JP2004166223A - 密着型エリアセンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】小型、薄型、軽量であって、かつ広範囲の画像情報を取得しつつ携帯性を向上し得る密着型エリアセンサを提供する。
【解決手段】複数個のセンサ部をマトリクス状に配置して画像を読み取る画像読取センサ基板をそれぞれ有する複数の画像読取体10・10と、複数の画像読取体10・10を相互に接続するための可撓性を有する接続線2とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】複数個のセンサ部をマトリクス状に配置して画像を読み取る画像読取センサ基板をそれぞれ有する複数の画像読取体10・10と、複数の画像読取体10・10を相互に接続するための可撓性を有する接続線2とを備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イメージセンサ機能を有する密着型エリアセンサに関する。特に、マトリクス状に配置された複数の薄膜トランジスタ(TFT)によって構成される密着型エリアセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シート状の原稿の両面にある画像情報を得るための手段として、例えば、特許文献1では、2つのラインセンサをシート状原稿の両面の対抗する位置に配置することにより、原稿の両面の画像情報を同時に得る方法が提案されている。
【0003】
しかしながら、上記の特許文献1のような、原稿の両面の画像情報を同時に得る方法においては、原稿の表裏の同じ読み取り位置に同時に照射光を発した場合には、原稿の表裏の文字等の画像が互いに両方の読み取り装置にて読めてしまう。その結果、両面とも正確な文字等の画像を読むことができなくなる。
【0004】
そこで、この問題を解決するためのスキャナ装置として、例えば、特許文献2に開示されたスキャナ装置がある。
【0005】
この特許文献2のスキャナ装置では、2つのCCDイメージセンサをシート状原稿の両面の対抗する位置に固定して配置するとともに、搬送される原稿に対して表裏にそれぞれ波長の異なる光を同時に照射して、両面相互の原稿情報の誤読を防止しつつ、原稿の両面の画像情報を同時に得る方法を提案している。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−136444号公報(1999年5月21日公開)
【0007】
【特許文献2】
特開平6−253097号公報(1994年9月9日公開)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1の画像読取装置では、ラインセンサを用いているので、ラインセンサを原稿面で、スキャンしなければならない。2つのラインセンサを両面から同時にスキャンするためには、それぞれを動かす機械が必要であり、装置全体の小型化、薄型化、軽量化が困難である。また、同時に読み取る場合、透過光を遮断する必要がある。さらに、スキャンするのに時間がかかるという問題がある。
【0009】
一方、特許文献2では、CCDイメージセンサを用いているため、焦点を絞る必要があり、レンズ、光路等の光学系が必要となる。そのため、装置全体の小型化、薄型化、軽量化が困難であり、振動に伴う光学系のずれの問題も生じてくる。
【0010】
さらに、上記2件の例では、シート状原稿しか読み取ることができず、本のような厚い場合には、両面読み取りはできない。
【0011】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、小型、薄型、軽量であって、かつ広範囲の画像情報を取得しつつ携帯性を向上し得る密着型エリアセンサを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の密着型エリアセンサは、上記課題を解決するために、複数個のセンサ部をマトリクス状に配置して画像を読み取る画像読取センサ基板をそれぞれ有する複数の画像読取体と、上記複数の画像読取体を相互に接続するための可撓性を有する接続線とを備えていることを特徴としている。
【0013】
上記の発明によれば、画像読取センサ基板は、複数個のセンサ部をマトリクス状に配置して画像を読み取るようになっている。すなわち、画像読取センサ基板は、ガラス、石英等の透光性の基板上に薄膜トランジスタ(TFT)をマトリクス状に配置したものであり、密着型エリアセンサを形成する。通常、この画像読取センサ基板には、バックライトが設けられて画像読取体を構成する。ただし、本発明では、画像読取センサ基板のみによって画像読取体を構成することも可能である。
【0014】
画像の読取に際しては、この画像読取センサ基板の裏面から上記のバックライトにて光を入射させることにより、センサ部の内部を透過した光が、原稿面で反射し、センサ部に情報を提供する。このため、従来、CCDイメージセンサにおいて必要であった光学系を用いることなく、画像情報を得ることができ、小型、薄型、軽量の密着型エリアセンサを提供することができる。また、画像読取のセンサ部がマトリクス状に配置されており、画像を平面的に読み取ることができるので、機械的なスキャンを必要とせず、読み取りも高速で行うことができる。
【0015】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記画像読取センサ基板をそれぞれ有する複数の画像読取体を備えたものとなっているとともに、これら各画像読取体は、可撓性を有する接続線にて相互に接続されている。
【0016】
したがって、各画像読取体は分離しているが、可撓性を有する接続線にて相互に接続されているので、広い範囲の画像を読み取る場合には、複数の画像読取体を原稿画像に当接させることによって、広い範囲の画像を同時に読み取ることができる。
【0017】
さらに、画像読取をしない場合には、各画像読取体は可撓性を有する接続線にて相互に接続されているので、各画像読取体を容易に重ねることができる。
【0018】
また、接続線は可撓性を有するので、各画像読取体をどのようにも組み合わせることができる。このため、本のような厚い場合にも、両面読み取りが可能である。
【0019】
したがって、小型、薄型、軽量であり、かつ広範囲の画像情報を取得しつつ携帯性を向上し得る密着型エリアセンサを提供することができる。
【0020】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記各画像読取体は、ヒンジ部材によって回動自在に連結されていることを特徴としている。
【0021】
上記の発明によれば、各画像読取体は、ヒンジ部材によって回動自在に連結されているので、画像を読み取るときには、ヒンジ部材に連結された画像読取体を開いて広範囲の片面情報を一度に読み取ることができる。また、画像の読み取りが終わった場合には、複数の画像読取体をヒンジ部材によって重ね合わせることにより、容易に密着型エリアセンサを折り畳むことができる。
【0022】
したがって、各画像読取体の連結状態を保持しながら、広範囲の情報の同時読み取りと、折り畳んだ状態での密着型エリアセンサの携帯を行うことができる。
【0023】
この結果、小型、薄型、軽量であり、かつ広範囲の画像情報を取得しつつ携帯性を向上し得る密着型エリアセンサを提供することができる。
【0024】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記ヒンジ部材は、各画像読取体を脱着自在となっていることを特徴としている。
【0025】
上記の発明によれば、ヒンジ部材は、各画像読取体を脱着自在となっているので、例えば、離れた原稿画像情報を読み取る場合には、各画像読取体を離脱させて、容易にその離れた原稿画像情報を読み取ることができる。
【0026】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記ヒンジ部材は、このヒンジ部材にて連結されている相互の画像読取体の開き角度を直角に固定可能となっていることを特徴としている。
【0027】
例えば、厚い本の見開いた両頁を読み取る場合には、当該本の頁が山形となっているので、それを平面状態にするのは困難である。一方、その本を90°開いた状態では、各頁をそれぞれ平面状態にするのは容易である。
【0028】
そこで、本発明では、ヒンジ部材にて連結されている両画像読取体の開き角度を直角に固定することができるようになっている。
【0029】
したがって、厚い本であっても、本の開き角度を90°に固定することにより、各頁を容易に平面状態にし、密着型エリアセンサが画像の全面について確実に密着されるようにして、情報の誤読を防止する。
【0030】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記ヒンジ部材は、このヒンジ部材にて連結されている相互の画像読取体の開き角度を180度に固定可能となっていることを特徴としている。
【0031】
例えば、複数の画像読取体を並べた大きさの原稿情報を読み取るときには、これら複数の画像読取体は、同一平面となるように固定されているのが好ましい。
【0032】
この点、本発明では、ヒンジ部材は、このヒンジ部材にて連結されている相互の画像読取体の開き角度を180度に固定可能となっている。このため、ヒンジ部材を、相互の画像読取体の開き角度を180度となるように固定することにより、相互の画像読取体を同一平面となるように固定し、シート状原稿の情報を容易に読み取ることができる。
【0033】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記ヒンジ部材は、各画像読取体の側面端部から突出する突出軸と、上記突出軸のそれぞれを貫通させるべく、長手方向に沿って線状に形成された長孔と長手方向に直角に形成された切欠きとを有する長方形板と、上記長孔に貫通された突出軸を、他方の画像読取体に形成された突出軸に引き寄せる弾性体とからなっていることを特徴としている。
【0034】
上記の発明によれば、長方形板には突出軸を貫通させる長孔が設けられておりかつ弾性体によって、突出軸同士が相互に引き寄せられる。このことは各画像読取体同士が引き寄せられることを意味する。したがって、このヒンジ部材では、例えば、2枚の画像読取体の間に原稿を挟持して原稿の両面を読み取ることができる。この場合、2枚の画像読取体は、弾性体によって原稿を押圧して挟持するので、画像読取体の原稿への密着性が確保される。また、この状態は、密着型エリアセンサを折り畳んだ状態でもあるので、密着型エリアセンサの携帯時において、各画像読取体を相互に分離しないようにして保持することができる。
【0035】
さらに、本発明では、ヒンジ部材におけるこの長孔と弾性体との組み合わせにより、例えば2枚の画像読取体を開き角度90°又は開き角度180°に固定することができる。
【0036】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記画像読取体には、各画像読取体を重ね合わせたときにこれら各画像読取体を着脱自在に固定する磁石が設けられていることを特徴としている。
【0037】
上記の発明によれば、画像読取体には磁石が設けられている。このため、密着型エリアセンサを折り畳んだときには、各画像読取体は密着状態に固定される。一方、磁石により固定された画像読取体は、それを容易に引き剥がすことができるので、画像読取体を開いて画像を読み取ることができる。
【0038】
したがって、広範囲の画像情報を取得しつつ携帯性を向上し得る密着型エリアセンサを提供することができる。
【0039】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記接続線は、ヒンジ部材に内蔵されていることを特徴としている。
【0040】
上記の発明によれば、接続線は、ヒンジ部材に内蔵されているので、接続線が露出しない。したがって、見栄えの良い密着型エリアセンサを提供することができる。
【0041】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記各画像読取体は、それぞれが独立に画像読み取り駆動可能となっていることを特徴としている。
【0042】
上記の発明によれば、各画像読取体をそれぞれ独立に駆動して画像読み取りすることができる。したがって、例えば、一枚の原稿を挟持した場合において、片面のみの情報の読み取りを行うことができる。
【0043】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記各画像読取体は、順に画像読み取り駆動可能となっていることを特徴としている。
【0044】
すなわち、上述したように、一般に、各画像読取体はバックライトを備えているので、例えば、一枚の原稿を挟持して両面の情報の読み取りを行う場合においては、同時に情報の読み取りを行うと、各バックライトの照射によって、互いに裏面の画像を読み取るおそれがある。
【0045】
この点、本発明では、各画像読取体は、順に画像読み取り駆動可能となっているので、両面の情報が同時に読み取られることはない。したがって、各面の情報を、確実に誤読なく読み込むことができる。
【0046】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記画像読取体は、画像読取センサ基板の裏面にバックライトを備え、上記バックライトは、赤、緑、青の光をサブフレーム期間毎に順に点灯することを特徴としている。
【0047】
上記の発明によれば、画像読取体は、画像読取センサ基板の裏面にバックライトを備えており、そのバックライトは、赤、緑、青の光をサブフレーム期間毎に順に点灯する。このため、原稿画像をカラーにて読み取ることができる。
【0048】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記画像読取体の少なくとも1個には、各画像読取体にて読み取った全ての画像情報を記憶するための記憶手段が着脱自在に設けられていることを特徴としている。
【0049】
上記の発明によれば、各画像読取体にて読み取った全ての画像情報は、画像読取体の少なくとも1個設けられる記憶手段に記憶される。そして、この記憶手段は、画像読取体に対して着脱自在となっている。したがって、密着型エリアセンサと例えばパーソナルコンピュータとを絶えず接続しておく必要がないので、携帯性に優れる。また、密着型エリアセンサのみを携帯することによって、パーソナルコンピュータがなくても任意の場所で原稿画像を読み取ることができる。なお、記憶手段に格納した原稿画像情報は、この記憶手段を密着型エリアセンサから外してパーソナルコンピュータに取り付けることにより、容易に原稿画像情報をパーソナルコンピュータに表示することができる。
【0050】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記画像読取体は、前記画像読取センサ基板の裏面に、透光と遮光とを切り替える透光・遮光切り替え手段を備えていることを特徴としている。
【0051】
上記の発明によれば、1枚の原稿の両面を各画像読取体にて挟んで画像情報を読み取る場合に、一方の画像読取体が画像情報を読み取るときには、他方の画像読取体における裏面の透光・遮光切り替え手段を遮光状態にすることができる。
【0052】
したがって、1枚の原稿を両面から挟んで画像情報を読み取る場合に、原稿の裏面からの透過光による、裏面情報の誤読を防止することができる。
【0053】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1ないし図17に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0054】
本実施の形態の密着型エリアセンサ1は、図1に示すように、2台の画像読取体10・10を接続線2にて接続したものからなっている。この接続線2は、フレキシブルケーブルからなり、可撓性を有している。なお、本実施の形態では、画像読取体10・10は2台となっているが、必ずしもこれに限らず、例えば、3台以上の複数から構成することが可能である。その場合には、各画像読取体10・10の間に接続線2が設けられることになる。
【0055】
上記2台の画像読取体10・10における一方の画像読取体10からは、図示しないパーソナルコンピュータに接続するために、例えば汎用シリアルバス(USB:Universal Serial Bus)3が延びている。したがって、本実施の形態では、密着型エリアセンサ1は、常時、パーソナルコンピュータに接続されている。
【0056】
ただし、必ずしもこれに限らず、例えば、図2に示すように、着脱自在の記憶手段としてのメモリチップ6に読み取った画像情報を記憶し、後に、そのメモリチップ6を外してパーソナルコンピュータにて読み込ませることが可能である。
【0057】
上記の画像読取体10は、図3に示すように、上側に設けられる画像読取センサ基板20と、この画像読取センサ基板20の下側に設けられる照明手段であるバックライト30とからなっている。
【0058】
上記のバックライト30は、3層構造となっている。最下層には導光板31が設けられており、この導光板31の端部には、図4に示すように、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の発光ダイオード(LED:light emitting diode)32が設けられている。上記導光板31の上側には、図3に示すように、光散乱板33、集光レンズシート34が積層されている。
【0059】
一方、上記画像読取センサ基板20は、同図に示すように、ガラス基板21と、センサ層22と、このセンサ層22の上側に設けられる透明の保護層23とからなっている。上記センサ層22は、複数個のセンサ部24…をマトリクス状に配置した画素アレイを形成している。
【0060】
すなわち、センサ部24…は、各画素において、例えば、光電変換素子である図示しない光センサ用TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)とスイッチング素子である図示しないスイッチング用TFTとを備えている。そして、各画素の光センサ用TFTは、原稿面等の被写体の明/暗によって電気特性が変化する仕組みになっている。
【0061】
具体的には、光センサ用TFTとして用いられているフォトトランジスタの抵抗値が光の明/暗によって変化するため、それに伴って、各フォトトランジスタに接続されている画素容量(蓄積容量)に蓄積される電荷量又は電圧が変化する。そして、その画素容量の電荷量分布又は電圧分布を、スイッチング用TFTによって順次読み出すことにより、被写体の2次元情報を得ることができるものとなっている。
【0062】
上記構成の画像読取体10における画像読み込み動作について具体的に説明する。
【0063】
先ず、バックライト30からの光が、画像読取センサ基板20のガラス基板21を通過して、保護層23に対向して当接された図示しない原稿に到達する。
【0064】
上記バックライト30からの光は、詳細には、図5に示すように、赤(R)・緑(G)・青(B)3色の発光ダイオード32が順次点灯されたものである。これによって、原稿の画像情報による反射率の差から、上述したように、センサ部24に入射する光の強度が電荷となって蓄積され、蓄積された電荷は、チャージアンプ等を用いて電圧変換され、アナログ−デジタルコンバータにてデジタル信号に変換され、その結果、赤(R)の画像、緑(G)の画像、青(B)の画像の3枚の画像情報が生成される。この3枚の画像情報は、図示しない他のメモリ又はDSP(Digital Signal Processor)等の周辺回路に取り込まれる。
【0065】
次いで、この3枚の画像は、順次、汎用シリアルバス3を介して外部の図示しないパーソナルコンピュータに送られ、このパーソナルコンピュータの内部で合成処理が行われる。その際、それぞれの画像の1ピクセル(画素)毎にRGB各8ビットを24ビット信号に合成する。実際には、空の8ビットを加えて、32ビット信号として処理される。これにより、カラー画像をパーソナルコンピュータにて表示することができ、必要に応じて、印刷装置を用いて印刷することも可能である。
【0066】
この結果、従来、CCDイメージセンサにおいて必要であった光学系を用いることなく、画像情報を得ることができ、小型、薄型、軽量の密着型エリアセンサを提供することができる。また、画像読取のセンサ部がマトリクス状に配置されており、画像を平面的に読み取ることができるので、機械的なスキャンを必要とせず、読み取りも高速で行うことができる。
【0067】
ところで、本実施の形態の密着型エリアセンサ1は、図1に示すように、2枚の画像読取体10・10がフレキシブルな接続線2によって接続されたものである。したがって、各画像読取体10・10は分離しているが、可撓性を有する接続線2にて相互に接続されているので、広い範囲の画像を読み取る場合には、複数の画像読取体10・10を原稿画像に当接させることによって、広い範囲の画像を同時に読み取ることができる。
【0068】
さらに、画像の読み取りをしない場合には、各画像読取体10・10は可撓性を有する接続線2にて相互に接続されているので、各画像読取体10・10を容易に重ねることができる。
【0069】
また、接続線2は可撓性を有するので、各画像読取体10・10をどのようにも組み合わせることができる。このため、本のような厚い場合にも、両面読み取りが可能である。したがって、小型、薄型、軽量であって、かつ広範囲の画像情報を取得しつつ携帯性を向上し得る密着型エリアセンサ1を提供することができる。
【0070】
ところで、上記のように、各画像読取体10・10が、単に、接続線2で接続されているだけでは、密着型エリアセンサ1を使用しない場合等において、各画像読取体10・10を重ね合わせて持ち運ぶときに、各画像読取体10・10が分離等するので、取り扱いが不便である。
【0071】
そこで、本実施の形態の密着型エリアセンサ1では、図6に示すように、各画像読取体10・10を、ヒンジ部材40を用いて回動自在になるように連結している。ヒンジ部材40は、各画像読取体10・10の側面端部に設けられている。また、ヒンジ部材40は、図7に示すように、各画像読取体10・10の両方の側面端部に設けられている。
【0072】
上記ヒンジ部材40は、詳細には、図8及び図9に示すように、各画像読取体10・10の側面端部から突出する突出軸41・41と、これら両突出軸41・41に架け渡され、かつ突出軸41・41のそれぞれを貫通させるべく架け渡し方向に沿って線状に形成された長孔42と架け渡し方向に直角に形成された切欠き43とを有する長方形板44と、上記長孔42に貫通された突出軸41・41を、他方の画像読取体10に形成された突出軸41に引き寄せる弾性体としてのスプリング45とからなっている。
【0073】
上記突出軸41・41は、長孔42及び切欠き43の貫通部分ではその長孔42及び切欠き43に遊嵌されているとともに、先端部は長孔42及び切欠き43よりも径の大きい円盤として形成されている。これによって、長方形板44が、突出軸41・41の先端方向に外れないようになっている。また、切欠き43に遊嵌されている突出軸41は、長方形板44を切欠き43に沿って回転させることにより、簡単に外すことが可能である。なお、通常は、切欠き43に遊嵌されている突出軸41は、スプリング45によって他の突出軸41に引き寄せられているので、容易に外れることはない。
【0074】
なお、上記の弾性体としてのスプリング45は、必ずしもこれに限らず、弾性体としてのゴム等を用いることができる。さらに、上記スプリング45は、いずれも突出軸41・41の先端部分に取り付けられているが、必ずしもこれに限らず、図10に示すように、スプリング45の一方の端部を突出軸41に取り付けるとともに、他方の端部を長方形板44の切欠き43の近傍に取り付けることが可能である。これによっても、2枚の画像読取体10・10を相互に引き寄せることができる。
【0075】
このように、ヒンジ部材40が上記構造を有しているので、各画像読取体10・10は、このヒンジ部材40によって回動自在に連結されている。そして、本実施の形態の画像読取体10・10の側面は、長方形に形成されている。
【0076】
したがって、図11(a)に示すように、画像読取体10・10を突出軸41・41を中心としてそれぞれ回転させて、このヒンジ部材40にて連結されている相互の画像読取体10・10の開き角度を180度に固定することができる。そして、相互の画像読取体10・10の開き角度を180度にして画像読取体10・10の端部同士を突き合わせている状態では、これら画像読取体10・10はスプリング45にて互いに引き寄せられるため、画像読取体10・10の開き角度180度が強固に保持される。
【0077】
この結果、図11(b)に示すように、ヒンジ部材40を、相互の画像読取体10・10の開き角度を180度となるように固定することにより、相互の画像読取体10・10を同一平面となるように強固に固定し、シート状の原稿4の情報を容易に読み取ることができる。
【0078】
また、1枚の画像読取体10よりも広い範囲の原稿情報を読み取る場合においても、これら2枚の画像読取体10・10を、同一平面となるように2枚並べて固定することにより、容易に広い範囲の原稿情報を読み取ることができる。
【0079】
ところで、例えば、厚い本の見開いて両頁を読み取る場合には、当該本の頁が山形となっているので、それを平面状態にするのは困難である。しかし、その本を90°開いた状態では、各頁をそれぞれ容易に平面状態にすることができる。
【0080】
すなわち、厚手の本の画像情報を読み取る場合、本を180度開いて、画像情報を読み込もうとすると、その綴じ代部分が90度曲げられる方向に引っ張られ、同一平面に開くことは困難である。そのため、綴じ代部分の画像情報が欠如したり、ゆがんだ形で取り込まれたりすることが多い。
【0081】
そこで、本実施の形態では、図12(a)に示すように、画像読取体10・10を開き角度90°となるように回転させ、かつその直角状態に固定することができるようになっている。
【0082】
この結果、図12(b)に示すように、厚い本5であっても、本の開き角度を90°に固定することにより、開かれている各頁を容易に平面状態にし、密着型エリアセンサ1を画像の全面について確実に密着させ、画像情報の読み取りを不具合なく行うことができる。すなわち、上記密着型エリアセンサ1は、本5を180度開く必要がなく、本5を90度開いた形で読み取ることができる。
【0083】
一方、本実施の形態では、前記図6に示したように、画像読取体10・10を閉じた状態にして、スプリング45の引っ張り力により固定しておくことが可能である。これによって、密着型エリアセンサ1を折り畳んだ状態に固定することができるので、密着型エリアセンサ1をコンパクトにして携帯性を向上することができる。
【0084】
また、本実施の形態では、この密着型エリアセンサ1を折り畳んだ状態のときに、単に携帯するだけでなく、図13に示すように、本5の1枚を挟持し、その1枚の両面の頁の読み取りを行うことができる。
【0085】
このとき、本実施の形態では、2つの画像読取体10・10は、その一方が、画像情報を生成している間は、他方は、画像情報を生成することがないようにしている。この理由は、画像読取体10・10の間に紙等のシート状の原稿4を挟んで、両面を読み取るときに、裏側の画像情報を誤読しないようにするためである。
【0086】
また、本実施の形態のヒンジ部材40では、スプリング45によって、画像読取体10・10の間を広げることができる。この結果、画像読取体10・10の間に挟む原稿4の厚さが、多少厚いものでも、安定して挟み込むことができる。
【0087】
上記構成の密着型エリアセンサ1では、ガラス、石英等の透光性の基板上に薄膜トランジスタ(TFT)をマトリクス状に配置した画像読取センサ基板20を形成する。この画像読取センサ基板20の裏面から光を入射させることにより、センサ内部を透過した光が、原稿面で反射し、センサ部24に情報を提供するため、光学系を用いることなく、画像情報を得ることができ、小型、薄型、軽量の密着型エリアセンサ1を提供することができる。
【0088】
また、センサ部24が、マトリクス状に配置されているため、機械的なスキャンを必要とせず、読み取りも高速で行うことができる。光源をRGB3色の時分割で切り替え、順次読み取ることで、カラー化を実現する。
【0089】
さらに、画像読取体10・10を広げて、シート状の原稿4の両面、又は複数の面のそれぞれに1台ずつ読み取り面を密着させることにより、一度の操作で、複数場所の大面積の画像情報を読み取ることができる。また、持ち運ぶときには、小さく折り畳むことによって、携帯に便利な密着型エリアセンサ1が実現できる。すなわち、複数の原稿4、及び本5等の厚手の原稿4の複数の位置に散在する画像情報を一度に読み取ることを可能とする携帯性に優れた密着型エリアセンサ1を提供する。
【0090】
また、複数回に分けて読み取った画像情報を、合成することにより、さらに大面積の原稿4上の画像情報を読み取ることもできる。
【0091】
この場合、1台の画像読取体10の読み取り時間は、モノクロで0.3秒程度、カラーでも1秒程度であるので、2台用いたときでも2秒程度で読み取ることができる。また、原稿4の両面を読み取るときには、バックライト30を同時に点灯しないようにし、透過光が入って裏面の情報が重畳されることがないようにする。表裏順次に読み取っても、2秒程度で画像情報が得られる。
【0092】
このように、本実施の形態の密着型エリアセンサ1では、複数個のセンサ部24をマトリクス状に配置して画像を読み取る画像読取センサ基板20をそれぞれ有する複数の画像読取体10・10と、複数の画像読取体10・10を相互に接続するための可撓性を有する接続線2とを備えている。
【0093】
したがって、従来、CCDイメージセンサにおいて必要であった光学系を用いることなく、画像情報を得ることができ、小型、薄型、軽量の密着型エリアセンサを提供することができる。
【0094】
また、本実施の形態の密着型エリアセンサは、各画像読取体10・10は分離しているが、可撓性を有する接続線2にて相互に接続されているので、広い範囲の画像を読み取る場合には、複数の画像読取体10・10を原稿画像に当接させることによって、広い範囲の画像を同時に読み取ることができる。
【0095】
さらに、画像読取をしない場合には、各画像読取体10・10は可撓性を有する接続線2にて相互に接続されているので、各画像読取体10・10を容易に重ねることができる。
【0096】
また、接続線2は可撓性を有するので、各画像読取体10・10をどのようにも組み合わせることができる。このため、本のような厚い場合にも、両面読み取りが可能である。
【0097】
したがって、小型、薄型、軽量であり、かつ広範囲の画像情報を取得しつつ携帯性を向上し得る密着型エリアセンサ1を提供することができる。
【0098】
また、本実施の形態の密着型エリアセンサ1では、各画像読取体10・10は、ヒンジ部材40によって回動自在に連結されているので、画像を読み取るときには、ヒンジ部材40に連結された画像読取体10・10を開いて広範囲の片面情報を一度に読み取ることができる。また、画像の読み取りが終わった場合には、複数の画像読取体10・10をヒンジ部材40によって重ね合わせることにより、容易に密着型エリアセンサ1を折り畳むことができる。
【0099】
したがって、各画像読取体10・10の連結状態を保持しながら、広範囲の情報の同時読み取りと、折り畳んだ状態での密着型エリアセンサ1の携帯を行うことができる。この結果、小型、薄型、軽量であり、かつ広範囲の画像情報を取得しつつ携帯性を向上し得る密着型エリアセンサ1を提供することができる。
【0100】
また、本実施の形態の密着型エリアセンサ1では、ヒンジ部材40は、各画像読取体10・10を脱着自在となっているので、例えば、離れた原稿画像情報を読み取る場合には、各画像読取体10・10を離脱させて、容易にその離れた原稿画像情報を読み取ることができる。
【0101】
また、本実施の形態の密着型エリアセンサ1では、ヒンジ部材40にて連結されている両画像読取体10・10の開き角度を直角に固定することができるようになっている。
【0102】
したがって、厚い本であっても、本の開き角度を90°に固定することにより、各頁を容易に平面状態にし、密着型エリアセンサが画像の全面について確実に密着されるようにして、情報の誤読を防止する。
【0103】
また、本実施の形態の密着型エリアセンサ1では、ヒンジ部材40を、相互の画像読取体10・10の開き角度を180度となるように固定することにより、相互の画像読取体10・10を同一平面となるように固定し、シート状原稿の情報を容易に読み取ることができる。
【0104】
また、本実施の形態の密着型エリアセンサ1では、ヒンジ部材40は、各画像読取体10・10の側面端部から突出する突出軸41・41と、上記突出軸41・41のそれぞれを貫通させるべく、長手方向に沿って線状に形成された長孔42と長手方向に直角に形成された切欠き43とを有する長方形板44と、上記長孔42に貫通された突出軸41を、他方の画像読取体10に形成された突出軸41に引き寄せるスプリング45とからなっている。
【0105】
したがって、このヒンジ部材40では、例えば、2枚の画像読取体10・10の間に原稿4を挟持して原稿4の両面を読み取ることができる。この場合、2枚の画像読取体10・10は、スプリング45によって原稿4を押圧して挟持するので、画像読取体10・10の原稿4への密着性が確保される。また、この状態は、密着型エリアセンサ1を折り畳んだ状態でもあるので、密着型エリアセンサ1の携帯時において、各画像読取体10・10を相互に分離しないようにして保持することができる。
【0106】
さらに、本実施の形態では、ヒンジ部材40におけるこの長孔42とスプリング45との組み合わせにより、例えば2枚の画像読取体10・10を開き角度90°又は開き角度180°に固定することができる。
【0107】
また、本実施の形態の密着型エリアセンサ1では、各画像読取体10・10をそれぞれ独立に駆動して画像読み取りすることができる。したがって、例えば、一枚の原稿4を挟持した場合において、片面のみの情報の読み取りを行うことができる。
【0108】
また、本実施の形態の密着型エリアセンサ1では、各画像読取体10・10は、順に画像読み取り駆動可能となっているので、両面の情報が同時に読み取られることはない。したがって、各面の情報を、確実に誤読なく読み込むことができる。
【0109】
また、本実施の形態の密着型エリアセンサ1では、画像読取体10・10は、画像読取センサ基板20の裏面にバックライト30を備えており、そのバックライト30は、赤(R)・緑(G)・青(B)の光をサブフレーム期間毎に順に点灯する。このため、原稿画像をカラーにて読み取ることができる。
【0110】
また、本実施の形態の密着型エリアセンサ1では、各画像読取体10・10にて読み取った全ての画像情報は、画像読取体10・10の少なくとも1個設けられるメモリチップ6に記憶される。そして、このメモリチップ6は、画像読取体10に対して着脱自在となっている。したがって、密着型エリアセンサ1と例えばパーソナルコンピュータとを絶えず接続しておく必要がないので、携帯性に優れる。また、密着型エリアセンサ1のみを携帯することによって、パーソナルコンピュータがなくても任意の場所で原稿画像を読み取ることができる。
【0111】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、ヒンジ部材40として、独自の構成を有するものを使用したが、特にこれに限定するものではない。
【0112】
例えば、図14(a)に示すように、ヒンジ部材として市販の蝶番50を使用することができる。これによって、図14(b)(c)に示すように、回動可能に連結された画像読取体10・10を容易に製造することができる。また、この場合には、図14(d)に示すように、互いの蝶番50を分離可能に構成することができる。これによって、離れた2枚の原稿を読み取る場合に便利である。
【0113】
さらに、本実施の形態では、接続線2は、例えば図6に示すように、外部に露出するものとなっていた。しかし、必ずしもこれに限らず、例えば、図15(a)(b)(c)に示すように、ヒンジ部材40に内蔵する構造とすることができる。すなわち、前記突出軸41・41及び長方形板44を円筒突出軸41a・41a及び円筒連結管44aにて構成したものとなっている。なお、この場合、円筒連結管44aは、2つのパーツに分かれており、重なり部分を有している。このため、1枚のシート状の原稿4又は厚手の本5であっても、自在に円筒連結管44aを伸縮してこれらの原稿4又は厚手の本5を読み取ることができる。
【0114】
この結果、図16(a)(b)に示すように、密着型エリアセンサ1を閉じたときや開いたときにおいて、接続線2が露出せず、見栄えがよいものとなる。
【0115】
また、本実施の形態の画像読取体10ではバックライト30が設けられているが、必ずしもこれに限らず、画像読取センサ基板20単独からなる画像読取体10であってもよい。このように、バックライト30を設けない場合は、外光を利用して画像を読み取ればよい。
【0116】
さらに、バックライト30を設けない場合は、画像読取センサ基板20の裏面側に、透過・遮光切り替え層を設けたほうが良い。
【0117】
具体的には、図17に示すように、画像読み取りセンサ基板20と、この画像読取センサ基板20の裏面側に設けられる透過・遮光切り替え層70とからなる画像読取体10とすることができる。
【0118】
この透過・遮光切り替え層70は、画像読み取りセンサ基板20に対して光を透過させる透光状態と、遮光状態にする状態とを切り替えるものであり、本発明の透光・遮光切り替え手段としての機能を有している。
【0119】
この透過・遮光切り替え層70としては、例えば、液晶ディスプレイのように、2枚のガラス板に透明電極を蒸着し、液晶材料を挟み込んで、封止し、両面に偏光フィルムを貼ったものを電気的に制御し、ON・OFFすることによって、透光・遮光を切り替える構成のものが考えられる。
【0120】
上記の密着型エリアセンサ1では、1枚の原稿4を画像読取体10・10にて両面から挟み込んだときに、一方の画像読取体10が画像情報を読み取るときには、他方の画像読取体10に設けられた透過・遮光切り替え層70を遮光状態にすることができる。
【0121】
したがって、1枚の原稿4の両面の画像情報を画像読取体10・10にて交互に読み取る場合に、原稿4の裏面からの透過光による、裏面情報の誤読を防止することができる。
【0122】
また、この密着型エリアセンサ1にて、通常のように、1枚の原稿4の片面を読み取る場合には、1枚の原稿4の上に画像読取体10・10を載置する。そして、このときには、透過・遮光切り替え層70を透光状態にしておく。
【0123】
これにより、画像読取体10・10の裏面側からの外光を利用して、原稿4の画像情報を読み取ることができる。
【0124】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図18に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0125】
本実施の形態では、図18に示すように、前記実施の形態におけるヒンジ部材40の代わりに、各画像読取体10・10の周辺部分に磁石60を取り付け、この磁力により、複数の画像読取体10・10を脱着可能にする。
【0126】
なお、本実施の形態においてはヒンジ部材40の代わりに画像読取体10・10の周辺部分に磁石60を取り付けているが、必ずしもこれに限らず、ヒンジ部材40を設けるとともに、さらに、磁石60を取り付けることが可能である。
【0127】
これにより、密着型エリアセンサ1を折り畳んだときには、磁力により確実に画像読取体10・10を密着状態に閉じておくことができる。
【0128】
また、磁石60により固定された画像読取体10・10は、それを容易に引き剥がすことができるので、画像読取体10・10を開いて画像を読み取ることができる。
【0129】
したがって、広範囲の画像情報を取得しつつ携帯性を向上し得る密着型エリアセンサ1を提供することができる。
【0130】
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的手段に含まれる。
【0131】
例えば、本実施の形態1及び実施の形態2においては、バックライト30は、発光ダイオード32であるとしていたが、必ずしもこれに限らず、EL(Electro Luminescence)を用いることも可能である。
【0132】
【発明の効果】
本発明の密着型エリアセンサは、以上のように、複数個のセンサ部をマトリクス状に配置して画像を読み取る画像読取センサ基板をそれぞれ有する複数の画像読取体と、上記複数の画像読取体を相互に接続するための可撓性を有する接続線とを備えているものである。
【0133】
それゆえ、従来、CCDイメージセンサにおいて必要であった光学系を用いることなく、画像情報を得ることができ、小型、薄型、軽量の密着型エリアセンサを提供することができる。また、画像読取のセンサ部がマトリクス状に配置されており、画像を平面的に読み取ることができるので、機械的なスキャンを必要とせず、読み取りも高速で行うことができる。
【0134】
さらに、各画像読取体は分離しているが、可撓性を有する接続線にて相互に接続されているので、広い範囲の画像を読み取る場合には、複数の画像読取体を原稿画像に当接させることによって、広い範囲の画像を同時に読み取ることができる。
【0135】
また、画像読取をしない場合には、各画像読取体は可撓性を有する接続線にて相互に接続されているので、各画像読取体を容易に重ねることができる。
【0136】
さらに、接続線は可撓性を有するので、各画像読取体をどのようにも組み合わせることができ、その結果、本のような厚い場合にも、両面読み取りが可能である。
【0137】
したがって、小型、薄型、軽量であり、かつ広範囲の画像情報を取得しつつ携帯性を向上し得る密着型エリアセンサを提供することができるという効果を奏する。
【0138】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記各画像読取体は、ヒンジ部材によって回動自在に連結されているものである。
【0139】
それゆえ、各画像読取体の連結状態を保持しながら、広範囲の情報の同時読み取りと、折り畳んだ状態での密着型エリアセンサの携帯を行うことができる。この結果、小型、薄型、軽量であり、かつ広範囲の画像情報を取得しつつ携帯性を向上し得る密着型エリアセンサを提供することができるという効果を奏する。
【0140】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記ヒンジ部材は、各画像読取体を脱着自在となっているものである。
【0141】
それゆえ、例えば、離れた原稿画像情報を読み取る場合には、各画像読取体を離脱させて、容易にその離れた原稿画像情報を読み取ることができるという効果を奏する。
【0142】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記ヒンジ部材は、このヒンジ部材にて連結されている相互の画像読取体の開き角度を直角に固定可能となっているものである。
【0143】
それゆえ、厚い本であっても、本の開き角度を90°に固定することにより、各頁を容易に平面状態にし、密着型エリアセンサが画像の全面について確実に密着されるようにして、情報の誤読を防止するという効果を奏する。
【0144】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記ヒンジ部材は、このヒンジ部材にて連結されている相互の画像読取体の開き角度を180度に固定可能となっているものである。
【0145】
それゆえ、ヒンジ部材を、相互の画像読取体の開き角度を180度となるように固定することにより、相互の画像読取体を同一平面となるように固定し、シート状原稿の情報を容易に読み取ることができるという効果を奏する。
【0146】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記ヒンジ部材は、各画像読取体の側面端部から突出する突出軸と、上記突出軸のそれぞれを貫通させるべく、長手方向に沿って線状に形成された長孔と長手方向に直角に形成された切欠きとを有する長方形板と、上記長孔に貫通された突出軸を、他方の画像読取体に形成された突出軸に引き寄せる弾性体とからなっているものである。
【0147】
それゆえ、このヒンジ部材では、例えば、2枚の画像読取体の間に原稿を挟持して原稿の両面を読み取ることができる。この場合、2枚の画像読取体は、弾性体によって原稿を押圧して挟持するので、画像読取体の原稿への密着性が確保される。また、この状態は、密着型エリアセンサを折り畳んだ状態でもあるので、密着型エリアセンサの携帯時において、各画像読取体を相互に分離しないようにして保持することができるという効果を奏する。
【0148】
さらに、本発明では、ヒンジ部材におけるこの長孔と弾性体との組み合わせにより、例えば2枚の画像読取体を開き角度90°又は開き角度180°に固定することができるという効果を奏する。
【0149】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記画像読取体には、各画像読取体を重ね合わせたときにこれら各画像読取体を着脱自在に固定する磁石が設けられているものである。
【0150】
それゆえ、密着型エリアセンサを折り畳んだときには、各画像読取体は磁石によって密着状態に固定される。一方、磁石により固定された画像読取体は、それを容易に引き剥がすことができるので、画像読取体を開いて画像を読み取ることができる。
【0151】
したがって、広範囲の画像情報を取得しつつ携帯性を向上し得る密着型エリアセンサを提供することができるという効果を奏する。
【0152】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記接続線は、ヒンジ部材に内蔵されているものである。
【0153】
それゆえ、接続線が露出しないので、見栄えの良い密着型エリアセンサを提供することができるという効果を奏する。
【0154】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記各画像読取体は、それぞれが独立に画像読み取り駆動可能となっているものである。
【0155】
それゆえ、一枚の原稿を挟持した場合において、片面のみの情報の読み取りを行うことができるという効果を奏する。
【0156】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記各画像読取体は、順に画像読み取り駆動可能となっているものである。
【0157】
それゆえ、両面の情報が同時に読み取られることはない。したがって、各面の情報を、確実に誤読なく読み込むことができるという効果を奏する。
【0158】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記画像読取体は、画像読取センサ基板の裏面にバックライトを備え、上記バックライトは、赤、緑、青の光をサブフレーム期間毎に順に点灯するものである。
【0159】
それゆえ、原稿画像をカラーにて読み取ることができるという効果を奏する。
【0160】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記画像読取体の少なくとも1個には、各画像読取体にて読み取った全ての画像情報を記憶するための記憶手段が着脱自在に設けられているものである。
【0161】
それゆえ、密着型エリアセンサと例えばパーソナルコンピュータとを絶えず接続しておく必要がないので、携帯性に優れる。また、密着型エリアセンサのみを携帯することによって、パーソナルコンピュータがなくても任意の場所で原稿画像を読み取ることができるという効果を奏する。
【0162】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記画像読取体は、前記画像読取センサ基板の裏面に、透光と遮光とを切り替える透光・遮光切り替え手段を備えているものである。
【0163】
それゆえ、1枚の原稿の両面を各画像読取体にて挟んで画像情報を読み取る場合に、一方の画像読取体にて画像情報を読み取るときには、他方の画像読取体における裏面の透光・遮光切り替え手段を遮光状態にすることができる。
【0164】
したがって、1枚の原稿を両面から挟んで画像情報を読み取る場合に、原稿の裏面からの透過光による、裏面情報の誤読を防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における密着型エリアセンサの実施の一形態を示す平面図である。
【図2】着脱自在のメモリチップを備えた密着型エリアセンサを示す斜視図である。
【図3】上記密着型エリアセンサにおける画像読取体の構成を示す断面図である。
【図4】上記画像読取体に設けられたバックライトの発光ダイオードの構成を示す斜視図である。
【図5】上記バックライトにおける3色の発光ダイオードの点灯動作をしめすタイミングチャートである。
【図6】上記2枚の画像読取体の閉じた状態を示す斜視図である。
【図7】上記画像読取体を示す平面図である。
【図8】上記画像読取体の側面に設けられたヒンジ部材の構成を示す側面図である。
【図9】上記ヒンジ部材の構造を示す斜視図である。
【図10】上記ヒンジ部材におけるスプリングの他の取り付け状態を示す側面図である。
【図11】(a)は上記ヒンジ部材にて連結されている相互の画像読取体の開き角度を180度に固定した密着型エリアセンサを示す要部側面図であり、(b)は相互の画像読取体の開き角度を180度に固定して原稿を読み取る密着型エリアセンサを示す斜視図である。
【図12】(a)は上記ヒンジ部材にて連結されている相互の画像読取体の開き角度を90度に固定した密着型エリアセンサを示す要部側面図であり、(b)は相互の画像読取体の開き角度を90度に固定して原稿を読み取る密着型エリアセンサを示す斜視図である。
【図13】上記ヒンジ部材にて連結されている相互の画像読取体を閉じて原稿を挟持することにより、本の1枚の両面を読み取る密着型エリアセンサを示す斜視図である。
【図14】(a)は他のヒンジ部材を示す斜視図、(b)は上記他のヒンジ部材を取り付けた密着型エリアセンサの閉じた状態を示す斜視図、(c)は上記他のヒンジ部材を取り付けた密着型エリアセンサの半開きにした状態を示す斜視図、(d)は相互に分離可能となる他のヒンジ部材を示す斜視図である。
【図15】(a)はさらに他のヒンジ部材を示す斜視図、(b)は上記ヒンジ部材の内部構造を示す透視図、(c)は上記他のヒンジ部材を上から見た断面図である。
【図16】(a)は上記ヒンジ部材を取り付けた密着型エリアセンサの閉じた状態を示す斜視図、(b)は上記ヒンジ部材を取り付けた密着型エリアセンサの開いた状態を示す斜視図である。
【図17】上記密着型エリアセンサの変形例を示すものであり、バックライトに代えて、透過・遮光切り替え層を備えた密着型エリアセンサを示す断面図である。
【図18】本発明における密着型エリアセンサの他の実施の形態を示すものであり、磁石を取り付けた密着型エリアセンサを示す平面図である。
【符号の説明】
1 密着型エリアセンサ
2 接続線
4 原稿
6 メモリチップ(記憶手段)
10 画像読取体
20 画像読取センサ基板
24 センサ部
30 バックライト
32 発光ダイオード
40 ヒンジ部材
41 突出軸
42 長孔
43 切欠き
44 長方形板
45 スプリング(弾性体)
50 蝶番(ヒンジ部材)
60 磁石
70 透過・遮光切り替え層(透光・遮光切り替え手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、イメージセンサ機能を有する密着型エリアセンサに関する。特に、マトリクス状に配置された複数の薄膜トランジスタ(TFT)によって構成される密着型エリアセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シート状の原稿の両面にある画像情報を得るための手段として、例えば、特許文献1では、2つのラインセンサをシート状原稿の両面の対抗する位置に配置することにより、原稿の両面の画像情報を同時に得る方法が提案されている。
【0003】
しかしながら、上記の特許文献1のような、原稿の両面の画像情報を同時に得る方法においては、原稿の表裏の同じ読み取り位置に同時に照射光を発した場合には、原稿の表裏の文字等の画像が互いに両方の読み取り装置にて読めてしまう。その結果、両面とも正確な文字等の画像を読むことができなくなる。
【0004】
そこで、この問題を解決するためのスキャナ装置として、例えば、特許文献2に開示されたスキャナ装置がある。
【0005】
この特許文献2のスキャナ装置では、2つのCCDイメージセンサをシート状原稿の両面の対抗する位置に固定して配置するとともに、搬送される原稿に対して表裏にそれぞれ波長の異なる光を同時に照射して、両面相互の原稿情報の誤読を防止しつつ、原稿の両面の画像情報を同時に得る方法を提案している。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−136444号公報(1999年5月21日公開)
【0007】
【特許文献2】
特開平6−253097号公報(1994年9月9日公開)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1の画像読取装置では、ラインセンサを用いているので、ラインセンサを原稿面で、スキャンしなければならない。2つのラインセンサを両面から同時にスキャンするためには、それぞれを動かす機械が必要であり、装置全体の小型化、薄型化、軽量化が困難である。また、同時に読み取る場合、透過光を遮断する必要がある。さらに、スキャンするのに時間がかかるという問題がある。
【0009】
一方、特許文献2では、CCDイメージセンサを用いているため、焦点を絞る必要があり、レンズ、光路等の光学系が必要となる。そのため、装置全体の小型化、薄型化、軽量化が困難であり、振動に伴う光学系のずれの問題も生じてくる。
【0010】
さらに、上記2件の例では、シート状原稿しか読み取ることができず、本のような厚い場合には、両面読み取りはできない。
【0011】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、小型、薄型、軽量であって、かつ広範囲の画像情報を取得しつつ携帯性を向上し得る密着型エリアセンサを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の密着型エリアセンサは、上記課題を解決するために、複数個のセンサ部をマトリクス状に配置して画像を読み取る画像読取センサ基板をそれぞれ有する複数の画像読取体と、上記複数の画像読取体を相互に接続するための可撓性を有する接続線とを備えていることを特徴としている。
【0013】
上記の発明によれば、画像読取センサ基板は、複数個のセンサ部をマトリクス状に配置して画像を読み取るようになっている。すなわち、画像読取センサ基板は、ガラス、石英等の透光性の基板上に薄膜トランジスタ(TFT)をマトリクス状に配置したものであり、密着型エリアセンサを形成する。通常、この画像読取センサ基板には、バックライトが設けられて画像読取体を構成する。ただし、本発明では、画像読取センサ基板のみによって画像読取体を構成することも可能である。
【0014】
画像の読取に際しては、この画像読取センサ基板の裏面から上記のバックライトにて光を入射させることにより、センサ部の内部を透過した光が、原稿面で反射し、センサ部に情報を提供する。このため、従来、CCDイメージセンサにおいて必要であった光学系を用いることなく、画像情報を得ることができ、小型、薄型、軽量の密着型エリアセンサを提供することができる。また、画像読取のセンサ部がマトリクス状に配置されており、画像を平面的に読み取ることができるので、機械的なスキャンを必要とせず、読み取りも高速で行うことができる。
【0015】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記画像読取センサ基板をそれぞれ有する複数の画像読取体を備えたものとなっているとともに、これら各画像読取体は、可撓性を有する接続線にて相互に接続されている。
【0016】
したがって、各画像読取体は分離しているが、可撓性を有する接続線にて相互に接続されているので、広い範囲の画像を読み取る場合には、複数の画像読取体を原稿画像に当接させることによって、広い範囲の画像を同時に読み取ることができる。
【0017】
さらに、画像読取をしない場合には、各画像読取体は可撓性を有する接続線にて相互に接続されているので、各画像読取体を容易に重ねることができる。
【0018】
また、接続線は可撓性を有するので、各画像読取体をどのようにも組み合わせることができる。このため、本のような厚い場合にも、両面読み取りが可能である。
【0019】
したがって、小型、薄型、軽量であり、かつ広範囲の画像情報を取得しつつ携帯性を向上し得る密着型エリアセンサを提供することができる。
【0020】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記各画像読取体は、ヒンジ部材によって回動自在に連結されていることを特徴としている。
【0021】
上記の発明によれば、各画像読取体は、ヒンジ部材によって回動自在に連結されているので、画像を読み取るときには、ヒンジ部材に連結された画像読取体を開いて広範囲の片面情報を一度に読み取ることができる。また、画像の読み取りが終わった場合には、複数の画像読取体をヒンジ部材によって重ね合わせることにより、容易に密着型エリアセンサを折り畳むことができる。
【0022】
したがって、各画像読取体の連結状態を保持しながら、広範囲の情報の同時読み取りと、折り畳んだ状態での密着型エリアセンサの携帯を行うことができる。
【0023】
この結果、小型、薄型、軽量であり、かつ広範囲の画像情報を取得しつつ携帯性を向上し得る密着型エリアセンサを提供することができる。
【0024】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記ヒンジ部材は、各画像読取体を脱着自在となっていることを特徴としている。
【0025】
上記の発明によれば、ヒンジ部材は、各画像読取体を脱着自在となっているので、例えば、離れた原稿画像情報を読み取る場合には、各画像読取体を離脱させて、容易にその離れた原稿画像情報を読み取ることができる。
【0026】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記ヒンジ部材は、このヒンジ部材にて連結されている相互の画像読取体の開き角度を直角に固定可能となっていることを特徴としている。
【0027】
例えば、厚い本の見開いた両頁を読み取る場合には、当該本の頁が山形となっているので、それを平面状態にするのは困難である。一方、その本を90°開いた状態では、各頁をそれぞれ平面状態にするのは容易である。
【0028】
そこで、本発明では、ヒンジ部材にて連結されている両画像読取体の開き角度を直角に固定することができるようになっている。
【0029】
したがって、厚い本であっても、本の開き角度を90°に固定することにより、各頁を容易に平面状態にし、密着型エリアセンサが画像の全面について確実に密着されるようにして、情報の誤読を防止する。
【0030】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記ヒンジ部材は、このヒンジ部材にて連結されている相互の画像読取体の開き角度を180度に固定可能となっていることを特徴としている。
【0031】
例えば、複数の画像読取体を並べた大きさの原稿情報を読み取るときには、これら複数の画像読取体は、同一平面となるように固定されているのが好ましい。
【0032】
この点、本発明では、ヒンジ部材は、このヒンジ部材にて連結されている相互の画像読取体の開き角度を180度に固定可能となっている。このため、ヒンジ部材を、相互の画像読取体の開き角度を180度となるように固定することにより、相互の画像読取体を同一平面となるように固定し、シート状原稿の情報を容易に読み取ることができる。
【0033】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記ヒンジ部材は、各画像読取体の側面端部から突出する突出軸と、上記突出軸のそれぞれを貫通させるべく、長手方向に沿って線状に形成された長孔と長手方向に直角に形成された切欠きとを有する長方形板と、上記長孔に貫通された突出軸を、他方の画像読取体に形成された突出軸に引き寄せる弾性体とからなっていることを特徴としている。
【0034】
上記の発明によれば、長方形板には突出軸を貫通させる長孔が設けられておりかつ弾性体によって、突出軸同士が相互に引き寄せられる。このことは各画像読取体同士が引き寄せられることを意味する。したがって、このヒンジ部材では、例えば、2枚の画像読取体の間に原稿を挟持して原稿の両面を読み取ることができる。この場合、2枚の画像読取体は、弾性体によって原稿を押圧して挟持するので、画像読取体の原稿への密着性が確保される。また、この状態は、密着型エリアセンサを折り畳んだ状態でもあるので、密着型エリアセンサの携帯時において、各画像読取体を相互に分離しないようにして保持することができる。
【0035】
さらに、本発明では、ヒンジ部材におけるこの長孔と弾性体との組み合わせにより、例えば2枚の画像読取体を開き角度90°又は開き角度180°に固定することができる。
【0036】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記画像読取体には、各画像読取体を重ね合わせたときにこれら各画像読取体を着脱自在に固定する磁石が設けられていることを特徴としている。
【0037】
上記の発明によれば、画像読取体には磁石が設けられている。このため、密着型エリアセンサを折り畳んだときには、各画像読取体は密着状態に固定される。一方、磁石により固定された画像読取体は、それを容易に引き剥がすことができるので、画像読取体を開いて画像を読み取ることができる。
【0038】
したがって、広範囲の画像情報を取得しつつ携帯性を向上し得る密着型エリアセンサを提供することができる。
【0039】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記接続線は、ヒンジ部材に内蔵されていることを特徴としている。
【0040】
上記の発明によれば、接続線は、ヒンジ部材に内蔵されているので、接続線が露出しない。したがって、見栄えの良い密着型エリアセンサを提供することができる。
【0041】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記各画像読取体は、それぞれが独立に画像読み取り駆動可能となっていることを特徴としている。
【0042】
上記の発明によれば、各画像読取体をそれぞれ独立に駆動して画像読み取りすることができる。したがって、例えば、一枚の原稿を挟持した場合において、片面のみの情報の読み取りを行うことができる。
【0043】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記各画像読取体は、順に画像読み取り駆動可能となっていることを特徴としている。
【0044】
すなわち、上述したように、一般に、各画像読取体はバックライトを備えているので、例えば、一枚の原稿を挟持して両面の情報の読み取りを行う場合においては、同時に情報の読み取りを行うと、各バックライトの照射によって、互いに裏面の画像を読み取るおそれがある。
【0045】
この点、本発明では、各画像読取体は、順に画像読み取り駆動可能となっているので、両面の情報が同時に読み取られることはない。したがって、各面の情報を、確実に誤読なく読み込むことができる。
【0046】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記画像読取体は、画像読取センサ基板の裏面にバックライトを備え、上記バックライトは、赤、緑、青の光をサブフレーム期間毎に順に点灯することを特徴としている。
【0047】
上記の発明によれば、画像読取体は、画像読取センサ基板の裏面にバックライトを備えており、そのバックライトは、赤、緑、青の光をサブフレーム期間毎に順に点灯する。このため、原稿画像をカラーにて読み取ることができる。
【0048】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記画像読取体の少なくとも1個には、各画像読取体にて読み取った全ての画像情報を記憶するための記憶手段が着脱自在に設けられていることを特徴としている。
【0049】
上記の発明によれば、各画像読取体にて読み取った全ての画像情報は、画像読取体の少なくとも1個設けられる記憶手段に記憶される。そして、この記憶手段は、画像読取体に対して着脱自在となっている。したがって、密着型エリアセンサと例えばパーソナルコンピュータとを絶えず接続しておく必要がないので、携帯性に優れる。また、密着型エリアセンサのみを携帯することによって、パーソナルコンピュータがなくても任意の場所で原稿画像を読み取ることができる。なお、記憶手段に格納した原稿画像情報は、この記憶手段を密着型エリアセンサから外してパーソナルコンピュータに取り付けることにより、容易に原稿画像情報をパーソナルコンピュータに表示することができる。
【0050】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記画像読取体は、前記画像読取センサ基板の裏面に、透光と遮光とを切り替える透光・遮光切り替え手段を備えていることを特徴としている。
【0051】
上記の発明によれば、1枚の原稿の両面を各画像読取体にて挟んで画像情報を読み取る場合に、一方の画像読取体が画像情報を読み取るときには、他方の画像読取体における裏面の透光・遮光切り替え手段を遮光状態にすることができる。
【0052】
したがって、1枚の原稿を両面から挟んで画像情報を読み取る場合に、原稿の裏面からの透過光による、裏面情報の誤読を防止することができる。
【0053】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1ないし図17に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0054】
本実施の形態の密着型エリアセンサ1は、図1に示すように、2台の画像読取体10・10を接続線2にて接続したものからなっている。この接続線2は、フレキシブルケーブルからなり、可撓性を有している。なお、本実施の形態では、画像読取体10・10は2台となっているが、必ずしもこれに限らず、例えば、3台以上の複数から構成することが可能である。その場合には、各画像読取体10・10の間に接続線2が設けられることになる。
【0055】
上記2台の画像読取体10・10における一方の画像読取体10からは、図示しないパーソナルコンピュータに接続するために、例えば汎用シリアルバス(USB:Universal Serial Bus)3が延びている。したがって、本実施の形態では、密着型エリアセンサ1は、常時、パーソナルコンピュータに接続されている。
【0056】
ただし、必ずしもこれに限らず、例えば、図2に示すように、着脱自在の記憶手段としてのメモリチップ6に読み取った画像情報を記憶し、後に、そのメモリチップ6を外してパーソナルコンピュータにて読み込ませることが可能である。
【0057】
上記の画像読取体10は、図3に示すように、上側に設けられる画像読取センサ基板20と、この画像読取センサ基板20の下側に設けられる照明手段であるバックライト30とからなっている。
【0058】
上記のバックライト30は、3層構造となっている。最下層には導光板31が設けられており、この導光板31の端部には、図4に示すように、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の発光ダイオード(LED:light emitting diode)32が設けられている。上記導光板31の上側には、図3に示すように、光散乱板33、集光レンズシート34が積層されている。
【0059】
一方、上記画像読取センサ基板20は、同図に示すように、ガラス基板21と、センサ層22と、このセンサ層22の上側に設けられる透明の保護層23とからなっている。上記センサ層22は、複数個のセンサ部24…をマトリクス状に配置した画素アレイを形成している。
【0060】
すなわち、センサ部24…は、各画素において、例えば、光電変換素子である図示しない光センサ用TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)とスイッチング素子である図示しないスイッチング用TFTとを備えている。そして、各画素の光センサ用TFTは、原稿面等の被写体の明/暗によって電気特性が変化する仕組みになっている。
【0061】
具体的には、光センサ用TFTとして用いられているフォトトランジスタの抵抗値が光の明/暗によって変化するため、それに伴って、各フォトトランジスタに接続されている画素容量(蓄積容量)に蓄積される電荷量又は電圧が変化する。そして、その画素容量の電荷量分布又は電圧分布を、スイッチング用TFTによって順次読み出すことにより、被写体の2次元情報を得ることができるものとなっている。
【0062】
上記構成の画像読取体10における画像読み込み動作について具体的に説明する。
【0063】
先ず、バックライト30からの光が、画像読取センサ基板20のガラス基板21を通過して、保護層23に対向して当接された図示しない原稿に到達する。
【0064】
上記バックライト30からの光は、詳細には、図5に示すように、赤(R)・緑(G)・青(B)3色の発光ダイオード32が順次点灯されたものである。これによって、原稿の画像情報による反射率の差から、上述したように、センサ部24に入射する光の強度が電荷となって蓄積され、蓄積された電荷は、チャージアンプ等を用いて電圧変換され、アナログ−デジタルコンバータにてデジタル信号に変換され、その結果、赤(R)の画像、緑(G)の画像、青(B)の画像の3枚の画像情報が生成される。この3枚の画像情報は、図示しない他のメモリ又はDSP(Digital Signal Processor)等の周辺回路に取り込まれる。
【0065】
次いで、この3枚の画像は、順次、汎用シリアルバス3を介して外部の図示しないパーソナルコンピュータに送られ、このパーソナルコンピュータの内部で合成処理が行われる。その際、それぞれの画像の1ピクセル(画素)毎にRGB各8ビットを24ビット信号に合成する。実際には、空の8ビットを加えて、32ビット信号として処理される。これにより、カラー画像をパーソナルコンピュータにて表示することができ、必要に応じて、印刷装置を用いて印刷することも可能である。
【0066】
この結果、従来、CCDイメージセンサにおいて必要であった光学系を用いることなく、画像情報を得ることができ、小型、薄型、軽量の密着型エリアセンサを提供することができる。また、画像読取のセンサ部がマトリクス状に配置されており、画像を平面的に読み取ることができるので、機械的なスキャンを必要とせず、読み取りも高速で行うことができる。
【0067】
ところで、本実施の形態の密着型エリアセンサ1は、図1に示すように、2枚の画像読取体10・10がフレキシブルな接続線2によって接続されたものである。したがって、各画像読取体10・10は分離しているが、可撓性を有する接続線2にて相互に接続されているので、広い範囲の画像を読み取る場合には、複数の画像読取体10・10を原稿画像に当接させることによって、広い範囲の画像を同時に読み取ることができる。
【0068】
さらに、画像の読み取りをしない場合には、各画像読取体10・10は可撓性を有する接続線2にて相互に接続されているので、各画像読取体10・10を容易に重ねることができる。
【0069】
また、接続線2は可撓性を有するので、各画像読取体10・10をどのようにも組み合わせることができる。このため、本のような厚い場合にも、両面読み取りが可能である。したがって、小型、薄型、軽量であって、かつ広範囲の画像情報を取得しつつ携帯性を向上し得る密着型エリアセンサ1を提供することができる。
【0070】
ところで、上記のように、各画像読取体10・10が、単に、接続線2で接続されているだけでは、密着型エリアセンサ1を使用しない場合等において、各画像読取体10・10を重ね合わせて持ち運ぶときに、各画像読取体10・10が分離等するので、取り扱いが不便である。
【0071】
そこで、本実施の形態の密着型エリアセンサ1では、図6に示すように、各画像読取体10・10を、ヒンジ部材40を用いて回動自在になるように連結している。ヒンジ部材40は、各画像読取体10・10の側面端部に設けられている。また、ヒンジ部材40は、図7に示すように、各画像読取体10・10の両方の側面端部に設けられている。
【0072】
上記ヒンジ部材40は、詳細には、図8及び図9に示すように、各画像読取体10・10の側面端部から突出する突出軸41・41と、これら両突出軸41・41に架け渡され、かつ突出軸41・41のそれぞれを貫通させるべく架け渡し方向に沿って線状に形成された長孔42と架け渡し方向に直角に形成された切欠き43とを有する長方形板44と、上記長孔42に貫通された突出軸41・41を、他方の画像読取体10に形成された突出軸41に引き寄せる弾性体としてのスプリング45とからなっている。
【0073】
上記突出軸41・41は、長孔42及び切欠き43の貫通部分ではその長孔42及び切欠き43に遊嵌されているとともに、先端部は長孔42及び切欠き43よりも径の大きい円盤として形成されている。これによって、長方形板44が、突出軸41・41の先端方向に外れないようになっている。また、切欠き43に遊嵌されている突出軸41は、長方形板44を切欠き43に沿って回転させることにより、簡単に外すことが可能である。なお、通常は、切欠き43に遊嵌されている突出軸41は、スプリング45によって他の突出軸41に引き寄せられているので、容易に外れることはない。
【0074】
なお、上記の弾性体としてのスプリング45は、必ずしもこれに限らず、弾性体としてのゴム等を用いることができる。さらに、上記スプリング45は、いずれも突出軸41・41の先端部分に取り付けられているが、必ずしもこれに限らず、図10に示すように、スプリング45の一方の端部を突出軸41に取り付けるとともに、他方の端部を長方形板44の切欠き43の近傍に取り付けることが可能である。これによっても、2枚の画像読取体10・10を相互に引き寄せることができる。
【0075】
このように、ヒンジ部材40が上記構造を有しているので、各画像読取体10・10は、このヒンジ部材40によって回動自在に連結されている。そして、本実施の形態の画像読取体10・10の側面は、長方形に形成されている。
【0076】
したがって、図11(a)に示すように、画像読取体10・10を突出軸41・41を中心としてそれぞれ回転させて、このヒンジ部材40にて連結されている相互の画像読取体10・10の開き角度を180度に固定することができる。そして、相互の画像読取体10・10の開き角度を180度にして画像読取体10・10の端部同士を突き合わせている状態では、これら画像読取体10・10はスプリング45にて互いに引き寄せられるため、画像読取体10・10の開き角度180度が強固に保持される。
【0077】
この結果、図11(b)に示すように、ヒンジ部材40を、相互の画像読取体10・10の開き角度を180度となるように固定することにより、相互の画像読取体10・10を同一平面となるように強固に固定し、シート状の原稿4の情報を容易に読み取ることができる。
【0078】
また、1枚の画像読取体10よりも広い範囲の原稿情報を読み取る場合においても、これら2枚の画像読取体10・10を、同一平面となるように2枚並べて固定することにより、容易に広い範囲の原稿情報を読み取ることができる。
【0079】
ところで、例えば、厚い本の見開いて両頁を読み取る場合には、当該本の頁が山形となっているので、それを平面状態にするのは困難である。しかし、その本を90°開いた状態では、各頁をそれぞれ容易に平面状態にすることができる。
【0080】
すなわち、厚手の本の画像情報を読み取る場合、本を180度開いて、画像情報を読み込もうとすると、その綴じ代部分が90度曲げられる方向に引っ張られ、同一平面に開くことは困難である。そのため、綴じ代部分の画像情報が欠如したり、ゆがんだ形で取り込まれたりすることが多い。
【0081】
そこで、本実施の形態では、図12(a)に示すように、画像読取体10・10を開き角度90°となるように回転させ、かつその直角状態に固定することができるようになっている。
【0082】
この結果、図12(b)に示すように、厚い本5であっても、本の開き角度を90°に固定することにより、開かれている各頁を容易に平面状態にし、密着型エリアセンサ1を画像の全面について確実に密着させ、画像情報の読み取りを不具合なく行うことができる。すなわち、上記密着型エリアセンサ1は、本5を180度開く必要がなく、本5を90度開いた形で読み取ることができる。
【0083】
一方、本実施の形態では、前記図6に示したように、画像読取体10・10を閉じた状態にして、スプリング45の引っ張り力により固定しておくことが可能である。これによって、密着型エリアセンサ1を折り畳んだ状態に固定することができるので、密着型エリアセンサ1をコンパクトにして携帯性を向上することができる。
【0084】
また、本実施の形態では、この密着型エリアセンサ1を折り畳んだ状態のときに、単に携帯するだけでなく、図13に示すように、本5の1枚を挟持し、その1枚の両面の頁の読み取りを行うことができる。
【0085】
このとき、本実施の形態では、2つの画像読取体10・10は、その一方が、画像情報を生成している間は、他方は、画像情報を生成することがないようにしている。この理由は、画像読取体10・10の間に紙等のシート状の原稿4を挟んで、両面を読み取るときに、裏側の画像情報を誤読しないようにするためである。
【0086】
また、本実施の形態のヒンジ部材40では、スプリング45によって、画像読取体10・10の間を広げることができる。この結果、画像読取体10・10の間に挟む原稿4の厚さが、多少厚いものでも、安定して挟み込むことができる。
【0087】
上記構成の密着型エリアセンサ1では、ガラス、石英等の透光性の基板上に薄膜トランジスタ(TFT)をマトリクス状に配置した画像読取センサ基板20を形成する。この画像読取センサ基板20の裏面から光を入射させることにより、センサ内部を透過した光が、原稿面で反射し、センサ部24に情報を提供するため、光学系を用いることなく、画像情報を得ることができ、小型、薄型、軽量の密着型エリアセンサ1を提供することができる。
【0088】
また、センサ部24が、マトリクス状に配置されているため、機械的なスキャンを必要とせず、読み取りも高速で行うことができる。光源をRGB3色の時分割で切り替え、順次読み取ることで、カラー化を実現する。
【0089】
さらに、画像読取体10・10を広げて、シート状の原稿4の両面、又は複数の面のそれぞれに1台ずつ読み取り面を密着させることにより、一度の操作で、複数場所の大面積の画像情報を読み取ることができる。また、持ち運ぶときには、小さく折り畳むことによって、携帯に便利な密着型エリアセンサ1が実現できる。すなわち、複数の原稿4、及び本5等の厚手の原稿4の複数の位置に散在する画像情報を一度に読み取ることを可能とする携帯性に優れた密着型エリアセンサ1を提供する。
【0090】
また、複数回に分けて読み取った画像情報を、合成することにより、さらに大面積の原稿4上の画像情報を読み取ることもできる。
【0091】
この場合、1台の画像読取体10の読み取り時間は、モノクロで0.3秒程度、カラーでも1秒程度であるので、2台用いたときでも2秒程度で読み取ることができる。また、原稿4の両面を読み取るときには、バックライト30を同時に点灯しないようにし、透過光が入って裏面の情報が重畳されることがないようにする。表裏順次に読み取っても、2秒程度で画像情報が得られる。
【0092】
このように、本実施の形態の密着型エリアセンサ1では、複数個のセンサ部24をマトリクス状に配置して画像を読み取る画像読取センサ基板20をそれぞれ有する複数の画像読取体10・10と、複数の画像読取体10・10を相互に接続するための可撓性を有する接続線2とを備えている。
【0093】
したがって、従来、CCDイメージセンサにおいて必要であった光学系を用いることなく、画像情報を得ることができ、小型、薄型、軽量の密着型エリアセンサを提供することができる。
【0094】
また、本実施の形態の密着型エリアセンサは、各画像読取体10・10は分離しているが、可撓性を有する接続線2にて相互に接続されているので、広い範囲の画像を読み取る場合には、複数の画像読取体10・10を原稿画像に当接させることによって、広い範囲の画像を同時に読み取ることができる。
【0095】
さらに、画像読取をしない場合には、各画像読取体10・10は可撓性を有する接続線2にて相互に接続されているので、各画像読取体10・10を容易に重ねることができる。
【0096】
また、接続線2は可撓性を有するので、各画像読取体10・10をどのようにも組み合わせることができる。このため、本のような厚い場合にも、両面読み取りが可能である。
【0097】
したがって、小型、薄型、軽量であり、かつ広範囲の画像情報を取得しつつ携帯性を向上し得る密着型エリアセンサ1を提供することができる。
【0098】
また、本実施の形態の密着型エリアセンサ1では、各画像読取体10・10は、ヒンジ部材40によって回動自在に連結されているので、画像を読み取るときには、ヒンジ部材40に連結された画像読取体10・10を開いて広範囲の片面情報を一度に読み取ることができる。また、画像の読み取りが終わった場合には、複数の画像読取体10・10をヒンジ部材40によって重ね合わせることにより、容易に密着型エリアセンサ1を折り畳むことができる。
【0099】
したがって、各画像読取体10・10の連結状態を保持しながら、広範囲の情報の同時読み取りと、折り畳んだ状態での密着型エリアセンサ1の携帯を行うことができる。この結果、小型、薄型、軽量であり、かつ広範囲の画像情報を取得しつつ携帯性を向上し得る密着型エリアセンサ1を提供することができる。
【0100】
また、本実施の形態の密着型エリアセンサ1では、ヒンジ部材40は、各画像読取体10・10を脱着自在となっているので、例えば、離れた原稿画像情報を読み取る場合には、各画像読取体10・10を離脱させて、容易にその離れた原稿画像情報を読み取ることができる。
【0101】
また、本実施の形態の密着型エリアセンサ1では、ヒンジ部材40にて連結されている両画像読取体10・10の開き角度を直角に固定することができるようになっている。
【0102】
したがって、厚い本であっても、本の開き角度を90°に固定することにより、各頁を容易に平面状態にし、密着型エリアセンサが画像の全面について確実に密着されるようにして、情報の誤読を防止する。
【0103】
また、本実施の形態の密着型エリアセンサ1では、ヒンジ部材40を、相互の画像読取体10・10の開き角度を180度となるように固定することにより、相互の画像読取体10・10を同一平面となるように固定し、シート状原稿の情報を容易に読み取ることができる。
【0104】
また、本実施の形態の密着型エリアセンサ1では、ヒンジ部材40は、各画像読取体10・10の側面端部から突出する突出軸41・41と、上記突出軸41・41のそれぞれを貫通させるべく、長手方向に沿って線状に形成された長孔42と長手方向に直角に形成された切欠き43とを有する長方形板44と、上記長孔42に貫通された突出軸41を、他方の画像読取体10に形成された突出軸41に引き寄せるスプリング45とからなっている。
【0105】
したがって、このヒンジ部材40では、例えば、2枚の画像読取体10・10の間に原稿4を挟持して原稿4の両面を読み取ることができる。この場合、2枚の画像読取体10・10は、スプリング45によって原稿4を押圧して挟持するので、画像読取体10・10の原稿4への密着性が確保される。また、この状態は、密着型エリアセンサ1を折り畳んだ状態でもあるので、密着型エリアセンサ1の携帯時において、各画像読取体10・10を相互に分離しないようにして保持することができる。
【0106】
さらに、本実施の形態では、ヒンジ部材40におけるこの長孔42とスプリング45との組み合わせにより、例えば2枚の画像読取体10・10を開き角度90°又は開き角度180°に固定することができる。
【0107】
また、本実施の形態の密着型エリアセンサ1では、各画像読取体10・10をそれぞれ独立に駆動して画像読み取りすることができる。したがって、例えば、一枚の原稿4を挟持した場合において、片面のみの情報の読み取りを行うことができる。
【0108】
また、本実施の形態の密着型エリアセンサ1では、各画像読取体10・10は、順に画像読み取り駆動可能となっているので、両面の情報が同時に読み取られることはない。したがって、各面の情報を、確実に誤読なく読み込むことができる。
【0109】
また、本実施の形態の密着型エリアセンサ1では、画像読取体10・10は、画像読取センサ基板20の裏面にバックライト30を備えており、そのバックライト30は、赤(R)・緑(G)・青(B)の光をサブフレーム期間毎に順に点灯する。このため、原稿画像をカラーにて読み取ることができる。
【0110】
また、本実施の形態の密着型エリアセンサ1では、各画像読取体10・10にて読み取った全ての画像情報は、画像読取体10・10の少なくとも1個設けられるメモリチップ6に記憶される。そして、このメモリチップ6は、画像読取体10に対して着脱自在となっている。したがって、密着型エリアセンサ1と例えばパーソナルコンピュータとを絶えず接続しておく必要がないので、携帯性に優れる。また、密着型エリアセンサ1のみを携帯することによって、パーソナルコンピュータがなくても任意の場所で原稿画像を読み取ることができる。
【0111】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、ヒンジ部材40として、独自の構成を有するものを使用したが、特にこれに限定するものではない。
【0112】
例えば、図14(a)に示すように、ヒンジ部材として市販の蝶番50を使用することができる。これによって、図14(b)(c)に示すように、回動可能に連結された画像読取体10・10を容易に製造することができる。また、この場合には、図14(d)に示すように、互いの蝶番50を分離可能に構成することができる。これによって、離れた2枚の原稿を読み取る場合に便利である。
【0113】
さらに、本実施の形態では、接続線2は、例えば図6に示すように、外部に露出するものとなっていた。しかし、必ずしもこれに限らず、例えば、図15(a)(b)(c)に示すように、ヒンジ部材40に内蔵する構造とすることができる。すなわち、前記突出軸41・41及び長方形板44を円筒突出軸41a・41a及び円筒連結管44aにて構成したものとなっている。なお、この場合、円筒連結管44aは、2つのパーツに分かれており、重なり部分を有している。このため、1枚のシート状の原稿4又は厚手の本5であっても、自在に円筒連結管44aを伸縮してこれらの原稿4又は厚手の本5を読み取ることができる。
【0114】
この結果、図16(a)(b)に示すように、密着型エリアセンサ1を閉じたときや開いたときにおいて、接続線2が露出せず、見栄えがよいものとなる。
【0115】
また、本実施の形態の画像読取体10ではバックライト30が設けられているが、必ずしもこれに限らず、画像読取センサ基板20単独からなる画像読取体10であってもよい。このように、バックライト30を設けない場合は、外光を利用して画像を読み取ればよい。
【0116】
さらに、バックライト30を設けない場合は、画像読取センサ基板20の裏面側に、透過・遮光切り替え層を設けたほうが良い。
【0117】
具体的には、図17に示すように、画像読み取りセンサ基板20と、この画像読取センサ基板20の裏面側に設けられる透過・遮光切り替え層70とからなる画像読取体10とすることができる。
【0118】
この透過・遮光切り替え層70は、画像読み取りセンサ基板20に対して光を透過させる透光状態と、遮光状態にする状態とを切り替えるものであり、本発明の透光・遮光切り替え手段としての機能を有している。
【0119】
この透過・遮光切り替え層70としては、例えば、液晶ディスプレイのように、2枚のガラス板に透明電極を蒸着し、液晶材料を挟み込んで、封止し、両面に偏光フィルムを貼ったものを電気的に制御し、ON・OFFすることによって、透光・遮光を切り替える構成のものが考えられる。
【0120】
上記の密着型エリアセンサ1では、1枚の原稿4を画像読取体10・10にて両面から挟み込んだときに、一方の画像読取体10が画像情報を読み取るときには、他方の画像読取体10に設けられた透過・遮光切り替え層70を遮光状態にすることができる。
【0121】
したがって、1枚の原稿4の両面の画像情報を画像読取体10・10にて交互に読み取る場合に、原稿4の裏面からの透過光による、裏面情報の誤読を防止することができる。
【0122】
また、この密着型エリアセンサ1にて、通常のように、1枚の原稿4の片面を読み取る場合には、1枚の原稿4の上に画像読取体10・10を載置する。そして、このときには、透過・遮光切り替え層70を透光状態にしておく。
【0123】
これにより、画像読取体10・10の裏面側からの外光を利用して、原稿4の画像情報を読み取ることができる。
【0124】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図18に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0125】
本実施の形態では、図18に示すように、前記実施の形態におけるヒンジ部材40の代わりに、各画像読取体10・10の周辺部分に磁石60を取り付け、この磁力により、複数の画像読取体10・10を脱着可能にする。
【0126】
なお、本実施の形態においてはヒンジ部材40の代わりに画像読取体10・10の周辺部分に磁石60を取り付けているが、必ずしもこれに限らず、ヒンジ部材40を設けるとともに、さらに、磁石60を取り付けることが可能である。
【0127】
これにより、密着型エリアセンサ1を折り畳んだときには、磁力により確実に画像読取体10・10を密着状態に閉じておくことができる。
【0128】
また、磁石60により固定された画像読取体10・10は、それを容易に引き剥がすことができるので、画像読取体10・10を開いて画像を読み取ることができる。
【0129】
したがって、広範囲の画像情報を取得しつつ携帯性を向上し得る密着型エリアセンサ1を提供することができる。
【0130】
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的手段に含まれる。
【0131】
例えば、本実施の形態1及び実施の形態2においては、バックライト30は、発光ダイオード32であるとしていたが、必ずしもこれに限らず、EL(Electro Luminescence)を用いることも可能である。
【0132】
【発明の効果】
本発明の密着型エリアセンサは、以上のように、複数個のセンサ部をマトリクス状に配置して画像を読み取る画像読取センサ基板をそれぞれ有する複数の画像読取体と、上記複数の画像読取体を相互に接続するための可撓性を有する接続線とを備えているものである。
【0133】
それゆえ、従来、CCDイメージセンサにおいて必要であった光学系を用いることなく、画像情報を得ることができ、小型、薄型、軽量の密着型エリアセンサを提供することができる。また、画像読取のセンサ部がマトリクス状に配置されており、画像を平面的に読み取ることができるので、機械的なスキャンを必要とせず、読み取りも高速で行うことができる。
【0134】
さらに、各画像読取体は分離しているが、可撓性を有する接続線にて相互に接続されているので、広い範囲の画像を読み取る場合には、複数の画像読取体を原稿画像に当接させることによって、広い範囲の画像を同時に読み取ることができる。
【0135】
また、画像読取をしない場合には、各画像読取体は可撓性を有する接続線にて相互に接続されているので、各画像読取体を容易に重ねることができる。
【0136】
さらに、接続線は可撓性を有するので、各画像読取体をどのようにも組み合わせることができ、その結果、本のような厚い場合にも、両面読み取りが可能である。
【0137】
したがって、小型、薄型、軽量であり、かつ広範囲の画像情報を取得しつつ携帯性を向上し得る密着型エリアセンサを提供することができるという効果を奏する。
【0138】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記各画像読取体は、ヒンジ部材によって回動自在に連結されているものである。
【0139】
それゆえ、各画像読取体の連結状態を保持しながら、広範囲の情報の同時読み取りと、折り畳んだ状態での密着型エリアセンサの携帯を行うことができる。この結果、小型、薄型、軽量であり、かつ広範囲の画像情報を取得しつつ携帯性を向上し得る密着型エリアセンサを提供することができるという効果を奏する。
【0140】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記ヒンジ部材は、各画像読取体を脱着自在となっているものである。
【0141】
それゆえ、例えば、離れた原稿画像情報を読み取る場合には、各画像読取体を離脱させて、容易にその離れた原稿画像情報を読み取ることができるという効果を奏する。
【0142】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記ヒンジ部材は、このヒンジ部材にて連結されている相互の画像読取体の開き角度を直角に固定可能となっているものである。
【0143】
それゆえ、厚い本であっても、本の開き角度を90°に固定することにより、各頁を容易に平面状態にし、密着型エリアセンサが画像の全面について確実に密着されるようにして、情報の誤読を防止するという効果を奏する。
【0144】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記ヒンジ部材は、このヒンジ部材にて連結されている相互の画像読取体の開き角度を180度に固定可能となっているものである。
【0145】
それゆえ、ヒンジ部材を、相互の画像読取体の開き角度を180度となるように固定することにより、相互の画像読取体を同一平面となるように固定し、シート状原稿の情報を容易に読み取ることができるという効果を奏する。
【0146】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記ヒンジ部材は、各画像読取体の側面端部から突出する突出軸と、上記突出軸のそれぞれを貫通させるべく、長手方向に沿って線状に形成された長孔と長手方向に直角に形成された切欠きとを有する長方形板と、上記長孔に貫通された突出軸を、他方の画像読取体に形成された突出軸に引き寄せる弾性体とからなっているものである。
【0147】
それゆえ、このヒンジ部材では、例えば、2枚の画像読取体の間に原稿を挟持して原稿の両面を読み取ることができる。この場合、2枚の画像読取体は、弾性体によって原稿を押圧して挟持するので、画像読取体の原稿への密着性が確保される。また、この状態は、密着型エリアセンサを折り畳んだ状態でもあるので、密着型エリアセンサの携帯時において、各画像読取体を相互に分離しないようにして保持することができるという効果を奏する。
【0148】
さらに、本発明では、ヒンジ部材におけるこの長孔と弾性体との組み合わせにより、例えば2枚の画像読取体を開き角度90°又は開き角度180°に固定することができるという効果を奏する。
【0149】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記画像読取体には、各画像読取体を重ね合わせたときにこれら各画像読取体を着脱自在に固定する磁石が設けられているものである。
【0150】
それゆえ、密着型エリアセンサを折り畳んだときには、各画像読取体は磁石によって密着状態に固定される。一方、磁石により固定された画像読取体は、それを容易に引き剥がすことができるので、画像読取体を開いて画像を読み取ることができる。
【0151】
したがって、広範囲の画像情報を取得しつつ携帯性を向上し得る密着型エリアセンサを提供することができるという効果を奏する。
【0152】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記接続線は、ヒンジ部材に内蔵されているものである。
【0153】
それゆえ、接続線が露出しないので、見栄えの良い密着型エリアセンサを提供することができるという効果を奏する。
【0154】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記各画像読取体は、それぞれが独立に画像読み取り駆動可能となっているものである。
【0155】
それゆえ、一枚の原稿を挟持した場合において、片面のみの情報の読み取りを行うことができるという効果を奏する。
【0156】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記各画像読取体は、順に画像読み取り駆動可能となっているものである。
【0157】
それゆえ、両面の情報が同時に読み取られることはない。したがって、各面の情報を、確実に誤読なく読み込むことができるという効果を奏する。
【0158】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記画像読取体は、画像読取センサ基板の裏面にバックライトを備え、上記バックライトは、赤、緑、青の光をサブフレーム期間毎に順に点灯するものである。
【0159】
それゆえ、原稿画像をカラーにて読み取ることができるという効果を奏する。
【0160】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記画像読取体の少なくとも1個には、各画像読取体にて読み取った全ての画像情報を記憶するための記憶手段が着脱自在に設けられているものである。
【0161】
それゆえ、密着型エリアセンサと例えばパーソナルコンピュータとを絶えず接続しておく必要がないので、携帯性に優れる。また、密着型エリアセンサのみを携帯することによって、パーソナルコンピュータがなくても任意の場所で原稿画像を読み取ることができるという効果を奏する。
【0162】
また、本発明の密着型エリアセンサは、上記密着型エリアセンサにおいて、前記画像読取体は、前記画像読取センサ基板の裏面に、透光と遮光とを切り替える透光・遮光切り替え手段を備えているものである。
【0163】
それゆえ、1枚の原稿の両面を各画像読取体にて挟んで画像情報を読み取る場合に、一方の画像読取体にて画像情報を読み取るときには、他方の画像読取体における裏面の透光・遮光切り替え手段を遮光状態にすることができる。
【0164】
したがって、1枚の原稿を両面から挟んで画像情報を読み取る場合に、原稿の裏面からの透過光による、裏面情報の誤読を防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における密着型エリアセンサの実施の一形態を示す平面図である。
【図2】着脱自在のメモリチップを備えた密着型エリアセンサを示す斜視図である。
【図3】上記密着型エリアセンサにおける画像読取体の構成を示す断面図である。
【図4】上記画像読取体に設けられたバックライトの発光ダイオードの構成を示す斜視図である。
【図5】上記バックライトにおける3色の発光ダイオードの点灯動作をしめすタイミングチャートである。
【図6】上記2枚の画像読取体の閉じた状態を示す斜視図である。
【図7】上記画像読取体を示す平面図である。
【図8】上記画像読取体の側面に設けられたヒンジ部材の構成を示す側面図である。
【図9】上記ヒンジ部材の構造を示す斜視図である。
【図10】上記ヒンジ部材におけるスプリングの他の取り付け状態を示す側面図である。
【図11】(a)は上記ヒンジ部材にて連結されている相互の画像読取体の開き角度を180度に固定した密着型エリアセンサを示す要部側面図であり、(b)は相互の画像読取体の開き角度を180度に固定して原稿を読み取る密着型エリアセンサを示す斜視図である。
【図12】(a)は上記ヒンジ部材にて連結されている相互の画像読取体の開き角度を90度に固定した密着型エリアセンサを示す要部側面図であり、(b)は相互の画像読取体の開き角度を90度に固定して原稿を読み取る密着型エリアセンサを示す斜視図である。
【図13】上記ヒンジ部材にて連結されている相互の画像読取体を閉じて原稿を挟持することにより、本の1枚の両面を読み取る密着型エリアセンサを示す斜視図である。
【図14】(a)は他のヒンジ部材を示す斜視図、(b)は上記他のヒンジ部材を取り付けた密着型エリアセンサの閉じた状態を示す斜視図、(c)は上記他のヒンジ部材を取り付けた密着型エリアセンサの半開きにした状態を示す斜視図、(d)は相互に分離可能となる他のヒンジ部材を示す斜視図である。
【図15】(a)はさらに他のヒンジ部材を示す斜視図、(b)は上記ヒンジ部材の内部構造を示す透視図、(c)は上記他のヒンジ部材を上から見た断面図である。
【図16】(a)は上記ヒンジ部材を取り付けた密着型エリアセンサの閉じた状態を示す斜視図、(b)は上記ヒンジ部材を取り付けた密着型エリアセンサの開いた状態を示す斜視図である。
【図17】上記密着型エリアセンサの変形例を示すものであり、バックライトに代えて、透過・遮光切り替え層を備えた密着型エリアセンサを示す断面図である。
【図18】本発明における密着型エリアセンサの他の実施の形態を示すものであり、磁石を取り付けた密着型エリアセンサを示す平面図である。
【符号の説明】
1 密着型エリアセンサ
2 接続線
4 原稿
6 メモリチップ(記憶手段)
10 画像読取体
20 画像読取センサ基板
24 センサ部
30 バックライト
32 発光ダイオード
40 ヒンジ部材
41 突出軸
42 長孔
43 切欠き
44 長方形板
45 スプリング(弾性体)
50 蝶番(ヒンジ部材)
60 磁石
70 透過・遮光切り替え層(透光・遮光切り替え手段)
Claims (13)
- 複数個のセンサ部をマトリクス状に配置して画像を読み取る画像読取センサ基板をそれぞれ有する複数の画像読取体と、
上記複数の画像読取体を相互に接続するための可撓性を有する接続線とを備えていることを特徴とする密着型エリアセンサ。 - 前記各画像読取体は、ヒンジ部材によって回動自在に連結されていることを特徴とする請求項1記載の密着型エリアセンサ。
- 前記ヒンジ部材は、各画像読取体を脱着自在となっていることを特徴とする請求項2記載の密着型エリアセンサ。
- 前記ヒンジ部材は、このヒンジ部材にて連結されている相互の画像読取体の開き角度を直角に固定可能となっていることを特徴とする請求項2記載の密着型エリアセンサ。
- 前記ヒンジ部材は、このヒンジ部材にて連結されている相互の画像読取体の開き角度を180度に固定可能となっていることを特徴とする請求項2記載の密着型エリアセンサ。
- 前記ヒンジ部材は、
各画像読取体の側面端部から突出する突出軸と、
上記両突出軸に架け渡され、かつ突出軸のそれぞれを貫通させるべく架け渡し方向に沿って線状に形成された長孔と架け渡し方向に直角に形成された切欠きとを有する長方形板と、
上記長孔に貫通された突出軸を、他方の画像読取体に形成された突出軸に引き寄せる弾性体とからなっていることを特徴とする請求項4又は5記載の密着型エリアセンサ。 - 前記画像読取体には、各画像読取体を重ね合わせたときにこれら各画像読取体を着脱自在に固定する磁石が設けられていることを特徴とする請求項1記載の密着型エリアセンサ。
- 前記接続線は、ヒンジ部材に内蔵されていることを特徴とする請求項2記載の密着型エリアセンサ。
- 前記画像読取体は、それぞれが独立に画像読み取り駆動可能となっていることを特徴とする請求項1記載の密着型エリアセンサ。
- 前記各画像読取体は、順に画像読み取り駆動可能となっていることを特徴とする請求項1記載の密着型エリアセンサ。
- 前記画像読取体は、前記画像読取センサ基板の裏面にバックライトを備え、
上記バックライトは、赤、緑、青の光をサブフレーム期間毎に順に点灯することを特徴とする請求項1記載の密着型エリアセンサ。 - 前記画像読取体の少なくとも1個には、各画像読取体にて読み取った全ての画像情報を記憶するための記憶手段が着脱自在に設けられていることを特徴とする請求項1記載の密着型エリアセンサ。
- 前記画像読取体は、前記画像読取センサ基板の裏面に、透光と遮光とを切り替える透光・遮光切り替え手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の密着型エリアセンサ。
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