JP4516327B2 - 積層構造体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、絶縁体と電極とが交互に形成されている積層構造体の製造方法に関する。
絶縁体(誘電体)と電極とが交互に形成されている積層構造は、積層コンデンサの他にも、圧電ポンプ、圧電アクチュエータ、超音波トランスデューサ等の様々な用途に利用されている。近年、MEMS(micro electro mechanical system:微小電子機械システム)関連の機器の開発に伴い、このような積層構造を有する素子の微細化及び集積化がますます進んでいる。
対向電極を有する素子の微細化においては、素子の面積を小さくすると電極間の容量が小さくなるので、素子の電気インピーダンスが上昇するという問題が生じている。例えば、圧電アクチュエータにおいて電気インピーダンスが上昇すると、圧電アクチュエータを駆動するための信号回路とのインピーダンスマッチングが取れなくなって電力が供給され難くなり、圧電アクチュエータとしての性能が落ちてしまう。或いは、圧電素子を用いた超音波トランスデューサにおいては、超音波の検出感度が落ちてしまう。そのため、素子を微細化しつつ電極間容量を大きくするために、複数の圧電材料層と複数の電極層とを交互に積層することが行われている。即ち、積層された複数の層を並列に接続することにより、素子全体の電極間容量を大きくすることができる。
圧電材料層を含む積層構造体の製造方法としては、従来より、バルクの圧電材料を用いるバルク法が知られている。バルク法においては、所望の厚さに削ったバルクの圧電材料を電極層と交互に重ね、接着剤を用いて接着したり、ボルトを締めることにより固定したりする手法が用いられている。
しかしながら、この手法は、一般に、比較的大きい積層構造体の製造に用いられており、微小な積層構造体の製造に用いる場合には、薄く削った圧電材料が脆く割れ易いことからハンドリングが困難であり、また、微細加工が困難であるので、製造工程が煩雑になる。特に、厚さ100μm以下の圧電材料は割れ易い。また、出来上がった製品については、接着剤による装着性に問題があると共に、接着部分において応力が発生するという問題が生じている。従って、この手法によると、製造歩留まりが低下し、製造コストが上昇してしまうので、生産性の観点からも適当ではない。そのため、積層構造体を成膜によって製造するグリーンシート法又はスクリーン印刷法が検討されている。
グリーンシート法又はスクリーン印刷法においては、可塑性のない圧電材料の粉末に有機物等のバインダを混合して成膜したグリーンシート(圧電体シート)が用いられる。この手法においては、圧電体シート上に電極材料のペーストをスクリーン印刷により塗布した複数のシートを積層し、約1000℃の高温で焼成することにより、バインダを圧電体シートから飛散させて、圧電体を強固な膜にしている。
このような手法を用いて製造される積層構造体においては、複数の電極層を互いに接続するために、積層構造体の側面において配線が行われる。図10は、積層構造体の一般的な配線方法を説明するための断面図である。積層構造体100は、複数の圧電材料層101と、複数の電極層102及び103と、側面配線104及び105とを含んでいる。
電極102は、その一端が積層構造体の一方の壁面まで延びるように形成されており、電極103は、その一端が積層構造体の他方の壁面まで伸びるように形成されている。これにより、電極102は、一方の側面配線104に接続されると共に、他方の側面配線105から絶縁領域106によって絶縁される。反対に、電極103は、側面配線105に接続されると共に、側面配線104から絶縁領域106によって絶縁される。側面配線104と側面配線105との間に電位差を与えることにより、電極102と電極103との間にそれぞれ配置された圧電材料層101の各々に電圧が印加され、圧電効果によって圧電材料層101が伸縮する。
しかしながら、電極102及び103には、いずれかの側面配線と絶縁するために、電極が形成されていない絶縁領域106が設けられている。この絶縁領域106は、積層構造体100に電圧を印加しても伸縮しない。そのため、圧電材料層101の内部に、伸縮する第1の領域と伸縮しない第2の領域とが存在するので、これらの領域の間に応力が集中して破損し易いという問題がある。
関連する技術として、下記の特許文献1には、長寿命の積層型圧電アクチュエータの製造方法が開示されている。この特許文献1によれば、圧電セラミックス材を主体とするグリーンシートの表面全面に内部電極を形成し、該グリーンシートを層状に積層して焼結し、該被焼結物の両側面に機械加工を施し、両側面の端部を一層おきに樹脂にて絶縁処理し、該被処理物の上からそれぞれの面に導電層を形成する。これにより、従来のように全面電極を形成し得ないものに比べて耐久性を向上させることができ、また、内部電極を部分的に形成するための位置合わせの必要も無く、微細化が可能となる。
しかしながら、グリーンシート(圧電体シート)と内部電極シートとによって形成される積層体の焼成は、一般的に約1000℃の高温で行われるので、内部電極に用いられる導電材料(例えば、銀)が圧電体内に拡散することにより、圧電体の特性が劣化してしまう。さらに、グリーンシート法によって製造される圧電体においては、内部に含まれる有機物等のバインダが抜けた後に形成される孔がバルクの圧電体に比べて多いので、その特性は、バルクの圧電体の特性の6割〜7割程度である。したがって、グリーンシート法によって製造される積層構造体の圧電性能は、バルク法によって製造される積層構造体の圧電性能よりも劣るという問題がある。また、スクリーン印刷法においても同様の問題がある。
特開昭60−128683号公報(第2頁、第2図)
そこで、上記の点に鑑み、本発明は、バルクの圧電材料を用いた場合においても、グリーンシート法と同等の微細な積層構造体を実現することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る積層構造体の製造方法は、圧電材料に粘着シートを貼り付け、粘着シートを切断しないように圧電材料を切断して複数の圧電材料層に分離し、圧電材料を切断することによって形成された圧電材料の溝に導電体ペーストを注入して焼成することにより、複数の圧電材料層の間に複数の電極層がそれぞれ形成された圧電素子を得るステップ(a)と、圧電素子の第1の面において、複数の電極層の内の第1群の電極層を被う第1の絶縁膜を形成するステップ(b)と、圧電素子の第2の面において、複数の電極層の内で第1群の電極層と交互に配置されている第2群の電極層を被う第2の絶縁膜を形成するステップ(c)と、圧電素子の第1の面において、第2群の電極層と電気的に接続され、第1の絶縁膜によって第1群の電極層から絶縁される第1の配線を形成するステップ(d)と、圧電素子の第2の面において、第1群の電極層と電気的に接続され、第2の絶縁膜によって第2群の電極層から絶縁される第2の配線を形成するステップ(e)とを具備する。
本発明によれば、圧電材料に粘着シートを貼り付け、粘着シートを切断しないように圧電材料を切断して複数の圧電材料層に分離し、圧電材料を切断することによって形成された圧電材料の溝に導電体ペーストを注入した後に焼成を行うことにより、バルクの圧電材料を用いた場合においても、グリーンシート法と同等の微細な積層構造体を実現することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る積層構造体の構造を示す図である。図1に示すように、積層構造体10は、例えば、底面の一辺が0.3〜1.0mm程度、高さが2.1mm程度の微小な柱状の構造体である。積層構造体10は、複数のPZT(チタン酸ジルコン酸鉛:Pb(lead) zirconate titanate)層1と、複数の第1電極層2と、複数の第2電極層3と、複数の第1絶縁膜4と、複数の第2絶縁膜5と、複数の第3絶縁膜6と、配線7及び8とを含んでいる。本実施形態においては、PZT層1として、バルクのPZTを用いている。
複数のPZT層1の間には、第1電極層2と第2電極層3とが交互に配置され、各々のPZT層1には、第1電極層2又は第2電極層3が直接接合されている。配線7は、積層構造体10の一方の側面及び底面を覆い、配線8は、積層構造体10の他方の側面及び上面を覆い、配線7と配線8とは、第3絶縁膜6によって絶縁されている。
第1電極層2は、一方の側面において配線7と電気的に接続され、他方の側面に配置された第1絶縁膜4によって配線8から絶縁されている。第2電極層3は、一方の側面に配置された第2絶縁膜5によって配線7から絶縁され、他方の側面において配線8と電気的に接続されている。
配線7及び8、第1電極層2、第2電極層3を介してPZT層1に電圧を印加することにより、PZT層1は圧電効果によって伸縮する。このようなPZT等の圧電材料を絶縁層(誘電体層)として用いる積層構造体は、圧電ポンプや、圧電アクチュエータや、超音波用探触子において超音波を送受信する超音波トランスデューサ等に用いられる。積層構造を有する構造体は、単層の構造体よりも、対向する電極の面積を増やすことになるので、電気的インピーダンスを下げることができる。従って、単層の構造体と比較して、印加される電圧に対して効率良く動作する。
なお、本実施形態においては、圧電材料としてバルクのPZTを用いているが、粉末を焼成したバルク材のほかに、エアロゾルデポジション(AD:aerosol deposition)法により形成される圧電材料や、引き上げ法により形成される単結晶体の圧電材料を用いても良い。
次に、本実施形態に係る積層構造体の製造方法について、図2〜図6を参照しながら説明する。図2は、本実施形態に係る積層構造体の製造方法を示すフローチャートである。また、図3〜図6は、本実施形態に係る積層構造体の製造方法を説明するための図である。
まず、図2に示すステップS1〜S3において、PZT層1を形成する。ステップS1において、図3の(A)に示すように、バルクのPZTを用意する。本実施形態においては、25mm角で厚さ0.3mmのPZTを用いている。次に、ステップS2において、図3の(B)に示すように、バルクのPZTの裏面に粘着シートを貼り付ける。
ステップS3において、図3の(C)に示すように、ダイサー式切断機を用いてバルクのPZTを切断し、PZT層1を形成する。ここで、各PZT層1を固定するために、ダイサー式切断機によって粘着シートが切断されないようにしている。このように、ダイサー式切断機を用いることにより、容易にPZTを微細加工できるので、所望の寸法を有するPZT層1を精度良く形成することができる。
本実施形態によれば、微細加工が可能であるダイサー式切断機を用いているので、PZT層1の厚さを調整するための研磨が必要なく、また、パッキング密度が90%以上で、且つ、微小な積層構造体を製造することができる。また、PZT層1を1枚ずつハンドリングする必要が無いので、PZT層1枚ずつのハンドリングに起因する破損を防止することができ、歩留まりを向上させることができる。
次に、ステップS4〜S6において、第1電極層2及び第2電極層3を形成する。ステップS4において、図4の(A)に示すように、ダイサー式切断機によって形成された溝に、銀ペースト又は銀パラジウムペースト等の導電体ペーストを注入する。ステップS5において、図4の(B)に示すように、PZT層1を固定していた粘着シートを剥がす。
ステップS6において、図4の(C)に示すように、導電体ペーストの乾燥及び焼成を行い、第1電極層2及び第2電極層3を形成する。本実施形態においては、乾燥は約100℃で10分間行い、焼成は約600℃で行っている。ここで、焼成時には、導電体ペーストから有機分や水分が抜けるので、導電体ペーストの体積が減少する。したがって、本実施形態においては、焼成時に、PZT層1間の間隔を徐々に狭めるように、一定の力を積層方向に印加している。
次に、ステップS7〜S10において、第1絶縁膜4、第2絶縁膜5、及び、第3絶縁膜6を形成する。ステップS7において、図5の(A)に示すように、フォトリソグラフィ工程を用いて、積層構造体10の第1の面に、所望のパターンのレジストマスクを形成する。なお、レジストマスクの替わりに、メタルマスクを形成しても良い。ステップS8において、図5の(B)に示すように、レジストマスクを利用して第1の面に第1絶縁膜4及び第3絶縁膜6を形成した後、レジストマスクを取り除く。
ステップS9において、積層構造体10の上下を逆転させ、図5の(C)に示すように、フォトリソグラフィ工程を用いて、積層構造体10の第1の面と反対の第2の面に、所望のパターンのレジストマスクを形成する。ステップS10において、図5の(D)に示すように、レジストマスクを利用して、第2の面に第2絶縁膜5及び第3絶縁膜6を形成した後、レジストマスクを取り除く。
以上において、絶縁膜4〜6の形成には、後で説明するAD法による成膜方法を用いている。絶縁膜4〜6の材料としては、例えば、PZT、アルミナ、ZrO等のZr系酸化物、及び、TiO等を用いることができる。即ち、AD法による成膜方法を用いて絶縁膜を形成することが可能な材料であれば、使用することができる。
次に、ステップS11〜S13において、配線7及び8を形成する。ステップS11において、図6の(A)に示すように、不要なPZTの周辺部をカットする。ステップS12において、図6の(B)に示すように、積層構造体10の前面、後面、及び、第3絶縁膜6以外の部分に、導電体ペーストを塗布する。ステップS13において、図6の(C)に示すように、導電体ペーストの乾燥及び焼成を行い、配線7及び8を形成する。
ここで、本実施形態において絶縁膜を形成するために用いられるAD法について説明する。図7は、AD法によって成膜を行うために用いる装置を示している。この装置は、エアロゾル生成容器20と、成膜チャンバ30とを有している。エアロゾルとは、気体中に浮遊する固体又は液体の微粒子のことをいう。なお、本実施形態においては、絶縁膜を形成するために、平均粒子径が0.2μm〜1μmのPZTの微粒子を用いている。
エアロゾル生成容器20は、成膜原料の粉体が配置される容器であり、ここでエアロゾルの生成が行われる。エアロゾル生成容器20には、キャリアガス導入部21、エアロゾル導出部22、及び、圧力調整ノズル23が設けられている。キャリアガス導入部21は、原料の粉体をキャリアするために用いられる気体であるキャリアガスを、エアロゾル生成容器20の内部に導入する。即ち、エアロゾル生成容器20に配置された原料の粉体をキャリアガスによって噴き上げることにより、エアロゾルが生成される。
このキャリアガスとしては、乾燥空気、窒素ガス、アルゴンガス、酸素ガス、ヘリウムガス等が用いられる。また、エアロゾル導出部22は、エアロゾル生成容器20において生成されたエアロゾルを吸引し、成膜チャンバ30に導く。圧力調整ノズル33は、エアロゾル生成容器20と成膜チャンバ30との圧力差を調整する際に用いられる。
このようなエアロゾル生成容器20は、振動台24の上に戴置されている。振動台24は、エアロゾル生成容器20に振動を与えることにより、エアロゾル生成容器20に配置される原料の粉体を撹拌し、エアロゾルが効率的に生成されるようにする。
成膜チャンバ30には、排気管31と、エアロゾル導入部32と、ノズル33と、可動ステージ34とが備えられている。排気管31は、真空ポンプに接続されており、成膜チャンバ30内を排気する。エアロゾル導入部32は、エアロゾル生成部20のエアロゾル導出部22に接続されており、エアロゾル生成部20において生成されたエアロゾルを成膜チャンバ30内に導入する。ノズル33は、エアロゾル導入部32を介して導入されたエアロゾルを、可動ステージ34上に配置されている積層構造体10に向けて噴射する。
本実施形態によれば、PZT層1としてバルクのPZTを用いているので、グリーンシート法やスクリーン印刷法を用いて形成されるPZTと比べて圧電性能が良い。また、グリーンシート法のように約1000℃の焼成を必要としないので、電極材である銀の拡散がほとんど生じない。さらに、接着剤を用いずPZT層1に電極層2又は3を直接接合しているので、接着剤に起因する応力が発生せず、良好な圧電アクチュエータの性能を得ることができる。また、電極層2及び3をPZT層1の全面に配置しているので、PZT層1の一部の領域に応力が集中しない。その結果、積層構造体10は、従来の積層構造体と比べて耐久性が良い。
なお、本実施形態においては、AD法を用いて絶縁膜を形成したが、スパッタ法、蒸着法、電気泳動法、又は、メッキ法等を用いて絶縁膜を形成しても良い。また、本実施形態においては、導電体ペーストを用いて配線7及び8を形成したが、白金チタンを密着層として用いて、白金をスパッタすることによって配線7及び8を形成しても良い。さらに、本実施形態においては、ダイサー式切断機を用いてバルクのPZTを切断しているが、レーザカッタを用いてバルクのPZTを切断しても良い。その場合には、粘着シートの替りに基板を用いる。
以上説明した積層構造体を複数配置することにより、アレイ状の積層構造体を作製することができる。例えば、図8に示すように、複数の積層構造体10が、基板上に2次元アレイ状に配置された積層構造体を作製することができる。
図9は、図8に示すような2次元アレイ状の積層構造体を超音波用探触子に適用した例を示す一部断面斜視図である。この超音波用探触子は、超音波を送信及び受信する複数の超音波トランスデューサを含む超音波トランスデューサアレイ40と、音響整合層41と、音響レンズ42と、バッキング層43とを含んでいる。これらの各部40〜43は、筐体44に収納されている。また、超音波トランスデューサアレイ40に含まれている複数の超音波トランスデューサの配線は、ケーブル45を介して超音波撮像装置本体に接続される。
これらの超音波トランスデューサの間には、エポキシ樹脂等の充填材が配置されている。音響整合層41は、超音波を伝えやすいガラスや、セラミックや、金属粉入りエポキシ樹脂等によって形成されている。音響整合層41は、生体である被検体と超音波トランスデューサとの間の音響インピーダンスの不整合を解消する。これにより、超音波トランスデューサから送信された超音波を、効率良く被検体中に伝播させることができる。
音響レンズ42は、例えば、シリコンゴムによって形成されている。音響レンズ42は、超音波トランスデューサアレイ40から送信され、音響整合層41において音響インピーダンスを整合された超音波ビームを、所定の深度において集束させる。バッキング層43は、例えば、エポキシ樹脂やゴムにフェライト等の金属の粉体やPZTの粉体を混入した材料のように、音響減衰の大きい材料によって形成されている。バッキング層43は、超音波トランスデューサアレイ40から発生した不要な超音波を早く減衰させる。
このような超音波用探触子を作製する際には、ガラスやマコール(登録商標)を材料とする基板上に複数の積層構造体をアレイ状に配置し、それらの積層構造体の間に充填材を配置することにより、超音波トランスデューサ40及び音響整合層41を作製する。なお、この場合において、基板に別の音響整合層を張り合わせることにより、複数層から成る音響整合層を設けても良い。
本実施形態において、バルクのPZTを用いてPZT層を作製する場合には、導電体ペーストの焼成時におけるPZT層の熱収縮が少なく、PZT層が熱収縮するグリーンシート法やスクリーン印刷法と比べて、厚い積層構造体を安定して製造することができる。その結果、低い周波数の超音波を送受信する超音波トランスデューサを作製することができる。
本発明は、絶縁体と電極とが交互に形成されている積層構造体の製造方法において利用することが可能である。
本発明の一実施形態に係る積層構造体の構造を示す図である。 本実施形態に係る積層構造体の製造方法を示すフローチャートである。 本実施形態に係る積層構造体のPZT層の形成を説明するための図である。 本実施形態に係る積層構造体の電極層の形成を説明するための図である。 本実施形態に係る積層構造体の絶縁膜の形成を説明するための図である。 本実施形態に係る積層構造体の配線の形成を説明するための図である。 AD法によって成膜を行うために用いる装置を示す図である。 基板上に2次元アレイ状に配置された複数の積層構造体を示す図である。 2次元アレイ状の積層構造体を超音波用探触子に適用した例を示す一部断面斜視図である。 積層構造体の一般的な配線方法を説明するための断面図である。
符号の説明
1 PZT層
2、3 電極層
4〜6 絶縁膜
7、8 配線
10 積層構造体
20 エアロゾル生成容器
21 キャリアガス導入部
22 エアロゾル導出部
23 圧力調整ノズル
24 振動台
30 成膜チャンバ
31 排気管
32 エアロゾル導入部
33 圧力調整ノズル
34 ステージ
40 超音波トランスデューサアレイ
41 音響整合層
42 音響レンズ
43 バッキング層
44 筐体
45 ケーブル

Claims (4)

  1. 積層構造体の製造方法であって、
    圧電材料に粘着シートを貼り付け、前記粘着シートを切断しないように前記圧電材料を切断して複数の圧電材料層に分離し、前記圧電材料を切断することによって形成された前記圧電材料の溝に導電体ペーストを注入して焼成することにより、前記複数の圧電材料層の間に複数の電極層がそれぞれ形成された圧電素子を得るステップ(a)と、
    前記圧電素子の第1の面において、前記複数の電極層の内の第1群の電極層を被う第1の絶縁膜を形成するステップ(b)と、
    前記圧電素子の第2の面において、前記複数の電極層の内で前記第1群の電極層と交互に配置されている第2群の電極層を被う第2の絶縁膜を形成するステップ(c)と、
    前記圧電素子の第1の面において、前記第2群の電極層と電気的に接続され、前記第1の絶縁膜によって前記第1群の電極層から絶縁される第1の配線を形成するステップ(d)と、
    前記圧電素子の第2の面において、前記第1群の電極層と電気的に接続され、前記第2の絶縁膜によって前記第2群の電極層から絶縁される第2の配線を形成するステップ(e)と、
    を具備する製造方法。
  2. ステップ(b)が、前記第1の絶縁膜を形成するためのマスクを形成することを含み、
    ステップ(c)が、前記第2の絶縁膜を形成するためのマスクを形成することを含む、
    請求項記載の製造方法。
  3. ステップ(b)又は(c)において形成されるマスクが、レジストマスク又はメタルマスクを含む、請求項記載の製造方法。
  4. ステップ(b)又は(c)が、前記第1又は第2の絶縁膜を、エアロゾルデポジション法、スパッタ法、蒸着法、電気泳動法、メッキ法の内の1つを用いて形成することを含む、請求項記載の製造方法。
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