JP4508306B2 - 車両用パワーユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クランクケースと変速ケースとを一体化した車両用パワーユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
Vベルト式自動変速機を備えた車両用パワーユニットは、従来特開平1−182184号公報等にあるように一般にクランク軸を車体左右幅方向に指向させて横置きに内燃機関が車両に搭載され、クランクケースと変速ケースを一体としたユニットケースの左右いずれか一側にVベルト式自動変速機が配設され、クランク軸の一端にドライブプーリが設けられ、その後方に変速機側のドリブンプーリ軸が設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
Vベルト式自動変速機のドライブプーリ軸(前記公報記載の例ではクランク軸)に対して同じ高さで後方位置にドリブンプーリ軸があり、Vベルトは前後に長尺に架渡される。
したがってユニットケースの前後長が長く、車両用パワーユニットが大型化していた。
【0004】
なお横置き内燃機関においては4輪駆動車に搭載する場合、前輪と後輪に動力を伝達するプロペラシャフトを回転させるのに、ベベルギア等の回転伝達部材が多く必要となり、大幅なコスト高及び重量増となる。
【0005】
本発明は、斯かる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、小型化及び軽量化を図ったVベルト式自動変速機を備えた車両用パワーユニットを供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
上記目的を達成するために、本発明は、内燃機関のクランクケースと変速ケースとをユニットケースとして一体化し、該ユニットケースに軸支されたクランク軸および変速機軸群を車両の略中央部に搭載する車両用パワーユニットにおいて、前記内燃機関は、クランク軸を車体前後方向に指向させて縦置きに車両に搭載され、前記クランク軸の一側方に位置してVベルト式自動変速機を配置するとともに、前記Vベルト式自動変速機のドライブプーリ軸を前記クランク軸の斜め下方に前記クランク軸に対して独立して設け、前記Vベルト式自動変速機のドリブンプーリ軸をクランク軸センターより上方の略直立したシリンダの側部に設け、前記クランク軸に対して車体左右方向の一方に前記ドライブプーリ軸を、他方に前記ドリブンプーリ軸を配設し、前記クランク軸の軸方向視で前記ドライブプーリ軸と前記ドリブンプーリ軸の中心を結ぶ線が前記クランク軸の下方を通る車両用パワーユニットとした。
【0007】
クランク軸センターより上方であって略直立したシリンダの側部にドリブンプーリ軸が位置するので、クランク軸センターとドリブンプーリ軸が上下斜め位置関係にあって両者の水平方向距離を小さくしクランク軸と変速機軸群をコンパクトにまとめてユニットケースを小型軽量化し、車両用パワーユニットの小型化及び軽量化を図ることができる。
【0009】
本車両用パワーユニットを車両に搭載する場合、プロペラシャフトを回転させるのに、ベベルギア等の回転伝達部材が不要であり、特に4輪駆動車に搭載する場合には回転伝達部材が不要であることは、大幅なコストの削減及び軽量化を図ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係る一実施の形態について図1乃至図3に図示し説明する。
本実施の形態に係る車両用パワーユニット1は、4サイクル1気筒の内燃機関2を備え、荒地走行用4輪駆動車の概ね車体中央にクランク軸を車体前後方向に指向させて縦置きに搭載される。
【0011】
該車両用パワーユニット1の前面図を図1に示し、その内部構成を示した前面図を図2に、その展開図を図3に図示する。
クランクケースと変速ケースとが一体にユニットケース3として形成されており、クランクケース部3aから若干傾いてシリンダスリーブ4が略直立しており、同シリンダスリーブ4を保持するシリンダブロック5にシリンダヘッド6,シリンダヘッドカバー7が重ねられ合体されている。
【0012】
図2を参照してシリンダヘッド6およびシリンダヘッドカバー7内には動弁機構25が設けられている。
シリンダスリーブ4内を往復動するピストン8とクランク軸10とを連接棒9が連結している。
クランク軸10には、ACジェネレタ11及びリコイルスタータ12が設けられるとともに、スタータモータ13の駆動力がギア列14を介して伝達されるようになっている(図3参照)。
【0013】
車体の前後方向に指向するクランク軸10の下方若干右寄りに平行にバランサ軸15が軸支されており、ギア16とギア17との噛合を介してクランク軸10の回転がバランサ軸15の回転に伝達される。
前後方向に指向したバランサ軸15の前部にクラッチ18を介してVベルト式自動変速機20のドライブプーリ21が回転自在に軸支されている。
【0014】
一方クランク軸15より上方で若干傾き略直立したシリンダブロック5の左側部位置(図2の前面図では右側部位置)にあって変速機30の入力軸である主軸31が、前後方向に指向してユニットケース3に回転自在に軸支されており、同主軸31の右端に一体に軸支されてVベルト式自動変速機20のドリブンプーリ22が設けられている。
前記ドライブプーリ21とドリブンプーリ22との間にVベルト23が架渡されてVベルト式自動変速機20を構成している。
【0015】
ユニットケース2は、前後割のケースを合体するもので、前側ユニットケース2の前面より突出したバランサ軸15,主軸31の前部にドライブプーリ21とドリブンプーリ22が軸支されてVベルト式自動変速機20が、車両用パワーユニット1の前部に設けられており、このVベルト式自動変速機20を前方からベルトケース24が覆っている。
【0016】
ドライブプーリ21はクランク軸10より右斜め下方に位置するバランサ軸15に軸支され、ドリブンプーリ22はクランク軸10の左斜め上方に位置する主軸31に軸支されるために、前面視で長円状をしたベルトケース24は、図1に図示するように斜めに傾斜した姿勢でユニットケース3に取り付けられる。
【0017】
図2を参照して変速機30は、主軸31より下方に変速機軸群を配して構成され、ユニットケース3内においてまず主軸31に隣り合って下方に副軸32が平行に軸支され、さらに副軸32の下方に出力軸33が平行に軸支されている。
そして副軸32と出力軸33から左方略等距離位置にリバース軸34が軸支され、副軸32とリバース軸34から左斜め上方向略等距離位置にシフトドラム35が設けられ、シフトドラム35から副軸32とリバース軸34にシフトフォーク36,37が延びている。
【0018】
図3を参照して主軸31の回転は、ギア40,41の噛合を介して副軸32の回転に伝達され、副軸32にスプライン嵌合したシフトギア42のシフトフォーク36による移動でギア43,45の噛合またはギア44,46の噛合のいずれかに副軸32の回転を伝達して出力軸33を正回転するか中立位置にあってシフトギア42とリバース軸34のギア47と噛合させているか切り替え設定する。
【0019】
シフトギア42とギア47とが噛合してリバース軸34が回転した状態で、リバース軸34にスプライン嵌合したドグクラッチ48のシフトフォーク37による移動で回転自在に支持されたギア49に回転を伝達するか否かを切り替え設定する。
ギア49に回転が伝達されたときは、同ギア49と噛合するギア50を介して出力軸33を逆回転させる。
【0020】
以上の変速機軸群は、クランク軸10より前方であってユニットケース3内の左側に寄った位置に配設されている。
内燃機関2の駆動でクランク軸10が回転すると、ギア16とギア17との噛合を介してバランサ軸15が回転し、クラッチ18を介してドライブプーリ21が回転すると、その回転速度に応じたVベルト式自動変速機20の自動変速を受けてドリブンプーリ22が主軸31とともに回転し、主軸31の回転が上記変速機30のギア群を介して出力軸33を正回転または逆回転させる。
【0021】
以上のような構造をした本車両用パワーユニット1は、Vベルト式自動変速機20を前側にしクランク軸10を前後方向に指向させて縦置きに4輪駆動車の車体中央位置に搭載される。
本車両用パワーユニット1自体は、略直立したシリンダ下方のクランク軸10に対して下方にドライブプーリ21を備えるバランサ軸15が位置し、前方左寄りに変速機軸群が位置し、変速機軸群のうちドリブンプーリ22を備える主軸31が最も高くクランク軸10の左上方に位置する(図2参照)。
【0022】
ドライブプーリ21を備えるバランサ軸15とドリブンプーリ22を備える主軸31とは、上下斜め位置関係にあって両者の水平方向距離は小さく、このバランサ軸15と主軸31との間にクランク軸10及び変速機軸群がコンパクトにまとめられてユニットケース3に収容されていている。
したがってユニットケース3を小型軽量化し、車両用パワーユニット1の小型化及び軽量化を図ることができる。
【0023】
本車両用パワーユニット1は、縦置きに4輪駆動車の車体中央位置に搭載されるので、出力軸33は前後方向に指向しており、前後の駆動輪に動力を伝達するのに、ベベルギア等の回転伝達部材を必要とせず、大幅なコストの削減及び軽量化を図ることができる。
【0024】
本実施の形態に係る車両用パワーユニット1は、ドライブプーリ21がバランサ軸15に設けられたが、クランク軸上にドライブプーリを配設する構成も考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る車両用パワーユニットの前面図である。
【図2】同車両用パワーユニットの内部構成を示した前面図である。
【図3】同展開図である。
【符号の説明】
1…車両用パワーユニット、2…内燃機関、3…ユニットケース、4…シリンダスリーブ、5…シリンダブロック、6…シリンダヘッド、7…シリンダヘッドカバー、8…ピストン、9…連接棒、
10…クランク軸、11…ACジェネレータ、12…リコイルスタータ、13…スタータモータ、14…ギア列、15…バランサ軸、16,17…ギア、18…クラッチ、
20…Vベルト式自動変速機、21…ドライブプーリ、22…ドリブンプーリ、23…Vベルト、24…ベルトケース、25…動弁機構、
30…変速機、31…主軸、32…副軸、33…出力軸、34…リバース軸、35…シフトドラム、36,37…シフトフォーク、
40,41…ギア、42…シフトギア、43,44,45,46,47…ギア、48…ドグクラッチ、49,50…ギア。
Claims (2)
- 内燃機関のクランクケースと変速ケースとをユニットケースとして一体化し、該ユニットケースに軸支されたクランク軸および変速機軸群を車両の略中央部に搭載する車両用パワーユニットにおいて、
前記内燃機関は、クランク軸を車体前後方向に指向させて縦置きに車両に搭載され、
前記クランク軸の一側方に位置してVベルト式自動変速機を配置するとともに、
前記Vベルト式自動変速機のドライブプーリ軸を前記クランク軸の斜め下方に前記クランク軸に対して独立して設け、
前記Vベルト式自動変速機のドリブンプーリ軸をクランク軸センターより上方の略直立したシリンダの側部に設け、
前記クランク軸に対して車体左右方向の一方に前記ドライブプーリ軸を、他方に前記ドリブンプーリ軸を配設し、
前記クランク軸の軸方向視で前記ドライブプーリ軸と前記ドリブンプーリ軸の中心を結ぶ線が前記クランク軸の下方を通ることを特徴とする車両用パワーユニット。 - 前記ドリブンプーリ軸に支持される固定プーリおよび前記変速機軸群を前記Vベルト式自動変速機のVベルトに対して車体前後方向の前記クランク軸側に配置し、
前記ドライブプーリ軸に支持される可動プーリおよびクラッチを前記Vベルトに対して車体前後方向の前記クランク軸側に配置したことを特徴とする請求項1記載の車両用パワーユニット。
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Family Applications (1)
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1999
- 1999-01-19 JP JP01039999A patent/JP4508306B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2000203292A (ja) | 2000-07-25 |
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