JP4522244B2 - 粒子製造装置 - Google Patents
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Description
従って、粒子中における各成分の分離現象を抑制して各成分が良好に分散した状態の粒子を作製することができる粒子製造装置が提供される。
すなわち、複数の成分からなる原料が溶融混合部によって各成分が分散するように溶融混合されてからノズル部内の混合機構に供給され、混合機構によって混合処理された後、ノズル孔から繊維状に押出し形成される。その結果、溶融混合部によって各成分が均一に分散された原料がノズル孔に供給されるまでの間に、原料中の分離し易い成分が凝集したり分離したりしとしても、ノズル孔から押出す直前に混合機構によって各成分が分散するように混合処理されるので、最終的に各成分が均一に分散した粒子が作製される。
従って、ノズル部の前段に設けた溶融混合部によって原料中の各成分を十分に分散混合させることができると共に、分離し易い成分の分離を抑制し、一層良好に分散した状態の粒子を作製することができる粒子製造装置の好適な実施形態が提供される。
すなわち、原料中の所定成分を含まない主原料成分が主溶融混合部で、原料中の所定成分を含む副原料成分が副溶融混合部で夫々溶融混合されるとともに、この溶融混合された主、副両原料成分がノズル部内の混合機構に供給され、混合機構によって混合処理された後、ノズル孔から繊維状に押出し形成される。その結果、例えば、長時間もしくは高温条件での溶融混合によって望ましくない反応、変質が進行して特性が変化もしくは劣化するような成分については、副原料成分として他の主原料成分とは異なる時間、温度条件で溶融混合することで、特性の変化や劣化を抑制することができ、また、短時間で他の成分と溶融混合するような成分については、副原料成分としてあまりエネルギーを使わずに溶融混合してからノズル部の混合機構において主原料成分に混合させることで、無駄なエネルギーの消費を抑えることができる。
従って、原料の各成分の特性に合わせて溶融混合部の構成を適切に設定することができる粒子製造装置の好適な実施形態が提供される。
すなわち、バインダ樹脂、着色剤、ワックス等の複数の成分からなるトナー原料が前記ノズル部において、混合機構によって各成分が分散するように混合処理された後、ノズル孔から繊維状に押出し形成され、当該トナー原料の繊維状物が粉砕されてトナー粒子が作製される。
また、ノズル部の前段に溶融混合部を設けた場合には、トナー原料が溶融混合部によって各成分が十分に分散する状態に溶融混合されてからノズル部に供給され、ノズル部の混合機構によって混合処理された後、ノズル孔から繊維状に押出し形成されるので、例えば、溶融混合部で溶融混合されたトナー原料がノズル孔に供給されるまでの間に、トナー原料中の分離し易い成分(例えばワックス)が凝集したり分離したりしとしても、ノズル孔から押出す直前に混合機構によって当該分離し易い成分が分散するように混合処理され、最終的に各成分が均一に分散したトナー粒子が作製される。
従って、トナー粒子の作製に好適な粒子製造装置が提供される。
すなわち、塗料樹脂、硬化剤、着色剤等の複数の成分からなる粉体塗料原料が前記ノズル部において、混合機構によって各成分が分散するように混合処理された後、ノズル孔から繊維状に押出し形成され、当該粉体塗料原料の繊維状物が粉砕されて粉体塗料粒子が作製される。
また、ノズル部の前段に主溶融混合部及び副溶融混合部を設けた場合には、粉体塗料原料中の所定成分を含まない主原料成分と所定成分を含む副原料成分を分けて溶融混合した後、ノズル部の混合機構によって混合することができるので、例えば、長時間、高温の溶融混合によって反応、変質が進行するような成分(例えば硬化剤)については、副原料成分として反応、変質が進行しないような条件で溶融混合した後、他の原料成分に混合させることができる。
従って、粉体塗料粒子の作製に好適な粒子製造装置が提供される。
すなわち、静止型ミキサーは小型且つ簡易な混合機構であるので、例えば複数のノズル孔を備える場合に各ノズル孔に対応させて静止型ミキサーを配置しても、静止型ミキサーを内蔵したノズル部の大型化を回避し、ノズル部を簡易に構成することができる。
従って、粒子製造装置の好適な実施形態が提供される。
先ず、トナー粒子を作製する粒子製造装置について説明すると、図1及び図2に示すように、バインダ樹脂、着色剤、ワックス等の複数の成分からなるトナー原料を予備混合する混合装置6と、混合装置6で予備混合されたトナー原料を溶融混合する溶融混合部1と、溶融混合部1から供給されたトナー原料を後述のノズル部2の各ノズル孔2Aに分配する多段の分配流路3Aを有する流路構造体3などが設けられている。なお、一軸型エクストルーダー1の出口と分配流路3Aの入口の間には、モータ5で駆動されるギアポンプ4が配置されている。上記混合装置6は、例えば、ホソカワミクロン(株)製サイクロミックスで構成され、溶融混合部1は、ホッパ1A付で内部に可動式の混練部材である回転スクリュー15を有する一軸型エクストルーダーで構成される。尚、溶融混合部1を、一軸型エクストルーダーに替えて、二軸型エクストルーダーで構成してもよい。
次に、トナー粒子を作製する別実施形態の粒子製造装置について説明する。
即ち、トナー粒子製造装置(1)では、単一の溶融混合部1によってトナー原料の各成分を最初から一緒に溶融混合するよう構成した(図1参照)が、図4及び図5に示すように、トナー原料中の所定成分を含まない主原料成分を溶融混合してノズル部2の混合機構2Bに供給する主溶融混合部10と、トナー原料中の所定成分を含む副原料成分を溶融混合してノズル部2の混合機構2Bに供給する副溶融混合部16とを設けるようにしてもよい。ここで、トナー原料中の所定成分としては、バインダ樹脂以外のワックス、顔料・染料等の着色剤、荷電制御剤、シリカ等の粉砕助剤など適宜選択することができる。また、上記主溶融混合部10としては一軸型エクストルーダー又は二軸型エクストルーダーを用い、副溶融混合部16としては一軸型エクストルーダー又は二軸型エクストルーダー又は加熱・加圧タンク式の供給機を用いる。
次に、粉体塗料粒子を作製する粒子製造装置の実施形態について説明する。基本的には、図3〜図5に示したトナー粒子製造装置(2)の装置構成を用いるが、粉砕部9として、分級機構内蔵型の粉砕機40の前段にピン型粉砕機50を設ける点が異なる。
上記ピン型粉砕機は例えば、ホソカワミクロン(株)製:ファインインパクトミルで構成される。具体的には、図6に示すように、固定ディスク51上の固定ピン51aに対して回転ディスク52上の移動ピン52aが微少間隙を維持した状態で相対移動することによって、固定ピン51aと移動ピン52aの間にある粉砕対象物(粉体塗料原料の繊維状物)に剪断力等の機械的な力を与えて粉砕する。粉砕対象物は固定ディスク51の中央に開口形成した供給口53より粉砕室Cに投入され、回転ディスク52の回転によって遠心力を受けてディスク外周側に分散移動するとともに、上記両ピン51a、52aによって粉砕され、粉砕物はディスク外周部から排出される。
上記実施形態では、ノズル部2において混合機構2Bを各ノズル孔2Aに1:1に対応させて設けたが、原料中の成分の分離が許容されるような混合機構2Bとノズル孔2A間の距離の条件で、複数個(例えば2〜3個)のノズル孔2Aに対して1個の混合機構2Bを配置するようにしてもよい。
〔実施例1−1〕
原料として、ポリエステル樹脂(Tg:64℃、流出開始温度(島津製作所製フローテスタにより測定、以下同様):119℃)100重量部、カーボンブラック10重量部、サリチル酸亜鉛塩3重量部、及びカルナウバワックス5重量部を、前記混合装置6で予備混合した後、図1の一軸型エクストルーダー1に供給して溶融し、ギアポンプ4で圧力調整した後(ギアポンプ後段で約4.2Mpa)、温度150℃の溶融状態で流路構造体3に導き、多段流路3Aを経て混合機構2B(静止型ミキサー)内蔵のノズル部2に供給した。ここで、エクストルーダー1、ギアポンプ4、流路構造体3及びノズル部2は150℃程度に加熱している。ノズル部2では、混合機構2Bで混合した後、孔径300μmのノズル孔2Aから押し出しつつ熱風により線径5.0μmとなるように延伸し、トナー原料の繊維状物を得た。尚、このときの繊維の生成速度は、押し出し量と繊維径から約40m/secと算出された。
原料として、ポリエステル樹脂(Tg:64℃、流出開始温度:119℃)100重量部、カーボンブラック10重量部、サリチル酸亜鉛塩3重量部、及びポリエチレンワックス5重量部を、前記混合装置6で予備混合した後、上記実施例1−1と同様な処理条件により、トナー原料の繊維状物を得た。
次に、上記トナー原料の繊維状物を、前記分級機内蔵型粉砕機(ACMパルペライザ)で粉砕及び分級処理し、その結果、体積平均径6.4〜6.6μm、個数平均径5.3〜5.5μmで、体積基準における12μm以上の粒子の割合が1.2〜1.7%、16μm以上の粒子の割合が0%、個数基準における5μm未満の微粉粒子の割合が11.9〜11.2%の粒度分布のトナー粒子を得た。
そして、上記トナー粒子における原料各成分の分散状態を上記実施例1−1と同様な条件で観察した結果、ワックス成分が0.1〜0.3μm程度の適度な大きさに分散されているのが確認された。
原料として、ポリエステル樹脂(Tg:64℃、流出開始温度:119℃)100重量部、カーボンブラック10重量部、サリチル酸亜鉛塩3重量部を、前記混合装置6で予備混合した後、図4の一軸型エクストルーダー10に供給して溶融し、ギアポンプ4で圧力調整した後(ギアポンプ後段で約4.2Mpa)、温度150℃の溶融状態で流路構造体3に導き、多段流路3Bを経て混合機構2B(静止型ミキサー)内蔵のノズル部2に供給した。一方、カルナウバワックス5重量部を図4の供給機16内で溶融し、ギアポンプ17で圧力調整した後(ギアポンプ後段で約4.2Mpa)、温度120℃の溶融状態で流路構造体3に導き、多段流路3Cを経て混合機構2B(静止型ミキサー)内蔵のノズル部2に供給した。ここで、エクストルーダー10、ギアポンプ4及び流路構造体3は150℃程度に加熱しているが、一方、ワックス成分の粘度低下を避けるために、供給機16及びギアポンプ17は、120℃程度の低めの温度に加熱している。ノズル部2では、エクストルーダー10及び供給機16から供給された両原料を混合機構2Bで混合した後、孔径300μmのノズル孔2Aから押し出しつつ熱風により線径5.0μmとなるように延伸し、トナー原料の繊維状物を得た。尚、このときの繊維の生成速度は、押し出し量と繊維径から約40m/secと算出された。
以上で得たトナー粒子について、実施例1と同様な方法により断面を観察した結果、ワックス成分が0.1〜0.3μm程度の適度な大きさに分散されているのが確認された。
本実施例3では、先ず比較例として、図8に示すシェル側の塗料樹脂用ノズル26とコア側の硬化剤用ノズル25からなる芯鞘二重構造ノズル20を用いて、塗料樹脂成分22と硬化剤成分21が分離した芯鞘二重構造の繊維状物24を作製することによって、硬化反応の抑止を行うとともに、それに伴う低温硬化型塗料の製造に一定の成果を上げている例を説明する。次に本発明において、比較例と同様に塗料原料内での硬化反応の抑止を行った上に、比較例に比べて更に塗料の混合度を向上させて、表面平滑性、光沢性等の塗膜品質を向上させた例を説明する。
原料として、ウレタン硬化型ポリエステル樹脂(ユピカコートGV−150)85重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂3重量部、酸化チタン(タイペークCR−90)50重量部、流動調整剤(ポリフローS)0.6重量部、ベンゾイン0.5重量部、硬化触媒0.3重量部を、ヘンシェル型ミキサー(図示せず)で混合し、シェル側原料とした。一方、低温硬化用硬化剤(自社開発品、ブロックイソシアネート系)をコア側原料とした。そして、上記シェル側原料をシェル側エクストルーダ(図示せず)で加熱混練し、上記コア側原料をコア側エクストルーダ(図示せず)で加熱混練しつつ、単位時間当たりシェル側原料139.4重量部対コア側原料15重量部の比で且つ180℃の温度で塗料樹脂用ノズル26と硬化剤用ノズル25に夫々定量供給し、平均繊維径15μm、生成速度50m/secとなるように延伸状態を調整しつつ繊維状物4を生成させる。尚、延伸用エアには、30℃の温度の外気をターボブロアで吸引し、180℃に温度調整したものを利用した。
原料として、ウレタン硬化型ポリエステル樹脂(ユピカコートGV−150)85重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂3重量部、酸化チタン(タイペークCR−90)50重量部、流動調整剤(ポリフローS)0.6重量部、ベンゾイン0.5重量部、硬化触媒0.3重量部を、ヘンシェル型ミキサー6(図4参照)で混合し、主原料とした。一方、低温硬化用硬化剤(自社開発品、ブロックイソシアネート系)を副原料とした。上記主原料を主原料用エクストルーダ10(図4)で加熱混練し、上記副原料を副原料用エクストルーダ16(図4)で加熱混練しつつ、各原料を夫々ギアポンプ4、17で圧力調整した後、単位時間当たり主原料139.4重量部対副原料15重量部の比で且つ180℃の溶融温度で流路構造体3の各多段流路3B,3Cを経て前記ノズル部2の混合機構2Bの入口箇所に夫々定量供給した。ここで、エクストルーダー10、ギアポンプ4、エクストルーダー16、ギアポンプ17、流路構造体3及びノズル部2は180℃程度に加熱している。そして、ノズル部2によって、平均繊維径15μm、生成速度50m/secとなるように延伸状態を調整しつつ繊維状物13を生成させた。尚、延伸用エアには、30℃の温度の外気をターボブロアで吸引し、180℃に温度調整したものを利用した。
2 ノズル部
2A ノズル孔
2B 混合機構(静止型ミキサー)
3 流路構造体
3A 多段流路
3B 多段流路
3C 多段流路
4 ギアポンプ
5 モータ
6 混合装置
7 送風機
8 容器
9 粉砕部
10 主溶融混合部(一軸型エクストルーダー)
11 ワックス成分
12 トナー粒子
13 繊維状物
14 羽根体
15 混練部材
16 副溶融混合部
17 ギアポンプ
20 芯鞘二重構造ノズル
21 硬化剤成分
22 塗料樹脂成分
24 繊維状物
25 硬化剤用ノズル
26 塗料樹脂用ノズル
40 粉砕機
41 気体導入口
42 排出口
43 本体
44 筒状部材
45 粉砕部材
45A 回転体
46 分級機構
47 ライナ
48 回転体
49 分級羽根
50 粉砕機
51 固定ディスク
51a 固定ピン
52 回転ディスク
52a 移動ピン
53 供給口
A 粉砕室
B 分級室
C 粉砕室
Claims (3)
- 複数の成分からなる原料を押出して繊維状に形成するノズル孔を有するノズル部と、前記ノズル部によって形成された前記原料の繊維状物を粉砕して粒子化する粉砕部とを備え、
前記ノズル部に供給された前記原料を混合する静止型ミキサーが、前記ノズル孔の入口側に直結する状態で前記ノズル部に内蔵されることを特徴とする粒子製造装置。 - 前記ノズル部に供給される前の前記原料を溶融混合してから前記静止型ミキサーに供給する溶融混合部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の粒子製造装置。
- 前記原料中の所定成分を含まない主原料成分を溶融混合して前記静止型ミキサーに供給する主溶融混合部と、前記原料中の所定成分を含む副原料成分を溶融混合して前記静止型ミキサーに供給する副溶融混合部とが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の粒子製造装置。
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