JP3839296B2 - 検眼装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、被検眼の検査を行う検眼装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からこの種の検眼装置としては被検眼の眼屈折力を測定する眼屈折力測定装置がある。この眼屈折力測定装置としては、特開2000−83900号公報に開示されたような検眼装置が知られている。この公報に開示された検眼装置は左右の測定光学系を有する。この各測定光学系は、視標手段と、左右方向に駆動可能に設けられたミラー台と、このミラー台に支持され且つ視標手段からの指標光を被検者の眼に入射させる角度可変ミラーを備えている。しかも、この検眼装置では、被検者の左眼及び右眼が左右の角度可変ミラーを介して左右の視標手段をそれぞれ視認することができる様になっている。また、この検眼装置では、左右のミラー台を相対接近・離反駆動することで、角度可変ミラーの間隔を被検眼の眼幅に合うように調整できるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の検眼装置では、眼位を測定するために角度可変ミラーの角度を変えることができるものの、被検者の左右眼を輻輳させたときの測定についての考慮がないものであった。即ち、この検眼装置では、左右の測定光学系から左眼又は右眼に入射する各入射光束の光軸を左眼の光軸及び右眼の光軸に合わせるために、左右の角度可変ミラーの角度を変えるような制御をしていないものであった。
【0004】
この様な被検者の左眼及び右眼を輻輳させての検眼時に、左右の測定光学系から左眼又は右眼に入射する各入射光束の光軸を左眼の光軸及び右眼の光軸に合わせることが、正確な測定をする上で好ましい。
【0005】
そこで、本願発明は、左眼及び右眼を輻輳させての被検眼の検眼時に、左右の測定光学系から左眼又は右眼に入射する各入射光束の光軸を左眼の光軸及び右眼の光軸に合わせることができる検眼装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、請求項1の発明は、少なくとも左右に相対接近・離反可能で且つ被検者の左右の被検眼の機能を検査可能な左検眼ユニット及び右検眼ユニットを有する検眼装置であって、前記各検眼ユニットを左右に駆動する左右方向駆動手段と、前記各検眼ユニットをそれぞれ前後に駆動させる前後方向駆動手段と、前記各検眼ユニットをそれぞれ上下に駆動させる上下方向駆動手段と、前記各検眼ユニットを水平方向に旋回駆動する旋回駆動手段と、前記左右方向駆動手段、前記前後方向駆動手段、前記上下方向駆動手段及び前記旋回駆動手段の駆動をそれぞれ制御する制御手段とを備え、該制御手段は、前記各左右方向駆動手段、前記前後方向駆動手段、前記上下方向駆動手段及び前記旋回駆動手段を作動制御することにより、前記左右の各検眼ユニットの前記被検眼に対する作動距離が一定となり、且つ、前記左右の被検眼の輻輳時に前記各検眼ユニットから前記各被検眼に向かう測定光軸前記左右の被検眼の光軸と一致するように、前記左検眼ユニット及び前記右検眼ユニットをそれぞれ移動させることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0008】
図1において、1は高さが上下調節可能な検眼テーブル、2は検眼テーブル1上に配設された検眼装置、3は検眼椅子、4は検眼椅子3に着座した被検者である。
【0009】
検眼装置2は、図1〜図7に示したように、起立部5a及び上部の水平部5bから逆L字状に形成されたボックス本体5と、この起立部5aの正面の左右両側部に一体に設けられ且つ手前側に延びる扁平支持部6,7を有する。また、検眼装置2は、左の扁平支持部6に設けられたカーソルキー(カーソル釦)8,9,10,11と、右の扁平支持部7に設けられたジョイステックレバー12を有する。このジョイステックレバー12の上端部には押釦スイッチ12aが設けられている。
【0010】
更に、検眼装置2は、水平部5aの中央部の下面に下方に向けて取り付けられたステー13と、ステー13に突設された支持軸14と、支持軸14に取り付けられた円弧状の額当15と、額当15の左右にそれぞれ配設された左検眼ユニット(左眼検査ユニット)16L及び右検眼ユニット(右眼検査ユニット)16Rを有する。
【0011】
この検眼ユニット16L,16Rは、三次元方向に駆動可能な支持手段17L,17Rでそれぞれ水平部5aに支持されている。この支持手段17Lは水平部5a内に配設された三次元駆動装置(三次元駆動機構,左駆動手段)18Lと、三次元駆動手段である三次元駆動装置18Lの下方に配設された水平回転装置(水平回転駆動装置)19Lを有する。また、支持手段17Rは水平部5a内に配設された三次元駆動装置(三次元駆動機構,右駆動手段)18Rと、三次元駆動手段である三次元駆動装置18Rの下方に配設された水平回転装置(水平回転駆動装置)19Rを有する。
<三次元駆動装置>
三次元駆動装置(三次元駆動手段)18L,18Rは、パルスモータや油圧シリンダ等を用いて支持軸20aを上下駆動する様にしたY(上下)方向駆動装置(駆動手段)20と、支持軸20aの下端に取り付けられたY(上下)方向移動支持部材21と、Y方向移動支持部材21にZ(前後)方向に移動可能に取り付けられたZ(前後)方向移動支持部材22と、Z方向移動支持部材22にX(左右)方向に移動可能に取り付けられたX(左右)方向移動支持部材23を有する。
【0012】
そして、図8に示したように、Z方向移動支持部材22は、Y方向移動支持部材21に取り付けられたパルスモータ等のZ方向駆動装置(駆動手段)24と、Z方向駆動装置24により回転駆動される送りネジ25によりZ(前後)方向に進退駆動させられる様になっている。また、X方向移動支持部材23は、Z方向移動支持部材22に取り付けられたパルスモータ等の左右方向駆動装置(駆動手段)26と、左右方向駆動装置(左右方向駆動手段)26により回転駆動される送りネジ27によりX(左右)方向に進退駆動させられる様になっている。
<水平回転装置>
また、水平回転装置(水平回動手段,旋回駆動手段)19L,19Rは、三次元駆動装置18L,18RのX移動支持部材23,23の中央に固定されたパルスモータ等の水平回転駆動装置(輻輳駆動手段,旋回駆動手段)28,28と、パルスモータ28,28により鉛直軸を中心に回転駆動される回転軸29,29をそれぞれ有する。そして、この回転軸29,29には、左検眼ユニット16L及び右検眼ユニット16Rが固定されている。
<検眼ユニット>
左検眼ユニット16L及び右検眼ユニット16Rは、一部を省略した以外は構成が略同じであるので、まず左検眼ユニット16Lの測定光学系について説明する。
(a)左検眼ユニット16Lの測定光学系及びその制御系
この左検眼ユニット16Lの測定光学系は、図9,図10,図11に示した前眼部撮影光学系30Lと、XYアライメント光学系31Lと、固視光学系32Lと、屈折力測定光学系33Lを有する。尚、右検眼ユニット16Rの測定光学系は、図9,図12,図13に示したように前眼部撮影光学系30Rと、XYアライメント光学系31Rと、固視光学系32Rと、屈折力測定光学系33Rを有する。
(前眼部撮影光学系30L)
前眼部撮影光学系30Lは、前眼部照明光学系34と、観察撮影用の撮影光学系(観察光学系)35を有する。この前眼部照明光学系34は、前眼部照明用の光源36と、絞り36aと、光源か36からの光を被検眼Eの前眼部に投影する投影レンズ37を有する。
【0013】
また、撮影光学系35は、被検眼Eの前眼部からの反射光が入射するプリズムP,対物レンズ38,ダイクロイックミラー39,絞り40,ダイクロイックミラー41,リレーレンズ42,43,ダイクロイックミラー44,CCDレンズ(結像レンズ)45,CCD(撮像手段)46をこの順に有する。
(XYアライメント光学系31L)
XYアライメント光学系31Lは、アライメント照明光学系47と、撮影光学系35をアライメント受光光学系として有する。アライメント照明光学系47は、図10に示したように、アライメント用の照明光源48、アライメント視標としての絞り49、リレーレンズ50、ダイクロイックミラー41、絞り40,ダイクロイックミラー39,対物レンズ38,プリズムPをこの順に有する。
(固視光学系32L)
固視光学系32Lは、固視標や自覚式検眼用のチャート等を表示させる液晶表示器(表示手段)53,反射ミラー54,コリメータレンズ55,反射ミラー56,移動レンズ57,リレーレンズ58,59,反射ミラー60,ダイクロイックミラー61,39,対物レンズ38及びプリズムPをこの順に有する。
【0014】
この固視標光学系32Lは、被検眼の屈折力に合わせて移動レンズ57がパルスモータ(固視雲霧駆動手段)PMaにより光軸方向に移動可能となっていて、固視雲霧させることができる。
(屈折力測定光学系33L)
屈折力測定光学系33Lは、測定光束投影光学系62及び測定光束受光光学系63を有する。
【0015】
測定光束投影光学系62は、赤外LED等の測定用光源64,コリメータレンズ65,円錐プリズム66,リング視標67,リレーレンズ68,リング状絞り69,中央に透孔70aが形成された穴あきプリズム70,ダイクロイックミラー61,39、対物レンズ38及びプリズムPをこの順に有する。
【0016】
また、測定光束受光光学系63は、被検眼Eの眼底Efからの反射光を受光するプリズムP,対物レンズ38,ダイクロイックミラー39,61,穴あきプリズム70の透孔70a,反射ミラー71,リレーレンズ72,移動レンズ73,反射ミラー74,ダイクロイックミラー44,CCDレンズ45,CCD46をこの順に有する。
【0017】
この右検眼ユニット16Rの測定光学系は左検眼ユニット16Lの測定光学系と全く同じであるので、その説明は省略する。
(左検眼ユニット16Lの制御回路)
上述した駆動装置20,24,26,28や前眼部観察用の光源36,液晶表示器53,測定用光源64及びパルスモータPMa等は、図14に示した演算制御回路90により作動制御されるようになっている。また、演算制御回路90には、CCDからの検出信号が入力されるようになっている。
(b)右検眼ユニット16Rの測定光学系及びその制御系
右検眼ユニット16Rは、上述したように左検眼ユニット16Lと構成が同じである。
<全体の制御回路>
全体の制御回路は、図14に示したように上述の検眼ユニット16L,16Rの制御回路(制御手段)90,90と、制御回路90,90を制御する演算制御回路(制御手段)91を有する。この演算制御回路91には、押釦スイッチ12a及びジョイステックレバー12の前後・左右への傾動操作を検出する傾動検出センサ12b、ジョイステックレバー12の軸線回りへの回動操作を検出する回転センサ12cが接続されている。また、演算制御回路91には、液晶表示器等の表示装置(表示手段)92が接続されている。この液晶表示装置92は、ボックス本体5の手前側に図1の如く配設して使用される。
【0018】
また、演算制御回路91には、情報記録再生装置(情報記録再生手段)等の記録手段91aやメモリ等の記憶手段91bが接続されている。
【0019】
次に、この様な構成の眼屈折力検査装置の使用状態を説明する。
[1].検眼ユニットの高さ調節等
被検者4が図1の如く椅子3に着座して、検眼ユニット16L,16RのプリズムP,Pの高さが被検者4の眼の高さになるように、検眼テーブル1の高さを図示しない上下駆動手段で上下に調整する。この様な検眼テーブル1の上下駆動機構は周知のものが採用できるので、詳細な説明は省略する。
【0020】
尚、図示はしていないが、扁平支持部(ベース部材)6に手動操作手段又はパルスモータ等の駆動モータにより上下動操作可能な支柱を設け、この支柱に顎受を設けることができる。例えば、手動操作手段としては、例えば顎受の支柱にラックを設け、このラックに噛合するピニオンを回転操作軸の一端部に取り付け、この回転操作軸の他端部に回転操作ノブを取り付けた構成としても良い。この構成では、回転操作ノブを回転操作することにより、ピニオンが回転させられて、このピニオンの回転がラックを介して支柱上下動に変換され、支柱と顎受が一体に上下動操作されることになる。
【0021】
この様な顎受を設けることで、検眼テーブル1を被検者の座高等に応じて上下動させることで、検眼ユニット16L,16RのプリズムP,Pの高さが略被検者4の眼の高さになるように概略調整したのち、顎受の高さを調節することで検眼ユニット16L,16RのプリズムP,Pの高さが被検者4の眼の高さになるように微調整することができる。
[2]アライメント
(1).遠方視状態のための検眼ユニット16L,16Rの駆動制御
次に、被検者4が検眼装置2の図示を省略した電源を投入すると、演算制御回路91は表示装置92に使用手順を順次表示させる。被検者4は、この使用手順に従って検眼を進める。
【0022】
また、この際、演算制御回路91は、検眼ユニット16L,16Rの演算制御回路90,90を作動制御して、被検者4の左眼(被検眼)EL,右眼(被検眼)ERに対するアライメント動作の準備を開始させる。即ち、検眼ユニット16L,16Rの各演算制御回路90,90は、検眼ユニット16L,16Rの前眼部観察用光源36,アライメント用の照明光源48等を点灯させると共に,液晶表示器53を作動させて、液晶表示器53に固視標を表示させる。
【0023】
また、検眼ユニット16L,16Rの演算制御回路90,90は、演算制御回路91からの制御信号に基づいて水平回転駆動装置28,28を作動制御して、検眼ユニット16L,16RのプリズムP,Pから被検者4側に向かう光軸OL,ORを図9及び図15に示したように平行にする。
【0024】
この場合、演算制御回路91により演算制御回路90,90を作動制御して、検眼ユニット16L,16Rのパルスモータ等の左右方向駆動装置(駆動手段)26,26を演算制御回路90,90により駆動制御させることにより、検眼ユニット16L,16RのX方向移動支持部材23,23を左右に移動制御させて、検眼ユニット16L,16Rの光軸(測定光軸)OL,ORの間隔を被検者4の左眼(被検眼)ELと右眼(被検眼)ERとの間隔、即ち被検者4の瞳孔間距離PDに合わせるのが望ましい。
(i)検眼ユニット16L,16Rの光軸(測定光軸)OL,OR間隔設定(PD値利用)
<PD値の測定データがある場合>
従って、レンズメータ等でメガネの左右のレンズの光軸間距離が測定されて、この光軸間距離のデータがある場合にはこのデータがPD値となるので、この光軸間距離のデータをレンズメータからPD値のデータとして演算制御回路91に通信手段を介して入力する。この通信手段としては、ケーブル、ネットワーク、無線、光等を用いることができる。また、このPD値を入力をするためのキーボード等のPD値入力手段を用意しておいて、PD値を本人又はアシスタントが入力するようにしてもよい。
【0025】
この場合、演算制御回路91は、実際に測定したPD値が入力されると、演算制御回路90,90を作動制御して、検眼ユニット16L,16Rのパルスモータ等の左右方向駆動装置(駆動手段)26,26を演算制御回路90,90により駆動制御させることにより、検眼ユニット16L,16RのX方向移動支持部材23,23を左右に移動制御させて、検眼ユニット16L,16Rの光軸OL,ORの間隔を被検者4の左眼ELと右眼ERとの間隔、即ち被検者4の瞳孔間距離PDに合わせる。
<PD値の測定データがない場合>
しかし、この様なPD値のデータがない場合には、以下の様にしてPD値を設定する。例えば、人の瞳孔間距離PDは子供と成人、男性と女性で大きく異なることが多い。この場合の瞳孔間距離PDのバラツキは、おおよそ50mm〜80mmと広範囲に分布する。従って、通常の男性の成人の場合を考えると、例えば50mm〜80mmの中間の値である65mmを成人の瞳孔間距離PDの初期設定値(標準値)とする。
【0026】
また、年齢によるPD値(瞳孔間距離PDの値)の平均は、例えば表1に示したように、
Figure 0003839296
となる。この表1から分かるように、若い年齢ではPD値の変化が大きいが、10歳を越えると略安定している。
【0027】
また、性別によるPD値は表2に示したように、
Figure 0003839296
となる。ここで、男性の場合のPD値は、53mmが1%未満、56mmが2.5%未満、58mmが5%未満・・・71mmが99%未満であることを示す。また、女性の場合のPD値は、48mmが1%未満、48mmが2.5%未満、51mmが5%未満・・・69mmが99%未満であることを示す。
【0028】
更に、上記表1,表2のデータを参考として、男性及び女性のPD値を求める。そして、男性の場合、19歳以下の年齢Amに対するPD値をPDmとすると、PDmは、
PDm=Am+46
に従って求めることができる。ここで、年齢Amは1歳単位、PDmは四捨五入で1mm単位とする。また、男性の場合、20歳以上のPD値は上述したように65mmとする。この様にして求められ又は設定された男性の年齢によるPDmは、
Figure 0003839296
となる。
【0029】
更に、女性の場合、19歳以下の年齢Awに対するPD値をPDwとすると、PDwは、
PDw=0.7Aw+46
に従って求めることができる。ここで、年齢Awは1歳単位、PDwは四捨五入で1mm単位とする。また、女性の場合、20歳以上のPD値は59mmとする。
この様にして求められ又は設定された女性の年齢によるPDwは、
Figure 0003839296
となる。
【0030】
この様に求められ又は設定されたPD値を予め記録手段91a又は記憶手段91bにPD値のデータベースとして記録又は記憶させておく。一方、表示装置92に年齢や性別の選択又は入力するメニューを演算制御回路91により表示させる。そして、このメニューをジョイステックレバー12又はキー8,9,10,11等の被検者情報入力手段を用いて選択することにより、或いは専用のキーボード(図示せず)を被検者情報入力手段として設けておいて、この専用のキーボードを利用して年齢、性別の選択メニューを選択することにより、年齢、性別の入力画面を表示装置92に表示させる様にする。そして、この年齢、性別の入力画面において、ジョイステックレバー12又はキー8,9,10,11等の被検者情報入力手段を用いて年齢、性別を入力するか、専用のキーボード(被検者情報入力手段)を用いて年齢、性別等の被検者情報(被検者PD情報)を入力する。或いは、液晶表示器92に透明なタッチパネル(被検者情報入力手段)を設けておいて、このタッチパネルを用いて年齢、性別を入力することもできる。この様なPD値の入力は本人又はアシスタントが入力するようにしてもよい。
【0031】
この場合、演算制御回路91は、年齢,性別が入力されると、演算制御回路90,90を作動制御して、検眼ユニット16L,16Rのパルスモータ等の左右方向駆動装置(駆動手段)26,26を演算制御回路90,90により駆動制御させることにより、検眼ユニット16L,16RのX方向移動支持部材23,23を左右に移動制御させて、検眼ユニット16L,16Rの光軸OL,ORの間隔を上述の表1〜4に示した年齢や性別等に応じた値に設定する。
(ii)検眼ユニット16L,16Rの左眼EL及び右眼ERに対するXY粗アライメント操作
また、演算制御回路91が上述のように電源の投入により作動させられると、演算制御回路91は検眼ユニット16L,16Rの演算制御回路90,90を動作制御して、この演算制御回路90,90に検眼ユニット16L,16Rの前眼部照明用の光源36,36をそれぞれ点灯させる。これにより、各検眼ユニット16L,16Rの光源36からの照明光が、絞り36a及び投影レンズ37を介して被検眼ELの前眼部に投影され、検眼ユニット16Rの前眼部照明用の光源36からの照明光は絞り36aを介して投影レンズ37から被検者4側に投影される。
<アライメント操作>
この状態で被検者4が左右両眼の検眼ユニット16L、16Rに対するアライメントを行う場合には、測定前に被検者4は額を額当15に当接させて、ジョイステックレバー12を左右に傾動操作すると共に、ジョイステックレバー12を軸線回りの一方に回動操作又は逆他方に回動操作する。この様にジョイステックレバー12を左右に傾動操作すると、演算制御回路91は傾動センサ12bの出力信号に基づいて検眼ユニット16L,16Rの演算制御回路90,90をそれぞれ作動制御する。この制御により、検眼ユニット16L,16Rの各演算制御回路90,90は、傾動センサ12bの出力信号から、X(左右)方向駆動装置26を正転又は逆転駆動させて、検眼ユニット16L,16Rを左右一体に移動制御する。また、ジョイステックレバー12を軸線回りの一方に回動操作又は逆他方に回動操作すると、演算制御回路91は検眼ユニット16L,16Rの演算制御回路90,90をそれぞれ作動制御する。この制御により、検眼ユニット16L,16Rの各算制御回路90は、検眼ユニット16L,16Rの各Y(上下)方向駆動装置20,20を正転又は逆転駆動させて、検眼ユニット16L,16Rを上下に一体に移動制御する。
【0032】
従って、被検者4が左右両眼の眼屈折力を測定する場合には、被検者4の左右眼の光軸が検眼ユニット16L,16RのプリズムP,Pの中心位置(光軸OL,OR)に来るように(一致する様に)、ジョイステックレバー12を左右へ傾動操作して、検眼ユニット16L,16Rを左右に移動操作すると共に、 ジョイステックレバー12を軸線回りに回動操作して、検眼ユニット16L,16Rを上下に移動操作することにより、XYアライメントを行う。
【0033】
この際、左眼ELの瞳孔中心である輝点像EPが液晶表示器53の中心(CCD46の中心O即ち光軸OLと一致)OLaに対して左右方向の自動アライメントが可能な所定範囲内に入るように、又は、右眼ERの瞳孔中心である輝点像EPが液晶表示器53の中心(CCD46の中心O即ち光軸OLと一致)ORaに対して左右方向の自動アライメントが可能な所定範囲内に入るように、XYアライメントを行う。
【0034】
上述した図示しない顎受がある場合には、顎受の高さを上下方向(Y方向)に移動操作して、被検者4の眼が検眼ユニット16L,16RのプリズムP,Pの高さに来るように大まかに調整した後、ジョイステックレバー12を左右へ傾動操作して、検眼ユニット16L,16Rを左右に移動操作し、Xアライメントを行う。
【0035】
この様なXYアライメント又はXアライメント操作は、検眼ユニット16L,16Rの液晶表示器53,53に表示させた表示内容を左眼EL及び右眼ERで視認しながら、この表示が明瞭になるようにすることで行う。
【0036】
この各液晶表示器53の表示内容としては、景色の写真や図形等の固視標を用いることができる。また、各液晶表示器53の表示内容としては、検眼ユニット16L,16RのCCD46,46で撮像される前眼部像(輝点像を含む)を固視標として用いても良い。以下の説明では、表示内容を前眼部像で説明する。
(iii)XY粗アライメント操作に伴う液晶表示器53及び表示装置92への表示
<左右の前眼部像表示>
この様なアライメント操作に際して、検眼ユニット16LのプリズムPが左眼(被検眼)ELに対応し始まると、検眼ユニット16Lの前眼部照明用の光源36からの照明光は絞り36a及び投影レンズ37を介して左眼(被検眼)ELの前眼部に投影され、検眼ユニット16Rの前眼部照明用の光源36からの照明光は絞り36a及び投影レンズ37を介して左眼ELの前眼部に投影される。一方、検眼ユニット16RのプリズムPが右眼ERに対応し始まると、検眼ユニット16Rの前眼部照明用の光源36からの照明光は絞り36a及び投影レンズ37を介して右眼ERの前眼部に投影され、検眼ユニット16Rの前眼部照明用の光源36からの照明光は絞り36a及び投影レンズ37を介して右眼ERの前眼部に投影される。
【0037】
そして、左眼ELの前眼部からの反射光は、検眼ユニット16LのプリズムP,対物レンズ38,ダイクロイックミラー39,絞り40,ダイクロイックミラー41,リレーレンズ42,43,ダイクロイックミラー44,CCDレンズ(結像レンズ)45を介してCCD(撮像手段)46に投影され、図18の如くCCD46に左眼ELの前眼部像EL′を結像する。また、検眼ユニット16Lの演算制御回路90は、図19の如くCCD46からの出力信号を基に左眼の前眼部像EL′を液晶表示器53に動画でリアルタイムで表示させる。この表示と同様な表示を表示装置92にアシスタント用に表示させる。
【0038】
尚、実際には、左眼の前眼部像EL′を液晶表示器53に表示せず、上述したように景色の写真や図形等の固視標を液晶表示器53に表示させて、表示装置92に左眼の前眼部像EL′をアシスタント用として表示させても良い。
【0039】
一方、 右眼ERの前眼部からの反射光は、検眼ユニット16RのプリズムP,対物レンズ38,ダイクロイックミラー39,絞り40,ダイクロイックミラー41,リレーレンズ42,43,ダイクロイックミラー44,CCDレンズ(結像レンズ)45を介してCCD(撮像手段)46に投影され、図18の如くCCD46に右眼ERの前眼部像ER′を結像する。また、検眼ユニット16Rの演算制御回路90は、図19の如くCCD46からの出力信号を基に右眼の前眼部像ER′を液晶表示器53に動画でリアルタイムで表示させる。この表示と同様な表示を表示装置92にアシスタント用に表示させる。
【0040】
尚、実際には、右眼の前眼部像ER′を液晶表示器53に表示せず、上述したように景色の写真や図形等の固視標を液晶表示器53に表示させて、表示装置92に右眼の前眼部像ER′をアシスタント用として表示させても良い。
<左右の輝点像表示>
また、検眼ユニット16LにおけるXYアライメント用の照明光源48からのアライメント光束は、アライメント視標としての絞り49、リレーレンズ50、ダイクロイックミラー41、絞り40,ダイクロイックミラー39,対物レンズ38,プリズムPを介して被検者の左眼ELの角膜CLに投影されている。そして、角膜CLからの反射光は、プリズムP,対物レンズ38,ダイクロイックミラー39,絞り40,ダイクロイックミラー41,リレーレンズ42,43,ダイクロイックミラー44,CCDレンズ(結像レンズ)45を介してCCD(撮像手段)46に結像され、角膜CLからの輝点像EPを図18の如くCCD46上に形成する。しかも、検眼ユニット16Lの演算制御回路90は、CCD46からの出力信号を基に左眼ELの前眼部像EL′と共に輝点像EPを図18の如く液晶表示器53に重ねて動画でリアルタイムで表示させる。この表示と同様な表示を表示装置92にアシスタント用に表示させる。
【0041】
尚、実際には、左眼の前眼部像EL′及び輝点像EPを液晶表示器53に表示せず、上述したように景色の写真や図形等の固視標を液晶表示器53に表示させて、表示装置92に右眼の前眼部像EL′及び輝点像EPをアシスタント用として表示させても良い。
【0042】
同様に検眼ユニット16RにおけるXYアライメント用の照明光源48からのアライメント光束は、アライメント視標としての絞り49、リレーレンズ50、ダイクロイックミラー41、絞り40,ダイクロイックミラー39,対物レンズ38,プリズムPを介して被検者の左眼ERの角膜CRに投影されている。そして、角膜CRからの反射光は、プリズムP,対物レンズ38,ダイクロイックミラー39,絞り40,ダイクロイックミラー41,リレーレンズ42,43,ダイクロイックミラー44,CCDレンズ(結像レンズ)45を介してCCD(撮像手段)46に結像され、角膜CLからの輝点像EPを図18の如くCCD46上に形成する。しかも、検眼ユニット16Rの演算制御回路90は、CCD46からの出力信号を基に左眼ERの前眼部像ER′と共に輝点像EPを図18の如く液晶表示器53に重ねて動画でリアルタイムで表示させる。この表示と同様な表示を表示装置92にアシスタント用に表示させる。
【0043】
尚、実際には、右眼の前眼部像ER′及び輝点像EPを液晶表示器53に表示せず、上述したように景色の写真や図形等の固視標を液晶表示器53に表示させて、表示装置92に右眼の前眼部像ER′及び輝点像EPをアシスタント用として表示させても良い。
(iV)XY粗アライメント操作に伴うオートアライメント
被検者4は、上述したXY粗アライメント操作において、検眼ユニット16L,16Rの一方の液晶表示器53,53のうちの一方の表示内容が見えたときに、この見えた方の液晶表示器53の表示内容がより明瞭(鮮明)になる方向に更にアライメント操作をする。ここで、例えば見えた方の表示内容が検眼ユニット16Lの液晶表示器53に表示されたものである場合について、以下説明する。
(a)左検眼ユニット16LのXYオートアライメント
被検者4は、検眼ユニット16Lの液晶表示器53に表示された表示内容を視認できたとき、この液晶表示器53の前眼部像及び輝点像EPを視認しながら、左眼ELの瞳孔中心である輝点像EPが液晶表示器53の中心(CCD46の中心即ち光軸OLと一致)に対して上下方向の自動アライメントが可能な所定範囲内に入るように、ジョイステックレバー12の軸線回りの回転操作により、被検者4の左眼(被検眼)ELの光軸が左検眼ユニット16LのプリズムPの中心(光軸OL)に一致するように移動操作する。尚、このプリズムPの中心(光軸OL)は、CCD46の中心と一致している。
【0044】
この様にして、被検者4の左眼ELの輝点像EPが左検眼ユニット16Lの液晶表示器53の中心OLaに対して所定範囲S1内に入ると、アライメント光束による輝点像EPがCCD46の中心Oの所定範囲内に入ることになる。
【0045】
そして、検眼ユニット16Lの演算制御回路90は、CCD46からの輝点像の信号がCCD46の中心の所定範囲内に入ると、被検者4の左眼の光軸が左検眼ユニット16LのプリズムPの中心(光軸OL)に一致する方向に駆動装置20,26を駆動制御する。この様な駆動に伴って演算制御回路90は、被検者4の左眼の光軸が左検眼ユニット16LのプリズムPの中心(光軸OL)に一致するか略一致する許容範囲S2(測定可能範囲)内に入ると、駆動装置20,26の作動を停止させて、左検眼ユニット16Lの左眼ELに対するXYオートアライメントを完了する。
【0046】
この様なXYオートアライメント時の左右方向即ちX方向の座標データ(X座標データ)及びY方向(上下方向)の座標データ(Y座標データ)又や駆動量のデータは、記憶手段91bに記憶される。
(b).左検眼ユニット16Lの左眼ELに対するZ方向のオートアライメント
演算制御回路91は、左検眼ユニット16Lの左眼ELに対するXYアライメントを完了すると、CCD46の輝点像が有る程度鮮明になるようにZ(前後)方向駆動装置24を駆動制御して、左検眼ユニット16Lを光軸OL方向(前後方向)に移動制御する。そして、演算制御回路91は、CCD46の輝点像が有る程度鮮明になったのを、CCD46の出力信号から検知すると、Zアライメントが完了したとしてZ(前後)方向駆動装置24の駆動を停止させる。この様なXYオートアライメント時のZ方向(左右方向)の座標データ(Z座標データ)又や駆動量のデータも、記憶手段91bに記憶される。
(C).右検眼ユニット16Rに対するオートアライメント
<年齢、性別に基づくPD値利用のアライメントの場合>
(X,Y,Z座標データによるアライメントが可能な場合)
この様にして左検眼ユニット16Lの左眼ELに対するXYアライメント及びZアライメントが完了すると、演算制御回路91は左検眼ユニット16Lの左眼ELに対するX,Y,Z座標データに基づいて、右検眼ユニット16Rの演算制御回路90を動作制御して、X,Y,Zのオートアライメントを実行する。
【0047】
ここで、検眼ユニット16L,16Rを最も接近させた状態あるいは最も離反させた状態において、検眼ユニット16L,16Rの中間位置をX方向の座標の基準位置X0とすると、上述の検眼ユニット16LのX座標データは基準位置X0から左方への距離xaの絶対値で求められる様に設定し、検眼ユニット16RのX座標データは基準位置X0から右方への距離xbの絶対値で求められる様に設定しておいた場合には、検眼ユニット16LのX,Y,Z座標データを用いての検眼ユニット16Rのアライメントは次のようになる。
【0048】
即ち、演算制御回路91は、X座標データに基づいて右検眼ユニット16Rの演算制御回路90を作動制御して、この演算制御回路90により駆動装置26を駆動制御し、検眼ユニット16Rを基準位置X0から右側に|xa|だけ移動させると共に、Y,Z座標データに基づいて右検眼ユニット16Rの演算制御回路90を作動制御して、この演算制御回路90により駆動装置24,20を駆動制御し、検眼ユニット16Rを検眼ユニット16LのY,Z座標データの位置まで駆動制御することで、右検眼ユニット16Rの右眼ERに対するXYアライメント及びZアライメントを行う。
【0049】
このアライメントにより、被検者4の右眼ERの輝点像EPが左検眼ユニット16Rの液晶表示器53の中心ORaに対して所定範囲S1内に入ると、アライメント光束による輝点像EPがCCD46の中心Oの所定範囲内に入ることになる。これにより、右検眼ユニット16Rの右眼ERに対するアライメントが、右検眼ユニット16Lの左眼ELに対するアライメントと同様にして実行される。
(X,Y,Z座標データによるアライメントが不可能な場合)
この様な一方の検眼ユニット16LのX,Y,Z座標データを他方の検眼ユニット16Rのアライメントのデータとしてフィードバックして、検眼ユニット16Rのオートアライメントを行った場合に、右検眼ユニット16Rの右眼ERに対するアライメントができない場合も考えられる。
【0050】
この場合には、演算制御回路91は、右検眼ユニット16Rの演算制御回路90を介してY(上下)方向駆動装置20及びZ(前後)方向駆動装置24の作動を停止させて、右検眼ユニット16RのYZ座標を固定する。一方、演算制御回路91は、右検眼ユニット16Rの演算制御回路90を介してパルスモータ等の左右方向駆動装置(駆動手段)26を駆動制御し、右検眼ユニット16Rを左右(X方向)に例えば±5mm又は±10mm移動操作して、右検眼ユニット16Rの右眼ERに対するオートアライメントを行う。
【0051】
このアライメントにより、被検者4の右眼ERの輝点像EPが左検眼ユニット16Rの液晶表示器53の中心ORaに対して所定範囲S1内に入ると、アライメント光束による輝点像EPがCCD46の中心Oの所定範囲内に入ることになる。これにより、右検眼ユニット16Rの右眼ERに対するアライメントが、演算制御回路91及び右検眼ユニット16Rの演算制御回路90により、右検眼ユニット16Lの左眼ELに対するアライメントと同様にして実行される。
<測定に基づくPD値利用のアライメントの場合>
被検者4のPD値の情報又はレンズメータからのPD値の情報がある場合には、一方の検眼ユニット16Lが左眼ELにアライメントされると、他方の検眼ユニット16Rは右眼ERにアライメントされることになるので、他方の検眼ユニット16RのX方向のアライメントは不要となる。この場合には、Y,Zのアライメントを検眼ユニット16LのY,Z座標データに基づいて上述と同様に行えば良い。
【0052】
尚、上述した例では左検眼ユニット16Lのアライメントが先に行われ、このアライメントの座標データに基づいて右検眼ユニット16Rのアライメントを行われる例を説明したが、アライメントはこの逆になることもある。
[3]遠方視状態における眼屈折力の同時測定
ところで、固視光学系32Lの移動レンズ57は、パルスモータ(駆動手段)PMaで光軸Oの延びる方向に進退駆動されるようになっている。
しかも、液晶表示器53は、測定前には初期位置、即ち屈折力測定光学系33L,33Rで測定される眼屈折力が0D(「0」ディオプター)となる位置に位置させられている。固視光学系32Rも同様になっている。
【0053】
そして、演算制御回路91は、[1],[2]のアライメントが完了すると、屈折力測定光学系33Lの演算制御回路90及び屈折力測定光学系33Rの演算制御回路90をそれぞれ作動制御して、左右の屈折力測定光学系33L,33Rの測定用光源64,64をそれぞれ点灯させて、この測定用光源64,64から赤外の測定光束を出射させ、被検者4の左眼EL及び右眼ERの眼屈折力の測定を同時に開始する。この際、測定は左眼ELも右眼ERも同じようにして行われるので、左眼ELの測定について説明し、右眼の測定に説明を省略する。
(i)左眼ELの眼屈折力測定
この際、液晶表示器53に表示された固視標の光は、反射ミラー54,コリメータレンズ55,反射ミラー56,移動レンズ57,リレーレンズ58,59,反射ミラー60,ダイクロイックミラー61,39,対物レンズ38及びプリズムPを介して、被検者4の左眼ELの眼底Efに投影される。
【0054】
また、左屈折力測定光学系33Lの測定用光源64からの測定光束は、測定光束投影光学系62を介して被検者4の左眼ELの眼底Efに投影される。即ち、左屈折力測定光学系33Lの測定用光源64からの測定光束は、左屈折力測定光学系33Lのコリメータレンズ65,円錐プリズム66を介してリング視標67に導かれる。そして、リング視標67を透過したリング状の測定光束が、リレーレンズ68,リング状絞り69,中央に透孔70aが形成された穴あきプリズム70,ダイクロイックミラー61,39、対物レンズ38及びプリズムPを介して被検者4の左眼ELの眼底Efに投影される。
【0055】
一方、左眼ELの眼底Efに投影されたリング状の測定光束(リング状視標光)は眼底Efで反射する。この反射光は、測定光束受光光学系63、即ち屈折力測定光学系33LのプリズムP,対物レンズ38,ダイクロイックミラー39,61,穴あきプリズム70の透孔70a,反射ミラー71,リレーレンズ72,移動レンズ73,反射ミラー74,ダイクロイックミラー44,CCDレンズ45等を介してCCD46にリング状反射像が結像される。
【0056】
このCCD46からの検出信号は左屈折力測定光学系33Lの演算制御回路90に入力される。この演算制御回路90は、CCD46からの検出信号が入力されると、CCD46に結像されたリング状反射像の大きさ形状と基準のリング状反射像の大きさ形状とから、左眼ELの眼屈折力を測定する。この際、左眼ELに調節力が働いているか否かが分からないので、即ち、左眼ELに調節力が働いているかもしれないので、屈折測定で得られた眼屈折力が例えば3Dのときには1.5Dをプラスして、4.5Dの位置に固視標が表示された液晶表示器53が来るように、パルスモータPMaを駆動制御して移動レンズ57を光軸Oの延びる方向に進退駆動させる。
【0057】
そして、この位置で左眼ELの眼屈折力を上述の様にして測定する。この際の測定結果が例えば4Dの時には、前回の測定で得られた眼屈折力3Dと今回の測定で得られた眼屈折力4Dとの差が1Dあるので、左眼ELには調節力があることが分かる。従って、演算制御回路91は、今回の測定で得られた4Dに1.5Dをプラスして5.5Dとし、5.5Dの位置に液晶表示器53が来るように、パルスモータPMaを駆動制御することにより移動レンズ57を光軸Oの延びる方向に進退駆動させて、液晶表示器53を5.5Dの位置まで雲霧させ、再度左眼ELの眼屈折力を測定する。
【0058】
更に、この測定結果が例えば4.25Dの時には、前回の測定で得られた眼屈折力4Dと今回の測定で得られた眼屈折力し4.25Dとの差が0.25Dであるので、左眼ELの調節力が略無くなったとすることができる。
【0059】
即ち、上述のように、ラフ測定を順次繰り返して行い、前回測定により得られた眼屈折力と今回測定により得られた眼屈折力との差が、例えば0.25Dと殆ど無くなったときには、左眼ELの調節力が略無くなったとすることができる。しかも、液晶表示器53が4.25Dの位置では、左眼ELは液晶表示器53を鮮明に視認できる状態にあるので、この液晶表示器53が鮮明に視認できる移動レンズ57の位置を本測定の雲霧開始位置する。
【0060】
そして、演算制御回路90は、このラフ測定による最終的な眼屈折力が4.25Dの値に1.5Dをプラスして5.75Dとし、この4.25Dの位置から5.75Dの位置に液晶表示器53が来るように、移動レンズ57を光軸方向に移動させることにより液晶表示器53を雲霧させて、本測定を行う。即ち、演算制御回路90は、パルスモータPMaを駆動制御して移動レンズ57を光軸Oの延びる方向に移動させて、液晶表示器53が4.25Dの位置から5.75Dの位置に来るようにすることにより、左眼ELが視認している液晶表示器53がぼやける位置まで雲霧させて、左屈折力測定光学系33Lにより左眼ELの眼屈折力を測定する。この雲霧を伴う眼屈折力の本測定は数回行って平均値を左眼ELの眼屈折力とする。
(ii)右眼ERの眼屈折力測定
右眼ERの眼屈折力も、(i)の左眼ELの眼屈折力の測定と同様な手順で、左眼ELと同時に測定される。
(iii)従って、この様に左眼EL及び右眼ERの眼屈折力を同時に測定することにより、左眼ELと右眼ERの眼屈折力を片眼づつ測定した場合に比べて左眼ELと右眼ERの調節力がより少ない状態で、左眼EL及び右眼ERの眼屈折力を正確に測定できる。
【0061】
即ち、左眼ELと右眼ERの眼屈折力を片眼づつ測定した場合、左眼ELと右眼ERのうち測定していない方の眼の調節力が測定している方の眼の調節力に影響を与える虞がある。しかし、左眼EL及び右眼ERの眼屈折力を同時に測定することにより、左眼ELと右眼ERの調節力が影響し合うようなことが無くなるので、左眼ELと右眼ERの調節力がより少ない状態で、左眼EL及び右眼ERの眼屈折力を正確に測定できる。
[4].内方視(輻輳)状態から遠方視状態へ移動後の眼屈折力の同時測定
上述した[3]におけるように、遠方視状態での左右眼の眼屈折力の同時測定時には、左右眼の調節力が殆どない状態となっているが、内方視(光軸OL,ORが輻輳している状態)状態から遠方視状態(光軸OL,ORが平行な状態)へ移動後に眼屈折力を同時に測定することで、左右眼の調節力を更に少なくしてより正確な眼屈折力の測定を行うことができる。
【0062】
この測定に際しては、まず図9の左眼EL及び右眼ERが遠方視状態(光軸OL,ORが平行な状態)から内方視(光軸OL,ORが輻輳している状態)状態にする。例えば、図9の左眼EL及び右眼ERが遠方視状態(光軸OL,ORが平行な状態)から被検者4の左眼EL及び右眼ERが約75cm前方を見ている状態にして、左眼EL及び右眼ERが角度αだけ輻輳している状態にする。
(i).初期輻輳状態から光軸OL,ORを平行状態にしたときの眼屈折力測定
<初期位置への輻輳>
このためには、演算制御回路91は、演算制御回路90,90を介して検眼ユニット16L,16Rの駆動装置28,28を作動制御して、検眼ユニット16L,16Rを図9の状態から矢印A,Aの方向に水平回動(水平方向に旋回)させて、図16,図17に示したように光軸OL,ORを角度αだけ輻輳させる。
【0063】
この際、検眼ユニット16Lの演算制御回路90は、検眼ユニット16Lの左眼ELまでの作動距離が一定となる様に、且つ、被検者4の左眼の光軸が左検眼ユニット16LのプリズムPの中心(光軸OL)に一致する様に、検眼ユニット16LのCCD46からのアライメント用の輝点像のアドレス及びコントラスト等から、検眼ユニット16Lの駆動装置24及び26を作動制御して、検眼ユニット16Lを前後・左右に移動制御する。この制御により、光軸OLは、図20に示した実線の位置から破線で示したように左眼ELの回旋中心EOLを中心に矢印80で示したように時計回り方向に回動(旋回)させられることになる。この様にして、検眼ユニット16Lが輻輳させられる際に、検眼ユニット16Lの左眼ELまでの作動距離が一定となると共に、被検者4の左眼の光軸が左検眼ユニット16LのプリズムPの中心(光軸OL)に一致させられながら旋回させられる。
【0064】
一方、検眼ユニット16Rの演算制御回路90は、検眼ユニット16Rの右眼ERまでの作動距離が一定となるように、且つ、被検者4の右眼の光軸が右検眼ユニット16RのプリズムPの中心(光軸OL)に一致する様に、検眼ユニット16RのCCD46からのアライメント用の輝点像のアドレス及びコントラスト等から、検眼ユニット16Rの駆動装置24及び26を作動制御して、検眼ユニット16Rを前後・左右に移動制御する。この制御により、光軸ORは、図20に示した実線の位置から破線で示したように左眼ELの回旋中心EOLを中心に矢印81で示したように反時計回り方向に回動(旋回)させられることになる。この様にして、検眼ユニット16Rが輻輳させられる際に、検眼ユニット16Rの右眼ERまでの作動距離が一定となると共に、被検者4の右眼の光軸が右検眼ユニット16RのプリズムPの中心(光軸OL)に一致させられながら旋回させられる。
【0065】
尚、図20において、EP′は角膜CR又はCLの曲率半径の1/2の位置にそれぞれ形成される輝点で、この基点EP′が被検眼前眼部と共に各検眼ユニット16L,16RのCCD46に結像されて、CCD46からの映像信号に基づいて基点EP′が液晶表示器53に被検眼前眼部像と共に輝点像EPとして表示される。
【0066】
尚、角度αの輻輳位置に検眼ユニット16L,16Rの液晶表示器53,53があるとき、この位置が例えば−8Dに相当するとする。
<初期輻輳状態から光軸OL,ORを平行状態へ>
この輻輳状態から、演算制御回路91は、検眼ユニット16L,16Rは演算制御回路90,90を作動制御して、演算制御回路90,90によりパルスモータPMa,PMaを同時に駆動制御させて、移動レンズ57を光軸O方向に移動させ、検眼ユニット16L,16Rの液晶表示器53,53を−8Dに1.5Dをプラスした−6.5Dの位置まで雲霧させる。
【0067】
この際、演算制御回路91は、上述したように検眼ユニット16L,16Rを輻輳制御する。即ち、演算制御回路91は、演算制御回路90,90を作動制御して、演算制御回路90,90により検眼ユニット16L,16Rの駆動装置28,28を駆動制御させ、検眼ユニット16L,16Rを図17の矢印B,B方向に水平回動(水平旋回)させる。この演算制御回路90,90による駆動装置28,28の駆動制御は、検眼ユニット16L,16Rの光軸OL,ORが平行となるまで行わせる。
【0068】
しかも、この様な駆動制御(輻輳制御)に際して、検眼ユニット16Lの演算制御回路90は、検眼ユニット16LのCCD46からのアライメント用の輝点像のアドレス及びコントラスト等から、検眼ユニット16Lの駆動装置24及び26を作動制御して、検眼ユニット16Lの左眼ELまでの作動距離が一定となるように、且つ、被検者4の右眼の光軸が右検眼ユニット16RのプリズムPの中心(光軸OL)に一致する様に制御する。
【0069】
一方、検眼ユニット16Rの演算制御回路90は、検眼ユニット16RのCCD46からのアライメント用の輝点像のアドレス及びコントラスト等から、検眼ユニット16Rの駆動装置24及び26を作動制御して、検眼ユニット16Rの右眼ERまでの作動距離が一定となるように、且つ、被検者4の右眼の光軸が右検眼ユニット16RのプリズムPの中心(光軸OL)に一致する様に制御する。
【0070】
この様に、検眼ユニット16L,16Rを輻輳させながら、前後左右に移動制御して、この検眼ユニット16L,16Rから左眼EL及び右眼ERまでの作動距離を一定に制御させると共に、検眼ユニット16L,16Rの光軸OL,ORが被検眼の左眼EL及び右眼ERの光軸とそれぞれ一致させることで、図20に矢印80,81で示したように検眼ユニット16L,16Rの光軸OL,ORは被検眼の左眼EL及び右眼ERの回旋中心EOL,EORを中心にそれぞれ旋回することになる。以下、この様な制御を旋回制御と言う。
<眼屈折力のラフ測定>
そして、検眼ユニット16Lの演算制御回路90は、光軸OL,ORが平行になるまで、上述の様な駆動装置24,26,28の駆動制御して、検眼ユニット16L,16Rを旋回制御する。この際、演算制御回路90は、液晶表示器53が−6.5Dの位置まで雲霧させられるまで、パルスモータPMaの駆動制御して、移動レンズ57を光軸方向に移動させる。しかも、演算制御回路90は、この様な制御により光軸OL,ORが平行になると共に、液晶表示器53が−6.5Dの位置まで雲霧させられたとき、屈折力測定光学系33Lの測定用光源64をを点灯させて、左眼ELの眼屈折力のラフ(粗い)な測定を行う。
【0071】
これと共に検眼ユニット16Rの演算制御回路90は、光軸OL,ORが平行になるまで、上述の様な駆動装置24,26,28の駆動制御して、検眼ユニット16L,16Rを旋回制御する。この際、演算制御回路90は、液晶表示器53が−6.5Dの位置まで雲霧させられるまで、パルスモータPMaの駆動制御して、移動レンズ57を光軸方向に移動させる。しかも、演算制御回路90は、この様な制御により光軸OL,ORが平行になると共に、液晶表示器53が−6.5Dの位置まで雲霧させられたとき、屈折力測定光学系33Rの測定用光源64をを点灯させて、右眼ERの眼屈折力のラフ(粗い)な測定を行う。
【0072】
この様な測定において、左眼ELの屈折力の値が例えば−6Dであり、右眼ERの屈折力の値が例えば−5Dであったとすると、この値は左右眼EL,ERとも調節力があるときの値であるかもしれない。
(ii)光軸OL,ORの測定位置への輻輳状態から平行状態へ移動しての測定
<測定位置への輻輳>
従って、演算制御回路91は、演算制御回路90,90を介して検眼ユニット16L,16Rの駆動装置28,28を個別に作動制御して、検眼ユニット16L,16Rを図9の状態から矢印A,Aの方向に個別に水平回動させて、図16(b)に▲2▼、▲2▼′で示したように光軸OL,ORを独立に輻輳させると共に、検眼ユニット16Lの移動レンズ57を光軸方向に移動させて液晶表示器53を図16(a)の−6Dの位置に位置させ、検眼ユニット16Rの液晶表示器53を図16(a)の−5Dの位置に位置させる。
【0073】
この際、上述の「(i)初期位置への旋回制御」と同様に旋回制御して、検眼ユニット16Lから右眼ELまでの作動距離を一定にさせ、検眼ユニット16Rから右眼ERまでの作動距離を一定にさせると共に、検眼ユニット16L,16Rの光軸OL,ORを被検眼の左眼EL及び右眼ERの光軸とそれぞれ一致させる。
<輻輳状態から光軸OL,ORを平行状態へ>
この輻輳状態から、左検眼ユニット16Lの演算制御回路90は、左検眼ユニット16LのパルスモータPMaを駆動制御して、移動レンズ57を光軸O方向に移動させ、検眼ユニット16Lの液晶表示器53を−6Dに1.5Dをプラスした−4.5Dの位置まで雲霧させる。一方、右検眼ユニット16Rの演算制御回路90は、左検眼ユニット16RのパルスモータPMaを駆動制御して、移動レンズ57を光軸O方向に移動させ、検眼ユニット16Rの液晶表示器53を−5Dに1.5Dをプラスした−3.5Dの位置まで雲霧させる。
【0074】
この際、演算制御回路91は、演算制御回路90,90を作動制御して、演算制御回路90,90により検眼ユニット16L,16Rの駆動装置28,28を駆動制御させ、検眼ユニット16L,16Rを図17の矢印B,B方向に水平回動させる。この演算制御回路90,90による駆動装置28,28を駆動制御は、検眼ユニット16L,16Rの光軸OL,ORが平行となるまで行わせる。しかも、この際、上述したように各演算制御回路90は駆動装置24及び26を作動制御して、検眼ユニット16L,16Rの左眼EL及び右眼ERまでの作動距離がそれぞれ一定となるように、且つ、検眼ユニット16L,16Rの光軸OL,ORが被検眼の左眼EL及び右眼ERの光軸とそれぞれ一致させられる様に制御する。これにより、光軸OL,ORは被検眼の左眼EL及び右眼ERの回旋中心EOL,EORを中心に旋回することになる。
<眼屈折力のラフ測定>
そして、検眼ユニット16Lの演算制御回路90は、光軸OL,ORが平行になると共に、パルスモータPMaの駆動制御により、移動レンズ57が光軸方向に移動させられて、液晶表示器53が−4.5Dの位置まで雲霧させられたとき、屈折力測定光学系33Lの測定用光源64をを点灯させて、左眼ELの眼屈折力のラフ(粗い)な測定を行う。
【0075】
これと共に検眼ユニット16Rの演算制御回路90は、光軸OL,ORが平行になると共に、パルスモータPMaの駆動制御により、移動レンズ57が光軸方向に移動させられて、液晶表示器53が−3.5Dの位置まで雲霧させられたとき、屈折力測定光学系33Rの測定用光源64をを点灯させて、左眼ELの眼屈折力のラフ(粗い)な測定を行う。
【0076】
この様な測定において、左眼ELの屈折力の値が例えば−4Dであり、右眼ERの屈折力の値が例えば−3Dであったとすると、この値は左右眼EL,ERとも調節力があるときの値であるかもしれない。
(iii).繰り返しラフ測定
この場合、左眼ELにおいては、前回測定した眼屈折力の値が−6Dであり、今回測定した眼屈折力の値が−4Dであるので、前回と今回の眼屈折力の差が−2Dと大きく開いており、調節力が働いている。また、右眼ERにおいては、前回測定した眼屈折力の値が−5Dであり、今回測定した眼屈折力の値が−3Dであるので、前回と今回の眼屈折力の差が−2Dと大きく開いており、調節力が働いている。
【0077】
従って、この場合には上述の(ii)の様にして、図16(b)に▲3▼、▲3▼′で示したように光軸OL,ORを独立に輻輳させて、検眼ユニット16Lの移動レンズ57を光軸方向に移動させて、検眼ユニット16Lの液晶表示器53を図16(a)の−4Dの位置に位置させ、検眼ユニット16Rの移動レンズ57を光軸方向に移動させて、検眼ユニット16Rの液晶表示器53を図16(a)の−3Dの位置に位置させる。
【0078】
この輻輳状態から、(ii)の様にして、検眼ユニット16Lの移動レンズ57を光軸方向に移動させて、液晶表示器53を−4Dに1.5Dをプラスした−2.5Dの位置まで雲霧させて、左眼ELの眼屈折力のラフ(粗い)な測定を行うと共に、検眼ユニット16Rの移動レンズ57を光軸方向に移動させて、液晶表示器53を−3Dに1.5Dをプラスした−1.5Dの位置まで雲霧させて、右眼ERの眼屈折力のラフ(粗い)な測定を行う。
【0079】
この様な測定において、左眼ELの屈折力の値が例えば−3Dであり、右眼ERの屈折力の値が例えば−1Dであったとすると、この値は左右眼EL,ERとも調節力があるときの値であるかもしれない。
【0080】
この場合、左眼ELにおいては、前回測定した眼屈折力の値が−4Dであり、今回測定した眼屈折力の値が−3Dであるので、前回と今回の眼屈折力の差が−1Dと大きく開いており、調節力が働いている。また、右眼ERにおいては、前回測定した眼屈折力の値が−3Dであり、今回測定した眼屈折力の値が−1Dであるので、前回と今回の眼屈折力の差が−2Dと大きく開いており、調節力が働いている。
【0081】
従って、この場合には上述の(ii)の様にして、図16(b)に▲4▼、▲4▼′で示したように光軸OL,ORを独立に輻輳させて、検眼ユニット16Lの移動レンズ57を光軸方向に移動させて、液晶表示器53を図16(a)の−3Dの位置に移動させ、検眼ユニット16Rの移動レンズ57を光軸方向に移動させて、液晶表示器53を図16(a)の−1Dの位置に移動させる。
【0082】
この際、検眼ユニット16L,16Rを上述のように旋回制御することで、検眼ユニット16L,16Rの光軸OL,ORが被検眼の左眼EL及び右眼ERの光軸とそれぞれ一致させる。
【0083】
この輻輳状態から、(ii)の様にして、検眼ユニット16Lの移動レンズ57を光軸方向に移動させて、液晶表示器53を−3Dに1.5Dをプラスした−1.5Dの位置まで雲霧させて、左眼ELの眼屈折力のラフ(粗い)な測定を行うと共に、検眼ユニット16Rの移動レンズ57を光軸方向に移動させて、液晶表示器53を−1Dに1.5Dをプラスした0.5Dの位置まで雲霧させて、右眼ERの眼屈折力のラフ(粗い)な測定を行う。
【0084】
この様な測定において、左眼ELの屈折力の値が例えば−2.75Dであったとすると、左眼ELの前回測定した眼屈折力の値が−3Dであるので、前回と今回の眼屈折力の差が−0.25Dと略同じになっており、調節力が殆ど働いていない状態となる。また、この様な測定において、右眼ERの屈折力の値が例えば−0.75Dであったとすると、右眼ERの前回測定した眼屈折力の値が−1Dであるので、前回と今回の眼屈折力の差が−0.25と略同じになっており、調節力が殆ど働いていない状態となる。
(iV).本測定
従って、この場合には上述の(ii)の様にして、光軸OL,ORを独立に輻輳させて、検眼ユニット16Lの移動レンズ57を光軸方向に移動させて、液晶表示器53を図16(a)の−2.75Dの位置に位置させ、検眼ユニット16Rの移動レンズ57を光軸方向に移動させて、液晶表示器53を図16(a)の−0.75Dの位置に位置させる。
【0085】
この輻輳状態から、(ii)の様にして、検眼ユニット16Lの移動レンズ57を光軸方向に移動させて、液晶表示器53を−2.75Dに1.5Dをプラスした−1.25Dの位置まで雲霧させて、左眼ELの眼屈折力の本測定を行うと共に、検眼ユニット16Rの移動レンズ57を光軸方向に移動させて、液晶表示器53を−0.75に1.5Dをプラスした0.75Dの位置まで雲霧させて、右眼ERの眼屈折力の本測定を行う。
(5)その他
以上説明した実施例では、ジョイステックレバー12で検眼ユニット16L、16Rの駆動装置20,24,26等を駆動制御するようにしたが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0086】
たとえば、Y方向駆動装置20は設けずに、駆動装置24,26のみとして、カーソルキー9を操作することで駆動装置24を正転駆動制御して、検眼ユニット16L(16R)を後方に移動させ、カーソルキー11を操作することで駆動装置24を逆転駆動制御して、検眼ユニット16L(16R)を前方に移動させる様にすると共に、カーソルキー8を操作することで駆動装置26を正転駆動制御して、検眼ユニット16L(16R)を左方に移動させ、カーソルキー10を操作することで駆動装置26を逆転駆動制御して、検眼ユニット16L(16R)を右方に移動させる様にしても良い。この場合、Y方向(上下方向)の高さは、テーブル1の高さ又は椅子3の高さを調節することで対応する。
【0087】
また、図11,図13に示した光学系が図9では上下方向に配置されるので、光学系全体は前後に扁平なケース内に収納して、前後の幅を小さくできる。更に、本発明の前眼部を液晶表示器53に表示させる構成は、アライメントを要する眼科装置、例えば自覚式検眼装置,眼底カメラや角膜内皮測定装置(角膜内皮撮影装置)等に応用(適用)できる。
【0088】
更に、以上説明した実施例では、他覚的に被検眼の眼屈折力を求めるようにした構成を示したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、検眼ユニット16L(16R)の液晶表示器53(53)にランドルト環等を表示させて被検眼の眼屈折力を自覚的に求めさせるようにする構成とすることもできる。また、両眼視機能の測定のための表示を検眼ユニット16L(16R)の液晶表示器53(53)に表示させて、両眼視機能の測定ができるようにすることもできる。尚、これらの機能を全て組み込むこともできる。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明は、少なくとも左右に相対接近・離反可能で且つ被検者の左右の被検眼の機能を検査可能な左検眼ユニット及び右検眼ユニットを有する検眼装置であって、前記各検眼ユニットを左右に駆動する左右方向駆動手段と、前記各検眼ユニットを水平方向に旋回駆動する旋回駆動手段が設けられていると共に、前記左右の被検眼の輻輳による近用測定時に、前記各左右方向駆動手段を作動制御して前記左右の各検眼ユニットを相対的に接近させ、且つ、前記旋回駆動手段を作動制御して前記左右の各検眼ユニットを輻輳制御することにより、前記各検眼ユニットから被検眼に向かう測定光軸を輻輳時の前記左右の被検眼の光軸と一致させる制御手段が設けられている構成としたので、左眼及び右眼を輻輳させての被検眼の検眼時に、左右の測定光学系から左眼又は右眼に入射する各入射光束の光軸を左眼の光軸及び右眼の光軸に合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる検眼装置の配置例を示す説明図である。
【図2】図1に示した検眼装置の拡大斜視図である。
【図3】図2の検眼装置の正面図である。
【図4】図3の検眼装置の平面図である。
【図5】図3の検眼装置の左側面図である。
【図6】図3の検眼装置の右側面図である。
【図7】図2に示した検眼ユニットの支持構造を示す断面図である。
【図8】図7に示した支持構造を下方から見た説明図である。
【図9】図2に示した検眼ユニットの光学系を示す説明図である。
【図10】図7の左検眼ユニットの拡大説明図である。
【図11】図10の光学系を正面側から見たときの光学部品の配置図である。
【図12】図7の右検眼ユニットの拡大説明図である。
【図13】図12の光学系を正面側から見たときの光学部品の配置図である。
【図14】図2〜図13に示した検眼装置の制御回路図である。
【図15】図1〜図14に示した検眼装置の遠方視状態における屈折力測定の説明図である。
【図16】(a)、(b)は、図1〜図14に示した検眼装置の輻輳及び遠方視状態の繰り返しによる屈折力測定の説明図である。
【図17】図1ないし図13の検眼ユニットを輻輳した状態を示す光学系の説明図である。
【図18】検眼ユニット内のCCDへの結像例を示す説明図である。
【図19】検眼ユニット内の液晶表示器の表示例を示す説明図である。
【図20】検眼ユニットから被検眼に向かう光軸の旋回時の説明図である。
【符号の説明】
16L・・・左検眼ユニット
16R・・・右検眼ユニット
19L,19R・・・水平回転装置(水平回動手段,旋回駆動手段)
26・・・左右方向駆動装置(左右方向駆動手段)
28,28・・・水平回転駆動装置(輻輳駆動手段,旋回駆動手段)
90・・・制御回路(制御手段)
91・・・演算制御回路(制御手段)

Claims (3)

  1. 少なくとも左右に相対接近・離反可能で且つ被検者の左右の被検眼の機能を検査可能な左検眼ユニット及び右検眼ユニットを有する検眼装置であって、
    前記各検眼ユニットを左右に駆動する左右方向駆動手段と、前記各検眼ユニットをそれぞれ前後に駆動させる前後方向駆動手段と、前記各検眼ユニットをそれぞれ上下に駆動させる上下方向駆動手段と、前記各検眼ユニットを水平方向に旋回駆動する旋回駆動手段と、前記左右方向駆動手段、前記前後方向駆動手段、前記上下方向駆動手段及び前記旋回駆動手段の駆動をそれぞれ制御する制御手段とを備え、該制御手段は、前記各左右方向駆動手段、前記前後方向駆動手段、前記上下方向駆動手段及び前記旋回駆動手段を作動制御することにより、前記左右の各検眼ユニットの前記被検眼に対する作動距離が一定となり、且つ、前記左右の被検眼の輻輳時に前記各検眼ユニットから前記各被検眼に向かう測定光軸前記左右の被検眼の光軸と一致するように、前記左検眼ユニット及び前記右検眼ユニットをそれぞれ移動させることを特徴とする検眼装置。
  2. 前記左検眼ユニット及び前記右検眼ユニットは、前記測定光軸が輻輳する輻輳位置から前記測定光軸が互いに平行になる遠方視位置にそれぞれ移動した後、前記各被検眼の屈折力測定を行うことを特徴とする請求項1に記載の検眼装置。
  3. 前記左検眼ユニット及び前記右検眼ユニットは、前記輻輳位置から前記遠方視位置への移動を繰り返し行い、前記遠方視位置に移動する毎に前記各被検眼の屈折力をラフ測定した後、本測定を行い、該本測定のための固視の初期ディオプター値及び前記輻輳位置は、前記ラフ測定の測定結果に基づいて決定されることを特徴とする請求項2に記載の検眼装置。
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