JP4524444B2 - 放射性物質含有廃液処理方法と装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子力施設や病院等の核医学施設、放射化学研究施設などから排出される放射性元素を含む廃液から放射性元素を除去し、処理する方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、核医学分野において、がんの診断や治療等の診療用放射性同位元素(RI)投与の療法として、放射性同位元素としてストロンチウム89(Sr−89)、バリウム133(Ba−133)、イットリウム90(Y−90)、レニウム186と188(Re−186、Re−188)、テクネチウム99m(Tc−99m)、ヨウ素131(I−131)などが患者に投与される。この放射性同位元素が投与された患者からはその放射性同位元素を含む排泄物が排泄され、この排泄物が医療機関から放射性物質含有廃液として希釈放流される。
この放射性物質含有廃液は、前記のような放射性同位元素を持つ放射性汚染物質を含有しており、そのまま公共下水道等に放流することはできない。
【0003】
現在、このような放射性同位元素を含む廃液の法的基準は、放射性同位元素ごとに定められた濃度を基準とした管理がなされている。そこで、放射性廃液の放流が許容される排水中濃度基準に適合させるため、放射性廃液を貯留槽で長期にわたり貯留し、放射性同位元素の減衰を経て、その放射能レベルが減衰した後、多量の水で放射性廃液を希釈し、放流する処理方式がとられている。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】
しかしながら、前記従来の廃液処理手段では、放射性同位元素の減衰を経るまで、放射性同位元素を含む廃液を貯留槽に貯留し、減衰を待たなければならない。このため、大きな容積の貯留槽を必要とし、放射性同位元素排水処理設備が大型になるという課題がある。さらに、多量の水で放射性廃液を希釈し、放流するため、放射性廃液の処理に多量の希釈水を必要とし、この点でも処理設備が大型化する。それだけでなく、放流する放射性同位元素の絶対量は低減できないので、放流水による自然環境への汚染が問題となる。
【0005】
このような問題は、核医学分野に限られず、放射化学研究施設や原子力施設などから廃棄されるSr−90、Sr−89、Ba−133、Y−90、Re−186、Re−188、Tc−99m、Tc−99、I−131、I−129など放射性ストロンチウム、同イットリウム、同レニウム、同テクネチウム、同ヨウ素などの放射性同位元素を含む放射性同位元素排水処理や一般の公共汚水処理施設などに共通した課題である。
【0006】
本発明は、放射性物質含有廃液処理手段における従来の課題に鑑み、大規模な処理施設を必要とせず、小規模な処理設備で種々の放射性物質を含む廃液から放射性物質を除去することを可能とし、これにより、放射性物質を含む廃液処理の負担を軽減し、当該廃液処理を容易にすることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の目的を達成するため、前述のような各種の放射性物質を含有する廃液に適切な薬剤を注入することによって、それらの放射性物質が選択的に固体吸着材に吸着する化学状態を作り、廃液中から放射性物質を吸着した固体吸着材を沈殿分離するか、或いは濾過材によりトラップする手段で廃液中からそれらの放射性物質を除去することを可能とした。これにより、種々の放射性同位元素を含む廃液処理の負担を軽減し、その廃液処理を容易にするものである。
【0008】
前記のような放射性物質としては、例えば、放射性ストロンチウム、放射性バリウム、放射性イットリウム、放射性レニウム、放射性テクネチウム、放射性ヨウ素、ラジウム及びそられの化合物をあげることができる。本発明では、これらの放射性物質を含む廃液中からその放射性物質を除去するため、廃液の水素イオン濃度を調整し、炭酸イオンと活性臭素化合物の処理薬剤を段階的に注入し、水に不溶な放射性物質とし、この放射性物質を廃液中で固体吸着材に吸着し、この放射性物質が吸着した固体吸着材を沈殿分離するか、或いは廃液を濾過材に通してこの放射性物質をトラップし、廃液中から除去するものである。
【0009】
次に、各放射性物質についての具体的な処理方法を説明すると、まず廃液中に含有する放射性物質が放射性ストロンチウム、放射性バリウム、放射性イットリウム、ラジウム及びそれらの化合物の何れかである場合、アルカリ性に調整した廃液中で前記放射性物質に炭酸イオンを反応させて水に不溶性の炭酸塩とする。この炭酸イオンを反応させることにより生成した水に不溶性の炭酸塩は、固体の吸着材や濾過材に吸着されやすいため、次に、この炭酸塩を固体吸着材に吸着する手段か、廃液を濾過材に通して炭酸塩をトラップする手段の少なくとも何れかにより除去することができる。
【0010】
このとき、放射性物質含有廃液中にカルシウムイオン、ストロンチウムイオン及びバリウムイオンの少なくとも何れかをあらかじめ添加しておくことにより、それらのイオンがスキャベンジャーとして作用し、放射性物質と炭酸イオンとの反応性を向上させることができ、放射性物質を容易に除去することが可能となる。
【0011】
廃液中に含有する放射性物質が放射性レニウム又はその化合物である場合、廃液を酸性に調整する。放射性レニウム及びその化合物は、酸性に調整した廃液中で固体の吸着材や濾過材に吸着されやすい性質を有するため、やはり前記放射性物質を固体吸着材に吸着する手段か、廃液を濾過材に通して放射性物質をトラップする手段の少なくとも何れかにより除去することができる。
【0012】
さらに、廃液中に含有する放射性物質が放射性ヨウ素及びその化合物の何れかである場合、酸性に調整した廃液中で前記放射性物質を活性臭素化合物と反応させてヨウ素の臭素化合物とする。ヨウ素の臭素化合物は、固体の吸着材や濾過材に吸着されやすい性質を有するため、やはりこのヨウ素の臭素化合物を固体吸着材に吸着する手段か、廃液を濾過材に通してヨウ素の臭素化合物をトラップする手段の少なくとも何れかにより除去することができる。
【0013】
このような廃液中から放射性物質を除去する方法を実施するための装置は、廃液の水素イオン濃度を調整する手段と、廃液中に炭酸イオン及び/または活性臭素化合物の処理薬剤を注入する手段と、水に不溶とした放射性物質を吸着する固体吸着材を廃液中に添加する手段と、放射性物質を吸着する固体吸着材を沈殿分離するか、放射性物質をトラップする濾過材を有するものである。
ここで水に不溶とした放射性物質を吸着する固体吸着材及び/または水に不溶とした放射性物質をトラップする濾過材は、活性炭、ゼオライト、濾過砂、炭素繊維系材料、セルロース系材料及びガラス繊維系材料の何れかを利用することができる。
【0014】
このような廃液処理の方法と装置では、廃液中に含まれる放射性物質が最終的に吸着材に吸着され、沈殿分離されるか、或いは濾過材にトラップされた状態で廃液から取り出すことができる。このため、廃液中に含まれる放射性物質の濃度を所要の基準以下に容易に下げることができ、廃液を早期に放流処理することが可能となる。そして、廃液より分離された沈殿物または放射性物質をトラップした濾過材のみを放射性物質として処分の対象にすればよいので、小さな規模の処理施設で容易に処理することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について、具体的且つ詳細に説明する。
図1に、本発明による廃液処理の工程の概要を示す。
既に述べた通り、例えば核医学施設では、医学的な診断や治療にSr−89、Ba−133、Y−90、Re−186、Re−188、Tc−99m、Tc−99、I−131等の放射性同位元素(RI)が使用され、これらが患者に投与される。この放射性同位元素が投与された患者からはその放射性同位元素を含む排泄物が排泄され、この排泄物は、浄化槽で生化学的な処理がなされ、貯留槽へ送られる。また、核医学施設では、前記の放射性物質を使用した医療器具や医療設備の洗浄も行われる。この洗浄水もまた、貯留槽へ送られる。
【0016】
これらの貯留槽に送られた廃液は、Sr−89、Ba−133、Y−90、Re−186、Re−188、Tc−99m、Tc−99、I−131及びRaなどの放射性同位元素を含む放射性物質を含有している。
貯留槽において、この廃液にアルカリを加え、その水素イオン濃度をpH≒9程度のアルカリ性に調整した後、濾過する。また、廃液中には予めカルシウムイオン、ストロンチウムイオン及びバリウムイオンの少なくとも何れかを添加しておく。この状態で廃液に炭酸イオンを注入する。
【0017】
こうすることにより、図2に示すように、放射性物質のうち、Sr−90、Sr−89、Ba−133、Y−90、Raがカルシウムイオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオン及び炭酸イオンと反応し、Ca(*Sr、*Ba、*Y、Ra)CO3、Sr(*Sr、*Ba、*Y、Ra)CO3、Ba(*Sr、*Ba、*Y、Ra)CO3等の水に不溶の炭酸塩となる。図2は、廃液中にCa+イオンを添加した場合の例を示している。また下記の化1は、この時の反応式を示す。これら図2と化1において、「*Sr」、「*Ba」、「*Y」はそれぞれ放射性ストロンチウム、放射性バリウム、放射性イットリウムを示す。廃液中にSrイオンやBaイオンを添加した場合も、Ca(*Sr、*Ba、*Y、Ra)CO3に代えてSr(*Sr、*Ba、*Y、Ra)CO3、Ba(*Sr、*Ba、*Y、Ra)CO3等の炭酸塩が生成する以外は全く同様である。
【0018】
【化1】
Figure 0004524444
【0019】
これらの炭酸塩は、活性炭、ゼオライト、砂等からなる濾過材に吸着されやすい性質を有する。そこで、廃液を活性炭、ゼオライト、砂等からなる濾過材通し、この濾過材で水に不溶の炭酸塩をトラップする。図2は、濾過材として活性炭カラムを使用したときの廃液処理の原理を概念的に示している。図2において右側の活性炭カラム(ACカラム)にトラップされた炭化物は、Ca(*Sr、*Ba、*Y、Ra)CO3−ACであるが、Sr(*Sr、*Ba、*Y、Ra)CO3−AC、Ba(*Sr、*Ba、*Y、Ra)CO3−ACの場合も同様である。
【0020】
或いは、廃液の中に活性炭、ゼオライト、砂等からなる固体吸着材を添加し、攪拌することにより、この固体吸着材に前記の炭酸塩を吸着させ、この炭酸塩を吸着した固体吸着材を廃液中で沈殿させ、この沈殿物を廃液から分離除去するか、または廃液をさらに前記のような濾過材に通し、炭酸塩を吸着した固体吸着材をトラップして分離してもよい。
【0021】
次に、図1に示すように、このようにして放射性ストロンチウム、放射性バリウム、放射性イットリウム及びラジウムを除去した廃液に酸を添加し、その水素イオン濃度をpH≒2程度の酸性とする。この状態で、前述と同様にして廃液を濾過材に通すか、或いは廃液に固体吸着材を添加する。図3に示すように、廃液が酸性の状態下において、放射性レニウム、放射性テクネチウムは、いずれもクーロン力により活性炭、ゼオライト、砂等からなる濾過材や固体吸着材に吸着され、あるいはトラップされ易くなる性質を有する。この性質を利用してそれらの放射性同位元素を廃液中から除去することができる。
【0022】
また図4に示すように、廃液が酸性の状態下において、その廃液に過臭素イオン等の活性臭素化合物を添加すると、この活性臭素化合物と放射性ヨウ素とが反応し、放射性ヨウ素の臭素化合物が生成する。この放射性ヨウ素の臭素化合物は、やはり活性炭、ゼオライト、砂等からなる濾過材や固体吸着材に吸着され、或いはトラップされ易いため、前記と同様にして濾過材や固体吸着材に吸着させることにより、ヨウ素の放射性同位元素を廃液中から除去することができる。
【0023】
このようにして廃液中から放射性同位元素を除去した後、廃液をほぼ中性のpH≒7程度に調整し、廃液を放流槽に流す。この放流槽で廃液中の放射性同位元素の濃度を検査し、濃度が所要の基準以下になっている場合、廃液を排水する。他方、濃度が所要の基準以下になっていない場合、前述したプロセスで再度廃液を処理する。或いは、或る程度の期間貯留し、放射性同位元素の放射能レベルの減衰を待ち、そのレベルが所要の基準値以下に低下したところで放流するか、または水で希釈し、放射性同位元素の濃度を所要の基準以下として放流する。
【0024】
他方、放射性同位元素を吸着した固体吸着材や濾過材は、その水分を乾燥した後、放射性廃棄物としてその取扱基準に従って保管し、その放射能レベルの減衰を待ち、そのレベルが所要の基準値以下に低下したところで廃棄する。
このようにして、廃液から放射性同位元素を分離し、放射性固体廃棄物として処理できるので、大きな貯留槽等を必要としなくなる。
【0025】
【実施例】
次に、本発明の実施例について、具体的な数値をあげて説明する。
(実施例1)
ストロンチウム10ppmを含むpH9の水溶液10mlに炭酸イオン(CO3 2-)を0.01モル含む水溶液50ml添加した後、その水溶液に活性炭(粒度24/48メッシュ)を1g添加し、常温で30分間撹拌した。この活性炭を含む水溶液を濾紙で濾過した後、その濾過液中のストロンチウムを分析したところ、水溶液中のストロンチウム濃度が0.1ppm以下であった。なお、活性炭を添加しない場合は、溶液が白濁し、その濾過液中のストロンチウム濃度は約1.0〜1.7ppmであった。これらの結果から、ストロンチウムは溶液中で炭酸ストロンチウムの形態となり、共存する活性炭に吸着され、溶液中から除去されたことを示している。なお、以上の結果は、イットリウム、バリウム及びラジウムでもほぼ同様の結果であった。
【0026】
(実施例2)
カルシウムイオンと炭酸イオン(CO3 2-)をそれぞれ0.01モル及び0.02モル含む含むpH9の水溶液を、内径10mmのガラス管に詰めた活性炭(粒度24/48メッシュ)10gのカラムに連続的に通液した。その状態で、ストロンチウム、バリウムをそれぞれ10ppmを含む水溶液を最大500mlまで連続的に通液した後の溶液中のストロンチウム、イットリウム及びバリウムの濃度を計測した結果、そのカラム通過液中のストロンチウムとバリウムの濃度はそれぞれ0.16〜0.20ppm、0.29〜0.38ppmとなり、連続的にストロンチウムが98%以上、イットリウムが99.9%以上、バリウムが96%以上除去された。この結果は、溶液中のイットリウム、ストロンチウム及びバリウムが、いずれも炭酸塩を形成し、活性炭に吸着され、トラップされたことを示している。
【0027】
(実施例3)
テクネチウム99m(放射性)として2,530Bqとレニウム(非放射性)としてそれぞれ2.5ppm含むpH2の水溶液50mlを3つ準備し、その中にそれぞれ活性炭(粒度24/48メッシュ)、ゼオライト(粒度24/48メッシュ)、炭素繊維(繊維径約10μm)を各1gを添加し1時間常温で撹拌した。その結果、活性炭、ゼオライト、炭素繊維のいずれの場合も、水溶液中のテクネチウム99mとレニウムの濃度はそれぞれ6.9〜8.3Bq、0.015〜0.028ppmとなり、テクネチウム99mとレニウムがいずれも99%以上除去された結果となった。なおこのテクネチウム99mとレニウムの除去効果は、水溶液のpHが4あるいは5以上では極めて低くなることが観察された。これらの結果から、pH2程度の低い水素イオン濃度の水溶液では、テクネチウム99mとレニウムが、活性炭、ゼオライト、炭素繊維などの多孔質物質や表面積の大きな物質の表面に吸着されて水溶液中から除去されたことを示している。
【0028】
(実施例4)
ヨウ素131(放射性)を1,750Bq含むpH2の水溶液100ml中に過臭素イオン10ppmを含む水溶液10mlを添加し、10分間撹拌した。その後、溶液中に活性炭(粉末)を1g添加し、さらに10分間充分に撹拌した後、濾紙で濾過し、その濾過液中のヨウ素131を計測した。この結果、検出限界値(1Bq)以下となり99.9%以上のヨウ素131が除去された。このヨウ素除去効果は、過臭素イオンを添加しない場合は全く見られない。
【0029】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明による放射性物質含有廃液処理方法では、放射性同位元素を使用する施設から廃棄される廃液から放射性同位元素を分離し、廃液は放射性同位元素の濃度が少ない通常排水として処理することができ、放射性同位元素を含む固体吸着材や濾過材のみを固体廃棄物として処理できる。これにより、放射性同位元素の放射能レベルの減衰をするために、廃液の状態で貯留する必要がなく、大きな廃液の貯留槽等を必要としなくなり、固体廃棄物の貯留のみで済むようになる。これにより、廃棄設備を小規模化することが可能となると共に、放射性物質含有廃液の処理の負担が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による放射性物質含有廃液処理装置による処理方法のプロセスを示す工程図である。
【図2】同実施形態による放射性物質含有廃液処理方法における放射性ストロンチウム、放射性イットリウム、放射性バリウム及びラジウムを除去する工程の原理を示す概念図である。
【図3】同実施形態による放射性物質含有廃液処理方法における放射性テクネチウム及び放射性レニウムを除去する工程の原理を示す概念図である。
【図4】同実施形態による放射性物質含有廃液処理方法における放射性ヨウ素を除去する工程の原理を示す概念図である。

Claims (7)

  1. 放射性物質として放射性ストロンチウム、放射性バリウム、放射性イットリウム、放射性レニウム、放射性テクネチウム、放射性ヨウ素、ラジウム及びそれらの化合物の少なくとも何れかを含む廃液中からその放射性物質を除去する方法であって、廃液の水素イオン濃度をアルカリ性及び/または酸性に調整し、アルカリ性の廃液中で放射性物質に炭酸イオンを反応させ、酸性の廃液中で放射性物質に活性臭素化合物を反応させ、それぞれ水に不溶な放射性物質とし、この放射性物質を廃液中で固体吸着材に吸着するか、廃液を濾過材に通してこの濾過材に放射性物質をトラップする手段の少なくとも何れかにより廃液中から除去することを特徴とする放射性物質含有廃液処理方法。
  2. 放射性物質として、放射性ストロンチウム、放射性バリウム、放射性イットリウム、ラジウム及びそれらの化合物の何れかを含む廃液中から同放射性物質を除去する方法であって、アルカリ性に調整した廃液中で前記放射性物質に炭酸イオンを反応させて水に不溶性の炭酸塩とし、この炭酸塩を固体吸着材に吸着する手段か、廃液を濾過材に通して水に不溶な炭酸塩をトラップする手段の少なくとも何れかにより除去することを特徴とする放射性物質含有廃液処理方法。
  3. 放射性物質含有廃液中にカルシウムイオン、ストロンチウムイオン及びバリウムイオンの少なくとも何れかをあらかじめ添加しておくことにより、放射性物質と炭酸イオンとの反応性を向上させることを特徴とする請求項2に記載の放射性物質含有廃液処理方法。
  4. 放射性物質として、放射性レニウム又はその化合物を含む廃液中から同放射性物質を除去する方法であって、酸性に調整した廃液中で前記放射性物質を固体吸着材に吸着する手段か、廃液を濾過材に通して放射性物質をトラップする手段の少なくとも何れかにより除去することを特徴とする放射性物質含有廃液処理方法。
  5. 放射性物質として、放射性ヨウ素及びその化合物の何れかを含む核医学施設から廃棄される廃液中から同放射性物質を除去する方法であって、酸性に調整した廃液中で前記放射性物質を活性臭素化合物と反応させてヨウ素の臭素化合物とし、このヨウ素の臭素化合物を固体吸着材に吸着する手段か、廃液を濾過材に通してヨウ素の臭素化合物をトラップする手段の少なくとも何れかにより除去することを特徴とする放射性物質含有廃液処理方法。
  6. 放射性物質として、放射性ストロンチウム、放射性バリウム、放射性イットリウム、放射性レニウム、放射性テクネチウム、放射性ヨウ素及びそられの化合物の何れかを含む廃液中から同放射性物質を除去する装置であって、廃液の水素イオン濃度を調整する手段と、廃液中に炭酸イオン及び/または活性臭素化合物の処理薬剤を注入する手段と、水に不溶とした放射性物質を廃液から除去する手段として、その放射性物質を吸着する固体吸着材を廃液中に添加する手段か、水に不溶とした放射性物質をトラップする濾過材の少なくとも何れかを有することを特徴とする放射性物質含有廃液処理装置。
  7. 水に不溶とした放射性物質を吸着する固体吸着材及び/または水に不溶とした放射性物質をトラップする濾過材が活性炭、ゼオライト、濾過砂、炭素繊維系材料、セルロース系材料及びガラス繊維系材料の何れかからなることを特徴とする請求項6に記載の放射性物質含有廃液処理装置。
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