JP2004072152A - スキャナ装置及び複写機 - Google Patents
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Abstract
【課題】A0サイズのような広幅原稿についても、1本の密着型イメージセンサのみを用いる方式に準じた簡単で小型な構成に加えて、安価で品質のよい読取りを可能にする。
【解決手段】原稿搬送手段により読取位置Pに対して搬送される原稿9の一部の画像領域EAを幅方向の一部を読取る長さのCIS15により読取らせた後、移動機構によりCIS15を原稿8の幅方向の未読取領域の位置に移動させるとともに原稿搬送手段により原稿8を再度読取位置Pに対して搬送させてCIS15により原稿8の他の一部の画像領域EBを読取らせ、CIS15により読取られた画像データをその読取画像領域EA,EB毎にメモリに格納させ、メモリに格納された読取画像領域EA,EB毎の画像データを合成するようにした。
【選択図】 図5
【解決手段】原稿搬送手段により読取位置Pに対して搬送される原稿9の一部の画像領域EAを幅方向の一部を読取る長さのCIS15により読取らせた後、移動機構によりCIS15を原稿8の幅方向の未読取領域の位置に移動させるとともに原稿搬送手段により原稿8を再度読取位置Pに対して搬送させてCIS15により原稿8の他の一部の画像領域EBを読取らせ、CIS15により読取られた画像データをその読取画像領域EA,EB毎にメモリに格納させ、メモリに格納された読取画像領域EA,EB毎の画像データを合成するようにした。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、A0サイズのような広幅原稿の読取りに適したスキャナ装置及びこのスキャナ装置を備える複写機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のスキャナ装置の一例として、図13及び図14に示すような原稿移動型のスキャナ装置がある。その構成を作用とともに説明する。まず、原稿テーブル101上から挿入された原稿102の先端が挿入検知センサ103により検知されると、当該スキャナ装置では原稿102が挿入されたことを認識し、駆動モータ(図示せず)を駆動させることで、コンタクトガラス104の前後に配設されている第1,第2のローラ105,106を原稿送り方向に回転させ、従動回転する従動ローラ107,108とともに原稿102を所定速度で搬送させる。このように搬送される原稿102に対してコンタクトガラス104上に設定された読取位置Pにて読取手段109中の露光ランプ110によりスリット露光しながらその反射光をセルフォックレンズ111により密着型イメージセンサ(CIS)112に結像させることにより順次読取らせる。このCIS112は図14に示すように最大通紙幅の原稿102の全幅分を読取り得る長さを有するものが用いられている。なお、読取動作の開始タイミングは先端検知センサ113による検知タイミングに基づき設定される。また、CIS112においては、原稿102の画像に対応した光量が光電変換されてアナログ信号なる画像データとしてA/D変換回路(図示せず)に出力され、デジタルデータに変換された後、画像メモリに格納される。なお、読取られた原稿102は第2ローラ106側よりそのまま機外に排紙される。
【0003】
このようなCIS112を用いた原稿移動型スキャナ装置によれば、簡単で小型な構成にして高品質な画像読取りが可能である。
【0004】
ところが、CIS112としては、最大通紙幅の原稿102の全幅分を読取り得る長さが必要であり、例えば、A0サイズを最大通紙幅とする機種にあっては、A0サイズ相当の長さを有するCIS112が必要となる。ここに、CISはその長さが長くなればなる程、歩留まりが悪くなることから、高価なものとなっており、結果的に装置全体のコストアップを招いてしまう。さらには、このような長尺のCISのうちで1ドット分でも読取素子が故障するとCIS全体を交換しなければならず、この観点からも高価なものとなってしまう。
【0005】
このようなことから、1本のCIS112を用いる方式に代えて、例えば、図15に略図的に示すように、原稿102の幅方向に対して分割されたサイズの複数本(例えば、3本)のCIS121a〜121cを千鳥状に配列させて設け、最大通紙幅の原稿102の全幅分をこれらのCIS121a〜121cにより分割して読取らせるようにした原稿移動型スキャナ装置も提案されている(特開昭63−125054号公報、特開平01−36260号公報等参照)。この場合、読取り抜けを防止するため、CIS121a〜121cは互いに端部付近がオーバーラップする形で配設される。また、これらのCIS121a〜121cにより読取られた画像データは合成処理により1枚の原稿画像データとされる。
【0006】
或いは、図16に略図的に示すように、原稿102からの反射光を各々縮小レンズ131a,131bを用いて対応するリニアイメージセンサ、例えば、CCDアレイ132a,132bに分割状態で縮小結像させて読取らせるようにした原稿移動型スキャナ装置も提案されている(特開昭59−122074号公報等参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図15に示す方式の場合、1本のCIS112を用いる方式よりも各CIS121a〜121cの長さが短くて済む分、歩留まりやコスト的には有利となるものの、分割数分のCISを要する点ではコスト的にまだ不十分である。また、複数のCIS121a〜121cは主走査方向にはオーバーラップ配置、副走査方向には千鳥状配置され、かつ、各々個体差を持ち得ることにより、画像合成処理に関して、CIS121a〜121c間で主走査・副走査の両方向についての位置調整、個体間調整等が必要で画像データ処理が複雑化しやすいものでもある。
【0008】
一方、図16に示す方式の場合、CCDアレイ132a,132bに関しては極めて小型化できるので、歩留まりやコスト的には有利となるものの、縮小レンズ131a,131b等による縮小光学系を用いるので光路長が必要となり、装置が大型化してしまい、原稿移動型のメリットを活かせない。特に、A0サイズのような広幅サイズを考慮した場合には縮小光学系はかなり大きくなってしまい、かといって、多数個に分割すれば画像合成処理系が煩雑となってしまう。
【0009】
本発明の目的は、広幅原稿についても、1本の密着型イメージセンサのみを用いる方式に準じた簡単で小型な構成に加えて、安価で品質のよい読取りを可能にすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明のスキャナ装置は、読取位置に対して原稿を往復搬送させる原稿搬送手段と、この原稿搬送手段により搬送される原稿の幅方向に配設され前記読取位置において前記原稿の幅方向の一部の画像領域を読取る長さの密着型イメージセンサを有する読取手段と、この読取手段の位置を原稿の幅方向に変位させる移動機構と、前記原稿搬送手段による原稿の搬送方向を切換える搬送方向切換手段と、前記原稿搬送手段により読取位置に対して搬送される原稿の一部の画像領域を前記読取手段により読取らせた後、前記移動機構により前記読取手段を原稿の幅方向の未読取領域の位置に移動させるとともに前記原稿搬送手段により原稿を再度読取位置に対して搬送させて前記読取手段により原稿の他の一部の画像領域を読取らせる分割読取動作制御手段と、前記読取手段により読取られた画像データをその読取画像領域毎にメモリに格納させる格納手段と、この格納手段により前記メモリに格納された読取画像領域毎の画像データを合成するデータ合成手段と、を備える。
【0011】
従って、基本的には、原稿の幅方向の一部の画像領域を読取る長さの密着型イメージセンサを用いて原稿を幅方向に分割して読取るが、密着型イメージセンサの位置を移動機構により原稿の幅方向に変位させるとともに原稿を再度読取位置に搬送させることにより時間的にずれたタイミングで分割読取りさせるので、広幅原稿の読取りについても、短めの1本の密着型イメージセンサ及びその原稿幅方向への移動機構のみで済み、安価かつ簡単で小型な構成に加えて、個体差もないため、品質のよい読取りが可能となる。ちなみに、密着型イメージセンサを短くして分割読取数を増やせば増やすほど、読取時間はかかるものの、密着型イメージセンサに要するコストは安価となる。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のスキャナ装置において、前記読取手段により読取られる各読取画像領域は、原稿の幅方向に互いに一部がオーバーラップするように設定されている。
【0013】
従って、読取手段により読取られる各読取画像領域は、原稿の幅方向に互いに一部がオーバーラップするように設定されているので、分割読取りに際してその分割境界部分で読取り画像に欠損を生ずることがない。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のスキャナ装置において、前記分割読取動作制御手段は、前記読取手段による読取画像領域の読取りとして前記原稿搬送手段による読取位置に対する原稿の逆送搬送時を含む。
【0015】
従って、読取手段による読取画像領域の読取りとして原稿搬送手段による読取位置に対する原稿の逆送搬送時を含むことで、正送搬送時とスイッチバック的な逆送搬送時とで交互に分割読取りを行わせることができ、時間的にずれたタイミングで分割読取りさせる上で、空送りがないため、極力読取り時間が短縮される。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載のスキャナ装置において、前記分割読取動作制御手段は、前記読取手段による読取画像領域の読取りを前記原稿搬送手段による原稿の逆送搬送後の読取位置に対する再搬送を含む正送搬送時のみ行わせる。
【0017】
従って、読取手段による読取画像領域の読取りを原稿搬送手段による読取位置に対する原稿の正送搬送時のみ分割読取りを行わせることで、時間的にずれたタイミングで分割読取りさせる上で、時間はかかるものの、各読取画像領域に対する分割読取りが同じ条件となるため、メモリへの格納処理、合成処理等が容易となる。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項3記載のスキャナ装置において、前記合成手段は、各読取画像領域のオーバーラップ部分の画像データ同士を所定ドット毎のブロック別に分解して比較しその画像パターン差に基づき読取画像領域間における各ブロック間の繋ぎ目位置を補正する繋ぎ目補正手段を備える。
【0019】
従って、正送搬送時とスイッチバック的な逆送搬送時とで交互に分割読取りを行わせる場合、原稿搬送手段における搬送ローラの精度等に起因して正送搬送時と逆送搬送時とでは原稿が微妙にスキューしてしまい、分割読取り結果の合成時に繋ぎ目部分に画像ずれ等を生じてしまう可能性があるが、各読取画像領域のオーバーラップ部分の画像データ同士を所定ドット毎のブロック別に分解して比較しその画像パターン差に基づき読取画像領域間における各ブロック間の繋ぎ目位置を補正することで、繋ぎ目部分の画像ずれを適正に防止できる。
【0020】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし4の何れか一記載のスキャナ装置において、前記原稿搬送手段は、原稿の幅方向の表面粗さの偏差が4μm×原稿幅/841mm以下のゴムローラ対を備える。
【0021】
従って、正送搬送時とスイッチバック的な逆送搬送時とで交互に分割読取りを行わせる場合、原稿搬送手段における搬送ローラの精度等に起因して正送搬送時と逆送搬送時とでは原稿が微妙にスキューしてしまい、分割読取り結果の合成時に繋ぎ目部分に画像ずれ等を生じてしまう可能性があるが、原稿搬送手段として、原稿の幅方向の表面粗さの偏差が4μm×原稿幅/841mm以下のゴムローラ対を備えることで、ゴムローラ対の精度で実使用上問題のないレベルの繋ぎ目部分の画像ずれに抑えることができ、合成処理を簡単化させることができる。
【0022】
請求項7記載の発明の複写機は、請求項1ないし6の何れか一記載のスキャナ装置と、このスキャナ装置に読取られた画像データに基づき記録媒体上に画像を形成するプリンタ装置と、を備える。
【0023】
従って、請求項1ないし6の何れか一記載の発明と同様の作用・効果を奏する広幅用の複写機が提供される。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図1ないし図6に基づいて説明する。本実施の形態のスキャナ装置1は、例えばA0サイズ等に対応可能な工業用広幅の原稿移動型スキャナ装置への適用例を示す。図1はその内部構成例を示す概略縦断側面図、図2はその一部の構成を示す斜視図である。
【0025】
まず、正面手前側から正面奥側に向けて原稿テーブル2、手前側の搬送ローラ対3、コンタクトガラス4、奥側の搬送ローラ対5が順に配設され、コンタクトガラス4上に設定された読取位置Pを通る原稿搬送経路6が設定されている。ここに、搬送ローラ対3,5は駆動ローラ3a,5aと従動ローラ3b,5bとのローラ対により構成され、例えば、駆動ローラ3aの軸上には正逆転自在な駆動モータ7が連結され、駆動ローラ3a,5a間は伝達機構により連結されている。これにより、読取位置Pに対して原稿8を往復搬送させる原稿搬送手段9が構成されている。なお、搬送ローラ対3よりも手前側には挿入検知センサ10、搬送ローラ対3よりも奥側には先端検知センサ11、搬送ローラ対5よりも手前側には逆送先端検知センサ12が各々設けられており、タイミング制御等に供される。
【0026】
また、コンタクトガラス4の下方には、読取位置Pを搬送される原稿8を最大通紙幅分に亘ってスリット露光する露光ランプ13と、読取位置Pでの原稿8からの反射光に基づきその画像を読取る読取手段としての読取ユニット14とが設けられている。この読取ユニット14は、密着型イメージセンサ(CIS)15と原稿8からの反射光をCIS15に結像させるセルフォックレンズ16とにより構成されているが、これらのCIS15及びセルフォックレンズ16は読取位置Pにおいて原稿8の幅方向の一部の画像領域を読取る長さ、例えば最大通紙幅に対して約1/2分の長さの画像領域を読取り得るように構成されている。より具体的には、最大通紙幅をA0サイズとしたとき、CIS15等の長さは、「A2幅+α」分(αは後述するオーバーラップ部分用)の長さのものが用いられている。
【0027】
ここに、読取ユニット14は副走査方向(原稿搬送方向)には位置固定的であるが、主走査方向(原稿幅方向)には主走査方向に沿って平行に配設した2本のスライド軸17,18にスライド自在に嵌合させた3箇所の軸受19a,19b,20により、その位置が最大通紙幅の全幅に亘って変位自在とされている。また、軸受19bの一部は主走査方向に沿ってプーリ21a,21b間に架け渡したワイヤ22に係止されており、プーリ21aに連結させた駆動モータ23により読取ユニット14の主走査方向の位置が変位自在とされている。さらに、読取ユニット14が主走査方向のホームポジションに位置するときに軸受20を介してその位置を検出する位置センサ24が設けられており、位置制御に供される。これらの機構により移動機構25が構成されている。
【0028】
次に、電装制御系の構成例を図3に示すブロック図を参照して説明する。CIS15により読取られた原稿の画像情報は電気信号に変換され、そのアナログ信号は画像増幅回路31で増幅された後、AD変換回路32により画素毎の多値デジタル画像信号に変換される。変換された多値デジタル画像信号は、同期制御回路33から出力されるクロックに同期して出力され、シェーディング補正回路34により光量むら、コンタクトガラス4の汚れ、センサ感度むら等に起因する歪みが補正される。シェーディング補正されたデジタル画像信号は画像処理回路35においてデジタル記録画像情報に変換された後、画像メモリ部36中のフィールドメモリ37(37A,37B,37C,…)に書込まれる。
【0029】
一方、マイコン構成のシステム制御装置38は、全体制御を行う機能があり、読取制御回路39、画像メモリ部36間での画像データの転送と、各種センサ10,11,12,24のセンサ出力等に基づきスキャナ駆動装置40を介して駆動モータ7,23等を制御する。
【0030】
このような構成において、システム制御装置38により実行されるA0サイズの原稿8の画像を読取る場合の動作制御例を図4に示すフローチャート及び図5に示す模式図を参照して説明する。まず、読取対象となる原稿8の挿入セットに待機している(ステップS1)。挿入検知センサ10がオンすることにより、原稿挿入が検知されると(S1のY)、位置センサ24がオンしているか否かをチェックする(S2)。位置センサ24がオンしていなければ(S2のN)、駆動モータ23をオンさせて読取ユニット14をホームポジションに戻す(S3)。位置センサ24がオンしていれば(S2のY)、ステップS3の処理は不要である。このような状態で、駆動モータ7を正転させることにより、搬送ローラ対3,5を駆動させて原稿8の正送搬送を開始させる(S4)。この動作において、先端検知センサ11より原稿8の先端が検知されたタイミングを基準として(S5のY)、カウンタの計数動作を行わせ(S6)、読取位置Pでの読取タイミングになったかを監視する(S7)。
【0031】
読取タイミングになったら(S7のY)、CIS15により読取位置Pの原稿画像を順次読取らせる(S8)。この時の様子を示すのが、図5(a)であり、CIS15は原稿8の画像を「左半分+α」分なる最大通紙幅A0の一部の読取画像領域EA分のみを順次読取ることとなる。この時、順次読取られる読取画像領域EAの画像データは画像メモリ部36中のフィールドメモリ37Aに順次格納させる(S9)。この読取動作は、例えば読取開始タイミングからカウンタ等で管理される所定長さ分が実行されるまで継続される(S10のY)。
【0032】
左半分側の読取動作終了後は、逆送先端検知センサ12により原稿8の後端が検知されたか否かを監視し(S11)、検知された時点で駆動モータ7を停止させ搬送ローラ対3,5による原稿搬送(正送)を停止させる(S12)。そして、駆動モータ23をオンさせて読取ユニット14を原稿幅方向の右半分側の位置に向けて移動させる(S13)。この動作において、位置センサ24により検知される読取ユニット14のホームポジションを基準として、カウンタの計数動作を行わせ(S14)、所定位置まで移動したかを監視する(S15)。読取ユニット14が所定位置まで移動したら(S15のY)、駆動モータ23をオフさせて読取ユニット14を停止させる(S16)。この時の様子を示すのが、図5(b)であり、CIS15は原稿8の画像を「右半分+α」分なる最大通紙幅A0の他の一部の読取画像領域EB分の読取り可能な位置に位置している。
【0033】
そして、このような状態で、駆動モータ7を逆転させることにより、搬送ローラ対3,5を駆動させて原稿8の逆送搬送を開始させる(S17)。この動作において、逆送先端検知センサ12より原稿8の先端が検知されたタイミングを基準として(S18のY)、カウンタの計数動作を行わせ(S19)、読取位置Pでの読取タイミングになったかを監視する(S20)。
【0034】
読取タイミングになったら(S20のY)、CIS15により読取位置Pの原稿画像を順次読取らせる(S21)。この時の様子を示すのが、図5(c)であり、CIS15は原稿8の画像を「右半分+α」分なる最大通紙幅A0の他の一部の読取画像領域EB分のみを順次読取ることとなる。ここに、「α」分は、読取画像領域EAの読取り時と互いにオーバーラップして読取ることとなる。この時、順次読取られる読取画像領域EBの画像データは画像メモリ部36中のフィールドメモリ37Bに順次格納させる(S22)。なお、この場合のフィールドメモリ37Bへの格納は、フィールドメモリ37Aへの格納時とはアドレス順を逆順にする等の工夫がなされ、正送搬送時と逆送搬送時との対応が取られる。この読取動作は、例えば読取開始タイミングからカウンタ等で管理される所定長さ分が実行されるまで継続される(S23のY)。
【0035】
右半分側の読取動作終了後は、挿入検知センサ10により原稿8の後端が検知されたか否かを監視し(S24)、検知された時点で駆動モータ7を停止させ搬送ローラ対3,5による原稿搬送(逆送)を停止させる(S25)。これにより、原稿8は原稿テーブル2上なる手前側に排紙される。そして、駆動モータ23をオンさせて読取ユニット14をホームポジションに向けて移動させる(S26)。この動作において、位置センサ24により検知されるかにより、ホームポジションに復帰したかを監視する(S27)。読取ユニット14がホームポジションに復帰したら(S27のY)、一連の分割読取り動作を終了する。この時の様子を示すのが、図5(d)である。
【0036】
ここに、ステップS4〜S8、S11〜S21の処理が分割読取動作制御手段の機能として実行され、ステップS9,S22の処理が格納手段の機能として実行される。また、ステップS17は搬送方向切換手段の機能としても実行される。
【0037】
分割読取り動作の終了後は、画像メモリ部36中のフィールドメモリ37A,37Bに格納されている各読取画像領域EA,EBの画像データを合成することにより(S28)、A0サイズ1枚分の全体画像データとして必要な箇所に出力し、或いは、メモリに格納する。この合成処理においては、2α分のオーバーラップ部分で画像データの繋ぎ目部分が重なることなく連続するように各ドットデータの有効/無効の調整が行われる。このステップS8の処理がデータ合成手段の機能として実行される。
【0038】
従って、本実施の形態によれば、基本的には、原稿8の幅方向の一部の画像領域を読取る長さのCIS15を用いて原稿8を幅方向に分割して読取るが、CIS15の位置を移動機構25により原稿の幅方向に変位させるとともに原稿8を再度読取位置Pに搬送させることにより時間的にずれたタイミングで分割読取りさせるので、A0サイズのような広幅原稿の読取りについても、A2サイズのような短めの1本のCIS15及びその原稿幅方向への移動機構25のみで済み、安価かつ簡単で小型な構成に加えて、複数本のCISを用いる場合のような個体差もないため、品質のよい読取りが可能となる。また、CIS15による読取画像領域の読取りとして読取位置Pに対する原稿8の逆送搬送時を含むことで、正送搬送時とスイッチバック的な逆送搬送時とで交互に分割読取りを行わせることができ、時間的にずれたタイミングで分割読取りさせる上で、空送りがないため、極力読取り時間を短縮させることもできる。
【0039】
ところで、最終的な画像合成時に、正送搬送で読取った読取画像領域をEA、逆送搬送で読取った読取画像領域をEBとすると、これらの読取画像領域EA,EBで合成される画像データは両者のオーバーラップ部分で微妙にずれを生じてしまうことがある。これは、原稿8の搬送に用いているローラ3a,3b,4a,4bなるゴムローラの精度に主に起因するものであり、逆送搬送中に原稿8が微妙にスキューしてしまうのが原因である。
【0040】
そこで、本実施の形態では、このようなスキューによるずれを防止するために、合成処理において、特殊な繋ぎ目補正処理を行っているものである。この点について、図6を参照して説明する。例えば、具体例として、図6(a)に示すように、読取画像領域EA,EBを合成した時のオーバーラップ部分の画像パターンを、図6(b)に示すように、所定ドット毎のブロック別(例えば、6ドット×6ドットのブロック)に分割し、これらの読取画像領域EA,EBにおける画像パターンの差の代用として、画像パターンの濃淡のピーク値を読取り、そのピークを示すドットの配列位置の差分だけ、読取画像領域EA又はEBの画像パターン配列位置をブロック毎又は複数のブロック毎に補正するようにしたものであり、繋ぎ目補正手段の機能として実行される。例えば、図6(b)において、読取画像領域EAにおける画像パターンの濃淡のピーク値の位置(行・列)は3行目・5列目であるのに対して、読取画像領域EBにおける画像パターンの濃淡のピーク値の位置(行・列)は3行目・4列目であるので、これらのブロック間の繋ぎ目位置として一方のブロックの列を1列分ずらす補正処理を施すこととなる。
【0041】
何れにしても、この場合の読取画像領域EA,EB間の画像のずれは、区切ったブロック内に収まるようにゴムローラの精度が確保されている(画像ずれがブロック内に収まらないと補正領域を越えてしまうため)。
【0042】
また、このような繋ぎ目補正をより精度よく行うためには、各ブロック毎に単独で行うのではなく、隣接ブロックの補正値を平均化した値で補正するようにしてもよい。さらには、画像パターンの差の代用として、画像パターンの濃淡のピーク値を利用するようしたが、画像パターンの差を求める精度をより高めるために、単なるピーク値の比較ではなく、濃淡レベルの分布の比較により、より細かく行うようにしてもよい。即ち、図面等の白黒のはっきりした画像パターンの場合には単純な補正でも効果は現れるが、写真画像等の濃淡分布が微妙に現れる画像パターンの場合には細かな繋ぎ目補正制御が必要となる。
【0043】
本発明の第二の実施の形態を図7ないし図9に基づいて説明する。第一の実施の形態で示した部分と同一部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する(以降の実施の形態でも同様とする)。
【0044】
本実施の形態は、ローラ3a,3b,5a,5bを構成するゴムローラ表面の研磨精度を規定したものである。
【0045】
前述したように、分割読取りを行い、最終的に画像を合成する際に、その画像のオーバーラップ部分の画像ずれを防止するために所定の繋ぎ目補正を行っているものであるが、原稿8の搬送精度が正確であり、逆送搬送時にスキューが発生しなければこのような繋ぎ目補正は必要ない。ここに、逆送搬送時にスキューを生じさせてしまう主な原因は、搬送に用いているゴムローラの精度にある。ここに、精度といっても、主に影響を及ぼす要因は、外径精度ではなく、図7に誇張して示すような研磨目41を持つゴムローラ表面の研磨精度である。ゴムローラの紙送り精度は理論的にはその外径で決まるが、現実には、微妙にその通りではなく、例えば図8に示すように、ゴムローラ表面の研磨目41の粗さ精度によって、正送時と逆送時とで紙送り速度が微妙に変化してしまう(この図8も誇張して示している)。よって、複数のコロ状ローラを用いたローラ3a,3b,5a,5bなるゴムローラにおいて、左右で研磨目粗さにばらつきのあるローラを用いた場合、左側と右側との紙送り速度が正送時と逆送時とで変わってしまうため、図9に示すようにスキューを生ずる(ちなみに、ゴムローラの外径に左右差があっても、正送時と逆送時とでは相殺されるため、仮に、外径に左右差があってもスキューは生じない)。
【0046】
この点、ゴムローラ表面の研磨精度として、今までの実測結果に基づく経験値である、原稿8の幅方向の表面粗さ(14μm)の偏差が4μm×原稿幅/841mm以下であれば、逆送時に生ずるスキューは0.1/400mm程度に抑えることができ、よって、ゴムローラ対の精度で実使用上問題のないレベルの繋ぎ目部分の画像ずれに抑えることができ、前述のような繋ぎ目補正処理を必要としないため、合成処理を簡単化させることができる。
【0047】
本発明の第三の実施の形態を図10に基づいて説明する。本実施の形態は、CIS15による読取画像領域EA,EBの読取りを原稿8の逆送搬送後の読取位置Pに対する再搬送を含む正送搬送時のみ行わせるようにしたものである。
【0048】
即ち、前述したようにステップS16で読取ユニット14を読取画像領域EB対応位置で停止させた後、駆動モータ7を逆転駆動させて搬送ローラ対3,5により原稿8を逆送搬送させ(S17)、その後端を原稿先端センサ11がオフした時点で(S31のY)、駆動モータ7を一旦オフさせて搬送ローラ対3,5を停止させる(S32)。引き続き、駆動モータ7を正転させることにより、搬送ローラ対3,5を駆動させて原稿8の正送搬送を開始させる(S33)。この動作において、先端検知センサ11より原稿8の先端が検知されたタイミングを基準として(S34のY)、カウンタの計数動作を行わせ(S35)、読取位置Pでの読取タイミングになったかを監視する(S36)。
【0049】
読取タイミングになったら(S36のY)、CIS15により読取位置Pの原稿画像を順次読取らせる(S37)。これにより、CIS15は原稿8の画像を「右半分+α」分なる最大通紙幅A0の他の一部の読取画像領域EB分のみを順次読取ることとなる。この時、順次読取られる読取画像領域EBの画像データは画像メモリ部36中のフィールドメモリ37Bに順次格納させる(S38)。この場合のフィールドメモリ37Bへの格納はフィールドメモリ37Aの場合と同様でよい。この読取動作は、例えば読取開始タイミングからカウンタ等で管理される所定長さ分が実行されるまで継続される(S39のY)。
【0050】
右半分側の読取動作終了後は、逆送先端検知センサ12により原稿8の後端が検知されたか否かを監視し(S40)、検知された後、原稿8が奥側に排紙されるまでの時間を経てから、駆動モータ7を停止させ搬送ローラ対3,5による原稿搬送を停止させる(S41)。この後、前述の場合と同様に読取ユニット14をホームポジション側に戻す処理やデータ合成処理が行われ、処理を終了する。
【0051】
ステップ31〜S37の処理が分割読取動作制御手段の機能として実行され、ステップS38の処理が格納手段の機能として実行される。また、ステップS33は搬送方向切換手段の機能としても実行される。
【0052】
従って、本実施の形態によれば、CIS15による読取画像領域EA,EBの読取りを読取位置Pに対する原稿8の正送搬送時のみ分割読取りを行わせることで、時間的にずれたタイミングで分割読取りさせる上で、時間はかかるものの、各読取画像領域EA,EBに対する分割読取りが同じ条件となるため、フィールドメモリ37A,37Bへの格納処理、合成処理等が容易となる。
【0053】
本発明の第四の実施の形態を図11に基づいて説明する。前述の実施の形態では、最大通紙幅A0に対してA2サイズの読取幅を有するCIS15を用いて2分割読取りを行わせるようしたが、本実施の形態では、センサのコストをより安くするためにA3,A4或いはそれ以下の長さのCIS15を用いて、3分割以上の読取りを行わせるようにしたものである。
【0054】
本実施の形態では、一例として、例えばA3サイズ対応のCIS15を用い、最大通紙幅A0を読取画像領域EA,EB,ECとして互いにオーバーラップさせつつ3分割読取りするようにしたものである。この場合の読取り方式としては、正送搬送読取り−逆送搬送読取り−正送搬送読取りの組合せでも、正送搬送読取り−逆送戻し・正送搬送読取り−逆送戻し・正送搬送読取りの組合せでもよい。
【0055】
本実施の形態の場合、CIS15の長さが短くなる分、読取領域が狭くなるため、原稿8の往復搬送の回数や合成箇所が多くなり、読取りに要する時間が長くなるが、CIS15の長さが短くなればなる程低コストで済む点を考慮し、両者のバランスで最適な長さのCIS15を用いるようにすればよい。
【0056】
本発明の第五の実施の形態を図12に基づいて説明する。本実施の形態は、前述した実施の形態に示したようなスキャナ装置1を備える広幅サイズ対応の複写機への適用例を示し、スキャナ装置1で読取られ合成処理された画像データに基づき記録媒体としての転写紙上に画像を形成するプリンタ装置51を備えている。
【0057】
このプリンタ装置51は、ドラム状の感光体52の周囲に、帯電、潜像作像、現像、トナー清掃、除電などの複数のプロセスユニット(図示せず)と、感光体52上の現像画像を転写紙53に転写する転写器54とを配列し、さらに、転写器54の下流側に定着器55を配列した公知の電子写真方式の構成であるが、電子写真方式のプリンタ装置51に限られるものではない。
【0058】
感光体52と転写器54との間には、上流側が給送通路56,57に接続された転写紙搬送路59が設けられている。この転写紙搬送路59における感光体52の上流側にはレジストローラ60が配置され、定着器55の上流側には転写紙53を押えるコロ61が配置され、定着器55の下流側には排出ローラ62が配置されている。転写紙搬送路59の下流側の端部には排出トレイ(図示せず)に転写紙53を排出する排出口63が形成されている。感光体52、定着器55のうちのヒートローラ、レジストローラ60及び排出ローラ62の駆動側のローラは、各々伝動装置(図示せず)を介して共通の搬送モータ64から回転力を受けることにより回転駆動される。
【0059】
次に、プリンタ装置51に転写紙53を給送する転写紙給送装置65の構成について説明する。給送装置本体66には、例えばA0サイズ幅やA1サイズ幅の複数の転写紙53a,53bをロール状に巻回した状態で収納する転写紙収納部67と、この転写紙収納部67から給送通路68,69を通して引き出される転写紙53a又は53bを所望の部位に排出する給送排出口70が形成されている。給送通路68,69の入口付近には給送ローラ71,72が配置され、給送排出口70の上流側近傍にも搬送ローラ73が配置されている。これらの給送ローラ71,72、搬送ローラ73の駆動側のローラは、各々伝動装置(図示せず)を介して共通の給送モータ74の回転力を受けることにより回転駆動される。なお、給送モータ74は正逆両方向に回転可能である。さらに、給送排出口70の下流側近傍にはロール状の転写紙53a,53bを切断するカッタ75と、このカッタ75を支持するキャリア76とが設けられている。
【0060】
本実施の形態によれば、A0サイズのような広幅原稿についてスキャナ装置1においてCIS15により分割読取りされ、合成処理された後の画像データに基づき、プリンタ装置51によって転写紙53(53a又は53b)上に複写画像として画像が形成される。従って、前述したスキャナ装置1の効果を奏する広幅用の複写機が提供される。
【0061】
【発明の効果】
請求項1記載の発明のスキャナ装置によれば、基本的には、原稿の幅方向の一部の画像領域を読取る長さの密着型イメージセンサを用いて原稿を幅方向に分割して読取るが、密着型イメージセンサの位置を移動機構により原稿の幅方向に変位させるとともに原稿を再度読取位置に搬送させることにより時間的にずれたタイミングで分割読取りさせるようにしたので、広幅原稿の読取りについても、短めの1本の密着型イメージセンサ及びその原稿幅方向への移動機構のみで済み、安価かつ簡単で小型な構成に加えて、複数本の密着型イメージセンサを用いる場合のような個体差もないため、品質のよい読取りが可能となり、さらには、密着型イメージセンサを短くして分割読取数を増やせば増やすほど、読取時間はかかるものの、密着型イメージセンサに要するコストを安価にすることもできる。
【0062】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載のスキャナ装置において、読取手段により読取られる各読取画像領域は、原稿の幅方向に互いに一部がオーバーラップするように設定されているので、分割読取りに際してその分割境界部分で読取り画像に欠損を生ずることなく画像読取りを行わせることができる。
【0063】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載のスキャナ装置において、読取手段による読取画像領域の読取りとして原稿搬送手段による読取位置に対する原稿の逆送搬送時を含むことで、正送搬送時とスイッチバック的な逆送搬送時とで交互に分割読取りを行わせることができ、時間的にずれたタイミングで分割読取りさせる上で、空送りがないため、極力読取り時間を短縮させることができる。
【0064】
請求項4記載の発明によれば、請求項1又は2記載のスキャナ装置において、読取手段による読取画像領域の読取りを原稿搬送手段による読取位置に対する原稿の正送搬送時のみ分割読取りを行わせることで、時間的にずれたタイミングで分割読取りさせる上で、時間はかかるものの、各読取画像領域に対する分割読取りが同じ条件となるため、メモリへの格納処理、合成処理等を容易化させることができる。
【0065】
請求項5記載の発明によれば、請求項3記載のスキャナ装置において、正送搬送時とスイッチバック的な逆送搬送時とで交互に分割読取りを行わせる場合、原稿搬送手段における搬送ローラの精度等に起因して正送搬送時と逆送搬送時とでは原稿が微妙にスキューしてしまい、分割読取り結果の合成時に繋ぎ目部分に画像ずれ等を生じてしまう可能性があるが、各読取画像領域のオーバーラップ部分の画像データ同士を所定ドット毎のブロック別に分解して比較しその画像パターン差に基づき読取画像領域間における各ブロック間の繋ぎ目位置を補正することで、繋ぎ目部分の画像ずれを適正に防止することができる。
【0066】
請求項6記載の発明によれば、請求項1ないし4の何れか一記載のスキャナ装置において、正送搬送時とスイッチバック的な逆送搬送時とで交互に分割読取りを行わせる場合、原稿搬送手段における搬送ローラの精度等に起因して正送搬送時と逆送搬送時とでは原稿が微妙にスキューしてしまい、分割読取り結果の合成時に繋ぎ目部分に画像ずれ等を生じてしまう可能性があるが、原稿搬送手段として、原稿の幅方向の表面粗さの偏差が4μm×原稿幅/841mm以下のゴムローラ対を備えることで、ゴムローラ対の精度で実使用上問題のないレベルの繋ぎ目部分の画像ずれに抑えることができ、合成処理を簡単化させることができる。
【0067】
請求項7記載の発明の複写機によれば、請求項1ないし6の何れか一記載の発明と同様の効果を奏する広幅用の複写機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の原稿移動型スキャナ装置の内部構成例を示す概略縦断側面図である。
【図2】その一部の構成を示す斜視図である。
【図3】電装制御系の構成例を示すブロック図である。
【図4】A0サイズの原稿の画像を読取る場合の動作制御例を示すフローチャートである。
【図5】その読取り動作例を示す模式図である。
【図6】オーバーラップ部分の補正処理例を示す説明図である。
【図7】本発明の第二の実施の形態を説明するためのゴムローラを示す概略断面図である。
【図8】その正送時と逆送時との搬送速度の違いを示す特性図である。
【図9】正送時と逆送時とで原稿の搬送状態の違いを示す平面図的な模式図である。
【図10】本発明の第三の実施の形態の動作制御例の一部を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第四の実施の形態の分割読取り例を示す平面図的な模式図である。
【図12】本発明の第五の実施の形態の複写機の構成例を示す概略縦断側面図である。
【図13】従来の原稿移動型スキャナ装置の内部構成例を示す概略縦断側面図である。
【図14】そのCIS構成等を示す略図的な斜視図である。
【図15】複数本のCISを用いる従来の構成例を示す略図的な斜視図である。
【図16】縮小光学系を用いる従来の構成例を示す略図的な斜視図である。
【符号の説明】
1 スキャナ装置
3,4 ゴムローラ対
8 原稿
9 原稿搬送手段
14 読取手段
15 密着型イメージセンサ
25 移動機構
37 メモリ
51 プリンタ装置
53 記録媒体
P 読取位置
EA,EB 読取画像領域
【発明の属する技術分野】
本発明は、A0サイズのような広幅原稿の読取りに適したスキャナ装置及びこのスキャナ装置を備える複写機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のスキャナ装置の一例として、図13及び図14に示すような原稿移動型のスキャナ装置がある。その構成を作用とともに説明する。まず、原稿テーブル101上から挿入された原稿102の先端が挿入検知センサ103により検知されると、当該スキャナ装置では原稿102が挿入されたことを認識し、駆動モータ(図示せず)を駆動させることで、コンタクトガラス104の前後に配設されている第1,第2のローラ105,106を原稿送り方向に回転させ、従動回転する従動ローラ107,108とともに原稿102を所定速度で搬送させる。このように搬送される原稿102に対してコンタクトガラス104上に設定された読取位置Pにて読取手段109中の露光ランプ110によりスリット露光しながらその反射光をセルフォックレンズ111により密着型イメージセンサ(CIS)112に結像させることにより順次読取らせる。このCIS112は図14に示すように最大通紙幅の原稿102の全幅分を読取り得る長さを有するものが用いられている。なお、読取動作の開始タイミングは先端検知センサ113による検知タイミングに基づき設定される。また、CIS112においては、原稿102の画像に対応した光量が光電変換されてアナログ信号なる画像データとしてA/D変換回路(図示せず)に出力され、デジタルデータに変換された後、画像メモリに格納される。なお、読取られた原稿102は第2ローラ106側よりそのまま機外に排紙される。
【0003】
このようなCIS112を用いた原稿移動型スキャナ装置によれば、簡単で小型な構成にして高品質な画像読取りが可能である。
【0004】
ところが、CIS112としては、最大通紙幅の原稿102の全幅分を読取り得る長さが必要であり、例えば、A0サイズを最大通紙幅とする機種にあっては、A0サイズ相当の長さを有するCIS112が必要となる。ここに、CISはその長さが長くなればなる程、歩留まりが悪くなることから、高価なものとなっており、結果的に装置全体のコストアップを招いてしまう。さらには、このような長尺のCISのうちで1ドット分でも読取素子が故障するとCIS全体を交換しなければならず、この観点からも高価なものとなってしまう。
【0005】
このようなことから、1本のCIS112を用いる方式に代えて、例えば、図15に略図的に示すように、原稿102の幅方向に対して分割されたサイズの複数本(例えば、3本)のCIS121a〜121cを千鳥状に配列させて設け、最大通紙幅の原稿102の全幅分をこれらのCIS121a〜121cにより分割して読取らせるようにした原稿移動型スキャナ装置も提案されている(特開昭63−125054号公報、特開平01−36260号公報等参照)。この場合、読取り抜けを防止するため、CIS121a〜121cは互いに端部付近がオーバーラップする形で配設される。また、これらのCIS121a〜121cにより読取られた画像データは合成処理により1枚の原稿画像データとされる。
【0006】
或いは、図16に略図的に示すように、原稿102からの反射光を各々縮小レンズ131a,131bを用いて対応するリニアイメージセンサ、例えば、CCDアレイ132a,132bに分割状態で縮小結像させて読取らせるようにした原稿移動型スキャナ装置も提案されている(特開昭59−122074号公報等参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図15に示す方式の場合、1本のCIS112を用いる方式よりも各CIS121a〜121cの長さが短くて済む分、歩留まりやコスト的には有利となるものの、分割数分のCISを要する点ではコスト的にまだ不十分である。また、複数のCIS121a〜121cは主走査方向にはオーバーラップ配置、副走査方向には千鳥状配置され、かつ、各々個体差を持ち得ることにより、画像合成処理に関して、CIS121a〜121c間で主走査・副走査の両方向についての位置調整、個体間調整等が必要で画像データ処理が複雑化しやすいものでもある。
【0008】
一方、図16に示す方式の場合、CCDアレイ132a,132bに関しては極めて小型化できるので、歩留まりやコスト的には有利となるものの、縮小レンズ131a,131b等による縮小光学系を用いるので光路長が必要となり、装置が大型化してしまい、原稿移動型のメリットを活かせない。特に、A0サイズのような広幅サイズを考慮した場合には縮小光学系はかなり大きくなってしまい、かといって、多数個に分割すれば画像合成処理系が煩雑となってしまう。
【0009】
本発明の目的は、広幅原稿についても、1本の密着型イメージセンサのみを用いる方式に準じた簡単で小型な構成に加えて、安価で品質のよい読取りを可能にすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明のスキャナ装置は、読取位置に対して原稿を往復搬送させる原稿搬送手段と、この原稿搬送手段により搬送される原稿の幅方向に配設され前記読取位置において前記原稿の幅方向の一部の画像領域を読取る長さの密着型イメージセンサを有する読取手段と、この読取手段の位置を原稿の幅方向に変位させる移動機構と、前記原稿搬送手段による原稿の搬送方向を切換える搬送方向切換手段と、前記原稿搬送手段により読取位置に対して搬送される原稿の一部の画像領域を前記読取手段により読取らせた後、前記移動機構により前記読取手段を原稿の幅方向の未読取領域の位置に移動させるとともに前記原稿搬送手段により原稿を再度読取位置に対して搬送させて前記読取手段により原稿の他の一部の画像領域を読取らせる分割読取動作制御手段と、前記読取手段により読取られた画像データをその読取画像領域毎にメモリに格納させる格納手段と、この格納手段により前記メモリに格納された読取画像領域毎の画像データを合成するデータ合成手段と、を備える。
【0011】
従って、基本的には、原稿の幅方向の一部の画像領域を読取る長さの密着型イメージセンサを用いて原稿を幅方向に分割して読取るが、密着型イメージセンサの位置を移動機構により原稿の幅方向に変位させるとともに原稿を再度読取位置に搬送させることにより時間的にずれたタイミングで分割読取りさせるので、広幅原稿の読取りについても、短めの1本の密着型イメージセンサ及びその原稿幅方向への移動機構のみで済み、安価かつ簡単で小型な構成に加えて、個体差もないため、品質のよい読取りが可能となる。ちなみに、密着型イメージセンサを短くして分割読取数を増やせば増やすほど、読取時間はかかるものの、密着型イメージセンサに要するコストは安価となる。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のスキャナ装置において、前記読取手段により読取られる各読取画像領域は、原稿の幅方向に互いに一部がオーバーラップするように設定されている。
【0013】
従って、読取手段により読取られる各読取画像領域は、原稿の幅方向に互いに一部がオーバーラップするように設定されているので、分割読取りに際してその分割境界部分で読取り画像に欠損を生ずることがない。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のスキャナ装置において、前記分割読取動作制御手段は、前記読取手段による読取画像領域の読取りとして前記原稿搬送手段による読取位置に対する原稿の逆送搬送時を含む。
【0015】
従って、読取手段による読取画像領域の読取りとして原稿搬送手段による読取位置に対する原稿の逆送搬送時を含むことで、正送搬送時とスイッチバック的な逆送搬送時とで交互に分割読取りを行わせることができ、時間的にずれたタイミングで分割読取りさせる上で、空送りがないため、極力読取り時間が短縮される。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載のスキャナ装置において、前記分割読取動作制御手段は、前記読取手段による読取画像領域の読取りを前記原稿搬送手段による原稿の逆送搬送後の読取位置に対する再搬送を含む正送搬送時のみ行わせる。
【0017】
従って、読取手段による読取画像領域の読取りを原稿搬送手段による読取位置に対する原稿の正送搬送時のみ分割読取りを行わせることで、時間的にずれたタイミングで分割読取りさせる上で、時間はかかるものの、各読取画像領域に対する分割読取りが同じ条件となるため、メモリへの格納処理、合成処理等が容易となる。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項3記載のスキャナ装置において、前記合成手段は、各読取画像領域のオーバーラップ部分の画像データ同士を所定ドット毎のブロック別に分解して比較しその画像パターン差に基づき読取画像領域間における各ブロック間の繋ぎ目位置を補正する繋ぎ目補正手段を備える。
【0019】
従って、正送搬送時とスイッチバック的な逆送搬送時とで交互に分割読取りを行わせる場合、原稿搬送手段における搬送ローラの精度等に起因して正送搬送時と逆送搬送時とでは原稿が微妙にスキューしてしまい、分割読取り結果の合成時に繋ぎ目部分に画像ずれ等を生じてしまう可能性があるが、各読取画像領域のオーバーラップ部分の画像データ同士を所定ドット毎のブロック別に分解して比較しその画像パターン差に基づき読取画像領域間における各ブロック間の繋ぎ目位置を補正することで、繋ぎ目部分の画像ずれを適正に防止できる。
【0020】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし4の何れか一記載のスキャナ装置において、前記原稿搬送手段は、原稿の幅方向の表面粗さの偏差が4μm×原稿幅/841mm以下のゴムローラ対を備える。
【0021】
従って、正送搬送時とスイッチバック的な逆送搬送時とで交互に分割読取りを行わせる場合、原稿搬送手段における搬送ローラの精度等に起因して正送搬送時と逆送搬送時とでは原稿が微妙にスキューしてしまい、分割読取り結果の合成時に繋ぎ目部分に画像ずれ等を生じてしまう可能性があるが、原稿搬送手段として、原稿の幅方向の表面粗さの偏差が4μm×原稿幅/841mm以下のゴムローラ対を備えることで、ゴムローラ対の精度で実使用上問題のないレベルの繋ぎ目部分の画像ずれに抑えることができ、合成処理を簡単化させることができる。
【0022】
請求項7記載の発明の複写機は、請求項1ないし6の何れか一記載のスキャナ装置と、このスキャナ装置に読取られた画像データに基づき記録媒体上に画像を形成するプリンタ装置と、を備える。
【0023】
従って、請求項1ないし6の何れか一記載の発明と同様の作用・効果を奏する広幅用の複写機が提供される。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図1ないし図6に基づいて説明する。本実施の形態のスキャナ装置1は、例えばA0サイズ等に対応可能な工業用広幅の原稿移動型スキャナ装置への適用例を示す。図1はその内部構成例を示す概略縦断側面図、図2はその一部の構成を示す斜視図である。
【0025】
まず、正面手前側から正面奥側に向けて原稿テーブル2、手前側の搬送ローラ対3、コンタクトガラス4、奥側の搬送ローラ対5が順に配設され、コンタクトガラス4上に設定された読取位置Pを通る原稿搬送経路6が設定されている。ここに、搬送ローラ対3,5は駆動ローラ3a,5aと従動ローラ3b,5bとのローラ対により構成され、例えば、駆動ローラ3aの軸上には正逆転自在な駆動モータ7が連結され、駆動ローラ3a,5a間は伝達機構により連結されている。これにより、読取位置Pに対して原稿8を往復搬送させる原稿搬送手段9が構成されている。なお、搬送ローラ対3よりも手前側には挿入検知センサ10、搬送ローラ対3よりも奥側には先端検知センサ11、搬送ローラ対5よりも手前側には逆送先端検知センサ12が各々設けられており、タイミング制御等に供される。
【0026】
また、コンタクトガラス4の下方には、読取位置Pを搬送される原稿8を最大通紙幅分に亘ってスリット露光する露光ランプ13と、読取位置Pでの原稿8からの反射光に基づきその画像を読取る読取手段としての読取ユニット14とが設けられている。この読取ユニット14は、密着型イメージセンサ(CIS)15と原稿8からの反射光をCIS15に結像させるセルフォックレンズ16とにより構成されているが、これらのCIS15及びセルフォックレンズ16は読取位置Pにおいて原稿8の幅方向の一部の画像領域を読取る長さ、例えば最大通紙幅に対して約1/2分の長さの画像領域を読取り得るように構成されている。より具体的には、最大通紙幅をA0サイズとしたとき、CIS15等の長さは、「A2幅+α」分(αは後述するオーバーラップ部分用)の長さのものが用いられている。
【0027】
ここに、読取ユニット14は副走査方向(原稿搬送方向)には位置固定的であるが、主走査方向(原稿幅方向)には主走査方向に沿って平行に配設した2本のスライド軸17,18にスライド自在に嵌合させた3箇所の軸受19a,19b,20により、その位置が最大通紙幅の全幅に亘って変位自在とされている。また、軸受19bの一部は主走査方向に沿ってプーリ21a,21b間に架け渡したワイヤ22に係止されており、プーリ21aに連結させた駆動モータ23により読取ユニット14の主走査方向の位置が変位自在とされている。さらに、読取ユニット14が主走査方向のホームポジションに位置するときに軸受20を介してその位置を検出する位置センサ24が設けられており、位置制御に供される。これらの機構により移動機構25が構成されている。
【0028】
次に、電装制御系の構成例を図3に示すブロック図を参照して説明する。CIS15により読取られた原稿の画像情報は電気信号に変換され、そのアナログ信号は画像増幅回路31で増幅された後、AD変換回路32により画素毎の多値デジタル画像信号に変換される。変換された多値デジタル画像信号は、同期制御回路33から出力されるクロックに同期して出力され、シェーディング補正回路34により光量むら、コンタクトガラス4の汚れ、センサ感度むら等に起因する歪みが補正される。シェーディング補正されたデジタル画像信号は画像処理回路35においてデジタル記録画像情報に変換された後、画像メモリ部36中のフィールドメモリ37(37A,37B,37C,…)に書込まれる。
【0029】
一方、マイコン構成のシステム制御装置38は、全体制御を行う機能があり、読取制御回路39、画像メモリ部36間での画像データの転送と、各種センサ10,11,12,24のセンサ出力等に基づきスキャナ駆動装置40を介して駆動モータ7,23等を制御する。
【0030】
このような構成において、システム制御装置38により実行されるA0サイズの原稿8の画像を読取る場合の動作制御例を図4に示すフローチャート及び図5に示す模式図を参照して説明する。まず、読取対象となる原稿8の挿入セットに待機している(ステップS1)。挿入検知センサ10がオンすることにより、原稿挿入が検知されると(S1のY)、位置センサ24がオンしているか否かをチェックする(S2)。位置センサ24がオンしていなければ(S2のN)、駆動モータ23をオンさせて読取ユニット14をホームポジションに戻す(S3)。位置センサ24がオンしていれば(S2のY)、ステップS3の処理は不要である。このような状態で、駆動モータ7を正転させることにより、搬送ローラ対3,5を駆動させて原稿8の正送搬送を開始させる(S4)。この動作において、先端検知センサ11より原稿8の先端が検知されたタイミングを基準として(S5のY)、カウンタの計数動作を行わせ(S6)、読取位置Pでの読取タイミングになったかを監視する(S7)。
【0031】
読取タイミングになったら(S7のY)、CIS15により読取位置Pの原稿画像を順次読取らせる(S8)。この時の様子を示すのが、図5(a)であり、CIS15は原稿8の画像を「左半分+α」分なる最大通紙幅A0の一部の読取画像領域EA分のみを順次読取ることとなる。この時、順次読取られる読取画像領域EAの画像データは画像メモリ部36中のフィールドメモリ37Aに順次格納させる(S9)。この読取動作は、例えば読取開始タイミングからカウンタ等で管理される所定長さ分が実行されるまで継続される(S10のY)。
【0032】
左半分側の読取動作終了後は、逆送先端検知センサ12により原稿8の後端が検知されたか否かを監視し(S11)、検知された時点で駆動モータ7を停止させ搬送ローラ対3,5による原稿搬送(正送)を停止させる(S12)。そして、駆動モータ23をオンさせて読取ユニット14を原稿幅方向の右半分側の位置に向けて移動させる(S13)。この動作において、位置センサ24により検知される読取ユニット14のホームポジションを基準として、カウンタの計数動作を行わせ(S14)、所定位置まで移動したかを監視する(S15)。読取ユニット14が所定位置まで移動したら(S15のY)、駆動モータ23をオフさせて読取ユニット14を停止させる(S16)。この時の様子を示すのが、図5(b)であり、CIS15は原稿8の画像を「右半分+α」分なる最大通紙幅A0の他の一部の読取画像領域EB分の読取り可能な位置に位置している。
【0033】
そして、このような状態で、駆動モータ7を逆転させることにより、搬送ローラ対3,5を駆動させて原稿8の逆送搬送を開始させる(S17)。この動作において、逆送先端検知センサ12より原稿8の先端が検知されたタイミングを基準として(S18のY)、カウンタの計数動作を行わせ(S19)、読取位置Pでの読取タイミングになったかを監視する(S20)。
【0034】
読取タイミングになったら(S20のY)、CIS15により読取位置Pの原稿画像を順次読取らせる(S21)。この時の様子を示すのが、図5(c)であり、CIS15は原稿8の画像を「右半分+α」分なる最大通紙幅A0の他の一部の読取画像領域EB分のみを順次読取ることとなる。ここに、「α」分は、読取画像領域EAの読取り時と互いにオーバーラップして読取ることとなる。この時、順次読取られる読取画像領域EBの画像データは画像メモリ部36中のフィールドメモリ37Bに順次格納させる(S22)。なお、この場合のフィールドメモリ37Bへの格納は、フィールドメモリ37Aへの格納時とはアドレス順を逆順にする等の工夫がなされ、正送搬送時と逆送搬送時との対応が取られる。この読取動作は、例えば読取開始タイミングからカウンタ等で管理される所定長さ分が実行されるまで継続される(S23のY)。
【0035】
右半分側の読取動作終了後は、挿入検知センサ10により原稿8の後端が検知されたか否かを監視し(S24)、検知された時点で駆動モータ7を停止させ搬送ローラ対3,5による原稿搬送(逆送)を停止させる(S25)。これにより、原稿8は原稿テーブル2上なる手前側に排紙される。そして、駆動モータ23をオンさせて読取ユニット14をホームポジションに向けて移動させる(S26)。この動作において、位置センサ24により検知されるかにより、ホームポジションに復帰したかを監視する(S27)。読取ユニット14がホームポジションに復帰したら(S27のY)、一連の分割読取り動作を終了する。この時の様子を示すのが、図5(d)である。
【0036】
ここに、ステップS4〜S8、S11〜S21の処理が分割読取動作制御手段の機能として実行され、ステップS9,S22の処理が格納手段の機能として実行される。また、ステップS17は搬送方向切換手段の機能としても実行される。
【0037】
分割読取り動作の終了後は、画像メモリ部36中のフィールドメモリ37A,37Bに格納されている各読取画像領域EA,EBの画像データを合成することにより(S28)、A0サイズ1枚分の全体画像データとして必要な箇所に出力し、或いは、メモリに格納する。この合成処理においては、2α分のオーバーラップ部分で画像データの繋ぎ目部分が重なることなく連続するように各ドットデータの有効/無効の調整が行われる。このステップS8の処理がデータ合成手段の機能として実行される。
【0038】
従って、本実施の形態によれば、基本的には、原稿8の幅方向の一部の画像領域を読取る長さのCIS15を用いて原稿8を幅方向に分割して読取るが、CIS15の位置を移動機構25により原稿の幅方向に変位させるとともに原稿8を再度読取位置Pに搬送させることにより時間的にずれたタイミングで分割読取りさせるので、A0サイズのような広幅原稿の読取りについても、A2サイズのような短めの1本のCIS15及びその原稿幅方向への移動機構25のみで済み、安価かつ簡単で小型な構成に加えて、複数本のCISを用いる場合のような個体差もないため、品質のよい読取りが可能となる。また、CIS15による読取画像領域の読取りとして読取位置Pに対する原稿8の逆送搬送時を含むことで、正送搬送時とスイッチバック的な逆送搬送時とで交互に分割読取りを行わせることができ、時間的にずれたタイミングで分割読取りさせる上で、空送りがないため、極力読取り時間を短縮させることもできる。
【0039】
ところで、最終的な画像合成時に、正送搬送で読取った読取画像領域をEA、逆送搬送で読取った読取画像領域をEBとすると、これらの読取画像領域EA,EBで合成される画像データは両者のオーバーラップ部分で微妙にずれを生じてしまうことがある。これは、原稿8の搬送に用いているローラ3a,3b,4a,4bなるゴムローラの精度に主に起因するものであり、逆送搬送中に原稿8が微妙にスキューしてしまうのが原因である。
【0040】
そこで、本実施の形態では、このようなスキューによるずれを防止するために、合成処理において、特殊な繋ぎ目補正処理を行っているものである。この点について、図6を参照して説明する。例えば、具体例として、図6(a)に示すように、読取画像領域EA,EBを合成した時のオーバーラップ部分の画像パターンを、図6(b)に示すように、所定ドット毎のブロック別(例えば、6ドット×6ドットのブロック)に分割し、これらの読取画像領域EA,EBにおける画像パターンの差の代用として、画像パターンの濃淡のピーク値を読取り、そのピークを示すドットの配列位置の差分だけ、読取画像領域EA又はEBの画像パターン配列位置をブロック毎又は複数のブロック毎に補正するようにしたものであり、繋ぎ目補正手段の機能として実行される。例えば、図6(b)において、読取画像領域EAにおける画像パターンの濃淡のピーク値の位置(行・列)は3行目・5列目であるのに対して、読取画像領域EBにおける画像パターンの濃淡のピーク値の位置(行・列)は3行目・4列目であるので、これらのブロック間の繋ぎ目位置として一方のブロックの列を1列分ずらす補正処理を施すこととなる。
【0041】
何れにしても、この場合の読取画像領域EA,EB間の画像のずれは、区切ったブロック内に収まるようにゴムローラの精度が確保されている(画像ずれがブロック内に収まらないと補正領域を越えてしまうため)。
【0042】
また、このような繋ぎ目補正をより精度よく行うためには、各ブロック毎に単独で行うのではなく、隣接ブロックの補正値を平均化した値で補正するようにしてもよい。さらには、画像パターンの差の代用として、画像パターンの濃淡のピーク値を利用するようしたが、画像パターンの差を求める精度をより高めるために、単なるピーク値の比較ではなく、濃淡レベルの分布の比較により、より細かく行うようにしてもよい。即ち、図面等の白黒のはっきりした画像パターンの場合には単純な補正でも効果は現れるが、写真画像等の濃淡分布が微妙に現れる画像パターンの場合には細かな繋ぎ目補正制御が必要となる。
【0043】
本発明の第二の実施の形態を図7ないし図9に基づいて説明する。第一の実施の形態で示した部分と同一部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する(以降の実施の形態でも同様とする)。
【0044】
本実施の形態は、ローラ3a,3b,5a,5bを構成するゴムローラ表面の研磨精度を規定したものである。
【0045】
前述したように、分割読取りを行い、最終的に画像を合成する際に、その画像のオーバーラップ部分の画像ずれを防止するために所定の繋ぎ目補正を行っているものであるが、原稿8の搬送精度が正確であり、逆送搬送時にスキューが発生しなければこのような繋ぎ目補正は必要ない。ここに、逆送搬送時にスキューを生じさせてしまう主な原因は、搬送に用いているゴムローラの精度にある。ここに、精度といっても、主に影響を及ぼす要因は、外径精度ではなく、図7に誇張して示すような研磨目41を持つゴムローラ表面の研磨精度である。ゴムローラの紙送り精度は理論的にはその外径で決まるが、現実には、微妙にその通りではなく、例えば図8に示すように、ゴムローラ表面の研磨目41の粗さ精度によって、正送時と逆送時とで紙送り速度が微妙に変化してしまう(この図8も誇張して示している)。よって、複数のコロ状ローラを用いたローラ3a,3b,5a,5bなるゴムローラにおいて、左右で研磨目粗さにばらつきのあるローラを用いた場合、左側と右側との紙送り速度が正送時と逆送時とで変わってしまうため、図9に示すようにスキューを生ずる(ちなみに、ゴムローラの外径に左右差があっても、正送時と逆送時とでは相殺されるため、仮に、外径に左右差があってもスキューは生じない)。
【0046】
この点、ゴムローラ表面の研磨精度として、今までの実測結果に基づく経験値である、原稿8の幅方向の表面粗さ(14μm)の偏差が4μm×原稿幅/841mm以下であれば、逆送時に生ずるスキューは0.1/400mm程度に抑えることができ、よって、ゴムローラ対の精度で実使用上問題のないレベルの繋ぎ目部分の画像ずれに抑えることができ、前述のような繋ぎ目補正処理を必要としないため、合成処理を簡単化させることができる。
【0047】
本発明の第三の実施の形態を図10に基づいて説明する。本実施の形態は、CIS15による読取画像領域EA,EBの読取りを原稿8の逆送搬送後の読取位置Pに対する再搬送を含む正送搬送時のみ行わせるようにしたものである。
【0048】
即ち、前述したようにステップS16で読取ユニット14を読取画像領域EB対応位置で停止させた後、駆動モータ7を逆転駆動させて搬送ローラ対3,5により原稿8を逆送搬送させ(S17)、その後端を原稿先端センサ11がオフした時点で(S31のY)、駆動モータ7を一旦オフさせて搬送ローラ対3,5を停止させる(S32)。引き続き、駆動モータ7を正転させることにより、搬送ローラ対3,5を駆動させて原稿8の正送搬送を開始させる(S33)。この動作において、先端検知センサ11より原稿8の先端が検知されたタイミングを基準として(S34のY)、カウンタの計数動作を行わせ(S35)、読取位置Pでの読取タイミングになったかを監視する(S36)。
【0049】
読取タイミングになったら(S36のY)、CIS15により読取位置Pの原稿画像を順次読取らせる(S37)。これにより、CIS15は原稿8の画像を「右半分+α」分なる最大通紙幅A0の他の一部の読取画像領域EB分のみを順次読取ることとなる。この時、順次読取られる読取画像領域EBの画像データは画像メモリ部36中のフィールドメモリ37Bに順次格納させる(S38)。この場合のフィールドメモリ37Bへの格納はフィールドメモリ37Aの場合と同様でよい。この読取動作は、例えば読取開始タイミングからカウンタ等で管理される所定長さ分が実行されるまで継続される(S39のY)。
【0050】
右半分側の読取動作終了後は、逆送先端検知センサ12により原稿8の後端が検知されたか否かを監視し(S40)、検知された後、原稿8が奥側に排紙されるまでの時間を経てから、駆動モータ7を停止させ搬送ローラ対3,5による原稿搬送を停止させる(S41)。この後、前述の場合と同様に読取ユニット14をホームポジション側に戻す処理やデータ合成処理が行われ、処理を終了する。
【0051】
ステップ31〜S37の処理が分割読取動作制御手段の機能として実行され、ステップS38の処理が格納手段の機能として実行される。また、ステップS33は搬送方向切換手段の機能としても実行される。
【0052】
従って、本実施の形態によれば、CIS15による読取画像領域EA,EBの読取りを読取位置Pに対する原稿8の正送搬送時のみ分割読取りを行わせることで、時間的にずれたタイミングで分割読取りさせる上で、時間はかかるものの、各読取画像領域EA,EBに対する分割読取りが同じ条件となるため、フィールドメモリ37A,37Bへの格納処理、合成処理等が容易となる。
【0053】
本発明の第四の実施の形態を図11に基づいて説明する。前述の実施の形態では、最大通紙幅A0に対してA2サイズの読取幅を有するCIS15を用いて2分割読取りを行わせるようしたが、本実施の形態では、センサのコストをより安くするためにA3,A4或いはそれ以下の長さのCIS15を用いて、3分割以上の読取りを行わせるようにしたものである。
【0054】
本実施の形態では、一例として、例えばA3サイズ対応のCIS15を用い、最大通紙幅A0を読取画像領域EA,EB,ECとして互いにオーバーラップさせつつ3分割読取りするようにしたものである。この場合の読取り方式としては、正送搬送読取り−逆送搬送読取り−正送搬送読取りの組合せでも、正送搬送読取り−逆送戻し・正送搬送読取り−逆送戻し・正送搬送読取りの組合せでもよい。
【0055】
本実施の形態の場合、CIS15の長さが短くなる分、読取領域が狭くなるため、原稿8の往復搬送の回数や合成箇所が多くなり、読取りに要する時間が長くなるが、CIS15の長さが短くなればなる程低コストで済む点を考慮し、両者のバランスで最適な長さのCIS15を用いるようにすればよい。
【0056】
本発明の第五の実施の形態を図12に基づいて説明する。本実施の形態は、前述した実施の形態に示したようなスキャナ装置1を備える広幅サイズ対応の複写機への適用例を示し、スキャナ装置1で読取られ合成処理された画像データに基づき記録媒体としての転写紙上に画像を形成するプリンタ装置51を備えている。
【0057】
このプリンタ装置51は、ドラム状の感光体52の周囲に、帯電、潜像作像、現像、トナー清掃、除電などの複数のプロセスユニット(図示せず)と、感光体52上の現像画像を転写紙53に転写する転写器54とを配列し、さらに、転写器54の下流側に定着器55を配列した公知の電子写真方式の構成であるが、電子写真方式のプリンタ装置51に限られるものではない。
【0058】
感光体52と転写器54との間には、上流側が給送通路56,57に接続された転写紙搬送路59が設けられている。この転写紙搬送路59における感光体52の上流側にはレジストローラ60が配置され、定着器55の上流側には転写紙53を押えるコロ61が配置され、定着器55の下流側には排出ローラ62が配置されている。転写紙搬送路59の下流側の端部には排出トレイ(図示せず)に転写紙53を排出する排出口63が形成されている。感光体52、定着器55のうちのヒートローラ、レジストローラ60及び排出ローラ62の駆動側のローラは、各々伝動装置(図示せず)を介して共通の搬送モータ64から回転力を受けることにより回転駆動される。
【0059】
次に、プリンタ装置51に転写紙53を給送する転写紙給送装置65の構成について説明する。給送装置本体66には、例えばA0サイズ幅やA1サイズ幅の複数の転写紙53a,53bをロール状に巻回した状態で収納する転写紙収納部67と、この転写紙収納部67から給送通路68,69を通して引き出される転写紙53a又は53bを所望の部位に排出する給送排出口70が形成されている。給送通路68,69の入口付近には給送ローラ71,72が配置され、給送排出口70の上流側近傍にも搬送ローラ73が配置されている。これらの給送ローラ71,72、搬送ローラ73の駆動側のローラは、各々伝動装置(図示せず)を介して共通の給送モータ74の回転力を受けることにより回転駆動される。なお、給送モータ74は正逆両方向に回転可能である。さらに、給送排出口70の下流側近傍にはロール状の転写紙53a,53bを切断するカッタ75と、このカッタ75を支持するキャリア76とが設けられている。
【0060】
本実施の形態によれば、A0サイズのような広幅原稿についてスキャナ装置1においてCIS15により分割読取りされ、合成処理された後の画像データに基づき、プリンタ装置51によって転写紙53(53a又は53b)上に複写画像として画像が形成される。従って、前述したスキャナ装置1の効果を奏する広幅用の複写機が提供される。
【0061】
【発明の効果】
請求項1記載の発明のスキャナ装置によれば、基本的には、原稿の幅方向の一部の画像領域を読取る長さの密着型イメージセンサを用いて原稿を幅方向に分割して読取るが、密着型イメージセンサの位置を移動機構により原稿の幅方向に変位させるとともに原稿を再度読取位置に搬送させることにより時間的にずれたタイミングで分割読取りさせるようにしたので、広幅原稿の読取りについても、短めの1本の密着型イメージセンサ及びその原稿幅方向への移動機構のみで済み、安価かつ簡単で小型な構成に加えて、複数本の密着型イメージセンサを用いる場合のような個体差もないため、品質のよい読取りが可能となり、さらには、密着型イメージセンサを短くして分割読取数を増やせば増やすほど、読取時間はかかるものの、密着型イメージセンサに要するコストを安価にすることもできる。
【0062】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載のスキャナ装置において、読取手段により読取られる各読取画像領域は、原稿の幅方向に互いに一部がオーバーラップするように設定されているので、分割読取りに際してその分割境界部分で読取り画像に欠損を生ずることなく画像読取りを行わせることができる。
【0063】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載のスキャナ装置において、読取手段による読取画像領域の読取りとして原稿搬送手段による読取位置に対する原稿の逆送搬送時を含むことで、正送搬送時とスイッチバック的な逆送搬送時とで交互に分割読取りを行わせることができ、時間的にずれたタイミングで分割読取りさせる上で、空送りがないため、極力読取り時間を短縮させることができる。
【0064】
請求項4記載の発明によれば、請求項1又は2記載のスキャナ装置において、読取手段による読取画像領域の読取りを原稿搬送手段による読取位置に対する原稿の正送搬送時のみ分割読取りを行わせることで、時間的にずれたタイミングで分割読取りさせる上で、時間はかかるものの、各読取画像領域に対する分割読取りが同じ条件となるため、メモリへの格納処理、合成処理等を容易化させることができる。
【0065】
請求項5記載の発明によれば、請求項3記載のスキャナ装置において、正送搬送時とスイッチバック的な逆送搬送時とで交互に分割読取りを行わせる場合、原稿搬送手段における搬送ローラの精度等に起因して正送搬送時と逆送搬送時とでは原稿が微妙にスキューしてしまい、分割読取り結果の合成時に繋ぎ目部分に画像ずれ等を生じてしまう可能性があるが、各読取画像領域のオーバーラップ部分の画像データ同士を所定ドット毎のブロック別に分解して比較しその画像パターン差に基づき読取画像領域間における各ブロック間の繋ぎ目位置を補正することで、繋ぎ目部分の画像ずれを適正に防止することができる。
【0066】
請求項6記載の発明によれば、請求項1ないし4の何れか一記載のスキャナ装置において、正送搬送時とスイッチバック的な逆送搬送時とで交互に分割読取りを行わせる場合、原稿搬送手段における搬送ローラの精度等に起因して正送搬送時と逆送搬送時とでは原稿が微妙にスキューしてしまい、分割読取り結果の合成時に繋ぎ目部分に画像ずれ等を生じてしまう可能性があるが、原稿搬送手段として、原稿の幅方向の表面粗さの偏差が4μm×原稿幅/841mm以下のゴムローラ対を備えることで、ゴムローラ対の精度で実使用上問題のないレベルの繋ぎ目部分の画像ずれに抑えることができ、合成処理を簡単化させることができる。
【0067】
請求項7記載の発明の複写機によれば、請求項1ないし6の何れか一記載の発明と同様の効果を奏する広幅用の複写機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の原稿移動型スキャナ装置の内部構成例を示す概略縦断側面図である。
【図2】その一部の構成を示す斜視図である。
【図3】電装制御系の構成例を示すブロック図である。
【図4】A0サイズの原稿の画像を読取る場合の動作制御例を示すフローチャートである。
【図5】その読取り動作例を示す模式図である。
【図6】オーバーラップ部分の補正処理例を示す説明図である。
【図7】本発明の第二の実施の形態を説明するためのゴムローラを示す概略断面図である。
【図8】その正送時と逆送時との搬送速度の違いを示す特性図である。
【図9】正送時と逆送時とで原稿の搬送状態の違いを示す平面図的な模式図である。
【図10】本発明の第三の実施の形態の動作制御例の一部を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第四の実施の形態の分割読取り例を示す平面図的な模式図である。
【図12】本発明の第五の実施の形態の複写機の構成例を示す概略縦断側面図である。
【図13】従来の原稿移動型スキャナ装置の内部構成例を示す概略縦断側面図である。
【図14】そのCIS構成等を示す略図的な斜視図である。
【図15】複数本のCISを用いる従来の構成例を示す略図的な斜視図である。
【図16】縮小光学系を用いる従来の構成例を示す略図的な斜視図である。
【符号の説明】
1 スキャナ装置
3,4 ゴムローラ対
8 原稿
9 原稿搬送手段
14 読取手段
15 密着型イメージセンサ
25 移動機構
37 メモリ
51 プリンタ装置
53 記録媒体
P 読取位置
EA,EB 読取画像領域
Claims (7)
- 読取位置に対して原稿を往復搬送させる原稿搬送手段と、
この原稿搬送手段により搬送される原稿の幅方向に配設され前記読取位置において前記原稿の幅方向の一部の画像領域を読取る長さの密着型イメージセンサを有する読取手段と、
この読取手段の位置を原稿の幅方向に変位させる移動機構と、
前記原稿搬送手段による原稿の搬送方向を切換える搬送方向切換手段と、
前記原稿搬送手段により読取位置に対して搬送される原稿の一部の画像領域を前記読取手段により読取らせた後、前記移動機構により前記読取手段を原稿の幅方向の未読取領域の位置に移動させるとともに前記原稿搬送手段により原稿を再度読取位置に対して搬送させて前記読取手段により原稿の他の一部の画像領域を読取らせる分割読取動作制御手段と、
前記読取手段により読取られた画像データをその読取画像領域毎にメモリに格納させる格納手段と、
この格納手段により前記メモリに格納された読取画像領域毎の画像データを合成するデータ合成手段と、
を備えるスキャナ装置。 - 前記読取手段により読取られる各読取画像領域は、原稿の幅方向に互いに一部がオーバーラップするように設定されている請求項1記載のスキャナ装置。
- 前記分割読取動作制御手段は、前記読取手段による読取画像領域の読取りとして前記原稿搬送手段による読取位置に対する原稿の逆送搬送時を含む請求項1又は2記載のスキャナ装置。
- 前記分割読取動作制御手段は、前記読取手段による読取画像領域の読取りを前記原稿搬送手段による原稿の逆送搬送後の読取位置に対する再搬送を含む正送搬送時のみ行わせる請求項1又は2記載のスキャナ装置。
- 前記合成手段は、各読取画像領域のオーバーラップ部分の画像データ同士を所定ドット毎のブロック別に分解して比較しその画像パターン差に基づき読取画像領域間における各ブロック間の繋ぎ目位置を補正する繋ぎ目補正手段を備える請求項3記載のスキャナ装置。
- 前記原稿搬送手段は、原稿の幅方向の表面粗さの偏差が4μm×原稿幅/841mm以下のゴムローラ対を備える請求項1ないし4の何れか一記載のスキャナ装置。
- 請求項1ないし6の何れか一記載のスキャナ装置と、
このスキャナ装置に読取られた画像データに基づき記録媒体上に画像を形成するプリンタ装置と、
を備える複写機。
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
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