JP4524504B2 - 化粧シート用エネルギー線硬化型樹脂組成物及びそれを用いた化粧シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規にして有用なるエネルギー線硬化型樹脂組成物およびそれを用いた化粧シートに関する。更に詳細には、本発明は特定の(メタ)アクリレート化合物、ビニルエーテル化合物を必須の構成成分として含んでなることにより、とりわけ、耐溶剤性、耐摩耗性、耐屈曲性に優れた塗膜を得ることのできる、極めて有用なエネルギー線硬化型樹脂及びそれを用いた化粧シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
紫外線および電子線等を照射することによって硬化する、エネルギー線硬化型のコーテイング剤や各種塗料は、省エネルギー、作業性向上、生産性の向上などの理由によって実用化されてきたが、市場からはより一層の高性能なる塗料への要求が高まっている。従来、光沢紙が本や雑誌等に使用されているが光沢を出す方法として紙にプラスチックフィルムをラミネートしたものが大部分であり紙の再生処理に問題が発生し、エネルギー線硬化型のオーバープリントワニスが検討されているが、耐溶剤性、耐摩耗性、耐屈曲性に充分な満足が得られていないのが現状である。
一方、特開平3−143963号公報に、不飽和2重結合とヒドロキシル基を有するモノマーと不飽和2重結合を有するオリゴマー及び/またはモノマーとからなる放射線硬化型樹脂組成物が記載されており、耐汚染性に効果的であることがの述べられている。しかしながら、該特許には(メタ)アクリレートが不飽和2重結合として好ましいことが記載されており、本特許が重合性不飽和ビニル化合物を構成要素の必須成分としている点で明らかに異なる。さらに、特開平3−143963号公報に記載の通り、不飽和2重結合とヒドロキシル基を有するモノマーと不飽和2重結合を有するオリゴマー及び/またはモノマーからなる組成物は、モノマー中のヒドロキシル基に起因する水素結合により、樹脂組成物の粘度が高くなる。そこで、塗装可能粘度に下げるために希釈性を用いる際、希釈性に優れる単官能モノマーを希釈モノマーとして使用してしまうと硬化物の耐溶剤性や耐摩耗性を悪化させてしまい好ましくないという問題を生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、耐溶剤性、耐摩耗性、耐屈曲性に優れた塗膜を得ることのできる、極めて有用なエネルギー線硬化型樹脂組成物、特に化粧シート用のエネルギー線硬化型樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは、上述した如き発明が解決しようとする課題に照準を合わせて、鋭意研究を重ねた結果、ここに特定の(メタ)アクリレート化合物、ビニルエーテル化合物を必須の構成成分として含んでなることにより、上記課題を解決できること見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート化合物(A)、分子中にビニル基を2つ以上含む多官能ビニルエーテル化合物(B)を含んでなる化粧シート用エネルギー線硬化型樹脂組成物に関する。さらに、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート化合物(A)がペンタエリスリトールトリアクリレートであることを特徴とするエネルギー線硬化型樹脂組成物に関する。また、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート化合物(A)がエポキシアクリレートであるエネルギー線硬化型樹脂組成物に関する。
【0006】
また、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート化合物(A)と分子中にビニル基を2つ以上含む多官能ビニルエーテル化合物(B)の重量比率が95/5〜50/50(%)であるエネルギー線硬化型樹脂組成物に関する。また、上記のエネルギー線硬化型樹脂組成物を基材上に塗布し、硬化させてなる化粧シートに関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート化合物(A)とは、1分子中にヒドロキシル基と(メタ)アクリレートを少なくとも各々1個づつ有する化合物であり、具体的には次のような化合物が挙げられる。エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレートなどの2価アルコールのモノ(メタ)アクリレート。
トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、トリス2―ヒドロキシエチルイソシアヌレートモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリス2―ヒドロキシエチルイソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレートなどの、3価のアルコールのモノ及びジ(メタ)アクリレートでヒドロキシル基を有するものや、これらアルコールの水酸基の一部をアルキル基やε−カプロラクトンで変性したヒドロキシル基を有するモノ及びジ(メタ)アクリレート。
ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレートなどの、4価以上のアルコールの多官能(メタ)アクリレートでヒドロキシル基を有するものや、これらアルコールの水酸基の一部をアルキル基やε−カプロラクトンで変性したヒドロキシル基を有する多官能(メタ)アクリレート。
あるいは、公知の芳香族エポキシアクリレート、脂環式エポキシアクリレート、脂肪族エポキシアクリレート等が挙げられる。ここで、芳香族エポキシアクリレートとしては、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールまたはそのアルキレンオキサイド付加体のポリグリシジルエーテル等のエポキシ化合物に(メタ)アクリル酸を付加せしめて得られるものであって、多価フェノールとしては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール化合物又はビスフェノール化合物のアルキレンオキサイド付加体、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。また、脂環式エポキシ樹脂としては上記の芳香族エポキシアクリレートの水添タイプが挙げられる。
更に、脂肪族エポキシアクリレートとしては、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、エトキシ化ビスフェノールAなどの2価のアルコールのジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパン、エトキシ化トリメチロールプロパン、プロポキシ化トリメチロールプロパン、グリセリンなど、3価アルコールのトリグリシジルエーテル等のエポキシ化合物に(メタ)アクリル酸を付加せしめて得られるエポキシアクリレート化合物が挙げられる。
本発明に好適に用いられるヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート化合物(A)としては、1分子中に2個以上の(メタ)アクリレート基を有しかつ粘度が比較的低い、ペンタエリスリトールトリアクリレートや分子中に芳香環を含まない脂肪族エポキシアクリレートが硬化塗膜の耐溶剤性、耐摩耗性を満足するため好ましい。
特に脂肪族エポキシアクリレートは硬化塗膜の耐屈曲性を向上させる。
本発明の重合性不飽和ビニル化合物(B)とは、1分子中にビニル基を少なくとも1個有する化合物であり、具体的には次のような化合物が挙げられる。エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ブタンジオールモノビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、t−アミルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコルモノビニルエーテル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールメチルビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、アミノプロピルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリプロピレングリコールジビニルエーテル、ポリプロピレングリコールモノビニルエーテルなどが挙げられるが、硬化塗膜の耐溶剤性、耐摩耗性を満足するためには1分子中に2個以上のビニル基を有する化合物が好ましい。
本発明における(A)のヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート化合物と(B)の重合性不飽和ビニル化合物の比率は、好ましくは95/5〜50/50(%)、さらに好ましくは90/10〜60/40(%)である。(A)が(A)と(B)の合計量の内95%を越えた場合、樹脂粘度が高くなり過ぎ、更に希釈性に優れる(メタ)アクリレート基含有量の少ないモノマーを希釈モノマーとして使用してしまう結果となり、硬化塗膜の耐溶剤性、耐摩耗性の低下を招いたり、粘度低下のために使用する有機溶剤の使用量が多くなりるため好ましくない。また、(A)が(A)と(B)の合計量の内、50%以下の場合、樹脂中の(メタ)アクリレート基含有量を低くしてしまうため、硬化塗膜の耐溶剤性、耐摩耗性の低下を招くため好ましくない。
本発明に用いられるエネルギー線硬化型樹脂組成物には、目的に応じて、さらに、(A)成分以外の(メタ)アクリレート化合物(C)や低分子量ポリオール化合物(D)、有機溶剤(E)、光重合開始剤(F)、マット剤(G)、顔料(H)、天然ないしは合成高分子物質類(I)、その他の配合剤(J)を追加使用しても良い。
(メタ)アクリレート化合物(C)としては、具体的には次のような化合物が挙げられる。ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレート。
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス2―ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレートなどの、トリ(メタ)アクリレート。
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレートや、これら(メタ)アクリレートの一部をアルキル基やε−カプロラクトンで置換した多官能(メタ)アクリレート。さらには、他のウレタンアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ビニルウレタン樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等に代表される、不飽和二重結合を含有する樹脂の如き公知慣用のエネルギー線硬化型樹脂類であるが、トリ(メタ)アクリレート以上の多官能(メタ)アクリレート化合物が硬化塗膜の耐溶剤性、耐摩耗性の低下を招かないので好ましい。
低分子量ポリオール化合物(D)としては、具体的には次のような化合物が挙げられる。エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール。樹脂中に含まれる添加量としては、10%以下であることが好ましい。(D)の添加量が10%を越えた場合、硬化塗膜の耐水性、耐薬品性、耐汚染性の低下を招くため好ましくない。
本発明の組成物は有機溶剤を含んでいてもいなくても良いが、用途によっては粘度調節のため、有機溶剤を使用するのが好ましい場合もある。有機溶剤を使用した場合は、塗装後に熱風乾燥機により有機溶剤を除去するのが好ましい。従って、有機溶剤の使用量は少ない方が好ましい。使用が好ましい有機溶剤(E)としては、通常の酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、または、これらの混合物類が挙げられる。
光重合開始剤(F)としては、公知慣用のものがすべて使用できるが、それらのうちでも特に代表的なもののみを例示するに止めれば、例えば、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーケトン、チオキサントンまたはアントラキノン等の水素引き抜きによってラジカルを発生するタイプの化合物であっても良いが、一般的には、これらの化合物は、メチルアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリブチルアミン等の第三アミンと併用する。別のタイプの光開始剤としては、例えば、分子内分裂によってラジカルを発生するタイプの化合物であって、ベンゾイン、ジアルコキシアセトフェノン、アシルオキシムエステル、ベンジルケタール、ヒドロキシアルキルフェノンおよびハロゲノケトン等が挙げられる。
また、必要により、ハイドロキノン、ベンゾキノン、トルハイドノキノンまたは、パラターシャリーブチルカテコールの如き重合禁止剤類などを添加することもできる。
マット剤(G)としては、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、クレー、シリカパウダー、コロイダルシリカ、水酸化アルミニウム、ステアリン酸亜鉛等が挙げられ、顔料(H)としては亜鉛華、チタン白、ベンガラまたはアゾ顔料の如き各種の充填剤類が挙げられる。
【0008】
また、天然ないしは合成高分子物質類(I)としては、他の慣用のビニルエステル樹脂類、ポリイソシアネート化合物、ポリエポキシド類、アクリル樹脂類、アルキド樹脂類、尿素樹脂類、メラミン樹脂類、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル系共重合体類、ポリブタジエン系エラストマー、飽和ポリエステル類または飽和ポリエーテル類、あるいは、ニトロセルロース類または、セルロースアセテートブチレートの如きセルロース誘導体類などを始め、アマニ油、桐油、大豆油、ヒマシ油またはエポキシ化油類の如き油脂類が挙げられる。
【0009】
その他の配合剤(J)としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、界面活性剤、スリップ剤、消泡剤等が挙げられる。
以上に説明したような本発明の組成物は、適当な塗装粘度に調整され、基材に塗装され、紫外線、可視光、レーザー光、電子線、X線、γ線、プラズマ、マイクロウェーブ等のエネルギー線を照射することにより硬化せしめて化粧シートを製造することができる。
基材としては、紙、または、プラスチックシートに木目柄、抽象柄等の印刷を施してなる印刷シートが用いられる。さらに木材合板、木質繊維版、パーチクルボード等木質系基材の表面に化粧シートを張り合わせて化粧板を作成し、各種家具類や建築内装材等に使用される。ところが基材が紙の印刷シートの場合、印刷シートに塗装された塗料がエネルギー線照射をうけるまでに、絵柄層を通して紙にしみ込みを起こす場合がある。そこで、しみ込みを防止するために、基材の紙と絵柄層の間、もしくは絵柄層の上にしみ込み防止の目止め層が通常塗装されている。
【0010】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。以下において、部及び%は特に断りのない限り、すべて重量基準であるものとする。
【0011】
合成例1(エポキシアクリレートA)
撹拌機、ガス導入管、コンデンサー、及び温度計を備えた1リットルのフラスコに、デナコールEX850(長瀬産業(株)製:ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、エポキシ当量125)を513部、ターシャリブチルヒドロキシトルエンを0.8部、メトキシハイドロキノン0.16部、アクリル酸を288.4部、トリフェニルホスフィンを5.3部加え、徐々に昇温し、100℃で12時間反応させた後、目的とするエポキシアクリレートA(酸価1.0、ガードナー粘度U−V(25℃)、エポキシ当量5400、ガードナーカラー1以下)を814部得た。
合成例2(エポキシアクリレートB)
参考例1と同様の反応装置に、エピクロン720(大日本インキ化学工業(株)製:ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エポキシ当量154.4)を412部、ターシャリブチルヒドロキシトルエンを0.6部、メトキシハイドロキノン0.12部、アクリル酸を189.7部、トリフェニルホスフィンを6.8部加え、徐々に昇温し、100℃で16時間反応させた後、目的とするエポキシアクリレートB(酸価2.1、ガードナー粘度Y(25℃)、エポキシ当量15200、ガードナーカラー1以下)を609.2部得た。
【0012】
合成例3(エポキシアクリレートC)
参考例1と同様の反応装置に、デナコールEX212(長瀬産業(株)社製:1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エポキシ当量152.1)を498.9部、ターシャリブチルヒドロキシトルエンを0.7部、メトキシハイドロキノン0.14部、アクリル酸を230.7部、トリフェニルホスフィンを8.4部加え、徐々に昇温し、100℃で10時間反応させた後、目的とするエポキシアクリレートC(酸価1.2、ガードナー粘度U−V3(25℃)、エポキシ当量14000、ガードナーカラー1以下)を738.8部得た。
【0013】
実施例1
合成例1で得られたエポキシアクリレートAを70部、RAPICURE DVE−3(ISPジャパン(株)社製:トリエチレングリコールジビニルエーテル)を30部配合し、塗料C1(ガードナー粘度=C(25℃))を作成した。塗料C1を用いて、予め絵柄を印刷した化粧紙上に、膜厚が10ミクロンになるように塗工した。次いで、電子線照射装置を用いて加速電圧165keV、電流5mA、吸収線量3Mradの電子線照射を行い、化粧紙上に硬化塗膜を作成した。さらに、硬化塗膜を用いて各試験に供した。
【0014】
実施例2
エポキシアクリレートB、RAPICURE DVE−3を用いて、第1表に示すように塗料C2(ガードナー粘度=C(25℃))を作成した。その後、実施例1と同様に、試験サンプルを作成した。
【0015】
【表1】
【0016】
実施例3
エポキシアクリレートC、RAPICURE DVE−3を用いて、第1表に示すように塗料C3(ガードナー粘度=B−C(25℃))を作成した。その後、実施例1と同様に、試験サンプルを作成した。
【0017】
実施例4
アロニックスM−305(東亜合成(株)社製:ペンタエリスリトールトリアクリレート)、RAPICURE DVE−3を用いて、第1表に示すように塗料C4(ガードナー粘度=D(25℃))を作成した。その後、実施例1と同様に、試験サンプルを作成した。
【0018】
実施例5
アロニックスM−305、RAPICURE DVE−3及び1,4−ブタンジオールを用いて、第1表に示すように塗料C5(ガードナー粘度=D−E(25℃))を作成した。その後、実施例1と同様に、試験サンプルを作成した。
【0019】
実施例6
アロニックスM−305、RAPICURE DVE−3、イルガキュア#184を用いて、第1表に示すように塗料C6(ガードナー粘度=D2−E(25℃))を作成した。その後、化粧紙上に塗料C6を膜厚が10ミクロンになるように塗工した。次いで、80W/cmの高圧水銀灯下を5m/minの速度で3回通過させて硬化塗膜を作成した。さらに、硬化塗膜を用いて各試験に供した。
比較例1
ユニデイックV−5500(大日本インキ化学工業(株)社製:ビスフェノールA型エポキシアクリレート)及びアロニックスM−350(東亜合成(株)社製:エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート)を用いて、第1表に示すように塗料R1(ガードナー粘度=D−E(25℃))を作成した。その後、実施例1と同様に、試験サンプルを作成した。
比較例2
アロニックスM−408(東亜合成(株)社製:ジトリメチロールプロパンヘキサアクリレート)及びアロニックスM−350を用いて、第2表に示すように塗料R2(ガードナー粘度=C(25℃))を作成した。その後、実施例1と同様に、試験サンプルを作成した。
比較例3
アロニックスM−305及びアロニックスM−350を用いて、第2表に示すように塗料R3(ガードナー粘度=D−E(25℃))を作成した。その後、実施例1と同様に、試験サンプルを作成した。
比較例4
アロニックスM−408、アロニックスM−350及びイルガキュア#184を用いて、第2表に示すように塗料R4(ガードナー粘度=C(25℃))を作成した。その後、実施例6と同様に、試験サンプルを作成した。
【0020】
【表2】
【0021】
応用評価例
第3表及び第4表に試験サンプルを用いて評価した耐溶剤性、耐摩耗性、耐屈曲性試験の結果を示す。耐溶剤性、耐摩耗性は500g荷重でのMEKラビング試験、及びテーバー摩耗試験(CS17)後の外観を5段階で評価した。化粧紙が変化しない物を5点とし、化粧紙が削れてしまう物を1点とした。また、耐屈曲性は、EB照射後のサンプルの塗工面を外側にして、180°折り曲げた際にクラックが発生するかどうか評価した。
【0022】
【表3】
【0023】
【0024】
【表4】
【0025】
【0026】
【発明の効果】
本発明のエネルギー線硬化型樹脂組成物およびそれを用いた化粧シートは、特定の(メタ)アクリレート化合物、ビニルエーテル化合物を必須の構成成分として含んでなることにより、とりわけ、耐溶剤性、耐摩耗性、耐屈曲性に優れた塗膜を得ることのできる。
Claims (5)
- ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート化合物(A)、分子中にビニル基を2つ以上含む多官能ビニルエーテル化合物(B)を含んでなる化粧シート用エネルギー線硬化型樹脂組成物。
- ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート化合物(A)が、ペンタエリスリトールトリアクリレートである請求項1記載のエネルギー線硬化型樹脂組成物。
- ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート化合物(A)が、エポキシアクリレートである請求項1記載のエネルギー線硬化型樹脂組成物。
- ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート化合物(A)と分子中にビニル基を2つ以上含む多官能ビニルエーテル化合物(B)との重量比率が95/5〜50/50(%)である請求項1〜4のいずれか1項記載のエネルギー線硬化型樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のエネルギー線硬化型樹脂組成物を基材上に塗布し、硬化してなる化粧シート。
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1999
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