えている。この前装飾体2621のレンズ部2621aは、先端が星型に形成されている。固定装飾体2620の仕切片26223a及びレンズ部2621aは、回転装飾体2630の内部に位置するようになっている。なお、表右中装飾基板2640は、レンズ部2621aの後側となる位置にLEDが実装されており、レンズ部2621aにおける星型に形成された先端を発光装飾させることができるようになっている。
固定装飾体2620の前装飾体2621は、後装飾体2622、遮光部材2623、及び表右中装飾基板2640を挟持した状態で、円環状のスペーサ部材2624を介してベース部材2660に取付けられるようになっている。
表右中可動装飾体2610の回転装飾体2630は、円環状に形成されていると共に、表面に所定の装飾が立体的に形成されており、装飾同士の間が前後方向へ貫通した状態となっている。また、回転装飾体2630は、後側及び内周側が開放された状態に形成されており、固定装飾体2620における前装飾体2621のレンズ部2621a、遮光部材2623、及び表右中装飾基板2640が内部に挿入されるようになっている。この回転装飾体2630は、後端が表右中装飾基板2640よりも後側へ延出し、後述する回転駆動機構2650の円環状の作動ギア2654に取付けられることでベース部材2660に対して回転可能に支持されるようになっている。
この回転装飾体2630は、表右中装飾基板2640における前装飾体2621のレンズ部2621aの後側に位置したLEDを適宜発光させることで、発光装飾させることができるようになっている。
表右中演出ユニット2600の回転駆動機構2650は、回転装飾体2630よりも上側の位置でモータベース2665を介してベース部材2660に取付けられる表第一駆動モータ2651と、表第一駆動モータ2651の回転軸に固定される駆動ギア2652と、駆動ギア2652と噛合しベース部材2660に回転可能に支持される伝達ギア2653と、伝達ギア2653と噛合しベース部材2660に回転可能に支持されると共に前面に回転装飾体2630が取付けられる円環状の作動ギア2654と、を備えている。
回転駆動機構2650の表第一駆動モータ2651は、モータベース2665の前側に取付けられており、回転軸がモータベース2665を貫通して後側へ延びだすようになっている。また、駆動ギア2652及び伝達ギア2653は、モータベース2665とベース部材2660との間に配置されている。
回転駆動機構2650の作動ギア2654は、中心に前後方向へ貫通した円形のガイド孔2654aを有している。この作動ギア2654は、ベース部材2660とスペーサ部材2624との間に配置されており、ガイド孔2654aにおいてベース部材2660及びスペーサ部材2624に軸支されたブッシュ2656を介して回転可能に支持されている。
また、回転駆動機構2650は、回転装飾体2630の回転位置を検知可能な回転位置検知センサ2655を備えている。回転駆動機構2650は、駆動ギア2652に外方へ延出した板状の検知片2652aを備えており、この検知片2652aを回転位置検知センサ2655で検知することで、回転装飾体2630の回転位置を検知することができるようになっている。
表右中演出ユニット2600のベース部材2660は、表右中可動装飾体2610及び回転駆動機構2650の後側を覆うように形成されている。このベース部材2660は、表右中可動装飾体2610を支持する部位から上方へ延出した腕部2661と、腕部2661の先端に形成されユニットベース2502に対して回動可能に支持される軸受部2662と、軸受部2662と表右中可動装飾体2610を支持する部位との間の腕部2661に形成され軸受部2661の中心を通る放射線上に沿って長く延び前後方向に貫通したスリット2663と、を備えている。ベース部材2660は、軸受部2662に、ユニットベース2502の後側に後方へ延出するように取付けられる支持ピン2601が挿入されるようになっており、支持ピン2601により回動可能に支持されるようになっている。
また、ベース部材2660の前側に取付けられるモータベース2665は、表右中可動装飾体2610の下側に相当する下端に、軸受部2662を中心とした円弧状に延びたガイド片2664を備えている。このガイド片2664は、軸受部2662を中心とした外周端に、前後方向へ延出した板状の部位を有しており、ユニットベース2502と隔壁部材2520とで形成される円弧状の溝内に挿入されるようになっている。これにより、ガイド片2664によって、ベース部材2660を回動させた時に前後方向へ揺れが抑制されるようになっている。
表右中演出ユニット2600のガイド片2664は、ステージ2510における第一ステージ2511の正面視右側の延長線上に位置するようになっている。これにより、表右中可動装飾体2610を回動駆動機構2670によって通常位置から出現位置へ正面視左方向に回動させると、ガイド片2664が第一ステージ2511の右端の上部を覆うように位置することとなり(図139を参照)、第一ステージ2511から遊技球が右方向へ跳ねても、遊技球が表右中可動装飾体2610の回転装飾体2630に接触するのを防止することができる。従って、回転する回転装飾体2630によって遊技球が跳ね飛ばされてしまうことで、遊技球本来の動きが損なわれて遊技者に不信感を与えてしまうのを防止することができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、ガイド片2664は、正面視左端側面が、左端が低くなるように傾斜している。これにより、表右中可動装飾体2610が通常位置の時には、ガイド片2664の左端と、ユニットベース2502と隔壁部材2520とで形成される円弧状の溝とによって、回転装飾体2630の下側に遊技球を収容可能な空間を形成することができるので、万が一第一ステージ2511の右端側から遊技球が右方向へ逸脱しても、前述の空間に遊技球を収容保持して遊技球の動きを停止させることができ、遊技球が本来とは異なる動きをしてしまうのを防止することができる。
なお、前述の空間に収容保持された遊技球は、表右中可動装飾体2610を通常位置から正面視左方向の出現位置へ移動(回動)させることで、ガイド片2664の左端の斜めになった側面により、左方向(第一ステージ2511の方向)へ転動し、ステージ2510へ送り返されるようになっている。従って、表右中可動装飾体2610を通常位置から出現位置へ移動させる速度によっては、ガイド片2664の左端に収容保持された遊技球を、ステージ2510側へ飛ばすことが可能となる(図140を参照)ので、センター役物2500の枠内でステージ2510を転動する遊技球の動きとは異なる動きを遊技者に見せることができ、遊技者に遊技媒体の動きを楽しませて興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
表右中演出ユニット2600の回動駆動機構2670は、回転軸が前後方向へ延びるようにユニットベース2502の所定位置に取付けられる表第二駆動モータ2671と、表第二駆動モータ2671の回転軸に固定される円盤状のリンクホイール2672と、リンクホイール2672における回転軸から偏芯した位置に支持されベース部材2660のスリット2663内へ摺動可能に挿入されるリンクピン2673と、を備えている。
また、回動駆動機構2670は、ユニットベース2502の所定位置に取付けられベース部材2660を介して表右中可動装飾体2610の回動位置を検知する回動位置検知センサ2674を備えている。この回動位置検知センサ2674は、ユニットベース2660に取付けられるモータベース2665のガイド片2664の正面視右端を検知できる位置に取付けられている。
この回転駆動機構2670は、表第二駆動モータ2671によってリンクホイール2672を回転させると、リンクピン2673が所定半径の円周上を公転するようになっており、リンクピン2673が公転することで、リンクピン2673がスリット2663内を摺動すると同時に、リンクピン2673がスリット2663の内壁を所定方向へ押圧し、ベース部材2660が軸受部2662(支持ピン2601)を中心として回動するようになっている。
回動駆動機構2670は、リンクピン2673がベース部材2660の軸受部2662と表右中可動装飾体2610との間に配置されているので、リンクピン2673の公転直径よりも表右中可動装飾体2610を大きく移動させることができるようになっている。本例の表右中演出ユニット2600は、回動移動機構2670によって、表右中可動装飾体2610を、窓部2501の正面視右辺側に位置した通常位置と、窓部2501の正面視中央側に位置した出現位置との間で回動させることができるようになっている。
なお、回動駆動機構2670のリンクホイール2672は、隔壁部材2520の前側に位置すると共に、外周面の一部が窓部2501内へ臨むようになっている(図94及び図115を参照)。これにより、メンテナンス等の作業者が、センター役物2500(遊技盤5)の前側からリンクホイール2672の外周に触れてリンクホイール2672を回転させることができるので、ベース部材2660(表右中可動装飾体2610)が所定以外の回動位置で停止する不具合が発生しても、センター役物2500を分解することなく前側からリンクホイール2672を回転させてベース部材2660を正規の位置へ復帰させることができ、メンテナンス等にかかる手間を簡略化することができると共に、不具合発生により遊技が中断する時間を可及的に短縮することができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
また、センター役物2500の表右中演出ユニット2600は、詳細な図示は省略するが、表右中可動装飾体2610が正面視で最も右側へ位置した通常位置の時に、支持ピン2601(軸受部2662)の中心を通る垂直線が、リンクホイール2672の中心とリンクピン2673との間を通るように、支持ピン2601及びリンクホイール2672等が配置されている。これにより、表右中可動装飾体2610を、正面視でより左側へ回動させることができ、表右中可動装飾体2610の出現位置をより中央へ寄せて遊技者に対して注目し易くすることができるようになっている。なお、表右中可動装飾体2610を出現位置から通常位置へ戻す際に、公転するリンクピン2673が支持ピン2601の中心を通る垂直線を跨って移動することとなるので、リンクピン2673が当該垂直線に到達してから通常位置まで公転する間は、表右中可動装飾体2610等からの荷重がリンクピン2673に作用して表第二駆動モータ2671に負荷がかかり、表右中可動装飾体2610が通常位置へ戻ることができないことがあるかも知れないが、上述したように、センター役物2500の枠内に一部が露出したリンクホイール2672を回転操作することで、リンクピン2673を公転させて表右中可動装飾体2610を通常位置へ戻すことができるようになっている。
センター役物2500の表右外演出ユニット2700は、表右中可動装飾体2610が通常位置の状態で、表右中可動装飾体2610の下側に配置され前面に所定文字の装飾を有した表右中下装飾部材2710と、表右中下装飾部材2710の後側に配置され前面に複数のLEDが実装された表右中下装飾基板2711と、前面に表右中下装飾部材2710とは異なる文字の装飾を有し表右中可動装飾体2610の上側に配置さる表右中上装飾部材2720と、表右中上装飾体2720と表右中下装飾体2710との間で表右中可動装飾体2610における固定装飾体2620の右側外周を囲むように配置され上方へ向かって幅が広くなる円弧状の表右中外周装飾部材2730と、表右中外周装飾部材2730と表右中上装飾部材2720の後側に配置され前面に複数のLEDが実装された表右中外周装飾基板2733と、を備えている。
表右外演出ユニット2700の表右中下装飾部材2710は、文字の部位が透光性を有するように形成されていると共に、遊技パネル1150の前面よりも前方へ突出し周壁部2503の一部を形成している。この表右中下装飾部材2710は、正面視保留数表示器2530の右側の位置でユニットベース2502の前面に、表右中下装飾基板2711を挟持するように取付けられている。この表右中下装飾部材2710は、表右中下装飾基板2711のLEDを適宜発光させることで、発光装飾することができるようになっている。
表右中上装飾部材2720は、文字の部位が透光性を有するように板状に形成され、表右中外周装飾部材2730の上部前面に取付けられている。この表右中上装飾部材2720は、表右中外周装飾基板2733における対応したLEDを適宜発光させることで、発光装飾することができるようになっている。
表右外演出ユニット2700の表右中外周装飾部材2730は、外形が上方へ向うに従って幅が広くなる円弧状で上方へ向うに従って周方向の長さが長くなる複数の開口を有した枠状の枠部材2731と、枠部材2731の後側に配置されると共に枠部材2731の各開口内に挿入されるブロック部を備え透光性を有したレンズ部材2732と、を備えている。この表右中外周装飾体2730は、枠部材2731がユニットベース2502の前面に取付けられており、枠部材2731とユニットベース2502との間にレンズ部材2732と表右中外周装飾基板2733とが挟持されるようになっている。表右中外周装飾基板2733は、枠部材2731の各開口と対応した位置に夫々LEDが配置されており、各開口(レンズ部材2732のブロック部)毎に発光装飾させることができるようになっている。
本実施形態のセンター役物2500は、正面視で左右方向の略中央よりも上側及び右側の周壁部2503の外周が、遊技領域5aの内周(前構成部材1110Aの内周)に略沿った形状とされており、遊技パネル1150に取付けた状態では、センター役物2500における上側及び右側の周壁部2503の外周に沿って、遊技球の外径よりも若干大きい隙間が形成されるようになっている。これにより、右側外周の隙間に遊技球が進入するように遊技球を打ち込む(所謂、右打ちする)と、アタッカユニット2100の案内通路2142a内に進入するようになっており、極めて高い確率でゲート部2105に遊技球を通過させることができるようになっている。
また、センター役物2500は、遊技パネル1150に取付けた状態では、センター役物2500の左側の外周に、遊技領域5aの内周との間で所定幅の領域が形成されるようになっている。これにより、センター役物2500の左側へ遊技球が進入するように遊技球を打ち込むと、その領域内で遊技球が複雑な動きで流下し、遊技球の動きを楽しめる遊技を行うことができるようになっている。また、センター役物2500の左側を流下するように遊技球を打ち込むと、ワープ入口2504へ遊技球を進入させることが可能となるので、ステージ2510上を転動する遊技球の動きを楽しむことができると共に、ステージ2510から遊技領域5a内へ還流放出される遊技球が、第一始動口2101等へ受入れられるか否かで遊技者の期待感を高めさせることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
[2−4A.表右中演出ユニットにおける固定装飾体の第二実施形態]
次に、センター役物2500の表右中演出ユニット2600における固定装飾体2620Aの第二実施形態について、主に図123乃至図126を参照して説明する。図123は表右中演出ユニットにおける固定装飾体の第二実施形態を分解して前から見た分解斜視図であり、図124は図123の固定装飾体を分解して後から見た分解斜視図であり、図125(a)は図123の固定装飾体の前カバーと演出シートを前から見た斜視図であり、(b)は(a)を正面に対してやや左寄りの位置から見た斜視図であり、(c)は(b)よりも更に左寄りの位置から見た斜視図である。図126(a)は図123の固定装飾体における演出シートの構成を示す説明図であり、(b)は消灯時の状態を示す説明図であり、(c)は青色点灯時の発光装飾態様を示す説明図であり、(d)は赤色点灯時の発光装飾態様を示す説明図である。なお、同一構成の部材については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
本例の固定装飾体2620Aは、上述した固定装飾体2620における前装飾体2621と後装飾体2622に対して置換え可能とされているものである。この固定装飾体2620Aは、図示するように、外周が円形状で前面が前方へ丸く膨出すると共に前面に所定形状の浅いレリーフが形成された透明な前カバー2625と、前カバー2625内に配置される薄板状の演出シート2626と、演出シート2626の後側に配置され複数の微細なプリズムを有した薄板状の拡散レンズシート2627と、拡散レンズシート2627の後側に配置されると共に前カバー2625内に挿入される透明円盤状の保持部材2628と、を備えている。
この固定装飾体2620Aは、演出シート2626が、透光性を有しスモーク色のベースフィルムと、ベースフィルムの裏面に形成された着色層とで構成されており、前側から見ると黒っぽく見えるようになっている(図126(b)を参照)。固定装飾体2620Aは、前から見ると、演出シート2626の前面に前カバー2625に形成されたレリーフ状の装飾が写るようになっている(図125を参照)。これにより、固定装飾体2620Aを発光装飾させない状態で正面から見ると、前カバー2625のレリーフと演出シート2626に写ったレリーフ、及び、前カバー2625の前面までと演出シート2626の前面までとの距離の差によって、前カバー2625のレリーフがよりデコパージュのように立体的に見えることとなり、これまでにない装飾を遊技者に提示することができると共に、図125(b)及び(c)に示すように、遊技者の見る位置によって見え方が変化するので、遊技者の関心を強く引付けることができ、遊技者を楽しませることができるようになっている。
また、固定装飾体2620Aは、演出シート2626における着色層が、図126(a)に示すように、殆ど透光性を有しない黒色部2626aと、透光性を有した青色部2626bと、透光性を有した赤色部2626cと、着色されていない未着色部2626dとで構成されている。これにより、表右中装飾基板2640における固定装飾体2620Aの後側に位置したLEDを、発光させていない時には図126(b)のようにベースフィルムのスモーク色により全体が黒っぽくなって絵柄が見えない状態となるのに対して、LEDを、青色で発光させると図126(c)のような絵柄で発光し、赤色で発光させると図126(d)のような絵柄で発光するようになっている。
詳述すると、固定装飾体2620Aにおける演出シート2626の着色層は、図126(c)の絵柄と図126(d)の絵柄とを重ねた時に、何れの絵柄にも含まれない部位を黒色部2626aとしていると共に、何れの絵柄にも含まれる部位を未着色部2626dとしている。また、また、図126(c)の絵柄と図126(d)の絵柄とを重ねた時に、図126(c)の絵柄のみの部位を青色部2626bとしていると共に、図126(d)の絵柄のみの部位を赤色部2626cとしている。従って、LEDを青色に発光させると、青色部2626bと未着色部2626dでは光が透過し、黒色部2626aと赤色部2626cでは光が透過しないので、図126(c)のような絵柄(動物を模した絵柄)が青色に発光することとなる。また、LEDを赤色に発光させると、赤色部2626cと未着色部2626dでは光が透過し、黒色部2626aと青色部2626bでは光が透過しないので、図126(d)のような絵柄(文字を模した絵柄)が赤色に発光することとなる。なお、LEDを白色で発光させた場合は、図126(a)のような絵柄が発光する。
このように、固定装飾体2620Aは、後側に配置された表右中装飾基板2640のLEDを発光させていない時には、前カバー2625に形成されたレリーフが演出シート2626に写ることで立体感のある装飾を提示することができる一方、LEDの発光色に応じて、異なる絵柄を発光表示させることができ、多彩な演出を遊技者に提示して飽き難くすることができるようになっている。なお、前カバー2625のレリーフは、LEDを青色に発光させた時に発光表示される絵柄と略同じ形状とされており、これにより、前カバー2625のレリーフと合せて青色に発光した絵柄に立体感を付与することができるようになっている。
[2−5.裏ユニットの全体構成]
続いて、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤5の裏ユニット3000について、図127乃至図130を参照して説明する。図127は遊技盤における裏ユニットを前から見た斜視図であり、図128は遊技盤における裏ユニットを後から見た斜視図である。また、図129は裏ユニットを主な構成部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図130は裏ユニットを主な構成部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。
本実施形態の裏ユニット3000は、遊技パネル1150の後側に取付けられ前側が開放されると共に後壁3010aに液晶表示装置1900の表示画面が臨み前後方向へ貫通する開口3010bが形成された裏箱3010を備えている。裏ユニット3000における裏箱3010は、前側が開放された箱状で後壁3010aに前後方向に貫通した略矩形状の開口3010bと、前端外周から外側へ延出し遊技パネル1150の後側に固定されるフランジ状の固定部3010cとを備えている。裏箱3010の開口3010bは、液晶表示装置1900の正面視外形よりも小さく形成されている。
また、裏箱3010は、後壁3010aの後面における開口3010bの外周に液晶表示装置1900の外形と略同じ大きさで前方へ向かうように窪んだ液晶挿入部3010dと、液晶挿入部3010dにおける背面視右辺に形成され液晶表示装置1900の固定片1902を挿入可能とされた液晶固定部3010eと、液晶固定孔3010eとは液晶挿入部3010dにおける反対側の辺(背面視右辺)に形成されロック機構3040が取付けられるロック機構取付部3010fと、を備えている。この裏箱3010は、液晶挿入部3010d内に液晶表示装置1900が後側から挿入されるようになっていると共に、後壁3010aにおける液晶挿入部枠3010d内の後面が平坦面とされており、液晶表示装置1900の前面が当接するようになっている。
なお、詳細な説明は省略するが、裏箱3010には、各演出ユニット3100,3300,3500、基板やカバー等を取付けるための取付孔や取付ボス等が適宜位置に形成されている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3010内の前端付近で表サイドユニット2200と対応した位置に取付けられ前面に複数のLEDが実装された裏左下装飾基板3020と、裏箱3010内の前端付近でアタッカユニット2100の案内通路部材2142と対応した位置に取付けられ前面に複数のLEDが実装された裏右下装飾基板3021と、裏箱3010内における開口3010bの上側で後壁3010aの前面に取付けられる裏上中継基板3022と、裏箱3010内における開口3010bの正面視右側で後壁3010aの前面に取付けられる裏右中継基板3023と、裏箱3010内における開口3010bの正面視左側で後壁3010aの前面に取付けられる裏左中継基板3024と、を備えている。
更に、裏ユニット3000は、裏箱3010の後壁3010aにおける後面で開口3010bよりも下側の背面視左下隅に取付けられるパネル中継基板3025と、パネル中継基板3025の背面視右側に配置され裏箱3010における後壁3010aの後面に取付けられる第一駆動基板3026と、第一駆動基板3026の背面視右側に配置され裏箱3010における後壁3010aの後面に取付けられる第二駆動基板3027と、を備えている。
また、裏ユニット3000は、パネル中継基板3025の後側を覆い裏箱3010に取付けられるパネル中継基板カバー3030と、第一駆動基板3026の後側を覆い裏箱3010に取付けられる第一駆動基板カバー3031と、第二駆動基板3027の後側を覆い裏箱3010に取付けられる第二駆動基板カバー3032と、を備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3010における後壁3010aの後面に液晶表示装置1900を脱着可能に保持するためのロック機構3040を備えている。本例のロック機構3040は、裏箱3010のロック機構取付部3010fに対して上下方向へスライド可能に取付けられるようになっており、上側へスライドさせると、液晶表示装置1900の固定片1902を後側から挿入することができる挿入口が開口し、その挿入口から固定片1902を挿入した上でロック機構3040を上側へスライドさせると、挿入口の後端が閉鎖されて固定片1902が抜けないようになり、液晶表示装置1900をロックすることことができるようになっている。
更に、裏ユニット3000は、裏箱3010内の左端における前端付近に取付けられた上下方向へ延びた板状の裏左ホルダ3050と、裏箱3010内の前端付近でアタッカユニット2100の第二始動口2102及び一般入賞口2104と対応した位置に取付けられ遊技球を誘導可能な裏右誘導部材3060と、裏箱3010内の前端付近でアタッカユニット2100の第一始動口2101及び表サイドユニット2200の三つの一般入賞口2201と対応した位置に取付けられ遊技球を誘導可能な裏左誘導部材3070と、を備えている。
また、裏ユニット3000は、裏左ホルダ3050及び裏右誘導部材3060の所定位置に取付けられ磁気を検出可能な磁気検出センサ3080と、裏左誘導部材3070の所定位置に取付けられ第一始動口2101に受入れられた遊技球を検知可能な第一始動口センサ3081と、裏右誘導部材3060及び裏左誘導部材3070の所定位置に夫々取付けられ一般入賞口2104,2201に受入れられた遊技球を検知可能な一般入賞口センサ3082と、を備えている。
更に、裏ユニット3000は、裏箱3010内における開口3010bの上側及び左右両側に亘って配置される裏横演出ユニット3100と、裏箱3010内における開口3010bの上側に配置される裏上演出ユニット3300と、裏箱3010内における開口3010bの下側に配置される裏下演出ユニット3500と、を備えている。
裏ユニット3000の裏左下装飾基板3020は、前面に実装されたLEDを適宜発光させることで、表ユニット2000におけね表サイドユニット2200を発光装飾させることができるようになっている。また、裏右下装飾基板3021は、前面に実装されたLEDを適宜発光させることで、表ユニット2000におけるアタッカユニット2100の案内通路部材2142を発光装飾させることができるようになっている。
裏ユニット3000における裏上中継基板3022は、第一駆動基板3026及び第二駆動基板3027と周辺制御基板4010との接続を中継するためのものである。また、裏右中継基板3023は、第一駆動基板3026及び第二駆動基板3027と裏横演出ユニット3100における裏右演出ユニット3100Rの裏横中継基板3112との接続を中継するためのものであり、裏左中継基板3024は、第一駆動基板3026及び第二駆動基板3027と裏横演出ユニット3100における裏左演出ユニット3100Lの裏横中継基板3112との接続を中継するためのものである。
裏ユニット3000におけるパネル中継基板3025は、主制御基板4100と周辺制御基板4010との接続や、主制御基板4100と第一始動口センサ3082、第二始動口センサ2125、カウントセンサ2114、一般入賞口センサ3082、ゲートセンサ2126、始動口ソレノイド2124、アタッカソレノイド2113等との接続を中継するためのものである。
裏ユニット3000における第一駆動基板3026及び第二駆動基板3027は、周辺制御基板4010からの制御信号(コマンド)に基づいて、扉枠3に備えられた各装飾基板214,216,254,256,288,290,322,430,432等や、遊技盤5に備えられた各装飾基板2115,2118,2127,2133,2521,2522,2640,3020,3021,3129,3130等に実装されたLEDの発光を制御したり、周辺制御基板4010からの制御信号(コマンド)に基づいて、扉枠3に備えられたダイヤル駆動モータ414や、遊技盤5に備えられた各駆動モータ3123,3152,3159,3302,3506等の駆動を制御したりするためのものである。
裏ユニット3000における裏左ホルダ3050は、センター役物2500におけるワープ入口2504と対応した位置に磁気検出センサ3080を支持するようになっており、磁石を用いて遊技球をワープ入口2504へ誘導させるような不正行為を検出することができるようになっている。
裏ユニット3000における裏右誘導部材3060は、センター役物2500における第一始動口2101と対応した位置に磁気検出センサ3080を支持するようになっており、磁石を用いて遊技球を第一始動口2101へ誘導させるような不正行為を検出することができるようになっている。
この裏右誘導部材3060は、アタッカユニット2100における第二ユニット2120及び第三ユニット2130の後側に配置されるようになっており、上端部前面に一般入賞口2104と連通可能な上開口3061と、上下方向略中央部前面に第二始動口2102と連通可能な中開口3062と、を備えている。裏右誘導部材3060は、図示は省略するが、上開口3061から下端まで延び遊技球が流通可能とされると共に下端が下方へ向かって開口した右誘導通路を備えている。中開口3062は、右誘導通路の途中と連通しており、上開口3061や中開口3062に進入した遊技球は、ともに右誘導通路によって下端から下方へ排出されるようになっている。
これにより、裏右誘導部材3060は、アタッカユニット2100の一般入賞口2104へ受入れられて遊技パネル1150の後側へ誘導された遊技球が上開口3061から右誘導通路内へ進入するようになっていると共に、第二始動口2102へ受入れられて遊技パネル1150の後側へ誘導された遊技球が中開口3062から右誘導通路内へ進入するようになっている。なお、裏右誘導部材3060では、右誘導通路における上開口3061と中開口3062との間の位置に、一般入賞口センサ3082が取付けられており、上開口3061つまり一般入賞口2104からの遊技球のみを検知することができるようになっている。
裏ユニット3000における裏左誘導部材3070は、アタッカユニット2100における第一始動口2101が配置された部位と、表サイドユニット2200における三つの一般入賞口2201が配置された部位とに跨るようにそれらの後側に配置されるようになっている。正面視右端部で上下方向へ延びると共に遊技球が流通可能とされ、上端部がアタッカユニット2100の第一始動口2101と連通可能とされた中誘導通路3071と、中誘導通路3071の正面視左側前面に形成され、表サイドユニット2200の各一般入賞口2201と夫々連通可能とされた三つの左開口3072と、を備えている。
裏左誘導部材3070の中誘導通路3071は、下端が下方へ向かって開放されていると共に、開放された前側がアタッカユニット2100の後面によって閉鎖されるようになっている。これにより、第一始動口2101に受入れられて遊技パネル1150の後側へ誘導された遊技球が、上端部から中誘導通路3071内に進入し、中誘導通路3071により下方へ誘導されて下端から下方へ排出されるようになっている。なお、中誘導通路3071の上部付近と下部付近に第一始動口センサ3081が取付けられており、一つの遊技球を二回検知するようになっている。つまり、詳細は省略するが、二つの第一始動口センサ3081からの遊技球の検知信号の検知パターンに基づいて第一始動口2101への遊技球の受入れ(入賞)を判断するようにしており、予め設定した正規の検知パターンと異なる検知パターンが検知された場合は、例えば、第一始動口2101に対して不正工具を出し入れするような不正行為が行われていると判断し、不正行為に対する所定の遊技処理を行うようになっている。
また、裏左誘導部材3070は、図示は省略するが、中誘導通路3071の正面視左側に、三つの左開口3072と連通し下端に遊技球が通過可能な排出口を有した左誘導通路を備えている。この左誘導通路の排出口に一般入賞口センサ3082が取付けられており、三つの一般入賞口2201の何れに遊技球が受入れられても、一つの一般入賞口センサ3082によって検知されるようになっている。
[2−6.裏横演出ユニット]
続いて、裏ユニット3000における裏横演出ユニット3100について、主に図131乃至図138を参照して説明する。図131は裏ユニットにおける裏横演出ユニットを前から見た斜視図であり、図132は裏ユニットにおける裏横演出ユニットを後から見た斜視図である。また、図133は裏横演出ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図134は裏横演出ユニットを主な部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。更に、図135は裏横演出ユニットにおける一つの回転装飾体ユニットを前から見た斜視図であり、図136は裏横演出ユニットにおける一つの回転装飾体ユニットを後から見た斜視図である。また、図137は裏横演出ユニットの回転装飾体ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図138は裏横演出ユニットの回転装飾体ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。
本実施形態の裏ユニット3000における裏横演出ユニット3100は、裏箱3010内における開口3010bの上側、及び左右両側に配置され、裏箱3010内における開口3010bの上下両側の位置で取付けられている。裏横演出ユニット3100は、裏箱3010内における開口3010bの正面視右側に配置される裏右演出ユニット3100Rと、裏右演出ユニット3100Rとは略左右対称に形成され裏箱3010内における開口3010bの正面視左側に配置される裏左演出ユニット3100Lと、裏左演出ユニット3100L及び裏右演出ユニット3100Rを夫々独立して左右方向へ移動させることができ裏箱3010内における開口3010bの上側及び下側に配置される裏横スライドユニット3150と、を備えている。
裏横演出ユニット3100における裏右演出ユニット3100R及び裏左演出ユニット3100Lは、裏横スライドユニット3150によって上端及び下端が左右方向へスライド可能に支持され、前側及び裏箱3010の開口3010bに対して正面視左右方向中央へ向いた側が開放された縦長箱状の裏横ベース3110と、裏横ベース3110における開放された前側及び中央へ向いた側の夫々一部を被覆可能とし裏横ベース3110の前面に取付けられる裏横装飾部材3111と、裏横ベース3111における開放された中央へ向いた側とは反対側の外側面に取付けられる縦長の裏横中継基板3112と、箱状の裏横ベース3110内に上下方向へ列設した状態で取付けられる三つの回転装飾体ユニット3120と、を備えている。
裏右演出ユニット3100R及び裏左演出ユニット3100Lの裏横ベース3110は、上下方向の高さが、裏箱3010における開口3010bの上下方向の高さよりも若干高く形成されている。また、裏横ベース3110は、上端前面から上方へ突出し裏横スライドユニット3150の右連結部材3157又は左連結部材3162の下端と接続されるスライダ取付部3110aと、下端から下方へ突出し左右方向に延び裏横スライドユニット3150の右下ガイド部材3170R又は左下部ガイド部材3170L内に挿入案内される被案内部3110bと、を備えている。この裏横ベース3110は、透明な合成樹脂によって形成されている。
裏右演出ユニット3100R及び裏左演出ユニット3100Lの裏横装飾部材3111は、裏横ベース3110内に取付けられた三つの回転装飾ユニット3120の各回転装飾体3126と対応する位置で、各回転装飾体3126の前側及び裏箱3010の開口3010bの左右方向中央を向いた側が臨むように切欠かれた複数の切欠き部3111aを備えている。この裏横装飾部材3111は、切欠き部3111a同士の間の部位で、回転装飾体ユニット3120の回転装飾体3126の上下に位置する下部ベース3121と上部ベース3122とを遊技者側から隠すことができるようになっている。
また、裏横装飾部材3111は、前面に浅いレリーフ状の装飾が施されていると共に、回転装飾体ユニット3120における裏横装飾基板3130と対応した位置に装飾に沿うように前後方向へ貫通した複数の開口3111bを有している。これにより、裏横装飾部材3111の開口3111bを通して裏横装飾基板3130からの光を前方へ直接的に照射させることができるようになっている。
裏右演出ユニット3100R及び裏左演出ユニット3100Lの回転装飾体ユニット3120は、左右方向へ延びた板状の下部ベース3121と、下部ベース3121における左右方向中央から裏箱3010の開口3010bに対して正面視左右方向中央へ向いた側とは反対側の上側に取付けられる箱状の上部ベース3122と、上部ベース3122の上面に回転軸が下部ベース3121側へ延出するように取付けられる裏横回転駆動モータ3123と、裏横回転駆動モータ3123の回転軸に固定されると共に下部ベース3121の上面で回転可能に支持される駆動ギア3124と、駆動ギア3124と噛合すると共に駆動ギア3124と同径に形成され下部ベース3121の上面で回転可能に支持される平歯車状の従動ギア3125と、従動ギア3125の上面に取付けられ上下方向に延びた有底筒状で外周が略正四角形に形成された回転装飾体3126と、回転装飾体3126の回転位置を検知可能とし上部ベース3122に取付けられる回転位置検知センサ3127と、を備えている。
また、回転装飾体ユニット3120は、回転装飾体3126の内部に上方から挿入されると共に上端が上部ベース3122に取付けられ上下方向へ延びた半円筒状のレンズ部材3128と、レンズ部材3128の弦側に取付けられレンズ部材3128側を向いた面に複数のLEDが実装された縦長の回転装飾体装飾基板3129と、上部ベース3122の前面における左右方向の略中央に取付けられ前面に複数のLEDが実装された裏横装飾基板3130と、を備えている。
回転装飾体ユニット3120の下部ベース3121は、前後方向の長さが回転装飾体3126の外径よりも若干長く形成されており、左右両端における従動ギア3125を挟んで駆動ギア3124とは反対側の端部が、従動ギア3125の軸芯と略同心とされた半円形状に形成されている。また、下部ベース3121は、駆動ギア3124を回転可能に支持し上方へ延出した駆動軸部3121aと、従動ギア3125を回転可能に支持し上方へ延出した従動軸部3121bとを備えている。駆動軸部3121aは、駆動ギア3124の下面に形成された軸孔(図示は省略)内に挿入されるようになっている。また、従動軸部3121bは、従動ギア3125の軸芯を貫通した軸孔3125a内に、ブッシュ3131を介して挿入されるようになっている。
回転装飾体ユニット3120の上部ベース3122は、下部ベース3121における左右方向中央から駆動ギア3124を支持する側に配置され下側及び従動ギア3125側(開口3010bにおける左右方向中央を向いた側)が開放された箱状の本体部3122aと、本体部3122aの上端における開放された従動ギア3125側から上方へ延出した立壁部3122bと、立壁部3122bの上端から従動ギア3125側へ下部ベース3121と略平行に延びた天板部3122cと、を備えている。本例の回転装飾体ユニット3120は、上下方向へ延びた軸芯周りに回転可能とされた回転装飾体3126が下部ベース3121と上部ベース3122の天板部3122cとの間に配置されている。
この上部ベース3122は、本体部3122aの下端が下部ベース3121に取付けられるようになっている。また、上部ベース3122は、本体部3122aの上面に裏横回転駆動モータ3123が取付けられるようになっている。上部ベース3122の立壁部3122bは、本体部3122aに取付けた裏横回転駆動モータ3123よりも高く上方へ延出している。上部ベース3122の天板部3122cは、立壁部3122bとは反対側の先端が半円形状に形成されており、下面にレンズ部材3128が取付けられるようになっている。
なお、上部ベース3122における天板部3122cの下面には、回転装飾体3126の内部に挿入される円筒状のガイド筒(図示は省略)を有した円環状の上部ガイド3132が取付けられるようになっている。この上部ガイド3132は、回転装飾体3126の内部に挿入されるガイド筒の外径が、回転装飾体3126の内接円の直径よりも若干小さい径とされており、回転装飾体3126の上端側を回転可能に支持することができるようになっている。
回転装飾体ユニット3120の駆動ギア3124は、上端が裏横回転駆動モータ3123の回転軸に固定され下方へ延出した軸部3124aと、軸部3124aの下端に形成され従動ギア3125と噛合する平歯車状のギア部3124bと、軸部3124aの上下方向略中央から軸直角方向へ扇状に延出した検知片3124cと、ギア部3124bの中心で下面側から上方へ窪んだ軸孔(図示は省略)と、を備えている。この駆動ギア3124は、軸孔が下部ベース3121の駆動軸部3121aに挿入されるようになっており、裏横回転駆動モータ3123から遠く配置されたギア部3124bの回転軸芯が振れ難いようになっている。また、検知片3124cは、上部ベース3122における本体部3122a内に取付けられた回転位置検知センサ3127によって検知されるようになっており、駆動ギア3124の検知片3124cを検知することで回転装飾体3126の回転位置を検知することができるようになっている。
回転装飾体ユニット3120の回転装飾体3126は、図示するように、外周が略正四角形の上下方向へ延びた有底筒状に形成されており、回転装飾体ユニット3120として組立てることで正四角形の中心を略軸芯とした上下方向へ延びた軸周りを回転可能とされている。この回転装飾体3126は、透光性を有すると共に、外周の四面に夫々異なる装飾が施されている。
回転装飾体ユニット3120のレンズ部材3128及び回転装飾体装飾基板3129は、組立てた状態で上部ベース3122の天板部3122cから回転装飾体3126の下端付近まで延びた長さとされており、回転装飾体3126の上下方向の全体を略均一に発光装飾させることができるようになっている。なお、断面半円形状のレンズ部材3128は、その弦方向が、前後方向に対して直角方向へ広がった面(遊技パネル1150の前面と平行な面)に対し、裏箱3010における開口3101bの左右方向中央側が後退するように傾斜した状態(例えば、平面視で約30度傾斜した状態)で上部ベース3122に取付けられている。これにより、レンズ部材3128の弦側に取付けられた回転装飾体装飾基板3129の前面が、遊技者側を向くこととなり、回転装飾体3126を発光装飾させた時に遊技者がより明るく感じられるようになっている。
回転装飾体ユニット3120の裏横装飾基板3130は、上部ベース3122における本体部3122aの前面側で、立壁部3122bの上端まで延出するように取付けられている。この裏横装飾基板3130は、前面に実装されたLEDを適宜発光させることで、裏横装飾部材3111を後側から発光装飾させることができるようになっている。
本実施形態の回転装飾体ユニット3120は、図示するように、組立てた状態では、回転装飾体3126外周の四面の内、裏箱3010における開口3010bの左右方向中央側とは反対側を向いた面を除く、三面を露出させることができるようになっている。また、回転装飾体ユニット3120は、下部ベース3121及び上部ベース3122の後面が夫々裏横ベース3110内に取付けられるようになっている。
なお、回転装飾体ユニット3120は、裏右演出ユニット3100R用と裏左演出ユニット3100L用とでは、互いに左右対称に形成されている。
裏横演出ユニット3100の裏横スライドユニット3150は、裏箱3010内の前端付近で開口3010bよりも上側の位置に取付けられ略全幅に亘るように左右方向へ延びたユニットベース3151と、ユニットベース3151の正面視右端付近の後面上部に取付けられユニットベース3151を貫通して回転軸が前方へ延出する裏横右スライド駆動モータ3152と、裏横右スライド駆動モータ3152の回転軸に固定される平歯車状の駆動ギア3153と、駆動ギア3153の正面視左側の位置でユニットベース3151により回転可能に支持され駆動ギア3153と噛合する平歯車状の第一伝達ギア3154と、第一伝達ギア3154の正面視左側の位置でユニットベース3151により回転可能に支持され第一伝達ギア3154と噛合する平歯車状の第二伝達ギア3155と、第二伝達ギア3155と噛合する左右方向へ延びたラックギア3156aを有し、ユニットベース3151における第二伝達ギア3155よりも下側前面の位置で左右方向へスライド可能に支持される板状の右スライダ3156と、右スライダ3156の下端に上端が取付けられると共に下端が裏右演出ユニット3100Rにおける裏横ベース3110のスライダ取付部3110aに取付けられる右連結部材3157と、を備えている。
また、裏横スライドユニット3150は、ユニットベース3151の所定位置に取付けられ裏右演出ユニット3100Rの左右方向スライド位置を検知可能な右スライド位置検知センサ3158を備えている。この右スライド位置検知センサ3158は、右スライダ3156に備えられた検知片(詳細な図示は省略する)を検知することで、右スライダ3156を介して裏右演出ユニット3100Rのスライド位置を検知することができるようになっている。
また、裏横スライドユニット3150は、ユニットベース3151の正面視左右方向中央よりも左側の上部後面に取付けられユニットベース3151を貫通して回転軸が前方へ延出する裏横左スライド駆動モータ3159と、裏横左スライド駆動モータ3159の回転軸に固定される平歯車状の駆動ギア3160と、駆動ギア3160と噛合する左右方向へ延びたラックギア3161aを有し、ユニットベース3151における駆動ギア3160の下側前面の位置で左右方向へスライド可能に支持される板状の左スライダ3161と、左スライダ3161の下端に上端が取付けられると共に、下端が裏左演出ユニット3100Lにおける裏横ベース3110のスライダ取付部3110aに取付けられる左連結部材3162と、を備えている。
更に、裏横スライドユニット3150は、ユニットベース3151の所定位置に取付けられ裏左演出ユニット3100Lの左右方向スライド位置を検知可能な左スライド位置検知センサ3163を備えている。この左スライド位置検知センサ3163は、左スライダ3161に備えられた検知片(詳細な図示は省略する)を検知することで、左スライダ3161を介して裏左演出ユニット3100Lのスライド位置を検知することができるようになっている。
また、裏横スライドユニット3150は、ユニットベース3151の前面に取付けられ、駆動ギア3153,3160、右スライダ3156、及び左スライダ3161等の前側を被覆する板状のユニットカバー3165を備えている。
更に、裏横スライドユニット3150は、裏箱3010内で開口部3010bの下側に取付けられ上側が開放されると共に左右方向へ延び裏右演出ユニット3100Rの下端を左右方向へスライド可能に案内する右下部ガイド部材3170Rと、裏箱3010内で開口部3010bの下側に取付けられ上側が開放されると共に左右方向へ延び裏左演出ユニット3100Lの下端を左右方向へスライド可能に案内する左下部ガイド部材3170Lと、を備えている。右下部ガイド部材3170R及び左下部ガイド部材3170Lは、上方から裏右演出ユニット3100R及び裏左演出ユニット3100Lにおける裏横ベース3110の被案内部3110bが摺動可能に挿入されるようになっており、被案内部3110bを介して裏右演出ユニット3100R及び裏左演出ユニット3100Lを左右方向へスライド可能に案内することができるようになっている。
裏横スライドユニット3150における右スライダ3156及び左スライダ3161は、夫々上端に左右方向へ延びるように形成されたラックギア3156a,3161aと、裏箱3010における開口3010bの左右方向中央寄りの左右方向端部から上方へ板状に延出する検知片(図示は省略)と、後側が開放され左右方向へ延びると共に、上下方向へ平行に離間して形成されたガイド溝(図示は省略)と、を備えている。
これら右スライダ3156及び左スライダ3161は、ユニットベース3151の前面に回転可能に支持された複数のローラ(図示は省略)が、後面のガイド溝内に挿入されるようになっており、複数のローラによって左右方向へスライドできるようになっている。また、右スライダ3156及び左スライダ3161は、ユニットカバー3164とユニットベース3151とによって前後方向への移動が規制されるようになっている。
裏横延出ユニット3100の裏横スライドユニット3150は、裏横右スライド駆動モータ3152及び裏横左スライド駆動モータ3159を適宜方向へ回転駆動させることで、右スライダ3156及び左スライダ3161を所定範囲内で左右方向へ夫々独立してスライドさせることができ、而して、右スライダ3156及び左スライダ3161に取付けられた右連結部材3157及び左連結部材3162を介して裏右演出ユニット3100R及び裏左演出ユニット3100Lを左右方向へスライドさせることができるようになっている。
本実施形態の裏横演出ユニット3100は、正面視で左右方向へ離間して配置される裏右演出ユニット3100Rと裏左演出ユニット3100Lとに、夫々上下方向へ延びた軸回りを回転可能とされた回転装飾体3126が同軸状に上下方向へ三つ夫々列設されていると共に、上下に列設された回転装飾体3126が裏右演出ユニット3100Rと裏左演出ユニット3100Lとで互いに対向するように配置されている。本例の裏横演出ユニット3100は、裏横スライドユニット3150によって裏右演出ユニット3100R及び裏左演出ユニット3100Lを、互いに最も離反した位置(後退位置)と、最も接近した位置(出現位置)との間で夫々独立して左右方向へスライド移動させることができるようになっている。裏右演出ユニット3100R及び裏左演出ユニット3100Lが最も離反した位置の状態では、裏右演出ユニット3100Rと裏左演出ユニット3100Lとが、夫々センター役物2500における窓部2501の正面視外側に位置し、遊技者側から視認できない状態となるようになっている(図92等を参照)。そして、この状態が、通常の遊技状態となっている。
一方、裏横演出ユニット3100は、裏右演出ユニット3100R及び裏左演出ユニット3100Lを、互いに最も接近する位置へ移動させた状態とすると、夫々に回転可能に支持された回転装飾体3126が、センター役物2500における窓部2501の正面視内側に位置し、遊技者側から上下に列設された三つの回転装飾体3126が視認できる状態となる(図141を参照)。また、裏右演出ユニット3100R及び裏左演出ユニット3100Lを互いに最も接近させた状態では、センター役物2500の窓部2501から臨む液晶表示装置1900の表示画面の広さが、通常の状態よりもおよそ半分の広さとなるようになっている。
この裏横演出ユニット3100は、第一始動口2101や第二始動口2102へ遊技球が受入れられることで抽選される特別抽選結果に応じて可動するようになっている。
[2−7.裏上演出ユニット]
次に、裏ユニット3000における裏上演出ユニット3300について、主に図129及び図130を参照して説明する。
本実施形態の裏ユニット3000における裏上演出ユニット3300は、裏箱3010内における開口3010bの上側に取付けられ、裏横演出ユニット3100における裏横スライドユニット3150のユニットベース3151の後側に配置されている。この裏上演出ユニット3300は、裏箱3010内に取付けられ左右方向へ延びたユニットベース3301と、ユニットベース3301における正面視左端部付近の後面に取付けられユニットベース3301を貫通して回転軸が前方へ延出する裏上駆動モータ3302と、裏上駆動モータ3302の回転軸に固定される平歯車状の駆動ギア(図示は省略)と、駆動ギアと噛合し円弧状に延びたラックギアを有し、ユニットベースによって周方向へスライド可能に支持される円弧状で板状のスライダ(図示は省略)と、を備えている。
また、裏上演出ユニット3300は、図示しないスライダの前面に取付けられる裏上装飾体ベース3305と、裏上装飾体ベース3305の前面に取付けられ所定の装飾が施された裏上装飾体3306と、裏上装飾体3306と裏上装飾体ベース3305との間に配置され前面に複数のLEDが実装された裏上装飾基板(図示は省略)と、を備えている。
更に、裏上演出ユニット3300は、裏上装飾体ベース3305の後側に配置されると共にユニットベース3301の前面に取付けられ、駆動ギア及びスライダの前面を被覆するユニットベースカバー3308と、ユニットベースカバー3308とユニットベース3301とにより所定位置において前端及び後端が支持される前後方向へ延びた円柱状の三つの軸部材(図示は省略)と、各軸部材に夫々回転可能に挿入され、外周がスライダと当接可能とされた複数のブッシュ(図示は省略)と、を備えている。この裏上演出ユニット3300は、スライダが軸部材及びブッシュを介してユニットベース3301に対して周方向へスライド可能に支持されている。
また、裏上演出ユニット3300は、ユニットベース3301の所定位置に取付けられスライダのスライド位置を検知可能なスライド位置検知センサ(図示は省略)と、ユニットベース3301の所定位置に取付けられ、裏上装飾基板と第一駆動基板3026との接続を中継するための裏上中継基板(図示は省略)と、を備えている。
また、裏上演出ユニット3300は、図示は省略するが、裏上装飾体ベース3305における正面視右側端部と、ユニットベース3301における正面視右側端部に、夫々磁石が備えられており、互いに引き合う向きに取付けられている。
この裏上演出ユニット3300のユニットベース3301は、図示は省略するが、前側が開放された浅い箱状に形成されており、駆動ギアやスライダ等を収容することができるようになっている。また、ユニットベース3301は、図示は省略するが、所定位置に前後方向へ貫通し軸部材(図示は省略)の後端が挿入される三つの軸孔を備えている。
また、図示は省略するが、裏上演出ユニット3300の駆動ギアは、ユニットベース3301の高さ寸法に対して、約2/3の寸法の外径とされており、大径の平歯車状のギアとされている。
また、図示は省略するが、裏上演出ユニット3300のスライダは、ユニットベース3301よりも下方に中心を有した円弧状に延びると共に、略一定の幅で形成されており、半径方向外側の周面に駆動ギアと噛合するラックギアが配置されている。また、スライダは、周方向両端に形成され裏上装飾体ベース3305を取付けるための取付部と、半径方向の略中央で前後方向に貫通すると共に周方向へ延びたスリットと、周方向へ延びたラックギアの正面視右端外側に形成された板状の検知片と、を備えている。
裏上演出ユニット3300のスライダは、半径方向内側の周面とスリット内に、ユニットベース3301の軸孔に後端が支持された軸部材に挿入されるブッシュが当接するようになっており、当接したブッシュが回転することでスムーズに周方向へスライドできるようになっている。また、スライダは、スリットの両端が閉鎖されており、スリットの周方向端部にブッシュが当接することで、スライダの周方向のスライド範囲が規制されるようになっている。更に、裏上演出ユニット3300のスライダは、検知片がスライド位置検知センサによって検知可能とされており、検知片が検知されることでスライダ、つまり、裏上装飾体のスライド位置を検知することができるようになっている。
裏上演出ユニット3300の裏上装飾体ベース3305は、詳細な図示は省略するが、正面視でスライダに沿って延びるように形成され、正面視左端側がスライダの左端に取付けられると共に、右端側がユニットベースカバー3308の透孔(図示は省略)を通してスライダの右端部に取付けられるようになっている。この裏上装飾体ベース3305は、左右方向の略中央から正面視左側が平板状に形成されていると共に、外形が裏上装飾体3306の外形に沿った形状に形成されている。
裏上演出ユニット3300の裏上装飾体3306は、握り拳を模した浅い(薄い)レリーフ状に形成され、手の甲に相当する部位に所定の文字からなる透光性を有した装飾部3306aを備えている(図142を参照)。この裏上装飾体3306は、外周と装飾部3306a以外が不透光に近い状態に形成されており、スクリーン印刷等により所定の色彩が施されている。また、図示は省略するが、裏上装飾体3306の前面に施された装飾としての色彩は、外周から遠ざかるほど明度が低くなる(暗くなる)色彩とされている。
裏上演出ユニット3300の裏上装飾基板は、前面における裏上装飾体3306の外周と装飾部3306aとに対応した位置に複数のLEDが実装されている。これにより、裏上装飾基板によって裏上装飾体3306の外周と装飾部3306aとを、夫々発光装飾させることができるようになっている。
本例の裏上演出ユニット3300は、ユニットベース3301とユニットベースカバー3308とによってスライダを正面視左右方向中央よりも左側の位置で、周方向へスライド可能に支持されるようになっている。このスライダは、スライダの円弧に対する弦が水平に対して正面視左側がやや下がった状態(退避位置の状態)から、正面視で反時計回りの方向へスライダの円弧に対する弦が略垂直となる状態(出現位置の状態)まで、周方向へスライドすることができるようになっている。
この裏上演出ユニット3300は、通常の状態では、スライダの円弧に対する弦が水平に対して左側がやや下がった状態となっており、この状態では、スライダの前側に取付けられた裏上装飾体3306が、ユニットベース3301の真正面に位置した状態となっている。従って、通常の状態では、裏上演出ユニット3300の裏上装飾体3306が、センター役物2500における窓部2501よりも上側に位置した状態となり、遊技者から視認不能な状態、つまり、退避位置の状態となっている(図92を参照)。
一方、裏上演出ユニット3300は、裏上駆動モータ3302の駆動によってスライダを正面視反時計回りの周方向へスライドさせて、スライダの円弧に対する弦が略垂直となった状態では、スライダの前側に取付けられた裏上装飾体3306が、ユニットベース3301の真正面よりも下側に位置すると共に拳が下を向いた状態となっている。この状態では、裏上演出ユニット3300の裏上装飾体3306は、センター役物2500における窓部2501の上辺から窓部2501内へ垂下し、窓部2501の略中央に位置した状態となり、遊技者側から視認可能な状態、つまり、出現位置の状態となっている(図142を参照)。
[2−8.裏下演出ユニット]
続いて、裏ユニット3000における裏下演出ユニット3500について、主に図129及び図130を参照して説明する。本実施形態の裏ユニット3000における裏下演出ユニット3500は、裏箱3010内における開口3010bの下側で左右方向の略中央に取付けられ、裏左誘導部材3070の後側に配置されている。
本例の裏下演出ユニット3500は、略左右対称の所定形状に形成されると共に部分的に透光性を有した裏下装飾体3501と、裏下装飾体3501の後側に配置され前面に複数のLEDが実装された裏下装飾基板(図示は省略)と、裏下装飾基板の後側に配置されると共に裏下装飾体3501に取付けられるスライダ(図示は省略)と、スライダの後側に配置されると共にスライダを上下方向へスライド可能に支持し横長で後側が開放された浅い箱状のユニットカバー3504と、ユニットカバー3504の後側に取付けられると共に裏箱3010内に取付けられ横長で前側が開放された浅い箱状のユニットベース3505と、ユニットベース3505の後面に取付けられスライダを上下方向へスライド駆動させるための裏下駆動モータ3506と、を備えている。
裏下演出ユニット3500の裏下装飾体3501は、炎を模した形状に形成されている。また、図示は省略するが、裏下演出ユニット3500のスライダは、左右両端の位置で上下方向へ離間して配置され後方へ突出した筒状の支持ボスと、支持ボス同士の間で左右方向中央を挟んで左右両側に配置され前後方向へ貫通すると共に左右方向へ延びた一対のスリットと、を備えている。
裏下演出ユニット3500のユニットカバー3504は、図示は省略するが、左右方向に離間し前後方向へ貫通すると共に上下方向へ延びスライダの支持ボスが摺動可能に挿入される一対の昇降案内溝と、一対の昇降案内溝同士の間で左右方向中央を挟んで左右対称に配置され左右方向中央側が膨出するように円弧状に延びると共に前後方向へ貫通した透孔部と、を備えている。このユニットカバー3504は、一対の昇降案内溝によりスライダを上下方向へスライド可能に支持することができるようになっている。
裏下演出ユニット3500のユニットベース3505は、外形形状が、ユニットカバー3504の外形形状と同じ形状とされ、ユニットカバー3504とで前後方向の奥行きが浅い箱を形成することができるようになっている。裏下演出ユニット3500の裏下駆動モータ3506は、正面視で左右方向中央よりも左側の位置で、ユニットベース3505の後面に取付けられるようになっていると共に、ユニットベース3505に取付けた状態で回転軸が、ユニットベース3505を貫通して前側へ延出するようになっている。
また、裏下演出ユニット3500は、図示は省略するが、ユニットカバー3504とユニットベース3505との間で裏下駆動モータ3506の回転軸に固定される平歯車状の駆動ギアと、駆動ギアと噛合すると共に駆動ギアの正面視右側に配置され、ユニットベース3505によって回転可能に支持される平歯車状の第一伝達ギアと、第一伝達ギアと噛合すると共に第一伝達ギアの正面視右側に配置され、ユニットベース3505によって回転可能に支持される平歯車状の第二伝達ギアと、第二伝達ギアと噛合すると共に第二伝達ギアの正面視右側で駆動ギアと同じ高さに配置され、ユニットベース3505によって回転可能に支持される平歯車状の第三伝達ギアと、駆動ギアと噛合すると共に駆動ギアよりも正面視左側の位置でユニットベース3505により回動可能に支持される扇状のギア部、ギア部よりも半径方向外方へ延出する延出片、及び延出片の先端から前方へ突出しユニットカバー3504における正面視左側の透孔部を貫通してスライダの左側のスリット内へ摺動可能に挿入される伝達ピンを有した左リンク部材と、第三伝達ギアと噛合すると共に第三伝達ギアよりも正面視右側の位置でユニットベースにより回動可能に支持される扇状のギア部、ギア部よりも半径方向外方へ延出する延出片、及び延出片の先端から前方へ突出しユニットカバー3504における正面視右側の透孔部を貫通してスライダの右側のスリット内へ摺動可能に挿入される伝達ピンを有した右リンク部材と、を備えている。
裏下演出ユニット3500は、図示は省略するが、左リンク部材と右リンク部材とが左右方向中央を挟んで左右対称に配置されており、裏左駆動モータ3506により駆動ギアが回転駆動させられると、駆動ギア、及び複数の伝達ギアにより、左リンク部材と右リンク部材とが、夫々の伝達ピンが同じ高さの状態で互いに相反する方向へ回動するようになっている。つまり、左リンク部材及び右リンク部材が回動することで、夫々の伝達ピンの高さ位置が変化するようになっており、伝達ピンによってスライダつまり裏下装飾体3501を上下方向へスライドさせて昇降させることができるようになっている。
更に、裏下演出ユニット3500は、図示は省略するが、ユニットカバー3504における昇降案内溝に挿通されたスライダの支持ボスに後側から挿入され、支持ボスと昇降案内溝との間に配置される昇降ブッシュと、スライダのスリットに挿入された左リンク部材及び右リンク部材の伝達ピンに対して前側から挿入され伝達ピンとスリットとの間に配置される伝達ブッシュと、左リンク部材における延出片と駆動ギアとの間に配置されると共にユニットベース3505に取付けられる円弧状のギア押えと、ユニットベース3505の前面に取付けられ裏下装飾体3501のスライド位置(昇降位置)を検知可能な昇降位置検知センサと、ユニットカバーの前面に取付けられ裏下装飾基板と第二駆動基板3027との接続を中継する裏下中継基板と、を備えている。
裏下演出ユニット3500の左リンク部材は、図示は省略するが、回動軸芯に対してギア部とは反対側で半径方向外方へ延出した検知片を備えており、この検知片を昇降位置検知センサによって検知することで、左リンク部材の回動位置を検知することができ、而して、裏下装飾体3501の昇降位置を検知することができるようになっている。
本実施形態の裏下演出ユニット3500は、裏下装飾体3501が上下方向のスライド端に対して下端に位置した状態では、裏下装飾体3501がセンター役物2500における窓部2501の下側に位置しており、遊技者側から視認不能な状態(退避位置の状態)となっている(図92を参照)。一方、裏下装飾体3501が上下方向のスライド端に対して上端に位置した状態では、裏下装飾体3501がセンター役物2500における窓部2501の下辺から上側の窓部2501内に位置しており、遊技者側から視認可能な状態(出現位置の状態)となっている(図142を参照)。なお、図142に示すように、裏上演出ユニット3300の裏上装飾体3306と、裏下演出ユニット3500の裏下装飾体3501は、互いに出現位置の状態とした時に、夫々の下端と上端とが接触しない程度に接近するようになっている。
[2−9.液晶表示装置]
続いて、本例の遊技盤5における液晶表示装置1900について説明する。この液晶表示装置1900は、裏ユニット3000における裏箱3010の後面に脱着可能に取付けられるようになっており、遊技状態に応じて所定の演出画像を表示することができるようになっている。この液晶表示装置1900は、図96や図97等に示すように、左右両側から外方へ突出した固定片1902を備えており、この固定片1902を介して裏箱3010の後側に取付けられるようになっている。
具体的には、液晶表示装置1900は、裏箱3010における後壁3010aの後側に形成された液晶挿入部3010d内へ後側から挿入されるようになっており、正面視左辺から突出した二つの固定片1902が、裏箱3010における背面視右側の二つの液晶固定部3010e内に挿入された上で、反対側の固定片1902がロック機構3040により形成される挿入口に挿入させた上で、ロック機構3040を下方へスライドして挿入口を閉鎖することで液晶表示装置1900を裏箱3010にロックして取付けられるようになっている。
また、液晶表示装置1900は、図97等に示すように後側に、周辺制御部4140や液晶制御部4150(図143を参照)等を収容した周辺制御基板ボックス1910と、周辺制御基板ボックス1910の下部から後方へ延出したボリューム1912と、を備えている。このボリューム1912を適宜方向へ回転させることで、扉枠3に備えられた各スピーカ921や


本体枠4に備えられたスピーカ821等から出力される音量を調節することができるようになっている。
更に、液晶表示装置1900は、周辺制御基板ボックス1910の背面視左側に、バックライトとしての冷陰極管を駆動するためのインバータを有したインバータ基板1922を収容するインバータ基板ボックス1920を備えている。
[2−10.遊技盤における可動演出]
次に、本実施形態の遊技盤5における主な可動演出について、主に図139乃至図142を参照して説明する。図139は表ユニットにおけるセンター役物の表右中演出ユニットの動きを示す遊技盤の正面図であり、図140(a)は表右中演出ユニットの表右中可動装飾体が通常位置の状態で正面やや上から見た斜視図であり、(b)は表右中可動装飾体が出現位置の状態で正面やや上から見た斜視図である。また、図141は裏ユニットにおける裏横演出ユニットの動きを示す遊技盤の正面図であり、図142は裏ユニットにおける裏上演出ユニットと裏下演出ユニットの動きを示す遊技盤の正面図である。本例の遊技盤5は、図92等に示すように、通常の状態では、センター役物2500の窓部2501を通して後側に配置された液晶表示装置1900の表示画面が遊技者側から視認できるようになっている。
また、遊技盤5は、通常の状態では、図92等に示すように、表ユニット2000のセンター役物2500における表右中演出ユニット2600の表右中可動装飾体2610が、正面視で窓部2501の右端に位置し、表右中可動装飾体2610における円形状の固定装飾体2620の外周を、表右外演出ユニット2700の表右中外周装飾部材2730によって囲まれた状態となっている。この通常の状態では、裏右中可動装飾体2610の固定装飾体2620は遊技者側から全体が視認できるのに対して、回転装飾体2630は正面視左側の一部を除いて遊技者側から視認できない状態となっている。
更に、通常の状態では、裏ユニット3000における裏横演出ユニット3100の裏右演出ユニット3100R及び裏左演出ユニット3100L、裏上演出ユニット3300の裏上装飾体3306、裏下演出ユニット3500の裏下装飾体3501が、夫々正面視センター役物2500における窓部2501の外側に位置しており、遊技者側から視認できないようになっている。
本実施形態の遊技盤5は、通常の状態から、第一始動口2101や第二始動口2102へ遊技球が受入れられることで抽選される特別抽選結果に応じて、表右中演出ユニット2600、裏横演出ユニット3100、裏上演出ユニット3300、及び裏下演出ユニット3500が、適宜可動して、所定の可動演出を行うことができるようになっている。
具体的には、例えば、表右中演出ユニット2600では、表第一駆動モータ2651を回転駆動させることで、表右中可動装飾体2610における環状の回転装飾体2630を所定の方向へ回転駆動させることができる。この際、上述したように、回転装飾体2630は、正面視左側の一部しか遊技者側から視認できない状態となっているので、この状態で回転装飾体2630が回転すると、円形状の固定装飾体2620の左側が回転方向に応じて上方或いは下方へ流れるような可動演出を遊技者に見せることができるようになっている。
また、表右中演出ユニット2600では、表第二駆動モータ2671を回転駆動させることで、表右中可動装飾体2610を支持したベース部材2660を、その上端に形成された軸受部2662を中心に回動させることができ、通常の状態である正面視最も右側に位置した通常位置から、液晶表示装置1900の正面中央側へ位置した出現位置へと回動移動することができる(図139を参照)。この出現位置の状態では、図139に示すように、表右中可動装飾体2610が表右外演出ユニット2700から正面視左方向へ移動した状態となり、正面視左側の一部しか遊技者側から視認できなかった表右中可動装飾体2610の回転装飾体2630が、表右中外周装飾部材2730の後側から外れてその殆どが遊技者側から視認できる状態となる。
表右中演出ユニット2600を、出現位置へ回動移動させることで、表右中可動装飾体2610が液晶表示装置1900の中央寄りの位置へ移動し、表中可動装飾体2610を遊技者側から目立たせることができる。この表右中可動装飾体2610を出現位置へ移動させた状態で、表第一駆動モータ2651の駆動により回転装飾体2630を回転させることで、表右中可動装飾体2610を更に目立たせることができ、遊技者の関心を表右中可動装飾体2610へ強く引付けることができるようになっている。
この表右中演出ユニット2600は、図示するように、出現位置の状態では、ステージ2510の正面右上側にガイド片2664が延出するようになっており、ステージ2510側から表右中可動装飾体2610側へ遊技球が跳ねても、ガイド片2664によってステージ2510側へ跳ね返すことができるようになっている。
なお、表右中演出ユニット2600のガイド片2664は、ステージ2510における第一ステージ2511の正面視右側の延長線上に位置するようになっていると共に、ユニットベース2502と隔壁部材2520とで形成される円弧状の溝(空間)によって案内されるようになっているので、ステージ2510(第一ステージ2511)の右端側から右方向へ逸脱した遊技球が、ガイド片2664を案内する溝(空間)内に収容保持(図140(a)を参照)されても、表右中演出ユニット2600(表右中可動装飾体2610)が通常位置から出現位置へ移動することで、収容保持した遊技球をガイド片2664で左方向へ押出して、ステージ2510側へ戻すことができるようになっている。
表右中演出ユニット2600のガイド片2664は、表右中可動装飾体2610を通常位置から出現位置へ移動させる速度によって左端側に収容保持した遊技球を、ステージ2510側へ飛ばすことが可能となる(図140(b)を参照)ので、センター役物2500の枠内でステージ2510を転動する遊技球の動きとは異なる動きを遊技者に見せることができ、遊技者に遊技媒体の動きを楽しませて興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
また、遊技盤5の裏横演出ユニット3100では、裏横スライドユニット3150における裏横右スライド駆動モータ3152及び裏横左スライド駆動モータ3159を駆動させることで、裏右演出ユニット3100R及び裏左演出ユニット3100Lを、夫々遊技者側から視認不能な位置(後退位置)から、液晶表示装置1900の中央側へ移動して遊技者側から視認可能となる位置(出現位置)へと移動することができる(図141を参照)。裏右演出ユニット3100R及び裏左演出ユニット3100Lが出現位置へ移動した状態では、後側に配置された液晶表示装置1900の表示画面が、裏右演出ユニット3100R及び裏左演出ユニット3100Lによって左右方向の幅が縦長に狭められた状態となると共に、遊技者側から視認できる表示画面の左右両側に、上下方向へ三つ列設された回転装飾体3126が夫々配置された状態となり、遊技者の関心を裏右演出ユニット3100R及び裏左演出ユニット3100Lや液晶表示装置1900に強く引付けることができるようになっている。
この横浦演出ユニット3100では、裏右演出ユニット3100R及び裏左演出ユニット3100Lに夫々支持された三つの回転装飾体3126を、裏横回転駆動モータ3123の駆動により夫々別々に上下方向へ延びた軸芯周りに回転させることができるようになっており、裏右演出ユニット3100R及び裏左演出ユニット3100Lの各回転装飾体3126が遊技者側から視認可能な状態の時に、それらを回転させることで、回転装飾体3126の回転による可動演出も楽しませることができるようになっている。
具体的には、例えば、裏横演出ユニット3100の裏右演出ユニット3100Rや裏左演出ユニット3100Lを出現位置へ移動させる際に、後退位置の状態で裏横回転駆動モータ3123の駆動により回転装飾体3126を回転させて所定の装飾が施された面が遊技者側を向くように停止させた上で、出現位置へ移動させるようにすると共に、出現位置へ移動させる度に回転装飾体3126の回転停止位置を異ならせるようにすることもできる。これにより、裏右演出ユニット3100R及び裏左演出ユニット3100Lを出現させる度に回転装飾体3126の装飾が異なることとなり、出現する装飾の違いによって遊技者を楽しませることができるようになっている。
或いは、裏右演出ユニット3100Rや裏左演出ユニット3100Lを後退位置から出現位置へ移動させる際に、各裏横回転駆動モータ3123により回転装飾体3126を回転させた状態で、出現位置へ移動させることもできる。これにより、液晶表示装置1900の表示画面上をローラのように転動する複数の回転装飾体3126が現れることとなるので、遊技者の関心を裏右演出ユニット3100Rや裏左演出ユニット3100Lへ強く引付けることができる。
更には、裏右演出ユニット3100Rや裏左演出ユニット3100Lを出現位置へ移動させてから、各裏横回転駆動モータ3123により回転装飾体3126を回転させるようにしても良く、これにより、裏右演出ユニット3100Rや裏左演出ユニット3100Lによって液晶表示装置1900の左右両側を被覆した上で、更に、裏右演出ユニット3100Rや裏左演出ユニット3100Lに支持された回転装飾体3126が回転することで、遊技者を驚かせることができ、回転装飾体3126等へ遊技者を注目させて、回転装飾体3126による可動演出を楽しませることができる。
また、遊技盤5の裏上演出ユニット3300では、裏上駆動モータ3302を駆動させることで、裏上装飾体3306を遊技者側から視認不能な退避位置から、円弧状に下方へスライドして遊技者側から視認可能となる出現位置へ移動させることができる。裏上装飾体3306が出現位置の状態では、図142に示すように、拳を模した裏上装飾体3306における拳の略中心が、液晶表示装置1900の略中央に位置した遊技者側から非常に目立った状態となっており、遊技者の関心を強く引付けることができるようになっている。
更に、遊技盤5の裏下演出ユニット3500では、裏下駆動モータ3506を駆動させることで、裏下装飾体3501を遊技者側から視認不能な退避位置から、遊技者側から視認可能な上方の出現位置へ移動させることができる。裏下装飾体3501が出現位置の状態では、図142に示すように、液晶表示装置1900の左右方向略中央でセンター役物2500におけるステージ2510の後側から上方へ延出した状態となっている。
本例の遊技盤5は、裏上演出ユニット3300と裏下演出ユニット3500とを共に出現位置へ移動させた状態とすると、図142に示すように、裏上装飾体3306の下端と裏下装飾体3501の上端とが互いに接近した状態となるようになっており、拳を模した裏上装飾体3306が、炎を模した裏下装飾体3501を打撃しているような可動演出を行うことができるようになっている。
また、遊技盤5は、図示は省略するが、表右中演出ユニット2600による可動演出と、裏横演出ユニット3100による可動演出、又は、裏上演出ユニット3300及び裏下演出ユニット3500による可動演出とを組み合わせた可動演出を行うことができるようになっており、より多彩な可動演出を遊技者に提示して、遊技者が飽き難いようになっている。
[3.各種基板]
続いて、パチンコ機1の各種制御を行う制御基板について、図143を参照して説明する。図143はパチンコ機の制御構成を概略的に示すブロック図である。パチンコ機1の制御構成は、図示するように、主基板4000のグループ及び周辺制御基板4010のグループから構成されており、これら2つのグループにより各種制御が分担されている。主基板4000のグループは、遊技動作(遊技の進行)を制御する主制御基板4100と、遊技球の払出し等を制御する払出制御基板4110と、を備えて構成されている。また、周辺制御基板4010のグループは、主制御基板4100からのコマンドに基いて遊技中の各種演出を制御する周辺制御部4140と、周辺制御部4140からのコマンドに基いて液晶表示装置1900での演出画像の表示を制御する液晶制御部4150と、を備えている。
[3−1.主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板4100は、図143に示すように、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPU4100aと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート4100bと、各種検出スイッチからの検出信号が入力される主制御入力回路4100fと、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路4100gと、主制御MPU4100aに内蔵されているRAM4100e(以下、「主制御内蔵RAM4100e」とも記載する。)に記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチ4100cと、を備えている。主制御MPU4100aは、その内蔵されたROM4100d(以下、「主制御内蔵ROM4100d」とも記載する。)や主制御内蔵RAM4100eのほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、第一始動口2101へ受入れられた遊技球を検出する第一始動口センサ3081、第二始動口2102へ受入れられた遊技球を検出する第二始動口センサ2125、及び一般入賞口2104,2201へ受入れられた遊技球を検出する一般入賞口センサ3082からの検出信号が夫々主制御I/Oポート4100bを介して入力されたり、ゲートセンサ2126、一般入賞口センサ3082、カウントセンサ2114、及び裏ユニット3000に取付けられた磁気検出センサ3080からの検出信号が、遊技盤5に取付けられたパネル中継基板3025、及び主制御I/Oポート4100bを介して入力されたりするようになっている。
主制御MPU4100aは、これらの検出信号に基づいて、主制御I/Oポート4100bから主制御ソレノイド駆動回路4100gに制御信号を出力することにより、パネル中継基板3025を介して始動口ソレノイド2124、及びアタッカソレノイド2113に駆動信号を出力したり、主制御I/Oポート4100b、パネル中継基板3025、及び機能表示基板1191を介して第一特別図柄表示器1185、第二特別図柄表示器1186、第一特別図柄記憶表示器1184、第二特別図柄記憶表示器1187、普通図柄表示器1189、普通図柄記憶表示器1188、遊技状態表示器1183、ラウンド表示器1190に駆動信号を出力したりする。
なお、本実施形態おいて、第一始動口センサ3081、第二始動口センサ2125、ゲートセンサ2126、及びカウントセンサ2114には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているのに対して、一般入賞口センサ3082には、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球が第一始動口2101や第二始動口2102に頻繁に入球するし、ゲート部2105を頻繁に通過するため、第一始動口センサ3081、第二始動口センサ2125、及びゲートセンサ2126による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、第一始動口センサ3081、第二始動口センサ2125、及びゲートセンサ2126には、寿命の長い近接スイッチを用いている。また、遊技者にとって有利となる大当り遊技状態が発生すると、大入賞口2103が開放されて遊技球が頻繁に入球するため、カウントセンサ2114による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、カウントセンサ2114にも、寿命の長い近接スイッチを用いている。これに対して、遊技球が頻繁に入球しない一般入賞口2104,2201には、一般入賞口センサ3082による検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口センサ3082には、近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。
また、主制御MPU4100aは、遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払出しに関する各種コマンド等を払出制御基板4110に送信したり、この払出制御基板4110からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンド等を受信したりする。更に、主制御MPU4100aは、遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを、主制御I/Oポート4100bを介して後述する周辺制御基板4010の周辺制御部4140に送信したりする(主制御基板4100と周辺制御部4140との基板間は図示しないハーネスより電気的に接続されている)。なお、主制御MPU4100aは、その詳細な説明は後述するが、払出制御基板4110からパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを受信すると、これらの各種コマンドを整形して周辺制御部4140に送信する。
主制御基板4100には、詳細な説明は後述するが、電源基板851から各種電圧が供給されている。この主制御基板4100に各種電圧を供給する電源基板851は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板4100に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)を備えている。このキャパシタにより主制御MPU4100aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を主制御内蔵RAM4100eに記憶することができるようになっている。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板4100のRAMクリアスイッチ4100cが操作されると、主制御内蔵RAM4100eから完全に消去(クリア)されるようになっている。このRAMクリアスイッチ4100cの操作信号(検出信号)は、払出制御基板4110にも出力されるようになっている。
また、主制御基板4100には、停電監視回路が設けられている。この停電監視回路は、電源基板851から供給される各種電圧の低下を監視しており、それらの電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号を出力するようになっている。この停電予告信号は、主制御I/Oポート4100bを介して主制御MPU4100aに入力される他に図示しないハーネスを介して払出制御基板4110等にも伝達されている。
[3−2.払出制御基板]
遊技球の払出し等を制御する払出制御基板4110は、図143に示すように、払出しに関する各種制御を行う払出制御部4111と、発射ソレノイド682による発射制御を行うとともに、球送りソレノイド551による球送制御を行う発射制御部4120と、パチンコ遊技機1の状態を表示するエラーLED表示器4130と、エラーLED表示器4130に表示されているエラーを解除するためのエラー解除スイッチ860aと、賞賞球タンク802、タンクレール803、及び払出装置830内の遊技球をパチンコ遊技機1の外部へ排出して球抜き動作を開始するための球抜きスイッチ860bと、を備えている。
[3−2A.払出制御部]
払出制御基板4110における払出しに関する各種制御を行う払出制御部4111は、図143に示すように、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである払出制御MPU4111aと、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポート4111bと、払出制御MPU4111aが正常に動作しているか否かを監視するための外部ウォッチドックタイマ4111c(以下、「外部WDT4111c」と記載する。)と、払出装置830の払出モータ834に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路4111dと、払い出しに関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される払出制御入力回路4111eと、を備えている。払出制御MPU4111aには、その内蔵されたROM(以下、「払出制御内蔵ROM」と記載する。)やRAM(以下、「払出制御内蔵RAM」と記載する。)のほかに、不正を防止するため機能等も内蔵されている。
払出制御部4111の払出制御MPU4111aは、主制御基板4100からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドを払出制御I/Oポート4111bを介してシリアル方式で受信したり、主制御基板4100からのRAMクリアスイッチ4100cの操作信号(検出信号)が払出制御I/Oポート4111bを介して入力されたりする他に、満タン検知センサ535からの検出信号が入力されたり、球切れ検知センサ827、計数センサ751及び回転角センサ752からの検出信号が賞球中継基板754を介して入力されたりする。
払出装置830の通路内における遊技球の有無を検出する球切れ検知センサ827、及び払出装置830の通路内を流下する遊技球を検出する計数センサ751からの検出信号は、まず払出装置830の賞球中継基板754を介して払出制御入力回路4111eに入力され、払出制御I/Oポート4111bを介して払出制御MPU4111aに入力されている。払出装置830の回転検出盤749に形成された検出スリット749aを検出するための回転角センサ752からの検出信号は、まず払出装置830のセンサ基板、そして賞球中継基板754を介して払出制御入力回路4111eに入力され、払出制御I/Oポート4111bを介して払出制御MPU4111aに入力されている。
また、本体枠4に対する扉枠3の開放を検出する扉枠開放スイッチ618、及び外枠2に対する本体枠4の開放を検出するた本体枠開放スイッチ619からの検出信号は、まず払出制御入力回路4111eに入力され、払出制御I/Oポート4111bを介して払出制御MPU4111aに入力されている。
また、ファールカバーユニット520の収容空間が貯留された遊技球で満タンであるか否かを検出する満タン検知センサ535からの検出信号は、まずハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して払出制御入力回路4111eに入力され、払出制御I/Oポート4111bを介して払出制御MPU4111aに入力されている。
払出制御MPU4111aは、払出モータ834を駆動するための駆動信号を、払出制御I/O4120b、そして賞球中継基板754を介して払出モータ834に出力したり、パチンコ遊技機1の状態をエラーLED表示器4130に表示するための信号を、払出制御I/Oポート4111bを介してエラーLED表示器4130に出力したり、パチンコ遊技機1の状態を示すためのコマンドを、払出制御I/Oポート4111bを介して主制御基板4100にシリアル方式で送信したり、実際に払い出した遊技球の球数を払出制御I/Oポート4111bを介して外部端子板784に出力したりする。この外部端子板784は、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータと電気的に接続されている。このホールコンピュータは、パチンコ遊技機1が払い出した遊技球の球数やパチンコ遊技機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
エラーLED表示器4130は、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ遊技機1の状態を表示している。エラーLED表示器4130が表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「−」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具体的には、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間の電気的な接続に異常が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨(具体的には、球切れスイッチ750からの検出信号に基づいて払出装置830のベースユニットに形成された通路内に遊技球がない旨)を報知し、数字「2」が表示されているときには「球がみ」である旨(具体的には、回転角センサ752からの検出信号に基づいて払出装置830のベースユニットに形成された通路と連通する振分空間の入口において払出回転体と遊技球とがその入口近傍でかみ合って払出回転体が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表示されているときには「計数スイッチエラー」である旨(具体的には、計数センサ751からの検出信号に基づいて計数センサ751に不具合が生じている旨)を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払い出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨(具体的には、満タン検知センサ535からの検出信号に基づいてファールカバーユニット520の収容空間が貯留された遊技球で満タンである旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨(払出制御基板4110からCRユニットまでに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中」である旨(具体的には、まだ払い出していない遊技球の球数が予め定めた球数に達している旨)を報知している。
球貸スイッチからの遊技球の球貸要求信号、及び返却スイッチからのプリペイドカードの返却要求信号は、まず度数表示板、主側中継端子板880、そしてCRユニット接続端子873を介してCRユニットに入力されるようになっている。CRユニットは、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球の球数を指定した信号を、CRユニット接続端子873を介して払出制御基板4110にシリアル方式で送信し、この信号が払出制御I/Oポート4111bで受信されて払出制御MPU4111aに入力されるようになっている。またCRユニットは、貸し出した遊技球の球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新するとともに、その残度を残度数表示器に表示するための信号を、CRユニット接続端子873、主側中継端子板880、そして度数表示板に出力し、この信号が残度数表示器に入力されるようになっている。
[3−2B.発射制御部]
発射ソレノイド682による発射制御と、球送りソレノイド551による球送制御と、を行う発射制御部4120は、図143に示すように、発射に関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される発射制御入力回路4120aと、、定時間毎にクロック信号を出力する発振回路4120bと、このクロック信号に基づいて遊技球を遊技領域5aに向かって打ち出すための発射基準パルスを出力する発射タイミング制御回路4120cと、この発射基準パルスに基づいて発射ソレノイド682に駆動信号を出力する発射ソレノイド駆動回路4120dと、発射基準パルスに基づいて球送りソレノイド551に駆動信号を出力する球送ソレノイド駆動回路4120eと、を備えている。発射タイミング制御回路4120cは、発振回路4120bからのクロック信号に基づいて、1分当たり100個の遊技球が遊技領域5aに向かって打ち出されるよう発射基準パルスを生成して発射ソレノイド駆動回路4120dに出力するとともに、発射基準パルスを所定数倍した球送基準パルスを生成して球送ソレノイド駆動回路4120eに出力する。
ハンドルレバー504に手のひらや指が触れているか否かを検出する接触検知センサ509、及び遊技者の意志によって遊技球の打ち出しを強制的に停止するか否かを検出する発射停止スイッチ518(ストップボタン)からの検出信号は、まずハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して発射制御入力回路4120aに入力され、発射タイミング制御回路4120cに入力されている。またCRユニットとCRユニット接続端子873とが電気的に接続されると、CR接続信号として発射制御入力回路4120aに入力され、発射タイミング制御回路4120cに入力されるようになっている。ハンドルレバー504の回転位置に応じて遊技球を遊技領域5aに向かって打ち出す強度を電気的に調節するハンドル操作センサ507からの信号は、まずハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して発射ソレノイド駆動回路4120dに入力されている。
この発射ソレノイド駆動回路4120dは、ハンドル操作センサ507からの信号に基づいて、ハンドルレバー504の回転位置に見合う打ち出し強度で遊技球を遊技領域5aに向かって打ち出すための駆動電流を、発射基準パルスが入力されたことを契機として、発射ソレノイド682に出力するようになっている。これに対して、球送ソレノイド駆動回路4120eは、球送基準パルスが入力されたことを契機として、主側中継端子板880、そしてハンドル装置中継基板192を介して球送りソレノイド551に一定電流を出力することにより球送ユニット580の球送部材584が皿ユニット200の上皿201に貯留された遊技球を1球受入れ、その球送基準パルスの入力が終了したことを契機として、その一定電流の出力を停止することにより球送部材が受入れた遊技球を球発射装置680側へ送るようになっている。このように、発射ソレノイド駆動回路4120dから発射ソレノイド682に出力される駆動電流は可変に制御されるのに対して、球送ソレノイド駆動回路4120eから球送りソレノイド551に出力される駆動電流は一定に制御されている。
なお、払出制御基板4110に各種電圧を供給する電源基板851は、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板4110に電力を供給するためのバックアップ電源としてのキャパシタを備えている。このキャパシタにより払出制御MPU4111aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を払出制御内蔵RAMに記憶することができるようになっている。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板4100のRAMクリアスイッチ4100cが操作されると、払出制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。
[3−3.周辺制御基板]
周辺制御基板4010は、図143に示すように、主制御基板4100からのコマンドに基づいて演出制御を行う周辺制御部4140と、この周辺制御部4140からの制御データに基づいて液晶表示装置1900の描画制御を行う液晶制御部4150と、を備えている。
[3−3A.周辺制御部]
周辺制御基板4010における演出制御を行う周辺制御部4140は、図143に示すように、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU4140aと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROM4140bと、高音質の演奏を行う音源IC4140cと、この音源IC4140cが参照する音楽及び効果音等の音情報が記憶されている音ROM4140dと、を備えている。
周辺制御MPU4140aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数内蔵しており、主制御基板4100からパネル中継基板3025を介して各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、
・遊技盤側の各種装飾基板2521,2522などに設けられたカラーLED等への点灯信号や、点滅信号、階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データを、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートから駆動基板3015を介して送信したり、
・遊技盤5に設けられた各種演出ユニットを作動させる駆動モータ3123、3302などへの駆動信号を出力するための遊技盤側駆動データを遊技盤装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから駆動基板3015を介して送信したり、
・扉枠3に設けられたダイヤル駆動モータ414等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側駆動データと、扉枠3の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力すための扉側発光データと、から構成される扉側駆動発光データを枠装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから駆動基板3015、そして周辺側中継端子板882を介して扉枠側の各種装飾基板280,380やダイヤル駆動モータ414などに送信したり、
・液晶表示装置1900に表示させる画面を示す制御データ(表示コマンド)を液晶制御部用シリアルI/Oポートから液晶制御部4150に送信したりするほかに、音ROM4140dから音情報を抽出するための制御信号(音コマンド)を音源IC4140cに出力したりする。
遊技盤5に設けられた各種演出ユニットの原位置を検出するための各種原位置検出センサからの検出信号は、裏箱3010の後面に取付けられた駆動基板3015を介して周辺制御MPU4140aに入力されている。扉枠3に設けられた上皿演出ボタン257の操作を検出する演出ボタン押圧センサ258や、タッチパネル246のセンサシート246bからの検出信号は、扉枠ベース基板194、周辺側中継端子板882、そして周辺パネル中継端子板872を介して周辺制御MPU4140aに入力されている。
また周辺制御MPU4140aは、液晶制御部4150が正常に動作している旨を伝える信号(動作信号)が液晶制御部4150から入力されており、この動作信号に基づいて液晶制御部4150の動作を監視している。
音源IC4140cは、周辺制御MPU4140aからの制御データ(音コマンド)に基づいて音ROM4140dから音情報を抽出し、駆動基板3015、そして周辺側中継端子板882を介して扉枠3に設けられたスピーカや、本体枠4に備えられたスピーカ921から各種演出に合せた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行っている。なお、周辺制御基板4010に実装され周辺制御基板ボックス1910から後方へ突出したボリューム1912を回転操作することで、音量を調整することができるようになっている。
なお、周辺制御部4140は、周辺制御MPU4140aに内蔵されたウォッチドックタイマ(以下、「周辺制御内蔵WDT」と記載する。)のほかに、図示しない、外部ウォッチドックタイマ(以下、「周辺制御外部WDT」と記載する。)も備えており、周辺制御MPU4140aは、周辺制御内蔵WDTと周辺制御外部WDTとを併用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
この周辺制御MPU4140aから液晶制御部4150に出力される表示コマンドはシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレート(単位時間あたりに送信できるデータの大きさ)として19.2キロ(k)ビーピーエス(bits per second、以下、「bps」と記載する)が設定されている。一方、周辺制御MPU4140aから裏箱3010の後面に取付けられた駆動基板3015などに出力される、初期データ、扉枠側点灯点滅コマンド、遊技盤側点灯点滅コマンド、可動体駆動コマンド、表示コマンドと異なる複数のシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレートとして250kbpsが設定されている。
[3−4.液晶制御部]
次に、周辺制御基板4010における液晶表示装置1900の描画制御を行う液晶制御部4150は、図143に示すように、マイクロプロセッサとしての液晶制御MPU4150aと、各種処理プログラム、各種コマンド及び各種データを記憶する液晶制御ROM4150bと、上述した液晶表示装置1900を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)4150cと、液晶表示装置1900に表示される画面の各種データを記憶するキャラROM4150dと、このキャラROM4150dに記憶されている各種データが転送されてコピーされるキャラRAM4150eと、を備えている。
この液晶制御MPU4150aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を内蔵しており、周辺制御部4140からの制御データ(表示コマンド)に基づいてVDP4150cを制御して液晶表示装置1900の描画制御を行っている。なお、液晶制御MPU4150aは、正常に動作していると、その旨を伝える動作信号を周辺制御部4140に出力する。また液晶制御MPU4150aは、VDP4150cから後述する実行中信号が入力されており、この実行中信号の出力が16msごとに停止されたことを契機として、割り込み処理を行っている。
液晶制御ROM4150bは、液晶表示装置1900に描画する画面を生成するための各種プログラムのほかに、周辺制御基板4010からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータ、その制御データ(表示コマンド)と対応する非常駐領域転送スケジュールデータ等を複数記憶している。スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、液晶表示装置1900に描画する画面の順序が規定されている。非常駐領域転送スケジュールデータは、キャラROM4150dに記憶されている各種データをキャラRAM4150eの非常駐領域に転送する際に、その順序を規定する非常駐領域転送データが時系列に配列されて構成されている。この非常駐領域転送データは、スケジュールデータの進行に従って液晶表示装置1900に描画される画面データを、前もって、キャラROM4150dからキャラRAM4150eの非常駐領域に各種データを転送する順序が規定されている。
液晶制御MPU4150aは、周辺制御基板4010からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータの先頭の画面データを液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力した後に、先頭の画面データに続く画面データを液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力する。このように、液晶制御MPU4150aは、スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、先頭の画面データから1つずつ液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力する。
VDP4150cは、液晶制御MPU4150aから出力された画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいてキャラRAM4150eからスプライトデータを抽出して液晶表示装置1900に表示する描画データを生成し、この生成した描画データを液晶表示装置1900に出力する。またVDP4150cは、液晶制御MPU4150aからの画面データを受入れないときに、その旨を伝える実行中信号を液晶制御MPU4150aに出力する。なお、VDP4150cは、ラインバッファ方式が採用されている。この「ラインバッファ方式」とは、液晶表示装置1900の左右方向を描画する1ライン分の描画データをラインバッファに保持し、このラインバッファに保持した1ライン分の描画データを液晶表示装置1900に出力する方式である。
キャラROM4150dには、極めて多くのスプライトデータが記憶されており、その容量が大きくなっている。キャラROM4150dの容量が大きくなると、つまり液晶表示装置1900に描画するスプライトの数が多くなると、キャラROM4150dのアクセス速度が無視できなくなり、液晶表示装置1900に描画する速度に影響することとなる。そこで、本実施形態では、アクセス速度の速いキャラRAM4150eに、キャラROM4150dに記憶されているスプライトデータを転送してコピーし、このキャラRAM4150eからスプライトデータを抽出している。なお、スプライトデータは、スプライトをビットマップ形式に展開する前のデータである基データであり、圧縮された状態でキャラROM4150dに記憶されている。
ここで、「スプライト」について説明すると、「スプライト」とは、液晶表示装置1900にまとまった単位として表示されるイメージである。例えば、液晶表示装置1900に種々の人物を表示させる場合には夫々の人物を描くためのデータを「スプライト」と呼ぶ。これにより、液晶表示装置1900に複数人の人物を表示させる場合には複数のスプライトを用いることとなる。また人物のほかに、背景を構成する家、山、道路等もスプライトであり、背景全体を1つのスプライトとすることもできる。これらのスプライトは、画面に配置される位置やスプライト同士が重なる場合の上下関係(以下、「スプライトの重ね合わせの順序」と記載する。)が設定されて液晶表示装置1900に描画される。
なお、スプライトは縦横それぞれ64画素の矩形領域を複数張り合わせて構成されている。この矩形領域を描くためのデータを「キャラクタ」と呼ぶ。小さなスプライトの場合には1つのキャラクタを用いて表現することができるし、人物など比較的大きいスプライトの場合には、例えば横2×縦3などで配置した合計6個のキャラクタを用いて表現することができる。背景のように更に大きいスプライトの場合には更に多数のキャラクタを用いて表現することができる。このように、キャラクタの数及び配置は、スプライトごとに任意に指定することができるようになっている。
液晶表示装置1900は、その正面から見て左から右に向かって順次、画素に沿った一方向に画素ごとの表示状態を設定する主走査と、その一方向と交差する方向に主走査を繰り返し行う副走査と、によって駆動されるようになっている。液晶表示装置1900は、液晶制御部4150から出力された1ライン分の描画データが入力されると、主走査として液晶表示装置1900の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。そして1ライン分の出力が完了すると、液晶表示装置1900は、副走査として直下のラインに移行し、同様に次ライン分の描画データが入力されると、この次ライン分の描画データに基づいて主走査として液晶表示装置1900の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。
[4.主制御基板の制御処理]
次に、主制御基板4100(特に主制御MPU4100a)で実行される制御処理の例について説明する。図144(a)は、当該パチンコ機1に電源が投入されたとき、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aによって行われる制御処理の手順を示すフローチャートである。
同図144(a)に示されるように、この実施の形態にかかる主制御基板4100はまず、RAMクリアスイッチ4100cが操作されていることを条件にステップS1の処理として、各種のレジスタや主制御内蔵RAM4100eに格納されているデータを初期化する。RAMクリアスイッチ4100cはパチンコ機1の背面側に設けられ、本体枠4が開放されなければ操作できないようになっている。また、RAMクリアスイッチ4100cは電源投入から所定期間(例えば1秒)が経過する以前の操作に応じてクリア信号を主制御基板4100に出力し、電源投入時に主制御MPU4100aがクリア信号を入力されていると判断した場合に初期化処理(ステップS1)を実行して各種のレジスタや主制御内蔵RAM4100eに格納されているデータを初期化するようになっている。
なお、図示していないがこの例では、パチンコ機1への電源を遮断するときには遊技の進行状況を示す情報(例えば各種フラグ等)を主制御内蔵RAM4100eに保存するバックアップ処理を実行する。そしてパチンコ機1への電源を投入したときにRAMクリアスイッチ4100cが操作されていなければ、初期化処理(ステップS1)を実行することなくバックアップ処理で主制御内蔵RAM4100eに保存された情報を参照し、該情報に応じた状態に復旧させる復旧処理を実行する。また、パチンコ機1への電源投入時にRAMクリアスイッチ4100cを操作した場合には、復旧処理を実行することなく初期化処理を実行してパチンコ機1を初期状態に設定するようになっている。
次いで、ステップS2の処理として、予め定められた数値範囲内で更新される数である乱数の更新を行う。すなわち、この実施の形態にかかる主制御基板4100では、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理に供される特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)、上記特別図柄の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)についての抽選処理に供される変動乱数、上記特別図柄の変動表示に対応して液晶表示装置1900で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか否かの抽選処理に供されるリーチ乱数、上記特別乱数に基づいて大当りとすると判定された場合に大当りの種類を決定するための抽選処理に供される図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)、上記可動片2106の動作契機となる当りの当落にかかる抽選処理に供される乱数(普通乱数)等々、といった乱数を保持する乱数カウンタを備えている。
なお、本例では第一特別図柄と第二特別図柄とで共通のリーチ乱数を用いるように、すなわち第一始動口2101に始動入賞した場合であっても、第二始動口2102に始動入賞した場合であっても、リーチ乱数を更新する同一のカウンタからリーチ乱数を取得するように構成しているが、リーチ乱数を更新する乱数の範囲が異なるカウンタから取得することによりリーチ演出の実行割合を異ならせるようにしてもよいし、取得したリーチ乱数と比較するリーチ判定テーブルとして第一特別図柄に対応する第一リーチ判定テーブルと、第二特別図柄と対応し、第一リーチ判定テーブルとは異なる判定値が設定される第二リーチ判定テーブルとを備えることによりリーチ演出の実行割合を異ならせるようにしてもよい。
このステップS2の処理では、これら乱数のうちの当落に関わらない乱数(変動乱数)のみが更新されるかたちで当該乱数カウンタのカウンタ操作が行われることとなる。なお、こうしてステップS1及びS2の処理が行われた後は、上記ステップS2の処理のみが基本的に繰り返し行われる。ただし、この実施の形態では、例えば4mS毎に以下のタイマ割込制御が行われる。
図144(b)は、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aによって定期的に行われるタイマ割込制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
同図144(b)に示されるように、この割込制御ではまず、ステップS11の処理として、レジスタの退避処理が行われる。次いで、ステップS12の処理として、上記ゲートセンサ2126、上記第一始動口センサ3081、上記第二始動口センサ2125、上記カウントセンサ2114、上記一般入賞口センサ3082など、各種のセンサからの検出信号が入力される。そして次に、ステップS13の処理として、上記乱数を発生させる乱数カウンタの値を更新するための乱数更新処理が行われる。なお、このステップS13の処理では、上記乱数のうち、上記特別図柄及び上記普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(特別乱数、普通乱数)が更新されるかたちで上記乱数カウンタのカウンタ操作が行われる。
そして、こうして乱数の更新が行われた後、当該主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS14の処理として、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む特別図柄プロセス処理を実行する。なお、この特別図柄プロセス処理については後述するが、ここでは、基本的に、上記主制御内蔵RAM4100eに格納されている遊技の進行状況を示す特別図柄プロセスフラグ(第一特別図柄プロセスフラグ、第二特別図柄プロセスフラグ)に基づいて該当する処理が選択的に実行されることとなる。
そして次に、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS15の処理として、上記可動片2106の動作契機となる当りの当落にかかる抽選処理を含む普通図柄プロセス処理を実行する。なお、この普通図柄プロセス処理でも、基本的に、遊技の進行状況を示す普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択的に実行されることとなる。また、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、大当り遊技状態の終了後、特定の条件(時短フラグのON)が満たされていると、上記可動片2106の駆動頻度がより高くなるように当該抽選処理を実行する構成となっている(いわゆる時短状態)。なお、この実施の形態では、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間を短縮するとともに、可動片2106が動作するときの動作時間としてもこれを長い時間に設定することによって、通常状態(非時短状態)よりも第二始動口2102への遊技球の受け入れが容易化される時短状態を実現するようにしている。
具体的には、上記時短状態の制御(時短制御という)においては、上記普通図柄の当選確率は「255/255」に設定されており、普通図柄の変動時間は常に「0.08秒」となっており、普通図柄の変動停止後に可動片2106が開状態(第二始動口2102に遊技球が受け入れ可能とされる後退状態)にて維持される時間が「5.5秒」となっている。すなわち、ゲート部2105を遊技球が通過するときには普通当りが必ず当選されるようにした上で、この通過した遊技球が第一通路2122a(凹部形状により時間を稼ぐことのできる案内経路)を通って可動片2106の可動領域に到達するまでの時間よりも短い時間(0.08秒)で普通図柄の変動を停止させるようにすることで、普通当りが当選される契機となった遊技球が第二始動口2102にそのまま受け入れられるようにしている。なお、可動片2106は、開状態(第二始動口2102に遊技球が受け入れ可能とされる後退状態)にて「5.5秒」維持された後は、閉状態(第二始動口2102に遊技球が受け入れ不能とされる後退状態)となるように動作する。
一方、上記非時短制御においては、上記普通図柄の当選確率を0%に設定するとともに普通図柄の変動表示制御に要する時間を所定の変動時間(例えば、5秒)に設定することで第二始動口2102への遊技球の受入れを不能とする。なお、非時短状態においても普通図柄の当選確率を0%以上となるようにしてもよく、この場合には時短状態よりも低い当選確率(例えば50%)とし、普通図柄の抽選結果が当りとなったときに上記第二始動口2102の可動片2106を時短状態よりも短い時間、例えば、2秒間後退させて第二始動口2102への遊技球の受入れを可能とした後に再び前進させて第二始動口2102への遊技球の受入れを不能にするようにしてもよい。
つまり、非時短状態では、右打ちしたとしても第二始動口2102への遊技球の入賞は不可能、若しくは極めて低い確率での入賞となる。従って、非時短状態では、上記第二始動口2102ではなく、上記第一始動口2101に多くの遊技球が入賞するように、センター役物2500の左側を狙って遊技球を発射(いわゆる「左打ち」)するほうが、第一始動口2101側と第二始動口2102側との間での大当り当選時における特典の優劣を考慮しても、遊技者にとって有利とされている。
一方、時短状態では、普通図柄の当選確率は100%であり、更に第二始動口2102の可動片2106を長期間(この例では5.5秒間)後退させるため、この場合には右打ちすることで第二始動口2102への遊技球の入賞が容易となる。従って、非時短状態では、上記第一始動口2101ではなく、上記第二始動口2102に多くの遊技球が入賞するように、センター役物2500の右側を狙って遊技球を発射(いわゆる「右打ち」)するほうが遊技者にとって有利とされている。
なお、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、いわゆる開放延長機能が作動する遊技状態(時短状態)における普通図柄の当選確率を「255/255」としているが、普通抽選にて普通ハズレよりも普通当りが得られやすい確率にて設定するなど、必ずしも普通当りが100%で当選されるようにしなくてもよい。
また、時短制御としては、上記普通図柄の当選確率を非時短状態よりも高める制御、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間を非時短状態よりも短縮する制御、上記第二始動口2102の可動片2106を後退させる期間を非時短状態よりも延長する制御、上記第二始動口2102の可動片2106を後退させる回数を非時短状態よりも増加する制御、第一特別図柄表示器1185や第二特別図柄表示器1186における特別図柄の変動表示制御に要する時間(液晶表示装置1900における装飾図柄の変動表示制御に要する時間)を非時短状態よりも短縮する制御、のうち何れか一つ又は任意の組み合わせ(全部でもよい)を実行するようにしてもよい。
また、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)及び普通図柄プロセス処理(ステップS15)が行われると、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、次にステップS16の処理として、同特別図柄プロセス処理にて主制御内蔵RAM4100eの所定の領域に設定されたコマンドを上記周辺制御基板4010などに送信する処理を行う。次いで、ステップS17の処理として、上記普通図柄プロセス処理にて同じく主制御内蔵RAM4100eの所定の領域に設定されたコマンドを例えば上記周辺制御基板4010などに送信する処理を行う。
また、同主制御基板4100の主制御MPU4100aは、次にステップS18の処理として、例えばホール管理用コンピュータに供給される当り情報などのデータを出力する情報出力処理を行う。
そして次に、同主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS19の処理として、上記第一始動口センサ3081、上記第二始動口センサ2125、上記カウントセンサ2114、一般入賞口センサ3082などの検出信号がオン状態にあるときは、それら信号に応じた賞球が遊技者に払い出されるよう上記払出制御基板4110に払出制御コマンドを出力する。これにより、上記払出制御基板4110に搭載される払出制御MPU4111aは、払出モータ駆動回路4111dから払出モータ834に駆動信号を出力し、遊技者に賞球を払い出すようになる。本例では上記第一始動口2101に遊技球が入賞して上記第一始動口センサ3081がオン状態になると「3球」、上記第二始動口2102に遊技球が入賞して上記第二始動口センサ2125がオン状態になると「1球」、上記大入賞口2103に遊技球が入賞してカウントセンサ2114がオン状態になると「14球」、上記一般入賞口2104,2201に遊技球が入賞して上記一般入賞口センサ3082がオン状態になると「10球」の賞球をそれぞれ遊技者に払い出すようになっている。
また、同主制御基板4100の主制御MPU4100aは、次にステップS20の処理として、保留数の増減をチェックする記憶処理を実行する。次いで、ステップS21の処理として、パチンコ機1の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する。そしてその後、常時動作するアクチュエータの駆動制御を行うとともに(ステップS22)、上記レジスタの内容を復帰させ(ステップS23)、割込許可状態に設定した時点で(ステップS24)、この制御が終了することとなる。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4mS毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマによる割込処理によって遊技制御処理を実行することとしたが、当該割込処理では例えば割り込みが発生したことを示すフラグのセットのみを行うようにしてもよい。ただしこの場合、遊技制御処理をメイン処理にて実行することとなる。
図145は、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、各種の抽選処理に供される乱数が更新されたとすると(ステップS13)、同図145に示されるように、この主制御基板4100の主制御MPU4100aはまず、上記第一始動口センサ3081による検出信号がオン状態(第一始動口2101への入球あり)にあることを条件に(ステップS31)、第一特別図柄の第一特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれを主制御内蔵RAM4100eの第一特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第一始動口通過処理を実行する(ステップS32)。また、上記第二始動口センサ2125による検出信号がオン状態(第二始動口2102への入球あり)にあることを条件に(ステップS33)、第二特別図柄の第二特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれを主制御内蔵RAM4100eの第二特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第二始動口通過処理を実行する(ステップS34)。
次いで、大当り遊技状態に制御している旨を示す大当り実行中フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS35)、大当り実行中フラグがセットされていれば、大当り遊技状態の制御を行う大当り制御処理(ステップS40a)を実行する。
なお、この実施の形態にかかる大当り制御処理では、図151に示されるように、
・第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「6R確変大当りA」、「6R確変大当りB」、及び「6R通常大当り」のいずれかを示唆する態様となったときに、大入賞口2103を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口2103に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ2114で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を6回繰り返す6R大当り遊技状態に制御し、
・第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「16R確変大当りA」、「16R確変大当りB」のいずれかを示唆する態様となったときに、大入賞口2103を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口2103に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ2114で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を16回繰り返す16R大当り遊技状態に制御し、
・第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「12R確変大当り」を示唆する態様となったときに、大入賞口2103を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口2103に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ2114で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を12回繰り返す12R大当り遊技状態に制御し、
・第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「8R確変大当り」を示唆する態様となったときに、大入賞口2103を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口2103に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ2114で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を8回繰り返す8R大当り遊技状態に制御し、
・第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「4R確変大当り」を示唆する態様となったときに、大入賞口2103を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口2103に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ2114で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を4回繰り返す4R大当り遊技状態に制御し、
・第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「2R確変大当り」、「2R通常大当り」のいずれかを示唆する態様となったときに、大入賞口2103を短時間開放(例えば0.6秒)した後に閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を2回繰り返す2R大当り遊技状態に制御する。
すなわち、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、上記時短制御が実行される状況においては左打ちよりも右打ちが遊技者にとって有利であり、上記時短制御が実行されない状況においては右打ちよりも左打ちが遊技者にとって有利であることは上述した通りである。この点、左打ち状態では、第一始動口2101への遊技球の受け入れに応じた第一特別図柄についての抽選の結果として大当りが当選されたとしても最大で6ラウンドの長時間開放の大当り遊技状態(概ね750個の遊技球が獲得可能)しか発生しない。
これに対し、右打ち状態では、第二始動口2102への遊技球の受け入れに応じた第二特別図柄についての抽選において、大当りが当選されると、概ね50%の確率(当選種の割り振り率)で16ラウンドの長時間開放の大当り遊技状態(概ね2000個の遊技球が獲得可能)が実行されるようになっているなど、大当りが当選されたときに獲得可能とされる賞球の期待値が多くなっているため、右打ち状態に移行制御された場合には左打ち状態にあるときよりも多量の賞球獲得が期
」待できるようになっている。
なお、大当り制御処理では、このような大入賞口2103の開放制御を開始させるにあたり、まず、条件装置の作動を開始させる処理や、後述の特殊制御フラグをリセットする処理、後述の変動回数カウンタをリセットする処理、等々といった処理が行われる。
また、大当り制御処理では、このような大入賞口2103の開放制御を行った後、図151に示されるように、当該大当り遊技が行われる契機となった大当りの当選種に応じて、高確率フラグ、時短フラグ、特殊制御フラグの各セット処理を実行する。
高確率フラグは、高確率状態であることを示すフラグであって、後述する図150に示す大当り判定処理で用いられるものであり、大当り遊技状態終了後に確変制御する大当り(6R確変大当りA、6R確変大当りB、16R確変大当りA、16R確変大当りB、12R確変大当り、8R確変大当り、4R確変大当り、2R確変大当り)に基づく大当り遊技状態を終了するときにセットされ、次に大当りとなったときに後述する図155に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理でリセットされる。
時短フラグは、時短制御の実行中(低確率時短状態、高確率時短状態)であることを示すフラグであり、図151に示されるように、大当り遊技状態終了後に時短制御(高確率時短状態)する大当り(6R確変大当りA、16R確変大当りA、16R確変大当りB、12R確変大当り、8R確変大当り、4R確変大当り)に基づく大当り遊技状態を終了するときにセットされ、次に大当りとなったときに後述する図155に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理でリセットされる。
特殊制御フラグは、後述の特殊制御の実行中であることを示すフラグであり、図151に示されるように、大当り遊技状態終了後に後述の特殊制御が行われる期間を発生させる特定種別の大当り(16R確変大当りB、12R確変大当り、8R確変大当り、4R確変大当り)に基づく大当り遊技状態が終了されるときにセットされ、該セットされた状態において、大当り遊技状態が開始されるとき、若しくは後述の変動回数カウンタが所定数まで更新(カウントアップ)されたときにリセットされる。
変動回数カウンタは、該変動回数カウンタがリセットされてからの特別図柄の変動回数を示すカウンタであって、後述する図153に示す第1変動パターン設定処理(第2変動パターン設定処理)で用いられるものであり、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動が行われるときに更新(例えば、カウントアップ)されるとともに、少なくとも特定種別の大当り(16R確変大当りB、12R確変大当り、8R確変大当り、4R確変大当り)に基づく大当り遊技状態を開始するときにリセットされる。
また、大当り実行中フラグがセットされていなければ(ステップS35におけるNO)、次にステップS36の処理として、小当り遊技状態に制御している旨を示す小当り実行中フラグがセットされているか否かを判別する。そしてこの結果、小当り実行中フラグがセットされていれば、小当り遊技状態の制御を行う小当り制御処理(ステップS40b)を実行する。なお、小当り制御処理では、大入賞口2103を特定の開放時間(例えば1.8秒)だけ開放させる処理が行われる。
ここで、小当り制御処理(ステップS40b)では、大当り制御処理(ステップS40a)の場合とは異なり、このような大入賞口2103の開放制御が行われた後、高確率フラグ、時短フラグ、時短回数カウンタなどの各セット処理が行われることはない。ただし後述するが、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、特殊制御フラグ及び変動回数カウンタに関しては、大当り制御処理(ステップS40a)の場合と同様、この小当り制御処理(ステップS40b)においても小当り遊技状態が開始されるときにリセット(特殊制御フラグ、変動回数カウンタ)され、小当り遊技状態が終了するときにセット(特殊制御フラグ)されるようになっている。
また、小当り実行中フラグがセットされていなければ(ステップS36におけるNO)、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」であることを条件に(ステップS37)、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第一特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS38)。
これに対し、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」でない場合は(ステップS37)、第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第二特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS39)。これにより、保留状態にされている第二特別図柄についての抽選が無くならないように遊技している限りは(第二特別保留数カウンタの値が「0」でない限りは)、第一特別図柄についての抽選の保留状況にかかわらず、第二特別乱数についての抽選のみが途切れることなく連続して行われるようになる(優先実行)。
したがって、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、遊技者は、時短状態(高確率時短状態)においてはセンター役物2500の右側への遊技球の打込み(右打ち)を維持するだけで、第二特別乱数についての抽選のみを途切れることなく連続して行うことができるようになる。
図146は、上記第一始動口通過処理(ステップS32)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS31の処理において、上記第一始動口センサ3081がオン状態にあり、上記第一始動口2101への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図146に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS41の処理として、まず、上記第一特別乱数、上記リーチ乱数、上記第一図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。
次いで、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御内蔵RAM4100eから取得し、このカウンタ値に基づいて上記第一特別図柄の保留数がその最大値(上限値)である「4」であるか否かの判断を行う(ステップS42)。このステップS42の処理において、上記第一特別図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御(第一特別図柄についての抽選)を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS43〜S44の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS43の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS44の処理として、上記ステップS41で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAM4100eの記憶領域のうちの上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第一特別図柄保留記憶領域に格納し、処理を終了する。
一方、上記ステップS42の処理において、上記第一特別図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS43〜ステップS44の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
図147は、上記第二始動口通過処理(ステップS34)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS33の処理において、上記第二始動口センサ2125がオン状態にあり、上記第二始動口2102への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図147に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS51の処理として、まず、上記第二特別乱数、上記リーチ乱数、上記第二図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。
次いで、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御内蔵RAM4100eから取得し、このカウンタ値に基づいて上記第二特別図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う(ステップS52)。このステップS52の処理において、上記第二特別図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御(第二特別図柄についての抽選)を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS53〜S54の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS53の処理として、上記第二特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS54の処理として、上記ステップS51で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAM4100eの記憶領域のうちの上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第二特別図柄保留記憶領域に格納し、処理を終了する。
一方、上記ステップS52の処理において、上記第二特別図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS53〜ステップS54の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
第一始動口2101へ遊技球が入球したことに基づいて第一特別図柄の保留数が変化すると上記記憶処理(ステップS20)にて第一特別図柄の保留数を指示するコマンド(第一保留数指定コマンド0〜4)をセットして周辺制御基板4010に送信する。また、第二始動口2102へ遊技球が入球したことに基づいて第二特別図柄の保留数が変化すると上記記憶処理(ステップS20)にて第二特別図柄の保留数を指示するコマンド(第二保留数指定コマンド0〜4)をセットして周辺制御基板4010に送信する。
図148は、第一特別図柄プロセス処理(ステップS38)についてその手順を示すフローチャートである。なお、特別図柄プロセス処理のステップS38で実行される第一特別図柄プロセス処理と特別図柄プロセス処理のステップS39で実行される第二特別図柄プロセス処理とは同様のプログラムモジュールであり、判定に用いる乱数やテーブルが異なるだけであるため、ここでは特別図柄プロセス処理のステップS38で実行される第一特別図柄プロセス処理についてのみ説明する。第一特別図柄プロセス処理では、上記第一特別図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理のうち1つを選択的に実行することとなる。
1.主制御内蔵RAM4100eに格納されている第一特別乱数を読み出し、読み出した第一特別乱数に基づいて上記第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる第一特別図柄通常処理(ステップS80)
2.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて第一特別図柄の変動制御停止時の態様の決定処理などが行われる第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)
3.変動乱数に基づいて上記第一特別図柄表示器1185に表示される第一特別図柄の変動態様や、上記液晶表示装置1900に特別図柄に対応して実行される演出表示の変動態様についての抽選処理などが行われる第一変動パターン設定処理(ステップS82)
4.第一特別図柄表示器1185における上記第一特別図柄の変動表示が停止されるまで待機する第一特別図柄変動処理(ステップS83)
5.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された第一特別図柄の変動制御停止時の態様が上記第一特別図柄表示器1185に表示されるように上記第一特別図柄の変動表示を停止させる第一特別図柄停止処理(ステップS84)
なお、上記第一特別図柄プロセスフラグは、上記ステップS1の処理(図144参照)において、上記第一特別図柄通常処理(ステップS80)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図149は、上記第一特別図柄通常処理(ステップS80)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図149に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、ステップS101の処理として、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS102の処理として、上記主制御内蔵RAM4100eの第一特別図柄保留記憶領域に格納されている第一特別図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同主制御内蔵RAM4100eから読み出す。そして次に、ステップS103及びS104の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御内蔵RAM4100eの第一特別図柄保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、第一特別図柄保留記憶領域は4つの記憶領域(第一特別図柄保留記憶領域a〜第一特別図柄保留記憶領域d)を有し、第一始動口2101への始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記第一特別図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。同様に第二特別図柄保留記憶領域は4つの記憶領域(第二特別図柄保留記憶領域a〜第二特別図柄保留記憶領域d)を有し、第二始動口2102への始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記第二特別図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
そしてその後、ステップS105の処理として、上記読み出された第一特別図柄の第一特別乱数に基づいて上記大当りの当落についての抽選処理である大当り判定処理を行う。その後、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS106)、この処理を終了する。
図150は、上記大当り判定処理(ステップS105)についてその手順を示すフローチャートである。
上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、現在の遊技状態が高確率状態(高確率時短状態、高確率非時短状態)であれば(ステップS111)、図151(A)に示す高確率時の大当り判定テーブルを選択し(ステップS112)、現在の遊技状態が低確率状態であれば(ステップS111)、図151(A)に示す低確率時の大当り判定テーブルを選択し(ステップS113)、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数とを比較する(ステップS114)。
図151(A)に示すように大当り判定テーブルは、上記主制御内蔵ROM4100dに記憶され、特別乱数の種類毎(第一特別乱数、第二特別乱数)に遊技状態が低確率時(低確率非時短状態及び低確率時短状態)の場合に使用する低確率時の大当り判定テーブルと、遊技状態が高確率時(高確率非時短状態、高確率時短状態)の場合に使用する高確率時の大当り判定テーブルと、を備えている。そして、第一特別乱数と比較するために参照される低確率時の大当り判定テーブルでは、204種類の第一特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、65332種類の第一特別乱数が上記ハズレであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第一特別乱数(65536種類)がそれぞれ関連付けされている(低確率時の大当り確率;概ね「321分の1」)。これに対し、特別図柄プロセス処理のステップS39で実行される第二特別図柄プロセス処理内において第二特別乱数と比較するために参照される低確率時の大当り判定テーブルでは、204種類の第二特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、1020種類の第二特別乱数が小当りに当選したことを示す小当り判定値と一致し、64312種類の第二特別乱数が上記ハズレであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第二特別乱数がそれぞれ関連付けされている(低確率時の大当り確率;概ね「321分の1」)。
また、第一特別乱数と比較するために参照される高確率時の大当り判定テーブルでは、2040種類の第一特別乱数が大当り判定値と一致し、63496種類の第一特別乱数がはずれ判定値と一致するように上記第一特別乱数がそれぞれ関連付けされている(高確率時の大当り確率;概ね「32分の1」)。これに対し、特別図柄プロセス処理のステップS39で実行される第二特別図柄プロセス処理内において第二特別乱数と比較するために参照される高確率時の大当り判定テーブルでは、2040種類の第二特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、1020種類の第二特別乱数が小当りに当選したことを示す小当り判定値と一致し、62476種類の第二特別乱数が上記ハズレであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第二特別乱数がそれぞれ関連付けされている(高確率時の大当り確率;概ね「32分の1」)。なお、第一特別乱数と比較するために参照される大当り判定テーブルと、第二特別乱数と比較するために参照される大当り判定テーブルに設定される大当り判定値(大当り判定値の個数を同数として大当り判定値を異ならせるものであってもよいし(大当り確率は同一)、大当り判定値の個数を異ならせるものであってもよい(大当り確率を異ならせる))を異ならせるようにしてもよく、この場合には低確率時の大当り判定テーブルと高確率時の大当り判定テーブルのうち少なくとも一方の大当り判定値を異ならせるようにすればよい(両方異ならせるようにしてもよい)。
上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数との比較の結果、大当りとすると判定した場合には(ステップS115)、当該変動が大当りに当選していることを示す大当りフラグをセットし(ステップS116)、大当り判定処理を終了する。
また、上記ステップS115で、大当りに落選した旨判断された場合は、選択した大当り判定テーブルに基づいて、上記読み出した第一特別乱数が小当りに当選したことを示す小当り判定値と一致するか否かの判断を行う(ステップS117)。ただし上述の通り、第一特別図柄通常処理のステップS102においては小当り判定値と一致する第一特別乱数が読み出されることはないので(小当り確率;65536分の0)、このステップS117では、小当りに当選されていない旨判断される(ハズレ判定される)こととなる。
これに対し、第二特別図柄プロセス処理(ステップS39)内の図示しない第二特別図柄通常処理においては小当り判定値と一致する第二特別乱数が読み出されうる(小当り確率;「64分の1」)。そしてこの結果、小当り判定値と一致した旨判断された場合は、当該変動が小当りに当選していることを示す小当りフラグをセットし(第二特別図柄プロセス処理内のステップS118に相当する処理)、大当り判定処理を終了する。
一方、上記ステップS117で、ハズレとすると判定した場合には、リーチ判定テーブルとステップS102で読み出したリーチ乱数とを比較する(ステップS119)。
図示しないリーチ判定テーブルは、上記主制御内蔵ROM4100dに記憶され、遊技状態が高確率非時短状態時の場合に使用する高確率非時短状態時のリーチ判定テーブルと、遊技状態が高確率時短状態時の場合に使用する高確率時短状態時のリーチ判定テーブルと、遊技状態が低確率状態時(低確率非時短状態)の場合に使用する低確率状態時のリーチ判定テーブルと、を備えている。
ここで、高確率時短状態時のリーチ判定テーブルでは、1種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、71種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。ただし、高確率時短状態時のリーチ判定テーブルでは、時短状態にあるときの遊技の進行スピードを最大限まで高めるべく、72種類のリーチ乱数の全てがリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するようにして、リーチすることを示すリーチ判定値と一致することがないようにしてもよい。
また、低確率状態時のリーチ判定テーブルでは、高確率時短状態時のリーチ判定テーブルに設定されるリーチ乱数と同一のリーチ乱数を含む5種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、67種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、この実施の形態では、低確率状態時では、リーチすることを示すリーチ判定値が高確率時短状態時よりも高められ、所定の確率で得られるようになっている。
さらに、高確率非時短状態時のリーチ判定テーブルでは、高確率時短状態時及び低確率状態時のリーチ判定テーブルに設定されるリーチ乱数と同一のリーチ乱数を含む5種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、67種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、この実施の形態では、高確率非時短状態時では、リーチすることを示すリーチ判定値が低確率非時短状態と同じとされている。
上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、選択したリーチ判定テーブルとステップS102で読み出したリーチ乱数との比較の結果(ステップS119)、リーチハズレとすると判定した場合には(ステップS120におけるYES)、当該変動がリーチとなることを示すリーチフラグをセットして処理を終了する(ステップS121)。
図152は、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止図柄設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図152に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果、すなわち上記大当り判定処理(ステップS105)の結果を判別する。抽選処理結果の判別は、大当りフラグがセットされているか否か(ステップS131)を判別することにより行う。
主制御MPU4100aは、ステップS131で大当りフラグがセットされていれば、図151(B)に示す図柄決定テーブルを選択して、第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一図柄乱数と選択した図柄決定テーブルとを比較することにより第一特別図柄の変動制御停止時の態様(第一特別図柄の停止図柄)としての大当り図柄を決定する(ステップS132)。
図151(B)に示すように、第一特別図柄側の図柄決定テーブルには、判定結果(6R確変大当りA,6R確変大当りB,6R通常大当り)に対して図柄乱数(ここでは、総数200個の第一図柄乱数)がそれぞれ関連付けされるかたちで記憶されている。なお、図151(C)に示すように、第二特別図柄側の図柄決定テーブルには、判定結果(16R確変大当りA,16R確変大当りB,12R確変大当り,8R確変大当り,4R確変大当り,2R確変大当り,2R通常大当り)に対して図柄乱数(ここでは、総数200個の第二図柄乱数)がそれぞれ関連付けされるかたちで記憶されている。
主制御基板4100の主制御MPU4100aでは、取得した図柄乱数に対応して関連付けされている判定結果を特定することにより、大当りの種類を決定する。なお、本例の図柄決定テーブルでは、第一図柄乱数に基づいて決定される大当りの種類と第二図柄乱数に基づいて決定される大当りの種類とが異なるように設定している。より具体的には、高確率状態への移行契機となる確変大当りと、高確率状態への移行契機とならない通常大当りとの振分け率(割り振り)は同じとされているが、第一図柄乱数に基づいて決定される大当りによって獲得可能とされる遊技球の期待値よりも、第二図柄乱数に基づいて決定される大当りによって獲得可能とされる遊技球の期待値のほうが大きくなっている。
大当りの種類毎の具体的な遊技・演出内容については後述することとするが、簡潔にまとめるとすれば以下の通りである。
1.液晶表示装置1900において大当り図柄組合わせが現れてから、大入賞口2103を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口2103に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ2114で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を6回繰り返すことで遊技球が大入賞口2103に入球可能(容易)な6R大当り遊技状態に制御し、この6R大当り遊技状態の後は、次に大当り遊技状態が発生するまで高確率時短状態に制御するとともに、6R大当り遊技状態の実行期間中は特定のキャラクタが勝利するバトル演出(バトル勝利演出)を行い、高確率時短状態においては相対的に有利な状態であることが液晶表示装置1900において示される演出モードに制御される6R確変大当りA
2.液晶表示装置1900において大当り図柄組合わせが現れてから、大入賞口2103を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口2103に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ2114で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を6回繰り返すことで遊技球が大入賞口2103に入球可能(容易)な6R大当り遊技状態に制御し、この6R大当り遊技状態の後は、次に大当り遊技状態が発生するまで高確率非時短状態に制御するとともに、6R大当り遊技状態の実行期間中は特定のキャラクタが敗北するバトル演出(バトル敗北演出)を行い、高確率非時短状態においては相対的に不利な状態であることが液晶表示装置1900において示される演出モードに制御される6R確変大当りB
3.液晶表示装置1900において大当り図柄組合わせが現れてから、大入賞口2103を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口2103に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ2114で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を6回繰り返すことで遊技球が大入賞口2103に入球可能(容易)な6R大当り遊技状態に制御し、この6R大当り遊技状態の後は、次に大当り遊技状態が発生するまで低確率非時短状態に制御するとともに、6R大当り遊技状態の実行期間中は特定のキャラクタが敗北するバトル演出(バトル敗北演出)を行い、低確率非時短状態においては、6R確変大当りB(高確率非時短状態)の場合と同様、相対的に不利な状態であることが液晶表示装置1900において示される演出モードに制御される6R通常大当り
4.液晶表示装置1900において大当り図柄組合わせが現れてから、大入賞口2103を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口2103に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ2114で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を16回繰り返すことで遊技球が大入賞口2103に入球可能(容易)な16R大当り遊技状態に制御し、この16R大当り遊技状態の後は、次に大当り遊技状態が発生するまで高確率時短状態に制御するとともに、16R大当り遊技状態の実行期間中はどれだけラウンド数が積み上げられるかについての演出が完結されるコンプリートボーナス演出を行い、高確率時短状態においては相対的に有利な状態であることが液晶表示装置1900において示される演出モードに制御される16R確変大当りA
5.液晶表示装置1900において大当り図柄組合わせが現れてから、大入賞口2103を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口2103に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ2114で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を16回繰り返すことで遊技球が大入賞口2103に入球可能(容易)な16R大当り遊技状態に制御し、この16R大当り遊技状態の後は、次に大当り遊技状態が発生するまで高確率時短状態に制御するとともに、16R大当り遊技状態の実行期間中と高確率時短状態に制御されてからの所定期間が経過するまでの間はどれだけラウンド数が積み上げられるかについての演出が行われる上乗せチャレンジ演出を行い、高確率時短状態に制御されてからの所定期間が経過した以降は相対的に有利な状態であることが液晶表示装置1900において示される演出モードに制御される16R確変大当りB
6.液晶表示装置1900において大当り図柄組合わせが現れてから、大入賞口2103を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口2103に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ2114で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を12回繰り返すことで遊技球が大入賞口2103に入球可能(容易)な12R大当り遊技状態に制御し、この12R大当り遊技状態の後は、次に大当り遊技状態が発生するまで高確率時短状態に制御するとともに、12R大当り遊技状態の実行期間中と高確率時短状態に制御されてからの所定期間が経過するまでの間はどれだけラウンド数が積み上げられるかについての演出が行われる上乗せチャレンジ演出を行い、高確率時短状態に制御されてからの所定期間が経過した以降は相対的に有利な状態であることが液晶表示装置1900において示される演出モードに制御される12R確変大当り
7.液晶表示装置1900において大当り図柄組合わせが現れてから、大入賞口2103を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口2103に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ2114で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を8回繰り返すことで遊技球が大入賞口2103に入球可能(容易)な8R大当り遊技状態に制御し、この8R大当り遊技状態の後は、次に大当り遊技状態が発生するまで高確率時短状態に制御するとともに、8R大当り遊技状態の実行期間中と高確率時短状態に制御されてからの所定期間が経過するまでの間はどれだけラウンド数が積み上げられるかについての演出が行われる上乗せチャレンジ演出を行い、高確率時短状態に制御されてからの所定期間が経過した以降は相対的に有利な状態であることが液晶表示装置1900において示される演出モードに制御される8R確変大当り
8.液晶表示装置1900において大当り図柄組合わせが現れてから、大入賞口2103を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は大入賞口2103に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ2114で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を4回繰り返すことで遊技球が大入賞口2103に入球可能(容易)な4R大当り遊技状態に制御し、この4R大当り遊技状態の後は、次に大当り遊技状態が発生するまで高確率時短状態に制御するとともに、4R大当り遊技状態の実行期間中と高確率時短状態に制御されてからの所定期間が経過するまでの間はどれだけラウンド数が積み上げられるかについての演出が行われる上乗せチャレンジ演出を行い、高確率時短状態に制御されてからの所定期間が経過した以降は相対的に有利な状態であることが液晶表示装置1900において示される演出モードに制御される4R確変大当り
9.液晶表示装置1900において大当り図柄組合わせが現れてから、大入賞口2103を短時間開放(例えば0.6秒)した後又は大入賞口2103に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ2114で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を2回繰り返すことで遊技球が大入賞口2103に入球され難い2R大当り遊技状態に制御し、この2R大当り遊技状態の後は、次に大当り遊技状態が発生するまで高確率非時短状態に制御するとともに、2R大当り遊技状態の実行期間中は相対的に有利な状態が終了することが示唆されるボーナス終了演出を行い、高確率非時短状態においては、相対的に不利な状態であることが液晶表示装置1900において示される演出モードに制御される2R確変大当り
10.液晶表示装置1900において大当り図柄組合わせが現れてから、大入賞口2103を短時間開放(例えば0.6秒)した後又は大入賞口2103に遊技球が9個入賞したことが上記カウントセンサ2114で検出されたときに閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を2回繰り返すことで遊技球が大入賞口2103に入球され難い2R大当り遊技状態に制御し、この2R大当り遊技状態の後は、次に大当り遊技状態が発生するまで低確率非時短状態に制御するとともに、2R大当り遊技状態の実行期間中は相対的に有利な状態が終了することが示唆されるボーナス終了演出を行い、低確率非時短状態においては、相対的に不利な状態であることが液晶表示装置1900において示される演出モードに制御される2R通常大当り
なお、上記左打ち状態では遊技球がゲート部2301を通過することがなく、可動片2106の駆動は行われない。そのため、左打ち状態では第二始動口2102への遊技球の入賞は発生せず、第一始動口2101への遊技球の入賞のみが発生することになり、第二特別図柄の保留球がある場合を除き第一特別図柄表示器1185における第一特別図柄の変動表示のみが実行され、第一特別図柄に関連した大当り(6R確変大当りA,6R確変大当りB,6R通常大当り)が発生することになる。同様に、上記右打ち状態では第一始動口2101に遊技球は入賞しない。そのため、右打ち状態では第二始動口2102への遊技球の入賞のみが発生することになり、第一特別図柄の保留球がある場合を除き第二特別図柄表示器1186における第二特別図柄の変動表示のみが実行され、第二特別図柄に関連した大当り(16R確変大当りA,16R確変大当りB,12R確変大当り,8R確変大当り,4R確変大当り,2R確変大当り,2R通常大当り)が発生することになる。
また、第一特別図柄に関連した大当りでは最大で大入賞口2103を長時間開放(例えば28.5秒)する開閉パターンを6回繰り返して概ね750個の遊技球しか払い出されないのに対し、第二特別図柄に関連した大当りでは最大で大入賞口2103を長時間開放(例えば28.5秒)する開閉パターンを16回繰り返して概ね2000個の遊技球を払い出し可能である。
なお、第一特別図柄停止図柄設定処理において6R確変大当りAに決定した場合には大当り図柄として6R確変大当りA図柄に決定し、6R確変大当りBに決定した場合には大当り図柄として6R確変大当りB図柄に決定し、6R通常大当りに決定した場合には大当り図柄として6R通常大当り図柄に決定する。また、図示しないが第二特別図柄停止図柄設定処理において16R確変大当りAに決定した場合には大当り図柄として16R確変大当り図柄Aに決定し、16R確変大当りBに決定した場合には大当り図柄として16R確変大当り図柄Bに決定し、12R確変大当りに決定した場合には大当り図柄として12R確変大当り図柄に決定し、8R確変大当りに決定した場合には大当り図柄として8R確変大当り図柄に決定し、4R確変大当りに決定した場合には大当り図柄として4R確変大当り図柄に決定し、2R確変大当りに決定した場合には大当り図柄として2R確変大当り図柄に決定し、2R通常大当りに決定した場合には大当り図柄として2R通常大当り図柄に決定する。
また、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、次にステップS133の処理として、小当りフラグがセットされているか否かを判断する。そしてこの結果、第二特別図柄プロセス処理(ステップS39)内の当該ステップS133に相当する処理にて小当りフラグがセットされていれば、第二特別図柄の変動停止時の態様として小当り図柄(特有の図柄停止態様)に決定した後(ステップS134)、ステップS137に移行する。
またさらに、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS133で小当りフラグがセットされていなければ、特別図柄の変動停止時の態様としてハズレ図柄に決定した後(ステップS136)、ステップS137に移行する。
そして、こうして停止図柄についての決定処理が行われた後は、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS137の処理として、上記抽選結果(大当りの種類、小当り、リーチはずれ、はずれのいずれかを指示(第一特別図柄の停止図柄の態様を指示するものであってもよい))が上記周辺制御基板4010に送信されるよう抽選結果それぞれに応じた判定結果通知コマンドをセットする。そしてその後は、ステップS138の処理として、上記第1変動パターン設定処理(ステップS82)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
なお、周辺制御MPU4140aは、受信した判定結果通知コマンド及び変動パターンコマンドに基づいて液晶表示装置1900を表示制御する(左・中・右の装飾図柄を変動表示して左装飾図柄→右装飾図柄→中装飾図柄の順序で停止表示させる(なお左・中・右の装飾図柄を同一図柄で同期して変動表示し同時に停止表示する場合もある))。例えば、周辺制御MPU4140aは、時短機能が作動していない状態(低確非時短状態、高確非時短状態)において、液晶表示装置1900に表示される装飾図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドから大当りのうち6R確変大当りA、6R確変大当りB、若しくは6R通常大当りを特定した場合には左・中・右の装飾図柄が3つ揃いとなる組合わせに決定する。これに対し、時短機能が作動している状態(高確時短状態)においては、大当りのうち16R確変大当りA,16R確変大当りB,12R確変大当り,8R確変大当り,4R確変大当りのいずれかが得られた場合は、「0」〜「9」の図柄のいずれかで3つ揃いとなる組合わせ)に決定し、大当りのうち2R確変大当り図柄,2R通常大当りのいずれかが得られた場合は、特定の図柄組合わせ(左・中・右の装飾図柄の少なくとも1つが他の図柄と同じとならない組合わせ)に決定し、小当りを特定した場合には、リーチを伴わないはずれ図柄(左・中・右の装飾図柄のうち少なくとも左・右の装飾図柄が異なる図柄となる組合せ)に決定する(若しくは、2R確変大当り図柄,2R通常大当りの場合と同様の特定の図柄組み合わせや、チャンス目などの小当り時専用の図柄組み合わせであってもよい)。また、いずれの遊技状態においても、リーチはずれを特定した場合にはリーチを伴ったはずれ図柄(左・右の装飾図柄が「0」〜「9」の同一の図柄の組み合わせであって中装飾図柄が異なる図柄の組み合わせ;リーチハズレ図柄)に決定し、はずれを特定した場合には、リーチを伴わないはずれ図柄(左・中・右の装飾図柄のうち少なくとも左・右の装飾図柄が異なる図柄となる組合せ)に決定する。こうして決定された停止図柄は、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(遊技演出の終了時)において液晶表示装置1900に表示される。
いずれにせよ、周辺制御MPU4140aは、遊技が進行された結果として当りが得られたときは、大当り遊技が開始されるよりも前に当り時の演出画像を表示し、大当り遊技が開始された後に大当り遊技中の演出画像を表示するようになっている。
図153は、上記第一変動パターン設定処理(ステップS82)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一変動パターン設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図153に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、大当りフラグがセットされていれば(ステップS141)、第一特別図柄停止図柄設定処理のステップS132で決定した大当りの種類に応じた大当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS142)、小当りフラグがセットされていれば(ステップS143)、小当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS144)、リーチフラグがセットされていれば(ステップS145)、リーチ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS146)、大当りフラグと小当りフラグとリーチフラグとのいずれもセットされていない場合、すなわち通常のはずれ(リーチ演出を実行しないはずれ)となる場合には、はずれ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択する(ステップS147)。
そして、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した変動乱数とを比較することにより実行する変動パターンを決定し(ステップS148)、決定した変動パターンを開始することを周辺制御基板4010に通知する変動パターンコマンドをセットして第一特別図柄表示器1185に表示される第一特別図柄の変動表示を開始する(ステップS149)。また、主制御MPU4100aは、変動パターンを決定すると決定した変動パターンに対応して設定されている変動時間を変動タイマに設定する(ステップS150)。そして、上記第一特別図柄変動処理(ステップS83)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS155)、この処理を終了する。これにより、こうして決定された変動時間だけ第一特別図柄表示器1185にて第一特別図柄の変動表示制御が行われるとともに該特別図柄の変動表示に同期して上記液晶表示装置1900にて演出制御が行われるようになる。
なお、本例の変動パターンテーブルは、特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)及び図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)に基づく判定結果毎に複数種類設けられている。また、各変動パターンテーブルに設定される変動パターンには上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)を示す複数の変動時間情報が上記変動乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。しかして、主制御MPU4100aは、特別乱数及び図柄乱数に基づく判定結果に応じた複数種類の変動パターンテーブルのうち、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した変動乱数とを比較し、上記読み出した変動乱数に関連付けされている変動時間情報をこのテーブルから取得することで、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンを決定する。これにより、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンについての抽選処理が行われるようになる。なお、上記変動パターンテーブルは、上記主制御内蔵ROM4100dに記憶されている。
また後述するが、本例の小当り時の変動パターンテーブルは、基本的に、時短状態(高確率時短状態など)にあるときの第二特別図柄プロセス処理(ステップS39)内のステップS144に相当する処理にて選択されるものである。この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、上述の通り、時短状態において小当りに応じた小当り遊技状態が開始するときには変動回数カウンタがリセットされ、且つ小当り遊技状態が終了するときには特殊制御フラグがセットされるようになっており、これに伴って小当り遊技状態が終了してからの所定時間(収束される特定の時間幅)後に新たなラウンド遊技(遊技ブロック)が開始されることを示唆する後述の上乗せチャレンジ演出が突然に開始されるようになっている。したがって、小当りが得られたときの変動時間としては、後述の上乗せチャレンジ演出(ラウンド積上演出)が開始されることを示唆する演出を行いうるだけの時間が設定されるようにすることが望ましい。例えば、時短状態(高確率時短状態など)において2R確変大当りまたは2R通常大当りが得られた場合に現れる演出パターン(時短状態が終了するか否かの演出において時短状態が終了することを示唆する演出)の対となる演出パターン(時短状態が終了するか否かの演出において時短状態は終了せず、所定時間(収束される特定の時間幅)後に新たなラウンド遊技(遊技ブロック)が開始されることを示唆する後述の上乗せチャレンジ演出が新たに開始されることが示される演出)として用意されるような変動時間を設定するようにしてもよい。
また、本例のリーチ時の変動パターンテーブルでは、いずれのリーチ演出を実行するかを示す判定値と変動乱数とを比較することにより実行するリーチ演出の態様種別を決定するように設定されている。例えば、非時短状態においては、241種類の変動乱数のうち164種類の変動乱数がノーマルリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(0〜163)として設定され、59種類の変動乱数が大当り期待度の低いスーパーリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(164〜222)として設定され、18種類の変動乱数が大当り期待度の高いスーパーリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(223〜240)として設定される。
なお、スーパーリーチ演出とは、ノーマルリーチ演出よりも大当り期待度が高く、大当り遊技状態の発生を望む遊技者に対してはスーパーリーチ演出が実行されたときに大当り遊技状態に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。すなわち、このようなスーパーリーチ演出は、大当り時の変動パターンテーブルにおいて最も選択率が高いものとなっており、これによって最終的にはハズレが表示されたとしても大当り遊技状態に対する遊技者の期待度を高めることができるようになる。
また、第一特別乱数及び第一図柄乱数に対応して設けられて第一特別図柄の変動時間を決定するときに用いられるはずれ時の変動パターンテーブルでは、非時短状態と時短状態とに共通して12秒の変動時間が設定されている。一方、第二特別乱数及び第二図柄乱数に対応して設けられて第二特別図柄の変動時間を決定するときに用いられるはずれ時の変動パターンテーブルでは、時短状態として0.1秒〜12秒の変動時間が設定可能とされ、非時短状態として12秒の変動時間が設定されている。このように第一特別図柄の変動時間は、時短状態中と非時短状態中とで同一とされ、時短状態において第一特別図柄の変動中に、第二始動口2102への遊技球の入賞を促すとともに遊技者が第二始動口2102へ遊技球を入賞させるための時間を確保している。
また、第二特別図柄のハズレ時の変動時間のうち0.1秒が選択される場合、時短状態(高確率時短状態など)において遊技領域5aに0.6秒間隔で打ち込まれる各遊技球が抽選処理に供されないままで排出されてしまうようなことが抑制されるようになる。
すなわち、図112及び図141に示されるように、右打ちされた遊技球は、遊技球1個分の間隔とされた経路(案内通路部材2142など)を通って、まずは、ゲート部2105(第二ユニット2120)の直上となる領域Xに供給される。そして上述の通り、時短状態(高確率時短状態など)にあるときに、この領域Xからゲート部2105(第二ユニット2120)に同遊技球が受け入れられると、普通図柄としての当りが得られて(当選確率が100%)、第二始動口2102の可動片2106が長期間(本例では5.5秒間)に亘って後退した状態にて維持されるようになる。これにより、第二始動口2102に連続して次々と受け入れられうる状況下(センター役物2500の右側へ打込まれた遊技球の略全てが第二始動口2102に受け入れられうる時短状態)にあっても、それら遊技球の受け入れがある都度、「概ね32分の1」前後の高い大当り確率(高確率状態での確率)で第二特別図柄側の抽選が次々と消化されうる制御が実行可能とされるようになる。
そして本例では、遊技者がハンドル装置500を操作しているときには0.6秒間隔で遊技球が発射されるようになっていることから、時短状態(高確率時短状態など)においては、第二始動口2102には0.6秒間隔で遊技球が受け入れられることが多くなる。この点、本例では上記したように第二始動口2102への遊技球の入賞に基づく第二特別図柄のはずれ時の変動パターンテーブルには時短状態(高確率時短状態など)の変動時間として極めて短い0.1秒に設定可能とされている。すなわちこの場合、ハズレが得られたときは、遊技球の発射間隔(0.6秒)未満の時間(0.1秒)だけで図柄変動が終了されるようになることから、0.6秒間隔で打ち出される遊技球が第二始動口2102に次々と受け入れるような状況であっても、それらの遊技球が抽選処理に供されないままで排出されてしまうようなことが抑制されるようになる。
ただし後述するが、この実施の形態では、上記領域Xにてゲート部2105への遊技球の受け入れ確率に寄与するように形成された調整部材としての障害釘(図示略)を配設することとしており、これによって右打ちされた遊技球についてのゲート部2105(第二ユニット2120)への受け入れ確率を、「100%」に近い数値を含めた広い範囲で容易に調整することができるようにしている。
また、これも後述するが、この実施の形態では、第二始動口2102側の特定種別の大当り(16R確変大当りB、12R確変大当り、8R確変大当り、4R確変大当り)に基づく大当り遊技状態が終了(特殊制御フラグがセット)されてから特別図柄の変動回数が所定数消化されるまでの期間(変動回数カウンタが所定数まで更新されて、特殊制御フラグがリセットされるまでの期間)においては、少ない変動回数で大当りが得られるほど選択される大当り時の変動時間が長くなる(多い変動回数で大当りが得られるほど選択される大当り時の変動時間が短くなる)傾向が持たされるように、第2変動パターン設定処理内にて参照される変動パターンテーブルを変更させる特殊制御を行うこととしている。すなわちこの場合、複数回(所定数)の図柄変動に要する時間が、いずれの図柄変動で当りになったとしても特定の時間幅内に収束するようになることから、これを利用した後述の演出を実現することができるようになる。
またさらに、これも後述するが、この実施の形態では、第二始動口2102側の小当りに基づく小当り遊技状態が終了(特殊制御フラグがセット)されてから特別図柄の変動回数が所定数消化されるまでの期間(変動回数カウンタが所定数まで更新されて、特殊制御フラグがリセットされるまでの期間)においても、少ない変動回数で大当りが得られるほど選択される大当り時の変動時間が長くなる(多い変動回数で大当りが得られるほど選択される大当り時の変動時間が短くなる)傾向が持たされるように、第2変動パターン設定処理内にて参照される変動パターンテーブルを変更させる特殊制御を行うこととしている。すなわちこの場合、第二始動口2102側の特定種別の大当りに基づく大当り遊技状態が終了されてから特別図柄の変動回数が所定数消化された以降の期間においても、このような特殊制御を利用した後述の演出を随時実行することができるようになる。
図154は、上記第一特別図柄変動処理(ステップS83)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図154に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、ステップS171の処理として、上記変動パターンについての抽選処理(ステップS82)で決定した変動パターンに応じた変動時間が設定される変動タイマを1減算する。そしてこの結果、変動時間タイマが0、すなわち、上記抽選された変動時間が経過したと判断されると(ステップS172)、次にステップS173の処理に移行する。すなわち、このステップS173の処理において、上記第一特別図柄停止処理(ステップS84)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
なお、変動タイマを1減算したにもかかわらず(ステップS171)、変動時間タイマが0になっていないときは、変動時間タイマが0になるまで(図柄を確定停止させるべき時間になるまで)、当該タイマ割り込み処理が行われる都度、上記ステップS171,S172の処理が行われることとなる。
図155は、上記第一特別図柄停止処理(ステップS84)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図155に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、ステップS181の処理として、上記第一特別図柄停止図柄設定処理にて決定された停止図柄を上記第一特別図柄表示器1185に表示させるための表示制御を行うとともに、上記液晶表示装置1900に第一特別図柄の停止図柄に応じた装飾図柄の表示結果の導出表示を指示する停止表示コマンドを上記周辺制御基板4010へのコマンドとしてセットする(ステップS182)。
また、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、上記大当りフラグがセットされているときは(ステップS186におけるYES)、大当り遊技状態を開始することを示す大当り開始コマンドをセットし(ステップS187)、大当り遊技状態の開始までの待機時間(大当り遊技状態を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS188)。そして、大当り遊技状態の実行中であることを示す大当り実行中フラグをセットするとともに上記高確率フラグがセットされていれば当該高確率フラグをリセットし、また、上記時短フラグがセットされていれば当該時短フラグをリセットし(ステップS189)、上記特殊制御フラグがセットされていれば当該特殊制御フラグをリセットし、さらに上記変動回数カウンタをリセットし、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS194)、この処理を終了する。すなわちこの場合、次の割り込み制御が行われる際に、上記ステップS35の処理にて大当り実行中フラグがセットされている旨判断されることとなり、上述の大当り制御処理(ステップS40a)にて大当り遊技状態が実行されるようになる。
なお、大当り開始コマンドは、周辺制御基板4010に送信されるコマンドであり、大当りの種類に応じて個々に用意されている。ステップS187では、大当りの種類(6R確変大当りA、6R確変大当りB、6R通常大当り、16R確変大当りA、16R確変大当りB、12R確変大当り、8R確変大当り、4R確変大当り、2R確変大当り、2R通常大当り)に応じた大当り開始コマンド(6R確変大当りAコマンド、6R確変大当りBコマンド、6R通常大当りコマンド、16R確変大当りAコマンド、16R確変大当りBコマンド、12R確変大当りコマンド、8R確変大当りコマンド、4R確変大当りコマンド、2R確変大当りコマンド、2R通常大当りコマンド)をセットする。これにより、大当り開始コマンドによって指示された大当りの種類に応じた大当り遊技状態の演出が液晶表示装置1900、各ランプ・LED及び各スピーカ等により実行される。
一方、上記ステップS186の処理において、大当りフラグがセットされていない旨判断されたときは(ステップS186におけるNO)、小当りフラグがセットされているか否かを判断する(ステップS190)。そしてこの結果、小当りフラグがセットされている旨判断されたときは(ステップS190におけるYES)、小当り遊技状態を開始することを示す小当り開始コマンドをセットし(ステップS191)、小当り遊技状態の開始までの待機時間(小当り遊技状態を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS192)。そして、小当り遊技状態の実行中であることを示す小当り実行中フラグをセットし(ステップS193)、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS194)、この処理を終了する。すなわちこの場合、次の割り込み制御が行われる際に、上記ステップS36の処理にて小当り実行中フラグがセットされている旨判断されることとなり、上述の小当り制御処理(ステップS40b)にて小当り遊技状態が実行されるようになる。ちなみに、大当りが当選された場合とは異なり、このような小当り遊技状態の実行に際しては、遊技状態が変更されるようなことはない。
他方、大当りフラグと小当りフラグとのいずれもセットされていない旨判断されたときは(ステップS190におけるNO)、ハズレであるとして、大当りや小当りに関する処理を行うことなく、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS194)、この処理を終了する。すなわちこの場合、次の割り込み制御が行われる際に、大当り実行中フラグや小当り実行中フラグがセットされていない旨判断されることとなり(ステップS35,S36)、保留の状況にしたがって新たな遊技(抽選や、図柄制御)の進行にかかる処理が行われるようになる(ステップS37〜S39)。
図156は、上記普通図柄プロセス処理(ステップS15)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS801の処理において、上記ゲートセンサ2126による検出信号がオン状態にあり、上記ゲート部2105への遊技球の通過があったと判断されたとすると、同図156に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS802の処理として、まず、普通図柄の普通乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの普通図柄保留記憶領域に格納するなどのゲート部通過処理を実行する。
次いで、普通図柄プロセス処理では、普通図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行する。
1.主制御MPU4100aのRAM4100eに格納されている普通乱数を読み出し、読み出した普通乱数に基づいて上記普通図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる普通図柄通常処理(ステップS803)
2.普図変動乱数に基づいて上記普通図柄表示器1189に表示される普通図柄の変動態様(変動時間)についての抽選処理などが行われる普通図柄変動時間決定処理(ステップS804)
3.普通図柄表示器1189における上記普通図柄の変動表示が停止されるまで待機する普通図柄変動処理(ステップS805)
4.普通図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された普通図柄の変動制御停止時の態様が上記普通図柄表示器1189に表示されるように上記普通図柄の変動表示を停止させる普通図柄停止処理(ステップS806)
5.普通図柄の変動制御停止時の態様についての抽選処理の結果が「普図当り」を示唆する態様となったとき、上記可動片2106が後退して第二始動口2102への遊技球の受け入れを可能に制御する処理を実行する普通電動役物開放処理(ステップS807)
なお、上記普通図柄プロセスフラグは、上述のステップS1の処理(図144参照)において、上記普通図柄通常処理(ステップS803)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図157は、上記ゲート部通過処理(ステップS802)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS801の処理において、上記ゲートセンサ2126による検出信号がオン状態にあり、上記ゲート部2105への遊技球の通過があったと判断されたとすると、同図157に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS811の処理として、まず、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPU4100aのRAM4100eから取得する。そして、このカウンタ値に基づいて普通図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。
このステップS811の処理において、上記普通図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS812〜S814の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS812の処理として、上記普通保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS813の処理として、上記普通乱数、上記普図変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。そして次に、ステップS814の処理として、こうして取得された各乱数を、上記主制御MPU4100aのRAM4100eの記憶領域のうちの上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に対応する普通図柄保留記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS811の処理において、上記普通図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS812〜ステップS814の処理を実行しないことで、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
図158は、上記普通図柄通常処理(ステップS803)についてその手順を示すフローチャートである。
上記普通図柄プロセスフラグが当該普通図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図158に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、ステップS821の処理として、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS822の処理として、上記主制御MPU4100aのRAMの普通図柄保留記憶領域に格納されている普通図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、普通乱数、普図変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同RAMから読み出す。そして次に、ステップS823及びS824の処理として、上記普通保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御MPU4100aのRAMの普通保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(普通乱数、普図変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、普通図柄保留記憶領域は1〜4の4つの記憶領域を有し、上記ゲート部2105への遊技球の通過に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に上記ゲート部2105に遊技球が通過するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記普通図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
次いで、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、現在の遊技状態が時短状態(高確率時短状態)であれば(ステップS826)、時短時の普図当り判定テーブル(図示しない)を選択し(ステップS826)、現在の遊技状態が非時短状態(低確率非時短状態、高確率非時短状態)であれば(ステップS825)、非時短時の普図当り判定テーブル(図示しない)を選択し(ステップS827)、選択した普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS822で読み出した普通乱数とを比較する(ステップS828)。
なお、普図当り判定テーブルは、上記主制御MPU4100aのROM4100dに記憶され、遊技状態が時短時(高確率時短状態)の場合に使用する時短時の普図当り判定テーブルと、遊技状態が非時短時(低確率非時短状態、高確率非時短状態)の場合に使用する非時短時の普図当り判定テーブルと、を備えている。そして、普通乱数と比較するために参照される時短時の普図当り判定テーブルでは、255種類の全ての普通乱数が普図当りに当選したことを示す普図当り判定値と一致し、普図はずれであることを示す普図はずれ判定値と一致することがないように上記普通乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、時短時では、上記ゲート部2105への遊技球の通過があったとき、普図当りに必ず当選し、上記可動片2106が後退して第二始動口2102への遊技球の受け入れを可能に制御している。
また、普通乱数と比較するために参照される非時短時の普図当り判定テーブルでは、255種類の全ての普通乱数が普図当りに当選したことを示す普図当り判定値と一致することがなく、普図はずれであることを示す普図はずれ判定値と一致するように上記普通乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、非時短時では、上記ゲート部2105への遊技球の通過があったとしても、普図当りに当選することがないため、上記可動片2106が後退して第二始動口2102への遊技球の受入れを可能に制御することがない。ただし上述の通り、非時短状態においても普通図柄の当りが得られるようにしてもよく、この場合には時短状態よりも低い当選確率(例えば50%)とし、普通図柄の抽選結果が当りとなったときに上記第二始動口2102の可動片2106を時短状態よりも短い時間、例えば、2秒間後退させて第二始動口2102への遊技球の受入れを可能とした後に再び前進させて第二始動口2102への遊技球の受入れを不能にするようにしてもよい。
上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、選択した普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS822で読み出した普通乱数との比較の結果、普図当りとすると判定した場合には(ステップS829)、当該変動が普図当りに当選していることを示す普図当りフラグをセットした後(ステップS830)、普通図柄の変動制御停止時の態様(普通図柄の停止図柄)としての普図当り図柄を決定する(ステップS831)、一方、選択した普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS822で読み出した普通乱数との比較の結果、はずれとすると判定した場合には、普通図柄の変動制御停止時の態様(普通図柄の停止図柄)としての普図はずれ図柄を決定する(ステップS832)。そしてその後、上記普通図柄変動時間決定処理(ステップS804)にプロセス移行されるよう上述の普通図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS833)、この処理を終了する。
[5.周辺制御基板の制御処理]
次に、周辺制御基板4010に搭載される周辺制御MPU4140aによって実行される処理について説明する。図159は、当該パチンコ機1に電源が投入されるとき、上記周辺制御基板4010に搭載される周辺制御MPU4140aによって行われる制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
図159に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、周辺制御MPU4140aは、初期設定処理を行う(ステップS501)。この初期設定処理は、周辺制御基板4010に搭載される周辺制御MPU4140aに内蔵されているRAMをクリアする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS501)が終了すると、16mS経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS502)。
この実施の形態では、周辺制御MPU4140aは、2mS経過毎に割込を発生させ、2mS定常処理を実行する。2mS定常処理では、16mS経過監視カウンタをカウントアップする(16mS経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16mS経過監視カウンタの値が8になったとき、すなわち、16mS経過したときに16mS経過フラグTをセットするとともに、16mS経過監視カウンタをリセット(0にする)処理が実行される。このように、16mS経過フラグTは、2mS定常処理にて16mS毎に「1」に設定(セット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。ステップS502で16mS経過フラグがセットされている(16mS経過フラグTが「1」)ときには、16mS経過フラグをリセットした後(ステップS503)、16mS定常処理を行う(ステップS504)。
この16mS定常処理では、主制御基板4100から受信したコマンドにもとづいて液晶表示装置1900、ランプ・LED、スピーカ130,222,262等を制御する処理が実行される。16mS定常処理を終了すると、再びステップS502に戻り、16mS経過フラグTがセットされる毎に、つまり16mS毎に上記したステップS503〜ステップS504を繰り返し行う。一方、ステップS502で16mS経過フラグTがセットされていない(16mS経過フラグTが「0」)ときには、16mS経過フラグTがセットされるまでループ処理を行う。
図160は、サブメイン処理にて16mS毎に実行される16mS定常処理の一例を示すフローチャートである。16mS定常処理において、周辺制御MPU4140aは、ステップS601〜ステップS606の処理を実行する。ステップS601のコマンド解析処理では、主制御基板4100から受信したコマンドを解析する。ステップS602の演出制御処理では、変動パターン設定処理(第一変動パターン設定処理のステップS149、第二変動パターン設定処理)でセットされることにより送信された変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて液晶表示装置1900に関わる制御処理を実行する。
また、ステップS603の音制御処理では、スピーカ130,222,262に関わる制御処理を実行する。ステップS604のランプ制御処理では、パチンコ機1に設けられたランプ・LEDに関わる制御処理を実行する。ステップS605の情報出力処理では、ランプ駆動基板3041にランプ・LEDの点灯信号を送信する処理などを実行する。ステップS606の乱数更新処理では、演出制御処理(ステップS602)で各種設定に用いられる乱数を更新する処理を実行する。
なお、16mS定常処理におけるステップS601〜ステップS606の処理は16mS以内に終了する。仮に、16mS定常処理を開始してから当該16mS定常処理の終了までに16mS以上かかったとしても、16mS定常処理を開始してから16mS経過したときに直ぐに16mS定常処理を最初から(ステップS601のコマンド解析処理から)実行しない。すなわち、16mS定常処理の実行中に16mS経過したときには、16mS経過フラグのセットのみを行い、当該16mS定常処理の終了後にステップS502で16mS経過フラグがセットされていると判定されたときに16mS定常処理を開始する。
また、この実施の形態では、16mS定常処理にて乱数更新処理(ステップS606)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理および16mS定常処理のいずれか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
以下、この実施の形態のかかるパチンコ機1において技術的に特徴のある遊技や演出について説明する。
この実施の形態にかかるパチンコ機1には、その目的の1つとして、長期(当りが得られるまでなど)にわたって有利状態の維持が保証される状態にあるときの遊技興趣の低下を抑制することがある。すなわち、このような状態(ここでは、高確率時短状態)では、遊技者にとって何ら緊張感のない遊技(有利な遊技)が延々と行われてしまう場合があり、気分などがゆるんで遊技興趣が低下する懸念があった。
そこで、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、まず、時短状態(高確率時短状態)において特定種別の大当り(16R確変大当りB、12R確変大当り、8R確変大当り、4R確変大当りのいずれか)が得られた場合、該大当りに応じた大当り遊技を、複数個(より正確には、1〜4個)の遊技ブロックに分けるようにして実行する。そして、それらの遊技ブロックの間にそれぞれ存在するブロック間インターバル期間と、大当り遊技が終了した後に発生する時短状態(高確率時短状態)との両方で、所定時間後に新たなラウンド遊技がさらに実行される可能性を示唆する上乗せチャレンジ演出を行うことで、時短状態(高確率時短状態)が発生した以降も大当り遊技が未だ継続して実行されているかのように見える演出状況を生み出すようにしている。
図161は、特定種別の大当り(16R確変大当りB、12R確変大当り、8R確変大当り、4R確変大当りのいずれか)が得られて該大当りに応じた大当り遊技が実行されるときの遊技や演出進展にかかる内容についてその一例を説明するタイムチャートである。
例えば、いま、図161(a)に示されるように、時短状態(高確率時短状態)において16R確変大当りB(特定種別の大当りのうちの1つ)が得られ、タイミングt1において、該16R確変大当りBに応じた大当り遊技が開始されたとすると、主制御MPU4100aは、まず、16ラウンド分のラウンド遊技が順次実行されるように制御する。ただし、この実施の形態にかかる主制御MPU4100aでは、特定種別の大当りに応じた大当り遊技を行う場合、「4ラウンド分のラウンド遊技」を上記遊技ブロックの一単位として位置付けており、この遊技ブロックが4回にわたって実行されているかのように見せる制御を行うことで、特定種別の大当りに応じた大当り遊技(ここでは、16ラウンド分のラウンド遊技)を消化するようにしている。なお、この実施の形態にかかる大当り遊技においては、上記遊技ブロック(4ラウンド分のラウンド遊技)が1回消化される都度、概ね500個の賞球が獲得可能とされる。
より具体的には、16R確変大当りBに応じた大当り遊技(タイミングt1〜t2)にあって、上記遊技ブロックとして位置付けされる「4ラウンド分のラウンド遊技」は、1〜4ラウンドのラウンド遊技、5〜8ラウンドのラウンド遊技、9〜12ラウンドのラウンド遊技、及び13〜16ラウンドのラウンド遊技にそれぞれ相当している。
ここで、これらの各遊技ブロック内には、それぞれ3回分のブロック内インターバル期間(例えば、1〜4ラウンドのラウンド遊技の場合、1ラウンド目のラウンド遊技と2ラウンド目のラウンド遊技との間のインターバル期間、2ラウンド目のラウンド遊技と3ラウンド目のラウンド遊技との間のインターバル期間、及び3ラウンド目のラウンド遊技と4ラウンド目のラウンド遊技との間のインターバル期間(いずれも、図示略))が含まれているが、該ブロック内インターバル期間は、比較的短い時間(例えば、1秒)ですぐに消化されるようになっており、これによってインターバル期間が発生していることを認識し難くして各遊技ブロック内でのラウンド遊技(4ラウンド分のラウンド遊技)が一纏まりで実行される印象(遊技ブロック内の途中で大当り遊技が終了されることはないという印象)を持たせるようにしている。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4140aは、同図161(a)に示されるように、上記16R確変大当りBに応じた大当り遊技(タイミングt1〜t2)にあって、上記遊技ブロックとして位置付けされる「4ラウンド分のラウンド遊技」が行われる各期間内では、遊技者に対して賞を獲得可能な状態にあることを示唆するボーナス演出を出現させる制御を行う。
例えば、新たな遊技ブロックが開始される都度、4ラウンド分のラウンド遊技を消化することができる状態にあることを示す特定画像(例えば、4つの白抜き枠画像)を液晶表示装置1900において表示する。そして、ラウンド遊技が消化される都度、当該新たな遊技ブロック内において未だ消化されずに残されているラウンド遊技の数を示唆するように上記特定画像を更新(例えば、ラウンド遊技が消化される都度、4つの白抜き枠画像の1つを塗りつぶす)する表示制御を行うようにすることで、各遊技ブロック内でのラウンド遊技(4ラウンド分のラウンド遊技)が一纏まりで実行される印象(遊技ブロック内の途中で大当り遊技が終了されることはないという印象)を好適に持たせるようにしている。
ただし、上記特定画像としては、「4ラウンド分のラウンド遊技」を必ずしも意識させるものでなくてもよく、所定数量の賞(概ね500個の賞球)を獲得可能な状態にあることを示すものであってもよい。例えば、新たな遊技ブロックが開始されるときに1つの白抜き枠画像を表示し、当該新たな遊技ブロックにおいてラウンド遊技が消化されていくなかで該白抜き枠画像を徐々に塗りつぶしていくような表示態様を採用した場合であっても、各遊技ブロックにおいて未獲得の状態にて残されている賞の数量を未だ塗りつぶされていない面積割合などからイメージさせることが可能であり、これによって各遊技ブロック内でのラウンド遊技(4ラウンド分のラウンド遊技)が一纏まりで実行される印象を好適に持たせることは可能である。
また、上記特定画像については、遊技ブロック内でのラウンド遊技(4ラウンド分のラウンド遊技)が消化された以降(例えば、塗りつぶされた以降)も継続して表示(履歴表示)するようにすることが望ましい。すなわちこの場合、新たな遊技ブロックが開始されるときには新たな特定画像(例えば、塗りつぶされていない白抜き枠画像)を追加して表示することとなるが、このような特定画像の表示数によってこれまで獲得した賞の数量を認識させることができるようになる。なお、このような特定画像は、後述のラウンド積上演出が終了するときに消去されることとなる。
これに対し、16R確変大当りBに応じた大当り遊技(タイミングt1〜t2)にあって、各遊技ブロックの間にはブロック間インターバル期間(4ラウンド目のラウンド遊技と5ラウンド目のラウンド遊技との間のインターバル期間、8ラウンド目のラウンド遊技と9ラウンド目のラウンド遊技との間のインターバル期間、及び12ラウンド目のラウンド遊技と13ラウンド目のラウンド遊技との間のインターバル期間)が含まれているが、該ブロック間インターバル期間は、比較的長い時間(例えば、18秒)で消化されるようになっており、これによって新たなラウンド遊技(新たな遊技ブロック)がさらに実行されるかについての後述の演出(上乗せチャレンジ演出)を行いうるだけの時間を確保するようにしている。またさらに、これも後述するが、ブロック間インターバル期間としてこのような時間(例えば、18秒)を確保することで、時短状態(高確率時短状態)が発生した以降も大当り遊技が未だ継続して実行されているかのような演出状況を生み出すことを可能ならしめている。
すなわち、この実施の形態にかかるパチンコ機1にあって、上記特定種別の大当りとは、上記遊技ブロックを一単位としてこれに含まれるラウンド遊技の回数(ここでは、4回)に対して整数(ここでは1〜4)を乗じた回数(4、8、12、16回)のラウンド遊技を大当り遊技として実行するように定められるものとなっている。このような構成によれば、上記特定種別の大当りのいずれかが得られた場合、各遊技ブロックにおいて、4ラウンド分のラウンド遊技が消化されずにその中途で大当り遊技が終了されるようなことがなくなり、遊技ブロックが終了したとき(合計4,8,12回のラウンド遊技が終了したとき)に「新たな遊技ブロックが開始されるか」といった遊技性を提供することができるようになる。
そして、こうして上記遊技ブロックが4回にわたって実行された結果、タイミングt2において、16R確変大当りBに応じた大当り遊技が終了されたとすると、主制御MPU4100aは、大当り遊技の終了インターバル(ここでは、極短時間が望ましい)を経た後に高確率時短状態を発生させる(図151(c)を参照)。
すなわち、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、上記特定種別の大当りをいずれも、大当り遊技が終了した後に時短状態(高確率時短状態)が長期にわたって発生するものとして設定している。そしてこの上で、第二始動口2102側の特定種別の大当り(16R確変大当りB、12R確変大当り、8R確変大当り、4R確変大当り)に基づく大当り遊技状態が終了(特殊制御フラグがセット)されてから特別図柄の変動が所定数(ここでは、30回)消化されるまでの期間(時短状態において特殊制御フラグがリセットされるまでの期間)においては、少ない変動回数で大当りが得られるほど選択される大当り時の変動時間が長くなる(多い変動回数で大当りが得られるほど選択される大当り時の変動時間が短くなる)傾向が持たされるように、第2変動パターン設定処理内にて参照される変動パターンテーブルを変更させる特殊制御を行うこととしている。
ここで、このような特殊制御を実現する原理については後述することとするが、この実施の形態にかかる主制御MPU4100aでは、当該特殊制御を通じて、第二特別図柄の変動が途切れることなく所定数(ここでは、30回)消化されるまでの間に少なくとも特定種別の大当りが得られたときには、いずれの図柄変動で大当りが得られたとしても、前回の大当り遊技(ここでは、16R確変大当りBに応じた大当り遊技)が終了してから次回の大当り遊技が開始されるまでに要する時間(タイミングt2〜t3)を、上記ブロック間インターバル期間(例えば、18秒)に近付けた特定の時間幅内(ここでは、18秒〜20.4秒)に収束させるようにしている。
すなわち後述するが、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、特殊制御が行われる期間において1回目の図柄変動が開始されるタイミングと、ハズレ変動が29回行われた後に30回目の図柄変動が開始されるタイミングとの間には少なくとも17.4秒(29回分のハズレ変動と、29回分の図柄停止時間との合計)の時間差があるところ、前回の大当り遊技(ここでは、16R確変大当りBに応じた大当り遊技)が終了してから次回の大当り遊技が開始されるまでに要する時間(タイミングt2〜t3)についてはこれを上記ブロック間インターバル期間として設定される時間値(例えば、18秒)に近付けるかたちでこれを2.4秒といった僅かな時間差にまで収束させることを可能ならしめた。
このような構成によれば、図161(a)に示されるように、タイミングt2〜t3の期間(多くとも30回の図柄変動までの期間)内のうちのいずれの図柄変動で特定種別の大当り(ここでは、4R確変大当り)が得られた場合であっても、16R確変大当りBに応じた大当り遊技(タイミングt1〜t2)において特定の遊技ブロックが消化されてから次の遊技ブロックが実行されるまでの期間内における大入賞口2103の挙動と、16R確変大当りBに応じた大当り遊技(タイミングt1〜t2)が終了してから新たな大当り遊技(ここでは、4R確変大当り)が実行されるまでの期間(タイミングt2〜t3)内における大入賞口2103の挙動との見分けをし難くすることができるようになる。
そして、このような特殊制御は、少なくとも特定種別の大当りに応じた大当り遊技が終了したこと(特殊制御フラグがセットされたこと)に基づいて時短状態(高確率時短状態)において実行されるものである。したがって、特定種別の大当りに応じた大当り遊技が終了した場合であっても、所定数の図柄変動が消化されるよりも前に特定種別の大当りが再び得られ続ける限りは、時短状態(高確率時短状態)をブロック間インターバル期間であるかのように見せることができるようになり、タイミングt1において開始された大当り遊技が未だ終了されずに継続しているかのように見せることも可能とされるようになる。ただしこの場合、特殊制御が行われる期間とブロック間インターバル期間との両方で、遊技者による右打ちが維持されるように促す共通(演出)を実行することが重要である。
したがって、同図161(a)に示されるように、16R確変大当りBに応じた大当り遊技(タイミングt1〜t2)が終了してから特別図柄の変動回数が所定数消化されるまでの間に特定種別の大当り(ここでは、4R確変大当り)が得られた場合には、該特定種別の大当りがいずれの変動回数にて得られた場合であっても、前回の大当り遊技(内の遊技ブロック)が終了してから上記ブロック間インターバル期間に近似した時間が経過するあたり(タイミングt3)で4R確変大当りに応じた大当り遊技(内の遊技ブロック)が開始されるようになる。
ここで、4R確変大当りに応じた大当り遊技(タイミングt3〜t4)は、ブロック間インターバル期間を一度も経ることなく4回分のラウンド遊技(1回分の遊技ブロック)が消化された時点で終了され、大当り遊技の終了インターバル(ここでも、極短時間が望ましい)を経た後に高確率時短状態を発生させることとなる。ただしこの場合も、主制御MPU4100aは、特定種別の大当りに応じた大当り遊技が終了したこと(特殊制御フラグがセットされたこと)に基づいて上述の特殊制御を行うこととなる。したがって、4R確変大当りに応じた大当り遊技(タイミングt3〜t4)を、タイミングt1において開始された大当り遊技に含まれる遊技ブロックのうちの1つであるかのように見せることが可能であり、ひいては該大当り遊技(タイミングt3〜t4)が終了した以降もタイミングt1において開始された大当り遊技が未だ終了されずに継続しているかのように見せることも可能とされるようになる。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4140aは、図161(a)に示されるように、特定種別の大当りに応じた大当り遊技(例えば、タイミングt1〜t2)において特定の遊技ブロックが消化されてから次の遊技ブロックが実行されるまでの期間(ブロック間インターバル期間)と、特定種別の大当りに応じた大当り遊技が終了してから所定数の図柄変動が消化されるよりも前に特定種別の大当りが再び得られて該大当りに応じた新たな大当り遊技が実行されるまでの期間(ここでは、タイミングt2〜t3)との両方で、所定時間(収束される特定の時間幅)後に新たなラウンド遊技(遊技ブロック)がさらに実行される可能性を示唆する上乗せチャレンジ演出を行うようにしている。
より具体的には、図161(a)に示されるように、いま、タイミングt1において、16R確変大当りBに応じた大当り遊技が開始されたとすると、1回目の遊技ブロック(1〜4ラウンド)が行われる期間内において、周辺制御MPU4140aは、まず、当該大当り遊技において獲得可能とされる賞の総量(概ね2000個)を秘匿としたままで、これよりも少ない所定数量の賞(1回の遊技ブロックで獲得可能とされる賞)を獲得可能な状態にあることを示す特定画像(例えば、4つの白抜き枠画像)を液晶表示装置1900において表示する。そして、1回目の遊技ブロック(1〜4ラウンド)内のラウンド遊技が消化される都度、当該遊技ブロックにおいて未獲得の状態にて残されている賞の数量を未だ塗りつぶされていない面積割合などからイメージすることができるように特定画像の表示態様を変更させていく制御を行う。
これに対し、1回目の遊技ブロック(1〜4ラウンド)が終了して1回目のブロック間インターバル期間(18秒間)が出現すると、周辺制御MPU4140aは、このような遊技ブロックが何回連続して実行されるのかを秘匿としたままで、新たな遊技ブロック(ラウンド遊技)がさらに実行されるかについての上乗せチャレンジ演出を出現させる。ただし、ブロック間インターバル期間(18秒間)の終了後には次の遊技ブロックが必ず実行されるようになっていることから、該ブロック間インターバル期間における上乗せチャレンジ演出においては成功演出を必ず出現させることとなる。
なお、このような上乗せチャレンジ演出としては、例えば、
・液晶表示装置1900において所定の演出画像(成功演出)が現れるか否かといった演出を行うとともに、該演出の結果として所定の演出画像(成功演出)が現れた場合、新たなラウンド遊技(新たな遊技ブロック)がさらに実行されることが示されるものや、
・所定の可動役物に特定の動作が現れるか否かといった演出(成功演出)を行うとともに、該演出の結果として所定の可動役物に特定の動作(成功演出)が現れた場合、新たなラウンド遊技(新たな遊技ブロック)がさらに実行されることが示されるもの
等々、といった演出として実現することが可能である。
そしてこの後、当該16R確変大当りBに応じた大当り遊技にあっては、該大当り遊技において獲得可能とされる賞の総量(概ね2000個)を秘匿としたままで、2〜4回目の遊技ブロックが実行される都度、所定数量の賞(1回の遊技ブロックで獲得可能とされる賞)を獲得可能な状態にあることを示す特定画像(例えば、4つの白抜き枠画像)を液晶表示装置1900において追加表示することとなる。
例えば、2回目の遊技ブロックにおいては、1回目の遊技ブロックにおいて表示された特定画像(塗りつぶされている4つの白抜き枠画像)とは別に、新たな特定画像(例えば、塗りつぶされていない4個の白抜き枠画像)を追加表示(5〜8回目のラウンド遊技であることを表示)し、3回目の遊技ブロックにおいては、1,2回目の遊技ブロックにおいて表示された特定画像(塗りつぶされている8個の白抜き枠画像)とは別に、新たな特定画像(例えば、塗りつぶされていない4つの白抜き枠画像)を追加表示(9〜12回目のラウンド遊技であることを表示)し、4回目の遊技ブロックにおいては、1〜3回目の遊技ブロックにおいて表示された特定画像(塗りつぶされている12個の白抜き枠画像)とは別に、新たな特定画像(例えば、塗りつぶされていない4つの白抜き枠画像)を追加表示(13〜16回目のラウンド遊技であることを表示)することとなる。
また、16R確変大当りBに応じた大当り遊技においては、2,3回目の遊技ブロックが終了してブロック間インターバル期間が出現する都度、遊技ブロックが何回連続して実行されるのかを秘匿としたままで、新たな遊技ブロック(ラウンド遊技)がさらに実行されるかについての上乗せチャレンジ演出を出現させることとなる。
このような構成によれば、16R確変大当りBに応じた大当り遊技が行われているにもかかわらず、「遊技ブロック(4ラウンド分のラウンド遊技)を一単位としてこれを何回実行させることができるか(若しくは、ラウンド遊技を何回実行させることができるか)」といったラウンド積上演出(図中では、太枠に囲まれる部分)を実現することができるようになり、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
そして上述の通り、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4140aは、特定種別の大当り(16R確変大当りB)に応じた大当り遊技(4回目の遊技ブロック)が終了してから所定数の図柄変動が消化されるよりも前に特定種別の大当り(4R確変大当り)が再び得られて該大当りに応じた新たな大当り遊技が実行されるまでの期間(タイミングt2〜t3)においても、上記主制御MPU4100aによる上述の特殊制御が行われているなかで、ブロック間インターバル期間において出現させた上記上乗せチャレンジ演出を行う。ただし後述するが、このような時短状態(高確率時短状態)にあるときの上乗せチャレンジ演出では、該演出が開始された時点では成功演出を出現させるか否かが未定とされており、時短状態(高確率時短状態)が発生してから所定数の図柄変動が消化されるよりも前に特定種別の大当り(4R確変大当り)が得られたことを条件に成功演出を出現させる制御を行うこととなる。
このような構成によれば、主制御MPU4100aによる上述の特殊制御と相まって、特定種別の大当りに応じた大当り遊技が終了した後の時短状態(高確率時短状態)を、タイミングt1において開始された大当り遊技が未だ終了されておらず該大当り遊技内におけるブロック間インターバル期間(タイミングt1から数えて4回目のブロック間インターバル期間)であるかのように見せることができるようになる。
この点、周辺制御MPU4140aは、時短状態(高確率時短状態)が発生してから所定数の図柄変動が消化されるよりも前に特定種別の大当り(4R確変大当り)が得られたことに基づいて成功演出を出現させた場合、タイミングt3において新たに開始される大当り遊技(4R確変大当り)内の遊技ブロックを、タイミングt1において開始された大当り遊技(16R確変大当りB)内の遊技ブロックであるかのように見せる演出制御を行うこととしている。これにより、タイミングt1において開始された大当り遊技(16R確変大当りB)が終了した以降も、「遊技ブロック(4ラウンド分のラウンド遊技)を一単位としてこれを何回実行させることができるか」といったラウンド積上演出(図中では、太枠に囲まれる部分)を継続させることができるようになり、このような複数回の大当り遊技に跨るラウンド積上演出を通じて、特定種別の大当りとして通常は設定され得ないような、遊技者に極めて有利な種別の大当り(16ラウンドを超えるラウンド数を実行可能な確変大当り)が含まれているかのように意識付けさせることができるようになる。
例えば、同図161(a)においては、タイミングt3において、特定種別の大当りに応じた大当り遊技(16R確変大当りB)が終了してから所定数の図柄変動が消化されるよりも前に4R確変大当り(特定種別の大当り)が得られる例が示されているが、該4R確変大当りに応じた大当り遊技が行われる期間(タイミングt3〜t4)中は、タイミングt3において開始された大当り遊技(4R確変大当り)における1〜4回目のラウンド遊技が実行されていることを示すのではなく、タイミングt1において開始された大当り遊技(16R確変大当りB)における17〜20回目のラウンド遊技(5回目の遊技ブロック)が実行されていることを示す演出が行われる。
これにより、特定種別の大当りとして通常は設定され得ないような、遊技者に極めて有利な種別の大当り(少なくとも20ラウンド以上の確変大当り)がタイミングt1において得られたかのような状況を生み出すことができるようになり、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。また、特定種別の大当りのうち、獲得可能とされる賞数が最も少ない種別の大当り(4R確変大当り)に当選したことを把握し難くすることもできるようになることから、このような不利な大当りに当選したときの遊技興趣を好適に維持することも期待されるようになる。
なお、17〜20回目のラウンド遊技(5回目の遊技ブロック)が実行されていることを示す演出については、例えば、1〜16回目のラウンド遊技(1〜4回目の遊技ブロック)において表示された特定画像(塗りつぶされている16個の白抜き枠画像)とは別に、新たな特定画像(例えば、塗りつぶされていない4個の白抜き枠画像)を追加表示し、ラウンド遊技が消化される都度、当該新たな遊技ブロック(タイミングt3〜t4)内において未だ消化されずに残されているラウンド遊技の数を示唆するように上記特定画像を更新(例えば、ラウンド遊技が消化される都度、4つの白抜き枠画像の1つを塗りつぶす)する表示制御を行うことによって実現することが可能である。
主制御MPU4100aによる上述の特殊制御が行われるなかでのこのような周辺制御MPU4140aによる制御によれば、特定種別の大当りに応じた大当り遊技が開始された以降、タイミングt2,4などにおいて大当り遊技が終了されて時短状態(高確時短状態)に幾度となく制御される場合であっても、該時短状態(高確時短状態)に制御されてから所定数(ここでは、30回)の図柄変動が消化されるよりも前に特定種別の大当りが得られ続ける限りは、タイミングt1において発生した大当り遊技が終了されずに継続しているかのように見せることができるようになる。すなわちこの場合、「タイミングt1において発生した一の賞球獲得遊技(実際には、時短状態も含まれる)内において、遊技ブロック(4ラウンド分のラウンド遊技)を一単位としてこれを何回実行させることができるか」といったラウンド積上演出(図中では、太枠に囲まれる部分)が延々と継続して実行されるようになり、ひいては時短状態における遊技興趣の低下を抑制することが期待されるようになる。
ただし、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4140aは、以下の条件のいずれかが成立した場合、上記ラウンド積上演出(図中では、太枠に囲まれる部分)の演出進展を終了させる制御を行うこととしている。
a.時短状態(高確時短状態)に制御されてから所定数(ここでは、30回)の図柄変動が消化されるよりも前に特定の種別でない大当りが得られる
b.時短状態(高確時短状態)に制御されてから大当りが得られないままで所定数(ここでは、30回)の図柄変動が消化される
例えば、いま、時短状態(高確率時短状態)が発生するタイミングt4において、成功演出を出現させるか否かが未定とされているなかで上乗せチャレンジ演出が開始されたとする。
この点、図161(a)においては、タイミングt4から所定数の図柄変動が消化されるよりも前に特定種別でない大当りとして16R確変大当りAが得られ、タイミングt5において該大当りに応じた大当り遊技が実行される例が示されているが、16R確変大当りAが得られた場合、周辺制御MPU4140aは、まず、該16R確変大当りAが得られたことに基づいて成功演出を出現させる制御を行う。
また、16R確変大当りAに応じた大当り遊技が行われる期間(タイミングt5〜t6)中も、タイミングt3において開始された大当り遊技(4R確変大当り)の場合と同様、当該大当り遊技(16R確変大当りA)における1〜16回目のラウンド遊技が実行されていることを示すのではなく、タイミングt1において開始された大当り遊技(16R確変大当りB)における21〜36回目のラウンド遊技が実行されていることを示す演出が行われるように制御する。
ただし、この実施の形態にかかる主制御MPU4100aは、16R確変大当りAに応じた大当り遊技については、複数個(より正確には、1〜4個)の遊技ブロックに分けるようにしてこれを実行することはせず、比較的短い時間のインターバル期間のみを挟んだ16回分のラウンド遊技を順次消化させる制御を行うこととしている。なお、ここでのインターバル期間については、ブロック内インターバル期間に対して設定される時間値以上の長さであり、且つブロック間インターバル期間に対して設定される時間値未満の長さに設定することが望ましい。
すなわち、図151に示されるように、第二特別図柄側の大当り判定にて得られる大当りの種別のうち、比較的長い時間をもったブロック間インターバル期間が現れることなく多量の出玉が獲得可能とされる種別は「16R確変大当りA」しか存在しない。したがって、16R確変大当りAに応じた大当り遊技が行われる場合は、大入賞口2103の挙動を確認するだけで、賞獲得にかかる数量期待値が最も大きい当りであることを認識することができるようになり、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。また、ブロック内インターバル期間に対して設定される時間よりも長く設定されるようにしたことで、大当り遊技内のラウンド遊技が1つずつ消化されることにより賞球獲得が可能とされていることへの実感を持たせることができるようになり、遊技興趣の向上が期待されるようになる。
したがって、16R確変大当りAに応じた大当り遊技が行われる期間中においては、新たな遊技ブロック(若しくは、ラウンド遊技)が実行されるかについての上乗せチャレンジ演出を出現させることはない。
ただし、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4140aは、当該大当り遊技(16R確変大当りA)における16回分のラウンド遊技を、タイミングt1において開始された大当り遊技(16R確変大当りB)における21〜36回目のラウンド遊技として実行されることを示すとともに、タイミングt1において開始された大当り遊技は36回目のラウンド遊技が消化された時点で終了(ラウンド積上演出が終了)されることを示すコンプリートボーナス演出を行うこととしている。
このような構成によれば、特定種別の大当りとして通常は設定され得ないような、遊技者に極めて有利な種別の大当り(36R確変大当り)に応じた大当り遊技が、タイミングt1〜t6の期間にて実行されたかのような状況を生み出すことができるようになり、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
また、上記構成によれば、特定種別の大当り遊技が開始された以降、有利な状態(大当り遊技と時短状態との間でループ可能とされる状態)が終了されない限り上述のラウンド積上演出(図中では、太枠に囲まれる部分)をエンドレスに継続させるのではなく、その終了時期を有利な状態に制御されているなかであえて設けるようにしている。例えば、タイミングt6において、コンプリートボーナス演出によって上述のラウンド積上演出が終了されたとしても、特定種別の大当りに応じた大当り遊技が終了した場合と同様、有利な状態(大当り遊技と時短状態との間でループ可能とされる状態)は終了されず、時短状態(高確率時短状態)に制御されるなかで大当り遊技が比較的早期に開始されることを期待することができるようになる。
そして、こうして開始された大当り遊技が特定種別の大当りに応じたものであれば、タイミングt1から生じたような遊技や演出進展(「遊技ブロック(4ラウンド分のラウンド遊技)を一単位としてこれを何回実行させることができるか(若しくは、ラウンド遊技を何回実行させることができるか)」といったラウンド積上演出)が始めからやり直しとなって開始されることとなる。
すなわちこの場合、有利な状態(大当り遊技と時短状態との間でループ可能とされる状態)が終了されない限りは、タイミングt1〜t6の期間において実行されたような、コンプリートボーナス演出が現れるまでの一の賞球獲得遊技(実際には、複数回の大当り遊技と複数回の時短状態とが含まれる)と、タイミングt6において制御される時短状態(高確時短状態)とが交互に出現しうるようになることから、特定種別の大当りとして通常は設定され得ないような、遊技者に極めて有利な種別の大当り(16回よりも多いラウンド数を実行可能な確変大当り)が実際に当選種別として含まれている可能性を意識付けさせることができるようになり、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
しかも、この実施の形態にかかる主制御MPU4100aでは、図151(c)に示されるように、第二特別図柄側の大当り判定にあって、特定種別の大当り(16R確変大当りB、12R確変大当り、8R確変大当り、4R確変大当り)はいずれも割り振り確率が「19/200」とされているのに対し、コンプリートボーナス演出を出現させる16R確変大当りAの割り振り確率はこれよりも高い「80/200」とされている。特に、この実施の形態では、第二特別図柄側の大当り判定にあって、いずれの当選種別よりも高い割り振り確率として設定されている。このように、上述のラウンド積上演出がエンドレスに継続されることを阻止するかのような確率設定を採用するようにしたことで、上述のラウンド積上演出が現実的に考えにくいような長期間にわたって継続されるようなことが抑制されるようになり、特定種別の大当りとして通常は設定され得ないような、遊技者に極めて有利な種別の大当り(16回よりも多いラウンド数を実行可能な確変大当り)が実際に当選種別として含まれている可能性をより一層意識付けさせることができるようになり、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
なお、コンプリートボーナス演出(16R確変大当りAに応じた大当り遊技)が終了するときに発生する時短状態(高確率時短状態)においては、図151(c)に示されるように、特殊制御フラグはセットされた状態にない。したがって、この時短状態(高確率時短状態)においては、主制御MPU4100aによる上述の特殊制御が行われることはなく、周知の通り、大当り判定の結果に基づいて大当り(ステップS142)、小当り(ステップS144)、リーチ(ステップS146)、非リーチ(ステップS147)に対してそれぞれ複数用意されている変動時間のいずれかを抽選によって決定し、該決定した変動時間(上述の特殊制御が行われる場合よりも総じて長い変動時間(特に、ハズレ変動の場合))をもった図柄変動が行われることとなる(有利状態演出)。
タイミングt6において開始されるこのような有利状態演出は、基本的に、時短状態(高確率時短状態)において大当りが得られるときまで継続される。そして上述の通り、特定種別の大当りが得られた場合は、タイミングt1から生じたような遊技や演出進展(「遊技ブロック(4ラウンド分のラウンド遊技)を一単位としてこれを何回実行させることができるか(若しくは、ラウンド遊技を何回実行させることができるか)」といったラウンド積上演出)が始めからやり直しとなって開始されることとなる。
一方、16R確変大当りAが得られた場合は、タイミングt5から生じたような遊技や演出進展(コンプリートボーナス演出)が開始されることとなる。ただしここでは、上述のラウンド積上演出(図中では、太枠に囲まれる部分)が行われていない状態で開始されることから、16回分のラウンド遊技が、1〜16回目のラウンド遊技として実行されることを示すとともに、当該大当り遊技は16回目のラウンド遊技が消化された時点で終了されることを示すコンプリートボーナス演出として実行されることとなる。
また一方、2R確変大当りまたは2R通常大当りが得られた場合は、少なくとも大入賞口2103を短時間開放(例えば0.6秒)した後に閉鎖させる開閉パターン(ラウンド遊技)を2回繰り返す2R大当り遊技状態が行われる期間中に、このような有利な状態(大当り遊技と時短状態との間でループ可能とされる状態)が終了されることを示すボーナス終了演出が行われる。そして、2R確変大当りの場合は高確率非時短状態に制御され、2R通常大当りの場合は低確率非時短状態に制御されるが、それらいずれの状態に制御される場合であっても共通の演出(特定の演出)を出現させることで、大当り判定が高確率のもとで行われる可能性を意識付けさせることとなる。
他方、タイミングt6で発生する時短状態(高確率時短状態)においても、第二特別図柄側の大当り判定の保留状態が維持されないようなことがあれば、保留状態にある第一特別図柄側の大当り判定が消化され、この結果として第一特別図柄側の大当りが得られることはありうる。
この点、時短状態(高確率時短状態)にあるときに第一特別図柄側の大当りとして6R確変大当りAが得られた場合は、低確率非時短状態や高確率非時短状態のときに6R確変大当りAが得られた場合と同様、6R大当り遊技状態の実行期間中は特定のキャラクタが勝利するバトル演出(バトル勝利演出)が行われる。そして、6R大当り遊技状態の終了後は、特殊制御フラグがセットされた状態にないことから、主制御MPU4100aによる上述の特殊制御が行われない高確率時短状態(タイミングt6で発生した時短状態と同様)に制御される。なお、このバトル演出(バトル勝利演出)は、該演出が開始されてから特定のキャラクタが勝利するか敗北するかの分岐点に至るまでは、特定のキャラクタが敗北するバトル演出(バトル敗北演出)と同じ演出内容が現れるようになっており、特定のキャラクタが勝利するか敗北するかの分岐点で特定のキャラクタが勝利する演出進展が現れるようになっている。
これに対し、時短状態(高確率時短状態)にあるときに第一特別図柄側の大当りとして6R確変大当りBまたは6R通常大当りが得られた場合は、低確率非時短状態や高確率非時短状態のときに6R確変大当りAが得られた場合と同様、6R大当り遊技状態の実行期間中は特定のキャラクタが敗北するバトル演出(バトル敗北演出)が行われる。そして、6R大当り遊技状態の終了後は、6R確変大当りBの場合は高確率非時短状態に制御され、6R通常大当りの場合は低確率非時短状態に制御されるが、それらいずれの状態に制御される場合であっても共通の演出(特定の演出)を出現させることで、大当り判定が高確率のもとで行われる可能性を意識付けさせることとなる。なお、このバトル演出(バトル敗北演出)は、該演出が開始されてから特定のキャラクタが勝利するか敗北するかの分岐点に至るまでは、特定のキャラクタが勝利するバトル演出(バトル勝利演出)と同じ演出内容が現れるようになっており、特定のキャラクタが勝利するか敗北するかの分岐点で特定のキャラクタが敗北する演出進展が現れるようになっている。
ちなみに、第一特別図柄側の大当りが得られた場合は、いずれの大当りが得られたとしても大当り遊技の終了後に主制御MPU4100aによる上述の特殊制御が行われることはない。したがって、例えば、上述のラウンド積上演出が行われているなかで(例えば、タイミングt2〜t3の期間内で)第一特別図柄側の大当りが得られた場合は、コンプリートボーナス演出に辿り着く前にラウンド積上演出を終了させることを示した上で、有利な状態(時短状態と大当り遊技とをループ可能な状態)すらもさらに終了されてしまう可能性を意識付けさせる演出としてバトル演出を行うようにすることが望ましい。
図161(b)は、タイミングt1〜t4においては図161(a)で示した例と同じ遊技や演出進展が現れたものの、タイミングt4から所定数の図柄変動が消化されるよりも前に特定種別でない大当りとして2R確変大当りまたは2R通常大当りが得られ、該大当りに応じた大当り遊技が実行される例が示されている。
すなわち後述するが、この実施の形態にかかる主制御MPU4100aは、特定種別でない大当りとして2R確変大当りまたは2R通常大当りが得られた場合は、上述の特殊制御の対象とせず、前回の大当り遊技が終了してから次回の大当り遊技が開始されるまでに要する時間を、上記ブロック間インターバル期間(例えば、18秒)に近付けた特定の時間幅内(ここでは、18秒〜20.4秒)に収束させることはしないようにしている。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4140aは、タイミングt4から所定数の図柄変動が消化されるよりも前に特定種別でない大当りとして2R確変大当りまたは2R通常大当りが得られた場合、新たなラウンド遊技(遊技ブロック)がさらに実行されるかについての上乗せチャレンジ演出をその中途で終了させ、有利な状態(時短状態と大当り遊技とをループ可能な状態)が終了される可能性を示唆する有利終了演出を行うこととしている。この有利終了演出は、2R確変大当りまたは2R通常大当りが得られたことに応じた図柄変動が行われる期間と、2R確変大当りまたは2R通常大当りが得られたことに応じた大当り遊技が行われる期間とにわたって行われる。ただし、これも後述するが、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4140aは、有利終了演出が現れた場合であっても、上乗せチャレンジ演出が再開される可能性を残している。
そして、こうして大当り遊技が行われた後は、2R確変大当りの場合は高確率非時短状態に制御され、2R通常大当りの場合は低確率非時短状態に制御されるが、それらいずれの状態に制御される場合であっても共通の演出(特定の演出)を出現させることで、大当り判定が高確率のもとで行われる可能性を意識付けさせることとなる。
なお、2R確変大当りまたは2R通常大当りが得られたときのこのような図柄変動や演出にかかる制御態様については、上述の特殊制御が行われる期間のみならず、該期間が終了した以降の時短状態(高確率時短状態)においても同様に行われるようにしてもよい。
図161(c)は、タイミングt1〜t4においては図161(a)で示した例と同じ遊技や演出進展が現れたものの、タイミングt4から所定数の図柄変動が消化されるよりも前に大当りを得ることができなかった例が示されている。
すなわち後述するが、この実施の形態にかかる主制御MPU4100aは、特定種別の大当りに応じた大当り遊技が終了してから所定数の図柄変動の全てでハズレが得られた場合であっても、それら所定数(ここでは、30回)の図柄変動の全てが消化されるまでに要する時間が、上記ブロック間インターバル期間(例えば、18秒)に近付けた特定の時間幅内(ここでは、18秒〜20.4秒)の時間となる特殊制御を行うようにしている。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4140aは、タイミングt4から所定数の図柄変動の全てでハズレが得られた場合、所定数(ここでは、30回)の図柄変動の全てが消化し終わるまでの間、新たなラウンド遊技(遊技ブロック)がさらに実行されるかについての上乗せチャレンジ演出において成功演出を出現させない制御を行う。そして、成功演出が現れることなく所定数(ここでは、30回)の図柄変動の全てが消化し終わった時点で、時短状態(高確率時短状態)が発生して有利状態演出が現れたかのような演出を行うこととしている。
すなわちこの場合、タイミングt4において時短状態(高確率時短状態)が発生してから所定数(ここでは、30回)の図柄変動が既に消化されているにもかかわらず、遊技者側からすれば、タイミングt1から開始された大当り遊技における5回目のブロック間インターバル期間で上乗せチャレンジ演出に失敗し、6回目の遊技ブロックが行われることなく時短状態(高確率時短状態)に制御されてしまったかのように見えることから、コンプリートボーナス演出が現れなかった分だけ賞球を取り損ねてしまったのではないかといった残念な気持ちにさせることができるようになる。
しかしながら、このような上乗せチャレンジ演出に失敗したとしても、実際には、時短状態(高確率時短状態)が発生してから所定数(ここでは、30回)の図柄変動が消化されるよりも前に大当りが得られなかっただけであり、遊技者にとってのデメリットは実質的には発生していない。しかも、タイミングt4において時短状態(高確率時短状態)が発生してから所定数を超えた図柄変動で特定種別の大当りが得られれば、上述のラウンド積上演出が始めからやり直しとなって開始されるようになることから、さらなる出玉獲得を期待して遊技を再開させることができるようになる。
このような構成によれば、時短状態(高確率時短状態)が発生してから所定数(ここでは、30回)の図柄変動を超えるか否かというだけの単純な境目(30回目のハズレ変動と、31回目のハズレ変動との境目)において、遊技者の心境に大きな影響を与えることができるようになり、長期にわたって有利な状態が維持されるときにありがちなダレを防止してメリハリのある遊技を提供することができるようになる。
また、タイミングt4において発生する時短状態(高確率時短状態)は、大当りが得られない限り実質的に無限大の長さをもった期間として機能するものである。したがって、その一部の期間(予め定められた特定回数(ここでは、30回)を超えるまでの期間)を演出的に時短状態ではないように見せたとしてもその残りの期間(予め定められた特定回数(ここでは、30回)を超えた以降の期間)は、実質的に無限大の長さをもった期間として未だ機能するようになることから、遊技者から見たときの違和感やデメリットは生じ難いといえる。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、このような時短状態(高確率時短状態)のうちの一部の期間(予め定められた特定回数(ここでは、30回)を超えるまでの期間)を、タイミングt1から開始された大当り遊技が未だ行われている期間(5回目のブロック間インターバル期間)であるかのように見せるとともに、時短状態(高確率時短状態)が発生してから予め定められた特定回数を超えた中途段階で当該時短状態(高確率時短状態)が新たに発生したかのように見せる演出を行うこととしている。
すなわちこの場合、時短状態(高確率時短状態)のうちの一部の期間が、大当り遊技が未だ行われている期間であるかのように見えることから、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
しかも、時短状態(高確率時短状態)の発生が実際よりも遅いタイミング(時短状態が発生してから所定数(ここでは、30回)の図柄変動が消化し終わったタイミング)で発生したかのように見せていることから、実際には時短状態(高確率時短状態)のうちの比較的遅い段階(例えば、50回)で当りが得られたような場合であっても、有利な遊技期間(長期保証期間)の発生から比較的早い段階(例えば、20回)で当りが得られたように感じられることが期待されるようになり、これによって有利な遊技期間において当りがなかなか得られないときの遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
なお、時短状態(高確率時短状態)が発生してから所定数(ここでは、30回)の図柄変動の全てでハズレが得られた場合、それ以降の時短状態(高確率時短状態)においては、主制御MPU4100aによる上述の特殊制御が行われることはなく、周知の通り、大当り判定の結果に基づいて大当り(ステップS142)、小当り(ステップS144)、リーチ(ステップS146)、非リーチ(ステップS147)に対してそれぞれ複数用意されている変動時間のいずれかを抽選によって決定し、該決定した変動時間(上述の特殊制御が行われる場合よりも総じて長い変動時間(特に、ハズレ変動の場合))をもった図柄変動が行われることとなる(有利状態演出)。
なお、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、時短状態(高確率時短状態)として、大当りが得られない限り終了されないものとして制御することとしたが、例えば、制御プログラムの構造上、当該時短状態(高確率時短状態)に制御されてからの変動回数(ハズレ変動の回数)が一万回を超えたか否かを判断し、一万回を超えたときに当該時短状態(高確率時短状態)を終了させるようなものであってもよく、要は、実質的(99%以上)に「大当りが得られない限り終了されない」ことを目的として設定されるものであればよい。
また、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、特定種別の大当りに応じた大当り遊技において遊技ブロックが終了する都度、上乗せチャレンジ演出を行うこととしたが、該上乗せチャレンジ演出については必ずしも行わなくてもよい。例えば、上乗せチャレンジ演出において特別な結果が現れたときには2回分(複数回分)の新たな遊技ブロックがさらに行われることが示されるようにすれば、該回数分の遊技ブロックが実行されるまでの間は上乗せチャレンジ演出を行わないようにすることが可能である。すなわちこの場合、1回分の遊技ブロックがさらに行われることが示される場合よりも遊技者にとって有利であり、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
図162は、特定種別の大当りが得られたことに基づいて行われる上述のラウンド積上演出についてその演出進展の流れを概念として説明する図である。
すなわち上述の通り、ラウンド積上演出とは、時短状態(高確率時短状態)にあるときに特定種別の大当りが得られたことに基づいて開始されるものであり、特定種別の大当りに応じた大当り遊技が行われる期間と、主制御MPU4100aによる上述の特殊制御が行われる期間(時短状態)との間でループされる限り、特定種別の大当りが最初に得られたときに開始された大当り遊技が未だ終了されずに継続しているかのように見せることを目的の1つとして行われるものである。
例えば、図162に示されるように、いま、時短状態(高確時短状態)に制御されているなかで、ポイントP1において、特定種別の大当りが最初に得られて1回目の遊技ブロック(1〜4ラウンド)が行われるとする。すると、周辺制御MPU4140aは、ポイントP1において、特定種別の大当りが最初に得られたときから合計4回分のラウンド遊技が連続して(大当り遊技が未だ終了されずに)実行されることを示す演出画像が液晶表示装置1900において現れるように制御する(図中では、ポイントP1から上方向への実線に沿うように変移する)。
そして、合計4回分のラウンド遊技が連続して(大当り遊技が未だ終了されずに)実行されることを示す演出画像が現れているなかで4回分のラウンド遊技が新たに消化し終わったとすると、図162に示されるポイントP2が到来することとなる。
このポイントP2においては、特定種別の大当りが最初に得られたときから2回目の遊技ブロック(4〜8ラウンド)が実行されうる。すなわちこの場合、周辺制御MPU4140aは、ポイントP2において、特定種別の大当りが最初に得られたときから合計8回分のラウンド遊技が連続して(大当り遊技が未だ終了されずに)実行されることを示す演出画像が液晶表示装置1900において現れるように制御する(ブロック間インターバル期間が終了された場合であり、図中では、ポイントP2から上方向への実線に沿うように変移する)。
ただし、特定種別の大当りが最初に得られたときから4回分のラウンド遊技が消化し終わったポイントP2においては、特定種別の大当りが最初に得られたときから2回目の遊技ブロック(4〜8ラウンド)が必ずしも実行されるとは限らない。例えば、最初に得られた特定種別の大当りが「4R確変大当り」である場合は、合計4回分のラウンド遊技が消化し終わったポイントP2において大当り遊技が終了されることとなり、その後、時短状態(高確率時短状態)が発生することとなる(図中では、ポイントP2から右方向への点線に沿うように変移する)。
この点、このようなポイントP2で発生する時短状態(高確率時短状態)は、主制御MPU4100aによる上述の特殊制御の対象とされる。したがって、特定種別の大当りが最初に得られたときから合計4回分のラウンド遊技が消化し終わったポイントP2において、特定種別の大当りが最初に得られたときから2回目の遊技ブロック(4〜8ラウンド)が実行されなかった場合であっても、周辺制御MPU4140aは、時短状態(高確率時短状態)が発生してから所定数(ここでは、30回)の図柄変動が消化されるよりも前に特定種別の大当りが再び得られたことを条件に、特定種別の大当りが最初に得られたときから合計8回分のラウンド遊技が連続して(大当り遊技が未だ終了されずに)実行されることを示す演出画像を出現させることとなる(時短状態(高確率時短状態)で早期に引き戻した場合であり、図中では、ポイントP2から右方向への点線に沿って変移した後、「30G」の分岐点で上方向への点線に沿うようにさらに変移する)。
すなわちこの場合、本来であれば、特定種別の大当りが最初に得られたときから合計4回分のラウンド遊技が連続して実行されることを示す演出と、特定種別の大当りが再び得られて少なくとも4回分のラウンド遊技が連続して実行されることを示す演出とが順次に現れるベきであるところ、特定種別の大当りに応じた大当り遊技が終了した場合であっても、30回の図柄変動が消化されるよりも前に特定種別の大当りが得られたときには大当り遊技が終了されなかったものと演出的には見做して(図中では、「30G」から上方向への点線に沿って変移して)、特定種別の大当りが最初に得られたときから合計8回分のラウンド遊技が連続して実行されることを示す演出を行うこととしている。
ただし、特定種別の大当りに応じた大当り遊技が終了してから30回の図柄変動が消化された後に特定種別の大当りが得られたときには、主制御MPU4100aによる上述の特殊制御が既に終了された状態にあることから、周辺制御MPU4140aによる演出としても、大当り遊技が終了されなかったものと演出的に見做されることはない。
すなわちこの場合、ポイントP1からラウンド遊技の回数を積み上げるように演出してきたラウンド積上演出を一旦終了にする(図中では、「30G」から下方向への点線に沿って変移する)。そしてこの上で、特定種別の大当りが再び得られたときにはこれを「最初に得られた特定種別の大当り」として、ポイントP1からラウンド積上演出をやり直しにするかたちで実行することとなる(図中では、最下段をP1に向けて延びる点線に沿って変移する)。
一方、図中において、ポイントP2から上方向への実線に沿って変移したか(ブロック間インターバル期間を経たか)、ポイントP2から右方向への点線に沿って変移した後に「30G」の分岐点で上方向への点線に沿うようにさらに変移した(30回の図柄変動が消化されるよりも前に特定種別の大当りが得られ、大当り遊技が終了されなかったものと演出的に見做された)場合は、特定種別の大当りが最初に得られたときから合計8回分のラウンド遊技が連続して(大当り遊技が未だ終了されずに)実行されることを示す演出画像が液晶表示装置1900において現れることとなる。そして、合計8回分のラウンド遊技が連続して(大当り遊技が未だ終了されずに)実行されることを示す演出画像が現れているなかで、4回分のラウンド遊技が新たに消化し終わった(合計8回分のラウンド遊技が消化し終わった)とすると、図162に示されるポイントP3が到来することとなる。
このポイントP3においては、特定種別の大当りが最初に得られたときから3回目の遊技ブロック(9〜12ラウンド)が実行されうる。すなわちこの場合、周辺制御MPU4140aは、ポイントP3において、特定種別の大当りが最初に得られたときから合計12回分のラウンド遊技が連続して(大当り遊技が未だ終了されずに)実行されることを示す演出画像が液晶表示装置1900において現れるように制御する(ブロック間インターバル期間が終了された場合であり、図中では、ポイントP3から上方向への実線に沿うように変移する)。
なお、このような演出進展ルートを通るパターン(ポイントP3において、ブロック間インターバル期間を経るパターン)としては、ポイントP1において12R確変大当りまたは16R確変大当りが得られた場合のほか、ポイントP1においては4R確変大当りが得られたものの、ポイントP2において時短状態が発生してから30回の図柄変動が消化されるよりも前に8R確変大当り、12R確変大当りまたは16R確変大当りが得られた場合も該当しうる。
ただし、特定種別の大当りが最初に得られたときから8回分のラウンド遊技が消化し終わったポイントP3においては、特定種別の大当りが最初に得られたときから3回目の遊技ブロック(9〜12ラウンド)が必ずしも実行されるとは限らない。例えば、最初に得られた特定種別の大当りが「8R確変大当り」である場合のほか、ポイントP1において4R確変大当りが得られたものの、ポイントP2において時短状態が発生してから30回の図柄変動が消化されるよりも前に4R確変大当りが再び得られた場合も、合計8回分のラウンド遊技が消化し終わったポイントP3において大当り遊技が終了されることとなり、その後、時短状態(高確率時短状態)が発生することとなる(図中では、ポイントP3から右方向への点線に沿うように変移する)。
この点、このようなポイントP3で発生する時短状態(高確率時短状態)も、主制御MPU4100aによる上述の特殊制御の対象とされる。したがって、特定種別の大当りが最初に得られたときから合計8回分のラウンド遊技が消化し終わったポイントP3において、特定種別の大当りが最初に得られたときから3回目の遊技ブロック(9〜12ラウンド)が実行されなかった場合であっても、周辺制御MPU4140aは、時短状態(高確率時短状態)が発生してから所定数(ここでは、30回)の図柄変動が消化されるよりも前に特定種別の大当りが再び得られたことを条件に、特定種別の大当りが最初に得られたときから合計12回分のラウンド遊技が連続して(大当り遊技が未だ終了されずに)実行されることを示す演出画像を出現させることとなる(時短状態で早期に引き戻した場合であり、図中では、ポイントP3から右方向への点線に沿って変移した後、「30G」の分岐点で上方向への点線に沿うようにさらに変移する)。
すなわちこの場合、本来であれば、特定種別の大当りが最初に得られたときから合計8回分のラウンド遊技が連続して実行されることを示す演出と、特定種別の大当りが再び得られて少なくとも4回分のラウンド遊技が連続して実行されることを示す演出とが順次に現れるベきであるところ、特定種別の大当りに応じた大当り遊技が終了した場合であっても、30回の図柄変動が消化されるよりも前に特定種別の大当りが得られたときには大当り遊技が終了されなかったものと演出的には見做して(図中では、「30G」から上方向への点線に沿って変移して)、特定種別の大当りが最初に得られたときから合計12回分のラウンド遊技が連続して実行されることを示す演出を行うこととしている。
ただし、これも同様、特定種別の大当りに応じた大当り遊技が終了してから30回の図柄変動が消化された後に特定種別の大当りが得られたときには、主制御MPU4100aによる上述の特殊制御が既に終了された状態にあることから、周辺制御MPU4140aによる演出としても、大当り遊技が終了されなかったものと演出的に見做されることはない。
すなわちこの場合、ポイントP1からラウンド遊技の回数を積み上げるように演出してきたラウンド積上演出を一旦終了にする(図中では、「30G」から下方向への点線に沿って変移する)。そしてこの上で、特定種別の大当りが再び得られたときにはこれを「最初に得られた特定種別の大当り」として、ポイントP1からラウンド積上演出をやり直しにするかたちで実行することとなる(図中では、最下段をP1に向けて延びる点線に沿って変移する)。
また一方、図中において、ポイントP3から上方向への実線に沿って変移したか(ブロック間インターバル期間を経たか)、ポイントP3から右方向への点線に沿って変移した後に「30G」の分岐点で上方向への点線に沿うようにさらに変移した(30回の図柄変動が消化されるよりも前に特定種別の大当りが得られ、大当り遊技が終了されなかったものと演出的に見做された)場合は、特定種別の大当りが最初に得られたときから合計12回分のラウンド遊技が連続して(大当り遊技が未だ終了されずに)実行されることを示す演出画像が液晶表示装置1900において現れることとなる。そして、合計12回分のラウンド遊技が連続して(大当り遊技が未だ終了されずに)実行されることを示す演出画像が現れているなかで、4回分のラウンド遊技が新たに消化し終わった(合計12回分のラウンド遊技が消化し終わった)とすると、図162に示されるポイントP4が到来することとなる。
このポイントP4においては、特定種別の大当りが最初に得られたときから4回目の遊技ブロック(13〜16ラウンド)が実行されうる。すなわちこの場合、周辺制御MPU4140aは、ポイントP4において、特定種別の大当りが最初に得られたときから合計16回分のラウンド遊技が連続して(大当り遊技が未だ終了されずに)実行されることを示す演出画像が液晶表示装置1900において現れるように制御する(ブロック間インターバル期間が終了された場合であり、図中では、ポイントP4から上方向への実線に沿うように変移する)。
なお、このような演出進展ルートを通るパターン(ポイントP4において、ブロック間インターバル期間を経るパターン)としては、ポイントP1において16R確変大当りが得られた場合のほか、
・ポイントP1においては4R確変大当りが得られたものの、ポイントP2において時短状態が発生してから30回の図柄変動が消化されるよりも前に12R確変大当りまたは16R確変大当りが得られた場合や、
・ポイントP1においては8R確変大当りが得られたものの、ポイントP2において時短状態が発生してから30回の図柄変動が消化されるよりも前に8R確変大当りまたは12R確変大当り、16R確変大当りが得られた場合や、
・ポイントP1においては4R確変大当りが得られたものの、ポイントP2において時短状態が発生してから30回の図柄変動が消化されるよりも前に4R確変大当りが得られ、且つポイントP3において時短状態が発生してから30回の図柄変動が消化されるよりも前に8R確変大当りまたは12R確変大当り、16R確変大当りが得られた場合
等々、といった場合が該当する。
ただし、特定種別の大当りが最初に得られたときから12回分のラウンド遊技が消化し終わったポイントP4においては、特定種別の大当りが最初に得られたときから4回目の遊技ブロック(13〜16ラウンド)が必ずしも実行されるとは限らない。例えば、最初に得られた特定種別の大当りが「12R確変大当り」である場合のほか、
・ポイントP1において4R確変大当りが得られたものの、ポイントP2において時短状態が発生してから30回の図柄変動が消化されるよりも前に4R確変大当りが再び得られ、且つポイントP3において時短状態が発生してから30回の図柄変動が消化されるよりも前に4R確変大当りがさらに得られた場合や、
・ポイントP1において4R確変大当りが得られたものの、ポイントP2において時短状態が発生してから30回の図柄変動が消化されるよりも前に8R確変大当りが再び得られた場合や、
・ポイントP1において8R確変大当りが得られたものの、ポイントP2において時短状態が発生してから30回の図柄変動が消化されるよりも前に4R確変大当りが得られた場合
等々、といった場合も、合計12回分のラウンド遊技が消化し終わったポイントP4において大当り遊技が終了されることとなり、その後、時短状態(高確率時短状態)が発生することとなる(図中では、ポイントP4から右方向への点線に沿うように変移する)。
この点、このようなポイントP4で発生する時短状態(高確率時短状態)も、主制御MPU4100aによる上述の特殊制御の対象とされる。したがって、特定種別の大当りが最初に得られたときから合計12回分のラウンド遊技が消化し終わったポイントP4において、特定種別の大当りが最初に得られたときから4回目の遊技ブロック(13〜16ラウンド)が実行されなかった場合であっても、周辺制御MPU4140aは、時短状態(高確率時短状態)が発生してから所定数(ここでは、30回)の図柄変動が消化されるよりも前に特定種別の大当りが再び得られたことを条件に、特定種別の大当りが最初に得られたときから合計16回分のラウンド遊技が連続して(大当り遊技が未だ終了されずに)実行されることを示す演出画像を出現させることとなる(時短状態で早期に引き戻した場合であり、図中では、ポイントP4から右方向への点線に沿って変移した後、「30G」の分岐点で上方向への点線に沿うようにさらに変移する)。
すなわちこの場合、本来であれば、特定種別の大当りが最初に得られたときから合計12回分のラウンド遊技が連続して実行されることを示す演出と、特定種別の大当りが再び得られて少なくとも4回分のラウンド遊技が連続して実行されることを示す演出とが順次に現れるベきであるところ、特定種別の大当りに応じた大当り遊技が終了した場合であっても、30回の図柄変動が消化されるよりも前に特定種別の大当りが得られたときには大当り遊技が終了されなかったものと演出的には見做して(図中では、「30G」から上方向への点線に沿って変移して)、特定種別の大当りが最初に得られたときから合計16回分のラウンド遊技が連続して実行されることを示す演出を行うこととしている。
ただし、これも同様、特定種別の大当りに応じた大当り遊技が終了してから30回の図柄変動が消化された後に特定種別の大当りが得られたときには、主制御MPU4100aによる上述の特殊制御が既に終了された状態にあることから、周辺制御MPU4140aによる演出としても、大当り遊技が終了されなかったものと演出的に見做されることはない。
すなわちこの場合、ポイントP1からラウンド遊技の回数を積み上げるように演出してきたラウンド積上演出を一旦終了にする(図中では、「30G」から下方向への点線に沿って変移する)。そしてこの上で、特定種別の大当りが再び得られたときにはこれを「最初に得られた特定種別の大当り」として、ポイントP1からラウンド積上演出をやり直しにするかたちで実行することとなる(図中では、最下段をP1に向けて延びる点線に沿って変移する)。
他方、図中において、ポイントP4から上方向への実線に沿って変移したか、ポイントP4から右方向への点線に沿って変移した後に「30G」の分岐点で上方向への点線に沿うようにさらに変移した場合は、特定種別の大当りが最初に得られたときから合計16回分のラウンド遊技が連続して(大当り遊技が未だ終了されずに)実行されることを示す演出画像が液晶表示装置1900において現れることとなる。そして、合計16回分のラウンド遊技が連続して(大当り遊技が未だ終了されずに)実行されることを示す演出画像が現れているなかで、4回分のラウンド遊技が新たに消化し終わった(合計16回分のラウンド遊技が消化し終わった)とすると、図162に示されるポイントP5が到来することとなる。
このポイントP5においては、特定種別の大当りが最初に得られたときから5回目の遊技ブロック(17〜20ラウンド)が実行されうる。すなわちこの場合、周辺制御MPU4140aは、ポイントP5において、特定種別の大当りが最初に得られたときから合計20回分のラウンド遊技が連続して(大当り遊技が未だ終了されずに)実行されることを示す演出画像が液晶表示装置1900において現れるように制御する(ブロック間インターバル期間が終了された場合であり、図中では、ポイントP5から上方向への実線に沿うように変移する)。
ただし、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図151に併せて示されるように、大当り遊技が開始されてから5回目の遊技ブロック(17〜20ラウンド)を実行可能とするような大当りを、特定種別の大当りとして用意していない。したがって、ポイントP5や、これよりも数値の高いポイント(ポイントP6など)においては、本来、特定種別の大当りが最初に得られたときから5回目以降の遊技ブロック(17回以上のラウンド遊技)が実行されることはあり得ない。
しかしながら、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、上述の通り、ポイントP2〜P4、さらにはポイントP5や、これよりも数値の高いポイント(図示略)において新たな遊技ブロックが実行されなかった場合であっても、時短状態(高確率時短状態)が発生してから所定数(ここでは、30回)の図柄変動が消化されるよりも前に特定種別の大当りが再び得られたことを条件に、特定種別の大当りが最初に得られたときからラウンド遊技が連続して(大当り遊技が未だ終了されずに)実行されることを示す演出画像を出現させる制御を実行可能としている(時短状態で早期に引き戻した場合であり、図中では、各ポイントから右方向への点線に沿って変移した後、「30G」の分岐点で上方向への点線に沿うようにさらに変移する)。したがって、ポイントP5や、これよりも数値の高いポイント(ポイントP6など)においても、特定種別の大当りが最初に得られたときから5回目以降の遊技ブロック(17回以上のラウンド遊技)が実行されることがあり得るようになる。
このような構成によれば、時短状態(高確率時短状態)が発生してから所定数(ここでは、30回)の図柄変動が消化されるよりも前に特定種別の大当りが再び得られ続ける限りは、遊技ブロック(若しくは、大当り遊技)が実行される都度、「ポイントP1からのラウンド遊技の回数をエンドレスに積み上げる」といった複数段階ある演出内容が次第に進展されるに対し、時短状態(高確率時短状態)が発生してから所定数(ここでは、30回)の図柄変動が消化されるまでに当りが得られなければ、複数段階ある演出内容のうちの次の演出内容に進展させず、最初の演出内容からやり直しとされるようになる。
すなわちこの場合、時短状態(高確率時短状態)が発生してからの所定期間(30回の図柄変動)は、「演出内容を進展させることができるか」といった興味を引き付けることができるようになることから、時短状態(高確率時短状態)にあるときに気分などがゆるんで遊技興趣が低下することが抑制されうるようになる。
しかも、時短状態(高確率時短状態)が発生してからの所定期間(30回の図柄変動)で大当りが得られなかったとしても、時短状態(高確率時短状態)の存続は依然として長期保証されることから、遊技上のデメリットを受けることはなく、安心して遊技を楽しませることができるようになる。
そればかりか、「演出内容を進展させることができるか」といったチャレンジに失敗した場合は、最初の演出内容からやり直しにされることから、時短状態(高確率時短状態)が発生してから所定期間(30回の図柄変動)を超えた中途段階で当該時短状態(高確率時短状態)が新たに発生して初めからやり直しとなったかのような斬新な気分で遊技が再開されるようになることが期待されるようになる。したがって、実際には、時短状態(高確率時短状態)のうちの比較的遅い段階で当りが得られたような場合であっても、時短状態(高確率時短状態)の発生から比較的早い段階で当りが得られたように感じられることが期待されるようになり、これによって時短状態(高確率時短状態)において当りがなかなか得られないときの遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
なお、このような作用効果(例えば、大当りが得られるまで継続される時短状態におけるダレを防止してメリハリのある遊技を提供するなど)を好適に奏するようにする上では、時短状態(高確率時短状態)が発生してから比較的多くの変動回数が消化される期間にわたって主制御MPU4100aによる上述の特殊制御を実行し、「演出内容を進展させることができるか」といった興味を引き付けるようにすることが望ましい。
例えば、演出内容を進展させることのできる期間として、該期間中に大当りが得られる確率が50%を超えるような長さをもった期間を設定するようにすれば、時短状態(高確率時短状態)に制御されている期間のうちの「演出内容を進展させることができるか」といった興味を引き付けている期間において大当りが得られることが多くなることから、時短状態におけるダレを防止してメリハリのある遊技を提供することができるようになる。
なお後述するが、この実施の形態では、小当りが得られた場合も、上述のラウンド積上演出を終了させないようにすることはできる。したがって、演出内容を進展させることのできる期間として、該期間中に大当り及び小当りのいずれかが得られる確率が50%を超えるような長さをもった期間を設定するようにしてもよい。
ところで、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、上述の通り、特定種別の大当りが得られた場合、遊技ブロックが行われる各期間内で遊技者に対して賞を獲得可能な状態にあることを示唆するボーナス演出を出現させ、それらの遊技ブロックの間にそれぞれ存在するブロック間インターバル期間や大当り遊技が終了した後に発生する時短状態(高確率時短状態)において上乗せチャレンジ演出を行うことで、「遊技ブロックを何回実行させることができるか(若しくは、ラウンド遊技を何回実行させることができるか)」といったラウンド積上演出を提供するようにしている。
ただし、このようなラウンド積上演出を実現する上では、ボーナス演出と上乗せチャレンジ演出とで区切りを必ずしも付けなくてもよく、例えば、1回分の遊技ブロックと、1回分のブロック間インターバル期間または1回分の時短状態(所定数の図柄変動が消化されるまでの期間)とに跨って一のブロック演出を出現させ、このブロック演出が何回出現するかによって、「遊技ブロックを何回実行させることができるか(若しくは、ラウンド遊技を何回実行させることができるか)」といった演出性を提供するようにしてもよい。
図163は、図161(c)に示した例と同じ遊技制御が現れた場合にラウンド積上演出を実現するにあたって、1回分の遊技ブロックと、1回分のブロック間インターバル期間または1回分の時短状態(所定数の図柄変動が消化されるまでの期間)とに跨って一のブロック演出を出現させる例を示す図である。
同図163に示される例によれば、16R確変大当りB(特定種別の大当り)に応じた大当り遊技(タイミングt1〜t2)にあって、3回目のブロック間インターバル期間が終了されるときまでの間は、遊技ブロック(1〜3回目の遊技ブロック)が行われる都度、遊技ブロックとブロック間インターバル期間とに跨る一のブロック演出(1〜3回目のブロック演出)が液晶表示装置1900において表示される。
すなわち、このようなブロック演出として、例えば、所定数量の賞(概ね500個の賞球)を獲得可能な状態にあることを示しつつ、このような賞獲得の機会が再び付与されるかについての演出が行われるようにすることで、「遊技ブロックを何回実行させることができるか(若しくは、ラウンド遊技を何回実行させることができるか)」といった演出性を提供することができるようになる。
また、同図163に示される例によれば、4回目の遊技ブロック(13〜16回目のラウンド遊技)が行われる場合、該4回目の遊技ブロック(13〜16回目のラウンド遊技)が消化し終わった時点で当該16R確変大当りB(特定種別の大当り)に応じた大当り遊技(タイミングt1〜t2)が終了して時短状態(高確率時短状態)が発生するにもかかわらず、4回目の遊技ブロックと時短状態(高確率時短状態)とに跨る4回目のブロック演出を液晶表示装置1900において表示するようにしている。
すなわち、タイミングt2において時短状態が発生してから所定数の図柄変動が消化されるまでの間は、主制御MPU4100aによる上述の特殊制御の対象とされており、ブロック間インターバル期間に近似した長さをもった演出時間が確保されることは上述した通りである。
このような構成によれば、16R確変大当りB(特定種別の大当り)に応じた大当り遊技(タイミングt1〜t2)が終了して時短状態(高確率時短状態)が発生した以降も、、賞球獲得の機会がそのまま連続的に付与される可能性を意識付けさせて、タイミングt1において開始された大当り遊技が未だ終了されずに実行されているかのように見せることができるようになる。
この点、同図163に示される例によれば、主制御MPU4100aによる上述の特殊制御が行われるなかで所定数の図柄変動が消化されるよりも前に特定種別の大当り(ここでは、4R確変大当り)が得られたことを条件にタイミングt3において5回目の遊技ブロックが行われる場合は、5回目の遊技ブロックと時短状態(高確率時短状態)とに跨る5回目のブロック演出を液晶表示装置1900において表示するようにしている。
このような構成によれば、タイミングt2〜t3における時短状態がブロック間インターバル期間であるかのように見えることから、タイミングt1において開始された大当り遊技(16R確変大当りB)はタイミングt2において既に終了されているにもかかわらず、これが未だ終了されずに実行されているかのように見せることができるようになる。すなわち、このような制御を通じて、「遊技ブロックを何回実行させることができるか(若しくは、ラウンド遊技を何回実行させることができるか)」といった演出性を複数回の大当り遊技に跨って提供することができるようになる。
ちなみに、同図163に示される例において、4回目のブロック演出や5回目のブロック演出は、所定数量の賞(概ね500個の賞球)を獲得し終わった後、賞獲得の機会が再び付与されることを示すのか、それとも賞獲得の機会が再び付与されないことを示すのかを未定としたままでそれらの演出が開始されることとなる。
より具体的には、タイミングt2において発生した時短状態の例のように、主制御MPU4100aによる上述の特殊制御が行われるなかで所定数の図柄変動が消化されるよりも前に特定種別の大当り(ここでは、4R確変大当り)が得られた場合は、その時点で賞獲得の機会が再び付与されることを示すことが決定され、該決定に応じた成功演出を出現させる制御が行われる。
これに対し、タイミングt3において発生した時短状態の例のように、主制御MPU4100aによる上述の特殊制御が行われるなかで所定数の図柄変動が消化されるよりも前に大当りが得られなかった場合は、所定数の図柄変動が消化し終わるまで成功演出を出現させない制御が行われる。そして、所定数の図柄変動が消化し終わると、主制御MPU4100aによる上述の特殊制御も終了になる。そしてこの後は、大当り判定の結果に基づいて大当り(ステップS142)、小当り(ステップS144)、リーチ(ステップS146)、非リーチ(ステップS147)に対してそれぞれ複数用意されている変動時間のいずれかを抽選によって決定し、該決定した変動時間をもった図柄変動が行われる、といったような周知の演出が行われることとなる(有利状態演出)。
このように、図163に示した例であっても、「遊技ブロックを何回実行させることができるか(若しくは、ラウンド遊技を何回実行させることができるか)」といったラウンド積上演出(図中では、太枠に囲まれる部分)を複数回の大当り遊技に跨って提供することは可能である。
また、時短状態(高確率時短状態)が発生してからの所定期間(30回の図柄変動)は、「演出内容を進展させることができるか」といった興味を引き付けることができるようになることから、時短状態(高確率時短状態)にあるときに気分などがゆるんで遊技興趣が低下することが抑制されうるようになる。
しかも、時短状態(高確率時短状態)が発生してからの所定期間(30回の図柄変動)で大当りが得られなかったとしても、時短状態(高確率時短状態)の存続は依然として長期保証されることから、遊技上のデメリットを受けることはなく、安心して遊技を楽しませることができるようになる。
そればかりか、「演出内容を進展させることができるか」といったチャレンジに失敗した場合は、最初の演出内容からやり直しにされることから、時短状態(高確率時短状態)が発生してから所定期間(30回の図柄変動)を超えた中途段階で当該時短状態(高確率時短状態)が新たに発生して初めからやり直しとなったかのような斬新な気分で遊技が再開されるようになることが期待されるようになる。したがって、実際には、時短状態(高確率時短状態)のうちの比較的遅い段階で当りが得られたような場合であっても、時短状態(高確率時短状態)の発生から比較的早い段階で当りが得られたように感じられることが期待されるようになり、これによって時短状態(高確率時短状態)において当りがなかなか得られないときの遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
ただし、これらの作用効果を好適に得る上では、図161に示した例と図163に示した例とのいずれの場合であっても、特定種別の大当りに応じた大当り遊技が終了した後の時短状態(高確率時短状態)のうち所定数の図柄変動が消化されるまでの期間を、ブロック間インターバル期間であるかのように見せることが重要である。
したがって、時短状態(高確率時短状態)のうち所定数の図柄変動が消化されるまでの期間では、液晶表示装置1900の隅のほうで装飾図柄を小さく表示してこれを目立たせないようにすることが望ましい。また、時短状態(高確率時短状態)のうち所定数の図柄変動が消化されるまでの期間とブロック間インターバル期間との両方で、所定の可動役物を用いた演出など遊技者の印象に残り易い演出を出現させるようにしたり、右打ちすることを促す演出画像を出現させたりすることがそれらの期間を見間違わせる上で有効である。
またさらに、上述の各作用効果を得る上では、図161に示した例と図163に示した例とのいずれの場合であっても、主制御MPU4100aによる上述の特殊制御を行うようにすることが重要である。
以下、主制御MPU4100aによる上述の特殊制御を実現する原理について説明する。
ここで、主制御MPU4100aによる特殊制御とは、上述の通り、第二始動口2102側の特定種別の大当り(16R確変大当りB、12R確変大当り、8R確変大当り、4R確変大当り)に基づく大当り遊技状態が終了されて時短状態(高確率時短常態)が発生してから特別図柄の変動が所定数(ここでは、30回)消化されるまでの期間(時短状態)において行われるものであり、少ない変動回数で大当りが得られるほど選択される大当り時の変動時間が長くなる(多い変動回数で大当りが得られるほど選択される大当り時の変動時間が短くなる)傾向が持たされるように、第2変動パターン設定処理内にて参照される変動パターンテーブルを変更させる制御のことである。
また、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、第二始動口2102側の特定種別の大当りに基づく大当り遊技状態が終了した後に発生する時短状態(高確率時短状態)にあるとき、保留状態にされている第二特別図柄についての抽選(大当り判定)が無くならないように遊技している限りは(第二特別保留数カウンタの値が「0」でない限りは)、第一特別図柄についての抽選の保留状況にかかわらず、第二特別乱数についての抽選(大当り判定)のみが途切れることなく連続して行われることは上述した通りである(優先実行)。
図164は、第二始動口2102側の特定種別の大当りに基づく大当り遊技状態(若しくは、小当りに基づく小当り遊技状態)が終了されてからの特別図柄の変動回数(1〜30回転まで)に応じて第2変動パターン設定処理内にて参照される変動パターンテーブルの一例を示す図である。
すなわち、この実施の形態にかかる主制御MPU4100aは、
・第二始動口2102側の特定種別の大当りに基づく大当り遊技状態が終了(若しくは、小当りに基づく小当り遊技状態が終了)されてから特別図柄の変動回数が1〜5回目の状態にある場合、図164(a)に示される第1の変動パターンテーブルT1を第2変動パターン設定処理内にて参照し、
・第二始動口2102側の特定種別の大当りに基づく大当り遊技状態が終了(若しくは、小当りに基づく小当り遊技状態が終了)されてから特別図柄の変動回数が6〜10回目の状態にある場合、図164(b)に示される第2の変動パターンテーブルT2を第2変動パターン設定処理内にて参照し、
・第二始動口2102側の特定種別の大当りに基づく大当り遊技状態が終了(若しくは、小当りに基づく小当り遊技状態が終了)されてから特別図柄の変動回数が11〜15回目の状態にある場合、図164(c)に示される第3の変動パターンテーブルT3を第2変動パターン設定処理内にて参照し、
・第二始動口2102側の特定種別の大当りに基づく大当り遊技状態が終了(若しくは、小当りに基づく小当り遊技状態が終了)されてから特別図柄の変動回数が16〜20回目の状態にある場合、図164(d)に示される第4の変動パターンテーブルT4を第2変動パターン設定処理内にて参照し、
・第二始動口2102側の特定種別の大当りに基づく大当り遊技状態が終了(若しくは、小当りに基づく小当り遊技状態が終了)されてから特別図柄の変動回数が21〜25回目の状態にある場合、図164(e)に示される第5の変動パターンテーブルT5を第2変動パターン設定処理内にて参照し、
・第二始動口2102側の特定種別の大当りに基づく大当り遊技状態が終了(若しくは、小当りに基づく小当り遊技状態が終了)されてから特別図柄の変動回数が26〜30回目の状態にある場合、図164(f)に示される第6の変動パターンテーブルT6を第2変動パターン設定処理内にて参照する
こととしている。
このような構成によれば、第二始動口2102側の特定種別の大当りに応じた大当り遊技状態が終了(若しくは、小当りに基づく小当り遊技状態が終了)されてからの特別図柄の変動回数が1〜30回転以内にある場合、ハズレが得られたときには変動回数がいずれであっても同じ制御態様(ここでは、一律の0.1秒)が採用されるにもかかわらず、特定種別の大当りが得られたときには変動回数が多くなるにつれてより短い時間が選択される傾向を持った制御態様(18秒→15秒→12秒→9秒→6秒→3秒)が採用されるようになる。
特に、図164に示した制御態様によれば、特別図柄の変動回数が5回増える都度、ハズレ変動を5回消化するために必要とされる時間分だけ、特定種別の大当りが得られたときに採用される変動時間を短く設定するようにしている。
このような構成によれば、第二特別保留数カウンタの値を「0」にしない限りは、特別図柄の変動回数が1回目のときに特定種別の大当りが得られた場合と、特別図柄の変動回数が1回目ではなくそこから5回増えたとき(6回目のとき)に特定種別の大当りが得られた場合とで、変動回数が違うにもかかわらず、第二始動口2102側の特定種別の大当りに基づく大当り遊技状態が終了されてから特定種別の大当りに応じた大当り遊技が開始されるまでの時間を同じにすることができるようになる。
なお、この実施の形態では、特別図柄の変動回数が所定数(ここでは、5回)分だけ消化される都度、第2変動パターン設定処理内にて参照される変動パターンテーブルの内容を変更させることで、所望の作用効果(後述の「収束」にかかる作用効果、若しくは後述の「一の演出が行なわれているなかでのテーブル変更」にかかる作用効果など)が得られるようにしている。ただし、変動パターンテーブルの内容を変更させるタイミングについては特別図柄の変動が1回分行われる都度であってもよいし、所望の作用効果が得られるものであれば、特別図柄の変動回数が3回行われた時点や6回行われた時点など、異なる回数条件が満たされたときに変更させるようにしてもよい。
また、この実施の形態にかかる主制御MPU4100aは、第二始動口2102側の特定種別の大当りに応じた大当り遊技状態が終了されてからの特別図柄の変動回数が1〜30回転以内にある場合、ハズレが得られたときには変動回数がいずれであっても0.1秒を選択する制御を行うこととしている。ただし、このような制御を実現する場合、同期間においては、全てのリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値とのみ一致するように設定しておくか、リーチすることを示すリーチ判定値と一致したとしても0.1秒を選択する制御が行われるように設定しておくか、リーチするか否かの判定これ自体を行わずに非リーチ時の変動パターンテーブルT1〜T6を選択するように設定しておくか、のいずれかの手法を採用することとなる。
図165は、主制御MPU4100aが第二特別保留数カウンタの値を「1」以上で維持させたまま図164に示した制御態様をもとに遊技を進行させた結果、特別図柄の変動回数がx回で特定種別の大当りが得られたとしたときに、大当り遊技状態が終了されてから該大当りに応じた図柄の変動時間が終了されるまでに要する時間(y秒)を示す図である。
例えば、図164(a)及び図165に併せて示されるように、特別図柄の変動回数が1回目のときに特定種別の大当りが得られた場合は、第2変動パターン設定処理内にて第1の変動パターンテーブルT1が参照されることから、大当り遊技状態が終了されてから該大当りに応じた図柄の変動時間が終了されるまでに要する時間は18秒である。そして、特別図柄の変動回数が5回になるまでの間は、特定種別の大当りが得られるまでに要する変動回数が1回増える都度、ハズレ変動に要する時間(0.1秒)とハズレ図柄の停止に要する時間(0.5秒)との合計時間(0.6秒)分だけ、大当り遊技状態が終了されてから該大当りに応じた図柄の変動時間が終了されるまでに要する時間が増大していくこととなる(18秒→18.6秒→19.2秒→19.8秒→20.4秒)。
ただし、図164(b)及び図165に併せて示されるように、特別図柄の変動回数が6回目になると、第2変動パターン設定処理内においては第2の変動パターンテーブルT2が参照される。したがって、特別図柄の変動回数が6回目のときに特定種別の大当りが得られた場合は、第1の変動パターンテーブルT1内のハズレ変動に要する時間(0.1秒)とハズレ図柄の停止に要する時間(0.5秒)との合計時間(0.6秒)を5回分加算した時間と、第2の変動パターンテーブルT2において設定される特定種別の大当り時の変動時間(15秒)との合計時間(18秒)が、大当り遊技状態が終了されてから該大当りに応じた図柄の変動時間が終了されるまでに要する時間とされる。そして、特別図柄の変動回数が10回になるまでの間は、特定種別の大当りが得られるまでに要する変動回数が1回増える都度、ハズレ変動に要する時間(0.1秒)とハズレ図柄の停止に要する時間(0.5秒)との合計時間(0.6秒)分だけ、大当り遊技状態が終了されてから該大当りに応じた図柄の変動時間が終了されるまでに要する時間が増大していくこととなる(18秒→18.6秒→19.2秒→19.8秒→20.4秒)。
そして、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、特定種別の大当りが得られたときに採用される変動時間は、このように特別図柄の変動回数が5回増える都度、ハズレ変動を5回消化するために必要とされる時間(ハズレ変動に要する時間(0.1秒)とハズレ図柄の停止に要する時間(0.5秒)との合計時間(0.6秒))分だけ短くなるように設定されている。これにより、図165に示されるように、第二始動口2102側の特定種別の大当りに応じた大当り遊技状態が終了されてからの特別図柄の変動回数が1〜30回転までの間においては、いずれの図柄変動で大当りが得られたとしても、前回の大当り遊技(特定種別の大当りに応じた大当り遊技)が終了してから次回の大当り遊技(特定種別の大当りに応じた大当り遊技)が開始されるまでに要する時間を、特定の時間幅内(ここでは、18秒〜20.4秒)に収束させることができるようになる。
すなわち、1回目の図柄変動が開始されるタイミングと、ハズレ変動が29回行われた後に30回目の図柄変動が開始されるタイミングとの間には少なくとも17.4秒(29回分のハズレ変動と、29回分の図柄停止時間との合計)の時間差がある。それにもかかわらず、いずれの図柄変動で特定種別の大当りが得られたとしても、前回の大当り遊技(特定種別の大当りに応じた大当り遊技)が終了してから大当りに応じた図柄変動が消化し終わるまでに要する時間のズレはその半分未満の2.4秒しか存在しないようになることから、当該期間においては最大で30回分もの図柄変動が行われうるようになっていることを気付き難くすることができるようになる。
この点、この実施の形態にかかる主制御MPU4100aでは、こうして収束させる特定の時間幅内に、特定の演出条件が満たされたときに出現する一の特定演出に要する時間を含ませるようにしている。すなわちこの場合、前回の大当り遊技(特定種別の大当りに応じた大当り遊技)が終了してから次回の大当り遊技(特定種別の大当りに応じた大当り遊技)が開始されるまでの期間内で、このような特定演出を行うようにすれば、図柄変動が複数回にわたって行われる期間において、特定の演出条件が満たされたかのように見せることができるようになる。
なお、この実施の形態では、主制御MPU4100aによる特殊制御によって収束される特定の時間幅内(ここでは、18秒〜20.4秒)に、「所定時間後に新たなラウンド遊技(遊技ブロック)が開始される可能性を示唆する上乗せチャレンジ演出」の実行に要する時間(ブロック間インターバル期間として設定される18秒)を含ませるようにしている。そして上述の通り、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4140aでは、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる複数回の図柄変動(ここでは、18秒〜20.4秒)にわたって、ブロック間インターバル期間の場合と同様、「所定時間後に新たなラウンド遊技(遊技ブロック)が開始される可能性を示唆する上乗せチャレンジ演出」(一の演出)を出現させることから、特定種別の大当りに応じた大当り遊技が終了してからの時短状態(図柄変動が最大で30回行われるまで)においても大当り遊技が未だ継続されているかのように(ブロック間インターバル期間であるかのように)見せることができるようになる。
このような構成によれば、前回の大当り遊技(特定種別の大当りに応じた大当り遊技)が終了してから1〜30回目の図柄変動のいずれで特定種別の大当りが得られた場合であっても、1回目の図柄変動が開始されるときから実行される上乗せチャレンジ演出(一の演出)を、特定種別の大当りが得られた図柄変動が消化し終わるまでの期間(1〜30回のいずれかの回数分の図柄変動が消化し終わるまでに要する時間)にわたって出現させることとなる。すなわちこの場合、1回目の図柄変動で特定種別の大当りが得られた場合を除き、上乗せチャレンジ演出を開始させる時点では、該演出にて成功演出を出現させるか否かが未定とされており、特定種別の大当りが得られた図柄変動を開始させるとき(若しくは、特定種別の大当りが得られる大当り判定が保留状態にとされたとき)に成功演出を出現させる旨判断し、該判断に基づいて当該演出内において成功演出を出現させることとなる。
ただし、いずれの図柄変動で特定種別の大当りが得られた場合であっても、このような上乗せチャレンジ演出において成功演出が現れるタイミングとしては、主制御MPU4100aによる特殊制御の対象とされる期間が開始されてから17.6秒が経過したタイミング(30回目の図柄変動まで行われるとした場合における該30回目の図柄変動が開始されるタイミング)以降に到来するように設定することが、該上乗せチャレンジ演出を一の特定演出として機能させる上でより望ましい。
すなわち、従来は、一の特定演出は、一の変動パターンテーブルが参照されることにより実行されるものであったことから、一の特定演出が開始されるとその開始時点でその演出の内容をある程度想定することができてしまい、遊技興趣の低下が懸念されていた。より具体的には、遊技の進行に合わせて演出を実現しようとする場合、基本的には、演出の開始時にどれだけの変動時間に合わせた演出を行うのかを予め決定しておくことが求められる。そしてこのことが、演出の内容が遊技者側に想定され易くなってしまう一因となっていた。
この点、本願では、まず、複数回の図柄変動にまたがった一の特定演出を実現する。そしてこの上で、一の特定演出が進行されて複数回の図柄変動が順次行われるなかで、各変動時間が決定される際に参照される関連付け内容を、別の関連付け内容に変更させることとした。すなわちこの場合、一の特定演出(上乗せチャレンジ演出)が実行されている中途段階にありながら、変動パターンの決定態様そのものを複数回にわたって変化させるようにしたことから、一の特定演出の開始時にその内容が遊技者側に想定され難くなることはもとより、演出のバリエーションが多彩となって遊技興趣の低下が抑制されるようになる。
なお、主制御MPU4100aによる特殊制御によって収束される特定の時間幅のなかでの演出(複数回の図柄変動にわたる一の特定演出)としては、大当り遊技内にて行われる演出でなくてもよく、例えば、大当り判定の結果に応じた一の図柄変動内で現れる一の高期待演出(リーチ演出など)であってもよい。
すなわち、本願にかかる一の特定演出とは、そもそも、複数回(ここでは、最大30回)の大当り判定が行われることを前提としたものであることから、一回分の図柄変動が行われる期間内での演出と比較した場合、当該一の特定演出が行われる期間内で大当りが得られる期待度は相対的に高い(ここでは、30倍)ものとなっている。したがって、主制御MPU4100aによる特殊制御によって収束される時間幅のなかでの演出(複数回の図柄変動にわたる一の特定演出)として、大当り判定の結果に応じた一の図柄変動内で現れる一の高期待演出(リーチ演出など)を出現させるようにすれば、遊技者側からしても違和感なく高期待の演出を楽しむことができるようになり、時短状態(高確率時短状態)においてなかなか大当りが得られないときの遊技興趣(30回分の図柄変動にわたる遊技興趣)の低下が抑制されうるようになる。なおこの場合、主制御MPU4100aによる特殊制御によって収束される特定の時間幅内に、大当り判定の結果に応じた一の図柄変動内で現れる特定の高期待演出(リーチ演出など)に要する時間を含ませることとなる。
また、この実施の形態にかかる主制御MPU4100aは、上述の特殊制御の対象とされる期間(30回の図柄変動)において全ての図柄変動でハズレが得られた場合であっても、それらの図柄変動を消化するために必要とされる総時間(30回分のハズレ変動と、30回分の図柄停止時間との合計時間である18秒)が上記収束される特定の時間幅(18秒〜20.4秒)内に含まれるように制御している。すなわちこの場合、一の特定演出において成功演出が現れない場合も含めて、当該演出を特定の時間幅内に収束させることができるようになることから、当該期間において最大で30回分の図柄変動が行われることをより一層気付き難くして、特定の演出条件が満たされたときに出現する一の特定演出が現れているかのように見せることができるようになる。
これに対し、この実施の形態にかかる主制御MPU4100aは、図164に示されるように、上述の特殊制御の対象とされる期間(30回の図柄変動)内であっても、第二特別図柄側の大当り判定の結果として特定種別以外の大当り(16R確変大当りA,2R確変大当り,2R通常大当り)や、第一特別図柄側の大当り(図示略)が得られた場合は、各々の大当りにそれぞれ対応付けされている時間をもった図柄変動を出現させるだけであり、特定の時間幅内に収束させることはしない。すなわち、これらの大当りが得られた場合には、新たなラウンド遊技(遊技ブロック)がさらに実行されるかについての上乗せチャレンジ演出において成功演出を出現させた後にどれだけラウンド数が積み上げられるかについての演出を完結させるコンプリートボーナス演出を出現させたり、新たなラウンド遊技(遊技ブロック)がさらに実行されるかについての上乗せチャレンジ演出をその中途で終了させ、有利な状態(時短状態と大当り遊技とをループ可能な状態)が終了される可能性を示唆する有利終了演出(若しくは、バトル勝利演出やバトル敗北演出など)を行うことは上述した通りである。
ただし、これも上述したが、このような主制御MPU4100aによる上述の特殊制御によって収束される特定の時間幅とは、第二特別図柄側の大当り判定の保留状態が維持されていることが条件であり、第二特別図柄側の大当り判定の保留状態が維持されなくなった時点で特定の時間幅内に収束されることはなくなる。そして、このように特定の時間幅内に収束されることがなくなったにもかかわらず、特定の時間幅内に収束されることを前提とした一の特定演出(上乗せチャレンジ演出などの一の特定演出)を行うようにすると、該一の特定演出が行われる本来の期間(ブロック間インターバル期間など)にはないことが遊技者側に認識されかねず、遊技興趣の低下が懸念される。
そこで、周辺制御MPU4140aは、主制御MPU4100aによる上述の特殊制御が少なくとも行われる期間においては、第二特別図柄側の大当り判定の保留状態が維持されているか否かを監視し、第二特別図柄側の大当り判定の保留状態が維持されなくなった旨判断したことに基づいて一の特定演出(上乗せチャレンジ演出など)を中途で終了(特殊制御フラグをリセット)させるようにしてもよい。ただしこの場合、一の特定演出(上乗せチャレンジ演出など)を中途で終了させた後は、予め定められた演出を出現させ、該演出が現れているなかで残りの回数分の特別図柄の変動を消化させることとなる。また、残りの回数分を消化し終わる前に特定種別の大当りが得られたとしても、ラウンド積上演出(複数段階ある演出)を最初の演出内容からやり直しにするかたちで実行することとなる。
このような構成によれば、遊技者側の意図(操作次第)によってラウンド積上演出(複数段階ある演出)を継続させたり、ラウンド積上演出(複数段階ある演出)を最初の演出内容からやり直しにさせたりすることができるようになる。
ところで、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4140aでは、上述の通り、有利な状態(時短状態と大当り遊技とをループ可能な状態)が終了される可能性を示唆する有利終了演出を出現させた場合であっても、上乗せチャレンジ演出が再開される可能性を残すようにしている。
すなわち、上記有利終了演出は、特定種別でない大当りとして2R確変大当りまたは2R通常大当りが得られた場合に、新たなラウンド遊技(遊技ブロック)がさらに実行されるかについての上乗せチャレンジ演出がその中途で終了された後に出現するものである。そして、主制御MPU4100aは、図164に示されるように、上述の特殊制御が行われる期間内であっても、特定種別でない大当りとして2R確変大当りまたは2R通常大当りが得られた場合には、このような有利終了演出に要する時間として図柄変動の回数にかかわらず一定の時間(10秒)を選択するようにしていることも上述した。
この点、この実施の形態にかかる主制御MPU4100aは、まず、小当りが得られた場合には、特定種別の大当りに応じた大当り遊技が行われる場合と同様、小当り遊技を開始させるときに変動回数カウンタをリセットした上で、小当り遊技が行われた後に特殊制御フラグをセットするようにすることで、時短状態にあるときに開始された小当り遊技が終了されてからの特別図柄の変動が所定数(ここでは、30回)消化されるまでの期間(時短状態)においても、上述の特殊制御(主制御MPU4100a)や上乗せチャレンジ演出にかかる制御(周辺制御MPU4140a)などが行われるようにしている。
そしてこの上で、小当りが得られた場合は、同図164に示されるように、上述の特殊制御が行われる期間内において、図柄変動の回数にかかわらず一定の時間(ここでは、2R確変大当りまたは2R通常大当りが得られた場合と同様の10秒)を選択する。そして、こうして選択される一定の時間において、周辺制御MPU4140aは、有利な状態(時短状態と大当り遊技とをループ可能な状態)が終了される可能性を示唆する有利終了演出を出現させることとしている。
すなわち、この実施の形態にかかる有利終了演出は、演出内容の進展にかかる特定の分岐タイミングが到来するまでの間は共通(特定)の演出内容を出現させる一方で、特定の分岐タイミングが到来したときには、2R確変大当りまたは2R通常大当りが得られており有利な状態(時短状態と大当り遊技とをループ可能な状態)が終了されることを示す内容へと演出を進展させる演出態様と、有利な状態(時短状態と大当り遊技とをループ可能な状態)が終了されないことはもとより一旦は中途終了にされた上乗せチャレンジ演出が復活して続きから継続実行されることを示す内容へと演出を進展させる演出態様との少なくとも2つの演出結果のいずれかを出現させうるものとなっている。
このような構成によれば、上述の特殊制御が行われる期間内において小当りが得られた場合、上乗せチャレンジ演出が一旦は中途終了にされて有利な状態が終了されるかのように見せた後に、一旦は中途終了にされた上乗せチャレンジ演出が復活して続きから継続実行されるようになることから、従来の小当りとしての遊技価値(所定数の出玉獲得の機会を付与する価値、若しくは高確率状態であるかもしれない可能性を意識付けさせる価値)以上の価値を遊技者に提供することができるようになり、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
例えば、いま、図161(a)に示されるタイミングt4にて発生する時短状態(高確率時短状態)において、主制御MPU4100aによる上述の特殊制御が行われ、且つさらに新たなラウンド遊技(遊技ブロック)が開始されるかについての上乗せチャレンジ演出が行われるなかで、16R確変大当りAではなく、小当りが得られたとする。すると、主制御MPU4100aによる上述の特殊制御が行われているにもかかわらず、まず、特定の時間幅内に収束させない一定の時間(ここでは、10秒)をもった図柄変動(小当り)が開始される。次いで、該図柄変動が行われる期間内において、上乗せチャレンジ演出が中途で一旦終了された上で、有利な状態(時短状態と大当り遊技とをループ可能な状態)が終了される可能性を示唆する有利終了演出が行われる。そして次に、該有利終了演出において特定の分岐タイミングが到来すると、有利な状態(時短状態と大当り遊技とをループ可能な状態)が終了されないことはもとより一旦は中途終了にされた上乗せチャレンジ演出が復活して続きから継続実行されることを示す内容へと演出を進展させる演出態様が現れるようになる。なお、このような演出(2R確変大当りまたは2R通常大当りが得られたときの演出も含めて)は、大当り判定の結果に基づいて予め定められた一の演出パターンを表示させる制御が行われることによって出現されるものであり、その中途の段階で特定の分岐タイミングが到来したか否かなどの判断などがなされるようなことはない。
すなわちこの場合、このような演出態様が現れた後(若しくは、このような演出態様が現れている最中)に小当り遊技が実行されると、まず、該小当り遊技が終了(特殊制御フラグがセット)されてから特別図柄の変動が所定数(ここでは、30回)消化されるまでの期間(時短状態)においても、上述の特殊制御(主制御MPU4100a)が行われる。そして、このような特殊制御が行われるなかで、一旦は中途終了された上乗せチャレンジ演出が復活となり、タイミングt4において行われたままの演出内容(5回目の遊技ブロック(20回分のラウンド遊技)が終了された状態において、新たなラウンド遊技(遊技ブロック)がさらに開始されるかについての演出内容)が現れるようになる。
このような小当りを用いた遊技や演出進展にかかる制御によれば、有利終了演出が出現した場合であっても、有利な状態(時短状態と大当り遊技とをループ可能な状態)が終了されない可能性を残すことができるようになる。
また、小当りに応じた小当り遊技が終了されるときには特殊制御フラグがセットされることから、時短状態において上述の特殊制御(主制御MPU4100a)の行われる期間(上述のラウンド積上演出が継続される期間)が残り少ない期間になったときに小当りが得られると、上述の特殊制御(主制御MPU4100a)の行われる期間を大幅に回復(初期値(30回)まで回復)させることができるようになり、「遊技ブロック(4ラウンド分のラウンド遊技)を一単位としてこれを何回実行させることができるか」といった上述のラウンド積上演出にかかる継続率を高める当りとして機能させることができるようになる。すなわちこの場合、図161(a)に示した例によれば、タイミングt1にて開始された一の賞球獲得遊技とこれに応じたラウンド積上演出とが終了することを回避してこれを存続させるように小当りが機能することとなり、このような小当りによってホール側に大きな負担を強いることなく遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
このような作用効果を得る上では、小当りが得られた場合も、上乗せチャレンジ演出において成功演出を出現させるようにすることが望ましい。そしてこの後、賞球の獲得が容易とされる態様で小当り遊技状態を発生させるとともに、該小当り遊技状態の発生に際しては、右打ちによって大入賞口2103への入賞を促す演出を行うようにすることが望ましい。
なお、このような小当りが得られたときの各種制御は、時短状態(高確率時短状態)のうち、主制御MPU4100aによる上述の特殊制御が行われる期間(所定条件(特定種別の大当りや、小当り)が成立してから特別図柄が30回消化されるまでの期間)のみならず、該期間が終了した以降に小当りが得られた場合にも行われるようにすることが望ましい。
すなわちこの場合、液晶表示装置1900において上述の有利状態演出が行われており、時短状態(高確率時短状態)において大当りが得られることを遊技者側が狙っているなかで、小当りが得られた場合、一の賞球獲得遊技が行われている期間(ブロック間インターバル期間)が突然に発生して新たな上乗せチャレンジ演出が開始されたように見えることとなる。しかも、こうして突然に発生した期間(実際には、小当り遊技が終了してから最大で30回の図柄変動にわたる高確率時短状態)においては50%を超える確率で大当りが得られることが期待できるように設定されていることから(図151(a)を参照)、通常は、30回の図柄変動が行われるよりも前に大当り遊技が実際に行われることとなる。したがって、このように突然に発生した期間では、「遊技ブロック(4ラウンド分のラウンド遊技)を一単位としてこれを何回実行させることができるか」といったラウンド積上演出が新たに発生するように見せることができるようになり、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
ところで、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、上述の通り、特定種別の大当りに応じた大当り遊技内における遊技ブロックの間にそれぞれ存在するブロック間インターバル期間と、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間(所定条件(特定種別の大当りや、小当り)が成立してから特別図柄の変動が所定数(ここでは、30回)消化されるまでの期間)との両方で、新たなラウンド遊技がさらに実行されるかについての上乗せチャレンジ演出を行うものとなっている。
ただし、ブロック間インターバル期間においては、該期間が発生するときに予め定められた遊技結果(新たな遊技ブロック(新たなラウンド遊技)が現れるか否か)と、演出に要する時間(18秒)とがそれぞれ定められているのに対し、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間では、該期間が発生するときに遊技結果(新たな遊技ブロック(新たなラウンド遊技)が現れるか否か)と、演出に要する時間とがそれぞれ未定の状態とされている。しかも、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間においては主にハズレ変動が現れるにもかかわらず(概ね20/21)、該ハズレ変動は0.1秒といった極めて短い時間とされていることから、これらの期間で共通した演出(上乗せチャレンジ演出)を行おうとすると、単調な演出内容になりかねず遊技興趣の低下が懸念される。
このような背景にあるなかで、この実施の形態にかかるパチンコ機1は、ブロック間インターバル期間と主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間との両方において、所定の操作手段に対する操作(例えば、上皿演出ボタン257に対する押圧操作や、タッチパネル246に対するタッチ操作など)を受け付ける操作演出受付期間を発生させ、該操作演出受付期間において操作が受け付けられると、上乗せチャレンジ演出において成功演出が現れる期待度(0%や、100%を含むようにしてもよい)を示す操作演出(例えば、画像の表示態様や、可動体の動作態様によって期待度が示される演出)を実行可能としている。
図166は、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間内において操作演出受付期間を利用した演出例を示す図である。
はじめに、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間内における演出の制御例を説明するにあたり、まず、ブロック間インターバル期間内における演出(上乗せチャレンジ演出)の制御例を説明しておく。
ブロック間インターバル期間では、上述の通り、該期間が発生するときに予め定められた遊技結果(新たな遊技ブロック(新たなラウンド遊技)が現れるか否か)と、演出に要する時間(18秒)とがそれぞれ定められている。このようなブロック間インターバル期間にあって、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4140aは、まず、ブロック間インターバル期間が開始されてから第1時間が経過したタイミングで操作演出受付期間を発生させ、所定の操作手段に対する操作を促す操作促進表示を液晶表示装置1900において出現させる。
そして、こうして発生した操作演出受付期間においては、最短では0.6秒間隔(平均で2秒間隔)で操作促進表示(若しくは、液晶表示装置1900において表示される特定の表示画像)の表示態様(色など)を変化させうる制御が行われる。すなわち後述するが、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間内で操作演出受付期間が発生した場合も、これと同じような演出が生じることから、ブロック間インターバル期間と主制御MPU4100aによる特殊制御とのいずれに制御されているかを把握し難くすることが期待されるようになる。
なお、ブロック間インターバル期間内で発生した操作演出受付期間において所定の操作手段に対する操作が受け付けられた場合は、後述の「主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間内で発生した操作演出受付期間において所定の操作手段に対する操作が受け付けられ、且つ該操作が受け付けられた時点で図柄が変動状態にある第二特別図柄側の大当り判定、または保留状態にある第二特別図柄側の大当り判定のなかに大当りが得られているものがある旨判断された場合」と同様の制御態様で、操作演出を出現させる制御を行うこととなる。
操作演出受付期間は、所定の操作手段に対する操作が受け付けられた時点で終了される。そしてこの後、ブロック間インターバル期間において演出内容の進展にかかる特定の分岐タイミングが到来すると、新たな遊技ブロック(新たなラウンド遊技)が行われることを確定的に示す演出(成功演出)が現れることで、当該ブロック間インターバル期間内における演出(上乗せチャレンジ演出)が終了される。ただしこの場合も、ブロック間インターバル期間において予め定められた一の演出パターン(所定時間(18秒)をもった成功時の演出パターン)を表示させる制御が行われるだけであり、その中途の段階で特定の分岐タイミングが到来したか否かなどの判断などがなされるようなことはない。
これに対し、操作演出受付期間が発生してから第2時間が経過したタイミングまで所定の操作手段に対する操作がなかった場合、周辺制御MPU4140aは、成功演出が現れる期待度を示す操作演出が行われないままで、該操作演出受付期間と、所定の操作手段に対する操作を促す操作促進表示とをそれぞれ終了させる。そしてこの後、ブロック間インターバル期間において演出内容の進展にかかる特定の分岐タイミングが到来すると、新たな遊技ブロック(新たなラウンド遊技)が行われることを確定的に示す演出(成功演出)が現れることで、当該ブロック間インターバル期間内における演出(上乗せチャレンジ演出)が終了される。
ただし上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間内のうち、図164(f)に示される第6の変動パターンテーブルT6が参照される状況で特定種別の大当りが得られた場合、その変動時間としては「3秒」しか用意されていない。したがって、上記ブロック間インターバル期間(18秒)にあって、特定の分岐タイミングが到来するタイミングとしては、該期間が発生してから15秒が経過した以降(最も短い大当りの変動時間(ここでは、3秒)以下の時間しか残されない時間)に到来されるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、15秒が経過したあたりで成功演出の画像が現れるように、予め定められた一の演出パターン(所定時間(18秒)をもった成功時の演出パターン)を設定(記憶)しておくこととなる。
また、新たな遊技ブロック(新たなラウンド遊技)が行われることを確定的に示す演出(上乗せチャレンジ演出にて現れる成功演出)としても、液晶表示装置1900における表示のほか、枠側の光出力(確定の光出力パターン)や音出力(確定の音出力パターン)などの直感的に結果を察知することのできる短時間演出として実現するようにすることが望ましい。
そして上述の通り、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4140aは、このようなブロック間インターバル期間内における演出(上乗せチャレンジ演出)に対し、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間内においてもこれと同様の見た目の演出を出現させる制御を実行可能としている。
例えば、図166(a)に示されるように、いま、タイミングt11において、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間が発生したとする。そして、第二特別図柄側の大当り判定の保留状態が維持されており(遊技者による右打ちが維持されており)、且つ全ての大当り判定にて大当りが得られずに遊技が進行されたとすると、タイミングt11において1回目のハズレ変動が開始された以降、タイミングt21において30回目のハズレ変動が消化し終わるまでの間、0.6秒(ハズレ変動と図柄停止時間)間隔でハズレ変動が順次消化されていくようになる。すなわちこの場合、タイミングt11から18秒が経過した時点でタイミングt21が到来し、30回目のハズレ変動が消化し終わることとなる。
なお、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間においては、所定数(ここでは、5回)分の図柄変動が消化される都度、図164に示される第1の変動パターンテーブルT1〜第6の変動パターンテーブルT6の間で、第2変動パターン設定処理内にて参照される変動パターンテーブルが順次変更される。ただし、第1の変動パターンテーブルT1〜第6の変動パターンテーブルT6では、いずれのテーブルにおいてもハズレに対しては特定の時間値(0.1秒)が対応付けされていることから、図166(a)に示した例(全ての大当り判定にて大当りが得られずに遊技が進行)では、タイミングt11において1回目のハズレ変動が開始された以降、タイミングt21において30回目のハズレ変動が消化し終わるまでの間に複数種の変動パターンテーブルが順次参照されるものの、結局は、0.6秒(ハズレ変動と図柄停止時間)間隔でハズレ変動が順次消化されていくこととなる。
このような短時間のハズレ変動が繰り返されうる期間内にある場合、周辺制御MPU4140aは、まず、タイミングt11において、所定時間後に新たなラウンド遊技(遊技ブロック)がさらに実行される可能性を示唆する上乗せチャレンジ演出を開始させる。そして、こうして上乗せチャレンジ演出が開始されると、ブロック間インターバル期間の場合と同様、該上乗せチャレンジ演出が開始されてから第1時間が経過したタイミングt12で操作演出受付期間を発生させ、所定の操作手段に対する操作を促す操作促進表示を液晶表示装置1900において出現させる。
なお、タイミングt12で発生する操作演出受付期間においては、0.6秒(ハズレ変動と図柄停止時間)間隔でハズレ変動が順次消化されていくようになっており、このような状況のなかで操作が受け付けられたときに保留状態、若しくは変動状態にある大当り判定を対象とした操作演出が行われる。したがって、こうした操作演出の対象とされる大当り判定は、操作演出受付期間が発生したときに保留状態、若しくは変動状態にある大当り判定のほか、操作演出受付期間が発生したときには乱数すら未だ取得されていなかった大当り判定も対象とされうる。
ただしその一方で、周辺制御MPU4140aは、第二始動口2102への遊技球の受け入れによって第二特別図柄側の大当り判定が新たに保留状態にされる場合、該保留状態にされる大当り判定についての期待度の判定(いわゆる先読み判定)を行う。なお、この実施の形態にかかる先読み判定では、図166に示されるように、先読みした大当り判定がハズレである場合には、数字が大きいほど大当りが得られている期待度が高いように見せる「1」、「2」、「3」の3段階にて判定(相対的に、小さい数字が選択されやすいように判定)するとともに、先読みした大当り判定が大当りである場合には、「4」として判定するようにしている。
そして、タイミングt12で発生した操作演出受付期間においては、保留状態が解除されて図柄が変動状態にある第二特別図柄側の大当り判定、または保留状態にある第二特別図柄側の大当り判定のうち、先読み判定にて期待度が最も高いと判定された大当り判定を対象とし、該大当り判定についての期待度を、液晶表示装置1900において表示される操作促進表示の表示態様(色など)の変化によって示されるようにしている。
より具体的には、先読み判定の結果として得られた「1」に応じた表示態様を出現させる場合は、操作促進表示を「青色」の表示態様に変化させる。また、これと同様、先読み判定の結果として得られた「2」に応じた表示態様を出現させる場合は、操作促進表示を「赤色」の表示態様に変化させ、先読み判定の結果として得られた「3」に応じた表示態様を出現させる場合は、操作促進表示を「金色」の表示態様に変化させる。これに対し、先読み判定の結果として得られた「4」に応じた表示態様を出現させる場合は、操作促進表示を「青色」、「赤色」、「金色」の表示態様のいずれかに変化(ハズレの場合よりも青色が相対的に出現しにくく、ハズレの場合よりも金色が相対的に出現し易い態様で変化)させる。
このような構成によれば、例えば、いま、図166(a)に示される15回目の図柄変動が行われている期間中にあって、保留状態にある第二特別図柄側の大当り判定が4つ存在しているとすると(16〜19回目の図柄変動に対応する大当り判定が保留状態にあるとすると)、18回目の図柄変動に対応する大当り判定に対して評価された「3」の先読み判定が最も高い期待度であるから、操作促進表示は、「3」の評価に応じた表示態様(金色)として表示されることとなる。そして、このような表示態様(金色)が現れると、保留状態が解除されて図柄が変動状態にある第二特別図柄側の大当り判定、または保留状態にある第二特別図柄側の大当り判定のなかに大当りが得られている可能性が相対的に高い状況にあることが把握可能とされることから、所定の操作手段に対する操作によって操作演出を出現させることを強く促すことができるようになる。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4140aでは、タイミングt12で発生した操作演出受付期間において所定の操作手段に対する操作が受け付けられた場合、該操作が受け付けられた時点で図柄が変動状態にある第二特別図柄側の大当り判定、または保留状態にある第二特別図柄側の大当り判定のなかに、大当りが得られているものがあるか(先読み判定の結果が「4」であるものがあるか)を判断する。そして、所定の操作手段に対する操作が受け付けられたときの該判断の結果に基づいて、操作演出が出現したときに現れる期待度(上乗せチャレンジ演出において成功演出が現れる期待度)として高い期待度が示される選択割合を変化させるようにしている。
例えば、操作演出が出現したときに現れる期待度(上乗せチャレンジ演出において成功演出が現れる期待度)として3段階(高、中、低)の期待度を用意しておき、大当りが得られている場合には、相対的に高期待度が選択され易く低期待度が選択され難くされ、大当りが得られていない場合には、相対的に高期待度が選択され難く低期待度が選択され易くされるようにすることで、高期待度の演出結果が出現したときに大当りが得られている可能性を高くする(低期待度の演出結果が出現したときに大当りが得られている可能性を低くする)ことができるようになる。
操作演出受付期間は、所定の操作手段に対する操作が受け付けられた時点で終了される。そしてこの後、図166(a)に示される例では、上乗せチャレンジ演出において成功演出が現れないままで、タイミングt21において30回目のハズレ変動が消化し終わることとなる。なお、こうして30回目のハズレ変動が消化し終わると、変動回数カウンタのカウンタ値が30に達したことに基づいて特殊制御フラグがオフにされることで、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間と上乗せチャレンジ演出とがそれぞれ終了され、上述の有利状態演出が開始されることとなる。これにより、遊技者は、上乗せチャレンジ演出(ラウンド積上演出)が失敗演出として終了されたことを把握し、タイミングt21から時短状態が発生したかのようなイメージのもとで遊技を行うようになる。
これに対し、操作演出受付期間が発生してから第2時間が経過したタイミングt13まで所定の操作手段に対する操作がなかった場合、周辺制御MPU4140aは、成功演出が現れる期待度が示される操作演出を行わないままで、当該操作演出受付期間と、所定の操作手段に対する操作を促す操作促進表示とをそれぞれ終了させる。そしてこの後、上乗せチャレンジ演出において成功演出が現れないままで、タイミングt21において30回目のハズレ変動が消化し終わることとなる。すなわち、この場合も同様、30回目のハズレ変動が消化し終わると、変動回数カウンタのカウンタ値が30に達したことに基づいて特殊制御フラグがオフにされることで、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間と上乗せチャレンジ演出とがそれぞれ終了され、上述の有利状態演出が開始されることとなる。
一方、タイミングt12において操作演出受付期間が発生するよりも前に大当りが得られるような場合も生じうる。
例えば、図166(b)に示されるように、いま、タイミングt11において、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間が発生した後、1回目の大当り判定(1回目の図柄変動)で大当りが得られたとする。ただし、このような場合であっても、大当りの変動時間が第1の変動パターンテーブルT1から参照されることで(図164(a)を参照)、上乗せチャレンジ演出の実行時間として、図166(a)に示した例の場合と同じ、若しくは近似した時間(ここでは、同じ18秒)を採用することができるようになる。
すなわちこの場合、タイミングt11において上乗せチャレンジ演出が開始されると、1回目の大当り判定(1回目の図柄変動)において大当りが得られることから、比較的早い段階で、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間が終了した後の遊技内容(新たな遊技ブロック(新たなラウンド遊技)が現れるか否か)と、演出に要する時間(18秒)とがそれぞれ定められることとなる。
ただし、周辺制御MPU4140aは、これらの情報を秘匿にしたままで、図166(a)の場合と同様、上乗せチャレンジ演出が開始されてから第1時間が経過したタイミングt12で操作演出受付期間を発生させ、所定の操作手段に対する操作を促す操作促進表示を液晶表示装置1900において出現させることとなる。
また、図166(b)に示した例の場合、タイミングt12で発生した操作演出受付期間においては、保留状態が解除されて図柄が変動状態にある大当り判定であり、且つ大当りである旨判断された大当り判定を対象とし、該大当り判定についての期待度を、液晶表示装置1900において表示される操作促進表示の表示態様(色など)の変化によって示す制御が行われる。
この点、先読み判定の結果として「4」が得られている場合、操作促進表示は、「青色」、「赤色」、「金色」の表示態様のいずれかに変化されることは上述した。ただし、操作促進表示の表示態様としていずれかの色のみが操作演出受付期間にわたって継続して現れるようなことがあると、図166(a)に示した上述の例の場合と比較して、大当りが得られた状態にあることが実質的に露になってしまうことから、ブロック間インターバル期間における上述の制御例の場合と同様、最短では0.6秒間隔で操作促進表示(若しくは、液晶表示装置1900において表示される特定の表示画像)の表示態様(色など)を変化させうる制御(0.6秒ごとにいずれの色を出現させるかについての判定を行い、該判定の結果に基づいて色を変化させる制御)が行われるようにすることが望ましい。また、こうして操作促進表示の表示態様(色)が変化されるなかでは、図166(a)に示した例の場合よりも、赤色や金色の出現確率(出現頻度)が高くされるように制御することが、大当りが得られている可能性が相対的に高い状況にあることを把握可能とし、所定の操作手段に対する操作によって操作演出を出現させることを強く促すことができるようにする上でより望ましい。なお、この望ましい制御例については、ブロック間インターバル期間における上述の制御例についても同様である。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4140aでは、図166(b)に示される例において、タイミングt12で発生した操作演出受付期間内で所定の操作手段に対する操作が受け付けられた場合、該操作が受け付けられた時点で図柄が変動状態にある大当り判定にて大当りが得られている旨判断する。そして、該判断に基づいて、相対的に高期待度が選択され易く低期待度が選択され難い態様で3段階(高、中、低)の期待度のいずれかを選択してその期待度が示されるように操作演出を出現させる制御を行うこととなる。
図166(b)に示される例においても、操作演出受付期間は、所定の操作手段に対する操作が受け付けられた時点で終了される。そしてこの後、図166(b)に示される例では、上乗せチャレンジ演出において成功演出が現れることとなり、タイミングt21において1回目の図柄変動(大当り変動)が消化し終わることとなる。なお、こうして1回目の図柄変動(大当り変動)が消化し終わると、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間が終了されて、該大当りが特定種別(若しくは、16R確変大当りA)であれば新たなラウンド遊技(遊技ブロック)がさらに実行されることとなる。そして、ラウンド遊技(遊技ブロック)が消化される都度、連続して実行されているラウンド遊技(遊技ブロック)の数を積み上げていく演出内容が進展されるようになる。
これに対し、操作演出受付期間が発生してから第2時間が経過したタイミングt13まで所定の操作手段に対する操作がなかった場合、周辺制御MPU4140aは、成功演出が現れる期待度が示される操作演出を行わないままで、当該操作演出受付期間と、所定の操作手段に対する操作を促す操作促進表示とをそれぞれ終了させる。ただし、この場合であっても、タイミングt13が経過した後、上乗せチャレンジ演出においては成功演出が現れることとなり、タイミングt21において1回目の図柄変動(大当り変動)が消化し終わることとなる。
また一方、タイミングt12において発生する操作演出受付期間内で大当りが得られるような場合も生じうる。
例えば、図166(c)に示されるように、いま、タイミングt11において、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間が発生した後、第二特別図柄側の大当り判定の保留状態が維持されており(遊技者による右打ちが維持されており)、且つ18回目の大当り判定(18回目の図柄変動)で大当りが得られたとする。ただし、このような場合であっても、17回にわたるハズレ変動が順次実行されるなかで、第2変動パターン設定処理内にて参照される変動パターンテーブルが第1の変動パターンテーブルT1、第2の変動パターンテーブルT2、第3の変動パターンテーブルT3、及び第4の変動パターンテーブルT4と順次変更されていった後、18回目の大当り変動にてその変動時間が第4の変動パターンテーブルT4から参照されることで(図164(d)を参照)、上乗せチャレンジ演出の実行時間として、図166(a)に示した例の場合と同じ、若しくは近似した時間(ここでは、19.2秒)を採用することができるようになる。
この図166(c)に示される例においても、周辺制御MPU4140aは、図166(a),(b)の場合と同様、タイミングt11において上乗せチャレンジ演出が開始されてから第1時間が経過したタイミングt12で操作演出受付期間を発生させ、所定の操作手段に対する操作を促す操作促進表示を液晶表示装置1900において出現させることとなる。
そして、図166(c)に示される例では、こうして操作演出受付期間が発生した段階においても、図166(a)に示される場合と同様、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間が終了した後の遊技内容(新たな遊技ブロック(新たなラウンド遊技)が現れるか否か)と、演出に要する時間とがそれぞれ未定の状態とされている。
したがって、周辺制御MPU4140aは、図166(a)に示される場合と同様、タイミングt12で発生した操作演出受付期間においては、保留状態が解除されて図柄が変動状態にある第二特別図柄側の大当り判定、または保留状態にある第二特別図柄側の大当り判定のうち、先読み判定にて期待度が最も高いと判定された大当り判定を対象とし、該大当り判定についての期待度を、液晶表示装置1900において表示される操作促進表示の表示態様(色など)の変化によって示されるように制御することとなる。
ただし、図166(c)に示される例では、タイミングt12で発生した操作演出受付期間内にて18回目の大当り判定が行われると、その結果として大当りが得られ、該大当りに応じた図柄変動が行われる。したがって、例えば、いま、図166(c)に示される15回目の図柄変動が行われている期間中にあって、保留状態にある第二特別図柄側の大当り判定が3つ存在しているとすると(16〜18回目の図柄変動に対応する大当り判定が保留状態にあるとすると)、18回目の図柄変動に対応する大当り判定に対して評価された「4」の先読み判定が最も高い期待度であるから、操作促進表示は、「4」の評価に応じた表示態様(青色、赤色、若しくは金色)として表示されることとなる。
そして、このような「4」の評価に応じた表示態様(青色、赤色、若しくは金色)は、操作演出受付期間内で所定の操作手段に対する操作が受け付けられるか、タイミングt13が到来するかによって操作演出受付期間が終了されるまで継続されることとなるが、操作促進表示の表示態様としていずれかの色のみが継続して現れるようなことがあると、図166(a)に示した上述の例の場合と比較して、大当りが得られた状態にあることが実質的に露になってしまう。したがって、図166(c)に示される例においてもこのような遊技状況が生じた場合には、ブロック間インターバル期間における上述の制御例の場合と同様、最短では0.6秒間隔で操作促進表示の表示態様を変化させうる制御が行われるようにすることが望ましい。また、こうして操作促進表示の表示態様(色)が変化されるなかでは、図166(a)に示した例の場合よりも、赤色や金色の出現確率が高くされるように制御することが、大当りが得られている可能性が相対的に高い状況にあることを把握可能とし、所定の操作手段に対する操作によって操作演出を出現させることを強く促すことができるようにする上でより望ましい。
このように、図166(c)に示される例においては、タイミングt12で発生した操作演出受付期間内で所定の操作手段に対する操作が受け付けられた場合、該操作の受け付けられたタイミング次第で、
a.該操作が受け付けられた時点で図柄が変動状態にある第二特別図柄側の大当り判定、または保留状態にある第二特別図柄側の大当り判定のいずれにも大当りが得られていない旨判断され、該判断に基づいて、相対的に高期待度が選択され難く低期待度が選択され易い態様で3段階(高、中、低)の期待度のいずれかを選択してその期待度が示されるように操作演出を出現させる制御が行われる状況、及び
b.該操作が受け付けられた時点で図柄が変動状態にある第二特別図柄側の大当り判定、または保留状態にある第二特別図柄側の大当り判定のなかに大当りが得られている旨判断され、該判断に基づいて、相対的に高期待度が選択され易く低期待度が選択され難い態様で3段階(高、中、低)の期待度のいずれかを選択してその期待度が示されるように操作演出を出現させる制御が行われる状況
のいずれの状況も生じうるようになっている。
そして、図166(c)に示される例においても、操作演出受付期間は、所定の操作手段に対する操作が受け付けられた時点で終了される。そしてこの後、図166(c)に示される例では、上述の状況a、bのいずれの状況が現れた場合であっても上乗せチャレンジ演出において成功演出が現れることとなり、タイミングt22において18回目の図柄変動(大当り変動)が消化し終わることとなる。なお、こうして18回目の図柄変動(大当り変動)が消化し終わると、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間が終了されて、該大当りが特定種別(若しくは、16R確変大当りA)であれば新たなラウンド遊技(遊技ブロック)がさらに実行されることとなる。そして、ラウンド遊技(遊技ブロック)が消化される都度、連続して実行されているラウンド遊技(遊技ブロック)の数を積み上げていく演出内容が進展されるようになる。
これに対し、操作演出受付期間が発生してから第2時間が経過したタイミングt13まで所定の操作手段に対する操作がなかった場合、周辺制御MPU4140aは、成功演出が現れる期待度が示される操作演出を行わないままで、当該操作演出受付期間と、所定の操作手段に対する操作を促す操作促進表示とをそれぞれ終了させる。ただし、この場合であっても、タイミングt13が経過した後、上乗せチャレンジ演出においては成功演出が現れることとなり、タイミングt22において18回目の図柄変動(大当り変動)が消化し終わることとなる。
他方、操作演出受付期間が発生してから第2時間が経過したタイミングt13が到来した後に大当りが得られるような場合も生じうる。
例えば、図166(d)に示されるように、いま、タイミングt11において、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間が発生した後、第二特別図柄側の大当り判定の保留状態が維持されており(遊技者による右打ちが維持されており)、且つ30回目の大当り判定(30回目の図柄変動)で大当りが得られたとする。ただし、このような場合であっても、29回にわたるハズレ変動が順次実行されるなかで、第2変動パターン設定処理内にて参照される変動パターンテーブルが第1の変動パターンテーブルT1、第2の変動パターンテーブルT2、第3の変動パターンテーブルT3、第4の変動パターンテーブルT4、第5の変動パターンテーブルT5、及び第6の変動パターンテーブルT6と順次変更されていった後、30回目の大当り変動にてその変動時間が第6の変動パターンテーブルT6から参照されることで(図164(f)を参照)、上乗せチャレンジ演出の実行時間として、図166(a)に示した例の場合と同じ、若しくは近似した時間(ここでは、20.4秒)を採用することができるようになる。
この図166(d)に示される例においても、周辺制御MPU4140aは、図166(a)〜(c)の場合と同様、タイミングt11において上乗せチャレンジ演出が開始されてから第1時間が経過したタイミングt12で操作演出受付期間を発生させ、所定の操作手段に対する操作を促す操作促進表示を液晶表示装置1900において出現させることとなる。
そして、図166(d)に示される例でも、図166(a),(c)に示される場合と同様、こうして操作演出受付期間が発生した段階において、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間が終了した後の遊技内容(新たな遊技ブロック(新たなラウンド遊技)が現れるか否か)と、演出に要する時間とがそれぞれ未定の状態とされている。
したがって、周辺制御MPU4140aは、図166(a),(c)に示される場合と同様、タイミングt12で発生した操作演出受付期間においては、保留状態が解除されて図柄が変動状態にある第二特別図柄側の大当り判定、または保留状態にある第二特別図柄側の大当り判定のうち、先読み判定にて期待度が最も高いと判定された大当り判定を対象とし、該大当り判定についての期待度を、液晶表示装置1900において表示される操作促進表示の表示態様(色など)の変化によって示されるように制御することとなる。
そして、図166(d)に示される例では、図166(a)に示される例の場合と同様、操作演出受付期間が発生してから第2時間が経過したタイミングt13が到来するまでの間に大当りが得られることはない。したがって、図166(d)に示される例では、操作演出受付期間において所定の操作手段に対する操作が受け付けられると、基本的には、該操作が受け付けられた時点で図柄が変動状態にある第二特別図柄側の大当り判定、または保留状態にある第二特別図柄側の大当り判定のいずれにも大当りが得られていない旨判断され、該判断に基づいて、相対的に高期待度が選択され難く低期待度が選択され易い態様で3段階(高、中、低)の期待度のいずれかを選択してその期待度が示されるように操作演出を出現させる制御が行われることとなる。
ただし、このような例であっても、例えば、いま、図166(d)に示される26回目の図柄変動が行われている期間中にあって、保留状態にある第二特別図柄側の大当り判定が4つ存在している場合や、図166(d)に示される27回目の図柄変動が行われている期間中にあって、保留状態にある第二特別図柄側の大当り判定が3つ以上存在している場合は、30回目の図柄変動に対応する大当り判定に対して評価された「4」の先読み判定が最も高い期待度であるから、タイミングt13が到来するまでに短い時間しか残されていないものの、操作促進表示は、「4」の評価に応じた表示態様(青色、赤色、若しくは金色)として表示されることとなる。
そしてこの場合、タイミングt13が到来するまでの間に遊技者が惑うことなく操作手段を操作した場合には、操作演出受付期間が終了した後に行われる大当り判定を対象として、保留状態にある第二特別図柄側の大当り判定のなかに大当りが得られている旨判断され、該判断に基づいて、相対的に高期待度が選択され易く低期待度が選択され難い態様で3段階(高、中、低)の期待度のいずれかを選択してその期待度が示されるように操作演出を出現させる制御が行われる状況を発生させることができるようになる。
なお、図166(d)に示される例においても、操作演出受付期間は、所定の操作手段に対する操作が受け付けられたときか、タイミングt13が到来した時点で終了される。そしてこの後、図166(d)に示される例では、30回目の大当り判定が行われると、その結果として大当りが得られ、該大当りに応じた図柄変動(30回目の図柄変動)が行われる。
すなわち、図166(d)に示される例では、こうして開始される30回目の図柄変動内で、上乗せチャレンジ演出において成功演出が現れることとなり、タイミングt23において30回目の図柄変動(大当り変動)が消化し終わることとなる。なお、こうして30回目の図柄変動(大当り変動)が消化し終わると、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間が終了されて、該大当りが特定種別(若しくは、16R確変大当りA)であれば新たなラウンド遊技(遊技ブロック)がさらに実行されることとなる。そして、ラウンド遊技(遊技ブロック)が消化される都度、連続して実行されているラウンド遊技(遊技ブロック)の数を積み上げていく演出内容が進展されるようになる。
このように、図166に示した演出例によれば、以下の作用効果を得ることが期待されるようになる。
すなわち、図166に示した演出例によれば、まず、いずれの図柄変動を演出の対象とするのかを未決定としたままで所定の操作手段に対する操作(例えば、上皿演出ボタン257に対する押圧操作や、タッチパネル246に対するタッチ操作など)を所定時間(第2時間)にわたって受け付ける操作演出受付期間を発生させる。そしてこの上で、こうした操作演出受付期間が発生している状況で複数回の図柄変動が順次消化されていくなかで所定の操作手段に対する操作が受け付けられた時点で未だ消化し終わっていない状態にある図柄変動についての期待度が示される演出を出現させうることとした。
このように、操作演出受付期間を発生させるときではなく、所定の操作手段に対する操作があったときに演出対象を決定して演出を実行するようにしたことで、演出対象を決定してから演出が実行されるまでに要する時間が大幅に減少されるようになり、操作演出受付期間の有効期間よりも短い短縮変動が行われる状況においても所定の操作手段を用いた演出を好適に実行することができるようになる。
また、図166に示した演出例によれば、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間において行われる上乗せチャレンジ演出を、所定の操作手段を利用した一の特定演出として位置付けした場合、該一の特定演出が行われる時間(ここでは、特殊制御によって収束される特定の時間幅内のうちの最短時間である18秒)よりも短い図柄変動が実行される状況にあるにもかかわらず所定の操作手段を利用した一の特定演出を開始させるとともに、該図柄変動が終了した後に所定の操作手段に対する操作が受け付けられた場合であっても次の図柄変動以降の図柄変動についての演出を出現させる制御を実行可能としている。
より具体的には、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4140aは、まず、操作演出受付期間が発生した時点で保留の状態にされていた大当り判定が全て消化された以降も、該操作演出受付期間を継続させうる。そして、こうして継続される操作演出受付期間において所定の操作手段に対する操作があったとき、操作演出受付期間が発生した時点では未だ取得すらされていなかった乱数(ここでは、第二特別乱数)に応じた大当り判定が該操作があった時点で保留の状態にされているか、または該操作があった時点で実行条件が成立済みで図柄変動が行われている状態にある場合であっても、該保留の状態にされている大当り判定、または実行条件が成立済みで図柄変動が行われている状態にある大当り判定についての期待度が示される演出を出現させることとしている。したがって、いわゆる短縮変動によってテンポよく遊技が進行可能とされる状況においても、所定の操作手段を利用した一の特定演出を好適に実現することができるようになり、遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
また、図166に示した演出例によれば、所定の操作手段に対する操作を受け付ける操作演出受付期間が発生した以降、時間の経過とともに保留状態にある大当り判定が別の大当り判定に順次入れ替わっていくなかで、所定の操作手段に対する操作があった時点で保留状態にある判定処理を対象とした演出が実行されるようになる。すなわちこの場合、所定の操作手段に対する操作が行われるタイミングによって演出対象これ自体が変化することから、特定のタイミングで操作演出受付期間が発生した場合であっても、遊技者側の操作のタイミング次第で特別の結果が得られるか否かについての演出期待度これ自体が根本的に180度変化するような斬新な演出を実現することができるようになる。
また、図166に示した演出例によれば、相対的に高い演出期待度であることが示される高期待受付表示(例えば、赤色の操作促進表示)が現れた場合、該高期待受付表示が現れている間に所定の操作手段を操作するのか、それとも所定の操作手段を操作せず、残された操作演出受付期間が経過するよりも前にさらに期待度の高そうな演出(例えば、金色の操作促進表示)が現れることを期待してそれを待つのか、といった葛藤を遊技者に与えて、遊技者次第で演出が生み出されていく状況が現れるようになる。
すなわちこの場合、所定の操作手段を操作するよりも前に当りが得られたり、所定の操作手段を操作せずに残された操作演出受付期間が経過(タイミングt13が到来)してしまうと、所定の操作手段を操作する機会これ自体が喪失されることとなることから、こうした演出の終了条件と演出期待度との兼ね合いから所定の操作手段をいずれのタイミングで操作するのか(妥協してでも所定の操作手段を操作するのか)、といった演出を提供することができるようになる。
なお、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図166に示されるように、操作手段に対する操作がなかった場合、こうして高期待受付表示(例えば、赤色の操作促進表示)の対象となった判定処理に応じた図柄変動が停止された以降も、操作演出受付期間は終了されずに継続されるようになっている。ただし、高期待受付表示については、その対象となった判定処理に応じた図柄変動が停止されるよりも前に非表示(ここでは、異なる色(青色など)を出現)にするようにすることが望ましい。
また、先読み判定の結果として「1」が得られた場合には、先読み判定にかかる演出を行わないようにしてもよい。なおこの場合、操作促進表示として「青色」をデフォルトの色として設定しておくようにしてもよい。
図166に示した演出例において、操作演出受付期間は、一の特定演出(ここでは、上乗せチャレンジ演出)が開始されてから一定の時間(ここでは、第1時間)が経過したときに発生し、該発生から一定の時間(第2時間)が経過したときに終了されることが求められるものである。この点、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間は、いずれの図柄変動で大当りになったか、若しくは大当りが得られなかったかにかかわらず特定の時間幅内に収束されることから、当該期間において複数の図柄変動にわたって一の特定演出(ここでは、上乗せチャレンジ演出)が行われるなかでも、上述の制御要求が求められる上記操作演出受付期間を好適に発生させることができるようになる。
ただし、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間内であっても、特定種別ではない大当り(16R確変大当りA,2R確変大当り、2R通常大当り)が得られた場合には、特定の時間幅内に収束されるといった作用効果は奏されない。したがって、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間内において、特定種別ではない大当り(16R確変大当りA,2R確変大当り、2R通常大当り)が得られた場合は、その時点で、該得られた種別の大当りに応じた演出(コンプリートボーナス演出、有利終了演出)に切り替えてこれを実行するようにすることが望ましい。
なおこの場合、操作演出受付期間において特定種別ではない大当りが得られ、該大当りに応じた図柄変動が行われるときは、所定の操作手段に対する操作がなされていない状況下にあってもタイミングt13が到来する前の段階で、当該操作演出受付期間と、所定の操作手段に対する操作を促す操作促進表示とをそれぞれ終了させることとなる。このような構成によれば、操作演出受付期間の終了条件が増加するようになることから、演出の終了条件と演出期待度との兼ね合いから所定の操作手段をいずれのタイミングで操作するのか(妥協してでも所定の操作手段を操作するのか)、といった上述の演出をより好適に提供することができるようになる。
また、第2変動パターン設定処理内で第1の変動パターンテーブルT1や第2の変動パターンテーブルT2が参照される状況にあるとき、所定の操作手段に対する操作を受け付ける操作演出受付期間は、第二始動口2102側の特定種別の大当りが得られたときの大当り変動よりも短く、且つハズレ変動よりも長い時間として設定されている。したがって、いわゆる短縮変動によってテンポよく遊技が進行可能とされる状況において、大当りが得られた場合であっても、所定の操作手段を利用した複数回の図柄変動にわたる一の特定演出を好適に実現することができるようになり、遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
なお、図166に示した演出例では、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる状況においても、ブロック間インターバル期間における上乗せチャレンジ演出の場合と同様、タイミングt11において上乗せチャレンジ演出が開始されてから第1時間が経過したタイミングで操作演出受付期間を発生させ、所定の操作手段に対する操作を促す操作促進表示を液晶表示装置1900において出現させることとした。ただし、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間においては、保留状態にある大当り判定が存在しておらず、図柄変動が何ら行われていない状況も生じうる。したがって、タイミングt11において上乗せチャレンジ演出が開始されてから第1時間が経過した以降、図柄変動が行われていることを条件に操作演出受付期間を発生させる制御を行うか、タイミングt11において上乗せチャレンジ演出が開始されてから第1時間が経過した時点で保留状態にある大当り判定が存在しておらず、図柄変動が何ら行われていない状況にある場合には、操作演出受付期間を発生させないように制御することが望ましい。
また、操作演出受付期間の発生タイミングとしては、図柄変動の開始時や、始動入賞時などの他のタイミングを契機としたものであってもよい。
また、図166に示した演出例では、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる状況において、ブロック間インターバル期間にあるときに現れる上乗せチャレンジ演出を出現させることとしたが、上述の各作用効果を得る上では該上乗せチャレンジ演出を必ずしも行わなくてもよく、該上乗せチャレンジ演出とは異なる一の特定演出を行うようにしてもよい。例えば、このような場合であっても、複数回の図柄変動が順次消化されていくなかで所定の操作手段に対する操作が受け付けられた時点で未だ消化し終わっていない状態にある図柄変動についての期待度が示される演出を出現させることや、いわゆる短縮変動によってテンポよく遊技が進行可能とされる状況において、所定の操作手段を利用した一の特定演出を好適に実現することや、遊技者側の操作のタイミング次第で特別の結果が得られるか否かについての演出期待度これ自体が根本的に180度変化するような斬新な演出を実現することや、演出の終了条件と演出期待度との兼ね合いから所定の操作手段をいずれのタイミングで操作するのか(妥協してでも所定の操作手段を操作するのか)、といった演出を提供することは可能である。
なお、30回分の大当り判定に基づく結果を一の特定演出として実現することができることに鑑みれば、1回分の図柄変動内で現れる演出よりも30倍の期待度を持たせることができるようになることから、例えば、高期待のリーチ演出などで現れる演出として実行するようにしてもよいし、他の演出では現れない専用の高期待演出として実行するようにしてもよい。ただしこの場合、特殊制御が行われる期間と高期待のリーチ演出との両方で、遊技者による右打ちが維持されるように促す共通(特定)の演出を実行することが重要である。
また、操作演出受付期間において所定の操作手段に対する操作があったことに基づいて行われる操作演出では、3段階(高、中、低)の期待度が示されることとしたが、該3段階(高、中、低)の期待度の1つ、若しくはこれとは別に、大当りが得られることが確定的に示される期待度(100%)が示されうるようにしてもよい。
また、図166に示した演出例では、タイミングt11から行われる30回の大当り判定の全てに対して先読み判定を行うようにしたが、一部の大当り判定に対してのみ先読み判定を行うようにしてもよい。例えば、先読み判定においては、まず、先読み演出(青色、赤色、金色の表示態様の変更)を行うか否かを判断することとし、該判断にて先読み演出を行う旨判断した場合は先読み演出を出現させる。そしてこれ以降は、該先読み演出の対象とされた大当り判定が消化されるか、該大当り判定に応じた図柄変動が消化し終わるまでの間は新たな先読み演出を行わないようにしても、所望の作用効果を期待することはできる。
ちなみに、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、時短状態(高確率時短状態など)にあるときの第二始動口2102への遊技球の受け入れ確率についての飛躍的な向上を図るべく、この第二始動口2102を、遊技領域5aのうちのセンター役物2500の右側となる領域に配設するようにしている。そしてこの上で、図112及び図141に示されるように、遊技領域5aのうちのセンター役物2500の右側となる領域に遊技球が連続して打ち込まれたときには、それらの遊技球の全てが、互いの発射間隔(0.6秒)を維持しながら流下するように樹脂成型された案内通路部材2142を通って第二ユニット2120へと順次に導かれる流下構造を採用することとしている(連続受入促進手段)。
すなわち、この実施の形態にかかる第二ユニット2120は、当該ユニット2120内におけるゲート部2105を通過した遊技球が、その通過に応じた上記可動片2106の可動によって入賞可能とされる第二始動口2102に、当該ユニット2120内にて一体形成された第一通路2122a及び凹部2121b(ゲート部2105から第二始動口2102までの通路)を通って入賞可能とされるように、以下の特徴を有したものとなっている。
まず、ゲートセンサ2126によりゲート部2105を遊技球が通過したことが検出されると、主制御基板4100(図143参照)が、この検出があった旨の情報に基づいて普通乱数を取得するとともに、こうして取得された普通乱数に基づいて普通当たりが得られたかについての判定(普通判定)を行う。また、主制御基板4100(図143参照)は、普通判定の結果に基づいて、普通図柄表示器1189において普通図柄を所定時間だけ変動表示させる。そしてこの結果、普通判定にて普通当たりが得られている旨判定された場合(普通図柄を所定時間だけ変動表示した結果、特定の停止表示態様が現れた場合)、主制御基板4100(図143参照)は、可動片2106を開状態になるように制御する。
この点、第二ユニット2120内にて所定長さをもった案内通路は、当該ユニット2120内にて一体形成された構造によって、ゲート部2105を通過した遊技球を、ほぼ一律の時間だけ要して、第二始動口2102に受け入れ可能とする領域(可動片2106の可動領域)へと必ず案内するものとなっている。これに対し、時短状態(いわゆる開放延長機能が作動する遊技状態)においては、ゲート部2105を通過した遊技球が第二始動口2102にたどり着くまでの間(ほぼ一律の時間が経過する間)に、主制御基板4100(図143参照)が、上述の普通判定、普通図柄の変動表示、及び可動片2106を開状態とする駆動制御などを実行することで、普通当りが得られるようにゲート部2105を通過した遊技球これ自体が第二始動口2102(図112参照)に受け入れ可能とされるようにしている。
ちなみに、この実施の形態にかかるパチンコ機1(主制御基板4100)では、時短状態においては、普通図柄の変動時間は常に「0.08秒」となっており、普通図柄の図柄が確定表示されてから可動片2106が開状態とされるまでの時間が「0.008秒」となっており、可動片2106が開状態にて維持される時間が「5.5秒」となっており、可動片2106が開状態から閉状態にされてから次回の普通図柄の変動開始(ゲートセンサ2126による遊技球の検出)が許容されるまでの時間(インターバル時間)が「0.05秒」となっている。
これに対し、この実施の形態にかかる第二ユニット2120は、ゲート部2105(普通図柄)を遊技球が通過(変動開始)してから可動片2106が開状態とされるまでの時間「0.088秒」分(若しくは、若干の余裕時間(例えば「12ms」)が加算された時間「0.1秒」)だけを要して第二始動口2102にたどり着くようになっている。より具体的には、ゲート部2105を通過した遊技球を後方へ湾曲状に窪んだ凹部2121b(案内経路)によって蛇行(距離を稼ぎつつ減速)させてから可動片2106の可動領域に到達させるようにすることで、当該ユニット2120としての小型化を図りながら、こうした時間を確保するようにしている。
これにより、時短状態にあるときの普通抽選にて当りが得られた場合は、ゲート部2105の通過によって当該当りが得られる起因となった遊技球これ自体が、上記第二ユニット2120内における案内経路(第一通路2122a、凹部2121b)を通って、上記可動片2106により開状態とされている可動領域から第二始動口2102へと受け入れられるようになる。そして、こうした開状態が「5.5秒」という長い時間だけ継続されるようになっていることから、遊技領域5aのうちのセンター役物2500の右側となる領域に遊技球が0.6秒間隔で打ち出されると(1分間に100個の遊技球が一定の間隔で順次打ち出されると)、それらの遊技球は、案内通路部材2142や第二ユニット2120を介して、第二始動口2102にその発射間隔(0.6秒間隔)のままで次々と受け入れられうるようになる。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間において第二特別図柄側の大当り判定の保留状態を維持することは所期の作用効果を得る上で重要である。したがって、時短状態にあるときのハズレ変動に要する時間とハズレ図柄の停止に要する時間とについては、それらの合計時間が0.6秒を超えるような関係となるようにそれぞれ設定するようにして、右打ちが維持されれば第二始動口2102側の大当り判定の保留数を増加させることができるようにすることが望ましい。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、第二特別図柄側の抽選にて小当りが当選されうるようにしたが、この小当りについては、第一特別図柄と第二特別図柄とのいずれにおいても当選されるようにしてもよいし、されないようにしてもよい。
上記実施形態では、小当りが得られた場合、小当り遊技状態が終了するときに特殊制御フラグがセットされるようにすることで、該小当り遊技状態が終了されてから特別図柄が所定数行われるまでの期間(特殊制御フラグがリセットされるまでの期間)で主制御MPU4100aによる特殊制御が行われるようにした。ただし、小当りが得られた場合も、図柄乱数に基づいて小当りの種別を判定し、特定の種別であるときに限り特殊制御フラグがセットされるようにし、ひいては該小当り遊技状態が終了されてから特別図柄が所定数行われるまでの期間(特殊制御フラグがリセットされるまでの期間)で主制御MPU4100aによる特殊制御が行われるようにしてもよい。このような構成によれば、上述のラウンド積上演出の継続率に寄与する小当りが得られた場合、当該ラウンド積上演出を継続させることができるか否かといった遊技性をさらに提供することができるようになることから、遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
また、上記実施形態では、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間においては、いずれの変動回数でハズレが得られた場合であっても、特定の時間値(0.1秒)が選択されるようにした。ただしこの場合、特殊制御が行われる期間のうちの最後のハズレ変動(30回目のハズレ変動)においても0.1秒といった極めて短い時間しか選択されないことから、上乗せチャレンジ演出において失敗演出を行うときに何らかの画像を表示することは困難とされてしまう。
そこで、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間のうちの最後の変動時に参照される専用の変動パターンテーブルを用意するとともに、該変動パターンテーブルT7においては、ハズレに対して特定の時間値(0.1秒)よりも長い時間値(例えば、大当りと同じ時間(3秒))を対応付けしておくことで、最後のハズレ変動が行われる期間内において、上乗せチャレンジ演出において失敗演出を行うときに何らかの画像を表示可能とするようにしてもよい。
ただし、このような制御を実現する場合であっても、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間についてはこれを特定の時間幅内に収束させるようにすることが望ましい。例えば、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間を、26回目のハズレ変動が消化されるまでの期間に設定変更したとすると、図164に示した変動パターンテーブルT6が、最後の変動時(26回目の変動時)にのみ参照される専用の変動パターンテーブルとして機能することとなる。そして、この変動パターンテーブルT6において、ハズレに対して0.1秒ではなく3秒の変動時間となるように設定変更するだけで、第二特別図柄の変動が途切れることなく所定数(ここでは、26回)消化されるまでの間に少なくとも特定種別の大当りが得られたときには、いずれの図柄変動で大当りが得られたとしても、上記ブロック間インターバル期間(例えば、18秒)に近付けた特定の時間幅内(ここでは、18秒〜20.4秒)に収束させることができるようになる。また、第二特別図柄のハズレ変動が途切れることなく所定数(ここでは、26回)消化された場合も、上記ブロック間インターバル期間(例えば、18秒)と同じ18秒の時間を要するようにすることができるようになる。またさらに、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間を、26回目のハズレ変動が消化されるまでの期間に設定変更した場合であっても、該期間中に大当りが得られる確率は50%を超えることから、時短状態(高確率時短状態)に制御されている期間のうちの「演出内容を進展させることができるか」といった興味を引き付けている期間において大当りが得られることが多くなり、時短状態におけるダレを防止してメリハリのある遊技を提供することができるようになる。
また、上記実施形態では、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間において全ての大当り判定でハズレが得られた場合、収束される特定の時間幅(18秒〜20.4秒)のうちの下限の時間で当該期間が終了されるようにした。すなわちこの場合、収束される特定の時間幅のうちの上限の時間(20.4秒)に対して2.4秒(20.4秒−18秒)の余裕が持たされるようになることから、当該期間内において図柄変動が途切れたとしてもこれが2.4秒以内であれば、特定の時間幅(18秒〜20.4秒)内で当該期間を終了させることは可能である。したがって、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間においては、図柄変動が途切れた時間を監視(判断)し、これが2.4秒以内であれば、当該期間に制御されたときに開始された一の特定演出(上乗せチャレンジ演出)を続行するようにすることが望ましい。これに対し、図柄変動が途切れた時間が2.4秒を上回ったときには、当該期間に制御されたときに開始された一の特定演出(上乗せチャレンジ演出)を終了して予め定められた演出を出現させ、該演出が現れているなかで残りの回数分の特別図柄の変動を消化させるようにすることが望ましい。
また、第二特別図柄側(さらには、第一特別図柄側)の大当り判定の保留状態が維持されなくなった場合であっても、該保留状態が維持されない時間の長さにかかわらず、主制御MPU4100aによる上述の特殊制御、及び上乗せチャレンジ演出の実行にかかる制御との少なくとも一方を終了させずにこれらを維持するようにしてもよい。すなわちこの場合、上記操作演出受付期間は、大当り判定(第一特別図柄、第二特別図柄)が保留状態にされておらず且つ特別図柄が変動状態にない状況においても終了されずに継続されることとなる。そして、このような状態において、所定の操作手段に対する操作が受け付けられた場合に予め定められた演出を行うようにすれば、時短状態にあるにもかかわらず始動口への入賞率が悪いような場合(特別図柄が保留状態にされておらず且つ特別図柄が変動状態にない状態)であっても、遊技興趣の維持を図ることができるようになる。なお、予め定められた演出としては、専用の演出のほか、第二特別図柄側の大当り判定の保留状態が維持されているときの操作演出として現れうる演出内容(例えば、3段階(高、中、低)の期待度のうちの最も期待度の低い演出)であってもよい。
ただし、遊技者によっては、大当り判定(第一特別図柄、第二特別図柄)が保留状態にされておらず且つ特別図柄が変動状態にない状況にあることを認識しうる場合があり、この場合、該状況にあるときに所定の操作手段に対する操作を行って操作演出を出現させるようなことを望まないことも考えられうる。したがって、上記操作演出受付期間については、大当り判定(第一特別図柄、第二特別図柄)が保留状態にされておらず且つ特別図柄が変動状態にない状況においてこれが中途で終了されないように制御することが望ましい。このような制御としては、例えば、大当り判定(第一特別図柄、第二特別図柄)が保留状態にされておらず且つ特別図柄が変動状態にない状況においては、操作演出受付期間が発生してからの経過時間を計時するタイマを止めておくようにすることで実現することは可能である。
また、上記実施形態では、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間において全ての大当り判定でハズレが得られた場合、最後のハズレ変動が消化されるまでに要する時間が上記収束される特定の時間幅内となるようにしたが、最後のハズレ変動が消化されるまでに要する時間についてはこれを必ずしも特定の時間幅内となるようにしなくてもよい。このような場合であっても、主制御MPU4100aによる特殊制御が行われる期間内において特定種別の大当りが得られたときは、ブロック間インターバル期間内にて上乗せチャレンジ演出が行われ、該上乗せチャレンジ演出にて成功演出が出現したかのように見せることは可能である。
また、液晶表示装置1900にて表示される各種の演出や表示画像については、液晶表示装置1900ではなく、上皿液晶表示装置244にて表示するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、第二始動口2102側の特定種別の大当り(16R確変大当りB、12R確変大当り、8R確変大当り、4R確変大当り)に基づく大当り遊技状態が終了(特殊制御フラグがセット)されたときと、第二始動口2102側の小当りに基づく小当り遊技状態が終了(特殊制御フラグがセット)されたときとのいずれかが満たされたときに上述の特殊制御を行うこととした。ただし、上述の特殊制御については、第二始動口2102側の特定種別の大当り(16R確変大当りB、12R確変大当り、8R確変大当り、4R確変大当り)に基づく大当り遊技状態が終了されたときに限り行うようにしてもよいし、第二始動口2102側の小当りに基づく小当り遊技状態が終了されたときに限り行うようにしてもよい。
また、大当り遊技内におけるブロック間インターバル期間として設定される時間については、一定でなくてもよく、複数の比較的長い時間(例えば、後述の時短状態にあるときの上乗せチャレンジ演出に要する時間と合わせて、18秒、18.6秒、19.2秒、19.8秒、20.4秒など)のいずれかが設定されるものであってもよい。ただしこの場合、例えば、16R確変大当りBとして割り当てられている図柄乱数をさらに複数の種別(例えば、5個)に分類し、それらのいずれの種別が得られたかに応じて定められている長さをもったブロック間インターバル期間を出現させることとなる。このような構成によれば、ブロック間インターバル期間として設定されている長さが異なっており、それ以外は同じ制御が行われる複数の16R確変大当りBが用意されることとなるが、このような複数の16R確変大当りBを用意した場合は、時短状態にあるときの上乗せチャレンジ演出との区別をより一層付き難くすることができるようになる点で有益である。
上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。
1 パチンコ機
2 外枠
3 扉枠
4 本体枠
5 遊技盤
5a 遊技領域
1900 液晶表示装置
2101 第一始動口
2102 第二始動口
2105 ゲート部
4100a 主制御MPU
4140a 周辺制御MPU

Claims (1)

  1. 遊技者によって操作可能な操作手段と、
    始動条件の成立に基づいて判定を行う判定手段と、
    前記判定手段による判定の結果に基づいて図柄変動を行う図柄変動手段と、
    前記図柄変動手段による図柄変動で特別の図柄態様が現れたとき、遊技者に有利な制御を行う有利遊技制御手段と、
    前記判定手段による判定を所定の保留上限数まで保留可能な保留手段と、
    所定の演出状態において、前記保留の状態とされている複数の図柄変動が順次消化されるときにそれら図柄変動のいずれにおいても前記操作手段に対する操作受付が許容可能とされるなかで、該操作受付がなされると、該操作受付がなされたときに保留の状態にある図柄変動または実行状態にある図柄変動で前記特別の図柄態様が現れる期待度を示唆する特定操作演出を発生させうる特定操作演出制御手段と
    を備え、
    前記保留の状態とされている複数の図柄変動が順次消化されるなかでは、図柄変動が新たに消化されるときに判定される結果に応じた演出態様が、図柄変動毎に、前記操作手段に対する操作受付が許容されている期間中に表示可能とされており、
    前記演出態様として第1の演出態様が現れている状態で前記特定操作演出に関する操作受付がなされた場合と該第1の演出態様とは異なる第2の演出態様が現れている状態で前記特定操作演出に関する操作受付がなされた場合とでは、前記特別の図柄態様が現れる期待度が相対的に高いことを示唆する高期待演出態様が前記特定操作演出として現れる割合が異なる
    ことを特徴とする遊技機。
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