JP5754879B2 - 振動体 - Google Patents

振動体 Download PDF

Info

Publication number
JP5754879B2
JP5754879B2 JP2009196327A JP2009196327A JP5754879B2 JP 5754879 B2 JP5754879 B2 JP 5754879B2 JP 2009196327 A JP2009196327 A JP 2009196327A JP 2009196327 A JP2009196327 A JP 2009196327A JP 5754879 B2 JP5754879 B2 JP 5754879B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
support plate
layer
laminated
multilayer
recess
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009196327A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011049352A (ja
Inventor
周平 田畑
周平 田畑
寛之 川村
寛之 川村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2009196327A priority Critical patent/JP5754879B2/ja
Publication of JP2011049352A publication Critical patent/JP2011049352A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5754879B2 publication Critical patent/JP5754879B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、振動体に関し、特に、コンピュータ、携帯電話機または小型端末機器用の平面スピーカ装置に用いられるバイモルフ型またはユニモルフ型の振動体に関するものである。
従来の積層型圧電素子は、圧電体層と内部電極層とを交互に積層してなり、圧電体層の積層方向に形成された長方形状の一対の主面と内部電極層が長手方向に交互に引き出された一対の側面とを有する板状の積層体と、この積層体の長手方向の両端部に設けられた外部電極とを具備している。
従来の振動体は、図7に示すように、上記のような積層型圧電素子の一方の主面を支持板に接着剤を用いて接合することにより、バイモルフ型(図7(a))およびユニモルフ型(図7(b))の振動体を作製していた(例えば、特許文献1参照)。
従来の振動体は、図7(a)に示すように、積層型圧電素子30、36を支持板34の上下面に底面側接着剤層35で接合して構成されている。
すなわち、積層型圧電素子30、36は、7層の圧電体31と6層の内部電極層32とを交互に積層してなる積層体と、この積層体の上下の主面に形成された表面電極層33aと、積層体の長手方向の両端部にそれぞれ設けられた一対の外部電極33bとを具備している。積層体は板状であり、上下の主面が長方形状とされ、積層体の長手方向には、内部電極層32が交互に引き出された一対の側面を有し、この一対の側面にはそれぞれ外部電極33bが設けられている。
6層の内部電極層32と2層の表面電極層33aは交互に電極層とされており、一対の外部電極33bには、積層体の側面において3層ずつの内部電極層32及び1層ずつの表面電極層33aが電気的に接続されている。
通常、支持板34に接着剤を塗布し、この接着剤に積層型圧電素子30、36を押し当て、接合されるが、図7(b)に示すように、外部電極33bが積層体の支持板側の主面よりも支持板34側に突出していたため、支持板34上に接着剤を積層型圧電素子30、36の主面の面積よりも広い面積で塗布し、この接着剤に積層型圧電素子30、36を押し当てた状態で乾燥させて接合していた。
特開2007−329431号公報
しかしながら、従来のバイモルフ型振動体では、平坦な支持板34に積層型圧電素子30、36を接着剤で接合していたため、積層型圧電素子30、36を支持板34を介して対称に接合することが困難であり、積層型圧電素子30、36の接合位置がずれやすいという問題があった。積層型圧電素子30、36を支持板34を介して対称に接合できない場合には、積層型圧電素子30、36のそれぞれの振動が打ち消しあい、振動体の変位量が低下するという問題があった。
また、従来のユニモルフ型振動体では、平坦な支持板34に積層型圧電素子30を接合していたため、支持板34上の積層型圧電素子30の接合位置が、作製したユニモルフ型振動体毎に異なるおそれがあり、この場合には、ユニモルフ型振動体毎に振動特性が異なるという問題があった。
さらに、従来の振動体では、外部電極33bが、積層体の主面よりも支持板34側に突出していたため、外部電極33bと支持板34との接触を防止するため、接着剤層35の厚みを厚くせざるを得ず、この厚い接着剤層35が積層型圧電素子30、36の振動を吸収し、振動体の変位が低下し易いという問題があった。
さらに、積層体の支持板側の主面には、積層型圧電素子30、36を有効に振動すべく、表面電極層33aが形成されており、この表面電極層33aと支持板34との電気的導通を阻止するためにも、接着剤層35の厚みを厚くせざるを得ず、これにより振動体の変位が低下し易いという問題があった。
本発明は、支持板に積層型圧電素子を位置精度よく接合できる振動体を提供することを目的とし、さらには、変位量を向上できる振動体を提供することを目的とする。
本発明の振動体は、圧電体層と内部電極層とを交互に積層してなり、一対の主面と該主面の長手方向の両端側に設けられた一対の側面とを有する積層体と、該積層体の前記一対の側面にそれぞれ設けられ前記内部電極層と交互に電気的に接続された一対の外部電極とを具備する積層型圧電素子と、該積層型圧電素子が接着剤層により接合された支持板とを具備する振動体であって、前記支持板に収容凹部が形成されており、該収容凹部に前記積層型圧電素子の前記主面側が収容され、前記収容凹部を構成する凹部底面および凹部側面と前記積層型圧電素子の前記収容凹部に収容された前記主面および前記一対の側面との間に前記接着剤層が介在していることを特徴とする。
本発明では、支持体に形成された収容凹部に積層型圧電素子の主面側を収容するだけで、積層型圧電素子を支持板の所望位置に位置決めできるため、所望の振動が得られ、また、多数の振動体を作製した場合でも、振動特性のばらつきを抑制できる。
また、収容凹部に積層型圧電素子を収容し、収容凹部を構成する凹部底面および凹部側面と積層型圧電素子との間に接着剤層が介在し、積層型圧電素子が収容凹部に接合されているため、積層型圧電素子の振動方向が収容凹部を構成する凹部側面で拘束されることになり、積層型圧電素子の広がり振動を効果的に支持板に伝達することができ、従来よりも変位量を向上できる。
また、本発明の振動体は、前記積層体の前記支持板側の主面を、前記積層体の前記支持板側の最も外側に形成された絶縁セラミックスからなる不活性層の前記支持板側の面で構成し、前記不活性層が前記収容凹部に収容されているとともに、前記外部電極は、前記積層体の前記支持板側の主面には形成されていないことを特徴とする。
本発明の振動体では、積層体の支持板側に形成された主面を、積層体の支持板側の最外側に形成された絶縁セラミックスからなる不活性層の面により構成し、外部電極は、積層体の支持板側の主面には形成されていないため、外部電極と支持板の凹部底面や凹部側面との接触や、支持板側の表面電極層と支持板の凹部底面との導通を考慮する必要がないので、不活性層と支持板との間の間隔、言い換えると、不活性層と支持板の凹部底面および凹部側面とを接合するための接着剤層の厚みを十分に薄くできるため、接着剤層による積層型圧電素子の変位吸収が少なくなり、変位量を向上できる。
本発明の振動体は、前記積層体の前記支持板と反対側の主面には表面電極層が形成されていることを特徴とする。このような振動体では、最外側の圧電体層の表面には表面電極層が形成されているため、積層体の最外側の圧電体層も変位に寄与することができ、振動体の変位量を向上できる。
本発明の振動体では、支持体に形成された収容凹部に積層型圧電素子を収容するだけで、積層型圧電素子を支持板の所望位置に位置決めできるため、所望の振動が得られ、また、多数の振動体を作製した場合でも、振動特性のばらつきを抑制できる。さらに、積層型圧電素子の振動方向が収容凹部を構成する凹部側面で拘束されることになり、積層型圧電素子の広がり振動を効果的に支持板に伝達することができ、従来よりも変位量を向上できる。
(a)は本発明のバイモルフ型の振動体の断面図であり、(b)は支持板の収容凹部にテーパ部を形成した状態を説明するための断面図である。 本発明のバイモルフ型の振動体の平面図である。 支持板の収容凹部と積層型圧電素子との間の接着剤層で積層型圧電素子を支持板に接合した状態を示す断面図である。 導体層を有する本発明のバイモルフ型振動体を示すもので、(a)は断面図、(b)は平面図である。 (a)は、積層体の長手方向側面が焼き肌面とされている積層型圧電素子を用いた振動体の断面図であり、(b)は(a)の一部を拡大して示す断面図である。 シミュレーションに使用したユニモルフ型の振動体を示すもので、(a)は従来の振動体、(b)は支持板に収容凹部を形成し、この収容凹部に積層型圧電素子の主面を収容した場合の断面図である。 従来の振動体を示すもので、(a)は断面図、(b)は接着剤層を広く形成し、この接着剤層に積層型圧電素子を押し当てて接合した場合の断面図である。
(第1形態)
以下、本発明の実施形態を図1、図2に基づいて説明する。図1は本発明のバイモルフ型の振動体の断面図を、図2は平面図を示す。
本発明のバイモルフ型の振動体は、図1、2に示すように、積層型圧電素子1、3を支持板5の上下面に接着剤層6によりそれぞれ接合して構成されている。尚、本発明は、バイモルフ型の振動体に限定されるものではなく、支持板5の片側に積層型圧電素子が接合されたユニモルフ型の振動体であっても本発明の効果は得られる。
積層型圧電素子1、3は、6層のセラミックスからなる圧電体層7と6層の内部電極層9とを交互に積層してなり、支持板5側の最外側に絶縁セラミックからなる不活性層11を有する積層体13と、この積層体13の支持板5と反対側に形成された表面電極層15と、積層体13の長手方向xの両端部にそれぞれ設けられた一対の外部電極17、19とを具備している。尚、図1(a)は理解を容易にするため、積層型圧電素子1、3の厚みを拡大して記載し、(b)は、積層型圧電素子1、3の支持板5への接合状態を説明するための説明図である。
積層体15は板状であり、上下の主面が長方形状とされ、積層体15の主面の長手方向xには、内部電極層9が交互に引き出された一対の側面を有している。
図1の積層型圧電素子1で説明すると、積層体15の上側の主面は圧電体層7の上面で構成され、積層体13の下側の主面は不活性層11の下面で構成されており、積層体15の上側の主面には、表面電極層15が形成されている。
この積層型圧電素子1、3の層構成を、図1の積層型圧電素子1で詳細に説明すると、絶縁セラミックからなる不活性層11と、この不活性層11の上面に形成された内部電極層9と、この内部電極層9上に形成された圧電体層7と、この圧電体層7の上面に交互に積層された前記内部電極層9、前記圧電体層7と、さらに積層体13の最上層の圧電体層7上に形成された表面電極層15とを具備している。
1層の不活性層11と、6層の圧電体層7と、6層の内部電極層9とは積層された状態で同時焼成されて構成されている。表面電極層15は、後述するように、積層体13を作製した後、ペーストを塗布し焼き付けて形成されている。
不活性層11は絶縁セラミックスからなるもので、上記した圧電体層7と同一成分を含有することが望ましく、特には、同一材料からなることが望ましい。また、不活性層11の厚みは任意に設定できるが、不活性層11の厚みが厚くなると絶縁性を向上できるものの、不活性層11による振動抑制が大きくなるため、良好な振動を得るという点からは薄い方が望ましい。
また、製造上容易という点からは、圧電体層7と同一材料で同一厚みを有することが望ましい。これは、積層成形体を作成する際には、圧電体層7と同じグリーンシートを用いて作製することができるからである。
尚、不活性層11は、圧電体層材料と同一にする必要はなく、絶縁性のセラミックスであれば、多少工程上複雑になるが、本発明の効果を得ることができる。
積層体13の長方形状の主面は、幅が5mm以下で、長さが10mm以上であることが望ましい。このような積層型圧電素子では、特に、主面の長手方向xの変位が大きくなり、支持板5に伝達される変位量が大きくなるため、後述するように、接着材層6による変位吸収を抑制する本発明を好適に用いることができる。積層体13の長方形状の主面は、特に幅が5mm以下で、長さが17mm以上の場合に、本発明を好適に用いることができる。
また、積層体13の圧電体層7の積層数が30層以下である場合には、積層型圧電素子の変位が小さいため、積層型圧電素子の変位を効率よく支持板に伝達する必要があるため、本発明をより好適に用いることができる。
圧電体層7としては、PZ、PZT、Bi層状化合物、ニオブ酸の1−5酸化物、タングステンブロンズ構造化合物等の非鉛系圧電体材料等、従来用いられている圧電セラミックスを用いることができる。圧電体層7の厚みは、低電圧駆動という観点から、10〜100μmとされている。
内部電極層9としては、銀とパラジウムからなる金属成分と圧電体層7を構成する材料成分を含有することが望ましい。内部電極層9に圧電体層7を構成する材料成分を含有することにより、圧電体層7と内部電極層9との熱膨張差による応力を低減することができ、積層不良のない積層型圧電素子1、3を得ることができる。内部電極層9は、特に、銀とパラジウムからなる金属成分に限定されるものではなく、また、セラミック成分として、圧電体層7を構成する材料成分に限定されるものではなく、他のセラミック成分であっても良い。
表面電極層15と外部電極17、19は、銀からなる金属成分にガラス成分を含有することが望ましい。ガラス成分を含有することにより、圧電体層7や内部電極層9と、表面電極層15または外部電極17、19との間に強固な密着力を得ることができる。
外部電極17、19は積層体13の側面に形成され、この積層体13の側面から、支持板5と反対側の積層体13の主面の長手方向xの両端部まで、外部電極17、19が延設されており、支持板5と反対側の積層体13の主面の長手方向xの一方端部では、外部電極19が表面電極層15に接続され、他方端部では、外部電極17は、圧電体層7上に接合している。
積層型圧電素子1、3は、6層の内部電極層9と1層の表面電極層15が交互に電極層とされており、一方(左側)の外部電極17には、積層体13の左側の側面において3層の内部電極層9が電気的に接続され、他方(右側)の外部電極19には、積層体13の右側の側面において3層の内部電極層9及び表面電極層15が電気的に接続されている。
外部電極17、19は、不活性層11の支持板5側の主面までは延設されておらず、不活性層11の側面の一部を被覆している。言い換えると、外部電極17、19の支持板5側は、不活性層11の支持板5側の主面には形成されておらず、不活性層11の支持板5側の主面から、支持板5側には突出していない。
そして、本発明の振動体では、支持板5の所定位置に収容凹部23が形成されており、該収容凹部23に積層型圧電素子1、3の不活性層側が収容され、収容凹部23を構成する凹部底面23aおよび凹部側面23bと積層型圧電素子1、3との間に接着剤層6が介在しており、この接着剤層6により凹部底面23aおよび凹部側面23bと積層型圧電素子1、3とが接合されている。
言い換えると、不活性層11が収容凹部23に収容されており、不活性層11の支持板5側と凹部底面23aとが接着剤層6により接合され、不活性層11の側面と凹部側面23bとが接着剤層6により接合されている。不活性層11の側面およびこの側面に形成された外部電極17、19と凹部側面23bとが接着剤層6により接合される場合もあるが、収容凹部23には、外部電極17、19が収容されていない、言い換えれば、支持板5の表面よりも外側に形成されていることが望ましい。
積層型圧電素子1、3の長さ方向における支持板5の凹部寸法は、積層型圧電素子1、3が収容凹部23内に収容できる大きさとされていれば良く、積層型圧電素子1、3と収容凹部23の凹部側面23bとの隙間はなるべく狭いことが、変位を大きくするという点から望ましい。積層型圧電素子1、3の長さ方向の側面と収容凹部23の凹部側面23bとの隙間L1は、100μm以下、特には50μm以下であることが望ましい。
さらに、積層型圧電素子1、3の長さ方向の側面と収容凹部23の凹部側面23bとの間の接着剤層6は、なるべくヤング率が大きい方が望ましい。これにより、接着剤層6が硬いため、積層型圧電素子1、3の長さ方向の変位を支持板に伝達し易くなる。従って、積層型圧電素子1、3の長さ方向の側面と収容凹部23の凹部側面23bとの間の接着剤層6と、積層型圧電素子1、3の支持板側の主面と凹部底面23aとの間の接着剤層6とは異なる材料から形成されていても良い。
また、収容凹部23の凹部側面23bは、図1(a)に示すように、支持板5の主面に対してほぼ垂直であっても良いが、図1(b)に示すように外側に向けて広がるテーパ部とされていることが望ましい。これにより、収容凹部23を作製することが容易となり、また、収容凹部23内に積層型圧電素子1、3を収容する作業が容易となる。
一般に、支持板5への積層型圧電素子1、3の接合位置が設計位置と異なり、位置ずれしてしまうと、積層型圧電素子1、3の振動が打ち消しあい、所望の振動が得られず、また、振動体毎に振動特性がばらつく原因となっていたが、本発明では、支持体5に形成された収容凹部23に積層型圧電素子1、3を収容するだけで、積層型圧電素子1、3を支持板5の所望位置に位置決めできるため、所望の振動が得られ、また、多数の振動体を作製した場合でも、振動特性のばらつきを抑制できる。
また、収容凹部23に積層型圧電素子1、3を収容し、収容凹部23を構成する凹部底面23aおよび凹部側面23bと積層型圧電素子1、3との間に接着剤層6が介在し、積層型圧電素子1、3が収容凹部23に接合されているため、積層型圧電素子1、3の振動方向が収容凹部23を構成する凹部側面23bで拘束されることになり、積層型圧電素子1、3の広がり振動を効果的に支持板5に伝達することができ、従来よりも変位量を向上できる。また、収容凹部23内に積層型圧電素子1、3の一部が入り込んで接着されるため、支持板5と積層型圧電素子1、3の接着がより強固となり、積層型圧電素子1、3の伸縮を支持板5に効果的に伝達することができる。
従来、広がり振動モードで振動する積層型圧電素子1、3では広がり振動を抑制しないように、積層型圧電素子1、3の両主面には表面電極層を形成し、振動に寄与する活性層としていた。従って、積層型圧電素子1、3を支持板5に接合する際には、積層型圧電素子1、3の表面電極層側を接着剤で支持板に接合する必要があり、積層型圧電素子1、3の表面電極層と支持板5との間の絶縁性を確保するため、接着剤層6の厚みを厚くせざるを得なかった。このため、接着剤層6により積層型圧電素子1、3の振動が吸収され、変位を支持板5に十分に伝達できなかった。
本発明の振動体では、積層体13の支持板側に形成された主面を、積層体13の支持板側の最外側に形成された絶縁セラミックスからなる不活性層11の支持板側の面で構成し、外部電極17、19は、積層体13の支持板側の主面には形成されていないため、外部電極17、19と支持板5との接触や、支持板側の積層体13と支持板5との導通を考慮する必要がないので、不活性層11と支持板5との間の間隔、言い換えると、不活性層11と支持板5の凹部底面23aおよび凹部側面23bとを接合するための接着剤層6の厚みを十分に薄くできるため、接着剤層6による積層型圧電素子1、3の変位吸収が少なくなり、変位量を向上できる。
積層型圧電素子1、3と支持板5の凹部底面23aとの間の接着剤層6の厚みhは20μm以下とされている。特には、厚みhは10μm以下であることが望ましい。このように、厚みhが20μm以下である場合には、積層体13の振動を支持板5に伝えやすくなるため、本発明をより好適に用いることができる。一方、厚みhを薄くしても、絶縁性セラミックスからなる不活性層11が、積層体13の最外層であるため、また、外部電極17、19は、不活性層11の支持板側の面から突出していないため、積層体13と支持板5との間の絶縁性を確保できる。
積層型圧電素子1、3と支持板5との収容凹部23との間の接着剤層6を形成するための接着剤としては、エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂、ポリエステル系樹脂等公知のものを使用することができる。接着剤に使用する樹脂の硬化方法としては、熱硬化性、光硬化性、嫌気性硬化等いずれを用いても振動体を作製することができる。
尚、図3に示すように、積層型圧電素子1、3と支持板5の収容凹部23との間の接着剤層6だけでなく、接着剤層21により、外部電極17、19と収容凹部23の外側に位置する支持板5の表面とを接合することにより、落下時等の衝撃による積層型圧電素子1、3の支持板5からの剥離を抑制できる。
本発明の振動体は、外部電極17、19を絶縁性の支持板5に形成された電極パターン、または導電性の支持板5そのものに導通せしめ、外部電極17、19間に電圧を印加し、積層型圧電素子が駆動することになる。また、積層型圧電素子1と積層型圧電素子3とは、一方が縮み他方が延びるように電圧が印加される。これにより、図1、3に示すようなバイモルフ型の振動体は、大きく振動することになる。
尚、図4に、支持板5が金属または合金からなり、一方の外部電極17と支持板5とを導通するための導体層25を形成した振動体を示す。この振動体では、他方の外部電極19は導電部材で引き出され、外部電極17、19間に電圧が印加されることになる。
次に、本発明の振動体の製造方法について説明する。まず、圧電材料の粉末にバインダー、分散剤、可塑剤、溶剤を混練し、スラリーを作製する。圧電材料としては、鉛系、非鉛系のうちいずれでも使用することができる。
次に、得られたスラリーをシート状に成形し、グリーンシートを得ることができ、グリーンシートに内部電極ペーストを印刷して内部電極パターンを形成し、この電極パターンが形成されたグリーンシートを所望の枚数積層し、最上層にはグリーンシートのみ積層して、積層成形体を作製する。
次に、この積層成形体を脱脂、焼成し、所定寸法にカットすることにより積層体13を得ることができる。積層体13は、必要に応じて外周部を加工し、積層体13の圧電体層7の積層方向の片側主面に表面電極層15のペーストを印刷し、引き続き、積層体13の長手方向xの両側面に外部電極17、19のペーストを印刷し、所定の温度で電極の焼付けを行うことにより、図1に示す積層型圧電素子1、3を得ることができる。
次に、積層型圧電素子1、3に圧電性を付与するために表面電極層15又は外部電極17、19を通じて直流電圧を印加して、積層型圧電素子1、3の分極を行う。
次に、支持板5に、例えば金型を用いて積層体13が入る大きさの収容凹部23を形成する。その後その収容凹部23内に接着剤を塗布して、収容凹部23内に積層型圧電素子1、3を収容し、凹部底面23a側に押し当て、接着剤を凹部側面23bと積層型圧電素子1、3の側面との間に回り込ませ、この後、接着剤を熱や紫外線を照射することにより硬化させ、本発明の振動体を得ることができる。
(第2形態)
図1に示したように、積層体13の主面の長さが長くなればなるほど、言い換えれば、積層体13の長さが長くなればなるほど、内部電極層9の主面の長手方向xの収縮量が大きくなり、積層体13の側面から内部電極層9の先端の凹み量が大きくなるため、通常は、焼成した後、カットして内部電極層9を積層体13の側面に露出させ、この側面に外部電極17、19を形成し、接続信頼性を図ることが行われているが、この形態では、焼成後にカットすることなく、外部電極17、19の積層体13側面からの接合強度を向上するため、積層体13の側面が焼き肌面とされている。
この形態について、説明する。この形態の振動体では、図5に示すように、積層型圧電素子1、3と支持板5の収容凹部23との間が接着剤層6で接合され、かつ外部電極17、19の露出面の一部と支持板5とが側面側の接着剤層21で接合されている。言い換えれば、側面側の接着剤層21は、外部電極17、19の露出面の一部に付着し、裾が広がるようにして支持板5の表面にも付着している。
側面側の接着剤層21は、接着剤層6と連続しており、本発明では、収容凹部23と積層型圧電素子1、3との間の接着剤層を接着剤層6とし、それよりも外側に位置する接着剤層を側面側の接着剤層21と定義した。
そして、この形態では、積層体13の一対の側面が焼き肌面とされている。従って、積層体13の主面の長手方向xの側面は圧電体層7を構成するセラミック粒子による形状が反映され、図5(b)に示すように、セラミック粒子により凹凸が形成されており、また、内部電極層9の焼成収縮により、積層体13の側面には開口部が形成されており、セラミック粒子による凹凸が形成されている。また、内部電極層9の焼成収縮による開口部を有する側面に、外部電極17、19の電極ペーストを塗布して外部電極17、19を形成することにより、セラミック粒子による凹凸に外部電極材料が噛み込み、また開口部に外部電極材料が入り込み、この状態で焼き付き、積層体13の側面への外部電極17、19の接合強度を向上することができる。
特に、外部電極17、19の支持板5側は、積層体13の支持板5側の主面には形成されておらず、積層体13への外部電極17、19の接合強度が低下し易いため、この形態を好適に用いることができる。また、焼結後、積層体13の側面を平坦にする等の加工をしないため、加工費用を削減でき、作製コストを削減できる。
ここで、焼き肌面とは、焼結後、ダイシングやバレルなどで積層体13の側面を平坦にする等の加工をせず、焼結後そのままの磁器表面を有することをいう。
次に、上記振動体の製造方法について説明する。第1形態のようにして積層成形体を作製する。この積層成形体を所望の形状に切断し、個片状の素子用積層成形体を作製する。切断する際は、内部電極パターンが素子用積層成形体の側面に、交互に露出するように切断する。
次に、この素子用積層成形体を脱脂、焼成することにより積層体13を得ることができる。焼成後、積層体13の外部電極17、19が形成される側面は、何ら加工されないため、圧電体層7の側面は、圧電体層7を構成するセラミック粒子により凹凸が形成されている。また、内部電極層9は圧電体層7に比べ焼結収縮が大きいため、外部電極17、19と接続されるはずの内部電極層9の先端は、積層体13の側面から少々凹んで存在しており、言い換えると、積層体13の側面には、内部電極層9の収縮による開口部が形成されている。
この後、積層体13の圧電体層7の積層方向の両主面に表面電極層15のペーストを印刷し、引き続き、積層体13の長手方向xの両側面に外部電極17、19のペーストを印刷し、所定の温度で電極の焼付けを行うことにより、図5に示す積層型圧電素子1、3を得ることができる。外部電極17、19のペーストを印刷、焼き付けすることにより、上記積層体13の側面に形成された開口部には外部電極17、19のペーストが入り込み、内部電極層9に外部電極17、19が接続されることになる。尚、積層体13の長さが長く、内部電極層9の焼成収縮量が大きく、開口部が長い場合には、真空引きすることにより、開口部に外部電極17、19のペーストを入り易くし、内部電極層9と外部電極17、19との接続を確実に行うことができる。
このような積層型圧電素子1、3では、積層体13の側面への外部電極17、19の接合強度を向上することができるため、支持板5の収容凹部23内に外部電極17、19を収容する必要がなくなり、支持板5への積層型圧電素子1、3の接合強度をさらに向上でき、積層型圧電素子1、3の変位を支持板5に効率良く伝達できる。
図6(a)に示すように、支持板の片側を固定し、この支持板の上面に積層型圧電素子を接着剤層で接合した比較例のモデルを作製し、ユニモルフの変位量を、有限要素法を用いたシミュレーション(ANSYS)により算出した。積層体41は50μmの圧電体層42を10層積層し、外寸法は長さ26mm、幅3.5mmとした。またシミュレーションにはe31=−17C/m、e33=20C/mを積層体41の物性値として用いた。また支持板43は長さ30mm、厚さ0.3mmとし、物性値にはヤング率130GPa、密度8150kg/m、ポアソン比0.35を用いた。また接着剤層44の物性値としてヤング率0.8GPa、密度1200kg/m、ポアソン比0.30を用いた。
200V/mmの電界強度を印加して駆動させた際のユニモルフの変位量は接着剤層44の厚みにより変化し、接着剤層44の厚みhとユニモルフの変位量は、厚みhが50μmで41.2μm、厚みhが30μmで42.2μm、厚みhが10μmで43.2μmであった。
これに対して、図6(b)に示すように、支持版の上面に収容凹部を形成し、この収容凹部内に積層型圧電素子の一部を収容した本発明のモデルを作製し、ユニモルフの変位量を、有限要素法を用いたシミュレーションにより算出した。シミュレーションに用いた物性値は上記比較例の場合と同様である。なお支持板43の中央部に深さh2、長さ(26+2L1)mmの収容凹部を形成した。
200V/mmの電界強度を印加して駆動させた際のユニモルフの変位量を算出した。接着剤層44の厚みh1を10μmに、L1を50μmに固定すると、収容凹部の深さh2が150μmで変位量が45.3μm、h2が100μmで45.9μm、h2が50μmで45.0μm、h2が20μmで44.0μmとなった。
また同様に接着剤層44の厚みh1を10μmに、収容凹部の深さh2を100μmにそれぞれ固定すると、L1が100μmで変位量が45.6μm、L1が50μmで45.9μm、L1が10μmで46.9μmとなった。
これらの結果から、支持板の収容凹部に積層型圧電素子の主面側を収容し、収容凹部を構成する凹部底面および凹部側面と積層型圧電素子との間に接着剤層が介在し、積層型圧電素子が収容凹部に接合されているため、積層型圧電素子が支持板に強固に接合され、また、積層型圧電素子の振動が収容凹部を構成する凹部側面で拘束されることになり、積層型圧電素子の広がり振動を効果的に支持板に伝達することができ、従来よりも変位量を向上できることがわかる。
1、3・・・積層型圧電素子
5・・・支持板
6・・・接着剤層
7・・・圧電体層
9・・・内部電極層
11・・・不活性層
13・・・積層体
15・・・表面電極層
17、19・・・外部電極
23・・・収容凹部
23a・・・凹部底面
23b・・・凹部側面
x・・・主面の長手方向

Claims (3)

  1. 圧電体層と内部電極層とを交互に積層してなり、一対の主面と該主面の長手方向の両端側に設けられた一対の側面とを有し、前記一対の主面の一方である第1の主面が不活性層の面により構成された積層体と、
    該積層体の前記一対の側面にそれぞれ設けられ前記内部電極層と交互に電気的に接続された一対の外部電極とを具備する積層型圧電素子と、
    該積層型圧電素子の前記第1の主面側が接着剤層により接合された支持板とを具備する振動体であって、
    前記支持板に収容凹部が形成されており、該収容凹部に前記積層型圧電素子の前記不活性層の少なくとも一部が収容され、
    前記収容凹部を構成する凹部底面および凹部側面と、前記積層型圧電素子の前記収容凹部に収容された前記第1の主面および前記一対の側面との間に前記接着剤層が介在していることを特徴とする振動体。
  2. 記外部電極、前記第1の主面には形成されていないことを特徴とする請求項1に記載の振動体。
  3. 前記積層体の前記一対の主面の他方である第2の主面には表面電極層が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の振動体。
JP2009196327A 2009-08-27 2009-08-27 振動体 Active JP5754879B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009196327A JP5754879B2 (ja) 2009-08-27 2009-08-27 振動体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009196327A JP5754879B2 (ja) 2009-08-27 2009-08-27 振動体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011049352A JP2011049352A (ja) 2011-03-10
JP5754879B2 true JP5754879B2 (ja) 2015-07-29

Family

ID=43835403

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009196327A Active JP5754879B2 (ja) 2009-08-27 2009-08-27 振動体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5754879B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102006062076A1 (de) * 2006-12-29 2008-07-10 Siemens Ag Piezokeramischer Vielschichtaktor und Verfahren zu seiner Herstellung
WO2019172064A1 (ja) 2018-03-08 2019-09-12 株式会社村田製作所 圧電アクチュエータ、及び、圧電アクチュエータの駆動方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6225744Y2 (ja) * 1980-09-30 1987-07-01
JPS61206281A (ja) * 1985-03-08 1986-09-12 Toshiba Corp 圧電変位素子
DE60044666D1 (de) * 1999-10-01 2010-08-26 Ngk Insulators Ltd Piezoelektrisches/elektrostriktives bauelement und verfahren zu dessen herstellung
JP2003218250A (ja) * 2002-01-25 2003-07-31 Kyocera Corp 電子部品装置
JP2007329431A (ja) * 2006-06-09 2007-12-20 Citizen Electronics Co Ltd 圧電型エキサイタ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011049352A (ja) 2011-03-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5669443B2 (ja) 振動体とその製造方法及び振動波アクチュエータ
JP5669452B2 (ja) 振動体の製造方法
JP2007281362A (ja) 積層圧電素子及びその製造方法、並びに振動波駆動装置
JP2009124791A (ja) 振動体及び振動波アクチュエータ
JP2010177867A (ja) 圧電スピーカ
JP5298999B2 (ja) 積層型圧電素子
JP4725432B2 (ja) 積層型圧電素子及び圧電装置
JP5403170B2 (ja) 積層型圧電アクチュエータ及び圧電振動装置
JP2009268182A (ja) 積層圧電素子及び超音波モータ
JP5754879B2 (ja) 振動体
JP6483400B2 (ja) 積層型コンデンサおよび実装構造
JP5319195B2 (ja) 振動体
JP5969863B2 (ja) 圧電素子、音響発生器、音響発生装置及び電子機器
JP5429141B2 (ja) 圧電アクチュエータ及び圧電アクチュエータの製造方法
JP5717975B2 (ja) 振動体及び振動波アクチュエータ
JP5429140B2 (ja) 圧電アクチュエータ
JP2010199271A (ja) 積層型圧電素子およびその製法ならびに振動体
JP2007019420A (ja) 積層型圧電素子
JP2010171360A (ja) 積層型圧電素子およびその製法ならびに振動体
JP2014170926A (ja) 振動体、その製造方法、及び振動型駆動装置
JP2010199272A (ja) 積層型圧電素子およびその製法ならびに振動体
JP5586248B2 (ja) 圧電積層部品
JP7293898B2 (ja) 圧電素子
JP7172401B2 (ja) 圧電アクチュエータおよび圧電駆動装置
JP5589395B2 (ja) 圧電アクチュエータ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130820

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130822

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131015

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140307

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140507

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140804

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20140811

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20140829

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150526

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5754879

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150