JP4527823B2 - 望遠レンズ及びそれを用いた撮像装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画角が10゜乃至20゜程度、Fナンバーが2.8程度と明るく、撮像管や固体撮像素子等を用いたいわゆる電子カメラやビデオカメラ等に最適な、バックフォーカスが長く小型な望遠レンズ及び望遠レンズを用いた撮像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、撮像管や固体撮像素子等を用いたいわゆる電子カメラやビデオカメラ等では、レンズと撮像面との間にローパスフィルターや赤外カットフィルター等の光学部材を挿入する必要から、レンズには焦点距離に比較して長いバックフォーカスが必要となる。
【0003】
とりわけカラー画像の画質を向上させる目的で、RGB3色を複数の撮像素子で撮影するために、いわゆる色分解光学系を用いる撮像装置や、撮影光学系から光路を分岐し、接眼光学系を介して像を観察する光学ファインダー若しくは接眼光学系を有する撮像装置では、上記光学部材の他に、光路分割のためのミラーやプリズム等の光学部材を挿入する必要があり、さらに長いバックフォーカスを必要とする。
【0004】
このため、銀塩フィルム用途の撮影レンズでは、物体側から正・負のパワー配置であるいわゆる望遠タイプを用いることが一般的である、画角が10゜乃至20゜程度の撮影レンズでも、全長をコンパクトに保ちつつ、バックフォーカスを長くするパワー配分が重要となる。
【0005】
このような撮像素子を用いた撮像装置を想定した望遠レンズとして、例えば特開昭61−188511号や特開昭61−200512号に記載されているレンズ系が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年の製造技術の発展により、電子カメラやビデオカメラに用いられる撮像素子は、撮像管から固体撮像素子へと主力を移し、また、固体撮像素子もその大きさに比較してピクセル数の非常に多い素子が利用できるようになってきた。
【0007】
そのため、従来は銀塩カメラと比較して画質が劣る等の理由で用いられていなかった印刷向けとしても利用できるようになってきた。しかし、これらの用途に用いる撮像素子には、ハイビジョン等の高精細テレビの規格に対しても、同等若しくはさらに多くのピクセル数が必要であり、近年の製造技術をもってしても小型の撮像素子を製造することは困難である。そのため、各ピクセルの大きさは変えずに、全体の大きさを大きくすることにより、多くのピクセルを配列した撮像素子及びそれを用いた電子カメラが開発されている。
【0008】
ところが、大きな撮像素子では、同じ面積のウェハーから製造できる撮像素子の数が少なくなり、製造原価が高くなる問題があるため、配列するピクセルの大きさを小さくし、小型の撮像素子で多くのピクセルを配列した撮像素子を開発することによって、小型化と低コスト化を同時に達成しようとする強い要求がある。
【0009】
しかし、配列するピクセルの大きさを小さくすることは、いわゆるナイキスト周波数が高くなるため、撮影レンズに要求される光学性能は極めて高くなる。
【0010】
ところで、高画質な映像になる程色再現や色モアレ等の色に関する問題が顕著になるため、一枚の撮像素子の上に色フィルターをモザイク状やストライプ状等に配列した撮像素子を用いるいわゆる単板式カメラよりも、RGB三原色を三枚の撮像素子で撮影するいわゆる三板式カメラに代表される多板式カメラが望まれる傾向にある。
【0011】
このような撮像装置では、撮影レンズと撮像素子の間に、いわゆる色分解光学系と呼ばれる光学素子を配置するが、光量に関して効率良く色分解を行うために、色を分ける機能として誘電体多層膜を設けたダイクロイックプリズムを用いることが一般的である。このダイクロイックプリズムは、入射する光の角度に応じ色分解の波長特性が変化するため、ダイクロイックプリズムに垂直に入射する画面中心と、通常は斜めに入射する画面周辺の差を少なくせしめることが重要であり、そのため、撮影レンズは、いわゆるテレセントリック光学系と呼ばれる射出瞳を無限遠にした光学系とする必要がある。
【0012】
一方、一枚の撮像素子の上に色フィルターをモザイク状やストライプ状等に配列した撮像素子を用いる場合においても、隣り合うフィルターを透過した光が一つの光電変換面に達すると、正確な色情報が得られなくなる。したがって、前記ダイクロイックプリズムを用いる場合程厳密ではないが、単板式においても、射出瞳位置はある程度以上に遠いことが好ましい。
【0013】
このように射出瞳を遠くするためには、レンズ系の像に近い箇所には正のパワーを配置し、絞りを斜めに横切り光線高を上げていった軸外光線を光軸方向に曲げ、光軸となす角度を小さくする必要がある。したがって、たとえ望遠レンズであっても、銀塩フィルム用途の撮影レンズのように、物体側から正、負のパワー配置をとることができず、レンズ系で必要とするパワーを、主に絞りより像側で確保することが必要となる。
【0014】
ところが、望遠レンズでF値を小さく、明るいレンズ系にしようとすると、マージナル光線高が高くなり、パワーの大きな絞りより像側のレンズ群で大きな球面収差や色収差が発生し、性能劣化を招く。
【0015】
したがって、高い光学性能、長いバックフォーカス、遠い射出瞳位置を満足する、明るく小型の望遠レンズを構成することは極めて困難になる。
【0016】
このような状況に鑑み従来技術を眺めると、特開昭61−188511号に記載されているレンズ系は、小型ではあるが、色分解光学系やファインダー、AF、AEのための光路分岐用部材等の各種光学部材を挿入し得る程長いバックフォーカスを持っておらず、また、レンズ系を射出する主光線の傾角も、ダイクロイックプリズムを用いるには角度が大きすぎ、画面中心と周辺で色分解の特性が異なり、いわゆる色シェーディングを招く恐れがある。また、特開昭61−200512号に記載されているレンズ系も、同様にバックフォーカスが十分な長さとは言えない。
【0017】
本発明は従来技術のこのような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、画角が10゜乃至20゜程度で、Fナンバーが2.8程度と明るく、レンズ系と撮像素子の間に、ローパスフィルターや赤外カットフィルター、さらに色分解光学系やファインダー、AF、AEのための光路分岐用部材等の各種光学部材を挿入し得る長いバックフォーカスを有し、また、色分解光学系や光電変換面の上部にマトリックス状の色フィルターを配置した撮像素子に適した射出瞳位置であり、小型で多くのピクセルを配列した撮像素子を用いた電子カメラやビデオカメラ等に最適な、極めて高い光学性能を有する、比較的小型な望遠レンズを提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の望遠レンズは、物体側から順に、少なくとも2枚の正レンズと少なくとも2枚の負レンズからなり、全体として負かつ条件(1)の範囲を満足するような弱い屈折力を有する第1レンズ群G1と、絞りと、物体側から順に、負レンズと正レンズの接合レンズと、それに続く少なくとも1枚の正レンズとを含むレンズ群からなり、全体として正の屈折力を有する第2レンズ群G2とからなり、以下の条件を満足することを特徴とするものである。
【0021】
(1) 0.1<fT /|f1 |<0.5
(2) −1.2<SF1P<−0.8
(3) 0.9<SF1N<1.3
(4) 0.5<SF2P<1.5
(5) 1.5<Dsb/Dsf<4.0
ただし、fT 、f1 はそれぞれレンズ全系及び第1レンズ群G1の焦点距離であり、SF1Pは第1レンズ群G1の最も物体側の正レンズのシェイピングファクター、SF1Nは第1レンズ群G1の最も物体側の負レンズのシェイピングファクター、SF2Pは第2レンズ群G2に配置された前記接合レンズより像側のレンズ群の中、最も物体側の正レンズのシェイピングファクター、Dsfは第1レンズ群G1と絞りの間隔、Dsbは絞りと第2レンズ群G2との間隔である。ここで、シェイピングファクターとは、対象となるレンズ要素の物体側、像側の曲率半径をそれぞれra 、rb とするとき、(ra +rb )/(ra −rb )で求められる値を指す。
【0022】
以下に本発明において上記の構成をとった理由と作用を詳細に説明する。
【0023】
ローパスフィルターや赤外カットフィルター、さらに色分解光学系やファインダー、AF、AEのための光路分岐用部材等の各種光学部材を挿入し得るために45mmよりも大きいバックフォーカスbkf を得る必要がある。また、前述のように、射出瞳位置を適度に遠くする必要がある。そのためには、レンズ全系で必要とするパワーを、主に絞りより像側で確保しなければならない。しかし、長いバックフォーカスが必要であるからといって、絞りより物体側を強い負のパワーとすると、絞りより物体側のレンズ群でマージナル光線が光軸から離れる方向に屈折せしめられ、絞りより像側のレンズ群へ入射する高さが高くなりすぎ、レンズ外径の大型化を招くと共に、発生する球面収差が補正しきれなくなる。
【0024】
そこで、絞りより物体側のレンズ群は、正、負によらず弱いパワーであることがよい。望ましくは、やや負のパワーを持たせることが、バックフォーカスを確保するためには効果的である。
【0025】
すなわち、本発明のレンズ系は、物体側から順に、第1レンズ群G1と、絞りと、第2レンズ群G2から構成し、第1レンズ群G1は負の屈折力を有し、かつ、下記条件式を満足することが望ましい。
【0026】
(1) 0.1<fT /|f1 |<0.5
ただし、fT 、f1 はそれぞれレンズ全系及び第1レンズ群G1の焦点距離である。
【0027】
第1レンズ群G1が負の屈折力を有し、かつ、条件式(1)の上限の0.5を越えて大きな値をとると、第1レンズ群G1の負のパワーが強くなりすぎ、前述のような不具合を生じる。第1レンズ群G1が負の屈折力を有し、かつ、下限の0.1を越えて小さな値をとると、第1レンズ群G1で保持する正パワーが強くなりすぎ、射出瞳を適度に遠くするために第2レンズ群G2で確保すべき正パワーと、バックフォーカス確保のためのパワー配分が両立しなくなる。
【0028】
負かつ上記条件式を満足するパワーを第1レンズ群G1に配分するとき、第1レンズ群G1は、入射する光線高の高いマージナル光線の光線高を低くし、射出する際には、比較的光軸とのなす角度の緩い収束光若しくは発散光になって第2レンズ群G2に入射せしめることが、特に球面収差の補正のために好ましく、したがって、第1レンズ群G1の物体側に正レンズ群、像側に負レンズ群を配置して第1レンズ群G1を物体側から正、負のパワー配置とするのがよい。
【0029】
このとき、正パワーを1枚の正レンズで確保すると、その正レンズで発生する球面収差が補正できなくなり好ましくなく、少なくとも2枚の正レンズにパワーを分割するのがよい。このとき、最も物体側の正レンズは太い光束が入射するため、光線束に関する収差、球面収差やコマに対する影響が大きいが、下記の条件式を満足する形状とすることが望ましい。
【0030】
(2) −1.2<SF1P<−0.8
ただし、SF1Pは第1レンズ群G1の最も物体側の正レンズのシェイピングファクターである。
【0031】
ここで、シェイピングファクターとは、対象となるレンズ要素の物体側、像側の曲率半径をそれぞれra 、rb とするとき、(ra +rb )/(ra −rb )で求められる値を指す。
【0032】
条件式(2)の下限の−1.2を越えて小さな値をとると、負のコマの発生が大きくなると共に、物体側の面の曲率が強くなり負の球面収差の発生も大きくなる。また、上限の−0.8を越えて大きな値をとると、逆にコマが過剰補正となり、何れも他のレンズ群で補正しきれなくなる。また、第1レンズ群G1で配置した正パワーを1枚の負レンズで打ち消すと、負レンズで発生する収差、特にサジタルコマと呼ばれるコマが発生し好ましくない。そこで、負パワーも、少なくとも2枚の負レンズで構成することが望ましく、特に最も物体側に配置する負レンズは下記条件を満足することが好ましい。
【0033】
(3) 0.9<SF1N<1.3
ただし、SF1Nは第1レンズ群G1の最も物体側の負レンズのシェイピングファクターである。
【0034】
条件式(3)の下限値の0.9を越えて小さな値をとると、物体側の面が負のパワーが強くなり、そこで発生する負のコマ、負の非点収差が補正できなくなる。逆に、上限値の1.3を越えて大きな値をとると、コマ、非点収差が補正過剰になると共に、メニスカス形状が強くなるため、前後のレンズとの間隔を空けなければならず、レンズ系の大型化につながり好ましくない。
【0035】
さて、絞りより像側の第2レンズ群G2は、光軸に緩い角度で入射したマージナル光線を像に集光せしめる働きを有するが、一方、軸外光線に対しては、前述のように、絞りを横切るように通過し、光軸から離れる角度で第2レンズ群G2に入射した軸外光線を、光軸方向に屈折させ、光軸とのなす角度を小さくして射出する働きを持つ。そのとき、第2レンズ群G2が正パワーだけであると、バックフォーカスの確保が困難になると共に、特に倍率色収差の補正が困難になるため、第2レンズ群G2を物体側から順に負レンズと正レンズの接合レンズと、それに続く少なくとも1枚の正レンズを含むレンズ群から構成し、その接合レンズで倍率色収差を補正せしめるとよい。
【0036】
このとき、接合レンズの像側には、正レンズから始まるレンズ群を配置するようにし、マージナル光線の結像と、軸外光線を光軸方向に屈折せしめる作用を開始させることがよい。このとき、その正レンズは下記の条件式(4)を満足することが望ましい。
【0037】
(4) 0.5<SF2P<1.5
ただし、SF2Pは第2レンズ群G2に配置された接合レンズより像側のレンズ群の中、最も物体側の正レンズのシェイピングファクターである。
【0038】
上記条件式(4)の下限の0.5を越えて小さな値をとると、その正レンズは両凸形状が強くなるが、物体側の面で発生する負の球面収差が大きくなり、補正が困難になる。また、上限値の1.5を越えて大きな値をとると、その正レンズはメニスカス形状が強くなり、球面収差が過剰補正になると共に、コマの悪化が著しく、性能を保つことが困難になる。
【0039】
さて、前述のように、第2レンズ群G2では入射した軸外光線が屈折せしめられ、光軸とのなす角が小さくなって射出するが、このときの主光線高は、光軸とのなす角が小さい程、イメージサークルの大きさに略等しくなる。すなわち、その接合レンズより像側でのレンズ群では、軸外光線が十分な高さを持っていないと、負レンズを配置して光線高を高くせしめなければならず、レンズ構成が複雑化する。そこで、予め軸外光線の高さを確保して第2レンズ群G2に入射せしめることが好ましい。
【0040】
そのためには、絞りと第2レンズ群G2の間隔を広げることが効果的であるが、第1レンズ群G1が負のパワーのときに広げすぎると、第2レンズ群G2に入射するマージナル光線高が高くなりすぎ、球面収差の劣化を招く。また、第1レンズ群G1が正のパワーのときに広げすぎると、バックフォーカスを確保することが困難になり好ましくない。また、第1レンズ群G1のパワーがゼロに近いと、第1レンズ群G1を射出する軸外光線の光軸となす角が大きく、今度は軸外光線が第2レンズ群G2に入射する高さが高くなりすぎ好ましくない。
【0041】
そこで、第1レンズ群G1と絞り、絞りと第2レンズ群G2の間隔を適当な比率の範囲に保つことにより、第2レンズ群G2に入射するマージナル光線と軸外光線の高さのバランスを保つことがよい。そのためには、下記の条件式を満足せしめることが望ましい。
【0042】
(5) 1.5<Dsb/Dsf<4.0
ただし、Dsfは第1レンズ群G1と絞りの間隔、Dsbは絞りと第2レンズ群G2との間隔である。
【0043】
条件式(5)の下限の1.5を越えて小さな値をとると、第2レンズ群G2に入射する軸外光線が十分な高さにならず、第2レンズ群G2の前記接合レンズを強い負パワーにしなければならなくなり、球面収差やコマの悪化を招く。また、第1レンズ群G1が負パワーのときには、第2レンズ群G2に入射するマージナル光線高も低くなり、バックフォーカスを確保する上で不利となる。逆に、条件式(5)の上限の4.0を越えて大きな値をとると、絞りと第2レンズ群G2の間隔が広くなりすぎ、第2レンズ群G2に入射する軸外光線高が高くなりすぎて、第2レンズ群G2の正パワーを強めなければならず、球面収差の悪化やバックフォーカスの確保に支障をきたし好ましくない。
【0044】
以上の構成により、本発明の目的である、長いバックフォーカスを確保しつつも、射出瞳位置を遠くに保ち、かつ、小型のピクセルサイズの撮像素子を用いる高精細な撮像装置に最適な望遠レンズを達成できるが、より至近の被写体に対し高い光学性能を維持するためには、第2レンズ群G2を最も像側の正レンズからなる第2−2レンズ群G2−2と、それより物体側の第2−1レンズ群G2−1とから構成し、第1レンズ群G1と第2−1レンズ群G2−1を一体的に物体側に繰り出すことにより、無限物点から至近距離まで高い光学性能を維持したままフォーカシングが可能となる。
【0045】
さらに、第2―2レンズ群G2−2を、物体側から負レンズ、正レンズの順に配列した接合レンズで構成すると、第2−2レンズ群G2−2で発生する倍率色収差を抑えることができ、より高度な色収差の補正が可能となる。また、その場合、第1レンズ群G1の正レンズで発生する正の倍率色収差が過剰補正になるため、第1レンズ群G1の正パワーを2枚の正レンズで構成することが可能となり、レンズ枚数の削減に効果的である。
【0046】
さて、望遠レンズではマージナル光線高が高いため、一般に軸上色収差の補正が困難である。そこで、銀塩フィルム用途の望遠タイプの撮影レンズでは、物体側に近い位置に、異常分散性のある特殊低分散ガラスを用いたレンズを配置することが一般的であるが、本発明のような撮像素子用途の撮影レンズの場合、前述のように、長いバックフォーカスの確保と、射出瞳を遠ざけるパワー配置のため、絞りより像側においても、マージナル光線高の比較的高い箇所が出てくる。そのため、第2レンズ群G2の前記接合レンズより像側の正レンズに異常分散性のある特殊低分散ガラスを用いたレンズを配置することも効果的である。また、一般に、異常分散性のある特殊低分散ガラスは、温度に対する膨張係数が大きいかあるいはキズが付きやすいといった問題があるので、最も物体側と最も像側のレンズに用いることは避けることが好ましい。
【0047】
特に、第2レンズ群G2に配置する場合には、第2レンズ群G2の前記接合レンズに続く正レンズに異常分散性のある特殊低分散ガラスを用いたレンズを配置することが望ましい。
【0048】
もちろん、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2共に異常分散性のある特殊低分散ガラスを用いると、さらに効果があることは言うまでもない。
【0049】
さらに良好な収差補正を達成するためには、上記の条件(1)の代わりに下記の条件(6)を、若しくは、上記の条件(2)の代わりに下記の条件(7)を、若しくは、上記の条件(3)の代わりに下記の条件(8)を、若しくは、上記の条件(4)の代わりに下記の条件(9)を、若しくは、上記の条件(5)の代わりに下記の条件(10)を満足することが望ましい。
【0050】
(6) −0.4<fT /f1 <−0.2
(7) −1.1<SF1P<−0.9
(8) 0.9<SF1N<1.2
(9) 0.8<SF2P<1.2
(10)2.0<Dsb/Dsf<3.5
また、フォーカシングの際に、比較的短い繰り出し量で、至近距離の物体まで安定した光学性能を維持するためには、第1レンズ群G1及び第2−1レンズ群G2−1の合成されたパワーについて、下記の条件式(11)を満足することが望ましい。
【0051】
(11)0.4<fT /fF <0.7
ただし、fF は第1レンズ群G1及び第2−1レンズ群G2−1の合成されたフォーカシング群の焦点距離である。
【0052】
条件式(11)の下限の0.4を越えて小さな値をとると、フォーカシングで繰り出す群のパワーが小さく、収差変動は小さいが、フォーカシングでの繰り出し量が大きくなり好ましくなく、また、上限値の0.7を超えて大きな値をとると、フォーカシングに伴う収差変動が大きくなり好ましくない。
【0053】
また、さらに至近距離の物体まで安定した光学性能を維持するためには、上記条件(11)の代わりに下記の条件(12)を満足することが望ましい。
【0054】
(12)0.45<fT /fF <0.65
本発明のレンズ系の光学性能を効果的に引き出すためには、以下の条件(13)若しくは(14)を満足することが望ましい。
【0055】
(13)10゜<2ω<20゜
(14)0.40<bkf /f<0.80
ただし、ωはレンズ全系の半画角、bkf はレンズ系の空気換算バックフォーカスである。
【0056】
条件(13)の上限値の20°を越えて大きな値をとると、画角が大きくなりすぎるために、条件(1)乃至(5)を満足せしめても、十分長いバックフォーカスと高い光学性能を両立させることが困難となり、また、下限値の10°を越えて小さな値をとると、本発明のレンズ構成ではレンズ全長が大きくなり、小型化することが困難であり望ましくない。
【0057】
条件(14)の上限値0.80を越えて大きな値をとると、バックフォーカスが長くなりすぎるために、条件(1)乃至(5)を満足せしめても、高い光学性能を両立させることが困難となり、また、下限値の0.40を越えて小さな値をとると、条件(1)乃至(5)を満足せしめてもレンズ全長が大きくなり、小型化することが困難であり望ましくない。
【0058】
本発明のレンズ系の光学性能をさらに効果的に引き出すためには、条件(13)の代わりに以下の条件(15)を、条件(14)の代わりに以下の条件(16)を満足せしめることが望ましい。
【0059】
(13)12゜<2ω<16゜
(14)0.50<bkf /f<0.70
【0060】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の望遠レンズの実施例について説明する。実施例1〜5の光軸を含む断面図をそれぞれ図1〜図5に示す。これらの実施例の数値データは後記する。
【0061】
実施例1の望遠レンズは図1に示すレンズ構成であり、物体側から順に、全体として弱い負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、絞りSと、全体として正の屈折力を有する第2レンズ群G2からなり、第1レンズ群G1は、物体側から順に、像側の面が略平面である両凸レンズと、物体側に凸面を向けた2枚の正メニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた2枚の負メニスカスレンズとから構成されており、第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸レンズとの接合レンズと、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズとからなる第2−1レンズ群G2−1と、像側の面が略平面である両凸レンズ1枚からなる第2−2レンズ群G2−2とから構成されている。
【0062】
最後のレンズと像面Iの間の各平板ガラスは、ローパスフィルターや赤外カットフィルター、色分解プリズム、トリミングフィルター等を表している。
【0063】
本実施例では、第1レンズ群G1の第3レンズとしてθgd=1.235の異常分散性を有するガラスからなる正レンズを、第2レンズ群G2の接合レンズの像側に配置した正レンズをθgd=1.243の異常分散性を有するガラスから構成している。さらに、第2−2レンズ群G2−2をθgd=1.227の異常分散性を有するガラスから構成して倍率色収差の低減を図っているが、前記した通り、レンズ系の物体側、像側に異常分散性ガラスを用いると、キズが付きやすくなり好ましくない。そこで、本実施例では第2−2レンズ群G2−2の後ろに保護ガラスを配置するようにして、キズを防ぐようにしている。
【0064】
実施例1の各条件式に対応する値は、
T /f1 =−0.28
SF1P=−0.93
SF1N=1.17
SF2P=1.10
sb/Dsf=2.54
T /fF =0.53
である。
【0065】
実施例1の無限遠物点に対する収差状況を図6に、物点距離2.7mに対する収差状況を図7に示す。図中、SAは球面収差、ASは非点収差、DTは歪曲収差、CCは倍率色収差を示す(以下の収差図においても同じ)。図中、“FIY”は像高を表している。これらの図から明らかなように、本実施例は、レンズと撮像素子の間に、ローパスフィルターや赤外カットフィルター、色分解プリズム若しくは光路分割プリズム等の光学部材を挿入するための十分長いバックフォーカスを有し、かつ、小さなピクセルを配列した撮像素子を用いるために十分な高い光学性能を有している。また、至近距離の被写体にフォーカシングした場合においても、高い光学性能を有していることが分かる。
【0066】
実施例2の望遠レンズは図2に示すレンズ構成であり、実施例1と比較して、第2−1レンズ群G2−1が、両凹レンズと両凸レンズとの接合レンズと、像側に凸面を向けた平凸レンズからなる点、及び、第2−2レンズ群G2−2が物体側に凸面を向けた平凸レンズ1枚からなる点を異にしており、加工上のコストダウンの点で有利である。本実施例では、異常分散性ガラスを実施例1と同じ使い方で用いている。
【0067】
実施例2の各条件式に対応する値は、
T /f1 =−0.38
SF1P=−0.92
SF1N=1.15
SF2P=1.00
sb/Dsf=3.25
T /fF =0.50
である。
【0068】
実施例2の無限遠物点に対する収差状況を図8に、物点距離2.7mに対する収差状況を図9に示す。
【0069】
実施例3の望遠レンズは図3に示すレンズ構成であり、第1レンズ群G1は、物体側から順に、像側の面が平面である平凸レンズと、物体側に凸面を向けた2枚の正メニスカスレンズと、物体側の面が平面である平凹レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズとから構成されており、第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸レンズとの接合レンズと、像側に凸面を向けた平凸レンズとからなる第2−1レンズ群G2−1と、像側の面が平面である平凸レンズレンズ1枚からなる第2−2レンズ群G2−2から構成されている。本実施例は、実施例2よりもさらに平面を増やし、さらなる加工上のコストダウンを図っている。
【0070】
本実施例では、第1レンズ群G1に用いる異常分散性ガラスは実施例1と同じであるが、第2レンズ群G2の接合レンズの像側には、θgd=1.232の異常分散性の強いガラスを用いており、その代わりに第2−2レンズ群G2−2には比較的弱い異常分散性で、摩耗度の値が小さい、キズの付き難いガラスを用いて保護ガラスを除去している。
【0071】
実施例3の各条件式に対応する値は、
T /f1 =−0.36
SF1P=−1.00
SF1N=1.00
SF2P=1.00
sb/Dsf=2.16
T /fF =0.53
である。
【0072】
実施例3の無限遠物点に対する収差状況を図10に、物点距離2.7mに対する収差状況を図11に示す。
【0073】
実施例4の望遠レンズは図4に示すレンズ構成であり、第1レンズ群G1は、物体側から順に、像側の面が平面である平凸レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと、物体側の面が平面である2枚の平凹レンズから構成されており、第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと像側が平面の平凸レンズとの接合レンズと、像側に凸面を向けた平凸レンズとからなる第2−1レンズ群G2−1と、両凸レンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズの接合レンズからなる第2−2レンズ群G2−2とから構成されている。
【0074】
本実施例は、第1レンズ群G1の正レンズ群を2枚の正レンズで構成することによって、正レンズ群内で繰り返し反射によるゴーストの除去を図っており、また、前記したように、第2−2レンズ群G2−2を接合レンズとすることによって、第2−2レンズ群G2−2での倍率色収差の発生を抑え、正レンズの枚数を削減したことによる倍率色収差の補正作用の低下を補っている。
【0075】
本実施例では、第1レンズ群G1の第2レンズとして、θgd=1.232の強い異常分散性ガラスを有するガラスからなる正レンズを配置して、色収差の補正を図ると共に、第2−1レンズ群G2−1の接合レンズの像側に、θgd=1.235の異常分散性ガラスを有するガラスからなる正レンズを配置している。また、平面を増やすことによって、さらなる加工上のコストダウンを図っている。
【0076】
実施例4の各条件式に対応する値は、
T /f1 =−0.33
SF1P=−1.00
SF1N=1.00
SF2P=1.00
sb/Dsf=2.39
T /fF =0.47
である。
【0077】
実施例4の無限遠物点に対する収差状況を図12に、物点距離2.7mに対する収差状況を図13に示す。
【0078】
実施例5の望遠レンズは図5に示すレンズ構成であり、第1レンズ群G1は、物体側から順に、像側の面が平面である平凸レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、両凹レンズから構成されており、第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凹レンズと両凸レンズとの接合レンズと、物体側が略平面である像側に凸面を向けた正メニスカスレンズとからなる第2−1レンズ群G2−1と、両凸レンズと像側が平面である平凹レンズの接合レンズからなる第2−2レンズ群G2−2とから構成されている。
【0079】
本実施例は、実施例4と同様に、第1レンズ群G1の正レンズ群を2枚のレンズ構成とすることによってその正レンズ群内での繰り返し反射に伴うゴーストの除去を図っており、また一方、至近距離の被写体に対してレンズ全系を物体側に繰り出すことによりフォーカシングを行う点が異なっている。
【0080】
また、本実施例では、第1レンズ群G1での異常分散性ガラスの使用は実施例4と同じであるが、第2−1レンズ群G2−1の接合レンズの像側に、θgd=1.243と、実施例4よりも異常分散性の強いガラスを用いて、実施例4よりも色収差の補正を良好にしている。
【0081】
実施例5の各条件式に対応する値は、
T /f1 =−0.29
SF1P=−1.00
SF1N=1.11
SF2P=0.99
sb/Dsf=2.90
T /fF =0.64
である。
【0082】
実施例5の無限遠物点に対する収差状況を図14に、物点距離2.7mに対する収差状況を図15に示す。図から明らかなように、実施例5の至近距離に対する収差は、実施例4に比較してやや非点収差が大きい点を除けば、ほとんど遜色のない性能を達成しており、鏡枠構造の単純化の点で優れている。
【0083】
以下に、上記各実施例の数値データを示すが、記号は上記の外、fは全系焦点距離、FNOはFナンバー、2ωは画角、S0 は物点距離(物点からレンズ系第1面までの距離)、r1 、r2 …は各レンズ面の曲率半径、d1 、d2 …は各レンズ面間の間隔、ne1、ne2…は各レンズのe線の屈折率、νd1、νd2…は各レンズのアッベ数である。
【0084】
Figure 0004527823
Figure 0004527823
【0085】
Figure 0004527823
Figure 0004527823
【0086】
Figure 0004527823
Figure 0004527823
【0087】
Figure 0004527823
Figure 0004527823
【0088】
Figure 0004527823
【0089】
なお、本発明の説明はデジタルカメラを中心に説明したが、他の撮像装置(例えば、デジタルビデオカメラ等)を用いて静止画像を観察する場合も同様である。
【0090】
以上のような本発明の望遠レンズは、物体像を形成しその像をCCD等の撮像素子に受光させて撮像を行う撮像装置、とりわけ電子カメラ、ビデオカメラ等の撮影用光学系に用いることができる。以下に、その実施形態を例示する。
【0091】
図16〜図18は、本発明の望遠レンズを撮影用対物光学系100に用いて電子カメラを構成した場合の概念図を示す。図16は電子カメラ140の外観を示す前方斜視図、図17は同後方斜視図、図18は電子カメラ140の構成を示す断面図である。電子カメラ140は、この例の場合、撮影用光路142を有する撮影光学系141、ファインダー用光路144を有するファインダー光学系143、シャッター145、フラッシュ146、液晶表示モニター147等を含み、カメラ140の上部に配置されたシャッター145を押圧すると、それに連動して撮像用対物光学系100を通して撮影が行われる。撮像用対物光学系100によって形成された物体像は、色分解プリズム101でRGB三原色の像に分解され、それぞれの色の物体像は各々赤外カットフィルター102を介してCCD103の撮像面上に形成される。これら3つのCCD103で受光されたそれぞれの色の物体像は、信号処理回路120に入力され、カラー物体の電子画像としてカメラ背面に設けられた液晶表示モニター147に表示される。また、この信号処理回路120には記録手段130が配置され、撮影された電子画像を記録することもできる。なお、この記録手段130は信号処理回路120と別体に設けらてもよいし、フロッピーディスク等により電子的に記録書込を行うように構成してもよい。
【0092】
さらに、ファインダー用光路144上には、カバーガラス154を介してファインダー用対物光学系153が配置してある。このファインダー用対物光学系153によって形成された物体像は、像正立部材であるポロプリズム155の視野枠157上に形成される。なお、視野枠157は、ポロプリズム155の第1反射面と第2反射面との間を分離し、その間に配置されている。このポリプリズム155の後方には、正立正像にされた像を観察者眼球Eに導く接眼光学系159が配置されている。
【0093】
図19は、本発明の望遠レンズを撮影光学系100に用いてビデオカメラを構成した場合の概念図を示す。図19(a)はビデオカメラ160の外観を示す斜視図、図19(b)はビデオカメラ160の構成を示す断面図である。ビデオカメラ160、撮影光学系100と共に、電子ビューファインダー162と液晶表示モニター147を備えている。ビデオカメラ160の上部に配置された録画スタートボタン161をオンすると、それに連動して撮影光学系100を通して撮影が行われる。撮影光学系100によって形成された物体像は、色分解プリズム101でRGB三原色の像に分解され、それぞれの色の物体像は各々赤外カットフィルター102を介してCCD103の撮像面上に形成される。これら3つのCCD103で受光されたそれぞれの色の物体像は、信号処理回路120に入力され、カラー物体の電子画像として電子ビューファインダー162内に配置されたバックライト付き液晶表示素子163上に表示され、接眼レンズ164で拡大観察可能にされると共に、カメラ本体に折り畳み可能に取り付けられた液晶表示モニター147に表示される。ビデオカメラ160には、ビデオテープ挿脱用ふた166を開けて記録媒体としてのビデオテープをセットすることが可能になっており、信号処理回路120を介してビデオテープを記録手段130として、撮影された電子画像が記録される。また、ビデオカメラ160はマイク165を備えており、映像信号記録と同時に音声情報記録も同様に行う。
【0094】
以上の本発明のバックフォーカスの長い望遠レンズ及びそれを用いた撮像装置は、例えば次のように構成することができる。
【0095】
〔1〕 物体側から順に、少なくとも2枚の正レンズと少なくとも2枚の負レンズからなり、全体として負若しくは条件(1)の範囲を満足するような弱い屈折力を有する第1レンズ群G1と、物体側から順に、負レンズと正レンズの接合レンズと、それに続く少なくとも1枚の正レンズとを含むレンズ群からなり、全体として正の屈折力を有する第2レンズ群G2とを少なくとも有し、最も像側の光学パワーを有する面から像面までの間隔の空気換算長bkf が45mmよりも大きいことを特徴とするバックフォーカスの長い望遠レンズ。
【0096】
(1) 0.1<fT /|f1 |<0.5
ただし、fT 、f1 はそれぞれレンズ全系及び第1レンズ群G1の焦点距離である。
【0097】
〔2〕 物体側から順に、少なくとも2枚の正レンズと少なくとも2枚の負レンズからなり、全体として負若しくは条件(1)の範囲を満足するような弱い屈折力を有する第1レンズ群G1と、絞りと、物体側から順に、負レンズと正レンズの接合レンズと、それに続く少なくとも1枚の正レンズとを含むレンズ群からなり、全体として正の屈折力を有する第2レンズ群G2とからなり、以下の条件を満足することを特徴とするバックフォーカスの長い望遠レンズ。
【0098】
(1) 0.1<fT /|f1 |<0.5
(2) −1.2<SF1P<−0.8
(3) 0.9<SF1N<1.3
(4) 0.5<SF2P<1.5
(5) 1.5<Dsb/Dsf<4.0
ただし、fT 、f1 はそれぞれレンズ全系及び第1レンズ群G1の焦点距離であり、SF1Pは第1レンズ群G1の最も物体側の正レンズのシェイピングファクター、SF1Nは第1レンズ群G1の最も物体側の負レンズのシェイピングファクター、SF2Pは第2レンズ群G2に配置された前記接合レンズより像側のレンズ群の中、最も物体側の正レンズのシェイピングファクター、Dsfは第1レンズ群G1と絞りの間隔、Dsbは絞りと第2レンズ群G2との間隔である。ここで、シェイピングファクターとは、対象となるレンズ要素の物体側、像側の曲率半径をそれぞれra 、rb とするとき、(ra +rb )/(ra −rb )で求められる値を指す。
【0099】
〔3〕 前記第2レンズ群G2が、最も像側のレンズ要素を除く第2−1レンズ群G2−1と、最も像側のレンズ要素からなる第2−2レンズ群G2−2とからなり、第1レンズ群G1及び第2−1レンズ群G2−1を一体で前方に繰り出すことによりフォーカシングを行うことを特徴とする上記1又は2記載のバックフォーカスの長い望遠レンズ。
【0100】
〔4〕 前記第2−2レンズ群G2−2が、物体側から正レンズ、負レンズの順で接合されたレンズ要素からなることを特徴とする上記3記載のバックフォーカスの長い望遠レンズ。
【0101】
〔5〕 前記第1レンズ群G1の最も物体側の正レンズを除く正レンズか、若しくは、前記第2レンズ群G2の、前記接合レンズより像側に位置する正レンズの、少なくとも1枚の正レンズが異常分散性を有する特殊低分散ガラスからなることを特徴とする上記1又は2記載のバックフォーカスの長い望遠レンズ。
【0102】
〔6〕 前記第2レンズ群G2の、前記接合レンズより像側に位置するレンズ群の中、最も物体側に位置する正レンズが異常分散性を有する特殊低分散ガラスからなることを特徴とする上記5記載のバックフォーカスの長い望遠レンズ。
【0103】
〔7〕 前記第1レンズ群G1の最も物体側の正レンズを除く正レンズの少なくとも1枚と、前記第2レンズ群G2の前記接合レンズより像側に位置する正レンズの少なくとも1枚の、合計少なくとも2枚の正レンズが異常分散性を有する特殊低分散ガラスからなることを特徴とする上記5記載のバックフォーカスの長い望遠レンズ。
【0104】
〔8〕 上記1から7の何れか1項記載のバックフォーカスの長い望遠レンズを用いたことを特徴とする撮像装置。
【0105】
【発明の効果】
以上の説明と各実施例から明らかなように、本発明によれば、画角が10゜乃至20゜程度で、Fナンバーが2.8程度と明るく、レンズ系と撮像素子の間に、ローパスフィルターや赤外カットフィルター、さらに、色分解光学系やファインダー、AF、AEのための光路分岐用部材等の各種光学部材を挿入し得る、長いバックフォーカスを有し、色分解光学系はもちろん、単板方式のカラー撮像素子にも最適な、射出瞳位置の遠い、しかも、小型で多くのピクセルを配列した撮像素子を用いた電子カメラやビデオカメラ等に最適な極めて高い光学性能を有する比較的小型な望遠レンズを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における光学系を構成するレンズ系の断面図である。
【図2】本発明の実施例2における光学系を構成するレンズ系の断面図である。
【図3】本発明の実施例3における光学系を構成するレンズ系の断面図である。
【図4】本発明の実施例4における光学系を構成するレンズ系の断面図である。
【図5】本発明の実施例5における光学系を構成するレンズ系の断面図である。
【図6】実施例1のレンズ系の無限遠物点に対する収差図である。
【図7】実施例1のレンズ系の物点距離2.7mに対する収差図である。
【図8】実施例2のレンズ系の無限遠物点に対する収差図である。
【図9】実施例2のレンズ系の物点距離2.7mに対する収差図である。
【図10】実施例3のレンズ系の無限遠物点に対する収差図である。
【図11】実施例3のレンズ系の物点距離2.7mに対する収差図である。
【図12】実施例4のレンズ系の無限遠物点に対する収差図である。
【図13】実施例4のレンズ系の物点距離2.7mに対する収差図である。
【図14】実施例5のレンズ系の無限遠物点に対する収差図である。
【図15】実施例5のレンズ系の物点距離2.7mに対する収差図である。
【図16】本発明の望遠レンズを用いて電子カメラを構成した場合の外観を示す前方斜視図である。
【図17】図16は同後方斜視図である。
【図18】図16の電子カメラの構成を示す断面図である。
【図19】本発明の望遠レンズを用いてビデオカメラを構成した場合の概念図である。
【符号の説明】
G1…第1レンズ群
G2…第2レンズ群
G2−1…第2−1レンズ群
G2−2…第2−2レンズ群
S …絞り
I …像面
E …観察者眼球
100…撮影用対物光学系(撮影光学系)
101…色分解プリズム
102…赤外カットフィルター
103…CCD
120…信号処理回路
130…記録手段
140…電子カメラ
141…撮影光学系
142…撮影用光路
143…ファインダー光学系
144…ファインダー用光路
145…シャッター
146…フラッシュ
147…液晶表示モニター
154…カバーガラス
153…ファインダー用対物光学系
155…ポロプリズム
157…視野枠
159…接眼光学系
160…ビデオカメラ
161…録画スタートボタン
162…電子ビューファインダー
163…バックライト付き液晶表示素子
164…接眼レンズ
165…マイク
166…ビデオテープ挿脱用ふた

Claims (8)

  1. 物体側から順に、少なくとも2枚の正レンズと少なくとも2枚の負レンズからなり、全体として負かつ条件(1)の範囲を満足するような弱い屈折力を有する第1レンズ群G1と、絞りと、物体側から順に、負レンズと正レンズの接合レンズと、それに続く少なくとも1枚の正レンズとを含むレンズ群からなり、全体として正の屈折力を有する第2レンズ群G2とからなり、以下の条件を満足することを特徴とする望遠レンズ。
    (1) 0.1<fT /|f1 |<0.5
    (2) −1.2<SF1P<−0.8
    (3) 0.9<SF1N<1.3
    (4) 0.5<SF2P<1.5
    (5) 1.5<Dsb/Dsf<4.0
    ただし、fT 、f1 はそれぞれレンズ全系及び第1レンズ群G1の焦点距離であり、SF1Pは第1レンズ群G1の最も物体側の正レンズのシェイピングファクター、SF1Nは第1レンズ群G1の最も物体側の負レンズのシェイピングファクター、SF2Pは第2レンズ群G2に配置された前記接合レンズより像側のレンズ群の中、最も物体側の正レンズのシェイピングファクター、Dsfは第1レンズ群G1と絞りの間隔、Dsbは絞りと第2レンズ群G2との間隔である。ここで、シェイピングファクターとは、対象となるレンズ要素の物体側、像側の曲率半径をそれぞれra 、rb とするとき、(ra +rb )/(ra −rb )で求められる値を指す。
  2. 前記第2レンズ群G2が、最も像側のレンズ要素を除く第2−1レンズ群G2−1と、最も像側のレンズ要素からなる第2−2レンズ群G2−2とからなり、第1レンズ群G1及び第2−1レンズ群G2−1を一体で前方に繰り出すことによりフォーカシングを行うことを特徴とする請求項記載の望遠レンズ。
  3. 前記第1レンズ群G1において、前記正レンズは2枚又は3枚のレンズからなり、前記負レンズは2枚のレンズからなることを特徴とする請求項1又は2記載の望遠レンズ。
  4. 前記第2レンズ群G2において、前記接合レンズに続く正レンズは2つの正レンズからなり、最も像側の正レンズは単レンズ又は接合レンズからなることを特徴とする請求項1からの何れか1項記載の望遠レンズ。
  5. 前記第2−2レンズ群G2−2が、物体側から正レンズ、負レンズの順で接合されたレンズ要素からなることを特徴とする請求項記載のバックフォーカスの長い望遠レンズ。
  6. 前記第1レンズ群G1の最も物体側の正レンズを除く正レンズの少なくとも1枚と、前記第2レンズ群G2の前記接合レンズより像側に位置する正レンズの少なくとも1枚の、合計少なくとも2枚の正レンズが異常分散性を有する特殊低分散ガラスからなることを特徴とする請求項記載の望遠レンズ。
  7. 前記第2レンズ群G2の、前記接合レンズより像側に位置するレンズ群の中、最も物体側に位置する正レンズが異常分散性を有する特殊低分散ガラスからなることを特徴とする請求項記載の望遠レンズ。
  8. 請求項1からの何れか1項記載の望遠レンズを用いたことを特徴とする撮像装置。
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