WO2019077902A1 - 冷却装置 - Google Patents
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Abstract
冷却装置は、車両(90)に搭載され、密閉容器(101)内に封入された作動流体の液相と気相との相変化により熱移動を行うサーモサイフォンとして構成され、その熱移動により対象機器(BP)を冷却する。そして、冷却装置は、蒸発部(14)と室外凝縮部(16)とを備えている。その蒸発部は、密閉容器の一部を構成し、対象機器から作動流体に吸熱させることにより作動流体を蒸発させる。室外凝縮部は、密閉容器の一部を構成し、蒸発部よりも上方に配置され、車室空間(90a)周りの車両ボデー(903)に対し車室空間側に配置される。また、室外凝縮部は、車両ボデーに対し車室空間側に設けられた部材(203、902、BP)または車両ボデーに対して固定され、且つ、蒸発部で気化した作動流体から外気へ放熱させることによりその作動流体を凝縮させる。
Description
本出願は、2017年10月17日に出願された日本特許出願番号2017-201185号と、2018年4月23日に出願された日本特許出願番号2018-82450号とに基づくもので、ここにその記載内容が参照により組み入れられる。
本開示は、例えば車両用の二次電池などの対象機器を冷却する冷却装置に関するものである。
特許文献1には、車両用の二次電池を冷却するための冷却装置が記載されている。その特許文献1の冷却装置は、液相の作動流体の環流に重力を利用したヒートパイプで構成されている。また、その冷却装置全体は、車室空間内に設置されるものであるので、二次電池の熱は内気へ放散される。
特許文献1の冷却装置はヒートパイプで構成されているので、対象機器の温度ムラを抑えて対象機器を均等に冷却しやすい。更に、ヒートパイプでは放熱部(言い換えると、凝縮部)でまとめて放熱できるので、その放熱部に送風する送風機の小型化により送風騒音を抑えやすい。
しかしながら、特許文献1の冷却装置は内気に放熱するので、乗員に不快感を与える可能性がある。このような、乗員の不快感を防ぐには、外気への放熱が有効である。従って、外気が対象機器の冷却に利用可能である場合には、外気を利用するのが好ましい。
しかしながら、特許文献1の冷却装置は内気に放熱するので、乗員に不快感を与える可能性がある。このような、乗員の不快感を防ぐには、外気への放熱が有効である。従って、外気が対象機器の冷却に利用可能である場合には、外気を利用するのが好ましい。
このようなことから、発明者らは、外気を利用し、ヒートパイプの一種であるサーモサイフォンによって対象機器を冷却することを考えた。発明者らの詳細な検討の結果、以上のようなことが見出された。
本開示は上記点に鑑みて、外気への放熱により対象機器を冷却することを可能としつつ、対象機器を車両ボデーに対する車室空間側に配置することを簡易な構造で実現できる冷却装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示の1つの観点によれば、冷却装置は、
車両に搭載され、密閉容器内に封入された作動流体の液相と気相との相変化により熱移動を行うサーモサイフォンとして構成され、その熱移動により対象機器を冷却する冷却装置であって、
密閉容器の一部を構成し、対象機器から作動流体に吸熱させることにより作動流体を蒸発させる蒸発部と、
密閉容器の一部を構成し、蒸発部よりも上方に配置され、車室空間周りの車両ボデーに対しその車室空間側に配置され、その車両ボデーに対し車室空間側に設けられた部材または車両ボデーに対して固定され、且つ、蒸発部で気化した作動流体から外気へ放熱させることによりその作動流体を凝縮させる室外凝縮部とを備えている。
車両に搭載され、密閉容器内に封入された作動流体の液相と気相との相変化により熱移動を行うサーモサイフォンとして構成され、その熱移動により対象機器を冷却する冷却装置であって、
密閉容器の一部を構成し、対象機器から作動流体に吸熱させることにより作動流体を蒸発させる蒸発部と、
密閉容器の一部を構成し、蒸発部よりも上方に配置され、車室空間周りの車両ボデーに対しその車室空間側に配置され、その車両ボデーに対し車室空間側に設けられた部材または車両ボデーに対して固定され、且つ、蒸発部で気化した作動流体から外気へ放熱させることによりその作動流体を凝縮させる室外凝縮部とを備えている。
このようにすれば、室外凝縮部を介した外気への放熱により対象機器を冷却することを可能としつつ、対象機器を車両ボデーに対する車室空間側に配置することを簡易な構造で実現できる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
以下、図面を参照しながら、各実施形態を説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1および図2に示すように本実施形態の車両90には、組電池BPが搭載されている。本実施形態の冷却装置10は、車両90に搭載され、その組電池BPを冷却する。すなわち、冷却装置10により冷却される対象機器は組電池BPである。本実施形態の車両90としては、組電池BPを電源とする図示しない走行用電動モータによって走行可能な電気自動車、または、ハイブリッド自動車などが想定される。
図1および図2に示すように本実施形態の車両90には、組電池BPが搭載されている。本実施形態の冷却装置10は、車両90に搭載され、その組電池BPを冷却する。すなわち、冷却装置10により冷却される対象機器は組電池BPである。本実施形態の車両90としては、組電池BPを電源とする図示しない走行用電動モータによって走行可能な電気自動車、または、ハイブリッド自動車などが想定される。
なお、図1および図3の各矢印DR1、DR2、DR3は、冷却装置10が搭載される車両90の向きを示す。すなわち、図1の矢印DR1は車両前後方向DR1を示し、矢印DR2は車両上下方向DR2を示し、図3の矢印DR3は車両左右方向DR3すなわち車両幅方向DR3を示している。これらの方向DR1、DR2、DR3は互いに交差する方向、厳密に言えば互いに直交する方向である。また、車両前後方向DR1と車両幅方向DR3はそれぞれ、車両90の水平方向(言い換えれば、車両90の横方向)に含まれる一方向である。
図2および図3に示すように、組電池BPは、直方体形状の複数の電池セルBCを有している。そして、組電池BPは、その複数の電池セルBCを積層配置した積層体で構成されている。詳細には、その複数の電池セルBCは、所定の積層方向DRsに積層されている。従って、組電池BP全体も略直方体形状を成している。
そして、組電池BPは、その組電池BPの表面の一部分として、車両上下方向DR2に沿って拡がる電池側面BPbを有している。なお、電池セルBCの積層方向DRsすなわちセル積層方向DRsは、何れの向きであってもよいが、本実施形態では車両前後方向DR1に一致している。
組電池BPを構成する複数の電池セルBCは、電気的に直列に接続されている。組電池BPを構成する各電池セルBCは、充放電可能な二次電池(例えば、リチウムイオン電池、鉛蓄電池)で構成されている。なお、電池セルBCは、直方体形状に限らず、円筒形状等の他の形状を有していてもよい。また、組電池BPは、電気的に並列に接続された電池セルBCを含んで構成されていてもよい。
組電池BPは車両90の走行中の電力供給等を行うと自己発熱する。また、組電池BPは高温環境下で放置されると、組電池BPの劣化が進行する。そのため、冷却装置10によって冷却する必要がある。
冷却装置10は、気密に構成された密閉容器101と、蒸発熱拡散板102と、凝縮熱拡散板103と、室内フィン104とを備えている。冷却装置10は、密閉容器101内に封入された作動流体の液相と気相との相変化により熱移動を行うサーモサイフォンとして構成されている。そして、冷却装置10は、そのサーモサイフォンでの熱移動により組電池BPを冷却する。
ここで、サーモサイフォンとは、ヒートパイプの一種であり、密閉容器101の凝縮部16、18で凝縮した液相の作動流体を重力を利用して密閉容器101の蒸発部14へ還流させるものである。なお、密閉容器101と蒸発熱拡散板102と凝縮熱拡散板103と室内フィン104は何れも、高い熱伝導性を有する材料(例えば、アルミニウム合金などの金属材料)で構成されている。
また、図1および図2に示すように、密閉容器101と蒸発熱拡散板102と凝縮熱拡散板103と室内フィン104と組電池BPとの全体は、車室空間90a内に配置されている。車室空間90aは、車室内に設けられた空間であって、乗員用の座席901が設けられた座席空間90bと、その座席空間90bに対し空気が流通するようにつながった連通空間90dとから構成される。そして、車室空間90aは、座席空間90bに対し空気の流通が阻止された非連通空間90eを含まない。連通空間90dとしては、例えば、インストルメントパネル902内の空間、ラゲージルーム、センターコンソール内の空間、および、乗員の足下に敷かれたカーペットの裏側の空間などを挙げることができる。また、非連通空間90eとしては、例えばエンジンルーム90f、および車外などを挙げることができる。更に言えば、エンジンルーム90fおよび車外は、車室内に設けられた空間ではないので、この点からも車室空間90aに含まれない。
図2および図3に示すように、密閉容器101は管状の管状部材12で構成されている。本実施形態では、密閉容器101を構成する管状部材12は1本である。管状部材12の材料として、例えば継目無管が採用される。その管状部材12は、材料である直管が複数箇所で曲げられることにより形成されている。また、管状部材12は、その管状部材12における一方の端と他方の端とにそれぞれ管端部121、122を有している。
各管端部121、122は、ロウ付けまたは封止栓により気密に閉塞されている。これにより密閉容器101は密閉状態になっている。
密閉容器101内には作動流体が充填されており、密閉容器101内は作動流体で満たされている。その作動流体としては、例えば、蒸気圧縮式の冷凍サイクルで利用されるR134a、R1234yfなどの冷媒が採用される。
具体的に、その作動流体は、所定の充填量で密閉容器101に充填される。その所定の充填量は、冷却装置10の車両搭載状態でサーモサイフォンの非作動時における液相の作動流体の液面SFが蒸発部14よりも上方であり且つ室内凝縮部18よりも下方に位置する充填量とされている。なお、そのサーモサイフォンの非作動時とは、密閉容器101内で作動流体の蒸発および凝縮が行われていない状態をいう。これに対し、サーモサイフォンの作動時とは、密閉容器101内で作動流体の蒸発および凝縮が行われている状態をいう。
密閉容器101は、その密閉容器101の機能面に着目すると、蒸発部14と室外凝縮部16と室内凝縮部18とを備えている。その蒸発部14と室外凝縮部16と室内凝縮部18はそれぞれ、管状部材12の一部として構成されている。
そして、蒸発部14と室外凝縮部16と室内凝縮部18は、蒸発部14、室内凝縮部18、室外凝縮部16の順に直列に連結されている。それと共に、蒸発部14と室外凝縮部16と室内凝縮部18は、車両90の下方から、蒸発部14、室内凝縮部18、室外凝縮部16の順番で配置されている。従って、室外凝縮部16の下端16bは室内凝縮部18の上端18aに連結し、蒸発部14の上端14aは室内凝縮部18の下端18bに連結している。
蒸発部14は、組電池BPから蒸発部14内の作動流体に吸熱させることにより、その作動流体を蒸発させる。そのために、図3に示すように、蒸発部14は、平板形状の蒸発熱拡散板102に例えばロウ付け等によって接合されている。その蒸発部14と蒸発熱拡散板102との連結には、両者間の熱伝導性を良好に得られれば、ロウ付け以外の方法が採用されてもよい。
そして、蒸発熱拡散板102は、蒸発部14が接合された一面とは反対側の他面にて、電池側面BPbに対し熱伝導可能に連結されている。別言すれば、組電池BPは、電池側面BPbを蒸発熱拡散板102に対向させて、矢印Aeのように蒸発熱拡散板102に対し熱伝導可能に連結されている。これにより、蒸発部14は、蒸発熱拡散板102を介して、組電池BPに対し熱伝導可能な状態で組電池BPに固定されている。蒸発熱拡散板102と組電池BPとの間の熱伝導性が良好に維持されるように、蒸発熱拡散板102は、組電池BPに対し押し付けられた状態で保持されている。また、蒸発熱拡散板102と組電池BPは直接接触してもよいが、例えば、蒸発熱拡散板102と組電池BPとの間には熱伝導シート材またはグリスが挟まれることにより、両者間の熱伝導性が高められている。
図3に示すように、蒸発部14は、車両上下方向DR2よりも車両90の水平方向に近い角度でその車両90の水平方向に対し傾斜して延びるように配置されている。具体的には、蒸発部14の下端14bになる管端部122よりも蒸発部14の上端14aが上方に位置するように、蒸発部14は、車両90の水平方向に対し僅かに傾斜して延びている。別言すれば、蒸発部14は、下端14bから上端14aへ近づくほど上方に位置するように、車両90の水平方向に対し僅かに傾斜して延びている。
これにより、蒸発部14内で蒸発した気相の作動流体は、下端14b側ではなく蒸発部14の上端14a側へ流れ、その上端14aから凝縮部16、18へ流れる。すなわち、蒸発部14内で気泡となった気相の作動流体は蒸発部14から凝縮部16、18へ流出しやすく、且つ、液相の作動流体は凝縮部16、18から蒸発部14へ戻りやすくなっている。
そして、蒸発部14は管状部材12の一部であるので管状ではあるが、詳細には図4に示すように、車両上下方向DR2に延びる扁平断面形状を有している。そして、蒸発部14のうちその扁平断面形状における一方の扁平面が蒸発熱拡散板102に接合されている。
図1および図2に示すように、車両90は、車室空間90aを囲む車両ボデー903を有している。密閉容器101の室外凝縮部16は、その車室空間90a周りの車両ボデー903に対し車室空間90a側に配置されている。詳しく言えば、室外凝縮部16は車室空間90a内に配置されている。そして、室外凝縮部16は、車両ボデー903から取外しできるように、その車両ボデー903に対して固定されている。室外凝縮部16は車両ボデー903に対し車室空間90a側に配置されているので、室外凝縮部16は、車両ボデー903から車室空間90a側へ取外し可能である。
本実施形態では、車両ボデー903のうち室外凝縮部16が固定される固定箇所は、車室空間90a周りにて車両ボデー903の一部を構成するボデー構成部としてのボデーパネル903aである。このボデーパネル903aは、エンジンルーム90fと車室空間90aとを隔てる縦壁状を成す板状部材で構成されている。
ここで、上記の室外凝縮部16が車両ボデー903から取外しできることとは、例えばボルト止め、ナット止め、クリップ止め、またはスナップフィット等のように着脱可能な構造を利用して室外凝縮部16が車両ボデー903に対して固定されることである。本実施形態では、後述するようにナット止めにより、室外凝縮部16は車両ボデー903に対して固定されている。
室外凝縮部16は、図2および図3に示すように、蒸発部14で気化した作動流体から外気へ放熱させることにより、その作動流体を凝縮させる。室外凝縮部16は、その室外凝縮部16内の作動流体から車両ボデー903を介して外気へ放熱させるものである。そのために、室外凝縮部16は、平板形状の凝縮熱拡散板103に例えばロウ付け等によって接合されている。その室外凝縮部16と凝縮熱拡散板103との連結には、両者間の熱伝導性を良好に得られれば、ロウ付け以外の方法が採用されてもよい。なお、上記の外気とは、車外の空気、または車室空間90aの外にあるエンジンルーム90fなどの非連通空間90e内の空気である。要するに、外気とは、車室空間90aの外にある空気である。
凝縮熱拡散板103は、車両ボデー903が有するボデーパネル903aに対向する一面103aと、その一面103aとは反対側で室外凝縮部16が接合された他面103bとを有している。凝縮熱拡散板103は、その一面103aにて、ボデーパネル903aに対し熱伝導可能に連結されている。そして、凝縮熱拡散板103は、ナット止めにより、ボデーパネル903aに押し付けられた状態で固定されている。そのボデーパネル903aに対する凝縮熱拡散板103のナット止めは、ボデーパネル903aに固定されボデーパネル903aから車室空間90a側へ突き出たボルト903bに螺合されるナット903gを締結することで行われる。別言すれば、そのナット止めでは、ボデーパネル903aに対する車室空間90a側からナット903gが、ボデーパネル903aに固定されたボルト903bに螺合される。
このようにして、室外凝縮部16は、凝縮熱拡散板103を介し、車両ボデー903に対して熱伝導可能となるように、車両ボデー903の車室空間90a側の面である室内側ボデー面903cに固定されている。これにより、室外凝縮部16は、エンジンルーム90f内の外気に対し伝熱可能となっている。要するに、室外凝縮部16は、車両ボデー903に対して固定されることにより外気に対し伝熱可能となる熱交換部である。
なお、凝縮熱拡散板103とボデーパネル903aは直接接触してもよいが、例えば、凝縮熱拡散板103とボデーパネル903aとの間には熱伝導シート材またはグリスが挟まれることにより、両者間の熱伝導性が高められている。
また、車両90は、室外凝縮部16内の作動流体から外気への放熱を促進する室外凝縮フィン904と、室外送風機905とを備えている。この室外凝縮フィン904は、高い熱伝導性を有する材料(例えば、アルミニウム合金などの金属材料)で構成されている。
室外凝縮フィン904は、外気に晒されるように車室空間90aの外に設けられ、車両ボデー903のボデーパネル903aに対し熱伝導可能となるように固定されている。例えば、室外凝縮フィン904は、ボデーパネル903aに対し溶接またはボルト止め等により接合されている。そして、室外凝縮フィン904は、凝縮熱拡散板103に対しボデーパネル903aを挟んだ反対側の位置に配置されている。
例えば、室外凝縮フィン904は、エンジンルーム90fのうち、走行風としての外気が室外凝縮フィン904周りに流通する場所に配置されている。また、図2の室外送風機905は、室外凝縮フィン904へ外気を吹き付ける送風機であり、例えばエンジンルーム90fに配置されている。従って、走行風としての外気が室外凝縮フィン904に対して送風されない例えば停車中などにおいても、室外送風機905により、室外凝縮フィン904に対して外気を送風することが可能となっている。
なお、図2では、室外凝縮部16、凝縮熱拡散板103、ボデーパネル903a、および室外凝縮フィン904などの構成要素が、それらの相互間に、判りやすい図示のための実際には無い僅かな隙間を空けて表示されている。また、蒸発熱拡散板102の図示が省略されている。これらのことは、図2と同じ図示方法を採用する後述の図でも同様である。
図5に示すように、室外凝縮部16は、上述した蒸発部14と同様の姿勢で配置されている。すなわち、室外凝縮部16は、車両上下方向DR2よりも車両90の水平方向に近い角度でその車両90の水平方向に対し傾斜して延びるように配置されている。具体的には、室外凝縮部16の上端16aになる管端部121よりも室外凝縮部16の下端16bが下方に位置するように、室外凝縮部16は、車両90の水平方向に対し僅かに傾斜して延びている。別言すれば、室外凝縮部16は、上端16aから下端16bへ近づくほど下方に位置するように、車両90の水平方向に対し僅かに傾斜して延びている。
これにより、室外凝縮部16内で凝縮した液相の作動流体は、重力の作用により、上端16a側ではなく室外凝縮部16の下端16b側へ流れ、その下端16bから蒸発部14へ流れる。すなわち、室外凝縮部16内の気泡など気相の作動流体は上昇し上端16a側へ移動しやすく、且つ、室外凝縮部16内の液相の作動流体は室外凝縮部16の下端16bから蒸発部14へ流出しやすくなっている。
そして、室外凝縮部16は蒸発部14と同様の管形状を有している。すなわち、室外凝縮部16は、図4に示すように、車両上下方向DR2に延びる扁平断面形状を有している。そして、室外凝縮部16のうちその扁平断面形状における一方の扁平面が凝縮熱拡散板103に接合されている。なお、図4は、蒸発部14の断面図であると共に、図5のIV-IV断面を表した室外凝縮部16の断面図でもある。
図2に示すように、本実施形態の車両90は、座席空間90b内の空調を行う空調ユニット20を備えている。この空調ユニット20は、インストルメントパネル902の内側に配置されている。空調ユニット20は、空調空気を冷却するための蒸発器201と、その蒸発器201表面で凝縮して発生するドレン水Wdを排出するドレン排水部202とを有している。
そのドレン排水部202は、空調ユニット20の空調ケース203から車室空間90aの外(具体的には、エンジンルーム90f)へ導き出されたパイプで構成されている。そして、ドレン排水部202の排出口202aは、室外凝縮フィン904と共通の空間内すなわちエンジンルーム90f内に配置され、且つ、その室外凝縮フィン904の上方に位置している。
そのため、ドレン排水部202の排出口202aからドレン水Wdが破線矢印のように流出した場合には、そのドレン水Wdが室外凝縮フィン904にかかることになる。その場合、室外凝縮フィン904は、その室外凝縮フィン904周りの外気に対してだけでなく、ドレン水Wdに対しても熱交換を行う。すなわち、室外凝縮部16は、室外凝縮フィン904を介して、外気とは別の放熱先であるドレン水Wdへも作動流体から放熱可能なように構成されている。
図2および図3に示すように、密閉容器101の室内凝縮部18は、車室空間90a内に配置され、蒸発部14で気化した作動流体から内気へ放熱させることにより、その作動流体を凝縮させる。従って、室内凝縮部18は、作動流体から外気以外の所定放熱先へ放熱させることにより作動流体を凝縮させる他の凝縮部に該当する。室内凝縮部18の場合、その所定放熱先は内気である。なお、内気とは、車室空間90a内にある空気である。
この室内凝縮部18の外周面には、全周にわたって室内フィン104が接合されている。その室内フィン104は、例えばスパインフィンであり、室内凝縮部18内の作動流体から内気への放熱を促進する。
また、室内凝縮部18は、管状部材12の一部として構成される上下管部19に含まれている。その上下管部19とは、車両上下方向DR2に延びるように配置される管部である。
図6に示すように、上下管部19は、螺旋状に形成された案内部191を、その上下管部19内に有している。この案内部191は、上下管部19内で流下する液相の作動流体を案内する役割を果たす。詳細には、案内部191は、上下管部19の内壁192から径方向内側へ突き出た螺旋状の内部フィンで構成されている。そして、案内部191は、上下管部19の内壁192に接する液相の作動流体が内壁192に沿って旋回しつつ流下するように、その液相の作動流体を案内する。
また、案内部191は、上下管部19の長手方向において、上下管部19の全長または略全長にわたって設けられている。従って、案内部191は、室内凝縮部18にまで及んでおり、室内凝縮部18の全長にわたって設けられている。なお、本実施形態の案内部191は、管状部材12とは別体の部品であり、アルミニウム合金などの高い熱伝導性を有する材料で構成されている。
次に、冷却装置10が組電池BPを冷却する場合の作動について説明する。図2および図3に示すように、冷却装置10において蒸発部14が組電池BPから受熱すると、蒸発部14内の液相の作動流体は、その組電池BPの熱により蒸発する。これにより、組電池BPは熱を奪われ冷却される。蒸発部14で蒸発した気相の作動流体は密閉容器101内で上昇するので、室内凝縮部18へ到達する。
室内凝縮部18に到達した気相の作動流体のうちの一部は内気へ放熱して凝縮し、その凝縮した液相の作動流体は、重力の作用により蒸発部14へ流下する。その一方で、室内凝縮部18で凝縮せずに気相のまま残った作動流体は密閉容器101内で更に上昇し、室外凝縮部16へ到達する。
室外凝縮部16に到達した気相の作動流体は外気へ放熱して凝縮し、その凝縮した液相の作動流体は、重力の作用により室内凝縮部18を通過して蒸発部14へ流下する。このように作動流体の液相と気相との相変化が密閉容器101内で繰り返されることにより、組電池BPは冷却される。
上述したように、本実施形態によれば、図2および図3に示すように、冷却装置10の室外凝縮部16は、車両ボデー903に対し車室空間90a側に配置される。そして、室外凝縮部16は車両ボデー903に対して固定され、蒸発部14で気化した作動流体から外気へ放熱させることによりその作動流体を凝縮させる。従って、室外凝縮部16を介した外気への放熱により組電池BPを冷却することを可能としつつ、組電池BPを車両ボデー903に対する車室空間90a側(例えば、車室空間90a内)に配置することを簡易な構造で実現できる。
また、室外凝縮部16は、車両ボデー903に対して固定されることにより、外気に対し伝熱可能となるものである。すなわち、車両ボデー903を隔てた車室空間90aの外側から車室空間90a側へ外気を取り込むことを必要とせずに、室外凝縮部16から外気へ放熱することが可能である。従って、室外凝縮部16を介した外気への放熱により組電池BPを冷却することを可能としつつ、組電池BPを車両ボデー903に対する車室空間90a側(例えば、車室空間90a内)に配置することを一層簡易な構造で実現できる。例えば、車室空間90a側へ外気を取り込む構成を設けることに伴って必要になる防水構造などに起因して冷却装置10の構造が複雑化することを避けることができる。
また、本実施形態のように組電池BPが車両ボデー903に対する車室空間90a側に配置された場合に、蒸発部14も室外凝縮部16も、車両ボデー903に対し組電池BPと同じ側すなわち車室空間90a側に配置される。このことからも、冷却装置10を簡易な構造にすることが可能である。
また、本実施形態によれば、室外凝縮部16は、その室外凝縮部16内の作動流体から車両ボデー903を介して外気へ放熱させるものである。そして、室外凝縮部16は、車両ボデー903に対し熱伝導可能となるようにその車両ボデー903の室内側ボデー面903cに固定され、これにより、室外凝縮部16は外気に対し伝熱可能となる。従って、車両ボデー903を伝熱経路の一部として活用し、室外凝縮部16を、簡易な組付け構造で、車両ボデー903に対する車室空間90a側に配置することが可能である。
また、室外凝縮部16を外気に対し伝熱可能とするために車両ボデー903に孔を開ける必要がないので、シール構造などの複雑な構造や水侵入の心配も無い。
また、本実施形態によれば、車両90は、室外凝縮部16内の作動流体から外気への放熱を促進する室外凝縮フィン904を備えている。その室外凝縮フィン904は、外気に晒されるように車室空間90aの外に設けられ、車両ボデー903に対し熱伝導可能となるように固定されている。従って、室外凝縮部16において作動流体を凝縮させる凝縮能力の向上を図ることが可能である。
また、本実施形態によれば、冷却装置10は、室外凝縮部16が接合された凝縮熱拡散板103を備えている。そして、室外凝縮部16は、その凝縮熱拡散板103を介して車両ボデー903の室内側ボデー面903cに固定される。従って、室外凝縮部16と車両ボデー903との間での伝熱に寄与する伝熱面積を容易に大きくすることが可能である。そして、室外凝縮部16と車両ボデー903との間での伝熱性能を損なわないようにしつつ、室外凝縮部16の形状を、本実施形態のように単なる管形状など単純な形状にすることが容易である。また、本実施形態のナット止めのように簡易な構造で、室外凝縮部16を車両ボデー903へ取り付けることが可能である。
また、本実施形態によれば、蒸発部14および組電池BPは、車室空間90a内に配置されている。そして、室外凝縮部16は、車両ボデー903から取外しできるようにその車両ボデー903に対して固定されている。従って、冷却装置10を簡易な構造として、室外凝縮部16および蒸発部14を含む密閉容器101を、車両ボデー903に対する車室空間90a側から着脱可能なように容易に構成することが可能である。
例えば、蒸発部14が組電池BPに対して予め固定された状態で、密閉容器101を組電池BPと共に車室空間90aに設置し、室外凝縮部16を車両ボデー903に対して車室空間90a側から組み付けることも可能である。或いは、車室空間90aにて蒸発部14を組電池BPに対して組み付けると同時に、室外凝縮部16を車両ボデー903に対して車室空間90a側から組み付けることも可能である。
そのため、密閉容器101に作動流体が充填された充填状態で密閉容器101を車両ボデー903に対して組み付けることができる。従って、冷却装置10の車両組付け工程での真空引きや作動流体の充填などの工程を削減でき、延いては、冷却装置10の車両組付け工程における作業順序の自由度を向上させることが可能である。また、密閉容器101を、車両ボデー903または組電池BPに対し充填状態のまま着脱可能なように構成することが容易である。密閉容器101が充填状態のまま着脱可能であれば、例えば修理時または点検時において作動流体のガス抜きや再充填の作業を低減することができる。このようなことは、密閉容器101が管状部材12で構成されていなくても、密閉容器101の構造を簡易化できるメリットがある。
また、本実施形態によれば、室外凝縮部16は、外気だけでなく空調ユニット20のドレン水Wdへも、作動流体から放熱可能なように構成されている。従って、例えば外気温度が高いこと等により室外凝縮部16から外気へ放熱されにくい場合においても、ドレン水Wdにより室外凝縮部16からの放熱を促進することが可能である。延いては、冷却装置10において作動流体の凝縮効率および凝縮能力を向上させることが可能である。また、ドレン水Wdへの放熱可否を切り替えることにより、室外凝縮部16の凝縮能力を切り替えることもできる。
また、室内凝縮部18を空冷するための室内送風機が設けられている場合を仮に想定したとすれば、室外凝縮部16からの放熱先が外気だけである場合と比較して、その室内送風機を簡易化または小型化することが可能である。このような室内送風機の簡易化または小型化は、室内送風機の低騒音化につながり、組電池BPから車室空間90a内への電池廃熱の影響を軽減することが可能である。
また、本実施形態によれば、室内凝縮部18は、密閉容器101の一部を構成し、蒸発部14よりも上方に配置され、作動流体から内気へ放熱させることにより作動流体を凝縮させる。従って、例えば外気温度が高いこと等により室外凝縮部16から外気へ放熱できない場合においても、サーモサイフォンの作動を維持することが可能である。延いては、冷却装置10において作動流体の凝縮効率および凝縮能力を向上させることが可能である。
また、本実施形態によれば、密閉容器101は管状部材12で構成されている。そして、蒸発部14と室内凝縮部18と室外凝縮部16は、その管状部材12の一部としてそれぞれ構成されている。従って、管状部材12という簡単な構造のものでサーモサイフォンを成立させることが可能である。
また、本実施形態によれば、蒸発部14と室内凝縮部18と室外凝縮部16は、管状部材12の一部としてそれぞれ構成され、下方から蒸発部14、室内凝縮部18、室外凝縮部16の順番で配置されている。そして、室外凝縮部16の下端16bは室内凝縮部18の上端18aに連結し、蒸発部14の上端14aは室内凝縮部18の下端18bに連結している。従って、本実施形態のように、蒸発部14と室内凝縮部18と室外凝縮部16とを、蒸発部14、室内凝縮部18、室外凝縮部16の順に直列に連結して、1本の管状部材12に設けることが可能である。この並び順から、蒸発部14で蒸発した気相の作動流体は室外凝縮部16へ達する前に室内凝縮部18に到達するので、外気が高温である場合に外気の熱で作動流体が蒸発する外気熱害を防止して、室内凝縮部18で効率良く作動流体を凝縮することが可能である。
例えば、外気温度が低い場合には、組電池BPの熱で蒸発した作動流体は、外気への放熱により凝縮する。その一方で、夏場など外気温度が高い場合には、組電池BPの熱で蒸発した作動流体は、空調により冷えた内気への放熱により凝縮する。
また、本実施形態によれば、上下管部19は、管状部材12の一部として構成され、車両上下方向DR2に延びるように配置されている。そして、図6に示すように、上下管部19は、その上下管部19の内壁192に接する液相の作動流体がその内壁192に沿って旋回しつつ流下するように液相の作動流体を案内する螺旋状の案内部191を有している。すなわち、その案内部191は、上下管部19内で流下する液相の作動流体に旋回速度成分を付与する旋回生成部として機能する。
従って、上下管部19内では、液相の作動流体は、案内部191に沿い環状流となって下降する。それと共に、気相の作動流体は、その環状流の内側(例えば、上下管部19の管中心およびその近傍)にて上昇する。これにより、上下管部19内では作動流体の気液分離性が向上するので、冷却装置10の冷却性能を向上させることが可能である。
また、本実施形態によれば、図3および図6に示すように、上下管部19は室内凝縮部18を含んでいる。そして、上下管部19の案内部191は、内壁192から径方向内側へ突き出た内部フィンで構成され、室内凝縮部18にまで及んでいる。従って、上述した旋回生成部としての機能に加え、室内凝縮部18における作動流体の熱交換を促進する機能を案内部191に持たせることが可能である。その結果として、冷却装置10の性能向上と構造簡素化との両立を図ることが可能である。
また、本実施形態によれば、図3~図5に示すように、管状部材12のうち扁平管部に該当する蒸発部14と室外凝縮部16は、車両上下方向DR2よりも車両90の水平方向に近い角度でその車両90の水平方向に対し傾斜して延びるように配置されている。そして、その蒸発部14と室外凝縮部16は、車両上下方向DR2に延びる扁平断面形状を有している。
従って、その蒸発部14内および室外凝縮部16内のそれぞれで作動流体の気液分離性が良好になる。例えば図4に示すように、室外凝縮部16では、その室外凝縮部16内の気相の作動流体から放熱先(具体的には、凝縮熱拡散板103)へ伝熱させるための伝熱面積を大きくしやすく、良好な凝縮性能を得ることが可能である。また、蒸発部14では、組電池BPから蒸発部14内の液相の作動流体へ伝熱させるための伝熱面積を大きくしやすく、良好な冷却性能を得ることが可能である。
また、本実施形態によれば、図3に示すように、蒸発部14は、蒸発熱拡散板102を介して、組電池BPに対し熱伝導可能な状態で組電池BPに固定されている。従って、蒸発部14は組電池BPの電池側面BPb全体から満遍なく受熱することができる。すなわち、組電池BPの温度ムラを低減し、冷却装置10の冷却性能を向上させることが可能である。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。また、前述の実施形態と同一または均等な部分については省略または簡略化して説明する。このことは後述の実施形態の説明においても同様である。
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。また、前述の実施形態と同一または均等な部分については省略または簡略化して説明する。このことは後述の実施形態の説明においても同様である。
図7に示すように、本実施形態では、室外凝縮フィン904およびその周辺の構造が第1実施形態と異なっている。
具体的に、室外凝縮フィン904は、外気に晒されるように車室空間90aの外に設けられるものであり、室外凝縮部16内の作動流体から外気への放熱を促進する。この点においては、本実施形態の室外凝縮フィン904は、第1実施形態の室外凝縮フィン904と同様である。
但し、本実施形態の室外凝縮フィン904は、凝縮熱拡散板103の一面103aに接合され、凝縮熱拡散板103および室外凝縮部16と一体構成になっている。すなわち、本実施形態の冷却装置10は、その室外凝縮フィン904を含んで構成されている。
また、ボデーパネル903aには、そのボデーパネル903aを貫通したボデー貫通孔903dが形成されている。このボデー貫通孔903dは、室外凝縮フィン904がそのボデー貫通孔903d内を通過可能な大きさに形成されている。
そして、冷却装置10の組付け工程では、凝縮熱拡散板103がボデーパネル903aへ組み付けられる際に、室外凝縮フィン904は、ボデーパネル903aに対する車室空間90a側から図7の矢印Afのようにボデー貫通孔903dに挿通させられる。従って、室外凝縮フィン904がボデー貫通孔903dを通って車室空間90aの外に露出した状態で、凝縮熱拡散板103は、車室空間90a側からボデー貫通孔903dを塞ぐようにボデーパネル903aに対して固定されている。これにより、室外凝縮部16は、室外凝縮フィン904を介して外気に対し伝熱可能となっている。
また、凝縮熱拡散板103の一面103aは、室外凝縮フィン904が接合された部位を囲むように位置するフィン周辺部103dを有している。そのフィン周辺部103dは、車両ボデー903のうちボデー貫通孔903dの周囲を構成するボデー孔周囲部903eに押し当てられている。これにより、フィン周辺部103dは、ボデー孔周囲部903eとフィン周辺部103dとの間をシールする。例えば、そのフィン周辺部103dとボデー孔周囲部903eとの間には、防水用の封止材が設けられている。
従って、本実施形態ではボデー貫通孔903dが設けられているが、そのボデー貫通孔903dから車室空間90a内への水の浸入を凝縮熱拡散板103で防止することが可能である。そして、そのような防水構造を構成しつつ、室外凝縮部16を、簡易な組付け構造で、車両ボデー903に対する車室空間90a側に配置することが可能である。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図8に示すように、本実施形態では、室外凝縮フィン904およびその周辺の構造が第1実施形態と異なっている。
具体的に、本実施形態のボデーパネル903aには、そのボデーパネル903aを貫通したボデー貫通孔903dが形成されている。
室外凝縮フィン904は、外気に晒されるように車室空間90aの外に設けられるものであり、室外凝縮部16内の作動流体から外気への放熱を促進する。この点においては、本実施形態の室外凝縮フィン904は、第1実施形態の室外凝縮フィン904と同様である。
但し、本実施形態の室外凝縮フィン904は、ボデーパネル903aに沿った平板状の基板部904aを有し、その基板部904aはボデーパネル903aへ接合されている。詳細には、その基板部904aは、ボデー貫通孔903dを車室空間90a側とは反対側(すなわち、エンジンルーム90f側)から塞ぐようにボデーパネル903aに対して固定されている。また、基板部904aとボデーパネル903aとの接合部分は、ボデー貫通孔903dをその全周にわたって囲んでおり、例えば溶接または防水用の封止材の挟み込み等によって防水されている。
また、室外凝縮部16は、室外凝縮フィン904に対し熱伝導可能となるようにボデー貫通孔903d内を介して室外凝縮フィン904の車室空間90a側に固定されている。詳細には、室外凝縮部16が接合された凝縮熱拡散板103が、室外凝縮フィン904に対し熱伝導可能となるようにボデー貫通孔903d内を通って室外凝縮フィン904の基板部904aに固定されている。これにより、室外凝縮部16は、室外凝縮フィン904を介して外気に対し伝熱可能となっている。なお、凝縮熱拡散板103と室外凝縮フィン904の基板部904aは直接接触してもよいが、例えば、その凝縮熱拡散板103と基板部904aとの間には熱伝導シート材またはグリスが挟まれることにより、両者間の熱伝導性が高められている。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
また、本実施形態によれば、室外凝縮フィン904の基板部904aは、ボデー貫通孔903dを車室空間90a側とは反対側から塞ぐようにボデーパネル903aに対して固定されている。従って、本実施形態ではボデー貫通孔903dが設けられているが、そのボデー貫通孔903dから車室空間90a内への水の浸入を室外凝縮フィン904で防止することができる。
また、本実施形態によれば、室外凝縮部16は、室外凝縮フィン904に対し熱伝導可能となるようにボデー貫通孔903d内を介して室外凝縮フィン904の車室空間90a側に固定されている。これにより、室外凝縮部16は、室外凝縮フィン904を介して外気に対し伝熱可能となっている。従って、室外凝縮部16を、簡易な組付け構造で車両ボデー903に対する車室空間90a側に配置することが可能である。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
次に、第4実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図9および図10に示すように、本実施形態の冷却装置10は、室外凝縮部16および室内凝縮部18のほかに、密閉容器101の一部を構成し蒸発部14よりも上方に配置される冷媒配管凝縮部24を備えている。この点において本実施形態は第1実施形態と異なっている。
具体的に、空調ユニット20には、空調空気を冷却するために、冷媒が循環する蒸気圧縮式の冷凍サイクル回路22が用いられている。その冷凍サイクル回路22は、圧縮機221と、エンジンルーム90f前方に配置された室外凝縮器222と、膨張弁223と、蒸発器201と、それらをつなぐ配管とを有している。なお、図9の矢印AR1、AR2は、空調ユニット20が吹き出した空調空気を表している。
冷凍サイクル回路22では、圧縮機221は冷媒を圧縮してから吐出する。その圧縮機221の吐出口221aから吐出された冷媒は、室外凝縮器222、膨張弁223、蒸発器201を順に経て圧縮機221の吸入口221bへ吸入される。冷凍サイクル回路22で冷媒が循環する過程では、室外凝縮器222で冷媒から外気である走行風へ放熱される。室外凝縮器222に対しては、エンジンルーム90f内の室外送風機222aにより強制的に外気が送風されることもある。また、膨張弁223では冷媒が減圧膨張させられる。また、蒸発器201では、空調ユニット20内を流通する空気と冷媒とが熱交換され、その空気が冷却されると共に冷媒が蒸発する。
本実施形態の冷媒配管凝縮部24は、車室空間90a内に配置されている。冷媒配管凝縮部24は管状部材12の一部分である。そして、蒸発部14と室外凝縮部16と室内凝縮部18と冷媒配管凝縮部24は、蒸発部14、室内凝縮部18、室外凝縮部16、冷媒配管凝縮部24の順に直列に連結されている。それと共に、蒸発部14と室外凝縮部16と室内凝縮部18と冷媒配管凝縮部24は、車両90の下方から、蒸発部14、室内凝縮部18、室外凝縮部16、冷媒配管凝縮部24の順番で配置されている。従って、室外凝縮部16の下端16bは室内凝縮部18の上端18aに連結し、蒸発部14の上端14aは室内凝縮部18の下端18bに連結している。更に、室外凝縮部16の上端16aは、冷媒配管凝縮部24の下端24bに連結している。
冷媒配管凝縮部24は、冷凍サイクル回路22に含まれる所定吸熱部225に対して熱伝導可能に連結されている。これにより、冷媒配管凝縮部24および所定吸熱部225は、冷媒と作動流体とを熱交換させる熱交換器25を構成している。
詳細には、その所定吸熱部225は管形状を成し、冷凍サイクル回路22のうち蒸発器201と圧縮機221の吸入口221bとをつなぐ配管部材の一部である。そして、冷媒配管凝縮部24は、所定吸熱部225の下方に配置されている。それと共に、冷媒配管凝縮部24は、その所定吸熱部225に対し押し付けられ熱伝導可能となるように、クリップ241によって固定されている。所定吸熱部225に対する冷媒配管凝縮部24の固定方法は、このようなクリップ241によるクリップ止めであるので、冷媒配管凝縮部24は、その所定吸熱部225に対し着脱可能となっている。
なお、冷媒配管凝縮部24と所定吸熱部225は直接接触してもよいが、例えば、冷媒配管凝縮部24と所定吸熱部225との間には熱伝導シート材またはグリスが挟まれることにより、両者間の熱伝導性が高められている。
冷媒配管凝縮部24は、このように固定されているので、蒸発部14で気化した作動流体から、冷凍サイクル回路22のうちの所定吸熱部225内を流れる冷媒へ放熱させる。これにより、冷媒配管凝縮部24は、その作動流体を凝縮させる。従って、冷媒配管凝縮部24は、作動流体から外気以外の所定放熱先へ放熱させることにより作動流体を凝縮させる他の凝縮部に該当する。冷媒配管凝縮部24の場合、その所定放熱先は、所定吸熱部225内を流れる冷媒である。このように、本実施形態では、室内凝縮部18のほか冷媒配管凝縮部24も他の凝縮部に該当し、密閉容器101は複数の他の凝縮部を有している。
図9に示すように、冷媒配管凝縮部24は、上述した室外凝縮部16と同様の姿勢で配置されている。すなわち、冷媒配管凝縮部24は、車両上下方向DR2よりも車両90の水平方向に近い角度でその車両90の水平方向に対し傾斜して延びるように配置されている。具体的には、冷媒配管凝縮部24の上端24aになる管端部121よりも冷媒配管凝縮部24の下端24bが下方に位置するように、冷媒配管凝縮部24は、車両90の水平方向に対し僅かに傾斜して延びている。別言すれば、冷媒配管凝縮部24は、上端24aから下端24bへ近づくほど下方に位置するように、車両90の水平方向に対し僅かに傾斜して延びている。
これにより、冷媒配管凝縮部24内の気相および液相の作動流体の流れは、冷媒配管凝縮部24の傾斜により、上述した室外凝縮部16内と同様になる。なお、冷媒配管凝縮部24は冷凍サイクル回路22の所定吸熱部225に沿って固定されるので、所定吸熱部225も、冷媒配管凝縮部24と同様に傾斜した姿勢で保持されている。
また、本実施形態では、室内凝縮部18を空冷するための室内送風機26が設けられている。この室内送風機26は適宜作動し、室内フィン104および室内凝縮部18へ内気を送風する。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
また、本実施形態によれば、冷媒配管凝縮部24は、冷凍サイクル回路22の所定吸熱部225の下方に配置され、且つ、その所定吸熱部225に対し熱伝導可能となるように固定されている。そして、所定吸熱部225内で液冷媒およびオイルは下方に偏って多く流れるので、冷媒配管凝縮部24内の作動流体からその液冷媒およびオイルへ放熱させやすくなる。また、冷媒配管凝縮部24内では、液相の作動流体よりも気相の作動流体の方が、上方にある所定吸熱部225側へ偏りやすい。このようなことから、所定吸熱部225のうち吸熱しやすい部位である下方部位を優先的に利用して、冷媒配管凝縮部24の凝縮性能を大きくすることが可能である。
なお、本実施形態は第1実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第2実施形態または第3実施形態と組み合わせることも可能である。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第4実施形態と異なる点を主として説明する。
次に、第5実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第4実施形態と異なる点を主として説明する。
図11に示すように、本実施形態では、冷媒配管凝縮部24と冷凍サイクル回路22の所定吸熱部225とが、車室空間90aの外であるエンジンルーム90fに配置されている。そして、冷媒配管凝縮部24をエンジンルーム90fに配置するために、車両ボデー903にボデー貫通孔903fが形成されている。この点において本実施形態は第4実施形態と異なっている。なお、所定吸熱部225に対する冷媒配管凝縮部24の固定方法は、第4実施形態と同様にクリップ241によるクリップ止めである。
本実施形態では上記のように、密閉容器101の一部が車室空間90aの外へ及んでいる。すなわち、車両90における配置場所に着目すると、密閉容器101は、車室空間90a内に配置される室内配置部28と、車室空間90aの外に配置される室外配置部30とを有している。そして、蒸発部14、室外凝縮部16、室内凝縮部18は室内配置部28に含まれる。また、冷媒配管凝縮部24は室外配置部30に含まれる。
また、室外配置部30は、ボデー貫通孔903fを通って車室空間90aの外へ導出された状態で車室空間90aの外に配置されている。更に、そのボデー貫通孔903fは、室外配置部30がボデー貫通孔903f内を通過可能な大きさに形成されている。
従って、室外配置部30を所定吸熱部225から取り外せば、ボデー貫通孔903fを通して室外配置部30を車室空間90aの外から車室空間90a側へ取り込むことが可能である。そのため、その室外配置部30を含む密閉容器101全体を、車両ボデー903に対する車室空間90a側へ取外し可能なように容易に構成することが可能である。なお、ボデー貫通孔903fにおいて管状部材12周りは、例えばシールグロメットによりシールされている。
以上説明したことを除き、本実施形態は第4実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第4実施形態と共通の構成から奏される効果を第4実施形態と同様に得ることができる。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第4実施形態と異なる点を主として説明する。
次に、第6実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第4実施形態と異なる点を主として説明する。
図12に示すように、本実施形態では、密閉容器101のうち室外凝縮部16および冷媒配管凝縮部24の配置が第4実施形態と異なっている。なお、所定吸熱部225に対する冷媒配管凝縮部24の固定方法は、第4実施形態と同様にクリップ241によるクリップ止めである。
具体的に、蒸発部14と室外凝縮部16と室内凝縮部18と冷媒配管凝縮部24は、蒸発部14、室内凝縮部18、冷媒配管凝縮部24、室外凝縮部16の順に直列に連結されている。それと共に、蒸発部14と室外凝縮部16と室内凝縮部18と冷媒配管凝縮部24は、車両90の下方から、蒸発部14、室内凝縮部18、冷媒配管凝縮部24、室外凝縮部16の順番で配置されている。従って、室外凝縮部16の下端16bは冷媒配管凝縮部24の上端24aに連結し、冷媒配管凝縮部24の下端24bは室内凝縮部18の上端18aに連結している。また、室内凝縮部18の下端18bは蒸発部14の上端14aに連結している。
以上説明したことを除き、本実施形態は第4実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第4実施形態と共通の構成から奏される効果を第4実施形態と同様に得ることができる。
(第7実施形態)
次に、第7実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
次に、第7実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図13に示すように、本実施形態では、組電池BPとは異なる発熱機器91が車室空間90a内に設けられている。そして、冷却装置10は、組電池BPに連結された第1蒸発部としての上述の蒸発部14に加え、その発熱機器91を冷却するための第2蒸発部32を備えている。これらの点において本実施形態は第1実施形態と異なっている。なお、第2蒸発部32は第1蒸発部14と室内凝縮部18との間に設けられ、室外凝縮部16の配置は第1実施形態と同様である。
具体的に、第2蒸発部32は管状部材12の一部を構成し、車室空間90a内に配置されている。そして、第1蒸発部14と第2蒸発部32と室外凝縮部16と室内凝縮部18は、第1蒸発部14、第2蒸発部32、室内凝縮部18、室外凝縮部16の順に直列に連結されている。それと共に、第1蒸発部14と第2蒸発部32と室外凝縮部16と室内凝縮部18は、車両90の下方から、第1蒸発部14、第2蒸発部32、室内凝縮部18、室外凝縮部16の順番で配置されている。従って、室外凝縮部16の下端16bは室内凝縮部18の上端18aに連結し、室内凝縮部18の下端18bは第2蒸発部32の上端32aに連結している。また、第2蒸発部32の下端32bは蒸発部14の上端14aに連結している。
第2蒸発部32は、発熱機器91に対し熱伝導可能に連結されている。その発熱機器91は、発熱する電気部品であり、例えば、リレー、ECU、充電器、DCDCコンバータなどである。この発熱機器91は、組電池BPよりも高温になることが許容される機器であり、例えば発熱機器91の発熱中には組電池BPよりも高温になる。なお、第2蒸発部32と発熱機器91は直接接触してもよいが、例えば、第2蒸発部32と発熱機器91との間には熱伝導シート材またはグリスが挟まれることにより、両者間の熱伝導性が高められている。
第2蒸発部32は、発熱機器91から第2蒸発部32内の作動流体に吸熱させることにより、その作動流体を蒸発させる。また、第2蒸発部32は、サーモサイフォンの非作動時に密閉容器101内に形成される作動流体の液面SFよりも下方で、且つ、第1蒸発部14よりも上方に配置されている。
従って、第2蒸発部32では、液相の作動流体に発熱機器91の熱を吸熱させやすく、その作動流体を良好に蒸発させることができる。そして、発熱機器91の熱により第2蒸発部32で発生した気泡を、第1蒸発部14ではなく室内凝縮部18へ流出させることができる。すなわち、その発熱機器91の熱により発生した気泡が組電池BPへ放熱することを防止することができる。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。なお、本実施形態は第1実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第2~第6実施形態の何れかと組み合わせることも可能である。
(第8実施形態)
次に、第8実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
次に、第8実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図14に示すように、本実施形態の冷却装置10は密閉容器101を2つ有している。そして、その2つの密閉容器101は各々、互いに異なる管状部材12で構成されている。すなわち、冷却装置10は、単管である管状部材12を複数有している。この点において本実施形態は第1実施形態と異なっている。
なお、本実施形態の組電池BPは第1実施形態と同様であるので、図14では、組電池BPの図示が省略されている。また、密閉容器101における気相の作動流体の流れは破線矢印AGで示され、液相の作動流体の流れは実線矢印ALで示されている。また、図14には、サーモサイフォンの非作動時における作動流体の液面SFが示されている。また、ボデーパネル903aに対する凝縮熱拡散板103の固定方法は第1実施形態と同様のナット止めであるが、図14では、ボルト903b(図3参照)等の図示は省略されている。これらのことは、図14と同じ図示方法を採用する後述の図でも同様である。
具体的に、2つの密閉容器101のうちの一方の密閉容器101は、蒸発部14に含まれる第1蒸発管部141と、その第1蒸発管部141よりも上方に配置された室外凝縮部16とを備えている。その第1蒸発管部141と室外凝縮部16は互いに直列に連結され、一方の密閉容器101を構成する一方の管状部材12に含まれる。従って、一方の密閉容器101では、組電池BPの熱により第1蒸発管部141で蒸発した気相の作動流体は上昇して室外凝縮部16へ流れる。それと共に、室外凝縮部16で凝縮した液相の作動流体は流下して第1蒸発管部141へ流れる。
また、2つの密閉容器101のうちの他方の密閉容器101は、蒸発部14に含まれる第2蒸発管部142と、その第2蒸発管部142よりも上方に配置された室内凝縮部18とを備えている。その第2蒸発管部142と室内凝縮部18は互いに直列に連結され、他方の密閉容器101を構成する他方の管状部材12に含まれる。従って、他方の密閉容器101では、組電池BPの熱により第2蒸発管部142で蒸発した気相の作動流体は上昇して室内凝縮部18へ流れる。それと共に、室内凝縮部18で凝縮した液相の作動流体は流下して第2蒸発管部142へ流れる。なお、第1蒸発管部141および第2蒸発管部142は、第1実施形態の蒸発部14と同様に、車両90の水平方向に対し傾斜して延びるように配置されている。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
また、本実施形態によれば、室外凝縮部16と室内凝縮部18とが各々、互いに異なる蒸発管部141、142へ連結されているので、室外凝縮部16と室内凝縮部18とを離して配置することが容易である。すなわち、室外凝縮部16および室内凝縮部18の搭載自由度を向上させることが可能である。
なお、本実施形態は第1実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第2~第7実施形態の何れかと組み合わせることも可能である。
(第9実施形態)
次に、第9実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第8実施形態と異なる点を主として説明する。
次に、第9実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第8実施形態と異なる点を主として説明する。
図15に示すように、本実施形態の密閉容器101は、ループ状の管状部材12で構成されている。この点において本実施形態は第8実施形態と異なっている。
具体的に、蒸発部14は第1蒸発管部141と第2蒸発管部142とを有している。また、室外凝縮部16は第1室外凝縮管部161と第2室外凝縮管部162とを有している。また、室内凝縮部18は第1室内凝縮管部181と第2室内凝縮管部182と有している。
第1蒸発管部141と第1室内凝縮管部181と第1室外凝縮管部161は直列に連結され、車両90の下方から、第1蒸発管部141、第1室内凝縮管部181、第1室外凝縮管部161の順番で配置されている。
従って、組電池BPの熱により第1蒸発管部141で蒸発した気相の作動流体は上昇して第1室内凝縮管部181へ流れ、第1室内凝縮管部181で凝縮せずに残った気相の作動流体は、第1室内凝縮管部181から第1室外凝縮管部161へ流れる。それと共に、第1室外凝縮管部161で凝縮した液相の作動流体は流下して第1蒸発管部141へ流れる。そして、第1室内凝縮管部181で凝縮した液相の作動流体も流下して第1蒸発管部141へ流れる。
また、第2蒸発管部142と第2室内凝縮管部182と第2室外凝縮管部162は直列に連結され、車両90の下方から、第2蒸発管部142、第2室内凝縮管部182、第2室外凝縮管部162の順番で配置されている。
従って、組電池BPの熱により第2蒸発管部142で蒸発した気相の作動流体は上昇して第2室内凝縮管部182へ流れ、第2室内凝縮管部182で凝縮せずに残った気相の作動流体は、第2室内凝縮管部182から第2室外凝縮管部162へ流れる。それと共に、第2室外凝縮管部162で凝縮した液相の作動流体は流下して第2蒸発管部142へ流れる。そして、第2室内凝縮管部182で凝縮した液相の作動流体も流下して第2蒸発管部142へ流れる。
また、管状部材12はループ状であるので、第1蒸発管部141の下端と第2蒸発管部142の下端とが互いに連結されると共に、第1室外凝縮管部161の上端と第2室外凝縮管部162の上端とが互いに連結されている。
なお、第1蒸発管部141および第2蒸発管部142は、第1実施形態の蒸発部14と同様に、車両90の水平方向に対し傾斜して延びるように配置されている。また、第1室外凝縮管部161および第2室外凝縮管部162は、第1実施形態の室外凝縮部16と同様に、車両90の水平方向に対し傾斜して延びるように配置されている。
以上説明したことを除き、本実施形態は第8実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第8実施形態と共通の構成から奏される効果を第8実施形態と同様に得ることができる。
また、本実施形態によれば、第1室外凝縮管部161の上端と第2室外凝縮管部162の上端とが互いに連結されているので、第1室外凝縮管部161の内圧と第2室外凝縮管部162の内圧とが等しくなる。これにより、サーモサイフォンの作動中に作動流体の液面SFを安定させることが可能である。
(第10実施形態)
次に、第10実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第9実施形態と異なる点を主として説明する。
次に、第10実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第9実施形態と異なる点を主として説明する。
図16に示すように、本実施形態の密閉容器101は、ループ状の管状部材12で構成されているという点では、第9実施形態と同様である。但し、本実施形態の冷却装置10は、作動流体が環状に循環するループ型サーモサイフォンとして構成されている。そして、室内凝縮部18は1箇所である。これらの点において本実施形態は第9実施形態と異なっている。
具体的に、第1蒸発管部141および第2蒸発管部142は、車両90の水平方向に対し傾斜して延びるように配置されている。このことは第9実施形態の蒸発部14と同様であるが、第2蒸発管部142は第1蒸発管部141に対し上方に配置され、第1蒸発管部141の上端は第2蒸発管部142の下端に連結されている。そのため、互いに直列連結された第1蒸発管部141と第2蒸発管部142はV字状の管部を構成している。従って、第1蒸発管部141で蒸発した作動流体も第2蒸発管部142で蒸発した作動流体も共に、第2蒸発管部142の上端から流出する。
また、第1室外凝縮管部161および第2室外凝縮管部162は、車両90の水平方向に対し傾斜して延びるように配置されている。このことは第9実施形態の室外凝縮部16と同様であるが、第2室外凝縮管部162は第1室外凝縮管部161に対し下方に配置され、第1室外凝縮管部161の下端は第2室外凝縮管部162の上端に連結されている。そのため、互いに直列連結された第1室外凝縮管部161と第2室外凝縮管部162はV字状の管部を構成している。従って、第1室外凝縮管部161で凝縮した作動流体も第2室外凝縮管部162で凝縮した作動流体も共に、第2室外凝縮管部162の下端から流出する。
また、第2蒸発管部142の上端は第1室外凝縮管部161の上端に連結されている。そして、第2室外凝縮管部162の下端は室内凝縮部18の上端18aに連結され、室内凝縮部18の下端18bは第1蒸発管部141の下端に連結されている。
このように、第1蒸発管部141、第2蒸発管部142、第1室外凝縮管部161、第2室外凝縮管部162、および室内凝縮部18は、その記載順で環状に連結されている。そのため、第1蒸発管部141および第2蒸発管部142で蒸発した気相の作動流体は上昇し、第1室外凝縮管部161へと流れる。第1室外凝縮管部161へ流入した気相の作動流体は、第1室外凝縮管部161と第2室外凝縮管部162と室内凝縮部18とで凝縮し、その凝縮した作動流体は流下して第1蒸発管部141の下端から第1蒸発管部141へ戻る。
以上説明したことを除き、本実施形態は第9実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第9実施形態と共通の構成から奏される効果を第9実施形態と同様に得ることができる。
(第11実施形態)
次に、第11実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
次に、第11実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図17および図18に示すように、本実施形態では蒸発部14の構成が第1実施形態と異なっている。また、本実施形態では、組電池BPが2つ設けられている。
具体的には、本実施形態の冷却装置10は蒸発熱拡散板102を備えていない。その一方で、本実施形態の密閉容器101は、第1管状部材12と第2管状部材34と複数の蒸発管143とを有している。また、蒸発部14は、第1管状部材12に含まれる下方流路部144と、第2管状部材34に含まれる上方流路部145と、複数の蒸発管143とを有している。第1管状部材12は、蒸発部14の下方流路部144のほか、室内凝縮部18を含む上下管部19と、室外凝縮部16とを有している。
複数の蒸発管143は車両上下方向DR2に延びており、セル積層方向DRsへ並んで配置されている。複数の蒸発管143はそれぞれ、セル積層方向DRsを長手方向とした扁平断面形状を成している。そして、蒸発管143の両側の扁平面143a、143bにはそれぞれ、電池側面BPbが熱伝導シート材35を介して押し付けられた状態で組電池BPが連結されている。これにより、組電池BPは、蒸発部14のうち複数の蒸発管143に対して熱伝導可能に固定されている。
また、複数の蒸発管143の下端143cは下方流路部144へそれぞれ連結し、その下端143cにて蒸発管143は下方流路部144へ連通している。また、複数の蒸発管143の上端143dは上方流路部145へそれぞれ連結し、その上端143dにて蒸発管143は上方流路部145へ連通している。
下方流路部144はセル積層方向DRsへ延びるように形成され、そのセル積層方向DRsの一方にて室内凝縮部18の下端18bへつながっている。下方流路部144は組電池BPおよび複数の蒸発管143よりも下方に位置し、組電池BPおよび熱伝導シート材35に対して間隔を空けて配置されている。
上方流路部145はセル積層方向DRsへ延びるように形成され、下方流路部144、組電池BP、および複数の蒸発管143よりも上方に位置している。また、上方流路部145はセル積層方向DRsの一方にて、上下管部19のうちの室内凝縮部18に対する下方の部位に接続されている。詳細には、上方流路部145を含む第2管状部材34は、上下管部19に対しその上下管部19の側方から接続されている。これにより、上方流路部145は、上下管部19へ連通している。
このように構成された本実施形態の冷却装置10では、図17に示すように、蒸発管143が組電池BPから受熱すると、その蒸発管143内の液相の作動流体は、その組電池BPの熱により蒸発する。これにより、組電池BPは熱を奪われ冷却される。蒸発管143で蒸発した気相の作動流体は上昇して上方流路部145へ流入し、上方流路部145から第1管状部材12の室内凝縮部18へと流れる。室内凝縮部18と室外凝縮部16との間における作動流体の流れは、第1実施形態と同様である。なお、作動流体の充填量は、例えばサーモサイフォンの非作動中および作動中において液相の作動流体が蒸発管143内に入るように予め調整されている。
また、室内凝縮部18から流下する液相の作動流体は、蒸発部14の下方流路部144へ流入する。ここで、その流下する液相の作動流体は、上下管部19に対する第2管状部材34の接続向きによって、第2管状部材34へは殆ど入らないようになっている。下方流路部144へ流入した液相の作動流体は、下方流路部144から複数の蒸発管143のそれぞれへ分配される。このように作動流体の液相と気相との相変化が密閉容器101内で繰り返されることにより、組電池BPは冷却される。
蒸発部14においては、上記のように気相の作動流体の流れと液相の作動流体の流れとが分離されるので、蒸発部14で作動流体を円滑に流すことが可能である。延いては、冷却装置10の冷却能力向上を図ることができる。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。なお、本実施形態は第1実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第2~第7実施形態の何れかと組み合わせることも可能である。
(第12実施形態)
次に、第12実施形態について説明する。本実施形態は、前述の第10実施形態と第11実施形態とを組み合わせたものである。
次に、第12実施形態について説明する。本実施形態は、前述の第10実施形態と第11実施形態とを組み合わせたものである。
本実施形態では、図19に示すように、密閉容器101は、U字状に延びる管状部材12と複数の蒸発管143とを有している。そして、蒸発部14が有する下方流路部144および上方流路部145は、管状部材12に含まれる。なお、前述した図18は、図17のXVIII-XVIII断面を示した断面図であるが、図19のXVIII-XVIII断面も示している。
本実施形態では、蒸発部14の構成は第11実施形態と同様であり、室外凝縮部16の構成は第10実施形態と同様である。
また、本実施形態の下方流路部144は、第11実施形態と同様に室内凝縮部18の下端18bへつながっている。上方流路部145は、第11実施形態とは異なり、第1室外凝縮管部161の上端に連結されている。
従って、蒸発管143で蒸発した気相の作動流体は上昇して上方流路部145へ流入して、上方流路部145から第1室外凝縮管部161へと流れる。また、室内凝縮部18から流下する液相の作動流体は、蒸発部14の下方流路部144へ流入する。なお、蒸発部14における作動流体の流れは第11実施形態と同様であり、室外凝縮部16から室内凝縮部18までの間における作動流体の流れは、第10実施形態と同様である。
以上説明したことを除き、本実施形態は第10実施形態または第11実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第10実施形態または第11実施形態と共通の構成から奏される効果を、その共通の構成を備えた実施形態と同様に得ることができる。
(第13実施形態)
次に、第13実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第8実施形態と異なる点を主として説明する。
次に、第13実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第8実施形態と異なる点を主として説明する。
図20に示すように、本実施形態の密閉容器101は、ループ状の管状部材12で構成されている。この点において本実施形態は第8実施形態と異なっている。
具体的に、本実施形態では、第1蒸発管部141の下端と第2蒸発管部142の下端とが互いに連結されている。そして、室外凝縮部16の上端16aと室内凝縮部18の上端18aとが互いに連結されている。これにより、管状部材12はループ状に形成されている。
また、室内凝縮部18は、室外凝縮部16と同様に傾斜した姿勢で支持されており、上下管部19に含まれてはいない。そして、室内凝縮部18は、車両上下方向DR2において室外凝縮部16と同程度の高さに配置されている。
このような構成から、本実施形態によれば、複数の凝縮部が車両上下方向DR2に並んで配置される場合と比較して、冷却装置10が車両上下方向DR2に占める全高を低くすることが可能である。
以上説明したことを除き、本実施形態は第8実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第8実施形態と共通の構成から奏される効果を第8実施形態と同様に得ることができる。
(第14実施形態)
次に、第14実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第13実施形態と異なる点を主として説明する。
次に、第14実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第13実施形態と異なる点を主として説明する。
図21に示すように、本実施形態の密閉容器101を構成するループ状の管状部材12は、室内凝縮部18に替えて冷媒配管凝縮部24を有している。この点において本実施形態は第13実施形態と異なっている。なお、ボデーパネル903aに対する室外凝縮フィン904および凝縮熱拡散板103の固定方法は、図7に示される第2実施形態と同様である。
具体的に、本実施形態では、第1蒸発管部141の下端と第2蒸発管部142の下端とが互いに連結されている。そして、冷媒配管凝縮部24の上端24aと室外凝縮部16の上端16aとが互いに連結されている。これにより、管状部材12はループ状に形成されている。
本実施形態の冷媒配管凝縮部24は、前述の第4~第6実施形態の冷媒配管凝縮部24と同様のものである。従って、本実施形態の冷媒配管凝縮部24は、例えばクリップ止めで冷凍サイクル回路22のうちの所定吸熱部225に固定されている。そして、冷媒配管凝縮部24は、第1蒸発管部141で気化した作動流体から、その所定吸熱部225内を流れる冷媒へ放熱させる。本実施形態の所定吸熱部225は、例えば前述の第4実施形態と同様に、図9の冷凍サイクル回路22のうち蒸発器201と圧縮機221の吸入口221bとをつなぐ配管部材の一部である。
図21に示すように、冷媒配管凝縮部24は車室空間90aの外に配置されている。すなわち、冷媒配管凝縮部24は室外配置部30に含まれている。その室外配置部30は、ボデー貫通孔903dを通って車室空間90aの外へ導出された状態で車室空間90aの外に配置されている。更に、そのボデー貫通孔903dは、室外配置部30がボデー貫通孔903d内を通過可能な大きさに形成されている。
また、冷媒配管凝縮部24は、室外凝縮部16と同様に傾斜した姿勢で支持されている。そして、冷媒配管凝縮部24は、車両上下方向DR2において室外凝縮部16と同程度の高さに配置されている。
ループ状の管状部材12において、室外凝縮部16は第2蒸発管部142よりも上方に配置され、室外凝縮部16の下端16bは第2蒸発管部142の上端に連結されている。従って、第2蒸発管部142で蒸発した気相の作動流体は上昇して室外凝縮部16へ流れる。そして、室外凝縮部16で凝縮した液相の作動流体は流下して第2蒸発管部142へ流れる。
また、冷媒配管凝縮部24は第1蒸発管部141よりも上方に配置され、冷媒配管凝縮部24の下端24bは第1蒸発管部141の上端に連結されている。従って、第1蒸発管部141で蒸発した気相の作動流体は上昇して冷媒配管凝縮部24へ流れる。そして、冷媒配管凝縮部24で凝縮した液相の作動流体は流下して第1蒸発管部141へ流れる。
以上説明したことを除き、本実施形態は第13実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第13実施形態と共通の構成から奏される効果を第13実施形態と同様に得ることができる。
(第15実施形態)
次に、第15実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
次に、第15実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図22に示すように、本実施形態の冷却装置10は、組電池BPを冷却する機能に加えて、組電池BPの暖機を行う機能も備えている。そのために、冷却装置10は、管状部材12の一部を構成する加熱用熱交換部38と、その加熱用熱交換部38に対し熱伝導可能に連結された加熱装置40とを備えている。この点において本実施形態は第1実施形態と異なっている。なお、加熱用熱交換部38および加熱装置40は、例えば車室空間90a内に配置されている。
具体的に、加熱用熱交換部38は蒸発部14よりも下方に配置されている。そして、管状部材12の下方の管端部122は加熱用熱交換部38の下端になっており、加熱用熱交換部38は、蒸発部14の下端14bに連結されている。すなわち、加熱用熱交換部38は蒸発部14に対し直列に連結されている。従って、加熱用熱交換部38内には、サーモサイフォンの作動時にも非作動時にも液相の作動流体が存在する。
また、加熱装置40は、その加熱装置40の作動と非作動とが組電池BPの温度に応じて適宜切り替えられる電気ヒータである。例えば、組電池BPの温度が所定の温度閾値よりも低い場合には、暖機が必要であると電子制御装置等により判断され、加熱装置40は発熱させられる。
加熱装置40が発熱すると、その加熱装置40により加熱用熱交換部38内の液相の作動流体が蒸発し気泡となって蒸発部14へ流れる。そして、蒸発部14内の例えば気泡である気相の作動流体によって、組電池BPは加熱されて暖機される。それと共に、その気相の作動流体は凝縮し、液相の作動流体となって蒸発部14から加熱用熱交換部38へ戻る。このようにして、組電池BPの暖機は実行される。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。なお、本実施形態は第1実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第2~第14実施形態の何れかと組み合わせることも可能である。
(第16実施形態)
次に、第16実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第2実施形態と異なる点を主として説明する。
次に、第16実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第2実施形態と異なる点を主として説明する。
前述の第2実施形態では図7に示すように、ボルト903bはボデーパネル903aに固定されているが、本実施形態では図23に示すように、ボルト903bは凝縮熱拡散板103に固定されている。
具体的には、図23に示すように、凝縮熱拡散板103は、ナット止めにより、ボデーパネル903aに押し付けられた状態で固定されている。この点では、本実施形態は第2実施形態と同様である。
しかし、第2実施形態とは異なり、本実施形態のボルト903bは凝縮熱拡散板103からボデーパネル903a側へ突き出るように設けられ、ボデーパネル903aに設けられたボルト挿通孔903hに挿通されている。そして、ボデーパネル903aに対する車室空間90a側とは反対側(すなわち、エンジンルーム90f側)からナット903gがそのボルト903bに螺合されている。
このようにボデーパネル903aに対する凝縮熱拡散板103のナット止めは、ボデーパネル903aからエンジンルーム90f側へ突き出たボルト903bにエンジンルーム90f側から螺合されるナット903gを締結することで行われる。
以上説明したことを除き、本実施形態は第2実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第2実施形態と共通の構成から奏される効果を第2実施形態と同様に得ることができる。
(第17実施形態)
次に、第17実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第16実施形態と異なる点を主として説明する。
次に、第17実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第16実施形態と異なる点を主として説明する。
本実施形態では、凝縮熱拡散板103は、ナット止めではなくクリップ止めにより、ボデーパネル903aに固定されている。そのクリップ止めには、例えば図24に示す樹脂クリップ903iが複数用いられる。なお、本実施形態では上記ナット止めが採用されていないので、図23のボルト903bおよびナット903gは不要である。すなわち、図24の樹脂クリップ903iは、そのボルト903bおよびナット903gに替わるものである。
具体的に、本実施形態のクリップ止めでは、凝縮熱拡散板103に設けられた孔とボデーパネル903aに設けられた孔とに樹脂クリップ903iの軸が車室空間90a側からエンジンルーム90f側へ挿通される。そして、その樹脂クリップ903iの軸が凝縮熱拡散板103とボデーパネル903aとの各孔に挿通された状態で、凝縮熱拡散板103はボデーパネル903aに固定される。
以上説明したことを除き、本実施形態は第16実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第16実施形態と共通の構成から奏される効果を第16実施形態と同様に得ることができる。
(第18実施形態)
次に、第18実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
次に、第18実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図25に示すように、本実施形態では、室外凝縮部16がクリップ止めにより、ボデーパネル903aに固定されている。また、凝縮熱拡散板103が設けられておらず、室外凝縮部16はボデーパネル903aに対し、熱伝導シート材もしくはグリスを介して、或いは直接に接触している。これらの点において本実施形態は第1実施形態と異なっている。要するに、室外凝縮部16がボデーパネル903aに対し伝熱可能であるという点は本実施形態でも第1実施形態と同様であるが、本実施形態では、室外凝縮部16の固定方法が第1実施形態と異なっている。
なお、室外凝縮フィン904は、本実施形態でも第1実施形態と同様にボデーパネル903aに固定されるが、図25を見やすく図示するために、図25は、室外凝縮フィン904をボデーパネル903aから分解した図示となっている。
具体的に、本実施形態の密閉容器101は、室外凝縮部16と室内凝縮部18との間で管状部材12の一部を構成するクリップ保持部44を有している。また、図25および図26に示すように、冷却装置10は、複数の配管固定クリップ92を有している。この配管固定クリップ92は、図3のボルト903bおよびナット903gに替わるものであるので、本実施形態では、そのボルト903bおよびナット903gは設けられていない。
図25および図26に示すように、配管固定クリップ92は、例えば弾力性のある樹脂製であり、管保持部921とクリップ軸部922とを有している。その管保持部921には密閉容器101のクリップ保持部44が嵌め込まれており、これにより、配管固定クリップ92は、そのクリップ保持部44に固定されている。
また、ボデーパネル903aには、貫通孔である複数のクリップ係止孔903jが設けられている。このクリップ係止孔903jにはそれぞれ、ボデーパネル903aに対する車室空間90a側からクリップ軸部922が挿通されている。そのクリップ軸部922は抜止め構造を備えている。そして、その抜止め構造により、配管固定クリップ92は、クリップ軸部922がクリップ係止孔903jに挿通された状態で、ボデーパネル903aに対し固定されている。
このように配管固定クリップ92がボデーパネル903aに固定されるので、クリップ保持部44はその配管固定クリップ92を介してボデーパネル903aに固定されることになる。そして、クリップ保持部44と室外凝縮部16は1つの管状部材12に含まれるので、その管状部材12の剛性により、室外凝縮部16は、ボデーパネル903aに対し押し当てられた状態で固定されている。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(第19実施形態)
次に、第19実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第2実施形態と異なる点を主として説明する。
次に、第19実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第2実施形態と異なる点を主として説明する。
図27に示すように、室外凝縮部16が凝縮熱拡散板103を介してボデーパネル903aに固定されるという点は本実施形態でも第2実施形態と同様である。しかし、本実施形態では、ボデーパネル903aに対する凝縮熱拡散板103の固定方法が第2実施形態と異なっている。
具体的に、本実施形態の凝縮熱拡散板103は、室外凝縮フィン904を挟んだ両側に配置された複数の係止爪103eを有している。この係止爪103eは、図7のボルト903bおよびナット903gに替わるものであるので、本実施形態では、そのボルト903bおよびナット903gは設けられていない。
図27に示すように、複数の係止爪103eはそれぞれ、エンジンルーム90f側へ突き出るように設けられている。そして、その係止爪103eはそれぞれ、ボデーパネル903aのうちボデー貫通孔903dを形成する孔周縁部903kに係止されている。これによって、凝縮熱拡散板103はボデーパネル903aに固定されている。なお、凝縮熱拡散板103とボデーパネル903aとの間は、凝縮熱拡散板103の全周にわたって不図示のグロメットによりシールされている。
以上説明したことを除き、本実施形態は第2実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第2実施形態と共通の構成から奏される効果を第2実施形態と同様に得ることができる。
(第20実施形態)
次に、第20実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
次に、第20実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
冷却装置10は凝縮熱拡散板103を備えていてもよいが、図28に示すように、本実施形態の冷却装置10は凝縮熱拡散板103を備えていない。そして、室外凝縮部16はボデーパネル903aに対し、熱伝導シート材もしくはグリスを介して、或いは直接に接触している。
また、本実施形態の室外凝縮部16は、例えばクリップ止めまたはスナップフィット等により空調ケース203に固定されており、その空調ケース203とボデーパネル903aとの間に挟まれるように配置されている。そして、空調ケース203は車両ボデー903に対して固定され、その固定された状態で、矢印AHのように室外凝縮部16をボデーパネル903aに押し当てている。このようにボデーパネル903aに押し当てられた状態で、室外凝縮部16はボデーパネル903aに対して固定されている。
なお、本実施形態の室外凝縮部16は、上記のようにボデーパネル903aに対して固定されるので、その固定方法はナット止めではない。従って、図3のボルト903bおよびナット903gは、本実施形態では設けられていない。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(第21実施形態)
次に、第21実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第20実施形態と異なる点を主として説明する。
次に、第21実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第20実施形態と異なる点を主として説明する。
図29に示すように、本実施形態では、第20実施形態と同様に、室外凝縮部16は、ボデーパネル903aに押し当てられた状態で、ボデーパネル903aに対して固定されている。しかし、室外凝縮部16は、空調ケース203に固定されていない。そして、その室外凝縮部16をボデーパネル903aに押し当てる方法が、本実施形態では第20実施形態と異なっている。
具体的に本実施形態では、組電池BPは、車両ボデー903に対してボルト止め等により強固に固定されている。そして、密閉容器101の蒸発部14が組電池BPに取り付けられ固定されている。この組電池BPに対する密閉容器101の固定により、密閉容器101全体が保持されている。そして、その組電池BPに対する密閉容器101の固定により、その密閉容器101に含まれる室外凝縮部16は、ボデーパネル903aに押し当てられ、そのボデーパネル903aに対して固定されている。
以上説明したことを除き、本実施形態は第20実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第20実施形態と共通の構成から奏される効果を第20実施形態と同様に得ることができる。
(第22実施形態)
次に、第22実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第2実施形態と異なる点を主として説明する。
次に、第22実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第2実施形態と異なる点を主として説明する。
図30に示すように、本実施形態では、組電池BPは、車両ボデー903に対してボルト止め等により強固に固定されている。そして、密閉容器101の蒸発部14が組電池BPに取り付けられ固定されている。この組電池BPに対する密閉容器101の固定により、密閉容器101全体が保持されている。
すなわち、本実施形態では、室外凝縮部16はボデーパネル903aに固定されていない。その替わりに、室外凝縮部16は、組電池BPに対して固定されている。そして、その組電池BPは、第2実施形態でも同様であるが、車室空間90a内に設けられた部材である。更に言えば、組電池BPと車両ボデー903との位置関係から、その組電池BPは、車室空間90a周りの車両ボデー903に対し車室空間90a側に設けられた部材でもある。
また、凝縮熱拡散板103とボデーパネル903aとの間は、凝縮熱拡散板103の全周にわたってグロメット903mによりシールされている。
なお、本実施形態では、上記のように室外凝縮部16はボデーパネル903aに固定されていないので、図7のボルト903bおよびナット903gは設けられていない。
以上説明したことを除き、本実施形態は第2実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第2実施形態と共通の構成から奏される効果を第2実施形態と同様に得ることができる。
(第23実施形態)
次に、第23実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
次に、第23実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図31および図32に示すように、冷却装置10はペルチェ素子46を備えている。すなわち、冷却装置10は、室外凝縮部16からの放熱および室内凝縮部18からの放熱だけでなく、ペルチェ素子46を使って作動流体から外気へ放熱させることが可能となっている。この点において、本実施形態は第1実施形態と異なっている。
具体的には、密閉容器101は、室外凝縮部16と室内凝縮部18との間で管状部材12の一部を構成する室外ペルチェ凝縮部48を有している。従って、その室外ペルチェ凝縮部48は、室外凝縮部16よりも下方で且つ室内凝縮部18よりも上方に位置している。
ペルチェ素子46は、ペルチェ素子46の外部から吸熱する吸熱面461と、ペルチェ素子46の外部へ放熱する放熱面462とを有している。ペルチェ素子46の吸熱面461は室外ペルチェ凝縮部48に対し熱伝導可能に連結され、ペルチェ素子46の放熱面462は凝縮熱拡散板103に対し熱伝導可能に連結されている。
従って、ペルチェ素子46は通電されると、室外ペルチェ凝縮部48内の作動流体から吸熱面461を介して吸熱し、それと同時に、放熱面462から放熱する。そのペルチェ素子46から放熱された熱は、凝縮熱拡散板103とボデーパネル903aと室外凝縮フィン904とに順に伝導し、室外凝縮フィン904から外気へ放散される。これに伴い、室外ペルチェ凝縮部48内の作動流体はペルチェ素子46によって冷却されるので、その作動流体は凝縮する。
室外凝縮フィン904は、第1実施形態と同様に、外気に晒されるようにエンジンルーム90fに設けられ、ボデーパネル903aに対し熱伝導可能となるように固定されている。但し、本実施形態の室外凝縮フィン904は、ボデーパネル903aの厚み方向において室外凝縮部16とペルチェ素子46の放熱面462との両方に対しエンジンルーム90f側で重複するように設けられている。従って、本実施形態の室外凝縮フィン904は、室外凝縮部16とペルチェ素子46の放熱面462との何れからも効率良く外気へ放熱させることが可能である。
このように構成された本実施形態の冷却装置10は、ペルチェ素子46が通電されていない非通電時には、第1実施形態の冷却装置10と同様に作動する。
一方、ペルチェ素子46が通電されている通電時には、密閉容器101のうち室外ペルチェ凝縮部48が最も低温になる。従って、蒸発部14内で蒸発した気相の作動流体は、密閉容器101内で上昇し室外ペルチェ凝縮部48へ到達すると、その室外ペルチェ凝縮部48内の気相の作動流体は室外ペルチェ凝縮部48内で凝縮する。そして、その凝縮した液相の作動流体は、重力の作用により室外ペルチェ凝縮部48から蒸発部14へ流下する。このとき、室外凝縮部16は室外ペルチェ凝縮部48よりも高温であるので、気相の作動流体が室外ペルチェ凝縮部48から室外凝縮部16へ上昇することはなく、室外凝縮部16内では気相の作動流体が滞留したままになる。
なお、管状部材12に沿った室外凝縮部16と室外ペルチェ凝縮部48との間の距離L1(図32参照)は、室外凝縮部16と室外ペルチェ凝縮部48との間の熱伝導を抑制できる所定の長さ以上とされているのが好ましい。ペルチェ素子46の通電時にペルチェ素子46から室外凝縮フィン904へ伝わった熱が、室外凝縮フィン904から室外凝縮部16を経由して室外ペルチェ凝縮部48へ戻ることを抑制するためである。
本実施形態によれば、上記のようにペルチェ素子46が設けられている。そのため、室外凝縮部16および室内凝縮部18から放熱不可能なほど外気および内気の各温度が高温である場合には、ペルチェ素子46を使って作動流体から外気へ放熱させ、それによりその作動流体を凝縮させることが可能である。そして、室外凝縮部16と室内凝縮部18との何れかから放熱可能であれば、ペルチェ素子46に通電することなく、作動流体を凝縮させることが可能である。
従って、ペルチェ素子46の通電と非通電とを適宜切り替えることにより、冷却装置10は効率良く組電池BPを冷却することが可能である。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(第24実施形態)
次に、第24実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
次に、第24実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図33に示すように、冷却装置10はペルチェ素子46を備えている。すなわち、冷却装置10は、室外凝縮部16からの放熱および室内凝縮部18からの放熱だけでなく、ペルチェ素子46を使って作動流体から内気へ放熱させることが可能となっている。この点において、本実施形態は第1実施形態と異なっている。なお、本実施形態のペルチェ素子46は、第23実施形態のペルチェ素子46と同様のものであるが、その配置は、第23実施形態と異なっている。
具体的には、密閉容器101は、室内凝縮部18と蒸発部14との間で管状部材12の一部を構成する室内ペルチェ凝縮部50を有している。従って、その室内ペルチェ凝縮部50は、室内凝縮部18よりも下方で且つ蒸発部14よりも上方に位置している。
ペルチェ素子46の吸熱面461は室内ペルチェ凝縮部50に対し熱伝導可能に連結され、ペルチェ素子46の放熱面462は室内フィン104に対し熱伝導可能に連結されている。
従って、ペルチェ素子46は通電されると、室内ペルチェ凝縮部50内の作動流体から吸熱面461を介して吸熱し、それと同時に、放熱面462から放熱する。そのペルチェ素子46から放熱された熱は室内フィン104へ伝導し、その室内フィン104から内気へ放散される。これに伴い、室内ペルチェ凝縮部50内の作動流体はペルチェ素子46によって冷却されるので、その作動流体は凝縮する。
室内フィン104は、ペルチェ素子46の放熱面462と室内凝縮部18との両方に対し熱伝導可能となるように連結されている。これにより、室内フィン104は、室内凝縮部18内の作動流体から内気への放熱と、ペルチェ素子46から内気への放熱とをそれぞれ促進する。
このように構成された本実施形態の冷却装置10は、ペルチェ素子46が通電されていない非通電時には、第1実施形態の冷却装置10と同様に作動する。
一方、ペルチェ素子46が通電されている通電時には、密閉容器101のうち室内ペルチェ凝縮部50が最も低温になる。従って、蒸発部14内で蒸発した気相の作動流体は、密閉容器101内で上昇し室内ペルチェ凝縮部50へ到達すると、その室内ペルチェ凝縮部50内の気相の作動流体は室内ペルチェ凝縮部50内で凝縮する。そして、その凝縮した液相の作動流体は、重力の作用により室内ペルチェ凝縮部50から蒸発部14へ流下する。
このとき、室外凝縮部16および室内凝縮部18は室内ペルチェ凝縮部50よりも高温であるので、気相の作動流体が室内ペルチェ凝縮部50から室内凝縮部18へ上昇することはない。そのため、密閉容器101内のうち室内ペルチェ凝縮部50よりも上方の部分では、気相の作動流体が滞留したままになる。例えば、その室内ペルチェ凝縮部50よりも上方の部分に含まれる室外凝縮部16内および室内凝縮部18内では、気相の作動流体が滞留したままになる。
なお、管状部材12に沿った室内凝縮部18と室内ペルチェ凝縮部50との間の距離L2は、室内凝縮部18と室内ペルチェ凝縮部50との間の熱伝導を抑制できる所定の長さ以上とされているのが好ましい。ペルチェ素子46の通電時にペルチェ素子46から室内フィン104へ伝わった熱が、室内フィン104から室内凝縮部18を経由して室内ペルチェ凝縮部50へ戻ることを抑制するためである。
本実施形態によれば、上記のようにペルチェ素子46が設けられている。従って、第23実施形態と同様に、ペルチェ素子46の通電と非通電とを適宜切り替えることにより、冷却装置10は効率良く組電池BPを冷却することが可能である。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(他の実施形態)
(1)上述の第1実施形態では図3に示すように、蒸発部14と室外凝縮部16と室内凝縮部18はそれぞれ管状部材12の一部として構成されているが、それらの何れかが、管状部材12とは別の部材で構成されていても差し支えない。
(1)上述の第1実施形態では図3に示すように、蒸発部14と室外凝縮部16と室内凝縮部18はそれぞれ管状部材12の一部として構成されているが、それらの何れかが、管状部材12とは別の部材で構成されていても差し支えない。
(2)上述の第1実施形態の図1および図2では、組電池BPおよび蒸発部14は座席901の下に配置されているが、センターコンソール内の空間またはラゲージルームなど他の場所に配置されても差し支えない。
(3)上述の各実施形態では図2等に示すように、室外凝縮部16が取り付けられるボデーパネル903aは、車両上下方向DR2に延びる縦壁状であるが、その室外凝縮部16の取付け相手であるボデーパネル903aの向き又は姿勢に制限はない。
(4)上述の各実施形態では図2等に示すように、室外凝縮部16はエンジンルーム90f内の外気へ放熱するように配置されているが、室外凝縮部16は、エンジンルーム90f以外の空間内にある外気へ放熱するように配置されても差し支えない。例えば、室外凝縮部16がラゲージルーム内に配置された場合には、車室空間90aの外のうち後輪近傍の空間内にある外気へ放熱されることが想定される。すなわち、室外凝縮部16の取付け相手であるボデーパネル903aの配置場所は種々想定されるということである。
(5)上述の各実施形態において、室内凝縮部18は、車両上下方向DR2に延びる扁平断面形状を有してはいないが、それに限定されるわけではない。すなわち、室内凝縮部18は、例えば図5の室外凝縮部16と同様に斜め横向きに延びるように配置されるのであれば、図4に示す室外凝縮部16と同様の扁平断面形状を有していてもよい。
また、管状部材12のうち熱交換を目的としない単なる途中配管においても、車両上下方向DR2に延びる扁平断面形状を有していてもよい。そのようにすれば、その途中配管の中において、上方に気相の作動流体、下方に液相の作動流体として気液分離されやすくなり、途中配管における作動流体の流通が良好になる。
(6)上述の各実施形態では図4に示すように、蒸発部14と室外凝縮部16はそれぞれ、車両上下方向DR2に延びる扁平断面形状を有しているが、これは一例である。例えば、蒸発部14と室外凝縮部16との一方または両方の断面形状が、扁平断面形状以外の形状、例えば矩形断面形状または円形断面形状などであることも想定される。
(7)上述の各実施形態では図4に示すように、蒸発部14内および室外凝縮部16内には内部フィンは設けられていないが、蒸発部14内および室外凝縮部16内に内部フィンが設けられていても差し支えない。内部フィンが設けられていれば、熱交換性能の向上を期待することができる。すなわち、サーモサイフォンにおいて作動流体の蒸発が活発になり、冷却装置10の冷却能力が向上する。
(8)上述の第1実施形態の図2等の図示では、上下管部19は、車両上下方向DR2と平行に延びているが、車両上下方向DR2に対し多少傾斜していても差し支えない。上下管部19が車両上下方向DR2に延びるように配置されていることに変わりないからである。
(9)上述の第1実施形態では図2および図3に示すように、室外凝縮フィン904が設けられているが、室外凝縮フィン904は無くても差し支えない。車両ボデー903は外気に晒されているので、車両ボデー903は、室外凝縮フィン904が無くても外気へ伝熱可能だからである。
(10)上述の各実施形態において、図6の室内凝縮部18内に設けられた案内部191は管状部材12とは別体の部品であるが、案内部191は管状部材12の一部分として形成されていても差し支えない。また、案内部191が無いことも考え得る。
(11)上述の各実施形態において、図6の室内凝縮部18内に設けられた案内部191は内部フィンであるが、これは一例である。例えば、その図6の内部フィンに替えて、螺旋状に延びる溝が上下管部19の内壁192に設けられ、その螺旋状の溝が、液相の作動流体を案内する案内部191として機能する構成も想定される。
(12)上述の第1実施形態では図3に示すように、管状部材12の各管端部121、122は、ロウ付けまたは封止栓により気密に閉塞されているが、これは一例である。例えば、それらの管端部121、122の一方または両方に、ロウ付けまたは封止栓に替わる管端設置部品が組み付けられていても差し支えない。その管端設置部品としては、例えば、リリーフ弁、密閉容器101内に作動流体を充填するためのチャージ弁、密閉容器101内の作動流体の物理量(例えば温度または圧力)を検出する物理量センサなどを挙げることができる。
また、管状部材12の各管端部121、122は何れも車室空間90a内に配置されているが、これは一例である。例えば車両ボデー903に貫通孔が設けられ、それらの管端部121、122の一方または両方は、その貫通孔を通って車室空間90aの外へ導出された状態で、その車室空間90aの外に配置されてもよい。
(13)上述の第4実施形態では図9に示すように、冷媒配管凝縮部24が固定される所定吸熱部225は、冷凍サイクル回路22のうち蒸発器201と圧縮機221の吸入口221bとをつなぐ配管部材の一部であるが、これは一例である。例えば、その所定吸熱部225は、蒸発器201の一部であってもよい。要するに、その所定吸熱部225は、冷凍サイクル回路22のうち、膨張弁223から流出した冷媒が圧縮機221へ吸入されるまでの低圧冷媒流路の一部を形成していればよい。その低圧冷媒流路には、膨張弁223で減圧された低圧低温の冷媒が流通するからである。
(14)上述の各実施形態では、冷却装置10において作動流体を凝縮させるための放熱先として、外気、内気、空調ユニット20のドレン水Wd、および、冷凍サイクル回路22に流れる上記低圧低温の冷媒が示されているが、これらは一例である。例えば、作動流体を凝縮させるための放熱先は、冷却水、空調ユニット20から吹き出される冷風、ペルチェ素子であってもよい。また、これらの放熱先は、室外凝縮部16内の作動流体から熱を受ける外気とは別の放熱先であるドレン水Wdに替えて、又はそれと共に、その別の放熱先とされてもよい。
また、上記のように作動流体を凝縮させるための放熱先を複数挙げることができるが、例えば個々の放熱先毎に、その放熱先が作動流体から吸熱して凝縮させる吸熱能力を調整するための凝縮調整装置を、冷却装置10は備えていてもよい。例えば、その凝縮調整装置は全ての放熱先に対して設けられる必要はなく、複数の放熱先のうちの何れかに対して設けられるだけでもよい。
そのように設けられる凝縮調整装置は、例えば組電池BPの温度と放熱先の媒体温度に応じて、放熱先の上記吸熱能力を調整する。具体的なその吸熱能力の調整方法としては、外気または内気の送風風量の調整、送風切替ドアによる送風量調整を挙げることができる。更に、その吸熱能力の調整方法として、空調ユニット20による冷却能力の調整、冷却水ポンプの吐出量調整や冷却用ラジエータファンの風量調整、ペルチェ素子の放熱側への送風量の調整やペルチェ冷却電力の調整等も挙げることができる。
(15)上述の第8実施形態では図14に示すように、室外凝縮部16の放熱先は外気であり、室内凝縮部18の放熱先は内気であるので、互いに放熱先は異なるが、それに限らず、例えば、その互いに放熱先が同じとされていることも考え得る。
(16)上述の第8実施形態では図14に示すように、冷却装置10は2つの管状部材12を有しているが、これは一例である。例えば、冷却装置10は、その2つの管状部材12に替えて、図14の第1蒸発管部141の下端と第2蒸発管部142の下端とが互いに連結されたU字状の1本の管状部材12を有していてもよい。
(17)上述の各実施形態では図2等に示すように、室外凝縮部16は、車室空間90a内に配置されているが、車室空間90a以外の空間に配置されることも考え得る。例えば、車室空間90aでの作業により容易に取外し可能な凝縮部カバーが室外凝縮部16周りに取り付けられ、室外凝縮部16の配置空間が、その凝縮部カバーによって車室空間90aに対し隔てられた空間とされていてもよい。このようにしたとしても、室外凝縮部16は、車両ボデー903に対する車室空間90a側から着脱可能だからである。
(18)上述の各実施形態では図1および図2に示すように、組電池BP、蒸発熱拡散板102、および蒸発部14は、車室空間90a内に配置されているが、車室空間90a以外の空間に配置されることも考え得る。例えば図34に示すように、組電池BP、蒸発熱拡散板102、および蒸発部14は、電池カバー42によって車室空間90aに対し隔てられた電池用空間90g内に配置されてもよい。その電池カバー42は、取外し可能であるので、車室空間90aに対し開放可能な仕切部材として設けられている。
また、電池用空間90gは、電池カバー42によって車室空間90aに対し隔てられることで座席空間90bに対し空気の流通が阻止された空間になっている。従って、電池用空間90gは、座席空間90bに対し空気の流通が阻止された非連通空間90eに該当する。
なお、電池カバー42において管状部材12が電池カバー42を貫通した貫通部分がある場合には、その貫通部分における管状部材12と電池カバー42との間の隙間が、例えばシールグロメットにより封止される。
また、図34の電池用空間90gは車室空間90aに含まれないので、その電池用空間90g内に配置された組電池BPは、車室空間90a内に設けられた部材ではない。しかしながら、その組電池BPは、車両ボデー903と電池用空間90gと車室空間90aとの位置関係から、車室空間90a周りの車両ボデー903に対し車室空間90a側に設けられた部材ではある。
(19)上述の第5実施形態において、室外配置部30が通過可能な大きさのボデー貫通孔903fが車両ボデー903に形成されているが、車両ボデー903に直接形成されている必要はない。そのボデー貫通孔903fは、車両ボデー903に対して設けられた貫通孔であればよい。その車両ボデー903に対して設けられた貫通孔とは、車両ボデー903に直接形成された貫通孔だけでなく、車両ボデー903に間接的に形成された貫通孔も含んだ意味である。そして、その車両ボデー903に間接的に形成された貫通孔とは、例えば車両ボデー903と一体的に設けられたボデー一体部品に形成された貫通孔である。
(20)上述の各実施形態では例えば図2に示すように、冷却装置10により冷却される対象機器は組電池BPであるが、これは一例である。その対象機器は、組電池BPに限らず、例えば、発熱する電子制御装置または電気機器などであっても差し支えない。
(21)上述の各実施形態では、管状部材12の材料として、例えば継目無管が採用されるが、管状部材12の材料はこれに限定されるわけではない。例えば、密閉容器101を構成する管状部材12の材料として、継目無管のほか、UO管、スパイラル管、または、板巻き管を採用することもできる。そのUO管、スパイラル管、および、板巻き管は何れも、管状に形成されるために必要な継ぎ目である必須継ぎ目12a(図35参照)を有する管材料である。なお、図35には、スパイラル管が図示されている。
(22)上述の第20実施形態では、図28に示す室外凝縮部16は、例えばクリップ止めまたはスナップフィット等により空調ケース203に固定されているが、そのような固定が為されていないことも想定できる。例えばクリップ止め等による空調ケース203への室外凝縮部16の固定は無く、室外凝縮部16は空調ケース203とボデーパネル903aとに挟まれ且つ押圧されていることにより、空調ケース203とボデーパネル903aと対して保持されていてもよい。
(23)上述の第2実施形態では図7に示すように、室外凝縮部16は、ボデーパネル903aに対して固定されるが、そのボデーパネル903aに対して固定されていなくてもよい。例えば、室外凝縮部16は、インストルメントパネル902や空調ケース203(図2参照)に対して固定されてもよい。このインストルメントパネル902と空調ケース203はそれぞれ、図2に示すように、車室空間90a内に設けられた部材である。そして、インストルメントパネル902と空調ケース203はそれぞれ、車両ボデー903との位置関係から、車室空間90a周りの車両ボデー903に対し車室空間90a側に設けられた部材でもある。
(24)なお、本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。
また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
(まとめ)
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、冷却装置の室外凝縮部は、密閉容器の一部を構成し、蒸発部よりも上方に配置される。室外凝縮部は、車室空間周りの車両ボデーに対しその車室空間側に配置され、その車両ボデーに対し車室空間側に設けられた部材または車両ボデーに対して固定され、且つ、蒸発部で気化した作動流体から外気へ放熱させることによりその作動流体を凝縮させる。
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、冷却装置の室外凝縮部は、密閉容器の一部を構成し、蒸発部よりも上方に配置される。室外凝縮部は、車室空間周りの車両ボデーに対しその車室空間側に配置され、その車両ボデーに対し車室空間側に設けられた部材または車両ボデーに対して固定され、且つ、蒸発部で気化した作動流体から外気へ放熱させることによりその作動流体を凝縮させる。
また、第2の観点によれば、室外凝縮部は、車両ボデーに対して固定されるものである。そして、室外凝縮部は、車両ボデーに対して固定されることにより外気に対し伝熱可能になる。このようにすれば、車両ボデーを隔てた車室空間の外側から車室空間側へ外気を取り込むことを必要とせずに、室外凝縮部から車室空間の外の外気へ放熱することが可能である。従って、室外凝縮部を介した外気への放熱により対象機器を冷却することを可能としつつ、対象機器を車両ボデーに対する車室空間側に配置することを簡易な構造で実現できる。
また、第3の観点によれば、室外凝縮部は、その室外凝縮部内の作動流体から車両ボデーを介して外気へ放熱させる。そして、室外凝縮部は、車両ボデーに対し熱伝導可能となるようにその車両ボデーの車室空間側の面に固定され、これにより、室外凝縮部は外気に対し伝熱可能になる。従って、車両ボデーを伝熱経路の一部として活用し、室外凝縮部を、簡易な組付け構造で、車両ボデーに対する車室空間側に配置することが可能である。
また、第4の観点によれば、車両は、室外凝縮部内の作動流体から外気への放熱を促進する室外凝縮フィンを備える。その室外凝縮フィンは、外気に晒されるように車室空間の外に設けられ、車両ボデーに対し熱伝導可能となるように固定されている。従って、室外凝縮部において作動流体を凝縮させる凝縮能力の向上を図ることが可能である。
また、第5の観点によれば、冷却装置は、室外凝縮部が接合された凝縮熱拡散板を備える。そして、室外凝縮部は、その凝縮熱拡散板を介して車両ボデーの車室空間側の面に固定される。従って、室外凝縮部と車両ボデーとの間での伝熱に寄与する伝熱面積を容易に大きくすることが可能である。そして、室外凝縮部と車両ボデーとの間での伝熱性能を損なわないようにしつつ、室外凝縮部の形状を、単なる管形状など単純な形状にすることが容易である。
また、第6の観点によれば、冷却装置は、外気に晒されるように車室空間の外に設けられ、室外凝縮部内の作動流体から外気への放熱を促進する室外凝縮フィンを備える。車両ボデーには、その車両ボデーを貫通したボデー貫通孔が形成され、室外凝縮フィンは、そのボデー貫通孔を車室空間側とは反対側から塞ぐように車両ボデーに対して固定される。また、室外凝縮部は、室外凝縮フィンに対し熱伝導可能となるようにボデー貫通孔内を介して室外凝縮フィンの車室空間側に固定され、これにより、室外凝縮部は外気に対し伝熱可能になる。従って、ボデー貫通孔から車室空間内への水の浸入を室外凝縮フィンで防止すると共に、室外凝縮部を、簡易な組付け構造で車両ボデーに対する車室空間側に配置することが可能である。
また、第7の観点によれば、冷却装置は、一面を有し室外凝縮部が接合された凝縮熱拡散板と、その凝縮熱拡散板の一面に接合され、室外凝縮部内の作動流体から外気への放熱を促進する室外凝縮フィンとを備える。車両ボデーには、その車両ボデーを貫通したボデー貫通孔が形成される。また、室外凝縮フィンがボデー貫通孔を通って車室空間の外に露出する状態で、凝縮熱拡散板は車室空間側からボデー貫通孔を塞ぐように車両ボデーに対して固定され、これにより、室外凝縮部は外気に対し伝熱可能になる。従って、室外凝縮部を、簡易な組付け構造で車両ボデーに対する車室空間側に配置することが可能である。
また、第8の観点によれば、凝縮熱拡散板の一面は、室外凝縮フィンが接合された部位を囲むように位置するフィン周辺部を有する。そのフィン周辺部は、車両ボデーのうちボデー貫通孔の周囲を構成するボデー孔周囲部に押し当てられ、これにより、そのボデー孔周囲部とフィン周辺部との間をシールする。従って、ボデー貫通孔から車室空間内への水の浸入を凝縮熱拡散板で防止することが可能である。
また、第9の観点によれば、蒸発部および対象機器は、車室空間内、または、その車室空間に対し開放可能な仕切部材によって隔てられた空間内に配置される。そして、室外凝縮部は、車両ボデーから取外しできるようにその車両ボデーに対して固定される。従って、室外凝縮部および蒸発部を含む密閉容器を、車両ボデーに対する車室空間側から着脱可能なように容易に構成することが可能である。
また、第10の観点によれば、室外配置部は、密閉容器の一部を構成し、車両ボデーに対して設けられた貫通孔を通って車室空間の外へ導出された状態でその車室空間の外に配置される。蒸発部および対象機器は、車室空間内、または、その車室空間に対し開放可能な仕切部材によって隔てられた空間内に配置される。室外凝縮部は、車両ボデーから取外しできるようにその車両ボデーに対して固定される。そして、貫通孔は、室外配置部がその貫通孔内を通過可能な大きさに形成されている。従って、密閉容器を車両ボデーから取り外す際に、その貫通孔を通して室外配置部を車室空間の外から車室空間側へ取り込むことが可能である。そのため、その室外配置部を含む密閉容器全体を、車両ボデーに対する車室空間側へ取外し可能なように容易に構成することが可能である。
また、第11の観点によれば、室外凝縮部は、外気とは別の放熱先へも作動流体から放熱可能なように構成されている。従って、例えば外気温度が高いこと等により室外凝縮部から外気へ放熱されにくい場合においても、上記別の放熱先により室外凝縮部からの放熱を促進することが可能である。
また、第12の観点によれば、冷却装置が備える他の凝縮部は、密閉容器の一部を構成し、蒸発部よりも上方に配置され、作動流体から外気以外の所定放熱先へ放熱させることにより作動流体を凝縮させる。従って、例えば外気温度が高いこと等により室外凝縮部から外気へ放熱できない場合においても、サーモサイフォンの作動を維持することが可能である。
また、第13の観点によれば、密閉容器は管状部材を有する。そして、蒸発部と上記他の凝縮部と室外凝縮部とのうちの少なくとも何れかは、その管状部材の一部として構成されている。従って、管状部材を主とした簡単な構造のものでサーモサイフォンを成立させることが可能である。
また、第14の観点によれば、密閉容器は管状部材を有する。また、上記他の凝縮部は、作動流体から所定放熱先としての内気へ放熱させることにより作動流体を凝縮させる室内凝縮部である。蒸発部と他の凝縮部と室外凝縮部は、管状部材の一部としてそれぞれ構成され、下方から蒸発部、他の凝縮部、室外凝縮部の順番で配置される。そして、室外凝縮部の下端は他の凝縮部の上端に連結し、蒸発部の上端は他の凝縮部の下端に連結している。従って、蒸発部と、他の凝縮部である室内凝縮部と、室外凝縮部とを、蒸発部、室内凝縮部、室外凝縮部の順に直列に連結して例えば1本の管状部材に設けることが可能である。また、この並び順から、蒸発部で蒸発した気相の作動流体は室外凝縮部へ達する前に室内凝縮部に到達するので、外気が高温である場合に外気熱害を防止して、室内凝縮部で効率良く作動流体を凝縮することが可能である。
また、第15の観点によれば、冷却装置が備える上下管部は、管状部材の一部として構成され、車両の上下方向に延びるように配置される。そして、上下管部は、その上下管部の内壁に接する液相の作動流体がその内壁に沿って旋回しつつ流下するように液相の作動流体を案内する螺旋状の案内部を有している。従って、上下管部内では、液相の作動流体は環状流となって下降する。それと共に、気相の作動流体は、その環状流の内側(例えば、上下管部の管中心およびその近傍)にて上昇する。これにより、上下管部内では作動流体の気液分離性が向上するので、冷却装置の冷却性能を向上させることが可能である。
また、第16の観点によれば、上下管部は上記他の凝縮部を含み、上記案内部は、内壁から径方向内側へ突き出た内部フィンで構成され、上記他の凝縮部にまで及んでいる。従って、上述した液相の作動流体を案内する機能に加え、上記他の凝縮部における作動流体の熱交換を促進する機能を案内部に持たせることが可能である。その結果として、冷却装置の性能向上と構造簡素化との両立を図ることが可能である。
また、第17の観点によれば、蒸発部と上記他の凝縮部と室外凝縮部との少なくとも何れかのうち管状部材の一部として構成された扁平管部は、車両の上下方向よりも車両の水平方向に近い角度で車両の水平方向に対し傾斜して延びるように配置される。そして、その扁平管部は、車両の上下方向に延びる扁平断面形状を有する。従って、その扁平管部内で作動流体の気液分離性が良好になる。例えば、その扁平管部が上記他の凝縮部または室外凝縮部であれば、扁平管部内の気相の作動流体から放熱先へ伝熱させるための伝熱面積を大きくしやすく、良好な凝縮性能を得ることが可能である。また、その扁平管部が蒸発部であれば、対象機器から蒸発部内の液相の作動流体へ伝熱させるための伝熱面積を大きくしやすく、良好な冷却性能を得ることが可能である。
また、第18の観点によれば、上記所定放熱先は、空調ユニットに用いられる冷凍サイクル回路のうちの所定吸熱部内を流れる冷媒である。上記他の凝縮部は、上記所定吸熱部の下方に配置され、且つ、その所定吸熱部に対し熱伝導可能となるように固定される。また、上記所定吸熱部は、冷凍サイクル回路のうち、膨張弁から流出した冷媒が圧縮機へ吸入されるまでの冷媒流路の一部を形成する。
従って、所定吸熱部内で液冷媒およびオイルは下方に偏って多く流れるので、上記他の凝縮部内の作動流体からその液冷媒およびオイルへ放熱させやすくなる。また、上記他の凝縮部内では、液相の作動流体よりも気相の作動流体の方が、上方にある所定吸熱部側へ偏りやすい。このようなことから、所定吸熱部のうち吸熱しやすい部位を優先的に利用して、上記他の凝縮部の凝縮性能を大きくすることが可能である。
また、第19の観点によれば、冷却装置は、第1蒸発部としての上記蒸発部のほかに、密閉容器の一部を構成する第2蒸発部を備える。その第2蒸発部は、対象機器よりも高温になることが許容され発熱する発熱機器から作動流体に吸熱させることにより作動流体を蒸発させる。また、第2蒸発部は、第1蒸発部よりも上方で、且つ、サーモサイフォンの非作動時に密閉容器内に形成される作動流体の液面よりも下方に配置される。
従って、第2蒸発部では、液相の作動流体に発熱機器の熱を吸熱させやすく、その作動流体を良好に蒸発させることができる。そして、発熱機器の熱により第2蒸発部で発生した気泡を、第1蒸発部ではなく室外凝縮部へ流出させることができる。すなわち、その発熱機器の熱により発生した気泡が対象機器へ放熱することを防止することができる。
Claims (19)
- 車両(90)に搭載され、密閉容器(101)内に封入された作動流体の液相と気相との相変化により熱移動を行うサーモサイフォンとして構成され、該熱移動により対象機器(BP)を冷却する冷却装置であって、
前記密閉容器の一部を構成し、前記対象機器から前記作動流体に吸熱させることにより前記作動流体を蒸発させる蒸発部(14)と、
前記密閉容器の一部を構成し、前記蒸発部よりも上方に配置され、車室空間(90a)周りの車両ボデー(903)に対し該車室空間側に配置され、該車両ボデーに対し該車室空間側に設けられた部材(203、902、BP)または前記車両ボデーに対して固定され、且つ、前記蒸発部で気化した前記作動流体から外気へ放熱させることにより該作動流体を凝縮させる室外凝縮部(16)とを備えている、冷却装置。 - 前記室外凝縮部は、
前記車両ボデーに対して固定されるものであり、
該車両ボデーに対して固定されることにより外気に対し伝熱可能になる、請求項1に記載の冷却装置。 - 前記室外凝縮部は、該室外凝縮部内の前記作動流体から前記車両ボデーを介して外気へ放熱させ、
前記室外凝縮部は、前記車両ボデーに対し熱伝導可能となるように該車両ボデーの前記車室空間側の面(903c)に固定され、これにより、前記室外凝縮部は外気に対し伝熱可能になる、請求項2に記載の冷却装置。 - 前記車両は、前記室外凝縮部内の前記作動流体から外気への放熱を促進する室外凝縮フィン(904)を備え、
該室外凝縮フィンは、外気に晒されるように前記車室空間の外に設けられ、前記車両ボデーに対し熱伝導可能となるように固定されている、請求項3に記載の冷却装置。 - 前記室外凝縮部が接合された凝縮熱拡散板(103)を備え、
前記室外凝縮部は、前記凝縮熱拡散板を介して前記車両ボデーの前記車室空間側の面に固定される、請求項3または4に記載の冷却装置。 - 外気に晒されるように前記車室空間の外に設けられ、前記室外凝縮部内の前記作動流体から外気への放熱を促進する室外凝縮フィン(904)を備え、
前記車両ボデーには、該車両ボデーを貫通したボデー貫通孔(903d)が形成され、
前記室外凝縮フィンは、前記ボデー貫通孔を前記車室空間側とは反対側から塞ぐように前記車両ボデーに対して固定され、
前記室外凝縮部は、前記室外凝縮フィンに対し熱伝導可能となるように前記ボデー貫通孔内を介して該室外凝縮フィンの前記車室空間側に固定され、これにより、前記室外凝縮部は外気に対し伝熱可能になる、請求項2に記載の冷却装置。 - 一面(103a)を有し、前記室外凝縮部が接合された凝縮熱拡散板(103)と、
該凝縮熱拡散板の前記一面に接合され、前記室外凝縮部内の前記作動流体から外気への放熱を促進する室外凝縮フィン(904)とを備え、
前記車両ボデーには、該車両ボデーを貫通したボデー貫通孔(903d)が形成され、
前記室外凝縮フィンが前記ボデー貫通孔を通って前記車室空間の外に露出する状態で、前記凝縮熱拡散板は前記車室空間側から前記ボデー貫通孔を塞ぐように前記車両ボデーに対して固定され、これにより、前記室外凝縮部は外気に対し伝熱可能になる、請求項2に記載の冷却装置。 - 前記凝縮熱拡散板の前記一面は、前記室外凝縮フィンが接合された部位を囲むように位置するフィン周辺部(103d)を有し、
該フィン周辺部は、前記車両ボデーのうち前記ボデー貫通孔の周囲を構成するボデー孔周囲部(903e)に押し当てられ、これにより、該ボデー孔周囲部と前記フィン周辺部との間をシールする、請求項7に記載の冷却装置。 - 前記蒸発部および前記対象機器は、前記車室空間内、または、該車室空間に対し開放可能な仕切部材(42)によって隔てられた空間(90g)内に配置され、
前記室外凝縮部は、前記車両ボデーから取外しできるように該車両ボデーに対して固定される、請求項2ないし8のいずれか1つに記載の冷却装置。 - 前記密閉容器の一部を構成し、前記車両ボデーに対して設けられた貫通孔(903d、903f)を通って前記車室空間の外へ導出された状態で該車室空間の外に配置される室外配置部(30)を備え、
前記蒸発部および前記対象機器は、前記車室空間内、または、該車室空間に対し開放可能な仕切部材(42)によって隔てられた空間(90g)内に配置され、
前記室外凝縮部は、前記車両ボデーから取外しできるように該車両ボデーに対して固定され、
前記貫通孔は、前記室外配置部が該貫通孔内を通過可能な大きさに形成されている、請求項2ないし5のいずれか1つに記載の冷却装置。 - 前記室外凝縮部は、外気とは別の放熱先へも前記作動流体から放熱可能なように構成されている、請求項2ないし10のいずれか1つに記載の冷却装置。
- 前記密閉容器の一部を構成し、前記蒸発部よりも上方に配置され、前記作動流体から外気以外の所定放熱先へ放熱させることにより前記作動流体を凝縮させる他の凝縮部(18、24)を備える、請求項2ないし11のいずれか1つに記載の冷却装置。
- 前記密閉容器は管状部材(12)を有し、
前記蒸発部と前記他の凝縮部と前記室外凝縮部とのうちの少なくとも何れかは、前記管状部材の一部として構成されている、請求項12に記載の冷却装置。 - 前記密閉容器は管状部材(12)を有し、
前記他の凝縮部(18)は、前記作動流体から前記所定放熱先としての内気へ放熱させることにより前記作動流体を凝縮させる室内凝縮部であり、
前記蒸発部と前記他の凝縮部と前記室外凝縮部は、前記管状部材の一部としてそれぞれ構成され、下方から前記蒸発部、前記他の凝縮部、前記室外凝縮部の順番で配置され、
前記室外凝縮部の下端(16b)は前記他の凝縮部の上端(18a)に連結し、
前記蒸発部の上端(14a)は前記他の凝縮部の下端(18b)に連結している、請求項12に記載の冷却装置。 - 前記所定放熱先は、空調ユニット(20)に用いられる冷凍サイクル回路(22)のうちの所定吸熱部(225)内を流れる冷媒であり、
前記他の凝縮部は、前記所定吸熱部の下方に配置され、且つ、該所定吸熱部に対し熱伝導可能となるように固定され、
前記所定吸熱部は、前記冷凍サイクル回路のうち、膨張弁(223)から流出した前記冷媒が圧縮機(221)へ吸入されるまでの冷媒流路の一部を形成する、請求項12または13に記載の冷却装置。 - 前記管状部材の一部として構成され、前記車両の上下方向(DR2)に延びるように配置される上下管部(19)を備え、
該上下管部は、該上下管部の内壁(192)に接する液相の前記作動流体が該内壁に沿って旋回しつつ流下するように液相の前記作動流体を案内する螺旋状の案内部(191)を有している、請求項13または14に記載の冷却装置。 - 前記上下管部は前記他の凝縮部を含み、
前記案内部は、前記内壁から径方向内側へ突き出た内部フィンで構成され、前記他の凝縮部にまで及んでいる、請求項16に記載の冷却装置。 - 前記蒸発部と前記他の凝縮部と前記室外凝縮部との少なくとも何れかのうち前記管状部材の一部として構成された扁平管部は、前記車両の上下方向よりも該車両の水平方向に近い角度で該車両の水平方向に対し傾斜して延びるように配置され、且つ、前記車両の上下方向に延びる扁平断面形状を有する、請求項13、14、16のいずれか1つに記載の冷却装置。
- 第1蒸発部としての前記蒸発部のほかに、前記密閉容器の一部を構成する第2蒸発部(32)を備え、
該第2蒸発部は、
前記対象機器よりも高温になることが許容され発熱する発熱機器(91)から前記作動流体に吸熱させることにより前記作動流体を蒸発させ、
前記第1蒸発部よりも上方で、且つ、前記サーモサイフォンの非作動時に前記密閉容器内に形成される前記作動流体の液面(SF)よりも下方に配置される、請求項2ないし18のいずれか1つに記載の冷却装置。
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