JP4516709B2 - 屋根瓦 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋根瓦の野地板への固定手段に係り、詳しくは、施工後における損傷屋根材の新品屋根材への交換作業を簡単化しながらも、交換後の屋根材をしっかりと野地板に固定できるようにする技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の屋根材は、上側の屋根材が重ねられる部分である上端側(棟側)において野地板や横桟に釘打ちするのが一般的な固定手段であった。つまり、屋根材は最も下側(軒側)のものから上側(棟側)へという順番で屋根に施工して行くに好適なものであり、施工後には留め釘が一切見えないように屋根材どうしが重ねられ、良好な外観を呈するようにされている。この場合には、図3(イ)に示すように、瓦面に対して直交する方向に釘打ちされる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、台風による被害や屋根上歩行等によって屋根材が破損したために、正常な屋根材に交換することを考えた場合、交換後の屋根材を新設時のようにしっかりとは固定し難い状況があった。即ち、前述したように、通常、留め釘は屋根材の面に対して直交する方向に打ち込まれているので、その上に上側の屋根材が重なっている施工済みの状態では、先ず、打込まれた留め釘を抜き出せないことから、バール等を用いて留め釘をせん断破断させることにより、損傷している屋根材を抜き出して除去する。
【0004】
それから、新品等の正常な屋根材を損傷屋根材の嵌まっていた位置に差し入れて、その屋根材上端部(瓦尻)を横桟に引掛ける正規の位置に挿入しただけの状態で良しとするか、或いは、もう少し強固に敷設したい場合には、屋根材上端部や合決り部に接着剤を塗って差し込む手段が採られることがあったが、いずれにしても上側の屋根材が邪魔になって釘打ちできないものであり、屋根を葺くときのように釘打ちしてしっかりと固定することができない点で改善の余地が残されているものであった。
【0005】
本発明の目的は、屋根材の構造工夫により、屋根材敷設後における交換時等において、交換後の屋根材を、新しい屋根の施工時と同様にしっかりと固定できるようにする点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
〔構成〕
請求項1の構成は、図1〜図3に例示する如く、屋根瓦1において、隣接する屋根瓦1との重なり部分に形成される留付け用釘孔又は留付け用ビス孔4a,5a,6aのうちの少なくとも一つ5aを、その孔軸心Pが瓦上面1aに対して軒側に向けて倒れる状態に傾斜させ、留付け用釘孔5aを通して打ち付けられる釘頭部10a、又は留付け用ビス孔を通して螺着されるビス頭部が面接触する座面5zを、孔軸心Pに対して直交又はほぼ直交する状態に形成してあることを特徴とする。
【0007】
請求項1の構成によれば、隣接する屋根瓦との重なり部分に形成される留め付け用釘孔のうちの少なくとも一つを、その孔軸心が瓦上面に対して軒側に向けて倒れる状態に傾斜させてあるので、例えば、棟側にて重なる上側の瓦を少し持ち上げるだけで、この上側の瓦の存在しない範囲に釘又はビスの打込み方向を設定することが可能になる。従って、損傷した瓦を正常な瓦に取り換える際に、その交換後の瓦を釘又はビスを用いてしっかりと固定することが可能になるとともに、その補修等に用いた留め釘やビスを外観上で見えないようにできる。
【0008】
また、打ち付けた釘の頭部や螺着されたビスの頭部が瓦に対して面接触する状態になり、安定良く瓦を押さえ付けて固定できるようになる。例えば、座面が孔軸心に対して傾斜していたり、明確な座面が存在しない場合には、瓦を安定して押し付け固定でき難いとともに、釘頭部やビス頭部の一部分で瓦を押し付けて欠損させるおそれや、釘やビスに余計な曲げモーメントが作用するといった不都合が生じるが、本請求項1によれば、そのような不都合が回避されるようになる。
【0009】
請求項2の構成は、図4、図5に例示する如く、屋根瓦15において、隣接する屋根瓦15との合決り部kにおける下側合決り部分17に留付け用釘孔又は留付け用ビス孔18aを形成し、該留付け用釘孔又は留付け用ビス孔18aを、その孔軸心が瓦上面15aに対して軒側に向けて倒れる状態に傾斜させ、留付け用釘孔5aを通して打ち付けられる釘頭部10a、又は留付け用ビス孔を通して螺着されるビス頭部が面接触する座面18zを、孔軸心に対して直交又はほぼ直交する状態に形成してあることを特徴とする。
【0010】
請求項2の構成によれば、厚板瓦等においては左右方向で重なり合う部分に合決り部を設けるようになり、左右一方の端部には下側合決り部分を、かつ、他方の端部には上側合決り部分を夫々形成することにより、左右に隣合う瓦どうしの間に良好に合決り部を構成することができるようになっている。しかして、下側合決り部分に形成される釘孔又はビス孔を、その孔軸心が瓦上面に対して軒側に向けて倒れる状態に傾斜させてあるので、上側合決り部分を有する瓦を少し持ち上げるだけで、この上側の瓦の存在しない範囲に釘打込み方向を設定することが可能になる。
【0011】
故に、損傷した瓦を正常な瓦に取り換える際に、その交換後の瓦を釘打ちできるので、しっかりと固定することが可能になる。合決り部は瓦の棟と軒とを結ぶ方向(上下方向)に亘って存在することが多いから、瓦をその下半分又は下端部において釘打ち固定することで、上端部のみ留める場合に比べて、よりしっかりと固定することが可能になる。又、その留め釘や留めビスを外観上で見えないようにできる点も好ましい。
【0012】
また、打ち付けた釘の頭部や螺着されたビスの頭部が瓦に対して面接触する状態になり、安定良く瓦を押さえ付けて固定できるようになる。例えば、座面が孔軸心に対して傾斜していたり、明確な座面が存在しない場合には、瓦を安定して押し付け固定でき難いとともに、釘頭部やビス頭部の一部分で瓦を押し付けて欠損させるおそれや、釘やビスに余計な曲げモーメントが作用するといった不都合が生じるが、本請求項2によれば、そのような不都合が回避されるようになる。
【0013】
請求項の構成は、図7〜図9に例示する如く、屋根瓦において、隣接する屋根瓦22との重なり部分に、その孔軸心Pが瓦上面22aに対して軒側に向けて倒れる状態に傾斜する留付け用釘孔24又は留付け用ビス孔を穿孔するための位置決め用凹部25が形成され、前記瓦上面22aに対して棟側に隆起するまたは軒側に倒れるように傾斜し、留付け用釘孔24を通して打ち付けられる釘頭部10a、又は留付け用ビス孔を通して螺着されるビス頭部が面接触する座面22zを形成してあることを特徴とする。
【0014】
請求項の構成によれば、次のような作用がある。前述したように、孔軸心が瓦上面に対して軒側に向けて倒れる状態に傾斜する釘孔又はビス孔を、隣接する屋根瓦との重なり部分に形成すれば、損傷した瓦を正常な瓦に取り換える際に、その交換後の瓦を釘又はビスを用いてしっかりと固定することができるが、実際に屋根瓦の交換が必要となる確率はそう高くないので、予め形成された傾斜孔は、殆どの場合は無駄になることが予測される。加えて、台風や豪雨といった厳しい条件下では、瓦頭よりも瓦尻に寄った箇所にある釘孔やビス孔から水が下方に滲入するという新たな不都合のおそれが生じる。
【0015】
そこで、隣接する屋根瓦との重なり部分に、その孔軸心が瓦上面に対して軒側に向けて倒れる状態に傾斜する留付け用釘孔又は留付け用ビス孔を穿孔するための位置決め用凹部を形成しておくようにすれば、実際に交換された屋根瓦にだけ、位置決め用凹部を用いることで現場にて釘孔又はビス孔を、正確に設定箇所に傾斜した孔を形成することができる。従って、請求項1の構成による前記作用を得ることを可能としながら、釘孔やビス孔が不必要な屋根瓦にまで形成することによる前述の不都合を回避できるようになる。
【0016】
また、打ち付けた釘の頭部や螺着されるビスの頭部が瓦に対して面接触する状態になり、安定良く瓦を押さえ付けて固定できるようになる。そして、座面は、瓦表面に凹部や凸部を設けることで形成でき、貫通させるような処理は行われないから、座面を形成したことによる新たな不都合は生じない。
【0017】
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【0018】
【発明の効果】
請求項1に記載の屋根瓦では、隣合う屋根材との重なり部に釘孔を斜めに向けて形成する工夫により、上側に重なる瓦を無理の無い程度に持ち上げることで、
その下側に敷かれる屋根瓦を外観上で見えない位置において釘打ち固定することが可能になり、コストアップや部品点数の増加を招くこと無く、屋根の新設時や補修時を問わずにしっかりと固定することができた。又、打ち込まれた釘や螺着されたビスの頭部が座面に面接触するようになり、釘やビスが曲がるとか、瓦面に傷付ける等の不都合無く、安定的に交換後の屋根瓦を固定できるようになった。
【0019】
請求項2に記載の屋根瓦では、隣合う屋根材との合決り部に釘孔を斜めに向けて形成する工夫により、左右方向で重なる瓦を無理の無い程度に持ち上げることで、外から見えない部分である下側合決り部分において釘打ち固定することが可能になり、コストアップや部品点数の増加を招くこと無く、屋根の新設時や補修時を問わずにしっかりと固定することができた。又、打ち込まれた釘や螺着されたビスの頭部が座面に面接触するようになり、釘やビスが曲がるとか、瓦面に傷付ける等の不都合無く、安定的に交換後の屋根瓦を固定できるようになった。
【0020】
請求項に記載の屋根瓦では、請求項1の構成による前記効果が得られる釘孔又はビス孔を形成するための位置決め用凹部を形成したので、現場にてのドリリングによる孔形成が行い易い便利さがあるとともに、交換された屋根瓦以外の屋根瓦には釘孔又はビス孔が存在しないから、水が下方に滲入するといった不要な孔が存在することによる不都合が回避される利点があり、合理的なものとして提供することができた。又、釘頭部やビス頭部と瓦とが面接触してより安定的に屋根瓦を固定できる利点がある。
【0021】
【発明の実施の形態】
−第1実施形態−
図1に屋根瓦である厚板瓦1を敷設して成る屋根Yが示されている。この屋根
Yは、厚板瓦1を左右方向には隙間無く敷き詰め、かつ、棟と軒とを結ぶ上下方向には重ね合せて葺いて行く一般的な敷設工法によって作成されている。つまり、下側の厚板瓦1の瓦尻1Aに、上側の厚板瓦1の瓦頭1Bが重なる状態に、軒側から棟側に向けて順番に葺いて行くのである。
【0022】
図1、図2に示すように、厚板瓦1の瓦尻1Aには、野地板12上に固定された横桟7に引掛けるための下方突起部2、上側に重なる厚板瓦1を載置するべく瓦上面1aから一段上方に厚く形成された受止め部3、及びこの受止め部3に続いてその軒側に連続形成された左右3箇所の引掛け部4,5,6が形成されている。
【0023】
図3(イ)に示すように、左右2箇所の第1及び第3引掛け部4,6には、横桟7に向けて留め釘10を打込むための第1及び第3釘孔4a,6aを、瓦面(瓦上面1a又は瓦裏面1b)に対して直交する方向に形成してある。これに対して左右中間に配置された第2引掛け部5は、釘頭10aの接当する座面5zが瓦上面1aに対して角度αで後上り(棟側上り)する傾斜面となるように隆起させてあり、その傾斜した座面5zに直交する方向の釘孔5aをその座面5zに形成してある。つまり、図3(ロ)に示すように、第2釘孔5aは、その孔軸心Pが瓦上面1aに対して軒側に向けて傾斜角度αでもって倒れる状態に設定されている。
【0024】
ところで、厚板瓦1の瓦頭1Bは、下側で隣合う厚板瓦1の瓦尻1Aに載置される載置部8として機能するとともに、厚板瓦1の大部分は載置部8よりも上方に引っ込んだ凹部11に形成してある。この凹部11は、下側に重ねられる厚板瓦1の第2引掛け部5との干渉が生じないよう、十分な深さが取られている。
【0025】
次に、既設の屋根Yにおける厚板瓦1の交換作業について説明する。他物が当たる等によって割れたり欠けたりして厚板瓦1が損傷した場合には、その損傷瓦1のみを、正規(新品でも正常な状態の中古品でも良い)の厚板瓦1に交換する
ことが行われる。その交換作業は次の通りである。
【0026】
先ず、損傷瓦1を、その瓦頭1Bを少し持ち上げ、バール等を横桟7と瓦裏面1bとの間に差し込み、両側2本の留め釘10を強制的に切断(せん断破壊)してから軒方向に引張ることにより、損傷瓦1を抜き出す。次に、正規の厚板瓦1を損傷瓦の抜き出された後の瓦欠損箇所に挿入し、瓦尻1Aの下方突起部2を横桟7に引掛けた正規の配置状態にセットする。このセット状態では、3箇所の釘孔4a,5a,6aは上側の厚板瓦1の瓦頭1Bの下にあり、新たに釘打ちすることができない。
【0027】
そこで、図2に仮想線で示すように、上側の厚板瓦1を、その瓦頭1Bを持って無理の無い範囲で上方に持ち上げると、傾斜した座面5zを有した第2釘孔5aは、持ち上げられた上側の厚板瓦1に干渉しない方向に向いている状態が得られるので、ハンマー14で釘打ちを行うことが可能である。つまり、交換後の厚板瓦1は、第2引掛け部5部分の1箇所において横桟7(又は野地板12)に釘打ち固定されるのである。尚、屋根材1の敷設当初に3箇所の釘孔4a,5a,6aに釘打ちさせておいても良い。
【0028】
−第2実施形態−
図4〜図6に、左右に隣合う瓦どうしによって合決り部kが形成されるように設定された厚板瓦15、およびそれによる屋根Yが示されている。この厚板瓦15の左右一端に上側合決り部分16が、他端に下側合決り部分17が夫々形成してあり、隣合う厚板瓦15,15の一方の下側合決り部分17に他方の上側合決り部分16が被さることで合決り部kが構成される。
【0029】
側方に突出する状態の下側合決り部分17は、先端に一段上方に厚くした流れ止め部18が形成してある。その流れ止め部18における軒側端に近い箇所に、瓦上面15aに対して角度βで後上り(棟側上り)する傾斜面となるように隆起させた座面18zを形成し、かつ、座面18zと直交する方向の釘孔18aを座
面18zに形成してある。つまり、下側合決り部分17に留め付け用釘孔18aを形成するとともに、この釘孔18aを、その孔軸心Pが屋根瓦15の上面15aに対して軒側に向けて傾斜角度βでもって倒れる状態に設定してある。
【0030】
図6に示すように、側方に突出する状態の上側合決り部分16の先端には、一段下方に厚くした引掛け部19が形成してあり、合決り部kにおいては、引掛け部19と流れ止め部18との間における下側合決り部分17上が水の流れ道として機能するように構成されている。尚、瓦尻15Aにおける引掛け部21に形成されている2箇所の釘孔20,20は、瓦上面15aに対して直交する方向に空けられている。又、上側合決り部分16には、流れ止め部18との干渉を回避するための肉ぬすみ部13を形成してある。
【0031】
しかして、上側の厚板瓦15を、図2の仮想線で示す状態と同様に、その瓦頭15Bを持って無理の無い範囲で上方に持ち上げると、傾斜した座面18zを有した釘孔18aは、持ち上げられた上側の厚板瓦1に干渉しない方向に向いている状態が得られるので、ハンマー14で野地板12目掛けて留め釘10を打込めるようになっている。よって、図5に示すように、野地板12部分に対して釘止めすることが可能になる。
【0032】
−第3実施形態−
図7〜図9に、隣接する屋根瓦22との重なり部分に、その孔軸心Pが瓦上面22aに対して軒側に向けて倒れる状態に傾斜する留付け用釘孔(又は留付け用ビス孔)24を穿孔するための位置決め用凹部25が形成された屋根瓦22が示されている。この屋根瓦22は、第2釘孔5aに代えて凹部25が形成されている以外は、図1に示す第1実施形態のものと基本的には同じものであり、以下、相違点について説明する。
【0033】
屋根瓦22の左右中間に配置された第2引掛け部23は、瓦上面22aに対して棟側(瓦尻側)に(90+α)度でもって倒れる状態に傾斜した座面22zを
有しており、その座面22zの左右中央で上角部に、留付け用釘孔24を形成するためのポンチ穴的機能を発揮する位置決め用凹部25が予め形成されている。そして、後に形成された釘穴24に留め釘10が打たれたときに大径の釘頭10aを座面22zに確実に面接触させるため、瓦上面22aを下方に抉った凹まし部26を形成して、座面22zを屋根瓦22の厚さ方向に延長させてある。
【0034】
しかして、屋根瓦22の交換が必要になると、先ず、現場にて位置決め用凹部25にドリル刃先端を当ててのドリリングによって釘孔24を穿孔(穿設)し、それから傷んだ屋根瓦に代えて釘孔24の形成された屋根瓦22を敷設し、上側の屋根瓦22の瓦頭22Bを少し待ち上げた状態で、釘孔24を通して留め釘10を打ち込むのである。
【0035】
この手段によれば、屋根Yとして葺かれる屋根瓦22の第2引掛け部23には上下に貫通する孔が存在しないので、豪雨や台風といった激しい雨天時に、図1に示す屋根瓦1において、重なり部に滲入した水が釘孔5aから瓦裏面側に及ぶおそれが解消されるようになる。
【0036】
−第4実施形態−
図10、図11に示すように、左右に隣合う瓦どうしによる合決り部kに、孔軸心Pが瓦上面27aに対して軒側に向けて倒れる状態に傾斜する留付け用釘孔(又は留付け用ビス孔)28を穿孔するための位置決め用凹部29が形成された屋根瓦27が示されている。この屋根瓦27は、下側合決り部分17の釘孔18aに代えて凹部29が形成されている以外は、図4に示す第2実施形態のものと基本的には同じものであり、相違点についてのみ説明する。
【0037】
この位置決め用凹部29回りの形状・構造は、先に説明した第3実施形態のものと基本的に同じである。即ち、流れ止め部18における軒側端に近い箇所に、瓦上面27aに対して角度β(図5参照)で後上り(棟側上り)する傾斜面となるように隆起させた座面18zを形成し、かつ、座面18zの左右中央で上角部に、該座面18zと直交する方向の釘孔28を穿孔するための位置決め用凹部29を座面18zに形成してある。そして、後に形成された釘孔28に留め釘10が打たれたときに大径の釘頭10aを座面18zに確実に面接触させるため、瓦上面27aを下方に抉った凹まし部31を形成して、座面18zを屋根瓦27の厚さ方向に延長させてある。
【0038】
−第5実施形態−
図12、図13に示すように、第2引掛け部23が存在する位置に、第2引掛け部23を形成しない代わりに、瓦上面34aに位置決め用凹部32と凹まし部33とを形成した屋根瓦34でも良い。凹まし部33の棟側には、軒側に向かって倒れるように傾斜した平面部33aが形成してあり、位置決め用凹部32からドリリングによって形成される釘孔24を通して釘10を打ち込んだ場合において、平面部33aが、釘10の頭部10aが面接触する座面となるように設定されている。
【0039】
−第6実施形態−
又、図14、図15に示すように、瓦上面1aと受止め部3との隅部に位置決め用凹部35を、かつ、その直ぐ軒側に座面用の凹まし部36を夫々形成した構造の屋根瓦37でも良い。凹まし部36の棟側には、軒側に向かって倒れるように傾斜した平面部36aが形成してあり、位置決め用凹部35からドリリングによって形成される釘孔24を通して釘10を打ち込んだ場合において、平面部36aが、釘10の頭部10aが面接触する座面となるように設定されている。
【0040】
このように、隅部に位置決め用凹部35を形成すれば、釘孔24を形成するときに、もし、ドリル刃が位置決め用凹部35から逸れたとしても、そこは隅部であるから左右方向にドリル刃がずれることはあっても、人為操作力が作用する前後方向(ドリル刃の長手方向)には先ず移動しない。従って、ドリル刃が前後方向に滑ってから他物に衝突して、ドリル工具を押え付ける力が一気に掛かること
でドリル刃が折損するという不都合が回避され、施工し易いという利点がある。
【0041】
〔別実施形態〕
上側厚板瓦1の若干の持ち上げによって釘打ち可能な傾斜釘孔5a,18aを、瓦尻1Aと下側合決り部分17との双方に形成するようにしても良い。又、それら傾斜釘孔5a,18aを複数箇所に形成するとか、全釘孔に適用する構造でも良い。留め釘10に代えて、スクリュー、ビス等の螺子を用いても良い。
【0042】
傾斜釘孔5a,18aの角度α,βは、上側瓦を許容持ち上げ範囲にて釘打ち可能となる値であれば良く、屋根瓦の寸法、厚み、重ね合せ構造、留め釘長さ等の要因に合わせて適宜に設定することが可能である。又、留め釘10を長くすれば、傾斜釘孔5a,18aの下側孔出口を瓦尻1Aの棟側側面に開口されるものに形成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 上側の厚板瓦が若干持ち上げられた状態の屋根を示す斜視図
【図2】 第1実施形態による屋根瓦の敷設状態、及び釘打ち作用を示す断面図
【図3】 瓦尻の釘打ち部を示し、(イ)は両側の釘打ち部、(ロ)は中央の釘打ち部
【図4】 合決り部を用いる第2実施形態による厚板瓦の屋根構造を示す斜視図
【図5】 図4の厚板瓦の重なり部の構造を示す拡大断面図
【図6】 図4の厚板瓦における合決り部を示す断面図
【図7】 第3実施形態による屋根瓦を示す斜視図
【図8】 図7の屋根瓦における位置決め用凹部を示す斜視図
【図9】 図8の位置決め用凹部に釘打ちした状態を示す要部の側面図
【図10】 第4実施形態による屋根瓦を示す斜視図
【図11】 図10の位置決め用凹部に釘打ちした状態を示す要部斜視図
【図12】 第5実施形態による屋根瓦の棟側部分を示す斜視図
【図13】 図12の位置決め用凹部に釘打ちした状態を示す要部の側面図
【図14】 第6実施形態による屋根瓦の棟側部分を示す斜視図
【図15】 図14の位置決め用凹部に釘打ちした状態を示す要部の側面図
【符号の説明】
1,15,22 屋根瓦
1a,15a,22a 瓦上面
4a,5a,6a,24 釘孔
5z,22z 座面
10a 釘頭部
17 下側合決り部分
18a,24 釘孔
25 位置決め用凹部
k 合決り部
P 孔軸心

Claims (3)

  1. 隣接する屋根瓦との重なり部分に形成される留付け用釘孔又は留付け用ビス孔のうちの少なくとも一つを、その孔軸心が瓦上面に対して軒側に向けて倒れる状態に傾斜させ
    前記留付け用釘孔を通して打ち付けられる釘頭部、又は前記留付け用ビス孔を通して螺着されるビス頭部が面接触する座面を、前記孔軸心に対して直交又はほぼ直交する状態に形成してある屋根瓦。
  2. 隣接する屋根瓦との合決り部における下側合決り部分に留付け用釘孔又は留付け用ビス孔を形成し、該留付け用釘孔又は留付け用ビス孔を、その孔軸心が瓦上面に対して軒側に向けて倒れる状態に傾斜させ
    前記留付け用釘孔を通して打ち付けられる釘頭部、又は前記留付け用ビス孔を通して螺着されるビス頭部が面接触する座面を、前記孔軸心に対して直交又はほぼ直交する状態に形成してある屋根瓦。
  3. 隣接する屋根瓦との重なり部分に、その孔軸心が瓦上面に対して軒側に向けて倒れる状態に傾斜する留付け用釘孔又は留付け用ビス孔を穿孔するための位置決め用凹部が形成され
    前記瓦上面に対して棟側に隆起するまたは軒側に倒れるように傾斜し、前記留付け用釘孔を通して打ち付けられる釘頭部、又は前記留付け用ビス孔を通して螺着されるビス頭部が面接触する座面を形成してある屋根瓦。
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