JP2013167840A - 色消しレンズ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】主波長λ1を有する光と、この主波長λ1より短い副波長λ2を有する光とが入射され、回折面を有する色消しレンズ。主波長λ1に対する前記回折面の回折次数N1=0であり、かつ、副波長λ2に対する前記回折面の回折次数N2≠0である。
【選択図】図1
Description
主波長λ1に対する前記回折面の回折次数N1=0であり、かつ、副波長λ2に対する前記回折面の回折次数N2≠0であることを特徴としている。
P=PR+PD ・・・・・・(1)
PR∝n−1 ・・・・・・(2)
PD∝Nλ ・・・・・・(3)
の関係がある。ここで、nはレンズ材料の屈折率、Nは回折次数である。
ΔPR=PR1−PR2=PR1(n1−n2)/(n1−1) ・・・・・・(4)
ΔPD=PD1−PD2=PD1(N1λ1−N2λ2)/N1λ1 ・・・・・・(5)
が成立する。ここで、N1、N2は各波長に対する回折次数であり、N1≠N2のときは、各波長で異なる回折次数を利用することを意味する。また、PR1、PD1は波長λ1での屈折、回折のパワーである。
色収差補正が成立する条件は、
ΔPR+ΔPD=0 ・・・・・・(6)
であることが分かる。
ηN(λ)={sinc(φ(λ)−N)}2 ・・・・・・(7)
ここで、関数sincは、
sinc(X)=sin(πX)/πX ・・・・・・(8)
を意味する関数である。また、φ(λ)は、
φ(λ)=(n−1)d/λ ・・・・・・(9)
であり、波長λに対して1次回折光の効率が100%となる格子溝の深さλ/(n−1)に対する実際の格子溝の深さdの比率を表している。
N=(n−1)d/λ ・・・・・・(10)
となる。
したがって、主波長λ1について回折次数N1のときの回折効率が100%となるように、格子溝深さをd=N1λ1/(n1−1)としたとき、副波長λ2の回折効率が最も高くなる条件は、
N2≒N1×(n2−1)/(n1−1)×λ1/λ2 ・・・・・・(11)
のときとなる。ここで、「≒」を用いたのは回折次数N1、N2が整数だからである。
ΔPD=PD1{1−(n2−1)/(n1−1)}
=PD1(n1−n2)/(n1−1) ・・・・・・(12)
となり、PD1の係数が式(4)の右辺のPR1の係数と全く同一になることが分かる。したがって、式(6)が成り立つためには、PR1=−PD1でなければならない。しかし、この場合、式(1)より、回折レンズのパワーP=0となってしまい、レンズとして機能しないことが分かる。
ΔPR=PR1×(2.40−2.59)/(2.40−1)≒−0.136×PR1
ΔPD=PD1(10.6−19×0.633)/10.6≒−0.135×PD1
となり、式(6)が成立するためには、PR1≒−PD1でなければならない。しかし、この場合、式(1)より、回折レンズのパワーP≒0となってしまい、レンズとして機能しないことが分かる。
N2=N1×(n2−1)/(n1−1)×λ1/λ2+C ・・・・・・(13)
と記述することができる。ただし、−0.5<C≦0.5である。ここで式(13)を式(5)に代入すると、
ΔPD=PD1×{(n1−n2)/(n1−1)−C/N1×λ2/λ1} ・・・・・・(14)
となる。これを式(4)とともに、式(6)に代入すると、
ΔPR+ΔPD=P1×(n1−n2)/(n1−1)−PD1×C/N1×λ2/λ1=0 ・・・・・・(15)
となる。つまり、全体でのレンズパワーP1≠0のときに色消しの条件式(15)が成り立つためには、C/N1×λ2/λ1≠0でなければならない。
ΔPD=−PD2 ・・・・・・(16)
となり、色消しの式(6)は、
ΔPK−PD2=0 ・・・・・・(17)
となる。すなわち、主波長λ1に対しては回折の効果はないので、通常の屈折レンズとして機能し、副波長λ2については、発生する屈折の色収差を回折の色収差で相殺する。
N1=0≒(n1−1)d/λ1 ・・・・・・(18)
であるので、d/λ1≒0ということになる。すなわち、格子溝の深さdが、主波長λ1に比べて十分に小さいということである。
η0(λ1)={sinc(φ(λ1))}2={sinc((n1−1)d/λ1)}2 ・・・・・・(19)
により計算することができる。ここでφ(λ1)とη0(λ1)との関係を計算すると、以下の表1のようになる。
次に本発明の色消しレンズの実施例を説明するが、本発明はもとよりかかる実施例にのみ限定されるものではない。
実施例として、CO2レーザ加工用機に用いられる色消しレンズを作製した。CO2レーザ加工には、赤外光(主波長λ1=10.6μm)とガイド光としての可視光(副波長λ2=633nm)とが用いられる。この2つの光の波長差が従来技術における波長差に比べて極端に大きいことは、前述した通りである。そこで、副波長633nmにおいて回折作用をもたせようとすると、まず、主波長10.6μmの光線だけで幾何収差の補正を行い、その後副波長633nmの光線だけに関して付加した回折面のみの最適化によって、焦点距離、バックフォーカスなどを主波長10.6μmのときのそれらと同一になるようにする。すなわち、軸上色収差及び倍率色収差の補正により、2つの波長に関して同一の焦点位置に同一の大きさの画像を結像させることができる。こうすることで、色消しレンズを設計することができる。
レンズ材料としてZnSeを用い、以下に示す仕様のレーザ加工機用の色消し集光レンズ1を作製した。実施例1に係る色消し集光レンズ1の光路図を図1に示す。
波長:主波長λ1=10.6μm(CO2レーザ)
副波長λ2=633nm(He−Neレーザ)
焦点距離:100mm(両波長とも)
屈折率:n1=2.40
n2=2.59
レンズ径:φ38.1mm
中心厚:3mm
エッジ厚:1.7mm
第1面形状:凸球面、曲率半径 100mm
第2面形状
(ベース面)凹非球面
曲率半径:342.2mm
コーニック係数:−1.021
4次非球面係数:6.170×10−8/mm3
(回折面)2次位相係数:6.833ラジアン/mm2
4次位相係数:−1.632×10−4ラジアン/mm4
格子溝深さ:d=0.398μm
波長10.6μmに対する回折効率:99.1%(0次)
波長633nmに対する回折効率:100%(1次)
バックフォーカス(第2面から焦点までの距離):98.3mm
コーティング:両面反射防止膜付き
レンズ材料としてZnSeを用い、以下に示す仕様の2枚組構成のレーザ加工機用の色消し集光レンズ11を作製した。色消し集光レンズ11は、レーザ源側の第1レンズ11aと、被加工物側の第2レンズ11bとからなる。実施例2に係る色消し集光レンズ11の光路図を図2に示す。
波長:主波長λ1=10.6μm(CO2レーザ)
副波長λ2=633nm(He−Neレーザ)
焦点距離:100mm(両波長とも)
画角:±5度
屈折率:n1=2.40
n2=2.59
<第1レンズ>
レンズ径:φ42mm
中心厚:5mm
エッジ厚:3.6mm
第1面形状:
(ベース面)凸非球面
曲率半径:57.32mm
コーニック係数:0.2358
4次非球面係数:−2.344×10−7/mm3
6次非球面係数:−1.429×10−10/mm5
(回折面)2次位相係数:5.100ラジアン/mm2
格子溝深さ:d=0.398μm
波長10.6μmに対する回折効率:99.1%(0次)
波長633nmに対する回折効率:100%(1次)
第2面形状:凹球面、曲率半径78.19mm
<第2レンズ>
レンズ径:φ25mm
中心厚:5mm
エッジ厚:4.1mm
第1面形状:
(ベース面)凸非球面
曲率半径:22.19mm
コーニック係数:−0.1415
4次非球面係数:−1.147×10−7/mm3
(回折面)2次位相係数:5.347ラジアン/mm2
格子溝深さ:d=0.398μm
波長10.6μmに対する回折効率:99.1%(0次)
波長633nmに対する回折効率:100%(1次)
第2面形状:凹球面、曲率半径20.53mm
第1レンズー絞り間距離:75.9mm
バックフォーカス(第2面から焦点までの距離):31.9mm
コーティング:両面反射防止膜付き
なお、今回開示された実施の形態はすべての点において単なる例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、前記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
11 色消し集光レンズ(実施例2)
Claims (6)
- 主波長λ1を有する光と、この主波長λ1より短い副波長λ2を有する光とが入射され、回折面を有する色消しレンズであって、
主波長λ1に対する前記回折面の回折次数N1=0であり、かつ、副波長λ2に対する前記回折面の回折次数N2≠0であることを特徴とする色消しレンズ。 - 前記主波長λ1に対する副波長λ2の比(λ2/λ1)が、0.3より小さい請求項1に記載の色消しレンズ。
- 前記回折面の格子溝深さをdとし、主波長λ1でのレンズ材料の屈折率をn1とすると、(n1−1)d/λ1<0.3である請求項1又は請求項2に記載の色消しレンズ。
- 主波長λ1が赤外域の範囲である請求項1〜3のいずれか1項に記載の色消しレンズ。
- 主波長λ1が1.0μm以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の色消しレンズ。
- 主波長λ1を有する光が10.6μmの波長を有する赤外光のCO2レーザ光であり、副波長λ2を有する光が633nmの波長を有するガイド用可視光である請求項1〜5のいずれか1項に記載の色消しレンズ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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-
2012
- 2012-02-17 JP JP2012032389A patent/JP2013167840A/ja active Pending
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