JP4515658B2 - セグメントエレクタ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の技術分野】
本発明はトンネルの内壁に沿ってセグメントを組み立てるセグメントエレクタ装置に係わり、特に、構造の簡略化や小型化を図ると共に、トンネル掘進方向の装置全長の縮小化をも図ったセグメントエレクタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
シールド掘進機による掘進、未施工のセグメントの搬入・組立てなどの作業を順次繰り返すことによりシールド工法によるトンネル工事が行われる。シールド掘進機により掘削されるトンネル坑は、一掘進のたびにトンネル内壁面に沿ってリング状にセグメントを組み立てて、セグメントと地山との間に裏込め材を注入して固定している。
【0003】
シールド掘進機により掘削されるトンネル坑をセグメントにより覆工する場合には、例えばセグメント搬送台車等により未施工のセグメントを既設のトンネル坑内の所定のセグメント搬入位置に搬入し、シールド掘進機の後部に設けられたセグメントエレクタ装置により、搬入された未施工のセグメントを把持して所定のセグメント組立位置に移動する。セグメント組立位置に到達したセグメントはトンネル内壁面に組み付けられる。
【0004】
この種のセグメントエレクタ装置の一例が、例えば特開平8−105297号公報や特開平11−173096号公報などに開示されている。
上記特開平8−105297号公報に開示されたセグメントエレクタ装置は、地中を掘進するシールド本体の軸心を旋回中心として回転する円筒状をなす回転支持部材を介してシールド本体の後部に旋回可能に取り付けられている。前記回転支持部材の左右両側には、一対の第1リンク駆動シリンダにより上端が枢支され、エレクタヘッドをトンネルの軸心方向に往復動させる平行リンク機構と、同平行リンク機構の下端に枢支され、第2リンク駆動シリンダによりエレクタヘッドを上下方向に移動させるリンク機構を備えている。エレクタヘッドにはセグメント把持部が設けられている。
【0005】
セグメントをトンネル内壁面に組み付ける場合には、未施工のセグメントを既設トンネル内の所定のセグメント搬入位置に搬入し、前記リンク駆動シリンダの伸長動により、前記平行リンク機構を介してエレクタヘッドを水平状態に維持した状態で、搬入された未施工のセグメントの上方へと水平移動する。エレクタヘッドがセグメントの上方位置に到達したのち、前記第2リンク駆動シリンダの伸長動によりエレクタヘッドを下降させ、搬入された未施工のセグメントをセグメント把持部で把持したのち、前記第2リンク駆動シリンダの収縮動によりエレクタヘッドを上昇させる。次いで、前記第1リンク駆動シリンダの収縮動により所定のセグメント組立位置に向けて水平移動させる。上記回転支持部材を回転させて、前記セグメントをトンネル周方向にセグメント組立位置まで旋回させてトンネル内壁面に組み付ける。
【0006】
この従来のセグメントエレクタ装置は、セグメント搬入時、平行リンク機構及びリンク機構を介してエレクタヘッドをセグメント搬入位置から離間する組立作業開始位置に待機させる。そのため、セグメント搬入位置及びセグメント組立位置にも広いスペースが確保できるため、セグメントの搬入作業が容易に且つ安全に行えると共に、既設セグメントと新設セグメントの締結作業なども安全に且つ能率よく行えるという利点等があるとしている。
【0007】
一方、上記特開平11−173096号公報に開示されたセグメントエレクタ装置は、地中を掘進するシールド本体の後部に旋回可能に取り付けられたリング状をなす回転ドラムの後側左右両端部に、前後一対の第1及び第2油圧シリンダのそれぞれが、上下方向に所定の距離をおいて平行に配された一対の固定アームを介して、直列的に連結されている。前記エレクタヘッドは前記第1油圧シリンダに固設され、前記第1及び第2油圧シリンダの作動によって、上下方向(トンネル径方向)に二段階で移動する。そのため、第1及び第2油圧シリンダの一方を停止させて他方のみを作動させたり、第1及び第2油圧シリンダの双方を作動させたりすることにより、大径トンネルの覆工にも小径トンネルの覆工にも同一のエレクタを使って対応できるというものである。従って、断面楕円形や長円形のトンネルを掘削する際にも、第1及び第2油圧シリンダを適宜作動させてセグメントの覆工を行うことができる利点等があるとしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、シールド掘進機により掘削されるトンネル坑は、その使用目的によって断面形状や高さ等が異なる。一方、トンネル内壁面に敷設されるセグメントは所要数に分割され、トンネル断面形状に合わせた各種の形状を有している。セグメントの分割数が多い場合には、セグメントの組立工数等が多く、狭い空間内での作業に多大な労力、手間や時間等を必要とする。1リング当たりのセグメントの分割数が少ない場合には、セグメントの組立工数が軽減されるものの、一個当たりのセグメント寸法(弧長)が大きくなり、エレクタを用いて組立中のセグメントが周辺機器や既設セグメント等と干渉して、狭小空間内での未施工セグメントの組立位置への搬送やトンネル内壁面への組付け等が困難となる。
【0009】
組立中のセグメントの既設セグメント等への干渉を防止するには、セグメントを極力高い位置まで(すなわちトンネル中心に近い位置まで)持ち上げて旋回させることのできるエレクタを用いる必要があるが、一般的にトンネル径方向の動きの大きなエレクタを得ようとすればエレクタ装置自体が大型化してしまい、やはり干渉の問題が生じてしまう。
【0010】
トンネル坑の底面に敷設されるセグメントの一例として、下水道等のトンネル覆工に対応して内周面に張出した平坦面部を有したインバート付きセグメントがある。このインバート付きセグメントを既設トンネル内の所定のセグメント搬入位置に搬入するため、例えば既設セグメントリング上に積載すると、セグメントエレクタ装置のセグメント把持空間が狭くなる。このため、未施工のセグメントとの間のクリアランスを充分に確保することができず、上述のごとくセグメントエレクタ装置が既設セグメント等と干渉して、狭小空間内でのセグメントの組立位置への搬送はおろか、把持すら不可能となりやすく、トンネル内壁面への組付けが困難となる。
【0011】
また、キーセグメントを、トンネル径方向の挿入でなく、トンネル軸方向に挿入することによって、1リングのセグメントの組立てを完了する、いわゆる軸挿入タイプのセグメントがある。このような軸挿入タイプのものにおいては、キーセグメントは、断面形状が平面視で略台形をなすと共に、端面がトンネル軸心方向にみて略扇形をなしており、このセグメントは切羽側(シールド掘進方向)が長く、切羽側と反対側のトンネル後側が短くなっており、既設のセグメントにトンネル軸心方向に挿入されてトンネル内壁面に組み付けられる。
【0012】
このセグメントを使用してシールド掘進機により掘削されるトンネル坑を覆工する場合には、単に未施工のセグメントをトンネル内壁面に内側から押し付けるだけで組み付けることはできないため、未施工のセグメントを把持したエレクタヘッドを所定のセグメント組立位置に向けて移動させたのち、エレクタヘッドを切羽側へ小距離移動させて未施工のセグメントを切羽側に引き込むと共に、トンネル内壁面に押し付け、既設のセグメント間の空間に嵌合させて組み込む。次いで、シールドジャッキを作動して未施工のセグメントを既設セグメントリングの前面まで押し込んで最終的な組み付けを行う。
【0013】
このようなセグメントの組付けの場合には、シールド掘進機の機長(セグメト組立部分の長さ)は、既設セグメントの幅に未施工セグメントの切羽側への引込量を越える値を加えた寸法を考慮して設計される。このため、シールド掘進機のセグメント組立部分の長さは、少なくともセグメントの幅寸法に等しい移動ストロークに、少なくとも切羽側への引込量に等しい既設セグメントリングの端面までの移動ストロークを加えた長さを必要とする。
【0014】
前述の特開平11−173096号公報に開示されたセグメントエレクタ装置は、既述したように回転ドラムに対してエレクタヘッドを共通のトンネル径方向へ移動する第1及び第2油圧シリンダを所定の間隔をもって直列的に連結しているため、油圧シリンダを1段とする一般的なセグメントエレクタ装置よりは小型化できる。しかし、このような構造では、駆動機構やその構成部材が複雑化すると共に、第1シリンダ、第2シリンダ、及びエレクタヘッドの上下移動ガイド部材などがネックとなり、セグメントエレクタ装置の小型化には限界がある。
【0015】
一方、上記特開平8−105297号公報に開示されたセグメントエレクタ装置は、平行リンク機構と、同平行リンク機構の下端に枢支されたリンク機構とを併用している。前述の特開平11−173096号公報に示されたセグメントエレクタ装置と較べると、セグメントエレクタ装置が待機状態にあるときには平行リンク機構及びリンク機構を縮小でき、セグメントエレクタ装置の構造を簡単に且つコンパクトに構成できる。
【0016】
しかし、セグメントを上下方向に移動させるための上記リンク機構は、上記第2リンク駆動シリンダを介して円弧軌道上を動くため、エレクタヘッドがセグメントを所定の組立位置にあってトンネルの内壁面に向けて直線的に移動させることができない。トンネル径方向(上下方向)の動きを大きくしようとした場合には、自ずとトンネル軸方向の無駄な動きも大きくなってしまうため、その分シールド掘進機のセグメント組立部分の長さを大きくする必要がある。シールド掘進機の機長が長くなれば、その分大きな発進立坑を必要として不経済であるばかりか、シールド掘進機の曲線施工性能にも悪影響を及ぼす。前述した軸方向挿入タイプのセグメントに対応したシールド掘進機の場合は、ただでさえ機長が長くなってしまうため、このことは非常に問題となる。
また、トンネル軸方向の無駄な動きが必然的に生じるために、実施工のセグメントを既設セグメント間の組付空間に移動させるための操作が煩雑なものとなってしまう。これを回避するためには、上記第1リンク駆動シリンダに、エレクタヘッドの移動量を補正する機構等を設けることが必要となり、構造が複雑化することと相挨って大型化してしまう。
【0017】
近年は、トンネル坑の形状や高さに加えて、トンネル内壁面に敷設されるセグメントの形状が複雑化し、その分割数も大幅に少なくなり、多種多様なトンネル坑の覆工が要求されるようになり、その結果、セグメントエレクタ装置に課される制約が増えてきている。上記各公報に記載されたセグメントエレクタ装置に、これらの要求に応えることを期待することができず、さらに一層の装置の小型化や縮小化などが望まれる。
【0018】
本発明は、上記要求に応えるべくなされたものであり、その具体的な目的は、構造の簡略化とコンパクト化を図ると共に、装置を縮小化することを可能とし、トンネル坑の形状や高さ、セグメントの形状や分割数に関わらず各種のセグメント搬送作業及び組立作業を円滑に且つ効率的に行うことを可能にしたセグメントエレクタ装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
本発明は、トンネルの内壁に沿ってセグメントを組み立てるセグメントエレクタ装置であって、シールド本体の後部に配され、前記トンネル内を旋回可能な旋回体と、同旋回体に設けられ、前記セグメントを把持して少なくともトンネル径方向に移動自在なセグメント把持部と、同セグメント把持部の作動手段とを備えている。また、前記旋回体の旋回中心が、前記トンネルの中心軸に対して上方に偏位して配されてなる。
【0020】
本発明のセグメントエレクタ装置は、例えばインバート付きセグメントのごとき異形断面形状をもつセグメント等の施工に好適であって、シールド本体の後部に配されてトンネル内を旋回可能な旋回体に、セグメント搬入位置にて搬入されている新たなセグメントを把持して、これをセグメント組立位置の前方への引込み位置まで移動するセグメント把持部を有している。これらの移動は、同セグメント把持部の作動手段によりなされる。
【0021】
本発明によれば、トンネルの中心軸に対して旋回体の旋回中心を上方に偏位させることにより、セグメント搬入位置と、セグメント組立位置よりも前方のセグメント引込位置との間の狭小なトンネル空間を広くして、前記セグメント把持部の作動手段によるトンネル径方向の移動ストロークに余裕をもたせるようにしている。
【0022】
なお、かかる構成を備えたセグメントエレクタにあっては、装置全体の小型化が要求されるが、その手法としては、実開昭55−76300号公報、或いは特開平8−105297号公報のようなリンク式のもの、特開平11−170300号公報のようにシリンダを複数段並列に配置したもの、又は後述するリンクとシリンダとの複合タイプの作動手段が適用できる。
【0023】
このような小型化できるセグメントエレクタ装置において、前記旋回体の旋回中心を、前記トンネルの中心軸に対して上方に偏位して配することにより、セグメントの把持及び組立時に最大限のスペースを必要とする旋回体の下方のスペースが確保され、しかも旋回体の上方にはセグメントの組立てに必要な最小限のスペースを有するセグメント把持空間が確保できる。
【0024】
近年、トンネル施工にあたってその効率化が強く要求されるようになり、トンネル内壁面に敷設されるセグメントの形状等が複雑化すると共に、そのセグメントの分割数を大幅に少なくして、一個当たりのセグメント寸法を大きくして、その組立て回数を減らすような努力がなされてきている。本発明にあっては、前記要求に応えるべく、前述のごとく、前記セグメント把持部の作動手段の構造を小型化すると共に、トンネルの中心軸に対して前記旋回体の旋回中心を上方に偏位させているが、かかる構成を採用することにより、更に多種多様な直線施工や曲線施工によるトンネル覆工に効果的に使用することができ、旋回体の狭小な作動空間内で、円滑に且つ効率的なセグメント把持作業、セグメント搬送作業及びセグメント組立作業等が実現できる。前記複合作動機構には、更にセグメント把持部をトンネルの前後方向に独自に移動させるための、例えば油圧シリンダを含ませる場合もある。
【0025】
請求項1に係る発明にあっては、トンネルの内壁に沿ってセグメントを組み立てるセグメントエレクタ装置であって、シールド本体の後部に配され、前記トンネル内を旋回可能な旋回体と、同旋回体に設けられ、前記セグメントを把持して少なくともトンネル径方向に移動自在なセグメント把持部と、同セグメント把持部の作動手段とを備えてなり、前記作動手段は、前記旋回体に設けられたリンク駆動シリンダ、及び同シリンダに連結され、上下方向に移動可能な平行リンク機構を有するリンク駆動部と、前記平行リンク機構に連結され、同平行リンク機構に対して独立して上下動可能な昇降シリンダとにより、複合して作動する機構を有し、前記セグメント把持部が前記昇降シリンダに連結されてなることを特徴としている。
【0026】
リンク駆動シリンダの一端は旋回体に上下方向に回動自在に支持され、前記平行リンク機構は二点を静止対偶点として旋回体に枢支され、他の二点を動対偶点とされた平行四辺形状の平行リンクからなり、前記動対偶点の一つが前記リンク駆動シリンダの他端に枢支され、他の動対偶点と共に上下方向に平行に移動するように構成される。一方、上記昇降シリンダは、前記平行リンク機構の動対偶点同士を連結するリンクに連結され、独立して上下方向に伸縮する。
【0027】
本発明の複合作動機構を採用すると、以下に記載するような上記公報に開示された複合作動機構以上の小型化と合理的な動きとが得られる。
すなわち、本発明による複合作動機構の動きについて簡単に述べると、リンク駆動シリンダを駆動させることにより、平行リンク機構に連結された昇降シリンダが所定の上下距離間を移動すると共に、昇降シリンダは、平行リンクに支持された状態で独自に上下方向に伸縮する。
【0028】
前記エレクタヘッドは平行リンク機構の作動による上下移動距離に加えて、昇降シリンダの伸縮動に応じた上下距離を移動することができるため、セグメントの組立てに必要な最大限の上下動が確保できると共に、平行リンク機構及び昇降シリンダを最小の作動位置とする極めてコンパクトな待機姿勢とすることができる。
【0029】
特に、前記リンク駆動シリンダと平行リンク機構との組み合わせは、前記旋回体の機長の範囲内において、限られた狭小なセグメント把持空間内で、前記リンク駆動シリンダの小さい作動ストロークにより、前記平行リンク機構を大きい移動ストロークで上下動させることができる。前記平行リンク機構が大きい移動ストロークで上下動するため、前記昇降シリンダでは、相対的に小さな作動ストロークにより、前記エレクタヘッドを上下動させることができるようになり、昇降シリンダのストローク長も短くすることが可能となる。
【0030】
また、逆に、平行リンク機構による移動ストロークは、昇降シリンダにより補われて小さくすることができるため、リンク動作による無駄なトンネル軸方向の動きも最小限に抑えることができる。これにより、機長の増加を防ぐことができ、特に軸挿入タイプのセグメントに対応したシールド掘進機に好適である。
更に、未施工のセグメントを既設のセグメント間の所定の位置に嵌め込む段階では、昇降シリンダのみを作動すれば、トンネル軸方向の無駄な動きは発生せず、位置合わせ操作が煩雑になることもない。
【0031】
従って、本発明によれば、セグメント組立に必要な上下動が可能な上に極めてコンパクトな姿勢をとることができ、さらにトンネル軸方向の無駄な動きが少ないエレクタ装置を得ることができる。
【0032】
請求項2に係る発明は、トンネルの内壁に沿ってセグメントを組み立てるセグメントエレクタ装置であって、シールド本体の後部に配され、前記トンネル内を旋回可能な旋回体と、同旋回体に設けられ、前記セグメントを把持して少なくともトンネル径方向に移動自在なセグメント把持部と、同セグメント把持部の作動手段とを備えてなり、前記作動手段は、前記旋回体に設けられたリンク駆動シリンダ、及び同シリンダに連結され、上下方向に移動可能な平行リンク機構を有するリンク駆動部と、前記平行リンク機構に連結され、同平行リンク機構に対して独立して上下動可能な昇降シリンダとにより、複合して作動する機構を有してなり、前記旋回体の旋回中心が、前記トンネルの中心軸に対して上方に偏位して配されてなることを特徴としている。
【0033】
本発明によれば、上記請求項1に係る発明と同様に、トンネル軸方向の無駄な動きが少なく、かつ、セグメント組立に必要な上下動が可能な上に極めてコンパクトな姿勢をとることができるエレクタ装置を得ることができる。
【0034】
このようにエレクタ装置が極めてコンパクトな姿勢をとれるために、前記旋回体の旋回中心を、前記トンネルの中心軸に対して上方に偏位して配することが可能になり、前記旋回体の機長の範囲内において、限られた狭小なセグメント把持空間をトンネル径方向に、前記リンク駆動シリンダ及び昇降シリンダの複合駆動により、前記セグメント把持部に必要な移動ストロークが確保され、機長が不必要に長くなることもなく、同時にセグメント把持部を所定ストローク前後に移動可能にすれば、特殊形態のセグメントに対しても、或いはセグメントの組立て数が減少しても、セグメントの把持作業、搬送作業及び組立作業等が円滑に且つ効率的に行うことができるようになる。従って、この構造は弧長の長い、インバート付きのしかも軸挿入タイプのセグメントを組み立てるのに非常に有用である。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて具体的に説明する。
図1は本発明の代表的な実施形態である伸長状態にあるときのセグメントエレクタ装置を示す側面図、図2は収縮状態にあるときのセグメントエレクタ装置を示す側面図であり、図3は図1のセグメントエレクタ装置の背面図である。
【0036】
図1において、符号1はシールド掘進機のシールド本体である。このシールド本体1の後部の内周面には、複数のシールドジャッキ2,…,2が固定されている。シールド本体1の後部には、セグメントエレクタ装置3、旋回体旋回用の旋回モータ4や排土管5などの掘進設備が設置され、その後方にセグメント組立スペースを有している。シールド本体1の後端にはテールシール6が設けられている。
【0037】
シールド本体1の前部には、図示せぬカッタヘッドモータにより回転駆動される同じく図示を省略したカッタヘッドが設けられている。同カッタヘッドにより掘削された土砂類は、シールド本体1の前部に設けられた図示せぬチャンバ内に取り込まれたのち、排土管5から後方に向けて排出される。
【0038】
立坑から発進したシールド本体1がシールドジャッキ2により推進すると、シールド本体1は、図1において左方である推進方向(切羽側)にトンネルを掘削していく。シールド本体1が1回の掘進を終了すると、セグメントエレクタ装置3により、新たに掘削されたトンネルの部分に所要数のセグメントSをリング状に順次組み立てて覆工がなされたトンネルが築造される。このセグメントリングを組み立てたのち、組み立てられたセグメントリングと地山との間に裏込め注入が行われる。
【0039】
前記シールド本体1の中間部には、円盤状のガーダ1bが設けられている。このガーダ1bには、その中心軸線L’から上方に所定の距離dだけ偏位させた中心軸線Lをもつ排土管5等が挿通される円孔1cを穿設している。その円孔1cの周辺部には、略円筒をなす旋回体3aの一端をトンネル後方に突出させて、その基端が、円孔1cの中心軸線Lを旋回中心として、軸受け7を介して旋回自在に支持されている。
【0040】
この旋回体3aの旋回中心軸線Lを前記円盤状のガーダ1bの中心軸線L’に対して偏位させる点は、本発明の特徴部の一部をなしている。前記軸受け7の外輪の外周には、リングギヤ7aが形成されている。このリングギヤ7aには、前記ガーダ1bに取付けられた旋回モータ4のピニオン4aが噛合され、その旋回モータ4の回転駆動により、旋回体3aが旋回するようになっている。
【0041】
シールド本体1の後部に設置された旋回体3aは、セグメントSを把持するセグメント把持部17を前後摺動自在に支承するエレクタヘッド8と、セグメント把持部17をトンネル径方向(上下方向)及びトンネル前後方向に移動させる作動手段9とを備えている。この作動手段9も、本発明の特徴部の一部をなしている。本実施形態にあって、同作動手段9は、リンク駆動部10と、同リンク駆動部10に直結され、同リンク駆動部10に対して独立して上下動(トンネル径方向)可能な昇降シリンダ11等とを組み合わせた複合作動機構と、同複合作動機構とは独立してセグメント把持部17をトンネル前後方向に移動させるためのセグメント把持部駆動機構18とを有している。
【0042】
前記作動手段9は、前記複合作動機構を備えることにより小型化して、セグメント把持部17のトンネル径方向に必要なストロークで伸長すると共に、トンネル掘進時には他の周辺作業機器と干渉しない極めてコンパクトな待機姿勢となるように収縮する。上述したように、トンネル中心軸に対して旋回体3aの旋回中心をトンネル中心に対して上方に偏位させることにより、セグメント搬入位置とセグメント組立位置よりも前方のセグメント引込位置との間の狭小なトンネル空間を広く利用できるようになり、たとえ小径トンネルであっても前記作動手段9のセグメント把持部17のトンネル径方向の移動ストロークに余裕ができる。
【0043】
本実施形態は、軸挿入タイプのセグメントに対応したシールド掘進機のセグメントエレクタ装置3を示しており、エレクタヘッド8のセグメント把持駆動シリンダ18によるトンネル前後方向の移動ストロークは、セグメント搬入位置からセグメント組立位置までの前後方向の距離と、キーセグメントの軸方向挿入代とを見込んだものとなっている。
【0044】
前記作動手段9のリンク駆動部10は、リンク駆動シリンダ12と平行リンク機構13とを備えている。このリンク駆動部10は、旋回体3aの左右両側部に設けられており、旋回体3aの機長の範囲内において、セグメント搬入位置とセグメント組立位置の前方寄りのセグメント引込位置との間にあって、図1に示す伸長状態にあるときセグメントSの把持及び組立てに好適な形態となり、図2に示す収縮状態にあるときには、最もコンパクトな形態となる。
【0045】
前記平行リンク機構13は第1〜第4リンク13a〜13dの端部間をピン結合させて、各リンク13a〜13dが相対的に回動可能とした平行四辺形をなす平行リンクからなり、第1及び第2リンク13a,13bのトンネル前方側端部に配される第3リンク13cを旋回体3aに固設して、第1及び第2リンク13a,13bのトンネル前方側端部を静止対偶点としている。従って、第1及び第2リンク13a,13bの自由端は動対偶点となる。
【0046】
前記リンク駆動シリンダ12はトラニオン形シリンダからなり、そのロッド端が旋回体3aの前部寄りに固着されたシリンダ支持ブラケット13eにピンを介して回動自在に枢着されると共に、単一の連結部材14にトラニオン連結された前記リンク駆動シリンダ12の本体が、第1リンク13aの両端部と前記連結部材14を介して連結されている。
【0047】
前記リンク駆動シリンダ12が完全に伸長したとき、各リンク13a,13bは、図1に示すように、トンネル後方下側に向けて傾斜するようになる。また、リンク駆動シリンダ12が完全に収縮した状態にあるとき、各リンク13a,13bは、図2に示すごとく、トンネル後方上側に向けて傾斜した姿勢を維持する。リンク駆動シリンダ12と平行リンク機構13とを備えることにより、リンク駆動シリンダ12の小さい作動ストロークにより、平行リンク機構13を大きい移動ストロークで上下動させることができる。
【0048】
前記平行リンク機構13の上記第4リンク13dの後方端部には、筒状をなす案内部材15を介して第4リンク13dと平行に昇降シリンダ11の本体が連結固定されている。この案内部材15の内部には、前記昇降シリンダ11の伸縮方向と同一方向に摺動する案内ロッド16が嵌挿されている。前記昇降シリンダ11のロッド端及び案内ロッド16の下端は、エレクタヘッド8の上部にそれぞれ連結固定されている。前記リンク駆動シリンダ12の伸縮により、平行リンク機構13に連結された昇降シリンダ11を所定の上下距離間を移動させると共に、同昇降シリンダ11は、平行リンク機構13の第4リンク13dに支持された状態で独自に上下方向に伸縮するようになっている。
【0049】
前記リンク駆動シリンダ12と平行リンク機構13との組合せは、上述したごとく、リンク駆動シリンダ12の小さい作動ストロークにより、平行リンク機構13を大きいストローク長で上下動させることができ、これに昇降シリンダ11の上下ストロークを加えることにより、エレクタヘッド8を更に大きく上下動させることができると共に、平行リンク機構13又は昇降シリンダ11を単独に駆動することにより、小さなストロークでエレクタヘッド8を上下させることもできる。
【0050】
リンク駆動シリンダ12及び昇降シリンダ11を最も収縮させることにより、昇降シリンダ11及び平行リンク機構13からなる複合作動機構を極めてコンパクトな待機状態とすることができる。しかも、リンク自体もそれほど大型のものとはならないため、リンク動作によるトンネル軸方向の無駄な動きも最小限にとどめられ、もって、シールド掘進機の機長の増大を防ぐことができる。
【0051】
本実施形態の作動手段9を、以上のごとく構成された前記リンク駆動シリンダ12、前記平行リンク機構13、前記昇降シリンダ11からなる複合作動機構に加えて前記把持駆動機構18などを組み合わせた作動機構としたことにより、装置全体を小型化でき、旋回体3aの旋回中心をトンネル中心軸に対して上方に偏位して配することができるようになり、セグメント把持時及び組立時に最大限のスペースを必要とする旋回体3aの下方の空間を確保することができると共に、旋回体3aの上方にはセグメント組立てに必要な最小限のスペースを有するセグメント把持空間が確保できる。
【0052】
前記昇降シリンダ11のロッド端及び案内ロッド16のロッド端に連結固定されたエレクタヘッド8は箱型をなしており、同エレクタヘッド8のトンネル前方側端部には、本発明の作動手段9の一部を構成する前後駆動用のセグメント把持駆動機構18が設けられている。本実施形態にあっては、このセグメント把持駆動機構18として、前記セグメント把持部17を前後摺動自在に移動させるセグメント把持駆動モータ18aを備えている。
【0053】
すなわち図1において、セグメントSを把持するセグメント把持部17を前後摺動自在に支承するエレクタヘッド8のトンネル前方側端部には、同セグメント把持部17をトンネル前後方向に移動させるセグメント把持駆動モータ18aが設けられている。同モータ18aの駆動軸には、エレクタヘッド8の下部に水平に支承されたボールねじ18bが回転自在に連結されている。同ボールねじ18bにはボールナット18cが螺合されており、同ボールナット18cの外周面には、エレクタヘッド8の幅方向に延在する略箱型をなす摺動体18dが固設されている。同摺動体18dの両端部には、所定の間隔をおいてセグメント把持部17,17が垂下支持されている。
【0054】
この把持駆動モータ18aは、上記リンク駆動部10及び昇降シリンダ11に対して独自に作動する。この把持駆動モータ18aの回転駆動により、前記ボールねじ18bを回転させ、前記摺動体18dに設けられたボールナット18cを介してセグメント把持部17がトンネル軸方向に往復動するようになっている。
【0055】
この実施形態によれば、セグメント把持部17が、セグメント把持駆動モータ18aをもってトンネル前後方向に移動するように構成したため、エレクタヘッド8の全長をコンパクトに納めることができる。
【0056】
図4は、本発明の上記実施形態に適用されるセグメント把持駆動機構18の変形例を示している。この変形例にあって、上記実施形態であるセグメント把持駆動機構18と異なるところは、セグメント把持駆動モータ18aに代えて油圧シリンダを採用している点にある。従って、以下の説明は油圧シリンダであるセグメント把持駆動シリンダ19を中心に説明する。なお、上記実施形態のセグメントエレクタ装置3と実質的に同様の部材には図1に付した符号と同一の符号を付している。
【0057】
本変形例にあっては、前記把持駆動シリンダ19がエレクタヘッド8のトンネル前方側端部に水平に固設されている。同把持駆動シリンダ19は、上記把持駆動モータ18aと同様に、上記リンク駆動部10及び昇降シリンダ11に対して独自に作動する。エレクタヘッド8の内部には、前記把持駆動シリンダ19のロッドが伸縮自在に配されている。同把持駆動シリンダ19のロッドには、セグメントSを把持するセグメント把持部17が垂下支持されている。このセグメント把持部17は、前記エレクタヘッド8の下部に突出して配されており、セグメントSをセグメント搬入位置とセグメント組立位置よりも前方の引込位置との間を往復動するようになっている。
【0058】
次に、上記のごとく構成された実施形態であるセグメントエレクタ装置3の作動を図5〜図8を参照して説明する。
ここで、断面形状が円形をなすトンネルに組み付ける4種類のセグメントS1〜S4を1セグメントリング分とする。トンネルの底面に敷設されるセグメントS1の一例として、内周面に張出した平坦面部を有しており、同平坦面部の中央部にトンネルの軸心に沿って連続する下水道等の排水のための単一の排水溝が形成された断面異形状のインバート溝付きセグメントS1を使用する。
【0059】
また、インバート溝付きセグメントS1に接合される他のセグメントS2〜S4の一例として、断面形状が平面視で略四角形をなすと共に、端面がトンネル軸心方向にみて略扇形をなすセグメントS2、断面形状が平面視で略直角台形をなすと共に、端面がトンネル軸心方向にみて略扇形をなすセグメントS3を使用する。そして、1セグメントリングの最後に組み立てるキーセグメントS4は、断面形状が平面視で略直角台形をなすと共に、端面がトンネル軸心方向にみて略扇形をなす軸挿入タイプのキーセグメントS4を使用する。
【0060】
図5はセグメントS1をトンネル内壁面に組み立てる組立手順の一例を表し、図6及び図7はセグメントS2(S3)をトンネル内壁面に組み立てる組立手順の一例を示しており、図8はキーセグメントS4をトンネル内壁面に組み立てる組立手順の一例を示している。
【0061】
いま、セグメントエレクタ装置3は、図2に示す収縮した待機状態にある。各セグメントS1〜S4を使用してシールド本体1の掘進により後方に形成されたトンネル内壁面に組み付ける際には、先ず、図示せぬセグメント搬送台車等にて新たに組み立てるべき未施工のセグメントS1〜S4を既設セグメントS1上のセグメント搬入位置に搬入する。
【0062】
次に、シールド本体1の後部に設けられた旋回モータ4の回転駆動により旋回体3aを所望の方向に旋回させながら、図2に示すセグメント組立位置に待機した旋回体3aのセグメント把持部17が、エレクタヘッド8の把持駆動モータ18a又は同シリンダ19の駆動によってセグメント搬入位置に向けて水平移動する。セグメント把持部17がセグメント搬入位置に到達したのち、そのセグメント把持部17のエレクタヘッド8が、昇降シリンダ11に伴って下降する。次いで、セグメント把持ピンを挿入して、図5(a)に示すようにセグメント把持部17をセグメントS1に把持させ、更に振止めジャッキをセグメントS1側に伸長させてセグメントS1を固定する。
【0063】
次に、昇降シリンダ11を収縮させて、エレクタヘッド8を上昇させる。図5(b)に示すように、エレクタヘッド8の把持駆動モータ18a又は同シリンダ19を切羽側に収縮させて、セグメント把持部17により把持されたセグメントS1を切羽側のセグメント組立位置へ水平移動させる。
【0064】
セグメントS1がセグメント組立位置に到達したのち、図5(c)に示すように、旋回モータ4の回転駆動により旋回体3aを所望の方向に旋回させ、リンク駆動シリンダ12の伸長動作に伴い平行リンク機構13を介してエレクタヘッド8を下降させる。次に、平行リンク機構13に連結された昇降シリンダ11の伸長に伴ってエレクタヘッド8を下降させる。続いて、エレクタヘッド8の把持駆動シリンダ19をフリーな状態としたうえで、セグメントS1に対応するシールドジャッキを伸長させ、この新たなセグメントS1を既設セグメントリングSの前端面に押し付けて組付けを行う。
【0065】
次に、図6及び図7に示すように、旋回モータ4の回転駆動により旋回体3aを旋回させたり、作動手段9によりセグメント把持部17を上下方向、前後方向等に移動させながら、上述したセグメントS1の組立手順と同様の操作を順次繰り返すことにより、所定のセグメント組立位置に新たなセグメントS2,S3の接合端面を先に敷設したセグメントS1の左右両側の接合端面にそれぞれ組み付ける。
【0066】
ここで、既述したように、1セグメントリングの最後に組み立てるキーセグメントS4は、断面形状が平面視で略直角台形をなすと共に、端面がトンネル軸心方向にみて略扇形をなしており、しかも、切羽側に長く、切羽側と反対側のトンネル後方に短くされた状態で既設セグメントS2及びS3の間の空所にトンネル軸方向に挿入嵌合してトンネル内壁面に組み付けられる。このため、セグメントS2及びS3の間のトンネル軸方向逆扇形状をなす空所に、単にキーセグメントS4をトンネル内壁面に押し付けるだけで組み付けることはできない。
【0067】
そこで、上述したセグメントS2,S3の組立手順と同様に、キーセグメントS4を把持したセグメント把持部17を、セグメント組立位置に向けて移動させたのち、図8に示すように、エレクタヘッド8の把持駆動モータ18a又は同シリンダ19を作動させて、セグメント把持部17を切羽側にキーセグメントS4をセグメントS2及びS3に押し込むことができる距離(キーセグメントS4の軸方向挿入代)だけ引き込む。キーセグメントS4を切羽側に引き込んだのち、キーセグメントS4をトンネル径方向に移動させ、トンネル内壁面に押し付ける。ここで、既述したごとくシールドジャッキ2を作動してキーセグメントS4を既設セグメントリングSの前端面に押し付けて最終的な組付けを行う。
【0068】
このように、1セグメントリングの最後に組み立てるキーセグメントS4の組付けの際には、上記複合作動機構を備えることにより、セグメント把持部17が既設セグメントS2,S3の幅寸法にキーセグメントS4の切羽側への引込量を加えた移動ストロークを確保すると共に、旋回体の上方にはセグメントの組立てに必要な最小限のスペースを有するセグメント把持空間が確保できる。
【0069】
1セグメントリング分のセグメントS1〜S4の組立てが完了したのち、組立ての完了したセグメントS1〜S4の前面にシールドジャッキ2を当接し、再びシールド本体1を推進させて掘進を開始する。シールド本体1が1ピッチ分の掘進を終了するごとに、セグメントエレクタ装置3により1セグメントリング分の上記組立操作を繰返してトンネル覆工を行う。
【0070】
本実施形態によれば、軸挿入タイプのセグメントに対応しており、シールド掘進機の機長を極力短くしたいという要求があること、及びセグメントの弧長が長くセグメントエレクタ装置3を極めて小型に形成しなければならないことという二つの制約により、リンク式とシリンダ式との複合作動機構を採用したが、これに限らず様々な機構を用いることができる。例えば、実開昭55−76300号公報のようにリンク式としてもよく、また特開平11−173096号公報のようなシリンダを複数段組み合わせたタイプとしてもよい。すなわち、このように作動機構を小型化した旋回式のセグメントエレクタ装置において、その旋回中心を偏心させさえすれば、本発明の目的が達成される場合があるのは勿論である。
【0071】
また、本実施形態では、狭小な空間でインバート付きセグメントを組み立てる必要があることから、セグメントエレクタ装置の旋回中心を偏心させてスペースを有効に活用することとしたが、インバート付きセグメントでない場合には、その旋回中心を偏心させず前述の複合作動機構のみを採用してもよい。この場合には、セグメントエレクタ装置の小型化と、機長の短縮化という二つの利点を併せ持つセグメントエレクタ装置を得ることができる。
【0072】
トンネル坑の形状や高さに加えて、トンネル内壁面に敷設されるセグメントSの形状等が複雑化すると共に、そのセグメントSの分割数を大幅に少なくし、一個当たりのセグメント寸法を大きくして、その組立て回数を減らしても、セグメント把持部17の作動手段9の構造を上記複合作動機構により小型化すると共に、トンネル中心軸L’に対して旋回体3aの旋回中心軸線Lを上方に偏位させているため、多種多様な直線施工や曲線施工によるトンネル覆工に効果的に使用することができ、旋回体3aの狭小な作動空間内で、円滑に且つ効率的なセグメントSの把持、搬送及び組立等の作業が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な実施形態である伸長状態にあるときのセグメントエレクタ装置を示す側面図である。
【図2】収縮状態にあるときのセグメントエレクタ装置を示す側面図である。
【図3】図1のセグメントエレクタ装置の背面図である。
【図4】同セグメントエレクタ装置に適用されるセグメント把持駆動機構の変形例を概略的に示す側面図である。
【図5】同セグメントエレクタ装置を使用したセグメントの組立手順の一例を示す説明図である。
【図6】図5の次のセグメント組立手順の一例を示す説明図である。
【図7】図6の次のセグメント組立手順の一例を示す説明図である。
【図8】図7の次のセグメント組立手順の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 シールド本体
1b ガーダ
1c 円孔
2 シールドジャッキ
3 セグメントエレクタ装置
3a 旋回体
4 旋回モータ
4a ピニオン
5 排土管
6 テールシール
7 軸受け
7a リングギヤ
8 エレクタヘッド
9 作動手段
10 リンク駆動部
11 昇降シリンダ
12 リンク駆動シリンダ
13 平行リンク機構
13a〜13d 第1〜第4リンク
13e シリンダ支持ブラケット
14 連結部材
15 案内部材
16 案内ロッド
17 セグメント把持部
18 把持駆動機構
18a 把持駆動モータ
18b ボールねじ軸
18c ボールナット
18d 摺動体
19 把持駆動シリンダ
S セグメント

Claims (2)

  1. トンネルの内壁に沿ってセグメントを組み立てるセグメントエレクタ装置であって、
    シールド本体の後部に配され、前記トンネル内を旋回可能な旋回体と、
    同旋回体に設けられ、前記セグメントを把持して少なくともトンネル径方向に移動自在なセグメント把持部と、
    同セグメント把持部の作動手段と、
    を備えてなり、
    前記作動手段は、
    前記旋回体に設けられたリンク駆動シリンダ、及び同シリンダに連結され、上下方向に移動可能な平行リンク機構を有するリンク駆動部と、
    前記平行リンク機構に連結され、同平行リンク機構に対して独立して上下動可能な昇降シリンダとにより、
    複合して作動する機構を有し、
    前記セグメント把持部が前記昇降シリンダに連結されてなる、
    ことを特徴とするセグメントエレクタ装置。
  2. トンネルの内壁に沿ってセグメントを組み立てるセグメントエレクタ装置であって、
    シールド本体の後部に配され、前記トンネル内を旋回可能な旋回体と、
    同旋回体に設けられ、前記セグメントを把持して少なくともトンネル径方向に移動自在なセグメント把持部と、
    同セグメント把持部の作動手段と、
    を備えてなり、
    前記作動手段は、
    前記旋回体に設けられたリンク駆動シリンダ、及び同シリンダに連結され、上下方向に移動可能な平行リンク機構を有するリンク駆動部と、
    前記平行リンク機構に連結され、同平行リンク機構に対して独立して上下動可能な昇降シリンダとにより、
    複合して作動する機構を有してなり、
    前記旋回体の旋回中心が、前記トンネルの中心軸に対して上方に偏位して配されてなることを特徴とするセグメントエレクタ装置。
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