JP4508783B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
本実施の形態に係る電動パワーステアリング装置1の全体正面図を図1に、上面図を図2に、同内部構造を示す正面図を図3に示す。
同ステアリングギヤボックス6には、ステアリングホイール(図示せず)が一体に取付けられたステアリング軸にジョイントを介して連結される入力軸7が軸受を介して回動自在に軸支されており、入力軸7はステアリングギヤボックス6内でトーションバー8を介して相対的なねじり可能に操舵ピニオン軸9と連結されている。
したがって、ステアリングホイールの回動操作により入力軸7に伝達された操舵力は、トーションバー8を介して操舵ピニオン軸9を回動して操舵ピニオン軸9のはす歯9aとラック歯3aの噛合によりラック軸3を左右軸方向に摺動させる。
該モータ10は、ボールネジ3bが刻設されたラック軸3の外周を環状のインナロータ11が回転し、その外側にアウタステータ12がモータケース2aの内周面に周設されて設けられている。
したがって、モータ10が駆動されインナロータ11が回転すると、一体にボールナット部材14が回転し、ボールナット部材14とボールを介して螺合するラック軸3を左右に摺動して操舵力をアシストすることができる。
モータケース2aとステアリングギヤボックス6は、共にハウジング2bに隣接し、ハウジング2bとともに共通空間を形成しており、小型コンパクトな構造である。
したがって、モータ10と制御基板20は、ラックケース2の一部(隣接するモータケース2aとハウジング2b)に隣り合って収容されている。
制御基板20は、ハウジング2bの開口21に対向する底面から突出形成される複数の取付ボスの先端面に取付けられ、その前方を前面カバー23により覆われる。
このトルクセンサ30の概略構成図を図4に示す。
該2個のコイル35,36は、コア33の軸方向の移動中心に関して互いに反対側に配置されている。
この回転方向の相対的変位は、スライダピン34とスパイラル溝33aとの係合を介してコア33を軸方向に摺動させる。
コア33を囲む面積が大きくなると、磁気損失が増えコイルのインダクタンスは減り、逆にコア33を囲む面積が小さくなると、磁気損失が減りコイルのインダクタンスは増す。
なお、図5は、モータ10を駆動制御する制御回路の概略構成図であり、前記制御基板20上に構成され、トルク検出回路40は、その一部を構成する。
トランジスタ39は、コレクタ端子に定電圧が掛かり、ベース端子には交流電圧が入力される。
差動アンプ46には、抵抗45により負帰還がかけられて差動増幅器として機能し、その出力は、トルク検出電圧VtとしてCPU60に入力される。
なお差動アンプ46の非反転入力端子には、バイアス電圧V0が入力される。
すなわちトルク検出電圧Vtは、
Vt=(V2−V1)・A+V0
である。
図6において示された座標は、縦軸を電圧とし、横軸右方向を右操舵トルク、横軸左方向を左操舵トルクとして原点0が中立点である。
したがって両者の差をA倍してバイアス電圧を加えた差動アンプ46の出力であるトルク検出電圧Vtは、図6(2)に示すように中立点でバイアス電圧V0を通る右上がりの傾斜線となる。
トルク検出電圧Vtは、CPU60に出力され、CPU60は、トルク検出電圧Vtに基づき操舵トルクに応じたモータ制御の指示信号をモータドライバ17に出力し、モータドライバ17によりステアリングを補助するモータ10が駆動され、操舵トルクに応じたモータ10の駆動制御がなされる。
第1電圧V1と第2電圧V2の互いの電圧差からトルク検出電圧Vtを求めているので、各コイル35,36自体の温度変化は互いに相殺されてトルク検出電圧Vtに殆ど影響を与えないが、トルクセンサ30のコア33やスライダピン34等の構造部品やステアリングギヤボックス6の熱膨張による歪みは第1,第2電圧V1,V2にそれぞれ別個に影響し、よってトルク検出電圧Vtが変動して正確なトルクが得られない。
また、各種機能素子を組み合わせた温度検出回路が不要であり、制御基板20の基板サイズを小さく維持できる。
このCPU60の作業を機能ごとにブロック化して示したブロック図を図7に示し、以下説明する。
すなわち基板温度Tbは、トルクセンサ30の雰囲気温度とみなして、同基板温度Tbの基準温度Tsからの温度変化量Tb−Tsに換算係数rを掛けて電圧に換算し温度補正値dV(=(Tb−Ts)・r)とする。
目標電流抽出手段62は、予め求めておいた制御用トルクおよび車速に対する最適な目標電流Ioの関係に、求められた制御用トルクVt−dVを照らして目標電流Ioを抽出し、補正目標電流演算手段63に出力する。
同図8のグラフにおいて、モータ温度(横軸)に対してトルク定数(縦軸)は、右上がりの折れ線を示している。
図9の補正係数qのグラフは、トルク定数の温度変化を、温度に関係なく所定のトルク定数に一定に保つべく、温度に対して補正係数qが、図8のグラフとは反対に右下がりの折れ線となっている。
算出された補正目標電流Iqは、最終目標電流演算手段64に出力される。
したがって、電機子電流値Imの2乗の積算値に温度換算係数を乗算して推定上昇温度Tmを演算することができる。
ここに、Imaはモータ電流積算基準値であり、Wms(n−1)は前回の積算値、Wms(n)は今回の積算値である。
この雰囲気温度推定手段69には、サーミスタ50が検出する基板温度Tbが別途入力されており、雰囲気温度推定手段69は、この基板温度Tbに推定上昇温度Tmを加算してステアリングギヤボックス6とラックケース2の共通空間のこれからなるであろう雰囲気温度Tev(=Tb+Tm)を推定する。
雰囲気温度Tevがある抑制開始温度tまでは、目標電流抑制値pは1.0である。
雰囲気温度Tevが抑制開始温度tを越えると、目標電流抑制値pは1.0から漸次減少する。
なお、制御基板20と同じ共通空間内にあるモータ10についてもその発熱による焼損を防止することが可能である。
制御基板20に設けられるサーミスタ50は、ステアリングギヤボックス6とラックケース2の共通空間にあって、サーミスタ50が検出する基板温度Tbは、制御基板20の熱破壊を防止し、トルクセンサ30の雰囲気温度とみなしてトルクセンサ30の温度補償に用いられる。
したがって、モータ10の温度を直接検出する専用の温度センサを別途設ける必要がなく、その温度センサの取付けに伴う部品も不要で、部品点数を少なくしてコストの低減を図ることができる。
10…モータ、11…インナロータ、12…アウタステータ、13…接続スリーブ、14…ボールナット部材、15…軸受、17…モータドライバ、18…電流検出装置、
20…制御基板、21…前面開口、22…合わせ面、23…前面カバー、
30…トルクセンサ、31,32…ベアリング、33…コア、34…スライダピン、35,36…コイル、37,38…抵抗、39…トランジスタ、40…トルク検出回路、41a,41b…電圧信号線、42a,42b…コンデンサ、43a,43b…平滑回路、44a,44b…抵抗、45…抵抗、46…差動アンプ、
50…サーミスタ、
60…CPU、61…制御用トルク演算手段、62…目標電流抽出手段、63…補正目標電流演算手段、64…最終目標電流演算手段、65…電流フィードバック制御手段、66…トルクセンサ温度補正値演算手段、67…補正係数演算手段、68…推定上昇温度演算手段、69…雰囲気温度推定手段、70…目標電流抑制値抽出手段。
Claims (2)
- ステアリング側に連結された操舵ピニオンと噛合うラック軸の摺動により操舵輪が転舵されるとともにステアリング側の操舵トルクに応じて駆動制御されるモータの動力が伝達機構を介して前記ラック軸の摺動に伝達されて操舵が補助される電動パワーステアリング装置において、
前記ラック軸を摺動自在に収容するラックケースの一部に前記モータおよび同モータを駆動制御する制御基板が隣り合って収容され、
前記制御基板の温度を検出する制御基板温度検出手段と、
前記制御基板温度検出手段が検出した前記制御基板の基板温度に予め決められたトルクセンサの温度補償用の基準温度および換算係数を適用してトルクセンサの温度補償用の温度補正値を算出するトルクセンサ温度補正値演算手段と、
前記トルクセンサの検出信号と前記トルクセンサ温度補正値演算手段が算出した温度補正値とに基づき前記モータを駆動制御する目標電流を算出する目標電流演算手段と、
トルク定数を温度補償するモータ温度に対する前記目標電流の補正係数の予め設定した対応関係から前記制御基板温度検出手段が検出した前記制御基板の温度をモータ温度として対応する補正係数を算出する補正係数演算手段と、
前記目標電流演算手段が算出した目標電流を前記補正係数演算手段が算出した補正係数により補正して補正目標電流を算出する補正演算手段と、
前記モータの電機子電流値から上昇温度を推定する推定上昇温度演算手段と、
前記制御基板温度検出手段が検出した前記制御基板の基板温度に前記推定上昇温度演算手段が演算した推定上昇温度を加算して雰囲気温度を推定する雰囲気温度推定手段と、
雰囲気温度に対する目標電流抑制値を予め決めた対応関係に前記雰囲気温度推定手段が推定した雰囲気温度を照らして対応する目標電流抑制値を抽出する目標電流抑制値抽出手段と、
前記補正演算手段が補正した補正目標電流を前記目標電流抑制値抽出手段により抽出された目標電流抑制値により抑制して最終的に前記モータを駆動制御する最終目標電流を算出する最終目標電流演算手段と、
を備える電動パワーステアリング装置。 - 前記制御基板温度検出手段が、前記制御基板に設けられたサーミスタであることを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
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