JP4509022B2 - 画像読取装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、原稿を搬送しながら該原稿上の画像を読み取る画像読取装置およびそれを備える画像形成装置に関する。
従来、複写機などには、画像読取装置が設けられている。この画像読取装置として、自動原稿給送装置から給紙された原稿を、副走査方向へ搬送しながら、所定位置に停止されているスキャナユニットにより読み取ることが可能なものがある。また、原稿の両面を読み取ることが可能なものがある(例えば特許文献1参照)。
原稿の両面読取が可能な画像読取装置を搭載する画像形成装置ついて図7を参照しながら説明する。図7は従来の画像読取装置を備える画像形成装置の構成を示す縦断面図である。
画像形成装置は、図7に示すように、原稿上の画像情報を読み取るための画像読取装置Aおよび画像読取装置Aにより読み取られた画像情報を用紙上へ形成するプリンタ装置Bを備える。
画像読取装置Aは、自動原稿給送装置(Auto Document Feeder、以下ADFという)2と、スキャナ装置1とから構成される。ADF2は、原稿トレイ12、ピックアップローラ43、分離ローラ対44a,44b、複数の搬送ローラ46,48、排出ローラ49、および排出トレイ50を有する。原稿トレイ12には原稿Dが積載される。原稿トレイ12に積載された原稿Dは、ピックアップローラ43および分離ローラ対44a,44bにより1枚ずつ分離されて搬送路156に送られる。そして、原稿Dは、搬送ローラ46により、搬送路156に沿って搬送され、スキャナ装置1により当該原稿D上の画像が読み取れる。画像が読み取られた原稿は、搬送ローラ48および排出ローラ49により、排出トレイ50上へ排出される。
また、原稿Dの両面の読み取りを可能にするために、搬送ローラ48の下流側に反転フラップ152が設けられている。また、原稿Dの読取面を反転するための反転搬送路153が設けられている。
スキャナ装置1は、プラテンガラス22と、プラテンガラス22の下方に配置されているスキャナユニット21とを有する。スキャナユニット21は、ガイドレール24に案内されながら図中の矢印Fが示す方向(副走査方向)へ移動可能に構成されている。スキャナユニット21は、原稿を照明するための複数のランプ21cと、ラインCCD(Charge Coupled Device)21gと、各ランプ21により照明された原稿からの反射光をラインCCD21gへ導くための光学系21fとを搭載する。
画像読取装置Aは、原稿流し読みモードと固定原稿読取モードの2つの読取モードを有し、それぞれのモードで原稿の読み取りを行うことが可能である。
原稿流し読みモードは、ADF2から給紙された原稿を副走査方向へ搬送しながらスキャナユニット21により読み取るモードである。具体的には、ADF2から原稿Dが給紙され、この原稿Dは、副走査方向へ搬送される。この際、スキャナユニット21は、流し読み位置101に停止されている。そして、副走査方向へ搬送されている原稿Dが流し読みガラス102に密着しながら上記流し読み位置101を通過する際に、スキャナユニット21により原稿Dの主走査方向の読み取りが行われる。これにより、原稿Dの片面全体が読み取られることになる。そして、原稿は搬送ローラ48および排出ローラ59により排出トレイ50へ排出される。このようにして、原稿Dの片面の読み取りが行われる。
また、原稿流し読みモードにおいて、両面読取モードが選択されている場合、上記原稿Dの第1面の読み取り終了後、当該原稿Dは、排出ローラ49により、その後端が反転フラッパ152を抜けるまで、装置外へ引き出される。次いで、反転フラップ152が切り換えられるとともに、排出ローラ49が逆転駆動される。これにより、原稿Dは反転搬送路153へ導かれて、その読取面が反転された状態になる。そして、原稿Dは、再度、搬送ローラ46により、上記流し読み位置101へ向けて搬送され、原稿Dの第2面がスキャナユニット21により読み取られる。このようにして、原稿Dの両面の読み取りが行われる。
これに対し、固定原稿読みモードの場合、プラテンガラス22上の所定位置に原稿Dが載置され、載置された原稿Dに対して、スキャナユニット21が副走査方向へ移動される。すなわち、プラテンガラス22上の原稿Dに対してスキャナユニット21が原稿Dの主走査方向の読み取りを行いながら、副走査方向へ移動されることによって、原稿の全体が読み取られることになる。
プリンタ装置Bは、レーザユニット3を有する。レーザユニット3は、画像読取装置Aにより読み取られた画像データ(ビデオ信号)に基づいてレーザ光を変調し、このレーザ光を感光ドラム10に照射する。これにより、感光ドラム10上には、静電潜像が形成される。感光ドラム10上に形成された静電潜像は、現像器11から供給されたトナーよりトナー像として可視像化される。このトナー像は、転写器6により、給紙カセット4からレジストローラ5を経て給紙された用紙P上に転写される。トナー像が転写された用紙Pは、定着器7に送られ、定着器7は、用紙Pを熱圧することによって、トナー像を用紙P上に定着させる。トナー像が定着された用紙Pは、排出ローラ8を介して、排出トレイ9上へ排出される。
近年、原稿搬送路を挟んで2つの画像読取手段を設け、該2つの画像読取手段間の原稿搬送路を搬送されている原稿の両面上の画像を、それぞれの画像読取手段で同時に読み取るように構成されている画像読取装置が実用化されている。
この画像読取装置について図8を参照しながら説明する。図8は従来の原稿の両面上の画像を同時に読み取ることが可能な画像読取装置の構成を示す縦断面図である。
上記画像読取装置は、図8に示すように、2つのスキャナユニット121,160を備える。各スキャナユニット121,160は、流し読み位置101において、搬送路161を挟んで互いに対向するように配置されている。各スキャナユニット121,160は、上述した画像形成装置のスキャナユニット21と同じ構成を有する。
このような画像読取装置においては、原稿トレイ12から1枚ずつ原稿Dが流し読み位置101へ搬送される。そして、原稿Dが流し読み位置101を通過する際に、原稿Dの第1面上の画像がスキャナユニット121により読み取られ、同時に原稿Dの第2面上の画像がスキャナユニット160により読み取られる。その後、原稿Dは、搬送ローラ49により排出トレイ50上へ排出される。
特開2003−8836号公報
図7に示す構成を有する画像読取装置においては、原稿の両面を読み取る際に、原稿の第1面の読み取りが終了した後に、原稿の第2面の読み取りが行われる。そして、原稿の第2面の読み取りが終了した後、後続の原稿の第1面の読み取りが開始される。よって、連続する原稿に対してその両面を読み取る場合、その読み取りがすべて終了するまでに長い時間が掛かる。
また、図8に示す構成を有する画像読取装置は、短時間で、原稿の両面の読み取りを行うことができ、高い生産性を提供することができる。しかしながら、スキャナユニット121に対してスキャナユニット160が精度よく位置決めされないと、原稿Dの第1面の読取画像と第2面の読取画像の位置がずれ、また、画像が歪むなどの不具合が生じる。特に、スキャナユニット121をスキャナ装置1に設け、スキャナユニット160をスキャナ装置1に対して開閉可能なADF2側に設けた場合、スキャナユニット121とスキャナユニット160との相対位置を合わせるための調整手段を設ける必要がある。
本発明の目的は、複数枚の原稿に対して該原稿の両面を読み取る際の読み取り時間を短縮することができ、生産性を向上させることができる画像読取装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、原稿を給紙する原稿給紙手段と、マトリクス状に配列されている複数の光センサが表面に配置されている無端状の基材から構成される画像読取手段と、前記画像読取手段を回転させる駆動手段と、前記原稿給紙手段により給紙された原稿が、前記画像読取手段が原稿の第1面を読み取る第1の画像読取位置を通過するように、該原稿を搬送する第1の原稿搬送手段と、前記第1の画像読取位置を通過した原稿が、前記画像読取手段が原稿の第2面を読み取る第2の画像読取位置を通過するように、該原稿を搬送する第2の原稿搬送手段とを備え、前記画像読取手段は、前記駆動手段により回転されながら、原稿が前記第1の画像読取位置を通過する際に、該原稿の第1面上の画像情報を読み取り、原稿が前記第2の画像読取位置を通過する際に、該原稿の第2面上の画像情報を読み取ることを特徴とする画像読取装置を提供する。
本発明は、上記目的を達成するため、上記画像読取装置を備えることを特徴とする画像形成装置を提供する。
本発明によれば、複数枚の原稿に対して該原稿の両面を読み取る際の読み取り時間を短縮することができ、生産性を向上させることができる。また、画像の歪みなどが少ない高精度な画像読み取りを行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る画像読取装置の構成を示す縦断面図である。
画像読取装置Aは、図1に示すように、ADF40と、スキャナ装置20とから構成される。ADF40は、原稿Dが積載される原稿トレイ12および原稿トレイ12上の原稿Dの有無を検知するための原稿検知センサ45を有する。原稿トレイ12に積載された原稿Dは、ピックアップローラ43および分離ローラ対44a,44bにより、1枚ずつ分離されてUターン形状の搬送路40aに送り込まれる。そして、原稿Dは、搬送ローラ46により、搬送路40aに沿って予め決められた一定の搬送速度で読取部30へ搬送される。搬送ローラ46の近傍位置には、原稿Dの端部を検出する原稿エッジセンサ47が配置されている。この原稿エッジセンサ47の検知信号は、例えば原稿詰まりなどの検出に用いられる。
上記読取部30には、スキャナユニット59と、スキャナユニット59と対向するように配置されている1対の加圧部材23,55と、シェーディング補正用データ(シェーディングデータ)を得るための基準部材42とが設けられている。スキャナユニット59と加圧部材23との間には、ニップ部が形成され、スキャナユニット59と加圧部材55との間には、ニップ部が形成される。原稿Dが読取部30を通過する際に、スキャナユニット59により、原稿D上の画像情報が読み取られる。この読取部30の詳細については、後述する。
読取部30を通過した原稿Dは、搬送ローラ48により、搬送路40bに沿って、分岐点52へ向けて送られる。搬送ローラ48と分岐点52との間には、反転フラッパ54が設けられており、反転フラップ54の先端54aは、通常は、自重により、搬送路40b内に垂下している。搬送ローラ48により搬送される原稿Dは、反転フラッパ54を押し上げ、排出ローラ49へ向けて送られる。排出ローラ49は、原稿Dを排出トレイ50上へ排出する際には、正転され、原稿Dを反転搬送路53へ導く際には、逆転される。
反転搬送路53に導かれた原稿Dは、読取部30を経てUターン形状の搬送路40cに沿って排出ローラ49へ向けて搬送される。そして、原稿Dは、排出ローラ49により、排出トレイ50上へ排出される。
ADF40は、スキャナ装置20に対して開閉可能に構成されており、ADF40を開くことによって、後述するスキャナ装置20のプラテンガラス22上に原稿Dを載置することが可能である。ADF40は、白地板31を有し、白地板31は、ADF40が閉じられたときに、プラテンガラス22と対向するように配置されている。この白地板31により、プラテンガラス22上に載置された原稿Dは、プラテンガラス22に密着される。
スキャナ装置20は、スキャナユニット21を有し、スキャナユニット21を用いてプラテンガラス22に載置された原稿Dを読み取る。スキャナユニット21は、プラテンガラス22の下方に配置され、ガイドレール24に案内されながら図中の矢印が示す方向F(副走査方向)へ移動可能である。スキャナユニット21には、原稿Dを照明するための複数のランプ21cと、ラインCCD21gと、各ランプ21cにより照明された原稿からの反射光をラインCCD21gへ導くための光学系21fとが搭載される。光学系21fには、複数の反射ミラーおよび結像レンズが含まれる。
画像読取装置Aは、ADF40を用いたADF読取モードとスキャナユニット21を用いた固定原稿読取モードの2つのモードを有し、それぞれのモードで原稿の読み取りを行うことが可能である。
ADF読取モードの場合、ADF40により原稿トレイ12に積載された原稿Dが給紙される。そして、給紙された原稿Dは、読取部30へ送られ、スキャナユニット59により原稿Dの第1面(表面)上の画像情報が読み取られる。
ここで、片面読取モードが設定されている場合、読取部30を通過した原稿Dは、搬送ローラ48により、反転フラッパ54を経て排出ローラ49へ向けて送られる。そして、排出ローラ49により、原稿Dは、排出トレイ50上へ排出される。
これに対し、両面読取モードが設定されている場合、読取部30により第1面が読み取られた原稿Dは、搬送ローラ48により、反転フラッパ54を経て排出ローラ49へ向けて送られる。そして、原稿Dは、排出ローラ49により、原稿Dの後端が反転フラッパ54を抜けるまで機外が搬送される。次いで、排出ローラ49が逆転され、原稿Dは、反転フラッパ54の上面に案内されて反転搬送路53へ導かれる。そして、原稿Dは、読取部30へ送られる。この読取部30においては、原稿Dがスキャナユニット59と加圧部材55との間のニップ部を通過する際に、原稿Dの第2面(裏面)がスキャナユニット59により読み取られる。読取部30を通過した原稿Dは、搬送路40cに沿って排出ローラ49へ向けて搬送され、排出ローラ49により、排出トレイ50上へ排出される。
固定原稿読取モードの場合、ADF40が開放され、プラテンガラス22上の所定位置に原稿Dが載置される。そして、この載置された原稿Dに対して、スキャナユニット21が副走査方向へ移動される。すなわち、プランテンガラス22上の原稿Dに対してスキャナユニット21が原稿の主走査方向の読み取りを行いながら、副走査方向へ移動されることによって、原稿の全体が読み取られることになる。
次に、読取部30について図2〜図5を参照しながら詳細に説明する。図2(a)は図1のスキャナユニット59の周囲の構成を模式的に示す縦断面図、図2(b)は図1のスキャナユニット59のシリンダ表面の一部を長手方向に沿って切断した際の縦断面図である。図3(a)は図1のスキャナユニットと画像処理部との接続構造を示す斜視図、図3(b)は図2のスキャナユニットの縦断面図である。図4(a)は複数の読取画素の配列構成およびその周辺回路を示す図、図4(b)は読取画素の回路構成を示す図である。図5は図4(a)に代わる複数の読取画素の配列構成およびその周辺回路を示す図である。
読取部30に配置されているスキャナユニット59は、図2(a)に示すように、原稿Dの搬送方向と直交する方向(主走査方向)へ伸びるシリンダ60を有し、シリンダ60は、光透過性を有する基材(透明な基材を含む)から構成される。シリンダ60内には、シリンダ60の軸と同軸上に伸びる細長いランプ41が組み込まれている。シリンダ60は、図3(b)に示すように、両端に開口し、シリンダ60の各開口端部には、それぞれ、支持部材41aが取り付けられている。各支持部材41aは、ランプ41を支持する。また、各支持部材41aは、ADF40本体に支持され、一方の支持部材41aには、駆動モータ(図示せず)からの駆動力が伝達される。スキャナユニット59は、上記駆動モータにより、原稿Dの搬送方向へ回転駆動され、その際の周速度は、原稿Dの搬送速度と略同一である。
加圧部材23は、図2(a)に示すように、スキャナユニット59の外周面に当接されように配置されており、ばね部材23aにより、所定の押圧力で、スキャナユニット59の外周面に押し付けられている。加圧部材23とスキャナユニット59との間には、原稿Dを狭持、搬送するためのニップ部が形成される。原稿Dが上記ニップ部を通過する際、原稿Dはスキャナユニット59の外周面と当接される。ここで、原稿D(加圧部材23)とスキャナユニット59との当接位置を第1画像読取位置P1とする。
加圧部材55は、加圧部材23とスキャナユニット59の直径方向へ対向するように配置されている。加圧部材55は、加圧部材23と同様に、ばね部材55aにより、所定の押圧力で、スキャナユニット59の外周面に押し付けられている。加圧部材55とスキャナユニット59との間には、原稿Dを狭持、搬送するためのニップ部が形成される。原稿Dが上記ニップ部を通過する際、原稿Dはスキャナユニット59の外周面と当接される。ここで、原稿D(加圧部材55)とスキャナユニット59との当接位置を第2画像読取位置P3とする。
基準部材42は、スキャナユニット59の外周面と対向し、上記第1画像読取位置P1からスキャナユニット59の円周方向へ角度的にπ/2(rad)離れた位置P2に配置されている。この位置P2は、基準部材読取位置である。
シリンダ60の外周面には、後述するように、複数の読取画素61がマトリクス状に配置されている。ここで、複数の読取画素61のうち、シリンダ60の軸方向へ一列に並ぶ各読取画素61は、マトリクスの列を規定する。また、シリンダ60の軸方向へ一列に並ぶ各読取画素61からなる各読取画素列68は、シリンダ60の円周方向に沿って配列され、マトリクスの行を規定する。
詳細には、図3(a)に示すように、シリンダ60の外周面には、複数の読取画素列68が、互いに所定の間隔をおいてシリンダ60の円周方向に沿って配列されている。各読取画素列68は、図2(b)に示すように、それぞれ、複数の読取画素61を含み、各読取画素61は、シリンダ60の軸方向へ所定の間隔をおいて配置されている。各読取画素61の裏面側には、ランプ41からの光が各読取画素61に対して直接入射することを防ぐための遮光膜62が設けられている。シリンダ60の外周面には、各読取画素61を保護するための保護層80が形成されている。
シリンダ60の外周面における読取画素61の配列を展開して表すと、当該配列は、図4(a)に示すようなマトリクス状の配列となる。ここで、マトリクスの列方向に並ぶ一列の読取画素61(1つの読取画素列68を構成する各読取画素61)は、それぞれ、ワードライン63と接続され、ワードライン63はワードラインセレクタ70を介して列デコードライン67と接続されている。また、マトリクスの行方向に並ぶ一列の読取画素61は、それぞれ、ビットライン64と接続され、ビットライン64はビットラインセレクタ71を介して行デコードライン69と接続されている。ワードラインセレクタ70は、ワードセレクタライン92からの信号により制御される。また、ビットラインセレクタ71は、ビットセレクタライン91からの信号により制御される。そして、ワードラインセレクタ70およびビットラインセレクタ71の制御により、列デコードライン67と行デコードライン69のアドレス指定が行われる。これにより、所定の読取画素61の電流値を読み出すことが可能である。
各読取画素61は、図4(b)に示すように、光を受光すると、その受光量に応じた電流値を発生する有機フォトダイオード61aと、有機トランジスタ61bと有する。そして、有機トランジスタ61bをスイッチング動作させることによって、有機フォトダイオード61aに生じた電流値が読み出される。ここで、有機フォトダイオード61aおよび有機トランジスタ61bは、有機半導体である。
このように、各読取画素61を有機半導体から構成されているので、例えば精密印刷技術などを用いることにより、シリンダ60の外周面上に複数の読取画素61および周辺回路を形成することが可能である。
本実施の形態においては、図5に示すように、複数の列デコードライン67が設けられている回路構成を採用する。これは、原稿Dの読み取りと基準部材42の読み取りとを並行して行うことを可能にするためである。各読取画素61の構成は、上述した構成と同じである。
ここでは、列方向に並ぶ一列の読取画素61によって構成される各読取画素列68a,68b,…,63k,…,63m,…がスキャナユニット59の回転方向下流側へ順に配列されているとする。読取画素列68aに接続されているワードライン63aは、ワードラインセレクタ70aを介して第1列デコードライン67aに接続されている。読取画素列68aと隣接する読取画素列68bに接続されているワードライン63bは、ワードラインセレクタ70bを介して第2列デコードライン67bに接続されている。読取画素列68cに接続されているワードライン63cは、ワードラインセレクタ70cを介して第3列デコードライン67cに接続されている。読取画素列68dに接続されているワードライン63dは、ワードラインセレクタ70dを介して第1列デコードライン67dに接続されている。
以下同様に、各読取画素列68に接続されている各ワードライン63は、各列デコードライン67a〜67cに対して、順番に、繰り返し接続されている。
上記図5に示すような回路構成が採用されている場合、スキャナユニット59の一方の端部には、図3(a)に示すように、複数の無端状の端子65a,65b,65c,83a,83b,83cが設けられている。端子65aは第1列デコードライン67aに、端子65bは第2列デコードライン67bに、端子65cは第3列デコードライン67cにそれぞれ接続されている。端子83aは行デコードライン69に、端子83bはビットセレクタライン91に、端子83cはワードセレクタライン92にそれぞれ接続されている。
各端子65a〜65c,83a〜83cには、それぞれ、対応する接続端子66a〜66c,84a〜84cが摺動可能に接触する。各接続端子66a〜66c,84a〜84cは、バネ接点を構成する端子である。各接続端子66a〜66c,84a〜84cは、画像像処理部58と電気的に接続される。
各接続端子66a〜66c,84a〜84cは、スキャナユニット59の回転時においても、それぞれ対応する端子65a〜65c,83a〜83cと摺動しながら接触する。これにより、スキャナユニット59の回転時においても、行デコードライン69、第1〜第3列デコードライン67a〜67c、ビットセレクタライン91に、ワードセレクタライン92と画像処理部58との接続が保たれる。
画像処理部58は、スキャナユニット59の各読取画素61からの電気信号(画像情報)の読み出しを制御する。そして、画像処理ぶ58は、各読取画素61から読み出された電気信号に対して所定の処理を施し、外部装置例えばプリンタ装置Bが処理可能な画像データを生成する。この生成された画像データは、プリンタ装置Bへ送出される。
この画像処理部58について図6を参照しながら詳細に説明する。図6は図3(a)の画像処理58の構成を示すブロック図である。
画像処理部58は、図6に示すように、アナログ信号処理部72を有する。アナログ信号処理部72は、スキャナユニット59から読み出された電気信号に対して感度補正などの各種補正を施す。アナログ信号処理部72により補正された信号は、A/D変換部73により、デジタル画像信号に変換される。そして、このデジタル画像信号に対しては、ゲインコントロール部74、シェーディング補正部75、トーンコントロール部76により、各種補正が施される。そして、補正後のデジタル画像信号は、画像データとして一旦データバッファ77に保持された後、外部装置例えばプリンタ装置Bへ送出される。ここで、上記シェーディング補正部75による、各読取画素61の画像データに対するシェーディング補正は、同一の読取画素により読み取られた基準部材42から得られるシェーディングデータに基づいて行われる。
また、画像処理部58は、スキャナユニット59の各読取画素61からの電気信号の読み出しを制御するための信号をスキャナユニット59に対して出力するが、この機能ブロックは、省略されている。
次に、第1画像読取位置P1と基準部材読取位置P2との位置関係について説明する。
基準部材読取位置P2は、第1画像読取位置P1(および第2画像読取位置P3)とは異なる位置にある。本実施の形態においては、図5に示すように、読取画素列68aが第1画像読取位置P1にあるときに、基準部材読取位置P2に読取画素列68kがあるように、第1画像読取位置P1と基準部材読取位置P2との間の位置関係が決められている。
すなわち、第1画像読取位置P1と基準部材読取位置P2との間のスキャナユニット59の円周方向に沿う距離をL1とし、隣り合う読取画素列68間の間隔(スキャナユニット59の円周方向に沿う距離)をL2とする。この場合、距離L1は、次の式を満足するように設定されている。
L1=(3n+1)L2
ここで、nは零を含む正の整数である。
これにより、第1画像読取位置P1にある読取画素列68aにおいては、第1列デコードライン67aに接続されたワードラインセレクタ70aを用いて原稿Dの第2面上の画像情報の読み取りが行われる。これと同時に、基準部材読取位置P2にある読取画素列68kにおいては、第2列デコードライン67bに接続されたワードラインセレクタ70bを用いてシェーディングデータの読み取りが行われる。このように、原稿Dの第1面上の画像情報の読み取りとシェーディングデータの読み取りとを並行して行うことが可能である。
次に、第1画像読取位置P1と第2画像読取位置P3との位置関係について説明する。
原稿Dの第2面を読み取る第2画像読取位置P3は、第1画像読取位置P1および基準部材読取位置P2とは異なる位置にある。本実施の形態においては、図5に示すように、読取画素列68aが画像読取位置P1にあるときに、第2画像読取位置P3に読取画素列68mがあるように、第1画像読取位置P1と第2画像読取位置P3との間の位置関係が決められている。
すなわち、第1画像読取位置P1と第2画像読取位置P3との間のスキャナユニット59の円周方向に沿う距離をL3とし、隣り合う読取画素列68間の間隔(スキャナユニット59の円周方向に沿う距離)をL2とする。この場合、距離L3は、次の式を満足するように設定されている。
L1=(3n−1)L2
ここで、nは零を含む正の整数である。
これにより、画像読取位置P1にある読取画素列68aにおいては、第1列デコードライン67aに接続されたワードラインセレクタ70aを用いて原稿Dの第1面上の画像情報の読み取りが行われる。これと同時に、第2画像読取位置P3にある読取画素列68mにおいては、第3列デコードライン67cに接続されたワードラインセレクタ70cを用いて原稿Dの第2面上の画像情報を読み取ることが可能である。
次に、ADF読取モードによる読取動作について詳細に説明する。
操作部からの操作によってADF読取モードによる原稿読み取り命令が発せられると、スキャナユニット59が原稿搬送方向に回転され、基準部材読取位置P2においてシェーディングデータの取得が行われる。この際、スキャナユニット59の周速度は、原稿Dの搬送速度で略同一である。また、ランプ41は点灯されており、ランプ41からの光はスキャナユニット59のシリンダ60上の読取画素61間を透過して、基準部材42を照明する。
シェーディングデータの取得においては、基準部材42と対向する読取画素列68の読取画素61の有機トランジスタ61bを順次スイッチングすることで、各読取画素61の有機フォトダイオード61aにより生成される電流値が、ワードライン63、ワードラインセレクタ70、列デコードライン67を介して読み出される。読み出された電流値は、画像処理部58において、シェーディングデータに変換され、シェーディングデータは、各読取画素61のアドレスデータとともにメモリ(図示せず)に格納される。
シェーディングデータの取得が完了した読取画素列68が第1画像読取位置P1に到達するタイミングに合わせて、ADF40は原稿Dの搬送を開始する。原稿Dが第1画像読取位置P1に到達すると、原稿Dは加圧部材23によってスキャナユニット59の外周面に当接される。このとき、原稿Dに対向する読取画素列68の各読取画素61においては、原稿からの反射光を受光した有機フォトダイオード61aが原稿D上の画像情報に応じた電流値を発生する。そして、原稿Dに対向する読取画素68列の各読取画素61の有機トランジスタ61bが順次スイッチングされ、各読取画素61の有機フォトダイオード61aに発生された電流値が、電気信号として、ワードライン63を介して読み出される。読み出された電気信号には、画像処理部58において、シェーディング補正を含む各種処理が施される。このシェーディング補正においては、読取画素61から得られた画像情報に対して同一の読取画素から得られたシェーディングデータが用いられる。
上記画像の読み取りにおいて、スキャナユニット59は、その周速度が原稿Dの搬送速度と略同一となるように回転駆動されている。これにより、読取画素61は原稿Dに対して副走査方向へ相対的にほとんど移動しない。従って、原稿Dまたはスキャナユニット59の表面にゴミ、汚れが付着した場合でも、読み取られたゴミまたは汚れの画像が副走査方向に引き伸ばされることはなく、従来のようにスジ状の画像が出現することがない。
第1画像読取位置P1において、原稿Dの第1面の読み取りが終了すると、原稿Dは搬送ローラ48および排出ローラ49により、原稿Dの後端が分岐点52を通過するまで搬送され、一旦停止する。次いで、排出ローラ49が逆転され、原稿Dはその後端側を先頭にして送られる。原稿Dの後端が分岐点52に到達すると、原稿Dは反転フラッパ54の上面に案内されて反転搬送路53へ導かれる。そして、原稿Dは、読取部30の第2画像読取位置P3に向けて搬送される。
第2画像読取位置P3においては、原稿Dは、加圧部材55により、原稿Dの第2面がスキャナユニット59の外周面に当接されながら搬送される。このとき、原稿Dの第2面に対向する読取画素列68の各読取画素61においては、原稿Dの第2面からの反射光によって、有機フォトダイオード61aが原稿上の画像情報に応じた電流値を発生する。そして、原稿Dに対向する読取画素68列の各読取画素61の有機トランジスタ61bが順次スイッチングされ、各読取画素61の有機フォトダイオード61aに発生された電流値が、電気信号として、ワードライン63を介して読み出される。読み出された電気信号には、画像処理部58において、シェーディング補正を含む各種処理が施される。
上記の第2画像読取位置P3における原稿Dの第2面の読み取りと並行して、第1画像読取位置P1においては、後続の原稿Dの第1面の読み取りが行われる。ここで、第2画像読取位置P3に位置する読取画素列が読取画素列68mであるとすると、第1画像読取位置P1に位置する読取画素列は読取画素列68aとなる。第2画像読取位置P3に位置する読取画素列68mと、第1画像読取位置P1に位置する読取画素列68aからの画像情報の読み出しは、それぞれ異なる列デコードライン67c,67aを介して行われる。よって、原稿Dの第2面の読み取りと後続の原稿Dの第1面の読み取りを同時に行うことが可能となる。
第2画像読取位置P3で第2面が読み取られた原稿Dは、搬送路40cを経て、排出ローラ49により、排出トレイ50上に排出される。ここで、原稿Dを搬送路40cを通過させることは、原稿Dの積載順を揃えるためである。
ここで、分岐点52から第2画像読取位置P3までの搬送パス長は、図7に示す従来の画像読取装置における、反転フラッパ152の位置から反転搬送路153および搬送路156を経て流し読み位置101へ至る搬送パス長より短くすることができる。このため、搬送ローラ46、搬送ローラ48、排出ローラ49の相対的な傾き、各搬送ローラの径のばらつきに起因して発生する原稿Dの斜行、スキューの程度を小さくすることができる。その結果、原稿Dの第1面から読み取られた画像データと同一の原稿Dの第2面から読み取られた画像データ間の画像の位置ずれ、画像のゆがみなどが軽減される。
また、図2に示すように、ランプ41と第1画像読取位置P1間の距離Q1と、ランプ41と第2画像読取位置P3間の距離Q3とが略同一である。これにより、第1画像読取位置P1における原稿照明光量と、第2画像読取位置P3における原稿照明光量とが略同一となり、原稿Dの各面から読み取られた画像間の品質の大きな差が生じない。
さらに、ランプ41と基準部材読取位置P2間の距離Q2が上記距離Q1,Q3と略同一にすると、シェーディングデータ取得時の基準部材照明光量と、画像読み取り時の原稿照明光量とが略同一となり、原稿Dの各面から読み取られた画像に対して、適正なシェーディングデータが得られる。原稿の両面の読み取り画像がより均一になる。
ここで、ランプ41はシリンダ60内部に同軸上に配置されているので、上記距離Q1,Q2,Q3を略同一にすることは容易である。
以上より、本実施の形態によれば、第1画像読取位置P1で原稿Dの第1面の読み取りを行うと同時に、第2画像読取位置P3で、原稿Dの第2面の読み取りを行うことが可能であるので、複数枚の原稿に対して両面読み取りを行う場合に、読み取り時間を短縮することができる。
また、1つのスキャナユニット59を用いて原稿の両面を読み取るので、2つのスキャナユニットを用いて原稿の両面を読み取る場合に比して、画像の歪みなどが少ない高精度な画像読み取りを行うことが可能となる。これは、2つのスキャナユニットの相対的な位置ずれに起因する画像の位置ずれや傾きがないためである。
本実施の形態においては、シリンダを用いたスキャナユニット59が構成されているが、これに代えて、無端状のベルトを用いたスキャナユニットを構成することも可能である。この場合、無端状のベルト上に複数の読取画素がマトリクス状に配置され、このベルトが原稿搬送方向へ原稿搬送速度と略同一の速度で駆動される。
本発明の一実施の形態に係る画像読取装置の構成を示す縦断面図である。 (a)は図1のスキャナユニット59の周囲の構成を模式的に示す縦断面図、(b)は図1のスキャナユニット59のシリンダ表面の一部を長手方向に沿って切断した際の縦断面図である。 (a)は図1のスキャナユニットと画像処理部との接続構造を示す斜視図、(b)は図2のスキャナユニットの縦断面図である。 (a)は複数の読取画素の配列構成およびその周辺回路を示す図、(b)は読取画素の回路構成を示す図である。 図4(a)に代わる複数の読取画素の配列構成およびその周辺回路を示す図である。 図3(a)の画像処理部58の構成を示すブロック図である。 従来の画像読取装置を備える画像形成装置の構成を示す縦断面図である。 従来の原稿の両面上の画像を同時に読み取ることが可能な画像読取装置の構成を示す縦断面図である。
符号の説明
A 画像読取装置
D 原稿
20 スキャン装置
23,55 加圧部材
30 読取部
40 ADF
40a,40b,40c 搬送路
41 ランプ
42 基準部材
53 反転搬送路
54 反転フラッパ
58 画像処理部
59 スキャナユニット(画像読取手段)
60 シリンダ(基材)
61 読取画素
61a 有機フォトダイオード
61b 有機トランジスタ
63 ワードライン
67 列デコードライン
68 読取画素列

Claims (10)

  1. 原稿を給紙する原稿給紙手段と、
    マトリクス状に配列されている複数の光センサが表面に配置されている無端状の基材から構成される画像読取手段と、
    前記画像読取手段を回転させる駆動手段と、
    前記原稿給紙手段により給紙された原稿が、前記画像読取手段が原稿の第1面を読み取る第1の画像読取位置を通過するように、該原稿を搬送する第1の原稿搬送手段と、
    前記第1の画像読取位置を通過した原稿が、前記画像読取手段が原稿の第2面を読み取る第2の画像読取位置を通過するように、該原稿を搬送する第2の原稿搬送手段とを備え、
    前記画像読取手段は、前記駆動手段により回転されながら、原稿が前記第1の画像読取位置を通過する際に、該原稿の第1面上の画像情報を読み取り、原稿が前記第2の画像読取位置を通過する際に、該原稿の第2面上の画像情報を読み取ることを特徴とする画像読取装置。
  2. 前記駆動手段により回転させられる前記画像読取手段の周速度は、前記第1および第2の原稿搬送手段によって搬送される原稿の搬送速度と略同一であることを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
  3. 前記光センサのマトリクス状の配列パターンは、前記画像読取手段の回転軸方向を列方向とし、前記画像読取手段の回転軸方向と直交する方向を行方向とするマトリクス状のパターンであることを特徴とする請求項記載の画像読取装置。
  4. 前記列方向へ一列に並ぶ光センサからなる複数の光センサ列のうち、少なくとも2つ以上の光センサ列からのデータの読み出しが同時に行われるように制御されることを特徴とする請求項記載の画像読取装置。
  5. 前記第1の画像読取位置には、前記画像読取手段に対して、前記第1の画像読取位置を通過する原稿の第1面を押し付ける第1の加圧手段が設けられ、
    前記第2の画像読取位置には、前記画像読取手段に対して、前記第2の画像読取位置を通過する原稿の第2面を押し付ける第2の加圧手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
  6. 前記第1の画像読取位置と前記第2の画像読取位置とは、互いに、前記画像読取手段の回転軸と直交する方向へ対向することを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
  7. 前記第1の搬送手段は、前記第1の画像読取位置を経て原稿排出位置へ至る第1の搬送路を有し、
    前記第2の搬送手段は、前記第1の搬送路における前記第1の画像読取位置と前記原稿排出位置との間の位置から分岐し、前記第2の画像読取位置を経て前記原稿排出位置へ至る第2の搬送路を有することを特徴とする請求項記載の画像読取装置。
  8. 前記画像読取手段は、円筒状に形成されている基材から構成されることを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
  9. 前記画像読取手段は、無端ベルト状に形成されている基材から構成されることを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
  10. 請求項1ないしのいずれか1つに記載の画像読取装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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