JP2004070133A - ズームレンズおよびカメラ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】物体側から順に、負の焦点距離を持つ第1群I、正の焦点距離を持つ第2群II、正の焦点距離を持つ第3群IIIを配し、第2群の物体側に、第2群と一体に移動する絞りSを有してなり、短焦点端から長焦点端への変倍に際し、第2群が像側から物体側へ単調に移動し、第1群が変倍に伴う像面位置の変動を補正するように移動するズームレンズにおいて、第2群IIが、物体側から順に負レンズ、正レンズ、負レンズからなる3枚接合レンズを有する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ズームレンズおよびカメラ装置に関する。
この発明のズームレンズは銀塩カメラに用いるズーム撮影レンズとして好適に利用できる他、デジタルカメラやビデオカメラ、デジタルカメラ機能内臓の携帯情報端末装置に特に好適に利用できる。
【0002】
【従来の技術】
近来、デジタルカメラの市場は非常に大きなものとなっている。
ユーザのデジタルカメラに対する要望は多岐にわたるが、高画質化と小型化は常にユーザの欲するところであり要望が大きく、撮影レンズとして用いられるズームレンズにも高性能化と小型化の両立が求められる.
デジタルカメラに用いられるズームレンズは、小型化の面ではレンズ全長(最も物体側のレンズ面から像面までの距離)の短縮が必要であり、高性能化の面では、少なくとも、300万〜500万画素の撮像素子に対応できる解像力を「全ズーム域」にわたって有する必要がある。
撮影レンズの広画角化を望むユーザも多く、ズームレンズの短焦点端の半画角は38度以上あることが望ましい。半画角:38度は、35mm銀塩カメラ(いわゆるライカ版)換算の焦点距離で28mmに相当する。
【0003】
デジタルカメラ用のズームレンズには多くの種類が考えられるが、小型化に適したタイプとして「物体側から順に、負の焦点距離を持つ第1群、正の焦点距離を持つ第2群、正の焦点距離を持つ第3群を配し、第2群の物体側に第2群と一体に移動する絞りを有してなり、短焦点端から長焦点端への変倍に際し、第2群が像側から物体側へ単調に移動し、第1群が「変倍に伴う像面位置の変動を補正する」ように移動するもの」がある(例えば、特開平10−039214号公報、特開平10−104518号公報、特開2001−296475号公報等)。
【0004】
特開平10−039214号公報に記載されたズームレンズはこの種のズームレンズの基本的なものであり、基本的な構成は全て同号公報に開示されているが、小型化という面ではなお改良の余地を残している。
【0005】
特開平10−104518号公報開示のズームレンズは、接合レンズを使用して、組み付け時の偏心発生の防止を考慮したものであるが、収差の補正は、300万〜500万画素の撮像素子に対応するに必ずしも十分ではない。
【0006】
特開2001−2964752号公報開示のズームレンズは比較的小型で、像性能も前述のものよりも良好であるが半画角が33度程度に止まっており、広画角化という面で十分と言い難い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は上述したところに鑑み、小型・広画角でありながら、300万〜500万画素の撮像素子に対応した解像力を実現できる高性能のズームレンズの実現を課題とする。
【0008】
この発明はまた、上記ズームレンズをカメラ機能部の撮影光学系として使用した小型・高画質のカメラ装置(携帯情報端末装置等)の実現を他の課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明のズームレンズは、図1に例示するように「物体側(図1の左方)から順に、負の焦点距離を持つ第1群I、正の焦点距離を持つ第2群II、正の焦点距離を持つ第3群IIIを配し、第2群IIの物体側に、第2群IIと一体に移動する絞りSを有してなり、短焦点端から長焦点端への変倍に際し、第2群IIが像側から物体側へ単調に移動し、第1群Iが変倍に伴う像面位置の変動を補正するように移動するズームレンズにおいて、第2群IIが、物体側から順に負レンズ、正レンズ、負レンズからなる3枚接合レンズを有する」ことを特徴とする(請求項1)。
【0010】
請求項1記載のズームレンズは、第2群IIの3枚接合レンズの最も物体側に配置される負レンズが「像側に凹面を向けたメニスカス形状」であることができる(請求項2)。
【0011】
請求項1または2記載のズームレンズは、第2群IIの3枚接合レンズの最も像側に配置される負レンズが「像側に強い凹面を向けたもの」であることができる(請求項3)。
【0012】
請求項1または2または3記載のズームレンズは、第2群IIの3枚接合レンズの中間に配置される正レンズの屈折率:NC2、アッベ数:νC2が、条件:
(1) 1.45<NC2<1.52
(2) 68<νC2<85
を満足することが好ましい(請求項4)。
【0013】
この場合において、第2群IIの3枚接合レンズの最も物体側に配置される負レンズの屈折率:NC1、アッベ数:νC1、第2群の3枚接合レンズの最も像側に配置される負レンズの屈折率:NC3、アッベ数:νC3は、条件:
(3) 1.60<NC1<1.95
(4) 20<νC1< 40
(5) 1.60<NC3<1.95
(6) 20<νC3< 40
を満足することが好ましい(請求項5)。
【0014】
この場合、第2群の3枚接合レンズの最も物体側に配置される負レンズの屈折率:NC1、アッベ数:νC1は、条件:
(3−1) 1.75<NC1<1.95
(4−1) 20<νC1< 35
を満足するか(請求項6)、あるいは、条件:
(3−1) 1.75<NC1<1.95
(4−2) 35≦νC1< 40
を満足するか(請求項7)、さらには条件:
(3−2) 1.60<NC1≦1.75
(4−1) 20<νC1< 35
を満足することことができる(請求項8)。
【0015】
上記請求項1〜8の任意の1に記載のズームレンズは、第2群の3枚接合レンズの、物体側の接合面の曲率半径:RC2と、最も像側の面の曲率半径:RC4とが、条件:
(7) 0.5<(RC2/RC4)<0.85
を満足することが好ましい(請求項9)。
【0016】
請求項1〜9の任意の1に記載のズームレンズは、第2群が「3枚接合レンズの物体側および像側にそれぞれ、少なくとも1枚の正レンズを有する」ことができる(請求項10)。この場合において、3枚接合レンズの物体側および像側に配置される正レンズのうちの少なくとも1枚は非球面を有することが好ましい(請求項11)。
【0017】
請求項10または11記載のズームレンズにおける第1群は「物体側から順に、2枚の負レンズと1枚の正レンズを有する」ことができる(請求項12)。
【0018】
この発明のカメラ装置は、請求項1〜請求項12に記載のズームレンズを「カメラ機能部の撮影用光学系」として有することを特徴とする(請求項13)。このようなカメラ装置は「携帯情報端末装置」として実施できる。勿論、請求項1〜12の任意の1に記載のズームレンズを撮影用光学系として有する、デジタルカメラ装置や、銀塩カメラ装置としても実施できることは言うまでもない。
【0019】
この発明のズームレンズのように、物体側から負・正・正のパワー配分を持った3群で構成されるズームレンズでは、一般に、短焦点端から長焦点端への変倍に際し、第2群が像側から物体側へ単調に移動し、第1群は「変倍に伴う像面位置の変動を補正する」ように移動する。
【0020】
従って、第2群が「変倍機能の大半」を負っており、第3群は「主として像面から射出瞳を遠ざける」ために設けられている。
【0021】
各種収差が少なく解像力の高いズームレンズの実現には、変倍による収差変動を小さく抑えなければならず、特に主変倍群である第2群が「その変倍範囲の全域において良好に収差補正」されている必要がある。
【0022】
また、短焦点端の広画角化を実現するには、広画角化に伴って増大する倍率色収差を低減する必要があり、これを変倍範囲の全域において良好に補正するためにも第2群の構成が重要となる.
従来、上記3群構成のズームレンズの第2群としては、物体側から順に「正レンズ、負レンズ、正レンズの3枚からなる」もの、「正レンズ、正レンズ、負レンズの3枚からなる」もの、「正レンズ、正レンズ、負レンズ、正レンズの4枚からなる」もの、「正レンズ、負レンズ、負レンズ、正レンズの4枚からなる」もの等が知られているが、この発明のズームレンズの第2群は、これらを上回る収差補正能力を実現可能なものである。
【0023】
即ち、この発明のズームレンズは、第2群を「物体側から順に、負レンズ、正レンズ、負レンズからなる3枚接合レンズ」を有する構成とした。3枚接合レンズの2面の接合面は「絞りからの距離が異なる」ので、軸上、軸外の光線の通り方も異なる。従って、このような2面の接合面により、軸上色収差と倍率色収差をある程度独立して補正することが可能となり、特に広画角化に伴って増大する倍率色収差の補正に効果がある。
【0024】
接合面を2面設ける方策としては、2組の接合レンズを使用することも考えられるが、組付け時の偏心等により「接合レンズ同士の光軸」がずれた場合、軸外において倍率色収差が非対称に発生し不自然な色滲みを生じやすい。
【0025】
これに対し、この発明のように3枚接合レンズを使用すれば、2面の接合面に組付け偏心を生ずることがなく、倍率色収差を十分に低減可能である。
【0026】
請求項2記載のズームレンズのように、第2群の3枚接合レンズの「最も物体側に配置される負レンズ」を「像側に凹面を向けたメニスカス形状」とすると、この負レンズの物体側面を凸面として入射光線をあまり大きく屈折させず、不要な収差の発生を防ぎ、像側面を強い凹面として主に球面収差・コマ収差の補正を行うことができ、収差をより良好に補正できる。
【0027】
請求項3記載のズームレンズのように、第2群の2枚接合レンズの「最も像側に配置される負レンズ」を、「像側に強い凹面を向けたもの」とすることにより、像側面の強い凹面により「球面収差・コマ収差の副次的な補正」を行うと共に、非点収差の補正にも寄与させることができ、収差のさらなる良好な補正が可能になる。
【0028】
請求項4における条件(1),(2)は「良好な色収差補正」のための条件であり、屈折率:NC2が1.52より大きく、アッベ数:νC2が68より小さいと、軸上色収差と他の収差とのバランスを取りづらく、特に、長焦点端における軸上色収差が発生し易くなる。また、物体側の接合面おける単色収差の補正効果も十分に得られなくなる。
【0029】
逆に、屈折率:NC2が1.45より小さく、アッベ数:νC2が85より大きくなると、収差補正上は有利であるが、硝子材料が高価となりコストアップを招来してしまう。
【0030】
条件(1)、(2)を満足することにより、主として軸上色収差をさらに良好に補正し、より高性能を実現でき、コントラストの高い画質を得ることができる。
【0031】
請求項5の条件(3)〜(6)は、倍率色収差をさらに良好に補正するための条件であり、条件(1)、(2)と合わせて、条件(3)〜(6)を満足することにより、軸上色収差と倍率色収差を良好にバランスさせ、特に短焦点端における倍率色収差を低減でき、その際、単色収差の補正状態も良好に保つことが可能となる。従って、主として倍率色収差をさらに良好に補正して「ズームレンズのより高性能化」を図ることができる。
【0032】
上記条件(3)、(4)は、
(3−1) 1.75<NC1<1.95
(4−1) 20<νC1< 35
の組合せ、あるいは、
(3−1) 1.75<NC1<1.95
(4−2) 35≦νC1< 40
の組合せ、もしくは、
(3−2) 1.60<NC1≦1.75
(4−1) 20<νC1< 35
の組合せで満足させるのが良い。
【0033】
請求項9記載の条件(7)は「単色収差のさらなる改善」のための条件であり、パラメータ:RC2/RC4が0.85より大きくなると、長焦点端における球面収差が正方向に大きく発生しやすくなり、画像コントラストの劣化の要因となる。逆に、パラメータ:RC2/RC4が0.5より小さくなると、非点収差・像面湾曲の補正能力が不足気味になり、変倍範囲の全域において像面の平坦性を劣化させる要因となる。
【0034】
条件(7)を満足することにより、ズームレンズの「主として単色収差」をさらに良好に補正することができる。
【0035】
3枚接合レンズには「強い負の屈折力を有する凹面」が2面あり、これに対抗する正の屈折力を配置することにより、上記2面の凹面のよる収差補正能力を十分に引き出すことができる。
【0036】
請求項10記載のズームレンズのように、第2群が、3枚接合レンズの物体側および像側にそれぞれ、少なくとも1枚の正レンズを有するようにすると、第2群全体としては「正・負・正・負・正」の構成となり、屈折力の配置として非常にバランスが良い。このような構成を採ることで、1つのレンズ面で過大な収差が発生することを防ぎ、偏心等の製造誤差による結像性能の劣化も小さく抑えることが可能となる。
【0037】
従って、請求項10の構成とすることにより、ズームレンズを、十分に小型・広画角化し、高性能を実現できる。
【0038】
さらに、第2群の小型化(特に全長の短縮)のためには、第2群に非球面を用いることが効果的である(請求項11)。その際、非球面は、3枚接合レンズの物体側および像側に配置される正レンズのどちらか、または両方に設けるのが良い。物体側の正レンズは絞りに近く、主として球面収差・コマ収差の補正に効果がある。像側の正レンズは絞りから離れており、軸外の光束がある程度分離して通るため球面収差・コマ収差の他に非点収差の補正に効果がある。
【0039】
従って、請求項11の構成とすることにより、単色収差をさらに良好に補正し、非常に高性能なズームレンズが実現可能となる。
【0040】
この発明のズームレンズの第1群は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ、像側に曲率の大きな面を向けた負レンズ、物体側に曲率の大きな面を向けた正レンズの3枚で構成することができる(請求項12)。このような構成は軸外収差の補正能力が高いため、広画角化に有利である。より良好な収差補正のためには上記負レンズの像側の面(像側に曲率の大きな面)が非球面であることが望ましい。
【0041】
また、この発明のズームレンズは「第3群を1枚の正レンズで構成する」ことができる。第3群を簡単な構成とすることは、レンズ系の小型化に有利であるのみならず、第3群でフォーカシングを行う場合には機構の簡素化にもつながる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下に本発明のズームレンズの具体的な実施例を挙げる。
【0043】
収差図に示すように、各実施例とも、収差は十分に補正されており、300万画素〜500万画素の受光素子に十分に対応可能である。即ち、この発明のようにズームレンズを構成することで、十分な小型化・広画角化を達成しながら非常に良好な像性能を確保し得ることが明らかである。
【0044】
実施例における各記号の意味は以下の通りである.
f:全系の焦点距離
F:Fナンバ
ω:半画角
R:曲率半径
D:面間隔(絞り面を含む)
Nd:屈折率
νd:アッベ数
K:非球面の円錐定数
A4:4次の非球面係数
A6:6次の非球面係数
A8:8次の非球面係数
A10:10次の非球面係数
A12:12次の非球面係数
A14:14次の非球面係数
A16:16次の非球面係数
A18:18次の非球面係数
非球面は、近軸曲率半径の逆数(近軸曲率)をC、光軸からの高さをHとして、周知の下式で定義されるものであり、円錐定数:K、高次の被球面係数:A4〜A18の値を与えて、形状を特定する。
【0045】
【0046】
【実施例】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
図8〜図10に実施例1のズームレンズの収差曲線を示す。図8は短焦点端、図9は中間焦点距離、図10は長焦点端におけるものである。
図11〜図13に実施例2のズームレンズの収差曲線を示す。図11は短焦点端、図12は中間焦点距離、図13は長焦点端におけるものである。
図14〜図16に実施例3のズームレンズの収差曲線を示す。図14は短焦点端、図15は中間焦点距離、図16は長焦点端におけるものである。
図17〜図19に実施例4のズームレンズの収差曲線を示す。図17は短焦点端、図18は中間焦点距離、図19は長焦点端におけるものである。
図20〜図22に実施例5のズームレンズの収差曲線を示す。図20は短焦点端、図21は中間焦点距離、図22は長焦点端におけるものである。
図23〜図25に実施例6のズームレンズの収差曲線を示す。図23は短焦点端、図24は中間焦点距離、図25は長焦点端におけるものである。
図26〜図28に実施例7のズームレンズの収差曲線を示す。図26は短焦点端、図27は中間焦点距離、図28は長焦点端におけるものである。
各収差図中、球面収差の図における破線は「正弦条件」を表す。非点収差の図における実線はサジタル、破線はメリディオナルを表す。
【0063】
【発明の実施の形態】
図29および図30を参照して、携帯情報端末装置としてのカメラ装置の実施の形態を説明する。
図29の(a)、(b)は正面側と上部面とを示す図、(c)は背面側を示す図である。カメラ装置30は、撮影レンズ31として、上に説明した請求項1〜12の任意の1に記載のズームレンズ(より具体的には、例えば、上記実施例1〜7の適宜のもの)を「撮影用ズームレンズ」として有する。
【0064】
図29(a)において、符号32はフラッシュ、符号33はファインダを示す。ズームレバー34とシャッタボタン35は、本体の上面側に配置されている。
図29(b)は撮影レンズ31の使用状態を示す図である。
撮影レンズ31は、使用されないときは、図25(a)に示すように、カメラ装置本体に「沈胴式」に収納される。ズームレンズの上記各実施例とも、レンズ枚数が9枚と少なく、第2群の厚さも小さいので、沈胴式に収納すると薄いカメラ本体内に収納できる。
【0065】
図29(c)に示すように、電源スイッチ36、操作ボタン37、液晶モニタ38はカメラ装置本体の背面側に配置され、通信カード用スロット39Aと、メモリカードスロット39Bは、本体側面に配置されている。
【0066】
図30は、カメラ装置の「システム構造」を示す図である。カメラ装置30は携帯情報端末装置である。図30に示すように、カメラ装置は、撮影レンズ31と受光素子(エリアセンサ)45を有し、撮影レンズ31によって形成される撮影対象物の像を受光素子45によって読取るように構成され、受光素子45からの出力は中央演算装置40の制御を受ける信号処理装置42によって処理されてデジタル情報に変換される。即ち、カメラ装置30は「撮影画像をデジタル情報とする機能」を有している。
【0067】
信号処理装置42によってデジタル化された画像情報は、中央演算装置40の制御を受ける画像処理装置41において所定の画像処理を受けた後、半導体メモリ44(前記メモリカードスロット39Bにセットされる)に記録される。液晶モニタ38には、撮影中の画像を表示することもできるし、半導体メモリ44に記録されている画像を表示することもできる。また、半導体メモリ44に記録した画像は、通信カード43等(前記通信カードスロット39Aにセットされる)を使用して外部へ送信することも可能である。
【0068】
図29(a)に示すように、撮影レンズ31は、カメラ装置30の携帯時には「沈胴状態」にあり、ユーザが電源スイッチ36を操作して電源を入れると、図29(b)に示すように鏡胴が繰り出される。このとき、鏡胴内部でズームレンズの各群は、例えば「短焦点端の配置」となっており、ズームレバー34を操作することで各群の配置が変化して長焦点端への変倍を行うことができる。このとき、ファインダ33も撮影レンズの画角変化に連動して変倍する。
【0069】
シャッタボタン35の「半押し」によりフォーカシングがなされる。フォーカシングは、第1群もしくは第3群、あるいは受光素子の移動によって行うことができる。シャッタボタン35を、半押し状態からさらに押し込むと撮影がなされ、その後は上記の画像情報処理が実行される。
【0070】
半導体メモリ44に記録した画像を液晶モニタ38に表示したり、通信カード43等を使用して外部へ送信する場合は、操作ボタン37の操作により行なう。撮影レンズ31として、実施例1〜7の任意のものを使用すると、これらは性能良好であるので、受光素子45として、300万画素〜500万画素クラスのものを使用した高画質で小型のカメラ装置を実現できる。
【0071】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明によれば、新規なズームレンズとカメラ装置を実現できる。この発明のズームレンズは、上記の如く、十分な小型化・広画角化を実現でき、しかも高性能であり、300万〜500万画素の撮像素子に対応した解像力を実現可能である。従って、このズームレンズをカメラ機能部の撮影光学系として使用することにより、小型・高画質のカメラ装置(携帯情報端末装置等)を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のズームレンズの構成を示す断面図である。
【図2】実施例2のズームレンズの構成を示す断面図である。
【図3】実施例3のズームレンズの構成を示す断面図である。
【図4】実施例4のズームレンズの構成を示す断面図である。
【図5】実施例5のズームレンズの構成を示す断面図である。
【図6】実施例6のズームレンズの構成を示す断面図である。
【図7】実施例7のズームレンズの構成を示す断面図である。
【図8】実施例1のズームレンズの短焦点端における収差曲線図である。
【図9】実施例1のズームレンズの中間焦点距離における収差曲線図である.
【図10】実施例1のズームレンズの長焦点端における収差曲線図である。
【図11】実施例2のズームレンズの短焦点端における収差曲線図である。
【図12】実施例2のズームレンズの中間焦点距離における収差曲線図である.
【図13】実施例2のズームレンズの長焦点端における収差曲線図である。
【図14】実施例3のズームレンズの短焦点端における収差曲線図である。
【図15】実施例3のズームレンズの中間焦点距離における収差曲線図である.
【図16】実施例3のズームレンズの長焦点端における収差曲線図である。
【図17】実施例4のズームレンズの短焦点端における収差曲線図である。
【図18】実施例4のズームレンズの中間焦点距離における収差曲線図である.
【図19】実施例4のズームレンズの長焦点端における収差曲線図である。
【図20】実施例5のズームレンズの短焦点端における収差曲線図である。
【図21】実施例5のズームレンズの中間焦点距離における収差曲線図である.
【図22】実施例5のズームレンズの長焦点端における収差曲線図である。
【図23】実施例6のズームレンズの短焦点端における収差曲線図である。
【図24】実施例6のズームレンズの中間焦点距離における収差曲線図である.
【図25】実施例6のズームレンズの長焦点端における収差曲線図である。
【図26】実施例7のズームレンズの短焦点端における収差曲線図である。
【図27】実施例7のズームレンズの中間焦点距離における収差曲線図である.
【図28】実施例7のズームレンズの長焦点端における収差曲線図である。
【図29】カメラ装置(携帯情報端末装置)の実施の1形態を示す外観図である。
【図30】図29のカメラ装置のシステム構造を示す図である。
【符号の説明】
I 第1群
II 第2群
III 第3群
S 絞り
F 各種フィルタ
Claims (13)
- 物体側から順に、負の焦点距離を持つ第1群、正の焦点距離を持つ第2群、正の焦点距離を持つ第3群を配し、第2群の物体側に、第2群と一体に移動する絞りを有してなり、短焦点端から長焦点端への変倍に際し、第2群が像側から物体側へ単調に移動し、第1群が変倍に伴う像面位置の変動を補正するように移動するズームレンズにおいて、
第2群が、物体側から順に負レンズ、正レンズ、負レンズからなる3枚接合レンズを有することを特徴とするズームレンズ。 - 請求項1記載のズームレンズにおいて、
第2群の3枚接合レンズの最も物体側に配置される負レンズが、像側に凹面を向けたメニスカス形状であることを特徴とするズームレンズ。 - 請求項1または2記載のズームレンズにおいて、
第2群の3枚接合レンズの最も像側に配置される負レンズが、像側に強い凹面を向けていることを特徴とするズームレンズ. - 請求項1または2または3記載のズームレンズにおいて、
第2群の3枚接合レンズの中間に配置される正レンズの屈折率:NC2、アッベ数:νC2が、条件:
(1) 1.45<NC2<1.52
(2) 68<νC2<85
を満足することを特徴とするズームレンズ。 - 請求項4載のズームレンズにおいて、
第2群の3枚接合レンズの最も物体側に配置される負レンズの屈折率:NC1、アッベ数:νC1、第2群の3枚接合レンズの最も像側に配置される負レンズの屈折率:NC3、アッベ数:νC3が条件:
(3) 1.60<NC1<1.95
(4) 20<νC1< 40
(5) 1.60<NC3<1.95
(6) 20<νC3< 40
を満足することを特徴とするズームレンズ。 - 請求項5記載のズームレンズにおいて、
第2群の3枚接合レンズの最も物体側に配置される負レンズの屈折率:NC1、アッベ数:νC1が条件:
(3−1) 1.75<NC1<1.95
(4−1) 20<νC1< 35
を満足することを特徴とするズームレンズ。 - 請求項5記載のズームレンズにおいて、
第2群の3枚接合レンズの最も物体側に配置される負レンズの屈折率:NC1、アッベ数:νC1が条件:
(3−1) 1.75<NC1<1.95
(4−2) 35≦νC1< 40
を満足することを特徴とするズームレンズ。 - 請求項5記載のズームレンズにおいて、
第2群の3枚接合レンズの最も物体側に配置される負レンズの屈折率:NC1、アッベ数:νC1が条件:
(3−2) 1.60<NC1≦1.75
(4−1) 20<νC1< 35
を満足することを特徴とするズームレンズ。 - 請求項1〜8の任意の1に記載のズームレンズにおいて、
第2群の3枚接合レンズの、物体側の接合面の曲率半径:RC2と、最も像側の面の曲率半径:RC4とが、条件:
(7) 0.5<(RC2/RC4)<0.85
を満足することを特徴とするズームレンズ。 - 請求項1〜9の任意の1に記載のズームレンズにおいて、
第2群が、3枚接合レンズの物体側および像側にそれぞれ、少なくとも1枚の正レンズを有することを特徴とするズームレンズ。 - 請求項10記載のズームレンズにおいて、
3枚接合レンズの物体側および像側に配置される正レンズのうちの少なくとも1枚は非球面を有することを特徴とするズームレンズ。 - 請求項10または11記載のズームレンズにおいて、
第1群が、物体側から順に、2枚の負レンズと1枚の正レンズを有することを特徴とするズームレンズ。 - 請求項1〜請求項12の任意の1に記載のズームレンズをカメラ機能部の撮影用光学系として有することを特徴とするカメラ装置。
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