以下、本発明における実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施の形態では、表示装置としてプラズマディスプレイパネルを備えた構成について説明するが、いずれの方法で画像を表示する表示装置にも適用できる。
〔第1の実施の形態〕
(表示装置の構成)
まず、移動装置により移動する表示装置の構成について図1ないし図4を参照して説明する。図1は、第1の実施の形態における移動装置を示す斜視図である。図2は、表示装置を移動するために移動装置を設置した状態を示す側面図である。図3は、表示装置を移動した状態の移動装置を示す側面図である。図4は、図3の部分拡大図である。本実施の形態では、表示装置10として平面となる床面1上に載置されたラック2上に載置される構成について説明するが、床面1上に直接載置される構成のものなどにも適用できる。そして、表示装置10は、表示部20と、スタンド部30と、を備えている。
表示部20は、図示しない、筐体と、処理装置と、ディスプレイ部と、を備えている。筐体は、例えばアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS:acrylonitrile-butadiene-styrene)などの合成樹脂にて略薄型箱状に形成されている。そして、筐体には、正面に表示窓が開口形成されているとともに、背面に図示しない蓋体にて開閉可能に閉塞された作業窓が開口形成されている。処理装置は、筐体内に収容され画像データを取得して処理する。ディスプレイ部は、画像表示する表示面が筐体の表示窓に臨んで配設され、処理装置にて処理された画像データを画像として再生すなわち表示させる。このディスプレイ部としては、種々のものが挙げられ、例えば液晶表示パネルやエレクトロルミネセンス(EL:Electro Luminescence)パネルである有機ELパネル、プラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)、CRT(Cathode-Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、電気泳動ディスプレイパネルなどが例示できる。
スタンド部30は、底板部31と、支柱部32と、図示しない連結部とを有している。底板部31は、略平板状に形成され、床面1やラック2の上端面などの平面2A上に載置可能に構成されている。支柱部32は、略柱状に構成され、底板部31の略中央から変位した位置に上下方向に軸方向を有する状態に一体的に立設されている。連結部は、支柱部32の上端部に設けられ、表示部20の筐体の背面側を例えばねじ止めなどにより連結して支柱部32に表示部20を一体的に連結する。この連結部によるスタンド部30への表示部20の連結により、表示装置10はスタンド部30の底板部31が表示部20の正面に臨む表示面より正面側となる前方へ突出する状態に構成される。
(移動装置の構成)
次に、上述した表示装置10を移動させる移動装置100の構成について図1ないし図5を参照して説明する。図5は、支持部の載置部に対する回動を規制する規制部材を取り付けた状態を示す断面図である。
図1ないし図4において、移動装置100は、ラック2上に載置された表示装置10を前側に倒し、表示部20の背面が上方に向く状態に移動すなわち回動させる。この表示装置10が回動した状態では、移動装置100は、表示部20を筐体の作業窓から調整や修理などの保守管理のための作業台となる。そして、移動装置100は、例えば鋼材やアルミニウム合金などの金属部材や硬質の合成樹脂などの骨組み部材にて組立形成されている。そして、移動装置100は、載置部200と、支持部300と、を備えている。
載置部200は、一対の長手角柱状の載置部材210を有している。これら載置部材210間には一対の長手角柱状の連結部材220が架橋する状態に一体的に溶接などにより連結され、載置部200ははしご状に構成されている。そして、載置部200には、一対の載置部材210と一方の連結部材220とにより凹状の挿入凹部230が構成されている。また、載置部材210の軸方向の一端部には、例えばゴムなどの緩衝部材211が設けられている。さらに、載置部材210の一端側には、軸支部240が設けられている。この軸支部240は、載置部材210の幅方向に対向する一対の軸支板241と、載置部材210の幅方向に軸方向を有する状態に一対の軸支板241に軸方向の両端部が軸支された回動軸としてのシャフト242と、を備えている。
また、載置部200には、挿入凹部230を構成する一端側と反対側となる載置部材210の長手方向の他端に、脚部材250が設けられている。脚部材250は、一対の脚筒部251と、調整脚部252と、を備えている。脚筒部251は、角筒状に形成され、軸方向の一端が載置部材210の他端に回動可能に連結されている。脚筒部251には、軸方向の他端近傍に載置部材210に亘って略細長板状に形成された脚筋交い部253がそれぞれ設けられている。そして、脚筒部251は、脚筋交い部253により脚筒部251の載置部材210に対する回動が規制され、長手方向が載置部材210の長手方向に対して略直行する状態に位置決めされる。さらに、脚筒部251には、軸方向の他端近傍に、先端部が内周面に進退可能に突出する調整ねじ部材254が設けられている。また、調整脚部252は、角柱状の部材にて、軸方向の両端部が同方向に屈曲され、略U字状に形成されている。この調整脚部252は、同方向に屈曲する両端部が脚筒部251に進退自在に嵌挿され、調整ねじ部材254の螺着により脚筒部251に対する進退が位置決め規制される。そして、脚部材250は、脚筒部251または載置部材210のいずれか一方に取り付けられた脚筋交い部253を解除することにより、脚筒部251が載置部材210に対して回動可能となり、脚筒部251および載置部材210が重なる状態に折り畳み可能となっている。
一方、支持部300は、回動部310と、保持部320と、を備えている。回動部310は、調整脚部252と略同形状に軸方向の両端部が同方向に屈曲され、略U字状に形成されている。そして、回動部310は、同方向に屈曲された両端部が載置部200の軸支部240のシャフト242に回動可能に軸支されている。また、保持部320は、下端支持部としての腕部である一対のリフト部321と、前面支持部としての転動支持部322と、複数の筋交い部323と、を備えている。リフト部321は、載置部材210の一端から軸支部240の位置までの長さ寸法とおおよそ同じ長さの長手角柱状に形成されている。転動支持部322は、回動部310と略同形状に軸方向の両端部が同方向に屈曲され、略U字状に形成されている。なお、転動支持部322は、屈曲された両端部の長さ寸法が回動部310の屈曲された両端部の長さ寸法より短く形成されている。そして、転動支持部322は、屈曲された両端部の先端がリフト部321の中間部の一側面に長手方向が略直行してそれぞれ溶接や取付部材などにより略T字状に一体的に連結されている。筋交い部323は、脚筋交い部253と略同形状の長手板状に形成されている。そして、筋交い部323は、リフト部321の一端が回動部310の両端の一側面に当接するとともに転動支持部322が回動部に略平行となる状態に回動部310と保持部320とを一体的に連結する。
この筋交い部323による連結により、支持部300は、軸支部240のシャフトから保持部320の転動支持部322までの距離が表示装置10の表示部20の前面から前方に突出するスタンド部30の最先端位置までの距離より長い寸法となるように載置部200に軸支される状態に組立形成される。この組立形成された支持部300は、リフト部321が載置部材210に当接する立位状態から回動部310が載置部材210に当接する転動状態までの約90°の範囲で回動可能に載置部200に軸支される。また、支持部300には、リフト部321の転動支持部322が連結する側面と、転動支持部322の回動部と対向する面と反対側の面とに位置して緩衝部材330が設けられている。
また、図5において、400は規制手段としての規制部材で、この規制部材400は、例えば合成樹脂などにて断面略コ字状に形成されている。そして、この規制部材400は、支持部300が立位状態において重なり合う載置部材210およびリフト部321に架橋する状態に着脱可能に係合したり、支持部300が転動状態において重なり合う載置部材210および回動部310に架橋する状態に着脱可能に係合し、支持部300の載置部200に対する回動を規制する。なお、脚部材250を回動して載置部200に重なり合う状態で載置部材210と脚筒部251あるいは調整脚部252とに架橋する状態に着脱可能に係合させ、載置部200に対する脚部材250の回動を規制するようにしてもよい。このことにより、折り畳んだ状態での移動装置100の搬送が容易となる。
(移動装置の動作)
次に、上述した移動装置100による表示装置10を移動する動作について説明する。なお、上述したように、ラック2上に載置された表示装置10を移動させる動作について説明するが、例えば床面1上に直接載置されていたり、テーブルなどの他の物品上に載置されていたりするなど、いずれの設置状態の表示装置10についても適用できる。
まず、あらかじめ各部材を組み付けて組立形成した移動装置100の脚部材250の高さ調整をする。すなわち、脚筒部251の調整ねじ部材254を操作し、調整脚部252を脚筒部251に対して移動可能とし、脚部材250の高さ寸法がラック2の高さ寸法と略同寸法となるように調整脚部252を脚筒部251に対して進退させる。そして、調整ねじ部材254を再び操作して調整脚部252に螺着する状態にして脚筒部251に対して移動規制することで、高さ調整をする。この脚部材250の高さ調整の際、載置部200の挿入凹部側をラック2の表示装置10が載置する上端面である平面2A上に載置して実施すると調整作業が容易となるので好ましい。
この後、支持部300のリフト部321が載置部200の載置部材210に当接して支持部300を立位状態とし、重なり合う載置部材210および回動部310に架橋する状態に規制部材400を係合させる。この状態で、保持部320の緩衝部材330が表示部20の前面に当接する状態まで、載置部200の挿入凹部230側の載置部材210を表示装置10のスタンド部30の両側に位置させ、リフト部321が表示部20の下方に位置して挿入凹部230間にスタンド部30を位置させる。この状態では、軸支部240のシャフト242がスタンド部30の底板部31の前端より前方に位置する状態となる。すなわち、支持部300は、上述したように、所定の寸法に組立形成されていることから、軸支部240のシャフトが表示装置10の表示部20の前面から前方に突出するスタンド部30の最先端位置より前方に位置する状態となる。
そして、規制部材400を取り外し、支持部300の転動支持部322に表示装置10の表示部20を押さえ付けるように添い手しつつ、支持部300の回動部310を持って、手前に倒すように表示装置10の前方に向けて支持部300を回動させる。この回動により、リフト部321が表示部20の下端部に当接して持ち上げる状態となり、表示装置10が表示部20の下端と表示面が臨む前面との2箇所で支持部300に支持されて回動される。そして、回動部310が載置部200に当接する転動状態まで回動させ、表示部20の背面が上方に向く状態とする。
この状態で、スタンド部30を表示部20から取り外すとともに、表示部20の図示しない蓋体を取り外して作業窓を開口させ、表示部20の表示状況を確認しつつ調整あるいは修理などの保全作業をする。そして、保全作業が終了した後は、蓋体を取り付けて作業窓を閉塞するとともに、スタンド部30を筐体に取り付けて表示装置10を組立形成し、表示装置10の表示部20を押さえ付けるように添い手しつつ、支持部300の回動部310を持って、持ち上げるように支持部300を立位状態まで回動させ、表示装置10を再びスタンド部30にてラック2上に載置させる。この後、規制部材400を重なり合う載置部材210および回動部310に架橋する状態に係合させ、移動装置100を手前に引き抜くようにしてラック2から外し、表示装置10の移動、すなわち表示装置10の保全作業が完了する。
(移動装置の作用効果)
上述したように、上記第1の実施の形態では、表示装置10のスタンド部30が載置するラック2の平面2A上に載置可能な載置部200に、表示部20の下端部および表示面が臨む前面の2箇所を支持する支持部300を、表示部20を支持する状態でスタンド部30が表示面より前方に突出する最先端位置より前方の位置で、表示面が下方に向く状態に回動可能に軸支する。このことにより、支持部300にて表示装置10を表示面が下方に向く状態に回動させる際に、表示装置10が持ち上げられる方向に回動され、スタンド部30の最先端位置の回動軌跡がラック2の平面2Aから上方に移動させる状態となり、スタンド部30の最先端位置がラック2の平面2Aに突っ掛かるように回動を規制することを防止でき、容易に表示装置10を表示面が下方に向く状態に回動させることができる。したがって、表示面が大きい比較的に重量のある例えばPDPなどの表示装置10でも、杆の原理により容易に回動できることから、1人の作業者でも表示装置10の例えば保全作業のための移動が容易で、作業性を向上できるとともに、スタンド部30やラック2を傷付けるなどの損傷を防止できる。特に、PDPや液晶表示パネル、ELパネル、電気泳動ディスプレイパネルなどの表示部20が薄型で背面から保全作業するような表示装置10に好適である。
そして、支持部300として、載置部200に回動可能に軸支した回動部310に、表示部20の下端部および表示面が設けられた面の少なくとも2つの箇所を支持し、ラック2の平面2Aに載置するスタンド部30の表示面に対して前方に突出する長さ寸法以上の半径で回動部310の回動中心の周りで回動部310とともに回動される保持部320を回動部310に一体的に設けて構成している。このため、表示面からスタンド部30が回動方向である前方に突出する状態でも、簡単な構成で表示装置10を容易に回動できる。
また、支持部300は、平面2A上に載置する表示装置10を持ち上げる方向に回動して表示面が下方に向く状態に支持する状態に載置部200に軸支されている。具体的には、表示装置10を支持部300のリフト部321および転動支持部322に当接する状態に支持した状態での表示装置10より回動方向である前方に回動中心が位置する状態に軸支部240にて支持部300を軸支している。このため、表示装置10を容易に回動させるための支持部300が容易に得られる。
さらに、支持部300として、表示部20の下端が載置すなわち下端に当接して支持する一対のリフト部321と、これらリフト部321にて構成される面に対して交差、例えば直交する面を構成し表示面が下方に向く転動状態に回動する際に表示面が臨む前面が載置すなわち前面に当接して支持する転動支持部322とを備えた保持部320を設けた構成としている。このため、表示装置10を容易に回動させるための支持部300が容易に得られる。
そしてさらに、保持部320に筋交い部323を設けて回動部310と保持部320との一体構成にて支持部300を構成しているため、支持部300を転動状態に回動した状態で、載置される表示装置10の重量が比較的に重くても、回動部310と保持部320とが潰れるなどの損傷を生じることなく簡単な構造で確実に表示装置10を支持できる。
また、支持部300として、表示部20の表示面が下方に向く状態に回動した際に表示面の少なくとも一部を下方から確認可能に構成している。このため、支持部300を転動状態に回動して表示装置10を載置支持する状態で保全作業をする際に、表示状況を確認しつつ保全作業ができ、作業性を向上できる。
さらに、支持部300として、角柱状の部材にて屈曲形成した回動部310および転動支持部322と、長手角柱状の部材にて形成したリフト部321とにて回動部310および転動支持部322の内周側に表示面が臨む窓部を開口する枠状に支持部300を構成している。このため、表示状況を確認しつつ保全作業ができる構成が簡単な構造で容易に得られる。
また、支持部300として、スタンド部30が間に挿入可能で上面にて表示部20の下端が当接して載置支持する一対のリフト部321を設けている。このため、簡単な構成で容易にスタンド部30を有する表示装置10でも支持して表示面が下方に向く状態への回動移動が容易にできる。
そして、載置部200に下端が床面1に載置する脚部材250を設けている。このため、ラック2上に載置された表示装置10でも確実に回動することができる。
さらに、脚部材250として、載置部200に連結した脚筒部251に調整脚部252が進退可能な構成としている。このため、脚部材250の高さ寸法をラック2に対応して調整でき、いずれのラック2やテーブルなどの物品上に載置されていても表示装置10を回動させることができ、汎用性を向上できる。
また、調整脚部252を略U字状に屈曲した構成としている。このため、脚部材250の高さ調整が容易にできるとともに、部材の数が低減し、製造性の向上やコストの低減の向上なども容易に図れる。
さらに、載置部200として、スタンド部30が挿入する挿入凹部230を設けている。このため、表示装置10を回動させるために支持部300に表示部20を当接させた状態で、載置部200が表示部20の下方に位置するので、表示装置10を支持する支持部300の安定した回動が容易に得られる。
そしてさらに、載置部200として、一対の載置部材210間を連結部材220にて連結した略はしご状に形成している。このため、挿入凹部230を有した構成が容易に得られるとともに、重量の軽減、製造性の向上、コストの低減などが容易に図れ、さらには表示面が下方に向く転動状態で表示面がほとんど覆われず、表示状況を容易に確認できる構成が容易に得られる。
さらに、支持部300の回動を規制するための規制部材400を設けている。このため、移動装置100の載置部200をラック2上に載置する際、あるいは載置した状態で、誤って支持部300が回動してしまうことを確実に防止できる。そして、規制部材400として、断面略コ字状に形成している。このため、簡単な構造で支持部300の回動規制ができる。したがって、回動規制のための構成の製造性の向上やコストの低減が容易に図れる。
そして、骨組み部材を用いて組立形成した骨組み構造に構成している。このため、重量の低減が容易に図れるとともに、折り畳んだ状態での持ち運びも容易となる。
また、支持部300の回動部310および保持部320の転動支持部322とが同様の形状であることから、製造性を容易に向上できる。さらには、脚部材250の調整脚部252も同様の形状であることから、より製造性を向上できる。
さらには、支持部300に緩衝部材330を設けている。このため、支持する表示部20を傷付けることなく確実に支持できる。
また、載置部材210に緩衝部材211を設けている。このため、載置部200を平面2A上に載置する際に、平面2Aが傷付くことを防止できる。さらには、緩衝部材211をリフト部321が対向する側に亘って設けることにより、支持部300を立位状態に回動した際に、リフト部321が載置部200に当接する際の衝撃を低減でき、表示装置10の損傷を防止できる。
そして、支持部300の立位状態で、回動中心のシャフト242から回動側の端部までの長さ寸法となる回動部310の高さ寸法が、保持部320の転動支持部322の高さ寸法より長く形成している。このため、表示装置10を転動支持部322に押さえ付けるようにして支持部300を回動させる際に、回動側となる回動部310の高さが高いので、回動部310の上端部を持って回動させればよく、無理のない姿勢で容易に回動させることができる。さらには、表示装置10を載置部200に重なり合うように当接する回動部310にて支持する状態となり、表示装置10の重量が分散され、特別な材料にて形成したり別途特別な補強のための部材を設けるなどが必要なく、簡単な構造で表示装置10の回動が容易にできる。特に、回動部310が脚部材250上に亘って支持されるので、脚部材250による直接的な重量の支持ができ、載置部200や支持部300が歪むなどを防止でき、安定して表示装置10を支持できる。
さらに、調整ねじ部材254が外面側に位置しているため、調整のための操作が容易にでき、作業性を向上できる。
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明における第2の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、この第2の実施の形態では、上記図1ないし図5に示す第1の実施の形態における載置部を他の形状に代えたものである。図6は、第2の実施の形態における移動装置を示す斜視図である。図7は、表示装置を移動するために移動装置を設置した状態を示す側面図である。図8は、表示装置を移動した状態の移動装置を示す側面図である。図9は、軸支機構部を示す一部を切り欠いた斜視図である。図10は、回動継ぎ手部近傍を示す一部を切り欠いた斜視図である。図11は、開脚規制部を示す一部を切り欠いた斜視図である。
(移動装置の構成)
図6ないし図8において、100Aは移動装置で、この移動装置100Aは、第1の実施の形態と同様にラック2上に載置された表示装置10を移動する構成について例示するが、例えば床面1上に直接載置された表示装置10を移動するなどしてもよい。この移動装置100Aは、載置部200Aと、支持部300Aと、を備えている。
載置部200Aは、後脚部210Aと、前脚部220Aと、開脚規制部230Aと、を備えている。後脚部210Aは、角筒状の鋼材などにて形成され、荷重受け部となる連結部211Aの軸方向の両端部に略平行で同方向に屈曲された嵌挿部212Aがそれぞれ一連に設けられ平面視で略U字状に形成された後載置部213Aを備えている。この後載置部213Aの嵌挿部212Aには長手角筒状の後角筒部214Aが軸方向で進退可能に嵌挿し、後脚部210Aが伸縮可能に構成されている。そして、後脚部210Aは、後角筒部214Aに蝶ねじ215Aがそれぞれ設けられ、蝶ねじ215Aのねじ込み操作により蝶ねじ215Aの先端部が嵌挿部212Aの外周面に当接して相対的な進退が規制され伸縮状態が維持される構成となっている。また、後脚部210Aには、後角筒部214Aの嵌挿部212Aに対して進出する側の端部に位置して、支持部300Aを連結する回転中心である回動軸としての軸部材216Aが設けられている。この軸部材216Aは、図9に示すように、後角筒部214Aの端部に対向する側面に軸方向に沿って舌片状に対をなして突出する軸受部217Aに、軸方向の両端部がそれぞれ貫通する状態に軸支されている。さらに、後脚部210Aには、連結部211Aの略中央を除く部分から嵌挿部212Aの基端部に亘る領域、後角筒部214Aの蝶ねじ214A近傍から前脚部220Aが取り付けられる位置に亘る領域などに、外周面を被覆するクッション部材240Aが設けられている。
載置部200Aの前脚部220Aは、角筒状の鋼材などにて平面視で略H字状に形成された前載置部221Aを備えている。この前載置部221Aは、一対の長手角筒状の筒状脚部222Aの中間部に長手角筒状の架橋部材223Aの軸方向の両端部がそれぞれ接合されて平面視で略H字状に連結されて形成されている。また、前載置部221Aの筒状脚部222Aには、長手角筒状の前角筒部224Aが軸方向で進退可能に嵌挿し、前脚部220Aが伸縮可能に構成されている。そして、前脚部220Aは、前角筒部224Aに蝶ねじ215Aがそれぞれ設けられ、蝶ねじ215Aのねじ込み操作により蝶ねじ215Aの先端部が筒状脚部222Aの外周面に当接して相対的な進退が規制され伸縮状態が維持される構成となっている。なお、架橋部材223Aの外形寸法は、後脚部210Aの連結部211Aの外径寸法と略同寸法に形成されている。さらに、前脚部220Aの筒状脚部222Aには、前角筒部224Aに対して進退する側の端部に位置して床面1に載置され、少なくとも床面1に当接する面にゴムや布部材などの図示しない軟質部材が設けられた首振り脚部226Aが設けられている。この首振り脚部226Aは、床面1に当接する面が多方向に回動可能に構成されている。
また、前脚部220Aの前角筒部224Aには、筒状脚部222Aが進退する側と反対側の端部に位置して一対の回動継ぎ手部227Aがそれぞれ設けられている。これら回動継ぎ手部227Aは、図10に示すように、平面視で略く字状に形成された短冊状に形成されている。そして、回動継ぎ手部227Aは、長手方向の一端部が前載置部221Aの架橋部材223Aの軸方向に沿って対向する側面の端部にそれぞれ対称的に取り付けられ、長手方向の他端側が後脚部210Aの後角筒部214Aの中間部に位置してそれぞれ回動可能に取り付けられ、後脚部210Aと前脚部220Aとを相対的に回動可能に連結する。なお、回動継ぎ手部227Aは、後脚部210Aに対して前脚部220Aを閉脚方向に回動した場合には後脚部210Aと前脚部220Aとが略重なり合い、開脚方向に後脚部210Aに対して前脚部220Aを所定角度まで回動した場合には後脚部210Aの後角筒部214Aの側面に前脚部220Aの前角筒部224Aの端部が当接してさらなる回動を規制する状態となる形状に、平面視で略く字状に形成されている。そして、載置部200Aは、後脚部210Aに対して相対的に開く状態に前脚部220Aが回動されることで、床面1上に安定して載置される構成となっている。なお、前脚部220Aは、図6ないし図8に示すように、後脚部210Aに対して比較的に短い長さ寸法に形成、すなわち、載置部200Aが床面1上に載置された状態で、後脚部210Aの連結部211Aが最後方に位置する状態となる。
載置部200Aの開脚規制部230Aは、いわゆるターンバックル構造で、図11に示すように、長手方向の両端部に図示しない雌ねじを有した略長手棒状の操作部231Aと、この操作部231Aの両端部に取り付けられる一対の進退部232Aと、を備えている。一対の進退部232Aは、操作部231Aの雌ねじにそれぞれ螺着される雄ねじ233Aを外周面に有した雄ねじ部234Aをそれぞれ備えている。そして、進退部232Aの軸方向の一端部には、後脚部210Aの連結部211Aおよび前脚部220Aの架橋部材223Aにそれぞれ係脱可能に係合する係合部235Aが設けられている。これら係合部235Aは、進退部232Aの一端部が溶接などにて接合される板状の天板部235A1、この天板部235A1における進退部232Aの軸方向と略直交する一対の側縁がそれぞれ同方向に折曲されて形成された側板部235A2、これら側板部235A2のうちの進退部232Aが突出する側と反対側の側板部235A2の先端縁が他方の側板部235A2の先端縁に向けて折曲された抜け止め部235A3と有し、断面略コ字状に形成されている。これら抜け止め部235A3は、先端縁と他方の側板部235A2との間の間隙が後脚部210Aの連結部211Aおよび前脚部220Aの架橋部材223Aの幅寸法と略同寸法となる状態に形成されている。このことにより、係合部235Aは、内周側に連結部211Aや架橋部材223Aが、抜け止め部235A3と側板部235A2との間隙を介して挿入可能で、挿入された連結部211Aや架橋部材223Aが抜け止め部235A3に係止されて抜け止めされる構成となっている。なお、進退部232Aの一端部の外周面には、切削などにより斜めに切り欠かれて平面部236Aが設けられている。そして、開脚規制部230Aは、操作部231Aに取り付けられた進退部232Aの係合部235Aが、それぞれ連結部211Aおよび架橋部材223Aに係合して後脚部210Aおよび前脚部220Aの相対的な回動による開脚角度を規制する。この開脚角度は、操作部231Aの進退部232Aに対する相対的な回転操作により、操作部231Aに対して相対的に一対の進退部232Aが雄ねじ部234Aの軸方向で進退することで調整される。
なお、載置部200Aは、前脚部220Aを後脚部210Aと同様に平面視で略U字状に形成した構成や、後脚部210Aを前脚部220Aと同様に平面視で略H字状に形成した構成など、いずれの形態とすることができる。また、前脚部220Aに設けられる首振り脚部226Aに代え、端部をくるむ状態に装着されるゴム製キャップを利用したり、回転止めを有した車輪を設けたりするなどしてもよい。
一方、支持部300Aは、下部支持部310Aと、前面支持部320Aと、を備えている。下部支持部310Aは、一対の長手角筒状のリフト部311Aを有している。また、リフト部311Aの中間部には、取付金具312Aがそれぞれ設けられている。また、リフト部311Aの軸方向の一端部には、第1の実施の形態と同様に、緩衝部材330が設けられている。さらに、下部支持部310Aには、長手短冊状に形成され、長手方向の一端部がリフト部311Aの他端側にそれぞれねじ止めなどにより着脱可能に取り付けられる筋交い部313Aが設けられている。
また、リフト部311Aの軸方向の他端部には、図9に示すように、後脚部210Aの軸部材216Aを回転可能に嵌挿する軸孔314Aが設けられている。そして、下部支持部310Aは、軸孔314Aに嵌挿する軸部材216Aにより、リフト部311Aの軸方向の一端側が回動端として載置部200Aに回転可能に軸支される。また、リフト部311Aの軸方向の他端部は、緩衝部材330が設けられた側面と反対側の側面に連続する一縁が円弧状となる逃げ部315Aが設けられている。さらに、リフト部311Aの軸方向の他端部には、軸孔314Aを逃げ部315Aが設けられた側面に連通させ後脚部210Aの軸部材216Aが挿通可能な切欠部316Aが設けられている。そして、下部支持部310Aは、切欠部316Aを介して軸部材216Aを挿通させることで、載置部200Aに着脱可能となっている。また、リフト部311Aの軸方向の他端部には、緩衝部材330が設けられた側面に突出する規制部317Aが突設されている。そして、下部支持部310Aの規制部317Aは、リフト部311Aの長手方向が略鉛直方向となる状態に回動させた際に、先端部が後脚部210Aの後角筒部214Aの端部に略当接する状態あるいは所定の間隙を介して略対向する状態に形成されている。このことにより、切欠部316Aから軸部材216Aを外す方向に下部支持部310Aを載置部200Aに対して相対的に移動させると、軸部材216Aが切欠部316Aから外れる前に規制部317Aが後角筒部214Aの端面に当接し、下部支持部310Aが載置部200Aから外れない構成となっている。これら軸孔314A、切欠部316Aおよび規制部317Aと、後脚部210Aの後角筒部214Aの端面および軸部材216Aとにより、本発明の軸支機構部が構成される。
そして、下部支持部310Aには、前面支持部320Aが取り付けられている。この前面支持部320Aは、角筒状の鋼材などにて後脚部210Aの後載置部213Aと同様に形成され、支持連結部321Aの両端部に略平行で同行に屈曲された支持脚部322Aがそれぞれ一連に設けられ平面視で略U字状に形成された前側支持部320A1を備えている。この前側支持部320A1の支持脚部322Aには長手角筒状の下部角筒部324Aが軸方向で進退可能に嵌挿し、前側支持部320A1が伸縮可能すなわち高さ寸法を変更可能に構成されている。そして、前面支持部320Aは、前側支持部320A1の下部角筒部324Aの先端部が下部支持部310Aの取付金具312Aに回動可能に軸支されている。この軸支は、回動により前面支持部320Aの支持脚部322Aおよび下部支持部310Aのリフト部311Aの軸方向が略平行に互いに重なり合う状態に回動可能に構成されている。さらに、前面支持部320Aは、支持脚部322Aにリフト部311Aに設けられた筋交い部313Aの長手方向の他端部がねじ止めなどにより取り付けられ、リフト部311Aとの相対的な回動が規制され、支持脚部322Aの軸方向がリフト部311Aの軸方向に対して略直交する状態で下部支持部310Aに一体的に取り付けられる。そして、前面支持部320Aは、下部支持部310Aとともに回動し、下部支持部310Aにて持ち上げられた表示装置10の前面が載置する状態に支持する。
さらに、前面支持部320Aには、この前面支持部320Aと略同形状の平面視で略U字状に形成された転動支持部325Aが設けられている。この転動支持部325Aも同様に伸縮可能に構成され、軸方向の両端部が前面支持部320Aの支持脚部322Aに設けられたヒンジ部326Aにそれぞれ回動可能に設けられている。そして、転動支持部325Aは、下部支持部310Aとともに前面支持部320Aが回動して表示装置10を支持する状態で、下端部が載置部200Aあるいは床面1に当接され、支持部300Aがさらに回動しないように回動規制する。なお、この転動支持部325Aは、前面支持部320Aにおける表示部20の前面が当接する面が略水平となる回動状態では、転動支持部325Aの両端部の軸方向が略鉛直方向に略平行となる状態で端部が前面支持部320Aの側面に当接し、さらに前面支持部320Aが回動することを規制可能に構成されている。また、前面支持部320Aおよび転動支持部325Aの外周面には、ねじ止め部分やヒンジ部を除く部分などにクッション部材240Aが設けられている。
この支持部300Aは、載置部200Aに軸部材216Aにて軸支される軸孔314Aから前面支持部320Aにおけるリフト部311Aが突出する側で構成する面までの距離が、表示装置10の表示部20の前面から前方に突出するスタンド部30の最先端までの距離より長い寸法に構成されている。また、支持部300Aは、前面支持部320Aにおけるリフト部311Aが突出する側で構成する面の位置が、載置部200Aの前脚部220Aのリフト部311Aが突出する側の先端部の位置より前側となるリフト部311Aが突出する側に位置する状態としている。すなわち、支持部300Aが載置部200Aに軸支される位置が、床面1上に載置された載置部200Aの床面1に接する部分で構成される載置領域内の上方に位置し、載置領域の上方の領域より外側である前方で表示装置10を持ち上げ可能に表示部20を支持する部分が前方に位置する状態に構成されている。
なお、移動装置100Aに設けられるクッション部材240Aとしては、ゴム、布部材、発泡樹脂など、各種軟質部材が適用できる。また、なお、鋼材としては、アルミニウム合金やステンレスなどの軽量金属が好ましいが、これに限られない。また、載置部200Aの後脚部210Aおよび前脚部220Aを伸縮可能な構成で説明したが、伸縮しない構成としてもよい。同様に、前面支持部320Aおよび転動支持部325Aについても同様に、伸縮しない構成としてもよい。
(移動装置の動作)
次に、上述した移動装置100Aによる表示装置10を移動する動作について図面を参照して説明する。なお、この第2の実施の形態についても、第1の実施の形態と同様にラック2上に載置された表示装置10を移動させる動作について説明するが、この限りではない。図12は、表示装置を持ち上げ回動させる移動直前の移動装置を設置した状態を示す説明図である。図13は、表示装置を移動している状態を示す説明図である。
まず、移動装置100Aを組立形成する。すなわち、互いに重なり合う搬送形態となっている載置部200Aの後脚部210Aと前脚部220Aとを相対的に回動させ、後脚部210Aおよび前脚部220Aが開く状態とし、表示装置10が設置されたラック2の前側の床面1上に設置する。下部支持部310Aおよび前面支持部320Aを相対的に回動し、支持脚部322Aの軸方向がリフト部311Aの軸方向に対して略直交する状態に、筋交い部313Aをねじ止めして連結し、支持部300Aを組立形成する。この後、支持部300Aの切欠部316Aから軸孔314Aに載置部200Aの軸部材216Aを挿入し、支持部300Aを載置部200Aに軸支させ、移動装置100Aを組立形成する。
そして、図12に示すように、支持部300Aのリフト部311Aが表示装置10の表示部20の下部とラック2の上面となる平面2Aとの間でリフト部311A間に表示装置10のスタンド部30が位置する状態で、かつ前面支持部320Aに表示部20の前面が略当接する状態に、支持部300Aを保持しつつ組み立てた移動装置100Aを移動させる。そして、作業者Xは、後脚部210Aの連結部211Aを片足で押さえ付けるように踏み付けつつ、表示装置10の表示部20を前面支持部320Aに押さえ付けるように添い手し、支持部300Aとともに表示装置10を手前に倒すように回動させる。この回動により、図13に示すように、リフト部311Aが表示部20の下端部に当接して持ち上げる状態となり、表示装置10は表示部20の下端と表示面が臨む前面との2箇所で支持部300Aに支持されて回動される。この回動時、支持部300Aの転動支持部325Aの下端部を後脚部210A上で滑動させつつ両端部の軸方向が略鉛直方向に沿う状態となるように、前面支持部320Aに対して相対的に回動させる状態とする。そして、表示部20の背面が上方に向く状態まで回動させると、転動支持部325Aの前面支持部320Aに対する回動操作を停止させて前面支持部320Aを後脚部210A上で支持する状態とする。
そして、第1の実施の形態と同様に、表示部20の図示しない蓋体を取り外して作業窓を開口させ、表示部20の表示状況を確認しつつ調整あるいは修理などの保全作業を実施する。なお、この表示面が下方に向く回動した状態では、支持部300Aの規制部317Aが後脚部210Aの後角筒部214Aの端部に略当接する対向した状態となり、軸部材216Aが切欠部316Aから外れることを防止している。このため、保全作業の際に支持部300Aが移動されても、支持部300Aの載置部200Aへの軸支状態が維持され、支持部300Aとともに表示装置10が載置部200Aから脱落することはなく、確実に保全作業の実行が図れる。この保全作業の終了後は、蓋体を取り付けて表示装置10を組立形成し、表示装置10の表示部20を前面支持部320Aに押さえ付けるように添い手しつつ前面支持部320Aを持ち上げるように回動させ、再び表示装置10をラック2上に載置させる。この後、移動装置100Aを表示装置10に対して手前に引き出すように移動させ、組立時とは逆に移動装置100Aを解体して作業か完了する。
(移動装置の作用効果)
上述したように、上記第2の実施の形態では、床面1上に載置される載置部200Aの載置された状態での載置領域の上方に、回動可能に支持される支持部300Aの軸支位置が位置するとともに、表示部20の下端部を支持するリフト部311Aの一端部が載置領域の上方より前方に位置し、かつ軸支位置から支持する位置となる前面支持部320Aにおける表示部20の前面が当接する面までの距離が、表示部20の前面から表示部20の前面より前方に突出するスタンド部30の最先端位置までの突出する寸法以上となるように構成している。このことにより、第1の実施の形態と同様に、支持部300Aにて表示装置10を表示面が下方に向く状態に回動させる際に、表示装置10が持ち上げられる方向に回動され、スタンド部30の最先端位置の回動軌跡がラック2の平面2Aから上方に移動する状態となり、スタンド部30の最先端位置がラック2の平面2Aに突っ掛かるように回動を規制することを防止でき、容易に表示装置10を表示面が下方に向く状態に回動させることができる。したがって、表示面が大きい比較的に重量のある例えばPDPなどの表示装置10でも、杆の原理により容易に回動できることから、1人の作業者Xでも表示装置10の例えば保全作業のための移動が容易で、作業性を向上できるとともに、スタンド部30やラック2を傷付けるなどの損傷を防止でき、特に、PDPや液晶表示パネル、ELパネル、電気泳動ディスプレイパネルなどの表示部20が薄型で背面から保全作業するような表示装置10に好適である。さらに、この第2の実施の形態では、表示装置10の表示部20を支持する位置が載置部200Aの載置領域より前方に突出する構成で、第1の実施の形態のようなラック2の平面2A上に載置させる載置部200を設けていないので、比較的に重量の重い表示装置10を持ち上げて回動させる際にラック2の平面2Aにその重量が載置部200の2箇所のみで作用することなく床面1に作用するので、例えばラック2がガラス製品などの比較的に脆い素材でも、ラック2を損傷することなく持ち上げて回動させることができる。すなわち、表示部20を支持する位置が、載置部200Aの載置領域より前方に位置する状態に構成しているので、ラック2上に載置させる載置部200を設ける必要がなく、ラック2の手前から持ち上げ移動できる。
そして、支持部300Aの支持する位置が載置領域の上方に位置することから、表示面が下方に向く状態に回動させた作業時の回動姿勢では、表示部20は載置領域上に位置することとなり、安定して表示装置10を支持できる。さらには、軸支位置が載置領域の上方で前側に変位する位置であることから、表示装置10を支持する位置が前方に位置する構成とするために支持部300Aが大型化することを抑制しつつ、支持部300Aを載置部200A上に安定して支持させることが可能となる。
さらに、載置部200Aの後脚部210Aに連結部211Aを設けた形状に構成している。すなわち、支持部300Aの軸支位置において表示部20を支持する位置に対して反対側に作業者Xが踏み込み可能な連結部211Aを設けた構成となっている。このため、表示部20を持ち上げる際に、表示装置10を支持する移動装置100Aの重心位置が載置領域の上方から外れても、載置部200Aを構成する後脚部210Aの補強としても機能する連結部211Aを作業者Xが踏み込んで作業することで、転倒することを防止でき、簡単な構成で載置部200を設けない構成でも安定した表示装置10の移動が得られる。さらに、踏み込んで作業する構成であることから、表示装置10の移動作業の際に重心位置が移動しても載置領域の上方から外れないような重量の重い載置部200Aに構成する必要がなく、載置部200Aを軽量金属などにて構成でき、移動装置100Aの搬送や組み立て作業なども容易にできる。なお、踏み込んで作業する構成に限らず、例えば別途重量の重い家具などを連結部211Aの上に載置させるなど、錘により荷重を作用させるようにしてもよい。
また、支持部300Aに回動を規制する転動支持部325Aを設けている。このため、表示装置10をより確実に安定して支持できる。さらには、前面支持部320Aにおける表示部20の前面が当接する面が略水平となる回動状態で、転動支持部325Aの両端部の軸方向が略鉛直方向に略平行となる状態で転動支持部325Aの端部が前面支持部320Aの側面に当接し、さらに前面支持部320Aが回動することを規制するように構成している。このため、支持部300Aを誤って回動しすぎて、表示装置10が前面支持部320Aからずり落ちてしまうことも特別な回動規制の構成を設けることなく容易に防止できる。
さらに、表示部20の下部をリフト部311Aにて持ち上げる際の支持部300Aの回動姿勢で支持部300Aを載置部200Aに着脱可能とし、表示装置10の保守点検作業時の表示面が下方に向く回動姿勢で着脱不可能に支持部300Aを軸支する構成としている。このため、組立形成された形態で移動装置100Aを表示装置10が設置されている場所まで搬送する必要がなく、使用時に適宜組み立てればよく、移動装置100Aを容易に搬送できる。
そして、この支持部300Aの着脱可能な構成として、載置部200Aの軸部材216Aを回転可能に軸支する軸孔314Aが軸部材216Aを挿通可能に外面に連通する状態に切欠部316Aを設けるとともに、支持部300Aを回動させた状態で切欠部316Aから軸部材216Aを外すための支持部300Aの移動方向に載置部200Aに当接する状態に規制部317Aを突設して抜け止めする構成としている。このため、簡単な構成で支持部300Aを着脱可能に軸支する構成が得られ、製造性の向上が容易に得られる。
また、相対的に開脚状態に回動することで床面1上に安定載置可能となる後脚部210Aおよび前脚部220Aにて構成する載置部200Aとして、平面視で略く字状に形成した短冊状の一対の回動継ぎ手部227Aにて前脚部220Aを回動軸支する構成としている。このため、後脚部210Aに前脚部220Aが重なる状態に回動させることが可能となり、搬送時の載置部200Aの形態が簡単な構成で容易に小型化できる。さらに、後脚部210Aに対して所定角度で前脚部220Aを回動させた場合、前脚部220Aの端部が後脚部210Aの端部に当接して回動規制する状態に軸支している。このため、表示装置10を持ち上げる作業の際や支持している際などに前脚部220Aがさらに回動してしまうことを防止でき、安定した作業が簡単な構成で容易に得られる。さらに、後脚部210Aおよび前脚部220Aを連結するいわゆるターンバックル構造の開脚規制部230Aを設けている。このため、より確実に安定した作業が容易に得られるとともに、開脚規制部230Aの長さ寸法の調整により、容易に高さ寸法も変更できる。
また、開脚規制部230Aの進退部232Aに端部に平面部236Aを設けている。このため、連結部211Aを踏み込んで表示装置10を移動させる際に、進退部232Aの端部を踏み込んでも良好に踏み込みで、作業性が低下することを防止できる。そして、両進退部232Aにそれぞれ平面部236Aを設けているため、連結部211Aおよび架橋部材223Aに係合部235Aを係合させる際に逆となっても、同様の姿勢で開脚規制部230Aが取り付けられるので、向きを問わずに取り付けでき、開脚規制部230Aの取付作業が容易にできる。
そして、連結部211Aおよび架橋部材223Aを同様の形状に形成している。このため、同一の部材を材料として形成でき、製造性を向上できるとともに、開脚規制部230Aの係合部235Aを同一形状に形成でき、取り付ける向きに制約がなく、開脚規制部230Aの取付作業性を向上できる。
さらに、係合部235Aに後脚部210Aおよび前脚部220Aの拡開方向への回動方向側に抜け止め部を突設している。このため、係合部235Aが外れてしまうことを簡単な構成で防止できるとともに着脱可能な構成が容易に得られる。
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。
すなわち、例えば、図14に示すように、第1の実施の形態の支持部300を第2の実施の形態の載置部200Aに軸支する構成とするなどしてもよい。なお、図14において、第1の実施の形態および第2の実施の形態と同一の構成については、同一の符号を付す。この図14に示すような構成により、第1の実施の形態についてもラック2に接触することなく表示装置10を移動させることができる。
また、上記各実施の形態において、上述したように、ラック2上に載置した表示装置10を回動させる場合に限らず、例えば図15に示すように、床面1上に直接載置する表示装置10でも適用できる。この図15に示す実施の形態において、同一あるいは類似の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。なお、図15に示す実施の形態は、第1の実施の形態の変形として説明するが、これに限らず、第2の実施の形態などでも同様である。
図15において、500は移動装置で、この移動装置500には、載置部200に脚部材250の他にもう一つの脚部材260が設けられている。すなわち、載置部材210の長手方向の一端側に脚部材250が設けられ、挿入凹部230側に脚部材260が設けられている。脚部材260は、略U字状に屈曲形成された調整脚部252に代えて角柱状の独立した調整脚部262が設けられている。さらに、調整脚部252,262の下面には、滑車部255がそれぞれ設けられている。この滑車部255は、車輪255Aの回転を規制する図示しない走行規制部材が設けられている。
この図15に示す移動装置500は、脚部材260が設けられた側に滑車部255にて床面1上を走行させ、挿入凹部230にスタンド部30を挿入する状態にし、図1ないし図5に示す第1の実施の形態と同様に、支持部300に表示部20を当接させる。なお、表示部20の下端とリフト部321との間が空きすぎている場合には、脚部材250,260の高さ寸法を調整してリフト部321が表示部20の下端部に略当接する状態とする。この状態で、走行規制部材を操作して滑車部255の車輪255Aの回転を規制して走行しない状態とする。この後、あらかじめ取り付けてあった規制部材400を取り外し、図1ないし図5に示す第1の実施の形態と同様に、支持部300を回動させて表示装置10を回動させる。この状態でさらに表示装置10を運び出すなどの場合には、走行規制部材を操作して車輪255Aの回転規制を解除し、支持部300に表示装置10が載置する状態で床面1上を走行させて搬送すればよい。このように、表示装置10の作業台としての機能の他、搬送装置としても機能する。
このように、図15に示す実施の形態では、図1ないし図5に示す第1の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、脚部材250,260を設けているため、高さ寸法が比較的に高いスタンド部30を有する表示装置10でも対応できる。さらに、滑車部255を設けているため、表示装置10を回動させるために移動装置500を所定の位置に設置することが容易にできるとともに、表示装置10の搬送も容易にできる。また、車輪255Aの回転を規制する走行規制部材を設けているため、安定した支持部300の回動ができるとともに、保全作業の際にも移動せず、良好に作業できる。なお、この図15に示す実施の形態において、滑車部255を設けなくてもよい。
そして、図1ないし図5に示す実施の形態において、載置部材210の挿入凹部230が設けられた側に滑車部255を設けることもできる。このような構成とすることで、ラック2上の所定の位置に載置部200を載置させることが容易にでき、移動装置100の設置作業性を向上できる。
また、図1ないし図5に示す第1の実施の形態、図6ないし図13に示す第2の実施の形態、図14に示す実施の形態、および、図15に示す実施の形態において、例えば図16に示すように、リフト部321を高さ調整可能な構成としてもよい。この図16に示す実施の形態において、図1ないし図5に示す第1の実施の形態および図15に示す実施の形態と同一あるいは類似の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図16において、600は移動装置で、この移動装置600の支持部300は、回動部310と、保持部610とを備えている。保持部610は、角柱状の一対の梁部611と、転動支持部322と、筋交い部323と、下端支持部としての昇降リフト部612と、を備えている。梁部611は、少なくとも表示部20の表示面が臨む前面からスタンド部30の突出する最先端部の位置までの長さ寸法より長い角柱状に形成されている。この梁部611に転動支持部322が一体的に連結されている。また、昇降リフト部612は、調整ねじ部材254を有し転動支持部322に移動可能に取り付けられる例えば各筒状の昇降台座部612Aと、この昇降台座部612Aの一側面に、軸方向が略直交する状態に角柱状の一端が一体に取り付けられたリフト部612Bと、を備えている。
そして、この図16に示す移動装置600では、表示部20が転動支持部322に当接する状態に載置部200を載置させつつ、脚部材250の高さ調整を実施し、調整ねじ部材254を操作して昇降リフト部612を上方に移動させて、図16に示すように、表示部20の下端部に当接させる。そして、調整ねじ部材254を再び操作して昇降リフト部612を位置決めして、表示部20を支持部300に2箇所で支持させる。この状態で、上記各実施の形態と同様にして支持部300を回動させて表示装置10を回動させる。この図16に示す実施の形態の構成によれば、表示部20の高さ位置が異なる場合でも、適切に2箇所以上で支持部300に確実に支持でき、汎用性を向上できる。
また、上記各実施の形態において、例えば図17に示すように、支持部300の回動中心であるシャフト242から転動支持部322までの距離を調整可能な構成としてもよい。この図17に示す実施の形態において、上記各実施の形態と同一あるいは類似の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図17において、700は、移動装置で、この移動装置700の支持部300は、回動部310と、保持部710と、を備えている。保持部710は、リフト部321と、転動支持部322と、調整筋交い部323と、を備えている。また、転動支持部322の下端部には、調整ねじ部材254を有しリフト部321に移動可能に取り付けられる例えば断面略コ字状の移動台座部720が設けられ、調整ねじ部材254の螺着によりリフト部321と転動支持部322とが位置決めされて連結される。調整筋交い部323は、回動部310の一側面に軸方向が略直交する状態に軸方向の一端が一体的に連結され調整ねじ部材254を有した角筒状の筒状部323Aと、この筒状部323Aに進退可能に嵌合され軸方向の一端が回動部310に対向する転動支持部322の一側面に一体的に連結された角柱状の嵌挿部323Bと、転動支持部322に一端が軸支され他端に軸方向に沿い回動部310にねじ止めされる長孔323C1を有した筋交い部323Cと、を備えている。
そして、この図17に示す移動装置700では、表示部20の前面から突出するスタンド部30の最先端位置までの距離より、シャフト242から転動支持部322までの距離が長くなる状態に回動部310に対して転動支持部322を移動させる。すなわち、移動台座部720および筒状部323Aの各調整ねじ部材254を操作し、リフト部321に対して移動台座部720を移動可能とするとともに、筒状部323Aに対して嵌挿部323Bが進退可能とする。そして、シャフト242から上述した所定の距離より長くなるまで移動台座部720を移動させ、再び調整ねじ部材254を螺着して移動規制する。この状態で、上述した各実施の形態と同様に表示部20を支持部300に2箇所で当接する状態にして回動させる。この図17に示す実施の形態の構成によれば、シャフト242から転動支持部322までの距離を可変できるので、表示部20の前面からスタンド部30の突出する寸法が異なる場合でも、表示装置10を回動する際にスタンド部30の最先端部分が平面2Aに突っ掛かるようなことを確実に防止して良好に回動でき、汎用性を向上できる。
また、上記各実施の形態において、表示面が下方に向く転動状態に回動した際に、表示状況が容易に確認できるように、例えば図18に示すような反射部800を設けてもよい。この反射部800は、例えば鏡などのように一面に反射面801を有し、例えば回動部310などに取り付けられる。この反射部800は、反射面801の向きを可変できるように取付部材802などにて取り付けられる。また、反射面801は、曲面状に形成して表示面の全体が視認できるようにしてもよい。この図9に示す反射部800を設けた構成によれば、下方に向いた状態の表示面をのぞき込むようにして保全作業などをする必要がなく、上方から反射面801に投影された表示状況を確認しつつ、上方から保全作業ができ、作業性を向上できる。
さらに、上記各実施の形態において、表示面の表示状況を容易に確認するための構成として、例えば図19に示すように、支持部300の回動状況を表示面がある程度下方に向いて表示部20の背面側が上方に臨んで背面側から保全できる状態まで回動した状態を保持するための規制手段としての回動規制部850を設けてもよい。すなわち、図19において、回動規制部850は、例えば筋交い部323と同様の長手板状で軸方向の一端が載置部材210に軸支され、他端が支持部300の例えば回動部310に着脱可能に取り付けられる。この回動部310への回動規制部850の取付により、例えば支持部300に載置された表示装置10の前面が約45°に傾斜する状態となる。この図19に示すような回動規制部850を設けた構成によれば、表示面の表示状況を直接視認して保全作業などができるとともに表示面をのぞき込む作業が容易となり、作業性を向上できる。
また、脚部として調整脚部252にて連結した構成の脚部材250に限らず、例えばそれぞれ独立した脚構造でも適用できる。さらには、脚部材250を設けなくてもよい。すなわち、図1ないし図5に示すラック2上に載置された表示装置10を回動させる実施の形態において、ラック2の上面が床面1となるような高さ寸法が比較的に短いスタンド部30を有した表示装置10を回動させる際に特に有効である。
さらに、折り畳み可能に脚部材250を設けて説明したが、折り畳みできない構成としてもよい。さらには、折り畳むための構成として、いずれの位置で分離、取り外し、回動などができる構成として、いずれの形状に折り畳みできるように適宜設定を変更してもよい。
そして、規制部材400を設けなくてもよい。また、支持部300の回動を規制する構成として、規制部材400の構成に限らず、いずれの構成を適用することができる。例えば、図20に示すような規制手段としての回動規制部材900を設けてもよい。この回動規制部材900は、例えばリフト部321などに回動可能に一端が設けられたフック部901と、このフック部901が係脱可能に係合する例えば載置部材210に設けられた係止ピン902と、を備えた構成である。そして、この回動規制部材900により、支持部300は立位状態が維持される。
また、例えば図21に示すような規制手段としての回動規制部材950を設けてもよい。この回動規制部材950は、例えば回動部310に回動可能に一端が設けられたフック部951と、このフック部951が係脱可能に係合する例えば載置部材210に設けられた係止ピン952と、を備えた構成である。この回動規制部材950により、支持部300は転動状態が維持される。
これら図20に示す回動規制部材900および図21に示す回動規制部材950のうちの少なくともいずれか一方を設けることにより、フック部901,951を係止ピン902,952に係脱させるのみで、支持部300の回動可能状態または回動規制ができ、操作が容易で作業性を向上できるとともに、紛失するなどのおそれもない。
また、上記各実施の形態において、支持部300の高さ寸法を可変可能、すなわち、回動部310や転動支持部322として、例えば脚部材250と同様の構成として高さを調整できるようにしてもよい。このような構成とすることで、表示部20の大きさが異なるものについても適宜支持部300の高さ寸法を適切に調整することで、良好に表示部20を支持でき、安定した確実な回動ができる。
さらに、上記各実施の形態において、調整ねじ部材254を外面側に位置する状態に設けて説明したが、例えば内面側に望む状態に設けてもよい。同様に、脚筋交い部253や筋交い部323についても、内面側や側面などに位置する状態に設けてもよい。このような構成とすることで、例えば折り畳んで載置部200が構成する面が上下方向となる状態に立てた状態で調整ねじ部材254や脚筋交い部253あるいは筋交い部323が床面1などに当接することがなく、載置部材210のほぼ一側面で支持することとなり、床面1などを傷付けるなどを防止できる。
また、上記第2の実施の形態において、支持部300Aにより表示装置10を持ち上げ指示する方向に回動した際に回動規制される規制部317Aを設け、反対側へは支持部300Aが床面上に接触するまで回動可能に載置部200Aに軸支される構成について説明したが回動規制してもよい。例えば、図22および図23に示すように、支持部300Aに、規制部317Aが突出する側面と反対側の側面に、反対方向に突出する回動規制部318Aを設ける。この回動規制部318Aは、リフト部311Aの長手方向が略水平方向の状態で後脚部210Aの後角筒部214Aの端部に当接する状態に突設されている。この回動規制部318Aにより、支持部300Aは、リフト部311Aの先端部が床面に接触することなく回動が規制される。このため、ラック2上に載置された表示装置10を持ち上げ支持するためにリフト部311Aを表示部20とラック2との間に位置する状態に移動装置100Aを移動させる際、回動規制部318Aにより回動規制されているので、支持部300Aを保持しつつ移動装置100Aを移動させる必要がなく、移動装置100Aの設置が簡単な構成で容易にでき、作業性を向上できる。なお、支持部300A側に回動規制部318Aを設ける場合に限らず、載置部200A側で支持部300Aの回動を規制する位置に設けてもよい。さらに、図22および図23に示す形状に限らず、回動規制できるいずれの形状が利用できる。また、回動規制部318Aを突設氏多分、回動規制部318Aを貫通する状態に切欠部316Aが設けられた形状で説明したが、例えば図24に示すように、切欠部316Aの一縁側となる先端側の縁に連続する状態に回動規制部318Aを突設してもよい。
本発明は、上述した各実施の形態や変形例のみに限ることなく、その他、本発明の目的を逸脱しない範囲で様々な応用が可能である。
〔実施の形態の効果〕
上記実施の形態では、表示装置10のスタンド部30が載置するラック2の平面2A上に載置可能な載置部200に、表示部20の下端部および表示面が臨む前面の2箇所を支持する支持部300を、表示部20を支持する状態でスタンド部30が表示面より前方に突出する最先端位置より前方の位置で、表示面が下方に向く状態に回動可能に軸支する。このため、支持部300にて表示装置10を表示面が下方に向く状態に回動させる際に、表示装置10が持ち上げられる方向に回動され、スタンド部30の最先端位置の回動軌跡がラック2の平面2Aから上方に移動させる状態となり、スタンド部30の最先端位置がラック2の平面2Aに突っ掛かるように回動を規制することを防止でき、容易に表示装置10を表示面が下方に向く状態に回動させることができる。
また、床面1上に載置される載置部200Aの載置された状態での載置領域の上方に回動可能に支持される支持部300Aの軸支位置が位置するとともに、表示部20の下端部を支持するリフト部311Aの一端部が載置領域の上方より前方に位置し、かつ軸支位置から支持する位置となる前面支持部320Aにおける表示部20の前面が当接する面までの距離が、表示部20の前面から表示部20の前面より前方に突出するスタンド部30の最先端位置までの突出する寸法以上に構成している。このため、支持部300Aにて表示装置10を表示面が下方に向く状態に回動させる際に、表示装置10が持ち上げられる方向に回動され、スタンド部30の最先端位置の回動軌跡がラック2の平面2Aから上方に移動する状態となり、スタンド部30の最先端位置がラック2の平面2Aに突っ掛かるように回動を規制することを防止でき、容易に表示装置10を表示面が下方に向く状態に回動させることができる。さらに、表示装置10の表示部20を支持する位置が載置部200Aの載置領域より前方に突出する構成で、第1の実施の形態のようなラック2の平面2A上に載置させる載置部200を設けていないので、比較的に重量の重い表示装置10を持ち上げて回動させる際にラック2の平面2Aにその重量が作用することなく床面1に作用するので、例えばラック2がガラス製品などの比較的に脆い素材でも、ラック2を損傷することなく持ち上げて回動させることができる。