JP4516823B2 - 車両の放熱構造 - Google Patents

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Description

この発明は、車両の内装部品から熱を車室の外部に輸送して車室内を冷却し、あるいはその温度上昇を抑制する車両用の放熱構造に関するものである。
車両には、フロント、リヤ、サイドの各ウィンドウが設けられ、また車種によってサンルーフと称される車体上部の開口部もしくは透光部が設けられているから、炎天下を走行し、あるいは駐車している際に、これらのウィンドウや透光部から車室内に太陽光が照射される。その結果、インストルメントパネルやリアパーセルなどの内装部品あるいは内装パネルが太陽光を吸収してその温度が高くなり、室内温度の上昇要因となる。
内装部材が太陽光によって温度上昇すると、夏期においては車室温度がかなり高くなって車室の居住性を損ない、あるいは空調装置に掛かる負荷が増大し、また内装部品の劣化を進行させ、さらには内装部品とこれを取り付けてある車体構造部との間の熱応力の増大を招来するなどの不都合が生じる。そこで特許文献1に記載された発明では、車体パネルに対して積極的に熱を輸送するように内装部品を構成している。
すなわち、特許文献1では、良熱伝導体を、表皮構造に密着させてその一部もしくは別の熱伝導体により車体の金属部位(ダッシュパネルやステアリングメンバーなど)に接合させることで、インストルメントパネルやリアパーセルに蓄積する熱を車体の金属部位へと分散させ、高熱になることを抑制している。つまり、この特許文献1の発明では内装部品に吸収された日射エネルギーが車体パネルに伝達され、大気中に放出されるので、内装部品の上昇を抑制することができる、とされている。
特開2004−42745号公報
上記の特許文献1は、車両の内装部品の実質的な熱伝導性を向上させることにより、その内装部品から車体パネルに対する熱伝達を向上させるためのものであるが、インストルメントパネルなどの太陽光を受けて温度が高くなり、あるいは蓄熱する内装部品は、その面積が広いので、その全体の熱伝導性を向上させるべく金属板などの良熱伝導体を裏面に張り付けた構造としたのでは、その重量が増大するのみならず、加工性が大きく損なわれる不都合が生じる。また、内装部品の全体に均一に太陽光が照射してその温度が高くなるわけではないから、熱応力が大きくなるなどの可能性もある。さらに、上記の特許文献1の発明は、車体パネルを放熱部とし、ここに内装部品の熱を伝達するように構成しているが、車体パネルは車両の外殻をなすものであるから、太陽光に曝される度合いが内装部品よりも高い。そのため、内装部品よりも車体パネルの温度が高くなりやすく、結局は、内装部品の熱を外部に放散できなかったり、あるいは車体パネルの熱を車室内に導入してしまったりする可能性が高い。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、車両の内装部材の熱を効率よく、あるいは多量に車室の外部に輸送して室内温度の上昇を抑制することのできる放熱装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、車両の室内から外部に熱を放出して車両内を冷却する車両の放熱構造であって、前記車両内の内装部品の下面側に全体として環状をなすとともに潜熱として熱を輸送する凝縮性の流体を作動流体として封入したヒートパイプが熱伝達可能に配置され、かつそのヒートパイプが前記内装部品の下側が交差するように曲げられ、さらにそのヒートパイプがその交差部を中心として前記車両の左右両側に延びかつ車両の左右両側に設けた放熱部分に熱伝達可能に連結されていることを特徴とするものである。
この請求項1の発明における前記ヒートパイプの交差部は、請求項2に記載されているように、そのヒートパイプの各部分同士の間で熱伝達可能に構成することができる。
さらに、請求項3の発明は、請求項1まは2の発明における前記放熱部分が、前記車両の車体外表面を構成している外板パネルの内面外側に設けられた放熱フィンによって構成されていることを特徴とする車両の放熱構造である。
そして、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明における前記内装部品が、車両の内部に設けられているフロントパネルもしくはインストルメントパネルあるいはリアパーセルまたはトノカバーのいずれかであることを特徴とする車両の放熱構造である。
項1の発明によれば、環状の1本のヒートパイプをその一部で交差するように湾曲させ、その交差部を内装部品の下側に配置するとともに、その交差部から離れたいわゆる両端部分を車両の両側の放熱部分に熱伝達可能に連結したので、少なくともいずれか一方の放熱部分が前記ヒートパイプの凝縮部となって、そのヒートパイプの内部に封入されている作動流体が、内装部品の下側に配置されている部分を蒸発部として循環流動し、その結果、内装部品の熱を確実に外部に放出し、その温度の上昇を防止もしくは抑制することができる。
また、請求項2の発明によれば、上記のヒートパイプにおける作動流体蒸気と作動液とが、交差している部分で熱交換するので、そのヒートパイプによる熱輸送効率を向上させることができる。
さらに、請求項3の発明によれば、車両の外板パネルを放熱部分として利用でき、車室内の熱を外部に放出できるとともに、装置の全体としての構成を簡素化できる。
そして、請求項4の発明によれば、フロントパネルもしくはインストルメントパネルあるいはリアパーセルまたはトノカバーの熱を効率よく外部に放出してその温度の上昇、および車室の温度の上昇を防止することができる。
以下、本発明を具体的に説明する。図1ないし図5に示す、この発明に関係する放熱装置1は、車両2における前側および後ろ側の内装材から熱を奪って車室5内の熱を外部に放出するように構成されている。伝熱部材である複数本のヒートパイプ3が、車室5内の前方(フロント側)および後方(リア側)の内装材に沿わせてそれぞれ配置されている。具体的には、図5に示すように複数のヒートパイプ3の一方の端部3Aが車室5内で、前方に設けられたフロントパネル6と後方に設けられたリアパネル(リアパーセル)7との下面側に沿って延び、かつ熱伝達可能に配置されている。なお、このヒートパイプ3はフロントパネル6の内部およびリアパネル7の内部に配置されてもよい。この車室5の前方側および後方側に座席(シート)8が配置され、それよりも前方側でフロントガラス9の下側にフロントパネル6が配置され、また座席8の後方側のリアガラス10の下側にリアパネル7が配置されている。なおこのフロントパネル6およびリアパネル7は、本発明における内装部品に相当し、これらは、インストルメントパネルやパーセルシェルフボードもしくはトノカバーであってもよい。
各ヒートパイプ3の他端部3Bは、車室5内の前方および後方に配置されたループ型ヒートパイプ15における円筒形状の蒸発部11に熱伝達可能に連結されている。ループ型ヒートパイプ15は、その蒸発部11と、凝縮部12とを、蒸気管13と液戻り管14とによって全体として循環路を形成するように連結して構成されたヒートパイプであって、その循環路の内部に脱気した状態で、水などの凝縮性の流体が作動流体として封入されている。したがって蒸発部11に外部から熱が伝達することにより作動流体が蒸発し、その蒸気が蒸気管13を介して凝縮部12に流動し、ここで放熱して作動流体が凝縮することにより、蒸発部11から凝縮部12に、作動流体の潜熱として熱を輸送する。なお、凝縮した作動流体は、液戻り管14を介して蒸発部11に還流する。
このループ型ヒートパイプ15は、車室5内の熱、特に前記各パネル6,7の熱を車室5の外部に輸送して放出するためのものであり、したがってその凝縮部12は、車室5の外部に設けられている。より具体的には、凝縮部12は車体の下部に外気に曝されるように配置されている。その結果、図に示す具体例では、入熱のある蒸発部11が、放熱箇所である凝縮部12より高い位置にあって、上から下に向けた熱輸送をおこなういわゆるトップヒートモードでループ型ヒートパイプ15を動作させるようになっている。
上記凝縮部12には、その放熱面積を増大させるために、多数の放熱フィン16が取り付けられている。これらの放熱フィン16は、薄板状の部材であって、各放熱フィン16には、凝縮部12を構成しているパイプ材が貫通する貫通孔16Aが形成されており、この貫通孔16Aにパイプ材を密着嵌合させることによりループ型ヒートパイプ15の下端部15Aに取り付けられている。なお、これらの放熱フィン16は所定の間隔を空けて互いに平行に配列され、前記放熱フィン16同士の間の隙間に、車両2の走行中に生じる空気流が通過するようになっている。
また、蒸発部11は、蒸気管13や液戻り管14より大径の円筒体を容器11Aとし、その内部に、液相の作動流体を分散させるための毛細管作用を生じさせるメッシュあるいは多孔質体などからなるウイック(図示せず)を設けた構造であって、ループ型ヒートパイプ15の上端部15Bを構成している。なお、蒸発部11の容器11Aの形状は任意であって、矩形の箱状や中空平板状としてもよい。
上記の放熱装置1により車室5内から外部に熱を放散する作用について説明する。車室5内に差し込む太陽光によって、フロントパネル6やリアパネル7が加熱されると、その熱がフロントパネル6やリアパネル7の下側あるいは内部の各ヒートパイプ3に伝達される。このヒートパイプ3は、例えば銅パイプなどの金属管をコンテナとするものであって、その内部に細溝や極細線などからなるウイックを収容するとともに、水などの適宜の作動流体を封入した公知のヒートパイプであり、したがって各パネル6,7から伝達された熱は、各ヒートパイプ3によってループ型ヒートパイプ15の蒸発部11に輸送される。すなわち、広い面積の各パネル6,7からその内部もしくは下側に分散して配置されたヒートパイプ3によって熱を収集して蒸発部11に伝達するようになっている。
したがって蒸発部11が加熱されることにより、ループ型ヒートパイプ15が動作し、作動流体の潜熱として凝縮部12に熱が輸送され、ここから外部に熱が放散される。すなわち、蒸発部11に保持されている液相の作動流体が、前記各パネル6,7から伝達された熱によって加熱されて蒸発する。これに対して凝縮部12は車室5の外部に配置されていて外気によって冷却された状態になっているので、その内部の温度および圧力が蒸発部11に対して低い。そのため、作動流体の蒸気は、蒸気管13の内部を凝縮部12に向けて流れ、凝縮部12において外部に熱を奪われることにより、すなわち放熱することにより凝縮する。こうして生じた液相の作動流体は、前記蒸発部11の内部において液戻り管14の連通している箇所の圧力が、蒸気管13の連通している箇所の圧力より低い上に、凝縮部12に対して作動流体の蒸気が連続して流入していることにより、液戻り管14の内部を上昇流となって蒸発部11に還流する。
このようにしてループ型ヒートパイプ15がその作動流体の潜熱として熱を輸送することにより、車室5内の熱が、外部に放出され、車室5内の温度の上昇が抑制もしくは防止され、あるいは車室5内が冷却される。そして、図1ないし図5に示す例においても、ループ型ヒートパイプ15を使用して車室5内から外部に熱を輸送するように構成しているので、放熱部が車両2の下部であっても、効率よくかつ確実に熱輸送を生じさせて車室5内から外部に放熱することができる。
上述した具体例は、フロントパネル6やリヤパネル7などの車室5の比較的高い位置に配置されて、太陽光を受けやすい内装材から熱を奪うように構成している。したがってサイドガラス19から差し込んだ太陽光による熱であっても、前記ヒートパイプ3およびループ型ヒートパイプ15を介して外部に放散させることができる。また、そのサイドガラス19を締め切ってエアコン(空調装置)18を動作させている場合、エアコン18で冷却された空気が車室5の下側に滞留し、太陽熱などで暖められた空気が上側に滞留しやすいが、上述したこの発明に係る放熱装置1は、比較的高い位置にある前記各パネル67から熱を奪って外部に放散させるから、空調状態での車室5内から効率良く外部に熱を放出でき、いわゆるエアコン18の効きを良くすることができ、またエアコン18に対する負荷を減じて車両2の燃費の向上を図ることができる。
なお、上述したヒートパイプ3は、熱輸送の方向が限定されることがなく、入熱のある箇所で内部の作動流体が蒸発し、放熱の生じる箇所に作動流体蒸気が流動して熱を輸送する。したがって、そのヒートパイプ3の両端部3A,3Bのそれぞれにループ型ヒートパイプ15を配置し、おのおのループ型ヒートパイプ15における蒸発部11に、ヒートパイプ3の各端部を熱伝達可能に連結した構成としても良い。
上述した具体例は、いわゆる直管型の複数本のヒートパイプ3を用いて、内装材から熱を奪ってループ型ヒートパイプ15に伝達するように構成した例であるが、本発明では、内装材の熱を、要は、内装材に対して分散した状態で配置され、その結果、内装材の各部分から個別にループ型ヒートパイプ15に対して熱を伝達するように構成されていればよい。したがって、上述したヒートパイプ3と適宜の複数の伝熱板とによって構成されていてもよく、あるいはループ型ヒートパイプ15に対して直接、内装材から熱を伝達する複数の伝熱板によって構成されていてもよい。以下、その例を示す。
図6に示す例では、内装部品31の外郭構造に、その蓄積された熱を輸送するで熱部材であるヒートパイプ3が設けられているとともに、そのヒートパイプ3に、複数(2枚以上)に分割された伝熱板32,33が熱伝達可能に接合されている。このヒートパイプ3は、直線状に延びる部位(直線部位)とその部位から所定の角度(90度)で屈曲する部位(屈曲部位)とから構成されており、その直線部位に上記伝熱板32,33が連結されている。なおこの伝熱板32,33はその伝熱量を維持するために分割されている。
また、内装部品31は樹脂または樹脂を含む複合材からなる部品であり、伝熱板32,33は高い熱伝導率を有する金属や炭素繊維、またはそれらを含む複合材料からなる部材である。具体的には、伝熱板32,33は長方形状に形成された薄肉平板であり、その表面上にその外枠に沿って等間隔に露出する露出部位32A,33Aが形成されている。その露出部位32A,33A同士間には、その平面方向で間隙34が形成されている。一方の露出部位32Aは、他方の露出部位33Aよりも幅が大きく、かつ露出部位33Aの長さよりも長くなっている。なお、露出部位32Aは、各露出部位33A同士間で、その先端部32Bがヒートパイプ3に熱伝達可能に接合されており、その先端部32Bである接合部分から伝熱板32の端部32Cまでの形状がアーチ状(外側に屈曲した形状)に形成されている。つまり、露出部位32Aは各露出部位33A同士間で、伝熱板33に接触せず、露出部位33Aも伝熱板32に接触していない。また、露出部位33Aはヒートパイプ3を包み込むように曲げられてヒートパイプ3を固定している。
したがって、太陽光の照射度合により内装部品31の外郭構造上全体の温度が均一にならない場合であっても内装部品31の外郭構造からの熱が伝熱板32、露出部位32Aを経由してヒートパイプ3に伝達されるとともに、伝熱板33、露出部位33Aを経由してヒートパイプ3に伝達されるので、伝熱板32,33の一枚当たりの温度差が小さくなる。そのため、内装部品3の外郭構造の熱をヒートパイプ3に伝達することができる。
ところで、内装部品31の外郭構造において、ヒートパイプ3に近い箇所の温度がヒートパイプ3に遠い箇所の温度よりも高い場合には、その近い箇所からヒートパイプ3への伝熱は容易に起こりうるが、その遠い箇所からヒートパイプ3へは各箇所の間にあるより高温となる箇所(ヒートパイプ3に近い箇所)が障害となって、伝熱できないままになってしまう。しかしながら、図6に示す具体例では、ヒートパイプ3に伝熱板32,33が露出部位32A,33Aを介してそれぞれ繋がっているので、前記ヒートパイプ3に近い箇所については確実に伝熱することができ、前記ヒートパイプ3に遠い箇所については、より高温となる箇所を通らずにヒートパイプ3に接続されることになる。そのため、各伝熱板32,33からヒートパイプ3へ伝熱することの障害を解消することができる。その結果、伝熱板32,33からヒートパイプ3に多くの熱を伝えることができるので、ヒートパイプの優れた熱伝導性能をより効果的に用いることができる。
図7に、上述した伝板の他の例を示してある。図7に示す伝熱板35,36は歯形状に形成された薄肉平板であり、それぞれ歯形部35A,36Aが間隔を空けて交互に配列された状態、言い換えれば、各歯形部35A,36Aが隙間を開けて噛み合った状態に配置されている。また、歯形部35Aの先端部には露出部位35Bが形成されている。各歯形部35A,36Aは共に長方形状であり、それぞれ幅と長さがほぼ同一となっている。伝熱板36の歯形部36A以外の部分にはヒートパイプ3が配置されており、上記の構成と同様に露出部位36Bがヒートパイプ3を包み込んで保持している。この露出部位36Bの表面には露出部位35Bが熱伝達可能に接合されているので、平面方向で歯形部35A,36A同士間に間隙37が形成される。
したがって、太陽光の照射度合により内装部品38の外郭構造上全体の温度が均一にならない場合であっても内装部品38の外郭構造からの熱が伝熱板35A、露出部位35B,36Bを経由してヒートパイプ3に伝達されるとともに伝熱板36、露出部位36Bを経由してヒートパイプ3に伝達されるので、伝熱板35,36の一枚当たりの温度差が小さくなる。そのため、図6に示す構造と同様の効果を得ることができる。
ところで、内装部品は、複雑な曲面もしくは屈折面を有しており、金型を用いた樹脂成型法により製造されている。この場合、伝熱板として用いられる金属などの厚みが内装部品の厚みに対して高い比率で含まれることになると、その内装部品の成型が困難になり、また内装部品の形状に合った伝熱板を得るには高度な技術もしくは非常に高価な設備を使用する必要がある。そのため、従来の手法よりもコストもしくは手間が多分にかかることになる。しかもこれに加えてインサート成型を行うことは、非常に困難である。
図8は、内装部品Nの外郭構造および伝熱板Dの各厚みを示す図であり、伝熱板Dの厚みtは、内装部品Nの外郭構造の厚み(すなわち内装部品Nの全体としての厚み)Tに対して半分以下となっている。具体的には、内装部品Nの厚みは0.1mm以上であり、伝熱板Dの厚みはその約50%以下である。つまり、伝熱板Dは内装部品Nの外郭構造に蓄積する熱をヒートパイプ3に効率よく伝える役割があるから、内装部品Nの厚みが0.1mm以上であれば、内装部品Nからの熱を効率よく奪い去り、ヒートパイプ3に伝えることが可能となる。したがって、この構成により伝熱板Dはより安価な設備で成型が容易に行われるので、より高い成形性あるいは加工性を得ることができる。
また、図9は、内装部品Nの外郭構造および伝熱板Dの各面積を示す図であり、伝熱板Dの面積は内装部品Nの外郭構造の面積よりも小さくなっている。具体的には、伝熱板Dの面積(伝熱板Dが複数ある場合には各伝熱板Dの面積の合計(総面積))は内装部品Nの外郭構造の面積に対して約40〜90%である。したがって、伝熱板Dを複数に分割することにより熱が流れにくい箇所ができたとしても、その箇所からヒートパイプへ効率よく伝熱させることができる。そのため、内装部品Nから伝熱板Dへの伝熱効率をある程度維持しつつ、従来技術よりも成形性を高めることが可能となる。したがって、材質により密度が異なるため完全に具体的にはならないが、内装部品Nの外郭構造の全面に金属を用いた場合と比べて重量を約50〜98%に減ずることができ、車体の組み立ての際の負担増を小さくすることができる。
さらに、このような内装部品の外郭構造に対して伝熱板をかなり偏って配置してしまうと、熱が移動しやすい箇所と移動し難い箇所との差が大きくなり、熱が移動し難い箇所に対して何ら効果のない技術となり、そのため熱が移動し難い箇所ではヒートパイプに効率よく熱が伝わらない。つまり、内装部品において、他の部分の温度がどれだけ低減しても耐熱性能を従来のままにする必要があり、そのため内装部品全体から同様に熱を移動させるために、均一に伝熱板を配置する必要もある。
そこで、図10に示すように、同一形状の複数の伝熱板Dを均等に配置した内装部品Nの面積を任意の直線で2等分し、含まれる伝熱板Dの合計面積が大きい方を基準にし、他方の伝熱板Dの前記基準となる大きい方の面積に対する割合が、“1”もしくはそれに近い値となるように設定する。具体的には、内装部品Nの外郭構造の面積を任意の直線(面積二等分線)Pで2等分することにより、その分割された内装部品Nの各分割部分に含まれる伝熱板Dの合計面積の比すなわち分散率が約0.9〜1.0となるように構成する。ここで、分散率とは、分割部分に含まれる伝熱板Dの合計面積のうちの小さい方をSa、大きい方をSbとした場合のSa/Sbである。したがって、Sa=SbもしくはSa<Sbである場合にはSa/Sb=0.9〜1.0となる。この構成により、伝熱効率を維持することと従来技術よりも成形性を高めることとを両立することが可能となる。また、内装部品Nに太陽光を受ける部分と日陰の部分が生じるとしても、太陽光を受ける部分からの熱を効率よくヒートパイプ3に伝達してその温度を下げ、内装部品や車室温度が高くなることを防止もしくは抑制することができる。
なお、上記構成では、伝熱板Dを小さくして内装部品Nの外郭構造に複数使用したので、伝熱板Dの継ぎ目箇所を屈折部にしたり、曲率が変わる箇所で別の伝熱板を用いるなどの手法をとることができ、従来と同様の方法による成型も可能となる。
図11および図12は、更に他の具体例を示す図であり、この具体例では内装部品41の外郭構造に複数の伝熱板42がヒートパイプ3の軸線方向に所定の間隔をあけて並べられており、この伝熱板42の前方(図11で上側)ではその表面上に露出する露出部位42Aが形成されている。つまり、この並んだ伝熱板42は内装部品41の外郭構造にヒートパイプ3の軸線方向に沿って均一に(所定の間隔をあけて6列並んで)配置されている。具体的には、伝熱板42は中央に左右対称となる切り欠き部43が形成され、いわゆるアンカー効果(投錨効果)により、内装部品41との接合強度が増すように構成されている。
また、図13および図14に示す具体例では、2列目と3列目の伝熱板42の間と5列目と6列目の伝熱板42の間には、平面方向に楕円形状であり、かつ縦断面方向に楕円形状であるヒートパイプ45,46がヒートパイプ3と非接触状態となるように配置されている。なおヒートパイプ45はヒートパイプ46よりも表面積が大きくなっている。
さらに、図15および図16に示す具体例では、内装部品51の外郭構造に、長方形状の伝熱板52がヒートパイプ3の軸線方向に沿って均一に配置されている。これら各伝熱板52の中央には露出部位52Aが形成されている。
したがって、図11〜図16に示す具体例では太陽光の照射度合により内装部品の外郭構造上全体の温度が均一にならない場合であっても、内装部品の外郭構造からの熱が各伝熱板、各露出部位を経由してヒートパイプに伝達できる。また、図13および図14に示す具体例ではその熱伝達に加えて内装部品44の外郭構造からの熱がヒートパイプ3もしくはヒートパイプ45,46を経由して伝達される。そのため、各伝熱板42の一枚当たりの温度差が小さくなるので、図6に示した構造と同様の効果を得ることができる。
そして、図17および図18に示す具体例では、内装部品54の外郭構造に、上方が平板状でかつ下方が格子状に形成された伝熱板55が配置され、この伝熱板55の平板部分にヒートパイプ3の軸線方向に所定の間隔をあけてその表面上に露出する露出部位55Aが形成され、その露出部位55Aの先端にヒートパイプ3が設けられている。例えば、伝熱板55の格子状の一部分に太陽光があたると、その部分の熱が各格子間に分散され、露出部位55Aを経由してヒートパイプ3に移動する。つまり、太陽光があたった伝熱板55は、その熱の分散およびヒートパイプ3への熱移動によって温度が下げられる。そのため、内装部品が高温となることを防止することができる。
また、図19および図20に示す具体例では、内装部品54の外郭構造に、平板状でかつ下方に複数(3つ)の孔61Aが形成された伝熱板61が配置され、この伝熱板61の平板部分にヒートパイプ3の軸線方向に所定の間隔をあけてその表面上に露出する露出部位61Bが形成され、その露出部位61Bの先端にヒートパイプ3が熱伝達可能に連結されている。例えば、伝熱板61の孔61Aの周辺に太陽光があたると、その周辺部分の熱が伝熱板61の孔52以外の部分に移動し、露出部位61Bを経由してヒートパイプ3に移動する。つまり、太陽光があたった伝熱板61は、そのヒートパイプ3への熱移動によって温度が下げられる。そのため、内装部品54が高温となることを防止することができる。
つぎに、上述したヒートパイプと伝熱板との接合構造について説明する。図21および図22には、伝熱板65が内装部品54の内部に埋め込まれ(包み込まれ)た構造の一例が示されている。この構造は、内装部品54の内部に埋め込まれた伝熱板65の表面上にヒートパイプ3の軸線方向に所定の間隔をあけて角柱部65Aが取り付けられ、その角柱部65Aの先端にヒートパイプ3が取り付けられたものである。また、図23および図24は他の具体例を示す図であり、この具体例では、伝熱板67にその中央で突出する突出部位67Aが形成されており、その突出部位67Aの先端にヒートパイプ3が熱伝達可能に接合されている。また、伝熱板67は、突出部位67Aが形成された面と反対側の面が凹んでおり、その凹部に対して内装部品54に形成された凸部68Aが噛み合うように構成されている。
さらに、図25ないし図27は更に他の具体例を示す図であり、この具体例では、伝熱板71の面積を内装部品54の外郭よりも小さくしている。この構造では、ヒートパイプ3がその周面を包み込む引っ掛け部位に熱伝達可能に接合されている。具体的には、内装部品54の外郭よりも面積の小さい伝熱板71の一側縁部に角柱部71Aが複数取り付けられており、この角柱部71Aの先端に引っ掛け部位72が設けられ、この引っ掛け部位72を、ヒートパイプ3を包み込むようにかしめることによりヒートパイプ3が固定されている。
そして、図28および図29は、また更に他の具体例を示す図であり、この具体例では、内装部品74の厚みと同じ厚みの伝熱板75を内装部品74の中央に埋め込んでいる。なお、伝熱板75に複数取り付けられた角柱部、引っ掛け部位の形状は、それぞれ上述した角柱部71A、引っ掛け部位72の各形状と同様である。つまり、伝熱板75と内装部品74とが熱授受可能になる。
また、図30および図31に示す具体例では、ヒートパイプ3が複数、設けられており、それぞれのヒートパイプ3と平板状の複数の伝熱板84とが曲線状の露出部位85を介して熱伝達可能に接合されている。具体的には、伝熱板84の平板部分にヒートパイプ3の軸線方向に所定の間隔をあけてその表面上に露出する露出部位85が形成され、その露出部位85の先端にヒートパイプ3が設けられている。また、露出部位85はヒートパイプ3を包み込むように曲げられてヒートパイプ3を固定している。なお、この露出部位85はこの具体例に限定されない。すなわち、上述したような角柱部を備えてヒートパイプ3を熱伝達可能に接合する構造であってもよい。
さらに、図32および図33は、更に他の具体例を示す図であり、この具体例では、図25ないし図27に示した構造に、前述した楕円形断面のヒートパイプ45を二箇所に追加して設けた構造であり、ヒートパイプ45は、伝熱板71の角柱部71Aが形成された面と反対側の面に熱伝達可能に接合されており、内装部品54の内部において日射によって温度が高い箇所と日陰となって温度が低い箇所(影になる場所)との両方に配置されている。この構成では、内装部品54に温度差が生じ、その内装部品54から伝熱板71に伝わった熱は、図32に示すように伝熱板71の中央から四方(図32中の矢印方向)に分散され、伝熱板71によって温度が下がったヒートパイプ3,45に移動して大気中(車外)に放射される。
図34は露出(突出)部位におけるヒートパイプとの接続部分の長さを示す図である。すなわち、ヒートパイプ3の内装部品54に沿わせてある部分の長さをLとし、そのうちで角柱部71A(引っ掛け部位72)と接続する部分(接続部分)の長さの合計をdとする。このとき、d/L=50〜100%であるとすると、全体長さLに対して接続部分の長さdの合計が半分以上占めるので、伝熱板71からヒートパイプ3への伝熱が効率良く行われる。つまり、日射によって高温となった伝熱板71の熱が、ヒートパイプ3へ移動し、その結果、内装部品が高温となり、あるいは室内温度が高くなることを防止することができる。
つぎに上述したこの発明に関係する車両の放熱構造の作用について説明する。図35および図36は、図25ないし図27に示した構造の熱流を示す図であり、この構造において、まず内装部品54の温度が日射によって上昇し、その熱が、直射光を受けていない伝熱板71に伝達される。そして、伝熱板71においては、温度勾配があれば、低温側に熱が流れるから、その熱は、角柱部71A(角柱部71Aおよび引っ掛け部位72)を経由してヒートパイプ3(図中の矢印方向)に移動する。そのヒートパイプ3は、前述したように、その作動流体の潜熱として低温部分、例えばループ型ヒートパイプ15における蒸発部11に対して熱を輸送する。このようにして、内装部品54の熱が車両の外部に輸送されて放出されるので、内装部品や車室の内部が高温となることを防止することができる。
図37および図38は、図28および図29に示した構造の熱流を示す図であり、この構造において、まず伝熱板75の温度が日射によって高くなるが、その伝熱板75の熱は、角柱部71Aおよび引っ掛け部位72を介してヒートパイプ3に伝達され、最終的には外部に放散させられる。そのため、内装部品が高温となることを防止することができる。
つぎに伝熱板を接合した内装部品の外郭構造を作成する方法について説明する。まず、サンプル1点につき、同一の内装部品に接合する伝熱板の形状に合わせてその外郭構造となる素材を削り、その削られた素材に高熱伝導性の接着剤(信越化学工業(株)製:KE−3494)を用いて伝熱板を接着して、その伝熱板を内含した内装部品を作る。ついで、その内装部品の露出部位に熱伝導体をリベットにより接続することにより、望む構造の内装部品の外郭構造を得ることができる。なお、サンプルとしては伝熱板(マグネシウム)とリアパーセルとをインサート成型法により接合したものを用いてもよく、伝熱板を内装部品の外郭構造に導入した後、伝熱板の平面に直接、熱伝導体をリベットにより接続したものを用いてもよい。
つぎにこの発明の車両の放熱構造について説明する。図39ないし図41において、全体として環状をなすヒートパイプ81が、車両82の内部に設けられている。ヒートパイプ81は、パイプ材の両端部を互いに接合して環状に形成し、その内部に脱気した状態で作動流体を封入し、また必要に応じて、毛細管圧力を生じるウイックを内部に設けたヒートパイプであって、局部的に湾曲もしくは屈曲させることによりいわゆる“8”の字型になっている。ヒートパイプ81をこのように曲げることにより生じた交差部分が、車両82の内装部品83の下方に配置されており、また、その交差部分から最も離れた端部、すなわち折り返し曲げ部に、複数の放熱フィンを備えたヒートシンク84が熱伝達可能に接合されている。
より具体的に説明すると、ヒートパイプ81は車室85内の前方(フロント)側および後方(リア)側に配置されており、インストルメントパネル86内に設置されたヒートパイプ81が、両サイドにあるフェンダーパネル、ドアパネル等の外板パネル87に沿わせて設置されたヒートシンク84と熱伝達可能に接合されている。また、ヒートパイプ81の交差部分は、インストルメントパネル86内にあり、ここからヒートシンク84側に延びるように屈曲している。
図42および図43には、ヒートパイプ81の左右対称部分にヒートシンク84によって冷却された作動液が通る傾斜を付けた構造が示されている。その左右対称部分の傾斜は重力によって作動液が流れていく程度の傾斜でよく、例えば下向きの微傾斜(傾斜角5度程度)であってもよいが、あまり角度を付け過ぎると、その後上向きに傾斜する際に、その左右対称部分の先端とヒートシンク84との間の距離が長くなりヒートパイプ81の能力低下の原因となる。つまり、この構造では、左右対称部分が微傾斜になっているので、ヒートシンク84によって冷却された作動液はその傾斜を利用してヒートパイプ81内を進む。そのため、ヒートパイプ81の作動流体の流れを助けることができ、そのため作動液の逆流を防ぐことができるとともにヒートシンク(放熱フィン)よりも低い位置に作動液を運ぶことができる。また、図43には、上記傾斜で下がったヒートパイプ81の左右対称部分から、再びインストルメントパネルやリアパーセルの集熱面側に作動流体を還流させることに伴ういわゆる上昇流となる部分の傾斜角度を小さくした構成を示してある。このような構成は、ヒートシンク84側に向けて下向きに傾斜している部分の最も低い部分をヒートシンク84に近づけることにより達成できる。
なお、上記構造では、作動流体の流れを助けるため、そのヒートパイプ内に、図示しないウイック(金網、繊維、フェルト、フォームメタル、細線、焼結金属等の多孔質材料で毛細管力を利用するもの)を設けてもよい。この構成では、なるべく緩やか(約4.5度以下)に傾斜を上げていく方が、ヒートパイプの循環能力を下げることなく使用できる。つまり、このウイックを使用することにより、ウイックの毛細管圧によって水を汲み上げることができる。そのため、上部集熱面に水を送ることができるので、ヒートパイプ内の循環を良好にすることができる。
このウイックには、ニッケル等の焼結金属や、セラミックあるいは金属粉末などの多孔質体が例示される。具体的には、ウイックがニッケルによって形成された場合には、前記ニッケルの粒径を1〜20μm、気孔率50〜80%とすることが好ましく、ウイック全体としての密度が1.98g/cm3、ニッケルのみの密度が8.85g/cm3、気孔率78%のウイック、あるいは、ウイック全体としての密度が2.23g/cm3、ニッケルのみの密度が8.85g/cm3、気孔率75%のウイック等が例示される。
つぎにこのウイックを用いたヒートパイプの冷却状態を説明する。例えば、車室内部に入り込む入射光等によって、車室内のインストルメントパネルの全体が加熱されると、ヒートパイプの蒸発部(インストルメントパネルが熱的に接合された“8”の字型のヒートパイプの接合部分)に対して外部から熱が与えられる。ヒートパイプの環状の流路には作動流体が封入されている。そのため、ヒートパイプの蒸発部の内部には液相の作動流体が循環され、ウイックが作動流体で湿潤した状態となっている。ヒートパイプの蒸発部に熱が与えられると、液相の作動流体がその蒸発部の内面に接触し、もしくはその近辺にある液相の作動流体が加熱されて蒸発する。
ウイックの外周部において作動流体の蒸発が生じることによって、ウイックに形成された空孔における開口端にメニスカスが生じ、あるいは空孔での液面が低下するので、毛細管圧力によるポンプ力が生じる。したがって、ウイックの内部から液相の作動流体が、ヒートパイプの蒸発部側のウイックの内部を通って外周面に分散するように供給される。その結果、ヒートパイプの蒸発部の内周面のほぼ全体に対して液相の作動流体が供給される。その後、作動流体蒸気は、蒸発部を介して凝縮部(ヒートシンクが熱的に接合された“8”の字型のヒートパイプの接合部分)の内部に至り、ここで外部に熱を放出させて凝縮させる。その結果生じた液相の作動流体は、ウイックに生じる毛細管圧力によって吸引され、液戻り管を介して蒸発部に還流する。
上述したように、ヒートパイプ内で一旦作動流体が循環を始めると、以下の循環サイクルが動きはじめる。すなわち、ウィックの毛細管圧力による凝縮部からの液相の作動流体の吸引→ウィックの毛細管圧力によるウィックから蒸発部への液相の作動流体の移動→蒸発部内部での作動流体の蒸発→蒸発部から凝縮部への作動流体蒸気の移動→凝縮部内部での作動流体蒸気の凝縮→ウィックの毛細管圧力による凝縮部からの液相の作動流体の吸引による作動流体の循環流動およびそれに伴う熱輸送が生じる。したがって、ヒートパイプの内部では、ウイックと、ウイックとに生じる毛細管圧力により、作動流体の循環が効率よく行われる。その結果、ヒートパイプによって、インストルメントパネルの熱を車室の外部に放熱することができるので、車室の内部の温度上昇が防止でき、車室の内部を快適な温度にすることができる。なお、このヒートパイプは、日なたの温度が高い箇所では、蒸発部となり、日影の温度が低い箇所では、凝縮部となるため、その交差部分では、日なたの温度が高い箇所に近い方の部位が、日影の温度が低い箇所に近い方の部位によって温度が下げられる。
つぎに上記のヒートパイプ81における交差部分の構造について説明する。図44では、ヒートパイプ81の交差部分が接着剤88によって熱伝達可能に接合されている。したがって、ヒートパイプ81のうち太陽光が当たっている側の部分が加熱されてここで作動流体が蒸発し、これとは反対側が日陰となって温度が相対的に低くなるので、日陰側の部分が凝縮部となる。その結果、インストルメントパネル86に接触もしくは内蔵されているヒートパイプ81の一部が蒸発部もしくは作動流体蒸気の流動する管路となり、その半分が凝縮部もしくは作動液の流れる管路となるので、前記交差部分では、作動流体蒸気と作動液との熱交換が生じる。そのため、作動流体の潜熱による熱輸送と顕熱による熱輸送とが同時に生じるので、ヒートパイプ81による熱輸送効率が向上する。
なお、図45は、交差部分の他の構造を示す図であり、この例では、ヒートパイプ81の交差部分が立方形状の物体89によって連結されている。この構造では、ヒートパイプ81の交差部分が物体89によって固定されているので、ヒートパイプ81同士間の熱授受を確実に行うことができる。
つぎにこの発明のヒートパイプとヒートシンクとの接合構造について説明する。図46は、ヒートシンク84がフェンダー90に取り付けられた構造が示されている。このヒートシンク84は図47および図48に示すように放熱フィン84Aを等間隔に配列した構造であり、平板状のベース部84Bにその平面方向に沿って延びる溝部84Cが形成され、その溝部84Cおよびベース部84Bに立直して放熱フィン84Aが一体となって形成されている。例えば、ベース部84Bをフェンダー90に取り付けた場合、ベース部84Bの溝部84Cとフェンダー90の各表面との間にはその溝部84Cに沿う空間部が形成される。この空間部の内部にヒートパイプ81が配置され、そのヒートパイプ81と放熱フィン84A(ベース部84B)とが熱伝達可能に接合される。なお、ヒートシンク84は図49に示すように(フロント側)サイドドア91の前方に取り付けられていてもよい。
さらに図50は、ヒートパイプ81とヒートシンク84との他の接合構造の例を示す図であり、この例では、平板状のベース部84Bに平面方向に沿って延びる中空筒部92が形成され、その中空筒部92およびベース部84Bに立直して放熱フィン84Aが一体となって形成されている。この中空筒部92の内部にヒートパイプ81が配置され、そのヒートパイプ81と放熱フィン84A(ベース部84B)とが熱伝達可能に接合されている。この場合、ヒートパイプ81を“8”の字型の構造にすることにより、ヒートシンク84を比較的温度の低い車両82の下側の部分への設置にこだわることなく自由に設置することができる。そのため、このヒートパイプ81の位置の高低差が小さくなるので、熱輸送能力を最大限に発揮することができる。
つぎに車両82に対するヒートパイプの固定方法について説明する。図51は、ヒートパイプ81が板状の集熱部93に設けられた構造を示す図である。この集熱部93には凹状のカバー94が設けられ、このカバー94の凹部94Aと集熱部93の表面との間にヒートパイプ81が固定(締結)されている。この集熱部93はインストルメントパネルやリアパーセルの部分に設置されており、樹脂、樹脂を含む複合材料(木質材料、フェルト、繊維材料を樹脂で固めた混成材料、合成皮革やファブリック等を表皮とする積層材料)等の内装部品であり、ヒートパイプ81と熱伝達可能に接合されている。
また、この構造に加えて、内装部品とヒートパイプとの間に図示しない伝熱板を入れることで熱伝導を補助することもできる。この場合、伝熱板の材質は、熱伝導性を重視して金属であることが好ましく、例えば低コストで選ぶなら鉄鋼材料、軽量化と熱伝導率の高さで選ぶならアルミニウム、マグネシウム、もしくはそれらの合金等である。したがって、この構造では、直射日光が入射したインストルメントパネル86(あるいはリアパーセル)の温度の上昇が効果的に抑制されるので、夏期の炎天下での駐車後の運転においてインストルメントパネルから放射される輻射熱による不快感を低減することができる。
また、図52ないし図54は、ヒートパイプ81を集熱部93などの固定部に対して固定する方法を示す図である。例えば、カバー(もしくはブラケット)94と集熱部93との締結には、図52に示す接着剤95、図53に示すボルト96、図54に示すリベット97等が用いられる。したがって、この固定方法を用いることによって、各部材の締結部の面積を増加させ、その締結部の隙間を埋めることができるので、各部材同士間の熱伝達率を向上させることができる。
つぎに複数の“8”の字型のヒートパイプの取付構造の他の実施例について説明する。図55は、“8”の字型のヒートパイプを複数個並べて配置した図であり、各ヒートパイプ同士が重なるように一方のヒートパイプの折り返し側の端部が円弧状に変形されている。具体的には一方のヒートパイプ101は、ヒートパイプ81の内側に重なるようにその端部が台形状に曲げられており、ヒートパイプ81よりもその軸方向の軸線長さが短くなっており、かつその軸線方向に対して垂直方向の軸線長さも短くなっている。したがって、当該一方のヒートパイプ101は、ヒートパイプ81を保持し、ヒートパイプ81,101が複数個並べられ、共に熱伝達可能に接合された構成となっている。このようにヒートパイプ81,101同士の間でも熱交換できるように構成することにより、全体としての熱輸送能力を向上させることができる。
つぎにこの発明の“8”の字型のヒートパイプの取付構造の更に他の実施例について説明する。図56は、車室85内のダッシュパネルにヒートパイプ81の一部を更に熱伝達可能に接触させた構造を示す図である。すなわち、図56に示す例では、インストルメントパネル86から熱を受けてヒートシンク84側に流動した作動流体が、ヒートシンク84において放熱するが、その作動流体の温度が未だに幾分高い場合には、ヒートシンク84側からインストルメントパネル86側に流動する途中で、ダッシュパネル86Aに熱を奪われて温度が低下し、あるいは凝縮する。その結果、放熱部位を増やすことができる。
つぎにヒートパイプを“8”の字型に設けた放熱構造の作用について説明する。図57および図58は、図42および図43で示した各ヒートパイプ81における車両の放熱構造の作用を説明する図である。図57(A)に示すように、炎天下での駐車時に太陽光によって加熱されたインストルメントパネル86(内装部品)の熱は、インストルメントパネル86内に設置されたヒートパイプ81を通じて、外板パネル87面に設置されたヒートシンク84を経由して外板パネル87の内面に移動する。一方、車室85内および外板パネル87の外側の高温空気の熱も、ヒートシンク84を経由して外板パネル87の内面に移動する。その外板パネル87の熱は外板パネル87の外面から車外(図中の矢印方向)に放出される。これにより、インストルメントパネル(車室内)が高温となることを防止することができる。
この場合、車両82には、外板パネル87が左右2つ設けられている。したがって、図57(B)に示すように、仮に片方の外板パネル87に太陽光が当たって加熱された場合でも、他方の外板パネル87には太陽光が当たらないので、各外板パネル87に設置されたヒートシンク84同士間に温度差が生じ、温度の高い方が蒸発部、低い方が凝縮部となる。そして、ヒートパイプ81は、“8”の字型に曲げられているので、片方のヒートシンク84の温度が上昇しても、温度の低い方のヒートシンク84でヒートパイプ81内に作動流体の流れが起き、ヒートパイプ81全体で作動流体の循環が起こる。したがって、温度の高い方のヒートシンク84で放熱してインストルメントパネル86の温度を下げることができない場合でも、温度の低い方のヒートシンク84で放熱できるので、インストルメントパネル(車室内)の温度を下げることができる。つまり、この構造では車室85内の熱負荷が低減されるので、人体への不快感を低減でき、燃料の消費が抑えられるほか、空調機の小型化による軽量化に対応して、燃費の改善への貢献も可能となる。
また、図58に示すように物体89を用いてヒートパイプ81の交差部分を連結させた構造では、日なたの温度が高い箇所に近いヒートパイプ81の左側部位が、日影の温度が低い箇所に近いヒートパイプ81の右側部位によって温度が下げられる。そのため、インストルメントパネル(車室内)が高温となることを防止することができる。
つぎにこの発明の車両の放熱構造の実験結果について説明する。図59は、35℃の外気条件、実施例1〜4および比較例1〜3の所定の条件の下、車両を午前11時より5時間、南にフロントを向けて放置した場合に、3時間後の運転席頭部の温度を測定した結果を示す図である。
具体的には、実施例1〜4では、図39に示した“8”の字型のヒートパイプが配置された車両(8”の字ヒートパイプ車両)82において、実施日をそれぞれ7月から9月の間の晴天の4日間とし、そのヒートパイプの設置位置をインストルメントパネル、リアパーセル、もしくはこれらのいずれかの位置とし、ヒートシンクの位置を左右フェンダー、左右ドア外板、もしくはこれらのいずれかの位置とした場合に、運転席頭部の温度は46.6℃〜52.3℃となった。
また、比較例1では、ヒートパイプが配置されていない車両(通常車両)について、実施日を7月の晴天の1日とした場合に、運転席頭部の温度は60.9℃となった。さらに、比較例2,3では、単線のヒートパイプが2本並んで設置された車両(ヒートパイプ単線車両)において、実施日をそれぞれ8月の晴天の2日間とし、そのヒートパイプの設置位置をインストルメントパネルもしくはリアパーセルの位置とし、ヒートシンクの位置を左右フェンダーもしくは左右リアフェンダーの位置とした場合に、運転席頭部の温度は53.8℃〜54.5℃となった。なお、前記単線のヒートパイプは、図示しないが、それぞれインストルメントパネル内で中央が直線状に形成されており、両端が屈曲してヒートシンクに沿って延びるように形成されている。
図60は、上記実施例1および比較例1,2における運転席頭部の温度結果を示す図である。この図60から、比較例2、比較例3、比較例1の順に車両における運転席頭部の温度が低くなっていることがわかり、具体的には通常の車両よりも、単線ヒートパイプ車両の方が温度が低減し、この単線ヒートパイプ車両よりも8の字ヒートパイプ車両の方が、温度が低減されていることがわかる。
つぎに、この発明の取り付け方法について説明する。まず、インストルメントパネルの表皮の下にアルミ板を設置してアルミ板とヒートパイプとを、ボルトと熱伝ペーストとによって接合する。つぎに、左右のフロントフェンダーの外板の内側にヒートシンクを設けたヒートパイプをその交差部分で接合する。この場合、ヒートシンクを左右ドアの外板の内側に設置変更する。つぎに、リアパーセルの表皮下にアルミ板を設置してアルミ板とヒートパイプとを、ボルトと熱伝ペーストとによって接合する。ついで、左右のリアフェンダーの外板の内側にヒートシンクを設けたヒートパイプをその交差部分で接合する。つづいて、インストルメントパネル・リアパーセルともにヒートパイプを設置する。その結果、左右のフロント・リアフェンダーがそれぞれ放熱部の構造となる。
さらに、この発明の他の取り付け方法について説明する。まず、断熱・放熱構造を配設しない、通常の車両を用意する。つぎに、単線状(棒状)のヒートパイプをインストルメントパネルに配設した車両を用意する。ついで、ヒートパイプの中央を集熱部の構造とし、両端を左右フェンダーの構造とする。一方、上記ヒートパイプの単線をリアパーセルに配設した車両を用意する。同様に、ヒートパイプの中央を集熱部の構造とし、ヒートパイプの両端を左右フェンダーの構造とする。以上、この発明の車両の放熱構造は、これらの構造とすることにより、この発明の全ての効果を得ることができる。
なお、上述の各具体例において、この発明の車両の放熱構造の実験は上記実験のみに限定されない。すなわち、内装部品を実際に車両に装着し、炎天下の暴露によりその内装部品付近の温度を朝9時から夕方3時まで測定し、その温度を連続的に記憶媒体(オシロスコープ)に記録し、最高温度となる部分で温度を比較してもよい。したがって、この実験により、熱負荷の低減効果を確認できる。
また、上述の各具体例において、「熱伝達可能に接合」とは、一例として溶接部材、ボルトナット、リベット、熱伝ペースト等を用いて隙間無く両面を固定し、熱伝導が途切れないようにした状態のことである。また、上述の各具体例において、「“8”の字型」とは、一例としてインストルメントパネルやリアパーセルの車両中央部の下部に“8”の字のように交差した部分が設けられ、その交差部をもつヒートパイプの構造にヒートシンク(フェンダー等の外板パネル)が繋がっている状態のことである。さらに、上述の各具体例において、熱伝導体は伝熱板に接合されているが、この発明では上記の構成に限定されない。すなわち、熱伝導体は伝熱板に埋め込まれて固定されていてもよい。そして、上述の各具体例において、ヒートパイプは集熱部、ヒートシンクとフェンダー等に固定されるが、この発明では上記の構成に限定されない。すなわち、ボルトおよびナットによるネジ止め、溶接、熱伝導性のシール材による接着、あるいは熱伝ペーストによる締結等を適用することができる。
さらに、この発明では、ヒートパイプの外面に断熱層を設けていてもよい。この断熱層の材料としては、例えば発泡樹脂シートや繊維断熱材を適用することができる。また、インストルメントパネルの製造工程において、基材と表皮の間に発泡ウレタンを注入し、クッション層を形成する際に、断熱層を同時に形成してもよい。例えば、ヒートパイプに断熱層を設けると、ヒートパイプから伝達される熱がインストルメントパネルの内部空間へ漏れることが防がれるため、部品温度や室内温度の上昇を防ぐことができ、またヒートパイプから伝達された熱を左右フェンダーに効率的に伝えることができる。
そして、上述の各具体例において、作動流体は水、メタン、アンモニア、フレオン、メタノール等であってもよく、ヒートパイプの容器(コンテナ)の材料は銅、銅合金アルミニウム、各種ステンレス鋼、低炭素鋼、強度が必要な場合には二重構造になったパイプ等であってもよい。つまり、コストと性能を勘案して(使用温度・使用環境に応じて)作動流体やそれに適したヒートパイプを選択することができる。そして、上述の各具体例において、直射日光が入射する熱の入口であるインストルメントパネル・リアパーセルとヒートシンクとを有する左右フェンダーは熱的に導通される構造であってもよい。なお、この「熱的に導通される構造」とは全部が接触により繋がっていて熱伝導率が高い構造のことである。この構造により、インストルメントパネルによって吸収される日射エネルギーが左右フェンダーに効率的に伝達され、大気中に放出されるので、車室内の温度上昇を効果的に抑制することができる。
また、上述の各具体例において、この発明の内装部品は上記の構成に限定されない。つまり、この内装部品は、インストルメントパネルの外郭構造にその構造と同じ面積をもつ銅製の板状伝熱板が接合され、その伝熱板の末端付近に銅製の管からなるヒートパイプが接続されたインストルメントパネルであってもよく、また通常車両に適用されている樹脂からなるインストルメントパネルであってもよい。そしてまた、この発明においては、車室内の内装部品から熱を伝達する部材は、上述したいわゆる直管型のヒートパイプ以外に、ループ型のヒートパイプの蒸発部であってもよい。
この発明に関係する車両の放熱構造の一例を示す平面図である。 図1に示す車両のフロント側の放熱構造の一例を示す斜視図である。 図1に示す車両のリア側の放熱構造の一例を示す斜視図である。 図1に示す車両の下部の放熱構造の一例を示す側面図である。 図2に示す車両の放熱構造における要部を示す斜視図である。 この発明に関係する放熱構造における伝熱板の例を示す図である。 この発明に関係する放熱構造における伝熱板の他の例を示す図である。 の伝熱板の厚みを示す縦断面図である。 の伝熱板の面積について説明する図である。 この発明に関係する放熱構造における伝熱板についての分散率を説明する図である。 この発明に関係する放熱構造による熱伝達の状態を説明するための図である。 図11のA−A線矢視断面図である。 この発明に関係する他の放熱構造による熱伝達の状態を説明するための図である。 図13のB−B線矢視断面図である。 この発明に関係する放熱構造における伝熱板とヒートパイプとの配置構造の一例を示す図である。 図15のC−C線矢視断面図である。 この発明に関係する放熱構造における伝熱板の更に他の例を示す図である。 図17のD−D線矢視断面図である。 この発明に関係する放熱構造における伝熱板のまた更に他の例を示す図である。 図19のE−E線矢視断面図である。 この発明に関係する放熱構造における伝熱板の他の例を示す図である。 図21のF−F線矢視断面図である。 この発明に関係する放熱構造における伝熱板の更に他の例を示す図である。 図23のG−G線矢視断面図である。 この発明に関係する放熱構造における伝熱板のまた更に他の例を示す図である。 図25のH−H線矢視断面図である。 図25のJ−J線矢視断面図である。 この発明に関係する放熱構造における伝熱板の他の例を示す図である。 図28のL−L線矢視断面図である。 この発明に関係する放熱構造における伝熱板の更に他の例を示す図である。 図30のM−M線矢視断面図である。 この発明に関係する放熱構造における伝熱板のまた更に他の例を示す図である。 図32のN−N線矢視断面図である。 この発明に関係する放熱構造における伝熱板とそのヒートパイプに対する接続部との長さの相互関係を説明するための図である。 図25ないし図27の放熱構造の作用を説明するための図である。 図25ないし図27の放熱構造の作用を説明するための図である。 図28および図29の放熱構造の作用を説明するための図である。 図28および図29の放熱構造の作用を説明するための図である。 この発明の車両の放熱構造の一例を示す一部省略した概略斜視図である。 図39の放熱構造を示す一部省略した概略側面図である。 図39のヒートパイプを示す斜視図である。 この発明のヒートパイプの構造の一例を示す正面図である。 この発明のヒートパイプの構造の他の例を示す正面図である。 そのヒートパイプの交差部の構造の一例を示す斜視図である。 そのヒートパイプの交差部の構造の他の例を示す斜視図である。 この発明に係る放熱構造におけるヒートシンクの一例を示す斜視図である。 図46のI部を拡大した拡大図である。 そのヒートシンクに対するヒートパイプの取り付け構造の一例を示す図である。 そのヒートシンクの位置の一例を示す部分図である。 この発明におけるヒートパイプとヒートシンクとの接合状態の他の一例を示す斜視図である。 この発明におけるヒートパイプとヒートシンクとの接合状態の他の例を示す斜視図である。 そのヒートパイプの固定構造の一例を示す断面図である。 そのヒートパイプの固定構造の他の例を示す断面図である。 そのヒートパイプの固定構造の更に他の例を示す断面図である。 “8”の字型ヒートパイプを複数本配置する場合の配置例を示す図である。 この発明に係る“8”の字型ヒートパイプからダッシュパネルに放熱させるように構成した例を概略的に示す斜視図である。 “8”の字型ヒートパイプによる放熱状態を説明するための図である。 他の“8”の字型ヒートパイプによる放熱状態を説明するための図である。 この発明の車両の放熱構造の実験結果を示す図である。 この発明の車両の放熱構造の実験結果を示す図である。
符号の説明
1…放熱装置、 2…車両、 3,81,101…ヒートパイプ、 5…車室、 6…フロントパネル、 7…リアパネル、 11,23…蒸発部、 12…凝縮部、 13…蒸気管、 14…液戻り管、 15…ループ型ヒートパイプ、 31,38,54,74,83,N…内装部品、 33,34,35,36,42,52,55,65,71,75,84,D…伝熱板、 84…ヒートシンク、 86…インストルメントパネル、87…外板パネル。

Claims (4)

  1. 車両の室内から外部に熱を放出して車両内を冷却する車両の放熱構造であって、
    前記車両内の内装部品の下面側に全体として環状をなすとともに潜熱として熱を輸送する凝縮性の流体を作動流体として封入したヒートパイプが熱伝達可能に配置され、かつそのヒートパイプが前記内装部品の下側が交差するように曲げられ、さらにそのヒートパイプがその交差部を中心として前記車両の左右両側に延びかつ車両の左右両側に設けた放熱部分に熱伝達可能に連結されていることを特徴とする車両の放熱構造。
  2. 記ヒートパイプの交差部で、そのヒートパイプの各部分同士が熱伝達可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両の放熱構造。
  3. 前記放熱部分が、前記車両の車体外表面を構成している外板パネルの内面外側に設けられた放熱フィンによって構成されていることを特徴とする請求項またはに記載の車両の放熱構造。
  4. 記内装部品が、車両の内部に設けられているフロントパネルもしくはインストルメントパネルあるいはリアパーセルまたはトノカバーのいずれかであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車両の放熱構造。
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