JP2008266806A - ポリテトラフルオロエチレン繊維の製造方法 - Google Patents

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Daisuke Kitagawa
大輔 北川
Takashi Wano
隆司 和野
Tetsuya Iwai
哲也 岩井
Hideki Yamane
秀樹 山根
Yoshito Takagi
義人 高木
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Abstract

【課題】エマルジョン紡糸法のようにマトリックス材を用いることなくポリテトラフルオロエチレン(PTFE)繊維、特にPTFE長繊維を製造できるとともに、スリットヤーン法を含む従来の製造方法よりも生産性に優れ、得られる繊維の機械的特性や径の自由度を向上できるPTFE繊維の製造方法を提供する。
【解決手段】水および界面活性剤を内包する紐状のPTFE含有固形物を、ダイを通して引き抜き加工することにより、上記固形物を細径化する方法とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)繊維の製造方法に関し、特に、フィブリル構造を有するPTFE繊維の製造方法に関する。
PTFEは、耐熱性、耐光性、耐薬品性、電気絶縁性、摺動性などの各種の特性に優れており、機械、化学、電気分野を中心に幅広い分野で用いられている。PTFEを含む物品(PTFE物品)の1つにPTFE繊維があり、PTFE繊維は、PTFEが有する上記各種の特性に基づき、様々な分野への応用が期待される。しかし、PTFEは、その溶融粘度が380℃において1010〜1011Pa・s(1011〜1012P)程度と極めて高いため、繊維の製造方法としてごく一般的であり生産性にも優れる溶融紡糸法によりPTFE繊維を製造することができない。また、PTFEは、特殊な溶媒を除き、ほとんどの溶媒に溶解しないため、適切な溶媒に溶解させて得たPTFE溶液を貧溶媒の浴中に押し出して凝固させる単純な湿式紡糸法を採用することも困難である。
従来、PTFE繊維の製造方法としては、エマルジョン紡糸法およびスリットヤーン法が知られている。
エマルジョン紡糸法にはエマルジョン直接紡糸法とマトリックス紡糸法とがあるが、直接紡糸法では塩酸浴あるいは塩化水素雰囲気中にPTFEの水性エマルジョンを押し出す必要があることから、より生産性に優れるマトリックス紡糸法(例えば、特許文献1に開示)が主に用いられている。マトリックス紡糸法では、PTFE粒子の分散液に、ビスコースあるいはセルロースなどのマトリックス材を加えて紡糸原液とし、当該原液を凝固浴中に押し出して湿式紡糸させる。その後、紡糸により形成した繊維をPTFEの融点以上の温度で熱処理(焼成)することで、繊維中のマトリックス材を燃焼、飛散させるとともに、マトリックス材中に分散していたPTFE粒子を溶融かつ互いに融着させて、PTFE繊維を形成できる。しかし、この方法により製造したPTFE繊維には、通常、マトリックス材の焼成物(炭化物)が残留しており、この残留によってPTFEが本来有する物理的、化学的特性が影響を受けることがある他、繊維の色調が茶色〜濃褐色となるため、その用途が制限される。また、本来、マトリックス材およびその焼成物はPTFE繊維に不要な成分であり、マトリックス材を用いないPTFE繊維の製造方法の実現が望まれる。
スリットヤーン法(例えば、特許文献2、3に開示)では、PTFEのファインパウダーに成形助剤を加えて形成したPTFEペーストを押出成形してシート状あるいはフィルム状の成形体とし、必要に応じて助剤を除去した後に、当該成形体を機械的に加工してPTFE繊維を形成できる。一度、シート状あるいはフィルム状に成形するのは、上記ペーストの粘度の高さから、直接、繊維状に押出成形することが非常に困難なためである。しかし、この方法では、機械的な加工の方法にもよるが、均一な繊維径を有する繊維の製造が困難であったり、長繊維(フィラメント)の製造が困難であったりする。また、原料であるファインパウダーから連続的に繊維を製造することが難しく、生産性に優れる製造方法であるとはいえない。
その他のPTFE繊維の製造方法として、例えば、特許文献4には、PTFE微粒子の水性懸濁液を5〜10kgf/cm2程度にまで加圧し、内径200〜400μmのキャピラリ状のダイスから噴出させることでPTFE微粒子を繊維化して、さらに乾燥、焼成する方法が開示されている。しかし、この方法では、強度などの機械的特性に優れるPTFE繊維を製造できないと考えられ、また、おそらく懸濁液に印加する圧力を確保することを目的として、懸濁液を噴出させるキャピラリの径が200〜400μmの範囲に限定されているため、製造できるPTFE繊維の径が20μm以下と、その自由度が低い。
なお、特許文献5には、PTFE粒子の分散液に、PTFE粒子が互いに接近または接触する力を加えることにより、水と界面活性剤とを内包するPTFE粒子の凝集物を得る方法が開示されており、この凝集物を乾燥および/または焼成することにより、例えば、紐状のPTFE成形体が得られることが示されている。
特開平10−273818号公報 米国特許第6133165号明細書 米国特許第7108912号明細書 特開2003−20515号公報 国際公開第WO2006/120967号パンフレット
このように、従来のPTFE繊維の製造方法では、マトリックス材など、PTFE繊維として本来不要な成分が必要であったり、製造できる繊維が短繊維(ステープル)に限られたり、生産性の向上に限界があったり、あるいは、得られる繊維の機械的特性や径の自由度が低かったりする。そこで本発明は、これら従来の製造方法とは異なり、マトリックス材を用いることなくPTFE繊維、特にPTFEの長繊維、を製造できるとともに、これら従来の製造方法よりも生産性に優れ、得られる繊維の機械的特性や径の自由度を向上できるPTFE繊維の製造方法を提供することを目的とする。
本発明のPTFE繊維の製造方法(第1の製造方法)は、水および界面活性剤を内包する紐状のPTFE含有固形物を、第1のダイを通して引き抜き加工することにより、前記固形物を細径化する方法である。
第1の製造方法とは別の側面から見た本発明のPTFE繊維の製造方法(第2の製造方法)は、紐状のPTFE含有固形物を、ダイを通して引き抜き加工することにより、前記固形物中のPTFEをフィブリル化させるとともに前記固形物をさらに細径化する方法である。
本発明によれば、エマルジョン紡糸法のようにマトリックス材を用いることなくPTFE繊維を製造でき、また、製造できる繊維の種類は短繊維に限られず、例えば、PTFE長繊維の製造も可能である。また本発明によれば、スリットヤーン法のように、原料のPTFE粒子をシート状あるいはフィルム状に押出成形することなくPTFE繊維を製造できるため、PTFE繊維を従来よりも生産性よく製造できる。本発明の製造方法では、特許文献4に開示の方法よりも、得られるPTFE繊維の機械的特性や径の自由度を向上できる。
本発明の第1の製造方法の一例を、図1を用いて説明する。図1に示す方法では、水および界面活性剤を内包する紐状のPTFE含有固形物(第1の固形物)1を、ダイ(第1のダイ)2を通して引き抜き加工することにより、固形物1を細径化している。
図1に示すダイ2は、引き抜き加工の際に固形物1にせん断応力を加えるとともに、紐状の固形物1を縮径化する形状を有する。具体的には、ダイ2は、その内部の空間(固形物1が通る空間)として、固形物1が引き抜かれる方向に垂直な断面が円形であり、当該断面の面積が、固形物1の流入口11から吐出口12に向かうに従って連続的に小さくなっている部分を有する。より具体的には、ダイ2の内部の空間の形状は、流入口11側を底面とする円錐台であり、この円錐台の上面に吐出口12が形成されている。
この方法では、マトリックス材を用いることなくPTFE繊維を製造でき、PTFE短繊維だけではなくPTFE長繊維の製造も可能となる。また、マトリックス材を用いていないため、PTFE本来の色である白色のPTFE繊維を製造できる。
また、この方法では、引き抜き加工する第1の固形物1を後述する方法により得ることで、当該方法における固形物の原料であるPTFE分散液から連続的にPTFE繊維を製造することも可能であり、従来よりも生産性に優れるPTFE繊維の製造方法とすることができる。
また、この方法では、引き抜き加工によって固形物1の機械的特性を向上できる、即ち、機械的特性を向上させたPTFE繊維を製造できる他、固形物1を細径化する程度をダイ2の形状を選択することによって調整でき、得られる繊維の径の自由度を高くできる。
従来、繊維に限られず、PTFEを含む物品を製造するにあたっては、PTFEファインパウダーに成形助剤を加えて形成したペーストを押出加工する方法が広く用いられており、PTFEに対する引き抜き加工は全く行われていなかった。これは、引き抜き加工が、元来、針金や細管などの製造に主として用いられる金属の塑性加工の一種であることが理由の一つであると考えられる。また、樹脂分野では、ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂からなる管体を製造するために引き抜き加工が用いられることがあるが、これを応用して、紐状あるいは管状の単なるPTFE成形体に引き抜き加工を適用しようとしても、上述した極めて高いPTFEの溶融粘度により、引き抜き加工が不可能であることも理由の一つであると考えられる。
本発明者らは、鋭意検討の結果、水および界面活性剤を内包するPTFE含有固形物1を用いることによって、PTFEの引き抜き加工が可能になるとともに、固形物1を細径化できることを見出し、本発明を完成させた。固形物1は、内包する水および界面活性剤により変形性を有するが、この変形性により、引き抜き加工および細径化が実現可能となる。
なお、固形物1を後述する方法により形成した場合などには、当該固形物1は、PTFE粒子が結着した構造を有するとともに、この構造により高い自己形状保持性を有する。このとき、PTFE粒子が結着した構造が固形物1の全体に形成されている必要はなく、その一部のみに形成されていてもよい。典型的には、紐状の固形物1におけるその外周面近傍の部分(スキン層)に上記構造が形成されている。
ダイ2の形状は固形物1を細径化できる限り特に限定されないが、ダイ2が、その内部の空間(固形物1が通る空間)として、固形物1が引き抜かれる方向に垂直な断面の面積がダイ2における一方の開口部(流入口11)から他方の開口部(吐出口12)に向かうに従って連続的に小さくなっている部分を有することが好ましい。この場合、固形物1の細径化をよりスムーズに行うことができる。特に、図1に示すダイ2のように、その内部の空間全体として、上記部分を有することが好ましい。
また、上記断面の形状は、円形または楕円形であることが好ましく、円形であることがより好ましい。この場合、固形物1の細径化をよりスムーズに行うことができる。なお、上記断面の形状が円形であり、上記断面の面積が連続的かつ一律に小さくなっている場合、第1のダイ2における上記部分は円錐台となる。
ダイ2における固形物1の細径化の程度、即ち、ダイ2を通る前後における固形物1の断面減少率({1−(d2/d1)2}×100(%))は特に限定されない。固形物1の変形性、ダイ2を通る前の固形物1の径d1、あるいは、得たい繊維の径などによっても異なるが、例えば、上記断面減少率は70%以下であり、好ましくは10〜50%程度である。この減少率が過度に大きい場合、固形物1の細径化が困難になることがある。当該減少率は、例えば、ダイ2の流入口11の径と吐出口12の径とを調節することにより制御できる。
上述したように、ダイ2が、固形物1が通る空間として、固形物1が引き抜かれる方向に垂直な断面が円形であり、当該断面の面積がダイ2における一方の開口部から他方の開口部に向かうに従って連続的かつ一律に小さくなっている部分を有する場合、当該部分は円錐台となるが、この円錐台の中心軸に対して母線が成す角度(いわゆる「ダイス角α」)は特に限定されず、通常、2〜20°程度であり、固形物1へ加えるせん断応力の大きさと固形物1の細径化の程度のバランスを図るためには、1〜10°程度が好ましい。この好ましいダイス角αの範囲では、固形物1の引き抜き抵抗をより低減できる。
第1の製造方法では、固形物1を、水中において第1のダイ2を通してもよい。即ち、水中において固形物1を引き抜き加工してもよい。
上述したように、固形物1は、水および界面活性剤を内包することにより変形性を有するが、水中ではこの変形性を向上できる。このため、固形物1を水中で引き抜き加工することで、例えば、ダイ2における固形物1の細径化の程度を大きくしたり(上記断面減少率を大きくしたり)、固形物1の引き抜き速度を大きくしたりできる。即ち、PTFE繊維の生産性を向上できる。
水中で引き抜き加工する場合、固形物1を、50℃以上の温水中においてダイ2を通してもよい。即ち、50℃以上の温水中において固形物1を引き抜き加工してもよく、このとき、固形物1の変形性をより向上でき、PTFE繊維の生産性をさらに向上できる。温水の温度は、70℃以上が好ましい。温水の温度の上限は特に限定されないが、大気圧雰囲気下で引き抜き加工をする場合、通常、水の沸点の100℃である。
なお、固形物1を水中で引き抜き加工しない場合、例えば、空気中で引き抜き加工する場合においても、水中で引き抜き加工する場合と同様に、固形物1の温度が50℃以上の状態で引き抜き加工してもよい。固形物1の変形性を向上でき、PTFE繊維の生産性を向上できる。ただし、この方法では、水中で引き抜き加工する場合に比べて、固形物1に含まれる水の量が低減しやすい、即ち、固形物1の変形性が低下しやすい、ことに留意する必要がある。
本発明の第1の製造方法の別の一例を、図2を用いて説明する。図2に示す方法では、第1の固形物1を、ダイ(第1のダイ)2aおよびダイ(第1のダイ)2bを通して引き抜き加工することにより、各々のダイ2a、2bにおいて段階的に細径化している。ダイ2a、2bは、図1に示すダイ2と同様の形状を有する。
このように第1の製造方法では、固形物1を2以上のダイ(第1のダイ)に通すことで、段階的に細径化してもよい。紐状の固形物1を、1つのダイ2のみにより所望の径に細径化しようとすると、当該ダイにおける固形物の細径化の程度が過度に大きくなって、安定した引き抜き加工が困難になることがある。図2に示すように、固形物1を2以上のダイを通して引き抜き加工することで、各々のダイにおける固形物1の細径化の程度を調整でき、より安定して固形物1の引き抜き加工を行うことができる。
2以上のダイ2を通して固形物1を引き抜き加工する場合、各ダイにおける細径化の程度、および、固形物1を通すダイ2の数などは、固形物1の変形性、ダイ2を通る前の固形物1の径、あるいは、得たい繊維の径などに応じて適宜調整すればよい。
固形物1を2以上のダイ2を通して引き抜き加工する場合、ダイとダイとの間に、ローラーなどにより構成される固形物1の送り出し機構を設け、当該機構により、直前のダイ2から固形物1を引き抜きながら、次のダイへ固形物1を送り出してもよい。この場合、より安定したPTFE繊維の製造が可能となる。
第1の製造方法では、固形物1を、連続的に第1のダイ2に通してもよく、この場合、PTFEの長繊維(フィラメント)を製造できる。
第1の製造方法では、PTFEの短繊維(ステープル)を製造することもでき、例えば、固形物1を連続的に第1のダイ2に通して形成した長繊維を、カッターなどを用いて切断することで、PTFE短繊維を効率よく製造できる。また、この方法では、繊維径の揃った短繊維を効率よく製造できる。
第1の製造方法における固形物の細径化の程度は特に限定されないが、例えば、固形物1を平均径が1mm以下となるように細径化してもよい。後述する固形物1の形成方法では、装置の構成にもよるが、平均径にして1mmを超える紐状の固形物1を効率よく形成できる。このため、例えば、後述の方法により平均径にして1mmを超える紐状の固形物1を形成した後に、第1の製造方法により、固形物1をその平均径が1mm以下となるように細径化することで、より効率よく、平均径にして1mm以下のPTFE繊維を形成できる。
第1の製造方法では、前記固形物を細径化した後に、第1の固形物に含まれる水および界面活性剤から選ばれる少なくとも1つの量を低減させてもよい。水の量のみを低減させた場合、形成した繊維中には界面活性剤が残留するため、例えば、表面が親水性を有するPTFE繊維を形成できる。水および界面活性剤の量をともに低減させた場合、純粋にPTFEからなるPTFE繊維を形成できる。
水および界面活性剤の量を低減させる方法は特に限定されない。例えば、ヒーターなどの加熱装置、あるいは、固形物1を風乾させるための送風装置などを備えた乾燥機構により、細径化した固形物1に含まれる水の量を低減させてもよい。また例えば、自然乾燥により、細径化した固形物1に含まれる水の量を低減させてもよい。ヒーターなどの加熱装置を用いる場合、当該装置による固形物1の加熱温度を、界面活性剤の分解温度にまで上昇させることで、固形物1に含まれる界面活性剤の量の低減も可能である。また、細径化した固形物1を、界面活性剤を溶解する溶媒に浸漬させて、当該溶媒中に界面活性剤を拡散させることにより、固形物1に含まれる界面活性剤の量を低減させてもよい。
第1の製造方法では、前記固形物を細径化した後に、当該固形物をPTFEの融点以上の温度にして焼結(焼成)させてもよい。焼結により、引張強度、弾性率などの機械的特性を向上できる。
本発明の第1の製造方法のまた別の一例を、図3を用いて説明する。図3に示す方法では、第1の固形物1を、ダイ2aおよびダイ2bに通して引き抜き加工することにより、各々のダイ2a、2bにおいて段階的に細径化した後、乾燥機構3によって固形物1に含まれる水の量を低減させる。その後、含まれる水の量を低減させた固形物1を、ダイ(第2のダイ)4を通して引き抜き加工している。ダイ4は、上述した第1のダイ2と同様の形状を有する。
この方法では、水の量を低減させた固形物1のダイ4を通す引き抜き加工により、固形物1中のPTFEをフィブリル化させるとともに固形物1をさらに細径化して、PTFEのフィブリルを含む、即ち、PTFEのフィブリル構造を有する、繊維を製造できる。また、このような繊維は、そのフィブリル構造により、強度、弾性率などの機械的特性をより向上させた繊維とすることができる。
固形物1が含む水の量を低減させると、当該固形物の変形性が低下する。このような変形性が低下した固形物1を、第2のダイ4に通して引き抜き加工すると、固形物1中のPTFEに強いせん断応力を加えることができ、そのフィブリル化を促進できると考えられる。
第2のダイ4を通す引き抜き加工により、典型的には、伸長方向にPTFEのフィブリルが伸びたPTFE繊維を形成できる。このような繊維は、PTFEのフィブリルが配向した繊維であるともいえ、強度、弾性率などの機械的特性をさらに向上させた繊維とすることができる。
第2のダイ4を通して引き抜き加工する際には、固形物1を、固形物1および第2のダイ4から選ばれる少なくとも一方を加熱した状態で、第2のダイ4を通すことが好ましい。この場合、固形物1中のPTFEのフィブリル化をより促進できる。
加熱の程度は特に限定されないが、固形物1を、150℃以上ポリテトラフルオロエチレンの融点未満の温度において第2のダイ4を通すことが好ましく、250℃以上の温度において第2のダイ4を通すことがより好ましく、300℃以上の温度において第2のダイ4を通すことがさらに好ましい。なお、本明細書では、これらの温度を「引き抜き温度」と呼び、当該温度は、例えば、加工雰囲気の温度および/または第2のダイ4の温度の調整により制御できる。
また、この方法では、ダイ4における引き抜き温度を、固形物1に含まれる界面活性剤の分解温度以上とすることにより、固形物1に含まれる界面活性剤の量を低減させることも可能である。
第2のダイ4の形状は、基本的に、上述した第1のダイ2の形状と同様であればよい。
具体的には、ダイ4が、その内部の空間(固形物1が通る空間)として、固形物1が引き抜かれる方向に垂直な断面の面積がダイ4における一方の開口部(流入口)から他方の開口部(吐出口)に向かうに従って連続的に小さくなっている部分を有することが好ましい。この場合、固形物1中のPTFEのフィブリル化をより促進できるとともに、固形物1のさらなる細径化をよりスムーズに行うことができる。特に、図3に示すダイ4のように、その内部の空間全体として、上記部分を有することがより好ましい。
また、上記断面の形状は、円形または楕円形であることが好ましく、円形であることがより好ましい。この場合、固形物1中のPTFEのフィブリル化をより促進できるとともに、固形物1のさらなる細径化をよりスムーズに行うことができる。なお、上記断面の形状が円形であり、上記断面の面積が連続的かつ一律に小さくなっている場合、第2のダイ4における上記部分は円錐台となる。
第2のダイ4におけるダイス角αは、特に限定されない。
乾燥機構3の構成は、固形物1に含まれる水の量を低減できる限り特に限定されないが、例えば、ヒーターなどの加熱装置、あるいは、固形物1を風乾させるための送風装置などを備えていればよい。なお、乾燥機構3は必ずしも必要ではなく、自然乾燥により含まれる水の量を低減させた固形物1を、第2のダイ4を通して引き抜き加工してもよい。
第1の製造方法では、含まれる水の量を低減させた固形物1を連続的に第2のダイ4に通してもよく、この場合、フィブリル構造を有するPTFE長繊維を製造できる。
固形物1を、第2のダイ4を通して引き抜き加工した後に、PTFEの融点以上の温度にして焼結(焼成)させてもよく、この場合、引張強度、弾性率などの機械的特性をより向上できる。
このような第2のダイによる固形物1の引き抜き加工は、第1のダイによる引き抜き加工とは別個に単独で行うことも可能である。即ち、本発明のPTFE繊維の製造方法(第2の製造方法)は、紐状のPTFE含有固形物(第2の固形物)を、ダイを通して引き抜き加工することにより、第2の固形物中のPTFEをフィブリル化させるとともに第2の固形物を細径化する方法である。
第2の固形物は、例えば、上述した水および界面活性剤を内包するPTFE含有固形物(第1の固形物)から、当該固形物に含まれる水の量を低減させて得た固形物(第2の固形物)であってもよい。
第1の固形物を後述する方法により形成した場合、当該第1の固形物に含まれる水の量を低減させて得た第2の固形物は、PTFE粒子が結着した構造を有し、典型的には、紐状の固形物におけるその外周面近傍の部分(スキン層)に上記構造を有する。
第2の製造方法に用いるダイは、第1の製造方法に用いる第2のダイ4と同様の形状であればよい。
その他、第2の製造方法は、第1の製造方法における第2のダイ4を用いた引き抜き加工と同様に行えばよく、例えば、紐状の第2の固形物を、当該固形物およびダイから選ばれる少なくとも一方を加熱した状態で、ダイを通して引き抜き加工することが好ましい。この場合、固形物中のPTFEのフィブリル化を促進できる。
上述した各方法に用いるPTFE含有固形物(第1の固形物)は、例えば、PTFE粒子と、界面活性剤と、分散媒である水とを含むPTFE粒子の分散液に、当該粒子が互いに接近または接触する力を加えることにより形成できる(方法1)。なお、方法1は、特許文献5に開示されている方法である。
また例えば、第1の固形物が内包する界面活性剤が非イオン性界面活性剤である場合、第1の固形物は、PTFE粒子と、非イオン性界面活性剤と、分散媒である水とを含むPTFE粒子の分散液に機械的な力を加えて当該粒子同士を衝突させ、衝突の際に生じる熱により分散液の温度を上昇させるとともに、分散液の温度にして(T−30)℃以上の温度域においてPTFE粒子同士を結着させて形成できる。ここで、T(℃)は、非イオン性界面活性剤の曇点である(方法2)。
第1の固形物は、上記例示するその形成方法から明らかであるように、PTFE粒子が結着して形成された凝集物であるともいえる。
方法1、2により形成された第1の固形物は、自己形状保持性および変形性を有し、基本的に、乾燥または焼成されるまでは任意の形状に変形可能である。この固形物は、破壊することなく変形可能な範囲が大きいという点にも特徴を有する。
方法1、2により形成された第1の固形物は、水中で分散しない程度にPTFE粒子が結着してなり、水により希釈されることがない。このため、第1の固形物は、水中において第1のダイを通して引き抜き加工することができる。
方法1、2により形成された第1の固形物は、含まれる水の量の減少による再粒子化が起きない程度にPTFE粒子が結着してなり、例えば、形成した固形物を乾燥させたとしても粒子には戻らない。このため、第1の固形物は、含まれる水の量を減少させた後、第2のダイを通して引き抜き加工できる。
方法1、2により、このような固形物が得られる理由は明確ではないが、おそらく、分散液中の界面活性剤の作用により、PTFE粒子同士が互いに結着してなるPTFE相と水相とが混在する構造が形成されるためではないかと考えられる。
特に、方法2では、機械的な力の分散液への印加によりPTFE粒子同士の衝突が起きるとともに、分散液の温度が特定の温度域に入ることで分散液に含まれる界面活性剤の特性が変化して、PTFE相がある程度連続して形成される機構が考えられる。また、このようなPTFE相の形成には、PTFEが、他のフッ化熱可塑性樹脂とは異なり、その融点以下の温度域においても互いに結着可能であることも寄与していると考えられる。
方法2の出発物質であるPTFE粒子の分散液は非イオン性界面活性剤を含む。非イオン性界面活性剤は、通常、曇点T(℃)を有する。曇点において非イオン性界面活性剤の特性は大きく変化し、例えば、曇点以上の温度域において、その界面活性剤としての機能が失われる。また、曇点において非イオン性界面活性剤を含む水性溶液の特性も大きく変化し、例えば、曇点においてPTFE相と水相とに分離する、などの変化を示す。
方法2では、分散液の温度にして(T−30)℃以上の温度域においてPTFE粒子同士を結着させるが、分散液の温度にして、(T−10)℃以上の温度域、(T−5)℃以上の温度域、あるいは、(T−3)℃以上の温度域、においてPTFE粒子同士を結着させてもよい。上記の順に、得られた第1の固形物の機械的特性(例えば、引張強度)を向上でき、当該固形物から形成したPTFE繊維の機械的特性を向上できる。
方法2では、分散液の温度にして、T℃以上の温度域においてPTFE粒子同士を結着させてもよい。
方法2では、PTFE粒子同士を衝突させ、衝突の際に生じる熱により分散液の温度を上昇させるとともに、分散液の温度を特定の温度域にすることで上記固形物を得ているが、分散液の温度を上記特定の温度域とするために、粒子の衝突以外の熱源、例えば、加熱装置などの何らかの熱源を利用してもよい。
方法1、2において、分散液に機械的な力を加える方法は特に限定されず、例えば、以下に示す方法を用いればよい。
A.分散液をチャンバーに供給し、当該チャンバー内において上記力を加える。
B.分散液をターゲットに噴射することにより、上記力を加える。
C.分散液を、分散液の流路に配置された、分散液の流れを妨げるバリアに接触させることで、上記力を加える。
方法Aでは、分散液の供給に伴ってチャンバー内に生じる圧力により、PTFE粒子同士をより確実に衝突させることができる他、粒子同士の衝突により生じた熱エネルギーを、分散液の温度を上昇させるためにより効率よく利用できる。また、方法Aでは、後述するように、チャンバー内で形成された固形物を排出する管体(第1の管体)を接続でき、紐状の第1の固形物の形成がより容易となる。
方法Aでは、チャンバーに供給した分散液を、チャンバー内で噴射したり(方法A1)、チャンバー内に設けられた狭窄部を通過させたり(方法A2)すればよい。
方法A1では、分散液を、例えば、チャンバーの内壁またはチャンバー内の物体に向けて噴射すればよい。分散液を当該内壁または物体に衝突させることにより、粒子が有する運動エネルギーを熱エネルギーに転換させて、分散液の温度を上昇できる。
方法A1では、チャンバーの構造や形状、分散液の噴射条件などによっては、分散液とチャンバー内で形成された固形物とを衝突させることも可能である。この場合、PTFE粒子が互いに結着してなるPTFE相をより確実に形成できるとともに、分散液の温度をより確実に上昇できる。
分散液の噴射は、噴射口を有するノズルから行えばよく、ノズルの構造や形状、例えば、噴射口の形状は、自由に設定できる。方法Bにおいても同様に、噴射口を有するノズルから分散液を噴射すればよい。なお、方法Bにおけるターゲットは自由に設定できるが、噴射した分散液の飛散を抑制し、噴射する分散液の量に対して得られる固形物の量の割合を多くするためには、ターゲットが配置される空間の密閉度が高い方が好ましい。
分散液を噴射する圧力は、分散液におけるPTFE粒子の含有率、界面活性剤の含有率、チャンバーの形状や内容積などにより自由に設定すればよいが、当該圧力が過小である場合、第1の固形物を得ることが困難となることがある。
方法A2では、分散液を通過させる狭窄部の形状は特に限定されず、例えば、スリット状であればよい。
分散液を2以上の供給路を経由させてチャンバーに供給し、当該2以上の供給路から供給される分散液をチャンバー内で互いに衝突させてもよい(方法A3)。
分散液をチャンバー内で互いに衝突させるためには、例えば、分散液を、上記2以上の供給路における各々の末端に配置されたノズルから噴射すればよい。このとき、少なくとも2つのノズルを、各々の噴射方向が交わるようにチャンバー内に配置することにより、より効率よく、分散液を互いに衝突させることができる。
方法Cでは、分散液を、例えば、上記バリアを有する管体(第2の管体)に供給して上記力を加えればよい。分散液が、その流路(第2の管体)に配置されたバリアを通過する際に、分散液の流れが乱されたり、部分的に分散液が滞留したりして、分散液中に圧力の不均衡が発生し、PTFE粒子同士が互いに衝突する力が分散液に加えられるとともに分散液の温度を上昇できる。
バリアは、例えば、第2の管体の内部に流路を狭めるように配置された板状部材であってよい。また、バリアは、第2の管体を屈曲させ、またはその内径を部分的に細くすることによっても形成できる。即ち、バリアは、第2の管体の屈曲部または狭窄部であってもよく、この場合、方法Cは、分散液を屈曲部または狭窄部を有する第2の管体に供給し、当該屈曲部または狭窄部において上記力を加える方法である、ともいえる。
分散液を上記第2の管体に供給する場合、分散液をノズルから噴射して供給してもよく、この場合、PTFE粒子同士が衝突する力を分散液に効率よく加えることができる。噴射に用いるノズルは方法A1と同様であればよく、当該ノズルから分散液を噴射する圧力は、分散液におけるPTFE粒子の含有率、界面活性剤の含有率、第2の管体の形状などにより自由に設定すればよい。
方法Cでは、第2の管体の構造や形状、分散液の供給条件などによっては、分散液と、第2の管体内で形成された固形物とを衝突させることも可能である。
第2の管体の形状、内径、長さ、ならびに、屈曲部および狭窄部の形状などは特に限定されない。
第2の管体を用いる場合、紐状の第1の固形物の形成がより容易となる。
方法A1〜A3、方法Bおよび方法Cは、PTFE粒子の分散液に上記力を加える方法の一例であり、方法1、2は、上記各例に示す方法を用いる場合に限定されない。
形状や内容積を含め、分散液に上記力を加えるためのチャンバーの構成は特に限定されないが、市販の装置(例えば、スギノマシン製アルティマイザー)を応用してもよい。アルティマイザーは、本来、顔料、フィラー、触媒などの各種材料の粉砕、微粒化を行う微粒化分散装置であり、PTFE含有固形物を得るための応用は、本発明者が見出したものである。
チャンバーの一例を図4に示す。図4に示すチャンバー21は、その内部空間22の形状が、底面付近の周縁部が切り取られた略円錐状であり、当該周縁部に、分散液を噴射する一対のノズル23a、23bが、その噴射口が内部空間22に面するように配置されている。ノズル23a、23bは、各々の噴射方向24a、24bが互いに交わる位置関係にある。ノズル23a、23bには、チャンバー21の構造体25の内部に形成された供給路26a、26bを経由して、供給口27から分散液を供給できる。略円錐状である内部空間22の頂点付近には、チャンバー21内(内部空間22内)で形成された固形物を排出する排出口28が形成されている。排出口28の形状は特に限定されず、例えば、円形状であればよく、この場合、チャンバー21から、断面が円形である紐状の第1の固形物を排出できる。
図4に示すチャンバー21では、加圧した分散液を供給口27および供給路26a、26bを介してノズル23a、23bに供給することにより、分散液を内部空間22内に噴射し、互いに衝突させることができる(方法A3を実現できる)。また、同様の構造を有するチャンバー21を用い、配置するノズルを1つにしたり、あるいは、ノズル23a、23bの噴射方向24a、24bを制御することにより、分散液を内部空間22内に噴射し、チャンバー21の内壁(内部空間22の壁面)に衝突させることができる(方法A1を実現できる)。
チャンバー21は密閉可能な構造であることが好ましく、チャンバー21を必要に応じて密閉することにより、より効率的に分散液に力を加えることができる。チャンバー21には、必要に応じて、内部空間22内の圧力を調整するための圧力調整口が設けられていてもよく、圧力調整口には、例えば、圧力調整弁が配置されていればよい。以降の図5〜図7に示すチャンバー21においても同様である。
加圧した分散液をノズル23a、23bに供給する方法は特に限定されず、例えば、高圧ポンプによって加圧した分散液を供給口27から供給すればよい。図5に示すようなチャンバー21を用い、分散液とポンプにより加圧した水(加圧水)とを、ノズル23a、23bの直前に設けられた混合弁29へ、互いに異なる供給路を経由して供給し、混合弁29で両者を混合した後に、ノズル23a、23bに供給してもよい。図5に示すチャンバー21では、加圧水は供給口27および供給路26a、26bを介して、分散液は供給口37a、37b、および、供給路36a、36bを介して、それぞれ混合弁29に供給される。
チャンバーの別の一例を図6に示す。図6に示すチャンバー21では、その内部空間22の一方の端部に、自在に回転可能な球体30が配置されており、他方の端部に、分散液を噴射するノズル23が、その噴射口が内部空間22に面するように配置されている。ノズル23と球体30とは、ノズル23の噴射方向24が球体30と交わる位置関係にある。ノズル23には、チャンバー21の構造体25の内部に形成された供給路26を経由して、供給口27から分散液を供給できる。内部空間22におけるノズル23と球体30との間の壁面には、チャンバー21内(内部空間22内)で形成された固形物を排出する排出口28が形成されている。
図6に示すチャンバー21では、加圧した分散液を供給口27および供給路26を介してノズル23に供給することにより、分散液を内部空間22内に噴射して、チャンバー21内に配置された部材である(チャンバー21内の物体である)球体30に衝突させることができる(方法A1を実現できる)。このとき、ノズル23の噴射方向24が球体30の中心から外れるようにノズル23および球体30を配置することにより、分散液の噴射によって球体30を回転させることができ、分散液の衝突によるチャンバー21内部の摩耗を抑制できる。
球体30には、分散液の衝突によって変形しない材料を用いることが好ましく、例えば、セラミック、金属(高い硬度を有する合金類が好ましい)、ダイヤモンドなどからなる球体30とすればよい。
チャンバーの別の一例を図7に示す。図7に示すチャンバー21では、円筒状の外周体31の内部に、一対の中子32a、32bが収容されている。中子32a、32bは、各々、円柱体の一方の端面に円錐台が接合された形状を有しており、各々の中子における円錐台の上面33a、33bが、一定の間隔dを置いて互いに対向するように配置されている。外周体31および中子32a、32bの中心軸は、ほぼ同一である。外周体31の一端には、分散液を供給する供給口27が形成されており、供給口27に近い中子32aの外径は、外周体31の内径よりも小さく、供給口27から遠い中子32bの外径は、外周体31の内径と同一である。また、中子32bには、その上面33bにおける中央部から中子32bの内部を通り、チャンバー21の外部へ通じる排出路34が形成されている。中子32aは、支持部材(図示せず)を介して、外周体31により支持されている。
中子32a、bの位置を調整し、間隔dの値を適切に制御することにより、上面33a、33b間の空隙35をスリット状の狭窄部とすることができ、加圧した分散液を供給口27からチャンバー21に供給することにより、分散液を、チャンバー内に配置された狭窄部(空隙35)を通過させることができる(方法A2を実現できる)。分散液は空隙35を通過した後に排出路34に流入し、チャンバー21の排出口28から、第1の固形物として排出される。
供給する分散液の圧力(供給圧)は、チャンバーの形状や内容積、間隔dの大きさ、供給する分散液の量などにより自由に設定すればよいが、供給圧が過小である場合、第1の固形物を得ることが困難となることがある。
図4〜図7に示す各チャンバー21において、排出口28に管体(第1の管体)を接続し、当該接続された管体から、管体の内壁全体と接触させながら第1の固形物を排出することが好ましい。排出口28から排出された第1の固形物が第1の管体を通過する際に、PTFE粒子同士を結着させる力をさらに加えることができ、より自己形状保持性に優れ、強度などの機械的特性が向上した固形物を得ることができる。また、第1の管体の接続により、紐状の第1の固形物の形成がより容易となる他、PTFE粒子同士が結着したスキン層を外周面近傍に有する紐状の第1の固形物を形成できる。なお、管体の内壁全体と接触させながら第1の固形物を排出するためには、排出口28の形状や径、管体の形状や内径、長さなどを選択すればよい。
接続する第1の管体の形状、内径、長さなどは特に限定されず、チャンバー1の形状や内容積、チャンバー1に供給する分散液の量などに応じて、自由に設定できる。基本的に、管体が長いほど、得られる固形物の自己形状保持性や機械的特性が向上する傾向を示すため、管体の最小内径よりも、管体の長さが大きいことが好ましい。一例として、分散液の処理速度が0.1〜0.5L/min程度の場合、チャンバー21に接続する管体の内径は1mm〜10mm程度の範囲、管体の長さは1mm〜5000mm程度の範囲であってもよい。なお、図7に示すチャンバー1では、排出路34の形状によっては、排出路34が上記管体の役割を担うこともできる。
より効率よく固形物に力を加えるためには、第1の管体の最小内径が、排出口28の径以下であることが好ましい。また、排出口28から離れるに従い、内径が次第に変化する(即ち、内面がテーパー状の)管体であってもよく、この場合、内径が、排出口28から離れるに従い次第に小さくなることが好ましい。
方法1、2では、得られる第1の固形物の形状の自由度を高くでき、例えば、1mmを超え5cm以下程度の平均径を有する紐状の固形物を形成できる。
方法1または2により、紐状の固形物を形成する場合、その平均径は、例えば、排出口28の径、排出口28に接続される上記第1の管体の(最小)内径、あるいは、第2の管体の(最小)内径などを選択することにより、調整できる。
方法1、2では、分散液に連続的に上記力を加えることにより、連続的に第1の固形物を得ることができる。即ち、第1の固形物を、バッチ生産法ではなく、連続生産法により形成できる。このためには、例えば、分散液を、図4〜図7に示すチャンバー21に連続的に供給し、チャンバー21から固形物を連続的に排出すればよい。また例えば、分散液を方法Cで用いる第2の管体に連続的に供給し、第2の管体から第1の固形物を連続的に排出すればよい。
本発明の第1の製造方法では、このように連続的に形成した固形物を、連続的に第1のダイを通すことにより、出発物質であるPTFE分散液からPTFE繊維を連続的に製造できる。
同様に、本発明の第2の製造方法では、このように連続的に形成した固形物を、連続的にダイを通すことにより、出発物質であるPTFE分散液からフィブリル構造を有するPTFE繊維を連続的に製造できる。
なお、方法1、2では、チャンバーまたは管体を、供給口および排出口以外には物質が出入りする開口がない構造とすれば、チャンバーまたは管体に供給される分散液の質量と、チャンバーまたは管体から排出される第1の固形物との質量とを、実質的に同一とすることができる。このような連続製造の初期段階では、おそらくは分散液に十分な力が加わらないために、チャンバーなどから液体が排出されることがある。しかし、初期段階を脱し、分散液に十分な力が加わる安定した状態が一度達成されれば、その後、分散液はその全量が第1の固形物へと変化する。これ以降、排出された第1の固形物からの蒸発により失われる微量の水などを除けば、供給される分散液と形成された第1の固形物とは同じ質量となる。このように、方法1、2では、固形分を含む液相の原料(分散液)の実質的に全てを固相一相の固形物(第1の固形物)へと変化させることができる。このため、方法1、2により第1の固形物を形成することで、効率に優れるPTFE繊維の製造方法とすることができる。
分散液におけるPTFE粒子の含有率は特に限定されないが、自己形状保持性と変形性とのバランスに優れる第1の固形物を形成するためには、例えば、その下限が40質量%以上であればよく、40質量%を超えることが好ましく、45質量%を超えることがより好ましく、50質量%以上、55質量%以上の順にさらに好ましい。また、分散液におけるPTFE粒子の含有率の上限は、分散液としての安定性および上記と同様の理由から、例えば、70質量%以下であればよく、65質量%以下がより好ましい。
分散液に力を加える方法、条件などにもよるが、基本的に、分散液におけるPTFE粒子の含有率が大きくなるに従い、形成される第1の固形物の自己形状保持性が向上し、PTFE粒子の含有率が小さくなるに従い、形成される第1の固形物の変形性が向上する傾向を示す。
PTFE粒子の平均粒径は、通常、0.1μm〜40μmの範囲であり、0.2μm〜1μmの範囲が好ましい。
分散液における界面活性剤の含有率は特に限定されないが、自己形状保持性と変形性とのバランスに優れる第1の固形物を得るためには、0.01質量%〜15質量%の範囲が好ましく、0.1質量%〜10質量%の範囲、1質量%〜9質量%の範囲、1.5質量%〜9質量%の範囲、および、2質量%〜7質量%の範囲の順に、より好ましい。界面活性剤の含有率が好ましい範囲にあれば、PTFE相と水相との分離を抑制しながら第1の固形物を得ることが容易になる。
方法1では、界面活性剤の種類は特に限定されない。また、方法2では、界面活性剤の種類は非イオン性である限り特に限定されず、例えば、方法1、2ともに、界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、グリセリン脂肪酸エステルなどを用いればよい。
方法1、2のそれぞれにおいて、100℃からPTFEの融点程度の温度範囲において分解する界面活性剤を用いることが好ましい。この場合、得られた第1の固形物あるいは第2の固形物を、界面活性剤の分解温度以上に加熱したダイに通して引き抜き加工することにより、形成するPTFE繊維に残留する界面活性剤の量を低減できる。
分散液として、市販されているPTFEディスパージョンを用いてもよい。市販のPTFEディスパージョンとしては、例えば、旭硝子社製(元:旭硝子フロロポリマーズ社製)AD938、AD911、AD912、AD1、AD639、AD936などのADシリーズ、ダイキン工業社製D1、D2、D3などのDシリーズを用いればよい。これら市販のPTFEディスパージョンは、通常、非イオン性界面活性剤を含んでいる。
分散液は、PTFE粒子、水および界面活性剤以外の物質を含んでいてもよい。
以下、実施例により、本発明をより詳細に説明する。本発明は、以下に示す実施例に限定されない。
最初に、PTFE含有固形物(第1の固形物)の形成方法の例を、形成例として示す。
(形成例1)
形成例1では、分散液に、市販のPTFEディスパージョンである旭硝子社製AD938(PTFE粒子の含有率60質量%、PTFE粒子の平均粒径0.3μm、界面活性剤の含有率3質量%)を用い、図4に示すチャンバー21を用いて紐状の第1の固形物を形成した。AD938に含まれる界面活性剤の種類は、非イオン性界面活性剤であり、その曇点は約60℃である。
チャンバー21の内部空間2の容積(チャンバー21の内容積)は200cm3とし、チャンバー内に、円形の噴射口(0.25mmφ)を有する一対のノズル23a、23bを配置した。ノズルの先端における噴射口が形成された部分には、ダイヤモンドを用い、各々のノズルの噴射方向24a、24bが交わるようにノズル23a、23bを配置した。排出口28(円形、径10mm)には、断面の形状が円形である内径1.6mm、長さ1000mmの管体(第1の管体)を接続した。
このようなチャンバー1に上記分散液(液温25℃)を供給し、ノズル23a、23bから分散液を噴射させた。分散液の供給量を約0.5L/分、分散液の噴射圧を200MPaとした。チャンバー21、および、分散液に対する加熱は特に行わなかった。
噴射開始から十数秒後、管体の先端から、紐状(円柱状)のPTFE含有固形物(直径2mm)が排出され、排出された固形物は、水と界面活性剤とを内包し、支持体による支持なしに自らの形状を保持可能であった。
管体の先端から排出された固形物の温度を測定したところ、噴射開始から40秒程度経過した後に約70℃で安定した。チャンバー21内における固形物が形成された分散液の温度はこの温度以上であると考えられ、即ち、この実験では、分散液の温度にして70℃以上の温度域においてPTFE粒子同士の結着が行われたと考えられる。
同様の実験を、ノズルの噴射口の径を0.05mmφ〜0.5mmφの範囲、分散液の噴射圧を30MPa〜300MPaの範囲、分散液の供給量を0.3L/分〜10L/分の範囲で、それぞれ変化させて行ったところ、上記と同様に、紐状の第1の固形物を形成できた。
(形成例2)
形成例2では、分散液に旭硝子社製AD938を用い、図8に示す管体(第2の管体)41を用いて紐状の第1の固形物を形成した。管体41は、分散液の流れを妨げるバリアとして、L字状の屈曲部43と内径が変化した狭窄部49とを有する。狭窄部49よりも上流側の管体41の内径は10mm、狭窄部49よりも下流側の管体41の内径は2mmとした。狭窄部49の位置は、管体41の一方の端部(出口側の端部)42から200mmとし、屈曲部43の位置は、管体41の他方の端部(入口側の端部)44から170mmとした。
このような管体41と、分散液の供給路46の末端に配置されたノズル45(円形の噴射口(0.15mmφ)を有する)とを、ノズル45が管体41の中心軸上に位置し、管体41の他方の端部44とノズル45との距離が5mmとなるように互いに配置した後(図8参照)、ノズル45から分散液を管体41の内部に噴射させた。ノズル45への分散液の供給量を約0.5L/min、分散液の液温を25℃とし、分散液の噴射圧を200MPaとした。管体41および分散液に対する加熱は特に行わなかった。
噴射開始から数秒後、管体41の端部42から、紐状のPTFE含有固形物(直径2mm)が排出され、排出された固形物は、水と界面活性剤とを内包し、支持体による支持なしに自らの形状を保持可能であった。
管体の端部から排出された固形物の温度を測定したところ、噴射開始から40秒程度経過した後に約70℃で安定した。
同様の実験を、分散液の噴射圧を200MPa〜240MPaの範囲で変化させて行ったところ、上記と同様に、紐状の第1の固形物を形成できた。
同様の実験を、分散液におけるPTFE粒子の含有率を変化させて行ったところ、当該含有率を54質量%および48質量%とした場合においても、上記と同様に、紐状の第1の固形物を形成できた。
同様の実験を、図9に示す管体(第2の管体)51、および、図10に示す管体(第2の管体)61を用いて行った場合においても、上記と同様に、紐状の第1の固形物を形成できた。
なお、管体51は、分散液の流れを妨げるバリアとして、その一方の端部42の近傍にT字状の屈曲部47を有する。管体51の内径は10mm、長さ(一方の端部42から他方の端部44までの長さ)は200mmとし、屈曲部47の位置は管体51の一方の端部42から30mmとした。
管体51を用いた場合、端部42からは紐状のPTFE含有固形物が排出されたが、端部42とともに「T字」の開放端部を構成する端部48からは、紐状のPTFE含有固形物は排出されなかった。上記実験を複数回行ったところ、それぞれの場合において、端部42または端部48のいずれか一方の端部のみから紐状のPTFE含有固形物が排出された。
管体61は、分散液の流れを妨げるバリアとして、その長さ方向の中央部に、内径が変化した狭窄部49を有する。管体61の長さは400mmとし、一方の端部42から長さ200mmの範囲の内径を2mm、他方の端部から長さ200nmの範囲の内径を10mmとした。即ち、管体61では、狭窄部49において、その内径が10mmから2mmへと変化することになる。
(実施例1)
最初に、形成例1と同様にして紐状の第1の固形物を形成した。ただし、チャンバー21の内容積を30cm3とし、その排出口28には、断面の形状が円形である内径1.6mm、長さ200mmの第1の管体を接続して、直径2mmの紐状(円柱状)の第1の固形物を形成した。
次に、このように形成した紐状の固形物に対し、90℃の温水中において、吐出口の径が異なる3つの第1のダイを、当該径が大きい順に並べて引き抜き加工を施したところ、1つめのダイにより固形物の直径を1.2mmへ、以下、2つめのダイにより750μmへ、3つめのダイにより500μmへ、と段階的に固形物を細径化でき、全体にわたってほぼ均一な直径を有する白色の繊維とすることができた。
なお、各ダイには、ポリプロピレンからなるピペットチップ(Quality Scientific Plastics社製、111−Q 1000μL用)を用い、固形物は、各々のチップの先端に設けられた開口部から引き抜いた。各々のチップにおける開口部近傍の内部空間の形状、即ち、固形物が接触する空間の形状、は、ほぼ円錐状であり、その円錐の中心軸と円錐面の母線との成す角度であるダイス角αは約7°であった。1つめのダイとしたピペットの上記開口部の径、即ち、1つめのダイの吐出口の径は1.2mmとし、同様に、2つめのダイの吐出口の径は750μm、3つめのダイの吐出口の径は500μmとした。即ち、ダイの吐出口の径と、当該吐出口から引き抜かれた固形物の径とは、ほぼ同じであった。開口部の径は、上記ピペットの先端を切断することにより調整した。固形物の引き抜き速度は、17.3m/分とした。
引き抜き加工前の固形物の断面(伸長方向に垂直な断面)における表面(外周面)近傍の走査型電子顕微鏡(SEM)像を図11に、当該断面における中心付近のSEM像を図12に示す。図11に示すように、この固形物の外周面近傍の部分では、PTFE粒子が互いに結着した構造を有するスキン層が形成されていた。一方、図12に示すように、その中心付近では、PTFE粒子が比較的元の形状(分散液中における形状)を保っていた。各々のSEM像は、固形物を乾燥後、凍結破断させた状態で撮影したが、固形物が水を含んでいる状態では、図12に示す粒子間には水および界面活性剤が安定して含まれていると考えられ、このような構造が、第1の固形物の変形性の発現に寄与していると考えられる。
引き抜き加工前の固形物、ならびに、引き抜き加工により形成した繊維に対して引張試験を実施して、上記固形物および繊維のS−S曲線(ストレス−ストレイン曲線)を測定し、それぞれの最大引張強度および弾性率を評価した。S−S曲線は、島津製作所製オートグラフAG−1を用い、引張力を1N、引張速度を20mm/分、チャック間距離を20mm、測定雰囲気を22℃として測定した。当該試験において、固形物および繊維を引っ張る方向は、各々の伸長方向とした。なお、この評価は、固形物および繊維が水を含んだ状態で行った。評価結果を以下の表1に示す。
表1に示すように、紐状の第1の固形物の引き抜き加工により、当該固形物を細径化して繊維とすることができただけではなく、その最大引張強度および弾性率を向上できた。最大引張強度および弾性率を向上できた理由は明確ではないが、第1のダイとして用いたピペットチップにより、固形物にせん断応力が加えられるとともに固形物が細径化され、PTFE粒子の結着が進むとともに、形成した繊維の断面におけるスキン層の割合が、引き抜き加工前の固形物の断面におけるスキン層の割合に比べて増大できたためではないかと考えられる。なお、形成した繊維の断面をSEMにより観察したところ、その中心付近に、PTFE粒子が多数確認できた。
次に、このように形成した繊維を自然乾燥させた後、320℃において、図13に示す断面形状を有する金属製の第2のダイ4を用いて引き抜き加工を施したところ、繊維の直径を300μmへとさらに細径化できた。なお、図13に示すダイ4におけるその内部の面(繊維が接触する面)の一部は、繊維の伸長方向を中心軸とし、繊維が引き抜かれる方向を頂点とする円錐の円錐面であり、当該円錐の中心軸と円錐面の母線とが成す角度であるダイス角αは約30°であった。また、引き抜き加工は、ダイ4の温度を320℃とし、引き抜き速度を0.8m/分として行った。ダイ4における繊維の吐出口14の径は500μmとした。
第2のダイ4による引き抜き加工後の繊維の断面(伸長方向に平行な断面)のSEM像を図14に示す。図14に示すように、第2のダイ4による引き抜き加工により、繊維に含まれるPTFEをフィブリル化でき、フィブリル構造を有するPTFE繊維を形成できたことがわかった。また、当該断面においてPTFE粒子はほとんど確認されず、わずかに見られた粒子は、互いに集合し、いわゆる「ノード」を形成していた。なお、フィブリルの伸長方向と繊維の伸長方向とはほぼ平行であった。
第2のダイ4による引き抜き加工後の繊維の最大引張強度および弾性率を、引張速度を50mm/分とした以外は、上記方法により評価したところ、それぞれ、27MPaおよび568MPaであり、引き抜き加工前の繊維に比べて、大幅にその機械的特性を向上できた。
上記評価とは別に、第2のダイ4による引き抜き加工後の繊維に対して広角X線回折像を測定した。測定は、広角X線回折装置(リガク社製)を用い、CuKα線(波長:0.1542nm)を上記繊維に照射して、その回折像を平板フィルムに撮影して行った。X線の照射方向は、上記繊維の繊維軸に対して垂直方向とし、照射時間は1.5時間とした。測定結果を図15に示す。図15に示すように、引き抜き加工後の繊維では、繊維中に形成されたPTFEのフィブリルに基づくと考えられる、強い配向性のピークが確認された。このような配向性のピークは、第2のダイ4による引き抜き加工前の繊維では確認できなかった。
次に、第2のダイ4による引き抜き加工後の繊維に対し、1cmあたり15回の依りを加えた後に380℃で2分間焼成し、焼成後の繊維の最大引張強度および弾性率を上記方法により評価した。結果、引張強度が160MPa、弾性率が4300MPaと、その機械的特性をさらに向上することができた。
(実施例2)
最初に、形成例2と同様にして第1の固形物を形成した。ただし、管体41の端部42に、内径1.6mmの金属配管を接続して、直径2mmの紐状(円柱状)の第1の固形物を形成した。
次に、このように形成した紐状の固形物に対し、70℃の温水中において、吐出口の径が異なる4つの第1のダイを、当該径が大きい順に並べて引き抜き加工を施したところ、1つめのダイにより固形物の直径を1.55mmへ、2つめのダイにより1.2mmへ、3つめのダイにより930μmへ、4つめのダイにより500μmへと、段階的に固形物を細径化でき、全体にわたってほぼ均一な直径を有する白色の繊維とすることができた。
なお、各ダイには、実施例1で用いたピペットチップを用い、固形物は、各々のチップにおける先端の開口部から引き抜いた。各ダイに用いたピペットチップにおける上記開口部の径、即ち、各ダイの吐出口の径、は、ピペットチップの先端を切断することにより調整した。
この引き抜き加工とは別に、40℃の温水中、および、100℃の温水中において、同様の引き抜き加工を行ったところ、それぞれの場合においても上記と同様に、段階的に固形物を細径化できた。ただし、40℃の温水中では、吐出口の径が異なる2つの第1のダイを、当該径が大きい順に並べて引き抜き加工し、100℃の温水中では、吐出口の径が異なる3つの第1のダイを、当該径が大きい順に並べて引き抜き加工した。なお、温水の温度が高い方が、より小さい力で固形物を引き抜くことができた。
温水の温度を変化させたそれぞれの引き抜き加工において、各ダイを通った時点における固形物および繊維の最大引張強度および弾性率を、実施例1と同様の方法により評価した。評価結果を図16、17に示す。
図16に示すように、引き抜き加工によって固形物を細径化するごとに、形成された固形物(繊維)の最大引張強度および弾性率を向上できた。また、その値は、固形物(繊維)の直径が1mm以下で特に大きくなる傾向を示し、この傾向は、温水の温度にはあまり影響を受けなかった。
次に、温水の温度を70℃とした引き抜き加工により、径が750μmの繊維を形成し、その最大引張強度および弾性率、ならびに、破断伸びを、実施例1と同様の方法により測定した当該繊維のS−S曲線から評価した。また、形成した繊維を120℃で乾燥させた後、380℃で2分間焼成し、焼成後の最大引張強度、弾性率および破断伸びを、上記と同様に評価した。評価結果を以下の表2に示す。
表2に示すように、焼成により、繊維の最大引張強度、弾性率および破断伸びを大きく向上できた。即ち、引き抜き加工と焼成とを組み合わせることにより、繊維の機械的特性とを制御できることがわかった。
(実施例3)
最初に、実施例1と同様にして、直径2mmの紐状(円柱状)の第1の固形物を形成し、当該固形物を吐出口の径が異なる2つの第1のダイにより90℃の温水中で引き抜き、細径化して、およそ750μmのほぼ均一な直径を有する白色の繊維を得た。
次に、このように形成した繊維を自然乾燥させた後、図13に示す断面形状を有する金属性の第2のダイ4(吐出口14の径が500μm)を用い、ダイ4の温度を変化させながら(25℃、70℃、100℃、150℃、200℃、250℃および300℃)引き抜き加工を施した。この引き抜き加工によって得られた繊維の断面(伸長方向に平行な断面)のSEM像を、各ダイ4の温度ごとに、図18〜図24に示す。なお、引き抜き速度は0.8m/分とした。
図18〜図24に示すように、ダイ4の温度、即ち、引き抜き温度に関わらず、PTFEのフィブリルを形成することができたが、ダイ4の温度を150℃以上とした場合に、より多くのフィブリルを形成することができた。特に、ダイ4の温度を300℃以上とした場合には、繊維中にPTFE粒子はほとんど観察されず、全体にわたってフィブリル構造を形成できた。
なお、自然乾燥後の繊維に対してDMA測定(動的熱機械測定)を行ったところ、150℃近傍に、PTFEの無定型部分における比較的長い主鎖のミクロブラウン運動に対応すると考えられる複素弾性率の変曲点が観察され、このようなPTFEの特性が、150℃以上の引き抜き温度においてフィブリル化が促進される原因となっている可能性がある。
(実施例4)
最初に、実施例1と同様にして、直径2mmの紐状(円柱状)の第1の固形物を形成し、当該固形物を吐出口の径が異なる2つの第1のダイにより90℃の温水中で引き抜き、細径化して、およそ750μmのほぼ均一な直径を有する白色の繊維を得た。
次に、このように形成した紐状の固形物を自然乾燥させた後、乾燥後の固形物に対し、図13に示す断面形状を有する金属性の第2のダイ4(吐出口14の径が500μm)を用い、固形物を引き抜く速度を変化させながら(0.8m/分および3.4m/分)引き抜き加工を施した。引き抜き後の繊維径は、それぞれ382μmおよび318μmであった。各引き抜き速度における引き抜き加工後の繊維の断面(伸長方向に平行な断面)のSEM像を、図25、26に示す。なお、ダイ4の温度は320℃とした。
図25、26に示すように、引き抜き速度の条件によらず形成されたフィブリルの長さはほぼ同じ(約10.5μm)であったが、引き抜き速度が小さい方がPTFEのノードの面積が大きく、かつ、その数が少なくなった。
(実施例5)
最初に、形成例2と同様にして、直径2mmの紐状(円柱状)の第1の固形物を形成した。
次に、このように形成した紐状の固形物を自然乾燥させた後、乾燥後の固形物に対し、図13に示す断面形状を有する金属性の第2のダイ4(吐出口14の径が1mm)を用いて、引き抜き加工を施した。引き抜き後の繊維の直径は910μmであった。引き抜き加工後の繊維の断面(伸長方向に平行な断面)のSEM像を、図27に示す。なお、引き抜き速度は0.8m/分とし、ダイ4の温度は320℃とした。
図27に示すように、固形物の径が2mmと大きい場合においても、引き抜き加工を施し、フィブリル構造を有する繊維を形成できた。
(比較例)
PTFEファインパウダー(旭・ICIフロロポリマーズ社製、フルオンCD−123)100重量部と、成形助剤としてナフサ17重量部とを均一に混合して、押出成形用のPTFEペーストを形成した。次に、形成したPTFEペーストを、内部の空間の形状が円錐状であり、この円錐の頂点近傍に位置する700μm径の吐出口を有するダイを通して繊維状に押出成形しようと試みたが、上記吐出口からペーストを押し出すことはできなかった。
本発明によれば、PTFE繊維を、エマルジョン紡糸法のようにマトリックス材を用いることなく製造できるとともに、スリットヤーン法を含む従来の製造方法よりも、生産性よく製造できる。また、本発明によれば、フィブリル構造を有するPTFE繊維を製造できる。
本発明のPTFE繊維の製造方法の一例を説明するための模式図である。 本発明のPTFE繊維の製造方法の別の一例を説明するための模式図である。 本発明のPTFE繊維の製造方法のまた別の一例を説明するための模式図である。 本発明のPTFE繊維の製造方法における出発物質であるPTFE含有固形物を形成できるチャンバーの一例を示す模式図である。 本発明のPTFE繊維の製造方法における出発物質であるPTFE含有固形物を形成できるチャンバーの別の一例を示す模式図である。 本発明のPTFE繊維の製造方法における出発物質であるPTFE含有固形物を形成できるチャンバーのまた別の一例を示す模式図である。 本発明のPTFE繊維の製造方法における出発物質であるPTFE含有固形物を形成できるチャンバーのさらにまた別の一例を示す模式図である。 実施例において第1のPTFE含有固形物の形成に用いた第2の管体と、当該第2の管体によるPTFE含有固形物の形成方法を説明するための模式図である。 実施例において第1のPTFE含有固形物の形成に用いた第2の管体と、当該第2の管体によるPTFE含有固形物の形成方法を説明するための模式図である。 実施例において第1のPTFE含有固形物の形成に用いた第2の管体と、当該第2の管体によるPTFE含有固形物の形成方法を説明するための模式図である。 実施例で作製した第1のPTFE含有固形物の断面における表面近傍のSEM像を示す図である。 実施例で作製した第1のPTFE含有固形物の断面における中心付近のSEM像を示す図である。 実施例に用いた第2のダイを模式的に示す断面図である。 実施例で作製した、第2のダイによる引き抜き加工後の繊維の断面のSEM像を示す図である。 実施例で作製した、第2のダイによる引き抜き加工後の繊維の広角X線回折像を示す図である。 実施例で評価した、温水の温度を変化させた場合における引き抜き加工後の固形物および繊維の最大引張強度の変化を示す図である。 実施例で評価した、温水の温度を変化させた場合における引き抜き加工後の固形物および繊維の弾性率の変化を示す図である。 実施例で作製した、第2のダイによる引き抜き加工(引き抜き温度25℃)後の繊維の断面のSEM像を示す図である。 実施例で作製した、第2のダイによる引き抜き加工(引き抜き温度70℃)後の繊維の断面のSEM像を示す図である。 実施例で作製した、第2のダイによる引き抜き加工(引き抜き温度100℃)後の繊維の断面のSEM像を示す図である。 実施例で作製した、第2のダイによる引き抜き加工(引き抜き温度150℃)後の繊維の断面のSEM像を示す図である。 実施例で作製した、第2のダイによる引き抜き加工(引き抜き温度200℃)後の繊維の断面のSEM像を示す図である。 実施例で作製した、第2のダイによる引き抜き加工(引き抜き温度250℃)後の繊維の断面のSEM像を示す図である。 実施例で作製した、第2のダイによる引き抜き加工(引き抜き温度300℃)後の繊維の断面のSEM像を示す図である。 実施例で作製した、第2のダイによる引き抜き加工(引き抜き速度0.8m/分)後の繊維の断面のSEM像を示す図である。 実施例で作製した、第2のダイによる引き抜き加工(引き抜き速度3.4m/分)後の繊維の断面のSEM像を示す図である。 実施例で作製した、第2のダイによる引き抜き加工後の繊維の断面のSEM像を示す図である。
符号の説明
1 PTFE含有固形物
2、2a、2b (第1の)ダイ
3 乾燥機構
4 (第2の)ダイ
11 流入口
12 吐出口
13 流入口
14 吐出口
21 チャンバー
22 内部空間
23、23a、23b ノズル
24、24a、24b 噴射方向
25 構造体
26、26a、26b 供給路
27 供給口
28 排出口
29 混合弁
30 球体
31 外周体
32a、32b 中子
33a、33b 上面
34 排出路
35 空隙
41 管体(第2の管体)
42 端部
43 屈曲部
44 端部
45 ノズル
46 供給路
47 屈曲部
48 端部
49 狭窄部
51 管体(第2の管体)
61 管体(第2の管体)

Claims (20)

  1. 水および界面活性剤を内包する紐状のポリテトラフルオロエチレン含有固形物を、第1のダイを通して引き抜き加工することにより、前記固形物を細径化する、ポリテトラフルオロエチレン繊維の製造方法。
  2. 前記固形物を、水中において前記第1のダイを通す請求項1に記載のポリテトラフルオロエチレン繊維の製造方法。
  3. 前記固形物を、50℃以上の温水中において前記第1のダイを通す請求項1に記載のポリテトラフルオロエチレン繊維の製造方法。
  4. 前記第1のダイが、前記固形物が通る空間として、前記固形物が引き抜かれる方向に垂直な断面の面積が前記第1のダイにおける一方の開口部から他方の開口部に向かうに従って連続的に小さくなっている部分を有する請求項1に記載のポリテトラフルオロエチレン繊維の製造方法。
  5. 前記第1のダイにおける前記部分が円錐台である請求項4に記載のポリテトラフルオロエチレン繊維の製造方法。
  6. 前記固形物を、2以上の前記第1のダイを通すことで段階的に細径化する請求項1に記載のポリテトラフルオロエチレン繊維の製造方法。
  7. 前記固形物を、平均径が1mm以下となるように細径化する請求項1に記載のポリテトラフルオロエチレン繊維の製造方法。
  8. 前記固形物を細径化した後に、前記固形物に含まれる水および界面活性剤から選ばれる少なくとも1つの量を低減させる請求項1に記載のポリテトラフルオロエチレン繊維の製造方法。
  9. 前記固形物を前記第1のダイを通して引き抜き加工した後に、
    前記固形物に含まれる水の量を低減させ、さらに、前記固形物を第2のダイを通して引き抜き加工することにより、前記固形物中のポリテトラフルオロエチレンをフィブリル化させるとともに前記固形物をさらに細径化する請求項1に記載のポリテトラフルオロエチレン繊維の製造方法。
  10. 前記固形物を、前記第2のダイを通して引き抜き加工することにより、伸長方向に前記フィブリルが伸びた構造を有する繊維とする請求項9に記載のポリテトラフルオロエチレン繊維の製造方法。
  11. 前記固形物を、前記固形物および前記第2のダイから選ばれる少なくとも一方を加熱した状態で前記第2のダイを通す請求項9に記載のポリテトラフルオロエチレン繊維の製造方法。
  12. 前記固形物を、150℃以上ポリテトラフルオロエチレンの融点未満の温度において前記第2のダイを通す請求項9に記載のポリテトラフルオロエチレン繊維の製造方法。
  13. 前記第2のダイが、前記固形物が通る空間として、前記固形物が引き抜かれる方向に垂直な断面の面積が前記第2のダイにおける一方の開口部から他方の開口部に向かうに従って連続的に小さくなっている部分を有する請求項9に記載のポリテトラフルオロエチレン繊維の製造方法。
  14. 前記第2のダイにおける前記部分が円錐台である請求項13に記載のポリテトラフルオロエチレン繊維の製造方法。
  15. 前記固形物が、ポリテトラフルオロエチレン粒子と、界面活性剤と、分散媒である水とを含むポリテトラフルオロエチレン粒子の分散液に、前記粒子が互いに接近または接触する力を加えることにより得た固形物である請求項1に記載のポリテトラフルオロエチレン繊維の製造方法。
  16. 前記界面活性剤が非イオン性界面活性剤であり、
    前記固形物が、ポリテトラフルオロエチレン粒子と、前記非イオン性界面活性剤と、分散媒である水とを含むポリテトラフルオロエチレン粒子の分散液に機械的な力を加えて前記粒子同士を衝突させ、衝突の際に生じる熱により前記分散液の温度を上昇させるとともに、前記分散液の温度にして(T−30)℃以上の温度域において前記粒子同士を結着させて得た固形物である請求項1に記載のポリテトラフルオロエチレン繊維の製造方法。
    ただし、T(℃)は、前記非イオン性界面活性剤の曇点である。
  17. 前記固形物が、前記分散液をチャンバーまたは管体に供給し、前記チャンバーまたは管体内で前記分散液に前記力を加えて得た固形物である請求項15または16に記載のポリテトラフルオロエチレン繊維の製造方法。
  18. 紐状のポリテトラフルオロエチレン含有固形物を、ダイを通して引き抜き加工することにより、前記固形物中のポリテトラフルオロエチレンをフィブリル化させるとともに前記固形物をさらに細径化するポリテトラフルオロエチレン繊維の製造方法。
  19. 前記固形物が、水および界面活性剤を内包するポリテトラフルオロエチレン含有固形物から、当該固形物に含まれる水の量を低減させて得た固形物である請求項18に記載のポリテトラフルオロエチレン繊維の製造方法。
  20. 前記固形物を、前記固形物および前記ダイから選ばれる少なくとも一方を加熱した状態で前記ダイを通す請求項18に記載のポリテトラフルオロエチレン繊維の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101665926B1 (ko) * 2015-04-28 2016-10-14 지중해산업(주) 파단강도가 우수한 혼합 ptfe 실 제조방법 및 그 원료 제조 방법

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