JP5998103B2 - 車両荷台のステップ付アオリ - Google Patents
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Description
従来のアオリとして、荷物をトラックの荷台に積み込んだり、目的地への到着後に荷物を降ろす際、作業者が荷役作業を安全かつ容易に行えるように、昇降用のステップを内面に有した特許文献1の「トラックのアオリ」が知られている。すなわち、特許文献1のアオリは、アオリの内側板に形成された1つの矩形状の凹部に、軸部を中心として1つのステップが起伏(開閉、90°回動)自在に収納されたものである。使用時には、まずアオリを開いて(180°下方回動して)、ステップをアオリの外面に配置し、この状態でステップを外側に開き、作業者がステップに適宜足を掛けながら荷役作業を行う。
また、ステップを開閉する際には、作業者が手動でステップを開閉操作しなければならなかった。
また、この発明は、不使用時におけるコンパクトなステップの格納状態を維持しながら、使用時の梯子型踏み台の支持安定性を高めることができる車両荷台のステップ付アオリを提供することを目的としている。
ここでいうアオリとは、ヒンジを介して、車両の荷台の外周縁に元部(アオリの幅方向の一辺部)が軸支され、荷台に積載された積荷の落下を防止する板材をいう。アオリの先部とは、アオリの幅方向の他辺部(アオリのヒンジ側とは反対側の辺部)をいう。
また、ここでいう「アオリの起立状態」とは、その先部(ヒンジが連結された前記元部とは反対側の辺部)を上方に向けた状態をいい、ここでいう「アオリの伏せ状態」とは、アオリの先部を下方に向けた状態をいう。
梯子型踏み台が搭載されるアオリは、荷台のどの辺部に配置されるものでもよい。例えば、左アオリ、右アオリ、後アオリの何れでもよい。
梯子型踏み台は、アオリの裏側(裏面)であれば、そのどの箇所に設置されてもよい。梯子型踏み台は、アオリの裏側に直接設けられる。または、アオリの裏側に着脱可能に連結(ボルト連結など)された例えば矩形状の踏み台固定板を介して間接的に設置してもよい。
「梯子型踏み台」とは、一致の前側支柱と、一対の後側支柱と、複数のステップと、複数の前側回転軸と、複数の後側回転軸とを有する折り畳み可能な平行四辺形リンク構造の踏み台である。
ここでいう「梯子型踏み台がアオリの裏側に…格納された」とは、起立したアオリを正面視(アオリの表面と正対)したとき、折り畳まれた梯子型踏み台がアオリの上縁から突出しない状態をいう。
ステップの使用枚数は、2枚または3枚以上である。
一対の後側支柱は、梯子型踏み台の組み立て時に、先部がステップに固定された一対の起伏アームが一対の起伏軸を中心として起立側に回動するため、これらの移動奇跡は、アオリの裏面と平行な直線移動だけでなく、スライド軸を中心とした回動を伴った立体的なものとなる。
起伏アームの形状は任意である。また、起伏アームの使用本数は2本に限らずとも、1本でも3本以上でもよい。
両起伏アームによるアオリの裏面を基準とした梯子型踏み台の傾斜角度は、例えば30°〜45°である。30°未満では梯子型踏み台(多段ステップ)が急傾斜となり、積荷を持った作業者のステップ昇降の安全性が低下する。また、45°を超えれば起伏アームが長くなるため、起伏アームの強度が低下する。両起伏アームによるアオリの裏面を基準とした梯子型踏み台の好ましい傾斜角度は、35°〜40°である。この範囲であれば、作業者の荷台への昇降の安全性が高まるとともに、その昇降がさらに容易となる。
接地用脚部には、さらに地面までの長さを調整するため、例えばボルトナット構造、テレスコピック(入れ子)構造などを採用した伸縮可能な補助脚を取り付けてもよい。
このように、アオリの上下回動に伴い梯子型踏み台を、アオリに近接する格納位置とアオリから離反する使用位置との間で、梯子型踏み台の自重を駆動源として折り畳み自在(回動自在)に設けたため、取り扱いが容易で、かつ使用時には多段ステップを利用して荷台への昇り降りを安全に行うことができ、かつ不使用時にはアオリの裏側に梯子型踏み台をコンパクトに収納可能であるとともに、使用時には昇降し易いように多段ステップが傾斜配列することができる。
図1および図3に示すように、梯子型踏み台14は、それぞれがアオリ15の幅方向に延び、かつアオリ15の長さ方向に平行に離間した一対の前側支柱16と、それぞれがアオリ15の幅方向に延び、かつアオリ15の長さ方向に平行に離間した一対の後側支柱17と、アオリ15の長さ方向に延びた3本の前側回動軸18を介して、それぞれの前端角部が一対の前側支柱16に回動自在に連結されるとともに、アオリ15の長さ方向に延びた3本の後側回動軸19を介して、それぞれの後端角部が一対の後側支柱17に回動自在に連結された上、中、下段の3枚のステップ20とを有したものである。なお、下段のステップ20は、一対の前側支柱16と一対の後側支柱17との下端部間に配置されている。
各段のステップ20は、平行に離反した前側回動軸18と後側回動軸19とに対して回動自在に横架された構造を有している。また、中段のステップ20の長さ方向の両端部の裏側には、一対の起伏アーム23の先部がそれぞれ固定されている(図1、図3および図8)。さらに、各起伏アーム23の長さは、アーム起立時(アオリ15の裏面と直交状態まで回動した時)に前側支柱16(後側支柱17)、ひいては梯子型踏み台14を30°の傾斜角度で支持可能な長さを有する。
各起伏アーム23は、前記一対の起伏軸24が回動自在に挿着される一対の軸支ブラケット25を介して、アオリ15の裏面と平行な伏せ位置からアオリ15の裏面と直交する起立位置との間で(略90°)回動自在に設けられている(図1)。両軸支ブラケット25の下部には、両起伏アーム23の90°を超える下方回動を防止するストッパ(突起部)26が配設されている(図8)。
梯子型踏み台14の使用時、ヒンジ13を中心にして、図2に示すように荷台12上で起立したアオリ15を、図1に示すように伏せ方向に180°回動させることで、平行四辺形リンク構造の梯子型踏み台14は、自重により平行四辺形リンクが開き、梯子が自動的に組み立てられる(図5〜図8の各実線矢印)。このとき、一対の後側支柱17の元部に配設された各スライド軸22が、対応する連結ブラケット21の長孔21aに沿ってアオリ15の先端方向へそれぞれスライドする(図4および図7)。この梯子型踏み台14の下方へのスライドに伴い、一対の起伏アーム23が起伏軸24を中心にして、各アーム元部がストッパ26に当接する90°の回動位置まで下方回動する。これにより、各起伏アーム23が起立し、アオリ15の裏面を基準とした30°の傾斜状態で、梯子型踏み台14が各起伏アーム23により支持される(図8)。このように、梯子型踏み台14が傾斜状態で支持されることで、作業者の荷台12への昇降が容易となる。さらに、梯子型踏み台14の使用時、下段のステップ20は、一対の前側支柱16と一対の後側支柱17との下端部間に配置されるため、地面とステップ20との段差が小さくなり、作業者の荷台12への昇降がさらに容易となる。
なお、「梯子型踏み台14の折り畳み状態」とは、一対の後側支柱17の裏面がアオリ15の裏面に接し、かつこれらの後側支柱17に一対の前側支柱16が重なり合うとともに、各ステップ20はその幅方向がアオリ15の幅方向に略一致するように折り畳まれ、さらに起伏アーム23がその先端をアオリ15の元端方向に向け、かつ起伏アーム23の裏面がアオリ15の裏面に接している状態をいう。
なお、梯子型踏み台14は、アオリ15の裏側に直接取り付けるだけでなく、例えば図9に示すように、アオリ15の裏側にボルト27によって連結される矩形状の踏み台固定板28を介して、間接的に取り付けるようにしてもよい。この構造を採用した場合には、トラック製造工程において、荷台12へのステップ付アオリ10の適用のみならず、本発明の主要部を構成する梯子型踏み台14を既存のトラック11のアオリ15に取り付けることで、既存のアオリ15を本発明のステップ付アオリ10に簡単に改良することができる。
図10に示すように、この発明の実施例2に係るステップ付アオリ10Aの特徴は、一対の後側支柱17の下端部に、アオリ15の長さ方向に延びる2本の折り畳み軸30を介して、2本の接地用脚部31がそれぞれ折り畳み自在(回動自在)に設けられた点である。
接地用脚部31は下端部にナット31aが固定された金属パイプで、接地用脚部31の内部空間には、ナット31aに螺合する脚ボルト32が突没可能に挿入されている。
このように構成したことで、梯子型踏み台14の使用時、折り畳み軸30を中心にして、各接地用脚部31を脚開方向に回動させることで、各接地用脚部31の下端面を間接的に接地させることができる。そのため、不使用時におけるコンパクトなステップ20の格納状態を維持しながら、使用時の梯子型踏み台14の支持安定性を高めることができる。なお、両接地用脚部31を延ばしても接地できない場合には、脚ボルト32を突出方向に回転させることで、脚ボルト32を介して接地用脚部31を接地させることができる。
その他の構成、作用および効果は、実施例1と略同じであるため、説明を省略する。
11 トラック(車両)、
12 荷台、
14 梯子型踏み台、
15 アオリ、
16 前側支柱、
17 後側支柱、
18 前側回動軸、
19 後側回動軸、
20 ステップ、
21 連結ブラケット、
21a 長孔、
22 スライド軸、
23 起伏アーム、
24 起伏軸、
30 折り畳み軸。
Claims (2)
- 車両の荷台の外縁部に起伏自在に設けられ、かつ作業者が前記荷台を昇降する際に利用される梯子型踏み台がアオリの裏側に折り畳み自在に格納された車両荷台のステップ付アオリであって、
前記梯子型踏み台は、それぞれが前記アオリの幅方向に延び、かつ該アオリの長さ方向に平行に離間した一対の前側支柱と、それぞれが前記アオリの幅方向に延び、かつ該アオリの長さ方向に平行に離間した一対の後側支柱と、前記アオリの長さ方向に延びた複数の前側回動軸を介して、それぞれの前端角部が前記一対の前側支柱に回動自在に連結されるとともに、前記アオリの長さ方向に延びた複数の後側回動軸を介して、それぞれの後端角部が前記一対の後側支柱に回動自在に連結された複数のステップとを有したもので、
前記アオリの元部の裏側には、該アオリの幅方向へ長い長孔を有する一対の連結ブラケットが、前記アオリの長さ方向に平行に離間して配設され、
前記一対の後側支柱の元部には、前記アオリの長さ方向に延び、かつ前記一対の連結ブラケットの長孔にスライド自在に挿入された一対のスライド軸がそれぞれ突出し、
前記アオリの先部の裏側には、前記ステップの長さ方向の両端部に各先部が固定され、かつ起立時に前記アオリの裏面を基準とした傾斜状態で前記梯子型踏み台を支持する一対の起伏アームが、前記アオリの長さ方向に延びた一対の起伏軸を中心にして起伏自在に連結された車両荷台のステップ付アオリ。 - 前記一対の前側支柱の下端部および前記一対の後側支柱の下端部の少なくとも一方には、前記アオリの長さ方向に延びる複数の折り畳み軸を介して、複数の接地用脚部がそれぞれ折り畳み自在に配設された請求項1に記載の車両荷台のステップ付きアオリ。
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