JP4282363B2 - 樹脂微粒子の前駆体製造装置および製造方法ならびに樹脂微粒子製造装置 - Google Patents

樹脂微粒子の前駆体製造装置および製造方法ならびに樹脂微粒子製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂微粒子前駆体の製造装置およびその製造方法ならびに樹脂微粒子製造装置に関する。より詳細には、本発明は、例えばトナーまたは粉体塗料等に使用する樹脂微粒子およびその前駆体である繊維状樹脂の製造装置および製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子印刷分野および電子写真分野等において、近年、高解像度化に対する市場の要求がますます高まってきている。コピー機やプリンタ等の電子デバイスにより、紙面に印刷された画像や文字の解像度を向上させるためには、印刷に使用するトナーとして、微細で且つ粒子径分布の狭い樹脂微粒子を用いる必要がある。そのためには、トナーに使用する樹脂を均一に微粒子化する技術が必要不可欠である。
【0003】
また、このような微粒子化技術が必要とされる他のものとして、例えば、塗装に用いる粉体塗料がある。粉体塗料の分野においては、塗膜の表面を平滑化して美観性を向上させること、塗膜の焼付け時間を短縮化することなどが要求されている。このような要求を満たすためには、トナーと同様に、樹脂をできるだけ均一に微粒子化することが必要である。
【0004】
従来、トナーや粉体塗料等に用いる樹脂微粒子を製造するための装置は、主に(1)樹脂に着色剤、顔料、帯電制御剤、離型剤、硬化剤、その他添加剤等を添加し、混練する手段;(2)混練した樹脂を粉砕する手段;(3)粉砕した樹脂を分級する手段を備えていた。
【0005】
しかし、上記のような混練−粉砕−分級の各手段を備えた装置では、市場が要求するような粒子径分布の狭い微細な樹脂微粒子を得ることは困難であった。実際に、従来の樹脂微粒子の平均粒子径はトナー用で約7〜8μm、粉体塗料用で約35μmであるが、上記のような装置では、良好な歩留まりで粒子径分布の狭い樹脂微粒子を得ることは困難であった。粉砕時に樹脂が過粉砕されることがあり、さらに、所望の範囲の粒子径分布を得るには、分級時に所望のサイズから外れた多量の樹脂を取り除く必要があるからである。
【0006】
このような欠点を補う装置として、混練機から押し出された樹脂をローラで繊維状に引き伸ばし、これをカッターで切断することにより、樹脂微粒子を製造する装置があった(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の装置は、トナー原料となる樹脂を混練機中で混練および加熱し、溶融状態となった樹脂を、ダイを介して押し出すことにより紐状にし、次いでこの紐状になった樹脂を、ローラを用いて繊維状に引き伸ばした後に凝固させ、最後に生成した繊維状樹脂の切断を行って、粒子径分布の狭い樹脂粉末を得ようとするものである。
【0007】
また、繊維状樹脂を製造する装置として、メルトブロー式の不織布用紡糸ダイもあった(例えば、特許文献2参照)。特許文献2の紡糸ダイは、ノズルから溶融状態の樹脂を温風と合わせながら押し出し、次いでこの押し出された樹脂を冷風と合わせて紡出口に導入し、これにより樹脂を冷却して繊維化するような構成となっている。
【特許文献1】
特開平6−138704号公報(第1図)
【特許文献2】
特開2002−371427号公報(第2図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載される装置は、混練機から押し出された樹脂をローラで引張って繊維状にしているので、仮に引張工程の途中で何らかの原因により樹脂が破断すると、次の切断工程に繊維状樹脂を送ることができなくなり、このため樹脂微粒子の製造を中断せざるを得なくなってしまう。これは、製造効率の悪化につながり、商業的規模で樹脂微粒子の製造を行う上では大きな問題となる。また、ローラによって引張られた繊維は、ローラからの引張力を常に一定に保つことが困難であるため、繊維の太さを均一に維持することが難しい。このような繊維を切断して樹脂微粒子を製造すると、その粒子径にばらつきが生じてしまう。さらに、このようなローラにより繊維を引張る方法では、特殊な製法(例えば、非相溶性の二成分系ポリマーブレンドを利用した海島型複合繊維の製法や、易割線型繊維の製法等)を併用しない限り、一般に、直径が10μm以下の微細な繊維を商業ベースで安定して製造することは困難である。このように、従来の技術では、一般の樹脂材料(繊維化するために最適化されていない樹脂材料)を用いて、微細な繊維を安定的に且つ効率的に製造することは、実質的に不可能であった。
【0009】
また、上述の特許文献2に記載される紡糸ダイは、本来、不織布の製造のために開発されたものであり、それ以外の用途に使用することは目的とされていなかった。従って、特許文献2の紡糸ダイをトナーや粉体塗料用の樹脂微粒子の製造に利用するためには、これまでとは異なる紡糸ダイの最適な運転条件を見出す必要があり、また、このような紡糸ダイを樹脂微粒子製造装置に組み込むには紡糸ダイの配置を工夫するなどの改良の余地があった。
【0010】
このように、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、微細で且つ粒子径分布の狭い、トナーまたは粉体塗料等に使用するための樹脂微粒子およびその前駆体である繊維状樹脂の製造装置ならびに製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る樹脂微粒子の前駆体製造装置は、樹脂単体または少なくとも2種の樹脂からなる樹脂混合物を含む原料樹脂から、樹脂微粒子の前駆体を製造する前駆体製造装置であって、前記原料樹脂を押し出す押出口を備えた樹脂押出部と、前記樹脂押出部の周囲に配置され、押し出された前記原料樹脂を延伸する第1空気流を吹き出す第1空気吹出部と、前記原料樹脂の温度および押出圧を調節する押出調節手段と、前記第1空気流の温度および吹出圧を調節する第1調節手段と、前記樹脂押出部から押し出されて生成した繊維状樹脂に対し、前記第1空気流とは異なる第2空気流を吹き付けて冷却する冷却部とを備え、前記冷却部に、外部からの空気の流入を遮断しつつ、前記押出口から前記繊維状樹脂に対して前記第2空気流が吹き付けられる位置までの距離を調節するスペーサを設けた点に特徴を有する。
【0012】
本構成の前駆体製造装置は、特に、押し出した原料樹脂を第1空気流の作用によって絞り出すように延伸することができるため、繊維状態の樹脂微粒子の前駆体を連続的に製造することができる。
【0013】
本構成の前駆体製造装置は、原料樹脂の温度および押出圧を調節する押出調節手段と、第1空気流の温度および吹出圧を調節する第1調節手段とを備えているので、様々な種類の樹脂を原料樹脂として用いることが可能である。また、同じ種類の樹脂に対しては、例えば、原料樹脂の温度を上げるとより容易に流動化することができ、原料樹脂の押出圧を大きくすると押出口からより容易に押し出すことができる。さらに、例えば、第1空気流の温度を上げると原料樹脂の延伸度は増し、第1空気流の吹出圧を大きくすると繊維状樹脂をより高速に生成することができる。このように、押出調節手段および第1調節手段を操作することにより、樹脂を所望の状態に調節することができる。
【0014】
本構成の前駆体製造装置は、従来の装置が有するローラ等の繊維を引張る手段を備えていないので、前駆体が製造途中で破断した場合でも、樹脂繊維をセッティングし直したりする必要がなく、前駆体の製造をそのまま続行することができる。
さらに、本構成の前駆体製造装置であれば、延伸されている繊維状樹脂が固化する位置を、位置調節手段であるスペーサを操作して上記距離を調節することにより変えることができるので、所望の径を有する繊維状樹脂を容易に得ることができる。また、上記距離を適切に調節することで、生成した繊維状樹脂が互いに接着することを防止することができる。さらに、上記距離を所定の範囲に設定すれば、前駆体製造装置をコンパクトにすることができる。
【0015】
本発明の前駆体製造装置は、前記樹脂押出部に、内径が100〜500μmの押出口を設けた構成とすることができる。本構成であれば、原料樹脂を樹脂押出部からスムーズに押し出すことができるとともに、生成する樹脂微粒子の前駆体を所望のサイズに調節することができる。
【0016】
本発明の前駆体製造装置は、前記押出口の口形を扁平形状にすることができる。本構成であれば、樹脂微粒子の前駆体の断面を扁平形状にすることができるので、最終的な樹脂微粒子に平滑性や配向性など独特の特徴を付与することができる。
【0018】
本発明の前駆体製造装置は、前記第1空気流と前記第2空気流との流量比を調節可能にすることができる。本構成であれば、第1空気流の流量および前記第2空気流の流量を互いに独立して調節することができるので、原料樹脂の種類や物性に影響されることなく、樹脂微粒子の前駆体の最適な製造バランスを維持することができる。
【0019】
本発明に係る樹脂微粒子の前駆体製造方法は、原料樹脂から樹脂微粒子の前駆体を製造するためのものであって、樹脂単体または少なくとも2種の樹脂からなる樹脂混合物を加熱混練する加熱混練工程と、前記混練工程により得られた前記原料樹脂を、前記原料樹脂に最も多く含まれる種類の樹脂のガラス転移温度をT℃としたとき、(T+80)〜(T+200)℃に維持し、かつ0.2〜10MPaの圧力で100〜500μmの内径を有する押出口から押し出すとともに、押し出した前記原料樹脂の周囲にT〜(T+250)℃に維持した0.01〜1MPaの圧力の第1空気流を吹き出すことによって、前記原料樹脂を延伸する押出工程と、外部から空気が流入しない状態で、前記押出工程により生成した繊維状樹脂に対し、前記第1空気流より低温の第2空気流を吹き付けて冷却する冷却工程とを包含する点に特徴を有する。
【0020】
本構成の前駆体製造方法は、特に、押し出した原料樹脂を第1空気流の作用によって絞り出すように延伸することができるため、繊維状態の樹脂微粒子の前駆体を連続的に製造することができる。
【0021】
本構成の前駆体製造方法は、原料樹脂の温度および押出圧と、第1空気流の温度および吹出圧とを上記の範囲内とすることができるので、様々な種類の樹脂を原料樹脂として用いることが可能である。また、同じ種類の樹脂に対しては、例えば、原料樹脂の温度を上げるとより容易に流動化することができ、原料樹脂の押出圧を大きくすると押出口からより容易に押し出すことができる。さらに、例えば、第1空気流の温度を上げると原料樹脂の延伸度は増し、第1空気流の吹出圧を大きくすると繊維状樹脂をより高速に生成することができる。このように、原料樹脂の温度および押出圧と、第1空気流の温度および吹出圧とを調節することにより、樹脂を所望の状態に調節することができる。
【0022】
本構成の前駆体製造方法は、従来の方法のようなローラ等で繊維を引張る工程を包含していないので、前駆体が製造途中で破断した場合でも、樹脂繊維をセッティングし直したりする必要がなく、前駆体の製造をそのまま続行することができる。
【0023】
本発明の前駆体製造方法は、前記第2空気流の温度を、−30〜40℃とすることができる。本構成であれば、さらなる手段(例えば、第2の空気流を加熱する手段)が不要となり、外気をそのまま樹脂の冷却に用いることができる。よって、装置の構成を簡略化することができる。
【0024】
本発明の前駆体製造方法は、前記第1空気流と前記第2空気流との流量比を、5/95〜20/80とすることができる。本構成であれば、樹脂微粒子の前駆体をバランスよく製造することができる。
【0025】
本発明の前駆体製造方法は、前記原料樹脂に含まれる前記樹脂単体または前記樹脂混合物を、前記原料樹脂の総量に対して40〜95重量%とすることができる。本構成であれば、トナーや粉体塗料として十分な物性を有する繊維状の樹脂微粒子の前駆体を得ることができる。
【0026】
本発明の前駆体製造方法は、前記樹脂単体または前記樹脂混合物を構成する少なくとも1種の樹脂が、40〜85℃のガラス転移温度を有するように構成することができる。本構成であれば、溶融状態では押し出しに十分な流動性を有し、また冷却後はトナーや粉体塗料等の用途として十分耐え得る物性を備えた樹脂微粒子の前駆体を得ることができる。
【0027】
本発明の前駆体製造方法は、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、またはそれらの共重合体からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含有した原料樹脂を用いることができる。本構成であれば、汎用の樹脂材料を原料樹脂として用いることができるので、製造コストを抑えることができる。また、このような原料樹脂から製造を行うと、樹脂微粒子に熱可塑性または熱硬化性を付与することができるので、トナーや粉体塗料に限らず、広範な用途に用いることも可能である。
【0028】
本発明の前駆体製造方法は、顔料、染料、硬化剤、分散剤、帯電防止剤、磁性体、または離型剤からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤を含有した原料樹脂を用いることができる。本構成であれば、トナーや粉体塗料として好適な特性を樹脂微粒子に付与することができる。また、添加剤の種類によっては、原料樹脂に様々な機能を付与することもできるので、トナーや粉体塗料に限らず、さらに用途を広げることも可能である。
【0029】
本発明に係る樹脂微粒子製造装置は、上記の前駆体製造装置と、前記前駆体製造装置に溶融状態の前記原料樹脂を供給する供給手段と、前記前駆体製造装置から得られた樹脂微粒子の前駆体を切断して樹脂微粒子にする切断手段とを備えた点に特徴を有する。
【0030】
本構成の樹脂微粒子製造装置は、特に、押し出した原料樹脂を第1空気流の作用によって絞り出すように延伸することができるため、繊維状態の樹脂微粒子の前駆体を連続的に製造することができる。
【0031】
本構成の樹脂微粒子製造装置は、原料樹脂の温度および押出圧を調節する押出調節手段と、第1空気流の温度および吹出圧を調節する第1調節手段とを備えているので、様々な種類の樹脂を原料樹脂として用いることが可能である。また、同じ種類の樹脂に対しては、例えば、原料樹脂の温度を上げるとより容易に流動化することができ、原料樹脂の押出圧を大きくすると押出口からより容易に押し出すことができる。さらに、例えば、第1空気流の温度を上げると原料樹脂の延伸度は増し、第1空気流の吹出圧を大きくすると繊維状樹脂をより高速に生成することができる。このように、押出調節手段および第1調節手段を操作することにより、樹脂を所望の状態に調節することができる。
【0032】
本構成の樹脂微粒子製造装置は、従来の装置が有するローラ等の繊維を引張る手段を備えていないので、前駆体が製造途中で破断した場合でも、樹脂繊維をセッティングし直したりする必要がなく、前駆体の製造をそのまま続行することができる。
【0033】
本発明の樹脂微粒子製造装置は、レーザ切断機を切断手段として備えることができる。本構成であれば、樹脂微粒子の前駆体の精密な切断が可能である。さらに切断時において、レーザが切断部の角を丸める効果があるので、トナーまたは粉体塗料としてより好ましい樹脂微粒子を得ることができる。
【0034】
発明に係るトナーまたは粉体塗料の製造方法は、上記の前駆体製造方法において、前記原料樹脂はトナーまたは粉体塗料用の樹脂であり、前記方法を用いてトナーまたは粉体塗料の前駆体を生成する工程と、前記前駆体を切断する工程とを包含する点に特徴を有する。本構成であれば、微細で且つ粒子径分布が狭いトナーまたは粉体塗料を得ることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は以下の実施の形態および図面に記載される構造に限定されるものではなく、当業者が実施し得る範囲において、あらゆる変更が可能である。
【0036】
図1は、本発明による樹脂微粒子の前駆体を製造するための前駆体製造装置100を示す図である。この前駆体製造装置100を用いると、樹脂単体または少なくとも2種の樹脂からなる樹脂混合物を含む原料樹脂から、樹脂微粒子の前駆体を製造することができる。前駆体製造装置100は、樹脂押出部1と、第1空気吹出部2と、押出調節手段3と、第1調節手段4と、冷却部5とを備えて構成されている。
【0037】
樹脂押出部1は、溶融状態の原料樹脂を押し出すノズルの役割を果たすものであり、押出口6を備えている。樹脂押出部1は押出調節手段3に接続されており、押出調節手段3は原料樹脂の温度および押出圧を調節することができる。原料樹脂のガラス転移温度(Tg)が高い場合は、押出調節手段3を調節して原料樹脂の温度を上げることで、原料樹脂をより容易に流動化することができる。また、原料樹脂の粘性が大きい場合は、押出調節手段3を調節して原料樹脂の押出圧を大きくすることで、押出口6から原料樹脂をより容易に押し出すことができる。
【0038】
第1空気吹出部2は、樹脂押出部1の周囲に配置されている。第1空気吹出部2は、樹脂押出部1から押し出された原料樹脂に第1空気流(温風)を吹き付け、これにより、原料樹脂は繊維状態に延伸され、冷却部5へと誘導される。第1空気流の温度および吹出圧は、第1空気吹出部2に接続された第1調節手段4により調節することができる。第1調節手段4を調節して第1空気流の温度を上げると、原料樹脂の延伸度が大きくなるので、より微細な繊維状態にすることができる。また、第1空気流の吹出圧を大きくすると、繊維状樹脂をより高速に生成することができる。
【0039】
冷却部5では、樹脂押出部1から押し出された繊維状樹脂に対して、第2空気流(冷風)を吹き付けることにより前記繊維状樹脂の冷却を行い、樹脂微粒子の前駆体を生成する。冷却部5は、第2空気流を吹き出すための第2空気吹出部8を備えている。この場合、冷却部5は、第2空気吹出部8が第2空気流の温度および吹出圧を調節する第2調節手段7に接続され、調節された温度および吹出圧を有する第2空気流が第2空気吹出部8から吹き出すような構成としてもよいし、あるいは、樹脂押出部1から押し出された繊維状樹脂が移動することによって発生する負圧により、外気が第2空気吹出部8を通って第2空気流が発生するような構成としてもよい。なお、第2空気流は、樹脂押出部1から押し出された繊維状樹脂に対し、押出し方向に沿って吹き付けられるので、第2空気流についても第1空気流と同様の延伸作用が期待できる。従って、第2調節手段7を調節して第2空気流の流量を変更すれば、樹脂微粒子前駆体の繊維径をある程度調節することも可能である。
【0040】
また、冷却部5は、押出口6から繊維状樹脂に対して第2空気流が吹き付けられる位置までの距離を調節する位置調節手段(例えば、スペーサ)9を有していてもよい。位置調節手段9により、第2空気流の吹き出し位置を自由に調節することができる。一定条件下で、位置調節手段9を調節して、第2空気流の吹き出し位置を押出口6から遠ざけると、繊維状樹脂は十分に延伸されてから冷却されるので、微細な樹脂微粒子の前駆体を得ることができる。逆に、第2空気流の吹き出し位置を押出口6に近づけると、繊維状樹脂はそれほど延伸されないうちに冷却されるので、比較的太い樹脂微粒子の前駆体を得ることができる。このように、第2空気流の温度および吹出圧が一定であれば、第2空気流の吹き出し位置を調節することで、生成した樹脂微粒子の前駆体の繊維径を自在に変更することができる。
【0041】
また、第1調節手段4と第2調節手段7とは互いに独立して操作することができる。よって、第1空気流と第2空気流との流量比を調節する必要がある場合は、目的の流量比になるように、第1調節手段4および第2調節手段7をそれぞれ調節すればよい。例えば、繊維径が小さい樹脂微粒子の前駆体を得たい場合、ガラス転移温度(Tg)が比較的高い樹脂では、第1空気流の流量を大きくし、第2空気流の流量を小さくすればよい。ガラス転移温度(Tg)が比較的低い樹脂では、第1空気流の流量を小さくし、第2空気流の流量を大きくすればよい。このように、本発明の構成であれば、原料樹脂の種類や物性に影響されることなく、樹脂微粒子の前駆体の製造バランスを好適に維持することができる。
【0042】
ところで、上記の第2調節手段7や位置調節手段9を調節することにより、第2空気流による冷却条件を変更すれば、冷却後に生成する樹脂微粒子の前駆体の物性(例えば、結晶化度)を調節することも可能である。従って、例えば、樹脂微粒子の前駆体の結晶化を抑えて樹脂微粒子の前駆体を意図的に脆くすれば、その後の前駆体の切断を容易にすることもできる。
【0043】
次に、前駆体製造装置100を用いて樹脂微粒子の前駆体を製造する際の運転条件について説明する。
【0044】
原料樹脂は、加熱混練することで溶融状態にされ、さらに所定の圧力をかけることで樹脂押出部1の押出口6から押し出される。このとき、押し出された繊維状の原料樹脂の周りには原料樹脂の押し出し方向に沿うように第1空気流が吹き出され、原料樹脂は延伸される。原料樹脂の温度および押出圧力は、押出調節手段3によって調節することができる。また、第1空気流の温度および吹出圧力は、第1調節手段4によって調節することができる。樹脂押出部1から押し出され、第1空気流により延伸された繊維状の原料樹脂は、冷却部5に導入される。冷却部5では、延伸された繊維状の原料樹脂に対し、第1空気流よりも低温の第2空気流が吹き付けられる。これにより、原料樹脂の冷却が行われ、樹脂微粒子の前駆体が生成する。
【0045】
ここで、本発明の前駆体製造装置100の好適な運転条件の一例を以下に示す。なお、Tは、原料樹脂に最も多く含まれる種類の樹脂のガラス転移温度(Tg)を表すものとする。
原料樹脂の温度:(T+80)〜(T+200)℃
原料樹脂の押出圧:0.2〜10MPa
押出口の内径:100〜500μm
第1空気流の温度:T〜(T+250)℃
第1空気流の吹出圧:0.01〜1MPa
第2空気流の温度:−30〜40℃
第1空気流と第2空気流との流量比:5/95〜20/80
押出口から第2空気流が樹脂に吹き付けられる位置までの距離:1〜200mm
【0046】
原料樹脂の温度が(T+80)℃よりも低いと原料樹脂の流動性が十分に得られず、(T+200)℃より高いと原料樹脂が熱分解するおそれがあるので好ましくない。
【0047】
また、原料樹脂の押出圧が0.2MPaより低いと樹脂押出部1からの原料樹脂の押し出しが十分に行われず、さらに樹脂押出部1の押出口6が複数ある場合では、低い押出圧は各押出口の単孔吐出量のばらつきを大きくするので好ましくない。一方、原料樹脂の押出圧が10MPaよりも高いと樹脂押出部1からの押し出し速度が大きくなり過ぎて操作条件のバランスが取れなくなったり、樹脂押出部1の消耗が早まったり、押出調節手段(例えば、ポンプ、ギアモータ等)3に過剰な負荷がかかったりするなどの問題が生じるため好ましくない。
【0048】
押出口6の内径については、上記の範囲内であれば、原料樹脂を樹脂押出部1からスムーズに押し出すことができるとともに、生成する樹脂微粒子の前駆体を所望のサイズに調節することができるので好ましい。押出口6の内径が100μmよりも小さいと樹脂押出部1の摩耗が激しくなり、500μmよりも大きいと原料樹脂の押し出しの調節が困難になったり、押し出された原料樹脂が繊維状態になる前にすぐに切れてしまったりするおそれがあるので好ましくない。
【0049】
第1空気流の温度および吹出圧については、0.01MPaより小さいと原料樹脂を十分に延伸することができず、10MPaより大きいと原料樹脂が繊維状態になるまでに破断してしまうので好ましくない。
【0050】
第2空気流の温度については、上記の範囲内であれば、外気をそのまま樹脂の冷却に用いることができるので、さらなる手段(例えば、加熱手段等)が不要となり、装置の構成を簡略化できるので好ましい。
【0051】
第1空気流と第2空気流との流量比については、上記の範囲内であれば、樹脂微粒子の前駆体をバランスよく製造することができるので好ましい。
【0052】
押出口6から第2空気流が樹脂に吹き付けられる位置までの距離については、上記の範囲内であれば、生成した繊維状樹脂が互いに接着することなく、樹脂微粒子の前駆体を安定して連続的に生成することができる。また、延伸されている繊維状樹脂が固化する位置を、上記位置調節手段を操作して上記範囲内で変えることができるので、所望の径を有する繊維状樹脂を容易に得ることができる。さらに、上記距離が上記範囲内であれば、前駆体製造装置をコンパクトにすることができる。
【0053】
また、樹脂押出部1は、1個だけ設けられていてもよいし、複数個設けられていてもよい。樹脂押出部1が複数個設けられる場合は、樹脂押出部1の押出口6が直線状に並ぶように配置されてもよいし、任意のパターンで二次元的に配置されてもよい。
【0054】
なお、本発明の樹脂微粒子の前駆体製造装置では、単孔吐出量は、例えば、0.015〜1.0cm/minの範囲とすることができる。このような範囲のであれば、高品質な樹脂微粒子前駆体を効率よく製造することができる。
【0055】
樹脂押出部1の押出口6の形状は、円形、楕円形、多角形、または星形など任意の形状とすることができる。特に、押出口の形状が楕円形などの扁平した形状であれば、樹脂微粒子の前駆体の断面も扁平形状となるので、最終的な樹脂微粒子は異方性を有し、よって平滑性や配向性など独特の特徴を持たせることができる。特に、扁平形状を有する樹脂微粒子を、例えば粉体塗料として使用すると、塗装時に塗装面に扁平形状の樹脂微粒子がラメラ状に付着するので、球状の樹脂微粒子を用いた場合よりも塗膜の平滑性が高くなり、熱処理の時間を短縮することができる。また、このように平滑性の高い樹脂微粒子にすることができるので、レベリング剤の添加量を低減することができる。さらに、平滑性に優れた塗膜は、従来のものよりも美観性に優れている。
【0056】
原料樹脂に含まれる樹脂単体または樹脂混合物は、原料樹脂の総量に対して40〜95重量%であることが好ましい。このような範囲であれば、トナーや粉体塗料として十分な物性を有する繊維状の樹脂微粒子の前駆体を得ることができる。
また、樹脂単体または樹脂混合物を構成する少なくとも1種の樹脂は、40〜85℃のガラス転移温度を有していることが好ましい。このような範囲であれば、溶融状態では押し出しに十分な流動性を有し、また冷却後はトナーや粉体塗料等の用途として十分絶え得る物性を備えた樹脂微粒子の前駆体を得ることができる。
【0057】
また、原料樹脂は、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、またはそれらの共重合体からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含有することができる。このような原料樹脂であれば、汎用の樹脂材料を原料樹脂として用いることができるので、製造コストを抑えることが可能となる。また、このような原料樹脂から製造を行うと、樹脂微粒子に熱可塑性または熱硬化性を付与することができるので、トナーや粉体塗料に限らず、広範な用途に用いることができる。
【0058】
また、原料樹脂は、顔料、染料、硬化剤、分散剤、帯電防止剤、磁性体、または離型剤からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤を含有することができる。このような原料樹脂であれば、トナーや粉体塗料として好適な特性を樹脂微粒子に付与することができる。また、添加剤の種類によっては、原料樹脂に様々な機能を付与することもできるので、トナーや粉体塗料に限らず、さらに用途を広げることも可能である。
【0059】
次に、本発明の樹脂微粒子の前駆体から樹脂微粒子を製造する装置の一例について、図を参照しながら説明する。
【0060】
図2は、本発明の樹脂微粒子の前駆体製造装置100を組み込んだ樹脂微粒子製造装置200を示す概略図である。樹脂微粒子製造装置200は、前駆体製造装置100と、前駆体製造装置100に溶融状態の原料樹脂を供給する供給手段101と、前駆体製造装置100から得られた樹脂微粒子の前駆体を切断して樹脂微粒子にする切断手段102とを備えて構成されている。供給手段101は、例えば、原料樹脂を加熱混練する一般的なエクストルーダを利用することができる。切断手段102は、例えば、レーザ切断機等の公知の精密切断装置を利用することができる。特に、レーザ切断機であれば、切断時においてレーザが切断部の角を丸める効果があるので、解像度等の特性が優れた高品質な樹脂微粒子を得ることができる。
【0061】
原料樹脂は、供給手段101により溶融状態で前駆体製造装置100に供給され、次いで前駆体製造装置100により樹脂微粒子前駆体にされ、その後切断手段102に送られて切断される。樹脂微粒子前駆体の切断手段102への輸送には、例えば、図2に示しているようなコンベヤ等の輸送手段105を使ってもよいし、輸送手段105を用いずに、前駆体製造装置100から切断手段102に直接樹脂微粒子の前駆体が送られるような構成であってもよい。また、切断手段102を経て生成した樹脂微粒子は、さらに必要に応じて分級手段(例えば、サイクロン)103や着色手段104等に送られ、所望の形態に加工することもできる。
【0062】
図3は、特にトナー用の樹脂微粒子を製造するための装置300を示す概略図である。トナー用樹脂微粒子製造装置300は、上述の樹脂微粒子製造装置200とほぼ同様の構成とすることができる。トナー用の樹脂微粒子製造装置の場合は、原料樹脂に顔料等の添加剤をあらかじめ練り込んでおけばよいので、着色装置を設ける必要はない。
【0063】
図4は、特に粉体塗料用の樹脂微粒子を製造するための装置400を示す概略図である。粉体塗料用樹脂微粒子製造装置400は、上述の樹脂微粒子製造装置200と類似の構成であるが、樹脂混合物を原料樹脂の主成分としているので、図4に示すように、例えば、2つの供給手段(例えば、エクストルーダ)101aおよび101bを備えている。また、原料樹脂に硬化剤や顔料等の添加剤を加えることができるように、添加剤供給手段106も備えている。各供給手段101a、101b、添加剤供給手段106は、それぞれ圧送手段(例えば、ギアポンプ)107に接続され、樹脂および添加剤が混合手段(例えば、スタティックミキサー)108に送られる。混合手段108は原料樹脂を均一に混合し、次いでその原料樹脂を前駆体製造装置100に送り出す。前駆体製造装置100以降の工程は、図3のトナー用樹脂微粒子製造装置300と同様である。
【0064】
【実施例】
本発明の製造方法によって得られた樹脂微粒子の前駆体は、極めて微細な繊維状樹脂であるので、これを任意の切断手段により切断すると、従来の樹脂微粒子と比較して微細で且つ粒子径分布の狭い樹脂微粒子を得ることができる。より詳細に説明すると、原料樹脂が押し出される樹脂押出部の押出口の内径をaとすると、延伸された樹脂微粒子前駆体は、その断面の径を(1/5)a〜(1/100)aにまで微細化することができる。
【0065】
一例として、図5に、本発明の樹脂微粒子の前駆体の製造方法によって得られた樹脂微粒子の前駆体の電子顕微鏡写真を示す。
【0066】
<トナー用樹脂微粒子>
図5(a)は、本発明の樹脂微粒子の前駆体の製造方法によって得られたトナー前駆体の電子顕微鏡写真である。図5(a)のトナー前駆体は、直径が約7μmの微細繊維状態の樹脂である。このトナー前駆体を任意の切断手段により切断すると、平均粒子径が約7μm程度のトナーを得ることができる。これは、従来のトナー(平均粒子径:約7〜8μm)と比較して、遜色のないレベルである。また、本発明のトナーの粒子径分布は、従来に比べて極めて狭いものを得ることができる。これについては、次に図6を参照して説明する。
【0067】
図6に、従来のトナーの粒子径分布、および本発明の樹脂微粒子の前駆体から得られたトナーの粒子径分布の一例を示す。図6によれば、従来のトナーでは、粒子径は2〜12μmの範囲に幅広く分布しているが、本発明のトナーは、5〜8μmに粒子径が集中しており、非常に狭い粒子径分布を有していることが分かる。この理由としては、(1)本発明のトナーは、繊維状態のトナー前駆体を切断しているので、切断前の被切断物中に粗大粒子が存在せず、その結果、トナーは繊維径相当のサイズの微粒子としかなり得ないから;(2)被切断物中に粗大粒子が存在しないので、トナー前駆体を必要以上に切断処理にさらさなくてもよいから(過粉砕するおそれがないから)等が挙げられる。
【0068】
このように、本発明によれば、樹脂微粒子の前駆体から微細で且つ粒子径分布の狭い高均一サイズの樹脂微粒子を製造することが可能であり、この樹脂微粒子はトナーとして最適である。
【0069】
<粉体塗料用樹脂微粒子>
図5(b)は、本発明の樹脂微粒子の前駆体の製造方法によって得られた粉体塗料前駆体の電子顕微鏡写真である。図5(b)の粉体塗料前駆体は、直径が約25μmの微細繊維状態の樹脂である。図5(a)のトナー前駆体と同様に、この粉体塗料前駆体を任意の切断手段により切断すると、平均粒子径が約25μm程度の粉体塗料を得ることができる。これは、従来の粉体塗料に用いられる樹脂微粒子(平均粒子径:約35μm)と比較して、より微細な粒子であるといえる。また、本発明の粉体塗料は、繊維状態の粉体塗料前駆体を切断しているので、上記のトナーの場合と同様に粒子径分布を極めて狭いものにすることができる。これについては、次に図7を参照して説明する。
【0070】
図7に、従来の粉体塗料の粒子径分布、および本発明の樹脂微粒子の前駆体から得られた粉体塗料の粒子径分布の一例を示す。図7によれば、従来の粉体塗料では、粒子径は1〜100μmの範囲に幅広く分布しているが、本発明の粉体塗料は、20〜30μmに粒子径が集中しており、非常に狭い粒子径分布を有していることが分かる。この理由は、上記で説明したトナーの場合と同様である。
【0071】
なお、本実施例では、本発明の粉体塗料の粒子径分布のピークは20〜30μmの範囲に集中しているが、100μm以下の任意の範囲において、このような粒子径分布の狭いピークを得ることも可能であることは言うまでもない。
【0072】
このように、本発明によれば、樹脂微粒子の前駆体から微細で且つ粒子径分布の狭い高均一サイズの樹脂微粒子を製造することが可能であり、この樹脂微粒子は粉体塗料として最適である。
【0073】
<別実施形態>
本明細書では、トナーまたは粉体塗料に使用する樹脂微粒子およびその前駆体である繊維状樹脂の製造装置および製造方法について説明してきた。しかし、本発明はこのような用途に何ら限定されるものではなく、他の種々の用途(例えば、医薬品、農薬、化粧品、食品、工業薬品、一般化学製品など)にも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による樹脂微粒子の前駆体を製造するための前駆体製造装置を示す図
【図2】本発明の樹脂微粒子の前駆体製造装置を組み込んだ樹脂微粒子製造装置を示す概略図
【図3】トナー用の樹脂微粒子を製造するための装置を示す概略図
【図4】粉体塗料用の樹脂微粒子を製造するための装置を示す概略図
【図5】本発明の樹脂微粒子の前駆体の製造方法によって得られた(a)トナー前駆体および(b)粉体塗料前駆体の電子顕微鏡写真を示す図
【図6】従来のトナーの粒子径分布、および本発明の樹脂微粒子の前駆体から得られたトナーの粒子径分布の一例を示す図
【図7】従来の粉体塗料の粒子径分布、および本発明の樹脂微粒子の前駆体から得られた粉体塗料の粒子径分布の一例を示す図
【符号の説明】
1 樹脂押出部
2 第1空気吹出部
3 押出調節手段
4 第1調節手段
5 冷却部
6 押出口
7 第2調節手段
8 第2空気吹出部
9 位置調節手段
100 樹脂微粒子前駆体製造装置
101、101a、101b 供給手段
102 切断手段
103 分級手段
104 着色手段
105 輸送手段
106 添加剤供給手段
107 圧送手段
108 混合手段
200 樹脂微粒子製造装置
300 トナー用樹脂微粒子製造装置
400 粉体塗料用樹脂微粒子製造装置

Claims (14)

  1. 樹脂単体または少なくとも2種の樹脂からなる樹脂混合物を含む原料樹脂から、樹脂微粒子の前駆体を製造する前駆体製造装置であって、
    前記原料樹脂を押し出す押出口を備えた樹脂押出部と、
    前記樹脂押出部の周囲に配置され、押し出された前記原料樹脂を延伸する第1空気流を吹き出す第1空気吹出部と、
    前記原料樹脂の温度および押出圧を調節する押出調節手段と、
    前記第1空気流の温度および吹出圧を調節する第1調節手段と、
    前記樹脂押出部から押し出されて生成した繊維状樹脂に対し、前記第1空気流とは異なる第2空気流を吹き付けて冷却する冷却部とを備え、
    前記冷却部に、外部からの空気の流入を遮断しつつ、前記押出口から前記繊維状樹脂に対して前記第2空気流が吹き付けられる位置までの距離を調節するスペーサを設けた前駆体製造装置。
  2. 前記押出口は、100〜500μmの内径を有する請求項1に記載の前駆体製造装置。
  3. 前記押出口は、扁平形状の口形を有している請求項1または2に記載の前駆体製造装置。
  4. 前記第1空気流と前記第2空気流との流量比を調節可能に構成してある請求項1〜3のいずれか一項に記載の前駆体製造装置。
  5. 原料樹脂から樹脂微粒子の前駆体を製造するための方法であって、
    樹脂単体または少なくとも2種の樹脂からなる樹脂混合物を加熱混練する加熱混練工程と、
    前記混練工程により得られた前記原料樹脂を、前記原料樹脂に最も多く含まれる種類の樹脂のガラス転移温度をT℃としたとき、(T+80)〜(T+200)℃に維持し、かつ0.2〜10MPaの圧力で100〜500μmの内径を有する押出口から押し出すとともに、押し出した前記原料樹脂の周囲にT〜(T+250)℃に維持した0.01〜1MPaの圧力の第1空気流を吹き出すことによって、前記原料樹脂を延伸する押出工程と、
    外部から空気が流入しない状態で、前記押出工程により生成した繊維状樹脂に対し、前記第1空気流より低温の第2空気流を吹き付けて冷却する冷却工程と
    を包含する方法。
  6. 前記第2空気流の温度は、−30〜40℃である請求項に記載の方法。
  7. 前記第1空気流と前記第2空気流との流量比は、5/95〜20/80である請求項5または6に記載の方法。
  8. 前記原料樹脂に含まれる前記樹脂単体または前記樹脂混合物は、前記原料樹脂の総量に対して40〜95重量%である請求項5〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記樹脂単体または前記樹脂混合物を構成する少なくとも1種の樹脂は、40〜85℃のガラス転移温度を有している請求項5〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記原料樹脂は、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、またはそれらの共重合体からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含有する請求項5〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記原料樹脂は、顔料、染料、硬化剤、分散剤、帯電防止剤、磁性体、または離型剤からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤を含有する請求項5〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の前駆体製造装置と、
    前記前駆体製造装置に溶融状態の前記原料樹脂を供給する供給手段と、
    前記前駆体製造装置から得られた樹脂微粒子の前駆体を切断して樹脂微粒子にする切断手段と
    を備えた樹脂微粒子製造装置。
  13. 前記切断手段は、レーザ切断機である請求項12に記載の樹脂微粒子製造装置。
  14. 請求項5〜11のいずれか一項に記載の方法において、前記原料樹脂はトナーまたは粉体塗料用の樹脂であり、前記方法を用いてトナーまたは粉体塗料の前駆体を生成する工程と、
    前記前駆体を切断する工程と
    を包含するトナーまたは粉体塗料の製造方法。
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