JP2003290943A - レーザマーカを用いた被覆電線の被覆カット装置及び方法 - Google Patents

レーザマーカを用いた被覆電線の被覆カット装置及び方法

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JP2003290943A
JP2003290943A JP2002094422A JP2002094422A JP2003290943A JP 2003290943 A JP2003290943 A JP 2003290943A JP 2002094422 A JP2002094422 A JP 2002094422A JP 2002094422 A JP2002094422 A JP 2002094422A JP 2003290943 A JP2003290943 A JP 2003290943A
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lens
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mirrors
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Kanji Watanabe
完治 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザマーカを利用した安価で簡単な構造の
被覆電線の被覆カット装置とそれを用いた被覆カット方
法を提供する。 【解決手段】 レーザマーカのヘッド部1は、レーザ光
を発生するレーザ発振器と、レーザ光を二次元偏向する
偏向手段と、二次元偏向されたレーザ光を印字面に集光
するfθレンズ12bとを有する。fθレンズ12bと
印字面との間に、レーザ光に対して略45度の角度を成
すと共に互いに対向するように配置された一対のミラー
37,38を設け、fθレンズ12bから出たレーザ光
LBが一対のミラー37,38で反射され、一対のミラ
ー37,38の間にセットされた被覆電線FCを両側か
ら略垂直に照射するように構成する。仮想の印字面にお
いて2本の平行な直線をマーキングするようにレーザマ
ーカを動作させることにより、被覆電線FCを両側から
レーザ光LBで略垂直に走査して被覆をカットする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光を発生す
るレーザ発振器、レーザ光を二次元偏向する偏向手段、
及び二次元偏向されたレーザ光を印字面に集光するレン
ズとを有するレーザマーカを用いた被覆電線の被覆カッ
ト装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザマーカは、炭酸ガスレーザ又はY
AGレーザから発せられたレーザ光で樹脂、木、金属等
の対象物の表面を加熱し、表面を局部的に変色又は変形
させることにより文字等のマーキングを行う装置であ
る。
【0003】マーキングすべき文字等に沿ってレーザ光
を偏向させる方法として、通常はベクタースキャンと呼
ばれる方法が用いられる。これは、ガルバノミラーを用
いてレーザ光のX方向及びY方向の偏向を同時に制御す
ることにより、文字又は線画に沿ってレーザ光の照射ス
ポットを移動させる方法である。効率よく短時間でマー
キングを行うように、できるだけ一筆書きとなる軌跡が
選択される。印字文字又は線画は複数の連続加工曲線に
分解され、1つの連続加工曲線の終点から次の連続加工
曲線の始点まではゼロパワーで直線移動する。
【0004】また、二次元偏向されたレーザ光はfθ
(エフシータ)レンズと呼称されるレンズによって印字
面に集光される。通常のレンズの歪曲特性がy=f・t
anθであるのに対して、fθレンズの歪曲特性はy=
f・θであり、レーザ光による印字面の走査速度が一定
になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】発明者は、上記のよう
なレーザマーカを用いてフラットケーブルのような被覆
電線の被覆をカットする装置及び方法を考案した。レー
ザ光を用いて被覆電線の被覆をカットするレーザストリ
ッパ又はレーザワイヤーストリッパと呼称される装置が
従来からあるが、大掛かりで高価なものであった。
【0006】そこで、本発明は、レーザマーカを利用し
た安価で簡単な構造の被覆電線の被覆カット装置とそれ
を用いた被覆カット方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による被覆電線の
被覆カット装置は、レーザ光を発生するレーザ発振器、
レーザ光を二次元偏向する偏向手段、及び二次元偏向さ
れたレーザ光を印字面に集光するレンズとを有するレー
ザマーカを用いた被覆電線の被覆カット装置であって、
レーザマーカのレンズと印字面との間に、レーザ光に対
して略45度の角度を成すと共に互いに対向するように
配置された一対のミラーを備え、レンズから出たレーザ
光が一対のミラーで反射され、一対のミラーの間にセッ
トされた被覆電線に対して両側から略垂直に照射される
ように構成されていることを特徴とする。
【0008】このような構成によれば、既存のレーザマ
ーカに一対のミラーとそれらの固定手段(フレーム)等
を付加するだけで簡単に、かつ、比較的安価に被覆電線
の被覆カット装置を実現することができる。
【0009】好ましい実施形態において、この装置は、
一対のミラーが配置された空間を覆い、透過するレーザ
光の強度を減衰させる透明又は半透明の保護カバーを備
えている。これにより、レーザ光が予期しない方向(ミ
ラーから外れる方向)に向かうことがあっても、レーザ
光の強さが保護カバーによって減衰させられるので安全
性を確保することができる。また、保護カバーが透明又
は半透明であるので、内部を目視で確認することができ
る。
【0010】また、レーザマーカのレンズの光軸に沿う
方向に被覆電線を挿入するための開口が保護カバーに設
けられ、その開口からレーザ光が直接出射することを防
止するように光軸付近の光路を遮る遮光板が設けられて
いることが好ましい。このような構成によれば、ミラー
に向かうように偏向されるレーザ光が何らかの異常でレ
ンズの光軸に沿う方向に出射することがあっても、遮光
板によって妨げられるので、保護カバーに設けられた開
口から外部に出て行くことがなく安全である。
【0011】別の好ましい実施形態において、この装置
は被覆電線を位置決めするためのガイド板を備え、被覆
電線の先端を当接することによって被覆カット長さを決
めるストッパーがガイド板に設けられている。この構成
によれば、被覆カット長さを目視によって決める場合に
比べて正確に設定することができ、被覆カット長さのば
らつきが小さくなる。更に、レンズの光軸に沿う方向に
おけるストッパーのガイド板に対する固定位置が所定範
囲内で調整可能であることが好ましい。これにより、被
覆電線の被覆カット長さが調整可能になる。
【0012】更に別の好ましい実施形態において、レン
ズから出たレーザ光が一対のミラーのうちの一方のミラ
ーで反射された後に他方のミラーで反射されてレンズに
戻ることがないように、一対のミラーの角度が設定され
ている。このような構成によれば、レンズから出たレー
ザ光が一対のミラーで順次反射してレンズに戻って来る
ことによりレーザマーカの光学系やレーザ発振器等に悪
影響を与える可能性を除去することができる。
【0013】また、本発明による被覆電線の被覆カット
方法は、レーザ光を発生するレーザ発振器、レーザ光を
二次元偏向する偏向手段、及び二次元偏向されたレーザ
光を印字面に集光するレンズとを有するレーザマーカを
用いた被覆電線の被覆カット方法であって、レーザマー
カのレンズと印字面との間に、レーザ光に対して略45
度の角度を成すと共に互いに対向するように一対のミラ
ーを配置し、仮想の印字面において2本の平行な直線を
マーキングするようにレーザマーカを動作させることに
より、レンズから出たレーザ光が一対のミラーで反射さ
れ、一対のミラーの間にセットされた被覆電線を両側か
ら略垂直に走査して被覆をカットすることを特徴とす
る。このような方法によれば、既存のレーザマーカを用
いて簡単に、かつ、比較的安価な構成で被覆電線の被覆
カットを精度良く行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0015】図1は、本発明の実施形態に係る被覆電線
の被覆カット装置に使用するレーザマーカの概略構成図
である。レーザマーカはヘッド部1とコントローラ部2
を備え、両者がケーブル4で接続されている。また、液
晶表示器とタッチパネルを用いたコンソール(表示及び
入力手段)3がケーブル5によってコントローラ部2に
接続されている。ヘッド部1にはレーザ発振器11及び
光学系12が内蔵されている。
【0016】レーザ発振器11は、炭酸ガスレーザ又は
YAGレーザを用いたレーザ管である。光学系12は、
レーザ光を二次元偏向する偏向手段であるガルバノミラ
ー12a、fθ(エフシータ)レンズ12b、及びビー
ムエキスパンダ12cからなる。レーザ発振器11から
発したレーザ光LBはビームエキスパンダ12cでビー
ム径を拡大され、ガルバノミラー12aによってX方向
及びY方向に(二次元に)偏向された後、fθレンズ1
2bによってワーク(加工対象物)WKの表面(すなわ
ち印字面)に集光される。こうして、ワークWKの表面
に所望の文字や記号等を印字することができる。なお、
fθレンズの歪曲特性はy=f・θであり(通常のレン
ズの歪曲特性はy=f・tanθ)、レーザ光による印
字面の走査速度が一定になる特徴を有する。
【0017】図2は、レーザマーカの回路構成を示すブ
ロック図である。ヘッド部1は、レーザ発振器11及び
光学系12の他に、EEPROM13及びリアルタイム
クロック(RTC)14を内蔵している。
【0018】EEPROM13は電源が切れても記憶内
容を保持する不揮発性メモリであり、ヘッド部1の固有
情報、つまりレーザ発振器11の稼働時間の積算値やf
θレンズ12bに関する情報を記憶するのに用いられ
る。リアルタイムクロック14は、レーザ発振器11の
稼働時間を積算してレーザ発振器11の交換時期を知ら
せるために使用される。あるいは、現在の日時を出力し
て印字データに含ませることができる。
【0019】コントローラ部2は、マイクロプロセッサ
(MPU)21、SRAM(スタティックランダムアク
セスメモリ)22、及びDRAM(ダイナミックランダ
ムアクセスメモリ)23を内蔵している。マイクロプロ
セッサ21は、レーザ発振器11及び光学系12を含む
ヘッド部1の制御、コンソール3との通信、SRAM2
2及びDRAM23のリード・ライト等、レーザマーカ
全体の制御を司る。
【0020】SRAM22は、バッテリーバックアップ
によって電源オフ時にも記憶内容を保持することがで
き、コンソール3から受信した印字文字の種類及び印字
位置等の設定情報を記憶する。DRAM23は、設定情
報から生成された展開情報、つまり印字加工のためにレ
ーザ光がたどるべき軌跡に関する情報を記憶し、電源オ
フ時に記憶内容は消える。マイクロプロセッサ21は、
コンソール3から受信した設定情報をSRAM22に記
憶させると共に、設定情報から展開情報を生成してDR
AM23に記憶させる処理をも実行する。
【0021】コントローラ部2にはコンソール3の他
に、パーソナルコンピュータ32を接続することもでき
る。この場合、パーソナルコンピュータ32の画面やキ
ーボードを用いてコンソール3と同様の表示及び入力操
作を行うことができる。また、コンソール3にはメモリ
カード31を着脱可能なスロットとリード・ライト用の
インターフェイスが備えられている。コンソール3から
入力した印字文字の種類及び印字位置等の設定情報をメ
モリカード31に保存しておき、必要なときに読み出し
てコントローラ部2に送信することができる。
【0022】図3は、本発明の実施形態に係る被覆電線
の被覆カット装置の構成図である。(a)は平面視の構
成図であり、(b)は側面視の構成図である。枠台34
の側面に上記のような構成のレーザマーカのヘッド部1
が垂直姿勢で固定されている。つまり、fθレンズ12
bから出射するレーザ光LBが枠台34の上面に沿って
略水平方向に向かうようにヘッド部1が固定されてい
る。なお、図3では省略しているが、図1及び図2に示
したように、ヘッド部1にはコントローラ部2及びコン
ソール3(又はパーソナルコンピュータ32)が接続さ
れている。
【0023】また、枠台34の上面に、被覆電線である
フラットケーブルFCを載置するガイド板35が4本の
脚36によって固定されている。このガイド板35の上
下に対向するように一対のミラー37,38が配置され
ている。枠台34の上面に透明アクリル樹脂製の保護カ
バー39が固定され、その内側に一対のミラー37,3
8が固定部材40を介して固定されている。ミラー3
7,38は、図3(b)に示すように、側面視でレーザ
光に対して略45度、詳しくは後述する角度を成すよう
に、かつ、互いに対向するように固定されている。
【0024】ガイド板35には矩形の開口35aが形成
され、fθレンズ12bから出射して下側のミラー38
で反射したレーザ光LBが、開口35aを通ってフラッ
トケーブルFCの被覆の下面に照射される。fθレンズ
12bから出射して上側のミラー37で反射したレーザ
光LBは、フラットケーブルFCの被覆の上面に照射さ
れる。後述するようにレーザ光LBを偏向(走査)させ
ることにより、フラットケーブルFCの被覆の上面と下
面を一度にレーザ光LBでカットすることができる。な
お、レーザマーカから照射されるレーザ光の強度はさほ
ど強くないので、樹脂製の被覆だけがレーザ光の熱で溶
けてカットされ、金属製の芯線は溶けない。
【0025】保護カバー39は、fθレンズ12bから
出射したレーザ光LBが予期しない方向(ミラーから外
れる方向)に向かうことがあっても、レーザ光LBが直
接外部に出て行かないようにする働きを有する。つま
り、保護カバー39を通過して外部に出て行くレーザ光
LBがあったとしても、その強度は安全上問題のない程
度まで減衰する。保護カバー39は半透明でもよいが、
外部から内部を視認できることが望ましい。
【0026】保護カバー39は、レーザマーカのヘッド
部1側の面が開放している略直方体形状を有し、その開
放面と反対側の面には、ガイド板35及びフラットケー
ブルFCが挿通される矩形の開口39aが形成されてい
る。つまり、ガイド板35は、保護カバー39の開口3
9aから保護カバー39の内部に挿入され、一対のミラ
ー37,38の間に位置するように固定されている。フ
ラットケーブルFCを開口39aから挿入する際には、
フラットケーブルFCをガイド板35の上面に沿わせる
ようにして挿入すればよい。
【0027】ガイド板35の先端には、遮光板42が取
り付けられている。fθレンズ12bからミラー37,
38に向かって出射するレーザ光LBが何らかの異常に
よってfθレンズ12bの光軸AX近傍を進むことがあ
っても、遮光板42によって進路を遮られるので、保護
カバー39の開口39aから直接出て行くことが防止さ
れる。
【0028】また、ガイド板35の先端付近の上面に
は、フラットケーブルFCの先端が当接するストッパー
43が設けられている。図3(a)に示すように、スト
ッパー43の平面視での両端部を支持する支持部材43
aが設けられ、fθレンズ12bの光軸AX方向、すな
わちフラットケーブルFCの長手方向におけるストッパ
ー43のガイド板35に対する固定位置が所定範囲内で
調整可能に構成されている。
【0029】図3(b)に示すように、フラットケーブ
ルFCの先端がストッパー43に当接するまでフラット
ケーブルFCを挿入すれば、被覆カット長さLNが所定
の長さに揃えられる。また、上記のようにストッパー4
3のガイド板35に対する固定位置を調整することによ
り、被覆カット長さLNを調整することができる。
【0030】図4は、通常の使用におけるレーザマーカ
のヘッド部1から出射するレーザ光LBと印字面(ワー
クWKの表面)に投影される印字領域ARとの関係を示
す斜視図である。前述のようにしてヘッド部1から出射
するレーザ光LBが二次元偏向されることにより、矩形
の印字領域(印字可能な領域)ARが得られる。例え
ば、印字領域ARは1辺が100mmの正方形である。
【0031】図5は、本実施形態に係る被覆電線の被覆
カット装置におけるミラー37,38及びフラットケー
ブルFC等の位置関係を示す斜視図である。この図にお
いても、説明のために(仮想の)印字領域ARが描かれ
ている。実際のレーザ光LBは、太い破線で示すよう
に、ミラー37又は38で反射してフラットケーブルF
Cの両面を略垂直に照射する。
【0032】図5に示すように、本実施形態に係る被覆
電線の被覆カット装置では、仮想の印字領域ARにおい
て2本の平行な直線45、46をマーキングするよう
に、レーザ発振器11の駆動及び光学系12による二次
元偏向が制御される。直線45の終点と直線46の始点
とはレーザ発振器11を発振せずに(ゼロパワーで)移
動用直線47に沿って二次元偏向が制御される。つま
り、仮想の印字領域ARにおいて、文字「Z」を描くよ
うに二次元偏向が制御され、2本の平行な直線45、4
6の部分でのみレーザ光LBが照射される。
【0033】上記のような制御により、フラットケーブ
ルFCの先端から所定距離(被覆カット長さLN)の箇
所において被覆カットラインCLに沿ってフラットケー
ブルFCの両面をレーザ光LBが走査する。この結果、
フラットケーブルFCの被覆が被覆カットラインCLに
沿ってカットされる。前述のように、レーザ光LBの強
度がさほど大きくないので、金属製の芯線は溶けないで
樹脂製の被覆のみが溶けてカットされる。
【0034】なお、図5の例では、2本の平行な直線4
5、46を同じ方向に走査して、文字「Z」を描くよう
に二次元偏向を制御するが、2本の平行な直線45、4
6を互いに逆方向に走査して、文字「コ」を描くように
二次元偏向を制御してもよい。
【0035】図6は、図5における矢印DRで示す方向
から見た側面図である。fθレンズ12bから出射した
レーザ光LBは、ミラー37又は38で反射してフラッ
トケーブルFCの側面を略垂直に照射する。ミラー37
又は38が無い場合(レーザマーカの通常の使用状態)
は、レーザ光LBは印字面ISで焦点を結ぶ。一実施例
において、2本の平行な直線45、46の間隔DSは、
印字領域ARの一辺の長さ(例えば100mm)に近い
値に設定される。また、ミラー37及び38の中心を結
ぶ仮想線ILと印字面ISとの距離HTは、ミラー37
又は38で反射したレーザ光がフラットケーブルFCの
被覆表面近傍で焦点を結ぶように(例えば40mm程度
に)設定される。
【0036】また、一実施例において、ミラー37又は
38と仮想線ILとが成す角度DG1は、45度に設定
される。このとき、fθレンズ12bからミラー37又
は38の中心に向かうレーザ光LBとfθレンズ12b
の光軸AXとが成す角度DG2は、ミラー37又は38
で反射したレーザ光LBと仮想線ILとが成す角度DG
3に等しくなる。一実施例において、この角度DG3
(=DG2)は10〜11.5度である。
【0037】図6に示す上記の条件において、例えばミ
ラー38で反射したレーザ光LBがフラットケーブルF
Cの横を通って(幅方向端部から外れて)光路LB1を
進む場合を考える。上述のように、光路LB1は仮想線
ILに対して角度DG3(10〜11.5度)だけ傾い
ているので、光路LB1を進むレーザ光LBはミラー3
7の上を通過する。仮に、ミラー37のサイズが破線で
示すように大きくなり、光路LB1がミラー37の上端
部に掛かる場合は、光路LB1を進むレーザ光LBはミ
ラー37で反射して光路LB2を進むことになる。この
場合でも、図6から明らかなように、光路LB2を進む
レーザ光LBがレーザマーカのfθレンズ12bに戻る
ことはない。
【0038】ミラー37又は38と仮想線ILとが成す
角度DG1を45度から増加していくと、反射後の光路
LB1と仮想線ILとが成す角度DG3が小さくなり、
やがてゼロになる。この状態では、例えばミラー38で
反射したレーザ光LBがフラットケーブルFCの横を通
って(幅方向端部から外れて)進む場合に、そのレーザ
光LBはもう一つのミラー37で再反射してfθレンズ
12bに戻ってしまう。逆に、fθレンズ12bから出
射してミラー37で反射したレーザ光LBのうち、フラ
ットケーブルFCの横を通るレーザ光LBはミラー38
で再反射してfθレンズ12bに戻ってしまう。
【0039】上記のように、fθレンズ12bから出射
したレーザ光LBが一対のミラー37,38で順次反射
してfθレンズ12bに戻る現象は、レーザマーカ(の
光学系及びレーザ発振器)に悪影響を与える可能性があ
り、好ましくない。そこで、本実施形態に係る被覆電線
の被覆カット装置では、図6に示したように、ミラー3
7,38で反射したレーザ光の光路とミラー37及び3
8の中心を結ぶ仮想線ILとの成す角度DG3がゼロで
はなく所定範囲(例えば10〜11.5度)となるよう
に、ミラー37,38と仮想線ILとの成す角度DG1
を設定している。上記の目的によれば、角度DG1は上
記実施例の45度に限るわけではなく、fθレンズ12
bの口径等の条件に応じてある程度の許容範囲がある。
【0040】以上、本発明の実施形態を具体的な実施例
及び変形例と共に説明したが、本発明は上記の実施形態
に限らず、種々の形態で実施することが可能である。
【0041】例えば、上記の実施形態では、被覆カット
対象の被覆電線がフラットケーブルであるが、本発明に
係る被覆電線の被覆カット装置及び方法は、フラットケ
ーブルに限らず通常の単線(絶縁被覆ワイヤー)に適用
可能である。この場合、複数の単線を並べてそれらの被
覆を一度にカットしてもよいし、1本の単線の被覆をカ
ットすることもできる。
【0042】また、図3に示した構成例において、fθ
レンズ12bの光軸AX方向におけるストッパー43の
ガイド板35に対する固定位置を調整する方法として、
例えば螺子送り機構(ボール螺子機構)を設け、被覆カ
ット長さLNの調整を精密に行うことができるようにし
てもよい。
【0043】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、既存のレーザマーカに一対のミラーとそれらの固定
手段等を付加するだけで簡単に、かつ、比較的安価に被
覆電線の被覆カット装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る被覆電線の被覆カット
装置に使用するレーザマーカの概略構成図である。
【図2】レーザマーカの回路構成を示すブロック図であ
る。
【図3】本発明の実施形態に係る被覆電線の被覆カット
装置の構成図である。
【図4】通常の使用におけるレーザマーカのヘッド部か
ら出射するレーザ光と印字面に投影される印字領域との
関係を示す斜視図である。
【図5】本実施形態に係る被覆電線の被覆カット装置に
おけるミラー及びフラットケーブル等の位置関係を示す
斜視図である。
【図6】図5における矢印DRで示す方向から見た側面
図である。
【符号の説明】
11 レーザ発振器 12 光学系 12a 偏向手段(ガルバノミラー) 12b レンズ(fθレンズ) 35 ガイド板 37,38 ミラー 39 保護カバー 39a 開口 42 遮光板 43 ストッパー FC 被覆電線(フラットケーブル)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザ光を発生するレーザ発振器、前記レ
    ーザ光を二次元偏向する偏向手段、及び前記二次元偏向
    されたレーザ光を印字面に集光するレンズとを有するレ
    ーザマーカを用いた被覆電線の被覆カット装置であっ
    て、 前記レーザマーカのレンズと前記印字面との間に、前記
    レーザ光に対して略45度の角度を成すと共に互いに対
    向するように配置された一対のミラーを備え、 前記レンズから出たレーザ光が前記一対のミラーで反射
    され、前記一対のミラーの間にセットされた被覆電線に
    対して両側から略垂直に照射されるように構成されてい
    ることを特徴とする被覆電線の被覆カット装置。
  2. 【請求項2】前記一対のミラーが配置された空間を覆
    い、透過するレーザ光の強度を減衰させる透明又は半透
    明の保護カバーを備えていることを特徴とする請求項1
    記載の被覆電線の被覆カット装置。
  3. 【請求項3】前記レーザマーカのレンズの光軸に沿う方
    向に被覆電線を挿入するための開口が前記保護カバーに
    設けられ、前記開口からレーザ光が直接出射することを
    防止するように前記光軸付近の光路を遮る遮光板を備え
    ていることを特徴とする請求項2記載の被覆電線の被覆
    カット装置。
  4. 【請求項4】前記被覆電線を位置決めするためのガイド
    板を備え、前記被覆電線の先端を当接することによって
    被覆カット長さを決めるストッパーが前記ガイド板に設
    けられていることを特徴とする請求項1、2又は3記載
    の被覆電線の被覆カット装置。
  5. 【請求項5】前記レンズの光軸に沿う方向における前記
    ストッパーの前記ガイド板に対する固定位置が所定範囲
    内で調整可能であることを特徴とする請求項4記載の被
    覆電線の被覆カット装置。
  6. 【請求項6】前記レンズから出たレーザ光が前記一対の
    ミラーのうちの一方のミラーで反射された後に他方のミ
    ラーで反射されて前記レンズに戻ることがないように、
    前記一対のミラーの角度が設定されていることを特徴と
    する請求項1から5のいずれか1項記載の被覆電線の被
    覆カット装置。
  7. 【請求項7】レーザ光を発生するレーザ発振器、前記レ
    ーザ光を二次元偏向する偏向手段、及び前記二次元偏向
    されたレーザ光を印字面に集光するレンズとを有するレ
    ーザマーカを用いた被覆電線の被覆カット方法であっ
    て、 前記レーザマーカのレンズと前記印字面との間に、前記
    レーザ光に対して略45度の角度を成すと共に互いに対
    向するように一対のミラーを配置し、 仮想の印字面において2本の平行な直線をマーキングす
    るように前記レーザマーカを動作させることにより、前
    記レンズから出たレーザ光が前記一対のミラーで反射さ
    れ、前記一対のミラーの間にセットされた被覆電線を両
    側から略垂直に走査して被覆をカットすることを特徴と
    する被覆電線の被覆カット方法。
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