JP4519443B2 - レーザ加工装置及びそのワーク距離調整方法 - Google Patents
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Description
この場合、同図に示すように、樹脂製ワーク3の被印字面が上記可視光4,4の交差位置5に配される距離X1(収束レンズ1焦点距離。同図(A))にワーク距離を調整した状態から、例えばレーザマーキング装置6を下降させてワーク3の被印字面が上記可視光4,4の交差位置5から上方に外れた距離X2(<X1.同図(B))にワーク距離を調整する。
本構成によれば、ワーク距離調整のための可視光による指示像が、収束レンズの焦点距離からワーク距離の調整方向(収束レンズの光軸(中心軸)方向)において外れた位置に変えることができる。従って、印字条件(ワークの材質、印字の深さや太さなど)に応じて最大エネルギー密度より低いエネルギー密度でレーザ加工を施したい場合、まず、収束レンズの焦点距離を示す位置にある指示像に基づき適切な位置に配置し、そこから上記印字条件を満たすようなワーク距離に調整する。ここで、この調整後のワーク距離を示す位置に指示像を移動させることができるのである。
これにより、これ以降、同一印字条件で印字を行う場合、たとえ各ワークの寸法が異なるものであっても、上記移動後の指示像に基づきワーク距離を調整すれば、容易に最適なワーク距離に調整することができる。
本構成によれば、記憶手段には、設定手段にて設定され得る各加工条件毎に対応付けて、それら各加工条件を満たす位置に前記指示像を配するための制御情報が複数記憶される。そして、設定手段にて所望の加工条件を設定すると、その加工条件に対応する制御情報が記憶手段から読み出され、この制御情報に基づき指示像の位置が上記所望の加工条件に対応するワーク距離(例えば、上記所望の加工条件を満たすワーク距離)を指示する位置に自動で変更される。従って、各種の加工条件に対して最適なワーク距離への調整を簡単に行うことができる。
本構成によれば、指示像の位置が変更された後、再び最大エネルギー密度でレーザ加工を行いたいときには、その加工条件(例えば初期条件)を設定手段で設定すれば、収束レンズの焦点距離を示す位置に指示像を再び戻すことができる。
本構成によれば、各印字条件下で最適なワーク距離を調整し、そのワーク距離を示す位置に指示像を移動させると、この位置に指示像を移動させるための制御情報が取得され、この制御情報を上記印字条件に対応つけて記憶手段に書き込むことができる。つまり、使用者自身の所望の印字条件に対応した制御情報を記憶手段に記憶することができるである。
本構成によれば、第1及び第2の可視光出射手段からの可視光の交差によって指示像を形成し、少なくとも一方の可視光出射手段の出射角度を変更することで上記指示像の位置を移動させる構成になっている。2つの可視光の交差によって指示像を形成する構成であるから、その指示像の位置を視認し易くワーク調整がより正確に行うことができる。また、少なくとも一方の可視光出射手段の出射角度を変更するという比較的に簡単な構成で上記指示像の位置移動を実現することができる。
本構成によれば、1つの可視光源で上記請求項5の構成を実現できるから、ワーク距離調整のための部品コストを抑えることができる。
本構成によれば、第2の可視光出射手段は、可視光源からの可視光をガルバノミラーで反射させワーク側で第1の可視光出射手段からの可視光と交差するようにして指示像を形成し、この指示像の位置移動はガルバノミラーの回動によって実現する構成になっている。つまり、指示位置変更手段を、加工のために使用される既存のガルバノミラーを使って実現できるのである。これにより、ワーク距離調整のために別途指示位置変更手段を設ける構成に比べて製造コストや部品点数・コストの低減を図ることができる。
本構成によれば、可視光源は、半導体レーザから構成されている。半導体レーザから出射されるレーザ光は直進性が高くビーム径の広がりが少ないから、より明確な指示像が形成でき、所望のワーク距離に正確に調整することができる。
本構成によれば、指示像の現在位置に関する位置情報を表示手段で見ることができ、指示像の位置調整がより行い易くなる。
本発明の実施形態1について、レーザ加工装置としてのレーザマーキング装置10を例に挙げて図1ないし図4を参照しつつ説明する。
本実施形態に係るレーザマーキング装置10は、例えば図1に示すように印字対象であるワークWに対向配置されるレーザユニット11と、コントローラ50とを備えて構成されている。
レーザユニット11には、印字用レーザ光源12(以下、単に「レーザ光源12」ともいう)と、ガルバノスキャナ13と、収束レンズ14(例えばfθレンズ)とを備えている。
レーザ光源12(例えば気体レーザである炭酸ガスレーザ、固定レーザであるYAGレーザ、半導体レーザ、ファイバレーザなど)から例えば平行光として出射された印字用レーザ光L1は、ガルバノスキャナ13によって向きが変更されてワークW表面(被印字面)上に照射される。ガルバノスキャナ13は、一対のガルバノミラー15X,15Yと、それぞれのガルバノミラー15X,15Yを回動可能に支持する駆動モータ16X,16Yとを備えている。
図1,2において、符号17は、可視光L2を出射するガイド用の可視光源であり、レーザ光源12から出射されたレーザ光L1の光路の側方からこの光路に光軸を向けて配置されている。また、レーザ光L1の光路と可視光L2とが交差する位置には、可視光L2を反射させてレーザ光L1がガルバノスキャナ13側に向う光路方向と同方向に導く反射ミラー18が回動可能に配置されている。
次に、ガルバノスキャナ13の動作に伴う指示像Hの変位について説明する。図3は、そのための説明図であり、ここでは、説明を簡略化するために、X軸ガルバノミラー15Xのみ図示されている。
なお、本実施形態では、レーザユニット11を上下動させることでワーク距離を調整するようになっている。また、このように、ワークWを収束レンズ14の焦点距離R1に調整するために、上記指示像Hが収束レンズ14の焦点位置にある状態を、以下において「初期状態」という。
さて、前述の[発明が解決しようとする課題]でも述べたように、レーザマーキング装置10の印字対象であるワークWの材質は例えば金属や樹脂など様々であり、種々の材質のワークWを焦点距離R1に配して最大エネルギー密度のレーザ光L1を照射することが常に最良であるとは限らない。即ち、ワークWの材質、印字深さや印字太さなどの印字条件によっては収束レンズ14の焦点距離R1とは異なる距離でレーザ光L1を照射させることが必要となる場合がある。例えば、金属製ワークと樹脂製ワークとではエネルギー吸収率が相違するため、それらのワークWを収束レンズ14の焦点距離R1に配して同じエネルギー密度のレーザ光L1を照射すると、印字深さや太さが異なる。また、同一材質のワークWであっても使用者側の好みであえて印字深さや太さを変えたい場合もある。
本実施形態では、各印字条件に対応した制御情報が記憶手段53の制御情報用領域に予め記憶されている。具体的に、図5に示すように、各アドレス毎に、印字条件(ワーク材質、印字の深さ・太さ)と、その各印字条件に適したワーク距離を示す位置に指示像Hを移動させるためにガルバノスキャナ13に与える座標データが記憶されている。これらは、例えば上記制御情報所得手段及び書込手段として機能する制御手段52によって実験的に求めることができる。
なお、設定手段51に各印字条件を設定する構成としては、印字条件(ワーク材質、印字の深さ・太さ)を設定入力する構成であっても、また、予め定められた印字条件に対応する番号(例えばアドレス番号)を設定入力する構成であってもよい。後者の場合、記憶手段53に印字条件(ワーク材質、印字の深さ・太さ)を記憶する記憶領域が不要となり記憶容量の軽減を図ることができる。
(1)以上のように、本実施形態によれば、ワーク距離調整のための可視光L2、L3による指示像Hが、収束レンズ14の焦点距離R1からワーク距離の調整方向(収束レンズ14の光軸方向)において外れた位置に変えることができる。従って、印字条件(ワークWの材質、印字の深さや太さなど)に応じて最大エネルギー密度より低いエネルギー密度でレーザ加工を施したい場合、まず、収束レンズ14の焦点距離R1を示す位置にある指示像Hに基づき適切な位置に配置し、そこから上記印字条件を満たすようなワーク距離に調整する。ここで、この調整後のワーク距離を示す位置に指示像Hを移動させることができるのである。
これにより、これ以降、同一印字条件で印字を行う場合、たとえ各ワークWの寸法が異なるものであっても、上記移動後の指示像Hに基づきワーク距離を調整すれば、容易に最適なワーク距離に調整することができる(請求項1及び請求項8の構成)。
図6は(請求項5の発明に対応する)実施形態2を示す。前記実施形態との相違は、主としてワーク距離指示手段の構成にあり、その他の点は前記実施形態1と同様である。従って、実施形態1と同一符号を付して重複する説明を省略し、異なるところのみを次に説明する。
図7は(請求項6の発明に対応する)実施形態3を示す。前記実施形態との相違は、やはりワーク距離指示手段の構成にあり、その他の点は前記実施形態1と同様である。従って、実施形態1と同一符号を付して重複する説明を省略し、異なるところのみを次に説明する。
図8,9は(請求項1の発明に含まれる構成)実施形態4を示す。前記実施形態との相違は、ワーク距離指示手段及び指示位置変更手段の構成にあり、その他の点は前記実施形態1と同様である。従って、実施形態1と同一符号を付して重複する説明を省略し、異なるところのみを次に説明する。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)可視光源を半導体レーザとしても良い。半導体レーザから出射されるレーザ光は直進性が高くビーム径の広がりが少ないから、より明確な指示像が形成でき、所望のワーク距離に正確に調整することができる(請求項8の構成)。
12…レーザ光源(加工用レーザ光源)
13…ガルバノスキャナ(指示位置変更手段)
14…収束レンズ
15X,15Y…ガルバノミラー
17…可視光源
20…LEDポインタ(可視光源)
21…反射ミラー(可視光出射手段)
51…設定手段
52…制御手段
53…記憶手段
54…表示部(表示手段)
60,61…LEDポインタ(可視光出射手段)
70、71…反射ミラー(可視光出射手段)
80…ニ焦点レンズ(ワーク距離指示手段)
F1、F2…指示像
Fr…焦点
H…指示像
L1…レーザ光(加工用レーザ光)
L2、L3、L4…可視光
M…照射点
P1…焦点位置
R1…焦点距離
R2…ワーク距離
W…ワーク
Claims (11)
- 加工用レーザ光源から出射された加工用レーザ光を収束レンズで収束して、加工対象であるワーク上に前記加工用レーザ光の照射点を形成して加工を施すレーザ加工装置であって、
前記ワークに加工を施す加工モードと、前記収束レンズから前記ワークまでのワーク距離を調整するためのワーク距離調整モードとを選択するモード選択手段と、
前記モード選択手段で前記ワーク距離調整モードが選択されているときに、前記収束レンズの光軸方向において前記収束レンズから当該収束レンズの焦点距離だけ離れた位置を、可視光出射手段から出射した可視光による指示像によって指示するワーク距離指示手段とを備えたものにおいて、
前記収束レンズの光軸方向において、前記ワーク距離指示手段による前記指示像の位置を前記収束レンズの焦点距離とは異なる距離に変更する指示位置変更手段を備えていることを特徴とするレーザ加工装置。 - 前記指示位置変更手段を駆動制御する制御手段と、
各種の加工条件に基づく設定を行う設定手段と、
前記設定手段にて設定され得る各設定内容毎に対応つけて、前記各加工条件に適したワーク距離を示す位置に前記指示像を配するための制御情報が記憶される記憶手段とを備えて、
前記制御手段は、前記設定手段で設定された設定内容に対応する制御情報を前記記憶手段から読み出して当該制御情報に基づき前記指示位置変更手段を駆動させることを特徴とする請求項1記載のレーザ加工装置。 - 前記記憶手段には、前記収束レンズからの焦点距離を指示する位置に前記指示像を配置するための制御情報が初期設定内容と対応付けて予め記憶され、
前記指示位置変更手段の変更動作後、前記設定手段で前記初期設定内容が設定されたときには、前記制御手段は、前記記憶手段から前記初期設定内容に対応する前記制御情報を読み出して前記指示像を前記収束レンズからの焦点距離を指示する位置に戻すよう前記指示位置変更手段を駆動させることを特徴とする請求項2記載のレーザ加工装置。 - 前記各加工条件下において、その加工条件に適した位置に前記指示像が配されるよう前記指示位置変更手段を駆動させた際、その位置に前記指示像を移動させるための前記制御情報を取得する制御情報取得手段と、
前記制御情報取得手段で取得された前記制御情報を、それに対応する加工条件に基づく設定内容と対応付けて前記記憶手段に記憶させる書込手段とを備えていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のレーザ加工装置。 - 前記ワーク距離指示手段は、互いに光軸が前記ワーク側で交差するように可視光を出射する第1及び第2の可視光出射手段を備えて構成され、
前記指示位置変更手段は、前記第1及び第2の可視光出射手段からの可視光の光軸を交差させつつ、それら前記第1及び第2の可視光出射手段のうち少なくともいずれか一方の出射角度を変更する出射角度変更手段で構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のレーザ加工装置。 - 前記可視光を出力する可視光源を1つ備え、
前記第1の可視光出射手段は、前記可視光源からの可視光の一部を反射させる第1反射ミラーを備えて構成され、
前記第2の可視光出射手段は、前記第1反射ミラーで反射されなかった可視光を反射させて前記第1の反射ミラーでの反射光と互いの光軸を交差させる第2の反射ミラーを備えて構成され、
前記出射角度変更手段は、前記第1及び第2の反射ミラーのうち少なくともいずれか一方の反射角度を変更することで前記出射角度を変更するよう構成されていることを特徴とする請求項5記載のレーザ加工装置。 - 前記加工用レーザ光源から出射された加工用レーザ光を、ガルバノミラーで反射させ、その反射された加工用レーザ光を前記収束レンズを介して前記ワーク上に照射させるよう構成され、所望のマーキングパターンに基づき前記ガルバノミラーを回動させることで前記ワーク上で前記加工用レーザ光の照射点を走査させて前記マーキングパターンをマーキングするガルバノスキャニング式のレーザ加工装置であって、
前記可視光を出力する可視光源を備え、
前記第1の可視光出射手段は、前記ワーク側の所定方向に向かって可視光を出射するよう構成され、
前記第2の可視光出射手段は、前記可視光源からの可視光を前記ガルバノミラーで反射させ前記ワーク側で前記第1の可視光出射手段からの可視光と交差するよう構成され、
前記指示位置変更手段は、前記ガルバノミラーの回動角度を変えることで前記第1の可視光出射手段からの可視光の出射方向を変えるよう構成されていることを特徴とする請求項5記載のレーザ加工装置。 - 前記可視光源は、半導体レーザから構成されていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載のレーザ加工装置。
- 前記指示像の現在位置に関する位置情報が表示される表示手段と、前記指示位置変更手段を制御する制御手段に操作信号を与えて、この操作信号に基づき前記指示像の位置を変更させるための操作手段とを備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のレーザ加工装置。
- 加工用レーザ光源から出射された加工用レーザ光を収束レンズで収束して、加工対象であるワーク上に前記加工用レーザ光の照射点を形成して加工を施すレーザ加工装置において、可視光出射手段から出射した可視光による指示像によって前記収束レンズから前記ワークまでのワーク距離を調整するための調整方法であって、
前記指示像を、前記収束レンズの光軸方向において前記収束レンズからその焦点距離だけ離れた位置から、ワークへの所望の加工条件に適した距離を指示する位置へと変更し、同一加工条件で加工する場合には、その変更後の前記指示像の位置に基づき前記ワーク距離を調整することを特徴とするレーザ加工装置のワーク距離調整方法。 - 前記レーザ加工装置は、前記加工用レーザ光源から出射された加工用レーザ光を、ガルバノミラーで反射させ、その反射された加工用レーザ光を前記収束レンズを介して前記ワーク上に照射させるよう構成され、所望のマーキングパターンに基づき前記ガルバノミラーを回動させることで前記ワーク上で前記加工用レーザ光の照射点を走査させて前記マーキングパターンをマーキングするガルバノスキャニング式のレーザ加工装置であって、
第1の可視光を前記ワーク側へと所定方向に向けて出射するとともに、第2の可視光を前記ガルバノミラーで反射させ前記収束レンズを介して前記ワーク側へと出射させつつ前記第1の可視光と互いの光軸が交差させることで前記指示像を形成し、
前記ガルバノミラーを回動させることで前記第1及び第2の可視光の交差によって形成される前記指示像の位置を変更することを特徴とする請求項10記載のレーザ加工装置のワーク距離調整方法。
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