JP4521961B2 - 眼屈折力測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、被検眼の眼屈折力を測定する眼屈折力測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から被検眼の眼屈折力を測定する眼屈折力測定装置としては、特開2000−83900号公報に開示されたような検眼装置が知られている。この検眼装置は、左右別々の眼屈折力測定ユニットにより被検者の左右眼の眼屈折力を自覚的及び他覚的に同時に測定するようになっていると共に、被検者の左右眼の瞳孔間距離を求めることができるようになっている。
【0003】
この様な眼屈折力測定装置においては、左右の眼屈折力測定ユニットがアライメント光学系をそれぞれ有していて、左右の被検眼に対する作動距離が設定距離となるようアライメント光学系を用いて左右の眼屈折力測定ユニットを左右・上下・前後に個別に駆動制御する様になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、左右の眼屈折力測定ユニットを左右の被検眼に対してアライメント後、左右の眼屈折力測定ユニットの左右の被検眼に対するアライメント状態がずれて、左右の被検眼が上下に傾斜したり、前後に傾斜してズレたりしたときに、この傾斜を知ることができないものである。
【0005】
そこで、本願発明は、左右の被検眼の上下や前後への傾斜があるときに、その旨を告知できる眼屈折力測定装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、請求項1の発明は、少なくとも左右に相対接近・離反駆動可能で且つ被検者の左右の被検眼の眼屈折力を求めることがそれぞれ可能な左眼屈折力測定ユニット及び右眼屈折力測定ユニットを備え、前記各眼屈折力測定ユニットは被検眼に対してアライメントを行うアライメント光学系及び前記アライメント光学系を制御する制御手段を有する眼屈折力測定装置であって、前記制御手段は、前記被検者の被検眼の相対位置がずれたときの位置ズレを前記両眼屈折力測定ユニットのアライメント検出手段の出力により検出したとき、その旨を警告手段により警告するように設定されている眼屈折力測定装置としたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0008】
図1において、1は高さが上下調節可能な検眼テーブル、2は検眼テーブル1上に配設された眼屈折力測定装置、3は検眼椅子、4は検眼椅子3に着座した被検者である。
【0009】
眼屈折力測定装置2は、図1〜図7に示したように、起立部5a及び上部の水平部5bから逆L字状に形成されたボックス本体5と、この起立部5aの正面の左右両側部に一体に設けられ且つ手前側に延びる扁平支持部6,7を有する。また、眼屈折力測定装置2は、左の扁平支持部6に設けられたカーソルキー(カーソル釦)8,9,10,11と、右の扁平支持部7に設けられたジョイステックレバー12を有する。このジョイステックレバー12の上端部には撮影スイッチ12aが設けられている。
【0010】
更に、眼屈折力測定装置2は、水平部5aの中央部の下面に下方に向けて取り付けられたステー13と、ステー13に突設された支持軸14と、支持軸14に取り付けられた円弧状の額当15と、額当15の左右にそれぞれ配設された左眼屈折力測定ユニット16L及び右眼屈折力測定ユニット16Rを有する。
【0011】
この眼屈折力測定ユニット16L,16Rは、三次元方向に駆動可能な支持手段17L,17Rでそれぞれ水平部5aに支持されている。この支持手段17Lは水平部5a内に配設された三次元駆動装置(三次元駆動機構)18Lと、三次元駆動手段である三次元駆動装置18Lの下方に配設された水平回転装置(水平回転駆動装置)19Lを有する。また、支持手段17Rは水平部5a内に配設された三次元駆動装置(三次元駆動機構)18Rと、三次元駆動手段である三次元駆動装置18Rの下方に配設された水平回転装置(水平回転駆動装置)19Rを有する。
<三次元駆動装置>
三次元駆動装置(三次元駆動手段)18L,18Rは、パルスモータや油圧シリンダ等を用いて支持軸20aを上下駆動する様にしたY(上下)方向駆動装置(駆動手段)20と、支持軸20aの下端に取り付けられたY(上下)方向移動支持部材21と、Y方向移動支持部材21にZ(前後)方向に移動可能に取り付けられたZ(前後)方向移動支持部材22と、Z方向移動支持部材22にX(左右)方向に移動可能に取り付けられたX(左右)方向移動支持部材23を有する。
【0012】
そして、図8に示したように、Z方向移動支持部材22は、Y方向移動支持部材21に取り付けられたパルスモータ等のZ方向駆動装置(駆動手段)24と、Z方向駆動装置24により回転駆動される送りネジ25によりZ(前後)方向に進退駆動させられる様になっている。また、X方向移動支持部材23は、Z方向移動支持部材22に取り付けられたパルスモータ等の左右方向駆動装置(駆動手段)26と、パルスモータ26により回転駆動される送りネジ27によりX(左右)方向に進退駆動させられる様になっている。
<水平回転装置>
また、水平回転装置(水平回動手段)19L,19Rは、三次元駆動装置18L,18RのX移動支持部材23,23の中央に固定されたパルスモータ等の水平回転駆動装置(輻輳駆動手段)28,28と、パルスモータ28,28により鉛直軸を中心に回転駆動される回転軸29,29をそれぞれ有する。そして、この回転軸29,29には、左眼屈折力測定ユニット16L及び右眼屈折力測定ユニット16Rが固定されている。
<眼屈折力測定ユニット>
左眼屈折力測定ユニット16L及び右眼屈折力測定ユニット16Rは、一部を省略した以外は構成が略同じであるので、まず左眼屈折力測定ユニット16Lの測定光学系について説明する。
(a)左眼屈折力測定ユニット16Lの測定光学系及びその制御系
この左眼屈折力測定ユニット16Lの測定光学系は、図9,図10,図11に示した前眼部撮影光学系30Lと、XYアライメント光学系31Lと、固視光学系32Lと、屈折力測定光学系33Lを有する。尚、右眼屈折力測定ユニット16Rの測定光学系は、図9,図12,図13に示したように前眼部撮影光学系30Rと、XYアライメント光学系31Rと、固視光学系32Rと、屈折力測定光学系33Rを有する。
(前眼部撮影光学系30L)
前眼部撮影光学系30Lは、前眼部照明光学系34と、撮影光学系35を有する。
【0013】
前眼部照明光学系34は、前眼部照明用の光源36と、絞り36aと、光源36からの光を被検眼Eの前眼部に投影する投影レンズ37を有する。
【0014】
また、撮影光学系35は、被検眼Eの前眼部からの反射光が入射するプリズムP,対物レンズ38,ダイクロイックミラー39,絞り40,ダイクロイックミラー41,リレーレンズ42,43,ダイクロイックミラー44,CCDレンズ(結像レンズ)45,CCD(撮像手段,センサ,アライメント検出手段)46をこの順に有する。尚、このCCD46以外にアライメント検出用のPSD(position sensitive device:固体位置検出素子)等の受光センサをアライメント検出手段として設けてもよい。
(XYアライメント光学系31L)
XYアライメント光学系31Lは、アライメント照明光学系47と、撮影光学系35をアライメント受光光学系として有する。アライメント照明光学系47は、図10に示したように、アライメント用の照明光源48、アライメント視標としての絞り49、リレーレンズ50、ダイクロイックミラー41、絞り40,ダイクロイックミラー39,対物レンズ38,プリズムPをこの順に有する。
(固視光学系32L)
固視光学系32Lは、固視標用光源51,コリメータレンズ52,固視標53,反射ミラー54,コリメータレンズ55,反射ミラー56,移動レンズ57,リレーレンズ58,59,反射ミラー60,ダイクロイックミラー61,39,対物レンズ38及びプリズムPをこの順に有する。
【0015】
この固視標光学系32Lは、被検眼の屈折力に合わせて移動レンズ57がパルスモータPMaにより光軸方向に移動可能となっていて、固視雲霧させることができる。
(屈折力測定光学系33L)
屈折力測定光学系33Lは、測定光束投影光学系62及び測定光束受光光学系63を有する。
【0016】
測定光束投影光学系62は、赤外LED等の測定用光源64,コリメータレンズ65,円錐プリズム66,リング視標67,リレーレンズ68,リング状絞り69,中央に透孔70aが形成された穴あきプリズム70,ダイクロイックミラー61,39、対物レンズ38及びプリズムPをこの順に有する。
【0017】
また、測定光束受光光学系63は、被検眼Eの眼底Efからの反射光を受光するプリズムP,対物レンズ38,ダイクロイックミラー39,61,穴あきプリズム70の透孔70a,反射ミラー71,リレーレンズ72,移動レンズ73,反射ミラー74,ダイクロイックミラー44,CCDレンズ45,CCD46をこの順に有する。
【0018】
この右眼屈折力測定ユニット16Rの測定光学系は左眼屈折力測定ユニット16Lの測定光学系と全く同じであるので、その説明は省略する。
(左眼屈折力測定ユニット16Lの制御回路)
上述した駆動装置20,24,26,28や前眼部観察用の光源36,固視標用光源51,測定用光源64及びパルスモータPMa等は、図14に示した演算制御回路62により作動制御されるようになっている。また、演算制御回路62には、CCDからの検出信号が入力されるようになっている。
(b)右眼屈折力測定ユニット16Rの測定光学系及びその制御系
右眼屈折力測定ユニット16Rは、上述したように左眼屈折力測定ユニット16Lと構成が同じである。
<全体の制御回路>
全体の制御回路は、図14に示したように上述の眼屈折力測定ユニット16L,16Rの制御回路62,62と、制御回路62,62を制御する演算制御回路63を有する。この演算制御回路63には、撮影スイッチ12a及びジョイステックレバー12の前後・左右への傾動操作を検出する傾動検出センサ12b、ジョイステックレバー12の軸線回りへの回動操作を検出する回転センサ12cが接続されている。また、演算制御回路63には、液晶表示器等の表示装置(表示手段)64が接続されている。この液晶表示器64は、ボックス本体5の手前側に図1の如く配設して使用される。
【0019】
次に、この様な構成の眼屈折力検査装置の使用状態を説明する。
(1)眼屈折力測定ユニットの高さ調節等
被検者4が図1の如く椅子3に着座して、眼屈折力測定ユニット16L,16RのプリズムP,Pの高さが被検者4の眼の高さになるように、検眼テーブル1の高さを図示しない上下駆動手段で上下に調整する。この様な検眼テーブル1の上下駆動機構は周知のものが採用できるので、詳細な説明は省略する。
(2)遠方視状態における左右眼へのアライメント
次に、被検者4が眼屈折力測定装置2の図示を省略した電源を投入すると、演算制御回路表示装置64に使用手順が順次表示される。被検者4は、この使用手順に従って検眼を進める。
【0020】
また、この際、演算制御回路63は、眼屈折力測定ユニット16L,16Rの演算制御回路62,62を作動制御して、被検者4の左眼EL,右眼ERに対するアライメント動作の準備を開始させる。即ち、眼屈折力測定ユニット16L,16Rの各演算制御回路62,62は、眼屈折力測定ユニット16L,16Rの前眼部観察用光源36,アライメント用の照明光源48,固視標用光源51を点灯させる。また、眼屈折力測定ユニット16L,16Rの演算制御回路62,62は、演算制御回路63からの制御信号に基づいて水平回転駆動装置28,28を作動制御して、眼屈折力測定ユニット16L,16RのプリズムP,Pから被検者4側に向かう光軸OL,ORを図9及び図15に示したように平行にする。
【0021】
この様な状態において、被検者4が左右両眼の眼屈折力を測定する場合には、測定前に被検者4は額を額当15に当接させて、被検者4の左右眼の光軸が眼屈折力測定ユニット16L,16RのプリズムP,Pの中心位置(光軸OL,OR)に来るように、眼屈折力測定ユニット16L,16Rを左右・上下に移動操作することにより、XYアライメントを行う。
(i)左眼屈折力測定ユニットの左眼ELに対するアライメント
(a).眼屈折力測定ユニット16Lの左眼ELに対するXYアライメント
このXYアライメントについて演算制御回路63は、左眼屈折力測定ユニット16LのXYアライメントを先に行うように設定されている。即ち、演算制御回路63は、まず、左眼屈折力測定ユニット16Lの駆動装置20,26をジョイステックレバー12で駆動操作できるように制御する。
【0022】
この際、前眼部照明用の光源36からの照明光は、絞り36a及び投影レンズ37を介して被検眼ELの前眼部に投影されている。そして、この前眼部からの反射光は、プリズムP,対物レンズ38,ダイクロイックミラー39,絞り40,ダイクロイックミラー41,リレーレンズ42,43,ダイクロイックミラー44,CCDレンズ(結像レンズ)45を介してCCD(撮像手段)46に投影されて、CCD46上に左眼ELの前眼部像を結像する。
【0023】
一方、XYアライメント用の照明光源48からのアライメント光束は、アライメント視標としての絞り49、リレーレンズ50、ダイクロイックミラー41、絞り40,ダイクロイックミラー39,対物レンズ38,プリズムPを介して被検者の左眼ELの角膜CLに投影されている。そして、角膜CLからの反射光は、プリズムP,対物レンズ38,ダイクロイックミラー39,絞り40,ダイクロイックミラー41,リレーレンズ42,43,ダイクロイックミラー44,CCDレンズ(結像レンズ)45を介してCCD(撮像手段)46に結像され、角膜CLからの輝点像をCCD46上に形成する。尚、CRは被検者の右眼ELの角膜である。
【0024】
この様な状態において、演算制御回路63は、被検者4が額を額当15に当接させた状態でジョイステックレバー12を左右に傾動操作すると、傾動センサ12bの出力信号から、X(左右)方向駆動装置26を正転又は逆転駆動させて、左眼屈折力測定ユニット16Lを左右に移動制御する。また、演算制御回路63は、ジョイステックレバー12を軸線回りの一方に回動操作又は逆他方に回動操作すると、Y(上下)方向駆動装置20を正転又は逆転駆動させて、左眼屈折力測定ユニット16Lを上下に移動制御する。従って、被検者4は、この様なジョイステックレバー12の操作により、被検者4の左眼(被検眼)ELの光軸が左眼屈折力測定ユニット16LのプリズムPの中心(光軸OL)に一致するように移動操作する。このプリズムPの中心(光軸OL)は、CCD46の中心と一致している。
【0025】
この様にして、被検者4の左眼の光軸が左眼屈折力測定ユニット16LのプリズムPの中心(光軸OL)の所定範囲内に入ると、アライメント光束による輝点像がCCD46の中心の所定範囲内に入る。そして、演算制御回路63は、CCD46からの輝点像の信号がCCD46の中心の所定範囲内に入ると、被検者4の左眼の光軸が左眼屈折力測定ユニット16LのプリズムPの中心(光軸OL)に一致する方向に駆動装置20,26を駆動制御する。この様な駆動に伴って演算制御回路63は、被検者4の左眼の光軸が左眼屈折力測定ユニット16LのプリズムPの中心(光軸OL)に一致するか略一致する許容範囲内に入ると、駆動装置20,26の作動を停止させて、左眼屈折力測定ユニット16Lの左眼ELに対するXYアライメントを完了する。
【0026】
(b).左眼屈折力測定ユニット16Lの左眼ELに対するZ方向アライメント
演算制御回路63は、左眼屈折力測定ユニット16Lの左眼ELに対するXYアライメントを完了すると、CCD46の輝点像が有る程度鮮明になるようにZ(前後)方向駆動装置24を駆動制御して、左眼屈折力測定ユニット16Lを光軸OL方向(前後方向)に移動制御する。そして、演算制御回路63は、CCD46の輝点像が有る程度鮮明になったのを、CCD46の出力信号から検知すると、Zアライメントが完了したとしてZ(前後)方向駆動装置24の駆動を停止させる。
(ii).右眼屈折力測定ユニット16Rに対するアライメント
この様にして演算制御回路63は、左眼屈折力測定ユニット16Lの左眼ELに対するXYアライメント及びZアライメントを完了すると、右眼屈折力測定ユニット16Rの右眼ERに対するXYアライメント及びZアライメントを、左眼屈折力測定ユニット16Lと同様にして行う。
(3)遠方視状態における眼屈折力の同時測定
ところで、固視光学系32Lの移動レンズ57は、パルスモータ(駆動手段)PMaで光軸Oの延びる方向に進退駆動されるようになっている。しかも、固視標53は、測定前には初期位置、即ち屈折力測定光学系33L,33Rで測定される眼屈折力が0D(「0」ディオプター)となる位置に位置させられている。固視光学系32Rも同様になっている。
【0027】
そして、演算制御回路63は、(1),(2)のアライメントが完了すると、屈折力測定光学系33Lの演算制御回路62及び屈折力測定光学系33Rの演算制御回路62をそれぞれ作動制御して、左右の屈折力測定光学系33L,33Rの測定用光源64,64及び固視標用光源51,51をそれぞれ点灯させて、この測定用光源64,64から赤外の測定光束を出射させ、被検者4の左眼EL及び右眼ERの眼屈折力の測定を同時に開始する。この際、測定は左眼ELも右眼ERも同じようにして行われるので、左眼ELの測定について説明し、右眼の測定に説明を省略する。
(i)左眼ELの眼屈折力測定
この際、固視光学系32Lの固視標用光源51からの照明光がコリメータンズ52を介して平行光束として固視標53に投影される。そして、固視標53を透過した固視標光は、反射ミラー54,コリメータレンズ55,反射ミラー56,移動レンズ57,リレーレンズ58,59,反射ミラー60,ダイクロイックミラー61,39,対物レンズ38及びプリズムPを介して、被検者4の左眼ELの眼底Efに投影される。
【0028】
また、左屈折力測定光学系33Lの測定用光源64からの測定光束は、測定光束投影光学系62を介して被検者4の左眼ELの眼底Efに投影される。即ち、左屈折力測定光学系33Lの測定用光源64からの測定光束は、左屈折力測定光学系33Lのコリメータレンズ65,円錐プリズム66を介してリング視標67に導かれる。そして、リング視標67を透過したリング状の測定光束が、リレーレンズ68,リング状絞り69,中央に透孔70aが形成された穴あきプリズム70,ダイクロイックミラー61,39、対物レンズ38及びプリズムPを介して被検者4の左眼ELの眼底Efに投影される。
【0029】
一方、左眼ELの眼底Efに投影されたリング状の測定光束(リング状視標光)は眼底Efで反射する。この反射光は、測定光束受光光学系63、即ち屈折力測定光学系33LのプリズムP,対物レンズ38,ダイクロイックミラー39,61,穴あきプリズム70の透孔70a,反射ミラー71,リレーレンズ72,移動レンズ73,反射ミラー74,ダイクロイックミラー44,CCDレンズ45等を介してCCD46にリング状反射像が結像される。
【0030】
このCCD46からの検出信号は左屈折力測定光学系33Lの演算制御回路62に入力される。この演算制御回路62は、CCD46からの検出信号が入力されると、CCD46に結像されたリング状反射像の大きさ形状と基準のリング状反射像の大きさ形状とから、左眼ELの眼屈折力を測定する。この際、左眼ELに調節力が働いているか否かが分からないので、即ち、左眼ELに調節力が働いているかもしれないので、屈折測定で得られた眼屈折力が例えば3Dのときには1.5Dをプラスして、4.5Dの位置に固視標53が来るように、パルスモータPMaを駆動制御して移動レンズ57を光軸Oの延びる方向に進退駆動させる。
【0031】
そして、この位置で左眼ELの眼屈折力を上述の様にして測定する。この際の測定結果が例えば4Dの時には、前回の測定で得られた眼屈折力3Dと今回の測定で得られた眼屈折力4Dとの差が1Dあるので、左眼ELには調節力があることが分かる。従って、演算制御回路63は、今回の測定で得られた4Dに1.5Dをプラスして5.5Dとし、5.5Dの位置に固視標53が来るように、パルスモータPMaを駆動制御することにより移動レンズ57を光軸Oの延びる方向に進退駆動させて、固視標53を4.5Dの位置まで雲霧させ、再度左眼ELの眼屈折力を測定する。
【0032】
更に、この測定結果が例えば4.25Dの時には、前回の測定で得られた眼屈折力4Dと今回の測定で得られた眼屈折力し4.25Dとの差が0.25Dであるので、左眼ELの調節力が略無くなったとすることができる。
【0033】
即ち、上述のように、ラフ測定を順次繰り返して行い、前回測定により得られた眼屈折力と今回測定により得られた眼屈折力との差が、例えば0.25Dと殆ど無くなったときには、左眼ELの調節力が略無くなったとすることができる。しかも、固視標53が4.25Dの位置では、左眼ELは固視標53を鮮明に視認できる状態にあるので、この固視標53が鮮明に視認できる移動レンズ57の位置を本測定の雲霧開始位置する。
【0034】
そして、演算制御回路62は、このラフ測定による最終的な眼屈折力が4.25Dの値に1.5Dをプラスして5.75Dとし、この4.25Dの位置から5.75Dの位置に固視標53が来るように、移動レンズ57を光軸方向に移動させることにより固視標53を雲霧させて、本測定を行う。即ち、演算制御回路62は、パルスモータPMAaを駆動制御して移動レンズ57を光軸Oの延びる方向に移動させて、固視標53が4.25Dの位置から5.75Dの位置に来るようにすることにより、左眼ELが視認している固視標53がぼやける位置まで雲霧させて、左屈折力測定光学系33Lにより左眼ELの眼屈折力を測定する。この雲霧を伴う眼屈折力の本測定は数回行って平均値を左眼ELの眼屈折力とする。
(ii)右眼ERの眼屈折力測定
右眼ERの眼屈折力も、(i)の左眼ELの眼屈折力の測定と同様な手順で、左眼ELと同時に測定される。
(iii)従って、この様に左眼EL及び右眼ERの眼屈折力を同時に測定することにより、左眼ELと右眼ERの眼屈折力を片眼づつ測定した場合に比べて左眼ELと右眼ERの調節力がより少ない状態で、左眼EL及び右眼ERの眼屈折力を正確に測定できる。
【0035】
即ち、左眼ELと右眼ERの眼屈折力を片眼づつ測定した場合、左眼ELと右眼ERのうち測定していない方の眼の調節力が測定している方の眼の調節力に影響を与える虞がある。しかし、左眼EL及び右眼ERの眼屈折力を同時に測定することにより、左眼ELと右眼ERの調節力が影響し合うようなことが無くなるので、左眼ELと右眼ERの調節力がより少ない状態で、左眼EL及び右眼ERの眼屈折力を正確に測定できる。
(4).内方視(輻輳)状態から遠方視状態へ移動後の眼屈折力の同時測定
上述した(3)におけるように、遠方視状態での左右眼の眼屈折力の同時測定時には、左右眼の調節力が殆どない状態となっているが、内方視(光軸OL,ORが輻輳している状態)状態から遠方視状態(光軸OL,ORが平行な状態)へ移動後に眼屈折力を同時に測定することで、左右眼の調節力を更に少なくしてより正確な眼屈折力の測定を行うことができる。
【0036】
この測定に際しては、まず図9の左眼EL及び右眼ERが遠方視状態(光軸OL,ORが平行な状態)から内方視(光軸OL,ORが輻輳している状態)状態にする。例えば、図9の左眼EL及び右眼ERが遠方視状態(光軸OL,ORが平行な状態)から被検者4の左眼EL及び右眼ERが約75cm前方を見ている状態にして、左眼EL及び右眼ERが輻輳している状態にする。
(i).初期輻輳状態から光軸OL,ORを平衡状態にしたときの眼屈折力測定
<初期位置への輻輳>
このためには、演算制御回路63は、演算制御回路62,62を介して眼屈折力測定ユニット16L,16Rの駆動装置28,28を作動制御して、眼屈折力測定ユニット16L,16Rを図9の状態から矢印A,Aの方向に水平回動させて、図16,図17に示したように光軸OL,ORを角度αとなるように輻輳させる。
【0037】
この際、眼屈折力測定ユニット16Lの演算制御回路62は、眼屈折力測定ユニット16LのCCD46からのアライメント用の輝点像のアドレス及びコントラスト等から、眼屈折力測定ユニット16Lの駆動装置24及び26を作動制御して、眼屈折力測定ユニット16Lの左眼ELまでの作動距離が一定となるように制御する。一方、眼屈折力測定ユニット16Rの演算制御回路62は、眼屈折力測定ユニット16RのCCD46からのアライメント用の輝点像のアドレス及びコントラスト等から、眼屈折力測定ユニット16Rの駆動装置24及び26を作動制御して、眼屈折力測定ユニット16Rの右眼ERまでの作動距離が一定となるように制御する。
【0038】
尚、角度αの輻輳位置に眼屈折力測定ユニット16L,16Rの固視標53,53があるとき、この位置が例えば−8Dに相当するとする。
<初期輻輳状態から光軸OL,ORを平衡状態へ>
この輻輳状態から、演算制御回路63は、眼屈折力測定ユニット16L,16Rは演算制御回路62,62を作動制御して、演算制御回路62,62によりパルスモータPMa,PMaを同時に駆動制御させて、移動レンズ57を光軸O方向に移動させ、眼屈折力測定ユニット16L,16Rの固視標53,53を−8Dに1.5Dをプラスした−6.5Dの位置まで雲霧させる。
【0039】
この際、演算制御回路63は、演算制御回路62,62を作動制御して、演算制御回路62,62により眼屈折力測定ユニット16L,16Rの駆動装置28,28を駆動制御させ、眼屈折力測定ユニット16L,16Rを図17の矢印B,B方向に水平回動させる。この演算制御回路62,62による駆動装置28,28を駆動制御は、眼屈折力測定ユニット16L,16Rの光軸OL,ORが平行となるまで行わせる。
【0040】
しかも、この様な駆動制御に際して、眼屈折力測定ユニット16Lの演算制御回路62は、眼屈折力測定ユニット16LのCCD46からのアライメント用の輝点像のアドレス及びコントラスト等から、眼屈折力測定ユニット16Lの駆動装置24及び26を作動制御して、眼屈折力測定ユニット16Lの左眼ELまでの作動距離が一定となるように制御する。一方、眼屈折力測定ユニット16Rの演算制御回路62は、眼屈折力測定ユニット16RのCCD46からのアライメント用の輝点像のアドレス及びコントラスト等から、眼屈折力測定ユニット16Rの駆動装置24及び26を作動制御して、眼屈折力測定ユニット16Rの右眼ERまでの作動距離が一定となるように制御する。
<眼屈折力のラフ測定>
そして、眼屈折力測定ユニット16Lの演算制御回路62は、この様な駆動装置24,26,28の駆動制御により、光軸OL,ORが平行になると共に、パルスモータPMaの駆動制御により、移動レンズ57が光軸方向に移動させられて、固視標53が−6.5Dの位置ま雲霧させられたとき、屈折力測定光学系33Lの測定用光源64をを点灯させて、左眼ELの眼屈折力のラフ(粗い)な測定を行う。
【0041】
これと共に眼屈折力測定ユニット16Rの演算制御回路62は、上述の様な駆動装置24,26,28の駆動制御により、光軸OL,ORが平行になると共に、パルスモータPMaの駆動制御により、移動レンズ57が光軸方向に移動させられて、固視標53が−6.5Dの位置まで雲霧させられたとき、屈折力測定光学系33Rの測定用光源64を点灯させて、左眼ELの眼屈折力のラフ(粗い)な測定を行う。
【0042】
この様な測定において、左眼ELの屈折力の値が例えば−6Dであり、右眼ERの屈折力の値が例えば−5Dであったとすると、この値は左右眼EL,ERとも調節力があるときの値であるかもしれない。
(ii)光軸OL,ORの測定値の位置への輻輳状態から平衡状態へ移動しての測定<測定値の位置への輻輳>
従って、演算制御回路63は、演算制御回路62,62を介して眼屈折力測定ユニット16L,16Rの駆動装置28,28を個別に作動制御して、眼屈折力測定ユニット16L,16Rを図9の状態から矢印A,Aの方向に個別に水平回動させて、図16(b)に▲2▼、▲2▼′で示したように光軸OL,ORを独立に輻輳させると共に、眼屈折力測定ユニット16Lの移動レンズ57を光軸方向に移動させて固視標53を図16(a)の−6Dの位置に移動させ、眼屈折力測定ユニット16Rの移動レンズ57を光軸方向に移動させて固視標53を図16(a)の−5Dの位置に移動させる。
<輻輳状態から光軸OL,ORを平衡状態へ>
この輻輳状態から、左眼屈折力測定ユニット16Lの演算制御回路62は、左眼屈折力測定ユニット16LのパルスモータPMaを駆動制御して、移動レンズ57を光軸O方向に移動させ、眼屈折力測定ユニット16Lの固視標53を−6Dに1.5Dをプラスした−4.5Dの位置まで雲霧(移動)させる。一方、右眼屈折力測定ユニット16Rの演算制御回路62は、左眼屈折力測定ユニット16RのパルスモータPMaを駆動制御して、移動レンズ57を光軸O方向に移動させ、眼屈折力測定ユニット16Rの固視標53を−5Dに1.5Dをプラスした−3.5Dの位置まで雲霧(移動)させる。
【0043】
この際、演算制御回路63は、演算制御回路62,62を作動制御して、演算制御回路62,62により眼屈折力測定ユニット16L,16Rの駆動装置28,28を駆動制御させ、眼屈折力測定ユニット16L,16Rを図17の矢印B,B方向に水平回動させる。この演算制御回路62,62による駆動装置28,28を駆動制御は、眼屈折力測定ユニット16L,16Rの光軸OL,ORが平行となるまで行わせる。しかも、この際、上述したように各演算制御回路62は駆動装置24及び26を作動制御して、眼屈折力測定ユニット16L,16Rの左眼EL及び右眼ERまでの作動距離がそれぞれ一定となるように制御する。
<眼屈折力のラフ測定>
そして、眼屈折力測定ユニット16Lの演算制御回路62は、光軸OL,ORが平行になると共に、パルスモータPMaの駆動制御により移動レンズ57が光軸O方向に移動させられて、固視標53が−4.5Dの位置まで雲霧させられたとき、屈折力測定光学系33Lの測定用光源64をを点灯させて、左眼ELの眼屈折力のラフ(粗い)な測定を行う。
【0044】
これと共に眼屈折力測定ユニット16Rの演算制御回路62は、光軸OL,ORが平行になると共に、パルスモータPMaの駆動制御により移動レンズ57が光軸O方向に移動させられて、固視標53が−3.5Dの位置まで雲霧させられたとき、屈折力測定光学系33Rの測定用光源64を点灯させて、左眼ELの眼屈折力のラフ(粗い)な測定を行う。
【0045】
この様な測定において、左眼ELの屈折力の値が例えば−4Dであり、右眼ERの屈折力の値が例えば−3Dであったとすると、この値は左右眼EL,ERとも調節力があるときの値であるかもしれない。
(iii).繰り返しラフ測定
この場合、左眼ELにおいては、前回測定した眼屈折力の値が−6Dであり、今回測定した眼屈折力の値が−4Dであるので、前回と今回の眼屈折力の差が−2Dと大きく開いており、調節力が働いている。また、右眼ERにおいては、前回測定した眼屈折力の値が−5Dであり、今回測定した眼屈折力の値が−3Dであるので、前回と今回の眼屈折力の差が−2Dと大きく開いており、調節力が働いている。
【0046】
従って、この場合には上述の(ii)の様にして、図16(b)に▲3▼、▲3▼′で示したように光軸OL,ORを独立に輻輳させて、眼屈折力測定ユニット16Lの移動レンズ57を光軸方向に移動させて、眼屈折力測定ユニット16Lの固視標53を図16(a)の−4Dの位置に位置させ、眼屈折力測定ユニット16Rの移動レンズ57を光軸方向に移動させて、眼屈折力測定ユニット16Rの固視標53を図16(a)の−3Dの位置に位置させる。
【0047】
この輻輳状態から、(ii)の様にして、眼屈折力測定ユニット16Lの移動レンズ57を光軸方向に移動させて、眼屈折力測定ユニット16Lの固視標53を−4Dに1.5Dをプラスした−2.5Dの位置まで雲霧(移動)させて、左眼ELの眼屈折力のラフ(粗い)な測定を行うと共に、眼屈折力測定ユニット16Rの移動レンズ57を光軸方向に移動させて、眼屈折力測定ユニット16Rの固視標53を−3Dに1.5Dをプラスした−1.5Dの位置まで雲霧(移動)させて、右眼ERの眼屈折力のラフ(粗い)な測定を行う。
【0048】
この様な測定において、左眼ELの屈折力の値が例えば−3Dであり、右眼ERの屈折力の値が例えば−1Dであったとすると、この値は左右眼EL,ERとも調節力があるときの値であるかもしれない。
【0049】
この場合、左眼ELにおいては、前回測定した眼屈折力の値が−4Dであり、今回測定した眼屈折力の値が−3Dであるので、前回と今回の眼屈折力の差が−1Dと大きく開いており、調節力が働いている。また、右眼ERにおいては、前回測定した眼屈折力の値が−3Dであり、今回測定した眼屈折力の値が−1Dであるので、前回と今回の眼屈折力の差が−2Dと大きく開いており、調節力が働いている。
【0050】
従って、この場合には上述の(ii)の様にして、図16(b)に▲4▼、▲4▼′で示したように光軸OL,ORを独立に輻輳させて、眼屈折力測定ユニット16Lの移動レンズ57を光軸方向に移動させて、眼屈折力測定ユニット16Lの固視標53を図16(a)の−3Dの位置に位置させ、眼屈折力測定ユニット16Rの移動レンズ57を光軸方向に移動させて、眼屈折力測定ユニット16Rの固視標53を図16(a)の−1Dの位置に位置させる。
【0051】
この輻輳状態から、(ii)の様にして、眼屈折力測定ユニット16Lの移動レンズ57を光軸方向に移動させて、眼屈折力測定ユニット16Lの固視標53を−3Dに1.5Dをプラスした−1.5Dの位置まで雲霧(移動)させて、左眼ELの眼屈折力のラフ(粗い)な測定を行うと共に、眼屈折力測定ユニット16Rの移動レンズ57を光軸方向に移動させて、眼屈折力測定ユニット16Rの固視標53を−1Dに1.5Dをプラスした0.5Dの位置まで雲霧(移動)させて、右眼ERの眼屈折力のラフ(粗い)な測定を行う。
【0052】
この様な測定において、左眼ELの屈折力の値が例えば−2.75Dであったとすると、左眼ELの前回測定した眼屈折力の値が−3Dであるので、前回と今回の眼屈折力の差が−0.25Dと略同じになっており、調節力が殆ど働いていない状態となる。また、この様な測定において、右眼ERの屈折力の値が例えば−0.75Dであったとすると、右眼ERの前回測定した眼屈折力の値が−1Dであるので、前回と今回の眼屈折力の差が−0.25と略同じになっており、調節力が殆ど働いていない状態となる。
(iV).本測定
従って、この場合には上述の(ii)の様にして、光軸OL,ORを独立に輻輳させて、眼屈折力測定ユニット16Lの移動レンズ57を光軸方向に移動させて、眼屈折力測定ユニット16Lの固視標53を図16(a)の−2.75Dの位置に位置(移動)させ、眼屈折力測定ユニット16Rの移動レンズ57を光軸方向に移動させて、眼屈折力測定ユニット16Rの固視標53を図16(a)の−0.75Dの位置に位置(移動)させる。
【0053】
この輻輳状態から、(ii)の様にして、眼屈折力測定ユニット16Lの移動レンズ57を光軸方向に移動させて、眼屈折力測定ユニット16Lの固視標53を−2.75Dに1.5Dをプラスした−1.25Dの位置まで雲霧(移動)させて、左眼ELの眼屈折力の本測定を行うと共に、眼屈折力測定ユニット16Rの移動レンズ57を光軸方向に移動させて、眼屈折力測定ユニット16Rの固視標53を−0.75に1.5Dをプラスした0.75Dの位置まで雲霧(移動)させて、右眼ERの眼屈折力の本測定を行う。
(5)その他
以上説明した実施例では、ジョイステックレバー12で眼屈折力測定ユニット16L、16Rの駆動装置20,24,26等を駆動制御するようにしたが、必ずしも之に限定されるものではない。
【0054】
たとえば、Y方向駆動装置20は設けずに、駆動装置24,26のみとして、カーソルキー9を操作することで駆動装置24を正転駆動制御して、眼屈折力測定ユニット16L(16R)を後方に移動させ、カーソルキー11を操作することで駆動装置24を逆転駆動制御して、眼屈折力測定ユニット16L(16R)を前方に移動させる様にすると共に、カーソルキー8を操作することで駆動装置26を正転駆動制御して、眼屈折力測定ユニット16L(16R)を左方に移動させ、カーソルキー10を操作することで駆動装置26を逆転駆動制御して、眼屈折力測定ユニット16L(16R)を右方に移動させる様にしても良い。この場合、Y方向(上下方向)の高さは、テーブル1の高さ又は椅子3の高さを調節することで対応する。
【0055】
また、以上説明した実施例では、眼屈折力測定ユニット16L,16Rの間隔を手動で瞳孔間距離なる様に個別に駆動操作するようにしたが、被検者の瞳孔間距離が分かっている場合には必ずしもこの構成にのみ限定されるものではない。例えば、この構成に加えて、被検者の瞳孔間距離が分かっている場合、或いはこのデータが有る場合には、この瞳孔間距離又はそのデータを演算制御回路63に入力し、眼屈折力測定ユニット16L,16Rの光軸OL,ORの間隔を瞳孔間距離に設定制御する様にしても良い。即ち、演算制御回路63は、被検者の瞳孔間距離のデータが入力されると、眼屈折力測定ユニット16L,16Rの演算制御回路62,62を作動制御して、演算制御回路62,62により眼屈折力測定ユニット16L,16Rの駆動装置26,26を作動制御し、眼屈折力測定ユニット16L,16Rの光軸OL,ORを平行にしたときの間隔が被検者の瞳孔間距離となるように設定制御しても良い。
【0056】
また、図11,図13に示した光学系が図9では上下方向に配置されるので、光学系全体は前後に扁平なケース内に収納して、前後の幅を小さくできる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明は、少なくとも左右に相対接近・離反駆動可能で且つ被検者の左右の被検眼の眼屈折力を求めることがそれぞれ可能な左眼屈折力測定ユニット及び右眼屈折力測定ユニットを備え、前記各眼屈折力測定ユニットは被検眼に対してアライメントを行うアライメント光学系及び前記アライメント光学系を制御する制御手段を有する眼屈折力測定装置であって、前記制御手段は、前記被検者の被検眼の相対位置がずれたときの位置ズレを前記両眼屈折力測定ユニットのアライメント検出手段の出力により検出したとき、その旨を警告手段により警告するように設定されている構成としたので、左右の被検眼の上下や前後への傾斜があるときに、その旨を告知できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる眼屈折力測定装置の配置例を示す説明図である。
【図2】図1に示した眼屈折力測定装置の拡大斜視図である。
【図3】図2の眼屈折力測定装置の正面図である。
【図4】図3の眼屈折力測定装置の平面図である。
【図5】図3の眼屈折力測定装置の左側面図である。
【図6】図3の眼屈折力測定装置の右側面図である。
【図7】図2に示した眼屈折力測定ユニットの支持構造を示す断面図である。
【図8】図7に示した支持構造を下方から見た説明図である。
【図9】図2に示した眼屈折力測定ユニットの光学系を示す説明図である。
【図10】図7の左眼屈折力測定ユニットの拡大説明図である。
【図11】図10の光学系を正面側から見たときの光学部品の配置図である。
【図12】図7の右眼屈折力測定ユニットの拡大説明図である。
【図13】図12の光学系を正面側から見たときの光学部品の配置図である。
【図14】図2〜図13に示した眼屈折力測定装置の制御回路図である。
【図15】図1〜図14に示した眼屈折力測定装置の遠方視状態における屈折力測定の説明図である。
【図16】(a)、(b)は、図1〜図14に示した眼屈折力測定装置の輻輳及び遠方視状態の繰り返しによる屈折力測定の説明図である。
【図17】図1ないし図13の眼屈折力測定ユニットを輻輳した状態を示す光学系の説明図である。
【図18】アライメント光学系の作用説明図である。
【図19】アライメント光学系の作用説明図である。
【符号の説明】
16L・・・左眼屈折力測定ユニット
16R・・・右眼屈折力測定ユニット
31L,31R・・・アライメント光学系
46・・・CCD(アライメント検出手段)
62・・・演算制御回路(制御手段)
63・・・演算制御回路(制御手段)
64・・・表示装置(警告手段,告知手段)
EL・・・左眼(被検眼)
ER・・・右眼(被検眼)
Claims (1)
- 少なくとも左右に相対接近・離反駆動可能で且つ被検者の左右の被検眼の眼屈折力を求めることがそれぞれ可能な左眼屈折力測定ユニット及び右眼屈折力測定ユニットを備え、前記各眼屈折力測定ユニットは被検眼に対してアライメントを行うアライメント光学系及び前記アライメント光学系を制御する制御手段を有する眼屈折力測定装置であって、
前記制御手段は、前記被検者の被検眼の相対位置がずれたときの位置ズレを前記両眼屈折力測定ユニットのアライメント検出手段の出力により検出したとき、その旨を警告手段により警告するように設定されていることを特徴とする眼屈折力測定装置。
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