JP4525120B2 - 電源制御装置、電源装置、電源回路の制御方法 - Google Patents
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Description
このような機器としては、オーディオのパワーアンプを挙げることができる。このようなパワーアンプでは、例えばユーザが、迫力のある大音量を出させるために、ボリューム(音量)をほぼ最大にまで調整する場合があるが、このときに、電源回路としては、負荷電力がほぼピークの状態となり得る。
このようなときに、過電流保護機能がはたらいたとすると、例えば電源回路の動作が強制的に停止されて音が再生出力されなくなってしまう。あるいは負荷に供給する電力が抑制されて、ユーザが期待しているだけの大きな音量が得られないなどの、ユーザにとっては好ましくない状況が生じることになる。
つまり、電源回路に接続される負荷に供給される電力が所定以上とされる状態を検出する検出手段と、上記検出手段の検出出力を入力して、それぞれ異なる所定の時定数に応じて制御タイミングを設定する複数の制御タイミング設定手段と、上記制御タイミング設定手段により設定された制御タイミングにより、上記負荷に供給する電力量が可変されるように上記電源回路における所定動作を制御する制御信号を所定期間出力する制御手段と、を備え、上記制御手段は、上記複数の制御タイミング設定手段により設定される制御タイミングに応じて、上記負荷に供給する電力量についての所定の可変結果が得られるように、上記電源回路における所定動作を制御することとした。
この図に示す電源回路においては、先ず、入力コネクタCN1から入力直流電圧が入力され、この入力直流電圧は、平滑コンデンサCinの両端電圧として得られるようになっている。
このスイッチング駆動回路1は、一次側直流電源電圧Vccを動作電源として入力し、端子G-OUTから、スイッチング素子Q10のゲートに対して所要の周波数による交番波形の駆動信号(ゲート電圧)を印加するようにされる。これにより、スイッチング素子Q10は、コンバータトランスTR1の一次巻線N1−カレントトランスTcrの一次巻線L1の直列接続を介して平滑コンデンサCinの両端電圧(直流入力電圧)を入力してオン/オフ動作を行なう。つまり、スイッチング動作を行なって、直流から交流への電力変換を行う。
なお、一次側直流電源電圧Vccは、この場合には、コンバータトランスTR1の一次側に三次巻線N3を巻装するとともに、この三次巻線N3に励起される交番電圧を入力して整流動作を行なう半波整流回路によって得るようにされている。この半波整流回路は、図示するようにして、三次巻線N3に対してダイオードD20とコンデンサC30を接続して形成される。
二次巻線N2に励起された交番電圧は、この場合には、二次側整流ダイオードDoと二次側平滑コンデンサCoから成る半波整流回路によって整流平滑化されて、二次側平滑コンデンサの両端電圧として二次側直流出力電圧Eoを生成する。この二次側直流出力電圧Eoは、出力コネクタCN2を介して、負荷に対して供給される。
この場合、二次側直流出力電圧Eoの負荷は、その図示は省略するが、オーディオアンプにおけるパワーアンプとなる。パワーアンプは、入力されたオーディオ信号を増幅してスピーカを駆動する。上記のようにして供給される二次側直流出力電圧Eoは、この増幅動作のための電力となる。
電圧制御回路3は、抵抗R51,R52,R53,R54、コンデンサC40及びシャントレギュレータQ11を図示するようにして接続して形成される。この電圧制御回路3は、二次側直流出力電圧Eoが一定以上のレベルとなったときに、そのレベル増加分に応じたレベルの電流をフォトカプラPCのフォトダイオードに流すようにされる。
フォトカプラPCのフォトトランジスタでは、フォトダイオードに流れる電流レベル(発光量)に応じたコレクタ電流が流れる。このコレクタ電流は、抵抗R58を介して、スイッチング駆動回路1のフィードバック入力端子FB_INに対して入力される。つまり、フィードバック入力端子FB_INには、フォトトランジスタのコレクタ電流レベルに応じたレベルの電圧がフィードバック信号として入力される。
なお、フォトカプラPCは、電源回路の一次側と二次側との間で信号を伝送する必要のあるときに、一次側と二次側とについて直流的に絶縁された状態で信号入出力が行われるようにすることを目的として挿入される。
カレントトランスTcrの一次巻線L1には、スイッチング素子Q10に対して直列に接続されていることで、スイッチング素子Q10のスイッチング動作に応じた交番電流が流れるようになっている。カレントトランスTcrでは、一次巻線L1に流れる交番電流レベルに応じた交番電圧を、二次巻線L2に励起させる。
ここで、スイッチング素子Q10からカレントトランスTcrの一次巻線L1に流れる電流のレベルは、二次側直流出力電圧Eoの負荷電力状態、つまり二次側直流出力電圧Eoに接続される負荷に流れる電流に応じたものとなる。このことから、カレントトランスTcrの二次巻線L2に励起される交番電圧レベルは、二次側直流出力電圧Eoの負荷電流レベルを示すものとなる。
スイッチング駆動回路1では、プロテクト信号Sprt1のレベルに応じたフィードバック信号の成分に応答しては、そのレベルに応じて伝送電力量が低下されるようにしてスイッチング周波数を可変制御することになる。
図示するようにして、プロテクト信号生成回路2aは、過電流検出回路20、時定数回路21、及び信号出力回路22を備える。
先ず、過電流検出回路20は、ダイオードD1、抵抗R1、電流検出用コンデンサC1を備えて成る。
ダイオードD1のアノードはカレントトランスTcrの二次巻線L2の一端と接続され、カソードは、抵抗R1の一端と接続される。つまり、カレントトランスTcrの二次巻線L2の一端に対して、ダイオードD1−抵抗R1の直列接続回路が接続される。
また、電流検出用コンデンサC1は、上記ダイオードD1−抵抗R1の直列接続回路を介するようにして、カレントトランスTcrの二次巻線L2に対して並列に接続される。なお、カレントトランスTcrの二次巻線L2の他端側は一次側アースと接続され、アース電位である。
また、電流検出用コンデンサC1に対しては、抵抗R2を並列に接続している。
この時定数回路21においては、抵抗R3−ダイオードD3の直列接続回路と、抵抗R4−ダイオードD4の直列接続回路が並列に接続されている。この場合、ダイオードD3のアノードが抵抗R3側と接続され、ダイオードD4のカソードが抵抗R4側と接続される。そして、この並列接続回路において抵抗R3と抵抗R4の接続点は、抵抗R2と過電流検出回路20の電流検出用コンデンサC1との接続点に対して接続される。また、ダイオードD3のカソードとダイオードD4のアノードとの接続点は、時定数コンデンサC2の一方の極端子に接続される。時定数コンデンサC2の他極端子は、一次側アースに対して接続される。この接続形態では、ダイオードD3とダイオードD4は、互いに逆方向となるようにして挿入されていることになる。後述するようにして、抵抗R3−ダイオードD3の直列接続回路は、時定数コンデンサC2への充電経路となり、抵抗R4−ダイオードD4の直列接続回路は、時定数コンデンサC2からの放電経路となる。
分圧抵抗R8−R9は、時定数コンデンサC2に対して並列に接続されることで、時定数コンデンサC2の両端電圧V2を分圧する。そして、この分圧抵抗R8−R9の分圧点に対してオペアンプOP1の非反転入力端子が接続される。従って、オペアンプOP1の非反転入力端子には、時定数コンデンサC2の両端電圧V2を分圧して得られるレベルの電圧が入力される。
オペアンプOP1の反転入力端子に対しては、抵抗R11を介して所定レベルの基準電圧Vrefが接続されていることで、オペアンプOP10の反転入力端子には、基準電圧Vrefに対して抵抗R11による電圧降下分が差し引かれたレベルの閾値電圧レベルが入力されることになる。
また、オペアンプOP1の出力端子と反転入力端子間には、帰還抵抗R10とコンデンサC3の並列回路が接続される。
この場合オペアンプOP1は、電源電圧Vccを入力して動作するようになっている。図1では図示を省略しているが、この電源電圧Vccは、例えば図1に示す電源回路の二次側にて生成するようにされる。そして、このオペアンプOP1の出力がプロテクト信号Sprt1となる。後述するようにして、このプロテクト信号Sprt1がHレベルとなる期間に対応して、保護動作として電力伝送量を制限する制御動作が得られる。つまり、Hレベルのプロテクト信号Sprt1を生成することで、電力伝送量の可変制御を実行すべき制御タイミングを設定しているということがいえる。
この過電流検出回路20においては、電流検出用コンデンサC4が追加されている。この電流検出用コンデンサC4は、ダイオードD1−抵抗R1の直列接続回路における抵抗R1側の端部と一次側アース間に対して接続される。また、電流検出用コンデンサC4と抵抗R1の接続点には、抵抗R14の一端が接続される。電流検出用コンデンサC1//抵抗R2の並列接続回路は、抵抗R14の他端と一次側アースとの間に接続される。
この増幅回路23において、オペアンプOP10は、直流電源Vccを入力して動作する。オペアンプOP10の非反転入力端子は、過電流検出回路20の電流検出用コンデンサC1の正極側端子と接続される。反転入力端子は、抵抗R13を介して基準電圧Vrefと接続される。
また、オペアンプOP10の出力と反転入力端子との間には、帰還抵抗R12//コンデンサC5の並列接続回路が接続される。
オペアンプOP10の出力端子は、時定数回路21の抵抗R3と抵抗R4の接続点と接続される。
また、オペアンプOP10の非反転入力端子と一次側アースとの間には、ツェナーダイオードZD1が接続される。電流検出用コンデンサC1の両端電圧V1は、後述するようにして、負荷電流レベルに対応することから、過電流に対応するような状態に対応しては相応に過大なレベルとなる。上記ツェナーダイオードZD1は、オペアンプOP10の非反転入力端子に対して過大レベルが入力されたときに、このレベルをクランプしてオペアンプOP10を保護するために設けられる。
このカレントトランスTcrの二次巻線L2に得られた交番電圧は、過電流検出回路20において、ダイオードD1−抵抗R1の直列接続を介して、先ず、初段の電流検出用コンデンサC4に印加される。これにより、電流検出用コンデンサC4には、スイッチング電流I1のレベルに応じたレベルの両端電圧が得られる。そして、この電流検出用コンデンサC4の両端電圧は、抵抗R14−抵抗R2により分圧されたうえで、次段の電流検出用コンデンサC1に印加されることになる。この印加電圧による充放電が行われることで、電流検出用コンデンサC1には両端電圧V1が生じる。
オペアンプOP10閾値電圧レベルは、上記のような過電流の状態に対応する電圧V1のレベルに基づいて、基準電圧Vrefのレベルと抵抗R13の抵抗値との関係を決めることで設定することができる。
時定数コンデンサC2に対して充電が開始されることで、時定数コンデンサC2の両端電圧V2は、0レベルから上昇していくことになるが、この電圧V2は、図4にも示すようにして、時定数コンデンサC2のキャパシタンスと、抵抗R3とによる時定数に応じた傾きにより上昇していく波形となる。
スイッチング駆動回路1は、このプロテクト信号Sprt1の入力に応じてスイッチング周波数を可変制御して一次側から二次側への電力伝送量を低減させるようにして制御する。このときの伝送電力の低減量は、プロテクト信号Sprt1のレベルに応じたフィードバック入力端子FB_INへの入力レベルによって決まるが、プロテクト信号Sprt1の入力に応じた電力伝送量低減の結果としては、図4の時点t2以降に示すようにして、電流検出用コンデンサC1の両端電圧V1が所定の制限レベルVth以下となるようにして制御されることになる。このことは、伝送電力量について、一定以下となるようにして制御していることを意味するが、制限レベルVth以下の電圧V1に対応する伝送電力量としては、ピークの負荷に要する電力よりも少なく、また、この伝送電力量によって継続的にパワーアンプが動作したとしても、回路の破壊の無いことが保証されるものとなっている。このような時点t2以降の制御状態が、プロテクト動作が有効なプロテクトオンの状態とされる。
なお、これまでの説明から分かるように、時点t1において過電流の状態が検出されてから、プロテクトオンとなる時点t2までの待機期間Twの時間長は、充電経路の抵抗R3と時定数コンデンサC2の時定数によって決まるものであり、この場合には固定的なものとなる。
この場合には、時点t6においてプロテクトオン状態となって以降、時点t7において過電流の検出されなくなっている。この時点t7のタイミングは、先の時点t2に対する時点t3よりも早いタイミングとされる。これにより、期間t6〜t7によるプロテクトオンの期間は、先の期間t2〜t3によるプロテクトオンの期間よりも短いものとなっている。
そして、この時点t7からは、時定数コンデンサC2からの放電が開始されることになる。なお、放電時間は、抵抗R4と時定数コンデンサC2の放電時間によって決まるから、時点t7以降における両端電圧V2の下降波形は、時点t3以降と同じとなる。そして、時点t7から或る時間経過した時点t8において、電圧V2のレベルがオペアンプOP1の閾値電圧レベル以下となることで、プロテクト信号Sprt1の出力が停止されて、プロテクトオフの状態に遷移する。時定数コンデンサC2に対する放電が開始される時点t6から、電圧V2のレベルがオペアンプOP1の閾値電圧レベル以下となる時点t7までの時間長は、放電時の時定数によって決まるので、先の時点t3から時点t4までの期間と同じとなる。
先ず、この第3例においては、先ず、増幅回路23のオペアンプOP10の出力端子と非反転入力端子との間に対して、ダイオードD5−抵抗R15の直列接続回路が接続されている。ダイオードD5の挿入方向としては、アノードがオペアンプOP10の出力端子に接続され、カソードが抵抗R15を介して増幅回路23の非反転入力端子に接続されるようになっている。
このリセット回路24は、NPNのトランジスタQ1を備える増幅回路として形成される。このトランジスタQ1のコレクタは、抵抗R18を介してオペアンプOP10の非反転入力端子に接続される。また、エミッタは接地される。
このリセット回路24に対しては、時定数コンデンサC2の両端電圧V2を抵抗R16−R17により分圧して得られるレベル電圧が入力される。リセット回路24では、この電圧レベルが所定以上となるのに応じて、トランジスタQ1がオン状態となるように動作する。トランジスタQ1がオンとなれば、オペアンプOP10の非反転入力端子はアース電位となって、オペアンプOP10の出力をLレベルにリセットすることになる。つまり、リセット回路24は、時定数コンデンサC2の両端電圧V2が所定レベル(リセットレベル)以上となるのに応じて、オペアンプOP10をリセットするように動作する。
この場合においても、時点t1における動作は、図4の時点t1と同様となる。但し、前述もしたように、第3例におけるオペアンプOP10のHレベル出力はラッチされるので、時点t1にて開始されたオペアンプOP10からのHレベル出力は、以降の電流検出用コンデンサC1の両端電圧V1のレベル(つまり過電流検出回路20における検出結果)にかかわらず、リセット回路24によるリセット動作が実行されるまで継続される。
従って、この場合には、例えば時点t2に至る前の待機期間Twの期間内において、例えば、過電流状態が解消されたことが検出されたことで両端電圧V1が一定レベル以下になったとしても、時点t1以降における時定数コンデンサC2に対する充電は継続されて、その両端電圧V2のレベルが、充電時の時定数(R3,C2)に従って上昇していくようにされる。そして、時点t2に至れば、図4の場合と同様にして、電圧V2のレベルがオペアンプOP1の閾値電圧レベルを越えることとなって、プロテクト信号Sprt1が出力され、プロテクトオンの状態となる。
これに対して、図5に示したプロテクト信号生成回路2aの構成では、オペアンプOP10の出力がラッチされることにより、一旦、過電流の状態であることが検出されて時定数コンデンサC2に対する充電が開始されると、必ず、プロテクトオンの期間(プロテクト信号Sprt1の出力期間)が得られるようになっている。また、時定数コンデンサC2に対する充放電は、予め設定された時定数(充電時:R3、C2)(充電時:R4、C2)に従って行われるから、充放電動作により得られる両端電圧V2の波形としても同じものとなる。この結果、プロテクトオンの期間(プロテクト信号Sprt1の出力期間)としても毎回、同一となるようにされる。
つまり、図5に示すプロテクト信号生成回路2aの構成では、過電流検出回路20において、一旦、過電流の状態であることが検出されれば、その都度に、同じ期間(時間)長によるプロテクトオン状態が発生するようになっている。
また、単発のプロテクトオン状態の時間長は、図6に示す期間t2〜t4、又は期間t6〜t8として示される一定時間長となるのであるが、例えば時点t3(時点t7)のリセットレベルに到達した時点においても、過電流の状態が検出されているような状態では、これに応答するようにしてオペアンプOP10からのHレベル出力が継続される。従って、時点t3(時点t7)におけるリセットタイミング後も、電圧V2はオペアンプOP1の閾値電圧レベル以上の状態を維持するので、オペアンプOP1からのプロテクト信号Sprt1の出力が継続される。つまり、プロテクトオンの状態が、時点t4以降も継続される。
また、この両端電圧V2の波形を固定として考えた場合には、オペアンプOP1における閾値電圧レベルを変更することによっても、プロテクト信号Sprt1がHレベルにより出力される期間長を変化させることができる。そこで、本発明としては、プロテクト信号SprtがHレベルにより出力される期間長(電力伝送量の制御タイミング)を設定するための時定数として、時定数回路21の時定数だけではなく、この信号出力回路22に備えられるプロテクト信号Sprt出力用のオペアンプOPに設定される閾値電圧レベルについても、これを時定数として概念的に含めることとする。この点については、図7により後述するようにして、プロテクト信号Sprt出力用のオペアンプが複数備えられる場合についても同様である。なお、閾値電圧レベルは、例えば元の基準電圧Vrefのレベルと、この基準電圧Vrefとオペアンプの反転入力端子との間の抵抗の値、若しくは、非反転入力端子に対して接続される分圧抵抗の抵抗値(電圧V2に対する分圧比)などにより変更設定できる。
この図7に示すプロテクト信号生成回路2aは、先に図5に示した第3例のプロテクト信号生成回路2aの信号出力回路22に対して、オペアンプOP2を備える増幅回路(コンパレータ)を追加的に設けることとしている。
先ず、図8に示す構成としては、プロテクト信号生成回路2aから出力されるプロテクト信号Sprt1,Sprt2の各々に対応して、増幅回路4−1,4−2を設けるようにされる。これら増幅回路4−1,4−2は、図1に示した増幅回路4と同じ構成であり、その内部の構成部位についても、図1に示した増幅回路4と同一符号を付している。
そして、増幅回路4−1,4−2におけるトランジスタQ12のコレクタを、共に抵抗R55を介して、フォトカプラPCのフォトダイオードのカソードに対して共通に接続するようにされる。
あるいは、図9に示すようにして、プロテクト信号Sprt1,Sprt2の信号ラインに対して、それぞれダイオードDor1,Dor2を接続し、これらダイオードDor1,Dor2のカソードを共に、増幅回路4に対して入力させる。
図7のプロテクト信号生成回路2aにおける、オペアンプOP1,オペアンプOP2は、先の第3例に対応する図6におけるオペアンプOP1と同様の動作によって、それぞれプロテクト信号Sprt1,Sprt2を出力するようにされる。また、図7のオペアンプOP10についても非反転入力端子に対してオペアンプOP10自身の出力が帰還されており、またリセット回路24を備えることで、プロテクト信号Sprt1,Sprt2のいずれについても、一旦、電流検出回路20において過電流の状態であることが検出されるごとに、毎回、同じ期間(時間)長によりプロテクト信号Sprt1,Sprt2を出力することになる。
また、オペアンプOP2から出力されるプロテクト信号Sprt2としては、同じく時点t1(時点t7)において過電流が検出されたタイミングに応じて、期間t3〜t5(期間t9〜t11)によりHレベルが得られる。ここでは、プロテクト信号Sprt2がHレベルとなる期間を第2プロテクトオンの状態といい、プロテクト信号Sprt2がLレベルとなる期間を第2プロテクトオフの状態という。
つまり、上記したオペアンプOP1とオペアンプOP2とでの電圧V2に対する閾値電圧レベルの違いにより、プロテクト信号Sprt1のHレベル出力期間(第1プロテクトオン期間)は、プロテクト信号Sprt2のHレベル出力期間(第2プロテクトオン期間)を含みながら、このプロテクト信号Sprt2のHレベル出力期間(第2プロテクトオン期間)よりも長い時間長を有するものとなる。
また、プロテクト信号Sprt2は、過電流検出回路20により過電流の状態が検出された時点t1から、上記待機期間Tw1よりも長い待機期間Tw2を経た時点t3に至るとHレベルにより出力される。このとき、プロテクト信号Sprt1は、時点t2からのHレベル出力を継続している。これにより、時点t3以降においては、プロテクト信号Sprt1とプロテクト信号Sprt2の各信号成分が合成された信号がフィードバックされることになる。つまり、スイッチング駆動回路1のフィードバック入力端子FB_INに対して入力されるフィードバック信号のレベルが増加することになる。これに応じて、スイッチング駆動回路1では、これまでよりもさらにスイッチング周波数の可変量を多くするように制御するが、これにより、負荷に対する電力伝送量としてもさらに低減されることになる。
また、この後、時点t5に至ると、プロテクト信号Sprt2のHレベル出力が停止されるが、プロテクト信号Sprt1は、時点t5を経過して時点t6までHレベル出力が継続される。従って、期間t5〜t6においては、先の期間t2〜t3と同様にして、プロテクト信号Sprt1成分のみに応じて電力伝送量を低減させる動作に戻るようにされる。そして、時点t6を経過すると、プロテクト信号Sprt1の出力も停止されることになる。
そして、これに続く時点t3から時点t5までの期間において、第1プロテクトと、第2プロテクトの両者がオンとなる状態が得られ、このときには、プロテクト信号Sprt1,Sprt2の合成された信号レベルに応じた低減量による電力伝送量の低減が行われる。この第2段階の低減量は、上記第1段階の低減量よりも大きいものであり、つまり、電力伝送量はさらに低減されることになる。ここでは、これが第2段階によるプロテクト動作である。そして、続く期間t5〜t6においては、第1プロテクトのみがオンで、第2プロテクトはオフの状態に遷移することとなって、再度、第1段階によるプロテクト動作が行われる。そして、時点t6以降は、第1プロテクト及び第2プロテクト共にオフとなっている。つまり、プロテクト動作がオフとなる。
なお、時点t7〜時点t12による期間においても、上記期間t1〜t6と同じ動作が得られている。
この図11の場合には、二次側出力電流は、例えば時点t0又は時点t1に示すようにして、或る時間間隔をおいて非常に短時間によりピークに近いレベルが得られている。このような二次側出力電流の状態は、スピーカから出力される音声としては、例えばドラムなどの単発的にレベルの大きい音が、或る程度の時間間隔を経て鳴っているような状態に相当する。
このために、図11に示すようにして二次側出力電流がほぼピークレベルに至ったとしても、これが短時間なものであって、上記待機時間Tw内でピーク以下のレベルに戻るような状態では、このピークレベルに対してプロテクト動作はオンとはならない。つまり、電源回路側では、負荷であるパワーアンプに対して電力制限を行わずに、このときの二次側出力電流のピークレベルに応じた電力を供給する。これによりパワーアンプでは、この二次側出力電流のピークレベルに応じたままの音量により、スピーカから音声を出力するようにされる。
このように本実施の形態としては、例えばスピーカから出力される音量が、ほぼ最大負荷に対応するような大きさであるとしても、これが短時間である場合には、特にリミットされることなく出力されることになるので、音量感が損なわれない迫力のある音が得られることになる。例えば、このような短時間の大きな音の代表的なものとしては、上記もしているようにドラムなどの音が挙げられるが、このような音色のレベルにリミットがかけられることなく出力されることを考えれば、聴感の全体的な印象として充分な音量感が得られることは容易に理解される。なお、確認のために述べておくと、ほぼ最大負荷(負荷電流レベルとしてほぼピーク)の状態となるのは、待機期間Tw内に収まる程度の短時間であるから、パワーアンプの回路、スピーカ、及び電源回路の部品などが、これにより破壊されることはない。また、待機期間Twの時間長、つまり時定数回路21についての充電経路の時定数(R3,C2)は、上記のようにして単発的な大音量が抑制されないようにすることだけではなく、このような回路部品の破壊が生じないことが保証されることを考慮しても設定されるべきものとなる。
例えば図12における期間t0〜t1においては、二次側出力電流がピークとなる状態が非常に短い周期で連続的に発生している状態となっているが、これに応じた二次側直流出力電圧レベルは、図示するようにして比較的大きな変化量により低下する傾向となっている。つまり、この期間t0〜t1においては、プロテクトオンの状態となっており、これにより、電力伝送量が制限されている状態にあることが分かる。
つまり、本実施の形態の保護回路は、期間t0〜t1に示すような、二次側出力電流がピークとなる状態が非常に短い周期で継続して発生して、負荷電力のピーク状態が比較的長時間連続しているとみなされるような状態では、強い電力制限が与えられるようにして、回路の保護が図られるようにしている。これに対して、期間t2〜t3のようにして、二次側出力電流のピークが周期的に発生してはいるものの、単位時間あたりの出現密度が比較的少ない状態では、弱めの電力制限となるようにされており、これにより、音量感が損なわれないようにされている。
この図においては、ほぼ時点t0以降において、二次側出力電流のピークが非常に短い周期で連続している状態となっている。これに応じて、二次側出力電圧のレベルとしても、時点t0以降から低下しはじめて、以降は継続的に低下された状態を維持している。つまり、二次側出力電流のピークが継続した状態となっているのに応じて、電力制限の動作(プロテクト動作)も継続的に実行することで、回路等の保護を図っているものである。
そして、過電流が連続するとされるような状態では、保護動作が有効にはたらくこととなって、電源回路及び負荷(パワーアンプ)の回路などの破壊が防止される。
例えば、従来技術に関する課題において述べたように、音量感を損なわないように大音量出力に対応できるようにするためには、電源回路について、最大負荷電力(負荷電流のピーク)の状態が継続するような条件に対しても、回路が破壊されないことを保証できるように設計する、という手法を採ることも考えられる。しかしながら、この場合には、コストアップ及び電源回路の実装基板サイズが大型化して重量も増加するという不都合を生じる。特に後段のパワーアンプにデジタルアンプ(D級アンプ)を採用している場合には、その採用理由が主として小型軽量化であることが多いので、特に不利となる。
これに対して、本実施の形態では、一時的なピーク電力に対応できればよいので、電源回路部品についても、これまでと同等の耐電圧、耐電流のものを選定できる。これにより、回路基板サイズの大型化、重量化、及びコストアップが避けられることになる。本実施の形態の場合、保護回路2aを付加することになるが、この保護回路2aは、図2、図3、図5、図7等に示したように、プロテクト信号生成回路2aと、例えば電流検出のための1組のカレントトランスTcrから成るものである。従って、継続的なピーク負荷電力に対応した電源回路を設計する場合と比較すれば、回路規模の拡大やコストアップはより少ないもので済む。
このような保護機能を有するパワーアンプの電源として、例えば上記のようにして、連続するピーク負荷電力に対応可能に設計された電源回路を採用したとすると、実際にピーク負荷電力が連続した状態となったときには、パワーアンプの保護機能がはたらいてしまい、結局、スピーカからの音声出力が止まってしまうことになる。
これに対して、本実施の形態では、電源回路側で電力制限を行っていることから、保護回路2に依る保護動作がはたらいている以上、パワーアンプの保護機能がはたらくことは無い。つまり、相応の音量感が得られる状態を維持しながらも、パワーアンプの保護機能がはたらいてパワーアンプの動作が止まってしまうような不都合が生じない。
なお、本実施の形態の保護回路2に依る保護動作は、例えば待機期間Twにおいては保護動作がはたらかずに、ほぼピークレベルの負荷電流が流れることになる。しかしながら、パワーアンプの保護機能は、上記しているように、マイクロコンピュータの処理によるもので、マイクロコンピュータの処理能力及び実使用上での都合で、実際に過電流の状態となってから、保護機能がはたらくのには、本実施の形態で設定する待機期間Tw以上の時間差がある。このために、待機期間Twにおいてピークに近い負荷電流が流れているときに、パワーアンプの保護機能がはたらくことはない。
先ず、図14においては、保護回路2から出力されるプロテクト信号Sprt1を増幅してスイッチング駆動回路1のフィードバック入力端子FB_INに入力させる増幅回路4を、電源回路の一次側に挿入することとしている。つまり、増幅回路4のトランジスタQ12のコレクタを抵抗R55を介してそのままフィードバック入力端子FB_INと接続し、エミッタは、入力コネクタCN1から供給される電源の負極ライン(−DC)と接続する。
本実施の形態において、保護回路2そのものは、電源回路の一次側に備えられている。そこで、この図14のようにして、増幅回路4を一次側に備えることとしても何ら問題はない。ちなみに、図1に示した電源回路では、保護回路2のプロテクト信号生成回路2aは、二次側に在ることとなるが、カレントトランスTcrがあることで、この場合にも一次側と二次側は適正に直流的に絶縁された状態にある。
また、例えば図7に示したようにして、プロテクト信号生成回路2aから複数のプロテクト信号が出力される場合に対応しては、図8に準じて、一次側の増幅回路4を、プロテクト信号ごとに対応して並列的に設けるようにすればよい。あるいは、図9に準じて、プロテクト信号ごとにダイオードを接続して、これらのダイオードのカソードを共通の増幅回路4のトランジスタQ12のベース抵抗R56に接続するようにしてもよい。
また、オペアンプOP30の反転入力端子に対しては、抵抗R32−R33により分圧した基準電圧Vrefが入力される。また、オペアンプOP30の出力端子と反転入力端子との間には帰還抵抗R24とコンデンサC20の並列回路を接続している。オペアンプOP30の出力端子は、後段のプロテクト信号生成回路2aのダイオードD1のアノード側と接続される。
このような構成では、ラインLn1から非反転入力端子に対して、負荷電流のレベルに応じたレベルの電圧が入力され、オペアンプOP30では、この入力された電圧を所定の増幅率によって増幅して出力するようにされる。
カレントトランスTcrは、一次巻線N1に流れる電流により負荷電流を検出して、プロテクト信号生成回路2aに対して、この負荷電流レベルに応じた電圧を出力していたが、電流検出回路2bの場合には、電流検出抵抗R60による負荷電流レベルの検出出力を入力して、同じく、プロテクト信号生成回路2aに対して、負荷電流レベルに応じた電圧を出力しているということがいえる。
このような構成とした場合においても、時定数回路21によって時定数が設定されていることで、待機期間Twとしての応答遅延時間が形成されるので、短時間であればピーク電力で出力させるという動作は確実に得られるものである。
また、段階的な制御としても、実施の形態として説明したように、電力伝送量を段階的に可変することだけに限定されない。例えば、所定数の段階範囲では、電力制御量を変更するようにされるが、この範囲を越えた段階に至ったら保護のために電源回路の動作を停止させる、というように構成することも可能である。
また、本発明に基づく電源回路、及び保護回路の構成としても、これまで実施の形態として示した構成に限定されるものではなく、適宜変更されて構わない。例えば電源回路としては、スイッチング周波数を制御することで電力伝送量の可変制御を行うようにしているが、これ以外の制御方式が採用されて構わない。また、電源回路としても、スイッチング電源回路以外の電源回路とされて構わないものである。
さらに、電源回路の負荷となる装置としては、パワーアンプに限定されるものではなく、これ以外の装置として、一時的であれば、最大負荷に応じた電力が供給されることが好ましい、あるいは必要とされるような装置を負荷として接続できるものである。
Claims (3)
- 電源回路に接続される負荷に供給される電力が所定以上とされる状態を検出する検出手段と、
上記検出手段の検出出力を入力して、それぞれ異なる所定の時定数に応じて制御タイミングを設定する複数の制御タイミング設定手段と、
上記制御タイミング設定手段により設定された制御タイミングにより、上記負荷に供給する電力量が可変されるように上記電源回路における所定動作を制御する制御信号を所定期間出力する制御手段と、
を備え、
上記制御手段は、上記複数の制御タイミング設定手段により設定される制御タイミングに応じて、上記負荷に供給する電力量についての所定の可変結果が得られるように、上記電源回路における所定動作を制御する
電源制御装置。 - 電力変換を行って負荷に電力を供給する電源回路部と、
上記負荷に供給される電力が所定以上とされる状態を検出する検出手段と、
上記検出手段の検出出力を入力して、それぞれ異なる所定の時定数に応じて制御タイミングを設定する複数の制御タイミング設定手段と、
上記制御タイミング設定手段により設定された制御タイミングにより、上記負荷に供給する電力量が可変されるように上記電源回路部における所定動作を制御する制御信号を所定期間出力する制御手段と、
を備え、
上記制御手段は、上記複数の制御タイミング設定手段により設定される制御タイミングに応じて、上記負荷に供給する電力量についての所定の可変結果が得られるように、上記電源回路における所定動作を制御する
電源装置。 - 電源回路に接続される負荷に供給される電力が所定以上とされる状態を検出する検出手順と、
上記検出手順の検出出力を入力して、それぞれ異なる所定の時定数に応じて複数の制御タイミングを設定する制御タイミング設定手順と、
上記制御タイミング設定手順により設定された制御タイミングにより、上記負荷に供給する電力量が可変されるように上記電源回路における所定動作を制御する制御信号を所定期間出力する制御手順と、
を実行し、
上記制御手順は、上記制御タイミング設定手順において設定される複数の制御タイミングに応じて、上記負荷に供給する電力量についての所定の可変結果が得られるように、上記電源回路における所定動作を制御する
電源回路の制御方法。
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