(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。まず、図1から図3を参照しながら、本発明によるディスクカートリッジの第1の実施形態の構成および構造を説明する。
図1は、ディスクカートリッジ201全体を示す斜視図であり、(a)はディスク収納部230が閉塞した状態を示し、(b)はディスク収納部230が開放した状態を示す。図2は、ディスクカートリッジ201全体の裏面側を示す斜視図で、(a)はディスク収納部230が閉塞した状態を示し、(b)はディスク収納部230が開放した状態を示す。図3は、ディスクカートリッジ201の構成部品を示す分解斜視図である。
これらの図に示すようにディスクカートリッジ201は、ディスク収納部230を構成する第1のディスク収納部231および第2のディスク収納部232と支持ベース部材205とを備える。支持ベース部材205は、上部支持ベース部材210と下部支持ベース部材220とを有し、これらを重ね合わせることにより、第1のディスク収納部231および第2のディスク収納部232の一部をそれぞれ挟むよう回転可能に支持している。図1および図2に示すように、支持ベース部材205より一部露出したディスク収納部230と支持ベース部材205とにより、ディスクカートリッジ201の外殻が構成される。
ディスク収納部230は、前述したように、第1のディスク収納部231と第2のディスク収納部232とによって構成され、それぞれディスク10の厚み方向に隙間を有した袋形状の空間を有する。この空間はディスク10のそれぞれ一部を収納できる大きさである。図1(a)および図2(a)に示すように、ディスク収納部230が閉塞した状態では、第1のディスク収納部231と第2のディスク収納部232の袋形状の開口の縁部分が互いに密着させる。これにより、ディスク10全体を収納し、全面が露出しないようにディスク10を覆う。
また、図1(b)および図2(b)に示すように、ディスク収納部230が開放した状態では、ディスクカートリッジ201の外部から、スピンドルモータ、クランプ部材などのディスク10を回転させる手段がディスク10をチャッキングしディスク10を回転させるととともに、記録および/または再生するヘッドがディスクカートリッジ201内に侵入し、ディスク10にアクセスするための略扇形領域の開口部230wを支持ベース部材205とディスク収納部220とで形成する。
したがって、ディスク収納部230は、ディスクカートリッジ201の外殻をなすハウジングの機能および開口部230wを開放および閉塞するシャッタの機能の2つの機能を兼ね備えている。
なお、ディスク10を外部に対して開放もしくは閉塞する機能は、例えば第1および第2のディスク収納部231、232のみでも原理的には実現する。しかしながら、第1および第2のディスク収納部231、232のみを備える構造では、閉塞している状態でディスク10と垂直な方向、に働く外乱の力が第1のディスク収納部231および第2のディスク収納部232に互いに逆向き作用した場合、ねじれの力が発生し、大きな変形や破壊が生じる可能性がある。
この問題を解決するため、ディスクカートリッジ201は、支持ベース部材205を備え、支持ベース部材205の少なくとも一部は、第1のディスク収納部231および第2のディスク収納部232がディスク10と垂直な方向へ移動するのを抑制するように第1のディスク収納部231および第2のディスク収納部232と重なっている。これにより、第1および第2のディスク収納部231、232にねじれの力が加わっても、少なくとも支持ベース部材205に挟持された部分において、第1および第2のディスク収納部231、232の変形を防止することができる。これにより、ディスクカートリッジ201全体の堅牢性を向上させることができる。また、以下において詳細に説明するように、第1および第2のディスク収納部231、232が閉塞した状態でこれらの回転を防止するロック構造を設けることができる。
また、ディスク収納部230の開放および閉塞する動作に対して支持ベース部材205は静止している構成要素であるため、カートリッジ201をディスクドライブ装置へ挿入する場合において、操作者が手で持つホルダ部分として機能する。上部支持ベース部材210には、ディスク10に記録されている情報の内容表示ラベル紙を貼付できるラベル用凹部210pを設けることが可能であり、これにより、ディスクカートリッジ201に収納されたディスク10の情報の内容を表示することができる。
支持ベース部材205と第1および第2のディスク収納部231、232とが重なる領域が大きいほど、ディスクカートリッジ201の堅牢性は高まる。しかし、閉塞した状態の第1および第2のディスク収納部231、232に収納されるディスク10の中心を超えてヘッド開口部側にまで支持ベース部材205が伸びると、第1および第2のディスク収納部231、232が開放した時に形成する開口を覆ってしまうことになる。このため、支持ベース部材205は、閉塞した状態の第1および第2のディスク収納部231、232に収納されるディスク10の中心よりも第1および第2のディスク収納部231、232の回転支持部側のみを覆っていることが好ましい。
また、図2に示すように、下部支持ベース部材220には、ディスク装置(図示せず)内におけるディスク10と平行な面内におけるディスクカートリッジ201の位置を決定するための位置決め穴225aおよび225bが設けられている。
さらに、下部支持ベース部材220の両側面部には、切り欠き部220tが設けられている。切り欠き部220tは、例えばトレイ方式のローディングにおけるディスクカートリッジ201の表裏を逆に装填することの防止に使用されたり、スロットローディング方式におけるディスクカートリッジ201を保持するための係合などに使用されたりする。
図3に示すように、第1のディスク収納部231および第2のディスク収納部232は、それぞれ回動中心穴231a、232aを有している。回動中心穴231a、232aには、下部支持ベース部材220の回転支軸220a、220bが挿入され、これにより、第1のディスク収納部231および第2のディスク収納部232が、支持ベース部材205に回転可能に支持される。
また、第1のディスク収納部231および第2のディスク収納部232は、互いに噛み合って係合する連動部231bおよび232bを備えている。この連動部231bおよび232bの係合によって、第1のディスク収納部231および第2のディスク収納部232は互いに逆方向へ連動して回動を行うことができる。
また、第1および第2のディスク収納部231、232には、図1および図2に示すように切り欠き部231dおよび232dが設けられている。切り欠き部231dおよび232dは、外部からディスク収納部220の開放および閉塞の動作を行うために使用される。
ディスクカートリッジ201はさらにロックユニット253を備える。ロックユニット253は、以下において詳細に説明するように支持ベース部材205とは別の部品によって構成されている。ロックユニット253は、支持ベース部材205に設けられた挿入口205tに挿入されることによって、支持ベース部材205に組み込まれ、第1および第2のディスク収納部231、232が閉塞した状態で、第1および第2のディスク収納部231、232が回動するのをロックする。
図3に示すように、ロックユニット253は、ロックレバー支持部250、第1のロックレバー部241および第2のロックレバー部242を有する。本実施形態では、第1のおよび第2のロックレバー部241、242は、回動ヒンジ部250a、250bを介してロックレバー支持部250に取り付けられており、ロックレバー支持部250と第1のおよび第2のロックレバー部241、242とは、1つの部品として一体的に形成されている。
第1のロックレバー部241は、係止レバー部241bと、操作部241cと弾性部241dとを含む。係止レバー部241bは、ディスク収納部230が閉塞した状態で、第1のディスク収納部231の係止部231c(図6参照)に当接して、第1のディスク収納部231が開放状態へ回動するのを規制する。操作部241cを外部から押下することによって、回動ヒンジ部250aを軸として回動するように第1のロックレバー部241を付勢することができる。弾性部241d(図5参照)は、操作部241cによる付勢に抗して弾性変形することで、第1のロックレバー部241に付勢力を発生する。
同様に、第2のロックレバー部242は、係止レバー部242bと、操作部242cと弾性部242dとを含む。係止レバー部242bは、ディスク収納部230が閉塞した状態で、第2のディスク収納部232の係止部232c(図6参照)に当接して、第2のディスク収納部232が開放状態へ回動するのを規制する。操作部242cを外部から押下することによって、回動ヒンジ部250bを軸として回動するように第2のロックレバー部242を付勢することができる。弾性部242d(図5参照)は、操作部242cによる付勢に抗して弾性変形することで、第2のロックレバー部242に付勢力を発生する。
前述したように、ロックレバー支持部250と第1のおよび第2のロックレバー部241、242とを一体的に構成することによって、回動ヒンジ部250a、250bにヒンジ性を付与し、弾性部241d、242dのバネ性を付与することが可能となる。
ディスクカートリッジ201には、第1および第2のロックレバー部241、242を操作するための、ロック解除用溝200a、200bが、ディスクカートリッジ201の両側面に設けられている。第1および第2のロックレバー部241、242の操作部241c、242cは、ロック解除用溝200a、200bの底部に設けられた開口からロック解除用溝200a、200b内に突出している。ただし、操作部241c、242cはディスクカートリッジ201の外形より突出しないように、つまり、操作部241c、242cのロック解除用溝200a、200bの底部からの突出量が、ロック解除用溝200a、200bの深さより小さくなっている。このため、通常の操作では、外部から操作部241c、242cを押下しにくくなっており、これにより、ディスク収納部230ロックが意図的に解除されることを防止している。
次に、図4、図5を参照しながら、支持ベース部材205およびロックユニット253を説明する。
図4は、ロックユニット253と支持ベース部材205の構造を示す斜視図であり、(a)は下部支持ベース部材220とロックユニット253とを示し、(b)は上部支持ベース部材210とロックユニット253とを示している。
図5は、ロックユニット253の構造を示す平面図であり、(a)は支持ベース部材205へ組み込む前の状態を示し、(b)は支持ベース部材205へ組み込んだ後の状態を示し、(c)は第1および第2のロックレバー部241、242の回動時の状態を示す。
図4に示すように、ロックユニット253のロックレバー支持部250は、本体250t、第1の保持ツメ部251a、251bおよび第2の保持ツメ部251c、251dを有する。本体250tは、支持ベース部材205の挿入口205tに対応する略長方形状を有しており、ロックユニット253を支持ベース部材205の挿入口205tに挿入した状態では、本体250tが挿入口205tを完全に塞ぐ。本体250tは、補強リブ等を備えない略長方形の板状であるため弾性変形しやすい。このため、ロックユニット253を支持ベース部材205の挿入口205tに挿入する際、本体250tが弾性変形して、ロックユニット253全体が撓むことにより、第1の保持ツメ部251a、251bおよび第2の保持ツメ部251c、251dが、支持ベース部材205に設けられた対応する係合部と係合しやすくなり、組立性が向上する。
第1の保持ツメ部251a、251bおよび第2の保持ツメ部251c、251dは、支持ベース部材205に対して、ロックユニット253を矢印200A方向に挿入して組み込んだ際の抜け止めとして機能する。第1の保持ツメ部251a、251bは、本体250tの長手方向における両端近傍設けられている。また、第2の保持ツメ部251c、251dは、本体250tの長手方向の中央近傍に設けられている。
また、ロックレバー支持部250には、支持ベース部材205に組み込んだ際に、下部支持ベース部材220に設けられた位置決め穴225a、225bを開口とする凹部を形成するように、位置決め穴225a、225bを覆う位置決め穴カバー部255a、255bが設けられている。これにより、位置決め穴225a、225bから支持ベース部材205内部への埃の進入を防止している。
図4(a)に示すように、下部支持ベース部材220の内部には、ロックレバー支持部250の第1の保持ツメ部251a、251bとそれぞれ係合する第1の係合部221a、221bと、ロック支持部250の第2の保持ツメ部251c、251dとそれぞれ係合する第2の係合部221c、221dが設けられている。これらの係合部には、ロックレバー支持部250を矢印200A方向へ挿入し易くするためにテーパ面が設けられている。
また、下部支持ベース部材220には、上部支持ベース部材210と重ね合わせる際の位置決めを行う位置決め穴222a、222bと、ロックユニット253を組み込んだ際の位置決めを行う位置決めボス224a、224bが設けられている。
同様に、図4(b)に示すように、上部支持ベース部材210の内部には、ロックホルダ250の第1の保持ツメ部251a、251bとそれぞれ係合する第1の係合部211a、211bと、ロックホルダ250の第2の保持ツメ部251c、251dとそれぞれ係合する第2の係合部211c、211dが設けられている。これらの係合部には、ロックレバー支持部250を矢印200A方向へ挿入し易くするためにテーパ面が設けられている。また、下部支持ベース部材220に設けられた位置決め穴222a、222bと係合して、位置決めを行う位置決めボス212a、212bが設けられている。
また、上部支持ベース部材210の第2の係合部211c、211dおよび下部支持ベース部材220の第2の係合部221c、221dはそれぞれ、挿入口105の長手方向における中央近傍において、リブと一体的に構成されている。このため上部支持ベース部材210と下部支持ベース部材220を重ね合わせて溶着または接着する際、支持ベース部材205の側面部を構成するリブ部分に加えて、これらのリブを互いに溶着または接着することによって、支持ベース部材205の中央部が接合される。これにより、ロックユニット253が組み込まれていない状態でも支持ベース部材205の強度を向上させることができる。
また、上述したように、ロックレバー支持部250の第1の保持ツメ部251a、251bおよび第2の保持ツメ部251c、251dは、下部支持ベース部材220の第1の係合部221a、221bおよび第2の係合部221c、221dと係合するとともに、上部支持ベース部材210の第1の係合部211a、211bおよび第2の係合部211c、211dとも係合する。このため、ロックユニット253が支持ベース部材205に確実に保持される。
図5に示すように、ロックユニット253において、第1および第2のロックレバー部241、242は、回転ヒンジ部250a、250bを介して、ロックレバー支持部250に一体的に構成されている。また、第1および第2のロックレバー部241、242は、回転ヒンジ部250a、250bの弾性変形を利用して、回転ヒンジ部250a、250bを略中心として回転可能に支持される。さらに弾性部241d、242dは、操作部241c、242cによる付勢に抗して弾性変形することで、第1および第2のロックレバー部241、242に付勢力を発生する。このため、回転ヒンジ部250a、250bおよび弾性部241d、242dの端部にはこれらの弾性変形によって、ロックレバー支持部250の本体には応力が生じる。
しかし、回転ヒンジ部250a、250b近傍および弾性部241d、242dの端部近傍には、第1の保持ツメ部251a、251bおよび第2の保持ツメ部251c、251dが設けられており、これらによって、ロックレバー支持部250の本体250tが支持ベース部材205に保持されている。このため、応力によってロックレバー支持部250の本体250tが変形することなく、第1および第2のロックレバー部241、242は、回転ヒンジ部250a、250bを中心にそれぞれ矢印241A方向、矢印242A方向に回動し、操作部241c、242cの押圧を解除すると、弾性変形した弾性部241d、242dの弾性力を利用して、矢印241B方向、矢印242B方向に回動することができる。
また、図5(a)に示すように、第1および第2のロックレバー部241、242は、支持ベース部材205に組み込む前の部品単体の状態では、図5(b)に示す支持ベース部材205に挿入した状態に比較して、それぞれ角度θ1、θ2だけ、矢印241B方向、矢印242方向に傾いている。このため、図5(b)に示すように、ロックレバー支持部250を支持ベース部材205に組み込んだ際には、第1および第2のロックレバー部241、242に設けられた当接部241e、242eが、支持ベース部材205の内壁と当接し、第1および第2のロックレバー部241、242は、それぞれ矢印241B方向および矢印242B方向に付勢される。
したがって、この当接部241e、242eがストッパーとして機能するため、ロックユニット253を支持ベース部材205に組み込むことにより、ディスクカートリッジ201における第1および第2のロックレバー部241、242の位置精度が向上する。
次に、ディスクカートリッジ201のディスク収納部230の開放または閉塞動作について図6を参照しがら説明する。図6は、ディスクカートリッジ201の部分断面図であり、(a)はディスク収納部230が閉塞した状態を示し、(b)はディスク収納部230が開放した状態を示している。
図6(a)に示すように、ディスク収納部230が閉塞した状態では、第1および第2のロックレバー部241、242の係止レバー部241b、242bが、第1および第2のディスク収納部231、232に設けられた係止部231c、232cと当接することによって、第1および第2のディスク収納部231、232の矢印231A方向および矢印232A方向への回転を規制して、ディスク収納部230が閉塞した状態で、第1および第2のディスク収納部231、232の回転をロックする。
また、ディスクカートリッジ201の内部で、ディスク10がガタつくのを防止するために、第1および第2のディスク収納部231、232の内壁には、閉塞している状態で、ディスク10の外周側面に当接もしくは微少な距離を隔てて、ディスク10の動きを規制する部位(図示せず)が設けられている。これによりディスク収納部230の閉塞時にはディスク10が保持され、ディスク10がガタつくのを防止している。
図6(a)のディスク収納部230が閉塞した状態から、後述するようにディスク装置に設けられた部材により、第1および第2のロックレバー部241、242を同時に操作して、弾性部241d、242dを弾性変形させながら、ディスク収納部230のロックを解除する。このとき、第1および第2のディスク収納部231、232の切り欠き部231d、232dに、ディスク装置に設けられた開閉部材151、152が係合する。さらに、開閉部材151、152が第1および第2のディスク収納部231、232をそれぞれ矢印231A方向、矢印232A方向に回転させると、図6(b)に示すように、ディスク収納部230が開放した第1の開放状態になる。
このとき、第1および第2のディスク収納部231、232の係止部231c、232cは、第1および第2のロックレバー部241、242の係止レバー部241b、242bと操作部231c、232cの間に移動する。このため、第1および第2のロックレバー部241、242は、図6(a)のディスク収納部230が閉塞した状態と同じ位置に戻る。したがって、ディスク収納部230が開放した第1の開放状態においても、第1および第2のロックレバー部241、242は、ロック解除方向(矢印241A方向、矢印242B方向)へ回動できない。また、弾性部241d、242dも元の状態に戻るため、弾性部241d、242dが弾性変形した状態を維持することによるクリープを防止することができる。
ディスク収納部230が開放した第1の開放状態では、第1および第2ディスク収納部231、232の内壁が、ディスク10より離間する。このため、下部支持ベース部材220に設けられた位置規制部223a、223bと、ディスク装置に設けられた位置決め部材65が、ディスク10の外周側面と当接することによって、下部支持ベース部材220(支持ベース部材205)に対するディスク10の位置決めが行われる。
また、図6(b)に示すように、ディスク収納部230が開放した第1の開放状態では、第1および第2のロックレバー部241、242が、第1および第2のディスク収納部231、232の矢印231A方向、矢印232方向への回動を制限する。したがって、ディスク収納部230が開放した第1の開放状態では、第1および第2のディスク収納部231、232が回動して開口部230wがさらに大きくなり、ディスク10が脱落するということが防止される。
ディスク収納部230を閉塞するためには、上記動作の逆動作、すなわち、ディスク装置に設けられた開閉部材151、152が第1および第2のディスク収納部231、232を矢印231B、矢印232B方向に回転させることにより行う。このとき、第1および第2のロックレバー部241、242は、回動する第1および第2のディスク収納部231、232の係止部231c、232cが当接することにより、それぞれ矢印241A、242A方向に回動される。図6(a)に示すように、ディスク収納部230が閉塞すると、第1および第2のロックレバー部241、242は、それぞれの弾性部241d、242dの弾性力によって、それぞれ矢印241B、矢印242B方向に回動する。第1および第2のロック部材241、242の係止レバー部241b、242bが、第1および第2のディスク収納部231、232の係止部231c、232cと当接することにより、ディスク収納部230の回転がロックし、ディスク収納部220の閉塞動作が完了する。
なお、ディスクカートリッジ201は、図6(b)に示すように、ディスク収納部230が開放した第1の開放状態では、ディスク10とディスク収納部230と支持ベース部材205とでディスク10の回転軸方向に投影されるカートリッジ投影領域が、図6(a)に示す閉塞している状態よりも大きくなる。しかし、ディスクカートリッジ201の外形が小さくても開口部230wを大きくすることができ、ヘッドの設計自由度が大幅に向上するという利点がある。
次に、ディスクカートリッジ201のロック解除の動作について図7を参照しがら説明する。図7は、ディスクカートリッジ201の部分断面図で、(a)は、第1および第2のディスク収納部231、232が第1および第2のロックレバー部241、242によりロックされた状態から第2のロックレバー部242のみを矢印242A方向に回動させてロックを解除した状態を示しており、(b)は、第1および第2のディスク収納部231、232が第1および第2のロックレバー部241、242によりロックされた状態から第1および第2のロック部材231、232を矢印241A方向、矢印242A方向にそれぞれ同時に回動させてロック解除した状態を示している。
第1および第2のディスク収納部231、232を閉塞した状態では、図6(a)に示すように、第1および第2のロックレバー部241、242によって、第1および第2のディスク収納部231、232は、それぞれ矢印231A方向および矢印232A方向への回転がロックされている。
図7(a)に示すように、図6(a)の状態から、外部よりディスク装置に設けられた部材により第2のロックレバー部242の操作部242cを押圧すると、弾性部242dが変形し、第2のロックレバー部242は矢印242A方向に回転する。この状態において、第2のロックレバー部242の係止レバー部242bは、第2のディスク収納部232に設けられた係止部232cと離間して係止状態が解除される。しかしながら、第1および第2のディスク収納部231、232は連動部231b、232bによって連動しており、第1のディスク収納部231は第1のロックレバー部241によって矢印231A方向への回転がロックされている。このため、第1および第2のディスク収納部231、232を開放させることはできない。
このように、第1および第2のロックレバー部241、242のいずれか一つが外部よりロック解除される場合、第1および第2のディスク収納部221、222を開放することはできない。
次に、図7(b)に示すように、図6(a)の状態から、外部より第1および第2のロック部材241、242の操作部241c、242cを同時に押圧すると、弾性部241d、242dが変形し、第1および第2のロックレバー部241、242はそれぞれ矢印241A方向および矢印242A方向に回転する。この状態において、第1および第2のロックレバー部241、242の係止レバー部241b、242bは、第1および第2のディスク収納部231、232の係止部231c、232cからそれぞれ離間し、ロックが解除される。その結果、第1および第2のディスク収納部231、232はそれぞれ矢印231A方向および232A方向に回転可能となる。
このように、第1および第2のロックレバー部241、242の両方を同時解除する動作でのみ、第1および第2のディスク収納部231、232を開放させることができる。
なお、連結部231bと連結部232bとの間にはバックラッシが設けられている。このため、第1および第2のロックレバー部241、242の両方を全く同時に解除せず、わずかな時間差をもって解除したとしても、両方の第1および第2のロックレバー部241、242を操作すれば、ディスク収納部230を開放することができる。
次に、以上のように構成されるディスクカートリッジ201の組立動作方法を説明する。
図8は、ディスク収納部230をディスク10が取り出し可能な位置まで開放した第2の開放状態におけるディスクカートリッジ201に、ディスク10とロックレバー支持部250を挿入する組立動作状態を示す斜視図である。
まず、図3に示すように、第1および第2のディスク収納部231、232、上部支持ベース部材210、下部支持ベース部材220、ロックユニット253を用意する。これらの部材は、樹脂などによって成形することができる。
次に、下部支持ベース部材220の回転支軸220a、220bを第1および第2のディスク収納部231、232の回動中心穴231a、232bに挿入し、上部支持ベース部材210を下部支持ベース部材220に溶着または接着する。これにより、図8に示す状態のディスクカートリッジ201’が組み立てられる。ディスクカートリッジ201’はロックユニット253がまだ挿入されていない。
以下、図9から図13を参照しながら、ディスクカートリッジ201’にディスク10とロックユニット253を組み込み、ディスクカートリッジ201を完成させる組立動作を説明する。
図9は、ディスクカートリッジ201の組立動作中の一状態を示す部分断面図であり、ディスクカートリッジ201’を第2の開放状態まで開放した状態を示す。図6に示す状態と異なり、第1および第2のロックレバー部241、242が存在しないため、第1および第2のディスク収納部231、232は、第1の状態よりも矢印231A方向、矢印232A方向へ回転し、下部支持ベース部材220(支持ベース部材205)に当接する。これにより、図6(b)に示す第1の開放状態の開口部230wより大きい、第2の開放状態の開口部230w’が形成される。第2の開放状態では、ディスク10を矢印200B方向に移動させて、ディスクカートリッジ201’内へ挿入したり、矢印200A方向に移動させてディスクカートリッジ201’内のディスク10を取り出したりすることが可能である。
図9に示す状態から、ディスク10を矢印200B方向へ移動させると、図10に示すように、ディスク収納部230は第2の開放状態まで開放しているので、ディスク10は、開口部230w’を通過してディスクカートリッジ’の内部に挿入される。
図10に示す状態から、第1および第2のディスク収納部231、232をそれぞれ矢印231B方向、矢印232B方向に回動すると、図11に示すように、ディスク収納部230は完全に閉塞し、ディスク10がディスク収納部230内に収納される。この状態では、ロックユニット253がディスクカートリッジ201’に挿入されていないため、ディスク収納部230の開放/閉塞は自在である。また、閉塞しているディスク収納部230を第2の開放状態まで、開放し、ディスク10を取り出すことも可能である。
また、図6に示すように、ディスク装置によるディスク収納部230の開放/閉塞は、第1および第2のディスク収納部231、232の切り欠き部231d、232dに、ディスク装置に設けられた開閉部材151、152を係合させることで行うため、ディスクカートリッジ201’の状態でも、問題なくディスク装置に装填して、ディスク収納部230の開放/閉塞を行うことができる。したがって、ロックユニット253が挿入されていないディスクカートリッジ201’は、ディスク10の挿入および取り出しが自在であるディスクカートリッジとして機能する。例えば、ディスクカートリッジ201が装填されるディスク装置の検査工程や、ゲームソフトの開発など、頻繁にディスク10の交換が必要となる製造/開発工程にディスクカートリッジ201’を利用することができる。
図11に示す状態から、矢印200A方向に従って、ロックユニット253を挿入口205t(図4)から支持ベース部材205内に挿入すると、図12に示すように、第1および第2のロックレバー部241、242の操作部241c、242cが、下部支持ベース部材220(支持ベース部材205)の内壁に当接する。これにより、第1および第2のロックレバー部241、242が、それぞれ矢印241A方向、矢印242A方向に回動する。また、ロックレバー支持部250の本体250tが弾性変形し、ロックレバー支持部250全体が撓みながら、ロックユニット253が支持ベース部材205に挿入される。
第1および第2のロックレバー部241、242の回動に加え、ロックレバー支持部250の本体250tが撓むことにより、ロックユニット253を挿入する際、ロックユニット253全体を大きく変形させることができる。このため、ロックユニット253の挿入時における負荷を低減でき、ロックユニット253を挿入し易くなる。つまり、ディスクカートリッジ201を組み立て易くなる。
また、ロックユニット253全体が撓むことにより、ロックレバー支持部250の第1の保持ツメ部251a、251bが、第2の保持ツメ部251c、251dより先に支持ベース部材205と係合する。このため、ロックレバー支持部250を挿入する際、4つの保持ツメ部のうち2つしか同時に係合せず、ロックユニット253を挿入する際に要する力を低減できる。このため、ディスクカートリッジ201の組立性が向上する。
図12に示す状態から、ロックユニット253をさらに矢印200Aの方向に挿入すると、上述したようにロックユニット253全体が撓むため、先に第1の保持ツメ部251a、251bが下部支持ベース部材220の第1の係合部221a、221b(および上部支持ベース部210の第1の係合部211a、211b)と係合する。続いて、第2の保持ツメ部251c、251cが下部支持ベース部材220の第2の係合部221c、221d(および上部支持ベース部210の第1の係合部211c、211d)と係合する。
その結果、図13に示すように、ロックユニット253が完全に支持ベース部材205の内部に組み込まれる。第1および第2のロックレバー部241、242の係止レバー部241b、242bは、第1および第2のディスク収納部231、232の係止部231c、232cと係合し、第1および第2のディスク収納部231、232の矢印231A方向、矢印232方向への回動を制限する。同時に、第1および第2のロックレバー部241、242の操作部241c、242cは、支持ベース部材205の側面のロック解除用溝200a、200b内に突出しする。これにより、ディスクカートリッジ201が完成する。
このように、ロックユニット253がディスクカートリッジ201’に組み込まれることにより、ディスク収納部230が閉塞している状態では、第1および第2のロックレバー部241、242によって、ディスク収納部230の回転をロックされる。また、ディスク収納部230が開放している状態では、図6(b)に示すように、第1および第2のロックレバー部241、242またはロックレバー支持部250によって、第1および第2のディスク収納部231、232が矢印231A方向、矢印232A方向へ回動するのが制限され、ディスク10の取り出しを防止する。
なお、前述した組立手順では、ロックユニット253をディスクカートリッジ201’に挿入する際、第1および第2のディスク収納部231、232を閉塞してから、支持ベース部材205に挿入していた。しかし、第1および第2のディスク収納部231、232を開放した状態でも組み立てることができる。
図14は、第1および第2のディスク収納部231、232が開放した状態から、ロックユニット253を挿入した場合の一状態を示す部分断面図である。図14に示すように、第1および第2のディスク収納部231、232が開放した状態で、ロックユニット253を挿入すると、第1および第2のロックレバー部241、242の操作部241c、242cが、第1および第2のディスク収納部231、232の係止部231c、232cと当接する。
このため、ロックユニット253を矢印200A方向に挿入すると、第1および第2のロックレバー部241、242の操作部241c、242cの当接によって、第1および第2のディスク収納部231、232がそれぞれ矢印231B方向、矢印232B方向に回動する。これにより、第1および第2のディスク収納部231、232が開放した状態で、ロックユニット253を挿入した場合でも、ロックユニット253の挿入動作にともなって、第1および第2のディスク収納部231、232が閉塞し、なんら問題なくディスクカートリッジ201を組み立てることができる。このため、ロックユニット253を挿入する時のディスク収納部230の開放/閉塞の状態に左右されずに組立を行うことができ、組立時の作業ミスを低減できる。また、ロックユニット253を組み込む動作に連動してディスク収納部230が閉塞するので、組立工数を低減することも可能である。
ディスクカートリッジ201の前述した組み立ては、手動で行うことも可能であるし、組立装置を用いて自動的に行うことも可能である。以下、図15から図17を参照して、ディスクカートリッジ200を組み立てる組立装置の一例を説明する。図15、図16および図17は、ディスクカートリッジ200の組立装置300の主要な構成要素の斜視図であり、それぞれディスク10を挿入する状態、ロックユニット253を挿入する状態およびディスクカートリッジ200の組立完了状態における組立装置300を示している。
図15から図17に示すように、ディスクカートリッジ200の組立装置300は、ロックユニット253を挿入する前のディスクカートリッジ201’を保持するカートリッジ保持部310と、ロックユニット253を保持し、ロックユニット253の移動をガイドする組立ベース部320と、ディスク10の挿入口を有し、ロックユニット253の挿入動作時に押圧部材となるディスク挿入ガイド部330とを含む。また、組立ベース部320には、ロックユニット253の矢印300A方向および矢印330B方向への移動をガイドする組立ガイド部321、322が設けられている。カートリッジ保持部310は、図示しないロボットアームなどによって矢印300A方向および矢印330B方向に移動可能である。
次に、組立装置300による組立動作を説明する。図15に示すように、カートリッジ保持部310が組立ガイド部321、322の上方に位置した状態で、ディスクカートリッジ201’をカートリッジ保持部310に装填し、ロックユニット253を組立ベース部320に装填する。ディスクカートリッジ201’は支持ベース部材205が下側に位置するように垂直に保持される。このため、ディスクカートリッジ201’の第1および第2のディスク収納部231、232は、それぞれ自重によって矢印231A方向、232方向に回動し、第2の開放状態の開口部230w’が形成される。
ディスク挿入ガイド部330に設けられたディスク挿入口335よりディスク10を挿入すると、ディスク10はディスク挿入口335にガイドされながら、自重によって矢印330A方向に移動(落下)し、ディスクカートリッジ201’内部に挿入される。
ディスク10が挿入された状態(図10参照)から、カートリッジ保持部310を矢印300A方向に移動させると、図16に示すように、第1および第2のディスク収納部231、232が、組立ガイド部321、322に設けられたテーパ部321a、322aと当接し、これにより、それぞれ矢印231B方向、矢印232B方向に回動し始める。一方、カートリッジ保持部310が矢印300A方向に移動することによって、ロックユニット253が支持ベース部材205の挿入口205tからディスクカートリッジ201’内に挿入される。このとき、図12で説明したように、第1および第2のロックレバー部241、242がディスクカートリッジ201’の支持ベース部材205の内壁に当接して、ロックレバー支持部材250の本体250tが弾性変形して、ロックユニット253全体が撓む。これにより、ロックユニット253が、支持ベース部材205に挿入される。
さらにカートリッジ保持部310を矢印300A方向に移動すると、図17に示すように、ロックユニット253が、完全に支持ベース部材205の内部に組み込まれる。このとき、ディスク挿入ガイド部330によってディスクカートリッジ201’上部を矢印300A方向に押圧することによって、図13に示すように第1の保持ツメ部251a、251bおよび第2の保持ツメ部251c、251dがそれぞれ第1の係合部221a、221bおよび第2の係合部221c、221dと係合する。また、第1および第2のロックレバー部241、242の操作部241c、242cが、支持ベース部材205の側面のロック解除用溝200a、200b内突出する。これにより、ディスクカートリッジ201の組み立てが完了する。
このように、ディスクカートリッジ201を組み立てる場合、ディスク10の挿入方向と、ロックレバー支持部材250の挿入方向は、同一(向きは逆)である。このため、一方向からの組立動作でディスクカートリッジ201を組み立てることができる。ディスクカートリッジ201の組立装置は、前述したように一方向への移動動作のみが必要であり、複雑なアームなどの動作を必要としない。このため、組立装置を簡素化することができる。
また、前述したようにディスク10の挿入方向が垂直となるように組立装置を構成することによって、重力を利用した組立作業を行うことができる。これにより、例えば、前述したように第1および第2のディスク収納部231、232を回動させる動作を省くことができ、組立装置のさらなる簡略化を行うことができる。
また、垂直方向に装置を構成することによって、装置の構成面積を小さくできる。その結果、組立設備の空間利用効率を向上させ、限られた工場スペースの中に、複数の設備をより多く導入することができる。したがって、生産性の向上も図ることができる。
なお、本実施形態では、第1および第2のロックレバー部241、242は、図5に示すように、回転ヒンジ部250a、250bおよび弾性部241d、242dを介して、それぞれ2ヶ所でロックレバー支持部250と一体的に構成されている。しかし、図18(a)に示すように、弾性部241d、242dの端部241d’、242d’とロックレバー支持部250との接合を切って、回転ヒンジ部250a、250bのみで、第1および第2のロックレバー部241、242とロックレバー支持部250とを一体的に構成してもよい。また、図18(b)に示すように、弾性部241d、242dと回転ヒンジ部250a、250bを一体化し、回転ヒンジ部250a、250bのみで、第1および第2のロックレバー部241、242とロックレバー支持部250とを一体的に構成してもよい。
図18(a)あるいは図18(b)に示すように、回転ヒンジ部250a、250bのみを介して、第1および第2のロックレバー部241、242を、それぞれ1ヶ所でロックレバー支持部250と一体的に構成することにより、第1および第2のロックレバー部241、242を矢印241A方向、矢印242A方向に回動させた場合、弾性部241d、242dの弾性変形による弾性力の影響がロックレバー支持部250全体に作用しにくく、ロックレバー支持部250全体が弾性変形しにくくなる。このため、弾性部241d、242dの弾性力を小さく設計することができる。言い換えれば、ディスク収納部230のロック解除力を小さく設定することができる。
また、本実施形態において、ディスクカートリッジ201に収納されるディスク10には、直径が小さいディスクを収納するカートリッジ(例えば、MDカートリッジ)とは異なり、ディスク10に金属製のクランプ板を設けていない。しかし、クランプ機構を廃止することによるディスク装置の簡略化やディスクカートリッジ201のディスク10上面の開口部230を塞ぐことによる補強などの目的で、ディスク10にクランプ板を設けてもよい。
また、本実施形態では、第1および第2のロックレバー部241、242が第1および第2のディスク収納部231、232に当接することで、ロックレバー支持部250の挿入動作に連動してディスク収納部230が閉塞する。しかし、これに限定されることなく、例えば、ロックレバー支持部250が、第1および第2のディスク収納部231、232と当接することによって、ディスク収納部230が閉塞するようにディスクカートリッジを構成してもよい。
以上の説明から明らかなように、本実施形態のディスクカートリッジによれば、ディスク収納部230の開放量を制限し、閉塞時にはディスク収納部230のロックすることのできるロックユニット253を、ディスク収納部230および支持ベース部材205からなるディスクカートリッジ201’の組立完了後に、組み込むことができる。このため、ディスクカートリッジ201’単体の状態では、ディスク収納部230をディスク10が取り出し可能な位置まで開放することができ、ディスクカートリッジ201’にディスク10を挿入した後に、ロックユニット253を支持ベース部材205の挿入口から挿入することにより、ディスクカートリッジ201を完成させることができる。これにより、ディスク10の製造とディスクカートリッジ201の組立工程とを完全に分離することができる。その結果、工法および検査方法などに大きな差があるディスク10の製造とディスクカートリッジ201の組立とを別々の場所で行うとことが実現し、製造工程の自由度を高くするとともに製造コストを大幅に削減することができる。
また、ロックユニット253を挿入することにより、ディスク収納部230の閉塞時には、ディスク収納部230のロックを行うことができ、ディスク収納部230の開放時には、ディスク収納部230の開放量を制限し、するとともにディスクカートリッジ201からのディスク10の取り出しを防止できる。
また、第1および第2のロックレバー部241、242とロックレバー支持部250とを一体的に構成することにより、部品点数の大幅な削減ができ、さらに、組立工数を削減することができる。よって、ディスクカートリッジ201の製造コストを低減することができる。
また、ロックユニット253を支持ベース部材201’に挿入する際、第1および第2のロックレバー部241、242またはロックレバー支持部250が、ディスク収納部230の一部と当接するため、ロックユニット253の挿入動作に同期してディスク収納部230が必ず閉塞させることができる。したがって、ディスク収納部230の開放状態には関係なくロックユニット253を支持ベース部材253に挿入することができる。これにより、ディスクカートリッジ組立時の作業ミスを低減することができる。さらに、ロックユニット253の挿入動作でディスク収納部230が閉塞するため、ディスクカートリッジ201の組立工数を削減することができ、ディスクカートリッジ201の製造コストを低減することができる。
また、ロックユニット253が挿入されていないディスクカートリッジ201’でも、ディスク装置に装填可能であるので、例えば、ディスク装置の検査工程やゲームソフト開発などで、頻繁にディスク10の交換が必要となる製造および開発工程にディスクカートリッジ201’を使用することができる。このため、製造および開発を行うための専用冶具を製作することなく、実製品で代用ができ、製造および開発費の削減を図ることができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明によるディスクカートリッジの第2の実施形態を説明する。
図19は、ディスクカートリッジ202の構成部品を示す分解斜視図である。図19に示すように、本実施形態では、第1および第2のロックレバー部241、242がロックレバー支持部250と別部品で構成されている点が、第1の実施形態のディスクカートリッジ201と異なっている。他の構成は第1の実施形態と同一であるので、第1の実施形態と同じ構成要素または対応する構成要素には同じ参照番号を付し、ディスクカートリッジ202の全体の構造およびディスク収納部230の開放/閉塞動作を省略する。
図19に示すように、ロックユニット253’は、第1および第2のロックレバー部241’、242’と、ロックレバー支持部250とを含み、ロックユニット253’を支持ベース部材205に組み込むことにより、第1および第2のディスク収納部231、232が閉塞した状態でこれらの回動をロックする。
第1および第2のロックレバー部241’、242’は、ロックレバー支持部250に設けられている回転支軸250aおよび250bを、第1のロックレバー部241’に設けられた回動中心穴241aおよび第2のロックレバー部242’に設けられた回動中心穴242aに挿入し、回動自在に取り付けられる。
第1のロックレバー部241’は、係止レバー部241bと、操作部241cと、弾性部241dとを含む。係止レバー部241bは、ディスク収納部230が閉塞した状態で、第1のディスク収納部231の係止部231cに当接して、第1のディスク収納部231の回動を規制する。操作部241は外部からの係止レバー部241bと、外部から第1のロックレバー部241を操作する操作部241cと、外部からの操作に抗して弾性変形することで付勢力を発生する弾性部241dを備えている。
第1のロックレバー部241’は、係止レバー部241bと、操作部241cと、弾性部241dとを含む。係止レバー部241bは、ディスク収納部230が閉塞した状態で、第1のディスク収納部231の係止部231cに当接して、第1のディスク収納部231が開放状態へ回動するのを規制する。操作部241cを外部から押下することによって、回動中心穴241aを軸として回動するように第1のロックレバー部241’を付勢することができる。弾性部241dは、操作部241cによる付勢に抗して弾性変形することで、第1のロックレバー部241に付勢力を発生する。
同様に、第2のロックレバー部242’は、係止レバー部242bと、操作部242cと弾性部242dとを含む。係止レバー部242bは、ディスク収納部230が閉塞した状態で、第2のディスク収納部232の係止部232cに当接して、第2のディスク収納部232が開放状態へ回動するのを規制する。操作部242cを外部から押下することによって、回動中心穴241bを軸として回動するように第2のロックレバー部242’を付勢することができる。弾性部242dは、操作部242cによる付勢に抗して弾性変形することで、第2のロックレバー部242に付勢力を発生する。
また、ディスクカートリッジ202には、第1および第2のロックレバー部241、242を操作するための、ロック解除用溝200a、200bが、ディスクカートリッジ202の両側面に設けられている。第1および第2のロックレバー部241’、242’の操作部241c、242cは、ロック解除用溝200a、200bの底部に設けられた開口から溝内に突出している。ただし、操作部241c、242cはディスクカートリッジ202の外形より突出しないように構成されており、外部からの意図的な操作によって、ディスク収納部230ロックが解除されることを防止している。
さらに第1の実施形態で説明したように、ロックユニット253’を挿入するための挿入口205tが支持ベース部材205には形成されている。
次に、図20および図21を参照しながら支持ベース部材205およびのロックユニット253’の構造を説明する。
図20は、ロックユニット253’と支持ベース部材205の構造を示す斜視図であり、(a)は下部支持ベース部材220とロックユニット253’とを示し、(b)は上部支持ベース部材210とロックユニット253’とを示している。
図21は、ロックユニット253’の構造を示す平面図であり、(a)は支持ベース部材205へ組み込む前の状態を示し、(b)は支持ベース部材205へ組み込む途中の状態を示し、(c)は支持ベース部材205へ組み込みこんだ後の状態を示す。
図20に示すように、ロックレバー支持部250は、支持ベース部材205に対して、ロックユニット253’を矢印200A方向に挿入して組み込んだ際の抜け止め用の保持ツメ部251a、251b、上部保持凸部251c、251dおよび下部保持凸部251e、251fを含む。
保持ツメ部251a、251bは、支持ベース部材205の挿入口205tの長手方向における両端近傍と係合する。上部保持凸部251c、251dおよび下部保持凸部251e、251fはそれぞれ上部支持ベース部材210および下部支持ベース部材220の挿入口205tを構成する縁部の中央部近傍と係合する。
また、ロックレバー支持部250に組み込んだ第1および第2のロックレバー部241、242が脱落するのを防止するために、ロックレバー支持部250には脱落防止部252a、252bが設けられており、第1および第2のロックレバー241’、242’には、脱落防止リブ241f、242fが設けられている。
ロックレバー支持部250は弾性部材で構成されており、ロックレバー支持部250本体250tには、補強リブ等が設けられていない。このため、本体250tは弾性変形し易い。後述するように、ロックユニット253’を支持ベース部材205に対して、矢印200A方向に挿入する際、ロックレバー支持部250の本体250tが弾性変形して、ロックユニット253’全体が撓むことにより、組立性を向上している。
また、ロックレバー支持部250には、支持ベース部材205に組み込んだ際に、下部支持ベース部材220に設けられた位置決め穴225a、225bを開口とする凹部を形成するように、位置決め穴225a、225bを覆う位置決め穴カバー部255a、255bが設けられている。これにより、位置決め穴225a、225bから支持ベース部材205内部への埃の進入を防止している。
図20(a)に示すように、下部支持ベース部材220の内部には、ロックレバー支持部250の保持ツメ部251a、251bとそれぞれ係合する係合部221a、221bと、ロックレバー支持部250の下部保持凸部251e、251fとそれぞれ係合する係合凹部221c、221dが設けられており、係合部221a、221bには、ロックユニット253'を矢印200A方向へ挿入し易くするためのテーパ面が設けられている。
また、下部支持ベース部材220には、上部支持ベース部材210と重ね合わせる際の位置決めを行う位置決め穴222a、222bが設けられている。
同様に、図20(b)に示すように、上部支持ベース部材210の内部には、ロックホルダ250の上部保持凸部251c、251dとそれぞれ係合する係合凹部211c、211dが設けられている。
上部支持ベース部材210には、下部支持ベース部材220に設けられた位置決め穴222a、222bと係合して、位置決めを行う位置決めボス212a、212bが設けられている。
また、上部支持ベース部材210の係合凹部211c、211d近傍および下部支持ベース部材220の係合凹部221c、221dの近傍であって、挿入口205tの長手方向の中央近傍にはそれぞれリブが設けられている。このため上部支持ベース部材210と下部支持ベース部材220を重ね合わせて溶着または接着する際、支持ベース部材205の側面部を構成するリブ部分に加えて、これらのリブを互いに溶着または接着することによって、支持ベース部材205の中央部が接合される。これにより、ロックユニット253’が組み込まれていない状態でも支持ベース部材205の強度を向上させることができる。
また、ロックレバー支持部250の保持ツメ部251a、251bが下部支持ベース部材220の係合部221a、221bと係合し、ロックレバー支持部250の上部保持凸部251c、251dおよび下部保持凸部251e、251fは、上部支持ベース部材210の係合凹部211c、211dおよび下部支持ベース部材220の係合凹部221c、221dとそれぞれ係合する。このため、ロックユニット253が支持ベース部材253に確実に保持される。
なお、本実施形態では、第1の実施形態とは異なり、支持ベース部材205の中央部近傍におけるロックレバー支持部250の保持を、支持ベース部材250の厚み方向に係合させている。このため、係合部における係り量は第1の実施形態に比べ大きくすることができない。しかし、上部支持ベース部材210、下部支持ベース部材220のそれぞれに係合する保持凸部を設け、係合箇所を増やすことにより、ロックユニット253’の保持強度を高めている。
次に、図21を参照しながら、第1および第2ロックレバー部241’、242’とロックレバー支持部250によって構成されるロックユニット253’の組立を説明する。
図21(a)に示すように、第1の実施形態と異なり、第1および第2のロックレバー部241’、242’は、ロックレバー支持部250と別の部品で構成されている。なお、本実施例では、第1および第2のロックレバー部241’、242’は同一部品(表裏同一の形状)で構成し、部品の金型コストの削減と、組立時による部品間違いの防止を図っている。
図21(a)の状態から、第1および第2のロックレバー部241’、242’の弾性部241d、242dを弾性変形させながら、それぞれ矢印241A方向、矢印242A方向に傾けた状態で、ロックレバー支持部250の回動支軸250a、250bに第1および第2のロックレバー部241’、242’の回動中心穴241a、242aを挿入する。これにより、図21(b)に示すように、第1および第2のロックレバー部241’、242’の脱落防止リブ241e、242eとロックレバー支持部250の脱落防止部252a、252bが接触しない状態で、ロックレバー支持部250に第1および第2のロックレバー部241、242が組み込まれる。
図21(b)の状態から、第1および第2のロックレバー部241’、242’を弾性部241d、242dの付勢力によって、矢印241B方向、矢印242B方向に回動させると、図21(c)に示すように、第1および第2のロックレバー部241’、242’の脱落防止リブ241f、242fが、ロックレバー支持部250の脱落防止部252a、252bにそれぞれ係合してロックユニット253’が完成する。この脱落防止リブ241f、242fと脱落防止部252a、252bとは、ロックレバー支持部250の回転支軸250a、250bの軸方向にオーバラップするため、第1および第2のロックレバー部241’、242’がロックレバー支持部250の回転支軸250a、250bから脱落するのを防止する。したがって、ねじ止めや別部材での締結などを行うことなく、ロックユニット253’を完成させることができ、部品点数、組立工数を削減できる。
なお、第1および第2のロックレバー部241’、242’には、当接部241e、242eが設けられており、第1の実施形態と同様に、ロックユニット253’を支持ベース部材205に組み込むことにより、当接部241e、242eが第1および第2のロックレバー241、242の弾性部241d、242dの付勢力によって、支持ベース部材205内壁と当接する。この当接部241e、242eがストッパーとして機能するため、ディスクカートリッジ201における第1および第2のロックレバー241’、242’の位置精度が向上する。
次に、ディスクカートリッジ202の組立を説明する。図22は、ディスク収納部230をディスク10の取り出し、挿入が可能な位置まで開放した第2の開放状態におけるディスクカートリッジ202’に、ディスク10とロックユニット253’を挿入する組立動作を示す斜視図である。
第1の実施形態で説明したように、まず、下部支持ベース部材220の回転支軸220a、220bを第1および第2のディスク収納部231、232の回動中心穴231a、232bに挿入し、上部支持ベース部材210を下部支持ベース部材220に溶着または接着する。これにより、図22に示す状態のディスクカートリッジ202’が組み立てられる。また、前述したようにロックユニット253’を組みたてる。
以下、図23から図27を参照しながら、ディスクカートリッジ202’にディスク10とロックユニット253’を組み込み、ディスクカートリッジ202を完成させる組立動作を説明する。
図23は、ディスクカートリッジ202の組立動作中の一状態を示す部分断面図で、ディスクカートリッジ202’を第2の開放状態まで開放した状態を示す。図23に示すように、第1および第2のディスク収納部231、232は、下部支持ベース部材220(支持ベース部材205)によって、矢印231A方向、矢印232A方向へ回動しないように規制される。このため、第2の開放状態の開口部230w’は、図6(b)に示す第1の開放状態の開口部230wより大きく、ディスク10を矢印200A方向または矢印200B方向に従って、出し入れ可能である。
図23に示す状態から、ディスク10を矢印200B方向に従って、ディスクカートリッジ202’に挿入する。図24に示すように、ディスク収納部230が第2の開放状態まで開放しているので、ディスク10は、開口部230w’を通過してディスクカートリッジ202’の内部に挿入される。
図24に示す状態から、第1および第2のディスク収納部231、232をそれぞれ矢印231B方向、矢印232B方向に回動すると、図25に示すように、ディスク収納部230は完全に閉塞し、ディスク10がディスク収納部230に収納される。この状態では、ロックユニット253’が挿入されていないため、ディスク収納部230の開放/閉塞は自在である。また、第2の開放状態まで、ディスク収納部230を開放し、ディスク10を取り出すことも可能である。
図6を参照して説明したように、ディスク装置によるディスク収納部230の開放/閉塞は、第1および第2のディスク収納部231、232の切り欠き部231d、232dに、ディスク装置に設けられた開閉部材151、152を係合させることで行う。このためロックユニット253’が組み込まれていないディスクカートリッジ202’でも、問題なくディスク装置に装填して、ディスク収納部230の開放/閉塞を行うことができる。したがって、ディスクカートリッジ202’は、カートリッジ内部からのディスク10の取り出しが自在であり、例えば、ディスクカートリッジ202が装填されるディスク装置の検査工程や、ゲームソフト開発などで、頻繁にディスク10の交換が必要となる製造/開発工程に用いることが可能である。
図25の状態から、ロックユニット253’を矢印200A方向に従ってディスクカートリッジ202’に挿入すると、図26に示すように、第1および第2のロックレバー部241’、242’の操作部241c、242cは、下部支持ベース部材220(支持ベース部材205)の内壁に当接する。これにより、第1および第2のロックレバー部241、242が回動支軸250a、250bを中心にそれぞれ矢印241A方向、矢印242A方向に回動するとともに、ロックレバー支持部250の本体250tが弾性変形して、ロックユニット253’全体が撓みながら支持ベース部材205に挿入される。
第1および第2のロックレバー部241’、242’の回動に加え、ロックレバー支持部250の本体250tが撓むことにより、ロックユニット253’を挿入する際、ロックユニット253’全体を大きく変形させることができる。このため、ロックユニット253’の挿入時における負荷を低減でき、ロックユニット253’を挿入し易くなる。つまり、ディスクカートリッジ202を組み立て易くなる。
また、ロックユニット253’全体が撓むことにより、ロックレバー支持部250の保持ツメ部251a、251bが、保持凸部251c〜251fより先に支持ベース部材205と係合する。ロックユニット253’を挿入する際、6つの保持ツメ部または保持凸部のうち2つしか同時に係合しないため、ロックユニット253’を挿入する際に要する力を低減できる。このため、ディスクカートリッジ202の組立性が向上する。
図26の状態から、ロックユニット253’を矢印200A方向に挿入すると、前述したようにロックレバー支持部250全体が撓むため、先に保持ツメ部251a、251bが係合し、続いて保持凸部251c〜251fが係合する。これにより、図27に示すように、ロックユニット253’が完全に支持ベース部材205の内部に組み込まれる。第1および第2のロックレバー部241’、242’の係止レバー部241b、242bは、第1および第2のディスク収納部231、232の係止部231c、232cと係合して、第1および第2のディスク収納部231、232が矢印231A方向、矢印232方向へ回動するのを規制する。同時に、第1および第2のロックレバー部241’、242’の操作部241c、242cは、支持ベース部材205の側面のロック解除用溝200a、200b内に突出する。これにより、ディスクカートリッジ202が完成する。
ロックユニット253’がディスクカートリッジ202’に組み込まれることにより、ディスク収納部230が閉塞している状態では、第1および第2のロックレバー部241、242によって、ディスク収納部230の回動がロックさる。またディスク収納部230が開放している状態では、図6(b)を参照して説明したように、ロックユニット253’によって、第1および第2のディスク収納部231、232が矢印231A方向、矢印232A方向にさらに回動し、開口部が大きくなるのが規制される。これにより、ディスク10の取り出しが防止される。
なお、前述した組立手順では、ロックユニット253’をディスクカートリッジ202’に組み込む際、第1および第2のディスク収納部231、232を閉塞してから、支持ベース部材205に挿入した。しかし第1および第2のディスク収納部231、232が開放した状態から、ロックユニット253’を組み込んでもよい。
図28は、第1および第2のディスク収納部231、232が開放した状態から、ロックユニット253’を挿入した場合の一状態を示す部分断面図である。図28に示すように、第1および第2のディスク収納部231、232が開放した状態で、ロックユニット253’を挿入すると、第1および第2のロックレバー部241’、242’の操作部241c、242cが、第1および第2のディスク収納部231、232の係止部231c、232cと当接する。このため、ロックユニット253’を矢印200A方向に挿入すると、第1および第2のロックレバー部241’、242’の操作部241c、242cの当接によって、第1および第2のディスク収納部231、232がそれぞれ矢印231B方向、矢印232B方向に回動する。したがって、第1および第2のディスク収納部231、232が開放した状態で、ロックユニット253’を挿入した場合でも、ロックユニット253’を挿入動作に連動してディスク収納部230が閉塞し、なんら問題なくディスクカートリッジ202を組み立てることができる。このため、ロックユニット253’を挿入する時のディスク収納部230の開放/閉塞の状態に左右されずに組立を行うことができ、組立時の作業ミスを低減できる。また、ロックユニット253’を組み込む動作に連動してディスク収納部230が閉塞するので、組立工数の削減を行うことも可能である。
以上の説明から明らかなように、本実施形態のディスクカートリッジによれば、第1の実施形態と同様、ディスク収納部230の開放量を制限し、閉塞時にはディスク収納部230のロックすることのできるロックユニット253’を、ディスク収納部230および支持ベース部材205からなるディスクカートリッジ202’の組立完了後に、組み込むことができる。このため、ディスクカートリッジ202’単体の状態では、ディスク収納部230をディスク10が取り出し可能な位置まで開放することができ、ディスクカートリッジ202’にディスク10を挿入した後に、ロックユニット253’を支持ベース部材205の挿入口から挿入することにより、ディスクカートリッジ202を完成させることができる。これにより、ディスク10の製造とディスクカートリッジ202の組立工程とを完全に分離することができる。その結果、工法および検査方法などに大きな差があるディスク10の製造とディスクカートリッジ202の組立とを別々の場所で行うとことが実現し、製造工程の自由度を高くするとともに製造コストを大幅に削減することができる。
また、ロックユニット253’を挿入することにより、ディスク収納部230の閉塞時には、ディスク収納部230のロックを行うことができ、ディスク収納部230の開放時には、ディスク収納部230の開放量を制限し、するとともにディスクカートリッジ202からのディスク10の取り出しを防止できる。
また、第1の実施形態と異なり、第1および第2のロックレバー部241’、242’をロックレバー支持部250と別部品で構成することにより、支軸を中心として第1および第2のロックレバー部241’、242’を回動させることができ、回転動作を安定化することができる。さらに、第1および第2のロックレバー部241’、242’とロックレバー支持部250を別材料で構成したり、第1および第2のロックレバー部241’、242’の弾性部241d、242dのバネ性を最適に調整できるので、第1および第2のロックレバー部241’、242’およびロックレバー支持部250の設計自由度が向上する。
(第3の実施形態)
以下、本発明によるディスクカートリッジの第3の実施の形態を説明する。図29(a)および(b)は、本発明によるディスクカートリッジ203の全体構成を示す斜視図であり、図30は図29に示すディスクカートリッジ203の内部構成を示す分解斜視図である。図31(a)および(b)は図29に示すディスクカートリッジ203の裏面側を示す斜視図である。これらの図に示すように、ディスクカートリッジ203は上部支持ベース部材941および下部支持ベース部材942より構成された支持ベース部材940、第1のディスク収納部上体921および第1のディスク収納部下体922で構成された第1のディスク収納部920、第2のディスク収納部上体931および第1のディスク収納部下体932で構成された第2のディスク収納部930を備える。また、第1および第2のロック部材950、960を備える。
支持ベース部材940、第1のディスク収納部920、および第2のディスク収納部930は、第1および第2の実施形態における支持ベース部材205、第1のディスク収納部210、および第2のディスク収納部220にそれぞれ対応しており、同様の機能を備える。
第1および第2のディスク収納部920、930は、ディスク910の厚み方向に隙間を有した袋形状であり、図29(a)および図31(a)に示すように第1および第2のディスク収納部920および930が閉塞した状態において、各々の袋形状の開口の縁部分が互いに密着し、ディスク910の全面が露出しないようにディスク910を覆って収納する。
また、図29(b)および図31(b)に示すように、第1および第2のディスク収納部920、930が開放した状態では、ディスクカートリッジ203の外部から、スピンドルモータ、クランプ部材などのディスク910を回転させる手段によりディスク910をチャックするため、および、記録および/または再生するヘッドが侵入し、ディスク910にアクセスするための略扇形領域の開口部900Aを支持ベース部材940、第1のディスク収納部920および第2のディスク収納部930とで構成する。
したがって、第1および第2のディスク収納部920、930は、ディスクカートリッジ203の外殻をなすハウジングの機能と、開口部900Aを開放および閉塞するシャッタ機能の2つの機能を兼ね備えている。
また、図31に示すように、下部支持ベース部材942には、ディスクカートリッジ203を使用するディスク装置(不図示)内で回転可能に載置されたディスク910と平行な面内におけるディスクカートリッジ203を位置決めするための、第1および第2の位置決め穴940CLおよび940CRが設けられている。また、下部支持ベース部材942の両側面部には第1および第2の切り欠き部940DL、940DRが設けられている。第1および第2の切り欠き部940DL、940DRは、例えばトレイ方式のローディングにおいて、ディスクカートリッジ203が表裏逆向きに装填されることを防止するために使用されたり、スロットローディング方式におけるディスクカートリッジ203の把持のためなどに使用されたりする。
図30に示すように、下部支持ベース部材942に設けられた第1および第2の回転支軸942A、942Bに、第1ディスク収納部920に設けられた回動中心穴922Aおよび第2のディスク収納部930に設けられた回動中心穴932Aがそれぞれ、挿入されることによって、第1および第2のディスク収納部920、930は支持ベース部材940に対して回動可能に取り付けられる。
第1および第2のディスク収納部920、930は、互いに噛み合って係合する連動部922C、932Cをそれぞれ備える。これにより、第1のディスク収納部920と第2のディスク収納部930とは、互いに逆方向へ連動して回動を行うことができる。
また、第1および第2のディスク収納部920、930には、第1および第2の切り欠き部922B、932Bが設けられており、第1および第2のディスク収納部920、930の開放および閉塞の動作を行うために使用される。
第1および第2のロック部材950、960は、ロック回動中心穴951およびロック回動中心穴961をそれぞれ有し、これらの穴に下部支持ベース部材942に設けられている第1および第2の回動支軸942D、942Cが挿入される。これにより第1および第2のロック部材950、960は支持ベース部材940に回動自在に取り付けられる。
第1のロック部材950は、係止レバー部953と、操作部952と弾性部954とを含む。係止レバー部953は、ディスク収納部930が閉塞した状態で、第1のディスク収納部920の係止部923に当接して、第1のディスク収納部920が開放状態へ回動するのを規制する。操作部952を外部から押下することによって、ロック回動中心穴951を軸として回動するように第1のロック部材950を付勢することができる。弾性部954は、操作部952による付勢に抗して弾性変形することで、第1のロック部材950に付勢力を発生する。
同様に、第2のロック部材960は、係止レバー部963と、操作部962と弾性部964とを含む。係止レバー部963は、ディスク収納部930が閉塞した状態で、第2のディスク収納部930の係止部933に当接して、第2のディスク収納部930が開放状態へ回動するのを規制する。操作部962を外部から押下することによって、ロック回動中心穴961を軸として回動するように第1のロック部材960を付勢することができる。弾性部964は、操作部962による付勢に抗して弾性変形することで、第2のロック部材960に付勢力を発生する。
第1および第2のロック部材950、960の操作部952、962は、ディスクカートリッジ203をディスク装置に装填する際、ディスク装置に設けられた部材に押下される。ディスクカートリッジ203には、第1および第2のロック部材950、960の操作部952、962を押圧するための部材が通過するための、ロック解除用溝が設けられている。
具体的には、第1および第2のディスク収納部920、930および支持ベース部材940は、第1および第2のディスク収納部920、930の回転回動中心である回動中心穴922A、932Aを結ぶ線分に直交する側面にロック解除用溝を備えている。より具体的には、第1および第2のディスク収納部920、930には第1の収納部用溝920Aおよび第2の収納部用溝930Aがそれぞれ設けられている。支持ベース部材940には左本体溝940ALおよび右本体溝940ARが設けられている。第1および第2のディスク収納部920、930が閉塞した状態では、第1の収納部用溝920Aと左本体溝940ALならびに、第2の収納部用溝930Aと右本体溝940ARはそれぞれ連続した1つの溝を形成する。
図32(a)および(b)は、第1および第2のロック部材950、960の操作部952、962近傍の構造を示す断面図である。支持ベース部材940の左本体溝940ALおよび右本体溝940ARの底部には、それぞれ開口940GL、940GRが設けられており、開口940GL、940GRから第1および第2のロック部材950、960の操作部952、962がそれぞれ左本体溝940ALおよび右本体溝940AR内へ突出している。ただし、ディスクカートリッジ203の外形より突出しないように、つまり、左本体溝940ALおよび右本体溝940ARからは突出しないように構成されている。これにより、外部から意図せずに操作部952、962が押下されることを防止している。
以下において詳細に説明するように、第1および第2のディスク収納部920、930をロックした状態では、952、962で示す第1の突出量C3、C4で開口940GL、940GRから左本体溝940ALおよび右本体溝940AR内に突出している。また、ロックが解除した状態では、952B、962Bで示す第2の突出量C1、C2で開口940GL、940GRから左本体溝940ALおよび右本体溝940AR内に突出している。
また、左本体溝940ALおよび右本体溝940ARのディスクカートリッジ203をディスク装置に挿入する際に先端となる側と反対側の底部上には突出部947L、947Rが設けられている。突出部947L、947Rの左本体溝940ALおよび右本体溝940ARの底部からの突出量は、B5、B6で示される。
突出量B5、B6は、第1の突出量C3、C4よりも小さく第2の突出量C1、C2よりも大きい。この関係を満たすことにより、第1および第2のロック解除部762a、762bにより、正しく第1および第2のディスク収納部920、930のロックを解除することができる。また、突出部947L、947Rを第1および第2のロック解除部762a、762bと当接させることにより、ディスクカートリッジ203を前後逆向きでディスク装置に挿入しようとした場合に、突出部947L、947Rがストッパーとして機能する。
次に、図33から図36を参照しながら、ディスクカートリッジ203における第1および第2のディスク収納部920、930の開放または閉塞動作を説明する。
図33はディスクカートリッジ203に対応したディスク装置500にディスクカートリッジ203を挿入する前の状態を示す斜視図である。図33に示すように、ディスク装置500は、トラバースベース720と、スピンドルモータ730と、光ヘッド740と、カートリッジホルダ760とを備える。
スピンドルモータ730には、ターンテーブル730aが設けられており、ターンテーブル730aにディスク910を載置することによって、スピンドルモータ730がディスク910を回転させる。
光ヘッド740は、ディスク910に対して記録および/または再生行う。光ヘッド740は、第1および第2のガイド軸741および742に沿って、ターンテーブル730aに載置されたディスク910の半径方向に、不図示の駆動源により移動可能に支持される。スピンドルモータ730および第1および第2のガイド軸741、742はトラバースベース720に固定支持される。
トラバースベース720には、ディスクカートリッジ203に設けられた位置決め穴940CLおよび940CRに嵌合する位置決めピン721、722が設けられている。位置決めピン721、722は、ディスクカートリッジ203をディスク910の情報記録面に平行な方向に関して位置決めする。また位置決めピン721、722は、座面721a、722aを含んでおり、ディスクカートリッジ203をディスク910の情報記録面に直交する方向に関して位置決めする。
カートリッジホルダ760は、ディスクカートリッジ203を保持し、トラバースベース720に対して、回動中心孔720aおよび720bを介して、軸付きビス781および782によって、矢印D710a方向および矢印D710b方向へ回動自在に支持される。カートリッジホルダ760には、後述するように、ディスクカートリッジ203を挿入する際に第1および第2のロック部材950および960に設けられた第1および第2の操作部952および962を押下するための第1および第2のロック解除部762a、762bが設けられている。ロック解除部762a、762bのそれぞれは、ディスクカートリッジ203の挿入方向および排出方向に対して傾斜するテーパ面をそれぞれ両端に有するリブ形状を備える。また、トラバースベース720に設けられた位置決めピン721、722との干渉を防ぐために逃げ孔763a、763bが設けられている。位置決めピン721、722は、逃げ孔763a、763bを貫通して、カートリッジホルダ760に保持されたディスクカートリッジ203の位置決め穴940CLおよび940CRに挿入される。
カートリッジホルダ760には、さらに第1および第2の開閉レバー851、852が設けられている。第1および第2の開閉レバー851、852は、カートリッジホルダ760に設けられた回転支軸760aおよび760bに対して、回動中心穴851aおよび852aを嵌合させることにより、カートリッジホルダ760に回動自在に支持されている。後述するように、第1および第2の開閉レバー851、852の係合部851c、852cが第1および第2のディスク収納部920、930に設けられた第1および第2の切り欠き部922B、932Bに係合し、第1および第2のディスク収納部920、930の開閉動作を行う。第1および第2の開閉レバー851、852には矢印D720a方向および矢印D720b方向に付勢するための第1および第2のレバー付勢バネ853、854が設けられている。
次に、図34から図37を参照しながら、ディスク装置500の動作を説明する。
図34は、ディスクカートリッジ203がディスク装置500に挿入される前の状態、図35は、第1および第2の切り欠き部922B、932Bが係合部851c、852cに到達するまでディスクカートリッジ203がディスク装置500に挿入された状態、図36は、第1および第2のディスク収納部920、930が開放するまでディスクカートリッジ203がディスク装置500に挿入された状態をそれぞれ示す図である。なお、図34から図36において、第1および第2のディスク収納部920、930が閉塞状態から開放される状態になるまでの動作に関与しないトラバースベース720に一体的に構成される一連の部品は、煩雑を避けるため、図示していない。
また同様に煩雑を回避するため、図34から図36においては、図29に示された状態におけるディスクカートリッジ203の表側面の構造部、すなわち第1および第2のディスク収納部上体931、932、上部支持ベース部材941、ディスク910は示していない。
図34に示すように、ディスクカートリッジ203が、カートリッジホルダ760のホルダ開口部から、ガイド壁761a、761bにガイドされて矢印D760A方向に挿入される。このとき、ガイド壁761a、761bに設けられた第1および第2のロック解除部762a、762bは、第1および第2のディスク収納部920、930に設けられた第1の収納部用溝920A、および、第2の収納部用溝930Aに挿入され、これらの溝に沿って相対的に移動する。挿入が進むと、第1および第2のロック解除部762a、762bは左本体溝940ALおよび右本体溝940AR内を移動する。
図35に示すように、第1および第2のロック部材950、960に設けられた第1および第2の操作部952、962が、第1および第2のロック解除部762a、762bと当接し、押下される。これにより、第1および第2のロック部材950、960は矢印D951A方向および矢印D961A方向に回動する。この時、第1および第2のロック部材950、960に設けられた係止レバー部953、963が、それぞれ、第1および第2のディスク収納部920、930に設けられた第1および第2の係止部923、933から離間する。これにより、第1および第2のディスク収納部920、930のロックが解除され、矢印D922A方向および矢印D932A方向への回動可能となる。
この時、同時に、図35に示すように、所定の状態で待機している第1および第2の開閉レバー851、852に設けられた第1および第2の係合部851c、852cが、第1および第2のディスク収納部920、930に設けられた第1および第2の切り欠き部922B、932Bと係合する。
この後、引き続きディスクカートリッジ203を矢印D760A方向に移動させると、第1および第2の係合部851c、852cが、第1および第2の切り欠き部922B、932Bと係合した状態で、第1および第2の開閉レバー851、852がそれぞれ矢印D851A方向および矢印D852A方向に回動する。これに伴い、第1および第2のディスク収納部920、930はそれぞれ矢印D922A方向および矢印D932A方向に回動し、図36に示すように、ディスクカートリッジ203は開放状態となる。この時、第1および操作部952、962は、第1および第2のロック解除部762a、762bの領域を通過し終えており、第1および第2のロック部材950、960は第1および第2の弾性部954および964の付勢力により矢印D951B方向および矢印D961B方向に回動し、第1および第2のロック部材950および960は、ロック解除状態となる前の状態に戻る。
これにより、例えば、第1および第2の弾性部954、964が第1および第2のロック部材950、960と樹脂材料で一体的に構成される場合においても、第1および第2の弾性部954、964に応力が加わった状態で長時間維持されることが回避され、樹脂材料のクリープ現象を回避することが可能である。
第1および第2のディスク収納部920、930を閉塞状態にするには、図36に示す状態から上記の過程の逆の動作、すなわち、矢印D760B方向にディスクカートリッジ203を移動させることにより行う。
ディスクカートリッジ203を矢印D760B方向に移動させると、第1および第2の係合部851c、852cが、第1および第2の切り欠き部922B、932Bと係合した状態で、第1および第2の開閉レバー851、852がそれぞれ矢印D851B方向および矢印D852B方向に回動する。これに伴い、第1および第2のディスク収納部920、930はそれぞれ矢印D922B方向および矢印D932B方向に回動し、図35に示すようにディスクカートリッジ203は閉塞状態となる。
図35に示す状態においては、第1および第2のロック解除部762a、762bは第1および操作部952、962と当接した状態であり、第1および第2のロック部材950、960はそれぞれ矢印D951A方向およびD961A方向に回動されている。これよりさらに図34に示す状態となるまでディスクカートリッジ203を移動させると、第1および第2のロック部材950、960は、第1および第2の弾性部954、964のそれぞれの弾性力によって、それぞれ矢印D951B方向およびD961B方向に回動して戻される。これにより、第1および第2のロック部材950、960の第1および第2の係止レバー部953および963が、第1および第2のディスク収納920、930に設けられた第1および第2の係止部923、933と当接して、第1および第2のディスク収納部920、930の回転がロックされる。
次に、第1および第2のロック解除部762a、762bによる第1および第2のディスク収納部920、930のロックの解除について詳細に説明する。
なお図37(a)および(b)はロック部材950、960を解除する機能に関連するディスクホルダ760およびディスクカートリッジ203の寸法を示した図である。また、第1および操作部952、962近傍の構造は図32(a)および(b)に示している。図37においては、ディスク910の外周を二点鎖線で示している。
上述したように支持ベース部材940の両側面には、左本体溝940ALおよび940ARが、第1および第2のディスク収納部920および930には第1および第2の収納部用溝920A、930Aがそれぞれ設けられている。これらは同等の深さを有している。また、支持ベース部材940の左本体溝940ALおよび右本体溝940ARのディスクカートリッジ203をディスク装置に挿入する際に先端となる側と反対側の底部上には、突出部947L、947Rが設けられている。
図37において、ディスク910の中心を点OD、下部支持ベース部材942に設けられた第1の回転支軸942Aと第2の回転支軸942Bの互いの中心点を結ぶ線分の中点を点O12、第1および第2の切り欠き閉位置922B0および932B0から第1および第2の切り欠き開位置922B1および932B1に至るまでの、点ODと点O12とを結ぶ線分に平行な方向に関する寸法成分を寸法M1Lおよび寸法M1Rとする。さらに、図37および図32において、第1および第2のロック部材950、960が第1および第2のディスク収納部920、930の矢印D922A方向および矢印D932A方向への回動をロックしている状態における第1および操作部952、962の位置を、位置952B、962Bとする。
また、位置952、962にある時における第1および第2のロック解除部952、962の、左本体溝940ALおよび右本体溝940ARの溝底からに対して最も遠い箇所(頂点)を通り、点ODと点O12を結ぶ線分に平行な直線をそれぞれ直線L1およびL2とし、第1および第2のロック部材950および960がロック状態である際における第1および操作部952および962の外形部分のうち、左突出部947Lおよび右突出部947Rの設けられた側とは反対側における、直線L1およびL2との交点を点P3およびP4とする。さらに、左本体溝940ALおよび右本体溝940Rの底と、左突出部947Lおよび右突出部とを連結する斜面947LTおよび947RTと、直線L1およびL2との交点をそれぞれP5およびP6とする。
この時、図34から図36に示すように、ディスクカートリッジ203をディスク装置500へ挿入することにより、第1および第2のロック解除部762a、762bが確実に第1および第2のロック部材950、960による第1および第2のディスク収納部920、930のロック状態を解除して開放するためには、M1L<M2L、および、M1R<M2Rである必要がある。
これは、ディスクカートリッジ203の挿入動作のみで、まず第1および第2のロック解除部762a、762bが、第1および第2のロック操作部952、962の押圧を開始し、左突出部947Lおよび右突出部947Rの一部と干渉するまでの距離で、切り欠き部922B、932Bを、第1および第2の切り欠き閉位置922B0、932B0から第1および第2の切り欠き開位置922B1、932B1まで移動させる必要があるためである。
この時、斜面947LT、947RTの、左本体溝940ALおよび右本体溝940ARとの結合部側を、第1および第2の操作部952、962側に近づける方向の斜面にすることで、ディスクカートリッジ203挿入完了後において第1および第2のロック解除部と左突出部947Lおよび右突出部947Rとの干渉を有効に回避することができ、ディスクカートリッジ203の、挿入方向に関する全長をより短くすることが可能となる。
なお、図34から図36に示すように、ディスクカートリッジ203が正しくディスク装置500に挿入された場合、図36に示すように、左突出部947Lおよび右突出部947Rが第1および第2のロック解除部762a、762bと干渉することはない。しかし、図36に示す状態よりもさらにディスクカートリッジ203を挿入しようとした場合には、左突出部947Lおよび右突出部947Rが、第1および第2のロック解除部762a、762bと干渉することにより、ディスクカートリッジ203がこの状態からさらに奥へ移動するのを防止する。これにより、ディスクカートリッジ203が過度に奥へ挿入されることを防止することが可能となる。
また、ディスクカートリッジ203が、正しくディスク装置500に挿入されない場合、たとえば、図38に示すように、ディスクカートリッジ203の前後を逆にしてディスク装置500に挿入し酔うとした場合、左突出部947Lが第2のロック解除部762bと干渉し、右突出部947Rが第1のロック解除部762aと干渉することにより、ディスクカートリッジ203をさらに挿入されることを防止する。
この時、図38に示すように、ディスクカートリッジ203の前後を逆向きにして挿入するのを防止することができる条件は、第1のロック解除部762aと第2のロック解除部762bとの間隔、および、左突出部947Lと右突出部947Rの互いの最頂部同士の間隔を、図37(a)および(b)に示すように、それぞれB1およびB2とすると、B1<B2の場合である。
ただし、B2の寸法をディスクカートリッジ203の全幅寸法と同一にすると、ディスク装置500に挿入を完了した際の、第1および第2の操作部952、962と第1および第2のロック解除部762a、762bとの干渉を回避するための領域が確保できなくなる。このため、ディスクカートリッジ203の挿入が完了した後、第1および第2の操作部952、962と第1および第2のロック解除部762a、762bとが干渉した状態が維持される。その結果、第1および第2の操作部952、962が押圧され続け、第1および第2の弾性部954、964にストレスがかかった状態で維持されることとなる。
この場合、第1および第2のロック部材950、960が、第1および第2の弾性部954、964、第1および第2の操作部952、962とともに一体的に樹脂材料などで構成されていると、第1および第2の弾性部954、964には長時間ストレスがかかった状態が維持され、クリープ変形を起こす。
また、ただし、B2の寸法をディスクカートリッジ203の全幅寸法と同一にした上で、ディスクカートリッジ203の挿入が完了した際の第1および第2の操作部952、962と第1および第2のロック解除部762a、762bとの干渉を回避するための領域を確保しようとすると、左突出部947Lおよび右突出部947Rを、ディスクカートリッジ203の挿入方向と反対側へ後退させなければならない。つまり、ディスクカートリッジ203の挿入方向の全長寸法を大きくする必要がある。また、またこれに伴いディスク装置500の寸法も大きくなり、ディスクカートリッジ203およびディスク装置500を小型化することが困難となる。
これらのことから、B2の寸法は、B1<B2の条件を満たし、かつ、可能な範囲で狭く設定することが好ましい。また、寸法M2Lおよび寸法M2Rは大きくし過ぎると、ディスクカートリッジ203の全体の寸法が大きくなり過ぎる。このため、概ねディスク910の半径寸法よりも小さく設定するのが好ましい。
以上のように、本実施形態のディスクカートリッジによれば、シャッタ機能とハウジング機能を兼ねた2つのディスク収納部を両方向に回動させることにより、開口部を開放および閉塞する構造をとるディスクカートリッジにおいて、左突出部947Lあるいは右突出部947Rを設けることにより、ディスクカートリッジ203が正規の挿入方向とは逆の方向に挿入されることを防止することが可能となる。つまり、ディスクカートリッジ203が逆方向に誤って挿入され、第1および第2のディスク収納部221および222がディスク装置500から突出した状態で、ロック状態が解除され、開放されうる状態になることが回避される。このため、収納されるディスク910が不用意に露出したり、さらには脱落したりすることがなく、ディスク910が損傷を受けることを防止することが可能となる。
また、正規の挿入量以上の過度に挿入されることを防止することが可能であり、収納されたディスク、ディスクカートリッジあるいはディスク装置を破損してしまうことを回避できる。
本実施形態のディスクカートリッジ203では、上述した効果に加えて、左突出部947Lあるいは右突出部947Rをディスクカートリッジ203の挿入方向に直交する幅方向に関する位置決め部位として利用し、ディスクカートリッジ203のディスク装置500ないにおける位置決めを容易にしている。この効果を図39および図40を参照して説明する。
図39は、ディスクカートリッジ203をカートリッジホルダ60へ挿入し、左突出部947Lおよび右突出部947Rが、第1および第2のロック解除部762a、762bと当接する直前の状態を示す模式図であり、図40は、これらが当接した状態を示す模式図である。図39に示すように、ディスクカートリッジがカートリッジホルダ60へ挿入される際にディスクカートリッジ203の中央付近に矢印301に示す位置へ力が加えられると、姿勢がほぼ安定した状態でディスクカートリッジ203は矢印302A方向に移動する。
一方、この時に中央からずれて、矢印305に示す位置へ力が加えられると、第1および第2の係合部151C、152Cが第1および第2の切り欠き部221d、222dに係合しているものの、ディスクカートリッジ203はカートリッジホルダ60に対して、矢印302方向に自由度を有しているため姿勢が不安定となり、矢印302B方向に力が発生する。このため、ディスクカートリッジは挿入方向の直交方向における位置が不安定となる。
この後、図40に示す状態までディスクカートリッジ203をカートリッジホルダ60に対してさらに挿入すると、左突出部947Lおよび右突出部947Rに設けられた斜面947LT/947RTが、第1および第2のロック解除部762a、762bに設けられた解除部斜面762at、762btと当接する。この時、ディスクカートリッジ203が矢印301方向に力を加えられた場合には、図39で示した場合と同様、ほぼ安定して矢印302A方向に移動する。一方、中央からずれて矢印305に示す位置へ力が加えられた場合でも、やはりほぼ安定して矢印302A方向にしか力が発生しない。
これは以下の理由による。まず、ディスクカートリッジ203に矢印305B方向の力が加えられると、図40に示すように斜面947LT、947RTが解除部斜面762at、762btと当接している状態では、両者の界面において矢印310R、310Lに示す力が加わる。この反力としてディスクカートリッジ203は矢印320R、320Lに示す力を受ける。この矢印320R、320Lに示す力のディスクカートリッジの挿入方向の直交方向と、界面に平行な方向に関する分力は、それぞれ321L、321R、および322L、322Rとなる。ディスクカートリッジ203に矢印305方向に示す位置へ力が加えられた場合においても、矢印310L、310Rに示す力は互いに等しいため、矢印321L、321Rに示す力も当然等しくなる。すなわち、ディスクカートリッジ203を挿入する方向の直交方向には力の不釣り合いが生じない。したがって、図40に示す状態、つまり、左突出部947Lおよび右突出部947Rが、第1および第2のロック解除部762a、762bと当接する状態においては、ディスクカートリッジ203の位置が安定する。
本実施形態のディスクカートリッジ203は、左突出部947Lあるいは右突出部947Rを備えることにより、上述した効果を発揮するが、左突出部947Lあるいは右突出部947Rを利用する構造をディスク装置側にさらに設けることにより、ディスクカートリッジ203を装填した状態における位置あわせ精度をより高めることができる。
図41は、ディスク装置500において、第1のロック解除部762aに第1位置決め当接部位762cをさらに設けた例を示している。図41は、ディスクカートリッジ203の第1のロック部材950が設けられた側の構造のみを示しているが、第2のロック部材960が設けられた側についても、図41に示す構造と対称な同様の構造を備えている。
図41に示すように、第1のロック部材950が第1のロック解除部762aによりロック状態を解除され、第1および第2のディスク収納部920、930が開放された後、再び第1のロック部材950がロック解除前の状態に復帰するまで、ディスクカートリッジ203が矢印D760A方向に挿入されると、第1の位置決め当接部762cは、左本体溝940ALの末端に設けられた副溝部947Lbに侵入し、左突出部947Lの頂部947Laと当接する。第2のロック部材960が設けられた側も同様の状態となる。
この状態では、第1の位置決め当接部762cが、左突出部947Lの頂部と当接し、挿入方向と直交する方向に関する位置決めを行うことが可能となる。このため、より高い位置精度を確保することが可能である。また同時に、副溝部947Lbにおいて、ディスクカートリッジ203の厚み方向に溝の幅を狭くしておけば、第1の位置決め当接部762cが副溝部947Lbに潜入することにより、ディスクカートリッジ203の厚み方向に関しても、副溝部947Lbにおいて位置決めを行うことが可能である。
このような位置決めは、ディスクカートリッジ203の挿入が完了する直前に行われる。このため、位置決め動作に入るまでのディスクカートリッジ203の挿入動作においては多少のズレに対する自由度を確保でき、挿入性を損ねることなく、最終的に確実な位置決めを行うことが可能となる。
ディスクカートリッジ203の挿入方向の直交方向に関する位置決めを支持ベース部材の側面の左外形面949Lで行う場合、精度を確保するためには、部品精度として左外形面949Lの全面を高精度な面とする必要がある。これに対し、左突出部947Lの頂部947Laを位置決めのために使用する場合と、頂部となる面だけを高精度な面とするだけで良い。このため支持ベース部材940を製造する際において、精度管理が必要な面が小さくなり、製造時の精度管理を容易にすることが可能となる。さらに、左突出部947Lの頂部947Laの面は、突出した面であるため、例えば切削などにより最終的な仕上げを行うことが容易である。
また、左突出部947Lは左本体溝940ALの底面に対して非直交する方向n傾斜した斜面947LTを有しているため、左突出部947Lの頂部947Laの面と第1の位置決め当接部762cとの当接は円滑に行われる。
また、ディスク装置500内におけるガタが除去されるため、特に携帯機器等で使用する場合などにおいては、機器に対する外部振動あるいは機器自体が発する内部振動などにより、ディスクカートリッジ203がディスク装置500に対して振動して、振動音を発することを防止することに対しても有効である。
また、図41に示すように、非常に高度な精度を必要とする左突出部947Lの頂部947Laは左本体溝940AL内にあり、溝から突出せず、左外形面949Lに防護されることにより、容易に外部と接触あるいは衝突することがない。このため、位置決めを行うための面に対する傷つきや変形を防止でき、精度を損なうことを回避することが可能となる。
また、支持ベース部材940は、図30に示すように上部支持ベース部材941および下部支持ベース部材942を接合させることにより構成される。この接合を例えば超音波溶着あるいは接着剤による接着などの方法を用いた場合、溶着の際に溶融してはみ出した材料が、ディスクカートリッジ203の左外形面949Lに突出してくることを防止することが可能であり、外観を損ねることを回避できる。
図42は、ディスクカートリッジ203が、対応するカートリッジケース600に収納された状態を示す図である。カートリッジケース600にディスクカートリッジ203を収納する場合にも、図41を参照して説明したように、ディスクカートリッジ203のディスク装置500に対する位置決めと同様の構造により、位置決めを行うことができる。図42に示すように、左突出部947Lおよび右突出部947Rの頂上部947La、947Raに左幅位置決め部610Lおよび右幅位置決め部610Rを当接させることにより、カートリッジケース600に収納された状態におけるディスクカートリッジ203の、挿入方向に直交する方向に関する位置決めを行うことが可能である。
この場合においても、ディスクカートリッジ203はカートリッジケース600の中で確実に位置決めがされ、また、当接面における摩擦力で、保持力を向上させることも可能である。また同時に、左位置決め部610Lおよび右位置決め部610Rは、副溝部947Lb、947Rbに侵入するため、ディスクカートリッジ203の厚み方向についても位置決めを行うことが可能である。
また、図41および図42に示すように、左本体溝940ALおよび右本体溝940AR、あるいは、副溝部947Lb、947Rbのディスクカートリッジ203をディスク装置に挿入する際に先端となる側と反対側は開放状態となっている。このためディスクカートリッジ203を図43に示すようなカートリッジ立て800に装着することができる。副溝部947Lbおよび947Rbが開放状態であると、図43(a)に示すように開放部位にガイドリブ850および860を挿入させることが可能であり、これによりディスクカートリッジ203を厚み方向に拘束してガイドを行うことができる。
ガイドリブ850、860によりガイドされた状態で、カートリッジ立て800に対してディスクカートリッジ203をさらに矢印D800方向に押し込むと、支持壁830、840が矢印D810方向および矢印D820方向にそれぞれ撓み、副溝部947Lb、947Rbがガイドリブ850および860を通過し終えた後、支持壁830、840の撓みが開放される。これにより、図43(b)に示すようにディスクカートリッジ203がカートリッジ立てに把持される。
この時、ガイドリブ850は、第1および第2の操作部952、962には干渉しないように構成されている。このようにして、ディスクカートリッジ203はカートリッジ立て800に対して、収納されているディスク910の情報記録面に平行な面方向、および、ディスク910の中心軸に平行な方向に拘束された状態で軽く固定される。
図43に示したカートリッジ立て800をさらに複数個並列に連結する場合には、図44に示すように構成することが可能である。図44に示すような場合においても、図43で示す場合と同様、ディスクカートリッジ203は複数枚カートリッジ立て801に対してガイドリブ850および860によりディスク910の中心軸に平行な方向に対して拘束されている。このため、上部支持ベース部材941および下部支持ベース部材942の外観面941Pおよび942Pを支持しなくても、ディスクカートリッジ203は複数枚カートリッジ立て801に自立することができる。これにより、部材を介在させることなく複数のディスクカートリッジ203を並列させることが可能となり、全体の厚さを抑えることができる。
なお、本実施形態においては、ディスクカートリッジ203の両側に第1および第2のロック部材950、960を設け、各々のロックに対して解除を行うための第1および第2のロック解除部762a、762bを設けている。しかし、第1および第2のディスク収納部920、930に設けられた連動部922C、932Cにより各ディスク収納部は連動する構成を備えているため、ロックを行うための部材は何れか一方でも、最低限のロック機能は果たすことが可能である。
例えば図45に示すように、第2のロック部材960を設けない場合においても、第1のロック部材950により第1のディスク収納部920の回動を拘束し、また第2のディスク収納部930は連動部932Cが連動部922Cに係合することで拘束される。この場合においても、カートリッジホルダ760に第1のロック解除部と762a対称形状の第2のロック解除部762bを設け、図45に示す寸法B11と寸法B12をB11<B12となるようにすれば、上記と同様、ディスクカートリッジ203の逆方向からの挿入や、ディスク装置500への過度な量の挿入を回避するという効果を得ることが可能である。
また、本実施形態においては、左突出部947Lおよび右突出部947Rをディスクカートリッジ203の両側に設けている。しかし、上記の最低限の機能を得るためには、何れか一方でもディスクカートリッジ203の逆方向からの挿入や、ディスク装置500への過度な量の挿入を回避することは可能である。上記のように、ロックを行うための部材を何れか一方とした場合においては、左本体溝940ALあるいは右本体溝940ARのうち、ロック部材の設けられていない側の溝は設ける必要はない。
また、上記のように、ロックを行うための部材を何れか一方とし、かつ、ロック部材の設けられない側に溝を設けない場合においては、これに対応する第1のロック解除部762aあるいは第2のロック解除部762bをカートリッジホルダ760に設ける必要はない。
例えば、図46に示すように、ディスクカートリッジ203に第2のロック部材960を設けず、これに伴い、右本体溝947Rおよび右突出部940ARを設けないで、右壁940BRを封鎖する構造を採用する場合、カートリッジホルダ760には第2のロック解除部762bを設けず、右ガイド壁762cだけを設ければよい。この場合、第1のロック解除部762aと右ガイド壁762cとの間隔をB11、左突出部947Lの最頂部と右壁940BRの外殻との間隔をB12とすると、B21<B22という寸法条件であれば、上記と同様の効果を得ることが可能である。図46に示すように、第2のロック解除部762bが設けられない場合には、第1の位置決め当接部762cに相当する部位は設ける必要はない。
以上説明したように、本発明のディスクカートリッジによれば、カートリッジ外形を規定していた従来のハウジングをなくし、カートリッジ外形を規定し、かつシャッタ機能も有する一対のディスク収納部を備える。
一対のディスク収納部は、開放することにより、従来のシャッタ付きのディスクカートリッジの開口部に必要であったシャッタの移動ガイドを行うブリッジ部が存在しない大きな開口部を構成できる。したがって、小型カートリッジにおいても大型カートリッジと同等の開口部を設けることができ、ヘッドの設計自由度の向上を図ることができる。
また、ディスク収納部は、カートリッジ外形を規定するハウジング機能を兼ね備えたシャッタ構造であることから、従来のシャッタに比べ、厚み配分を大きくして剛性を高めることができる。したがって、落下衝撃や誤って踏まれた場合においても、情報が入ったディスクを外乱から完全に防御できる安全性が高いシャッタの機能を実現することができる。
また、ディスク収納部の開放量を制限し、閉塞時にはディスク収納部の回転をロックする機能を兼ね備えたロックユニットを、ディスク収納部および支持ベース部材とからなる支持ベース部材の組立完了後に組み込むことができる。このため、支持ベース部材を組み立てた状態では、ディスク収納部をディスクが取り出し可能な位置まで開放することができる。したがって、支持ベース部材までの組立が完了した後にディスクを挿入し、さらにロックユニットを支持ベース部材の挿入口から挿入して、最終的なディスクカートリッジの組立を完了することができる。これにより、ディスクの製造とディスクカートリッジの組立工程を完全に分離することができる。その結果、工法および検査方法などに大きな差があるディスクの製造とディスクカートリッジの組立工程を別々の場所で行うディスクカートリッジの製造方法が実現し、製造工程の自由度を高くするとともに製造コストを大幅に削減することができる。
また、ロックユニットを挿入口から挿入することにより、ディスク収納部の閉塞時には、ディスク収納部の回転のロックを行い、ディスク収納部の開放時には、ディスク収納部の開放量を制限し、ディスクカートリッジからのディスク取り出しを防止できる。
また、ロックレバー部とロックレバー支持部を一体的に構成することにより、部品点数の大幅な削減ができ、さらに、組立工数を削減することができるので、ディスクカートリッジの低コスト化を図ることができる。
また、外部からディスクカートリッジの位置決めを行うために、支持ベース部材に設けられた位置決め穴を覆うカバー部をロックユニットに設けることにより、ロックユニットを挿入することで、外部から位置決め穴を通過して埃が進入するのを防止し、ディスクカートリッジの防塵性の向上を図ることができる。
また、ロックユニットを挿入口から支持ベース部材に挿入する際、ロックレバー部またはロックレバー支持部が、ディスク収納部の一部と当接しながら、ディスク収納部を閉塞させるため、ディスク収納部の開放状態には関係なくロックユニットを支持ベース部材に挿入することができる。これにより、ディスクカートリッジ組立時の作業ミスを低減することができ、さらに、ロックユニットの挿入動作でディスク収納部が閉塞するため、ディスクカートリッジの組立工数を削減することができる。よって、ディスクカートリッジの低コスト化を図ることができる。
また、ロックユニットを支持ベース部材に挿入した状態において、ロックユニットのロックレバー支持部に、支持ベース部材の両側面部に設けられた第1の係止部と係合する一対の第1の保持部および支持ベース部材の中央部に設けられた第2の係止部と係合する第2の保持部を構成することにより、ロックユニットを支持ベース部材に挿入した際の保持力の向上を図ることができる。また、ロックレバー支持部は、ロックレバーの回転軸近傍および弾性部の端部近傍をそれぞれ第1および第2の保持部と支持ベース部材の係合により強固に保持されているので、外部からロックレバーを操作する外力に対してロックユニット全体が弾性変形することなく、ロックレバーは安定して動作することができる。
また、ロックユニットを弾性部材で構成し、さらにロックレバー支持部の本体に補強リブ等を設けず弾性変形しやすい形状で構成することより、ロックユニットを支持ベース部材に挿入する際、ロックユニットのロックレバー支持部が弾性変形する。このため、ロックレバー支持部に設けられた第1および第2の保持部が支持ベース部材に設けられた第1および第2の係止部と係合することができる。また、ロックユニットを挿入する際、ロックユニット全体が撓むために、挿入口の両側面部に設けられた第1の保持部と挿入口の中央部に設けられた第2の保持部が別々に支持ベース部材と係合することができる。したがって、ロックユニットを挿入する際に、第1および第2の保持部に対して、同時に支持ベース部材と係合する際の力が作用しない。このため、ロックレバー支持部の挿入時における挿入力を低減することができ、さらには、ディスクカートリッジの組立性の向上を図ることができる。
また、ロックユニットが挿入されていないディスク収納部および支持ベース部材とからなるディスクカートリッジでも、ディスク装置に装填可能であるので、ディスク装置の検査工程や例えばゲームソフト開発などで、頻繁にディスクの交換が必要となる製造/開発工程にこのようなロック部材のないディスクカートリッジを使用することができる。これにより、製造および開発を行うための専用冶具を製作することなく、実製品で代用ができるので、製造および開発費の削減を図ることができる。
また、本発明のディスクカートリッジによれば、ディスク装置に対する正規の挿入方向と逆方向に挿入することを防止することが可能となる。このため、逆挿入が行われることにより、ディスク装置に設けられたロック解除部が、ディスク収納部の閉塞状態を拘束するためのロック部材を解除するためのロック操作部に到達し、ディスク側が装置から突出した状態でディスク収納部が開放してしまうのを防止することができる。
また、ディスクカートリッジをディスク装置に挿入した際に、過度に挿入することにより、ディスクカートリッジ、ディスク、およびディスク装置内のデバイスなどに損傷を与えることを防止することが可能となる。
また、副溝部が主溝の末端部に設けられることにより、ディスクカートリッジの外形寸法を小さく構成することが可能となる。
また、末端部がディスク収納部の開放動作を妨げないため、ディスクカートリッジの挿入動作に支障をきたすことを防止することが可能となる。
また、主溝の底面と副溝の底面を結ぶ面をテーパ面とすることにより、ディスクカートリッジをディスク装置に挿入した後に、ロック解除部がディスクカートリッジとの干渉箇所を有効に回避することが可能となり、ディスクカートリッジおよびディスク装置の寸法を小さく構成することが可能となる。
また、ロック部材、主溝および副溝をディスクカートリッジの片側だけに設ける構成とすることにより、構成を簡略化することが可能となる。
また、主溝および副溝をディスクカートリッジの両側に設け、ロック部材を片側だけに設ける構成とすることにより、ディスクの誤挿入の防止を確実に行いつつ、部品点数を削減することが可能となる。
また、ロック部材、主溝および副溝をディスクカートリッジの両側に設ける構成とすることにより、ディスクカートリッジの誤挿入を確実に行い、さらにディスク収納部の閉塞状態の拘束も確実に行うことが可能となる。
また、ロック部材をロック解除状態から復帰させる付勢力を与える付勢部材を設けることにより、外部よりロック部材を復帰させるための操作を行う必要がない。
また、ディスク収納部が開放した後にはロック部材を、付勢部材にストレスの加わったロック解除状態から復帰させることができる構成とすることにより、付勢部へのストレスを解放することが可能となり、付勢部への負担を軽減することが可能となる。
また、ロック部材と付勢部材を一体的に構成することにより、部品点数および組立工数を削減することが可能となる。
また、ロック部材を樹脂材料で構成することにより、部品コストを削減することが可能となる。
また、簡便な構成でディスクカートリッジの誤挿入を防止することが可能となる。
また、ロック解除部が主溝内を通過してロックを解除する構成とすることにより、ディスク装置の外形寸法を小さく構成することが可能となる。
また、ロック解除部をロック部材の設けられた側に1カ所だけ設けられることにより、構成を簡便にすることが可能となる。
また、ロック解除部と反対側の壁との間隔を、ディスクカートリッジの副溝と反対側の外形面との寸法より狭く構成することにより、確実にディスクカートリッジの誤挿入を防止することが可能となる。
また、ロック解除部を、ロック部材の設けられている両側に設けることにより、より確実にディスクカートリッジの誤挿入を防止することが可能となる。
また、両側に設けられたロック解除部の間隔を、ディスクカートリッジに設けられた副溝の溝底の間隔よりも狭くすることにより、より確実にディスクカートリッジの誤挿入を防止することが可能となる。
また、ロック解除部が、テーパ面を有するリブ形状であることにより、ディスクカートリッジが挿入された際に、有効に副溝部およびロック操作部を回避することが可能であり、回避できた分だけディスクカートリッジあるいはディスク装置の外形寸法を小さく構成することが可能となる。
また、ディスクカートリッジが正規に挿入された際に、ディスク収納部の開放後にロック解除部がロック部材の復帰を妨害しないため、ロック部材がクリープ変形することを防止することが可能となる。