JP4521670B2 - 粉末化食品 - Google Patents

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Description

【産業上の利用分野】
本発明は粉末化食品、より具体的には澱粉分解物を粉末化基剤の主成分とする粉末化食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
酒、醤油、味噌、調味液などの液状乃至半固形状食品から粉末化食品にする際、粉末化しやすくする、風味成分などの保持をよくするなどの目的で澱粉や澱粉分解物、或いはグアーガム、ローカストビーンガムなどの天然ガムなどの粉末化基剤を使用する場合が多い。中でも澱粉分解物は、匂いや味が殆どなく、冷水可溶であり、分解の度合い、つまり重合度を加減するなどの手段によって、粉末化食品毎によるそれぞれの要求に対応させやすいなどの理由によって最も汎用される粉末化基剤となっている。
【0003】
例えばアルコールの粉末化には、特開昭57−099187号では、アミロペクチンまたはアミロペクチンを主体とする澱粉をαアミラーゼで分解したDE1〜10の澱粉分解物を酒精と混合し、噴霧乾燥して粉末化する方法が、特開昭57−122788号では、低酒精醸造酒類を20〜50w/wの濃縮物とし、これに低甘味、低粘性の水溶性多糖類、好ましくはDE12〜30の澱粉分解物を生化学的、化学的に処理し、甘味性少糖類を除去もしくは他の化合物に変換した処理部を濃縮物の水分量の70%以上になるように混合溶解し、噴霧乾燥する低酒精醸造酒類の製造法が、特開昭58−94387号では、グルコース重合度8以下のオリゴ糖類が50%以上で、かつグルコース重合度2以下の糖類が10%以下の澱粉分解物を、含アルコール水溶液に添加混合し、噴霧乾燥する含アルコール粉末の製造法などが開示され、更には、特開昭57−099187号では長期保存、特開昭57−122788号では芳醇な品質を再現すること、特開昭58−94387号では溶解性に優れ、食味舌感と保存性を改善することを目的として各種の手段が開発されている。
【0004】
調味液の粉末化には、特開昭57−129667号では、アミロペクチンからなる澱粉類をαーアミラーゼ分解して得た、好ましくは平均重合度8〜15のデキストリンを、含酢酸調味液に対して調味液中の水分量の70%以上になるように添加混合して噴霧乾燥する含酢酸調味液の粉末化法が、特開昭58−111678号では、グルコース重合度5以下のオリゴ糖が7%以下である澱粉分解物を、含酢酸調味液に対して含酢酸調味液中の水分量の70%以上になるように添加混合して噴霧乾燥する含酢酸調味液の粉末化法が、特開平08−252073号では、調味液または醤油中の固形分物重量に対して、DE6〜15のデキストリンとDE1〜5のデキストリンからなり、DE1〜15のデキストリンの占有率が5〜60重量%であるデキストリンを調味液固形物重量に対して100〜250重量%及びゼラチン3〜20重量%添加し、噴霧乾燥する粉末調味料の製造法などが開示され、また特開昭57−129667号では酢酸分の歩留り、保存安定性、耐固結性を良くすること、特開昭58−111678号では酢酸分を高歩留まりでかつ高含度に乾燥粉中に含ませること、特開平08−252073号では材料由来特有の好ましい風味を有し、ブロッキング、褐変などの変質を防止することを目的とした手段が開示されている。
【0005】
インスタント茶のように茶抽出液を粉末化するには、特開昭60−210949号では、水溶液中で茶類エキスと平均重合度4〜10の澱粉物よりなる固形分含量を20〜55%、固形分中の平均重合度4〜10の澱粉分解物、好ましくはDE15〜25の澱粉分解物、またはDE15〜25の澱粉分解物とオリゴ糖を20〜70%に調整し、炭酸ガスを溶存した後噴霧乾燥するインスタント茶類の製造法が、特開平05−304890号では、茶類エキスとDE10以下の分岐デキストリンからなる水溶液を、固形分濃度20w/w%、固形分中に占める分岐デキストリンの割合30〜70w/w%添加になるように調製し噴霧するインスタント茶の製造法が、特開2000−253820号では、サイクロデキストリンを添加した茶類抽出液中の茶類エキス重量に対するサイクロデキストリン重量の割合を0.05〜5にして乾燥粉末化するインスタント茶類の製造法などが開示され、また特開昭60−210949号では優れた風味と即溶性を、特開平5−30489号ではお茶本来の味や香りを保持させることを、特開2000−253820号では長期保存ができることを目的としている。
【0006】
上記の例にみられるように、種々の澱粉分解物を使い分けることで、粉末化食品毎に変わる要求、例えば風味成分などの保持、吸湿性や固結に対する抵抗性、匂いの発現などに対応してきた。
【0007】
しかし、種々の澱粉分解物を使い分けるということは煩雑な問題であり、粉末化の食品の種類が変わっても粉末化食品が要求する必要な特性を付与できる粉末化基剤を使用する粉末化食品が求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
汎用性の高い粉末化基剤を見出し、これを用いて液状ないし半固形状食品を粉末化することによって、風味成分などの有効成分を効率よく保持し、耐吸湿性や耐固結性を改善して粉末としての保存安定性を高め、溶解性がよくて風味や匂いの発現等に優れた粉末化食品を得る。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記の問題を解決すべく鋭意努力の結果、特定の澱粉分解物を粉末化基剤の主成分とすることで問題点が解消されることを見出して、本発明を完成した。
即ち、本発明は澱粉分解物が有する50質量%水溶液の粘度値と50質量%水溶液換算の浸透圧を乗じた特性値が20000以下であり、且つ、分子量10000以上の区分が20質量%以下である澱粉分解物を粉末化基剤の主成分とする粉末化食品である。
【0010】
本発明でいう粉末化食品とは、液状乃至半固形状の食品に粉末化基剤を添加して製造される食品を総称し、具体的には濃口醤油、薄口醤油、生醤油、火入れ醤油などの醤油類を原料とする粉末醤油、鰹節、昆布などの抽出液などからなる調味液、清酒、ワインなどの醸造酒、ウイスキー、ブランディ、ラム、焼酎などの蒸留酒などの酒類から製造される粉末酒、米酢、柏酢、酒精酢、麦芽酢、ブドー酒酢、リンゴ酢、合成酢、酢酸水溶液またはこれらの濃縮液、酢酸添加液など酢酸を主成分とする酸性調味料や鰹節、昆布などの抽出液、各種エキス類、ミリンなどをベースとする粉末調味料、各種フレーバをベースとする粉末フレーバ、果汁をベースとする粉末果汁などが例示される。
【0011】
澱粉分解物は上記のような粉末化食品の製造に使用されている有用な粉末化基剤である。しかし、澱粉分解物は種々の重合度の成分を含み、澱粉分解物の高分子区分は粉末化された食品に耐吸湿性や耐固結性を付与するが溶解性やフレーバ立ちを悪くする。逆に澱粉分解物の低分子区分は粉末化された食品の溶解性やフレーバ立ちをよくするが,フレーバー保持が劣り、吸湿性の強い物質の粉末化が困難となる。このような理由で、粉末化の際には食品の種類や目的に応じて種々の澱粉分解物を使い分けねばならず煩雑であった。
【0012】
本発明では、粉末化基剤としての澱粉分解物を、水溶液の粘度が低くなると乾燥時の濃度を上げることはできるが低分子区分が増加する、水溶液の浸透圧を下げると高分子区分の割合が増えるなどの基本的な特性を別々に考えるのでなく、これらを組み合わせた関係式から得られる特性値を満足させ、さらに特定の分子量区分を特定の割合になるように加工し、これを粉末化基剤の主成分とすることで多種類の粉末化食品の要求にかなう粉末化を可能にした。
【0013】
本発明に使用する澱粉分解物は、50質量%水溶液の粘度値に50質量%水溶液換算の浸透圧を乗じた特性値が20000以下であり、且つ、分子量10000以上の区分が20質量%以下である特性を有することが肝要である。特性値が20000を超えると、粉末化食品の粉末としての安定性を向上させても溶解性や匂いの発現を悪くする。逆に溶解性や匂いの発現をよくしても有効成分の保持率や粉末としての安定性を改善する効果は弱くなる傾向がある。また、特性値が20000以下でも、分子量10000以上の区分が20質量%を超えると、溶解性や匂いの発現を改善する効果が弱くなる。
【0014】
一方、特性値の下限について、分画前に用いる澱粉分解物の製造法や特性によっても影響をうけるが、それ以外に分画に使用する方法が影響され、後でのべる分画方法を組み合わせるなどして10000前後にすることもできるが、実用性を考えると12000程度までにとどめるのが好ましい。
【0015】
尚、澱粉分解物に用いた粘度、浸透圧の測定、分子量10000以上の区分の割合については以下の方法を用いて求めた。
【0016】
[50質量%水溶液の粘度]30℃における澱粉分解物の50質量%水溶液をB型回転粘度計を用いて測定し、mPa・sで表記される。
[10質量%水溶液の浸透圧]澱粉分解物の10質量%水溶液を東亜電波工業製のpH−浸透圧計を用いて測定し、mOsmで表記される。
[50質量%換算水溶液の浸透圧]10質量%水溶液の浸透圧×5
[特性値]50質量%水溶液の粘度×50質量%換算水溶液の浸透圧
[分子量10000以上の区分]分析装置として東ソー製のマルチステーションGPC−8020を用いる。カラム3本(東ソー製のTSKgel:G2500PWXL、G3000PWXL、G6000PWXL)を連結し、カラム温度80℃とし、移動相として水を使用し、流速0.5ml/minにて1質量%に調整した澱粉分解物の溶液を100μl注入し、溶出した部分を示差屈折率計で検出し、プルラン標準、マルトトリオース及びグルコースを用いて作成した検量線から分子量10000以上の区分に相当する割合を計算して求める。
【0017】
かかる特性を有する澱粉分解物は、一般に市販されているDE5〜35程度の澱粉分解物から、DEが低い場合には高分子をカットし、DEが高い場合には低分子をカットするこれにより、或いは両方をカットすることによって得られる。尚、DEとは澱粉分解物中の固形分当たりの還元糖(グルコ−スとして)の含有率を意味し、分解の指標としてよく用いられる。
【0018】
不要な部分のカット法としては、アルコールなどの溶剤を用いる方法、連続クロマトグラフィーや膜を用いる方法などで実施できるが、溶剤を使用しないで安全性が高く、工業的にも実施しやすいという点で連続クロマトグラフィーや膜を使用する方法が特に好ましい。
【0019】
連続クロマトグラフィーは、陽イオン交換樹脂を使用し、水をキャリヤーとして用い、一定の流速で澱粉分解物の溶液を溶出させて必要な部分を集める方式である。
【0020】
一方、膜の場合は、逆浸透膜や限外濾過膜を用い、澱粉分解物の水溶液に圧力をかけて膜を通過しないで濃縮される高分子側と膜を通過して透過される低分子側に分離する方式で、例えば最初に澱粉分解物の溶液をルーズな膜で処理し、膜を通過させた澱粉分解物の溶液をタイトな膜で処理し、濃縮される高分子を捕集すると、低分子と高分子の両方がカットされて目的の成分の取り出しが可能となる。しかし、両端カットは、膜を複数回処理するのでそれだけ煩雑でコスト高にもなるので、適当な方法、例えば澱粉分解物と膜を選択するなどの方法で膜処理が一段ですませられるとより好ましい。その場合も、低分子部分を系外に放出して高分子部分を集めることがより効果的であるが、本発明では、例えば以下のような方法によって可能になる。
【0021】
DE15〜25の澱粉分解物を15〜30質量%水溶液に調製し、膜分離装置(日東電工製のメンブレンマスターズRUW−5A)を用いて分離する。運転条件として、膜にNTR−7430HG(食塩阻止率30%)を用い、該澱粉分解物の水溶液の入温度50〜60℃、操作圧力1.0〜2.0MPa、循環圧力7〜8l/minで循環運転を行い、低分子成分を系外に透過し、高分子側は濃縮され、濃度が上昇するため、場合によっては加水し、DEが7〜12程度になるように濃縮すると本発明が意図する澱粉分解物が得られる。得られた澱粉分解物の水溶液はそのまま使用してもよいし、ドラム乾燥や噴霧乾燥することで粉末化できる。
【0022】
分画前の澱粉分解物については、市販品も利用できるし、原料澱粉を出発物質とすることもできる。原料澱粉を用いる場合は、原料澱粉に水を加えて適当な濃度、例えば20〜40重量%に分散し、塩酸や蓚酸などの酸および/またはα−アミラーゼなどの酵素を添加し、加熱してDE5〜35程度に分解し、酸の場合には中和し、酵素の場合には加圧して失活させた後、活性炭を加えて脱色濾過し、イオン交換樹脂で処理することにより、精製した分画前の澱粉分解物の液状品とする。液状品は所望な程度に濃度調整する、或いは必要に応じて噴霧乾燥やドラム乾燥により粉末化して保存し、分画時所望濃度に溶解して用いる。
【0023】
上記のようにして得られた粉末化基剤を用いて液状ないし半流動性の食品を乾燥して粉末化食品とするが、この種の食品の乾燥としては、一般に円盤回転式(ドラム)乾燥、噴霧乾燥、真空式凍結乾燥などが用いられている。
【0024】
円盤回転式乾燥では伝熱面の温度が100℃以上になり、これで直接接する食品は熱変性を受けやすいために、蛋白質、脂肪などの多い調味料などでは品質の劣化が激しく、アルコールのような揮発性物質を含む食品では揮発性成分の捕集が困難である。また、真空式凍結乾燥では、品温が殆ど0℃以下で維持されるので原料のもつ優れた性質を損なうことが少なく高品質の製品を生産できるが、所要時間が10〜24時間にも及び運転コスト面からは不利である。これに対して噴霧乾燥は使用空気の湿球温度(180℃の空気で約50℃)以上に品質が上昇せず品質の劣化も少なく、乾燥時間が極めて短くてすむという利点があり、本発明により好ましい乾燥である。
【0025】
本発明の澱粉分解物を用い、液状食品を噴霧乾燥によって粉末化食品を得る方法を、液状食品として酢酸を用いて粉末酢にする方法で説明する。
常温の酢酸100部と上記の澱粉分解物300〜600部に、噴霧できるような粘度(一般的には200〜300mP・s以下)になるまで水を添加して噴霧液とし、ノズルまたは回転円盤を用いて噴霧し、入口の送風温度150〜180℃、排風温度70〜100℃程度にして乾燥する。
【0026】
得られた粉末酢は酢酸保持率にすぐれ、粉末を長期に保存しても固結せず、水に溶解すると匂いの発現にも優れていた。
【0027】
酢以外の調味料、味噌、果汁、酒などでも同じように噴霧乾燥することで優れた特性を有する粉末化食品の製造が可能になる。その際、アラビヤガム、グアーガム、ローカストビーンガムなどのガム類や砂糖、グルコース、異性化糖、乳糖などの甘味剤を粉末化基剤の一部として使用できるが、粉末化食品としての特性を損なわない程度にとどめることが肝要である。
【0028】
以下に参考例、実施例をあげて本発明をより具体的に説明するが、参考例や実施例では部とあるのは質量部、%は質量%を意味する。また、参考例や実施例で用いるDEはウイルシュテッターシューデル法で求めた値を示す
【0029】
【参考例1】
コーンスターチ10kgを水に縣濁して、ボーメ25度の乳液とし、蓚酸を加えてpH1.3に調整し、内容10lのオンレーター(株式会社桜製作所製澱粉連続液化装置)に毎分5lの速度で注入する。オンレータからの流出液(85〜87℃)をオートクレーブに移し、蒸気圧1.2kg/cm2 にして20分間保持後、撹拌付きの容器に移動し、炭酸カルシウムでpH6.0に中和した。
この溶液に30gの「クライスタ−ゼKD」(商品名:大和化成株式会社製のαアミラ−ゼ)を加え、86℃で50分間保持後、オートクレーブに移動させ、温度を120℃まで昇温して酵素を失活させた。この溶液に30gの「ラジオライト#800」(商品名:昭和株式会社製の濾過助剤)を加え、液温70〜80℃で吸引濾過後、濾液を脱塩し、DE19.0の澱粉分解物の水溶液を得た。この水溶液を噴霧乾燥した試料をDE19とした。
【0030】
4kgのDE19を水に溶解して50質量%の水溶液とし、この水溶液を60℃に加熱し、「DOWEX PT90322−1(Na型)」を充填したカラム(70℃に加熱)を装着した日立製作所製の擬似移動式連続液体クロマトグラフィーにかけ、低分子を除去してDE8.3の澱粉分解物の水溶液が得られた。この水溶液を噴霧乾燥した試料をDE19Sとした。DE19とDE19Sの分析値を表1に記載した。
【0031】
【参考例2】
6kgの「パインデックス#3」(商品名、酸で分解した松谷化学工業製のDE24.1の澱粉分解物)を水に溶解して20%水溶液とし、膜分離装置として日東電工製のメンブレンマスターズRUW−5Aを用いて分画した。膜として「NTR−7430HG」(食塩阻止率30%)を用い、該澱粉分解物の水溶液の入温度60℃、操作圧力1.5MPa、循環圧力8l/minにて加水しながら循環運転を行い低分子側は除去し、高分子側は10lまで濃縮するとDE8.3の澱粉分解物の水溶液となった。 この水溶液を噴霧乾燥して得られた試料をPD#3Sとした。「パインデックス#3」をPD#3と表記し、PD#3とPD#3Sの分析値を表1に記載した。
【0032】
【参考例3】
タピオカ澱粉を水に懸濁して、ボ−メ18度の乳液とし、これに炭酸カルシウムを加え、pHを5.8に調整し、次に「クライスタ−ゼKD」(大和化成株式会社製α−アミラ−ゼ)を固形分当たり0.1重量%を加えて得た混合物を、内容10lの「オンレ−タ−」(株式会社桜製作所製澱粉連続液化装置)に毎分5lの速度で注入する。「オンレ−タ−」からの流出液(85〜87℃)をステンレスポットに採取し、85〜86℃に調整した恒温槽中で3分間保持して加水分解させ、1%塩酸を滴下してpHを3.8に低下させて酵素を失活後、これに炭酸カルシウムを加え、pHを5.8に戻す。得られた液をオ−トクレ−ブに移し、140℃で10分加圧蒸煮後86℃に冷却し、液固形分当たり、0.15%の「クライスタ−ゼKD」(商品名:大和化成株式会社製のαアミラ−ゼ)を加え、再度加水分解反応を行い加圧蒸煮により反応を停止させる。この液に液固形分当たり0.5%の「ラジオライト#800」(商品名:昭和株式会社製の濾過助剤)を加え、液温70〜80℃で吸引濾過後、濾液を脱塩し、DE14の澱粉分解物の水溶液を得た。この澱粉分解物の水溶液を20%に希釈し、その30lを「NTR7410HG」(食塩阻止率10%)を装着した膜分離装置に供した。
【0033】
操作圧力1.0MPa、温度60℃、循環流量8l/minの条件で加水しながら循環運転を行い、90lを透過した。次いでこの透過液をNTR7450HG(食塩阻止率50%)を装着した膜分離装置に供し、参考例2に準じた条件で運転し、10lになるまで濃縮してDE10.5の澱粉分解物の水溶液が得られた。次いで噴霧乾燥して得られた澱粉分解物を14Sと表記し、その分析値を表1に記載した。
【0034】
尚、表1において50%水溶液の粘度は50%粘度、10%水溶液の浸透圧は10%浸透圧、分子量10000以上の区分がしめる割合を分子量区分と表記した。また、表1に記載のPD#1は、「パインデックス#1」(商品名、酵素で分解した松谷化学工業製のDE8.9の澱粉分解物)、BLDは市販の分枝デキストリン、MIXは参考例2の澱粉分解物14SとBLDを14S:BLD=80:20で粉末混合したものを意味する。
【0035】
【表1】
Figure 0004521670
【0036】
【実施例1】
参考例1〜3の澱粉分解物を用いて、酢酸の粉末化試験を行った。スプレー供給液の調製は、酢酸と澱粉分解物の比率が1:5、スプレー供給液の粘度が25℃において60〜70mPa・Sになるように酢酸、澱粉分解物、水を表2の割合に調整した。
【0037】
表2の割合て混合して粘度が70mPa・Sにしたスプレー供給液をニロPM−10型スプレードライヤーに入口温度160℃、出口温度95℃、アトマイザー回転数14500rpmの条件で供給して粉末酢を得た。
【0038】
【表2】
Figure 0004521670
【0039】
得られた粉末酢を酢酸保持率,粉末の安定性、粉末の溶解性、溶解時の匂いの発現について下記の基準で評価し、結果を表3に記載した。
【0040】
<酢酸保持率>
粉末酢1gを精秤して100ml容メスフラスコに入れ、10〜20mlの蒸留水を加えてかき混ぜて溶解させた後、蒸留水で100mlにメスアップしよくふりまぜる。得られた溶液から10mlをとり、1/10N水酸化ナトリウム溶液で中和滴定して粉末酢中に含まれる酢酸量を求め、添加した酢酸の量で割って保持率を計算した。
【0041】
<粉末の安定性>
粉末酢をアルミ製の袋に封入し、40℃、48時間保存後の粉末の状態を評価した。
5点:固結が全くみられない。
4点:固結が弱くばらけやすい。
3点:固結がやや強くばらけがやや悪い。
2点:固結が強くばらけが悪い。
1点:溶融状態になる。
【0042】
<溶解性>
撹拌下で30℃に保温した水100mlに粉末20gを投入し,完全に溶解するまでの時間を測定し、溶解時間を5点法で評価した。
5点:2分以内に溶解する。
4点:2〜4分で溶解する。
3点:4〜6分で溶解する。
2点:6〜8分で溶解する。
1点:8分以上かかって溶解する。
【0043】
<匂いの発現性>
粉末酢20gを30℃に保温した水100mlに溶解し、匂いの強さを官能検査し、5点法で評価した。
5点:非常に強い匂いを示す。
4点:強い匂いを示す。
3点:普通。
2点:ややマスキングされている。
1点:マスキングして匂いが弱い。
【0044】
【表3】
Figure 0004521670
【0045】
表3に見られるように特性値が20000を超えると、溶解性や匂いの発現がよくても酢酸の保持率や粉末としての安定性が改善されているとはいえないし、粉末としての安定性がよくても溶解性や匂いの発現が悪くなる。また特性値が20000未満でも、分子量10000以上の区分が20%を超えると溶解性や匂いの発現効果が充分でない。
【0046】
【実施例2】
市販の醤油(水分69.5%)5kgに、参考例1の澱粉分解物DE19S
(特性値:17280、分子量10000以上の区分:15.7%)を1.5kg添加混合してスプレー供給液を調製した。次いでこの供給液をニロPM−10型スプレードライヤーに入口温度160℃、出口温度95℃、アトマイザー回転数14500rpmの条件で乾燥して約2.8kgの粉末醤油を得た。得られた粉末醤油を水に投入し、軽く撹拌するとすばやく溶解して醤油独特のさわやかな風味が発現した。また、砂糖,食塩、アミノ酸などの他の原料とともにアルミ製の袋に入れて30℃で1月間保存したところ、固結を起こすこともなく、風味も維持されていた。
【0047】
【実施例3】
参考例2の澱粉分解物PD#3S(特性値:14364、分子量10000以上の区分:7.2%)を1400g、アラビアガム200gを水1800gに溶解し、ホモミキサーで撹拌下に市販のコーヒーオイル400gを加えて予備乳化し、ホモジナイザー(MANTON−GAURIN LABORATORY HOMOGENIZER MODEL15M)を用い、一次圧35MPa、二次圧5MPaにて乳化し乳化液を調整した。この液をニロPM型スプレードライヤーに入口温度160℃、出口温度95℃、アトマイザー回転数12500rpmの条件で乾燥して約1800gの粉末コーヒー香料を得ることができた。得られた粉末は溶解性にすぐれ、コーヒー風味の発現も良好であった。アルミ製の袋に入れ、30℃で1月間保存しても固結を起こすこともなく風味も良好であった。
【0048】
【実施例4】
参考例1の澱粉分解物DE19S(特性値:17280、分子量10000以上の区分:15.7%)を2.5kg、市販のみかん濃縮果汁(水分48.4%)を5kgに水2.5kgを混合してスプレー供給液を調整した。次いでこの供給液をニロPM−10型スプレードライヤーに入口温度160℃、出口温度95℃、アトマイザー回転数14500rpmの条件で乾燥して約4.7kgの粉末果汁を得た。得られた粉末果汁を水に投入したところすばやく溶解して新鮮なみかんの風味が発現し、試飲したところ糊っぽさなどの違和感もなく美味なものであった

Claims (1)

  1. 澱粉分解物が有する50質量%水溶液の粘度値に50質量%換算水溶液の浸透圧を乗じた特性値が20000以下であり、且つ、分子量10000以上の区分が20質量%以下である澱粉分解物を粉末化基剤の主成分とする粉末化食品。
    【0001】
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