JP4524409B2 - 自動車のフロント・シートに用いるシート・バック - Google Patents

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この発明は、自動車の前列シートに用いるシート・バックに関する。
最近、乗用車やバン、特に、小型乗用車や小型バンなどには、後列シートの乗員の脛当り対策が前列シートに施される。それはその前列シートにおいてシート・クッション・フレームのフレーム・リアの後面をへこませ、そして、パッドで意匠性を確保しながら脛当りを軽減させる技術である。
この種の前列シートでは、脛当りの軽減効果を上げるために座面を高くする必要があり、そうすると、シート・バックの背裏面の下端に表皮端末を止めるシート・バック・カバーに脛が当たる不具合が生じ、また、意匠性を維持するのが難しくなる。
特開2002−102005公報
この発明の課題は、フレームやパッドの構造を変えずに後列シートの乗員の脛当りを効果的に軽減でき、そして、意匠性を確保可能にするところの自動車の前列シートに用いるシート・バックに関する。
この発明は、脛当りが、背裏面側の表皮の下側端末表皮で緩衝材を巻き込んで形成され、そして、その背裏面の下側部分に左右方向に伸びて配置されるところの構造を採る。
また、この発明は、脛当りが、背裏面側でシート・バック・カバーの下枠部分よりも下側に表皮を延長させ、その表皮延長部分でそのシート・バック・カバーのその下枠部分と緩衝材とを巻き込んで形成され、そして、そのシート・バック・カバーのその下枠部分を覆って左右方向に伸びて配置されるところの構造を採る。
この発明では、シートのフレームやパッドの構造を変えずに簡単な構造で廉価に後列シートの乗員の脛当りが効果的に軽減でき、そして、意匠性が確保される。
脛当りが、背裏面側の表皮の下側端末表皮で緩衝材を巻き込んで形成され、そして、その背裏面の下側部分に左右方向に伸びて配置される。
また、脛当りが、背裏面側でシート・バック・カバーの下枠部分よりも下側に表皮を延長させ、その表皮延長部分でそのシート・バック・カバーのその下枠部分と緩衝材とを巻き込んで形成され、そして、そのシート・バック・カバーのその下枠部分を覆って左右方向に伸びて配置される。
以下、特定されて図示された具体例に基づいて、この発明の自動車の前列シートに用いるシート・バックを説明するに、図1および図2は、バンのセカンド・シート20に活用されるところのこの発明の自動車の前列シートに用いるシート・バックの具体例10を示し、そして、そのセカンド・シート20は、左右のレッグ(図示せず)を組み付けるシート・クッション21、リクライニング・デバイス(図示せず)およびフリー・ヒンジ(図示せず)でそのシート・クッション21に前倒しおよび角度調整可能にヒンジ結合されてそのシート・クッション21に支持されるそのシート・バック10、そして、そのシート・バック10に高さ調整可能にして取り外し可能に取り付けられるヘッドレスト(図示せず)などから組み立てられ、そして、左右のフロア・ブラケット(図示せず)でその左右のレッグをそのバンのフロアにボルト締めしてそのフロアに据え付けられる。
そのシート・バック10は、そのリクライニング・デバイスおよびフリー・ヒンジでそのシート・クッション21のシート・クッション・フレーム(図示せず)にヒンジ結合されるシート・バック・フレーム11、そのシート・バック・フレーム11に組み付けられて支持されるシート・バック・パッド12、およびそれに被せて固定される表皮13などで組み立てられる。
その表皮13は、予め背もたれ面側表皮14および背裏面側表皮15から袋状に縫い合わせられてそのシート・バック・フレーム11に組み付けたそのシート・バック・パッド12に被せられて固定される。
さらに、その表皮13には、脛当り17が、予めその背裏面側表皮15の裏面の下側に緩衝材18を左右方向に伸ばして接着し、そして、その背裏面側表皮15の下側端末表皮でその緩衝材18を巻き込んで形成される。
その緩衝材18は、適宜の幅で細長い厚板状の樹脂クッションである。勿論、その緩衝材18は脛当り荷重を効果的に吸収緩和する材料であるのが望ましい。
したがって、このシート・バック10では、その背裏面側表皮15がそれの下側端末表皮でその緩衝材18を巻き込み、そして、その背裏面側表皮15の端末がその背裏面14においてその背もたれ面側表皮14の端末上に重ね合わせられてそのシート・バック・フレーム11に止められると、その脛当り17がその背裏面16の下側部分に左右方向に伸びて配置される。
そのようにしてこのシート・バック10では、その脛当り17がその背裏面16の下端に左右方向に伸びて配置されるので、サード・シート(図示せず)の乗員の脛がそのセカンド・シート20に当る際、硬さ感がその脛当り17で大幅に低減され、その乗員の脛当りが効果的に軽減されてその乗員に痛みが感じられなくなり、また、シート・フレームやシート・パッドの形状を変える必要もなく意匠性が確保される。
図3および図4は、背裏面37にポケット38を備えてバンのセカンド・シート50に活用されるところのこの発明の自動車の前列シートに用いるシート・バックの別の具体例30を示し、そして、そのセカンド・シート50は、その前述されたセカンド・シート20に同様にしてシート・クッション51、そのシート・バック30、そして、ヘッドレスト(図示せず)などから組み立てられ、そして、そのバンのフロアに据え付けられる。
そのシート・バック30は、リクライニング・デバイス(図示せず)およびフリー・ヒンジ(図示せず)でそのシート・クッション51のシート・クッション・フレーム(図示せず)にヒンジ結合されるシート・バック・フレーム31、そのシート・バック・フレーム31に組み付けられて支持されるシート・バック・パッド32、それに被せて固定される表皮33、背裏面37に取り付けられるポケット38、およびそのポケット38の外側からその背裏面37に取り付けられる枠形状の樹脂製シート・バック・カバー39などで組み立てられ、そして、脛当り41がそのシート・バック・カバー39の下枠部分40を覆って左右方向に伸びて形成される。
その表皮33は、予め背もたれ面側表皮34および背裏面側表皮35から袋状に縫い合わせられ、そして、そのシート・バック・フレーム31に組み付けたそのシート・バック・パッド32に被せられて固定される。
そして、この表皮33では、その背裏面側表皮35がそのシート・バック・カバー39のその下枠部分40よりも下側に延長され、その表皮延長部分36でそのシート・バック・カバー39のその下枠部分40と緩衝材42とを巻き込み、その背裏面37においてその背もたれ面側表皮34の端末上にその表皮延長部分36を重ね合わせてそのシート・バック・カバー39でその表皮延長部分36をそのシート・バック・フレーム31に固定し、そして、その表皮延長部分36を上方に折り返してその表皮延長部分36でそのポケット38を形成している。
さらに、このシート・バック30では、その脛当り41がその表皮延長部分36の裏面に緩衝材42を接着させてその表皮延長部分36でそのシート・バック・カバー39のその下枠部分40とその緩衝材42とを巻き込み、そして、その背裏面37の下側に位置され、そのシート・バック・カバー39のその下枠部分40を覆って左右方向に伸びている。
その緩衝材42は、そのシート・バック・カバー39のその下枠部分40よりも広い幅を有する細長い厚板状の樹脂クッションでその表皮延長部分36の裏面に接着される。勿論、この緩衝材42はその表皮延長部分36の裏面に縫い付けられてもかまわない。
したがって、このシート・バック30では、その脛当り41がその背裏面37の下側部分においてそのシート・バック・カバー39のその下枠部分40を覆って左右方向に伸びて配置されるので、サード・シート(図示せず)の乗員の脛がそのセカンド・シート50、すなわち、そのシート・バック・カバー39のその下枠部分40に当る際、硬さ感がその脛当り41で大幅に低減され、その乗員の脛当りが効果的に軽減されてその乗員に痛みが感じられず、また、シート・フレームやシート・パッドの形状を変える必要もなく意匠性が確保される。
先に図面を参照して説明されたところのこの発明の特定された具体例から明らかであるように、この発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって、この発明の内容は、その発明の性質(nature)および本質(substance)に由来し、そして、それらを内在させると客観的に認められる別の態様に容易に具体化される。勿論、この発明の内容は、その発明の課題に相応し(be commensurate with)、そして、その発明の成立に必須である。
上述から理解されるように、この発明の自動車の前列シートに用いるシート・バックは、脛当りが、背裏面側の表皮の下側端末表皮で緩衝材を巻き込んで形成され、そして、その背裏面の下側部分に左右方向に伸びて配置されるので、この発明の自動車の前列シートに用いるシート・バックでは、後列シートの乗員の脛が前列シートに当る際、硬さ感がその脛当りで大幅に低減され、その乗員の脛当りが効果的に軽減されてその乗員に痛みが感じられなくなり、そして、シート・フレームやシート・パッドの形状を変える必要もなく意匠性が確保され、その結果、普通自動車、小型自動車、および軽自動車などにとって非常に有用で実用的である。
この発明の自動車の前列シートに用いるシート・バックの具体例を活用するところのバンのセカンド・シートを後方から見て示した斜視図である。 図1の2−2線に沿って示した断面図である。 この発明の自動車の前列シートに用いるシート・バックの別の具体例を活用するところのバンのセカンド・シートを後方から見て示した斜視図である。 図3の4−4線に沿って示した断面図である。
符号の説明
10 シート・バック
11 シート・バック・フレーム
12 シート・バック・パッド
13 表皮
14 背もたれ面側表皮
15 背裏面側表皮
16 背裏面
17 脛当り
18 緩衝材
30 シート・バック
31 シート・バック・フレーム
32 シート・バック・パッド
33 表皮
34 背もたれ面側表皮
35 背裏面側表皮
36 表皮延長部分
37 背裏面
38 ポケット
39 枠形状の樹脂製シート・バック・カバー
40 下枠部分
41 脛当り
42 緩衝材

Claims (1)

  1. 脛当りが、背裏面側でシート・バック・カバーの下枠部分よりも下側に表皮を延長させ、そのシート・バック・カバーの後側からそのシート・バック・カバーのその下枠部分に緩衝材を重ね合わせてその表皮延長部分でそのシート・バック・カバーのその下枠部分とその緩衝材とを巻き込んで形成され、そのシート・バック・カバーのその下枠部分を覆って左右方向に伸びて配置され、そして、その表皮延長部分を上方に折り返してその表皮延長部分でポケットを形成するところの自動車の前列シートに用いるシート・バック。
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